特許第6192925号(P6192925)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6192925プラント運転支援装置およびプラント運転支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6192925
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】プラント運転支援装置およびプラント運転支援方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20170828BHJP
【FI】
   G05B23/02 T
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-258023(P2012-258023)
(22)【出願日】2012年11月26日
(65)【公開番号】特開2014-106651(P2014-106651A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年11月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】横山 昌徳
【審査官】 藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−332360(JP,A)
【文献】 特開2010−182142(JP,A)
【文献】 特開2009−009301(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/00−23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実プラントの運転状態データを取得して前記実プラントの運転状態に合わせた仮想プラントを作成する仮想プラント作成手段と、
前記実プラントの様々な運転状態を想定した仮想プラントの基準データが予め記憶された基準データ記憶手段と、
前記実プラントの運転状態を監視し、前記実プラントの運転状態データを前記仮想プラント作成手段に送る一方、前記実プラントの運転状態が異常に変化した場合に当該変化に対応した基準データを前記基準データ記憶手段から取得し前記仮想プラント作成手段に送る運転状態監視手段と、
前記仮想プラント作成手段で作成した前記仮想プラントについて運転状態を任意の速度で加速させて任意の時間後の運転状態を予測した予測仮想プラントを作成する運転状態予測手段と、
前記実プラントの運転状態および前記予測仮想プラントの運転状態を表示する運転状態表示手段と、
前記実プラントの運転状態を診断する一方、前記予測仮想プラントの運転状態を診断する運転状態診断手段と、
前記実プラントの異常診断結果および前記予測仮想プラントの異常診断結果を表示する診断結果表示手段と、
前記実プラントの診断された異常診断結果に対応する運転手順を設定する一方、前記予測仮想プラントの診断された異常診断結果に対応する運転手順を設定する運転手順設定手段と、
前記実プラントの運転手順および前記予測仮想プラントの運転手順を表示する運転手順表示手段と、
を備えることを特徴とするプラント運転支援装置。
【請求項2】
前記実プラントの運転操作が前記運転手順に則しているかを確認する操作確認手段と、
運転操作の確認結果を表示する確認結果表示手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項に記載のプラント運転支援装置。
【請求項3】
実プラントの運転状態データを取得して前記実プラントの運転状態に合わせた仮想プラントを作成する仮想プラント作成工程と、
前記実プラントの運転状態を監視し、前記実プラントの運転状態データを前記仮想プラント作成工程に供する一方、前記実プラントの運転状態が異常に変化した場合に当該変化に対応する態様で予め作成された基準データを前記仮想プラント作成工程に供する運転状態監視工程と、
前記仮想プラント作成工程で作成した前記仮想プラントについて運転状態を任意の速度で加速させて任意の時間後の運転状態を予測した予測仮想プラントを作成する運転状態予測工程と、
前記実プラントの運転状態および前記予測仮想プラントの運転状態を表示する運転状態表示工程と、
前記実プラントの運転状態を診断する一方、前記予測仮想プラントの運転状態を診断する運転状態診断工程と、
前記実プラントの異常診断結果および前記予測仮想プラントの異常診断結果を表示する診断結果表示工程と、
前記実プラントの診断された異常診断結果に対応する運転手順を設定する一方、前記予測仮想プラントの診断された異常診断結果に対応する運転手順を設定する運転手順設定工程と、
前記実プラントの運転手順および前記予測仮想プラントの運転手順を表示する運転手順表示工程と、
を含むことを特徴とするプラント運転支援方法。
【請求項4】
前記実プラントの運転操作が前記運転手順に則しているかを確認する操作確認工程と、
