(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コンピューティング装置により、リモートサーバから基本コンテンツデータセットを受信することであって、前記基本コンテンツデータセットは、前記リモートサーバにより最も人気のあると決定された、前記リモートサーバにより記憶された既知の視覚的参照のサブセットを含み、各々の既知の視覚的参照は、仮想オブジェクトモデルに対応する、ことと、
前記コンピューティング装置により、前記基本コンテンツデータセットを前記コンピューティング装置のローカルメモリに記憶することと、
前記基本コンテンツデータセットを受信した後、前記コンピューティング装置の光学センサにより、物理オブジェクトのイメージを捕捉することであって、前記イメージは、前記物理オブジェクトに関連付けられた、捕捉された視覚的参照を含む、ことと、
前記コンピューティング装置により、前記物理オブジェクトに関連付けられた前記捕捉された視覚的参照に対応する仮想オブジェクトモデルを識別するように、前記捕捉された視覚的参照に基づいて前記コンピューティング装置の前記ローカルメモリに記憶された前記基本コンテンツデータセットを検索することと、
前記コンピューティング装置の前記ローカルメモリ内の前記基本コンテンツデータセットに前記捕捉された視覚的参照が含まれないと決定することに応答して、前記コンピューティング装置により、前記イメージを前記リモートサーバに送信することであって、前記リモートサーバに、前記捕捉された視覚的参照に対応する前記仮想オブジェクトモデルを識別するように、前記捕捉された視覚的参照に基づいて前記リモートサーバにより記憶された前記既知の視覚的参照を検索させる、ことと、
前記リモートサーバから、前記物理オブジェクトに関連付けられた前記捕捉された視覚的参照に対応する前記仮想オブジェクトモデルを受信することと、
前記仮想オブジェクトモデルに基づいて、前記物理オブジェクトのライブイメージの上に仮想イメージを表示することであって、前記ライブイメージは仮想空間における前記物理オブジェクトに対応するイメージである、ことと、
ユーザにより引き起こされる前記コンピューティング装置の前記物理オブジェクトに相対する動きを検出することに応答して、前記仮想イメージを修正することと、
前記物理オブジェクトの物理操作を検出することと、
前記物理オブジェクトの物理操作に割り当てられた仮想機能を識別することと、
前記の識別された仮想機能を実行することであって、前記仮想機能は、前記物理オブジェクトに電気的に接続されておらずかつ前記物理オブジェクトと通信しない物理装置を制御する、ことと、
を含む方法。
前記仮想オブジェクトの特徴を変更し、又は、前記物理オブジェクトの前記イメージの中の前記参照識別子に関連付けられた前記拡張現実視覚化に基づいて前記仮想オブジェクトを別の仮想オブジェクトで置換すること、
をさらに含む請求項4に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0005】
方法及びシステムの例は、実世界オブジェクト操作に基づいたデータ操作に向けられている。例は単に、あり得るバリエーションの代表例である。特に明示的に記されない限り、コンポーネント及び機能は任意的であり、組み合わせられ又は細分化されてもよい。さらに、動作は順序が変わってもよく、あるいは組み合わせられ又は細分化されてもよい。下記の説明において、説明することを目的として、実施形態例の深い理解を提供するために、多数の具体的な詳細が明記される。しかしながら、本願対象事項は、こうした具体的な詳細なしに実施され得ることが当業者には明らかであろう。
【0006】
拡張現実アプリケーションは、例えば、装置のカメラにより捕捉された物理オブジェクトの画像上にオーバーレイされた3次元仮想オブジェクトの形式などの情報を、ユーザが体験することを可能にする。物理オブジェクトには、拡張現実アプリケーションが識別することができる視覚的参照を含むことができる。追加情報の視覚化、例えば、物理オブジェクトのイメージにオーバーレイされ又は連動した3次元仮想オブジェクトなどが、装置のディスプレイに生成される。3次元仮想オブジェクトは、物理オブジェクトについての認識された視覚的参照又は捕捉されたイメージに基づいて、選択することができる。3次元仮想オブジェクトの視覚化のレンダリングは、視覚的参照に対するディスプレイの位置に基づくことができる。
【0007】
実世界オブジェクト操作に基づくデータ操作のためのシステム及び方法が説明される。装置が、物理オブジェクトのイメージを捕捉する。イメージは、ネットワークを介してリモートサーバに通信される。リモートサーバは、イメージに関連付けられた仮想オブジェクトデータとコンピューティング装置のユーザのための通信通知とを含む。装置は、仮想オブジェクトデータを受信し、仮想オブジェクトデータを用いて仮想風景の中に仮想イメージを表示する。ユーザにより引き起こされるコンピューティング装置と物理オブジェクトとの間の相対的動きに応答して、仮想イメージは修正される。
【0008】
別の実施形態において、装置のユーザのための通信通知に関連付けられた仮想オブジェクトが、装置のディスプレイに生成される。仮想オブジェクトは、装置のユーザのための通信通知に関連付けられる。仮想オブジェクトは、装置により捕捉された物理オブジェクトのイメージと連動する。物理オブジェクトは、通信通知に関連付けられる。仮想オブジェクトの視覚化が、物理オブジェクトに対する装置の位置に基づいてレンダリングされる。物理オブジェクトが識別される。物理オブジェクトの物理操作に関連付けられた仮想機能が識別される。物理オブジェクトの操作に対応する仮想機能が生成される。
【0009】
一実施形態例において、装置は、拡張現実通知モジュール及び物理世界操作モジュールを含む。拡張現実通知モジュールは、装置のディスプレイに、装置のユーザのための通信通知に関連付けられた仮想オブジェクトを生成することができる。仮想オブジェクトは、装置により捕捉された物理オブジェクトのイメージと連動することができる。物理オブジェクトは、通信通知に関連付けることができる。拡張現実通知モジュールは、物理オブジェクトに対する装置の位置に基づいて、仮想オブジェクトの視覚化をレンダリングする。物理世界操作モジュールは、物理オブジェクトを識別し、物理オブジェクトの物理操作に関連付けられた仮想機能にアクセスし、物理オブジェクトの操作に対応する仮想機能を生成することができる。
【0010】
一実施形態例において、装置は、装置のユーザに関連付けられた通知サーバからの通信通知にアクセスするための通知モジュールを含む。通知サーバは、電子メール通知、カレンダーリマインダー通知、及びソーシャルネットワーク通知を生成することができる。
【0011】
一実施形態例において、拡張現実通知モジュールは、参照識別子モジュール、通知視覚化モジュール、及び仮想オブジェクト生成器を含む。参照識別子モジュールは、通信通知に関連付けられた参照識別子にアクセスすることができる。通知視覚化モジュールは、参照識別子に関連付けられた拡張現実視覚化にアクセスすることができる。仮想オブジェクト生成器は、物理オブジェクトのイメージの中の参照識別子に関連付けられた拡張現実視覚化を用いて、物理オブジェクトのイメージの中の参照識別子と連動した仮想オブジェクトを生成することができる。
