特許第6192661号(P6192661)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6192661
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】改良された脊椎固定用システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/58 20060101AFI20170828BHJP
【FI】
   A61B17/58
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-553423(P2014-553423)
(86)(22)【出願日】2013年1月18日
(65)【公表番号】特表2015-507518(P2015-507518A)
(43)【公表日】2015年3月12日
(86)【国際出願番号】US2013022033
(87)【国際公開番号】WO2013109812
(87)【国際公開日】20130725
【審査請求日】2015年7月27日
(31)【優先権主張番号】13/352,583
(32)【優先日】2012年1月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ハーパー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ,ミラン
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05437669(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0187437(US,A1)
【文献】 特表2010−506684(JP,A)
【文献】 特表2009−535111(JP,A)
【文献】 特開2002−095672(JP,A)
【文献】 特開平07−255739(JP,A)
【文献】 特開平02−198549(JP,A)
【文献】 米国特許第07473269(US,B1)
【文献】 米国特許第05387212(US,A)
【文献】 特表2011−500292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 − 17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ、中央ロッドホルダと、延在し、クロスリンクの各々を椎体に動作可能に取り付ける第1および第2の延長部材とを備える複数のクロスリンクと、
2つ以上のクロスリンクの前記中央ロッドホルダへのロッド部材と、
を備え、それによって、脊椎の複数のレベルに亘って安定化されたシステムを作り出し、
前記第1の延長部材は、第1の固定部材に連結され、前記第1の固定部材は、前記椎体に取り付けられ、前記第2の延長部材は、第2の固定部材に連結され、前記第2の固定部材は、前記椎体に取り付けられ、
前記第1の固定部材は、内部にロッドを受け入れる溝を形成する1対の上方延長アームと、平面部に移行する曲部を有する下方延長マウス部と、を備え、
前記上方延長アームは、各前記上方延長アームの外部から前記溝まで貫通する開口部と、上記上方延長アームにより形成された溝へと通じるサイドカット部と、を含み、
なくとも1つの前記上方延長アームの各々は、挿入器具と係合するように形成され凹部を含み、
各前記上方延長アームの前記開口部は、前記上方延長アームの前記凹部に配置されている、脊椎固定システム。
【請求項2】
前記中央ロッドホルダは、内部に溝を形成するアームの対を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
第1のクロスリンクの前記延長部材の幅が第2のクロスリンクの前記延長部材の幅と異なっている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数のクロスリンクは、少なくとも5つのクロスリンクを提供することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記クロスリンクのうちの少なくとも1つが仙骨に取り付けられるように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の固定部材は、椎弓根に取り付けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2の固定部材は、椎弓根に取り付けられている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の固定部材は、前記サイドカット部に隣接して形成される第2のサイドカット部を備え、
