特許第6192681号(P6192681)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6192681皮膚水分を測定するための装置および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6192681
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】皮膚水分を測定するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20170828BHJP
【FI】
   A61B5/00 NZDM
   A61B5/00 M
   A61B5/00 B
【請求項の数】21
【外国語出願】
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-103368(P2015-103368)
(22)【出願日】2015年5月21日
(65)【公開番号】特開2015-221209(P2015-221209A)
(43)【公開日】2015年12月10日
【審査請求日】2015年7月21日
(31)【優先権主張番号】14/284,579
(32)【優先日】2014年5月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509348786
【氏名又は名称】エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109586
【弁理士】
【氏名又は名称】土屋 徹雄
(72)【発明者】
【氏名】三原 雅昭
【審査官】 増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06439028(US,B1)
【文献】 特開2014−014425(JP,A)
【文献】 特開2006−198321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00−5/01
G01N 33/48−33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部および第2の端部を有する細長いエンクロージャと、
皮膚と接触状態となるように、かつ前記皮膚から発散する水分を受容するように構成され、前記第1の端部に配置された入口と、
前記細長いエンクロージャの内側で前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置され、前記水分の量を検出するように構成された水分センサと、
前記第2の端部に配置され、前記水分を冷却し凝結させるように構成された冷却ユニットと、
前記水分センサのごく近くに配置され、前記水分センサに隣接する雰囲気の第1の温度を検出するように構成された第1の温度センサと、
前記冷却ユニットのごく近くに配置され、前記冷却ユニットに隣接する雰囲気の第2の温度を検出するように構成された第2の温度センサと、
前記第1の温度と前記第2の温度との間で実質的に一定の温度差を維持するように前記冷却ユニットを制御するように構成された制御器と、
前記細長いエンクロージャの表面上に配設され、前記水分センサによって検出された前記水分の前記量を報告するように構成された出力ユニットと、
を備える皮膚水分測定装置。
【請求項2】
前記水分センサの反対側の前記冷却ユニットの第1の表面に取り付けられたヒートシンクをさらに備え、
前記ヒートシンクは前記冷却ユニットから生成された熱を放散させるように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ヒートシンクに向かう空気流を生み出すように構成された冷却ファン
をさらに備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記冷却ファンのごく近くで前記細長いエンクロージャの表面上に形成された1つまたは複数の空気取入口
をさらに備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記水分センサによって検出された水分の前記量が前記皮膚からの水分損失の程度を示
す、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記水分センサによって検出された水分の前記量が皮膚バリア機能の状態を示す、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記冷却ユニットが、前記水分センサに面する前記冷却ユニットの第2の表面から前記冷却ユニットの第1の表面へと熱を伝達させて、その結果、前記第2の表面が前記第1の表面よりも温度が低くなるように構成された熱電冷却器である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記水分センサおよび前記冷却ユニットを動作させるための電力を供給するように構成された電力供給部
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記水分センサが、
前記水分の前記量に従って静電容量を変化させるように構成されたコンデンサと、
前記静電容量の前記変化を電圧信号に変換するように構成された発振器と、
前記電圧信号の周波数を判定するように構成された周波数カウンタと、
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
皮膚水分測定装置の細長いエンクロージャの第1の端部に配置された入口を通して皮膚から発散する水分を受容することと、
前記細長いエンクロージャの内側で前記第1の端部と第2の反対側の端部との間に配置された水分センサによって前記水分の量を検出することと、
前記細長いエンクロージャの前記第2の反対側の端部に配置された冷却ユニットによって前記水分を冷却し凝結させることと、
前記水分センサのごく近くに配置された第1の温度センサによって前記水分センサに隣接する雰囲気の第1の温度を検出することと、
前記冷却ユニットのごく近くに配置された第2の温度センサによって前記冷却ユニットに隣接する雰囲気の第2の温度を検出することと、
制御器によって、前記第1の温度と前記第2の温度との間で実質的に一定の温度差を維持するように前記冷却ユニットを制御することと、
前記細長いエンクロージャの表面上に配設された出力ユニットによって、前記水分センサによって検出された前記水分の前記量を報告することと、
を含む、皮膚水分を測定する方法。
【請求項11】
前記冷却ユニットから生成された熱を前記水分センサの反対側の前記冷却ユニットの第1の表面に取り付けられたヒートシンクによって放散させること
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
冷却ファンによって前記ヒートシンクに向かう空気流を生み出すこと
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記水分センサによって検出された水分の前記量から前記皮膚からの水分損失の程度を判定することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記水分センサによって検出された水分の前記量から皮膚バリア機能の状態を判定することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記水分を冷却し凝結させることが、熱電冷却器によって、前記水分センサに面する前記冷却ユニットの第2の表面から前記冷却ユニットの第1の表面へと熱を伝達させて、そ
の結果、前記第2の表面が前記第1の表面よりも温度が低くなるようにすることを含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項16】
