特許第6192735号(P6192735)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6192735回転加熱分解リアクタ形装置及び副生成物や廃棄物を熱分解するために構成されたその種のリアクタを動作させる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6192735
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】回転加熱分解リアクタ形装置及び副生成物や廃棄物を熱分解するために構成されたその種のリアクタを動作させる方法
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/00 20060101AFI20170828BHJP
   C10J 3/72 20060101ALI20170828BHJP
   F23G 5/00 20060101ALI20170828BHJP
   F27B 7/08 20060101ALI20170828BHJP
   F27B 7/36 20060101ALI20170828BHJP
   F27B 7/20 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   B09B3/00 302Z
   C10J3/72 JZAB
   F23G5/00 108B
   F27B7/08
   F27B7/36
   F27B7/20
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-545665(P2015-545665)
(86)(22)【出願日】2013年12月1日
(65)【公表番号】特表2016-508863(P2016-508863A)
(43)【公表日】2016年3月24日
(86)【国際出願番号】DE2013000783
(87)【国際公開番号】WO2014086334
(87)【国際公開日】20140612
【審査請求日】2016年3月11日
(31)【優先権主張番号】102012024204.2
(32)【優先日】2012年12月4日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517053191
【氏名又は名称】ハーエス テック トランスファー ウーゲー(ハフトゥングベシュレンクト)ウント コー.カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002169
【氏名又は名称】彩雲国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】シュトレイテンバーガー,ハルトヴィヒ
【審査官】 宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/096038(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/130523(WO,A1)
【文献】 特開平04−250876(JP,A)
【文献】 特開平03−275184(JP,A)
【文献】 米国特許第05090338(US,A)
【文献】 特開平06−312172(JP,A)
【文献】 特開平09−279161(JP,A)
【文献】 特開平08−283734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 3/00
C08J 11/00
F23G 5/00
F27B 7/08
F27B 7/20
F27B 7/36
B01J 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転加熱分解リアクタであって、両端を閉じているカバー(2)を備えた筒状の外側ジャケット(1)と、内部チャンバ(3)と、カバー(2)の中央で支持された軸(4)と、内部チャンバ(3)内で軸(4)の始端終端のそれぞれに配設された送入工具(6)及び排出工具(7)とを含み、軸(4)に螺旋状のコイルランナ(5)が固定されており、ここで、送入工具(6)及び排出工具(7)は、該軸(4)の始端と終端のそれぞれに配設され、該軸(4)を介して駆動装置(10)により可動であり、該送入工具(6)は材料送入部(8)の下方で螺旋状のコイルランナ(5)の作用範囲内で軸(4)に対して平行に1個又は複数個配置されていることを特徴とする回転加熱分解リアクタ。
【請求項2】
前記コイルランナ(5)は、内部チャンバ(3)内で外側ジャケット(1)の内側近傍に螺旋状に1個又は複数個配設されてることを特徴とする、請求項1に記載の回転加熱分解リアクタ。
【請求項3】
前記送入工具(6)と排出工具(7)は1個又は複数個形成されており、前記排出工具(7)は材料排出部(9)の上方に配置されていることを特徴とする、請求項に記載の回転加熱分解リアクタ。
【請求項4】
送入工具(6)の材料落下高さ相当の上方の外側ジャケット(1)の壁内部に材料送入部(8)が配設され、排出工具(7)の下方でリアクタの壁内部に材料排出部(9)が配設されていることを特徴とする、請求項1又はに記載の回転加熱分解リアクタ。
【請求項5】