前記第2のサイドカット部は、前記上方延長アームの対により形成された溝へ通じる、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
脊椎の正中線を越えて延在するように構成されている1つ以上のクロスリンクと、
椎体に取り付けられた第1の固定部材に連結されたクロスリンクの第1の部分と、
椎体に取り付けられた第2の固定部材に連結された前記クロスリンクの第2の部分と、を備え、
前記第1の固定部材および前記第2の固定部材のうちの少なくとも一方が1対のアームと鋸歯状部付きのマウス部とを有するフック部材であり、
前記第1の固定部材は、内部にロッドを受け入れるための溝を形成する1対の上方延長アームと、平面部に移行する曲部を有する下方延長マウス部と、を備え、
前記上方延長アームは、各前記上方延長アームの外部から前記溝まで貫通する開口部と、前記1対の上方延長アームに形成された溝に通じるサイドカット部と、を含み、
なくとも1つの前記上方延長アームの各々は、挿入器具と係合するように形成され凹部を含み、
各前記上方延長アームの前記開口部は、前記上方延長アームの前記凹部に配置されている、脊椎固定システム。
【請求項10】
前記クロスリンクのうちの少なくとも1つが中央ロッドホルダを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記中央ロッドホルダは、この中央ロッドホルダから延在する延長部材の対を備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記マウス部の前記平面部は、鋸歯状部を含み、
前記鋸歯状部は、三角錐の形状を有する、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記マウス部の前記平面部は、鋸歯状部を含み、
前記鋸歯状部は、鋸歯の形状を有する、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の固定部材は、フック部材を備え、前記第2の固定部材は、スクリューを備える、請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本願は、一般に、整形外科固定システムを対象とし、詳細には、ロッド部材および固定部材を備える中央固定システムを対象とする。
【0002】
〔背景技術〕
多くのタイプの脊椎異常が、痛みを引き起こしたり、可動範囲を制限したり、または、脊柱内部の神経系を損傷する。このような異常は、限定するものではないが、外傷、腫瘍、椎間板変性、および疾病に起因し得る。多くの場合、このような異常は、脊椎の一部を固定することによって治療される。この治療では、通常、複数のスクリューおよび/またはフックが1つ以上の椎骨に取り付けられ、スクリューまたはフックが脊椎の軸の方向にほぼ延在する長尺状のロッドに連結される。
【0003】
これらの脊椎異常の治療では、脊椎分節の間を安定させるためにスクリューおよびロッドのシステムを使用が使用されることがある。脊椎の不安定性は、脊髄または神経軸などの神経要素に応力および歪を生み出す可能性がある。これを補正すべく、正常なアライメントおよび椎体の一部を回復させるために、ある程度の剛性を有する移植片が埋め込まれ得る。多くの場合、これらの移植片は、脊椎要素を無痛状態に回復させるのに役立つか、または少なくとも痛みを緩和するかもしくは脊椎のさらなる損傷を防止するのに役立つことがある。
【0004】
従って、脊椎固定用スクリューおよびロッドを備える改良されたシステムが必要とされている。
【0005】
〔発明の概要〕
脊椎固定に関連する様々なシステム、デバイスおよび方法が提供される。一部の実施形態では、脊椎固定方法は、それぞれ、中央ロッドホルダとこの中央ロッドホルダから延在する第1および第2の延長部材とを備える複数のクロスリンクを提供することを含む。クロスリンクの各々は、第1の延長部材を第1の固定部材に取り付け、第2の延長部材を第2の固定部材に取り付けることにより椎体に動作可能に取り付けられてもよい。第1の固定部材および第2の固定部材は、椎体に取り付けられてもよい。1つ以上のクロスリンクが設置されると、ロッド部材は、複数のクロスリンクの中央ロッドホルダに固定されてもよく、その結果、脊椎の複数のレベルに亘って安定化されたシステムを構成する。
【0006】
一部の実施形態では、脊椎固定方法は、脊椎の正中線を越えて延在するように構成された1つ以上のクロスリンクを提供することを含む。クロスリンクの第1の部分は、第1の固定部材に取り付けられてもよく、第1の固定部材は、椎体に取り付けられている。クロスリンクの第2の部分は、第2の固定部材に取り付けられてもよく、第2の固定部材は、椎体に取り付けられている。第1の固定部材と第2の固定部材とのうちの少なくとも一方は、アームの対と、鋸歯状部付きのマウス部とを有するフック部材である。
【0007】
