特許第6192723号(P6192723)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヘクセル コーポレイションの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6192723
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】ポリアミド粒子を有する複合材料
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/24 20060101AFI20170828BHJP
   C08L 77/06 20060101ALI20170828BHJP
   C08L 81/06 20060101ALI20170828BHJP
   C08K 7/02 20060101ALI20170828BHJP
   C08L 63/00 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   C08J5/24CFC
   C08J5/24CFG
   C08L77/06
   C08L81/06
   C08K7/02
   C08L63/00 C
【請求項の数】20
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-528500(P2015-528500)
(86)(22)【出願日】2013年8月1日
(65)【公表番号】特表2015-527462(P2015-527462A)
(43)【公表日】2015年9月17日
(86)【国際出願番号】US2013053301
(87)【国際公開番号】WO2014035598
(87)【国際公開日】20140306
【審査請求日】2016年7月25日
(31)【優先権主張番号】13/594,819
(32)【優先日】2012年8月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503308494
【氏名又は名称】ヘクセル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、イェン − セイン
(72)【発明者】
【氏名】ボイル、モウリーン
【審査官】 加賀 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−221460(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/102201(WO,A1)
【文献】 特開2010−189561(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 5/24
C08K 7/02
C08L 63/00
C08L 77/06
C08L 81/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予備含浸複合材料であって、
A)炭素繊維と、
B)前記炭素繊維に含浸させるマトリックス樹脂組成物であって、
a)前記マトリックス樹脂組成物の総重量に基づいて20重量%から25重量%のビスフェノール−Fジグリシジルエーテル、及び前記マトリックス樹脂組成物の総重量に基づいて20重量%から25重量%のトリグリシジル−p−アミノフェノールを含む樹脂成分;
b)熱可塑性粒子成分であって、1,10−デカンジカルボン酸、及び式
【化1】

(式中、Rの両方が水素であり、Rの両方がメチルである。)
を有するアミン成分のポリマー縮合生成物であるポリアミドを少なくとも95重量%含む熱可塑性粒子を、熱可塑性粒子成分の重量に基づいて少なくとも95重量%含む、熱可塑性粒子成分であり、かつ、この熱可塑性粒子成分が、前記マトリックス樹脂組成物の総重量に基づいて10重量%から15重量%の量で存在する熱可塑性粒子成分;
d)前記マトリックス樹脂組成物の総重量に基づいて10重量%から26重量%のポリエーテルスルホン;並びに
e)前記マトリックス樹脂組成物の総重量に基づいて17重量%から22重量%の硬化剤としてのジアミノジフェニルスルホン
を含むマトリックス樹脂組成物
を含み、
前記予備含浸複合材料が、硬化されたとき、BMS8−276によるBSS7260に従った試験において、60超の衝撃後圧縮強度を有する、
上記予備含浸複合材料。
【請求項2】
前記硬化剤が3,3’−ジアミノジフェニルスルホンである、請求項1に記載の予備含浸複合材料。
【請求項3】
硬化させた請求項1に記載の予備含浸複合材料を含む、複合部品。
【請求項4】
衝撃後圧縮強度が少なくとも60であり、180°Fでの湿潤圧縮強度が少なくとも180である、請求項3に記載の複合部品。
【請求項5】
航空機の一次構造物の少なくとも一部を形成する、請求項3に記載の複合部品。
【請求項6】
予備含浸複合材料を作る方法であって、
A)炭素繊維を用意するステップと、
B)前記炭素繊維にマトリックス樹脂組成物を含浸させるステップであって、前記マトリックス樹脂組成物が、
a)前記マトリックス樹脂組成物の総重量に基づいて20重量%から25重量%のビスフェノール−Fジグリシジルエーテル、及び前記マトリックス樹脂組成物の総重量に基づいて20重量%から25重量%のトリグリシジル−p−アミノフェノールを含む樹脂成分;
b)熱可塑性粒子成分であって、1,10−デカンジカルボン酸、及び式
【化2】

(式中、Rの両方が水素であり、Rの両方がメチルである。)
を有するアミン成分のポリマー縮合生成物である、ポリアミドを少なくとも95重量%含む熱可塑性粒子を、熱可塑性粒子成分の重量に基づいて少なくとも95重量%含む、熱可塑性粒子成分であり、かつ、この熱可塑性粒子成分が、前記マトリックス樹脂組成物の総重量に基づいて10重量%から15重量%の量で存在する熱可塑性粒子成分;
d)前記マトリックス樹脂組成物の総重量に基づいて10重量%から26重量%のポリエーテルスルホン;並びに
e)前記マトリックス樹脂組成物の総重量に基づいて17重量%から22重量%の硬化剤としてのジアミノジフェニルスルホン
を含む上記ステップと
を含み、
前記予備含浸複合材料が、硬化されたとき、BMS8−276によるBSS7260に従った試験において、60超の衝撃後圧縮強度を有する、
上記方法。
【請求項7】
請求項1に記載の予備含浸複合材料を硬化させて、複合部品を形成するステップを含む、複合部品を作る方法。
【請求項8】
前記複合部品の衝撃後圧縮強度が少なくとも60であり、前記複合部品の180°Fでの湿潤圧縮強度が少なくとも180である、請求項7に記載の複合部品を作る方法。
【請求項9】
前記複合部品が、航空機用一次構造物の少なくとも一部を形成する、請求項7に記載の複合部品を作る方法。
【請求項10】
前記マトリックス樹脂組成物中の前記ビスフェノール−Fジグリシジルエーテルの量が、前記マトリックス樹脂組成物中の前記トリグリシジル−p−アミノフェノールの量と等しい、請求項1に記載の予備含浸複合材料。
【請求項11】
前記熱可塑性粒子成分が、前記熱可塑性粒子からなる、請求項1に記載の予備含浸複合材料。
【請求項12】
前記熱可塑性粒子成分が、前記熱可塑性粒子からなる、請求項10に記載の予備含浸複合材料。
【請求項13】
前記マトリックス樹脂組成物中の前記ビスフェノール−Fジグリシジルエーテルの量が、前記マトリックス樹脂組成物中の前記トリグリシジル−p−アミノフェノールの量と等しい、請求項6に記載の予備含浸複合材料を作る方法。
