特許第6192619号(P6192619)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ デンヨー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6192619-エンジン駆動作業機 図000002
  • 特許6192619-エンジン駆動作業機 図000003
  • 特許6192619-エンジン駆動作業機 図000004
  • 特許6192619-エンジン駆動作業機 図000005
  • 特許6192619-エンジン駆動作業機 図000006
  • 特許6192619-エンジン駆動作業機 図000007
  • 特許6192619-エンジン駆動作業機 図000008
  • 特許6192619-エンジン駆動作業機 図000009
  • 特許6192619-エンジン駆動作業機 図000010
  • 特許6192619-エンジン駆動作業機 図000011
  • 特許6192619-エンジン駆動作業機 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6192619
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】エンジン駆動作業機
(51)【国際特許分類】
   F02B 77/13 20060101AFI20170828BHJP
   F02B 63/00 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   F02B77/13 R
   F02B63/00 B
   F02B63/00 C
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-170004(P2014-170004)
(22)【出願日】2014年8月25日
(65)【公開番号】特開2016-44616(P2016-44616A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2016年6月7日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000109819
【氏名又は名称】デンヨー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100963
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 陽男
(72)【発明者】
【氏名】溝上 洋司
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 研吾
(72)【発明者】
【氏名】折笠 傑
【審査官】 佐藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−219704(JP,A)
【文献】 特開2012−219705(JP,A)
【文献】 実開昭57−115922(JP,U)
【文献】 特開2000−248959(JP,A)
【文献】 特開2012−036800(JP,A)
【文献】 特開2010−249087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 63/00、04
F02B 77/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
防音ケース内にエンジン及び該エンジンにより駆動される作業機本体が配設され、前記作業機本体の上側空間に前記エンジン用の燃料タンクが配設され、前記防音ケースは作業機基台の上に配置されていて、該作業機基台の中には、上方が開口していて内部に液体を貯留可能な漏洩液貯留部が設けられたエンジン駆動作業機であって、
前記燃料タンクの上面に給油口を設け、該給油口の周囲を囲むように有底の環状壁を設け、前記作業機基台の上面に着脱自在に燃料受け容器を設け、該燃料受け容器は、前記作業機基台の上面に設けた容器支持枠に挿入することにより保持し、該燃料受け容器には、その前面から突出するようにスタッドボルトを設け、前記容器支持枠には、上方に開口して前記スタッドボルトを挿通可能なU溝を設け、該U溝に前記スタッドボルトを挿入しながら、前記容器支持枠に前記燃料受け容器を挿入した状態で前記スタッドボルトに蝶ナットを締め付けて、前記容器支持枠に前記燃料受け容器を固定するようにし、一端が前記環状壁と前記給油口との間にできる内部空間の底部に連通し、他端が前記燃料受け容器に挿入されるように燃料排出ホースを設け、前記環状壁内にこぼれた燃料が、直接前記燃料受け容器に導かれ、前記漏洩液貯留部には入らないようにしたことを特徴とするエンジン駆動作業機。
