特許第6192642号(P6192642)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6192642符号化および/または復号化するための回路装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6192642
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】符号化および/または復号化するための回路装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/49 20060101AFI20170828BHJP
   H04N 21/2383 20110101ALI20170828BHJP
【FI】
   H04L25/49 A
   H04N21/2383
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-525320(P2014-525320)
(86)(22)【出願日】2012年8月16日
(65)【公表番号】特表2014-531143(P2014-531143A)
(43)【公表日】2014年11月20日
(86)【国際出願番号】DE2012200056
(87)【国際公開番号】WO2013023658
(87)【国際公開日】20130221
【審査請求日】2015年8月17日
(31)【優先権主張番号】102011052766.4
(32)【優先日】2011年8月16日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509348867
【氏名又は名称】シリコン・ライン・ゲー・エム・ベー・ハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】グレープル,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ズットトルプ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヤンゼン,フロリアン
【審査官】 森谷 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−280516(JP,A)
【文献】 特開平09−168147(JP,A)
【文献】 米国特許第06812870(US,B1)
【文献】 特開2007−067531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 25/49
H04N 21/2383
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データストリームを復号化するために設けられた回路装置(100)であって、
互いに並列に配置された5つの6b/5b復号器ブロック(70)と、前記6b/5b復号器ブロック(70)と並列に配置された2b/2b復号器ブロック(80)と、を有する少なくとも1つの復号器(60)、
を備え、
前記6b/5b復号器ブロック(70)は、少なくとも1つの入ってくるディスパリティ情報(D_in)のための少なくとも1つのディスパリティ入力部(76)と、出ていくディスパリティ情報(D_out)のための少なくとも1つのディスパリティ出力部(78)とを備え、
前記2b/2b復号器ブロック(80)は、前記入ってくるディスパリティ情報(D_in)のための少なくとも1つのディスパリティ入力部(86)と、前記出ていくディスパリティ情報(D_out)のための少なくとも1つのディスパリティ出力部(88)とを備え、
ディスパリティ情報(D_in)が、前記6b/5b復号器ブロック(70)の各々の前記ディスパリティ入力部(76)に入力されて前記ディスパリティ出力部(78)から出力される際に、および前記2b/2b復号器ブロック(80)の前記ディスパリティ入力部(86)に入力されて前記ディスパリティ出力部(88)から出力される際に、それぞれ前記6b/5b復号器ブロック(70)に、および前記2b/2b復号器ブロック(80)に届くデータ信号のDCバランスにより、不変である(D_out=D_in)、または、反転される(D_in=0→D_out=1、または、D_in=1→D_out=0)回路装置。
【請求項2】
互いに並列に配置された5つの5b/6b符号器ブロック(20)と、前記5b/6b符号器ブロック(20)と並列に配置された2b/2b符号器ブロック(30)と、を有する少なくとも1つの符号器(10)を備える請求項1に記載の回路装置。
【請求項3】
前記5b/6b符号器ブロック(20)は、少なくとも1つの入ってくるディスパリティ情報(D_in)のための少なくとも1つのディスパリティ入力部(26)と、出ていくディスパリティ情報(D_out)のための少なくとも1つのディスパリティ出力部(28)とを備えること、および