【0012】
一実施形態例において、通知視覚化モジュールは、仮想オブジェクトの特徴を変更し、物理オブジェクトのイメージの中の参照識別子に関連付けられた拡張現実視覚化に基づいて、仮想オブジェクトを別の仮想オブジェクトで置換することができる。
【0013】
一実施形態例において、物理世界操作モジュールは、物理オブジェクト識別器、物理オブジェクト操作検出器、及び仮想アクチュエータを含む。物理オブジェクト識別器は、物理オブジェクトと、物理オブジェクトの物理操作に関連付けられた仮想機能性とを、識別することができる。物理オブジェクト操作検出器は、物理オブジェクトの物理操作を識別することができる。仮想アクチュエータは、物理オブジェクトについての識別された物理操作に対応する仮想機能を生成することができる。仮想アクチュエータは、物理オブジェクトについての識別された物理操作に対応する仮想ユーザインターフェースを生成することができる。仮想アクチュエータは、物理オブジェクトについての識別された物理操作に応答して、装置上の機能をアクティブ化することができる。
【0014】
仮想アクチュエータは、物理オブジェクトについての識別された物理操作に応答して、別の装置を制御するための仮想機能のコマンドを生成することができる。この別の装置は、物理オブジェクトとの通信を有さなくてもよい。物理オブジェクトの物理操作は、物理オブジェクトを移動させ又は回転させることを含むことができる。
【0015】
別の実施形態例において、非一時的マシン可読記憶装置が、少なくとも1つのプロセッサにより実行されるときに本開示内に論じられる方法動作を該少なくとも1つのプロセッサに実行させる命令セットを記憶することができる。
【0016】
図1は、いくつかの実施形態例に従う、装置の拡張現実アプリケーションを動作させるのに適したネットワーク環境100を例示しているネットワーク図である。ネットワーク環境100は装置101とサーバ110とを含み、これらはネットワーク108を介して互いに通信可能に結合される。装置101及びサーバ110は各々、
図12に関連して下記に説明されるとおり、全体として又は部分的に、コンピュータシステムにおいて実施することができる。
【0017】
サーバ110は、ネットワークベースシステムの一部とすることができる。例えば、ネットワークベースシステムは、3次元モデルなどの追加情報を装置101に提供するクラウドベースのサーバシステムであってもよく、あるいはこれを含んでもよい。
【0018】
図1は、装置101を使用しているユーザ102を例示している。ユーザ102は、人間ユーザ(例えば、人間)、マシンユーザ(例えば、装置101と相互作用するようにソフトウェアプログラムによって構成されたコンピュータ)、又はこれらのうち任意の適切な組み合わせ(例えば、マシンにより支援された人間、又は人間により監督されたマシン)であり得る。ユーザ102は、ネットワーク環境100の一部ではないが、装置101に関連付けられ、装置101のユーザ102であり得る。例えば、装置101は、デスクトップコンピュータ、車載コンピュータ、タブレットコンピュータ、ナビゲーション装置、ポータブルメディア装置、ユーザのスマートフォン、又はユーザウェアラブルコンピューティング装置(例えば、腕時計又はメガネ)であり得る。
【0019】
ユーザ102は、装置101の中のアプリケーションのユーザであってもよい。アプリケーションには、2次元物理オブジェクト104(例えば、画像)又は3次元物理オブジェクト106(例えば、彫像)などの物理オブジェクトによってトリガされる体験をユーザ102に提供するように構成された拡張現実アプリケーションを含むことができる。例えば、ユーザ102は、2次元物理オブジェクト104のイメージを捕捉するように装置101のカメラを向けることができる。イメージは、装置101の拡張現実アプリケーションのローカルコンテキスト認識データセットモジュールを用いて、装置101の中でローカルに認識される。それから、拡張現実アプリケーションは、認識されたイメージの識別に応答して、イメージに対応する追加情報(例えば、3次元モデル)を生成し、この追加情報を装置101のディスプレイに提示する。捕捉されたイメージが装置101においてローカルに認識されない場合、装置101は、ネットワーク108を通じてサーバ110のデータベースから、捕捉されたイメージに対応する追加情報(例えば、3次元モデル)をダウンロードする。
【0020】
装置101は、使用法とユーザ102がどのように物理オブジェクトと相互作用するかとに関するさらなる解析のために、分析的データを捕捉し、サーバ110にサブミットすることができる。例えば、分析的データは、ユーザ102が物理又は仮想オブジェクト上のどの場所(例えば、ポイント又は特徴)を見ているか、ユーザ102が物理又は仮想オブジェクト上の各場所をどれほど長く見ているか、ユーザ102が物理又は仮想オブジェクトを見ているときに装置101をどのように保持しているか、ユーザ102が仮想オブジェクトのどの特徴と相互作用したか(例えば、ユーザ102が仮想オブジェクトの中のリンク上でタップしたかなど)、及びこれらのうち任意の適切な組み合わせを追跡することができる。装置101は、分析的データに関連した視覚化コンテンツデータセットを受信する。それから、装置101は、視覚化コンテンツデータセットに基づいて、追加的特徴若しくは視覚化特徴を用いた仮想オブジェクト、又は新しい体験を生成する。
【0021】
図1に図示されているマシン、データベース又は装置のうち任意のものを、該マシン、データベース又は装置として本明細書に説明される機能のうち1つ以上を実行するための特別目的コンピュータであるようにソフトウェアによって修正された(例えば、構成され、又はプログラムされた)汎用目的コンピュータにおいて実施することができる。例えば、本明細書に説明される方法論のうち任意の1つ以上を実施することができるコンピュータシステムが、
図12に関連して下記に論じられる。本明細書において、「データベース」はデータ記憶リソースであり、テキストファイル、テーブル、スプレッドシート、関係データベース(例えば、オブジェクト関係データベース)、トリプルストア(triple store)、階層データストア、又はこれらのうち任意の適切な組み合わせとして構造化されたデータを記憶することができる。さらに、
図1に例示されたマシン、データベース又は装置のうち任意の2つ以上が単一のマシンへと組み合わせられてもよく、任意の単一のマシン、データベース又は装置として本明細書に説明される機能が、複数のマシン、データベース又は装置にわたって細分化されてもよい。
【0022】
ネットワーク108は、マシン(例えば、サーバ110)、データベース、及び装置(例えば、装置101)の間における又はこれらにわたる通信を可能にする任意のネットワークとすることができる。したがって、ネットワーク108は、有線ネットワーク、ワイヤレスネットワーク(例えば、モバイル又はセルラーネットワーク)、又はこれらのうち任意の適切な組み合わせとすることができる。ネットワーク108は、プライベートネットワーク、パブリックネットワーク(例えば、インターネット)、又はこれらのうち任意の適切な組み合わせを構成する1つ以上の部分を含むことができる。
