特許第6192705号(P6192705)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6192705
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20170828BHJP
【FI】
   A63F7/02 326Z
   A63F7/02 320
   A63F7/02 315A
   A63F7/02 315Z
【請求項の数】3
【全頁数】101
(21)【出願番号】特願2015-255848(P2015-255848)
(22)【出願日】2015年12月28日
(65)【公開番号】特開2017-118900(P2017-118900A)
(43)【公開日】2017年7月6日
【審査請求日】2016年12月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000132747
【氏名又は名称】株式会社ソフイア
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大塚 敬宏
(72)【発明者】
【氏名】畑 加都彦
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】園田 欽章
【審査官】 稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−69221(JP,A)
【文献】 特開2013−22126(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定条件の成立に基づき変動表示ゲームを実行し、前記変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、
遊技を制御する遊技制御手段と、
前記遊技制御手段からの制御信号に基づき演出の制御を行う演出制御手段と、を備え、
前記遊技制御手段は、
始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶する始動記憶手段と、
前記始動記憶手段に始動記憶として記憶された乱数に基づき当該変動表示ゲームの結果を決定し、前記変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段と、
前記始動記憶手段に始動記憶として記憶された乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前判定手段と、
前記変動表示ゲームの結果が前記特別結果となる確率状態を低確率状態と、該低確率状態よりも高めた高確率状態との何れかに設定する確率設定手段と、を備え、
前記事前判定手段は、
判定対象の始動記憶に基づく変動表示ゲームにおける変動パターンを判定し、判定結果を前記演出制御手段に送信するように構成され、
前記演出制御手段は、
前記事前判定手段の判定結果を格納する変動パターン情報格納領域を備え、
前記変動パターン情報格納領域は、
始動記憶毎に、第1結果格納領域と第2結果格納領域とからなる一対の領域が割り当てられ、前記判定結果を前記低確率状態において受信した場合には前記第1結果格納領域に当該判定結果を格納し、前記判定結果を前記高確率状態において受信した場合には前記第2結果格納領域に当該判定結果を格納することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記始動入賞領域には、
第1入賞領域と、第2入賞領域とがあり、
前記始動記憶手段は、
前記第1入賞領域での遊技球の検出に基づき前記変動表示ゲームをなす第1変動表示ゲームの実行権利を第1始動記憶として所定の上限数まで記憶する第1始動記憶手段と、
前記第2入賞領域での遊技球の検出に基づき前記変動表示ゲームをなす第2変動表示ゲームの実行権利を第2始動記憶として所定の上限数まで記憶する第2始動記憶手段と、を備え、
前記変動表示ゲーム実行手段は、
前記第1始動記憶に基づく前記第1変動表示ゲームと、前記第2始動記憶に基づく前記第2変動表示ゲームを、始動記憶の発生順に実行し、
前記遊技制御手段は、
前記第1始動記憶の前記乱数を格納する第1格納領域と、前記第2始動記憶の前記乱数を格納する第2格納領域とを備え、前記第1格納領域に前記第1始動記憶の発生順に前記乱数を格納するとともに、前記第2格納領域に前記第2始動記憶の発生順に前記乱数を格納するように構成され、
前記演出制御手段は、
前記第1始動記憶と前記第2始動記憶の何れの判定結果であるかにかかわらず、前記事前判定手段の判定結果の受信順に前記変動パターン情報格納領域に当該判定結果を格納することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技制御手段は、
前記第1格納領域及び前記第2格納領域に格納された前記乱数を用いた処理を行う場合に、処理に使用する前記乱数を前記第1格納領域及び前記第2格納領域とは別の予め定められた領域である乱数処理用領域に読み出してから処理を行い、
前記演出制御手段は、
前記変動パターン情報格納領域に格納された前記判定結果を用いた処理を行う場合に、処理に使用する前記判定結果を前記変動パターン情報格納領域とは別の予め定められた領域であるパターン判定結果処理用領域に読み出してから処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定条件の成立に基づき変動表示ゲームを実行し、前記変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。このパチンコ機では、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入賞すること(始動入賞)に基づいて、遊技領域に設けられた変動表示装置に表示される複数の識別情報(図柄、記号など)を変動表示する変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定数まで記憶可能となっている。そして、記憶された始動記憶に基づいて変動表示ゲームを実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となると、特別変動入賞装置を開放する特別遊技状態となるようにしている。また、特別結果の導出などを契機に特別結果となる確率を変化させることが可能とされている。さらに、始動記憶について当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に事前判定を行い、その判定結果を遊技者に報知する先読み演出も実行可能となっている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−77179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、始動記憶がある状態で確率状態が変化した場合は、当該始動記憶について事前判定を行った際の確率状態と、当該始動記憶に基づき変動表示ゲームを実行する際の確率状態が異なることとなり、判定結果の利用に支障が出るため確率状態の情報も考慮する必要があるなど、事前判定に関する処理は煩雑なものになっている。本発明の目的は、事前判定に関する処理の負担を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
所定条件の成立に基づき変動表示ゲームを実行し、前記変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、
遊技を制御する遊技制御手段と、
前記遊技制御手段からの制御信号に基づき演出の制御を行う演出制御手段と、を備え、
前記遊技制御手段は、
始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶する始動記憶手段と、
前記始動記憶手段に始動記憶として記憶された乱数に基づき当該変動表示ゲームの結果を決定し、前記変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段と、
前記始動記憶手段に始動記憶として記憶された乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前判定手段と、
前記変動表示ゲームの結果が前記特別結果となる確率状態を低確率状態と、該低確率状態よりも高めた高確率状態との何れかに設定する確率設定手段と、を備え、
前記事前判定手段は、
判定対象の始動記憶に基づく変動表示ゲームにおける変動パターンを判定し、判定結果を前記演出制御手段に送信するように構成され、
前記演出制御手段は、
前記事前判定手段の判定結果を格納する変動パターン情報格納領域を備え、
前記変動パターン情報格納領域は、
始動記憶毎に、第1結果格納領域と第2結果格納領域とからなる一対の領域が割り当てられ、前記判定結果を前記低確率状態において受信した場合には前記第1結果格納領域に当該判定結果を格納し、前記判定結果を前記高確率状態において受信した場合には前記第2結果格納領域に当該判定結果を格納することを特徴とする。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、低確率状態で受信した判定結果を格納する第1結果格納領域と、高確率状態で受信した判定結果を格納する第2結果格納領域を備えるので、事前判定結果を利用する際に何れの確率状態での判定結果であるかを容易に判別できるようになり、事前判定に関する処理の負担を軽減することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機であって、
前記始動入賞領域には、
第1入賞領域と、第2入賞領域とがあり、
前記始動記憶手段は、
前記第1入賞領域での遊技球の検出に基づき前記変動表示ゲームをなす第1変動表示ゲームの実行権利を第1始動記憶として所定の上限数まで記憶する第1始動記憶手段と、
前記第2入賞領域での遊技球の検出に基づき前記変動表示ゲームをなす第2変動表示ゲームの実行権利を第2始動記憶として所定の上限数まで記憶する第2始動記憶手段と、を備え、
前記変動表示ゲーム実行手段は、
前記第1始動記憶に基づく前記第1変動表示ゲームと、前記第2始動記憶に基づく前記第2変動表示ゲームを、始動記憶の発生順に実行し、
前記遊技制御手段は、
前記第1始動記憶の前記乱数を格納する第1格納領域と、前記第2始動記憶の前記乱数を格納する第2格納領域とを備え、前記第1格納領域に前記第1始動記憶の発生順に前記乱数を格納するとともに、前記第2格納領域に前記第2始動記憶の発生順に前記乱数を格納するように構成され、
前記演出制御手段は、
前記第1始動記憶と前記第2始動記憶の何れの判定結果であるかにかかわらず、前記事前判定手段の判定結果の受信順に前記変動パターン情報格納領域に当該判定結果を格納することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、各制御手段での情報の利用方法に即した格納方法とすることができ、事前判定に関する処理の負担を軽減することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機であって、
前記遊技制御手段は、
前記第1格納領域及び前記第2格納領域に格納された前記乱数を用いた処理を行う場合に、処理に使用する前記乱数を前記第1格納領域及び前記第2格納領域とは別の予め定められた領域である乱数処理用領域に読み出してから処理を行い、
前記演出制御手段は、
前記変動パターン情報格納領域に格納された前記判定結果を用いた処理を行う場合に、処理に使用する前記判定結果を前記変動パターン情報格納領域とは別の予め定められた領域であるパターン判定結果処理用領域に読み出してから処理を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、予め定められた領域に読み出してから処理を行うことで、始動記憶数が変化しても処理において参照する領域は変化しないようになり、事前判定に関する処理を効率よく行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、事前判定に関する処理の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態の遊技機を前面側から見た斜視図である。
図2】遊技盤の正面図である。
図3】入賞装置を説明する図である。
図4】一括表示装置の詳細を説明する図である。
図5】情報表示装置の詳細を説明する図である。
図6】演出操作部の詳細を説明する図である。
図7】遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。
図8】遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。
図9】当り確率及び当り種類を説明する図である。
図10】メイン処理を説明するフローチャートである。
図11】メイン処理を説明するフローチャートである。
図12】タイマ割込み処理を説明するフローチャートである。
図13】特図ゲーム処理を説明するフローチャートである。
図14】始動口スイッチ監視処理を説明するフローチャートである。
図15】特図始動口スイッチ共通処理を説明するフローチャートである。
図16】特図保留情報判定処理を説明するフローチャートである。
図17】先読み当り判定処理を説明するフローチャートである。
図18】大入賞口スイッチ監視処理を説明するフローチャートである。
図19】特図普段処理を説明するフローチャートである。
図20】特図1変動開始処理を説明するフローチャートである。
図21】特図2変動開始処理を説明するフローチャートである。
図22】特図変動中処理を説明するフローチャートである。
図23】特図表示中処理を説明するフローチャートである。
図24】特図表示中処理を説明するフローチャートである。
図25】高確率変動回数更新処理を説明するフローチャートである。
図26】ファンファーレ/インターバル中処理を説明するフローチャートである。
図27】大入賞口開放中処理を説明するフローチャートである。
図28】大入賞口残存球処理を説明するフローチャートである。
図29】大当り終了処理を説明するフローチャートである。
図30】大当り終了設定処理1を説明するフローチャートである。
図31】大当り終了設定処理2を説明するフローチャートである。
図32】(a)は小当りファンファーレ中処理を説明するフローチャート、(b)は小当り中処理移行設定処理を説明するフローチャートである。
図33】小当り中処理を説明するフローチャートである。
図34】(a)は小当り残存球処理を説明するフローチャート、(b)は小当り終了処理移行設定処理を説明するフローチャートである。
図35】小当り終了処理を説明するフローチャートである。
図36】普図ゲーム処理を説明するフローチャートである。
図37】ゲートスイッチ監視処理を説明するフローチャートである。
図38】普電入賞スイッチ監視処理を説明するフローチャートである。
図39】普図普段処理を説明するフローチャートである。
図40】普図表示中処理を説明するフローチャートである。
図41】普図当り中処理を説明するフローチャートである。
図42】普電作動移行設定処理を説明するフローチャートである。
図43】(a)は普図当り終了処理を説明するフローチャート、(b)は普図普段処理移行設定処理2を説明するフローチャートである。
図44】メイン処理を説明するフローチャートである。
図45】受信コマンドチェック処理を説明するフローチャートである。
図46】受信コマンド解析処理を説明するフローチャートである。
図47】記憶領域の構造を説明する図である。
図48】始動記憶の発生態様を説明する図である。
図49】記憶領域への記憶態様を説明する図である。
図50】先読み図柄系コマンド処理を説明するフローチャートである。
図51】先読み変動系コマンド処理を説明するフローチャートである。
図52】先読みコマンド整合チェック処理を説明するフローチャートである。
図53】先読み抽選処理を説明するフローチャートである。
図54】獲得可能数報知の一例を説明する図である。
図55】獲得可能数報知の一例を説明する図である。
図56】大当り系コマンド処理を説明するフローチャートである。
図57】ファンファーレ演出設定処理を説明するフローチャートである。
図58】獲得可能数設定処理を説明するフローチャートである。
図59】エンディング演出設定処理を説明するフローチャートである。
図60】獲得可能数報知の別例を説明する図である。
図61】第1変形例での演出の実行態様を説明する図である。
図62】第1変形例での変動系コマンド処理を説明するフローチャートである。
図63】第1変形例での変動演出設定処理を説明するフローチャートである。
図64】第1変形例でのエンディング演出設定処理を説明するフローチャートである。
図65】第1変形例でのファンファーレ演出設定処理を説明するフローチャートである。
図66】第2変形例での演出の実行態様を説明する図である。
図67】第2変形例でのラウンド演出設定処理を説明するフローチャートである。
図68】第2変形例でのエンディング演出設定処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
【0014】
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
【0015】
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
【0016】
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付ける演出操作部700が設けられている。この演出操作部700は、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25であり、さらに、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。また、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
【0017】
また、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出操作部700を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
【0018】
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
【0019】
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
【0020】
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。また、センターケース40の右部には、動作することによって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は四角柱状であり、長さ方向に沿った軸を中心として回転可能となっている。
【0021】
遊技領域32におけるセンターケース40の左方には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(図7参照)により検出される。また、遊技領域32におけるセンターケース40の左方及び下方には一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図7参照)により検出される。
【0022】
さらに、遊技領域32におけるセンターケース40の左部には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、遊技領域32側に可動部材を備えており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって可動部材がほぼ鉛直となって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から左方に傾いて遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
【0023】
すなわち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図7参照)により駆動される可動部材によって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態(第1特別遊技状態)中や小当り遊技状態(第2特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図7参照)が配設されている。本実施形態の遊技機では、大入賞口スイッチ38aが2つ設けられ、大入賞口内に流入した遊技球は何れかの大入賞口スイッチ38aに検出されるようになっている。このように大入賞口スイッチ38aを複数設けることで、大入賞口内に流入した遊技球を迅速に検出できる。
【0024】
センターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口36(始動入賞口、第1入賞領域)及び第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える第2始動入賞口97(始動入賞口、第2入賞領域)を備える入賞装置90が設けられている。この入賞装置90は、上部の流入口91に流入した遊技球を内部で第1始動入賞口36と第2始動入賞口97とに交互に振り分ける振分部材92を備えている(図6参照)。第1始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36aにより検出され、第2始動入賞口97に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ1をなす始動口2スイッチ97a(図7参照)により検出される。
【0025】
また、入賞装置90の左方には、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、第2入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図7参照)によって、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ2をなす始動口2スイッチ37a(図7参照)により検出される。また、入賞装置90の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
【0026】
図3には入賞装置90近傍の拡大図を示した。図3(a)に示すように入賞装置90の内部には、流入口91の直下となる位置に振分部材92が備えられている。また、振分部材92の左下方には第1始動入賞口36が配され、振分部材の右下方には第2始動入賞口97が配されている。さらに、振分部材92や第1始動入賞口36、第2始動入賞口97の前方を覆うようにカバー部材93が設けられている。カバー部材93は入賞装置90内の遊技球の挙動を視認可能なように透明又は半透明となっている。
【0027】
振分部材92は、前後方向に沿った回動軸92aを中心として回動可能な逆T字型の部材である。回動軸92aが配される位置から延出する3つの腕部のうち上方へ延出する腕部92bの左方には、当該腕部92bと隣接する左方へ延出する腕部92cとにより遊技球を一時的に保持する第1保持部92eが形成され、上方へ延出する腕部92bの右方には、当該腕部92bと隣接する右方へ延出する腕部92dとにより遊技球を一時的に保持する第2保持部92fが形成されている。この振分部材92は、上方へ延出する腕部92bが常に上方を向いた状態で、図3(a)に示すように第1保持部92eが流入口91に流入した遊技球を受け入れ可能な位置と、図3(b)に実線で示すように第2保持部92fが流入口91に流入した遊技球を受け入れ可能な位置との間で回動可能となっている。
【0028】
図3(a)に示すように第1保持部92eが流入口91に流入した遊技球を受け入れ可能な位置にある場合は、第2保持部92fが第2始動入賞口97へ向けて遊技球を流下させた状態となる。また、図3(b)に示すように第2保持部92fが流入口91に流入した遊技球を受け入れ可能な位置にある場合は、第1保持部92eが第1始動入賞口36へ向けて遊技球を流下させた状態となる。
【0029】
また、上方へ延出する腕部92bには第1の磁石92gが備えられているとともに、上方へ延出する腕部92bが垂直になった際に第1の磁石92gと対向する入賞装置90の後壁には第2の磁石94が備えられている。第1の磁石92gと第2の磁石94は対向する側の極が同じ極となるようにされており、反発力によって上方へ延出する腕部92bが垂直になった状態で留まらずに左右の何れかへ回動するように付勢されるようになっている。これにより振分部材92の回動が停止した状態では、第1保持部92eと第2保持部92fの何れかが必ず流入口91に流入した遊技球を受け入れ可能な状態となる。
【0030】
このような入賞装置90においては、図3(b)に示すように流入口91に流入した遊技球は、第1保持部92eと第2保持部92fのうち流入口91に向いて受け入れ可能な状態となっている一方の保持部で保持される。一方の保持部で遊技球が保持されると、遊技球の重さにより振分部材92は当該保持部の方向へ回動し、保持された遊技球は保持部が回動した方向にある第1始動入賞口36又は第2始動入賞口97へ向けて流下する。
【0031】
すなわち、図3(a)に示すように第1保持部92eで流入した遊技球を受けると振分部材92は遊技球の重さにより左に回動して第1始動入賞口36へ遊技球を案内した後、図3(b)に示すように第2保持部92fが次の遊技球を受入可能な状態で停止する。そして、図3(b)に示すように第2保持部92fで流入した遊技球を受けると振分部材92が遊技球の重さにより右に回動して第2始動入賞口97へ遊技球を案内した後、図3(a)に示すように第1保持部92eが次の遊技球を受入可能な状態で停止する。
【0032】
保持部から流下した遊技球は第1始動入賞口36又は第2始動入賞口97へ流入する可能性が高いが流入しないこともあり、流入しなかった場合は入賞装置90の外へ流出する。特に、保持部へ流入する際の勢いが強いと第1始動入賞口36又は第2始動入賞口97へ流入しない可能性が高い。なお、必ず何れかの始動入賞口に入賞するように構成しても良い。
【0033】
また、振分部材92が回動することにより、遊技球が保持されていた保持部ではない他方の保持部が流入口91に向いて受け入れ可能な状態となる。そして次回受け入れられた遊技球は当該他方の保持部側にある入賞口へ誘導される。これにより、順次流入口91へ流入する遊技球は第1始動入賞口36と第2始動入賞口97とに交互に振り分けられることとなる。
【0034】
また、入賞装置90の左方には普通変動入賞装置37が設けられており、第1始動入賞口36へ入賞しなかった遊技球が普通変動入賞装置37に入賞する可能性があるようにされている。また、入賞装置90の右方には一般入賞口35が設けられており、第2始動入賞口97に入賞しなかった遊技球が一般入賞口35に入賞する可能性があるようにされている。また、入賞装置90の左方であって、普通変動入賞装置37の右上方となる位置には、普通変動入賞装置37の左方から流下する遊技球の流下方向を普通変動入賞装置37へ向けて変更する誘導部98が設けられている。
【0035】
また、図2に示すように遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
【0036】
一括表示装置50は、図4に示すように、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)51(D1)及び第2特図変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)52(D2)と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53(D8,D10、D18)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54,55,56(D11〜D16)とを備える。
【0037】
また、一括表示装置50には、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器、時短状態報知部)58(D17)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部(第3遊技状態表示器、確率状態表示部)59(D9)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部60(D3〜D7)が設けられている。なお、一括表示装置50には、更に、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)や、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する表示部(右打ち報知部)等が設けられていてもよい。
【0038】
図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例えば100m秒に設定されている。なお、本実施形態の場合、特図1表示器51における特図変動表示ゲームにおいては、図4(b)に示すように、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するようにし、特図1と特図2との区別が可能なように構成されている。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメント(特図1であれば加えて右方下側の8番目のセグメント)を点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0039】
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。本実施形態の場合、図4(c)に示すように、普図表示器53を構成するランプD8とランプD10とランプD18のうち、ゲームの結果がはずれのときはランプD8のみを点灯状態にし、ゲームの結果が当りで当り停止図柄番号が「1」のときはランプD10のみを点灯状態にし、ゲームの結果が当りで当り停止図柄番号が「2」のときはランプD18のみを点灯状態にし、ゲームの結果が当りで当り停止図柄番号が「3」のときはランプD10及びランプD18を点灯状態にするよう構成されている。
【0040】
また、普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。本実施形態の場合、図4(d)に示すように、普図保留表示器56を構成するランプD15とランプD16のうち、保留数が「0」のときはランプD15及びランプD16の双方を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプD15のみを点灯状態にし、保留数が「2」のときはランプD15及びランプD16の双方を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプD15を点滅状態にしてランプD16を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプD15及びランプD16の双方を点滅状態にするよう構成されている。
【0041】
図1保留表示器54は、特図1表示器51において表示される第1特図変動表示ゲームの実行権利である第1始動記憶(特図1保留)の数を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。本実施形態の場合、図4(e)に示すように、特図1保留表示器54を構成するランプD11とランプD12のうち、特図1始動記憶数が「0」のときはランプD11及びランプD12の双方を消灯状態にし、特図1始動記憶数が「1」のときはランプD11のみを点灯状態にし、特図1始動記憶数が「2」のときはランプD11及びランプD12の双方を点灯状態にし、特図1始動記憶数が「3」のときはランプD11を点滅状態にしてランプD12を点灯状態にし、特図1始動記憶数が「4」のときはランプD11及びランプD12の双方を点滅状態にするよう構成されている。点滅周期は、例えば128m秒に設定されている。
【0042】
図2保留表示器55は、特図2表示器52において表示される第2特図変動表示ゲームの実行権利である第2始動記憶(特図2保留)の数を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。本実施形態の場合、図4(e)に示すように、特図2保留表示器55を構成するランプD13とランプD14のうち、特図2始動記憶数が「0」のときはランプD13及びランプD14の双方を消灯状態にし、特図2始動記憶数が「1」のときはランプD13のみを点灯状態にし、特図2始動記憶数が「2」のときはランプD13及びランプD14の双方を点灯状態にし、特図2始動記憶数が「3」のときはランプD13を点滅状態にしてランプD14を点灯状態にし、特図2始動記憶数が「4」のときはランプD13及びランプD14の双方を点滅状態にするよう構成されている。点滅周期は、例えば128m秒に設定されている。
【0043】
第2遊技状態表示部(時短状態報知部)58は、LEDランプ等で構成され、例えば図4(f)に示すように、時短状態が発生していない通常の遊技状態の場合(変動時間短縮機能未作動時)にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合(変動時間短縮機能作動時)にはランプを点灯状態にする。
【0044】
