(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記望ましくない液滴電荷列は、反対極性の電荷で帯電されるように割り当てられた少なくとも2つの隣接液滴を含み、前記少なくとも2つの隣接液滴の間の全電荷差は、所定の閾値を超える、請求項1に記載の方法。
前記望ましくない液滴電荷列は、前記選別動作が前記液滴のうちの少なくとも1つに対して中止されない場合に、単一の液滴を形成するように合併するであろう、2つの隣接液滴を含む、請求項1に記載の方法。
前記選別フローサイトメータは、少なくとも、前記流体流の片側に位置付けられた3つのコンテナと、前記流体流の別の反対側に位置付けられた少なくとも3つのコンテナとを含む、6方向選別サイトメータであり、前記望ましくない液滴電荷列は、前記流体流の片側の最も遠いコンテナ、および前記流体流の反対側の2つの最も遠いコンテナのうちの1つに割り当てられた第1の液滴を含む、請求項1に記載の方法。
前記選別フローサイトメータは、望ましくない液滴電荷列を記載する少なくとも1つの参照テーブルを記憶し、望ましくない液滴電荷列を識別することは、前記少なくとも1つの参照テーブルに記載された液滴電荷列を識別することを伴う、請求項1に記載の方法。
望ましくない液滴電荷列を識別することは、流体ノズルサイズ、液滴離脱点と帯電偏向板との間の液滴落下距離、液滴が前記液滴落下距離を移動するのにかかる時間、液滴質量、液滴電荷の大きさ、隣接液滴の間の液滴電荷差、液滴電荷極性、シース圧力、および流速度から選択される、要因を評価することを伴う、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(詳細な説明)
類似数字がいくつかの図の全体を通して類似部品およびアセンブリを表す、図面を参照して、種々の実施形態を詳細に説明する。種々の実施形態の参照は、本明細書に添付される請求項の範囲を限定しない。加えて、本明細書に記載される任意の実施例は、限定的であることを目的とせず、添付の請求項の多くの可能な実施形態のうちのいくつかを記載するにすぎない。
【0016】
選別フローサイトメータを用いて選別動作を行うとき、選別に先立って、2つの隣接液滴が、相互に向かって引き寄せられ、単一の液滴に合併するであろう、十分に大きい電荷差を有し得る可能性がある。結果として生じる液滴は、個々の電荷のうちのいずれか一方とは十分に異なる、2つの個々の電荷の合計である、正味電荷を有し、意図しない場所への液滴の選別をもたらす。
【0017】
本開示は、選別に先立って、2つの反対電荷を持つ液滴が単一の液滴に合併する可能性を低減または排除することによって、選別フローサイトメータの動作中に粒子の誤選別および粒子の汚染という問題を解決することへのアプローチを説明する。
【0018】
図1は、例示的選別フローサイトメータシステム100の斜視図である。この実施例では、選別フローサイトメータシステム100は、汚染物質フード102と、選別フローサイトメータ104とを含む。選別フローサイトメータ104はまた、いくつかの実施形態では、ディスプレイ106も含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、選別フローサイトメータ104は、汚染物質フード102内に配列される。汚染物質フードは、典型的には、汚染物質フード102内の層流を維持することによって、サンプル内にあり得る粒子を所定の領域へ含有するように動作する。例えば、サンプルが生物学的粒子を含有する場合、汚染物質フード102は、粒子を汚染物質フード102内の空間へ、および制御された排出経路を通して外へ含有するように動作する。いくつかの実施形態では、排出経路の中の空気から粒子を除去するためにフィルタが使用される。好適な汚染物質フードの実施例は、Baker Company(Sanford, Maine)から入手可能な垂直流を伴うSterilGARD(登録商標)III 503a Advance, Class II, Type A2 Biological Safety Cabinetである。キャビネットの寸法は、その中に選別フローサイトメータ104を適正に封入するように、必要に応じて拡張および縮小することができる。
【0020】
選別フローサイトメータ104は、流体の内容物を評価し、検出された特性に基づいて、内容物を複数の異なるコンテナの中へ選別するように構成されるデバイスである。(選別フローサイトメータの実施例は
図2で図示されている)。
【0021】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明される選別フローサイトメータ104は、選別のために選択される液滴が適正なコンテナの中へ適切に指向されることを確実にすることによって等、非常に優れた純度(例えば、99%以上)を伴う流体の内容物を選別することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、選別フローサイトメータ104のディスプレイ106が、汚染物質フード102の外側に搭載される。この実施例では、ブラケットが、汚染物質フード102の側面に締結される。ディスプレイ106を支持するように動作する、作動アームが、ブラケットに搭載される。作動アームは、ディスプレイ106が所望の場所でオペレータによって再配置されることを可能にするように、1つ以上の次元で枢動する。
【0023】
選別フローサイトメータ104は、汚染物質フード102内に位置付けられて示されているが、いくつかの実施形態は、汚染物質フード102を含まない。
【0024】
図2は、例示的選別フローサイトメータ104の概略ブロック図である。この実施例では、選別フローサイトメータ104は、流体ノズル110と、レーザ112と、取得電子機器114(センサ分析器116を含む)と、コンピューティングデバイス118と、選別制御電子機器120と、発振器122と、偏向板124と、コンテナ126とを含む。