【0023】
図2は、いくつかの実施形態例に従う、装置101のモジュール(例えば、コンポーネント)を例示しているブロック図である。装置101は、センサ202と、ディスプレイ204と、プロセッサ206と、記憶装置216とを含むことができる。例えば、装置101は、デスクトップコンピュータ、車載コンピュータ、タブレットコンピュータ、ナビゲーション装置、ポータブルメディア装置、又はユーザのスマートフォンであり得る。ユーザ102は、人間ユーザ(例えば、人間)、マシンユーザ(例えば、装置101と相互作用するようにソフトウェアプログラムによって構成されたコンピュータ)、又はこれらのうち任意の適切な組み合わせ(例えば、マシンにより支援された人間、又は人間により監督されたマシン)であり得る。
【0024】
センサ202には、例えば、近接センサ、光学センサ(例えば、カメラ)、向きセンサ(例えば、ジャイロスコープ)、オーディオセンサ(例えば、マイクロフォン)、又はこれらのうち任意の適切な組み合わせを含むことができる。例えば、センサ202には、装置101の背面(rear facing)カメラ及び前面(front facing)カメラを含むことができる。本明細書に説明されるセンサは例示目的のものであり、ゆえにセンサ202は上記の説明されたものに限定されないことが留意される。
【0025】
ディスプレイ204には、例えば、タッチスクリーンディスプレイを含むことができ、このタッチスクリーンディスプレイは、該タッチスクリーンディスプレイ上での接触を介してユーザ入力を受信するように構成される。一例において、ディスプレイ204には、プロセッサ206により生成されたイメージを表示するように構成されたスクリーン又はモニタを含むことができる。別の例において、ディスプレイ204は、ユーザがディスプレイ204を透かして見ることができるように、透過的又は半不透明(semi-opaque)であってもよい。
【0026】
プロセッサ206には、通知モジュール210と拡張現実アプリケーション212とを含むことができる。通知モジュール210は、装置101のユーザに関連付けられた通知サーバからの通信通知にアクセスすることができる。例えば、通知サーバには、電子メール通知、アポイントメントリマインダー、及びタスクリマインダーを生成するように構成された電子メールサーバを含むことができる。通知サーバは、装置101のユーザに関連したソーシャルネットワーク情報更新の通知を生成するように構成されたソーシャルネットワークサーバを含んでもよい。
【0027】
拡張現実アプリケーション212は、装置101のディスプレイ204に、装置101のカメラにより捕捉された物理オブジェクトのイメージの上にオーバーレイされた(例えば、スーパーインポーズされ、あるいはその他の方法で連携して表示された)3次元仮想オブジェクトの視覚化(visualization)を生成することができる。3次元仮想オブジェクトの視覚化は、装置101のカメラに対する物理オブジェクトの位置(例えば、物理オブジェクトの物理的な場所、向き、又は双方)を調整することによって操作することができる。同様に、3次元仮想オブジェクトの視覚化は、物理オブジェクトに対する装置101のカメラの位置を調整することによって操作することができる。
【0028】
一実施形態において、拡張現実アプリケーション212は、捕捉されたイメージに関連付けられた仮想オブジェクト(例えば、捕捉されたイメージに対応する仮想オブジェクト)の3次元モデルを取り出す。例えば、捕捉されたイメージには視覚的参照(visual reference)(マーカーとも呼ばれる)を含むことができ、視覚的参照には、識別可能なイメージ、シンボル、文字、数字、マシン可読コードが含まれる。例えば、視覚的参照には、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、又は3次元仮想オブジェクトに事前に関連付けられているイメージ(例えば、3次元仮想オブジェクトに対応する事前に決定されているイメージ)を含むことができる。
【0029】
一実施形態において、拡張現実アプリケーション212には、拡張現実通知モジュール214と物理世界操作モジュール216とが含まれる。拡張現実通知モジュール214は、装置101のディスプレイ204の中に、装置101のユーザのための通信通知(例えば、医者を呼ぶためのリマインダー)に関連付けられた仮想オブジェクト(例えば、黄色のリマインダーの付箋)を生成する。例えば、仮想オブジェクト(例えば、黄色のリマインダーの付箋)は、装置101により捕捉された物理オブジェクト(例えば、物理的な電話機)のイメージと連動する(engaged)(例えば、物理的な電話機の上に浮かぶ)ことができる。具体的に、物理オブジェクト(例えば、物理的な電話機)は、通信通知(例えば、リマインダー又はボイスメール)に関連付けることができる。それから、拡張現実通知モジュール214は、物理オブジェクト(例えば、物理的な電話機)に対する装置101の位置に基づいて、仮想オブジェクトの視覚化(例えば、ボイスメールシンボル)をレンダリングする(renders)。拡張現実通知モジュール214は、
図3に関連して下記でより詳細に説明される。
【0030】
一実施形態において、物理世界操作モジュール216は、物理オブジェクト(例えば、物理的な電話機)を識別し、物理オブジェクトの物理操作(例えば、物理的な電話機のハンドセットを持ち上げる)に関連付けられた仮想機能にアクセスし(例えば、付近のテレビジョンのボリュームを大きくし、あるいは小さくする)、物理オブジェクトの物理操作に対応する仮想機能を生成することができる。物理世界操作モジュール216は、
図4に関連して下記により詳細に説明される。
【0031】
別の実施形態において、装置101には文脈的(contextual)ローカルイメージ認識モジュール(図示せず)が含まれ、この文脈的ローカルイメージ認識モジュールは、捕捉されたイメージが装置101上のイメージ及び対応する追加情報(例えば、3次元モデル及びインタラクティブな特徴)のローカルデータベースにローカルに記憶されたイメージにマッチするかを決定するように構成される。一実施形態において、文脈的ローカルイメージ認識モジュールは、サーバ110から
基本(primary)コンテンツデータセットを取り出し、装置101で捕捉されたイメージに基づいて文脈的コンテンツデータセットを生成し、更新する。
【0032】
記憶装置208は、視覚的参照(例えば、イメージ)と対応する体験(例えば、3次元仮想オブジェクト、3次元仮想オブジェクトのインタラクティブな特徴)とのデータベースを記憶するように構成することができる。例えば、視覚的参照には、マシン可読コード又は事前に識別されたイメージ(例えば、靴の画像)を含むことができる。事前に識別された靴の画像は、靴の画像に対して装置101の位置を操作することによって種々のアングルから見ることができる靴の3次元仮想モデルに対応させることができる。3次元の仮想の靴の特徴には、靴の3次元の仮想モデル上の選択可能アイコンを含むことができる。アイコンは、装置101上でタップし又は移動させることによって、選択し、あるいはアクティブ化することができる。