運転操作の確認結果を表示する確認結果表示工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項に記載のプラント運転支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力発電プラントなどのプラントにおいてその運転支援を行うプラント運転支援装置およびプラント運転支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1では、プラントのプラントデータのうちのパラメータデータを保存し、このパラメータデータに基づいてパラメータデータの変化予測を表示することが示されている。パラメータデータの変化予測は、過去の類似事象に基づく評価である。そして、パラメータデータの変化に対応する適切な対応措置およびその適切なタイミングを、保存されたパラメータデータに基いて生成し、この適切な対応措置を適切なタイミングで行なった場合のパラメータデータの変化を予測した第1の事象予測データ、および対応措置が遅れた場合のパラメータデータの変化を予測した第2の事象予測データを生成し、第1の事象予測データおよび第2の事象予測データを同一グラフ上に重ねて表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4607702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、パラメータデータの変化予測を過去の類似事象に基づく評価としているが、パラメータデータの変化予測が実際の事象と異なる点も存在する場合がある。このような場合の対応処置は、あくまでも類似事象に基づくものであって、現事象における対応処置とは異なる。特に、プラントが異常兆候にある場合は、迅速な予測が必要である。このように、現事象に適切な対応処置を行うため、正確かつ迅速な予測が望まれている。
【0005】
本発明は上述した課題を解決するものであり、プラントの運転状態を正確かつ迅速に予測することのできるプラント運転支援装置およびプラント運転支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、第1の発明のプラント運転支援装置は、実プラントの運転状態データを取得して前記実プラントの運転状態に合わせた仮想プラントを作成する仮想プラント作成手段と、前記実プラントの様々な運転状態を想定した仮想プラントの基準データが予め記憶された基準データ記憶手段と、前記実プラントの運転状態を監視し、前記実プラントの運転状態データを前記仮想プラント作成手段に送る一方、前記実プラントの運転状態が変化した場合に当該変化に対応した基準データを前記基準データ記憶手段から取得し前記仮想プラント作成手段に送る運転状態監視手段と、前記仮想プラント作成手段で作成した前記仮想プラントについて運転状態を任意の速度で加速させて任意の時間後の運転状態を予測した予測仮想プラントを作成する運転状態予測手段と、前記実プラントの運転状態および前記予測仮想プラントの運転状態を表示する運転状態表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
このプラント運転支援装置によれば、実プラントの運転状態および予測仮想プラントの運転状態を運転状態表示部に表示することで、実プラントの任意の時間後の運転状態を現在と比較することができる。特に、運転状態データが警報データを含む場合など実プラントの運転状態が急変した場合、実プラントの運転状態に合わせ込んだ基準データを用いて即座に仮想プラントおよび予測仮想プラントを作成することで、実プラントの運転状態の変化に対応して正確かつ迅速な予測を行うことができる。
【0008】
また、第2の発明のプラント運転支援装置は、第1の発明において、前記実プラントの運転状態を診断する一方、前記予測仮想プラントの運転状態を診断する運転状態診断手段と、前記実プラントの診断結果および前記予測仮想プラントの診断結果を表示する診断結果表示手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0009】
このプラント運転支援装置によれば、実プラントの運転状態の診断とともに、プラント運転状態予測機能において実プラントの運転状態の変化に対応して正確かつ迅速な予測をした予測仮想プラントの運転状態を診断するため、予測に応じた双方の診断結果の比較を正確かつ迅速に行うことができる。
【0010】
また、第3の発明のプラント運転支援装置は、第2の発明において、前記実プラントの診断結果に対応する運転手順を設定する一方、前記予測仮想プラントの診断結果に対応する運転手順を設定する運転手順設定手段と、前記実プラントの運転手順および前記予測仮想プラントの運転手順を表示する運転手順表示手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
このプラント運転支援装置によれば、実プラントの運転手順の設定とともに、プラント運転状態予測機能において実プラントの運転状態の変化に対応して正確かつ迅速な予測をした予測仮想プラントの運転手順を設定するため、予測に応じた運転手順の設定を正確かつ迅速に行うことができる。
【0012】
また、第4の発明のプラント運転支援装置は、第3の発明において、前記実プラントの運転操作が前記運転手順に則しているかを確認する操作確認手段と、運転操作の確認結果を表示する確認結果表示手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0013】