皮膚水分測定装置によって動作可能なプログラムを格納する非一時的なコンピュータ可読格納媒体であって、前記プログラムが、
皮膚水分測定装置の細長いエンクロージャの第1の端部に配置された入口を通して皮膚から発散する水分を受容する、
前記細長いエンクロージャの内側で前記第1の端部と第2の反対側の端部との間に配置された水分センサによって前記水分の量を検出する、
前記細長いエンクロージャの前記第2の反対側の端部に配置された冷却ユニットによって前記水分を冷却し凝結させる、
前記水分センサのごく近くに配置された第1の温度センサによって前記水分センサに隣接する雰囲気の第1の温度を検出する、
前記冷却ユニットのごく近くに配置された第2の温度センサによって前記冷却ユニットに隣接する雰囲気の第2の温度を検出する、
制御器によって、前記第1の温度と前記第2の温度との間で実質的に一定の温度差を維持するように前記冷却ユニットを制御する、および
前記細長いエンクロージャの表面上に配設された出力ユニットによって、前記水分センサによって検出された前記水分の前記量を報告するための、1つまたは複数の命令を備える、
非一時的なコンピュータ可読格納媒体。
【請求項17】
第1の端部、第2の端部、および前記第1の端部に配置された入口を有する細長いエンクロージャを用意することであって、前記入口が皮膚と接触状態となるように、かつ前記皮膚から発散する水分を受容するように構成された、用意することと、
前記水分の量を検出するように構成された水分センサを、前記細長いエンクロージャの内側で前記第1の端部と前記第2の端部との間に配設することと、
前記水分を冷却し凝結させるように構成された冷却ユニットを前記第2の端部に配設することと、
前記水分センサに隣接する雰囲気の第1の温度を検出するように構成された第1の温度センサを、前記水分センサのごく近くに配設することと、
前記冷却ユニットに隣接する雰囲気の第2の温度を検出するように構成された第2の温度センサを、前記冷却ユニットのごく近くに配設することと、
前記第1の温度と前記第2の温度との間で実質的に一定の温度差を維持するように前記冷却ユニットを制御するように構成された制御器を、前記冷却ユニットに結合することと、
出力ユニットを前記細長いエンクロージャの表面上に配設することを含み、
前記出力ユニットは前記水分センサによって検出された前記水分の前記量を報告するように構成される、
皮膚水分測定装置を製造する方法。
【請求項18】
ヒートシンクを前記水分センサの反対側の前記冷却ユニットの第1の表面に取り付けることをさらに含み、
前記ヒートシンクは前記冷却ユニットから生成された熱を放散させるように構成される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
冷却ファンを前記ヒートシンクのごく近くに配設することをさらに含み、
前記冷却ファンは前記ヒートシンクに向かう空気流を生み出すように構成される、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記冷却ファンのごく近くで前記細長いエンクロージャの表面上に1つまたは複数の空気取入口を形成することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
電力供給部を前記水分センサおよび前記冷却ユニットに結合することをさらに含み、
前記電力供給部は前記水分センサおよび前記冷却ユニットを動作させるための電力を供給するように構成される、
請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に一般に記載される技術は、皮膚中の水分を測定することに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において別段の指示がない場合は、本節に記載する手法は、本出願の特許請求の範囲に対する先行技術ではなく、また本節に含まれることによって先行技術であると認められるものではない。
【0003】
ヒトまたは動物の皮膚は吸湿性および透過性を有し、したがって、水は身体の内側から皮膚を通り拡散および蒸発を介して周囲雰囲気中へと移動するか、または、皮膚は周囲雰囲気から水分を吸収することができる。皮膚美容製品への曝露および太陽からの紫外線放射への曝露によって皮膚が損傷すると皮膚の水分を保持する能力が低下し得るので、皮膚の吸湿特性は皮膚の健康上および美容上の問題を決定付ける。したがって、皮膚の全体的な健康状態または皮膚中の水分含有量を判定し、このことによって皮膚の健康を維持または改善するための考えられる美容上の選択肢およびスキンケアの選択肢を評価できるように、皮膚水分含有量または補水レベルを精確に測定することが重要である。また、補水状態の測定は、スキンケア製品の調製、有効性の主張の支援、および有効性試験を含むあらゆる美容用途にとって望ましいであろう。
【0004】
皮膚中の補水レベルを検出するための皮膚水分測定装置が開発されており、これは様々な技法を利用している。1つの例としての方法は、誘電性媒体の静電容量を測定する。この方法は、皮膚表面の補水状態が高精度コンデンサの静電容量を変化させることに起因する、誘電率の変化を測定する。静電容量の測定は短い時間期間で行うことができ、また皮膚中の物質(たとえば、塩または局所塗布製品の残留物)によって影響されない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、既述の測定は皮膚に取り付けられた電極または探針によって行われ、このことは皮膚にストレスを与える場合がある。さらに、この方法は、満足のいく水分測定の精度を提供するものの、費用が高く、また個々の使用者にとって持ち運び可能な大きさで実施されない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの例では、本明細書に記載の皮膚水分を測定するように構成される装置は、細長いエンクロージャと、入口と、水分センサと、冷却ユニットとを含み得る。細長いエンクロージャは、第1の端部および第2の端部を有し得る。入口は、細長いエンクロージャの第1の端部に配置され得、また皮膚と接触状態となるように、かつ皮膚から発散する水分を受容するように構成され得る。水分センサは、細長いエンクロージャの内側で第1の端部と第2の端部との間に配置され得、また水分の量を検出するように構成され得る。冷却ユニットは、細長いエンクロージャの第2の端部に配置され得、また水分を冷却し凝結させるように構成され得る。
【0007】
いくつかの例では、皮膚水分の測定の方法が記載される。例としての方法は、皮膚水分測定装置の細長いエンクロージャの第1の端部に配置された入口を通して皮膚から発散する水分を受容することを含み得る。水分の量は、細長いエンクロージャの内側で第1の端部と第2の反対側の端部との間に配置された水分センサによって検出され得る。水分は、細長いエンクロージャの第2の端部に配置された冷却ユニットによって冷却され凝結させられ得る。
【0008】
いくつかの例では、皮膚水分測定装置によって動作可能なプログラムを格納するように適合され得るコンピュータ可読格納媒体が記載される。皮膚水分測定装置は、本明細書にさらに記載するような様々な特徴を含み得る。プログラムは、皮膚水分測定装置の細長いエンクロージャの第1の端部に配置された入口を通して皮膚から発散する水分を受容するための、および、細長いエンクロージャの内側で第1の端部と第2の反対側の端部との間に配置された水分センサによって水分の量を検出するための、1つまたは複数の命令を含み得る。プログラムは、細長いエンクロージャの第2の端部に配置された冷却ユニットによって水分を冷却し凝結させるための1つまたは複数の命令をさらに含み得る。
【0009】