第3遊技状態表示部(確率状態表示部)59は、LEDランプ等で構成され、例えば図4(f)に示すように、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)の場合にはランプを点灯状態にする。
【0045】
ラウンド表示部60は、LEDランプ等で構成され、例えば、大当りに基づく特別遊技状態中でない場合にはランプを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。本実施形態の場合、図4(g)に示すように、ラウンド表示部60を構成するランプD3〜D7のうち、選択されたラウンド数が「16」のときはランプD5〜D7を点灯状態にし、選択されたラウンド数が「6」のときはランプD4〜D6を点灯状態にし、選択されたラウンド数が「2」のときはランプD3を点灯状態にするよう構成されている。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。なお、一括表示装置50の構成を、後述する第2実施形態の第5変形例に示すような構成としても良い。
【0046】
また、図2に示すようにセンターケース40の左上部には、表示装置41で表示する飾り特図変動表示ゲームとは別に飾り特図変動表示ゲームを実行する第四図柄の表示や、始動記憶数の表示を行う情報表示装置800が設けられている。
【0047】
図5(a)に示すように情報表示装置800は、一列に並んだ6個のLEDであるL1〜L6により構成されている。図5(b)に示すように、L1は第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを実行する第四図柄を表示する特図1第四図柄LEDである。また、L2は第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを実行する第四図柄を表示する特図2第四図柄LEDである。また、L3,L4は第1始動記憶数を表示する特図1保留LED1,2であり、L5,L6は第2始動記憶数を表示する特図2保留LED1,2である。
【0048】
図5(c)に示すように、L1,L2では、対応する特図変動表示ゲームの変動中はLEDを点滅させて変動中であることを表示し、特図変動表示ゲームの終了に伴いゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。本実施形態の場合、外れである場合は消灯状態にし、大当り又は小当りである場合は点灯状態にする。なお、小当りの場合の表示態様をはずれや大当りとは異なる表示態様としても良い。例えば、変動中における点滅とは異なる態様で点滅させるようにしても良い。
【0049】
また、図5(d)に示すように、L3,L4は、特図1表示器51において表示される第1特図変動表示ゲームの実行権利である第1始動記憶(特図1保留)の数を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。本実施形態の場合、特図1始動記憶数が「0」のときはL3及びL4の双方を消灯状態にし、特図1始動記憶数が「1」のときはL3のみを点灯状態にし、特図1始動記憶数が「2」のときはL3及びL4の双方を点灯状態にし、特図1始動記憶数が「3」のときはL3を点滅状態にしてL4を点灯状態にし、特図1始動記憶数が「4」のときはL3及びL4の双方を点滅状態にするよう構成されている。点滅周期は、例えば100m秒に設定されている。
【0050】
また、図5(d)に示すように、L5,L6は、特図2表示器52において表示される第2特図変動表示ゲームの実行権利である第2始動記憶(特図2保留)の数を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。本実施形態の場合、特図2始動記憶数が「0」のときはL5及びL6の双方を消灯状態にし、特図2始動記憶数が「1」のときはL5のみを点灯状態にし、特図2始動記憶数が「2」のときはL5及びL6の双方を点灯状態にし、特図2始動記憶数が「3」のときはL5を点滅状態にしてL6を点灯状態にし、特図2始動記憶数が「4」のときはL5及びL6の双方を点滅状態にするよう構成されている。点滅周期は、例えば100m秒に設定されている。
【0051】
なお、情報表示装置800の輝度を調整できるようにし、遊技に影響が及ばないようにしても良い。例えば、情報表示装置800を入賞装置90の流入口91の近傍に設けた場合、発光により流入する遊技球が見えにくくなるという課題が生じる。このような課題を解決するために、情報表示装置800の輝度を調整できるようにしても良い。輝度の調整方法としては、抵抗によりLEDに流す電流値を下げる方法や、PWM制御等のソフト制御により調整する方法、これらを併用する方法などが挙げられる。
【0052】
情報表示装置800を表示装置41とは別途に設けたことで、第四図柄の表示により表示装置41の表示領域を占有することがなく、表示領域を有効に活用することができる。なお、可動演出部材等を配設している場合には、動作する過程で情報表示装置800が覆われてしまうことがないように、可動演出部材の動作範囲とならない位置に情報表示装置800を配置する。また、第四図柄を情報表示装置800ではなく表示装置41で表示しても良いが、この場合には演出部材等により隠蔽されない位置に表示して常に視認可能となるようにする。また、可動演出部材等を配設している場合には、動作する過程で第四図柄が覆われてしまうことがないように、可動演出部材の動作範囲とならない位置に表示するか、可動演出部材の動作に応じて動作範囲とならない位置に移動するようにして、常に視認可能とする。
【0053】
図6には、演出操作部700の詳細を示した。図6(a)は、演出操作部700の平面図である。本実施形態の演出操作部700は、図6(a)に示すように、演出ボタン(プッシュボタン)25と、演出ボタン(プッシュボタン)25の上面に設けられたタッチパネル29と、を備えて構成されている。すなわち、演出操作部700は、物理的なプッシュボタン機能に加えて、タッチセンサ機能(タッチパネル機能)を有している。
【0054】
そして、演出制御基板(演出制御装置)300から演出操作部700へは、感度設定データやLED輝度データなどが送信され、演出操作部700から演出制御基板(演出制御装置)300へは、演出ボタン(プッシュボタン)25が備える演出ボタンスイッチ(プッシュセンサ)25aからのプッシュボタン信号(押圧検出信号)やタッチパネル29が備えるタッチセンサ29aからのタッチON/OFF信号(接触/非接触検出信号)が出力されるよう構成されている。
【0055】
本実施形態の場合、演出ボタン(プッシュボタン)25が備える演出ボタンスイッチ(プッシュセンサ)25aで、演出操作部700の上面に対する押圧操作(演出操作部700の上面を押して演出操作部700を押し下げる操作)を検出する。また、演出操作部700の上面には複数のポイントが設けられており、タッチパネル29が備えるタッチセンサで、演出操作部700の上面に設けられたポイントに対する接触操作を検出する。
【0056】
具体的には、図6(b)に示すように、複数のポイントとして、「TSW1」〜「TSW8」ポイントと、「Pa」ポイントと、の9つのポイントが設けられている。より具体的には、演出操作部700上面の中央部に設けられた「TSW4」ポイントと、「TSW4」ポイントの左側に設けられた「TSW1」ポイントと、「TSW4」ポイントよりも奥側(遊技盤30側)に設けられた「TSW3」ポイントと、「TSW4」ポイントの右側に設けられた「TSW6」ポイントと、「TSW4」ポイントよりも手前側(遊技者側)に設けられた「TSW8」ポイントと、「TSW1」ポイントと「TSW3」ポイントとの間に設けられた「TSW2」ポイントと、「TSW3」ポイントと「TSW6」ポイントとの間に設けられた「TSW5」ポイントと、「TSW6」ポイントと「TSW8」ポイントとの間に設けられた「TSW7」ポイントと、「TSW8」ポイントと「TSW1」ポイントとの間に設けられた「Pa」ポイントと、が設けられている。なお、ポイントの数は、9つに限定されるものではなく、適宜任意に変更可能である。また、図6(b)では、便宜上、「TSW1」〜「TSW8」の各ポイントにそれぞれ「TSW1」〜「TSW8」と表記しているが、本実施形態の演出操作部700には、図6(a)に示すように、このような表記はない。
【0057】
タッチパネル29のタッチセンサによって接触操作が検出可能なポイントは、「TSW1」〜「TSW8」ポイントの8つのポイントであり、「Pa」ポイントでは接触操作を検出しない。もちろん「Pa」ポイントでも接触操作を検出するようにしても良い。また、「TSW1」〜「TSW8」ポイントと「Pa」ポイントとの9つのポイント各々には、それぞれが独立した系統のLED(本実施形態の場合、フルカラーLED)が配置されている。
【0058】
「Pa」ポイントは、例えば、「Pa」ポイントのLEDを一発告知用の告知ランプとして使用することや、演出操作部700上面の各ポイントのLEDをルーレットのように順次点灯させ「Pa」ポイントのLEDを“当確(または確変確定)”ポイントに使用すること、「Pa」ポイントのLEDを先読みの当確演出に使用すること等、確定系の演出に用いることができる。
【0059】
ここで、演出操作部700の上面を光らせるためのLED(具体的には、「TSW1」〜「TSW8」ポイントや「Pa」ポイントなどに配置されたLED)の点灯輝度は、輝度調整(ホール設定、遊技者調整とも)の対象からは除外されている。すなわち、当該LEDの点灯輝度は、輝度調整の影響を受けず、一定となっている。また、タッチセンサは、タッチON状態(接触状態)が所定時間(例えば、約35秒間(基本設定))継続すると、強制的にタッチOFFする機能(タッチON信号の出力を停止して、タッチOFF信号を出力する機能)を有している。すなわち、タッチセンサ(タッチ検知IC)は、所定時間以上の連続した接触操作を検出できないよう構成されている。
【0060】
このような演出操作部700で検出する遊技者の操作としては、例えば図6(c)に示す操作が挙げられる。「単打」は、演出操作部700の押下を1回行う操作であり、「連打」は演出操作部700の押下を所定時間以内の間隔で複数回行う操作である。「長押し」は演出操作部700を所定時間以上押下したままとする操作であり、「タッチ」はタッチパネル29に触れる操作である。「「Pa」操作(TSW1or8)+長押し」は、「Pa」ポイント又はこれに隣接する「TSW1」ポイントと「TSW8」ポイントとの2つのポイントの一方(或いは、両方)に接触した状態で長押しする操作であり、「フリック」はタッチパネル29に触れた状態のまま弾くようにスライドさせる操作である。もちろん検出する操作はこれらの操作に限られるものではない。
【0061】
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図7参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
【0062】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図7参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値を判定値に参照して当該普図変動表示ゲームの結果を決定する。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
【0063】
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられ、LEDにより構成された変動表示部(普図表示器)53で表示されるようになっており、このLEDの点灯態様や点灯色が普通識別情報(普図、普通図柄)をなす。なお、普図表示器53を表示装置で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の可動部材37bが所定時間開放される開状態となる。これにより、第2入賞領域をなす普通変動入賞装置37へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0064】
第1始動入賞口36、第2始動入賞口97及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37a,97aによって検出される。第1始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図7参照)のRAM111Cに設けられる乱数格納領域に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41や情報表示装置800においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
【0065】
遊技制御装置100は、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51(変動表示装置)又は特図2表示器52(変動表示装置)で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置(画像表示装置)41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41や情報表示装置800に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も特別結果態様となる。また、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が小当り結果態様となった場合には、小当りとなって小当り遊技状態(いわゆる、小当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41や情報表示装置800に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様も小当り結果態様となる。
【0066】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。また、情報表示装置800では上述したようにL1,L2を用いて飾り特図変動表示ゲームが実行される。
【0067】
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
【0068】
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口36(若しくは、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態や小当り遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口36(若しくは、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態や小当り遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0069】
なお、特に限定されるわけではないが、上記第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a,97a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0070】
図7は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0071】
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0072】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0073】
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0074】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0075】
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0076】
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
【0077】
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0078】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
【0079】
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0080】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
【0081】
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0082】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0083】
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当り又は小当り)或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態(普電サポート状態))、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
【0084】
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0085】
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a,97a(始動口2スイッチ1及び2)、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0086】
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a,97a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a及び大入賞口スイッチ38aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしても良い。
【0087】
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37a,97aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
【0088】
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0089】
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
【0090】
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
【0091】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0092】
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0093】
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
【0094】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0095】
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0096】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38b及び普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
【0097】
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
【0098】
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38bや普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0099】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
【0100】
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0101】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
【0102】
次に、図8を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
【0103】
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
【0104】
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
【0105】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
【0106】
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
【0107】
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
【0108】
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
【0109】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0110】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46や情報表示装置800を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
【0111】
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
【0112】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0113】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
【0114】
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)上述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0115】
また、第1始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。また、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37a,97aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
【0116】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
【0117】
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41や情報表示装置800で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
【0118】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0119】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態(特定遊技状態)を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、低確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
【0120】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態、普電サポート状態ともいう)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が0に設定されている。
【0121】
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、例えば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、例えば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(例えば、1700m秒×3回)、となるように設定することが可能である。
【0122】
なお、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行うよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定しても良く、例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば、2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、例えば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、例えば、250/251)とすることが可能である。
【0123】
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
【0124】
図9には、当りとなる確率と当りの種類を示した。図9(a)に示すように、大当りとなる確率は第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームとで同じである。また、小当りとなる確率は第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームとで異なっている。この小当りとなる確率は大当り確率の状態にかかわらず変化しない。
【0125】
図9(b)には当りの種類と、各当り種類における平均獲得賞球数及び振分確率を示した。大当り種類には、16R確変A〜F、6R確変、2R確変A,Bがあり、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで振分確率が異なっている。16R確変A〜Fは、何れも特別遊技状態で実行可能なラウンド数は16ラウンドであるが、演出内容や各ラウンドにおける特別変動入賞装置38の動作態様が異なる。また、2R確変A,Bは、何れも特別遊技状態で実行可能なラウンド数は2ラウンドであるが、演出内容が異なる。
【0126】
また、大当りに基づく特別遊技状態の終了後には所定回数(ここでは80回)の特図変動表示ゲームを実行するまでの期間に亘り高確率状態(特定遊技状態)となる。よって何れの大当り種類も確変大当りである。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後の所定期間に亘り、変動表示ゲームが遊技者に有利となるよう実行される特定遊技状態を発生可能な特定遊技状態発生手段をなす。もちろん特別遊技状態の終了後に低確率状態とする通常大当りを含んでいても良い。また、16R確変A〜F、6R確変、2R確変Aの場合は特別遊技状態の終了後に所定回数(ここでは80回)の特図変動表示ゲームを実行するまでの期間に亘り、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態となる。また、2R確変Aの場合は特別遊技状態の終了後に普通変動入賞装置37の動作状態が通常動作状態となる。
【0127】
各ラウンドにおける特別変動入賞装置38の動作態様には長開放と短開放とがあり、長開放では開放可能時間が29秒とされ、短開放では開放可能時間が0.2秒とされる。よって、長開放であるラウンドが多いほど獲得賞球数が多くなる。16R確変A,B,Fは、何れのラウンドでも長開放となる。よって実質的にも16ラウンドの大当り(実16R)である。これらは演出の内容が異なるものである。また、16R確変Cは、12ラウンドまでは長開放となり13〜16ラウンドは短開放となる。よって実質的に12ラウンドの大当り(実12R)と言えるものである。また、16R確変Dは、8ラウンドまでは長開放となり9〜16ラウンドは短開放となる。よって実質的に8ラウンドの大当り(実8R)と言えるものである。また、16R確変Eは、4ラウンドまでは長開放となり5〜16ラウンドは短開放となる。よって実質的に4ラウンドの大当り(実4R)と言えるものである。また、6R確変は何れのラウンドでも長開放となり、2R確変A,Bはいずれのラウンドでも短開放となる。小当りの場合は2R確変A,Bの場合と同じく0.2秒の短開放を2回行うようになっている。
【0128】
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図10及び図11に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図12に示すタイマ割込み処理とからなる。
【0129】
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図10及び図11に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
【0130】
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
【0131】
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
【0132】
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
【0133】
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
【0134】
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
【0135】
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
【0136】
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
【0137】
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定する(ステップS16)。
【0138】
初期化スイッチがオフである場合(ステップS16;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップS17)、正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップS18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS18;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS20)。チェックサムが一致する場合(ステップS20;Y)は、図11のステップS21へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
【0139】
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS16;Y)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS17;NもしくはステップS18;N)、チェックサムが正常でない(ステップS20;N)と判定された場合は、図11のステップS26へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、初期化スイッチが外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
【0140】
図11のステップS21では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、特図の高確率中でない場合(ステップS22;N)は、ステップS23,S24をスキップしてステップS25へ移行する。また、特図の高確率中である場合(ステップS22;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS23)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS24)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS25)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS25では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定のコマンド(客待ち中なら客待ちデモ画面のコマンド、それ以外なら復旧画面のコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
【0141】