このプラント運転支援装置によれば、実プラントの運転手順が正確であるか否かを確認することができる。
【0014】
上述の目的を達成するために、第5の発明のプラント運転支援方法は、実プラントの運転状態データを取得して前記実プラントの運転状態に合わせた仮想プラントを作成する仮想プラント作成工程と、前記実プラントの運転状態を監視し、前記実プラントの運転状態データを前記仮想プラント作成工程に供する一方、前記実プラントの運転状態が変化した場合に当該変化に対応する態様で予め作成された基準データを前記仮想プラント作成工程に供する運転状態監視工程と、前記仮想プラント作成工程で作成した前記仮想プラントについて運転状態を任意の速度で加速させて任意の時間後の運転状態を予測した予測仮想プラントを作成する運転状態予測工程と、前記実プラントの運転状態および前記予測仮想プラントの運転状態を表示する運転状態表示工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
このプラント運転支援方法によれば、実プラントの運転状態および予測仮想プラントの運転状態を運転状態表示部に表示することで、実プラントの任意の時間後の運転状態を現在と比較することができる。特に、運転状態データが警報データを含む場合など実プラントの運転状態が急変した場合、実プラントの運転状態に合わせ込んだ基準データを用いて即座に仮想プラントおよび予測仮想プラントを作成することで、実プラントの運転状態の変化に対応して正確かつ迅速な予測を行うことができる。
【0016】
また、第6の発明のプラント運転支援方法は、第5の発明において、前記実プラントの運転状態を診断する一方、前記予測仮想プラントの運転状態を診断する運転状態診断工程と、前記実プラントの診断結果および前記予測仮想プラントの診断結果を表示する診断結果表示工程と、をさらに含むことを特徴とする。
【0017】
このプラント運転支援方法によれば、実プラントの運転状態の診断とともに、プラント運転状態予測機能において実プラントの運転状態の変化に対応して正確かつ迅速な予測をした予測仮想プラントの運転状態を診断するため、予測に応じた双方の診断結果の比較を正確かつ迅速に行うことができる。
【0018】
また、第7の発明のプラント運転支援方法は、第6の発明において、前記実プラントの診断結果に対応する運転手順を設定する一方、前記予測仮想プラントの診断結果に対応する運転手順を設定する運転手順設定工程と、前記実プラントの運転手順および前記予測仮想プラントの運転手順を表示する運転手順表示工程と、をさらに含むことを特徴とする。
【0019】
このプラント運転支援方法によれば、実プラントの運転手順の設定とともに、プラント運転状態予測機能において実プラントの運転状態の変化に対応して正確かつ迅速な予測をした予測仮想プラントの運転手順を設定するため、予測に応じた運転手順の設定を正確かつ迅速に行うことができる。
【0020】
また、第8の発明のプラント運転支援方法は、第7の発明において、前記実プラントの運転操作が前記運転手順に則しているかを確認する操作確認工程と、運転操作の確認結果を表示する確認結果表示工程と、をさらに含むことを特徴とする。
【0021】
このプラント運転支援方法によれば、実プラントの運転手順が正確であるか否かを確認することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、プラントの運転状態を正確かつ迅速に予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明の実施形態に係るプラント運転支援装置が適用されるプラントの概略構成図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係るプラント運転支援装置の構成図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係るプラント運転支援装置の処理手順を示すフローチャートである。
図4図4は、本発明の実施形態に係るプラント運転支援装置の処理手順を示すフローチャートである。
図5図5は、本発明の実施形態に係るプラント運転支援装置の処理手順を示すフローチャートである。
図6図6は、本発明の実施形態に係るプラント運転支援装置の処理手順を示すフローチャートである。
図7図7は、本発明の実施形態に係るプラント運転支援装置の処理手順を示すフローチャートである。
図8図8は、本発明の実施形態に係るプラント運転支援装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係るプラント運転支援装置が適用されるプラントの概略構成図である。本実施形態のプラント運転支援装置1は、例えば、原子力発電プラント(プラント)110において適用される。
【0026】
本実施形態において、原子力発電プラント110は、例えば、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)112が適用される。加圧水型原子炉112は、軽水を原子炉冷却材および中性子減速材として使用し、一次系全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電する。
