(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記従来技術における問題点を鑑みたものであり、その目的は、遊技機の不正利用を防止するとともに、不法投棄または不正転売された遊技機の流通ルートを特定することを可能とする遊技機および遊技機の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的は、以下の(1)〜(6)の本発明により達成される。
(1)ユーザーに遊技を提供するための遊技機であって、
メモリーと、
前記遊技機の現在位置情報と現在日時情報とを取得するための情報取得手段と、
前記遊技機の有効場所と有効期限とを保存しているRFIDタグを読み込むための読込手段と、を備え、
前記遊技機は、前記情報取得手段が前記遊技機の前記現在位置情報と前記現在日時情報とを取得することに成功し、前記情報取得手段が取得した前記現在位置情報が前記RFIDタグ内に保存されている前記有効場所の範囲内であり、さらに、前記情報取得手段が取得した前記現在日時情報が前記RFIDタグ内に保存されている前記有効期限内である場合にのみ、前記ユーザーへの前記遊技の提供を許可するよう構成され、
前記RFIDタグ内に保存されている前記遊技機の前記有効場所および前記有効期限は、前記遊技機の管理者または製造者が保有する専用の書込手段によってのみ書き込み可能であり、
前記RFIDタグ内に保存されている前記遊技機の前記有効場所および前記有効期限は、前記遊技機の前記
読込手段および前記遊技機の前記管理者または前記製造者が保有する専用の読込手段によってのみ読み込み可能であることを特徴とする遊技機。
【0011】
(2)前記メモリー内には、
所定の時間間隔で取得された前記遊技機の前記現在位置情報の経時データが保存されている上記(1)に記載の遊技機。
【0012】
(3)前記メモリーは、前記遊技機の識別番号を保存しており、
前記
RFIDタグは、さらに、対応する遊技機の識別番号を保存しており、
前記遊技機は、前記メモリー内に保存されている前記識別番号と、前記
RFIDタグ内に保存されている前記識別番号とが一致しない場合には、前記ユーザーへの前記遊技の提供を許可しないよう構成されている上記(1)または(2)に記載の遊技機。
【0014】
(
4)前記情報取得手段は、GPS信号受信手段、GNSS信号受信手段、またはRNSS信号受信手段である上記(1)ないし(
3)のいずれかに記載の遊技機。
【0016】
(5)ユーザーに遊技を提供するための遊技機を制御する制御方法であって、
前記遊技機の現在位置情報と現在日時情報とを取得する工程と、
前記遊技機の読込手段を用いて、RFIDタグを読み込み、前記遊技機の有効場所と有効期限とを取得する工程と、
前記現在位置情報が前記RFIDタグ内に保存されている前記有効場所の範囲内であるか否かを判別する工程と、
前記現在日時情報が前記RFIDタグ内に保存されている前記有効期限内であるか否かを判別する工程と、
前記遊技機の前記現在位置情報と前記現在日時情報とを取得することに成功し、前記現在位置情報が前記RFIDタグ内に保存されている前記有効場所の範囲内であり、さらに、前記現在日時情報が前記RFIDタグ内に保存されている前記有効期限内である場合にのみ、前記ユーザーへの前記遊技の提供を許可する工程と、を含み、
前記RFIDタグ内に保存されている前記遊技機の前記有効場所および前記有効期限は、前記遊技機の管理者または製造者が保有する専用の書込手段によってのみ書き込み可能であり、
前記RFIDタグ内に保存されている前記遊技機の前記有効場所および前記有効期限は、前記遊技機の前記
読込手段および前記遊技機の前記管理者または前記製造者が保有する専用の読込手段によってのみ読み込み可能であることを特徴とする遊技機の制御方法。
(6)ユーザーに遊技を提供するための遊技機であって、
メモリーと、
前記遊技機の現在位置情報と現在日時情報とを取得するための情報取得手段と、
前記遊技機の有効場所と有効期限とを保存しているRFIDタグを読み込むための読込手段と、を備え、
前記遊技機は、前記情報取得手段が前記遊技機の前記現在位置情報と前記現在日時情報とを取得することに成功し、前記情報取得手段が取得した前記現在位置情報に基づき算出された前記遊技機の現在地が前記RFIDタグ内に保存されている前記有効場所から所定の範囲内であり、さらに、前記情報取得手段が取得した前記現在日時情報が前記RFIDタグ内に保存されている前記有効期限内である場合にのみ、前記ユーザーへの前記遊技の提供を許可するよう構成され、
前記RFIDタグ内に保存されている前記遊技機の前記有効場所および前記有効期限は、前記遊技機の管理者または製造者が保有する専用の書込手段によってのみ書き込み可能であり、
前記RFIDタグ内に保存されている前記遊技機の前記有効場所および前記有効期限は、前記遊技機の前記
読込手段および前記遊技機の前記管理者または前記製造者が保有する専用の読込手段によってのみ読み込み可能であることを特徴とする遊技機。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、遊技機が所定の有効場所以外の場所で使用されること、および、所定の有効期限外で使用されることを防止することができ、遊技機の不正利用を防止することができる。さらに、遊技機の現在位置情報の経時データが遊技機のメモリー内に保存されるので、遊技機が不法投棄または不正転売された場合に、現在位置情報の経時データを参照することにより、遊技機の流通ルートを特定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の遊技機および遊技機の制御方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて説明する。最初に、