一方、ステップS16、S17、S18、S20からステップS26へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS26)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップS27)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS28)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS29)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS30)、ステップS31へ進む。本実施形態の場合、ステップS30では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
【0142】
ステップS31では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0143】
上記ステップS31のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS32)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
【0144】
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS33)、割込みを許可する(ステップS34)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0145】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS35)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
【0146】
上記ステップS35の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS36)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS37)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS37;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS35)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS35)の前に割り込みを許可する(ステップS34)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0147】
なお、上記ステップS35での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0148】
停電監視信号がオンである場合(ステップS37;Y)は、ステップS36で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS38)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS38;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS37)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS38;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS39)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS40)を行う。
【0149】
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS41)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS42)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS43)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS44)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0150】
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
【0151】
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
【0152】
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
【0153】
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
【0154】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図12に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図12のタイマ割込み処理が開始される。
【0155】
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS102)。ステップS102では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS103)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS104)を行う。
【0156】
なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
【0157】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS105)、乱数更新処理1(ステップS106)、乱数更新処理2(ステップS107)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a,97a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS109)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS110)を行う。
【0158】
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS111)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップS112)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップS113)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS114)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0159】
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
【0160】
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS109)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a,97aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
【0161】
図13に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a,97aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
【0162】
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。
【0163】
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA7)。
【0164】
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA8)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA9)を行う。
【0165】
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA10)を行う。
【0166】
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA12)を行う。
【0167】
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA13)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA14)を行う。
【0168】
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA15)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA16)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA17)を行う。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA18)を行う。
【0169】
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。そして、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA21)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA22)を行い、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA19の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
【0170】
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない結果態様であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
【0171】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図14に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(第1始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)を行う。このハード乱数取得処理では、対象となる始動口スイッチ(ここでは始動口1スイッチ)に入力があった場合にラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し、対象となる始動口への入賞があったことを示す情報の設定を行う。その後、第1始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、第1始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA106の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA103にて、第1始動口への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、第1始動口(第1始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA104)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA105)を行う。
【0172】
次に、第2始動口(普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)入賞監視テーブルを準備し(ステップA106)、ハード乱数取得処理(ステップA107)を行う。このハード乱数取得処理では、対象となる始動口スイッチ(ここでは始動口2スイッチ)に入力があった場合にラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し、対象となる始動口への入賞があったことを示す情報の設定を行う。その後、第2始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA108)。
ステップA108にて、第2始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA108;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA108にて、第2始動口への入賞があると判定した場合(ステップA108;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA109)、普通電動役物が作動中である(ステップA109;Y)と判定すると、ステップA111の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA109にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA109;N)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA110)。
【0173】
普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
【0174】
ステップA110にて、普電不正発生中でない(ステップA110;N)と判定すると、第2始動口(第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA110にて、普電不正発生中である(ステップA110;Y)と判定した場合は、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。なお、第2始動入賞口97への入賞の場合は、ステップA109,A110の処理を行わずにステップA111,A112の処理を行う。
【0175】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA105、A112)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37a,97aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
【0176】
図15に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a,97aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を+1更新して(ステップA132)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA135の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
【0177】
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37a,97aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップA135)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(ステップA136)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA137)。続けて、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップA138)、ステップA102、A107のハード乱数取得処理にて準備した大当り乱数をRAM111Cの乱数格納領域150における大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA139)。
【0178】
なお、図47において後述するように乱数格納領域150は、第1始動入賞口36への入賞に基づき発生する第1始動記憶の乱数を格納する第1格納領域151と、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37への入賞に基づき発生する第2始動記憶の乱数を格納する第2格納領域152と、を備えている。第1格納領域151には第1始動記憶を記憶可能な数に対応して4つの領域が備えられ、第2格納領域152には第2始動記憶を記憶可能な数に対応して4つの領域が備えられており、第1格納領域151と第2格納領域152ではそれぞれ4つの領域に1〜4の領域番号が割り当てられている。また、各領域には、大当り乱数を格納する大当り乱数格納領域、大当り図柄乱数を格納する大当り図柄乱数格納領域、小当り図柄乱数を格納する小当り図柄乱数格納領域、変動パターン乱数を格納する変動パターン乱数格納領域が含まれている。新たに発生した第1始動記憶の乱数は、第1格納領域151における空き領域のうち最も領域番号が若い領域に格納され、新たに発生した第2始動記憶の乱数は、第2格納領域152における空き領域のうち最も領域番号が若い領域に格納される。
【0179】
次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA140)、RAM111Cの乱数格納領域150における大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。次いで、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA142)、RAM111Cの乱数格納領域150における小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA143)。さらに、変動パターン乱数1から3を対応するRAM111Cの乱数格納領域150における変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA144)、特図保留情報判定処理(ステップA145)を行う。そして、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA146)、演出コマンド設定処理(ステップA147)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0180】
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、第1始動入賞口36、第2始動入賞口97、や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(第1始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し(第1始動記憶手段)、第2始動入賞口(第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する(第2始動記憶手段)。
【0181】
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA145)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
【0182】
図16に示すように、まず、対象の特図種類と当該特図種類の保留数に対応する領域の乱数をロードし(ステップA151)、ロードした乱数を乱数処理用領域にセーブする(ステップA152)。図47において後述するように乱数処理用領域153は、第1格納領域151と第2格納領域152に格納された乱数についての処理を行うための共通の領域である。これにより、最新の始動記憶についての乱数がロードされて乱数処理用領域153にセーブされる。すなわち、直近のステップA139〜A144で乱数格納領域に格納された乱数がロードされて乱数処理用領域153にセーブされる。
【0183】
次に、低確率状態での判定値による判定を行うために低確率判定フラグを準備し(ステップA153)、先読み当り判定処理を行う(ステップA154)。そして、先読み当り判定処理の結果が大当りである場合(ステップA155;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA156)、ステップA152で乱数処理用領域153にセーブした大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA157)、ステップA162に移行する。また、先読み当り判定処理の結果が大当りでない場合(ステップA155;N)は、先読み当り判定処理の結果が小当りであるかを判定する(ステップA158)。
【0184】
そして、先読み当り判定処理の結果が小当りである場合(ステップA158;Y)は、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA159)、ステップA152で乱数処理用領域153にセーブ小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA160)、ステップA162に移行する。また、先読み当り判定処理の結果が小当りでない場合(ステップA155;N)、すなわちはずれである場合は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA161)、ステップA162に移行する。
【0185】
そして、停止図柄情報を図柄情報領域にセーブし(ステップA162)、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンド(低確率)を準備して(ステップA163)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA164)。これにより、演出制御装置300に低確率状態での判定結果が送信される。
【0186】
次に、高確率状態での判定値による判定を行うために高確率判定フラグを準備し(ステップA165)、先読み当り判定処理を行う(ステップA166)。そして、先読み当り判定処理の結果が大当りである場合(ステップA167;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA168)、ステップA152で乱数処理用領域153にセーブした大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA169)、ステップA174に移行する。また、先読み当り判定処理の結果が大当りでない場合(ステップA167;N)、先読み当り判定処理の結果が小当りであるかを判定する(ステップA170)。
【0187】
そして、先読み当り判定処理の結果が小当りである場合(ステップA170;Y)は、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA171)、ステップA152で乱数処理用領域153にセーブした小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA172)、ステップA174に移行する。また、先読み当り判定処理の結果が小当りでない場合(ステップA170;N)、すなわちはずれである場合は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA173)、ステップA174に移行する。
【0188】
そして、特図高確率(高確率状態)中であるかを判定し(ステップA174)、特図高確率中でない場合(ステップA174;N)は、ステップA176に移行する。また、特図高確率中である場合(ステップA174;Y)は、停止図柄情報を図柄情報領域にセーブ(上書き)し(ステップA175)、ステップA176に移行する。その後、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンド(高確率)を準備して(ステップA170)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA177)。これにより、演出制御装置300に高確率状態での判定結果が送信される。
【0189】
次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA178)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を行う(ステップA179)。その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA180)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA181)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA176における特図情報設定処理、ステップA177における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
【0190】
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み停止図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。なお、先読み停止図柄コマンドは低確率状態での判定結果と高確率状態での判定結果のそれぞれに対応したコマンドが送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41の記憶表示部83に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
【0191】
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
【0192】
〔先読み当り判定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理における先読み当り判定処理(ステップA154、A166)の詳細について説明する。図17に示すように先読み当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップA181)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満かを判定する(ステップA182)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
【0193】
大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA182;Y)、すなわち大当りでない場合はステップA187に移行する。また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップA182;N)は、判定フラグが高確率判定であるかを判定する(ステップA183)。
【0194】
そして、判定フラグが高確率判定である場合(ステップA183;Y)は、高確率中の上限判定値を設定し(ステップA184)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA186)。また、判定フラグが高確率判定でない場合(ステップA183;N)、すなわち低確率判定フラグである場合は、低確率中の上限判定値を設定し(ステップA185)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいかを判定する(ステップA186)。
【0195】
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA186;Y)、すなわち大当りでない場合はステップA187に移行する。また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップA186;N)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(ステップA191)、先読み当り判定処理を終了する。
【0196】
そして、ステップA187では、小当り下限判定値を設定して対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満かを判定する(ステップA187)。なお、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である小当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。無論、大当り判定値の範囲と小当り判定値の範囲は被らないよう設定されている。
【0197】
大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(ステップA187;Y)、すなわちはずれである場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA189)、小当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合(ステップA187;N)は、小当り上限判定値を設定して対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいかを判定する(ステップA188)。
【0198】
大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(ステップA188;Y)、すなわちはずれである場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA189)、小当り判定処理を終了する。また、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(ステップA188;N)、すなわち小当りである場合は、判定結果として小当りを設定し(ステップA190)、小当り判定処理を終了する。
【0199】
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)の詳細について説明する。図18に示すように、大入賞口スイッチ監視処理では、まず、特図ゲーム処理番号の値が「4」であるか、すなわち大入賞口開放中処理中であるかを判定する(ステップA201)。大入賞口開放中処理中である場合(ステップA201;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、大入賞口開放中処理中でない場合(ステップA201;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「5」であるか、すなわち大入賞口残存球処理中であるかを判定する(ステップA202)。
大入賞口残存球処理中である場合は(ステップA202;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、大入賞口残存球処理中でない場合は(ステップA205;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「8」であるか、すなわち小当り中処理中であるかを判定する(ステップA203)。
小当り中処理中である場合は(ステップA204;Y)は、ステップA205の処理に移行する。また、小当り中処理中でない場合(ステップA203;N)は、特図ゲーム処理番号の値が「9」であるか、すなわち小当り残存球処理中であるかを判定する(ステップA204)。
特図ゲーム処理タイマが「0」になるまで特図ゲーム処理番号は次に移行しないため、このように特図ゲーム処理番号によって遊技の進行状態をチェックすることができる。
【0200】
小当り残存球処理中でない場合(ステップA204;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、小当り残存球処理中である場合(ステップA204;Y)は、ステップA205の処理に移行する。
そして、入賞カウンタに「0」をセットして(ステップA205)、大入賞口スイッチ1(一方の大入賞口スイッチ38a)に入力があるかを判定する(ステップA206)。
【0201】
大入賞口スイッチ1に入力がない場合(ステップA206;N)は、大入賞口スイッチ2(他方の大入賞口スイッチ38a)に入力があるかを判定する(ステップA210)。また、大入賞口スイッチ1に入力がある場合(ステップA206;Y)は、大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップA207)、演出コマンド設定処理(ステップA208)を行う。そして、入賞カウンタを+1更新し(ステップA209)、大入賞口スイッチ2(他方の大入賞口スイッチ38a)に入力があるかを判定する(ステップA210)。
【0202】
大入賞口スイッチ2に入力がない場合(ステップA210;N)は、入賞カウンタの値が0であるかを判定する(ステップA214)。また、大入賞口スイッチ2に入力がある場合(ステップA210;Y)は、大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップA211)、演出コマンド設定処理(ステップA212)を行う。そして、入賞カウンタを+1更新し(ステップA213)、入賞カウンタの値が0であるかを判定する(ステップA214)。