【0027】
この加圧水型原子炉112を有する原子力発電プラント110において、原子炉格納容器111の内部に、加圧水型原子炉112および蒸気発生器113が格納されている。加圧水型原子炉112と蒸気発生器113とは、冷却水配管114,115を介して連結されている。冷却水配管114は、加圧器116が設けられ、冷却水配管115は、冷却水ポンプ117が設けられている。この場合、減速材および一次冷却水として軽水を用い、炉心部における一次冷却水の沸騰を抑制するために、一次冷却系統は加圧器116により160気圧程度の高圧状態を維持するように制御している。従って、加圧水型原子炉112にて、燃料として低濃縮ウランまたはMOXにより一次冷却水としての軽水が加熱され、高温の一次冷却水が加圧器116により所定の高圧に維持された状態で冷却水配管114を通して蒸気発生器113に送られる。この蒸気発生器113では、高圧高温の一次冷却水と二次冷却水との間で熱交換が行われ、冷やされた一次冷却水は冷却水配管115を通して加圧水型原子炉112に戻される。
【0028】
蒸気発生器113は、原子炉格納容器111の外部に設けられたタービン118および復水器119と冷却水配管120,121を介して連結されており、冷却水配管121に給水ポンプ122が設けられている。また、タービン118は、発電機123が接続され、復水器119は、冷却水(例えば、海水)を給排する取水管124および排水管125が連結されている。従って、蒸気発生器113にて、高圧高温の一次冷却水と熱交換を行って生成された蒸気は、冷却水配管120を通してタービン118に送られ、この蒸気によりタービン118を駆動して発電機123により発電を行う。タービン118を駆動した蒸気は、復水器119で冷却された後、冷却水配管121を通して蒸気発生器113に戻される。
【0029】
また、原子力発電プラント110は、中央制御装置100を備える。中央制御装置100は、汎用コンピュータあるいは専用コンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などで構成される。中央制御装置100は、原子力発電プラント110を監視および制御するためのもので、原子力発電プラント110の状態量を取得する各種センサ(図示省略)からの運転状態データD1に基づいて、原子力発電プラント110を運転するための弁やポンプなどの各種機器の作動を制御する。具体的に、中央制御装置100は、原子力発電プラント110の各種センサからの運転状態データD1に基づいた処理を実行する。運転状態データD1とは、例えば、原子炉112の水位、圧力、流量などのパラメータを示すパラメータデータや、各系統の状態や各機器の状態を示す機器データや、異常発生時における警報データなどがある。中央制御装置100は、運転状態データD1に基づいて原子力発電プラント110の各種機器を制御する。これにより、原子力発電プラント110が制御されて、原子炉112の核反応を停止させる、原子力発電プラント110を冷却する、原子力発電プラント110からの放射性物質の漏洩を防ぐなどの機能が実現される。
【0030】
本実施形態のプラント運転支援装置1は、この中央制御装置100に組み込まれている。図2は、本実施形態に係るプラント運転支援装置の構成図である。
【0031】
プラント運転支援装置1は、プラント運転状態予測機能、プラント運転状態診断機能、プラント運転手順提示機能、および操作確認機能を有する。
【0032】
[プラント運転状態予測機能]
プラント運転状態予測機能は、図2に示すように、運転状態監視手段11、仮想プラント作成手段12、運転状態予測手段13、基準データ記憶手段14、および運転状態表示手段15を備える。
【0033】
運転状態監視手段11は、原子力発電プラント110の運転状態を監視するものである。ここで、原子力発電プラント110を実際に運転される実プラントとする。運転状態監視手段11は、実プラント110の運転状態データD1を取得し、これを解析する。
【0034】
仮想プラント作成手段12は、実プラント110の運転状態に合わせた仮想プラント210を作成する。仮想プラント作成手段12は、いわゆるシミュレーション装置であり、運転状態監視手段11から実プラント110の運転状態データD1を取得し、実プラント110をシミュレートする。仮想プラント作成手段12は、運転状態監視手段11が取得した実プラント110の運転状態データD1を所定周期で読み込み、仮想プラント210に反映させる。これにより、実プラント110の運転状態と仮想プラント210の運転状態(計算値)との合わせ込みを行う。なお、運転状態データD1が警報データを含む場合、運転状態監視手段11は運転状態データD1を即座に取得し、仮想プラント作成手段12はこの運転状態データD1を即座に読み込む。
【0035】
運転状態予測手段13は、仮想プラント作成手段12で作成された仮想プラント210について、運転状態計算を任意の速度で加速させ、任意の時間後の運転状態を計算させることで、任意の時間後の運転状態を予測した予測仮想プラント210’を作成する。
【0036】