いくつかの例では、皮膚水分測定装置の製造の方法が記載される。例としての方法は、第1の端部、第2の端部、および第1の端部に配置された入口を有する、細長いエンクロージャを用意することを含み得、入口は皮膚と接触状態となるように、かつ皮膚から発散する水分を受容するように構成され得る。水分センサは、細長いエンクロージャの内側で第1の端部と第2の端部との間に配設され得、水分センサは水分の量を検出するように構成され得る。冷却ユニットは第2の端部に配設され得、冷却ユニットは水分を冷却し凝結させるように構成され得る。
【0010】
先の要約は例示的なものに過ぎず、いかなる点においても限定的であることは意図されていない。上記の例示的な態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、および特徴が、図面および以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
【0011】
本開示の先のおよび他の特徴は、添付の図面と併せて解釈すると、以下の説明および添付の特許請求の範囲から、より十分に明らかになるであろう。これらの図面は、本開示によるいくつかの実施形態のみを示しており、したがって、その範囲を限定するものと見なされるべきでないことを理解して、本開示は添付の図面の使用によってさらに具体的かつ詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】皮膚から発散する水分を測定するように構成された例としての皮膚水分測定装置の図を概略的に示す図である。
図2】皮膚から発散する水分を測定するように構成された別の例としての皮膚水分測定装置のブロック図を概略的に示す図である。
図3】皮膚に取り付けられた例としての皮膚水分測定装置の外観を概略的に示す図である。
図4図2に例示するような例としての皮膚水分測定装置のより詳細なブロック図を概略的に示す図である。
図5】皮膚水分を測定するように適合された方法の、例としてのフロー図を例示する図である。
図6】皮膚水分測定装置を製造するように適合された方法の、例としてのフロー図を例示する図である。
図7】皮膚水分を測定するための方法を実施するように構成され得る例としてのコンピューティングシステムを例示する、概略的なブロック図を示す図である。
図8】皮膚水分を測定するために利用され得るコンピュータプログラム製品を例示する図である。
図9A】分解された状態の、皮膚から発散する水分を測定するように構成された、例としての皮膚水分測定装置の要素または部品を例示する図である。
図9B図9Aの要素または部品から組み立てられた、皮膚から発散する水分を測定するように構成された、例としての皮膚水分測定装置を例示する図である。
図10A-10D】皮膚水分測定装置によって測定された頬、掌、額、およびポリエチレンフィルムの湿度をそれぞれ示すグラフを例示する図である。
図11A-11D】皮膚水分測定装置によって測定された、乾燥状態および通常状態における頬および額の湿度をそれぞれ示すグラフを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
これらの図面は全て、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態に従って構成されている。
【0014】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照する。図面では、文脈により別段の規定がない限りは、同様の記号は典型的には同様の構成要素を識別する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載する例示的な実施形態は、限定的であることを意図していない。本明細書に提示する主題の精神および範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用され得、また、他の変更がなされ得る。本明細書に一般に記載し、また図面に例示するような本開示の態様が、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、分離、および設計可能であり、これらの全てが本明細書において明示的に企図されることが、容易に理解されるであろう。
【0015】
本開示は、一般に、とりわけ、皮膚中の水分を測定することに関する方法、機器、システム、装置、およびコンピュータプログラム製品に向けられる。
【0016】
簡潔に述べると、皮膚水分測定装置を使用して皮膚水分を測定するための技術が一般に記載される。本明細書に記載する例としての装置およびシステムは、細長いエンクロージャ、入口、水分センサ、および/または冷却ユニットのうちの1つまたは複数を含み得る。冷却ユニットはたとえば熱電冷却器であり得る。入口は、細長いエンクロージャの第1の端部に配置され得、また皮膚と接触状態となるように、かつ皮膚から発散する水分を受容するように構成され得る。水分センサは、細長いエンクロージャの内側で第1の端部と第2の端部との間に配置され得、また水分の量を検出するように構成され得る。検出された水分の量は、皮膚からの水分損失の程度または皮膚バリア機能の状態を示し得る。さらに、冷却ユニットは細長いエンクロージャの第2の端部に配置され得、また水分を冷却し凝結させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、水分センサに隣接する雰囲気の第1の温度および冷却ユニットに隣接する雰囲気の第2の温度が検出され得る。また、検出された第1および第2の温度に応じて、冷却ユニットは、第1の温度と第2の温度との間で実質的に一定の温度差を維持するように制御され得る。
【0017】
図1は、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態に従って配置され、皮膚から発散する水分を測定するように構成された、例としての皮膚水分測定装置の図を概略的に示す。描かれているように、皮膚水分測定装置100は、細長いエンクロージャ120、水分センサ130、および/または冷却ユニット140のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、細長いエンクロージャ120は、入口150が配置され得、かつ皮膚110と接触状態となるように構成され得る、第1の端部122を有し得る。さらに、細長いエンクロージャ120は、冷却ユニット140が配置され得る、第1の端部122の反対側の第2の端部124を有し得る。水分センサ130は、細長いエンクロージャ120の内側で第1の端部122と第2の端部124との間に配置され得る。
【0019】
動作時、入口150は、皮膚110から発散する水分160を受容するように構成され得る。皮膚110と皮膚110よりも低い温度を有する冷却ユニット140との間に温度勾配が存在するので、皮膚110から発散する水分160は、皮膚110から冷却ユニット140への方向に流れることができる。一方で、水分センサ130は、水分センサ130を通って流れているまたはその近くを流れている水分160の量を検出し得る。さらに、冷却ユニット140は、水分センサ130に面する冷却ユニット140の表面に達している水分160を(図1に170で示されるように)冷却し凝結させるように構成され得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、水分センサ130に隣接する雰囲気の第1の温度を検出することができ、一方で、冷却ユニット140に隣接する雰囲気の第2の温度を検出することができる。また、第1および第2の温度の検出に応じて、冷却ユニット140は、第1および第2の温度の間で実質的に一定の温度差(または勾配)を維持するように制御され得る。たとえば、冷却ユニット140は、水分センサ130に面する冷却ユニット140の第2の表面142から冷却ユニット140の第1の表面144へと熱を伝達して、その結果、第2の表面142が第1の表面144よりも温度が低くなるように構成された、ペルチェ冷却器などの熱電冷却器であってよい。この構成では、水分センサ130によって測定される水分の量は、皮膚110での水分発散の速度に応じて変化し得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、水分センサ130によって検出される水分の量は、皮膚110からの水分損失の程度を示し得る。いくつかの他の実施形態では、水分センサ130によって検出される水分の量は、皮膚バリア機能の状態を示し得る。