【0033】
一実施形態において、記憶装置208には、
基本コンテンツデータセットと、文脈的コンテンツデータセットと、視覚化コンテンツデータセットとが含まれる。
基本コンテンツデータセットには、例えば、第1のイメージセット及び対応する体験(例えば、3次元仮想オブジェクトモデルとの相互作用)が含まれる。例えば、イメージは、1つ以上の仮想オブジェクトモデルに関連付けることができる。
基本コンテンツデータセットは、サーバ110により決定される最も人気のイメージ又はコアのイメージセットを含むことができる。コアのイメージセットには、サーバ110により識別された限られた数のイメージを含むことができる。例えば、コアのイメージセットには、10冊の最も人気の雑誌のカバーを描いたイメージ及びその対応する体験(例えば、10冊の最も人気のある雑誌を表す仮想オブジェクト)を含んでもよい。別の例において、サーバ110は、サーバ110で受信した最も人気のイメージ又はしばしばスキャンされるイメージに基づいて、第1のイメージセットを生成してもよい。こうして、
基本コンテンツデータセットは、装置101の拡張現実アプリケーション212によってスキャンされるオブジェクト又はイメージには依存しない。
【0034】
文脈的コンテンツデータセットには、例えば、サーバ110から取り出された第2のイメージセット及び対応する体験(例えば、3次元仮想オブジェクトモデル)が含まれる。例えば、
基本コンテンツデータセットの中で(例えば、サーバ110によって)認識されていない、装置101で捕捉されたイメージが、サーバ110に認識のためにサブミットされる。捕捉されたイメージがサーバ110によって認識された場合、対応する体験が、装置101においてダウンロードされ、文脈的コンテンツデータセットに記憶されることができる。こうして、文脈的コンテンツデータセットは、装置101が使用されているコンテキストに依拠する。このようなものとして、文脈的コンテンツデータセットは、装置101の拡張現実アプリケーション212によってスキャンされたオブジェクト又はイメージに依存する。
【0035】
一実施形態において、装置101は、ネットワーク108を通じてサーバ110と通信して、視覚的参照と対応する3次元仮想オブジェクトと該3次元仮想オブジェクトの対応するインタラクティブな特徴とのデータベースの一部を取り出すことができる。ネットワーク108は、マシン、データベース、及び装置(例えば、装置101)の間における又はこれらにわたる通信を可能にする任意のネットワークとすることができる。したがって、ネットワーク108は、有線ネットワーク、ワイヤレスネットワーク(例えば、モバイル又はセルラーネットワーク)、又はこれらのうち任意の適切な組み合わせとすることができる。ネットワーク108は、プライベートネットワーク、パブリックネットワーク(例えば、インターネット)、又はこれらのうち任意の適切な組み合わせを構成する1つ以上の部分を含むことができる。
【0036】
本明細書に説明されているモジュールうち任意の1つ以上を、ハードウェア(例えば、マシンのプロセッサ)、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを用いて実施することができる。例えば、本明細書に説明されている任意のモジュールが、該モジュールとして本明細書に説明される動作を実行するようにプロセッサを構成することができる。さらに、上記モジュールのうち任意の2つ以上が単一のモジュールへと組み合わせられてもよく、単一のモジュールとして本明細書に説明されている機能が複数のモジュールに細分化されてもよい。さらに、様々な実施形態例に従い、単一のマシン、データベース、又は装置内で実施されるものとして本明細書に説明されるモジュールが、複数のマシン、データベース、又は装置にわたって分散されてもよい。
【0037】
図3は、いくつかの実施形態例に従う、
図2の拡張現実通知モジュール214のモジュール(例えば、コンポーネント)を例示しているブロック図である。拡張現実通知モジュール214は、参照識別子モジュール304と、通知視覚化モジュール302と、仮想オブジェクト生成器306とを含むことができる。参照識別子モジュール304は、通信通知に関連付けられた参照識別子にアクセスすることができる。例えば、参照識別子は、電子メール通知に関連付けられた黒い物理的なレタートレイの画像とすることができる。通知視覚化モジュール302は、参照識別子に関連付けられた拡張現実視覚化にアクセスすることができる。例えば、拡張現実視覚化には、黒い物理的なレタートレイに関連付けられた光る(flashing)電子メールアイコン、又は白い物理的なレタートレイに関連付けられたレターの仮想の積み重ねを含むことができる。別の例において、黒い物理的なレタートレイが特定の電子メールアカウントからの電子メールに関連付けられてもよく、白い物理的なレタートレイが別の電子メールアカウント又はソーシャルネットワークサービスアカウントに関連付けられてもよい。
【0038】
仮想オブジェクト生成器306は、物理オブジェクトのイメージの中の参照識別子に関連付けられた拡張現実視覚化を用いて、物理オブジェクトのイメージの中の参照識別子と連動した仮想オブジェクトを生成することができる。例えば、新しい電子メール通知を受信すると、仮想オブジェクト生成器306は、装置101のディスプレイ204において、捕捉された物理的なレタートレイの画像の上に、仮想の光る電子メールアイコンを生成する。
【0039】
別の実施形態において、通知視覚化モジュール302が、仮想オブジェクトの特徴を変更してもよい。例えば、電子メールアイコンは、新しい電子メール通知に基づいて、異なる色へ変わることができる。例えば、緊急又は重要とマーク付けされた新しい電子メールが、仮想オブジェクト生成器306に、装置101のディスプレイ204の中の物理的なレタートレイのイメージの上に、光る赤い電子メールアイコンを生成させることができる。別の例において、ソーシャルネットワークサービスを表すアイコンが、新しいソーシャルネットワーク活動通知に基づいて表示されてもよい。例えば、フレンドからの更新を有するソーシャルネットワーク通知が、仮想オブジェクト生成器306に、装置101のディスプレイ204の中の物理的なレタートレイのイメージの上に、フレンドの画像を有するソーシャルネットワークサービスを表すアイコンを生成させることができる。
【0040】
別の実施形態において、通知視覚化モジュール302が、物理オブジェクトのイメージの中の参照識別子に関連付けられた拡張現実視覚化に基づいて、仮想オブジェクトを別の仮想オブジェクトで置換してもよい(仮想オブジェクト除去し、別の仮想オブジェクトを追加する)。
【0041】
図4は、いくつかの実施形態例に従う、
図2の物理世界操作モジュール216のモジュール(例えば、コンポーネント)を例示しているブロック図である。物理世界操作モジュール216は、物理オブジェクト識別器402と、物理オブジェクト操作検出器404と、仮想アクチュエータ(actuator)406とを含む。