図2で図示される付加的な特徴は、流体入力128と、流体流130と、レーザ照射点132と、液滴離脱点134と、液滴136と、選別された流体138とを含む。
【0025】
流体入力は、流体経路131に沿って狭い流体流130を生成するように構成される、流体ノズル110に提供される。流体流130の幅は、流体ノズル出力ポートの幅とほぼ同一である。いくつかの実施形態では、流体ノズル110は、可撤性であり、異なるサイズの出力ポートを有する他のノズルと置換することができる。例えば、出力ポートは、約50マイクロメートルから約200マイクロメートルの範囲内、いくつかの実施形態では、約70マイクロメートルから約100マイクロメートルの間であり得る。
【0026】
レーザ112は、レーザ照射点132で流体流130を照射するように、流体流130で指向されるレーザビームを生成する。
【0027】
センサ分析器116を含むもの等の取得電子機器114は、流体流130中の粒子を検出し、粒子の特性を識別するように動作する。いくつかの実施形態では、センサ分析器116は、光散乱(前方散乱および側方散乱を含む)および蛍光を検出し、流体流中の粒子の存在を識別するため、および粒子の特性を識別するために、この情報を使用する。粒子が検出されたとき、コンピューティングデバイス118に提供される事象データが生成される(
図3に示されるように)。
【0028】
センサ分析器116では、流体流130に直接隣接して物理的に位置付けることができるが、別の可能な実施形態は、流体流130から離して位置付けられるセンサに光を透過させるように、光ファイバ等の1つ以上の光透過デバイスを含む。
【0029】
コンピューティングデバイス118は、
図3で図示されるように、事象データを受信し、未加工データに基づいて選別制御信号を生成する。
【0030】
コンピューティングデバイス118は、1つ以上のコンピューティングデバイスであり得、コンピューティングデバイスのそれぞれは、1つ以上の処理デバイスを含むことができる。複数のコンピューティングデバイスが、例えば、通信バスまたはデータ通信ネットワークを横断して、データ通信することができる。1つ以上のコンピューティングデバイスは、本明細書では「本コンピューティングデバイス」と称される。好適なコンピューティングデバイス118の実施例は、
図4を参照して本明細書でさらに詳細に図示および説明される。
【0031】
選別制御電子機器120は、コンピューティングデバイス118から選別制御信号を受信し、選別制御信号に基づいて適切な電荷を流体流130に印加する。
【0032】
発振器122は、流体流130を振動させる所望の周波数で振動を生成する。流体流130における振動は、液滴136を規則的な間隔で流体流130から離脱させる。次いで、液滴136は、流体経路131に沿って進む。
【0033】
液滴が選別されることを選別制御信号が示すとき、選別制御電子機器120は、液滴136が液滴離脱点134で流体流から分離する直前に、適切な電圧を流体流に印加する。電圧は、流体流および後に形成された液滴136上で測定可能および検出可能の両方である、流体流からの電子を追加または除去することによって、流体流の物理的変換を生成する。液滴136が分離するとき、流体流に印加される電荷は、液滴上にとどまる。次いで、選別制御電子機器は、選別制御信号に基づいて、適切な電荷を次の液滴のための流体流130に印加することができる。特定の液滴のための流体が選別される必要がないとコンピューティングデバイスが判定する場合、選別制御電子機器120は、液滴が液滴離脱点134に到達する前に電荷を流体流に印加しない。
【0034】
次いで、液滴136は、帯電偏向板124の間を通過する。板のそれぞれは、反対極性の電圧源(例えば、+/−4000V)に電気的に接続される。電圧源は、偏向板124の間に電場を生成する、偏向板124のそれぞれの反対電荷を供給する。
【0035】
液滴136が偏向板124の間を通過すると、電荷を与えられている液滴136は、反対極性を有する偏向板124に向かって引き寄せられる。例えば、正電荷を持つ液滴136が、負電荷を持つ偏向板124bに向かって引き寄せられる一方で、負電荷を持つ液滴136は、正電荷を持つ偏向板124aに向かって引き寄せられる。電荷が印加されない液滴136は、偏向を伴わずに真っ直ぐ通過する。
【0036】
一方の側または他方の側に向かって液滴を偏向させることに加えて、液滴に印加される電荷の大きさは、変位の程度を調整するように選別制御電子機器120によって変化させることができる。液滴136に印加される電荷の大きさが大きいほど、反対電荷を持つ偏向板124に向かった液滴136の変位が大きい。結果として、液滴136は、複数の異なるコンテナ126の中へ選別することができ、そこで、後続の使用のために収集される。
【0037】
この実施例では、選別フローサイトメータ104は、6つのコンテナ126(選別されていない液滴のための中央廃棄物経路またはコンテナを含まない)を含む。6つのコンテナを有する選別フローサイトメータ104は、6方向選別フローサイトメータと称することができる。他の実施形態は、2、4、6、8以上等の他の数量のコンテナ126を含むことができる。
【0038】
図3は、
図2に示される選別フローサイトメータ104の付加的な側面を図示する、概略ブロック図である。この実施例では、選別フローサイトメータ104は、取得電子機器114と、コンピューティングデバイス118と、選別制御電子機器120とを含む。コンピューティングデバイスは、事象パラメータ計算エンジン160と、選別決定エンジン162と、事象および状態記憶装置164とを含む。取得電子機器114は、事象データ152をコンピューティングデバイス118に提供し、コンピューティングデバイス118は、選別制御信号154を選別制御電子機器120に提供する。
【0039】
取得電子機器114は、レーザ照射点で流体流130を通過した後に(
図2に示されるような)レーザ112からの光を受容し、流体流130中の粒子を検出し、粒子の特性を識別するように光を評価する。取得電子機器114は、事象データ152を生成し、事象データ152をコンピューティングデバイス118に供給する。