一部の実施形態では、脊椎固定方法は、脊椎の正中線を越えて延在するように構成された1つ以上のクロスリンクを提供することを含む。クロスリンクの第1の部分は、第1の固定部材に取り付けられてもよく、第1の固定部材は、椎体に取り付けられている。クロスリンクの第2の部分は、第2の固定部材に取り付けられてもよく、第2の固定部材は、椎体に取り付けられている。第1の固定部材と第2の固定部材とのうちの少なくとも一方は、溝を形成するアームの対を有し、アームのうちの少なくとも一方は、内部に形成されたサイドカット部を備える。
【0008】
発明は、添付図面に例示された発明の実施形態を参照してより一層容易に理解されるであろう。
【0009】
〔図面の簡単な説明〕
図1は、一部の実施形態において使用される中央ロッドシステムの上面図である。
【0010】
図2は、一部の実施形態に係る、中央ロッドシステムの上面図である。
【0011】
図3は、一部の実施形態に係る、中央ロッドシステムのクロスリンクの正面図である。
【0012】
図4は、一部の実施形態に係る、中央ロッドシステムのクロスリンクの上面斜視図である。
【0013】
図5は、一部の実施形態に係る、ロッドを内部に有する中央ロッドシステムのクロスリンクの正面図である。
【0014】
図6Aは、一部の実施形態に係る、椎体に取り付けられた中央ロッドシステムのクロスリンクの上面図である。
【0015】
図6Bは、一部の実施形態に係る、椎体に取り付けられた中央ロッドシステムのクロスリンクの正面図である。
【0016】
図7は、一部の実施形態に係る、鋸歯状部を有するフック部材の斜視図である。
【0017】
図8は、一部の実施形態に係る、鋸歯状部を有するフック部材の側面図である。
【0018】
図9は、一部の実施形態に係る、サイドカット部を有するフック部材の斜視図である。
【0019】
図10は、一部の実施形態に係る、代替的なサイドカット部を有するフック部材の斜視図である。
【0020】
図11は、一部の実施形態に係る、代替的なサイドカット部を有するフック部材の斜視図である。
【0021】
〔発明を実施するための形態〕
以下、本発明の実施形態を説明する。以下の発明の詳細な説明は、全ての実施形態を示すことを意図するものではない。本発明の実施形態を説明する際に、理解を容易にするために、特定の用語が採用されている。しかし、本発明は、このように選択された特定の用語に限定されることを意図するものではない。特定の要素は、ぞれぞれ、同様の目的を達成するために同様に動作する全ての技術的均等物を備えることが理解されるべきである。
【0022】
本願は、一般に、整形外科固定システムを対象とし、詳細には、ロッド部材および固定部材を備える中央固定システムとを対象とする。
【0023】
図1は、一部の実施形態に係る、脊椎と共に用いられる中央ロッドシステムの上面図である。中央ロッドシステム10は、様々な脊椎レベルに沿って延在する複数のクロスリンク20を備える。(図3および4に個別に示された)システム内のクロスリンクの各々は、有利にも、複数の脊椎レベルに亘って1つ以上のロッド部材を保持するように設計された中央ロッドホルダ25を備える。図1に示されるように、1つ以上の中央ロッド50は、クロスリンク20の中央ロッドホルダ25を通って延在してもよく、その結果、複雑な奇形矯正を簡単にするために安定なシステムを構成するのに役立つ。一部の実施形態では、中央ロッド50は、脊椎の中心をほぼ通って配置されるように、縮小または除去された脊椎突起の上に延在する。
【0024】
中央ロッドホルダ25の各々は、中央ロッドホルダ25から外に延在する延長部材の対27,28をさらに備える。延長部材27、27の各々は、スクリューなどの固定要素に取り付けられてもよい。図1に示されるように、延長部材27は、固定要素70に取り付けられ、延長部材28は、固定要素80に取り付けられる。固定要素70,80は、有利にも、脊椎の正中線の両側で中央ロッドホルダ25の延長部材27,28を左右対称に固定するのに役立つ。中央ロッドホルダ25に関する詳細は後述する。
【0025】
図2は、一部の実施形態に係る、中央ロッドシステムの上面図である。中央ロッドシステム10は、各々が中央ロッドホルダ25と、この中央ロッドホルダから外に延在する1対の延長部材27,28とを有する7つのクロスリンク20を備える。一部の実施形態では、中央ロッドシステム内の異なる延長部材27,28は、異なるレベルの脊椎を収容するのが有利になるように異なる長さを備え得る。例えば、図1および2に示されるように、脊椎の高い方の部分(例えば、腰部)に見られる延長部材27,28は、脊椎の低い方の部分(例えば、仙骨)に見られる延長部材より短くてもよい。一部の実施形態では、中央ロッドシステムは、脊椎の高い方の部分から低い方の部分へ長さが長くなる延長部材27,28を備える。
【0026】