前記外側ジャケット(1)の壁の下側領域中央に、2部分からなる穿孔されたガス化剤シャフト(11)が軸方向に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の回転加熱分解リアクタ。
【請求項6】
前記外側ジャケット(1)の壁を別個のガス化剤送入部(12)とガス排出部(13)が貫通しており、ガス排出部(13)は送入領域の上方側面に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の回転加熱分解リアクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項に従う回転加熱分解リアクタ形装置、及び副生成物や廃棄物を熱分解するために構成された該リアクタを動作させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドイツ特許出願第102008058602A1号明細書は可動床ガス化装置を開示している。この装置は、ガス化スペースを有するガス化装置チャンバとガス化装置脚部とを含み、ガス化スペースはガス化装置ジャケットに包囲されており、一方の閉端部に合成ガス出口を有し、他方の開端部でガス化装置ジャケットを介してガス化装置脚部と接続している。
前記ガス化装置脚部はその内部チャンバがガス化ポットとして形成されており、その中に送入装置及び少なくとも1本の供給管が進入している。
更に、ガス化ポットはガス化チャンバに対して凹部を設けたトレイを有しており、トレイは中央シャフトに開口している。
更に、ドイツ特許出願第102008058602A1号明細書によれば、撹拌工具が設けられていて、撹拌軸を介してガス化ポット内に回転可能に支持されており、撹拌軸は搬送装置に囲まれている。
前記ガス化ポットはガス化装置ジャケットと共に断熱チャンバを包囲しており、この断熱チャンバを送入装置、供給管、中央シャフト及び搬送装置に囲まれた撹拌軸が貫通しており、ガス化装置脚部ジャケットがこの撹拌軸を保持している。
ここでガス化装置チャンバ内にはガス化ドームが、ガス化ドームとガス化装置ジャケット及び/又はガス化ポットとの間にギャップが生成されるように配置されている。
【0003】
ドイツ特許出願第102009007768.5号明細書は熱分解リアクタを開示している。この熱分解リアクタは、二重ジャケットを形成する外側ジャケットと内側ジャケットを含んでおり、内側ジャケットは外側ジャケットによって包囲されており、内側ジャケットと外側ジャケットとの間にはギャップがあり、二重ジャケットは送入部と、排出部と、少なくとも1個のガス化剤送入装置と、分配器とを有しており、内側ジャケットは端部がカバーで限定された内部チャンバを取り囲んでいる。
ここでギャップは内側ジャケットと外側ジャケットによって形成された二重ジャケットの端部で周囲に対して閉じており、カバーは軸を支持しており、ギャップと軸内には熱媒体があり、軸はカバーの中央に支持されて搬送工具を支えている。
【0004】
ドイツ特許出願第102009007768.5号明細書によれば、この熱分解リアクタは、排出部が送入部の上方に位置するように熱分解リアクタを傾けて設置する方法を実施するために使用される。
軸は駆動され、軸及び二重ジャケット内では加熱された液状熱媒体が形成され動かされる。この液状熱媒体はギャップ内でガイドを通して流体技術的に導かれ、被処理材料は搬送工具によって送入部から排出部に向かって送られ、この輸送の過程で供給されたガス化剤によって加熱される。
【0005】
これら技術的解決の問題点は、リアクタ内での被処理材料が強制的に移送されず、存在する熱分解反応火床が破壊され、それによりリアクタ内の詰まりが誘起され、スラグ及び局所的ホットスポットが形成されることである。
従って、この種のリアクタ及び方法を採用しても、安定で均一なプロセス操作は達成されない。ガス化剤を介するエネルギー供給は、不安定で不均一なプロセス操作となり、プロセス工学的に定性的及び定量的なエネルギー配分は不可能である。その結果、部分的な過熱や燃焼、ひいては熱分解プロセスの停止を招く。
リアクタ内で材料流が強制的に移送されない場合、及び撹拌工具(パドル又はスクリュー状工具)を用いる搬送装置に部分的な障害がある場合、火床が破壊され、或いは剥離されて、プロセスを阻害する所謂「ホットスポット」が発生する。
それによりガス化剤は材料に浸透せずに逃げてしまうため、熱化学的反応の停止に至る。連続的で安定した温度操作によるプロセス制御はもはや不可能である。従って、プロセスは停止してしまう。
この不安定なプロセス操作が原因で全熱分解プロセスの中断をきたすだけでなく、局所的な過熱や熱分解チャンバの歪みを招く。ガス品質の大きく変動し、材料の化学的還元が完了せず、そのために後続の装置のプロセス条件が不利となる。
【0006】
ドイツ特許出願第19932822A1号明細書及びドイツ特許出願第19614689A1号明細書は、搬送スクリュー又は輸送スクリューの形状のリアクタ用搬送装置を開示している。これらの搬送装置も上述の問題点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】ドイツ特許出願第102008058602A1号明細書
【特許文献2】ドイツ特許出願第102009007768.5号明細書
【特許文献3】ドイツ特許出願第19932822A1号明細書