【0040】
コンピューティングデバイス118は、事象パラメータ計算エンジン160と、選別決定エンジン162と、事象および状態記憶装置164とを含む。
【0041】
事象パラメータ計算エンジン160は、取得電子機器114から事象データ152を受信する。いくつかの実施形態では、事象パラメータ計算エンジン160はまた、ユーザから選別論理定義も受信するか、またはコンピュータ可読記憶デバイスから定義を取り出す。選別論理定義は、中間計算の恣意的なユーザ定義方程式、および流体流中で見出される粒子を選別するために所望される最終選別論理方程式を含有する。事象パラメータ計算エンジン160は、事象データ152に基づいて計算される、選別論理定義におけるパラメータのパラメータ値を計算する。計算されたパラメータは、取得電子機器114によって送信される事象データ152、ユーザによって入力されるか、またはコンピュータ可読記憶デバイスに標準として記憶される一定値、および/または他の計算された値に基づいてもよい。
【0042】
いったん事象パラメータ計算エンジン160が全ての計算パラメータ値を計算すると、各事象の事象データ152および計算パラメータは、選別決定エンジン162に送信される。選別決定エンジン162は、例えば、事象データおよび計算パラメータ値を選別論理定義に当てはめる。いくつかの実施形態では、選別論理定義は、論理定義、例えば、粒子の所望の選別を識別するブール論理定義を含有する。
【0043】
選別決定エンジン162は、選別論理定義を評価し、(好ましくは、異なるコンテナの中へ選別されるであろう複数の粒子が、液滴内に含有されるとき等に)各遭遇事象を受容するように単一のコンテナ126(
図2に示される)を選択することによって、選別の曖昧性に対処し、選別決定を行い、選別決定に基づいて選別制御信号154を生成する。いくつかの実施形態では、選別決定エンジン162は、最初に、液滴の識別された内容物に基づいて、予備選別決定を生成する。予備選別決定は、少なくとも部分的に選別論理定義に基づいて、液滴が割り当てられるべきであるコンテナ126を識別する。
【0044】
予備選別決定は、液滴を識別されたコンテナ126の中へ指向するように、液滴に割り当てられる予備電荷を備える。液滴に割り当てられる電荷は、正、負、または中性であり得、中性電荷は、例えば、中央に位置付けられたコンテナの中へ指向されるように、帯電偏向板124の間を通過する際に、流体経路131に沿って偏向されずに液滴を進行させる電荷である。
【0045】
電荷を事前に割り当てることは、予備選別決定における電荷を、後に個別液滴を形成すると予測される流体流の一部分に割り当てることを伴う。予備選別決定は、最終選別決定を生成する前に行われ、電荷の大きさは、比較的高い液滴電荷差を回避するように、最終選別決定では異なり得る。
【0046】
予備選別決定が生成された後、予備選別決定は待ち行列に記憶される。次いで、予備選別決定は、比較的高い液滴電荷差を有する2つの隣接液滴等の任意の望ましくない液滴電荷列を識別するため等に、他の隣接選別決定と比較される。望ましくない液滴電荷列が識別された場合、予備選別決定は、
図10を参照してさらに詳細に議論されるように、液滴のうちの1つ以上の選別を中止するように修正される。最終選別決定は、バッファに記憶され、選別制御信号154を生成して選別制御電子機器120に送信するために使用される、液滴に割り当てられる最終電荷を備える。
【0047】
選別決定エンジンはまた、事象および状態記憶装置164の中に選別決定を記録する。事象および状態記憶装置164は、例えば、本明細書で開示されるもの等のコンピュータ可読記憶デバイスである。事象および状態記憶装置164は、例えば、流体流130中で識別される粒子についてのデータ、および行われた選別決定を記憶する。
【0048】
選別制御電子機器120は、選別決定エンジン162から選別制御信号154を受信し、適切な電荷を、目的とする粒子を含有する液滴136に印加し、液滴および関連粒子を適切なコンテナ126の中へ選別するように、流体ノズル110および発振器122(
図2に示される)と併せて動作する。
【0049】
例示的なフローサイトメータの付加的な詳細は、その開示がその全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、2008年10月16日に出願され、「FLOW CYTOMETER SORTER」と題された米国公開第2008/0255705号でさらに詳細に説明されている。例えば、この公開は、好適な取得電子機器114(本公開では「取得電子機器108」と称される)、選別制御電子機器120(「選別制御電子機器114」と称される)、事象パラメータ計算エンジン160(「選別意思決定パラメータ計算モジュール112」と称される)、および事象および状態記憶装置164(「事象および状態記憶装置126」と称される)についての付加的な詳細、ならびに選別決定エンジン162(「選別決定モジュール116」と称される)のある側面および例示的なフローサイトメータの他の側面を提供する。
【0050】
図4は、選別フローサイトメータ104内で使用することができる1つ以上のコンピューティングデバイス118のうちのいずれかを含む、本開示の側面を実装するために使用することができる、コンピューティングデバイスの例示的なアーキテクチャを図示する。
図4で図示されるコンピューティングデバイスは、処理デバイス180を用いて、本明細書で説明されるオペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、およびソフトウェアモジュール(ソフトウェアエンジンを含む)を実行するために使用することができる。
【0051】