前記2b/2b符号器ブロック(30)は、前記入ってくるディスパリティ情報(D_in)のための少なくとも1つのディスパリティ入力部(36)と、前記出ていくディスパリティ情報(D_out)のための少なくとも1つのディスパリティ出力部(38)とを備えること、
を特徴とする請求項2に記載の回路装置。
【請求項4】
前記ディスパリティ情報(D_in)は、前記5b/6b符号器ブロック(20)の各々の前記ディスパリティ入力部(26)に入力されて前記ディスパリティ出力部(28)から出力される際、および前記2b/2b符号器ブロック(30)の前記ディスパリティ入力部(36)に入力されて前記ディスパリティ出力部(38)から出力される際に、それぞれの前記5b/6b符号器ブロック(20)から出ていくデータ信号のDCバランスにより、および2b/2b符号器ブロック(30)から出ていくデータ信号により、不変である(D_out=D_in)、または、反転される(D_in=0→D_out=1、または、D_in=1→D_out=0)ことを特徴とする請求項3に記載の回路装置。
【請求項5】
前記5b/6b符号器ブロック(20)は、少なくとも1つのデータ入力部(22)および少なくとも1つのデータ出力部(24)を備えること、
前記2b/2b符号器ブロック(30)は、少なくとも1つのデータ入力部(32)および少なくとも1つのデータ出力部(34)を備えること、
前記6b/5b復号器ブロック(70)は、少なくとも1つのデータ入力部(72)および少なくとも1つのデータ出力部(74)を備えること、
前記2b/2b復号器ブロック(80)は、少なくとも1つのデータ入力部(82)および少なくとも1つのデータ出力部(84)を備えること、
を特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の回路装置。
【請求項6】
前記ディスパリティ情報(D_in,D_out)を用いる前記2b/2b符号器ブロック(30)または前記2b/2b復号器ブロック(80)の前記データ入力部(32または82)に対して、4つの可能性のある入力信号(00,01,10,11)のうちの3つの入力信号を用いることができることを特徴とする請求項5に記載の回路装置。
【請求項7】
前記2b/2b符号器ブロック(30)または前記2b/2b復号器ブロック(80)の前記データ入力部(32または82)は、
少なくとも1つのDE(データイネーブル)信号によって、および
少なくとも1つのHS(水平同期)信号によって、
作動することができることを特徴とする請求項6に記載の回路装置。
【請求項8】
前記符号器(10)は、それの下流に配置された、少なくとも1つのマルチプレクサ(40)を有し、それを用いて、前記符号器(10)によって出力された前記データストリームをシリアル化することができること、および
前記復号器(60)は、それの上流に配置された、少なくとも1つのデマルチプレクサ(50)を有し、それを用いて、前記マルチプレクサ(40)によって出力されたシリアルデータストリームを非直列化することができることと、
を特徴とする請求項2〜7の少なくとも一項に記載の回路装置。
【請求項9】
データストリームを復号化するための方法であって、
互いに並列に配置された5つの6b/5b復号器ブロック(70)を用いて、および、前記6b/5b復号器ブロック(70)と並列に配置された1つの2b/2b復号器ブロック(80)を用いて復号化すること、
を有し、
ディスパリティ情報(D_in)が、それぞれ前記6b/5b復号器ブロック(70)および前記2b/2b復号器ブロック(80)に届くデータ信号のDCバランスにより、前記6b/5b復号器ブロック(70)の各々に入力されてから出力される間に、および前記2b/2b復号器ブロック(80)に入力されてから出力される間に、不変である(D_out=D_in)、または、反転される(D_in=0→D_out=1、または、D_in=1→D_out=0)、
方法。
【請求項10】
5つの5b/6b符号器ブロック(20)を用いて、および、前記5b/6b符号器ブロック(20)と並列に配置された1つの2b/2b符号器ブロック(30)を用いて符号化することを有する請求項に記載の方法。
【請求項11】
ディスパリティ情報(D_in)は、それぞれ前記5b/6b符号器ブロック(20)および前記2b/2b符号器ブロック(30)から出ていくデータ信号のDCバランスにより、前記5b/6b符号器ブロック(20)の各々に入力されてから出力される間に、および前記2b/2b符号器ブロック(30)に入力されてから出力される間に、不変である(D_out=D_in)、または、反転される(D_in=0→D_out=1、または、D_in=1→D_out=0)こと、