【0042】
物理オブジェクト識別器402は、物理オブジェクトと該物理オブジェクトの物理操作に関連付けられた仮想機能性とを識別することができる。例えば、壁の物理的なノブは、実際の物理世界において他のいかなる装置とも一体の機能性を有さないことがある。換言すると、このノブは回転することだけでき、他のいかなる装置にも電気的に接続されていない。ゆえに、ノブの回転は、物理世界において他のいかなる装置にも影響しない。そのようなものとして、物理オブジェクト識別器402は、ノブの物理操作に基づいて、ノブと関連する仮想機能性とを識別することができる。換言すると、ノブとその付近のテレビジョンセットとがいかなる物理的又は電気的関係も有さないとしても、ノブを時計回りに回転させることで、付近のテレビジョンセットのボリュームを大きくする機能をトリガすることができる。同様に、ノブを反時計回りに回転させることで、付近のテレビジョンセットのボリュームを小さくする機能をトリガすることができる。このようなものとして、仮想機能性は、物理世界の中の任意の物理オブジェクトに割り当てることができる。別の例において、ライトがリモートコントロール(リモコン)に電気的に接続されておらず、あるいはリモコンと通信していないとしても、物理操作には、リモコンを面を上にしてテーブルに置くことで、付近のテレビジョンセットをオンにし、さらに同じ部屋の中のライトを弱めるという関連する仮想機能性を備えることを含むことができる。同様に、ライトがリモコンに電気的に接続されておらず、あるいはリモコンと通信していないとしても、物理操作には、リモコンを面を下にしてテーブルに置くことで、付近のテレビジョンセットをオフにし、さらに同じ部屋の中のライトを強めるという関連する機能性を備えることを含むことができる。
【0043】
物理オブジェクト操作検出器404は、物理オブジェクトの物理操作を識別することができる。例えば、物理オブジェクト操作検出器404は、ある表面上でリモコンが面を上にして置かれているか面を下にして置かれているかを識別することができる。別の例において、物理オブジェクト操作検出器404が、ダイアル若しくはノブの回転又はスイッチの位置を識別してもよい。別の例において、物理オブジェクト操作検出器404が、ドアが閉じられているか又は開いているかを決定してもよい。
【0044】
仮想アクチュエータ406は、物理オブジェクトの識別された物理操作に対応する仮想機能を生成することができる。一実施形態において、仮想アクチュエータ406は、物理オブジェクトの識別された物理操作に対応する仮想ユーザインターフェースを生成する。例えば、スイッチがon位置に移動することで、スイッチの上に表示されるべき特定の仮想ユーザインターフェースを生成することができる。別の例において、箱のふたが開けられて、箱の内側に表示される仮想ユーザインターフェースが生成されてもよい。
【0045】
仮想アクチュエータ406は、物理オブジェクトの識別された物理操作に応答して、別の装置を制御するための仮想機能のコマンドを生成することができる。一実施形態において、別の装置は、物理オブジェクトと関係を有さず、物理オブジェクトに電気的に接続されていない。
【0046】
別の例において、仮想アクチュエータ406が、電話を邪魔しないモード(do not disturb mode)に設定したり、物理オブジェクトに関連付けられた予め定義された受信者に電子メール又はテキストを送ったりするなどの、コマンドを生成してもよい。
【0047】
図5は、いくつかの実施形態例に従う、サーバ110のモジュール(例えば、コンポーネント)を例示しているブロック図である。サーバ110には、コンテンツ生成器502と、物理オブジェクト検出器504と、物理オブジェクト機能モジュール505と、データベース506とが含まれる。
【0048】
コンテンツ生成器502は、物理オブジェクトに対する装置101の位置に基づいて、装置101のディスプレイ204にレンダリングされるべき仮想オブジェクトのモデルを生成することができる。物理オブジェクト検出器504は、装置101により捕捉されたイメージから、物理オブジェクトの物理的動きを識別する。物理オブジェクト機能モジュール505は、物理的動きに関連付けられた仮想機能性を決定する。
【0049】
データベース506は、コンテンツデータセット508と、仮想コンテンツデータセット510と、仮想機能データセット512とを記憶することができる。コンテンツデータセット508は、
基本コンテンツデータセット及び文脈的コンテンツデータセットを記憶することができる。
基本コンテンツデータセットは、第1のイメージセットと対応する仮想オブジェクトモデルとを含む。コンテンツ生成器502は、装置101から受信した捕捉されたイメージがコンテンツデータセット508において認識されないと決定し、装置101のための文脈的コンテンツデータセットを生成する。文脈的コンテンツデータセットには、第2のイメージセットと対応する仮想オブジェクトモデルとを含むことができる。仮想コンテンツデータセット510には、対応する物理オブジェクトのイメージに関連付けられた通知の受信に応答して生成されるべき仮想オブジェクトのモデルが含まれる。仮想機能データセット512には、物理オブジェクトの対応する物理操作に関連付けられた仮想機能性が含まれる。
【0050】
図6は、いくつかの実施形態例に従う、装置101の拡張現実通知モジュール214の動作を例示しているラダー図である。動作602において、装置101は、参照識別子のセットをダウンロードする。動作604において、装置101は、物理オブジェクトのイメージを捕捉する。動作606において、装置は、物理オブジェクトの捕捉されたイメージの中の参照識別子を識別する。動作608において、メールサーバ602が、新しいメール通知を装置101に送る。動作610において、装置101は、メールサーバ601からの新しいメール通知に応答して、捕捉されたイメージの中の参照識別子に関連付けられた仮想オブジェクトを生成する。
【0051】
図7は、いくつかの実施形態例に従う、装置101の物理世界操作モジュール216の動作を例示しているラダー図である。動作702において、装置101を使用して、物理オブジェクトのイメージが捕捉される。動作704において、装置101は、物理オブジェクトのイメージをサーバ110に送る。動作706において、サーバ110は、装置101が送ったイメージから、物理オブジェクトを識別し、認識する。換言すると、サーバ110は、識別された物理オブジェクトを有する物理オブジェクトのイメージと、
図5のデータベース506に記憶された仮想機能性とを比較する。動作708において、サーバ110は、物理オブジェクトの仮想機能を決定する。動作710において、サーバ110は、物理オブジェクトの仮想機能性を装置101に送る。動作712において、装置101は、物理オブジェクトについての操作を検出し、別の装置701に対しての対応する仮想機能性を生成する。一実施形態において、装置101により検出される物理オブジェクトは、別の装置701に電気的に結合されていない。