コンピューティングデバイス118は、いくつかの実施形態では、中央処理装置(CPU)等の少なくとも1つの処理デバイス180を含む。種々の処理デバイスが、種々の製造業者、例えば、IntelまたはAdvanced Micro Devicesから入手可能である。この実施例では、コンピューティングデバイス118はまた、システムメモリ182と、システムメモリ182を含む種々のシステム構成要素を処理デバイス180に連結するシステムバス184とを含む。システムバス184は、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺機器用バス、および種々のバスアーキテクチャのうちのいずれかを使用するローカルバスを含む、任意の数の種類のバス構造のうちの1つである。
【0052】
コンピューティングデバイス118に好適なコンピューティングデバイスの実施例は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、モバイルコンピューティングデバイス(スマートフォン、iPod(登録商標)またはiPad(登録商標)モバイルデジタルデバイス、または他のモバイルデバイス等)、またはデジタル命令を処理するように構成される他のデバイスを含む。
【0053】
システムメモリ182は、読取専用メモリ186と、ランダムアクセスメモリ188とを含む。起動中等にコンピューティングデバイス118内で情報を転送するように作用する基本ルーチンを含有する、基本入出力システム190が、典型的には、読取専用メモリ186に記憶される。
【0054】
コンピューティングデバイス118はまた、デジタルデータを記憶するために、いくつかの実施形態では、ハードディスクドライブ等の二次記憶デバイス192も含む。二次記憶デバイス192は、二次記憶インターフェース194によってシステムバス184に接続される。二次記憶デバイス192およびそれらの関連コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読命令(アプリケーションプログラムおよびプログラムモジュールを含む)、データ構造、およびコンピューティングデバイス118の他のデータの不揮発性記憶装置を提供する。
【0055】
本明細書で説明される例示的な環境は、二次記憶デバイス等のハードディスクドライブを採用するが、他の種類のコンピュータ可読記憶媒体が他の実施形態で使用される。これらの他の種類のコンピュータ可読記憶媒体の実施例は、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク、ベルヌーイカートリッジ、コンパクトディスク読取専用メモリ、デジタル多用途ディスク読取専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、または読取専用メモリを含む。いくつかの実施形態は、非一過性の媒体を含む。
【0056】
オペレーティングシステム196、1つ以上のアプリケーションプログラム198、他のプログラムモジュール200(事象パラメータ計算エンジン160および選別決定エンジン162を含む、本明細書で説明されるソフトウェアエンジン等)、およびプログラムデータ202を含む、いくつかのプログラムモジュールを、二次記憶デバイス192またはメモリ182に記憶することができる。コンピューティングデバイス118は、Microsoft Windows(登録商標)、Google Chrome(登録商標)、Apple OS、およびコンピューティングデバイスに好適な任意の他のオペレーティングシステム等の任意の好適なオペレーティングシステムを利用することができる。他の実施例は、Microsoft、Google、またはAppleオペレーティングシステム、あるいはタブレットコンピューティングデバイスで使用される任意の他の好適なオペレーティングシステムを含むことができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、ユーザが、1つ以上の入力デバイス204を通して、入力を選別フローサイトメータ104およびコンピューティングデバイス118に提供する。入力デバイス204の実施例は、キーボード206、マウス208、マイクロホン210、およびタッチセンサ212(タッチパッドまたはタッチセンサ式ディスプレイ106等)を含む。他の実施形態は、他の入力デバイス204を含む。入力デバイスは、多くの場合、システムバス184に連結される入出力インターフェース214を通して、処理デバイス180に接続される。これらの入力デバイス204は、パラレルポート、シリアルポート、ゲームポート、またはユニバーサルシリアルバス等の任意の数の入出力インターフェースによって接続することができる。入力デバイスとインターフェース214との間の無線通信も可能であり、いくつかの可能な実施形態では、赤外線、BLUETOOTH(登録商標)無線技術、802.11a/b/g/n、セルラー、または他の高周波あるいは電磁通信システムを含む。
【0058】
この例示的実施形態では、モニタ、液晶表示デバイス、プロジェクタ、またはタッチセンサ式表示デバイス等の表示デバイス106もまた、ビデオアダプタ218等のインターフェースを介してシステムバス184に接続される。表示デバイス106に加えて、コンピューティングデバイス118は、スピーカまたはプリンタ等の種々の他の周辺デバイス(図示せず)を含むことができる。
【0059】
ローカルエリアネットワーキング環境または広域ネットワーキング環境(インターネット等)で使用されるとき、コンピューティングデバイス118は、典型的には、イーサネット(登録商標)インターフェース等のネットワークインターフェース220を通して、データ通信ネットワークに接続される。他の可能な実施形態は、他の通信デバイスを使用する。例えば、コンピューティングデバイス118のいくつかの実施形態は、ネットワークを横断して通信するためのモデムを含む。
【0060】