図1および
図2を参照して本発明に係る遊技機の運用環境(運用システム)について説明する。
図1は、本発明に係る遊技機の運用環境を概念的に示す図である。
図2は、
図1に示す管理センターにおいて管理されている各遊技台用の情報記録媒体の発行/回収履歴である。
【0020】
<遊技機の運用環境>
図1に示すように、本発明に係る遊技機の運用環境は、遊技機1と、遊技機1に対して遊技機1の現在位置情報と現在日時情報を取得(算出)するために必要な情報を送信する通信衛星CSと、遊技機1と通信衛星CSとの間の無線通信を中継する通信アンテナ(または通信リピーター)200と、遊技機1の機能を有効化するために利用される情報記録媒体100と、情報記録媒体100を発行および回収する管理センターMCとを含む。
【0021】
遊技機1は、遊技店内に設置され、ユーザーに任意の種類の遊技を提供する筐体型遊技機である。遊技機1がユーザーに提供する遊技は特に限定されないが、代表的にはパチンコまたはスロットである。
【0022】
遊技機1がユーザーに提供する遊技がパチンコまたはスロットである場合、ユーザーが貸し出されたパチンコ玉またはコインを遊技機1に投入することにより遊技の進行が開始される。遊技の進行が開始されると、遊技機1は、複数の図柄が設けられた複数列の回胴(または、ディスプレイ上での視覚的演出によって表現された仮想的な回胴)10を回転駆動させ、さらに、ユーザーの操作に応じて、回胴10の回転駆動を停止させる。この際、回胴10が停止した時の図柄配列によって外れ、当り、大当たり等の抽選を実行し、当該抽選の結果に基づいて、パチンコ玉またはコインをユーザーから回収またはユーザーへ払い出す。このような制御を実行することにより、遊技機1は、ユーザーにパチンコまたはスロットを提供することができる。また、遊技機1は、ディスプレイ等の表示部とスピーカーを有しており、遊技の内容に応じた画像や音楽をユーザーに提供することができる。
【0023】
遊技機1は、遊技店内であって、通信アンテナ(または通信リピーター)200と無線通信可能な位置に配置される。また、遊技機1は、遊技機1の機能を有効化するために利用される情報記録媒体100を着脱(挿入および取り出し)自在に受け入れ可能に構成されている。遊技機1への情報記録媒体100の着脱は、遊技店の店員または遊技機1の管理者等によって実行される。
【0024】
この情報記録媒体100は、管理センターMCから遊技機1を使用する遊技店に対し貸与されるものであって、所定の時間間隔毎(例えば、毎月、半年ごと、毎年)に管理センターMCによって遊技店に対し発行され、さらに、所定の時間間隔毎に遊技店から管理センターMCに回収される。遊技機1は、管理センターMCから発行される情報記録媒体100を受け入れてない状態では、ユーザーへの遊技の提供を許可しないよう構成されている。
【0025】
通信衛星CSは、対象となる遊技機1に対し、遊技機1の現在位置情報と現在日時情報を取得(算出)するために必要な情報を送信する機能を有する。具体的には、通信衛星CSは、対象となる遊技機1に対し、通信衛星CSの位置情報と、情報を送信した時刻とを送信する。通信衛星CSから情報(通信衛星CSの位置情報および情報を送信した時刻)を受信した遊技機1は、通信衛星CSから受信した情報に基づいて、遊技機1の現在位置情報と現在日時情報を取得(算出)する。
【0026】
なお、遊技機1が通信衛星CSから受信した情報に基づいて、遊技機1の現在位置情報と現在日時情報を取得するためには、遊技機1は、少なくとも4機の通信衛星CSから別々に、遊技機1の現在位置情報と現在日時情報を取得するために必要な情報を受信する必要がある。
【0027】
通信衛星CSとしては、GPS衛星、GNSS衛星、RNSS衛星等を挙げることができる。遊技機1の現在位置情報は、いくつかの国際的な座標系のうちの1つを使用して遊技機1の現在位置を特定するための情報であり、代表的には、遊技機1の緯度、経度等である。また、遊技機1の現在位置情報は、遊技機1が位置する場所の国、県、市、番地等を含む所在地住所であってもよい。
【0028】
なお、本実施形態では、遊技機1は、遊技機1の現在位置情報を取得するための情報を通信衛星CSから受信しているが、本発明はこれに限られない。例えば、遊技機1は、遊技機1の近辺に位置する携帯基地局や無線LANのアクセスポイント等の設備から、該設備の位置情報を、遊技機1の現在位置情報として取得してもよい。このような通信衛星CSを用いない現在位置情報取得方法は、簡易位置測定と称され、通信衛星CSを用いた現在位置情報取得と比較して現在位置情報の精度が落ちるものの、現在位置情報を素早く取得できる。また、遊技機1は、帯基地局や無線LANのアクセスポイント等の設備受信した電波の強度に応じて、該設備からの離間距離を算出し、それに基づいて、遊技機1の現在位置情報を算出してもよい。
【0029】
また、本実施形態では、遊技機1は、現在日時情報を取得するための情報を通信衛星CSから受信しているが、本発明はこれに限られない。例えば、遊技機1は、インターネット上のタイムサーバー、電波時計等の通信衛星CSとは異なる設備から、遊技機1に対して現在日時情報を取得してもよい。この場合、遊技機1は、通信衛星CSから遊技機1の現在位置情報を取得するための情報を取得し、上述の通信衛星CSとは異なる設備から現在日時情報を送信してもよい。
【0030】