【0203】
入賞カウンタの値が「0」であるかの判定(ステップA268)において、入賞カウンタの値が「0」である場合(ステップA214;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
また、入賞カウンタの値が「0」でない場合(ステップA214;N)は、大入賞口残存球処理中であるかを判定する(ステップA215)。
大入賞口残存球処理中である場合(ステップA215;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、大入賞口残存球処理中でない場合(ステップA215;N)は、小当り残存球処理中であるかを判定する(ステップA216)。
小当り残存球処理中である場合(ステップA216;Y)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り残存球処理中でない場合(ステップA216;N)は、入賞カウンタの値(1又は2)を大入賞口カウント数に加算し(ステップA217)、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数。例えば「9」)以上となったかを判定する(ステップA218)。
【0204】
大入賞口カウント数が上限値以上となっていない場合(ステップA218;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。また、大入賞口カウント数が上限値以上となった場合(ステップA218;Y)は、大入賞口カウント数を上限値に留め(ステップA219)、特図ゲーム処理タイマ領域を0クリアして(ステップA220)、小当り中処理中であるかを判定する(ステップA221)。小当り中処理中でない場合(ステップA221;N)は、大入賞口スイッチ監視処理を終了し、小当り中処理中である場合(ステップA221;Y)は、大入賞口制御ポインタ領域に小当り開放動作終了の値をセーブして(ステップA222)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
【0205】
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA8)の詳細について説明する。図19に示すように、特図普段処理では、まず、第1始動記憶数と第2始動記憶数を合算した値である特図保留数が0であるかを判定する(ステップA301)。すなわち、始動記憶があるかを判定する。
【0206】
特図保留数が0でない場合(ステップA301;N)、すなわち始動記憶がある場合は、今回処理対象となる始動記憶が特図1保留(第1始動記憶)であるかを判定する(ステップA302)。
本実施形態の遊技機では、第1始動記憶と第2始動記憶を発生順に消化していくので、これから特図変動表示ゲームを開始する始動記憶である今回処理対象となる始動記憶が第1始動記憶と第2始動記憶の何れであるかを判定し、対応する特図変動表示ゲームについての処理を行うようにしている。なお、第1始動記憶と第2始動記憶の消化順序は、第1始動記憶と第2始動記憶の発生時に発生順序を示す情報(変動順序フラグ)を記憶しておくことで把握可能である。
【0207】
今回処理対象となる始動記憶が特図1保留(第1始動記憶)である場合(ステップA302;Y)は、特図1変動開始処理(ステップA303)を行い、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップA304)、演出コマンド設定処理(ステップA305)を行う。そして、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA306)を行って、特図普段処理を終了する。
【0208】
一方、今回処理対象となる始動記憶が特図1保留(第1始動記憶)でない場合(ステップA302;N)、すなわち特図2保留(第2始動記憶)である場合は、特図2変動開始処理(ステップA307)を行い、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップA308)、演出コマンド設定処理(ステップA309)を行う。そして、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA310)を行って、特図普段処理を終了する。
【0209】
また、特図保留数が0である場合(ステップA301;Y)、すなわち始動記憶がない場合は、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA311)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA311;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA312)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA313)、演出コマンド設定処理(ステップA314)を行い、特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)を行って、特図普段処理を終了する。一方、ステップA311にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA311;Y)は、特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)を行って、特図普段処理を終了する。
【0210】
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA303)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。図20に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA331)、第1格納領域の領域番号1に格納された乱数をロードして(ステップA332)、ロードした乱数を乱数処理用領域153にセーブする(ステップA333)。第1格納領域151の領域番号1に格納された乱数は第1始動記憶において最先に消化されるものの乱数である。ステップA334〜A339の処理では、この乱数処理用領域153にセーブされた乱数を参照して処理を行う。
【0211】
そして、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する処理や、第1特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判別するための小当りフラグにはずれ情報や小当り情報を設定する処理を行う大当りフラグ1設定処理(ステップA334)を行う。
【0212】
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA335)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA336)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA337)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA338)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA339)を行って、特図1変動開始処理を終了する。なお、変動開始情報設定処理(ステップA339)の最後に、第1格納領域151の領域番号1に格納された乱数をクリアして、後続の領域の乱数を一つずつ領域番号の若い領域へシフトし、空き領域の情報をクリアするようになっている。また、乱数処理用領域153の情報もクリアされる。
【0213】
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA302)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図20に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
【0214】
図21に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA341)、第2格納領域152の領域番号1に格納された乱数をロードして(ステップA342)、ロードした乱数を乱数処理用領域153にセーブする(ステップA343)。第2格納領域の領域番号1に格納された乱数は第2始動記憶において最先に消化されるものの乱数である。ステップA344〜A349の処理では、この乱数処理用領域153にセーブされた乱数を参照して処理を行う。
【0215】
そして、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する処理や、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判別するための小当りフラグにはずれ情報や小当り情報を設定する処理を行う大当りフラグ2設定処理(ステップA344)を行う。
【0216】
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA345)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA347)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA348)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA349)を行って、特図2変動開始処理を終了する。なお、変動開始情報設定処理(ステップA349)の最後に、第2格納領域152の領域番号1に格納された乱数をクリアして、後続の領域の乱数を一つずつ領域番号の若い領域へシフトし、空き領域の情報をクリアするようになっている。また、乱数処理用領域153の情報もクリアされる。
【0217】
これらの特図1変動開始処理や特図2変動開始処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
【0218】
また、遊技制御装置100が、第1入賞領域(第1始動入賞口36)での遊技球の検出に基づく第1始動記憶に基づいて変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、第2入賞領域(第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37)での遊技球の検出に基づく第2始動記憶に基づいて変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づき変動表示ゲームの実行を制御する変動表示ゲーム実行制御手段をなす。
【0219】
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
【0220】
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA9)の詳細について説明する。図22に示すように、特図変動中処理では、まず、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定して(ステップA601)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA602)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として600m秒を設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には表示時間として600m秒を設定し、停止図柄パターンが小当り図柄パターンである場合には表示時間として600m秒を設定する。
次いで、特図表示中処理移行設定処理(ステップA603)を行って、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。
【0221】
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図23及び図24に示すように、特図表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグをロードして(ステップA701)、RWMの小当りフラグ領域をクリアする処理(ステップA702)を行う。
次いで、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA703)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA704)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA705)、大当りである(ステップA705;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA708)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA709)。
【0222】
一方、ステップA705にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA705;N)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA706)、大当りである(ステップA706;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA707)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行う。
【0223】
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、16、8又は2)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA710)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA711)。
【0224】
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA712)、演出コマンド設定処理(ステップA713)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)を行う。続けて、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA716)、演出コマンド設定処理(ステップA717)を行う。
【0225】
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA718)。本実施形態の場合、ステップA718において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1以外)である場合にはON、出玉のない大当り(所謂、突確大当りなど。大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1)である場合には、時短状態中での大当り時であればON、それ以外ではOFFとなる。また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはON、出玉のない大当りである場合にはOFFとなる。
【0226】
その後、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000m秒、4700m秒、7700m秒又は300m秒)を設定して(ステップA719)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA720)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA721)。これにより特別結果が発生した際における特図の確率状態、時短状態の情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
【0227】
そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置38)の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップA722)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA723)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)を行い、特図表示中処理を終了する。
【0228】
一方、ステップA706にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA706;N)は、ロードした小当りフラグが小当りかを判定する(ステップA725)。
ステップA725にて、小当りフラグが小当りであると判定した場合(ステップA725;Y)には、高確率状態とする特図変動表示ゲームの回数を管理するための高確率変動回数更新処理(ステップA726)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA727)を行う。
【0229】
そして、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、準備して(ステップA729)、演出コマンド設定処理(ステップA730)を行う。次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップA731)、演出コマンド設定処理(ステップA732)を行って、ステップA733の処理に移行する。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA733)。その後、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(ステップA734)を行い、特図表示中処理を終了する。
【0230】
一方、ステップA725にて、小当りフラグが小当りでないと判定した場合(ステップA725;N)には、高確率状態とする特図変動表示ゲームの回数を管理するための高確率変動回数更新処理(ステップA735)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA736)を行い、演出モード番号に対応する切替準備残り回転数を設定して(ステップA737)、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致するかを判定する(ステップA738)。なお、切替準備残り回転数は、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて異なる値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの何れかの演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよい。
【0231】
ステップA738にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致しないと判定した場合(ステップA738;N)には、特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA738にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致すると判定した場合(ステップA738;Y)には、演出モード切替準備コマンドを準備して(ステップA739)、演出コマンド設定処理(ステップA740)を行った後に、特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)を行い、特図表示中処理を終了する。演出モード切替準備コマンドは、演出モードが切り替わる数回転前から先読み演出を行わないようにするためのコマンドであり、演出モード切替準備コマンドを演出制御装置300に送信することによって、モードをまたいで演出に矛盾等が生じないようにすることができる。
【0232】
〔高確率変動回数更新処理〕
次に、上述の特図表示中処理における高確率変動回数更新処理(ステップA726、A735)の詳細について説明する。図25に示すように、高確率変動回数更新処理では、まず、特図高確率中(高確率状態中)であるかを判定する(ステップA751)。特図高確率中でない場合(ステップA751;N)は、高確率変動回数更新処理を終了する。また、特図高確率中である場合(ステップA751;Y)は、高確率変動回数を−1更新して(ステップA752)、高確率変動回数が「0」となったかを判定する(ステップA753)。
【0233】
高確率変動回数が「0」でない場合(ステップA753;N)には、高確率変動回数更新処理を終了する。また、高確率変動回数が「0」となった場合(ステップA753;Y)には、高確率報知フラグ領域をクリアして(ステップA754)、高確率終了に関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブする。次いで、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をOFF、特別図柄2高確率状態信号をOFF、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする。なお、「高確率&時短あり」の状態と「高確率&時短なし」の状態とがあり、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号及び普通電動役物1開放延長状態信号は常時OFFされている。
【0234】
次いで、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(ステップA757)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブして(ステップA758)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブし(ステップA759)、高確率変動回数更新処理を終了する。これにより特別遊技状態の終了から所定回数(ここでは80回)の特図変動表示ゲームを実行することで高確率状態及び時短状態が終了して通常確率状態(低確率状態)及び通常動作状態となる。
【0235】
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図26に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(ステップA901)、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップA902)、演出コマンド設定処理(ステップA903)を行う。
【0236】
その後、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA904)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA905)、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定する(ステップA906)。
ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA906;Y)は、短開放用の大入賞口開放時間(例えば0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA907)、大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)を行って、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA906;N)は、長開放用の大入賞口開放時間(例えば29秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA908)、大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)を行って、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
【0237】
〔大入賞口開放中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップA12)の詳細について説明する。図27に示すように、大入賞口開放中処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA1001)。そして、最終ラウンドでない場合(ステップA1001;N)は、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA1002)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA1003)、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定する(ステップA1004)。
【0238】
ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA1004;Y)には、短閉鎖用の残存球処理時間(例えば1.4秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1005)、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを準備して(ステップA1007)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
【0239】
また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA1004;N)には、長閉鎖用の残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1006)、インターバルコマンドを準備して(ステップA1007)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
【0240】
一方、最終ラウンドである場合(ステップA1001;Y)は、最終用の残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1008)、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを準備して(ステップA1009)、演出コマンド設定処理(ステップA1010)を行い、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)を行って、大入賞口開放中処理を終了する。
【0241】
〔大入賞口残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップA13)の詳細について説明する。図28に示すように、大入賞口残存球処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(ステップA1101)。
【0242】
そして、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(ステップA1101;N)は、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA1102)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA1103)、通常用のインターバル時間(例えば0.1秒)を設定する(ステップA1104)。
次いで、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいかを判定し(ステップA1105)、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA1105;Y)には、ステップA1109の処理に移行する。また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA1105;N)には、大入賞口開放情報はランクダウン演出系の値であるかを判定する(ステップA1106)。
【0243】
ここで、ランクダウン演出とは、大当りラウンドが継続するか否かを報知するラウンド継続報知演出を実行し、該ラウンド継続報知演出において大当りラウンドが継続されないことを報知する演出が該当する。大当り種類が16R確変B〜F(図9参照)である場合には、特別遊技状態の開始から長開放での最終ラウンドまでの演出は共通の演出となっており、長開放での最終ラウンドとなる可能性があるラウンドでは、特別変動入賞装置38が閉鎖した後のインターバル期間において次のラウンドでも長開放が継続するか否かを報知するラウンド継続報知演出を行う。すなわち、4R,8R及び12Rのインターバル期間においてラウンド継続報知演出が行われる。
【0244】
例えば、1R〜4Rまでは表示装置41の表示画面に所定の大当りラウンド演出を表示し、4R目で特別変動入賞装置38が閉鎖した後のインターバル期間でラウンド継続報知演出を実行する。16R確変B〜D,Fであれば、ラウンド継続報知演出においてラウンド継続が報知され、5R目以降のラウンドにおいても大入賞口が長開放で開放される。また、16R確変Eであれば、ラウンド継続報知演出においてラウンド非継続が報知(ランクダウン演出)され、5R目以降のラウンドにおいて大入賞口が短開放で開放されることとなる。
【0245】
その後、16R確変B〜D,Fでは、5R〜8Rまでは表示装置41の表示画面に所定の大当りラウンド演出を表示し、8R目で特別変動入賞装置38が閉鎖した後のインターバル期間でラウンド継続報知演出を実行する。16R確変B,C,Fであれば、ラウンド継続報知演出においてラウンド継続が報知され、9R目以降のラウンドにおいても大入賞口が長開放で開放される。また、16R確変Dであれば、ラウンド継続報知演出においてラウンド非継続(ランクダウン演出)が報知され、9R目以降のラウンドにおいて大入賞口が短開放で開放されることとなる。
【0246】
さらに、16R確変B,C,Fでは、9R〜12Rまでは表示装置41の表示画面に所定の大当りラウンド演出を表示し、12R目で特別変動入賞装置38が閉鎖した後のインターバル期間でラウンド継続報知演出を実行する。16R確変B,Fであれば、ラウンド継続報知演出においてラウンド継続が報知され、13R目以降のラウンドにおいても大入賞口が長開放で開放される。また、16R確変Cであれば、ラウンド継続報知演出においてラウンド非継続(ランクダウン演出)が報知され、13R目以降のラウンドにおいて大入賞口が短開放で開放されることとなる。
【0247】
大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値でない場合(ステップA1106;N)は、ステップA1109の処理に移行する。また、大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値である場合(ステップA1106;Y)は、ラウンド数が特殊演出ラウンドの値(例えば、4,8,12R)であるかを判定する(ステップA1107)。
ラウンド数が特殊演出ラウンドの値でない場合(ステップA1107;N)は、ステップA1109の処理に移行する。また、ラウンド数が特殊演出ラウンドの値である場合(ステップA1107;Y)は、ランクダウン演出用のインターバル時間(例えば3.6秒)を設定して(ステップA1108)、ステップA1109の処理に移行する。
【0248】
そして、ステップA1104又はA1108にて設定したインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1109)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(ステップA1110)を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
【0249】
一方、特別遊技状態における現在のラウンドが最終ラウンドである場合(ステップA1101;Y)は、特別結果が導出された際の演出モードを記憶する特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1111)、ロードしたフラグと大入賞口開放情報と停止図柄パターンとに対応するエンディング時間を設定して(ステップA1112)、設定したエンディング時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA1113)。その後、大当り終了処理移行設定処理(ステップA1114)を行って、大入賞口残存球処理を終了する。
【0250】
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA14)の詳細について説明する。図29に示すように、この大当り終了処理では、まず、時間短縮判定データが、時短作動データかを判定する(ステップA1201)。