を特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ディスパリティ情報(D_in,D_out)を用いる前記2b/2b符号器ブロック(30)または前記2b/2b復号器ブロック(80)のデータ入力部(32または82)に対して、4つの可能性のある入力信号(00,01,10,11)のうちの3つの入力信号が用いられることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記2b/2b符号器ブロック(30)または前記2b/2b復号器ブロック(80)の前記データ入力部(32または82)は、
少なくとも1つのDE(データイネーブル)信号によって、および
少なくとも1つのHS(水平同期)信号によって、
作動されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
符号器(10)によって出力された前記データストリームは、前記符号器(10)の下流に配置された、少なくとも1つのマルチプレクサ(40)によってシリアル化されること、および前記マルチプレクサ(40)によって出力されたシリアルデータストリームは、復号器(60)の上流に配置された、少なくとも1つのデマルチプレクサ(50)によって非直列化されること、
を特徴とする請求項1013の少なくとも一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、光学的および/または電気的な、特に、シリアル化された信号リンクの技術分野、特に、請求項1のプリアンブルに記載の回路装置、および、請求項10のプリアンブルに記載の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最新の携帯電話、ノートパソコンまたは携帯ゲーム機におけるディスプレイは、特に、パラレルデータバスによって制御され、該データバスは、カラービットと必要な同期ビットを介して情報を受け取る。このデータがパラレルで伝送される場合、このパラレルデータ伝送は、幅広のフラットリボンケーブルを必要とし、または、プリント回路基板上に比較的広いスペースを要し、そのため、こうした装置のこれ以上の小型化が妨げられている。
【0003】
この並列データをシリアル化した後に非直列化するための方法があるが、それら従来の方法のうちのほんのわずかしかDC(Direct Current:直流)バランス型のデータ伝送に適していない。
【0004】
そのようなDCバランス型のデータ伝送を保証する方法は、用いる符号化および復号化方法により、追加的に伝送される大量の余剰シリアルビットを有している。このデータがシリアル化、および非直列化される場合、従来用いられている符号化および復号化方法により、大量の追加ビットが追加的に伝送され、または、データおよび関連するクロック信号を伝送するためには、2つ以上の差動ラインが必要であり、それにより、ここでもまた、こうした装置を小型化するという目的が妨げられる。
【0005】
DCバランス型信号を受け取るために、異なるビット幅を用いた符号化および復号化方法を採用する。最も周知されている符号化/復号化方法は、8b/10b符号化/復号化(8b=8ビット、10b=10ビット)である。ほとんどの場合、このような8b/10b符号化/復号化は、6b/5b復号器ブロックに関連する5b/6b符号器ブロックと、4b/3b復号器ブロックに関連する3b/4b符号器ブロックと、を備えている。
【0006】
このような5b/6bブロックおよび3b/4bブロックに用いられる基準は、一般的に、Albert X.Widmer(IBM Research Division)の命令およびテーブルである。本発明に関する適切な技術的背景に関しては、先行技術の米国特許第6911921号明細書(特許文献1)を参照することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6911921号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した欠点および不十分な点を発端として、ならびに概略が説明された従来技術を考慮して、本発明の目的は、効率的なDCバランス型の符号化および/または復号化が、特に、可能な限り少ないオーバヘッドで可能である方法で、上述したタイプの回路装置および上述したタイプの方法をさらに発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1の特徴を有する回路装置と、請求項10の特徴を有する方法によって、具体的には、24ビットのRGBビデオ信号を符号化および/または復号化することにより、例えば、27ビット/32ビット符号化/復号化を用いて達成され、それを用いて、DCバランス型のシリアル光学および/または電気的データ接続または伝送のために、ほんのわずかの追加ビットしか生じず、そのため、生じるデータオーバヘッドが非常に小さくなる方法で、伝送するデータを符号化および/または復号化することが可能である。