【特許文献4】ドイツ特許出願第19614689A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、上述の従来技術の問題点を回避する回転加熱分解リアクタ形装置を提供することにあり、特に被処理材料をリアクタ内で強制的に移送し、存在する熱分解反応の火床を破壊することがなく、これによりリアクタ内の詰まり、及びスラグ及び局所的ホットスポットを阻止して、安定で均一な熱分解プロセスの操作を保証する回転加熱分解リアクタ形装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題は特許請求項1及び11の特徴部に記載された特徴によって解決される。本発明のその他の可能な有利な構成が従属請求項に記載されている。
【0010】
本発明に係る回転加熱分解リアクタの要旨は、両端を閉じているカバーを備えた筒状の外側ジャケットと、内部チャンバと、カバーの中央で支持された軸と、回転加熱分解リアクタ内で軸の始端若しくは終端に配置された送入工具及び排出工具とからなり、軸に螺旋状のコイルランナが固定されていることである。
【0011】
軸は駆動装置によって駆動され、送入工具の材料落下高さ相当の上方に材料送入部が配設され、排出工具の下方に材料排出部が配設されている。
更に、2部分からなる穿孔されたガス化剤シャフトが回転加熱分解リアクタの下側領域中央で軸方向に配設されている。
また、リアクタ壁及びこれに付属する断熱材には、別個のガス化剤送入部、送入領域の上方側面に取り付けられたガス排出部、外側ジャケットの上方中央に配置された2個のフィーダ、圧力逃がし装置及び種々の測定スリーブが収容されている。
回転加熱分解リアクタは架台上に水平に支持されている。
【0012】
本発明の回転加熱分解リアクタの動作方法は、材料排出部が材料送入部下方の対向する端部に配置され、軸が外部の駆動装置によって駆動されて、処理すべき材料が送入工具によって混合されて解きほぐされ、それからコイルランナによって軸方向及び半径方向に移送され、発熱プロセス及び吸熱プロセスを開始するためにガス化剤送入部とガス化剤シャフトを通してガス化剤、好ましくは酸素を混入した高温の空気を材料流に吹き当てるというものである。
内部チャンバ内で筒状の外側ジャケットの内側近傍に設けたコイルランナにより、途中で乾留により熱分解コークスに転換される材料が軸方向及び半径方向の推進力により強制的に持ち上げられ解きほぐされて、連続的な波状移動で排出工具及び材料排出部に向かって搬送される。
【0013】
その際、やや負圧下におけるガス化剤は火床を中断したり破壊したりすることなく、材料流によってのみ流れる。
【0014】
以下、図面と実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る回転加熱分解リアクタの実施形態の概略図である。
図2図1に示す回転加熱分解リアクタの概略的な側面図である。
図3図1に示す回転加熱分解リアクタの概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に筒状の外側ジャケット(1)からなる回転加熱分解リアクタを示す。内部チャンバ(3)において、やや陰圧下、原材料の熱化学反応が自己熱脱ガス化(部分酸化)の形式で起こる。
【0017】
外側ジャケット(1)はその両端部にそれぞれ内部チャンバ(3)をとじているカバー(2)を備えており、断熱材(18)によって取り囲まれている。
【0018】
両カバー(2)内の中央に軸(4)が支持されている。この軸(4)には螺旋状のコイルランナ(5)が固定されている。
【0019】
回転加熱分解リアクタに内部において、軸(4)の始端又は終端に送入工具(6)と排出工具(7)が駆動装置(10)により可動に配設されている。
【0020】
送入工具(6)の材料落下高さ相当の上方の回転加熱分解リアクタの壁内部に材料送入部(8)が配設され、排出工具(7)の下方のリアクタの壁内部に材料排出部(9)が配設されている。
【0021】
更に、2部分からなる穿孔されたガス化剤シャフト(11)が回転加熱分解リアクタの壁の下側領域中央で軸方向に配設されている。
【0022】
更に、別個のガス化剤送入部(12)及びガス排出部(13)が回転加熱分解リアクタの壁を貫通している。ここでガス排出部(13)は送入領域の上方側面に配置されている。
【0023】
外側ジャケット(1)の上方中央にフィーダA(14)とフィーダB(15)が配設されている。更に圧力逃がし装置(16)及び種々の測定スリーブ(17)が回転加熱分解リアクタの壁を貫通している。
【0024】
回転加熱分解リアクタは断熱材(18)に囲まれていて、架台(19)上に水平に支持されている。
【0025】
回転加熱分解リアクタの内部チャンバ(3)内で筒状の外側ジャケット(1)の内側近傍にコイルランナ(5)が螺旋状に1個又は複数個形成されていることが特に好ましい。コイルランナ(5)は正方形、矩形、円形又は楕円形を有することができる。
【0026】
更に送入工具(6)は、材料送入部(8)の下方であって、且つ螺旋状のコイルランナ(5)の作用範囲内において軸(4)に対し平行に1個又は複数個配設されていることが、特に好ましい。送入工具(6)は正方形、矩形、円形又は楕円形を有することができる。
【0027】
更に、排出工具(7)は材料排出部(9)の上方に1個又は複数個配設されている。排出工具(7)は正方形、矩形、円形又は楕円形を有することができる。