【請求項14】
前記熱可塑性粒子成分が、前記熱可塑性粒子からなる、請求項13に記載の予備含浸複合材料を作る方法。
【請求項15】
前記マトリックス樹脂組成物中に存在するポリエーテルスルホンの量が、前記マトリックス樹脂組成物の総重量に基づいて20重量%から26重量%である、請求項1に記載の予備含浸複合材料。
【請求項16】
前記マトリックス樹脂組成物中に存在するポリエーテルスルホンの量が、前記マトリックス樹脂組成物の総重量に基づいて20重量%から26重量%である、請求項6に記載の予備含浸複合材料を作る方法。
【請求項17】
前記マトリックス樹脂組成物中に存在する前記熱可塑性粒子の量が、前記マトリックス樹脂組成物の総重量に基づいて12重量%である、請求項15に記載の予備含浸複合材料。
【請求項18】
前記マトリックス樹脂組成物中に存在する前記熱可塑性粒子の量が、前記マトリックス樹脂組成物の総重量に基づいて12重量%である、請求項16に記載の予備含浸複合材料を作る方法。
【請求項19】
前記マトリックス樹脂組成物中に存在するポリエーテルスルホンの量が、前記マトリックス樹脂組成物の総重量に基づいて23重量%である、請求項17に記載の予備含浸複合材料。
【請求項20】
前記マトリックス樹脂組成物中に存在するポリエーテルスルホンの量が、前記マトリックス樹脂組成物の総重量に基づいて23重量%である、請求項18に記載の予備含浸複合材料を作る方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に、高性能の複合部品を作る際に使用される、予備含浸複合材料(プリプレグ)に関する。より具体的には、本発明は、硬化/成形されて、高温及び湿潤条件下で高い圧縮強度、並びに高い損傷許容性及び層間破壊靱性を有する複合部品を形成できるプリプレグを提供することを対象とする。
【背景技術】
【0002】
複合材料は、典型的には、2つの主要成分として樹脂マトリックス及び強化用繊維で構成される。複合材料は、厳しい環境において、例えば、複合部品の物理的限界及び特性が決定的に重要である、航空宇宙分野において機能させるために必要とされることが多い。
【0003】
予備含浸複合材料(プリプレグ)は、複合部品の製造に幅広く使用される。プリプレグは、典型的には、未硬化樹脂及び繊維強化材を含む組み合わせであり、最終複合部品へと成形及び硬化する準備ができている形態である。製造者は、繊維強化材に樹脂を予備含浸させることにより、繊維の網状組織へと含浸させる樹脂の量及び場所を慎重に調節して、樹脂を網状組織に要望通りに分布させるようにできる。複合部品における繊維及び樹脂の相対量、並びに繊維の網状組織内における樹脂の分布が、部品の構造的な性質に大きく影響することは周知である。プリプレグは、耐荷重又は一次構造部品、特に航空宇宙用の一次構造部品、例えば翼、機体、隔壁及び操縦舵面の製造に使用する好ましい材料である。これらの部品が、十分な強度、損傷許容性及びそのような部品に通常定められる他の必要条件を有することは重要である。
【0004】
航空宇宙プリプレグに一般的に使用される繊維強化材は、多方向織布又は一方向テープであり、互いに平行に伸びる繊維を含有する。繊維は、典型的には、「トウ」と呼ばれる、多数の個々の繊維又はフィラメントが束になった形態である。繊維又はトウを、細断し、樹脂中でランダムに配向させて、不織マットを形成することもできる。これらの様々な繊維強化材構造が、慎重に調節した量の未硬化樹脂と組み合わせられる。生じたプリプレグは、典型的には、保護層の間に配置され、保存するために巻かれる、又は製造施設に運搬される。
【0005】
プリプレグは、一方向チョップドテープの短い断片の形態であってもよく、この断片をランダムに配向させて、一方向チョップドテープの不織マットを形成する。この種のプリプレグは、「擬似等方性チョップド」プリプレグと呼ばれる。擬似等方性チョップドプリプレグは、チョップドファイバーではなく長さの短い一方向チョップドテープ(チップ)がマット中でランダムに配向されていることを除き、さらに古くからの不織繊維マットのプリプレグと類似している。
【0006】
硬化複合材料の圧縮強度は、強化用繊維及びマトリックス樹脂の個々の性質、並びに、これらの2つの要素間の相互反応によって大幅に影響を受ける。さらに、繊維−樹脂の体積比は重要な要因である。複合部品の圧縮強度は、典型的には、乾燥条件下にて室温で測定される。しかし、圧縮強度は、通常、湿潤条件下にて上昇温度(180°F)でも測定される。多くの部品が、そのような高温及び湿潤条件下で、圧縮強度の著しい低下を呈する。
【0007】
多くの航空宇宙用途において、複合部品は、室温/乾燥条件下及び高温/湿潤条件下の両方で高い圧縮強度を呈することが望ましい。しかし、さらなる高温/湿潤条件下で圧縮強度を一定に維持しようとする試みは、他の望ましい性質、例えば損傷許容性及び層間破壊靱性に悪影響を生じさせることが多い。
【0008】
より高い弾性率の樹脂を選択することは、複合体の圧縮強度を上昇させるために有効な方法になり得る。しかし、この選択により、損傷許容性を低下させる傾向を生じる恐れがあり、損傷許容性は、典型的には、圧縮性、例えば衝撃後圧縮(CAI)強度の低下によって測定される。したがって、圧縮強度及び損傷許容性両方の同時上昇を達成することは、きわめて困難である。
【0009】
複数層のプリプレグは、積層構造を有する複合部品の形成に一般的に使用されている。そのような複合部品の層間剥離は、重要な欠陥モードである。層間剥離は、2つの層が互いに分離するときに発生する。設計を限定する重要な要因は、層間剥離が始まるために必要なエネルギー、及びそのエネルギーを伝えるために必要なエネルギーの両方を含む。層間剥離の開始及び成長は、モードI及びモードIIの破壊靱性を試験することによって測定されることが多い。破壊靱性は、通常、一方向繊維の配向を有する複合材料を使用して測定される。複合材料の層間破壊靱性は、G1c(ダブルカンチレバービーム)及びG2c(端面切欠き曲げ)試験を使用して定量化される。モードIでは、予亀裂入りの積層物の破断が剥離力により抑えられ、モードIIではせん断力により亀裂が入る。
【0010】
層間破壊靱性を上昇させるための簡潔な方法は、熱可塑性シートを、プリプレグの層の間にインタリーフとして導入することにより、マトリックス樹脂の延性を増加させることである。しかし、この手法では、使用することが困難な、固くて粘着性のない材料が得られる可能性が高い。別の手法は、繊維層の間に、厚さ約20から50ミクロンの強化樹脂の中間層を含むことである。強化樹脂は、熱可塑性粒子を含む。ポリアミドがそのような熱可塑性粒子として使用されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
現行のプリプレグは、強固な損傷許容性の複合部品を得る際に、使用目的に十分適しているが、高温及び湿潤条件下で、より一層高いレベルの圧縮強度、高い損傷許容性(CAI)並びに高い層間破壊靱性(G1c及びG2c)を有する複合部品を作るために使用できるプリプレグを得る、継続的な必要性が依然存在する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
高いレベルの強度、損傷許容性及び層間破壊靱性を有する複合部品を形成するために成形できる、予備含浸複合材料(プリプレグ)を本発明に従って提供する。これは、未硬化プリプレグ、又は硬化複合部品の物理的又は化学的特性への実質的な悪影響を、一切を引き起こさずに達成される。
【0013】