通信アンテナ(または通信リピーター)200は、通信衛星CSと遊技機1との間の無線通信を中継する機能を有する。前述のように、遊技機1は遊技店内に設置されるため、屋内に設置された遊技機1は、通信衛星CSやその他設備からの信号(電波)を受信することができない。そのため、通信衛星CSからの信号を、屋内に設置された遊技機1に中継する通信アンテナ(または通信リピーター)200が用いられる。
【0031】
通信アンテナ200は、屋外に設置され、通信衛星CSやその他の設備からの信号を中継し、遊技機1に送信する。一方、通信リピーター200は、遊技店内等の屋内に設置され、通信アンテナ200から送信された信号をさらに中継し、遊技機1に送信する。
【0032】
遊技機1が通信衛星CSと通信を行う際には、通信アンテナ(または通信リピーター)200として、GPS/GNSS/RNSS信号アンテナ(またはGPS/GNSS/RNSS信号リピーター)が利用さる。一方、遊技機1が通信衛星CS以外のその他設備と通信を行う際には、通信アンテナ(または通信リピーター)200として、その設備の種類に応じた通信アンテナ(または通信リピーター)が利用される。
【0033】
なお、以下の説明では、説明の簡略化のため、遊技機1は、通信衛星CSから、遊技機1の現在位置情報および現在日時情報を取得するための情報を受信し、遊技機1の現在位置情報および現在日時情報を取得するものとして説明を行う。
【0034】
管理センターMCは、情報記録媒体100の発行および回収を通じて、遊技機1の管理を行う。上述のように、遊技機1は、管理センターMCから発行される情報記録媒体100を受け入れてない状態では、ユーザーへの遊技の提供を許可しないよう構成されているため、管理センターMCは、情報記録媒体100の発行および回収を行うことによって、遊技機1の管理を行うことができる。
【0035】
管理センターMCは、例えば、遊技機1の管理者または製造者によって運営される。また、管理センターMCは、情報記録媒体100内に、管理対象の遊技機1の識別番号、有効場所および有効期限を書き込み可能な専用の書込手段(図示せず)と、情報記録媒体100から情報を読み込み可能な専用の読込手段(図示せず)と、
図2に示すような管理対象の遊技機1毎の情報記録媒体100の発行および回収履歴を保存しているデータベース(図示せず)とを有している。
【0036】
管理センターMCは、管理対象の遊技機1用の情報記録媒体100内に、管理対象の遊技機1の識別番号、有効場所および有効期限を書き込み、さらに、情報の書き込みが終了した情報記録媒体100を、遊技機1を利用する遊技店へ発行する。管理センターMCは、遊技店へ情報記録媒体100を発行する際、情報記録媒体100の発行日時、発行先をデータベースに記録し、情報記録媒体100の発行および回収履歴を更新する。
【0037】
さらに、所定の時間(例えば、1か月、半年、1年)が経過した後、管理センターMCは、遊技機1を利用する遊技店から、情報記録媒体100を回収する。管理センターMCは、情報記録媒体100を回収すると、専用の読込手段を用いて情報記録媒体100内に記録されている情報を確認し、情報記録媒体100を特定する。その後、管理センターMCは、情報記録媒体100の回収日時、回収先をデータベースに記録し、情報記録媒体100の発行および回収履歴を更新する。
【0038】
管理センターMCは、このようにして更新される情報記録媒体100の発行および回収履歴を参照することにより、いつ、誰に、どの遊技機1用の情報記録媒体100が発行されたのかを特定することができ、さらに、いつ、誰からどの遊技機1用の情報記録媒体100が回収されたのかを特定することができる。そのため、不法投棄または不正転売された遊技機1が回収または発見された場合、管理センターMCは、不法投棄または不正転売された遊技機1の識別番号を特定することにより、いつ、誰によって遊技機1が不法投棄または不正転売されたのかを調査することができる。
【0039】
管理センターMCによって発行および回収される情報記録媒体100は、接触型または非接触型の情報記録媒体である。情報記録媒体100の種類は特に限定されないが、コストが安く、信頼性が高い非接触型の情報記録媒体であるRFID(Radio Frequency Identifier)タグを情報記録媒体100として用いることが好ましい。
【0040】
情報記録媒体100は、管理対象の遊技機1の識別番号102、有効場所104(例えば、緯度、経度)、および有効期限106(例えば、年月日)を保存している。情報記録媒体100は、認証セキュリティ技術を採用しており、認証された特定の情報読込/書込装置によってのみ、情報記録媒体100からの情報の読み込みおよび情報記録媒体100への情報の書き込みが可能となっている。
【0041】
具体的には、情報記録媒体100への遊技機1の識別番号102、有効場所104、および有効期限106の書き込みは、管理センターMCが有する専用の書込手段によってのみ実行可能となっている。また、情報記録媒体100からの情報の読み込みは、後述する遊技機1の読込手段35または管理センターMCの専用の読込手段によってのみ実行可能となっている。そのため、汎用の情報読込/書込装置(例えば、PCカードリーダー、スマホ等)を用いても、情報記録媒体100にアクセスすることができない。これにより、情報記録媒体100への不正なアクセスを防止することができる。
【0042】
<遊技機1>
次に、
図3〜
図4を参照して、本発明に係る遊技機を説明する。
図3は、
図1に示す遊技機1のブロック図である。
図4は、
図1に示す遊技機1のメモリー内に保存されている現在位置情報の経時データを示す図である。
【0043】
図3に示すように、遊技機1は、ユーザーに対して遊技を提供するための制御を実行する遊技提供ユニット2と、ユーザーに対する遊技の提供を許可するか否かを判別するための遊技提供許可判別ユニット3と、を備えている。遊技提供ユニット2および遊技提供許可判別ユニット3は、システムバス等のデータバスによって接続されており、信号の授受を行うことができる。