【0010】
本発明の有利な実施形態および適切なさらなる発展は、それぞれの従属項において特徴付けられている。
【0011】
本発明を用いて、一方では、DCバランス型のシリアルデータ伝送に適した32ビット長のデータワードを生成することが可能であり、他方では、32ビット長のデータワードを、エラーのない27ビット幅のデータワードに復号化することが可能である。
【0012】
本発明によれば、これは、5つの5b/6b符号器ブロックと、1つの2b/2b符号器ブロックを符号化側で用い、および、5つの6b/5b復号器ブロックと、1つの2b/2b復号器ブロックを復号化側で用いて実現され、この場合、5b/6bコード(5b6bコード)はラインコードであり、一方では、DC電流補償が確実にされるように、および他方では、データ信号からのクロックリカバリが可能であるように、5ビットデータが、6ビットで符号化される。
【0013】
5b/6b符号化によって生成されたデータストリームは、元のデータストリームと比較して20パーセントのオーバヘッドを有しているが、4b/5b符号化を用いる限りにおいて、通常用いられる4b/5b符号化と比較して進歩であり、正味のまたは使用可能なデータ転送速度(いわゆるペイロード)に対する全体的なデータ転送速度は、そのデータオーバヘッドにより、25パーセント増加する。
【0014】
本発明に従って用いられる2b/2b符号器ブロックおよび2b/2b復号器ブロックにより、ディスパリティ情報の利用時に、4つの可能性のある入力情報(すなわち、00,01,10,11)のうちの3つを確実にDCバランス型の信号を生成するために用いることができる。
【0015】
この4つの可能性のある入力信号のうちの3つを利用することは、DE(Data Enable:データイネーブル)信号と、HS(Horizontal Synchronisation:水平同期)が、2つのデータ入力部に接続され、VESA規格に準拠する方法を参照することができる。(http://www.vesa.org/を参照)
【0016】
本発明は、伝送される利用可能なデータ量を低減することなく、伝送する、およびこの符号化の下流での少なくとも1つの多重化によって、既にシリアル化されている符号化ビットの数を低減する可能性を大きくし、これにより、ここでもまた、所要の全体的なデータ伝送速度が低減され、シリアルデータ伝送に関する電力消費が低減される。
【0017】
実施例として、本発明は、少なくとも1つの最大で24ビット幅のディジタルRGBデータソース、具体的には、少なくとも1つの、例えば、画像ソースとして機能する高解像度カメラまたは少なくとも1つのアプリケーションプロセッサと、少なくとも1つの最大で24ビット幅のディジタルRGBデータシンク、具体的には、少なくとも1つのアプリケーションプロセッサ、または、少なくとも1つの、例えば、画像シンクとして機能する高解像度ディスプレイまたはモニタとの間での、一括化された、またはシリアル化された光学および/または電気的信号伝送に用いることができる。
【0018】
原理的には、光学的に、具体的には、少なくとも1つの媒体に基づいて、例えば、少なくとも1つの光導波路に基づいて、例えば、少なくとも1つのガラス繊維および/またはプラスチック繊維に基づいて、および/または電気的に、またはガルバニックに、具体的には、少なくとも1つの電気的またはガルバニックなリンクに基づいて、例えば、少なくとも1つの銅ケーブルに基づいて、および/または例えば、少なくとも1つのプリント回路基板上に配置された少なくとも1つの電気的ラインに基づいて、該信号リンクを実現すること、および該信号リンクを作動させることが可能である。
【0019】
前述したように、本発明に関する教示を有利な方法で具体化し、およびさらに発展させるための様々な可能性がある。このため、一方において、請求項1および請求項10に従属する請求項について、他方において、本発明の追加的な実施形態、特徴および効果が、以下でより詳細に、とりわけ、図1図3Bに示されている例示的な実施形態によって説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】本発明の方法に従って作動する、本発明による回路装置の実施形態の概念的略図である。
図2】それを用いて、5つの入力ビットを6つの出力ビットに変換することができ、および本発明を実施する場合に用いることのできる、先のAlbert X.Widmer(IBM Reseach Division)5b/6b符号化テーブルの実施形態である。
図3A】それを用いて、2つの入力ビットを2つの出力ビットに変換することができ、および本発明を実施する場合に用いることのできる、合計で24の可能性のある2b/2b符号化テーブルの実施形態である。