本発明の予備含浸複合材料は、強化用繊維及びマトリックスで構成される。マトリックスは、1種又は複数の多官能性エポキシ樹脂と共に二官能性エポキシ樹脂から構成されている樹脂成分を含む。マトリックスは、熱可塑性粒子成分、熱可塑性強化剤及び硬化剤をさらに含む。本発明の特徴として、熱可塑性粒子成分は、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンのメチル誘導体及び1,10−デカンジカルボン酸のポリマー縮合生成物であるポリアミドを含む熱可塑性粒子で構成される。
【0014】
本発明は、プリプレグを作る方法、及びプリプレグを幅広い複合部品に成形する方法も包含する。本発明は、改善したプリプレグを使用して作られる複合部品も包含する。
【0015】
上記のように、ポリアミド縮合生成物で構成される熱可塑性粒子を含有するマトリックスの使用により、従来の系と比較して高いレベルの強度、損傷許容性及び層間破壊靱性を有する、複合部品を形成するために成形できるプリプレグが形成されることを見出した。
【0016】
上記及び他の多くの特徴、並びに本発明に付随する利点は、以下の詳細な説明を参照することにより、適切に理解されるようになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の予備含浸複合材料(プリプレグ)は、航空宇宙産業において、及び、高い構造的強度及び損傷許容性が必要とされる他のあらゆる用途において、複合部品の形成に使用される現行のプリプレグの代わりとして使用できる。本発明は、プリプレグを作るために使用される現行の樹脂を、本発明の樹脂配合物に置き換えるステップに関与する。したがって、本発明の樹脂配合物は、従来のプリプレグのあらゆる製造プロセス及び硬化プロセスの使用にも適している。
【0018】
本発明の予備含浸複合材料は、強化用繊維及び未硬化マトリックスで構成される。強化用繊維は、プリプレグ産業に使用される、任意の従来の繊維構造であってよい。マトリックスは、2個超の官能基を有する少なくとも1種の多官能性芳香族エポキシ樹脂と共に、二官能性エポキシ樹脂から構成されている従来の樹脂成分を含む。マトリックスは、熱可塑性粒子成分、熱可塑性強化剤及び硬化剤をさらに含む。本発明の特徴は、熱可塑性粒子成分が、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンのメチル誘導体、及び1,12−ドデカン二酸としても公知のデカンジカルボン酸のポリマー縮合生成物であるポリアミドを含む熱可塑性粒子で構成されることである。
【0019】
本発明によるポリアミド粒子の使用により、想定外に高い損傷許容性(60を超えるCAI)、並びに高い圧縮強度及び層間靱性を有する複合材料が得られることが発見された。
【0020】
マトリックスの樹脂成分を形成するために使用される二官能性エポキシ樹脂は、任意の適切な二官能性エポキシ樹脂であってよい。これは、2個のエポキシ官能基を有する、任意の適切なエポキシ樹脂を含むことが理解されるであろう。二官能性エポキシ樹脂は飽和、不飽和、シルコアリファティック(cylcoaliphatic)、脂環式又は複素環式でもよい。
【0021】
二官能性エポキシ樹脂は、例として、ビスフェノールF若しくはビスフェノールAのジグリシジルエーテル、(場合により臭素化)、フェノールアルデヒド付加体のグリシジルエーテル、脂肪族ジオールのグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、Epikote、Epon、芳香族エポキシ樹脂、エポキシ化オレフィン、臭素化樹脂、芳香族グリシジルアミン、複素環グリシジルイミジン及びアミド、グリシジルエーテル、フッ素化エポキシ樹脂、又はそれらの任意の組み合わせをベースとする樹脂を含む。二官能性エポキシ樹脂は、好ましくは、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ジグリシジルジヒドロキシナフタレン、又はそれらの任意の組み合わせから選択される。最も好ましいのは、ビスフェノールFのジグリシジルエーテルである。ビスフェノールFのジグリシジルエーテルは、Huntsman Advanced Materials(Brewster、NY)からAraldite GY281及びGY285の販売名で、並びにCiba−Geigy(所在地)からLY9703の販売名で市販されている。二官能性エポキシ樹脂は、単独で、又は、他の二官能性エポキシとの任意の適切な組み合わせで使用できる。
【0022】
二官能性エポキシ樹脂は、10重量%から40重量%の範囲でマトリックスに存在する。好ましくは、二官能性エポキシ樹脂は、15重量%から35重量%の範囲で存在する。より好ましくは、二官能性エポキシ樹脂は、20重量%から25重量%の範囲で存在する。
【0023】
マトリックスの第2の成分は、2個超の官能基を有する、1種又は複数のエポキシ樹脂である。好ましい多官能性エポキシ樹脂は、三官能性又は四官能性の樹脂である。多官能性エポキシ樹脂は、三官能性及び多官能性エポキシの組み合わせであってよい。多官能性エポキシ樹脂は、飽和、不飽和、シルコアリファティック、脂環式又は複素環式であってよい。
【0024】
適切な多官能性エポキシ樹脂は、例として、フェノール及びクレゾールエポキシノボラック、フェノールアルデヒド付加体のグリシジルエーテル;二脂肪族ジオールのグリシジルエーテル:ジグリシジルエーテル;ジエチレングリコールジグリシジルエーテル;芳香族エポキシ樹脂;二脂肪族トリグリシジルエーテル、脂肪族ポリグリシジルエーテル;エポキシ化オレフィン;臭素化樹脂;芳香族グリシジルアミン;複素環グリシジルイミジン及びアミド;グリシジルエーテル;フッ素化エポキシ樹脂又はそれらの任意の組み合わせをベースとする樹脂を含む。
【0025】
三官能性エポキシ樹脂は、化合物の主鎖のフェニル環上で、パラ又はメタ配向で直接的又は間接的に置換された3個のエポキシ基を有すると理解されるであろう。四官能性エポキシ樹脂は、化合物の主鎖のフェニル環上で、メタ又はパラ配向で直接的又は間接的に置換された4個のエポキシ基を有すると理解されるであろう。
【0026】
フェニル環は、他の適切な非エポキシ置換基でさらに置換されていてもよい。適切な置換基は、例として、水素、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシル、アリール、アリールオキシル、アラルキルオキシル、アラルキル、ハロ、ニトロ又はシアノラジカルを含む。適切な非エポキシ置換基は、パラ若しくはオルト位でフェニル環に結合でき、又は、エポキシ基で占められていないメタ位に結合できる。適切な四官能性エポキシ樹脂は、Ν,Ν,Ν’,Ν’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン(Mitsubishi Gas Chemical Company(Chiyoda−Ku、Tokyo、Japan)からTetrad−Xという名で市販されている)、及びErisys GA−240(CVC Chemicals、Morrestown、New Jerseyから)を含む。適切な三官能性エポキシ樹脂は、例として、フェノール及びクレゾールエポキシノボラック;フェノールアルデヒド付加体のグリシジルエーテル;芳香族エポキシ樹脂;脂肪二族トリグリシジルエーテル;脂肪族ポリグリシジルエーテル;エポキシ化オレフィン;臭素化樹脂、芳香族グリシジルアミン及びグリシジルエーテル;複素環式グリシジルイミジン及びアミド;グリシジルエーテル;フッ化エポキシ樹脂又はそれらの任意の組み合わせをベースとする樹脂を含む。