【0022】
図2は、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態に従って配置され、皮膚から発散する水分を測定するように構成された、別の例としての皮膚水分測定装置のブロック図を概略的に示す。また図3は、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、皮膚に取り付けられた例としての皮膚水分測定装置の外観を概略的に示す。描かれているように、皮膚水分測定装置200は、細長いエンクロージャ210、水分センサ220、および/または冷却ユニット240のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、細長いエンクロージャ210は、入口216が配置され得る第1の端部212を有し得る。さらに、細長いエンクロージャ210は、冷却ユニット240が配置され得る、第1の端部212の反対側の第2の端部214を有し得る。たとえば、冷却ユニット240は、水分センサ220に面する冷却ユニット240の第2の表面242から冷却ユニット240の第1の表面244へと熱を伝達して、その結果、第2の表面242が第1の表面244よりも温度が低くなるように構成された、ペルチェ冷却器などの熱電冷却器であってよい。水分センサ220は、細長いエンクロージャ210の内側で第1の端部212と第2の端部214との間に配置され得る。皮膚水分測定装置200は、水分センサ220のところにまたはそのごく近くに配置された第1の温度センサ230と、冷却ユニット240のところにまたはそのごく近くに配置された第2の温度センサ250とをさらに含み得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、皮膚水分測定装置200は、冷却ユニット240から生成された熱を放散させるように構成されたヒートシンク260をさらに含み得る。より具体的には、ヒートシンク260の一方の側面を水分センサ220の反対側の冷却ユニット240の第1の表面244に取り付けることができ、一方で、ヒートシンク260の他方の側面を細長いエンクロージャ270に結合することができる。冷却ファン280は、細長いエンクロージャ270の内側に配設され得、かつモータ282によってヒートシンク260に向かう空気流を生み出すように駆動されるように構成され得る。さらに、1つまたは複数の空気取入口272は、冷却ファン280のごく近くで細長いエンクロージャ270の表面上に形成され得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、皮膚水分測定装置200は、水分センサ220、第1の温度センサ230、冷却ユニット240、第2の温度センサ250、冷却ファン280、および/またはモータ282、および/または出力ユニット292を含む、皮膚水分測定装置200の電気的および機械的要素/ユニットの動作を制御するように構成された、制御器290をさらに含み得る。たとえば、出力ユニット292は、LCD(液晶ディスプレイ)であってよく、また水分センサ220によって検出された水分の量を報告するように構成され得る。皮膚水分測定装置200は、水分センサ220、第1の温度センサ230、冷却ユニット240、第2の温度センサ250、冷却ファン280およびモータ282、制御器290、ならびに/または出力ユニット292を含む、皮膚水分測定装置200の電気的および機械的要素/ユニットを動作させるための電力を供給するように構成された、電力供給部294(たとえば、充電式のバッテリ)をさらに含み得る。
【0026】
動作時、入口216は、皮膚310と接触状態となり、また皮膚310から発散する水分を受容することが可能である。皮膚310と皮膚310よりも低い温度を有する冷却ユニット240との間に温度勾配が存在するので、皮膚310から発散する水分は、皮膚310から冷却ユニット240への方向に流れることができる。一方で、水分センサ220は、水分センサ220を通って流れているまたはその近くを流れている水分の量を検出し得る。さらに、冷却ユニット240は、水分センサ220に面する表面に達している水分を冷却し凝結させ得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、ペルチェ冷却器などの熱電冷却器が冷却ユニット240として使用され得る。この場合、冷却ユニット240が冷却ユニット240の第2の表面242から第1の表面244へと熱を伝達している間に、ヒートシンク260は冷却ユニット240の第1の表面244から生成された熱を放散させることができる。また、冷却効率をさらに高めるために、冷却ファン280は、ヒートシンク260に向かう空気流を生み出すことができ、その間、細長いエンクロージャ270の外側から空気取入口272を通して空気が導入され得る。
【0028】
さらに、第1の温度センサ230は水分センサ220に隣接する雰囲気の第1の温度を検出することができ、一方で、第2の温度センサ250は冷却ユニット240に隣接する雰囲気の第2の温度を検出することができる。第1および第2の温度の検出に応じて、制御器290は、第1および第2の温度の間で実質的に一定の温度差を維持するように冷却ユニット240を制御し得る。水分センサ220によって測定される水分の量を、出力ユニット292を介してユーザに報告することができ、出力ユニット292は皮膚310からの水分発散の速度に応じて変化する測定された水分の量を表示し得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、水分センサ220によって検出される水分の量は、皮膚310からの水分損失の程度を示し得る。いくつかの他の実施形態では、水分センサ220によって検出される水分の量は、皮膚バリア機能の状態を示し得る。
【0030】
図4は、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、図2に示すような例としての皮膚水分測定装置のより詳細なブロック図を概略的に示す。特に、図4は、水分センサ220、第1の温度センサ230、冷却ユニット240、第2の温度センサ250、および制御器290を含む、皮膚水分測定装置200の一部のより詳細なブロック図を示す。
【0031】
図4に例示するように、水分センサ220は、周波数カウンタ222、発振器224、および/もしくはコンデンサ226のうちの1つまたは複数を含み得る。コンデンサ226は、水分センサ220によって受容された水分の量に従って静電容量を変化させるように構成され得る。発振器224は、静電容量の変化を電圧信号に変換するように構成され得る。さらに、周波数カウンタ222は、電圧信号の周波数を判定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、水分センサ220は、対応する湿潤率のために測定される電圧信号の周波数と関連付けられた湿潤率(または水分含有量)のリストを含む、ルックアップテーブルをさらに含み得る。そのようなルックアップテーブルは、水分センサ220の内部メモリ(図示せず)に事前に格納され得る。
【0032】
動作時、水分センサ220は、皮膚から発散している水分の量を検出し得る。より具体的には、コンデンサ226は、水分センサ220によって受容された水分の量に従ってその静電容量を変化させ得る。発振器224は次いで静電容量の変化を電圧信号に変換し得る。さらに、周波数カウンタ222が電圧信号の周波数を判定するとき、水分センサ220は、ルックアップテーブル中の判定された周波数と関連付けられた湿潤率を判定し得る。一方で、冷却ユニット240は、水分センサ220に面する冷却ユニット240の表面に達している水分を冷却し凝結させ得る。