時短作動データでない場合(ステップA1201;N)は、大当り終了設定処理1を行い(ステップA1202)、時短作動データである場合(ステップA1201;Y)は、大当り終了設定処理2を行う(ステップA1203)。そして、演出モード情報アドレステーブルを設定して(ステップA1204)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA1205)。
【0251】
次に、遊技制御装置100での演出モードの管理に必要な情報をセーブする処理として、まず、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出モード番号を取得し、演出モード番号領域にセーブする(ステップA1206)。さらに、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残り回転数を取得し、演出残り回転数領域にセーブして(ステップA1207)、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得し、次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1208)。
【0252】
その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1209)、コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA1210)、演出コマンド設定処理(ステップA1211)を行う。ここで、確率情報コマンドとして、「高確率・時短あり」、「高確率・時短なし」の何れかに、更に演出モードの情報が含まれた複数のコマンドがある。本実施形態の場合、大当りが終了すると必ず確変状態になる(所謂ST状態)ので、確率情報コマンドとして、「高確率・時短あり・演出モードA」、「高確率・時短あり・演出モードB」、「高確率・時短あり・演出モードC」、「高確率・時短なし・演出モードA」があり、この処理では使われないが、他に「低確率・時短なし・演出モードA」、「低確率・時短なし・演出モードB」、「低確率・時短なし・演出モードC」がある。
【0253】
次いで、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA1212)、演出コマンド設定処理(ステップA1213)を行う。
次いで、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備し(ステップA1214)、演出コマンド設定処理(ステップA1215)を行って、特図普段処理移行設定処理2を行い(ステップA1216)、大当り終了処理を終了する。
【0254】
〔大当り終了設定処理1〕
図30には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA1202)を示した。この大当り終了設定処理1では、まず、時短状態なしに関する信号(例えば、大当り2信号をOFF)を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA1221)、高確率状態と時短状態なしの開始に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をON、特別図柄2高確率状態信号をON、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFF、普通図柄1高確率状態信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1222)。
【0255】
次に、遊技状態表示番号領域に時短状態なしの番号をセーブし(ステップA1223)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブして(ステップA1224)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA1225)。その後、高確率変動回数領域に初期値(例えば80回)をセーブし(ステップA1226)、大当り終了設定処理1を終了する。
【0256】
〔大当り終了設定処理2〕
図31には、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA1203)を示した。この大当り終了設定処理2では、まず、時短状態の開始に関する信号(例えば、大当り2信号をON)を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA1231)。時短状態の開始に関する信号は、大当り中から出力されているので継続する形で、外部情報出力データ領域にセーブされる。次いで、高確率状態と時短状態の開始に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をON、特別図柄2高確率状態信号をON、特別図柄1変動時間短縮状態信号をON、特別図柄2変動時間短縮状態信号をON、普通図柄1高確率状態信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1232)。
【0257】
次に、遊技状態表示番号領域に時短状態ありの番号をセーブし(ステップA1233)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率フラグをセーブして(ステップA1234)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短ありフラグをセーブする(ステップA1235)。その後、高確率変動回数領域に初期値(例えば80回)をセーブして(ステップA1256)、大当り終了設定処理2を終了する。
【0258】
すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後に、予め定められた所定期間に亘って特定遊技状態(時短状態)を発生可能な特定遊技状態発生手段をなす。また、遊技制御装置100が変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率状態を低確率状態と、該低確率状態よりも高めた高確率状態との何れかに設定する確率設定手段をなす。
【0259】
〔小当りファンファーレ中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当りファンファーレ中処理(ステップA15)の詳細について説明する。図32(a)に示すように、小当りファンファーレ中処理では、小当り中処理移行設定処理(ステップA1301)を行う。
【0260】
〔小当り中処理移行設定処理〕
次に、上述の小当りファンファーレ中処理における小当り中処理移行設定処理(ステップA1301)の詳細について説明する。図32(b)に示すように、小当り中処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り中処理にかかる「8」を設定して(ステップA1311)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1312)。
【0261】
次いで、小当り遊技における大入賞口の開放時間(例えば0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA1313)、小当り動作の開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1314)。
次いで、特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放するために、大入賞口ソレノイド38bをオンさせるためのオンデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブする(ステップA1315)。
次いで、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1316)、小当り中制御ポインタ領域に小当り動作初期値(例えば「0」)をセーブして(ステップA1317)、小当り中処理移行設定処理を終了する。
【0262】
〔小当り中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り中処理(ステップA16)の詳細について説明する。図33に示すように、小当り中処理では、まず、小当り中制御ポインタの値をロードして(ステップA1401)、ロードした値が小当り動作終了値(例えば「6」)以上であるかを判定する(ステップA1402)。
ロードした値が小当り動作終了値以上でない場合(ステップA1402;N)には、小当り中制御ポインタを+1更新し(ステップA1403)、小当り動作移行設定処理(ステップA1404)を行って、小当り中処理を終了する。
【0263】
一方、ロードした値が小当り動作終了値以上である場合(ステップA1402;Y)には、小当り終了画面のコマンドを準備し(ステップA1407)、演出コマンド設定処理(ステップA1408)を行って、小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)を行い、小当り中処理を終了する。
【0264】
〔小当り残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップA17)の詳細について説明する。図34(a)に示すように、小当り残存球処理では、小当り終了処理移行設定処理(ステップA1501)を行う。
【0265】
〔小当り終了処理移行設定処理〕
次に、上述の小当り残存球処理における小当り終了処理移行設定処理(ステップA1501)の詳細について説明する。図34(b)に示すように、小当り終了処理移行設定処理では、まず、処理番号として小当り終了処理にかかる「10」を設定して(ステップA1511)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1512)。
【0266】
次いで、小当りエンディング時間(例えば0.2秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA1513)、小当り動作の終了に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1514)。
次いで、大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1515)、小当り中制御ポインタ領域の情報をクリア(例えば0クリア)して(ステップA1516)、小当り終了処理移行設定処理を終了する。
【0267】
〔小当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップA18)の詳細について説明する。図35に示すように、小当り終了処理では、まず、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1601)、ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグであるかを判定する(ステップA1602)。
ロードしたフラグが特図高確率中に関するフラグでない場合(ステップA1602;N)は、演出モード情報アドレステーブルを設定して(ステップA1603)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA1604)。
【0268】
そして、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(ステップA1605)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得し、RAM内の演出残り回転数領域にセーブして(ステップA1606)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1607)。その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1608)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するかを判定する(ステップA1609)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(ステップA1609;Y)は、ステップA1616の処理に移行する。
【0269】
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(ステップA1609;N)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA1610)、演出コマンド設定処理(ステップA1611)を行う。
次に、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA1612)、演出コマンド設定処理(ステップA1613)を行う。
さらに、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備して(ステップA1614)、演出コマンド設定処理(ステップA1615)を行う。
そして、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1616)、特図普段処理移行設定処理3(ステップA1617)を行って、小当り終了処理を終了する。
【0270】
〔普図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(ステップS110)の詳細について説明する。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
【0271】
図36に示すように、普図ゲーム処理では、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理(ステップB1)を行い、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)を行う。次に、普図ゲーム処理タイマが「0」でなければ−1更新する(ステップB3)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、普図ゲーム処理タイマの値が「0」となったかを判定する(ステップB4)。
【0272】
普図ゲーム処理タイマの値が「0」である(ステップB4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていたと判定すると、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップB5)を行って、当該テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップB6)を行う。そして、普図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップB7)。
【0273】
ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「0」の場合は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理(ステップB8)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「1」の場合は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理(ステップB9)を行う。
【0274】
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「2」の場合は、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理(ステップB10)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、或いは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理(ステップB11)を行う。
【0275】
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理(ステップB12)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理(ステップB13)を行う。
【0276】
その後、普図表示器による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備した後(ステップB14)、普図表示器による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップB15)を行って、普図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップB4にて、普図ゲーム処理タイマの値が「0」でない(ステップB4;N)、すなわちタイムアップしていないと判定すると、ステップB14の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
【0277】
〔ゲートスイッチ監視処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理におけるゲートスイッチ監視処理(ステップB1)の詳細について説明する。図37に示すように、ゲートスイッチ監視処理では、まず、ゲートスイッチ34aに入力があるかを判定する(ステップB101)。そして、ゲートスイッチ34aに入力がある場合(ステップB101;Y)は、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値未満(例えば「4」)であるかを判定する(ステップB102)。
【0278】
普図保留数が上限値未満である場合(ステップB102;Y)は、普図保留数を+1更新し(ステップB103)、更新後の普図保留数に対応する当り乱数格納領域のアドレスを算出する(ステップB104)。そして、当り乱数を抽出し、RWMの当り乱数格納領域にセーブして(ステップB105)、当り図柄乱数を抽出し、RWMの当り図柄乱数格納領域にセーブして(ステップB106)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
【0279】
また、ステップB101にてゲートスイッチ34aに入力がないと判定した場合(ステップB101;N)や、ステップB102にて普図保留数が上限値未満でないと判定した場合(ステップB102;N)は、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
【0280】
〔普電入賞スイッチ監視処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)の詳細について説明する。図38に示すように、普電入賞スイッチ監視処理では、まず、普図当り中か、すなわち普図変動表示ゲームが当り状態となって普通変動入賞装置37が所定回数の開放動作を実行中であるかを判定する(ステップB201)。そして、普図当り中である場合(ステップB201;Y)は、始動口2スイッチ37aに入力があるかを判定し(ステップB202)、始動口2スイッチ37aに入力がある(ステップB202;Y)と判定すると、普電カウンタのカウント数を+1更新する(ステップB203)。
【0281】
次に、更新後の普電カウンタのカウント数が上限値(例えば「6」)以上であるかを判定して(ステップB204)、カウント数が上限値以上である(ステップB204;Y)と判定すると、普図当り中制御ポインタ領域に当り動作終了の値(例えば「4」)セーブし(ステップB205)、普図ゲーム処理タイマを0クリアして(ステップB206)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。すなわち、普図の当り状態中に上限値以上の普電入賞があった場合は、その時点で普図の当り状態が途中で終了するようにする。
【0282】
また、ステップB201にて普図当り中でないと判定した場合(ステップB201;N)、ステップB202にて始動口2スイッチ37aに入力がないと判定した場合(ステップB202;N)、又はステップB204にて普電カウント数が上限値以上でないと判定した場合(ステップB204;N)は、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
【0283】
〔普図普段処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図普段処理(ステップB8)の詳細について説明する。図39に示すように、普図普段処理では、まず、普図保留数が「0」であるかを判定し(ステップB301)、普図保留数が「0」である場合(ステップB201;Y)は、普図普段処理移行設定処理1(ステップB322)を行い、普図普段処理を終了する。また、普図保留数が「0」でない場合(ステップB301;N)は、RWMの当り乱数格納領域(保留数1用)、当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードし(ステップB302)、当り乱数格納領域(保留数1用)、当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップB303)、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率(すなわち、普図低確率)よりも高くされた普図高確率中であるか、すなわち時短状態中であるかを判定する(ステップB304)。
【0284】
普図高確率中でない場合(ステップB304;N)は、普図低確率時の下限判定値(低確率下限判定値)を設定し(ステップB305)、普図高確率中である場合(ステップB304;Y)は、普図高確率時の下限判定値(高確率下限判定値)を設定する(ステップB306)。
その後、当り乱数の値が上限判定値以上であるかを判定し(ステップB307)、当り乱数の値が上限判定値以上でない場合(ステップB307;N)、当り乱数の値がステップB305又はB306にて設定した下限判定値未満であるかを判定する(ステップB308)。
【0285】
当り乱数の値が上限判定値以上である場合(ステップB307;Y)や、当り乱数の値がステップB305又はB306にて設定した下限判定値未満である場合(ステップB308;Y)は、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブし(ステップB309)、はずれ停止図柄番号を設定し(ステップB310)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB311)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB315)。
一方、当り乱数の値がステップB305又はB306にて設定した下限判定値未満でない場合(ステップB308;N)は、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(ステップB312)、ステップB302にてロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(ステップB313)、停止図柄番号に対応する停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB314)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB315)。
【0286】
本実施形態の場合、普図低確率時における当りの確率は0/251、普図高確率時における当りの確率は250/251であり、上限判定値は「251」、低確率下限判定値は「251」、高確率下限判定値は「1」である。
したがって、普図低確率時は、当り乱数の値が「0」〜「250」全ての場合ではずれとなる。
また、普図高確率時は、当り乱数の値が「1」〜「250」の何れかである場合が当り、当り乱数の値が「0」である場合がはずれとなる。
【0287】
停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブ(ステップ315)した後、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB316)。
その後、普図ゲームモード状態に対応する普図変動時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB317)。ここでは、普図低確率時には普図変動時間として700msを設定し、普図高確率時には普図変動時間として500msを設定する。そして、当り乱数格納領域をシフトし(ステップB318)、シフト後の空き領域を0クリアして(ステップB319)、普図保留数を−1更新する(ステップB320)。すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる処理を行う。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
そして、普図変動中処理移行設定処理(ステップB321)を行って、普図普段処理を終了する。
【0288】
〔普図表示中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図表示中処理(ステップB10)の詳細について説明する。図40に示すように、普図表示中処理では、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当り情報又ははずれ情報)をロードし(ステップB501)、RWMの当りフラグ領域をクリアして(ステップB502)、ロードされた当りフラグが当り情報かを判定する(ステップB503)。
【0289】
当りフラグが当り情報でない場合(ステップB503;N)は、普図普段処理に移行するための普図普段処理移行設定処理1(ステップB511)を行って、普図表示中処理を終了する。
一方、当りフラグが当り情報である場合(ステップB503;Y)は、普電サポート中(普図高確率中)であるかを判定する(ステップB504)。
【0290】
そして、普電サポート中(普図高確率中)である場合(ステップB504;Y)は、当り中処理設定テーブルを設定して(ステップB505)、普図停止図柄情報に対応する当り開始ポインタの値(例えば、「0」,「2」,「4」の何れか)を取得し、普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(ステップB506)。次いで、普図停止図柄情報に対応する普電開放時間(例えば、500m秒又は1700m秒)を取得し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB507)。その後、普図当り中処理移行設定処理(ステップB210)を行って、普図表示中処理を終了する。
【0291】
一方、普電サポート中(普図高確率中)でない場合(ステップB504;N)は、通常時用の当り開始ポインタ値(例えば、一回開きなので「4」)を設定し、普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(ステップB508)。次いで、通常時用の普電開放時間(例えば当り図柄の種類によらず100ms)を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB509)。その後、普図当り中処理移行設定処理(ステップB210)を行って、普図表示中処理を終了する。
【0292】
〔普図当り中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り中処理(ステップB11)の詳細について説明する。図41に示すように、普図当り中処理では、まず、普図当り中制御ポインタをロードし、準備して(ステップB601)、ロードした普図当り中制御ポインタの値が上限値以上であるかを判定する(ステップB602)。
【0293】
そして、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上でない場合(ステップB602;N)は、普図当り中制御ポインタを+1更新し(ステップB603)、普電作動移行設定処理(ステップB604)を行って、普図当り中処理を終了する。
また、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上である場合(ステップB602;Y)は、ステップB603における普図当り中処理制御ポインタ領域を+1更新する処理を行わずに、普電作動移行設定処理(ステップB604)を行って、普図当り中処理を終了する。
【0294】
〔普電作動移行設定処理〕
図42には、上述の普図当り中処理における普電作動移行設定処理(ステップB604)を示した。普電作動移行設定処理は、普通変動入賞装置37を開閉するための普電ソレノイド37cの駆動制御を行う処理であり、制御ポインタ(普図当り中制御ポインタ)の値に応じて処理を分岐するようにしている。この普電作動移行設定処理では、まず、制御ポインタの値に応じた分岐処理を行う(ステップB611)。
【0295】
制御ポインタの値が「0」又は「2」であった場合は、ステップB612へ移行して、普通変動入賞装置37の閉塞を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の閉塞後のウェイト時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB612)、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB613)、普電作動移行設定処理を終了する。
【0296】
また、制御ポインタの値が「1」又は「3」であった場合は、ステップB614へ移行して、普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB614)、普電ソレノイド37cをオンさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップB615)、普電作動移行設定処理を終了する。
【0297】
また、制御ポインタの値が「4」であった場合は、ステップB616へ移行して、普通変動入賞装置37の開放制御を終了して普電残存球処理を行うため、処理番号として「4」を設定する(ステップB616)。そして、この処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップB617)、普電残存球処理時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB619)。その後、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB619)、普電作動移行設定処理を終了する。
【0298】
ここで、本実施形態では、例えば、ステップB612にてウェイト時間として200m秒を、ステップB614にて普電開放時間として1700m秒を、ステップB618にて普電残存球処理時間として600m秒をセーブする。
【0299】
さらに、普図高確率中において普図停止図柄が「当り図柄1」である場合は、図40に示す普図表示中処理のステップB506において、当り開始ポインタの値として「4」が取得され、普図表示中処理のステップB507において、普電開放時間として「500m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「500m秒」であるため普電(普通変動入賞装置37)が500m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「4」であるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
【0300】
また、普図高確率中において普図停止図柄が「当り図柄2」である場合は、図40に示す普図表示中処理のステップB506において、当り開始ポインタの値として「2」が取得され、普図表示中処理のステップB507において、普電開放時間として「1700m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「1700m秒」であるため普電が1700m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「2」であるため200m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「3」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「4」に更新されるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
【0301】
また、普図高確率中において普図停止図柄が「当り図柄3」である場合は、図40に示す普図表示中処理のステップB506において、当り開始ポインタの値として「0」が取得され、普図表示中処理のステップB507において、普電開放時間として「1700m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「1700m秒」であるため普電が1700m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「0」であるため200m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「1」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「2」に更新されるため200m秒のウェイト時間が設定され、次いで、普図当り中制御ポインタが「3」に更新されるため普電が1700m秒間開放し、次いで、普図当り中制御ポインタが「4」に更新されるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