【0052】
図8Aは、装置101の拡張現実通知モジュール214の動作の第1の例を例示している図である。装置101は、そのリアカメラ802を用いて、物理的なレタートレイ804のイメージを捕捉する。装置101は、メールサーバ810から、新しい電子メールの通知を受信する。新しい電子メールの通知に応答して、装置101は、ディスプレイ803の中のレタートレイ808のイメージの上に、メール806の仮想の積み重ねを生成する。
【0053】
図8Bは、装置101の拡張現実通知モジュール214の動作の第2の例を例示している図である。装置101は、そのリアカメラ802を用いて、植木鉢812のイメージを捕捉する。装置101は、カレンダーサーバ814から、植木鉢812に水をやるリマインダーの通知を受信する。リマインダーの通知に応答して、装置101は、ディスプレイ803に、植木鉢の画像816を生成し、植木鉢の画像816を黄色818で色付けする。
【0054】
図8Cは、装置101の拡張現実通知モジュール214の動作の第3の例を例示している図である。装置101は、そのリアカメラ802を用いて、カレンダー820のイメージを捕捉する。装置101は、カレンダーサーバ814から、休日の通知を受信する。休日の通知に応答して、装置101は、ディスプレイ803において、カレンダー822の画像のディスプレイ803に、休日の日付を色824で埋められたカレンダー822の画像を生成する。
【0055】
図9Aは、装置101の物理世界操作モジュール216の動作の第1の例を例示している図である。装置101は、そのリアカメラ902を用いて、ディスプレイ903における表示のために、ノブ904のイメージ905を捕捉する。装置101は、ノブ904の物理操作に関連付けられた仮想機能性を取り出す。例えば、ノブ904の仮想機能性には、ボリューム制御機能906を含むことができる。
【0056】
図9Bは、装置101の物理世界操作モジュール216の動作の第2の例を例示している図である。装置101は、ノブ904が時計回りに回すように物理的に操作されると検出する。装置101は、ノブ904に割り当てられている付近のステレオのボリュームを大きくする仮想機能908を生成する。
【0057】
図9Cは、装置101の物理世界操作モジュール216の動作の第3の例を例示している図である。装置101は、ノブ904が反時計回りに回すように物理的に操作されると検出する。装置101は、ノブ904に割り当てられている付近のステレオのボリュームを小さくする仮想機能910を生成する。
【0058】
図10は、いくつかの実施形態例に従う、装置の文脈的ローカルイメージ認識データセットモジュールの動作の一例を例示しているフローチャートである。動作1002において、装置101は、物理オブジェクトを識別する。動作1004において、装置101は、物理オブジェクトに関連付けられた通信通知を受信する。動作1006において、装置101は、通信通知に関連付けられた仮想オブジェクトを生成する。動作1008において、装置101は、物理オブジェクトに対する装置101の位置に基づいて、仮想オブジェクトの視覚化をレンダリングする。
【0059】
図11は、いくつかの実施形態例に従う、装置の文脈的ローカルイメージ認識データセットモジュールの動作の別の例を例示しているフローチャートである。動作1102において、装置101は、物理オブジェクトを識別する。動作1104において、装置101は、物理オブジェクトの物理操作に関連付けられた仮想機能にアクセスする。動作1106において、装置101は、物理オブジェクトの物理操作を検出する。動作1108において、装置101は、物理オブジェクトの物理操作に対応する仮想機能を生成する。
【0060】
モジュール、コンポーネント及びロジック
特定の実施形態が、ロジック、又は複数のコンポーネント、モジュール若しくはメカニズムを含むものとして説明されている。モジュールは、ソフトウェアモジュール(例えば、マシン可読媒体上に、又は送信信号内に具現化されたコード)又はハードウェアモジュールのいずれかを構成することができる。ハードウェアモジュールは、特定の動作を実行することができる有形ユニットであり、特定の方式で構成され又は配置されることができる。複数の実施形態例において、1つ以上のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロンコンピュータシステム、クライアントコンピュータシステム、又はサーバコンピュータシステム)、又はコンピュータシステムの1つ以上のハードウェアモジュール(例えば、プロセッサ、又はプロセッサのグループ)が、ソフトウェア(例えば、アプリケーション、又はアプリケーションの一部)によって、本明細書に説明された特定の動作を実行するように動作するハードウェアモジュールとして構成されることができる。
【0061】
様々な実施形態において、ハードウェアモジュールは、機械的に又は電子的に実施することができる。例えば、ハードウェアモジュールは、特定の動作を実行するように(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は特定用途向け集積回路(ASIC)などの特別目的プロセッサとして)永続的に構成された専用回路又はロジックを含むことができる。さらに、ハードウェアモジュールは、特定の動作を実行するようにソフトウェアよって一時的に構成された(例えば、汎用目的プロセッサ又は他のプログラマブルプロセッサ内に包含された)プログラマブルロジック又は回路を含むことができる。ハードウェアモジュールを、機械的に、専用の永続的に構成された回路において、又は一時的に構成された回路(例えば、ソフトウェアによって構成される)において実施するとの判断が、コスト及び時間を考慮することによって推進され得ることが十分理解されるであろう。
【0062】
したがって、用語「ハードウェアモジュール」は、有形エンティティを包含するものと理解されるべきであり、この有形エンティティは、特定の方式で動作し及び/又は本明細書に説明された特定の動作を実行するように、物理的に構築され、永続的に構成され(例えば、ハードワイヤード)、又は一時的に構成され(例えば、プログラムされ)たエンティティである。ハードウェアモジュールが一時的に構成される(例えば、プログラムされる)実施形態を考えると、ハードウェアモジュールの各々は、時間におけるいずれの段階(instance)においても構成され又はインスタンス化される必要がない。例えば、複数のハードウェアモジュールが、ソフトウェアを用いて構成された汎用目的プロセッサを含む場合、この汎用目的プロセッサは、異なる時間において、それぞれ異なるハードウェアモジュールとして構成されることができる。したがって、ソフトウェアは、例えば、時間のある段階において特定のハードウェアモジュールを構成し、時間の異なる段階において異なるハードウェアモジュールを構成するように、プロセッサを構成することができる。
【0063】