【0027】
例示的な三官能性エポキシ樹脂は、トリグリシジルメタアミノフェノールである。トリグリシジルメタアミノフェノールは、Huntsman Advanced Materials(Monthey、Switzerland)からAraidite MY0600の販売名で、及びSumitomo Chemical Co.(Osaka、Japan)からELM−120の販売名で市販されている。別の例示的な三官能性エポキシ樹脂はトリグリシジルパラアミノフェノールである。トリグリシジルパラアミノフェノールは、Huntsman Advanced Materials(Monthey、Switzerland)からAraidite MY0510の販売名で市販されている。
【0028】
適切な多官能性エポキシ樹脂のさらなる例は、例として、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(Huntsman Advanced Materials(Monthey、Switzerland)からAraldite MY720及びMY721として、又はSumitomoからELM434として市販されているTGDDM)、パラアミノフェノールのトリグリシジルエーテル(Huntsman Advanced MaterialsからAraldite MY0500又はMY0510として市販されている)、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、例えばTactix556(Huntsman Advanced Materialsから市販されている)、トリス−(ヒドロキシルフェニル)及びメタン型エポキシ樹脂、例えばTactix742(Huntsman Advanced Materialsから市販されている)を含む。他の適切な多官能性エポキシ樹脂は、DEN438(Dow Chemicals、Midland、MIから)、DEN439(Dow Chemicalsから)、Araldite ECN1273(Huntsman Advanced Materialsから)及びAraldite ECN1299(Huntsman Advanced Materialsから)を含む。
【0029】
好ましくは、2個超の官能基を有するエポキシ樹脂(単数又は複数)は、15重量%から35重量%の範囲でマトリックスに存在するであろう。より好ましくは、二官能性エポキシ樹脂は、マトリックス全体の重量の20重量%から25重量%の範囲で存在する。樹脂成分全体の含有量(二官能性+三官能性+四官能性)は、マトリックス全体の40重量%から60重量%の範囲になるであろう。
【0030】
本発明によるプリプレグのマトリックスは、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンのメチル誘導体、並びにデカンジカルボン酸及びドデカンジカルボン酸からなる群から選択される脂肪族ジカルボン酸のポリマー縮合生成物である、ポリアミド粒子で構成される熱可塑性粒子成分も含む。本明細書では「アミン成分」と呼ばれるビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンのメチル誘導体は、4,4’−ジアミノシクロヘキシルメタンメチル誘導体としても知られている。
【0031】
ポリアミド粒子及びそれらを作る方法は、米国出願第3,936,426号及び5,696,202号に詳細に記載されており、それらの内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0032】
ポリマー縮合生成物のアミン成分の式は
【化1】

であり、式中、Rは水素、メチル又はエチルであり、Rはメチル、エチル又は水素であり、Rの少なくとも1つはメチル又はエチルであり、好ましいアミン成分は、Rが共にメチルであり、Rが共に水素である。
【0033】
好ましいポリアミド粒子は、3,3’−ジメチル−ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン(Rは共にメチルであり、Rは共に水素である)及び1,10−デカンジカルボン酸のポリマー縮合生成物から作られる。好ましいポリアミド粒子は、加熱した収容容器にて、13,800グラムの1,10−デカンジカルボン酸及び12,870グラムの3,3’−ジメチル−ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンと、30グラムの50%水性リン酸、150グラムの安息香酸及び101グラムの水とを組み合わせることにより作られる。圧力オートクレーブ中で、均一になるまで混合物を撹拌する。加圧した後で、相を減圧及び脱気し、ポリアミド縮合生成物をらせん構造として押し出し、冷水にくぐらせ、粒状にして、ポリアミド粒子を形成する。好ましいポリアミド粒子は、EMS−Chime(Sumter、SC)から市販されているGRILAMID TR90から作ることもできる。GRILAMID TR90は、3,3’−ジメチル−ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン及び1,10−デカンジカルボン酸のポリマー縮合生成物である。
【0034】
好ましいポリマー縮合生成物のモノマーユニットの式は、以下のように表すことができる:
【化2】
【0035】
好ましいポリマー縮合生成物の分子数は、14,000から20,000に及び、分子数は約17,000が特に好ましい。
【0036】
ポリアミド粒子は、100ミクロン未満の粒径を有するべきである。粒子の大きさは、5から60ミクロンに及び、より好ましくは10から30ミクロンに及ぶことが好ましい。平均粒径は、15から25ミクロンであることが好ましい。粒子は、形状に関して、整っていてよく、又は凹凸があってよい。例えば、粒子は、実質的に球形であってよく、又は波型形状を有する粒子であってよい。
【0037】
熱可塑性粒子成分は、マトリックスの5重量%から20重量%の範囲で存在する。好ましくは、5から15重量%の熱可塑性粒子が存在するであろう。熱可塑性粒子成分における、少なくとも40重量%の熱可塑性粒子が、上記のように本発明によるポリアミド縮合生成物を構成するべきである。好ましくは、熱可塑性成分におけるポリアミド縮合生成物粒子の量は、そのようなポリアミド粒子の量で50重量%超になると考えられ、95重量%超が特に好ましい。他の熱可塑性粒子、例えば他の種類のポリアミド粒子は、必要に応じて60重量%まで熱可塑性成分に含まれていてよい。例えば、使用できる他の種類のポリアミド粒子に関しては、米国特許第7,754,322号を参照されたい(それらの内容は参照により本明細書に組み込まれる)。好ましくは、他の種類のポリアミド粒子の量は、熱可塑性成分の50重量%未満になるであろう。特に好ましいのは、5重量%未満の量の他のポリアミド粒子を含む熱可塑性成分である。
【0038】
上記の縮合生成物から作られる個々のポリアミド粒子は、少なくとも90重量%の縮合生成物を含有すべきである。好ましくは、ポリアミド粒子は、縮合生成物の少なくとも95重量%、より好ましくは、少なくとも98重量%の縮合生成物を含有すべきである。
【0039】