【0302】
なお、普図低確率中において普図停止図柄が「当り図柄1」、「当り図柄2」、「当り図柄3」の何れかである場合は、図40に示す普図表示中処理のステップB508において、当り開始ポインタの値として「4」が取得され、普図表示中処理のステップB509において、普電開放時間として「100m秒」が取得される。したがって、600m秒の表示時間の経過後、普電開放時間が「100m秒」であるため普電が100m秒間開放し、その後、普図当り中制御ポインタが「4」であるため600m秒の普電残存球処理時間が設定される。
【0303】
〔普図当り終了処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り終了処理(ステップB13)の詳細について説明する。図43(a)に示すように、普図当り終了処理では、普図普段処理移行設定処理2(ステップB801)を行う。
【0304】
〔普図普段処理移行設定処理2〕
次に、上述の普図当り終了処理における普図普段処理移行設定処理2(ステップB801)の詳細について説明する。図43(b)に示すように、普図普段処理移行設定処理2では、まず、普図普段処理に係る処理番号「0」を設定して(ステップB811)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB812)。
【0305】
その後、普図変動表示ゲームの当り終了に関する信号(例えば、普通図柄1当り中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB813)、普通変動入賞装置37の不正監視期間を規定するフラグ(不正監視期間中フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB814)、普図普段処理移行設定処理2を終了する。
【0306】
〔メイン処理〕
次に、遊技における演出と、この演出を制御する演出制御装置300での制御について説明する。本実施形態の遊技機では、演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311によって図44に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。図44に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
【0307】
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25やタッチパネル29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25やタッチパネル29からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
【0308】
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
【0309】
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
【0310】
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)には、画面描画を指示する(ステップC17)。
【0311】
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や枠装飾装置18などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
【0312】
〔受信コマンドチェック処理〕
図45には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、当該受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
【0313】
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
【0314】
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステップC208)を行う。
【0315】
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC210;Y)には、当該受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
【0316】
〔受信コマンド解析処理〕
図46には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
【0317】
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップC234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC234;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
【0318】
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0319】
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0320】
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0321】
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC241;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0322】
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド(低確率又は高確率))の範囲であるか否かを判定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0323】
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンド(先読み変動パターンコマンド)の範囲であるか否かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
【0324】
なお、先読み停止図柄コマンド(低確率又は高確率)及び先読み変動パターンコマンドは、先読み演出を実行するために必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、或いは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(或いはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演出である。そして、先読み停止図柄コマンド(低確率又は高確率)及び先読み変動パターンコマンドは、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
【0325】
図47には、遊技制御装置100における乱数の格納領域と、演出制御装置300における先読み情報の格納領域を示した。遊技制御装置100のRAM111Cには、特図始動記憶の発生時に抽出される各種乱数(大当り乱数、変動パターン乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)を格納する乱数格納領域150が備えられている。この乱数格納領域150は、第1始動入賞口36への入賞に基づき発生する第1始動記憶の乱数を格納する第1格納領域151と、第2始動入賞口97や普通変動入賞装置37への入賞に基づき発生する第2始動記憶の乱数を格納する第2格納領域152と、を備えている。第1格納領域151には第1始動記憶を記憶可能な数に対応して4つの領域が備えられ、第2格納領域152には第2始動記憶を記憶可能な数に対応して4つの領域が備えられており、第1格納領域151と第2格納領域152ではそれぞれ4つの領域に1〜4の領域番号が割り当てられている。また、各領域には、大当り乱数を格納する大当り乱数格納領域、大当り図柄乱数を格納する大当り図柄乱数格納領域、小当り図柄乱数を格納する小当り図柄乱数格納領域、変動パターン乱数を格納する変動パターン乱数格納領域が含まれている。
【0326】
新たに発生した第1始動記憶の乱数は、第1格納領域151における空き領域のうち最も領域番号が若い領域に格納され、新たに発生した第2始動記憶の乱数は、第2格納領域152における空き領域のうち最も領域番号が若い領域に格納される。すなわち、第1格納領域151には第1始動記憶の発生順に乱数を格納するとともに、第2格納領域152に第2始動記憶の発生順に乱数を格納するようになっており、第1始動記憶と第2始動記憶は分けて管理するようにしている。本実施形態の遊技機では、第1始動記憶であるか第2始動記憶であるかを問わずに始動記憶の発生順に特図変動表示ゲームを実行するため、領域番号は特図種類(特図1又は特図2)のそれぞれにおける消化順を示す。また、対応する始動記憶が消化された場合には、当該始動記憶の乱数をクリアし、後続の領域の乱数を一つずつ領域番号の若い領域へシフトし、空き領域の情報はクリアするようになっている。
【0327】
遊技制御装置100では、始動記憶の発生時には事前判定として大当り乱数及び変動パターン乱数の判定を行い、特図変動表示ゲームの開始時には特図変動表示ゲームの結果や変動パターンを決定するために大当り乱数及び変動パターン乱数の判定を行う。これらの判定の際には、判定対象の始動記憶に対応する格納領域から乱数を乱数処理用領域153に読み出して処理を行う。乱数処理用領域153は、第1格納領域151や第2格納領域152に格納された乱数を用いた処理を行う際に用いる予め定められた共通の領域である。このように共通の領域に乱数を読み出してから処理を行うことで、処理において参照するアドレス値を固定値とすることができる。なお、乱数処理用領域153は乱数格納領域150の一部であっても良いし、乱数格納領域150とは別の領域に属するものであっても良い。
【0328】
また、遊技制御装置100では事前判定の結果を先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドとして演出制御装置300に送信する。この事前判定における大当り乱数の判定では、低確率状態である場合の判定と高確率状態である場合の判定を現在の確率状態にかかわらず両方行い、両方の判定結果を演出制御装置300に送信するようにしている。また、事前判定における変動パターン乱数の判定では、当該事前判定時における確率状態及び始動記憶数で特図変動表示ゲームが開始される場合の変動パターンを判定し、その結果を演出制御装置300に送信するようにしている。
【0329】
演出制御装置300のRAM322には、遊技制御装置100から送信された事前判定の結果を格納する領域として、大当り乱数の事前判定結果を格納する判定結果格納領域350と、変動パターン乱数の事前判定結果を格納する変動パターン情報格納領域360とが備えられている。判定結果格納領域350は、低確率状態である場合の判定結果を格納する低確率格納領域351と、高確率状態である場合の判定結果を格納する高確率格納領域352とからなる一対の領域を、第1始動記憶の上限値と第2始動記憶の上限値の合計数である8つ備えている。
【0330】
この8つの領域には1〜8の領域番号が割り当てられており、新たに受信した判定結果は最も領域番号が若い空き領域に格納される。すなわち判定結果格納領域350には、始動記憶の発生順であり消化順でもある順番で、低確率格納領域351と高確率格納領域352とからなる一対の領域に当該判定結果を格納するようになっている。また、対応する始動記憶が消化された場合には、当該始動記憶の判定結果を一対の領域から消去して、後続の一対の領域の判定結果を一つずつ領域番号の若い領域へシフトし、空き領域の情報はクリアするようになっている。
【0331】
変動パターン情報格納領域360は、低確率状態において受信した判定結果を格納する第1結果格納領域361と、高確率状態において受信した判定結果を格納する第2結果格納領域362とからなる一対の領域を、第1始動記憶の上限値と第2始動記憶の上限値の合計数である8つ備えている。この8つの領域には1〜8の領域番号が割り当てられており、新たに受信した判定結果は最も領域番号が若い空き領域に格納される。なお、判定結果は一対の領域における第1結果格納領域361と第2結果格納領域362の何れか一方のみに格納され、他方の結果格納領域には情報なしを意味する情報が格納される。情報なしを意味する情報は、領域がクリアされた状態のままとすることで意味を成すものとしても良いし、別途の情報を書き込むことで意味をなすものとしても良い。
【0332】
すなわち変動パターン情報格納領域360には、始動記憶の発生順であり消化順でもある順番で、第1結果格納領域361と第2結果格納領域362とからなる一対の領域のうちの一方に、受信した際の確率状態に応じて当該判定結果を格納するようになっている。また、対応する始動記憶が消化された場合には、当該始動記憶の判定結果を一対の領域からクリアして、後続の一対の領域の判定結果を一つずつ領域番号の若い領域へシフトし、空き領域の情報はクリアするようになっている。
【0333】
演出制御装置300では、事前判定結果を用いて対象の始動記憶についての特図変動表示ゲームの開始前から当該始動記憶について予告を行う事前予告(先読み予告)を実行可能である。この処理の際には、大当り乱数の事前判定結果については、判定対象の始動記憶に対応する格納領域から乱数を判定結果処理用領域353に読み出して処理を行う。判定結果処理用領域353は、低確率格納領域351や高確率格納領域352に格納された乱数を用いた処理を行う際に用いる予め定められた共通の領域である。なお、判定結果処理用領域353は判定結果格納領域350の一部であっても良いし、判定結果格納領域350とは別の領域に属するものであっても良い。
【0334】
また、変動パターン乱数の事前判定結果については、判定対象の始動記憶に対応する格納領域から乱数をパターン判定結果処理用領域363に読み出して処理を行う。パターン判定結果処理用領域363は、第1結果格納領域361や第2結果格納領域362に格納された乱数を用いた処理を行う際に用いる予め定められた共通の領域である。なお、パターン判定結果処理用領域363は変動パターン情報格納領域360の一部であっても良いし、変動パターン情報格納領域360とは別の領域に属するものであっても良い。このように、乱数処理用領域153、判定結果処理用領域353及びパターン判定結果処理用領域363のような予め定められた共通の領域に乱数や情報を読み出してから処理を行うことで、処理において参照するアドレス値を固定値とすることができる。
【0335】
なお、遊技制御装置100では、第1始動記憶と第2始動記憶とで乱数を格納する領域を分けている。これは特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームで大当り種類の振分確率や変動パターンの振分確率が異なるなど、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの何れであるかが重要な情報であるため、第1始動記憶と第2始動記憶とで乱数を格納する領域を分けた方が処理の都合が良いためである。また、演出制御装置300では、第1始動記憶と第2始動記憶とを問わずに始動記憶の発生順に事前判定の結果を格納するようにしている。これは、複数回の特図変動表示ゲームに亘り連続する先読み演出の設定など、演出においては特図変動表示ゲームの実行順序が重要な情報であるため、始動記憶の発生順に事前判定の結果を格納する方が処理の都合が良いためである。また、事前判定結果は始動記憶の発生順に送信されて来るので受信した順に順次格納するだけで良く、処理の負担が軽減される。
【0336】
図48図49には、遊技制御装置100における乱数の格納と、演出制御装置300における先読み情報の格納の一例を示した。図49図48において第1始動記憶fが発生(t18)して事前判定結果が演出制御装置300に送信された後の状態を示している。図48に示すように、まずこの例では確率状態が通常確率状態(低確率状態)であり第1始動記憶zのみがある状態で特図変動表示ゲームが実行されている。この特図変動表示ゲームの実行中に第1始動記憶aが発生している(t11)。その後、実行中の特図変動表示ゲームが16R確変A大当りとなり特別遊技状態が開始されている(t12)。
【0337】
この特別遊技状態中に第2始動記憶bが発生するとともに(t13)、第1始動記憶cが発生している(t14)。その後、特別遊技状態が終了し、確率状態は高確率状態となる(t15)。また、第1始動記憶zに基づく特図変動表示ゲームが開始される(t15)。このとき第1始動記憶zについての乱数や事前判定情報はクリアされて後続の領域の情報がシフトされる。この特図変動表示ゲームの実行中に第2始動記憶d(t16)、第2始動記憶e(t17)、第1始動記憶f(t18)が発生している。
【0338】
第1始動記憶fが発生(t18)して事前判定結果が演出制御装置300に送信された後の状態では、図49に示すように遊技制御装置100の乱数格納領域150には、各始動記憶の大当り乱数及び変動パターン乱数が格納されている。このうち、第1格納領域151には第1始動記憶a,c,fの乱数が始動記憶の発生順に格納されている。すなわち、領域番号1には最も早く発生した第1始動記憶aの乱数が格納され、領域番号2には次に発生した第1始動記憶cの乱数が格納され、領域番号3には最後に発生した第1始動記憶fの乱数が格納されている。また、第2格納領域152には第2始動記憶b,d,eの乱数が始動記憶の発生順に格納されている。すなわち、領域番号1には最も早く発生した第2始動記憶bの乱数が格納され、領域番号2には次に発生した第2始動記憶dの乱数が格納され、領域番号3には最後に発生した第2始動記憶eの乱数が格納されている。
【0339】
演出制御装置300の判定結果格納領域350には、始動記憶a〜fの大当り乱数の事前判定結果が始動記憶の発生順に格納されている。領域番号1には最も早く発生した第1始動記憶aについて低確率状態で判定した結果が低確率格納領域351に格納されているとともに高確率状態で判定した結果が高確率格納領域352に格納されている。ここでは第1始動記憶aについて低確率状態で判定した場合には結果がはずれであるが、高確率状態で判定した場合には結果が16R確変Aであるという事前判定結果が格納されている。領域番号2〜6には始動記憶b〜fの事前判定結果が同様に始動記憶の発生順で格納されている。
【0340】
演出制御装置300の変動パターン情報格納領域360には、始動記憶a〜fの変動パターン乱数の事前判定結果が始動記憶の発生順に格納されている。領域番号1には最も早く発生した第1始動記憶aの変動パターン乱数の判定結果が格納されている。この第1始動記憶aが発生して事前判定結果が送信された時には確率状態は低確率状態であるので(図48のt11)、判定結果は領域番号1の第1結果格納領域361に格納され、領域番号1の第2結果格納領域362には情報なしを示す情報が格納されている。領域番号2に格納される第2始動記憶bの判定結果や、領域番号3に格納される第1始動記憶cの判定結果も、結果の受信時には低確率状態であるので(図48t13、t14)、第1結果格納領域361に判定結果が格納され、第2結果格納領域362には情報なしを示す情報が格納されている。また、領域番号4に格納される第2始動記憶dの判定結果や、領域番号5に格納される第2始動記憶eの判定結果、領域番号6に格納される第1始動記憶fの判定結果は、結果の受信時には高確率状態であるので(図48t16、t17、t18)、第1結果格納領域361には情報なしを示す情報が格納され、第2結果格納領域362に判定結果が格納されている。
【0341】
〔先読み図柄系コマンド処理〕
図50には、上述の受信コマンド解析処理における先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を示した。この先読み図柄系コマンド処理では、まず、受信した先読み停止図柄コマンドが低確率状態の判定値で判定した判定結果の情報である先読み停止図柄コマンド(低確率)であるかを判定する(ステップC301)。先読み停止図柄コマンド(低確率)である場合(ステップC301;Y)は、コマンドを保留数合計に対応する先読み図柄コマンド領域(低確率)にセーブし(ステップC302)、先読み変動パターンコマンド受信待ちフラグをセットして(ステップC304)、先読み図柄系コマンド処理を終了する。これにより、受信したコマンドの情報が判定結果格納領域350の低確率格納領域351における最も領域番号が若い空き領域に格納される。
【0342】
また、先読み停止図柄コマンド(低確率)でない場合(ステップC301;N)、すなわち先読み停止図柄コマンド(高確率)である場合は、コマンドを保留数合計に対応する先読み図柄コマンド領域(高確率)にセーブし(ステップC303)、先読み変動パターンコマンド受信待ちフラグをセットして(ステップC304)、先読み図柄系コマンド処理を終了する。これにより、受信したコマンドの情報が判定結果格納領域350の高確率格納領域352における最も領域番号が若い空き領域に格納される。なお、この空き領域の領域番号は直近のステップC302において情報を格納した低確率格納領域351の領域番号と同一である。
【0343】
先読み系コマンドは、先読み停止図柄コマンド(低確率)、先読み停止図柄コマンド(高確率)、先読み変動パターンコマンドの順に送信されるようになっており、この先読み図柄系コマンド処理によって、大当り乱数の事前判定結果が低確率格納領域351と高確率格納領域352とからなる一対の領域に格納されることとなる。また、ステップC304で先読み変動コマンド受信待ちフラグをセットすることで、後述する先読み変動系コマンド処理により同一の始動記憶についての先読み変動パターンコマンドの情報をセット(ペア)として処理することが可能となる。
【0344】
〔先読み変動系コマンド処理〕
図51には、上述の受信コマンド解析処理における先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を示した。この先読み変動系コマンド処理では、まず、先読み変動パターンコマンド受信待ち中であるかを判定する(ステップC311)。ここでは、上述の先読み図柄系コマンド処理で設定される先読み変動パターンコマンド受信待ちフラグがある場合に受信待ち中と判定するようになっている。先読み変動パターンコマンド受信待ち中でない場合(ステップC311;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み変動パターンコマンド受信待ち中である場合(ステップC311;Y)は、先読み変動パターンコマンド受信待ちフラグをクリアする(ステップC312)。
【0345】
その後、コマンドを確率状態、保留数合計に対応する先読み変動コマンド領域にセーブする(ステップC313)。これにより、受信したコマンドの情報が、変動パターン情報格納領域360における最も領域番号が若い空き領域での第1結果格納領域361と第2結果格納領域362のうち現在の確率状態に応じた領域に格納される。なお、第1結果格納領域361と第2結果格納領域362のうちコマンドの情報が格納されなかった領域には情報なしの情報が格納される。また、この空き領域の領域番号は直近の先読み図柄系コマンド処理において情報を格納した判定結果格納領域350の領域番号と同一である。
【0346】
そして、MODEとACTの組合せ(コマンド組合せ)が正常であるかを判定する先読みコマンド整合チェック処理(ステップC314)を行い、コマンド組合せが正常でない場合(ステップC315;N)、すなわち無効コマンド情報の値が返された場合は、先読み変動系コマンド処理を終了する。なお、この場合に正常でない先読み変動パターンコマンドの情報を格納領域からクリアしても良い。また、該当する格納領域に正常でない旨の情報(NG情報)をセーブするようにしても良い。一方、コマンド組合せが正常である場合(ステップC315;Y)、すなわち有効コマンド情報の値が返された場合は、先読み予告演出の実行を抽選する先読み抽選処理(ステップC316)を行い、先読み予告演出を発生するかを判定する(ステップC317)。
【0347】
そして、先読み予告演出を発生しない場合(ステップC317;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み予告演出を発生する場合(ステップC317;Y)は、当該発生する先読み予告演出(すなわち、先読み抽選処理(ステップC316)で選出された先読み予告演出)が、直ちに開始する演出であるかを判定する(ステップC318)。直ちに開始する演出とは、例えば、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示の表示態様を現時点から変更する保留変化予告である。また、図55で後述するように、獲得可能数報知86の実行中に新たに始動記憶が発生し、当該始動記憶が特別結果となるとともに当該特別結果に基づく特別遊技状態で獲得可能な遊技球数が0個でない場合に行われる獲得可能数の加算演出についても直ちに開始する演出となる。
【0348】
また、直ちに開始しない演出とは、特図変動表示ゲームの実行中に行う先読み予告演出であって、複数の特図変動表示ゲームに亘り連続で特定の演出やリーチ状態を発生させる演出や、変動表示中に登場するキャラクタによって予告を行う演出、飾り特図始動記憶表示の表示態様を現時点よりも後のタイミングで変更する保留変化予告などである。なお、このような直ちに開始しない演出の実行を開始するタイミングとしては、特図変動表示ゲームの実行中であればその特図変動表示ゲームが終了し、次の特図変動表示ゲームの実行が開始されるタイミングなどが該当する。
【0349】
直ちに開始する演出でない場合(ステップC318;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。この場合は、先読み予告演出を実行する特図変動表示ゲームの開始時などに予告の設定を行う。一方、直ちに開始する演出である場合(ステップC318;Y)は、選出された先読み予告演出の描画を設定し(ステップC319)、先読み変動系コマンド処理を終了する。
【0350】
〔先読みコマンド整合チェック処理〕
図52には、上述の先読み変動系コマンド処理における先読みコマンド整合チェック処理(ステップC314)を示した。この先読みコマンド整合チェック処理では、まず、確率状態と保留数合計に対応する領域の先読み変動パターンコマンド、先読み停止図柄コマンドをロードし(ステップC321)、ロードした各コマンドをそれぞれの判定用領域にセーブする(ステップC322)。
【0351】
これにより、最新の始動記憶についての先読み停止図柄コマンドの情報や先読み変動パターンコマンドの情報がロードされてそれぞれの判定用領域にセーブされる。すなわち、直近のステップC302、C303で低確率格納領域351と高確率格納領域352に格納された先読み停止図柄コマンドのうち、現在の確率状態に応じた格納領域から先読み停止図柄コマンドの情報がロードされて判定結果処理用領域353にセーブされる。また、直近のステップC313で現在の確率状態に応じて第1結果格納領域361と第2結果格納領域362の何れかに格納された先読み変動パターンコマンドの情報がロードされてパターン判定結果処理用領域363にセーブされる。
【0352】
次に、判定結果処理用領域353にセーブされた先読み停止図柄コマンドは正常値であるかを判定し(ステップC323)、正常値でない場合(ステップC323;N)は無効コマンド情報の値を返して(ステップC330)、先読みコマンド整合チェック処理を終了する。また、判定結果処理用領域353にセーブされた先読み停止図柄コマンドは正常値である場合(ステップC323;Y)は、先読み停止図柄コマンドの示す図柄種別情報(特図1又は特図2)を設定し(ステップC324)、図柄種別情報、先読み変動パターンコマンドMODEに対応する先読みコマンド整合チェックテーブルを設定する(ステップC325)。
【0353】
その後、ステップC326〜C329の処理において、先読み変動パターンコマンドACTが、設定された先読みコマンド整合チェックテーブルのデータの何れかに一致するかを判定する。そして、先読み変動パターンコマンドACTが設定された先読みコマンド整合チェックテーブルのデータの何れかに一致した場合(ステップC327;Y)は、有効コマンド情報の値を返し(ステップC331)、先読みコマンド整合チェック処理を終了する。また、先読み変動パターンコマンドACTが設定された先読みコマンド整合チェックテーブルのデータの何れにも一致しなかった場合は、無効コマンド情報の値を返し(ステップC330)、先読みコマンド整合チェック処理を終了する。
【0354】
〔先読み抽選処理〕
図53には、上述の先読み変動系コマンド処理における先読み抽選処理(ステップC316)を示した。この先読み抽選処理では、まず、先読み演出を実行可能な状態であるかを判定し(ステップC341)、実行可能状態でない場合(ステップC341;N)は、先読み抽選処理を終了する。実行可能状態でない場合としては、すでに先読み演出を実行中である場合(機種や実行中の先読み演出の内容によっては重複可能としても良い)や、演出モードが切り替わる前の所定ゲーム数以内の期間(遊技制御装置100から演出モードの切り替えを予告する切替準備コマンドを受信してから切り替わるまでの期間)などが挙げられる。
【0355】
一方、先読み演出を実行可能な状態である場合(ステップC341;Y)は、確率状態と保留数合計に対応する領域の先読み変動パターンコマンドと先読み図柄コマンドをロードし(ステップC342)、ロードした各コマンドをそれぞれの判定用領域にセーブする(ステップC343)。これにより、最新の始動記憶についての先読み停止図柄コマンドの情報や先読み変動パターンコマンドの情報がロードされてそれぞれの判定用領域にセーブされる。すなわち、直近のステップC302、C303で低確率格納領域351と高確率格納領域352に格納された先読み停止図柄コマンドのうち、現在の確率状態に応じた格納領域から先読み停止図柄コマンドの情報がロードされて判定結果処理用領域353にセーブされる。また、直近のステップC313で現在の確率状態に応じて第1結果格納領域361と第2結果格納領域362の何れかに格納された先読み変動パターンコマンドの情報がロードされてパターン判定結果処理用領域363にセーブされる。
【0356】
次に、判定用領域の先読み変動パターンコマンド、先読み停止図柄コマンド、演出状態に対応する先読み演出抽選テーブルを設定し(ステップC344)、乱数を抽出して先読み演出を実行するかを抽選する(ステップC345)。すなわち、今回先読み演出の対象となるかを判定する始動記憶(最新の始動記憶)の結果や変動パターン、実行中の演出の情報である演出状態により先読み演出抽選テーブルを選択し、先読み演出の実行確率や内容を異なるようにしている。例えば、演出状態が後述する獲得可能数報知86を実行している特別遊技状態の実行中であり、先読み停止図柄コマンドの情報が特別結果となるとともに当該特別結果に基づく特別遊技状態で獲得可能な遊技球数が0個でない場合には、先読み演出として後述する図55のような獲得可能数の加算演出を実行可能とする先読み演出抽選テーブルが設定される。なお、先読み演出抽選テーブルの選択条件としてこの他の条件を加えても良く、確率状態などの遊技状態や始動記憶数の条件などを加えても良い。
【0357】
そして、抽選の結果、先読み演出を実行しない場合(ステップC346;N)は、先読み演出を実行する際に必要な情報を記憶するための先読み制御領域をすべて0クリアして(ステップC358)、先読み抽選処理を終了する。この場合は、先読み変動系コマンドにおける先読み予告演出を発生するかの判定(ステップC317)において、先読み予告演出を発生しない場合(ステップC317;N)と判定される。
【0358】
また、抽選の結果、先読み演出を実行する場合(ステップC346;Y)は、先行保留の変動パターンが影響する先読み演出であるかを判定する(ステップC347)。先行保留の変動パターンが影響する先読み演出とは、例えば、選出された先読み演出を実行する条件として、先行保留の全てでリーチが発生しないことを条件としている先読み演出や、先行保留で実行される複数の特図変動表示ゲームでNリーチ連続して発生することを条件とする先読み演出など、先行保留の特図変動表示ゲームの内容次第で先読み演出の実行の可否が決定されるものである。
【0359】
先行保留の変動パターンが影響する先読み演出でない場合(ステップC347;N)は先読み演出の実行が確定するので、先読み制御領域に選出された先読み演出を行うための情報を設定して(ステップC359)、先読み抽選処理を終了する。この場合は、先読み変動系コマンドにおける先読み予告演出を発生するかの判定(ステップC317)において、先読み予告演出を発生する場合(ステップC317;Y)と判定される。先行保留の変動パターンが影響しない先読み演出としては、表示装置41に表示する飾り特図始動記憶表示の表示態様を変化させる保留変化予告や、後述する図55に示すような獲得可能数の加算演出などが挙げられる。なお、先読み制御領域に設定する選出された先読み演出を行うための情報としては、例えば、演出種類の情報や実行ゲーム数、その他必要な情報が挙げられる。