【0044】
遊技提供ユニット2は、ユーザーに遊技を提供するための制御を実行し、ユーザーに遊技を提供する機能を有する。また、遊技提供ユニット2は、遊技提供許可判別ユニット3から遊技提供許可信号を受信した場合にのみ、ユーザーに遊技を提供するよう構成されている。すなわち、遊技提供ユニット2は、遊技提供許可判別ユニット3から遊技提供許可信号を受信しない限り、ユーザーに遊技を提供しない。
【0045】
遊技提供許可判別ユニット3は、ユーザーに対する遊技の提供を許可するか否かを判別する機能を有する。遊技提供許可判別ユニット3は、遊技提供ユニット2が実装されている基板上に実装されていてもよいし、別基板上に実装されていてもよい。
【0046】
遊技提供許可判別ユニット3は、遊技機1の電源がオンされる度に、ユーザーに対する遊技の提供を許可するか否かを判別してもよいし、遊技提供ユニット2からの要求(リクエスト)に応じて、ユーザーに対する遊技の提供を許可するか否かを判別してもよい。遊技提供許可判別ユニット3が、遊技提供ユニット2からの要求に応じて、ユーザーに対する遊技の提供を許可するか否かを判別する場合、遊技提供ユニット2からの要求は、遊技機1の電源がオンされたときにのみ遊技提供許可判別ユニット3に送られてもよいし、所定の時間間隔毎(例えば、10分毎、1時間毎、1日毎、1ヶ月毎)に遊技提供許可判別ユニット3に送られてもよいし、遊技提供ユニット2が実行する処理内容に応じて遊技提供許可判別ユニット3に送られてもよい。
【0047】
図3に示すように、遊技提供許可判別ユニット3は、遊技提供許可判別ユニット3の制御を行う制御部31と、遊技提供許可判別ユニット3の機能を提供するために必要なデータ、プログラム、モジュール等を保存しているメモリー32と、通信衛星CSと通信を行い、遊技機1の現在位置情報および現在日時情報を取得するため情報を受信し、受信した情報に基づいて遊技機1の現在位置情報および現在日時情報を取得するための情報取得手段33と、情報記録媒体100を着脱自在に受け入れるための記録媒体受入部34と、記録媒体受入部34が受け入れた情報記録媒体100を読み込み、情報記録媒体100内に保存されている情報を読み込むための読込手段35と、を備えている。また、制御部31は、メモリー32、情報取得手段33、および読込手段35と、システムバス等のデータバスによって接続されており、制御部31は、このデータバスを介して、各コンポーネントとの間の各種データや各種指示の授受を行う。
【0048】
制御部31は、遊技提供許可判別ユニット3の制御を行う機能を有している。制御部31は、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサー、マイクロコンピューター、マイクロコントローラー、デジタル信号プロセッサー、CPU、MCU、状態機械、論理回路、ASIC、またはこれらの組み合わせ等のコンピューター可読命令に基づいて信号操作等の演算処理を実行する演算ユニットである。特に、制御部31は、メモリー32内に保存されているコンピューター可読命令(例えば、データ、プログラム、モジュール等)をフェッチし、信号操作および制御を実行するよう構成されている。
【0049】
メモリー32は、揮発性記憶媒体(例えば、RAM、SRAM、DRAM)、不揮発性記憶媒体(例えば、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリー、ハードディスク、光ディスク、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク)、またはこれらの組み合わせを含む着脱式または非着脱式のコンピューター可読媒体である。
【0050】
メモリー32は、遊技機1を一意(ユニーク)に特定するための識別番号320と、遊技機1の現在位置情報の経時データ322と、その他データ324とを保存している。
【0051】
識別番号320は、遊技機1のシリアル番号、製造番号等の遊技機1を一意に識別するための番号である。識別番号320は、遊技機1の出荷時または製造時等に、遊技機1の製造者または管理者によってメモリー32の不揮発性記憶媒体(例えば、ROM)に上書き不能かつ消去不能に書き込まれている。
【0052】
現在位置情報の経時データ322は、
図4に示すような、遊技機1の現在位置情報の経時変化を表すデータであり、メモリー32の不揮発性記憶媒体内に保存されている。遊技機1は、起動毎または所定の時間間隔毎(例えば、日に一度、月に一度、半年に一度、1年に一度)に、情報取得手段33を用いて、通信衛星CSから取得した遊技機1の現在位置情報と現在日時情報をメモリー32内に書き込み、現在位置情報の経時データ322を更新する。
【0053】
このように、本発明の遊技機1においては、現在位置情報の経時データ322がメモリー32内に保存されている。そのため、不法投棄または不正転売された遊技機1を回収した際に、メモリー32内に保存されている現在位置情報の経時データ322を解析することにより、遊技機1の不法投棄または不正転売の流通ルートを特定することが可能となっている。
【0054】
例えば、現在位置情報の経時データ322を解析することにより、遊技機1がどの遊技店で使用されていたのか、どの時点で遊技店から運び出されたのか、運び出された後、どの中古業者に回収または転売されたのか等を特定することができる。これにより、遊技機1の不法投棄または不正転売の流通ルートを特定し、さらに、要注意の遊技店や中古業者を特定することができる。
【0055】
なお、