基準データ記憶手段14は、実プラント110の様々な運転状態を想定した仮想プラント210を作成するための基準データD2が予め記憶されたデータベースである。実プラント110の様々な運転状態は、例えば、100%定格運転状態や、起動時運転状態や、自動停止直後の状態がある。また、基準データD2は、これら実プラント110の運転状態に合わせ込んで予め作成されたもので、実プラント110の実際の運転状態に則したものである。
【0037】
そして、運転状態監視手段11では、実プラント110の運転状態から、当該運転状態に合った基準データD2を基準データ記憶手段14から取得し、仮想プラント作成手段12に送る。仮想プラント作成手段12では、送られた基準データD2に基づく仮想プラント210を作成する。
【0038】
運転状態表示手段15は、実プラント110の運転状態および予測仮想プラント210’の運転状態を表示させるものである。実プラント110の運転状態は、運転状態監視手段11から入力する。また、予測仮想プラント210’の運転状態は、運転状態予測手段13から入力する。実プラント110の運転状態および予測仮想プラント210’の運転状態の表示は、例えば、中央制御装置100を備える中央制御室(図示せず)に設置された大型表示盤101において、運転状態表示部16に表示される。運転状態表示手段15は、オペレータの操作に応じ、運転状態表示部16に対して実プラント110の運転状態または予測仮想プラント210’の運転状態の一方を切り換えて表示させたり、双方を合わせて表示させたりする。
【0039】
図3は、本実施形態に係るプラント運転支援装置の処理手順を示すフローチャートである。図3は、プラント運転支援装置1におけるプラント運転状態予測機能の処理手順を示す。
【0040】
図3に示すように、まず、運転状態監視手段11が取得した実プラント110の運転状態データD1を仮想プラント作成手段12に送り、仮想プラント作成手段12において仮想プラント210を作成する(ステップS11)。
【0041】
次に、運転状態監視手段11が取得した実プラント110の運転状態データD1を、所定周期で仮想プラント作成手段12に送り、仮想プラント作成手段12において仮想プラント210の運転状態(計算値)と同期させて合わせ込みを行う(ステップS12)。
【0042】
次に、運転状態監視手段11が取得した実プラント110の運転状態データD1(運転状態)が以前と変化していた場合(ステップS13:Yes)、ステップS14に進む。一方、運転状態監視手段11が取得した実プラント110の運転状態データD1が以前と変化していなければ(ステップS13:No)、ステップS16に進む。
【0043】
ステップS14において、仮想プラント作成手段12において仮想プラント210を再作成するかを判断する。そして、仮想プラント210を再作成する場合(ステップS14:Yes)、特に、運転状態データD1が警報データを含む場合、運転状態監視手段11は基準データ記憶手段14から基準データD2を読み込み仮想プラント作成手段12に送り、仮想プラント作成手段12において仮想プラント210を再作成する(ステップS15)。一方、運転状態データD1が警報データを含まない場合など、実プラント110が異常運転状態でない場合は、仮想プラント210を再作成しないと判断し(ステップS14:No)、ステップS12に戻る。
【0044】
次に、最新の仮想プラント210の運転状態から、運転状態予測手段13において運転状態計算を任意の速度で加速させ、仮想プラント作成手段12において予測仮想プラント210’を作成する(ステップS16)。予測仮想プラント210’の運転状態は、運転状態予測手段13に送られる。
【0045】
最後に、運転状態表示手段15により、運転状態監視手段11から実プラント110の運転状態を取得するとともに、運転状態予測手段13から予測仮想プラント210’の運転状態を取得し、これらの運転状態を運転状態表示部16に表示する(ステップS17)。
【0046】
このように、プラント運転状態予測機能において、本実施形態のプラント運転支援装置1は、実プラント110の運転状態データD1を取得して実プラント110の運転状態に合わせた仮想プラント210を作成する仮想プラント作成手段12と、実プラント110の様々な運転状態を想定した仮想プラント210の基準データD2が予め記憶された基準データ記憶手段14と、実プラント110の運転状態を監視し、実プラント110の運転状態データD1を仮想プラント作成手段12に送る一方、実プラント110の運転状態が変化した場合に当該変化に対応した基準データD2を基準データ記憶手段14から取得し仮想プラント作成手段12に送る運転状態監視手段11と、仮想プラント作成手段12で作成した仮想プラント210について運転状態を任意の速度で加速させて任意の時間後の運転状態を予測した予測仮想プラント210’を作成する運転状態予測手段13と、実プラント110の運転状態および予測仮想プラント210’の運転状態を表示する運転状態表示手段15と、を備える。
【0047】