【請求項2】
前記燃料受け容器の上方開口部を横切るように取手を設け、前記燃料排出ホースは、先端より手前の部分を前記防音ケース内の構造部分に固定し、先端部を前記燃料受け容器の壁面と前記取手との間に挿入して保持するようにしたことを特徴とする請求項に記載のエンジン駆動作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として屋外で使用されるエンジン駆動発電機,エンジン駆動溶接機,エンジン駆動コンプレッサ等のエンジン駆動作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
屋外の建設工事等で使用されるエンジン駆動作業機は、例えば、特許文献1に示されるように、図10に示すような、金属製の防音ケース1内に発電機,溶接機,コンプレッサ等の作業機本体11及び該作業機本体を駆動するためのエンジン12が収納されている。そして、作業機の運転中には、作業機本体11,エンジン12及びその熱交換器等が発熱するため、内部でエンジンファン13を回転させ、外気を吸気口から取り込み、それを防音ケース1内に流して各部を冷却した後、外部へ排出する。
【0003】
このようなエンジン駆動作業機では、内部で多量の燃料,エンジンオイルを用いており、故障や誤操作等によりそれらの燃料やエンジンオイルが外部に漏れ出ると、周囲の環境を害してしまう。そのため、エンジン駆動作業機の下部に漏洩液貯留部2を設けて、エンジンや作業機本体等から燃料やエンジンオイルが漏れ出ることがあっても、それらを漏洩液貯留部2に溜めておいて、燃料やエンジンオイル等が外部に漏れ出ることがないようにしている。
【0004】
漏洩液貯留部2は、燃料,エンジンオイル等の漏洩液を受けて貯留しておけるような箱形容器となっており、その内部には、幅方向に延びるガイド壁21〜23が設けられており、下側には移動用の車輪24が設けられている。一方、防音ケース1は、作業機基台14の上に設けられており、作業機基台14の下側には、矩形の枠体15,16が設けられている。そして、それらの枠体15,16を漏洩液貯留部2の側壁とガイド壁21の間、及びガイド壁22とガイド壁23の間に挿入することにより、漏洩液貯留部2の上に防音ケース1を安定的に固定するようにしている。
【0005】
防音ケース1の上面中央部には、エンジン駆動作業機の幅方向に凹溝17が設けられていて、凹溝17の長さ方向中央部には、移動時等にワイヤを掛けてエンジン駆動作業機を吊り上げるための吊り金具18が設けられている。
【0006】
ところで、エンジン駆動作業機では、一般に、作業機本体11の高さはエンジン12の高さよりも低く、防音ケース1内で、作業機本体11の上部には比較的広い空間が存在していた。そこで、このエンジン駆動作業機では、燃料タンク3を作業機本体11の上に配置することにより、空間を有効に利用して、エンジン駆動作業機のコンパクト化を図っている。
【0007】
図11に示すように、燃料タンク3は、上面に給油口3aが設けられており、その給油口3aの周りを囲むように、有底の内側環状壁3bと外側環状壁3cが設けられていて、給油口3aと内側環状壁3bを覆うように蓋3dが設けられている。また、給油口3aと内側環状壁3bの間に形成される内部空間の底部には、開口部が形成され、それに排出管3fが接続されていて、その排出管3fの他端部は、漏洩液貯留部2に案内されている。
【0008】
そして、燃料タンク3に燃料を注入する際に、燃料が給油口3aの周りにこぼれ出しても、こぼれた燃料は、給油口3aと内側環状壁3bの間に形成される内部空間で受け止められ、そこから排出管3fを通して漏洩液貯留部2に導かれ、そこに貯められる。
【0009】
このようにすれば、燃料タンク3への給油時に給油口3aから燃料がこぼれることがあっても、こぼれた燃料がエンジン等の高温部材に接して火災等が発生することもなく、機外に漏れ出て環境を害することもなくなる。
【0010】