図3B図3Aの2b/2b符号化テーブルと同じ値で、およびそれを用いて、2つの入力ビットを2つの出力ビットに変換することができる、追加的な23の可能性のある2b/2b符号化テーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1図3Bにおいて、類似のまたは同様の実施形態、要素または機能には、同一の参照符号が付けられている。
【0022】
(発明を具体化するための最良の方法)
本発明による図1に示す回路装置100を用いて、最大で24ビット幅のRGBビデオ信号から成るデータストリームを符号化(<-->符号器10)および復号化(<-->復号器60)することができる。
【0023】
このため、回路装置100は、符号化側において、互いに並列に配置された5つの5b/6b符号化ブロック20と、5b/6b符号化ブロック20に並列に配置された2b/2b符号化ブロック30と、を有する符号器10を、復号化側において、互いに並列に配置された5つの6b/5b復号器ブロック70と、6b/5b復号器ブロック70に並列に配置された2b/2b復号化ブロック80と、を有する復号器60を、備えている。
【0024】
符号器10を用いて、符号器10と復号器60との間でのDCバランス型のシリアル化データ伝送に適した、任意の量の32ビット長のデータワードから成るシーケンスを備えるデータストリームを生成することが可能である。シリアライゼーションは、符号器10の下流に配置され、および該データストリームを、シリアルシーケンスで確実に出力することができる32−to−1マルチプレクサ40(いわゆるMux)を用いて実現される。
【0025】
符号化を実施するために、5つの5b/6b符号器ブロック20の各々は、そのデータ入力部22において、5ビット幅のディジタル信号を受け取ることができ、およびそれらを6ビット幅の信号に変換することができ、該6ビット幅のディジタル信号は、それぞれのデータ出力部24によって出力される(図1の参照符号22,24は、5つの5b/6b符号器ブロック20のうちの中央の1つのために図示されているが、5つ全ての5b/6b符号器ブロック20に同様に当てはまる)。
【0026】
さらに、5b/6b符号器ブロック20の各々は、データに加えて、ディスパリティも処理されるため、入ってくるディスパリティ情報D_inのためのディスパリティ入力部26と、出ていくディスパリティ情報D_outのためのディスパリティ出力部28とを備えている(図1の参照符号26,28は、5つの5b/6b符号器ブロック20のうちの中央の1つのために図示されているが、5つ全ての5b/6b符号器ブロック20に同様に当てはまる)。
【0027】
この5b/6b変換の場合、実施例として、Albert X.Widmer(IBM Reseach Division)による、図2に示す符号化テーブルを用いることができる。そのため、図2において、5ビットの入力ワードの5つの個々のビットは、文字A,B,C,D,Eで示され、さらに、図2において、6ビットの出力ワードの6つの個々のビットは、文字a,b,c,d,e,iで示されている。したがって、図2の例示的な符号化テーブルを用いて、5b/6b符号化方法は、データ出力部24を介して出ていく6ビットのシンボルの型(a,b,c,d,e,i)で、データ入力部22を介して届く5ビットのワードABCDEを示す。
【0028】
32個の5ビットの入力ワードABCDEの一部は、6ビットの出力シンボルabcdeiに変換され、該出力シンボルは、同じ数の0と1、すなわち、それぞれ、3つの0と、3つの1を含み、結果、バランス型またはDCバランス型またはDCニュートラルとして示されるため、DCニュートラルとして伝送することができる。したがって、図2の符号化テーブルによる実施例として、伝送する32個の5ビットの入力ワードのうちの19は、DCニュートラルに伝送可能な6ビットの出力シンボルabcdeiに変換される。
【0029】
伝送する32個の5ビットの入力ワードABCDEの残りの部分は、6ビットの出力シンボルに変換され、該出力シンボルは、同じ数の0と1を含まないが、4つの0と2つの1、または、2つの0と4つの1を含み、結果、別々に解釈した場合に、DCニュートラルに伝送可能ではない、アンバランス型またはDCアンバランス型または非DCニュートラルとして示される。
【0030】
そのため、図2の符号化テーブルによる実施例として、32個の5ビットの入力ワードのうちの13は、DCニュートラルに伝送可能ではない6ビットの出力シンボルabcdeiに変換される。これら13の入力ワードABCDEの場合、それぞれに、2つの可能性のある出力シンボル、すなわち、主要なabcdeiと代替のabcdeiとが存在する。第1の出力シンボル、すなわち、主要なabcdeiが用いられるか、第2の出力シンボル、すなわち、代替のabcdeiが用いられるかは、それぞれに既に送信されているアンバランス型出力シンボルに依存する。