プリプレグのマトリックス樹脂は、少なくとも1種の硬化剤を含む。適切な硬化剤は、本発明のエポキシ官能性化合物の硬化を促進する硬化剤、特に、そのようなエポキシ化合物の開環重合を促進する硬化剤である。特に好ましい実施形態において、そのような硬化剤は、エポキシ官能性化合物(単数又は複数)を、それらの開環重合の際に重合する化合物を含む。そのような2つ以上の硬化剤は、組み合わせて使用できる。
【0040】
適切な硬化剤は、無水物、特にポリカルボン酸無水物、例えばナド酸無水物(NA)、メチルナド酸無水物(MNA、Aldrichから入手できる)、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物(HHPA、Anhydrides and Chemicals inc.、Newark、N.J.から入手できる)、メチルテトラヒドロフタル酸無水物(MTHPA、Anhydrides and Chemicals Inc.から入手できる)、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、Anhydrides and Chemicals Inc.から入手できる)、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサクロロエンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物(クロレンド酸無水物、Velsicol Chemical Corporation、Rosemont、Ill.から入手できる)、トリメリト酸無水物、ピロメリト酸無水物、マレイン酸無水物(MA、Aldrichから入手できる)、コハク酸無水物(SA)、ノネニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物(DDSA、Anhydrides and Chemicals Inc.から入手できる)、ポリセバシン酸無水物及びポリアゼライン酸無水物を含む。
【0041】
さらに適切な硬化剤はアミンであり、芳香族アミン、例えば、1,3−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノベンゼン、4,4’−ジアミノ−ジフェニルメタン、ポリアミノスルホン、例えば4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(4,4’−DDS、Huntsmanから入手できる)、4−アミノフェニルスルホン及び3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(3,3’−DDS)を含む。また、適切な硬化剤は、ポリオール、例えばエチレングリコール(EG、Aldrichから入手できる)、ポリ(プロピレングリコール)及びポリ(ビニルアルコール);並びにフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、例えば、約550〜650の平均分子量を有するフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、約600〜700の平均分子量を有するp−t−ブチルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、及び約1200〜1400の平均分子量を有するp−n−オクチルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂を含んでいてもよく、これらは、Schenectady Chemicals,Inc.、Schenectady、N.Y.からそれぞれHRJ2210、HRJ−2255及びSP−1068として入手できる)。さらに、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂に関しては、CTUグアナミン及びAjinomoto USA Inc.(Teaneck、N.J.)から、CG−125として市販されている、398の分子量を有するフェノール−ホルムアルデヒド樹脂の組み合わせも適切である。
【0042】
様々な市販の組成物は、本発明において硬化剤として使用できる。そのような組成物の1つは、Ajinomoto USA Incから入手できるジシアンジアミド型配合物のAH−154である。他の適切な組成物は、ポリアミド、ジエチルトリアミン及びトリエチレンテトラアミンの混合物であるAncamide400、アミドアミン、イミダゾリン及びテトラエチレンペンタアミンの混合物であるAncamide506、並びに4,4’−メチレンジアニリン及び1,3−ベンゼンジアミンの混合物であるAncamide1284が適切である;これらの配合物はPacific Anchor Chemical、Performance Chemical Division、Air Products and Chemicals、Inc.、Allentown、Pa.から入手できる。
【0043】
追加の適切な硬化剤は、Sigma Aldrich(St.Louis、Missouri)から入手できるイミダゾール(1,3−ジアザ−2,4−シクロペンタジエン)、Sigma Aldrichから入手できる2−エチル−4−メチルイミダゾール、及び三フッ化ホウ素アミン複合体、例えばAir Products&Chemicals、Inc.から入手できるAnchor1170を含む。
【0044】
さらなる追加の適切な硬化剤は、Ajinomoto USA Inc.からATUとして市販されている3,9−ビス(3−アミノプロピル−2,4,8、10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、及び、やはりAjinomoto USA Inc.からAjicure UDHとして市販されている脂肪族ジヒドラジド、並びにMorion International,Inc.、Chicago、IIIからLP540として市販されているメルカプト末端ポリスルフィドを含む。
【0045】
硬化剤(単数又は複数)は、適切な温度でマトリックスを硬化させるように選択される。マトリックスを十分に硬化させるために必要とされる硬化剤の量は、硬化させる樹脂の型、望ましい硬化温度及び硬化時間を含む、いくつかの要因に応じて変化するであろう。硬化剤は、典型的には、シアノグアニジン、芳香族及び脂肪族アミン、酸無水物、ルイス酸、置換尿素、イミダゾール及びヒドラジンも含む。特定の各状況に必要とされる硬化剤の具体的な量は、十分に確立されている通常の実験により測定できる。
【0046】
例示的な好ましい硬化剤は、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(4,4’−DDS)及び3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(3,3’−DDS)を含み、共にHuntsmanから市販されている。
【0047】
硬化剤は、未硬化マトリックスの5重量%から45重量%に及ぶ量で存在する。好ましくは、硬化剤は、10重量%から30重量%に及ぶ量で存在する。より好ましくは、硬化剤は、未硬化マトリックスの15重量%から25重量%の範囲で存在する。最も好ましいのは、マトリックス全体の重量に基づいて、18重量%から22重量%の硬化剤を含有するマトリックスである。
【0048】
3,3’−DDSは、特に好ましい硬化剤である。硬化剤単体として、18重量%から22重量%に及ぶ量で使用されることが好ましい。少量(2重量%未満)の他の硬化剤、例えば4,4’−DDSは、必要に応じて含んでよい。
【0049】