【0033】
さらに、第1の温度センサ230は水分センサ220に隣接する雰囲気の第1の温度を検出することができ、一方で、第2の温度センサ250は冷却ユニット240に隣接する雰囲気の第2の温度を検出することができる。検出された第1および第2の温度は、制御器290に送信され得る。第1および第2の温度に応じて、制御器290は、冷却ユニット240の冷却効率を制御し得、このことにより第1および第2の温度の間で実質的に一定の温度差を維持し得る。
【0034】
図5は、皮膚水分を測定するように適合された方法の、例としてのフロー図を例示する。図5の例としての方法500は、たとえば、皮膚中の水分を測定するように適合されたプロセッサを含むコンピューティングデバイスを使用して実施され得る。
【0035】
方法500は、ブロックS510、S520、および/またはS530のうちの1つまたは複数によって例示されるような、1つもしくは複数の動作、アクション、または機能を含み得る。別個のブロックとして例示されているが、様々なブロックは、所望の実施態様に応じて、追加のブロックとなるように分割可能であり、より少ないブロックとなるように組み合わせ可能であり、または削除可能である。いくつかのさらなる例では、記載する様々なブロックは、連続した過程の代わりに並行した過程として、またはこれらの組み合わせとして、実施され得る。方法500は、ブロックS510、「皮膚水分測定装置の細長いエンクロージャの第1の端部に配置された入口を通して皮膚から発散する水分を受容する」から開始してよい。
【0036】
ブロックS510で、皮膚から発散する水分は、皮膚水分測定装置の細長いエンクロージャの第1の端部に配置された入口を通して受容され得る。図1に描くように、入口150は、皮膚水分測定装置100の細長いエンクロージャ120の第1の端部122に配置され得る。入口150は、皮膚110から発散する水分160を受容し得る。皮膚110と皮膚110よりも低い温度を有する冷却ユニット140との間に温度勾配が存在するので、皮膚110から発散する水分160は、皮膚110から冷却ユニット140への方向に流れることができる。ブロックS510の後にブロックS520、「細長いエンクロージャの内側で第1の端部と第2の反対側の端部との間に配置された水分センサによって水分の量を検出する」が続いてよい。
【0037】
ブロックS520で、水分の量は、細長いエンクロージャの内側で第1の端部と第2の反対側の端部との間に配置された水分センサによって検出され得る。図1に例示するように、水分センサ130は、細長いエンクロージャ120の内側で第1の端部122と第2の端部124との間に配置され得る。水分センサ130は、水分センサ130を通ってまたはその近くを流れている水分160の量を検出し得る。ブロックS520の後にブロックS530、「細長いエンクロージャの第2の端部に配置された冷却ユニットによって水分を冷却し凝結させる」が続いてよい。
【0038】
ブロックS530で、水分は、細長いエンクロージャの第2の端部に配置された冷却ユニットによって冷却され凝結させられ得る。図1に例示するように、冷却ユニット140は、細長いエンクロージャ120の内側で第1の端部122の反対側の第2の端部124に配置され得る。冷却ユニット140は、水分センサ130に面する冷却ユニット140の表面に達している水分160を冷却し凝結させ得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、水分センサに隣接する雰囲気の第1の温度を検出することができ、一方で、冷却ユニットに隣接する雰囲気の第2の温度を検出することができる。第1および第2の温度の検出に応じて、冷却ユニットは、制御器(たとえば、図2の制御器290)によって、第1および第2の温度の間で実質的に一定の温度差を維持するように制御され得る。たとえば、冷却ユニットは、水分センサに面する冷却ユニットの第2の表面から冷却ユニットの第1の表面へと熱を伝達して、その結果、第2の表面が第1の表面よりも温度が低くなるように構成された、ペルチェ冷却器などの熱電冷却器であってよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、皮膚からの水分損失の程度は、水分センサによって検出された水分の量から判定され得る。いくつかの他の実施形態では、皮膚バリア機能の状態は、水分センサによって検出された水分の量から判定され得る。
【0041】
図6は、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態に従って配置され、皮膚水分測定装置を製造するように適合された方法の、例としてのフロー図を例示する。図6の例としての方法600は、たとえば、皮膚水分測定装置の製造を制御するように適合されたプロセッサを含むコンピューティングデバイスを使用して実施され得る。
【0042】
方法600は、ブロックS610、S620、および/またはS630のうちの1つまたは複数によって例示されるような、1つもしくは複数の動作、アクション、または機能を含み得る。別個のブロックとして例示されているが、様々なブロックは、所望の実施態様に応じて、追加のブロックとなるように分割可能であり、より少ないブロックとなるように組み合わせ可能であり、または削除可能である。いくつかのさらなる例では、記載する様々なブロックは、連続した過程の代わりに並行した過程として、またはこれらの組み合わせとして、実施され得る。方法600は、ブロックS610、「第1の端部、第2の端部、および第1の端部に配置された入口を有する、細長いエンクロージャを用意する」から開始してよい。
【0043】
ブロックS610で、細長いエンクロージャは、第1の端部、第2の端部、および第1の端部に配置された入口を有するように用意され得る。図2および3に例示するように、細長いエンクロージャ210は、入口216が配置され得る第1の端部212、および第1の端部212の反対側の第2の端部214を有するように用意され得る。入口216は、皮膚310と接触状態となり、かつ皮膚310から発散する水分を受容するように構成され得る。ブロックS610の後にブロックS620、「細長いエンクロージャの内側で第1の端部と第2の端部との間に水分センサを配設する」が続いてよい。
【0044】
ブロックS620で、水分センサは、細長いエンクロージャの内側で第1の端部と第2の端部との間に配設され得る。 図2および3に例示するように、水分センサ220は、細長いエンクロージャ210の内側で第1の端部212と第2の端部214との間に配置され得る。水分センサ220は、皮膚310から流れている水分の量を検出するように構成され得る。ブロックS620の後にブロックS630、「第2の端部に冷却ユニットを配設する」が続いてよい。
【0045】