【0031】
2b/2b符号器ブロック30は、5つの5b/6b符号器ブロック20に並列に接続され、該符号器ブロックは、データ入力部32とデータ出力部34を備えている。さらに、2b/2b符号器ブロック30は、データに加えて、ディスパリティも処理されるため、入ってくるディスパリティ情報D_inのためのディスパリティ入力部36と、出ていくディスパリティ情報D_outのためのディスパリティ出力部38を備えている。
【0032】
この2b/2b変換は、例えば、図3Aに示す符号化テーブルを用いて実現することができる。図3Aの2b/2b符号化テーブルと同様、それを用いて、2つの入力ビットを2つの出力ビットに変換することができる、追加的な23の可能性のある2b/2b符号化テーブルを図3Bに示す。
【0033】
そのため、図3Aにおいて、2ビットの入力ワードの2つの個々のビットは、文字A,Bで示され、図3Aにおいて、2ビットの出力ワードの2つの個々のビットは、文字a,bで示されている。したがって、図3Aの例示的な符号化テーブルに基づいて、2b/2b符号化方法は、データ出力部34を介して出ていく2ビットのシンボルの型でデータ入力部32に届く2ビットのワードABを示す。
【0034】
4つの2ビットの入力ワードABの一部は、2ビットの出力シンボルabに変換され、該出力シンボルは、同じ数の0と1、すなわち、それぞれ、1つの0と、1つの1を含み、結果、バランス型またはDCバランス型またはDCニュートラルとして示されるため、DCニュートラルに伝送することができる。したがって、図3Aの例示的な符号化テーブルによれば、伝送する2つの2ビットの入力ワード01(すなわち、A=0,B=1)および10(すなわち、A=1,B=0)は、DCニュートラルに伝送可能な2ビットの出力シンボル01(すなわち、a=0,b=1)および10(すなわち、a=1,b=0)に変換される。
【0035】
図3Aの符号化テーブルによる、2ビットの入力ワードABの残りの部分の1つは、2ビットの出力シンボルabに変換され、該出力シンボルは、同じ数の0および1を含まないが、2つの0、または、2つの1を含み、結果、別々に解釈した場合に、DCニュートラルに伝送可能ではない、アンバランス型またはDCアンバランス型または非DCニュートラルとして示される。
【0036】
したがって、図3Aの符号化テーブルに従って、伝送する2ビットの入力ワード00(すなわち、A=0,B=0)は、DCニュートラルに伝送可能ではない2ビットの出力シンボル00(すなわち、a=0,b=0)または11(すなわち、a=1,b=1)に変換される。この入力シンボル00(すなわち、A=0,B=0)の場合、2つの可能性のある出力シンボル、すなわち、主要なab(=00)と代替的なab(=11)とが存在する。第1の出力シンボル、すなわち、主要なabが用いられるか、第2の出力シンボル、すなわち、代替的なabが用いられるかは、それぞれに既に送信されているアンバランス型入力シンボルに依存する。
【0037】
4つの2ビットの入力ワードABの4番目(図3Aの実施形態において、2ビットの入力ワード11、すなわち、A=1,B=1)は、図3Aの例示的な符号化テーブルに従って、必要ないか、または用いられない。したがって、2b/2b符号器ブロック30により、このような32ビットの出力データワードのシリアルシーケンスから成る出力データストリームが、符号化する27の入力信号とは無関係に、常にDCバランス型であるような方法で、ディスパリティ情報を用いて、確実に4つの可能性のある2ビットの入力ワードAB(=00,01,10,11)のうちの3つ(すなわち、00,01,10)が用いられて、32ビットの出力データワードに挿入される。
【0038】
2b/2b符号器ブロック30の入力部における4つの可能性のある入力信号00,01,10,11から3つへの制限は、有利には、特に、DE(データイネーブル)信号およびHS(水平同期)信号が、それら2つの信号を、時間的一致なく伝達することができるため、2つのデータ入力部32とデータ出力部34に接続される場合に可能である。
【0039】
5b/6b符号器ブロック20を介して、4つの0および2つの1を有するアンバランス型の6ビットの出力シンボルabcdeiが伝送されるか、2つの0および4つの1を有するアンバランス型の6ビットの出力シンボルabcdeiが伝送されるか、2b/2b符号器ブロック30を介して、2つの0を有し、1を有していないアンバランス型の2ビットの出力シンボルが伝送されるか、0を有しておらず、2つの1を有しているアンバランス型の2ビットの出力シンボルが伝送されるか、の判断は、入ってくるディスパリティ情報D_inによって決定される。この技術的方策を用いて、それぞれポテンシャルフリーで、アンバランス型の6ビットの出力シンボルabcdeiを、5b/6b符号器ブロック20を介して伝送することができ、または、アンバランス型の2ビットの出力シンボルabを、2b/2b符号器ブロック30を介して伝送することができる。