本発明のマトリックスは、好ましくは、熱可塑性強化剤も含む。任意の適切な熱可塑性ポリマーは、強化剤として使用できる。典型的には、熱可塑性ポリマーは、加熱することにより樹脂混合物に溶解される粒子として、樹脂混和物に加えられ、その後硬化剤が加えられる。熱可塑剤を、熱いマトリックス樹脂前駆体(すなわちエポキシ樹脂ブレンド)に実質的に溶解させると、前駆体は冷却され、残りの原料(硬化剤及び不溶性の熱可塑性粒子)を加える。
【0050】
例示的な熱可塑性強化剤/粒子は、以下の熱可塑性プラスチック:ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、高性能炭化水素ポリマー、エラストマー及びセグメント化エラストマーのいずれかを単独又は組み合わせで含む。
【0051】
強化剤は、未硬化樹脂マトリックスの10重量%から40重量%の範囲で存在する。好ましくは、強化剤は、15重量%から30重量%の範囲で存在する。より好ましくは、強化剤は、20重量%から25重量%の範囲で存在する。適切な強化剤は、例として、Sumikaexcel5003Pの販売名で販売されている微粒子PESであり、Sumitomo Chemicalsから市販されている。5003Pの代用物は、Solvayのポリエーテルスルホン105RP、又は非ヒドロキシル末端グレード、例えばSolvay1054Pである。強化PES粒子は、強化剤として使用できる。樹脂の形成中にPESは溶解するので、PESの形態は特に重要ではない。強化PES粒子は、米国特許第4,945,154号の教示に従って作ることでき、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。強化PES粒子は、Hexcel Corporation(Dublin、CA)からもHRI−1の販売名で市販されている。強化剤の平均粒径は、100ミクロン未満にして、マトリックスへのPESの完全な溶解を促進し、確実にするべきである。
【0052】
マトリックスは、追加の原料、例えば性能向上剤又は改質剤、及び追加の熱可塑性ポリマーも含むことができるが、それらが、プリプレグの粘着性及び屋外寿命、又は硬化複合部品の強度及び損傷許容性に悪影響を与えないことが条件である。性能向上剤又は改質剤は、例えば、軟化剤、非粒子状強化剤、促進剤、コアシェルゴム、難燃剤、湿潤剤、顔料/色素、UV吸収器、抗真菌化合物、充填剤、導電性粒子及び粘度調整剤から選択できる。
【0053】
適切な促進剤は、一般的に使用されるウロン化合物の任意のものである。単独又は組み合わせで使用できる促進剤の具体的な例は、Ν,Ν−ジメチル、N’−3,4−ジクロロフェニル尿素(ジウロン)、N’−3−クロロフェニル尿素(モニュロン)及び好ましくはN,N−(4−メチル−m−フェニレンビス[N’,N’−ジメチル尿素](例えばDegussaから市販されているDyhardUR500)を含む。
【0054】
適切な充填剤は、例として、以下:シリカ、アルミナ、チタニア、ガラス、炭酸カルシウム及びカルシウム酸化物の任意のものを単独又は組み合わせで含む。
【0055】
適切な導電性粒子、例として、以下:銀、金、銅、アルミニウム、ニッケル、導電性グレードの炭素、バックミンスターフラーレン、カーボンナノチューブ及び炭素ナノ繊維の任意のものを単独又は組み合わせで含む。金属コーティングした充填剤、例えばニッケルコーティングした炭素粒子及び銀コーティングした銅粒子も使用できる。
【0056】
マトリックスは、少量(5重量%未満)の非エポキシ熱硬化性ポリマー樹脂を追加で含むことができる。硬化させると、熱硬化性樹脂は、溶融及び再成形に適していない。本発明に適切な非エポキシ熱硬化性樹脂材料は、フェノールホルムアルデヒド、尿素−ホルムアルデヒド、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン(メラミン)、ビスマレイミドの樹脂、ビニルエステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル、シアン酸エステル樹脂、エポキシドポリマー又はそれらの任意の組み合わせを含むが、それらに限定されない。熱硬化性樹脂は、好ましくは、エポキシド樹脂、シアン酸エステル樹脂、ベンゾオキサジン及びフェノール樹脂から選択される。必要に応じて、マトリックスは、フェノール基、例えばレゾルシノール系樹脂、及びカチオン性重合により形成される樹脂、例えばDCPD−フェノールコポリマーを含有するさらに適切な樹脂を含むことができる。さらなる追加の適切な樹脂は、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂及び尿素−ホルムアルデヒド樹脂である。
【0057】
樹脂マトリックスは、標準的なプリプレグマトリックスの加工に従って作ることができる。一般に、様々なエポキシ樹脂を、室温で共に混合して、樹脂混和物を形成し、そこに熱可塑性強化剤を加えられる。次いで、この混合物は、約1から2時間にわたり約120℃に加熱して、熱可塑性強化剤を溶解する。次いで、この混合物を約80℃に冷却し、残りの原料(あれば熱可塑性粒子成分、硬化剤及び他の添加剤)を樹脂に混合して、繊維強化材へと含浸させる最終的なマトリックス樹脂が形成される。
【0058】
マトリックス樹脂は、公知のあらゆるプリプレグ製造技術に従って、繊維強化材に加えられる。繊維強化材には、完全に、又は部分的にマトリックス樹脂を含浸させてもよい。別の実施形態では、マトリックス樹脂は、繊維強化材に近接し、接触するが、繊維強化材を実質的に含浸していない分離層として繊維強化材に加えてもよい。プリプレグは、典型的には、保護フィルムの両面を覆い、典型的には室温を十分下回るように維持された温度で、保存及び出荷するために巻いて、早期の硬化を避ける。他の任意のプリプレグの製造プロセス及び保存/出荷システムを、必要に応じて使用してもよい。
【0059】
プリプレグの繊維強化材は、合成若しくは天然繊維、又はそれらの組み合わせを含む混成又は混合繊維系から選択できる。繊維強化材は、好ましくは、あらゆる適切な材料、例えば繊維ガラス、炭素又はアラミド(芳香族ポリアミド)繊維から選択してよい。繊維強化材は、好ましくは炭素繊維である。
【0060】
繊維強化材は、切れ目のある(すなわち牽切された)繊維又は選択的に不連続の繊維若しくは連続する繊維を含むことができる。切れ目のある、又は選択的に不連続の繊維を使用すると、複合材料のレイアップを促進し、その後完全に硬化させることができ、その成形される能力を改善できると想定される。繊維強化材は、織布、非捲縮布、不織布、一方向布、又は多軸布構造の形態、例えば擬似等方性チョップドプリプレグであってよい。織り形態は、平織り、繻子織り又は綾織り様式から選択できる。非捲縮布及び多軸形態は、いくつかの層及び繊維配向を有することがある。そのような様式及び形態は複合体強化材分野では周知であり、Hexcel Reinforcements(Vilieurhanne、France)を含むいくつかの会社から市販されている。
【0061】
プリプレグは、連続したテープ、トウプレグ、ウェブの形態であってよく、又は細断された長さであってよい(細断及び切り込みを入れる作業は、含浸後のどの時点で実行してもよい)。プリプレグは、接着又は表面フィルムであってよく、さらに、織り、編みの両方、及び不織の様々な形態で支持体に包埋されていてよい。プリプレグは、例えば、硬化中に空気除去を促進するために、完全に又は一部のみ含浸されていてよい。
【0062】