【0028】
ガス化剤シャフト(11)は穴又はスリットを設けて形成されることが好ましい。
【0029】
材料送入部(8)はロータリーフィーダを有することが好ましい。
【0030】
回転加熱分解リアクタのガス排出部(13)は、中央に配設されても終端に配設されてもよく、フィーダA(14)とフィーダB(15)はロータリーフィーダとして形成されることが好ましい。
【0031】
適正な運転状態において、回転加熱分解リアクタは架台(19)上に水平に配置されている(水平支持)ことが好ましい。
【0032】
この回転加熱分解リアクタは次のように運転される。
【0033】
固形の(選別、粉砕、予熱、予備乾燥させた)廃棄物(以下「材料」と称する)が材料送入部(8)を通して回転加熱分解リアクタの内部チャンバ(3)内に供給される。材料の送入は、極めて少量の周囲空気しか一緒に内部チャンバ(3)内に達しないように行われる。そのためには、ロータリーフィーダの使用が好ましい。筒状の外側ジャケット(1)と両端を閉じているカバー(2)によって包囲された内部チャンバ(3)は、送入工具(6)とコイルランナ(5)と排出工具(7)が付属している中央に配置された軸(4)を支持する。運転状態において上述の付属物を付けた軸(4)の回転運動により、材料は材料送入部(8)から材料排出部(9)まで連続的に搬送される。
この場合、軸(4)は送入側と排出側でカバー(2)の中央に案内され、外部の駆動装置(10)によって駆動される。
好ましくは、材料は温度50℃〜100℃、外周長さ約35mm以下、残留湿度10〜15Ma%で回転加熱分解リアクタ内に達する。
【0034】
材料送入後、材料は送入工具(6)によって混合され解きほぐされてコイルランナ(5)に供給される。ガス化剤(好ましくは酸素富化した空気)がガス化剤送入部(12)を通して添加され、下側領域に取り付けられたガス化剤シャフト(11)を通して配分され、回転加熱分解リアクタの内部チャンバ(3)に達する。
【0035】
内部チャンバ(3)内で筒状の外側ジャケット(1)の内側近傍に設けたコイルランナ(5)が半径方向に回転運動することにより、材料は強制的な軸方向及び半径方向の推進力によって持ち上げられ解きほぐされて、材料排出部(9)に向かって搬送される。このときガス化剤は材料流のみによって流れ、目標とする吸熱反応及び発熱反応を起こす。発熱プロセスは吸熱プロセスのためのエネルギーを発生する。材料流の連続的な波状移動は火床の中断や破壊、高熱部形成及びホットスポットを妨げる。遊離したガス化剤が回転加熱分解リアクタの上側内部チャンバ(3)に達することはない。
【0036】
反応に伴い発生する反応ガスは、材料流、即ち反応材料によって内部チャンバ(3)上方の空間に流れ、ガス排出部(13)で捕捉されて次の装置に送られる。これとは別に発生する熱分解コークスは材料排出部(10)を通して排出され、或いは更に次の装置に送られる。
【0037】
ガス化剤を介する熱供給により材料を本乾燥させ、続いて熱分解する。この熱プロセスで遊離したガスがガス化剤と反応して必要なプロセス熱の一部を生成する。
【0038】
本発明の方法において、ガス化剤は目標とする材料の乾留が行なわれるように調量される。これは温度350〜550℃で行われることが好ましい。プロセス進行後、全材料は炭素含有固形粒子及び炭化水素含有プロセスガスに転換される。すべての固形成分及び対応する気相成分は排出部(9)を通して排出される。
【0039】
プロセス条件、特に発熱プロセスのために必要なエネルギーを安定化させるために、後続の装置からフィーダA(14)を介して追加的な炭素供給が行なわれることが好ましい。他のフィーダB(15)は添加剤(好ましくは石灰)の供給を可能にする。上側の筒状外側ジャケット(1)の上部に取り付けられた圧力逃がし装置(16)は過圧時の圧力緩和に用いられる。プロセス工学的なプロセス制御を確実とするために、筒状の外側ジャケット(1)内にセンサーを受容するための測定スリーブ(17)が、好ましくは軸方向に配置されている。
【0040】
全回転加熱分解リアクタは、プロセス温度を安定化させるために断熱材(18)によって断熱されおり、熱膨張による長さの拡大を許容する架台(19)上に支持される。
【0041】
本発明による回転加熱分解リアクタの本質的な利点は、このリアクタにより処理すべき材料がリアクタ内で均一且つ強制的に移送され、存在する熱分解反応の火床を破壊することがなく、これによりリアクタ内の詰まり、及びスラグ及び局所的ホットスポットを阻止して、熱分解プロセスの安定で均一な操作を保証することにある。
【0042】
特に材料流の連続的な波状移動は、火床の中断や破壊、高熱部形成及びホットスポットを阻止する。
【0043】
本明細書の記載、実施例及び特許請求項に記載された全ての特徴は、単独でも、互いに任意に組み合わせた形においても本発明にとって本質的である。
【符号の説明】
【0044】
1 筒状の外側ジャケット
2 カバー
3 内部チャンバ
4 軸
5 コイルランナ
6 送入工具
7 排出工具
8 材料送入部
9 材料排出部
10 駆動装置
11 ガス化剤シャフト
12 ガス化剤送入部
13 ガス排出部
14 フィーダA
15 フィーダB
16 圧力逃がし装置
17 測定スリーブ
18 断熱材
19 架台
図1
図2
図3