コンピューティングデバイス118は、典型的には、少なくともある形態のコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、コンピューティングデバイス118によってアクセスすることができる、任意の利用可能な媒体を含む。一例として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記憶媒体およびコンピュータ可読通信媒体を含む。
【0061】
コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータ等の情報を記憶するように構成される任意のデバイスで実装される、揮発性および不揮発性、可撤性および不可撤性媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ、読取専用メモリ、電気的消去可能プログラマブル読取専用メモリ、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、コンパクトディスク読取専用メモリ、デジタル多用途ディスクまたは他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶デバイス、あるいは所望の情報を記憶するために使用することができ、コンピューティングデバイス118によってアクセスすることができる任意の他の媒体を含むが、それらに限定されない。
【0062】
コンピュータ可読通信媒体は、典型的には、搬送波または他の輸送機構等の変調データ信号でコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを具現化し、任意の情報伝達媒体を含む。「変調データ信号」という用語は、その特性のうちの1つ以上を、信号の中の情報を符号化するような様式で設定または変更させる信号を指す。一例として、コンピュータ可読通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続等の有線媒体、ならびに音響、高周波、赤外線、および他の無線媒体等の無線媒体を含む。上記のうちのいずれかの組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0063】
図4で図示されるコンピューティングデバイスはまた、1つ以上のそのようなコンピューティングデバイスを含み得る、プログラマブル電子機器の実施例であり、複数のコンピューティングデバイスが含まれるとき、そのようなコンピューティングデバイスは、本明細書で開示される種々の機能、方法、または動作を集合的に行うよう、好適なデータ通信ネットワークを用いてともに連結することができる。
【0064】
図5は、選別フローサイトメータ104を操作する望ましくない方法を図示する、概略ブロック図である。
図5は、流体ノズル110、偏向板124、およびコンテナ126からの液滴136を図示する。液滴136は、液滴244を形成するように合併する、2つの隣接液滴240および242を含む。コンテナ126は、コンテナ260、262、264、266、268、270、および272を含む。
【0065】
この実施例では、取得電子機器は、選別決定エンジン162が、それぞれ、コンテナ262および272の中に属すると判定した、2つの隣接液滴240および242の中の粒子を以前に識別している。したがって、選別制御電子機器120は、液滴240をコンテナ262の中へ指向するように電荷(「−2」)を液滴240に印加し、液滴242をコンテナ272の中へ指向するように電荷(「+3」)を液滴242に印加する。
【0066】
この実施例で使用される電荷値(例えば、−2および+3)は、電荷なし(0によって表される)から最大の電荷の大きさ(3によって表される)までの尺度で、液滴を所望のコンテナの中へ指向するために必要とされる電荷の相対的な大きさおよび極性を表す。
【0067】
よって、例えば、−3の電荷が、液滴をコンテナ260の中へ指向するために必要とされる。−2の電荷が、液滴をコンテナ262の中へ指向するために必要とされる。+3の電荷が、液滴をコンテナ272の中へ指向するために必要とされる、等である。非荷電液滴は、偏向を伴わずにコンテナ266の中へ指向される。
【0068】
比較的高い負電荷(−2)を有する液滴240、および反対極性の比較的高い電荷(+3)を有する液滴242を含む、望ましくない液滴電荷列が、
図5で図示されている。液滴240および242上の反対極性電荷の結果として、2つの液滴を相互に向かって引っ張る傾向がある力が、2つの液滴の間で生成される。
【0069】
この実施例のように、力の大きさが十分である場合、液滴240および242は、液滴が選別される前に、相互と合併して複合液滴244を形成する。極性が反対である液滴240および242の電荷は、大部分が打ち消され、より低い大きさ(+1)を伴う複合電荷をもたらす。
【0070】
融合の結果として、(経路250および252に沿って)コンテナ262および272の中へ選別されることを目的とした液滴240および242は、代わりに、経路254に沿ってコンテナ268の中へ複合液滴244’として指向される。
【0071】
これには、2つの望ましくない結果がある。第1に、液滴240および242内の粒子が、適切なコンテナ262および272の中で収集されない。第2に、粒子が、コンテナ268の中へ誤って指向され、それによって、コンテナ268の内容物を、そのコンテナの中にあることを目的としていなかった場合がある粒子で汚染する。
【0072】
液滴240および242が反対極性の最大の電荷の大きさ(例えば、+3および−3)で帯電しているときに、類似する望ましくない結果が起こり得る。しかしながら、この実施例では、液滴240および242が複合液滴244を形成するように合併するとき、同等および反対の電荷が相互を打ち消し、複合液滴244は、他の選別されていない液滴とともにコンテナ266の中へ指向される。この実施例は、コンテナの汚染を引き起こさないが、所望の粒子を含有する液滴を選別できないことによって、選別フローサイトメータ104の収率の低減をもたらす。
【0073】
図6は、