図4に示す例では、現在位置情報の経時データ322は、遊技機1の現在位置情報が取得された際の日時情報である「日付」項目および「時間」項目と、遊技機1の現在位置情報である「緯度」項目および「経度」項目とを含んでいるが、本発明はこれに限られず、現在位置情報の経時データ322は、遊技機1の不法投棄または不正転売の流通ルートを特定するために有用なその他の情報をさらに保存していてもよい。
【0056】
その他データ324は、遊技提供許可判別ユニット3の動作や制御部31による制御に必要または有用なデータであって、メモリー32の揮発性記憶媒体(例えば、RAM)や不揮発性記憶媒体内に保存されている。例えば、その他データ324は、遊技提供許可判別ユニット3が動作を実行している最中に発生するフラグや信号等であり、メモリー32の揮発性記憶媒体内に一時的に記憶される。また、例えば、その他データ324は、制御部31が制御を実行する際に参照される変数やデータ構造等であって、メモリー32の不揮発性記憶媒体内に記憶されている。
【0057】
情報取得手段33は、通信アンテナ(または通信リピーター)200を介して、通信衛星CSから遊技機1の現在位置情報および現在日時情報を取得するための情報を受信し、受信した情報に基づいて遊技機1の現在位置情報および現在日時情報を取得する機能を有する。
【0058】
情報取得手段33は、通信衛星CSから現在位置情報および現在日時情報を取得するための情報を受信可能であり、かつ、受信した情報に基づいて遊技機1の現在位置情報および現在日時情報を取得可能であれば、特に限定されない。例えば、GPS信号受信手段、GNSS信号受信手段、およびRNSS信号受信手段等を情報取得手段33として用いることができる。なお、本実施形態では、情報取得手段33は、通信衛星CSから、現在位置情報および現在日時情報を取得するための情報を受信し、受信した情報に基づいて遊技機1の現在位置情報および現在日時情報を取得するが、前述のように、現在位置情報および/または現在日時情報が通信衛星CS以外のその他設備から取得される場合には、情報取得手段33は、該設備の種類に応じた様態を有する。
【0059】
情報取得手段33が取得した遊技機1の現在位置情報および現在日時は、制御部31によって、メモリー32内に一時保存され、遊技機1の制御に利用される。また、情報取得手段33が取得した遊技機1の現在位置情報および現在日時は、制御部31によって、現在位置情報の経時データ322を更新するために利用される。なお、現在位置情報の経時データ322の更新は、情報取得手段33が現在位置情報および現在日時を取得する度に実行されてもよいし、所定の時間間隔で実行されてもよい。
【0060】
記録媒体受入部34は、情報記録媒体100を着脱自在に受け入れ可能な情報記録媒体100の種類に応じたポートである。例えば、情報記録媒体100がRFIDタグである場合、記録媒体受入部34は、RFIDタグを着脱自在に受け入れるためのRFIDポートである。記録媒体受入部34への情報記録媒体100の着脱(挿入および取り出し)は、遊技店の店員または遊技機1の管理者等によって実行される。
【0061】
読込手段35は、記録媒体受入部34内に受け入れられた情報記録媒体100を読み込み、情報記録媒体100内に保存されている識別番号102、有効場所104および有効期限106を取得する機能を有する。読込手段35は、情報記録媒体100の種類に応じた読込機構を有している。例えば、情報記録媒体100が接触型の情報記録媒体である場合、読込手段35は、情報記録媒体100に接触することにより、情報記録媒体100を読み込む機構を有する。また、情報記録媒体100がRFIDタグ等の非接触型の情報記録媒体である場合、読込手段35は、RFIDリーダー等であり、短距離無線通信を利用することにより、情報記録媒体100を読み込む機構を有する。
【0062】
なお、情報取得手段33、記録媒体受入部34および読込手段35は、遊技提供許可判別ユニット3の制御部31およびメモリー32等が実装されている基板上に設けられていてもよいし、制御部31およびメモリー32等が実装されている基板とは異なる遊技機1の筐体内の別基板上に設けられていてもよいし、遊技機1の筐体内部または筐体外部の任意の位置に設けられていてもよい。例えば、情報取得手段33、記録媒体受入部34および読込手段35は、遊技機1の筐体外部にネジ等によって固定され、さらに、データバス等によって制御部31に接続されていてもよい。
【0063】
読込手段35によって取得された識別番号102、有効場所104および有効期限106は、制御部31によって、メモリー32内に一時保存され、遊技機1の制御に利用される。具体的には、制御部31は、識別番号102、有効場所104および有効期限106を用いて、以下の3つのチェックを実行し、ユーザーに対する遊技の提供を許可するか否かを判別する。
【0064】
(識別番号チェック)
制御部31は、メモリー32内に保存されている識別番号320と、読込手段35によって取得された識別番号102とを比較し、識別番号320と識別番号102とが一致するかを判別する。これにより、情報記録媒体100が、対象(ターゲット)としている遊技機1に正しく挿入されているか(取り付けられているか)否かをチェックすることができる。このような識別番号チェックにより、情報記録媒体100が、対象としていない遊技機1に誤って挿入され、不適切な有効場所104および有効期限106に基づいて遊技機1が制御されることを防止することができる。
【0065】
(有効場所チェック)
制御部31は、情報取得手段33が取得した現在位置情報と、読込手段35によって取得された有効場所104とを比較し、現在位置情報が有効場所104の範囲内であるかを判別する。これにより、遊技機1が管理センターMCによって設定された遊技機1の有効場所の範囲内に存在しているか否かをチェックすることができる。