ブロックS630で、冷却ユニットは第2の端部に配設され得る。図2および3に例示するように、冷却ユニット240は、細長いエンクロージャ210の第2の端部214に配置され得る。たとえば、冷却ユニット240は、水分センサ220に面する冷却ユニット240の第2の表面242から冷却ユニット240の第1の表面244へと熱を伝達して、その結果、第2の表面242が第1の表面244よりも温度が低くなるように構成された、ペルチェ冷却器などの熱電冷却器であってよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、第1の温度センサ230などの第1の温度センサは、水分センサのごく近くに配設することができ、この場合第1の温度センサは、水分センサに隣接する雰囲気の第1の温度を検出するように構成され得る。また、第2の温度センサ250などの第2の温度センサは、冷却ユニットのごく近くに配設することができ、この場合第2の温度センサは、冷却ユニットに隣接する雰囲気の第2の温度を検出するように構成され得る。制御器290などの制御器は冷却ユニットに結合され得、ここで制御器は第1の温度と第2の温度との間で実質的に一定の温度差を維持するように冷却ユニットを制御するように構成され得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、ヒートシンク260などのヒートシンクは、水分センサの反対側の冷却ユニットの第1の表面に取り付けることができ、この場合ヒートシンクは冷却ユニットから生成された熱を放散させるように構成され得る。さらに、冷却ファン280などの冷却ファンは、ヒートシンクのごく近くに配設され得、この場合冷却ファンは、ヒートシンクに向かう空気流を生み出すように構成され得る。加えて、取入口272などの1つまたは複数の空気取入口は、冷却ファンのごく近くで細長いエンクロージャの表面上に形成され得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、出力ユニット292などの出力ユニットは、細長いエンクロージャの表面上に配設され得、この場合出力ユニットは、水分センサによって検出された水分の量を報告するように構成され得る。加えて、電力供給部294などの電力供給部は、水分センサおよび冷却ユニットに結合され得、この場合電力供給部は、水分センサおよび冷却ユニットを動作させるための電力を供給するように構成され得る。
【0049】
本開示に照らして、当業者は、本明細書に開示する本方法および他の方法に関して、それらの方法において実行される機能が異なる順序で実施され得ることを諒解するであろう。さらに、概説したステップおよび動作は例としてのみ提供されており、また、これらのステップおよび動作のうちのいくつかは、開示する実施形態の本質から逸脱することなく、任意選択とすることができ、より少ないステップおよび動作となるように組み合わせ可能であり、または追加のステップおよび動作となるように拡張可能である。
【0050】
図7は、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、皮膚水分を測定するための方法を実施するように構成され得る例としてのコンピューティングシステムを例示する、概略的なブロック図を示す。図7に描くように、コンピュータ700は、プロセッサ710、メモリ720、および1つまたは複数のドライブ730を含み得る。コンピュータ700は、従来型のコンピュータシステム、組み込み型制御コンピュータ、ラップトップ、またはサーバコンピュータ、モバイルデバイス、セットトップボックス、キオスク、車両情報システム、携帯電話、カスタマイズした機械、または他のハードウェアプラットフォームとして実装され得る。
【0051】
ドライブ730およびそれらの関連付けられたコンピュータ格納媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、およびコンピュータ700に関する他のデータの格納を実現し得る。ドライブ730は、皮膚水分測定システム740、オペレーティングシステム(OS)750、およびアプリケーションプログラム760を含み得る。皮膚水分測定システム740は、図1から6に関して上記したような方法で皮膚水分測定装置を制御するように適合され得る。
【0052】
コンピュータ700は、ユーザがコマンドおよびデータを入力できるユーザ入力装置780をさらに含み得る。入力装置は、電子デジタイザ、カメラ、マイクロフォン、キーボード、および、マウス、トラックボール、またはタッチパッドと一般に呼ばれるポインティング装置を含み得る。他の入力装置は、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星放送受信用アンテナ、スキャナなどを含み得る。
【0053】
これらのおよび他の入力装置は、システムバスに結合されるユーザ入力インターフェースを通してプロセッサ710に結合され得るが、パラレルポート、ゲームポート、またはユニバーサルシリアルバス(USB)などの、他のインターフェースおよびバス構造によって結合されてもよい。コンピュータ700などのコンピュータは、出力周辺インターフェース785などを通して結合され得る、表示装置などの他の周辺出力装置も含み得る。
【0054】
コンピュータ700は、ネットワークインターフェース790に結合されたリモートコンピュータなどの1つまたは複数のコンピュータへの論理接続を使用する、ネットワーク化された環境で動作し得る。リモートコンピュータは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピアデバイス、または他の一般的なネットワークノードであってよく、またコンピュータ700に関連して上記した要素のうちの多くまたは全てを含み得る。
【0055】
ネットワーキング環境は、オフィス、企業のワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、およびインターネットにおいて一般的なものである。LANまたはWLANネットワーキング環境で使用される場合、コンピュータ700は、ネットワークインターフェース790またはアダプタを通してLANに結合され得る。WANネットワーキング環境で使用される場合、コンピュータ700は、通常、インターネットまたはネットワーク795などのWANを介して通信を確立するためのモデムまたは他の手段を含む。WANは、インターネット、例示したネットワーク795、様々な他のネットワーク、またはこれらの任意の組み合わせを含み得る。コンピュータ間で通信のリンク、リング、メッシュ、バス、クラウド、またはネットワークを確立する他の機構も使用できることが諒解されよう。
【0056】
いくつかの実施形態では、コンピュータ700はネットワーキング環境に結合され得る。コンピュータ700は、ドライブ730と関連付けられた1つもしくは複数の物理的コンピュータ可読格納媒体または他の格納装置の、1つまたは複数のインスタンスを含み得る。システムバスは、プロセッサ710がコードおよび/またはデータをコンピュータ可読格納媒体へと/から書き込む/読み取ることを可能にし得る。媒体は、限定するものではないが、半導体、磁性材料、光学媒体、電気的ストレージ、電気化学的ストレージ、または任意の他のそのような格納技術を含む、任意の好適な技術を使用して実装される格納要素の形態の機器を表し得る。媒体は、RAM、ROM、フラッシュかまたは他の種類の揮発性もしくは不揮発性メモリ技術として特徴付けられる、メモリ720と関連付けられた構成要素を表し得る。媒体は、2次ストレージを表すこともでき、それは格納装置730として実施され、またはそれ以外の様式で実施される。ハードドライブの実施態様は、ソリッドステートとして特徴付けられ得るか、または磁気的に符号化された情報を格納する回転する媒体を含み得る。
【0057】
プロセッサ710は、個別にまたは集合的に任意の数の状態をとり得る、任意の数のトランジスタまたは他の回路素子から構築され得る。より具体的には、プロセッサ710は、状態機械または有限状態機械として動作し得る。そのような機械は、実行可能命令をロードすることによって第2の機械または特定の機械に変化させられ得る。これらのコンピュータ実行可能命令は、プロセッサ710が状態間でどのように遷移するかを指定することによってプロセッサ710を変化させ、このことによりプロセッサ710を構成するトランジスタまたは他の回路素子を第1の機械から第2の機械へと変化させ得る。それぞれ機械の状態は、ユーザ入力装置780、ネットワークインターフェース790、他の周辺機器、他のインターフェース、または1つもしくは複数のユーザもしくはアクタから、入力を受け取ることによっても変化させられ得る。またいずれの機械も、プリンタ、スピーカ、ビデオディスプレイ、またはこれら以外の、様々な出力装置の状態または様々な物理特性を変化させることができる。
【0058】