【0040】
この目的のために、シーケンシャルアンバランス型出力シンボルの伝送中に、それぞれ(2つの0から成る余剰を伴う、すなわち、アンバランス型の6ビットの出力シンボルabcdeiの場合に、2つの0と、4つの1を有する、または、アンバランス型の2ビットの出力シンボルabの場合に、2つの0を有し、1を有していない)1つのグループからの1つのシンボルと、続く(2つの1から成る余剰を伴う、すなわち、アンバランス型の6ビットの出力シンボルabcdeiの場合に、2つの0と、4つの1を有する、または、アンバランス型の2ビットの出力シンボルabの場合に、0を有しておらず、2つの1を有している)他方のグループからのシンボルが交互に伝送される。このようにして、経時的に平均化した場合、0と1から成るバランス型のビットシーケンスおよびその結果のDCフリー伝送が行われる。
【0041】
符号器10の5b/6b符号器ブロック20および2b/2b符号器ブロック30の各々は、それぞれのディスパリティ入力部26または36を介して、入ってくるディスパリティ情報D_inによって、DCバランス型ではない場合、出力シンボルabが、負のディスパリティ、すなわち、1より多い2つの0、すなわち、5b/6b符号器ブロック20の場合に、4つの0と2つの1を、または、2b/2b符号器ブロック30の場合に、1がなく、2つの0を、または、正のディスパリティ、すなわち、0より多い2つの1、すなわち、5b/6b符号器ブロック20の場合に、2つの0と4つの1を、または、2b/2b符号器ブロック30の場合に、0がなく、2つの1を、備えているか知らされる。
【0042】
非DCバランス型の出力シンボルを出力するこのようなケースにおいて、バイナリ信号(=0または1)として構成された該ディスパリティ情報の状態は反転され、すなわち、ディスパリティ入力部26または36に届くディスパリティ情報D_in=0は、ディスパリティ出力部28または38から出ていくディスパリティ情報D_out=1になり、または、ディスパリティ入力部26または36に届くディスパリティ情報D_in=1は、ディスパリティ出力部28または38から出ていくディスパリティ情報D_out=0になる。
【0043】
それにより、続く、または次のアンバランス型の出力シンボルがどちらのディスパリティを備えるべきかが判断され、該ディスパリティ情報は、5つの5b/6b符号器ブロック20の各々によって、および2b/2b符号器ブロック30によって、DCバランス型の出力シンボルの場合、不変のディスパリティ情報(D_out=D_in)として転送され、および非DCバランス型の出力シンボルの場合、反転ディスパリティ情報(D_in=0→D_out=1、または、D_in=1→D_out=0)として転送され、およびそこから、5つの5b/6b符号器ブロック20の最初(図1の一番上)へ再転送される。
【0044】
そのため、アンバランス型の出力シンボルが負のディスパリティ、すなわち、1より多い2つの0を有している場合、すなわち、5b/6b符号器ブロック20の場合に、4つの0と、2つの1を、2b/2b符号器ブロック30の場合に、1がなく、2つの0を有している場合、先の出力シンボルから来るディスパリティ情報は反転されて、次の符号器ブロック20または30へ転送される。これは、その出力シンボルがアンバランス型かバランス型かに依存し、および該ディスパリティ情報の状態を再反転し、または、それを不変にし、すなわち、具体的には、続くアンバランス型の出力シンボルが、正のディスパリティを伴って生成される。
【0045】
他方では、アンバランス型の出力シンボルが正のディスパリティ、すなわち、0よりも多い2つの1を有する場合、すなわち、5b/6b符号器ブロック20の場合に、2つの0と、4つの1を、または、2b/2b符号器ブロック30の場合に、0がなく、2つの1を有している場合、先の出力シンボルから来るディスパリティ情報は、次の符号器ブロック20または30へ転送反転される。これは、その出力シンボルがアンバランス型か、またはバランス型であるかに依存し、および該ディスパリティ情報の状態を再反転し、または、それを不変にし、すなわち、具体的には、続くアンバランス型の出力シンボルが、負のディスパリティを伴って生成される。
【0046】
最後に、該出力シンボルが、ニュートラルなディスパリティを有する場合、すなわち、該出力シンボルがDCバランス型である場合、つまり、先の出力シンボルから来るディスパリティ情報は、次の符号器ブロック20または30へ不変で転送される。これは、その出力シンボルがバランス型であるか、またはアンバランス型であるかに依存し、および該ディスパリティ情報の状態を、再び不変にする、または、それを反転させる。