【0066】
具体的には、制御部31は、情報取得手段33が取得した現在位置情報に基づき、遊技機1が、読込手段35によって取得された有効場所104(具体的な、緯度および経度)から所定の範囲内(例えば、半径100m以内)に存在しているか否かをチェックする。遊技機1が、読込手段35によって取得された有効場所104から所定の範囲内に存在している場合には、制御部31は、遊技機1が管理センターMCによって設定された有効場所の範囲内に存在していると判別する。一方、遊技機1が、読込手段35によって取得された有効場所104から所定の範囲内に存在していない場合には、制御部31は、遊技機1が管理センターMCによって設定された遊技機1の有効場所の範囲内に存在していないと判別する。
【0067】
このような有効場所チェックにより、遊技機1が、管理センターMCによって指定された正規の遊技店内で使用されているか否かを判別することができる。
【0068】
(有効期限チェック)
制御部31は、情報取得手段33が取得した現在日時情報と、読込手段35によって取得された有効期限106とを比較し、遊技機1が管理センターMCによって設定された遊技機1の有効期限内で使用されているか否かをチェックする。これにより、遊技機1が、管理センターMCによって指定された有効期限内で適切に使用されているか否かを判別することができる。
【0069】
制御部31は、上述の識別番号チェック、有効場所チェック、および有効期限チェックの結果が全て真(True)となる場合にのみ、遊技提供ユニット2に対し遊技提供許可信号を送信する。一方、制御部31は、上述の識別番号チェック、有効場所チェック、および有効期限チェックの結果が1つでも偽(False)である場合、遊技提供ユニット2に対しエラー信号を送信する。
【0070】
上述のように、遊技提供ユニット2は、遊技提供許可判別ユニット3から遊技提供許可信号を受信した場合にのみ、ユーザーに遊技を提供するよう構成されている。一方、遊技提供ユニット2は、遊技提供許可判別ユニット3からエラー信号を受信した場合、ユーザーへ遊技を提供しない。
【0071】
ただし、遊技提供ユニット2が一度遊技提供許可信号を受信し、ユーザーに遊技を提供している最中に、所定の時間間隔(例えば、10分毎、1時間毎、1日毎、1ヶ月毎)で遊技提供ユニット2から遊技提供許可判別ユニット3に対して要求が送られる場合がある。この場合、遊技提供許可判別ユニット3は、遊技提供ユニット2がユーザーに遊技を提供している最中に、上述の判定を行い、遊技提供ユニット2に遊技提供許可信号またはエラー信号を送信する。
【0072】
遊技提供ユニット2がユーザーに遊技を提供している最中に、遊技提供許可判別ユニット3から遊技提供許可信号を受信した場合、遊技提供ユニット2は、ユーザーに対する遊技の提供を続行する。一方、遊技提供ユニット2がユーザーに遊技を提供している最中に、遊技提供許可判別ユニット3からエラー信号を受信した場合、遊技提供ユニット2は、ユーザーに対する遊技の提供を続行する。これは、情報取得手段33の通信エラー(例えば、不正確な情報の取得等)や制御部31の動作エラー等によって、ユーザーが遊技をプレイしている最中に遊技が突然停止してしまうことを防止するためである。
【0073】
このように、遊技提供ユニット2がユーザーに遊技を提供している最中を除き、遊技提供ユニット2は、遊技提供許可判別ユニット3から遊技提供許可信号を受信した場合にのみ、ユーザーに遊技を提供するよう構成されている。そのため、本発明の遊技機1は、上述のような判別を実行する遊技提供許可判別ユニット3を用いることにより、本発明の遊技機1の不適切な場所および不適切な期間における不正利用を防止することができる。特に、遊技提供許可判別ユニット3は、上述の識別番号チェック、有効場所チェック、および有効期限チェックの3重チェックを実行するため、より確実に遊技機1の不正利用を防止することができる。
【0074】
また、本発明の遊技機1の遊技提供許可判別ユニット3は、
図4に示したような現在位置情報の経時データ322をメモリー32内に保存している。そのため、不法投棄または不正転売された遊技機1を回収した際に、メモリー32内に保存されている現在位置情報の経時データ322をチェックすることにより、遊技機1の不法投棄または不正転売の流通ルートを特定することができる。
【0075】
また、上述のように、本発明の遊技機1の運用環境では、管理センターMCは、管理対象の遊技機1毎の情報記録媒体100の発行および回収履歴をデータとして管理している。そのため、不法投棄または不正転売された遊技機1が回収または発見された場合、管理センターMCは、不法投棄または不正転売された遊技機1の識別番号を特定することにより、どの時点で誰によって遊技機1が不法投棄または不正転売されたのかを調査することができる。
【0076】
したがって、本発明の遊技機1によれば、遊技機1の不正利用を防止するとともに、不法投棄または不正転売された遊技機1の流通ルートを特定することができる。
【0077】
<遊技機の制御方法S100>
次に、
図5を参照して、本発明の遊技機の制御方法S100を説明する。
図5は、本発明に係る遊技機を用いた遊技機の制御方法を示すフローチャートである。
【0078】
図5に示す本発明の遊技機の制御方法S100は、ユーザーに遊技を提供するための遊技機において、コンピューター実施される方法である。制御方法S100は、任意の適切なハードウェア、ソフトウェア、ファームフェア、およびこれらの組み合わせにおいて実施することができるが、説明の簡略化のため、以下に説明される実施形態では、制御方法S100は、上述の遊技機1の遊技提供許可判別ユニット3の制御部31によって実施されているものとして説明する。