図5で図示される望ましくない動作を回避するため等に、選別フローサイトメータ104を操作する方法280を図示する、フローチャートである。この実施例では、方法280は、動作282および284を含む。
【0074】
動作282は、望ましくない液滴電荷列を識別するように行われる。望ましくない液滴電荷列の実施例は、2つ以上の隣接液滴240および242が反対極性の比較的高い電荷を有する、
図5で図示されている。
【0075】
図5に示される実施例では、液滴240および242上のそれぞれの電荷が、選別に先立って、単一の液滴244への液滴240および242の合併をもたらすように十分であるため、液滴240および242の液滴電荷列は望ましくない。
【0076】
動作282は、例えば、1つ以上のコンピューティングデバイス118上で実行される選別決定エンジン162によって行うことができる。動作282の実施例は、
図8を参照してさらに詳細に図示および説明される。
【0077】
動作282における望ましくない液滴電荷列の識別は、典型的には、液滴への電荷の印加に先立って、さらに、液滴136自体の実際の形成前に行われる。結果として、「液滴電荷列」という言及は、流体流130(
図2)の流体部分がレーザ照射点132を通り過ぎた後であるが、流体部分が別個の液滴を形成するように液滴離脱点134を通過する前に行われる、予備選別決定を指す。予備選別決定は、典型的には、コンピュータ可読記憶デバイスに記憶される。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶デバイスは、待ち行列を維持し、待ち行列の中の各入力は、離脱して別個の液滴を形成することが予期される所与の流体部分と関連付けられる。待ち行列の中の入力は、選別制御信号154として仕上げられて通過させられた場合、液滴を適切なコンテナ126の中へ選別させるであろう、予備選別決定を含む。予備選別決定は、待ち行列の中の望ましくない液滴列を識別するように、隣接液滴について評価することができる。
【0078】
望ましくない液滴電荷列が識別されたとき、次いで、列の中の液滴のうちの少なくとも1つに対する選別動作を中止して、望ましくない液滴電荷列の形成を回避するように、動作284が行われる。実施例が
図7で図示されている。中性電荷を中止される液滴に割り当てることによって、選別動作を中止することができる。動作284の実施例の付加的な詳細は、
図10を参照して説明される。
【0079】
図7は、
図6に示される方法280を利用し、
図5で図示される望ましくない動作と対照的である、選別フローサイトメータ104の望ましい操作方法を図示する、概略ブロック図である。
【0080】
図7に示される選別フローサイトメータ104は、形成される前に望ましくない液滴電荷列を検出するため、および液滴240のうちの1つに対する選別動作を中止するために方法280が利用されることを除いて、
図5に示されるものと同一である。
【0081】
この実施例では、選別決定エンジン162は、液滴240および242に対する予備選別決定を評価し、2つの隣接液滴が高い反対電荷で帯電しようとしていた、望ましくない液滴電荷列を識別した。結果として、選別決定エンジン162は、液滴240および242のうちの1つの選別を中止するように予備選別決定を修正した。より具体的には、選別決定エンジン162は、液滴240の選別を中止することを判定した。中性電荷が液滴240に割り当てられ、結果として、液滴240は、選別制御電子機器120によって帯電させられなかったが、液滴242は、選別決定(+3)に従って選別制御電子機器120によって帯電させられた。
【0082】
修正された選別決定の結果として、非荷電液滴240’は、偏向板124によって偏向されず、経路302に沿ってコンテナ266の中へ真っ直ぐ継続した。一方で、非荷電液滴242’は、液滴242’をコンテナ272の中へ適正に選別するように、経路304に沿って偏向された。
【0083】
選別決定エンジン162は、代替として、液滴242の選別を中止し、液滴240の選別を継続することを選択することができる。この場合、液滴240が、帯電して(−2)コンテナ262の中へ選別されるであろう一方で、液滴242は、非荷電のままであり、コンテナ266に渡される。
【0084】
したがって、
図6に示される動作を利用することによって、選別フローサイトメータ104が改良される。例えば、液滴240または242のうちのいずれも、
図5に示される実施例で起こったように、意図しないコンテナに送達されなかった。したがって、選別の純度は、誤ったコンテナの中への粒子の誤選別を低減または排除することによって、大幅に向上させられる。いくつかの実施形態では、選別の純度は、各コンテナについて99%以上である。加えて、たとえ液滴のうちの1つが選別を伴わずにコンテナ266に入れられたとしても、選別フローサイトメータは、液滴のうちのいずれを選別するか、および液滴のうちのいずれをコンテナ266に渡すかを選択することができる。多くの場合、液滴のうちの1つは、他の粒子より重要である粒子を含有するであろう。結果として、いくつかの実施形態では、選別決定エンジン162は、あまり重要ではない粒子を含有する液滴がコンテナ266に入ることを可能にしながら、より重要な粒子を識別し、選別のためにこれらの粒子を含有する液滴を選択するように、所定の優先順位を利用して液滴をランク付けする。
【0085】
図8は、望ましくない液滴電荷列を識別する例示的な方法を図示する。本方法はまた、
図6に示される動作282の実施例である。この実施例では、動作282は、動作322、324、および326を含む。
【0086】
動作322は、予備選別決定を生成するように行われる。予備選別決定は、流体流の部分の中で識別される粒子、およびある粒子を含有する場合に液滴が指向されるべきである場所を定義する選別論理定義に基づいて行われる。選別決定は、選別決定が各液滴について行われるように、個々の液滴への流れの予測される分離に基づいて、流体流の各部分について行われる。
【0087】