例示的な好ましいマトリックス樹脂は、20重量から25重量%のビスフェノール−Fジグリシジルエーテル;20重量%から25重量%のトリグリシジル−p−アミノフェノール(三官能性エポキシ樹脂);17重量%から22重量%のジアミノジフェニルスルホン(硬化剤として主に3,3−DDS);3,3’−ジメチル−ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン及びドデカンジカルボン酸のポリマー縮合生成物である、10重量%から15重量%のポリアミド粒子;並びに強化剤として、10重量%から26重量%の下地の強化ポリエーテルスルホンを含む。
【0063】
プリプレグは、複合部品の形成に使用される標準的技術の任意のものを使用して成形でき、典型的には、1つ又は複数の層のプリプレグは、適切な鋳型に入れられ、硬化されて最終複合部品を形成する。本発明のプリプレグは、当技術分野で公知である任意の適切な温度、圧力、及び時間条件を使用して、完全に又は部分的に硬化できる。典型的には、プリプレグは、オートクレーブ中にて、160℃から190℃の温度で硬化されるであろう。複合材料は、マイクロ波放射線、電子ビーム、γ放射線、又は他の適切な熱若しくは非熱放射線から選択される方法を使用して硬化できるであろう。
【0064】
本発明の改善されたプリプレグから作られた複合部品は、物品、例えば多数の一次及び二次航空宇宙構造物(翼、機体、隔壁など)を作る際の用途を見出すであろうが、高い圧縮強度、層間破壊靱性及び衝撃損傷耐性が必要とされる、自動車、鉄道及び海洋用途を含む、その他多くの高性能複合材料の用途にも有用であろう。
【0065】
本発明がより容易に理解できるように、以下の本発明の背景情報及び実施例についてここで言及する。
【実施例】
【0066】
(例1)
本発明による好ましい例示的な樹脂配合物を、表1に記載する。マトリックス樹脂を、室温のエポキシ原料とポリエーテルスルホンを混合することにより調製して、樹脂ブレンドを形成し60分間にわたり130℃に加熱して、ポリエーテルスルホンを完全に溶解させた。混合物を、80℃に冷却し、原料の残りを加え、十分に混合した。
【表1】
【0067】
1つ又は複数の一方向炭素繊維の層に、表1の樹脂配合物を含浸させることにより、例示的なプリプレグを調製した。一方向炭素繊維(Hexcel Corporationから市販されているIM7)を使用して、マトリックス樹脂量が、未硬化プリプレグ全体の重量の35重量パーセントに達し、繊維部分の重量が平方メートル当たり145グラム(gsm)であるプリプレグを作った。標準的なプリプレグ製造手順を使用して、多彩なプリプレグのレイアップを調製した。プリプレグを、オートクレーブ中にて180℃で約2時間にわたり硬化させた。次いで、硬化させたプリプレグに標準的な試験を施して、室温/乾燥条件及び180°F/湿潤条件下の両方で、それらの損傷許容性(CAI)、層間破壊靱性(G1c及びG2c)並びに圧縮強度を以下に記載するように測定した。
【0068】
4層の擬似等方性積層に対して270in−lbの衝撃を使用して、衝撃後圧縮強度(CAI)を測定した。積層を、オートクレーブ中にて180℃で2時間にわたり硬化させた。最終積層の厚さは約4.5mmであった。圧密化をcスキャンにより検証した。試験片を、Boeing試験方法BS7260に従って、BMS8−276を通じて機械加工し、衝撃を与え、試験した。硬化させた積層の0.18インチの呼び厚さに値を標準化した。
【0069】
G1c及びG2cは、硬化させた積層の層間破壊靱性を測定する標準試験である。G1c及びG2cを以下のように測定した。4層の一方向積層をレイアップの中央平面で、一方の縁に沿って挿入した3インチのフルオロエチレンポリマー(FEP)フィルムと共に硬化させて、クラックスターターとして繊維方向に垂直に作用させる。積層を、オートクレーブ中にて180℃で2時間にわたり硬化させ、3.8mmの呼び厚さを得た。圧密化をCスキャンにより検証した。G1c及びG2cの試料は共に、同一の硬化させた積層から機械加工した。Boeing試験法のBSS7233に従ってG1cを試験し、BSS7320に従ってG2cを試験した。G1c及びG2cの値を標準化しなかった。
【0070】
乾燥条件下にて、室温で0°圧縮強度をBS7260に従って測定した。湿潤条件下にて、180°Fでも0°圧縮強度をBSS7260に従って測定した。
【0071】
驚くべきことに、CAIを測定すると61.3であった。これは相対的に高く、想定外のCAI値であるため、第2の試料を再試験して試験結果を確認した。再試験すると、積層のCAIは60.1になることが見出され、十分、予想される実験誤差内であった。60を超えるCAIは、TR90以外のポリアミド強化剤を使用して作られた積層と比較して、きわめて高い。G1c及びG2c値は、それぞれ2.8及び8.8で相対的に高かった。0°圧縮強度は、乾燥条件下にて、室温で259であり、相対的に高かった。0°圧縮強度は、湿潤条件下にて180℃で測定した場合でも、相対的に高い(189)ままであった。
【0072】
上記の例により、本発明に従ってポリアミド粒子をマトリックスに使用する場合、想定外に高い損傷許容性(CAI)を、高い層間破壊靱性及び圧縮強度と共に達成できることが実証される。
【0073】
(比較例1)
比較のプリプレグを例1と同様に調製し、硬化させた。マトリックス配合を使用し、熱可塑性成分は、Arkema(France)からOrgasol1002及びOrgasol3803の販売名で市販されているポリアミド粒子を含有していた。Orgasol1002は、20ミクロンの平均粒径を有するPA6粒子で100%構成される。Orgasol3803は、平均粒径が17から24ミクロンである80%のPA12及び20%のPA6のコポリマーの粒子で構成される。同一のIM7炭素繊維を使用してプリプレグを調製した。プリプレグは、35重量%の樹脂を含有し、145gsmの繊維部分の重量を有していた。比較のプリプレグに使用される配合を、表2に記載する。
【表2】
【0074】
硬化させた比較のプリプレグを、例1と同様に試験した。CAIは57.9であり、G1c及びG2cはそれぞれ2.1及び7.3であった。室温で0°の圧縮強度は269であった。湿潤条件下にて180℃で測定した場合、0°の圧縮強度は、160に低下した。本発明に従ってポリアミド縮合生成物粒子を使用することにより、高温及び湿潤条件下で発生する圧縮強度において、この大幅な低下を避けられる。
【0075】
(例2)
さらなる例示的なプリプレグを、繊維強化材がIM10であることを除き、例1と同様に調製した。IM10は、Hexcel Corporation(Dublin、CA)からも入手できる一方向炭素繊維材料である。例示的なマトリックス配合を、表3に記載する。例示的なプリプレグは、未硬化プリプレグ全体の重量の35重量パーセントの量でマトリックス樹脂を含み、IM10である繊維部分の重量は、平方メートル当たり145グラム(gsm)であった。SP10Lは、Toray Industries(Japan)から市販されているPA12ポリアミド粒子)である。
【表3】
【0076】
硬化させた例示的なプリプレグに例1と同一の試験手順を施した。結果を表4に記載する。
【表4】
【0077】
例2A及び2Bにより、少なくとも40重量%の本発明によるポリアミド縮合生成物粒子を含む熱可塑性成分が、0°圧縮強度で、比較例1と比較して有意な改善を示すことが実証された。60以上のCAI値の更なる利点を得るためには、例1で実証されているように、熱可塑性粒子の少なくとも95重量%(好ましくは100パーセント)は、本発明によるポリアミド縮合粒子であることが好ましい。