ハードウェアモジュールは、他のハードウェアモジュールに情報を提供し、他のハードウェアモジュールから情報を受信することができる。したがって、説明されているハードウェアモジュールは、通信可能に結合されたものとみなすことができる。こうしたハードウェアモジュールのうち複数が同時に存在する場合、通信は、ハードウェアモジュールを接続する信号送信を通して(例えば、適切な回路及びバスを通じて)達成することができる。複数のハードウェアモジュールが異なる時間において構成され又はインスタンス化される実施形態において、こうしたハードウェアモジュール間の通信は、例えば、複数のハードウェアモジュールがアクセスを有するメモリ構造においての情報の記憶及び取り出しを通して達成することができる。例えば、あるハードウェアモジュールが動作を実行し、該動作の出力を、このハードウェアモジュールに通信可能に結合されたメモリ装置に記憶することができる。それから、より後の時間において、さらなるハードウェアモジュールが上記メモリ装置にアクセスして、上記の記憶された出力を取り出し、処理することができる。ハードウェアモジュールは、入力又は出力装置との通信をさらに開始してもよく、リソース(例えば、情報の集合)に対して動作することができる。
【0064】
本明細書に説明された方法例の様々な動作は、関連する動作を実行するように一時的に(例えばソフトウェアによって)構成され又は永続的に構成された1つ以上のプロセッサによって、少なくとも部分的に実行することができる。上記のプロセッサは、一時的に構成されても永続的に構成されても、1つ以上の動作又は機能を実行するように動作する、プロセッサにより実施される(processor-implemented)モジュールを構成することができる。本明細書において言及されるモジュールは、いくつかの実施形態例において、プロセッサにより実施されるモジュールを含むことができる。
【0065】
同様に、本明細書に説明された方法は、少なくとも部分的に、プロセッサにより実施されることができる。例えば、方法の動作の少なくともいくつかを、1つ以上のプロセッサ又はプロセッサにより実施されるモジュールによって実行することができる。動作のうち特定のものの実行は1つ以上のプロセッサ間で分散させることができ、単一のマシン内に存在してもよいだけでなく、複数のマシンにわたってデプロイされ(deployed)てもよい。いくつかの実施形態例において、1つ又は複数のプロセッサが単一の場所に(例えば、家庭環境内に、オフィス環境内に、又はサーバファームとして)位置することができ、他の実施形態において、プロセッサは複数の場所にわたって分散されてもよい。
【0066】
1つ以上のプロセッサは、さらに、「クラウドコンピューティング」環境において、又は「サービスとしてのソフトウェア」(SaaS)として、関連する動作の実行をサポートするように動作することができる。例えば、動作のうち少なくともいくつかが、(プロセッサを含むマシンの例として)コンピュータのグループによって実行されてもよく、これら動作は、ネットワークを介して、及び1つ以上の適切なインターフェース(例えば、API)を介してアクセス可能である。
【0067】
電子的な装置及びシステム
実施形態例は、デジタル電子回路において、若しくはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアにおいて、又はこれらの組み合わせにおいて実施することができる。実施形態例は、コンピュータプログラムプロダクトを用いて実施されてもよい。コンピュータプログラムプロダクトは、例えば、情報担体の中に有形に具現化されたコンピュータプログラムである。情報担体は、例えば、データ処理装置による実行のため又はデータ処理装置の動作を制御するためのマシン可読媒体である。データ処理装置は、例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、又は複数のコンピュータである。
【0068】
コンピュータプログラムは、コンパイラ型言語又はインタプリタ型言語を含む任意の形式のプログラミング言語において書くことができ、スタントアロンプログラムとして又はモジュール、サブルーチン、若しくはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとしてを含む任意の形式においてデプロイすることができる。コンピュータプログラムは、1つのサイトにおける1つのコンピュータ上又は複数のコンピュータ上で実行されるようにデプロイされてもよく、あるいは、複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続されてもよい。
【0069】
実施形態例において、動作は、入力データに対して作用すること及び出力を生成することによって機能を実行するように、コンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラマブルプロセッサによって実行することができる。方法動作は、特別目的ロジック回路(例えば、FPGA又はASIC)によって実行することもでき、実施形態例の装置が、上記特別目的ロジック回路として実施されてもよい。
【0070】
コンピューティングシステムには、クライアント及びサーバを含むことができる。クライアント及びサーバは、一般に互いからリモートにあり、通常、通信ネットワークを通して相互作用する。クライアント及びサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、クライアント‐サーバ関係を互いに対して有するコンピュータプログラムによって、発生する。プログラマブルコンピューティングシステムをデプロイする実施形態において、ハードウェアアーキテクチャ及びソフトウェアアーキテクチャの双方が考慮に値することが十分理解されるであろう。具体的に、特定の機能性を、永続的に構成されるハードウェア(例えば、ASIC)において実施するか、一時的に構成されるハードウェア(例えば、ソフトウェアとプログラマブルプロセッサとの組み合わせ)において実施するか、又は永続的に構成されるハードウェアと一時的に構成されるハードウェアとの組み合わせにおいて実施するかの選択は、設計上の選択であり得ることが十分理解されるであろう。下記に、様々な実施形態例においてデプロイされ得るハードウェア(例えば、マシン)及びソフトウェアアーキテクチャを提示する。
【0071】
例示的なマシンアーキテクチャ及びマシン可読媒体
図12は、コンピュータシステム1200の例示的形態におけるマシンのブロック図であり、コンピュータシステム1200内で、本明細書に論じられた方法論のうち任意の1つ以上をマシンに実行させる命令を実行することができる。代替的な実施形態において、マシンはスタンドアロン装置として動作し、あるいは他のマシンに接続され(例えば、ネットワーク化され)てもよい。ネットワーク化されたデプロイにおいて、マシンは、サーバ‐クライアントネットワーク環境でのサーバ又はクライアントの能力において、又はピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境でのピアマシンとして動作することができる。マシンは、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、セルラー電話、ウェブ電化製品、ネットワークルータ、スイッチ、若しくはブリッジ、又はマシンにより取られるべきアクションを規定する命令を(順次に又はその他の方法で)実行することができる任意のマシンであってよい。さらに、単一のマシンだけが例示されているが、用語「マシン」は、本明細書に論じられた方法論のうち任意の1つ以上を実行するように命令のセット(又は複数のセット)を個々に又は一緒に実行するマシンの任意の集合をさらに含むものとする。