【0360】
また、先行保留の変動パターンが影響する先読み演出である場合(ステップC347;Y)は、ループ回数として保留数の合計−1の値を設定し(ステップC348)、先読み演出に対応するループ回数上限値を設定する(ステップC349)。なお、ループ回数は、判定結果格納領域350と変動パターン情報格納領域360から処理に用いるために読み出す情報が格納された領域の領域番号を指定するための値である。また、ループ回数上限値は、先行保留の変動パターンが影響する範囲を規定する値であり、先読み演出毎に予め設定されているものである。
【0361】
次に、確率状態とループ回数に対応する領域の先読み変動コマンド、先読み図柄コマンドをロードして(ステップC350)、ロードした各コマンドをそれぞれの判定用領域にセーブする(ステップC351)。ループ回数の値は情報を読み出す領域の領域番号に対応するものであり、該当する領域番号の領域から現在の確率状態に応じた先読み停止図柄コマンドの情報や先読み変動パターンコマンドの情報又は情報なしの情報がロードされてそれぞれの判定用領域にセーブされる。すなわち、判定結果格納領域350における該当する領域番号の低確率格納領域351と高確率格納領域352に格納された先読み停止図柄コマンドのうち、現在の確率状態に応じた格納領域から先読み停止図柄コマンドの情報がロードされて判定結果処理用領域353にセーブされる。
【0362】
また、変動パターン情報格納領域360における該当する領域番号の第1結果格納領域361又は第2結果格納領域362から現在の確率状態に応じて情報がロードされてパターン判定結果処理用領域363にセーブされる。第1結果格納領域361と第2結果格納領域362は、情報を格納した際の確率状態に対応する方に先読み変動パターンコマンドの情報が格納され、他方には情報なしの情報が格納されている。よって、情報を格納した際の確率状態(当該始動記憶が発生した際の確率状態)と現在の確率状態が同じであれば先読み変動パターンコマンドの情報がパターン判定結果処理用領域363にセーブされ、情報を格納した際の確率状態と現在の確率状態が異なる場合は情報なしの情報がパターン判定結果処理用領域363にセーブされる。
【0363】
そして、コマンド情報があるかを判定し(ステップC352)、コマンド情報がない場合(ステップC352;N)は、先読み制御領域を全て0クリアして(ステップC358)、先読み抽選処理を終了する。この場合は、情報を格納した際の確率状態と現在の確率状態が異なり、情報なしの情報がパターン判定結果処理用領域363にセーブされていた場合であって、先行保留の変動パターンの情報を取得できないため先読み演出を実行しないようにする。
【0364】
また、コマンド情報がある場合(ステップC352;Y)は、先読み変動パターンコマンドの情報に基づき変動パターンを判定し(ステップC353)、先読み演出を実行可能な条件を満たす変動であるかを判定する(ステップC354)。先読み演出を実行可能な条件を満たす変動でない場合(ステップC354;N)は、先読み制御領域を全て0クリアして(ステップC358)、先読み抽選処理を終了する。また、先読み演出を実行可能な条件を満たす変動である場合(ステップC354;Y)は、ループ回数上限値を−1更新し(ステップC355)、ループ回数上限値が0であるかを判定する(ステップC356)。
【0365】
ループ回数上限値が0でない場合(ステップC356;N)は、ループ回数を−1更新し(ステップC357)、ステップC350に移行する。この場合は先行保留の変動パターンが影響する範囲について全て判定を行っていない場合である。また、ループ回数上限値が0である場合(ステップC356;Y)は、先行保留の変動パターンが影響する範囲について全て判定が終了し、先読み演出を実行可能な条件を満たさない変動がなかった場合であるので先読み演出の実行が確定し、先読み制御領域に選出された先読み演出を行うための情報を設定して(ステップC359)、先読み抽選処理を終了する。この場合は、先読み変動系コマンドにおける先読み予告演出を発生するかの判定(ステップC317)において、先読み予告演出を発生する場合(ステップC317;Y)と判定される。
【0366】
このように、情報を格納する際には、第1結果格納領域361と第2結果格納領域362のうち情報を格納する際の確率状態に対応する方に先読み変動パターンコマンドの情報を格納するとともに他方には情報なしの情報を格納し、先読み変動パターンコマンドの情報を利用する処理では当該処理を行う際の確率状態に対応する方から読み出すようにすることで先読み情報を利用可能であるかを容易に判断することができる。すなわち、情報なしの情報が読み出された時点で利用できないことがわかり、格納の際に確率の情報を付加することや読み出しの際に何れの確率状態で判定された情報であるかを確認する処理を別途行う必要がなく、処理を効率的に進めることが可能となる。
【0367】
なお、ステップC350では現在の確率状態に対応する情報を読み出して処理を行うとしたが、確率状態の変化も考慮して情報を読み出して処理を行うようにしても良い。例えば現在の確率状態が低確率状態であるが確変大当りがある場合は当該確変大当り以降の情報は高確率状態での情報を読み出して処理を行うようにする。また、所定回数の特図変動表示ゲームを実行することで高確率状態が終了することが判明している場合は当該高確率状態の終了以降の情報は低確率状態の情報を読み出して処理を行うようにする。
【0368】
また、乱数やコマンドを用いた処理を行う際に共通の領域である乱数処理用領域153、判定結果処理用領域353、パターン判定結果処理用領域363に情報を読み出して処理を行うようにしたが、これらの領域を使用せず、処理対象の情報が格納された領域を直接参照して処理を行うようにしても良い。
【0369】
また、事前判定処理では判定時の確率状態における変動パターンを判定するようにしたが、判定時の確率状態にかかわらず低確率状態での判定と高確率状態での判定を両方行い、演出制御装置300に両方の判定結果を送信するようにしても良い。演出制御装置300では、第1結果格納領域361に低確率状態での判定結果を格納し、第2結果格納領域362に高確率状態での判定結果を格納するようにする。そして、ステップC350では現在の確率状態に対応する情報を読み出して処理を行うようにしても良いし、確率状態の変化も考慮して情報を読み出して処理を行うようにしても良い。
【0370】
また、事前判定処理において変動パターンの判定を行う際に、現在の始動記憶数に以外の始動記憶数である場合の判定も行うようにし、各判定結果を演出制御装置300に送信するようにしても良い。事前判定時の始動記憶数と特図変動表示ゲームの実行時の始動記憶数は異なることがあるため、複数の値の始動記憶数での事前判定を行っておくことでより正確な先読み演出が可能となる。また、先読み演出として、対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動パターンと当該変動パターンを実行するのに必要な開始時における始動記憶数とを報知するようにしても良い。例えば、開始時の始動記憶数が4以上であればSPリーチであるとの報知を行う。
【0371】
また、一方の確率状態である場合に、他方の確率状態での事前判定結果の情報を参照して当該事前判定結果を示唆又は報知するようにしても良い。例えば、低確率状態である場合に、高確率状態であれば大当りであったことを示唆又は報知するようにしても良い。
【0372】
以上のことから、所定条件の成立に基づき変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、遊技を制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段からの制御信号に基づき演出の制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、遊技制御手段は、始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に始動記憶として記憶された乱数に基づき当該変動表示ゲームの結果を決定し、変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に始動記憶として記憶された乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率状態を低確率状態と、該低確率状態よりも高めた高確率状態との何れかに設定する確率設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、始動入賞領域には、第1入賞領域(第1始動入賞口36)と、第2入賞領域(普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)とがあり、始動記憶手段は、第1入賞領域での遊技球の検出に基づき変動表示ゲームをなす第1変動表示ゲームの実行権利を第1始動記憶として所定の上限数まで乱数値とともに記憶する第1始動記憶手段(遊技制御装置100)と、第2入賞領域での遊技球の検出に基づき変動表示ゲームをなす第2変動表示ゲームの実行権利を第2始動記憶として所定の上限数まで乱数値とともに記憶する第2始動記憶手段(遊技制御装置100)と、を備え、変動表示ゲーム実行手段は、第1始動記憶に基づく第1変動表示ゲームと、第2始動記憶に基づく第2変動表示ゲームを、始動記憶の発生順に実行し、事前判定手段は、低確率状態である場合の判定と高確率状態である場合の判定を現在の確率状態にかかわらず両方行い、両方の判定結果を演出制御手段に送信するように構成され、遊技制御手段は、第1始動記憶として記憶された乱数を格納する第1格納領域151と、第2始動記憶として記憶された乱数を格納する第2格納領域152とを備え、第1格納領域151に第1始動記憶の発生順に乱数を格納するとともに、第2格納領域152に第2始動記憶の発生順に乱数を格納するように構成され、演出制御手段は、事前判定手段の判定結果のうち、低確率状態である場合の判定結果を格納する低確率格納領域351と、高確率状態である場合の判定結果を格納する高確率格納領域352と、を備え、第1始動記憶と第2始動記憶の何れの判定結果であるかにかかわらず、低確率格納領域351と高確率格納領域352とに判定結果の受信順に当該判定結果を格納するようにしたこととなる。
【0373】
したがって、事前判定を低確率状態での判定と高確率状態での判定の両方を行うので確率状態の変化にも対応可能となり、事前判定の結果を有効に利用できるようにすることができる。また、低確率状態である場合の判定結果を格納する低確率格納領域351と、高確率状態である場合の判定結果を格納する高確率格納領域352を備えるので、受信した判定結果の格納や判定結果の読み出しの際には領域を指定するだけの処理で済み、事前判定に関する処理の負担を軽減することができる。
【0374】
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、第1格納領域151及び第2格納領域152に格納された乱数を用いた処理を行う場合に、処理に使用する乱数を第1格納領域151及び第2格納領域152とは別の予め定められた領域である乱数処理用領域153に読み出してから処理を行い、演出制御手段(演出制御装置300)は、低確率格納領域351及び高確率格納領域352に格納された判定結果を用いた処理を行う場合に、処理に使用する判定結果を低確率格納領域351及び高確率格納領域352とは別の予め定められた領域である判定結果処理用領域353に読み出してから処理を行うこととなる。したがって、予め定められた領域に読み出してから処理を行うことで、始動記憶数が変化しても処理において参照する領域は変化しないようになり、事前判定に関する処理を効率よく行うことができる。
【0375】
また、所定条件の成立に基づき変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、遊技を制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段からの制御信号に基づき演出の制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、遊技制御手段は、始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に始動記憶として記憶された乱数に基づき当該変動表示ゲームの結果を決定し、変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に始動記憶として記憶された乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率状態を低確率状態と、該低確率状態よりも高めた高確率状態との何れかに設定する確率設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、事前判定手段は、判定対象の始動記憶に基づく変動表示ゲームにおける変動パターンを判定し、判定結果を演出制御手段に送信するように構成され、演出制御手段は、事前判定手段の判定結果を格納する変動パターン情報格納領域360を備え、変動パターン情報格納領域360は、始動記憶毎に、第1結果格納領域361と第2結果格納領域362とからなる一対の領域が割り当てられ、判定結果を低確率状態において受信した場合には第1結果格納領域361に当該判定結果を格納し、判定結果を高確率状態において受信した場合には第2結果格納領域362に当該判定結果を格納するようにしたこととなる。
【0376】
したがって、低確率状態で受信した判定結果を格納する第1結果格納領域361と、高確率状態で受信した判定結果を格納する第2結果格納領域362を備えるので、事前判定結果を利用する際に何れの確率状態での判定結果であるかを容易に判別できるようになり、事前判定に関する処理の負担を軽減することができる。
【0377】
また、始動入賞領域には、第1入賞領域(第1始動入賞口36)と、第2入賞領域(普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)とがあり、始動記憶手段は、第1入賞領域での遊技球の検出に基づき変動表示ゲームをなす第1変動表示ゲームの実行権利を第1始動記憶として所定の上限数まで記憶する第1始動記憶手段(遊技制御装置100)と、第2入賞領域での遊技球の検出に基づき変動表示ゲームをなす第2変動表示ゲームの実行権利を第2始動記憶として所定の上限数まで記憶する第2始動記憶手段(遊技制御装置100)と、を備え、変動表示ゲーム実行手段は、第1始動記憶に基づく第1変動表示ゲームと、第2始動記憶に基づく第2変動表示ゲームを、始動記憶の発生順に実行し、遊技制御手段は、第1始動記憶の乱数を格納する第1格納領域151と、第2始動記憶の乱数を格納する第2格納領域152とを備え、第1格納領域151に第1始動記憶の発生順に乱数を格納するとともに、第2格納領域152に第2始動記憶の発生順に乱数を格納するように構成され、演出制御手段は、第1始動記憶と第2始動記憶の何れの判定結果であるかにかかわらず、事前判定手段の判定結果の受信順に変動パターン情報格納領域360に当該判定結果を格納するようにしたこととなる。したがって、各制御手段での情報の利用方法に即した格納方法とすることができ、事前判定に関する処理の負担を軽減することができる。
【0378】
また、遊技制御手段は、第1格納領域151及び第2格納領域152に格納された乱数を用いた処理を行う場合に、処理に使用する乱数を第1格納領域151及び第2格納領域152とは別の予め定められた領域である乱数処理用領域153に読み出してから処理を行い、演出制御手段は、変動パターン情報格納領域360に格納された判定結果を用いた処理を行う場合に、処理に使用する判定結果を変動パターン情報格納領域360とは別の予め定められた領域であるパターン判定結果処理用領域363に読み出してから処理を行うようにしたこととなる。したがって、予め定められた領域に読み出してから処理を行うことで、始動記憶数が変化しても処理において参照する領域は変化しないようになり、事前判定に関する処理を効率よく行うことができる。
【0379】
なお、第1始動記憶と第2始動記憶を発生順に消化する遊技機について説明したが、第1始動記憶よりも第2始動記憶を優先的に消化する遊技機である場合には、判定結果格納領域350や変動パターン情報格納領域360での情報の格納順を、コマンドの受信順(始動記憶の発生順)ではなく、特図変動表示ゲームの実行順とすることが好ましい。この場合、コマンドを受信する毎に当該コマンドに対応する始動記憶の実行順に対応する領域に格納するように操作する処理を行うようにしても良い。また、優先的に消化される第2始動記憶に対応する情報の格納領域を領域番号1〜4とし、第1始動記憶に対応する情報の格納領域を領域番号5〜8として、それぞれの始動記憶で情報の受信順に格納するようにしても良い。
【0380】
次に、特別遊技状態における演出について説明する。特図変動表示ゲームを実行する状態では、図54(a)に示すように表示装置41における表示領域の中央に、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する飾り特図変動表示ゲーム表示部85が設けられる。ここでは、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。
【0381】
また、表示領域の下部には第1始動記憶及び第2始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する記憶表示部83が設けられる。ここに表示される飾り特図始動記憶表示は、第1始動記憶又は第2始動記憶と一対一に対応し、記憶順に並んで表示されるものであり、ここでは3つの始動記憶があることを示している。なお、第1始動記憶と第2始動記憶を区別できるように表示しても良い。左端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶された始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示であり、消化される毎に左へ移行するようになっている。また、それぞれの始動記憶に対応する特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等の先読み結果などをその表示態様により示唆することが可能である。ここでは、次に消化される始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示(左端)の表示態様が通常の表示態様とは異なる態様とされており、この始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が特別結果となる可能性が高いことが示されている。
【0382】
表示領域の下部であって記憶表示部83の左方には、現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部84が設けられる。この実行中記憶表示部84には、特図変動表示ゲームの開始時に記憶表示部83の左端にある飾り特図始動記憶表示が移行し、実行される特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等をその表示態様により示唆するようになっている。図54(b)では実行中記憶表示部84の表示態様が通常の表示態様とは異なる態様とされており、現在実行中の特図変動表示ゲームが特別結果となる可能性が高いことが示されている。
【0383】
そして、図54(c)に示すように特図変動表示ゲームで特別結果が導出されると、図54(d)や(f)に示すように特別遊技状態が開始される。この特別遊技状態の開始時には特別遊技状態で獲得可能な遊技球数である獲得可能数を報知する獲得可能数報知86が行われる。この獲得可能数の報知では、今回の特別結果に基づく特別遊技状態で獲得可能な遊技球数の他、記憶されている始動記憶に特別結果となるものがある場合は当該特別結果に基づく特別遊技状態で獲得可能な遊技球数も併せて報知される。
【0384】
ここでは図54(c)で16R確変Aの特別結果となっており、この特別結果に基づく特別遊技状態で獲得可能な遊技球数は1700個である。始動記憶に特別結果となるものがない場合や、特別結果となるものがあるが当該特別結果に基づく特別遊技状態で獲得可能な遊技球数が0個である場合は、図54(d)に示すように獲得可能数報知86として今回の特別結果に基づく特別遊技状態で獲得可能な遊技球数のみが報知される。そして、図54(e)に示すように特別遊技状態中においては、獲得可能数報知86を分母に表示するとともに特別変動入賞装置38への入賞に基づき実際に獲得した遊技球数を報知する実獲得数報知87を分子に表示する分数形式の表示で情報を表示する。もちろん表示形式はこれに限られるものではない。また実獲得数報知には特別変動入賞装置38以外への入賞に基づき獲得した遊技球数を含めても良い。この場合は遊技制御装置100が特別変動入賞装置38以外への入賞に基づき払い出した遊技球数の情報を演出制御装置300に送信するようにする。
【0385】
一方、始動記憶に特別結果となるものがあり当該特別結果に基づく特別遊技状態で獲得可能な遊技球数が0個でない場合は、図54(f)に示すように獲得可能数報知86として今回の特別結果に基づく特別遊技状態で獲得可能な遊技球数に加えて後の特別遊技状態で獲得可能な遊技球数も併せて報知される。ここでは今回の特別結果に基づく特別遊技状態で獲得可能な遊技球数は1700個であり、後の特別結果に基づく特別遊技状態で獲得可能な遊技球数も1700個であるので合計して獲得可能球数として3400個が報知されている。
【0386】
そして、図54(g)に示すように特別遊技状態中においては、上述したのと同様に獲得可能数報知86と実獲得数報知87を表示する。この特別遊技状態が終了すると始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが行われるが、獲得可能数報知86で報知対象となった特別遊技状態が終了するまでは獲得可能数報知86と実獲得数報知87の表示は継続される。その後、図54(h)に示すように特別結果が導出され、図54(i)に示すように特別遊技状態が開始される。このとき当該特別遊技状態で獲得可能な遊技球数はすでに獲得可能数報知86で行われているため別途の報知は行わない。もちろん当該特別遊技状態で獲得可能な遊技球数を別途行うようにしても良い。
【0387】
また、図54(j)に示すように実獲得球数報知では前回の特別遊技状態での実獲得数を引き継いで今回の特別遊技状態での実獲得数を加算するようになっている。この特別遊技状態が終了することにより獲得可能数報知86で報知対象となった特別遊技状態が終了することとなるので、特別遊技状態の終了に伴い獲得可能数報知86と実獲得数報知87の表示も終了することとなる。
【0388】
なお、16R確変B〜Fについては特別遊技状態の演出が共通であり、4R、8R、12Rの終了後のインターバル時間において以降のラウンドでも賞球の獲得が期待できるラウンドとなるかのラウンド継続報知演出を行うようになっている。このため、特別遊技状態の開始時における獲得可能数報知86では、最も獲得可能数が少ない16R確変Eに対応する獲得可能数(430個)を行い、ラウンド継続報知演出を行うごとに当該ラウンド継続報知演出での報知内容に応じた獲得可能数を獲得可能数報知86に加算するようにする。
【0389】
図55には獲得可能数報知86の実行中に新たな始動記憶が発生し、当該始動記憶が特別結果となるとともに当該特別結果に基づく特別遊技状態で獲得可能な遊技球数が0個でない場合の報知の一例を示した。ここでは図55(a)に示すように獲得可能数報知86が行われている特別遊技状態の実行中に、図55(b)に示すように新たな始動記憶が発生している場合の例を示した。
【0390】
当該始動記憶についての事前判定の結果、当該始動記憶は特別結果となるとともに当該特別結果に基づく特別遊技状態で獲得可能な遊技球数が1700個であることが判明している。これに基づき対応する飾り特図始動記憶表示の表示態様を通常の表示態様とは異なる表示態様とする演出を行うとともに、図55(c)に示すように当該始動記憶に基づき発生する特別遊技状態での獲得可能数をし、さらに図55(d)に示すように報知された獲得可能数を獲得可能数報知86に加算する加算演出が行われる。
【0391】
なお、飾り特図始動記憶表示の表示態様を通常の表示態様とは異なる表示態様とする演出は行わなくても良い。また、16R確変B〜Fについては、4R、8R、12Rの終了後のインターバル時間において以降のラウンドでも賞球の獲得が期待できるラウンドとなるかのラウンド継続報知演出を行うが、図55(c)、(d)に示すような加算演出は、ラウンド継続報知演出と明確に区別できるようにすることが好ましい。
【0392】
例えば、ラウンド継続報知演出では新たな獲得可能数を表示領域の中央に表示せずに直接獲得可能数報知86に加算するようにし、新たな始動記憶の発生による加算演出の場合は図55(c)のように表示領域の中央に獲得可能数を表示した後に獲得可能数報知86に加算するようにする。また、図55(c)、(d)のような加算演出をラウンド継続報知演出が行われるタイミングでは行わないようにしても良い。ただし、16R確変D(実質4R)や16R確変E(実質8R)の場合には、ラウンド継続報知演出が行われるタイミングで新たな始動記憶の発生による加算演出をラウンド継続報知演出と同様の態様で行い、あたかもラウンドが継続するものであったかのように見せても良い。
【0393】
〔大当り系コマンド処理〕
次に、以上のような報知を行うために演出制御装置300で行われる処理について説明する。図56には、上述の受信コマンド解析処理における大当り系コマンド処理(ステップC238)を示した。この大当り系コマンド処理では、まず、MODEはファンファーレであるかを判定する(ステップC401)。すなわち、受信したコマンドが図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドや小当りファンファーレコマンドであるかを判定する。そして、MODEはファンファーレである場合(ステップC401;Y)は、大当り種類や小当りに応じたファンファーレ表示画像の設定などを行うファンファーレ演出設定処理を行い(ステップC402)、P機状態をファンファーレ中に設定して(ステップC403)、大当り系コマンド処理を終了する。
【0394】
MODEはファンファーレでない場合(ステップC401;N)は、MODEはラウンドであるかを判定する(ステップC404)。すなわち、受信したコマンドが特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドであるかを判定する。そして、MODEはラウンドである場合(ステップC404;Y)は、ラウンド数表示情報の更新などを行うラウンド演出設定処理を行い(ステップC405)、P機状態をラウンド中に設定し(ステップC406)、大当り系コマンド処理を終了する。
【0395】
MODEはラウンドでない場合(ステップC404;N)は、MODEはインターバルであるかを判定する(ステップC407)。すなわち、受信したコマンドがラウンド間のインターバルに関するインターバルコマンドであるかを判定する。そして、MODEはインターバルである場合(ステップC407;Y)は、インターバル中の演出の設定を行うインターバル演出設定処理を行い(ステップC408)、P機状態をインターバル中に設定し(ステップC409)、大当り系コマンド処理を終了する。また、MODEはインターバルでない場合(ステップC407;N)は、MODEはエンディングであるかを判定する(ステップC410)。すなわち、受信したコマンドが最終ラウンド終了後のエンディングに関するエンディングコマンドであるかを判定する。
【0396】
MODEはエンディングである場合(ステップC410;Y)は、例えば、特別遊技状態の終了後に高確率状態になる場合には、高確率状態となる旨の報知を行う画面情報を設定するなど、大当り終了後の遊技状態に対応する画面情報の設定などを行うエンディング演出設定処理を行い(ステップC411)、P機状態をエンディング中に設定し(ステップC412)、大当り系コマンド処理を終了する。また、MODEはエンディングでない場合(ステップC410;N)は、MODEはカウントであるかを判定する(ステップC413)。すなわち、受信したコマンドが特別変動入賞装置38への入賞に基づく大入賞口カウントコマンドであるかを判定する。
【0397】
MODEはカウントでない場合(ステップC413;N)は、大当り系コマンド処理を終了する。MODEはカウントである場合(ステップC413;Y)は、獲得可能数報知86が行われている場合に設定される獲得可能数報知中フラグがあるかを判定する(ステップC414)。獲得可能数報知中フラグがない場合(ステップC414;N)、すなわち獲得可能数報知86が行われていない場合は、大当り系コマンド処理を終了する。また、獲得可能数報知中フラグがある場合(ステップC414;Y)、すなわち獲得可能数報知86が行われている場合は、実獲得数報知87に獲得数(賞球数)を加算し(ステップC415)、大当り系コマンド処理を終了する。
【0398】
〔ファンファーレ演出設定処理〕
図57には、上述の大当り系コマンド処理におけるファンファーレ演出設定処理(ステップC402)を示した。このファンファーレ演出設定処理では、まず、ACTは大当りファンファーレであるかを判定する(ステップC421)。すなわち、ファンファーレコマンドが16R確変A〜F、6R確変の何れかに対応するファンファーレコマンドであるかを判定する。ACTは大当りファンファーレである場合(ステップC421;Y)は、大当り種類に対応したファンファーレ演出である大当りファンファーレ演出の表示設定を行う(ステップC422)。そして、獲得可能数報知86の設定を行う獲得可能数設定処理を行い(ステップC427)、ファンファーレコマンドに基づき当り種類情報を設定して(ステップC428)、ファンファーレ演出設定処理を終了する。
【0399】
また、ACTは大当りファンファーレでない場合(ステップC421;N)は、ACTは突確ファンファーレであるかを判定する(ステップC423)。すなわち、ファンファーレコマンドが2R確変A、B(突確)に対応するものであるかを判定する。ACTは突確ファンファーレである場合(ステップC428;Y)は、突確ファンファーレ演出の表示設定を行って(ステップC424)、獲得可能数設定処理を行い(ステップC427)、ファンファーレコマンドに基づき当り種類情報を設定して(ステップC428)、ファンファーレ演出設定処理を終了する。
【0400】
また、ACTは突確ファンファーレでない場合(ステップC423;N)は、ACTは小当りファンファーレであるかを判定する(ステップC425)。すなわち、ファンファーレコマンドが小当りに対応するものであるかを判定する。ACTは小当りファンファーレでない場合(ステップC425;N)は、ファンファーレ演出設定処理を終了する。また、ACTは小当りファンファーレである場合(ステップC425;Y)は、小当りファンファーレ演出の表示設定を行って(ステップC426)、ファンファーレコマンドに基づき当り種類情報を設定して(ステップC428)、ファンファーレ演出設定処理を終了する。
【0401】
〔獲得可能数設定処理〕
図58には、上述のファンファーレ演出設定処理における獲得可能数設定処理(ステップC427)を示した。この獲得可能数設定処理では、まず、獲得可能数報知86が行われている場合に設定される獲得可能数報知中フラグがあるかを判定し(ステップC441)、獲得可能数報知中フラグがある場合(ステップC441;Y)は、獲得可能数設定処理を終了する。この場合は、今回の特別遊技状態より前の特別遊技状態において、今回の特別遊技状態での獲得可能数についても報知されている場合であり、ここでは獲得可能数の報知の設定は行わない。
【0402】
また、獲得可能数報知中フラグがない場合(ステップC441;N)は、今回の特別遊技状態での獲得可能数である今回獲得可能数を取得する(ステップC442)。今回獲得可能数はファンファーレコマンドが対応する図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に基づき取得可能である。そして、始動記憶の先読み情報を確認し(ステップC443)、突確(2R確変A,B)、小当り以外の当り(16R確変A〜F,6R確変)があるかを判定する(ステップC444)。すなわち、獲得可能数数が0でない当りがあるかを判定する。このとき確認する先読み情報は、現在の確率状態にかかわらず判定結果格納領域350の高確率格納領域352に格納された情報を確認する。すなわち、特別遊技状態の後には高確率状態となるので、大当り乱数を高確率状態での判定値で判定した事前判定結果を確認することで正確な判断が可能となる。
【0403】
そして、突確、小当り以外の当りがある場合(ステップC444;Y)は、先読み情報に基づいて始動記憶に基づき発生する特別遊技状態での獲得可能数である先読み獲得可能数を算出する(ステップC445)。なお、特別結果となる始動記憶が複数ある場合は各特別結果に基づく特別遊技状態での獲得可能数を合算して先読み獲得可能数とする。さらに、今回獲得可能数と先読み獲得可能数を獲得可能数として獲得可能数報知86を行い(ステップC446)、獲得可能数報知中フラグをセットして(ステップC448)、獲得可能数設定処理を終了する。一方、突確、小当り以外の当りがない場合(ステップC444;Y)は、今回獲得可能数を獲得可能数として獲得可能数報知86を行い(ステップC446)、獲得可能数報知中フラグをセットして(ステップC448)、獲得可能数設定処理を終了する。すなわち、演出制御装置300が、特別遊技状態において特別変動入賞装置38へ入賞することにより遊技者が獲得可能な遊技球数である獲得可能数を報知可能な獲得可能数報知手段をなす。なお、突確(2R確変A,B)や小当りのように獲得可能数が0である当りの場合も獲得可能数が0である旨を報知するようにしても良い。