【0078】
(比較例2〜8)
比較のプリプレグ(C2からC8)を、IM10繊維を使用して、例2と同様に調製した。比較のマトリックスの配合を表5に記載する。Rislan PA11粒子はポリアミド11から作られ、Arkemaから市販されている。Rislan PA11粒子は、20ミクロンの平均粒径を有していた。
【表5】
【0079】
硬化させたプリプレグに、例2A及び2Bと同一の試験手順を施した。結果を表6に記載する。
【表6】
【0080】
高温/湿潤0°圧縮強度を高くする(180超)と共に、CAI(60以上)を高くすることは、本発明によるポリアミド縮合生成物を含まないポリアミド粒子の様々な組み合わせを使用しては達成できなかったことが、比較例により実証される。
【0081】
(比較例9)
比較のプリプレグ(C9)を、熱可塑性粒子成分がGRILAMIDE TR90粒子の代わりにSP10L粒子及びGRILAMIDE TR60粒子のブレンドを含むことを除いて、例1と同様に作った。GRILAMIDE TR60は、TR60が芳香族ポリマー主鎖を有し、TR90が脂肪族ポリマー主鎖を有することを除いて、TR90と類似している。この比較のプリプレグの樹脂配合を、表8に記載する。
【表7】
【0082】
硬化させた比較のプリプレグ(C9)に、例1と同一の試験を施した。CAIは54.9しかなく、例1、2A及び2Bと比較して相対的に低かった。G1c及びG2cの値はそれぞれ2.1及び8.0の許容範囲であった。0°圧縮強度は、乾燥条件下にて、室温で255の許容範囲であったが、湿潤条件下にて180℃で測定した場合に171に低下した。GRILAMID TR60を使用した高温/湿潤圧縮強度は、本発明に従ってGRILAMID TR90を使用した例1、2A及び2Bと比較して、相対的に低かった。
【0083】
(比較例10)
比較のプリプレグ(C10)を例2Aと同様に調製し、相違点はTR90の代わりにTrogamid CX7323を使用してポリアミド粒子を作ることだけであった。Trogamid CX7323は、アミン成分中の両方のがメチルの代わりに水素であることを除いて、TR90と同一のポリアミドを含有する。
【0084】
硬化させた比較のプリプレグ(C10)に、例1及び2と同一の試験を施した。CAIは49.6しかなく、例2Aと比較して相対的に低かった。G1c及びG2cの値は、それぞれ2.2及び7.5であった。0°圧縮強度は、乾燥条件下にて、室温で279であり、湿潤条件下にて180℃で測定した場合、185に低下した。さらに、ポリアミド粒子成分がわずか43重量パーセントのGRILAMID TR90しか含有していない場合でさえ、GRILAMID TR90の代わりにTrogamid CX7323が使用すると、CAIは、かなり低くなる。CAIは、ポリアミド粒子成分中で多くの相当量のTR90に代わってTrogamid CX7323が使用される場合は、かなり低くなるであろうことが予想される
【0085】
したがって、本発明の例示的な実施形態に記載されているように、開示の範囲内は模範でしかなく、様々な他の代替案、翻案及び改変が本発明の範囲内において行われ得ることに当業者は注意すべきである。したがって、本発明は、上に記載されている実施形態により限定されず、以下の特許請求の範囲によって限定されるだけにすぎない。
本発明に包含され得る諸態様は、以下のとおりである。
[態様1]
硬化させて、高い衝撃後圧縮強度及び180F°での高い湿潤圧縮強度を有する硬化複合部品を形成するための、予備含浸複合材料であって、
A)強化用繊維と、
B)a)少なくとも1つのエポキシ樹脂を含む樹脂成分;
b)1,10−デカンジカルボン酸、及び式
[化1]

(式中、Rが水素、メチル又はエチルであり、Rがメチル、エチル又は水素であり、Rの少なくとも1つがメチル又はエチルである)
を有するアミン成分のポリマー縮合生成物であるポリアミドを含む熱可塑性粒子を含む、熱可塑性粒子成分;
d)熱可塑性強化剤;並びに
e)硬化剤
を含むマトリックスと
を含む、上記予備含浸複合材料。
[態様2]
前記樹脂成分が、二官能性エポキシ樹脂及び三官能性エポキシ樹脂を含む、上記態様1に記載の予備含浸複合材料。
[態様3]
前記樹脂成分が、さらに四官能性エポキシ樹脂を含む、上記態様2に記載の予備含浸複合材料。
[態様4]
前記強化用繊維が、ガラス、炭素及びアラミドからなる群から選択される、上記態様1に記載の予備含浸複合材料。
[態様5]
前記二官能性エポキシ樹脂が、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ジグリシジルジヒドロキシナフタレン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、上記態様2に記載の予備含浸複合材料。
[態様6]
前記三官能性エポキシが三官能性メタグリシジルアミンであり、前記四官能性エポキシが四官能性パラグリシジルアミンである、上記態様3に記載の予備含浸複合材料。
[態様7]
が共にメチルであり、Rが共にヒドロキシである、上記態様1に記載の予備含浸複合材料。
[態様8]
前記強化剤が、ポリエーテルスルホンである、上記態様1に記載の予備含浸複合材料。
[態様9]
前記硬化剤が芳香族アミンである、上記態様1に記載の予備含浸複合材料。
[態様10]
前記芳香族アミンが3,3’−ジアミノジフェニルスルホンである、上記態様9に記載の予備含浸複合材料。
[態様11]
硬化させた上記態様1に記載の予備含浸複合材料を含む、複合部品。
[態様12]
衝撃後圧縮強度が少なくとも60であり、180°Fでの湿潤圧縮強度が少なくとも180である、上記態様11に記載の複合部品。
[態様13]
航空機の一次構造物の少なくとも一部を形成する、上記態様11に記載の複合部品。
[態様14]
硬化させて、高い衝撃後圧縮強度及び180°Fでの高い湿潤圧縮強度を有する硬化複合部品を形成するための、予備含浸複合材料を作る方法であって、
A)強化用繊維を用意するステップと、
B)前記強化用繊維にマトリックスを含浸させるステップであって、前記マトリックスが、
a)少なくとも1つのエポキシ樹脂を含む樹脂成分;
b)1.10−デカンジカルボン酸、及び式
[化2]

(式中、Rが水素、メチル又はエチルであり、Rがメチル、エチル又は水素であり、Rの少なくとも1つがメチル又はエチルである)
を有するアミン成分のポリマー縮合生成物である、ポリアミドを含む熱可塑性粒子を含む、熱可塑性粒子成分;
d)熱可塑性強化剤;並びに
e)硬化剤
を含む上記ステップと
を含む、上記方法。
[態様15]
が共にメチルであり、Rが共にヒドロキシルである、上記態様14に記載の予備含浸複合材料を作る方法。
[態様16]
前記樹脂成分が、二官能性エポキシ樹脂及び三官能性エポキシ樹脂を含む、上記態様14に記載の予備含浸複合材料を作る方法。
[態様17]
前記樹脂成分が、四官能性エポキシ樹脂をさらに含む、上記態様16に記載の予備含浸複合材料を作る方法。
[態様18]
前記硬化温度で、上記態様1に記載の予備含浸複合材料を硬化させるステップを含む、複合部品を作る方法。
[態様19]
衝撃後圧縮強度が少なくとも60であり、180°Fでの湿潤圧縮強度が少なくとも180である、上記態様18に記載の複合部品を作る方法。
[態様20]
前記複合部品が、航空機用一次構造物の少なくとも一部を形成する、上記態様18に記載の複合部品を作る方法。