図3は、一部の実施形態に係る、中央ロッドシステムのクロスリンクの正面図である。上記のように、クロスリンク20は、中央ロッドホルダ25を備え、1対の延長部材27,28がこの中央ロッドホルダから延在している。一部の実施形態では、中央ロッドホルダ25は、限定されることはないが、単軸ヘッド、一平面ヘッド、多軸ヘッド、スピニングヘッドおよび摺動ヘッドを含む種々の構成で提供され得る開放または閉鎖コネクタヘッドを備える。
【0027】
中央ロッドホルダ25は、U字形状溝35の側壁を形成する1対のアーム31,32を備える。一部の実施形態では、各アーム31,32は凹部33,34を備え、これらの凹部は、クロスリンクを脊椎に隣接した望ましい場所に供給するために挿入器具または挿入スリーブによって係合され得る。U字形状溝35は、脊椎固定を行うために脊椎の複数のレベルに亘って連結する1つ以上のロッド部材を受け入れるように構成されている。
【0028】
図4は、一部の実施形態に係る、中央ロッドシステムのクロスリンクの上面斜視図である。同図から、中央ロッドホルダ25のアーム31,32の詳細が明らかになる。アーム31,32は各々に個別の開口部37,38を備える。一部の実施形態では、個別の開口部37,38は、クロスリンクの提供中に器具をアームに固定するのを支援するためにタブ部材などの挿入器具または挿入スリーブの一部を受け入れ得る。
【0029】
図5は、一部の実施形態に係る、ロッドを内部に有する中央ロッドシステムのクロスリンクの正面図である。ロッド50は、クロスリンク20の中央ロッドホルダ25内に配置されている。
【0030】
さらに、クロスリンクの延長部材27,28は、固定部材70,80に動作可能に取り付けられている。固定部材70,80の各々は、延長部材27,28を内部に受け入れるヘッド部材72,74を備える。ヘッド部材72,74は、固定のため脊椎の中へ挿入され得るシャフト75、85に連結されている。
【0031】
以下、前述の中央ロッドシステムに関連する方法を説明する。一部の実施形態では、中央ロッドシステムを設置する手術においては、1つ以上の脊椎突起の全部または一部を除去する。他の実施形態では、脊椎突起は、元の状態が保たれ、その一方で、中央ロッドシステムの部品が脊椎突起に沿って曲がるか、または、これを迂回する。一部の実施形態では、脊椎突起が除去されると、複数のクロスリンクが提供される。クロスリンクの各々は、中央ロッドホルダと、この中央ロッドホルダから延在する第1および第2の延長部材とを備える。クロスリンクは、第1の固定部材(例えば、スクリューまたはフック)を介して第1の延長部材を椎体に固定することにより、および、第2の固定部材(例えば、スクリューまたはフック)を介して第2の延長部材を椎体に固定することにより、椎体に個別に設置され得る。延長部材を固定部材に固定するために、ロック用キャップなどのロック用機構部が提供されてもよい。
【0032】
図6Aおよび6Bは、椎体5に取り付けられた単一のクロスリンク部材20を例示する。クロスリンク部材20は、中央ロッドホルダ25と、この中央ロッドホルダから延在し、固定部材70,80を介して椎体に固定された延長部材27,28とを有する。図6Bの図から、クロスリンク部材20が変性脊椎突起の上に取り付けられた状態を見ることができる。1つ以上のクロスリンク部材がこれらの図に示されるように取り付けられてもよい。
【0033】
手術中に、1つ以上のクロスリンクが、これらの中央ロッドホルダが脊椎の正中面にほぼ沿って、および/または、変性脊椎突起の上に位置合わせされるように設置され得る。複数のクロスリンクを設置した後、1つ以上のロッド部材は、中央ロッドホルダを通して挿入され、(例えば、ロック用機構部またはロック用キャップを介して)この中央ロッドホルダの内部に固定されてもよい。1つ以上のロッド部材は、脊椎の複数のレベルに亘って延在し、その結果、安定した、複数のレベルに亘る中央ロッドシステムを構成する。
【0034】
前述の中央ロッドシステムを提供することにより、脊椎固定に多くの利点が実現される。これらの利点には、奇形矯正中に左右非対称の応力集中を緩和する左右対称の応力分布、矢状面中央の矯正、平面動作(例えば、脊柱前弯姿勢および脊柱後弯姿勢)における軽減したロッド撓み、より一層直観的な局部椎骨回転を可能にさせる集中回転軸、増大するロッドの用途を満足するように利用され得るシステムが含まれる。
【0035】
前述の中央ロッドシステムの部品に加えて、または、これらの部品に代えて、他の部品が使用されてもよい。例えば、多種多様のフック部材が椎体への取り付けのための前述の椎弓根スクリュー70,80に代えて使用されてもよい。このようなフック部材は、前述の中央ロッドシステムの一部として使用され得るが、これらのフック部材は、中央ロッドシステムとは異なる他の脊椎システムに使用されてもよい。新規のフック部材については後述する。