また、蓋3dと外側環状壁3cの隙間から雨水が入り込むことがあっても、外側環状壁3cと内側環状壁3bの間に形成される空間で雨水が受け止められ、該空間と前記凹溝17との間に設けられた導水部を通って、凹溝17に排出され、凹溝17を通して外部に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2012−219704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記従来のエンジン駆動作業機では、給油口3aからこぼれた燃料は、すべて排出管3fを通して漏洩液貯留部2に導かれ貯められるため、漏洩液貯留部2内の漏洩液の量が多くなって、漏洩液貯留部2を清掃する際に漏洩液の排出に時間がかかり、手間もかかるという問題点があった。すなわち、漏洩液貯留部2を清掃する際に、燃料,エンジンオイル,雨水等の漏洩液をドレンから排出し、漏洩液貯留部2と作業機基台14とを分離してから漏洩液貯留部2の内部を清掃しなければならず、漏洩液が多いと排出に時間がかかり、手間もかかるのである。また、漏洩液貯留部2の中に油分が多くなるほど清掃に手間がかかる。
【0013】
本発明は、そのような問題点に鑑み、漏洩液貯留部2に貯まる漏洩液の量を少しでも減らすとともに、漏洩液中の油分を少なくして漏洩液貯留部2を清掃する際の手間をできるだけ軽減することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するため、本願の請求項1にかかる発明は、防音ケース内にエンジン及び該エンジンにより駆動される作業機本体が配設され、前記作業機本体の上側空間に前記エンジン用の燃料タンクが配設され、前記防音ケースは作業機基台の上に配置されていて、該作業機基台の中には、上方が開口していて内部に液体を貯留可能な漏洩液貯留部が設けられたエンジン駆動作業機であって、前記燃料タンクの上面に給油口を設け、該給油口の周囲を囲むように有底の環状壁を設け、前記作業機基台の上面に着脱自在に燃料受け容器を設け、該燃料受け容器は、前記作業機基台の上面に設けた容器支持枠に挿入することにより保持し、該燃料受け容器には、その前面から突出するようにスタッドボルトを設け、前記容器支持枠には、上方に開口して前記スタッドボルトを挿通可能なU溝を設け、該U溝に前記スタッドボルトを挿入しながら、前記容器支持枠に前記燃料受け容器を挿入した状態で前記スタッドボルトに蝶ナットを締め付けて、前記容器支持枠に前記燃料受け容器を固定するようにし、一端が前記環状壁と前記給油口との間にできる内部空間の底部に連通し、他端が前記燃料受け容器に挿入されるように燃料排出ホースを設け、前記環状壁内にこぼれた燃料が、直接前記燃料受け容器に導かれ、前記漏洩液貯留部には入らないようにしたことを特徴とする。
【0015】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記燃料受け容器の上方開口部を横切るように取手を設け、前記燃料排出ホースは、先端より手前の部分を前記防音ケース内の構造部分に固定し、先端部を前記燃料受け容器の壁面と前記取手との間に挿入して保持するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項1にかかる発明においては、燃料タンクの上面に給油口を設け、該給油口の周囲を囲むように有底の環状壁を設け、前記作業機基台の上面に着脱自在に燃料受け容器を設け、該燃料受け容器は、前記作業機基台の上面に設けた容器支持枠に挿入することにより保持し、該燃料受け容器には、その前面から突出するようにスタッドボルトを設け、前記容器支持枠には、上方に開口して前記スタッドボルトを挿通可能なU溝を設け、該U溝に前記スタッドボルトを挿入しながら、前記容器支持枠に前記燃料受け容器を挿入した状態で前記スタッドボルトに蝶ナットを締め付けて、前記容器支持枠に前記燃料受け容器を固定するようにし、一端が前記環状壁と前記給油口との間にできる内部空間の底部に連通し、他端が前記燃料受け容器に挿入されるように燃料排出ホースを設け、前記環状壁内にこぼれた燃料が、直接前記燃料受け容器に導かれ、前記漏洩液貯留部には入らないようにした。その結果、燃料給油時に環状壁内にこぼれた燃料が直接燃料受け容器に導かれるので、漏洩液貯留部に貯まる漏洩液の量を減らすことができ、かつ、漏洩液中の油分を少なくすることができて、漏洩液貯留部を清掃する際の手間を軽減することができる。また、蝶ナットを締め付けるだけで燃料受け容器を容器支持枠に強固に固定でき、蝶ナットを緩めるだけで燃料受け容器を簡単に取り外すことができる。