【0079】
遊技機1の電源がオンされた際、または、遊技提供許可判別ユニット3が遊技提供ユニット2から要求を受信した際、制御方法S100がスタートされる。制御方法S100がスタートされると、工程S102において、制御部31は、読込手段35が情報記録媒体100にアクセスできたか否か判別し、この判別結果に基づいて、記録媒体受入部34内に情報記録媒体100が挿入されているか否かを判別する。
【0080】
工程S102において、制御部31が、記録媒体受入部34内に情報記録媒体100が挿入されていないと判別した場合、制御方法S100は、工程S104に移行する。工程S104において、制御部31は、記録媒体受入部34内に情報記録媒体100が挿入されていない旨を示す受入エラーメッセージを遊技機1の表示部に表示する。その後、制御方法S100は、工程S106に移行する。工程S106において、制御部31は、遊技提供ユニット2に対しエラー信号を送信する。工程S106において遊技提供ユニット2に対しエラー信号が送信されると、制御方法S100が終了する。
【0081】
一方、工程S102において、制御部31が、記録媒体受入部34内に情報記録媒体100が挿入されていると判別した場合、制御方法S100は、工程S108に移行する。工程S108において、情報取得手段33が、通信アンテナ(または通信リピーター)200を介して、通信衛星CSから遊技機1の現在位置情報および現在日時情報を取得するための情報を受信し、受信した情報に基づいて遊技機1の現在位置情報および現在日時情報を取得する。取得された遊技機1の現在位置情報および現在日時情報は、制御部31によって、メモリー32内に一時保存される。
【0082】
次に、工程S110において、制御部31は、通信衛星CSから遊技機1の現在位置情報および現在日時情報を取得するための情報を受信できたか否かを判別する。工程S110において、制御部31が、通信衛星CSから遊技機1の現在位置情報および現在日時情報を取得するための情報を受信できなかったと判別した場合、制御方法S100は、工程S112に移行する。工程S112において、制御部31は、情報取得手段33と通信衛星CSとの通信が失敗した旨を示す通信エラーメッセージを遊技機1の表示部に表示する。その後、制御方法S100は、工程S106に移行する。工程S106において、制御部31は、遊技提供ユニット2に対しエラー信号を送信する。工程S106において遊技提供ユニット2に対しエラー信号が送信されると、制御方法S100が終了する。
【0083】
一方、工程S110において、制御部31が、通信衛星CSから現在位置情報および現在日時情報を取得するための情報を受信できたと判別した場合、制御方法S100は、工程S114に移行する。工程S114において、制御部31は、取得した現在位置情報および現在日時情報を用いて、メモリー32内に保存されている現在位置情報の経時データ322を更新する。なお、工程S114における現在位置情報の経時データ322の更新は、制御方法S100が実行される度に実行されてもよいし、所定の時間間隔毎に実行されてもよい。
【0084】
次に、工程S116において、読込手段35によって、記録媒体受入部34内の情報記録媒体100が読み込まれ、情報記録媒体100内に保存されている識別番号102と、有効場所104と、有効期限106とが取得される。取得された識別番号102、有効場所104、および有効期限106は、制御部31によって、メモリー32内に一時保存される。
【0085】
工程S118において、制御部31は、上述の識別番号チェックを実行する。すなわち、制御部31は、上述のメモリー32内に保存されている識別番号320と、読込手段35によって取得された識別番号102とを比較し、識別番号320と識別番号102とが一致するか否かを判別する。
【0086】
工程S118において、制御部31が、識別番号320と識別番号102とが一致していないと判別した場合、制御方法S100は、工程S120に移行する。工程S120において、制御部31は、メモリー32内に保存されている識別番号320と、読込手段35によって取得された識別番号102とが一致せず、情報記録媒体100が、対象としている遊技機1に正しく挿入されていない旨を示す識別番号エラー表示を遊技機1の表示部に表示する。その後、制御方法S100は、工程S106に移行する。工程S106において、制御部31は、遊技提供ユニット2に対しエラー信号を送信する。工程S106において遊技提供ユニット2に対しエラー信号が送信されると、制御方法S100が終了する。
【0087】
一方、工程S118において、制御部31が識別番号320と識別番号102とが一致していると判別した場合、制御方法S100は、工程S122に移行する。工程S122において、制御部31は、上述の有効場所チェックを実行する。すなわち、制御部31は、情報取得手段33が取得した現在位置情報と、読込手段35によって取得された有効場所104とを比較し、遊技機1が管理センターMCによって設定された有効場所の範囲内に存在しているか否かをチェックする。
【0088】
工程S122において、制御部31が、遊技機1が管理センターMCによって設定された遊技機1の有効場所の範囲内に存在していないと判別した場合、制御方法S100は、工程S124に移行する。工程S124において、制御部31は、遊技機1が管理センターMCによって設定された有効場所の範囲内に存在していない旨を示す有効場所エラーメッセージを遊技機1の表示部に表示する。その後、制御方法S100は、工程S106に移行する。工程S106において、制御部31は、遊技提供ユニット2に対しエラー信号を送信する。工程S106において遊技提供ユニット2に対しエラー信号が送信されると、制御方法S100が終了する。