動作324では、動作322で行われる予備選別決定は、コンピュータ可読記憶デバイスに記憶される。いくつかの実施形態では、選別決定は、待ち行列としてバッファに記憶される。そのようなバッファの実施例は、
図9で図示されている。いくつかの実施形態は、循環バッファを利用する。いくつかの実施形態は、ダイレクトメモリアクセス(DMA)メモリバッファを利用する。
【0088】
動作326は、望ましくない液滴電荷列を識別するように予備選別決定を評価する。より具体的には、動作326は、選別決定が、隣接液滴が容認不可能に高い電荷差を有する液滴列をもたらすであろうかどうかを判定するように、予備選別決定を評価する。
【0089】
いくつかの実施形態では、動作326は、一度に予備選別決定の一部分を評価するために、スライドウィンドウを利用する。スライドウィンドウは、流体流中の対応する数の流体区画に対する2つ、3つ、4つ、または5つ以上の選別決定を含むことができる。次いで、動作326は、望ましくない液滴電荷列を識別するように、スライドウィンドウ内で選別決定を評価する。
【0090】
いくつかの実施形態では、望ましくない液滴電荷列は、選別決定を、参照テーブルに記憶されるもの等の一式の所定の望ましくない液滴電荷列と比較することによって識別される。合致が見出された場合、液滴列は、望ましくない液滴電荷列として識別される。次いで、
図10に示されるような付加的な処理が行われる。
【0091】
別の実施形態では、望ましくない液滴電荷列は、液滴に割り当てられた液滴電荷を所定の最大偏向値と比較することによって識別される。例えば、各液滴電荷は、最初に、液滴電荷が最大偏向値を超えるかどうかを判定するように評価される。もしそうであれば、隣接液滴のうちのいずれか一方が最大反対偏向値を超えるかどうかを判定するように、隣接液滴が評価される。隣接液滴に割り当てられた電荷の一方または両方が最大反対偏向値を超える場合、関連液滴は、望ましくない液滴電荷列として識別される。
【0092】
いくつかの実施形態では、液滴電荷は、ゼロから最大値(例えば、32,767)の間の値を割り当てられ、最大値は、流体流130を帯電させるために選別制御電子機器120によって印加することができる最大電圧を表す。液滴電荷はまた、正または負等の極性も含む。次いで、最大偏向値は、0から最大値の間の値に設定される。例えば、19,660という値をいくつかの実施形態で使用することができるが、他の実施形態は他の値を利用する。最大偏向値は、例えば、ノズルサイズ等の種々の要因に基づいて調整することができる。
【0093】
最大反対偏向値は、同様に、ゼロから最大値の間の値を割り当てられる。例えば、8,191という値をいくつかの実施形態で使用することができるが、他の実施形態は他の値を利用する。最大反対偏向値もまた、例えば、ノズルサイズ等の種々の要因に基づいて調整することができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、望ましくない液滴電荷列は、隣接液滴の間の電荷差を計算し、電荷差が閾値を超えるかどうかを判定することによって識別される。
【0095】
いくつかの実施形態では、最大偏向値、最大反対偏向値、および/または閾値は、試験によって判定され、液滴のうちの少なくとも1つの選別が中止されなかった場合に合併するように、値は、2つの隣接液滴が十分な電荷差を有するときに超えられるように設定される。
【0096】
いくつかの実施形態では、最大偏向値、最大反対偏向値、および/または他の閾値を生成するように、計算を行うことができる。計算は、液滴が合併し始めるであろう時点での最大偏向値を判定することができる。計算は、流体ノズルサイズ、液滴離脱点と帯電偏向板との間の液滴落下距離、液滴が液滴落下距離を移動するのにかかる時間、液滴質量、液滴電荷の大きさ、隣接液滴の間の液滴電荷差、液滴電荷極性、シース圧力、および流速度等の要因を含むことができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、計算は、流体ノズルサイズの調整時等の関連要因が変化する任意の時間に自動的に行われる。
【0098】
図9は、予備選別決定を含有する例示的バッファを図示する、概略ブロック図である。この実施例では、予備選別決定は、液滴位置332、および予備選別決定に従って液滴に印加される電荷334を識別する。
【0099】
この実施例では、液滴位置332は、流体流130内の液滴の位置を識別する。例えば、文字Nは、液滴離脱点134(
図2)を次に横断する流体区画の部分を表す。各液滴は、「N+1」が第2の流体区画を表し、「N+2」が第3の流体区画を表す等のように、連続順でこの液滴から増分される。
【0100】
次いで、印加される電荷334は、各液滴位置332について記憶される。いくつかの実施形態では、液滴電荷は、選別制御電子機器120によって流体流130に印加することができる最大電圧、および極性(例えば、正または負)を表す、0から最大値(例えば、32,767)の間の数である。
【0101】
簡単にするために、最大値が3であり、6つの可能な電荷(−3、−2、−1、+1、+2、および+3)をもたらす、簡便な表記法が
図9(および本明細書の他の場所)で使用される。この表記法を使用して、
図7を参照すると、−3の電荷が割り当てられる液滴は、最も遠いコンテナ260の中へ指向されることを目的とし、−2は、コンテナ262に指向し、−1は、コンテナ264に指向し、+1は、コンテナ268に指向し、+2は、コンテナ270に指向し、+3は、コンテナ272に指向する。非荷電液滴は、コンテナ266に指向される。
【0102】
この実施例では、選別決定エンジンは、2という最大差分値および1という最大反対差分値を割り当てられている。
【0103】
これらの値を使用して、液滴は、望ましくない選別列について評価される。この実施例では、最大差分値(2)を超える大きさ(3)を有する、N+1およびN+3と標識された2つの液滴が識別される。結果として、隣接液滴は、最大反対差分値(1)を超えるかどうかを判定するように評価される。