【0019】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるエンジン駆動作業機において、前記燃料受け容器の上方開口部を横切るように取手を設け、前記燃料排出ホースは、先端より手前の部分を前記防音ケース内の構造部分に固定し、先端部を前記燃料受け容器の壁面と前記取手との間に挿入して保持するようにした。その結果、燃料受け容器を容器支持枠から取り外して中に貯まった燃料を処分する際に、燃料受け容器と燃料排出ホースとの分離が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】燃料タンクと燃料受け容器の位置関係を示す図である。
図2】燃料タンクの給油口周辺の構造を示す図である。
図3】燃料受け容器の取付構造を示す図である。
図4】第1実施例の燃料受け容器を示す図である。
図5】第1実施例の容器ブラケットを示す図である。
図6】第1実施例の燃料受け容器と容器ブラケットの斜視図である。
図7】第2実施例の燃料受け容器を示す図である。
図8】第2実施例の容器ブラケットを示す図である。
図9】第2実施例の燃料受け容器と容器ブラケットを示す図である。
図10】従来のエンジン駆動作業機を示す図である。
図11図10のエンジン駆動作業機の燃料タンクを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は、燃料タンクと燃料受け容器の位置関係を示す図である。図1において、符号は、図10図11のものに対応しており、5は燃料受け容器、6は容器ブラケットである。このエンジン駆動作業機では、作業機基台14の上面に容器ブラケット6を取り付け、その中に着脱自在に燃料受け容器5を設けている。そして、燃料タンク3の内側環状壁3bと給油口3aとの間にできる内部空間の底部に、燃料排出ホース4の一端を連通させ、燃料排出ホース4の他端を、燃料受け容器5に挿入するように設けている。
【0025】
図2は、燃料タンクの給油口周辺の構造を示す図である。燃料タンク3は、上面に給油口3aが設けられており、その給油口3aの周りを囲むように、有底の内側環状壁3bと外側環状壁3cが設けられていて、それらを覆うように蓋3dが設けられている。給油口3aと内側環状壁3bの底部との間には、給油口シールゴム3eが装着されていて、給油口3aと内側環状壁3bの間に形成される空間が密封されている。また、内側環状壁3bの下端部に一つの開口部が形成されていて、その開口部には、排出管3fが接続されており、その排出管3fに燃料排出ホース4の一端が接続されている。
【0026】
そのようにして、燃料タンク3に燃料を注入する際に、燃料が給油口3aの周りにこぼれ出しても、こぼれた燃料は、給油口3aと内側環状壁3bの間に形成される内部空間で受け止められ、そこから燃料排出ホース4を通して燃料受け容器5に導かれ、そこに貯められて、漏洩液貯留部2には流れ込まないようにしている。
【0027】
次に、図3を参照しながら燃料受け容器の取付構造について説明する。容器ブラケット6を作業機基台14の上面にボルトで固定し、後述する容器支持枠6cの中に燃料受け容器5を挿入することにより、燃料受け容器5を着脱自在に固定する。
【0028】
燃料受け容器5は、図4に示すような構造をしており、金属製で箱型の容器本体5aの両側壁にL形材5b,5bを溶接して固着し、そのL形材5b,5bに、逆U字形の取手5cの両端部を溶接により取り付けている。その際、取手5cが容器本体5aの前側に偏らせて取り付け、容器本体5aの前側の壁と取手5cとの間に燃料排出ホース4の先端部を挿入することにより、燃料排出ホース4の先端が安定的に保持できるようにしている。
【0029】
また、容器本体5aの前面には、前面に対して垂直にスタッドボルト5dを設けている。このスタッドボルト5dには、後述する蝶ナット5fを螺合させる。さらに、容器本体5aの後側の壁の上縁は、他の部分より低くして切欠5eを形成している。この切欠5eは、容器本体5aが漏れた燃料で満杯になったとき、この切欠5eから溢れる燃料を漏洩液貯留部2の中に流下させるためのものである。
【0030】
一方、容器ブラケット6は、図5に示すような構造をしており、ブラケット底板6aの後端縁からブラケット背板6bを立設し、その上端部に、燃料受け容器5を収納可能な容器支持枠6cが設けられている。ブラケット底板6aの左右両側には、容器ブラケット6を作業機基台14に固定するためのボルトを通すためのボルト孔6e,6eが設けられている。また、容器支持枠6cの前側上縁には、燃料受け容器5のスタッドボルト5dを通すことができるU溝6dが設けられている。