【0072】
例示的なコンピュータシステム1200は、プロセッサ1202(例えば、中央処理ユニット(CPU)、グラフィクス処理ユニット(GPU)、又は双方)と、メインメモリ1204と、スタティックメモリ1206とを含み、これらは、バス1208を介して互いに通信する。コンピュータシステム1200は、ビデオディスプレイユニット1210(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又は陰極線管(CRT))をさらに含むことができる。コンピュータシステム1200は、英数字入力装置1212(例えば、キーボード)と、ユーザインターフェース(UI)ナビゲーション(又はカーソル制御)装置1214(例えば、マウス)と、ディスクドライブユニット1216と、信号生成装置1218(例えば、スピーカー)と、ネットワークインターフェース装置1220とをさらに含む。
【0073】
マシン可読媒体
ディスクドライブユニット1216はマシン可読媒体1222を含み、このマシン可読媒体1222上に、本明細書に説明された方法論又は機能のうち任意の1つ以上を具現化し又はこれらにより利用されるデータ構造及び命令1224の1つ以上のセット(例えば、ソフトウェア)が記憶される。命令1224はさらに、コンピュータシステム1200による命令1224の実行の間、メインメモリ1204内及び/又はプロセッサ1202内に、完全に又は少なくとも部分的に存在することがあり、メインメモリ1204及びプロセッサ1202がさらにマシン可読媒体を構成することがある。命令1224はさらに、完全に又は少なくとも部分的に、スタティックメモリ1206内に存在することがある。
【0074】
マシン可読媒体1222は、一実施形態例において単一の媒体であるように図示されているが、用語「マシン可読媒体」には、1つ以上の命令1224又はデータ構造を記憶した単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型若しくは分散型のデータベース、及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むことができる。用語「マシン可読媒体」は、マシンが実行する命令セットを記憶し、エンコードし又は伝えることができてマシンに本願実施形態の方法論のうち任意の1つ以上を実行させる任意の有形媒体、又は、上記の命令により利用され又は上記の命令に関連するデータ構造を記憶し、エンコードし又は伝えることができる任意の有形媒体をさらに含むものとする。したがって、用語「マシン可読媒体」は、これらに限定されないが、ソリッドステートメモリ、光学媒体、及び磁気媒体を含むものとする。マシン可読媒体の具体例には不揮発性メモリが含まれ、例として、半導体メモリデバイス(例えば、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EEPROM)、及びフラッシュメモリ)と、内部ハードディスク及び取外し可能ディスクなどの磁気ディスクと、光磁気ディスクと、コンパクトディスク読取専用メモリ(CD‐ROM)及びデジタル多用途ディスク(又はデジタルビデオディスク)読取専用メモリ(DVD‐ROM)ディスクとが含まれる。
【0075】
送信媒体
さらに、命令1224は、ネットワーク1226を通じて送信媒体を用いて送信され、あるいは受信されてもよい。命令1224は、ネットワークインターフェース装置1220と多数の周知の転送プロトコル(例えば、HTTP)のうち任意のものとを用いて送信することができる。通信ネットワークの例には、LAN、WAN、インターネット、携帯電話網、POTSネットワーク、及びワイヤレスデータネットワーク(例えば、WiFi及びWiMaxネットワーク)が含まれる。用語「送信媒体」には、マシンが実行する命令を記憶し、エンコードし又は伝えることができる任意の無形媒体を含むものとし、上記のソフトウェアの通信を容易にするためのデジタル若しくはアナログ通信信号又は他の無形媒体が含まれる。
【0076】
実施形態が具体的な実施形態例を参照して説明されたが、これら実施形態に対して本開示の上位の主旨及び範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更がなされ得ることが明らかであろう。したがって、明細書及び図面は、限定的ではなく例示的な意味において考慮されるべきである。本願の一部を成す添付図面は、限定ではなく例示として、対象事項が実施され得る具体的な実施形態を図示している。例示された実施形態は、本明細書に開示された教示を当業者が実施することを可能にするほど十分詳細に説明されている。これらから、他の実施形態が利用され、導出されてもよく、その結果、本開示の範囲から逸脱することなく、構造的及び論理的な代替及び変更が行われ得る。したがって、詳細な説明は、限定する意味に取られるべきではなく、様々な実施形態の範囲は、別記の請求項とこうした請求項が権利を与えられている均等物の完全な範囲とによってのみ定義される。
【0077】
上記の発明対象事項の実施形態は、個々に及び/又は集合的に、本明細書において用語「発明」によって参照されることがあるが、これは単に簡便さのためであり、2以上の発明又は発明概念が実際に開示されている場合に本出願の範囲をいずれかの単一の発明又は発明概念に自発的に限定する意図はない。ゆえに、具体的な実施形態が本明細書に例示され、説明されたが、同じ目的を達成するように計算された任意の配置が、図示された具体的な実施形態の代替にされてもよいことが十分理解されるべきである。本開示は、様々な実施形態についての任意の及びすべての適合又はバリエーションをカバーすることが意図される。上記の実施形態の組み合わせ、及び本明細書に具体的に説明されていない他の実施形態が、上記の説明を検討した当業者に明らかになるであろう。
【0078】
本開示の要約は、読み手が技術開示の要旨を迅速に判定することができるように要約を要求する37C.F.R.セクション1.72(b)に準拠するために提供される。要約は、請求項の範囲又は意味を解釈又は限定するためには使用されないという理解の下で提出されている。さらに、上記詳細な説明では、開示を簡素化する目的のために、様々な特徴が単一の実施形態の中に一緒に集められていることが分かる。この開示の方法は、請求項に記載された実施形態が各請求項に明示されている特徴より多くの特徴を必要とするとの意図を反映するものとして解釈されるべきではない。それどころか、別記の請求項が反映するように、発明対象事項は、単一の開示された実施形態のすべての特徴に満たない特徴にある。ゆえに、別記の請求項は、これにより、各請求項が別個の実施形態として独立した状態で詳細な説明に組み込まれる。