図8は、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態による、皮膚水分を測定するために利用され得るコンピュータプログラム製品を例示する。プログラム製品800は信号担持媒体802を含み得る。信号担持媒体802は、たとえばプロセッサによって実行されるときに、図1から6に関して上記した機能性を提供し得る1つまたは複数の命令804を含み得る。例として、命令804は、以下のうちの少なくとも1つを含み得る:皮膚水分測定装置の細長いエンクロージャの第1の端部に配置された入口を通して皮膚から発散する水分を受容するための1つまたは複数の命令;細長いエンクロージャの内側で第1の端部と第2の反対側の端部との間に配置された水分センサによって水分の量を検出するための1つまたは複数の命令;あるいは細長いエンクロージャの第2の端部に配置された冷却ユニットによって水分を冷却し凝結させるための1つまたは複数の命令。したがって、たとえば、図1から4を参照すると、皮膚水分測定装置100または200は、命令804に応答して図5に示すブロックの1つまたは複数を担い得る。
【0059】
いくつかの実施態様では、信号担持媒体802は、限定するものではないが、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、メモリ、等などの、コンピュータ可読媒体806を包含し得る。いくつかの実施態様では、信号担持媒体802は、限定するものではないが、メモリ、読み取り/書き込み(R/W)CD、R/W DVD、等などの、記録可能媒体808を包含し得る。いくつかの実施態様では、信号担持媒体802は、限定するものではないが、デジタル通信媒体および/またはアナログ通信媒体(たとえば、光ファイバケーブル、導波路、有線通信リンク、無線通信リンク、等)などの、通信媒体810を包含し得る。したがって、たとえば、プログラム製品800は、RF信号担持媒体802によって皮膚水分測定装置100または200の1つまたは複数のモジュールに搬送可能であり、この場合信号担持媒体802は、無線通信媒体810(たとえば、IEEE 802.11規格に準拠した無線通信媒体)によって搬送される。
【実施例】
【0060】
本開示は、例示として提供されており、いかなる点においても限定的であることは意図されていない、以下の例を参照することにより、一層容易に理解されるであろう。
【実施例1】
【0061】
皮膚水分測定装置の構築
1つの実験例では、皮膚水分測定装置は上の実施形態に従って構築された。図9Aは、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態に従って配置され、皮膚から発散する水分を測定するように構成された、分解された状態の、例としての皮膚水分測定装置の要素または部品を例示する。図9Aに例示され、また以下で記載される全ての要素または部品は、皮膚水分測定装置100または200の対応する要素/部品と同様の構成および/または機能を有し得る。
【0062】
アクリル樹脂で製作された細長いエンクロージャ910が用意された。細長いエンクロージャ910は、入口916が配置される第1の端部912と、冷却ユニット940(たとえば、ペルチェ冷却器)が配置されることになる、第1の端部912の反対側の第2の端部914とを有する。水分センサ920は、細長いエンクロージャ910の内側で第1の端部912と第2の端部914との間に配置された。さらに、第1の温度センサ930は、水分センサ920のごく近くに配置された。
【0063】
細長いエンクロージャ910は次いで、細長いエンクロージャ910とヒートシンク960との間に冷却ユニット940を挿置した状態で、(第2の端部914に形成された)穴918および(ヒートシンク960に形成された)穴962を通してネジ924(またはボルト)を固定することによって、ヒートシンク960に取り付けられた。細長いエンクロージャ910をヒートシンク960に気密に取り付けるために、細長いエンクロージャ910の第2の端部914と冷却ユニット940との間に、シリコンエラストマ材料で製作された封止部材944が挿置された。さらに、第2の温度センサ950が、冷却ユニット940の反対側の封止部材944の一方側に配置された。最後に、ヒートシンク960に向かう空気流を生み出すように、冷却ファン980が配設された。
【0064】
図9Bは、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態に従って配置され、図9Aの要素または部品から組み立てられた、皮膚から発散する水分を測定するように構成された、例としての皮膚水分測定装置を例示する。より具体的には、図9Bは、図9Aを参照して上記したような様式で組み立てられた皮膚水分測定装置900を示す。
【0065】
皮膚水分測定装置900の部品または要素を組み立てた後で、センサ920、930、および950ならびに冷却ユニット940と制御器および電力供給部(図示せず)との間の電気的接続のための配線が、細長いエンクロージャ910の側方表面上の穴を通して敷設された。さらに、センサ920および930からの配線を細長いエンクロージャ910の側方表面に固定するために、エポキシ樹脂922および932が追加して配設された。
【実施例2】
【0066】
皮膚水分測定装置を使用して乾燥した皮膚および補水された皮膚の水分含有量を測定する。1つの実験例では、人体のいくつかの部位の湿度(または水分含有量)は、上の実施形態に従って製造された皮膚水分測定装置を使用することによって測定された。図10Aから10Dは、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、皮膚水分測定装置によって測定された頬、掌、額、およびポリエチレンフィルムの湿度をそれぞれ示すグラフを例示する。
【0067】
この実施例では、図1から4および9Aおよび9Bに例示された構成に従って、皮膚水分測定装置が実施された。水分測定が、頬、掌、額、およびポリエチレンフィルムのそれぞれに関して、摂氏26度の温度および60%の湿度を有する環境で、約60秒間行われた。また、皮膚水分測定装置の冷却ユニットは、(第1および第2の温度センサによって測定された)第1および第2の温度の間の差が約摂氏10度に維持されるように制御された。
【0068】
図10Aおよび10Bに示すように、頬および掌の表面で測定された水分含有量は、(約60秒であった)測定期間中、実質的に一定の様式で増加した。測定されたデータから、頬および掌から相当な速度で水分が発散したこと、およびしたがって、発散速度が冷却ユニットによる水分凝結の速度を上回ったことが想定される。
【0069】
他方で、図10Cに例示するように、額の表面で測定された水分含有量は、測定期間中、60%より僅かに大きい値に留まった。このことは額における発散速度が人体のその他の部位(たとえば、頬および掌)よりも著しく低かったことを示し得るが、このことはおそらく、額から水分が発散するのを妨げる、額を覆う油に起因する。
【0070】
さらに、図10Dは、皮膚水分測定装置の入口がポリエチレンフィルムによって気密に覆われたときの、皮膚水分測定装置によって測定された水分含有量を示すグラフを例示する。この場合、ポリエチレンフィルムから水分は発散しておらず、一方で、皮膚水分測定装置のエンクロージャの内側に残る水分は冷却ユニットによって引き続き凝結させられた。したがって、例示するように、測定された水分含有量は、測定期間中、約60%から約50%へと徐々に減少した。
【0071】
別の実験例では、乾燥状態および通常状態における頬および額の湿度(または水分含有量)は、上の実施形態に従って製造された皮膚水分測定装置を使用することによって測定された。図11Aから11Dは、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、皮膚水分測定装置によって測定された、乾燥状態および通常状態における頬および額の湿度をそれぞれ示すグラフを例示する。
【0072】