【0031】
この容器ブラケット6に、燃料受け容器5を装着した状態を図6に示す。容器ブラケット6が作業機基台14に取り付けられている状態において、スタッドボルト5dに螺合した蝶ナット5fを緩めておき、スタッドボルト5dを容器ブラケット6のU溝6dに合わせて、容器本体5aを上から容器ブラケット6の容器支持枠6cの中に挿入する。
【0032】
そして、燃料受け容器5のL形材5bが容器ブラケット6の容器支持枠6cの上縁に当接して、燃料受け容器5の高さ位置が決まり、その際、容器本体5aの底部はブラケット底板6aから少し浮いた状態になるようにしている。そのように、容器本体5aを浮かせているため、容器本体5aの底部へはブラケット底板6aから直接振動が伝わらない。また、燃料受け容器5のスタッドボルト5dは、容器ブラケット6のU溝6dの中にピッタリ納まった状態になる。その状態で蝶ナット5fを締め付ければ、燃料受け容器5が容器ブラケット6に強固に固定され、ガタツキがなくなる。
【0033】
そして、燃料タンク3に燃料を注入する際に、給油口3aの周りにこぼれ出た燃料は、給油口3aと内側環状壁3bの間に形成される内部空間、燃料排出ホース4を経て、燃料受け容器5に貯められるが、燃料受け容器5が満杯近くになったら、容器ブラケット6から燃料受け容器5を取り出して、燃料受け容器5内に貯まった漏洩液を別の容器に移す。その際、燃料排出ホース4の先端部を燃料受け容器5から取り外し、蝶ナット5fを緩めてから、取手5cを持って燃料受け容器5を上に引き上げ、容器ブラケット6から取り出す。その後、燃料受け容器5内の漏洩液を別の容器に移したら、上記と逆の手順で燃料受け容器5を容器ブラケット6に戻す。
【実施例2】
【0034】
図7は、第2実施例の燃料受け容器を示す図である。符号は、図4のものに対応している。この実施例では、L形材5bを設けずに、取手5cの両端部を容器本体5aの内面に溶接し、取手5cの高さを容器本体5aの上縁の高さに合わせている。そのようにして、燃料受け容器5の上方に何らかの部材があって十分なスペースがない場合でも、燃料受け容器5を容器ブラケット6から引き抜くことができるようにしている。
【0035】
図8は、第2実施例の容器ブラケットを示す図である。符号は、図5のものに対応しており、6fはゴムクッションである。この実施例では、燃料受け容器5の側壁にL形材を設けていないため、L形材と容器支持枠6c上縁とによる燃料受け容器5の支持ができない。そこで、容器ブラケット6のブラケット底板6aに、ゴムクッション6fを嵌め込むことで、燃料受け容器5の底面をゴムクッション6fで受けるようにしている。
【0036】
この容器ブラケット6に、燃料受け容器5を装着した状態を図9に示す。容器ブラケット6が作業機基台14に取り付けられている状態において、スタッドボルト5dに螺合した蝶ナット5fを緩めておき、スタッドボルト5dを容器ブラケット6のU溝6dに合わせて、容器本体5aを上から容器ブラケット6の容器支持枠6cの中に挿入する。
【0037】
そして、燃料受け容器5の底部が容器ブラケット6のゴムクッション6fに当接して、燃料受け容器5の位置が決まる。そのように、燃料受け容器5の底部と容器ブラケット6のブラケット底板6aとの間にゴムクッション6fが介在するため、容器本体5aの底部へはブラケット底板6aから振動が緩和される。また、燃料受け容器5のスタッドボルト5dは、容器ブラケット6のU溝6dの中にピッタリ納まった状態になる。その状態で蝶ナット5fを締め付ければ、燃料受け容器5が容器ブラケット6に強固に固定され、ガタツキがなくなる。
【符号の説明】
【0038】
1 防音ケース
2 漏洩液貯留部
3 燃料タンク
3a 給油口
3b 内側環状壁
3c 外側環状壁
3d 蓋
3e 給油口シールゴム
3f 排出管
4 燃料排出ホース
5 燃料受け容器
5a 容器本体
5b L形材
5c 取手
5d スタッドボルト
5e 切欠
5f 蝶ナット
6 容器ブラケット
6a ブラケット底板
6b ブラケット背板
6c 容器支持枠
6d U溝
6e ボルト孔
6f ゴムクッション
14 作業機基台
17 凹溝
18 吊り金具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11