【0104】
液滴NおよびN+4は、最大反対差分値(1)を超えない、(1)という大きさを有する。しかしながら、液滴N+2は、最大反対差分値(1)を超える大きさ(2)を有する。したがって、液滴N+1、N+2、およびN+3は、
図10に示されるように、さらなる処理のために望ましくない選別列として識別される。
【0105】
図10は、望ましくない液滴電荷列を識別した後に、選別が中止されるべきである、1つ以上の液滴を識別するための例示的な方法を図示する。本方法はまた、
図6に示される動作284の実施例である。この実施例では、動作284は、動作342、344、346、および348を含む。
【0106】
動作342は、液滴列の中の各液滴の優先順位を識別するように行われる。いくつかの実施形態では、液滴の優先順位は、液滴中の粒子の種類または数量に基づいて割り当てられる。液滴の優先順位は、いくつかの実施形態では、ユーザによって選択することができる。
【0107】
いくつかの実施形態では、液滴は、液滴に含有される粒子に基づいて、いくつかの液滴モードのうちの1つと関連付けられる。液滴モードの実施例は、単一モード、浄化モード、および濃縮モードを含む。単一モード液滴は、単一の粒子のみを含有する液滴である。浄化モード液滴は、単一の種類の1つ以上の粒子を含有するものである。濃縮モード液滴は、重要な粒子を含有するが、他の種類の他の粒子も含有し得るものである。いくつかの実施形態では、優先順位は、液滴モードに基づいて割り当てられ、単一が、最高優先順位であり、浄化が、より低い優先順位を有し、濃縮が、最低優先順位を有する。
【0108】
別の可能な実施形態では、優先順位は、コンテナ位置に基づいて割り当てられ、外側コンテナが、内側コンテナより高い優先順位を有する。同順位の場合では、左側のコンテナに右側のコンテナより高い優先順位を与えることができ、またはその逆も同様である。
【0109】
いくつかの実施形態では、3が最低優先順位である、1から3等の値が、各優先レベルに割り当てられる。他の値もまた、他の実施形態で使用することができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、優先順位は、液滴予備選別決定とともにバッファ330に記憶される。実施例が
図11で図示されている。
【0111】
動作344は、最低優先順位を有する、望ましくない液滴電荷列の中の1つ以上の液滴を識別するように行われる。
【0112】
動作346は、最低優先順位を有する列の中の1つ以上の液滴への電荷の印加を中止する。
【0113】
最終選別決定は、動作348において、選別制御信号154(
図3)を生成するように、同一または別のバッファの中等のコンピュータ可読記憶デバイスに記憶される。実施例は、
図12に図示される。
【0114】
これらの決定の結果として、最終選別決定は、(最終選別決定になる)他の事前に割り当てられた電荷を、中止されていない他の液滴に印加しながら、選別フローサイトメータに、事前に割り当てられた電荷を液滴のうちの1つに選択的に印加させない。
【0115】
図11は、
図9に示されるものに類似するが、優先順位データ352も含有する、別の例示的バッファ330’を図示する概略ブロック図である。
【0116】
この実施例では、バッファ330’で識別される液滴のそれぞれは、位置番号332、印加される電荷334、および優先順位352を含む。
【0117】
示されるように、望ましくない液滴電荷列を識別した後、列の中の液滴の優先順位が識別されて評価される。この実施例では、液滴N+1は、1という優先順位(高い)を有し、液滴N+2は、2という優先順位(中間)を有し、液滴N+3は、1という優先順位(高い)を有する。したがって、液滴N+2は、最低優先順位を有すると判定される。
【0118】
いったん最低優先順位を有する液滴が識別されると、関連液滴の選別は中止される。よって、この実施例では、液滴N+2の選別が中止される。次いで、最終選別決定が、
図12に示されるように生成される。
【0119】
別の可能な実施形態では、選別決定は、一次選別決定および二次選別決定を含む。上記で議論される決定は、一次選別決定の実施例である。液滴はまた、二次選別決定を割り当てることもできる。一次選別決定が中止されなければならない場合において、液滴は、二次選別決定を割り当てることができる。次いで、選別決定の評価は、二次選別決定が依然として望ましくない液滴電荷列をもたらすであろうかどうか、または二次選別決定が望ましくない液滴電荷列を排除するかどうかを判定するように繰り返される。二次選別決定が問題を解決する場合、液滴の選別は、二次決定に従って続行することを可能にされる。二次選別決定が望ましくない液滴電荷列をもたらし続ける場合、最低優先順位を有する1つ以上の液滴の選別は中止される。
【0120】
図12は、望ましくない液滴電荷列の形成を回避するために、予備選別決定(
図9および11に示される)が1つ以上の液滴に対する選別動作を中止するように修正される、例示的バッファ362を図示する概略ブロック図である。より具体的には、電荷が液滴N+2に印加されないように、この液滴に割り当てられる電荷が変化させられている。液滴N+2の選別を中止することによって、液滴N+1およびN+3の選別は、続けて高優先順位の液滴を適切なコンテナの中へ指向することができる。
【0121】
表1は、可能な液滴列のいくつかの付加的な実施例、および1つ以上の液滴を中止するように行うことができる関連決定を例証する。アスタリスクは、望ましくない液滴列の一部である液滴を表す。文字「P」の後に続く括弧内の数字は、液滴優先順位を示す。
【表1-1】
【表1-2】
【0122】
上記で説明される種々の実施形態は、例証のみとして提供され、本明細書に添付される請求項を限定すると解釈されるべきではない。当業者であれば、本明細書で図示および説明される例示的実施形態および用途に従うことなく、かつ以下の請求項の真の精神および範囲から逸脱することなく、行われ得る種々の修正および変更を容易に認識するであろう。