この実施例では、水分測定は、乾燥状態(たとえば、摂氏21度の温度および45%の湿度を有する環境)ならびに通常状態(たとえば、摂氏21度の温度および51%の湿度を有する環境)において、頬および額のそれぞれに関して、約60秒間行われた。また、皮膚水分測定装置の冷却ユニットは、(第1および第2の温度センサによって測定された)第1および第2の温度の間の差が約摂氏10度に維持されるように制御された。
【0073】
図11Aおよび11Bに示すように、乾燥状態において頬および額の表面で測定された水分含有量は、(約60秒間であった)測定期間の初期段階において急速に増加し、その後期段階においてゆっくりと増加した。測定されたデータから、乾燥状態において頬および額から相当な速度で水分が発散したこと、およびしたがって、発散速度が冷却ユニットによる水分凝結の速度を上回ったことが想定される。
【0074】
他方で、図11Cおよび11Dに示すように、頬および額の表面で通常状態において測定された水分含有量は、測定期間中、50%から60%の範囲内の値に留まった。このことは、通常状態における発散速度が乾燥状態における発散速度よりも著しく低かったことを示し得る。
【0075】
上記したように、本開示のいくつかの実施形態による皮膚水分測定装置は、従来の皮膚水分測定装置と比較して費用効果の高い様式で、個々のユーザにとって持ち運び可能な大きさで製造され得る。さらに、皮膚に取り付けられた電極または探針を使用して静電容量測定を行う従来の装置と対照的に、本開示による皮膚水分測定装置は、電極または探針が皮膚に取り付けられることを何ら必要としないので、皮膚に対するストレスを低減し得る。さらに、本開示による皮膚水分測定装置は、皮膚の広い領域から発散する水分を測定し得るが、一方従来の装置は、そのような場合に水分を検出するために、複数の電極または探針を必要とする場合がある。
【0076】
本開示は本出願に記載の特定の実施形態に関して限定されるべきではなく、これらの実施形態は様々な態様を例示するものとして意図される。当業者には明らかであろうように、多くの修正および変更が、その精神および範囲から逸脱することなくなされ得る。本開示の範囲内にある機能的に等価な方法および機器が、本明細書に列挙したものに加えて、先の説明から当業者には明らかであろう。そのような修正および変更は、添付の特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。本開示は、添付の特許請求の範囲の用語、およびかかる特許請求の範囲にとって等価物と認められるものの全範囲によってのみ限定されるべきである。本開示が特定の方法、試薬、化合物、組成物、または生物系に限定されず、これらが当然変化し得ることが理解されるべきである。本明細書で使用される専門用語が特定の実施形態について記載することのみを目的とするものであり、限定的であることを意図されていないことも理解されるべきである。
【0077】
本明細書に記載された主題は、様々なコンポーネントをしばしば例示しており、これらのコンポーネントは、他の様々なコンポーネントに包含されるか、または他の様々なコンポーネントに接続される。そのように図示されたアーキテクチャは、単に例に過ぎず、実際には、同じ機能を実現する多くの他のアーキテクチャが実装可能であることが理解されよう。概念的な意味で、同じ機能を実現するコンポーネントの任意の構成は、所望の機能が実現されるように効果的に「関連付け」される。したがって、特定の機能を実現するために組み合わされた、本明細書における任意の2つのコンポーネントは、アーキテクチャまたは中間のコンポーネントにかかわらず、所望の機能が実現されるように、お互いに「関連付け」されていると見ることができる。同様に、そのように関連付けされた任意の2つのコンポーネントは、所望の機能を実現するために、互いに「動作可能に接続」または「動作可能に結合」されていると見なすこともでき、そのように関連付け可能な任意の2つのコンポーネントは、所望の機能を実現するために、互いに「動作可能に結合できる」と見なすこともできる。動作可能に結合できる場合の具体例には、物理的にかみ合わせ可能な、および/もしくは物理的に相互作用するコンポーネント、ならびに/またはワイヤレスに相互作用可能な、および/もしくはワイヤレスに相互作用するコンポーネント、ならびに/または論理的に相互作用する、および/もしくは論理的に相互作用可能なコンポーネントが含まれるが、それらに限定されない。
【0078】
本明細書における実質的に全ての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に説明することができる。
【0079】
通常、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(たとえば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、全体を通じて「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(たとえば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。たとえば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む実施形態に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(たとえば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(たとえば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(たとえば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(たとえば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方(one of the terms)、当該用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。たとえば、句「AまたはB」は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0080】
加えて、本開示の特徴または態様がマーカッシュグループによって記載される場合、本開示がこのことによってマーカッシュグループの任意の個々の要素または要素のサブグループによっても記載されることを当業者は認識するであろう。
【0081】
当業者には理解されようが、書面による説明を提供する観点からなど、ありとあらゆる目的に関して、本明細書に開示する全ての範囲は、そのありとあらゆる可能な下位範囲および下位範囲の組み合わせもまた包含する。列挙された範囲はいずれも、少なくとも二等分、三等分、四等分、五等分、十等分、等に分解されている同じ範囲について十分に記載しまたそれらを可能にするものとして、容易に認識され得る。非限定的な例として、本明細書で検討する各範囲は、下3分の1、中3分の1、および上3分の1、等に容易に分解され得る。同様に当業者には理解されようが、「最大」、「少なくとも」などの全ての言語は、挙げられた数を含み、また上で検討したような下位範囲に後から分解され得る範囲を指す。最後に、当業者には理解されようが、範囲は個々の各要素を含む。
【0082】
以上から、本開示の様々な実施形態が本明細書において例示の目的で記載されていること、および、本開示の範囲および精神から逸脱することなく様々な修正がなされ得ることが諒解されるであろう。したがって、本明細書に開示する様々な実施形態は限定的であることを意図しておらず、その真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲によって示されている。
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