【0089】
一方、工程S122において、制御部31が、遊技機1が管理センターMCによって設定された遊技機1の有効場所の範囲内に存在していると判別した場合、制御方法S100は、工程S126に移行する。工程S126において、制御部31は、上述の有効期限チェックを実行する。すなわち、制御部31は、情報取得手段33によって取得した現在日時情報と、読込手段35によって取得された有効期限106とを比較し、遊技機1が管理センターMCによって設定された遊技機1の有効期限内で使用されているか否かをチェックする。
【0090】
工程S126において、制御部31が、遊技機1が管理センターMCによって設定された遊技機1の有効期限内で使用されていないと判別した場合、制御方法S100は、工程S128に移行する。工程S128において、制御部31は、遊技機1が管理センターMCによって設定された遊技機1の有効期限内で使用されていない旨を示す有効期限エラーメッセージを遊技機1の表示部に表示する。その後、制御方法S100は、工程S106に移行する。工程S106において、制御部31は、遊技提供ユニット2に対しエラー信号を送信する。工程S106において遊技提供ユニット2に対しエラー信号が送信されると、制御方法S100が終了する。
【0091】
一方、工程S126において、制御部31が、遊技機1が管理センターMCによって設定された遊技機1の有効期限内で使用されていると判別した場合、制御方法S100は、工程S130に移行する。工程S130において、制御部31は、遊技提供ユニット2に対し遊技提供許可信号を送信する。工程S130において遊技提供ユニット2に対し遊技提供許可信号が送信された後、制御方法S100が終了する。
【0092】
このような制御方法S100によって、遊技提供許可判別ユニット3から遊技提供ユニット2に対し、遊技提供許可信号またはエラー信号のいずれか一方が送信される。遊技提供ユニット2は、遊技提供許可判別ユニット3から遊技提供許可信号を受信した場合には、ユーザーに遊技を提供する。
【0093】
一方、遊技提供ユニット2が遊技提供許可判別ユニット3からエラー信号を受信した場合には、遊技機1の電源が強制的にオフされる。または、遊技提供ユニット2が遊技提供許可判別ユニット3からエラー信号を受信した場合には、遊技機1の電源が強制的にオフされず、遊技機1の機能が無効され、ユーザーへの遊技の提供が不可能とされる。この場合、管理センターMCに連絡を取ることを促す旨のメッセージが遊技機1の表部に表示される。
【0094】
ただし、このような遊技提供ユニット2が遊技提供許可判別ユニット3からエラー信号を受信した場合の処理は、遊技提供ユニット2が既にユーザーに遊技を提供している最中には実行されない。すなわち、遊技提供許可判別ユニット3からエラー信号を受信した場合であっても、遊技提供ユニット2がユーザーに遊技を提供している最中である場合、遊技提供ユニット2は、ユーザーに対する遊技の提供を続行する。
【0095】
このように、本発明の遊技機の制御方法S100では、遊技機1は、遊技提供ユニット2がユーザーに遊技を提供している最中を除き、遊技提供ユニット2は、遊技提供許可判別ユニット3から遊技提供許可信号を受信した場合にのみ、ユーザーに遊技を提供するよう制御されている。そのため、本発明の遊技機の制御方法S100によれば、遊技機1の不適切な場所および不適切な期間における不正利用を防止することができる。
【0096】
また、工程S114において、メモリー32内に保存されている現在位置情報の経時データ322が更新されるので、不法投棄または不正転売された遊技機1を回収した際に、メモリー32内に保存されている現在位置情報の経時データ322をチェックすることにより、遊技機1の不法投棄または不正転売の流通ルートを特定することができる。
【0097】
以上、本発明の遊技機および遊技機の制御方法を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明の各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、本発明の各構成に任意の構成のものを付加することができる。
【0098】
例えば、
図3に示された遊技機1のコンポーネントの数や種類は、説明のための例示にすぎず、本発明は必ずしもこれに限られない。本発明の原理および意図から逸脱しない範囲において、任意のコンポーネントが追加若しくは組み合わされ、または任意のコンポーネントが削除された様態も、本発明の範囲内である。
【0099】
また、
図5に示された遊技機の制御方法S100の工程の数や種類は、説明のための例示にすぎず、本発明は必ずしもこれに限られない。本発明の原理および意図から逸脱しない範囲において、任意の工程が、任意の目的で追加若しくは組み合され、または、任意の工程が削除される様態も、本発明の範囲内である。
【解決手段】遊技機1は、メモリー32と、遊技機1の現在位置情報と現在日時情報とを取得するための情報取得手段33と、遊技機1の有効場所104と有効期限106とを保存している接触型または非接触型の情報記録媒体100を読み込むための読込手段35と、を備えている。遊技機1は、情報取得手段33が取得した現在位置情報が情報記録媒体100内に保存されている有効場所104の範囲内であり、さらに、情報取得手段33が取得した現在日時情報が情報記録媒体100内に保存されている有効期限106内である場合にのみ、ユーザーへの遊技の提供を許可するよう構成されている。