【0036】
図7は、一部の実施形態に係る、鋸歯状部を有するフック部材の斜視図である。フック部材100は、ロッド部材を内部に受け入れる溝135を形成する1対のアーム131,132を備える。アームは、これらのアームに形成された1つ以上の開口部138を備えてもよく、開口部は、挿入または供給器具によって把握され得る。溝135の底部は、マウス部140を形成するために下向きに弧を描いて延びる。フック部材100のマウス部140は、有利にも、骨部材を把握するために使用できる。有利な点として、鋸歯状部142は、フックの後退または移動の可能性が低減されるように並進平面および回転平面の両方でフック部材100に付加的な固定性を与える。
【0037】
一部の実施形態において、フック部材100のマウス部140は、有利にも、このマウス部の上に複数の鋸歯状部142を備える。鋸歯状部142は、フック部材100が骨に圧入されたとき、骨に食い込む複数の接触点を提供する。
【0038】
図8は、一部の実施形態に係る、鋸歯状部を有するフック部材の側面図である。同図から、鋸歯状部142の幾何学的性質が見られる。図8に示されるように、鋸歯状部142は、均等に離間されてもよく、三角形または三角錐形の歯に類似し得る。他の実施形態では、フック部材100は、鋸歯形、畝および丸みを帯びた隆起を含む他の形状を有する鋸歯状部または摩擦接触面を備える可能性がある。
【0039】
図9は、単独で、または、前述の中央ロッドシステムなどの脊椎システムと組み合わせて使用され得る代替的なフック部材の斜視図である。図8のフック部材100と同様に、図9のフック部材は、ロッド部材を内部に受け入れる溝135を形成する1対のアーム131,132と、椎体への取り付けのためのマウス部140とを備える。アーム131,132は、挿入器具により把握する1つ以上の開口部138を備え得る。有利な点として、フック部材100のアーム131,132は、サイドカット部139をさらに備える可能性がある。これらのサイドカット部は、有利にも、フックが骨に圧入されている間にこのフック部材を保持する器具に関して付加的な接触点を提供する。換言すると、フック部材100は、並進平面および回転平面において器具が係合する付加的な固定点を有し、その結果、埋め込み中のフック滑りの可能性を低減する。
【0040】
図9〜11は各々に異なる形状および幾何学的性質を有するサイドカット部139を有するフック部材100を示す。図9において、フック部材100は、丸みを帯び、半円のように見えるサイドカット部139aを備える。図10において、フック部材100は、フック部材100のアーム131,132に形成された矩形凹部のように見えるサイドカット部139bを備える。図11において、フック部材100は、完全に矩形状に切り取られ、単なる凹部ではないサイドカット部139を備える。その結果、フック部材100は、多くの異なる形および方向に作られ、挿入器具によって把握されるサイドカット部を有する。
【0041】
本願において開示された本発明を、特定の実施形態およびこれらの用途を用いて説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態の多くの変更および変形が当業者により行われてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】一部の実施形態において使用される中央ロッドシステムの上面図である。
図2】一部の実施形態に係る、中央ロッドシステムの上面図である。
図3】一部の実施形態に係る、中央ロッドシステムのクロスリンクの正面図である。
図4】一部の実施形態に係る、中央ロッドシステムのクロスリンクの上面斜視図である。
図5】一部の実施形態に係る、ロッドを内部に有する中央ロッドシステムのクロスリンクの正面図である。
図6A】一部の実施形態に係る、椎体に取り付けられた中央ロッドシステムのクロスリンクの上面図である。
図6B】一部の実施形態に係る、椎体に取り付けられた中央ロッドシステムのクロスリンクの正面図である。
図7】一部の実施形態に係る、鋸歯状部を有するフック部材の斜視図である。
図8】一部の実施形態に係る、鋸歯状部を有するフック部材の側面図である。
図9】一部の実施形態に係る、サイドカット部を有するフック部材の斜視図である。
図10】一部の実施形態に係る、代替的なサイドカット部を有するフック部材の斜視図である。
図11】一部の実施形態に係る、代替的なサイドカット部を有するフック部材の斜視図である。
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図3
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図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11