【0047】
アンバランス型の出力ワードの場合、図2および図3A図3Bの例示的な符号化テーブルにおいて、主要な出力ワードが出力されるか、代替的な出力ワードが出力されるかは、選択することができる該出力シンボルまたは出力ワードのディスパリティが出力されて、先のアンバランス型の出力シンボルまたは出力ワードのディスパリティに反転されるように、入ってくるディスパリティ情報D_inの状態によって判断される。
【0048】
このアプローチを用いて、大量の出力シンボルにわたる、DC自由度が確実に実現される。
【0049】
2つのアンバランス型の出力シンボルの間には、どのような数のバランス型の出力シンボルも存在することができる。例えば、2つのアンバランス型の出力シンボルの間には、シンボルなし、1つのシンボル、いくつかまたは多数のバランス型の出力シンボル、が存在することができる。
【0050】
復号器60の構成および機能は、本質的には、符号器10の上述した構成および機能の鏡像である。
【0051】
復号器60を用いて、符号器10によって供給されたDCバランス型のデータストリームの復号化を、27ビット幅のエラーのないデータストリームで実現することができる。
【0052】
符号器10からきて、マルチプレクサ40によってシリアル化されたデータストリームが、復号器60の上流の1−to−32デマルチプレクサ50(いわゆるdemux)によって、再び先ず非直列化された後、5つの6b/5b復号器ブロック70の各々は、6ビット幅のディジタル信号を、そのデータ入力部72を介して受け取って、復号化して5ビット幅のディジタルワードに変換することができ、該ディジタルワードは、それぞれのデータ出力部74を介して出力される(図1において、参照符号72,74は、6b/5b復号器ブロック70の中央の1つのために図示されているが、5つ全ての6b/5b復号器ブロック70に同様に当てはまる)。
【0053】
さらに、データに加えて、ディスパリティも処理されるため、5つの6b/5b復号器ブロック70の各々は、入ってくるディスパリティ情報D_inのためのディスパリティ入力部76と、出ていくディスパリティ情報D_outのためのディスパリティ出力部78とを備えている(図1において、参照符号76,78は、5つの復号器ブロック70のうちの中央の1つのために図示されているが、5つ全ての6b/5b復号器ブロック70に同様に当てはまる)。
【0054】
2b/2b復号器ブロック80は、5つの6b/5b復号器ブロック70に並列に接続され、該2b/2b復号器ブロックもまた、データ入力部82およびデータ出力部84を備えている。さらに、データに加えて、ディスパリティも処理されるため、2b/2b復号器ブロック80は、入ってくるディスパリティ情報D_inのためのディスパリティ入力部86と、出ていくディスパリティ情報D_outのためのディスパリティ出力部88とを備えている。
【0055】
図1の右半分に示す)復号化側に関して、該ディスパリティ情報の転送については、
バランス型のシンボルまたはバランス型のワードが変わらないままの形態であろうと、
アンバランス型のシンボルまたはアンバランス型のワードを反転する形態であろうと、
図1の左半分に示した)符号化側の場合に示した上記の説明が全体にわたって当てはまるであろう。
【符号の説明】
【0056】
100 回路装置
10 符号器
20 符号器10の5b/6b符号器ブロック
22 5b/6b符号器ブロック20のデータ入力部
24 5b/6b符号器ブロック20のデータ出力部
26 5b/6b符号器ブロック20のディスパリティ入力部
28 5b/6b符号器ブロック20のディスパリティ出力部
30 符号器10の2b/2b符号器
32 2b/2b符号器ブロック30のデータ入力部
34 2b/2b符号器ブロック30のデータ出力部
36 2b/2b符号器ブロック30のディスパリティ入力部
38 2b/2b符号器ブロック30のディスパリティ出力部
40 マルチプレクサ、具体的には、32−to−1マルチプレクサ
50 デマルチプレクサ、具体的には、1−to−32デマルチプレクサ
60 復号器
70 復号器60の6b/5b復号器ブロック
72 6b/5b復号器ブロック70のデータ入力部
74 6b/5b復号器ブロック70のデータ出力部
76 6b/5b復号器ブロック70のディスパリティ入力部
78 6b/5b復号器ブロック70のディスパリティ出力部
80 復号器60の2b/2b復号器ブロック
82 2b/2b復号器ブロック80のデータ入力部
84 2b/2b復号器ブロック80のデータ出力部
86 2b/2b復号器ブロック80のディスパリティ入力部
88 2b/2b復号器ブロック80のディスパリティ出力部
D_in 入ってくるディスパリティ情報
D_out 出ていくディスパリティ情報
図1
図2
図3A
図3B