【0404】
〔エンディング演出設定処理〕
また、図59には、上述のファンファーレ演出設定処理におけるエンディング演出設定処理(ステップC411)を示した。このエンディング演出設定処理では、まず、今回の特別遊技状態の発生の契機となった大当り種類の情報である大当り種類情報をロードして対応するエンディング演出を設定し(ステップC451)、獲得可能数報知中フラグがあるかを判定する(ステップC452)。
【0405】
獲得可能数報知中フラグがない場合(ステップC452;N)、すなわち獲得可能数報知86を実行していない場合は、エンディング演出設定処理を終了する。また、獲得可能数報知中フラグがある場合(ステップC452;Y)、すなわち獲得可能数報知86を実行している場合は、報知対象の始動記憶があるかを判定する(ステップC453)。
【0406】
報知対象の始動記憶とは、獲得可能数報知86で獲得可能数を報知している特別遊技状態を発生させる始動記憶である。すなわち、16R確変A〜F又は6R確変となる始動記憶である。この報知対象の始動記憶がある場合(ステップC453;Y)は、エンディング演出設定処理を終了する。この場合は、獲得可能数報知86や実獲得数報知87を継続する場合であるので、以降の終了に関する処理は行わない。また、報知対象の始動記憶がない場合(ステップC453;N)は、獲得可能数報知86、実獲得数報知87を終了し(ステップC454)、獲得可能数報知中フラグをクリアして(ステップC455)、エンディング演出設定処理を終了する。なお、エンディング演出中において、獲得可能数報知86や実獲得数報知87での値を結果表示として表示するようにしても良い。
【0407】
図60には、獲得可能数報知の変形例を示した。図60(a)に示すように、今回の特別遊技状態での獲得可能数である今回獲得可能数を上段に示し、始動記憶に基づき発生する特別遊技状態での獲得可能数である先読み獲得可能数を下段に表示するようにしても良い。そして、その後は図60(b)に示すように獲得可能数報知86と実獲得数報知87を今回の特別遊技状態に対応するものと始動記憶に基づき発生する特別遊技状態に対応するものとで分けて表示し、実獲得数は今回の特別遊技状態に対応する獲得可能数報知86を行っている実獲得数報知87に表示する。また、図60(c)に示すように、一つの獲得可能数報知86において今回の特別遊技状態での獲得可能数と始動記憶に基づき発生する特別遊技状態での獲得可能数を分けて表示するようにしても良い。
【0408】
このように今回の特別遊技状態での獲得可能数と始動記憶に基づき発生する特別遊技状態での獲得可能数を分けて表示することで、それぞれの獲得可能数を遊技者に示すことが可能となる。また、本実施形態の大当り種類では、獲得可能数が1270個である16R確変Cに基づく特別遊技状態の開始時に、始動記憶に獲得可能数が430個である16R確変Eとなる始動記憶がある場合、これらを合算して報知すると1700個となり、獲得可能数が1700個である16R確変Aと区別ができなくなるが、分けて表示することでこれらを区別可能となる。なお、特別結果となる始動記憶が複数ある場合は先読み獲得可能数を合算して表示も良いし、各特別結果に基づく特別遊技状態での獲得可能数を別々に複数段で表示しても良い。さらに、突確や小当りのような獲得可能数が0であるものについても先読み獲得可能数として0を報知するようにしても良い。
【0409】
また、図60(d)に示すように、特別変動入賞装置38への入賞に基づき獲得した実獲得数を報知する実獲得数報知87に加え、特別変動入賞装置38以外の入賞口へ入賞することに基づき獲得した獲得数を別途報知する獲得数報知88を行うようにしても良い。また、獲得数報知88を別途行うのではなく、実獲得数報知87において特別変動入賞装置38以外の入賞口へ入賞することに基づき獲得した獲得数も併せて報知するようにしても良い。
【0410】
また、図60(e)に示すように、獲得可能数報知86の実行中に新たに特別結果となる始動記憶が発生し、当該特別結果に基づく特別遊技状態での獲得可能数を報知した場合、図60(f)に示すように獲得可能数報知86と実獲得数報知87を今回の特別遊技状態に対応するものと始動記憶に基づき発生する特別遊技状態に対応するものとで分けて表示するようにしても良い。また、図60(g)に示すように一つの獲得可能数報知86において今回の特別遊技状態での獲得可能数と始動記憶に基づき発生する特別遊技状態での獲得可能数を分けて表示するようにしても良い。
【0411】
また、図60(h)に示すように獲得可能数報知86の実行中に新たに特別結果となる始動記憶が発生した場合に、当該始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示において当該始動記憶に基づき発生する特別遊技状態での獲得可能数を報知する獲得可能数報知86を行うようにしても良い。このような報知は獲得可能数報知86を実行していない場合にも実行可能であり、特別結果の発生を報知する確定報知とすることが可能である。
【0412】
また、獲得可能数報知86における始動記憶に基づき発生する特別遊技状態での獲得可能数の報知は、当該獲得可能数報知86の開始時に行うとしたが、これより後のタイミングで行うようにしても良い。このようにすることで止め打ちを防止できる。また、獲得可能数報知86は獲得可能数を数値で報知するようにしたが、獲得可能数を示唆する表示で行うようにしても良い。例えば、獲得可能数を数値では示さないが2000個未満であるか否かにより異なる表示(キャラクタ表示など)を行うようにしても良いし、飾り特図変動表示ゲームの結果態様の種類や色彩、模様などにより獲得可能数を示唆又は報知するようにしても良い。
【0413】
以上のことから、所定条件の成立に基づき変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで乱数値とともに記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に始動記憶として記憶された乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態において遊技球が入賞不能な閉状態から遊技球が入賞可能な開状態に変換可能な特別変動入賞装置38と、特別遊技状態において特別変動入賞装置38へ入賞することにより遊技者が獲得可能な遊技球数である獲得可能数を報知可能な獲得可能数報知手段(演出制御装置300)と、を備え、獲得可能数報知手段は、事前判定手段によって変動表示ゲームの結果が特別結果となる始動記憶があると判定された場合に、当該特別結果に基づき実行される特別遊技状態における獲得可能数を報知可能であることとなる。したがって、獲得可能な遊技球数を報知可能であるので得られる価値を遊技者が把握でき、特別遊技状態に対する興趣を高めて遊技の興趣を向上することができる。
【0414】
また、所定条件の成立に基づき変動表示ゲームを実行し、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、遊技を制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段からの制御信号に基づき演出の制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、特別遊技状態において遊技球が入賞不能な閉状態から遊技球が入賞可能な開状態に変換可能な特別変動入賞装置38と、を備え、遊技制御手段は、始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで乱数値とともに記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に始動記憶として記憶された乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率状態を低確率状態と、該低確率状態よりも高めた高確率状態との何れかに設定する確率設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、事前判定手段は、低確率状態である場合の判定と高確率状態である場合の判定を現在の確率状態にかかわらず両方行い、両方の判定結果を演出制御手段に送信するように構成され、演出制御手段は、特別遊技状態において特別変動入賞装置38へ入賞することにより遊技者が獲得可能な遊技球数である獲得可能数を報知可能な獲得可能数報知手段(演出制御装置300)を備え、獲得可能数報知手段は、事前判定手段によって変動表示ゲームの結果が特別結果となる始動記憶があると判定された場合に、当該特別結果に基づき実行される特別遊技状態における獲得可能数を報知可能であることとなる。したがって、獲得可能な遊技球数を報知可能であるので得られる価値を遊技者が把握でき、特別遊技状態に対する興趣を高めて遊技の興趣を向上することができる。また、事前判定手段は、低確率状態である場合の判定と高確率状態である場合の判定を現在の確率状態にかかわらず両方行い、両方の判定結果を演出制御手段に送信するので、確率状態の変化の有無にかかわらず正確な報知が可能となる。
【0415】
また、獲得可能数報知手段は、複数の特別結果の各々に基づく特別遊技状態における獲得可能数を合算して報知可能であることとなる。したがって、複数の特別遊技状態で獲得可能な遊技球数を報知可能であるので得られる価値を遊技者が把握でき、特別遊技状態に対する興趣を高めて遊技の興趣を向上することができる。
【0416】
また、獲得可能数報知手段は、特別遊技状態を開始した際に報知を開始するように構成され、当該開始された特別遊技状態における獲得可能数と、当該報知の開始時に記憶されている始動記憶に基づく変動表示ゲームで特別結果となることに基づく特別遊技状態における獲得可能数と、を合算して報知可能であることとなる。したがって、複数の特別遊技状態で獲得可能な遊技球数を報知可能であるので得られる価値を遊技者が把握でき、特別遊技状態に対する興趣を高めて遊技の興趣を向上することができる。
【0417】
また、獲得可能数報知手段は、獲得可能数の報知を、当該獲得可能数の算出対象となった特別遊技状態の終了まで継続して報知可能であり、当該獲得可能数の報知を継続している期間において、特別変動入賞装置38への入賞に基づき遊技者が獲得した遊技球数である実獲得数を併せて報知することとなる。したがって、実際に獲得した遊技球数を報知可能であるので得られた価値を遊技者が把握でき、特別遊技状態に対する興趣を高めて遊技の興趣を向上することができる。
【0418】
また、獲得可能数報知手段は、獲得可能数の報知を継続している期間において、特別変動入賞装置38以外への入賞に基づき遊技者が獲得した遊技球数を実獲得数とは別に報知可能であることとなる。したがって、特別変動入賞装置38以外への入賞により獲得した遊技球数を報知可能であるので得られた価値を遊技者が把握でき、特別遊技状態に対する興趣を高めて遊技の興趣を向上することができる。
【0419】
〔第1変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、演出の実行態様が異なる。
【0420】
図61には本変形例の遊技機において先の特別遊技状態が終了して後の特別遊技状態が開始される際の演出の実行態様を示した。演出の実行態様(1)は、先の特別遊技状態の終了時(t33)までに次の特別遊技状態を実行する始動記憶が発生していない場合の例である。最終ラウンドを実行している期間(t31〜t32)ではラウンド演出が実行され、最終ラウンドが終了するとエンディング時間となる(t32)。このエンディング時間ではエンディング演出が実行される(t32〜t33)。そして、エンディング時間が終了すると先の特別遊技状態が終了し、特図変動表示ゲームが開始される(t33)。
【0421】
特図変動表示ゲームの実行中は特図変動表示ゲームに応じたゲーム演出が行われる。そして、特図変動表示ゲームの終了後に発生した始動記憶が特別結果となり、この特別結果に基づく後の特別遊技状態が開始される(t34)。後の特別遊技状態が開始されるとファンファーレ時間となる(t34〜t35)。このファンファーレ時間ではファンファーレ演出が実行される。その後ファンファーレ時間が終了すると1ラウンド目が開始される(t35)。これに伴いラウンド演出が実行される。
【0422】
演出の実行態様(2)は、先の特別遊技状態の終了時(t33)までに後の特別遊技状態を実行する始動記憶が発生している場合の例である。なお、この特別遊技状態は、獲得可能数報知86で獲得可能数を報知するものであって、突確や小当りではないものであり、獲得可能数報知86において後の特別遊技状態の獲得可能数も報知されている。この場合は先の特別遊技状態の終了から当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了して後の特別遊技状態が開始されるまでの期間(t33〜t34)に亘り特定演出が実行される。この特定演出は、後の特別遊技状態の発生へ向けて遊技者の興趣を高めるような内容となっており、獲得可能数報知86における報知と併せて効果的に遊技者の興趣を高めることができる。
【0423】
演出の実行態様(3)は、先の特別遊技状態における最終ラウンドの終了時(t32)までに後の特別遊技状態(突確、小当り以外)を実行する始動記憶が発生している場合の例である。この場合は、先の特別遊技状態のエンディング時間の開始から後の特別遊技状態のファンファーレ時間の終了までの期間(t32〜t35)に亘り特定演出を実行する。このようにすることでエンディング演出やファンファーレ演出が行われなくなるので、先の特別遊技状態と後の特別遊技状態があたかも一体の特別遊技状態のようにも見えるようになり、獲得可能数報知86における報知と併せて効果的に遊技者の興趣を高めることができる。
【0424】
なお、演出の実行態様(3)の場合の特定演出をラウンド間のインターバル時間に行われるインターバル演出と同様の演出とすればより一体の特別遊技状態であるかのように見せることができる。また、エンディング演出とファンファーレ演出の両方を行わないとしたが、一方は行うようにしても良い。また、演出の実行態様(3)を実行可能な場合は演出の実行態様(2)も実行可能な場合であるので、抽選や後の特別遊技状態の種類に基づき何れの演出の実行態様とするかを選択するようにしても良い。
【0425】
〔変動系コマンド処理〕
以上のような演出を行うために、上述の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC236)において図62に示す処理を行う。この変動系コマンド処理では、まず、特図種別が未確定であるかを判定する(ステップC161)。特図種別とは、特図の種別が特図1か特図2かを示す情報であり、図柄系コマンド処理で設定される情報である。
【0426】
この特図種別が未確定である場合(ステップC161;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、特図種別が未確定でない場合(ステップC161;N)、すなわち特図種別が設定されている場合は、変動コマンドと図柄コマンドの組み合わせをチェックする変動パターン対応図柄判定処理を行い(ステップC162)、変動コマンドと図柄種別が不整合であるかを判定する(ステップC163)。
【0427】
変動コマンドと図柄種別が不整合である場合(ステップC163;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。変動コマンドと図柄種別が不整合である場合とは、はずれの変動コマンド(変動パターンコマンド)を受信したのに、16R確変A大当り図柄の図柄コマンドを受信していた時のような、演出を行う上で矛盾してしまう組み合わせ(変動コマンドと図柄種別の組み合わせ)であることを意味する。また、変動コマンドと図柄種別が不整合でない場合(ステップC163;N)は、変動コマンドに応じた演出を行うための情報を設定する変動演出設定処理を行う(ステップC164)。
【0428】
次に、P機状態(パチンコ機の状態)として特図変動中を設定し(ステップC165)、コマンド受信済みフラグをセットして(ステップC166)、変動系コマンド処理を終了する。ここで、特図変動中とは、特図の変動中(客待ちデモ中や大当り中、或いはファンファーレ中等でないこと)を表している。
【0429】
〔変動演出設定処理〕
図63には、上述の変動系コマンド処理における変動演出設定処理(ステップC164)を示した。この変動演出設定処理では、まず、変動パターン種別がリーチなし変動であるかを判定する(ステップC171)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(ステップC171;Y)は、特図種別、その時点の演出モード、獲得可能数報知86の実行の有無に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC172)。なお、リーチなし変動であるので図柄種別は必ずはずれ図柄であり、ここでは図柄種別を特に参照しなくてもよい。なお演出モードは、演出制御装置300が管理する遊技モードに相当し、機種によって当然異なるが、ここでは通常モード、確変モード、時短モード及び潜伏モードなどがある。さらに、各モード内に予告演出の振り分け率や表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの演出態様を異ならせた複数のモードを設けている。また、獲得可能数報知86の有無は、獲得可能数報知86の実行中に設定される獲得可能数報知中フラグの有無により判定可能である。
【0430】
次に、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(ステップC173)。これによりリーチなし変動の場合には、各変動中に出現する予告演出の抽選内容(具体的には各予告演出態様の出現率)を保留数に応じて変化させることが可能となる。その後、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC176)。
【0431】
一方、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(ステップC171;N)は、特図種別、演出モード、図柄種別、獲得可能数報知86の有無に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC174)。そして、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC175)、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC176)。
【0432】
次に、後半変動の予告演出を抽選する。なお、特図変動表示ゲームの後半変動とはいわゆるリーチアクション(例えば、特図の複数列の表示領域のうち特定領域を除く表示領域が大当りとなる特別結果態様(特別な図柄の組合せ)で変動表示が停止していて、特定領域のみで変動表示している状態)の変動表示である。一方、特図変動表示ゲームの前半変動とはリーチアクション開始前までの変動表示である。
【0433】
まず、特図種別、演出モード、図柄種別、獲得可能数報知86の有無に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC177)。後半予告振分グループアドレステーブルは、後半予告振分グループテーブルのアドレスを選択するためのテーブルである。そして、後半予告振分グループアドレステーブルを参照してACTに対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC178)、後半予告振分グループテーブルを使って後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(ステップC179)。
【0434】
その後、MODE、ACTに対応する変動演出の内容を決定する処理を行う。この処理の一つとして、獲得可能数報知中フラグがあるかを判定し(ステップC180)、獲得可能数報知中フラグがある場合(ステップC180;Y)は、特殊演出を設定し(ステップC181)、変動演出設定処理を終了する。一方、獲得可能数報知中フラグがない場合(ステップC180;N)は、ここでは詳細を省略するが、MODE、ACTに対応する変動演出の内容を決定する処理として他の要素を考慮した演出の決定処理を行い、変動演出設定処理を終了する。
【0435】
これにより、獲得可能数報知86の実行中である特図変動表示ゲームにおいては特定演出が実行されることとなり、図61の演出の実行態様(2)や(3)のように次の特別遊技状態の開始までに実行される特図変動表示ゲームにおいて特定演出が実行されることとなる。なお、特別遊技状態が終了した後の最初の特図変動表示ゲームにおける変動演出設定処理において、次の特別遊技状態の開始まで特定演出を行う旨の情報を設定することにより複数ゲームに亘って特定演出を実行するようにしても良い。
【0436】
〔エンディング演出設定処理〕
また、図61の演出の実行態様(3)のようにエンディング演出を行わないようにする場合には、図59に示したエンディング演出設定処理に替えて図64に示すエンディング演出設定処理を行う。このエンディング演出設定処理では、獲得可能数報知中フラグがあり(ステップC452;Y)、報知対象の始動記憶がある場合(ステップC453;Y)に、エンディング演出に替えて特定演出を設定するようにしている(ステップC456)。
【0437】
〔ファンファーレ演出設定処理〕
また、図61の演出の実行態様(3)のようにファンファーレ演出を行わないようにする場合には、図57に示したファンファーレ演出設定処理に替えて図65に示すファンファーレ演出設定処理を行う。このファンファーレ演出設定処理では、獲得可能数報知中フラグがある場合(ステップC429;Y)に、ファンファーレ演出に替えて特定演出を設定するようにしている(ステップC430)。
【0438】
以上のことから、演出制御手段(演出制御装置300)は、特別遊技状態中に存在する始動記憶に特別結果となる始動記憶がある場合に、実行中の特別遊技状態と、当該始動記憶が特別結果となることに基づく特別遊技状態との間の期間において特定演出を行うようにしたこととなる。
【0439】
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、特別遊技状態の開始時にファンファーレ時間を設定してファンファーレ演出を行うとともに、特別遊技状態の終了時にエンディング時間を設定してエンディング演出を行うように構成され、特別遊技状態中であってエンディング時間の開始前に存在する始動記憶に特別結果となる始動記憶がある場合に、実行中の特別遊技状態のエンディング時間の開始から、当該始動記憶が特別結果となることに基づく特別遊技状態のファンファーレ時間の終了までの間の期間において特定演出を行うようにしたこととなる。
【0440】
〔第2変形例〕
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、演出の実行態様が異なる。
【0441】
図66には本変形例の遊技機において先の特別遊技状態が終了して後の特別遊技状態が開始される際の演出の実行態様を示した。本変形例の遊技機では、エンディング時間(t42〜t43)やファンファーレ時間(t49〜t50)を非常に短い時間としている。そして、先の特別遊技状態における最終ラウンドの開始時(t41)までに後の特別遊技状態を実行する始動記憶が発生していない場合には、演出の実行態様(4)に示すように、最終ラウンドの開始からエンディング時間(t41〜t43)の終了までに亘りエンディング演出を行うようにしている。また、獲得可能数報知86の実行中でない場合のファンファーレ演出については、ファンファーレ時間の開始から初回ラウンドの終了までの期間(t44〜t46)で行うようにしている。
【0442】
また、獲得可能数報知86が行われている先の特別遊技状態における最終ラウンドの開始時(t41)までに後の特別遊技状態(突確、小当り以外)を実行する始動記憶が発生している場合には、演出の実行態様(5)に示すように、最終ラウンドではラウンド演出を行い(t41〜t42)、先の特別遊技状態のエンディング時間の開始から後の特別遊技状態のファンファーレ時間の終了までの期間(t42〜t45)に亘り特定演出を実行する。そして、後の特別遊技状態での初回ラウンドではラウンド演出を行う(t45〜t46)。
【0443】
このような演出の実行態様(5)とする場合に、エンディング時間(t42〜t43)やファンファーレ時間(t49〜t50)が非常に短い時間とされていることで、特定演出の期間が短くなり、先の特別遊技状態と後の特別遊技状態の一体性がより強くなって効果的に遊技者の興趣を高めることができる。また、エンディング時間(t42〜t43)やファンファーレ時間(t49〜t50)を非常に短い時間としても、演出の実行態様(4)のようにすることでエンディング演出やファンファーレ演出の実行時間を確保することができる。
【0444】
〔ラウンド演出設定処理〕
図67には、本変形例の遊技機における図56に示した大当り系コマンド処理でのラウンド演出設定処理(ステップC405)を示した。このラウンド演出設定処理では、まず、ラウンドコマンドからラウンド数を導出し(ステップC461)、初回ラウンドであるかを判定する(ステップC462)。初回ラウンドでない場合(ステップC462;N)は、最終ラウンドであるかを判定する(ステップC464)。
【0445】
また、初回ラウンドである場合(ステップC462;Y)は、獲得可能数報知中フラグがあるかを判定する(ステップC463)。そして、獲得可能数報知中フラグがある場合(ステップC463;Y)は、最終ラウンドであるかを判定する(ステップC464)。なお、この場合は最終ラウンドでないと判定され、ステップC467で初回ラウンドの演出が設定されることとなる。すなわち、図66の演出の実行態様(5)のt45の場合である。一方、獲得可能数報知中フラグがない場合(ステップC463;N)は、ラウンド演出設定処理を終了する。この場合は初回ラウンドでファンファーレ演出が実行されるように既に設定されており、ラウンド演出設定処理においては演出の設定を行わない。すなわち、図66の演出の実行態様(4)のt45の場合である。
【0446】
最終ラウンドであるかの判定(ステップC464)において、最終ラウンドでない場合(ステップC464;N)は、当り種類情報とラウンド数とからラウンド演出を設定し(ステップC467)、ラウンド演出設定処理を終了する。また、最終ラウンドである場合(ステップC464;Y)は、獲得可能数報知中フラグがあるかを判定し(ステップC465)、獲得可能数報知中フラグがない場合(ステップC465;N)は、当り種類情報に基づきエンディング演出を設定し(ステップC468)、ラウンド演出設定処理を終了する。この場合は獲得可能数報知が行われていないので最終ラウンドの開始からエンディング演出が開始される。
【0447】
一方、獲得可能数報知中フラグがある場合(ステップC465;Y)は、報知対象の始動記憶があるかを判定する(ステップC466)。報知対象の始動記憶とは、獲得可能数報知86で獲得可能数を報知している特別遊技状態を発生させる始動記憶である。この報知対象の始動記憶がない場合(ステップC466;N)は、当り種類情報に基づきエンディング演出を設定し(ステップC468)、ラウンド演出設定処理を終了する。これにより、最終ラウンドの開始からエンディング演出が開始される。すなわち、図66の演出の実行態様(4)のt41の場合である。
【0448】
また、報知対象の始動記憶がある場合(ステップC466;Y)は、当り種類情報とラウンド数とからラウンド演出を設定し(ステップC467)、ラウンド演出設定処理を終了する。これにより、最終ラウンドではラウンド演出が行われることとなる。すなわち、図66の演出の実行態様(5)のt41の場合である。
【0449】
〔エンディング演出設定処理〕
また、図59に示したエンディング演出設定処理に替えて図68に示すエンディング演出設定処理を行う。このエンディング演出設定処理では、当り種類情報に基づきエンディング演出を設定する処理(ステップC451)を行わない。エンディング演出が実行される場合は最終ラウンドの開始時にすでにエンディング演出が開始されている。
【0450】
また、獲得可能数報知中フラグがあり(ステップC452;Y)、報知対象の始動記憶がある場合(ステップC453;Y)に特定演出を設定するようにしている(ステップC457)。これにより、エンディング時間の開始から特定演出が行われることとなる。すなわち、図66の演出の実行態様(5)のt42の場合である。
【0451】
〔ファンファーレ演出設定処理〕
また、図57に示したファンファーレ演出設定処理に替えて第1変形例の図65に示したファンファーレ演出設定処理を行う。このファンファーレ演出設定処理では、獲得可能数報知中フラグがある場合(ステップC429;Y)に、ファンファーレ演出に替えて特定演出を設定するようにしている(ステップC430)。
【0452】
なお、演出の実行態様(4)の場合はエンディング演出を最終ラウンドの開始から行うとしたが、最終ラウンドの途中から行うようにしても良い。また、演出の実行態様(4)の場合はファンファーレ演出を初回ラウンドの終了まで行うとしたが、初回ラウンドの途中まで行うようにしても良い。
【0453】
以上のことから、演出制御手段(演出制御装置300)は、特別遊技状態の終了時にエンディング演出を行うように構成され、当該エンディング演出は最終ラウンドの開始から特別遊技状態の終了までに亘り実行可能であることとなる。したがって、最終ラウンドの後のエンディング時間を短くしてもエンディング演出を十分に実行可能となる。
【0454】
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、特別遊技状態の開始時にファンファーレ演出を行うように構成され、当該ファンファーレ演出は特別遊技状態の開始から初回ラウンドにかけて実行可能であることとなる。したがって、初回ラウンドの前のファンファーレ時間を短くしてもファンファーレ演出を十分に実行可能となる。
【0455】
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、最終ラウンドの開始前に存在する始動記憶に特別結果となる始動記憶がある場合には、当該最終ラウンドにおいてエンディング演出に替えてラウンド演出を実行し、当該最終ラウンドの終了から次回の特別遊技状態のファンファーレ時間の終了までの間の期間において特定演出を実行し、当該特別遊技状態の初回ラウンドにおいてファンファーレ演出に替えてラウンド演出を実行可能であることとなる。二つの連続する特別遊技状態の一体性を高め、遊技の興趣を向上することができる。
【0456】
なお、上述の第1実施形態及び各変形例において、先の特別遊技状態において後の特別遊技状態における獲得可能数を報知した場合における、先の特別遊技状態の終了から後の特別遊技状態の開始までに実行される特図変動表示ゲームである特定特図変動表示ゲームについて、実行時間が短くなるようにして先の特別遊技状態と後の特別遊技状態の一体性を高めるようにしても良い。
【0457】
この場合、遊技制御装置100は、特定特図変動表示ゲームでは変動パターンとして特定の変動パターンを選択するようにし、当該特定の変動パターンについては当該特定の変動パターン以外の変動パターンよりも変動時間が短いものとする(例えば500ms)。さらに、結果を表示する停止時間についても、特定特図変動表示ゲームでは停止時間として特定の停止時間を設定するようにし、当該特定の停止時間は当該特定の停止時間以外の停止時間よりも短いものとする(例えば100ms)。また、遊技制御装置100で特定特図変動表示ゲームの実行を選択するようにするためには、特別遊技状態の終了時(第2変形例の場合は最終ラウンドの開始前)に突確、小当り以外の大当りとなる始動記憶がある場合に特定フラグを設定し、特図変動表示ゲームの開始時に特定フラグがあれば特定特図変動表示ゲームとするようにする。また、特定フラグは特別遊技状態の開始に伴いクリアするようにする。
【0458】
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各変形例の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
【0459】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0460】
10 遊技機
36 第1始動入賞口(始動入賞領域、第1入賞領域)
37 普通変動入賞装置(始動入賞領域、第2入賞領域)
97 第2始動入賞口(始動入賞領域、第2入賞領域)
100 遊技制御装置(遊技制御手段、始動記憶手段、変動表示ゲーム実行手段、事前判定手段、確率設定手段、第1始動記憶手段、第2始動記憶手段)
151 第1格納領域
152 第2格納領域
153 乱数処理用領域
300 演出制御装置(演出制御手段)
360 変動パターン情報格納領域
361 第1結果格納領域
362 第2結果格納領域
363 パターン判定結果処理用領域
図1
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