また、プラント運転状態予測機能において、本実施形態のプラント運転支援方法は、実プラント110の運転状態データD1を取得して実プラント110の運転状態に合わせた仮想プラント210を作成する仮想プラント作成工程と、実プラント110の運転状態を監視し、実プラント110の運転状態データを仮想プラント作成工程に供する一方、実プラント110の運転状態が変化した場合に当該変化に対応する態様で予め作成された基準データD2を仮想プラント作成工程に供する運転状態監視工程と、仮想プラント作成工程で作成した仮想プラント210について運転状態を任意の速度で加速させて任意の時間後の運転状態を予測した予測仮想プラント210’を作成する運転状態予測工程と、実プラント110の運転状態および予測仮想プラント210’の運転状態を表示する運転状態表示工程と、を含む。
【0048】
これらによれば、実プラント110の運転状態および予測仮想プラント210’の運転状態を運転状態表示部16に表示することで、実プラント110の任意の時間後の運転状態を現在と比較することが可能である。特に、運転状態データD1が警報データを含む場合など実プラント110の運転状態が急変した場合、実プラント110の運転状態に合わせ込んだ基準データD2を用いて即座に仮想プラント210および予測仮想プラント210’を作成することで、実プラント110の運転状態の変化に対応して正確かつ迅速な予測を行うことが可能になる。
【0049】
なお、実プラント110の運転状態データD1は、定周期で取得して同期しているが、実プラント110の運転状態が急変した場合、この運転状態データD1の読み込みを待たず、基準データD2を用いて予測仮想プラント210’を作成することができるため、より迅速な予測を行うことが可能である。また、基準データD2を用いて予測仮想プラント210’を作成した後、割り込みで実プラント110の運転状態データD1を取得して同期を行うことで、さらに正確な予測を行うことが可能になる。
【0050】
[プラント運転状態診断機能]
プラント運転状態診断機能は、図2に示すように、運転状態診断手段21、診断データ記憶手段22、および診断結果表示手段23を備える。
【0051】
運転状態診断手段21は、実プラント110の運転状態を診断する一方、予測仮想プラント210’の運転状態を診断する。実プラント110の運転状態は、運転状態データD1を取得し、当該運転状態データD1に基づき診断を行う。予測仮想プラント210’の運転状態は、運転状態予測手段13から取得し、これに基づき診断を行う。
【0052】
診断データ記憶手段22は、実プラント110や予測仮想プラント210’の運転状態に合わせた診断データD3が予め記憶されたデータベースである。診断データD3は、例えば、原子炉112の水位、圧力、流量などのパラメータを示すパラメータ診断データや、各系統の状態や各機器の状態を示す機器診断データや、異常発生時における警報診断データなど、運転状態データD1と同等のデータを診断するためのデータを含む。この診断データD3は、運転状態診断手段21による診断において読み取られる。
【0053】
診断結果表示手段23は、実プラント110の運転状態の診断結果、および予測仮想プラント210’の運転状態の診断結果を表示させるものである。実プラント110の運転状態の診断結果、および予測仮想プラント210’の運転状態の診断結果は、運転状態診断手段21から入力する。実プラント110の運転状態の診断結果および予測仮想プラント210’の運転状態の診断結果の表示は、例えば、中央制御装置100を備える中央制御室(図示せず)に設置された大型表示盤101において、診断結果表示部24に表示される。診断結果表示手段23は、オペレータの操作に応じ、診断結果表示部24に対して実プラント110の運転状態の診断結果または予測仮想プラント210’の運転状態の診断結果の一方を切り換えて表示させたり、双方を合わせて表示させたりする。
【0054】
図4および図5は、本実施形態に係るプラント運転支援装置の処理手順を示すフローチャートである。図4は、プラント運転支援装置1におけるプラント運転状態診断機能の実プラント110の運転状態の診断の処理手順を示す。また、図5は、プラント運転支援装置1におけるプラント運転状態診断機能の予測仮想プラント210’の運転状態の診断の処理手順を示す。
【0055】
実プラント110の運転状態の診断は、図4に示すように、まず、運転状態診断手段21により実プラント110の運転状態を診断する(ステップS21)。具体的には、実プラント110の運転状態データD1を運転状態診断手段21に送る。運転状態診断手段21では、運転状態データD1に従って診断データD3を診断データ記憶手段22から読み込み、各データD1,D3を比較する。
【0056】
次に、運転状態診断手段21により実プラント110の運転状態を診断した診断結果が異常診断結果であった場合(ステップS22:Yes)、異常診断結果を報知する(ステップS23)。異常診断結果の報知は、診断結果表示手段23により診断結果表示部24に表示するだけでもよいが(ステップS24)、図には明示しないブザーや音声メッセージで行ってもよい。なお、異常診断結果とは、ここでは各データD1,D3に相違があった場合である。
【0057】
一方、運転状態診断手段21により実プラント110の運転状態を診断した診断結果が異常診断結果でない場合(ステップS22:No)、診断結果表示手段23により診断結果表示部24に診断結果を表示する(ステップS24)。
【0058】
また、予測仮想プラント210’の運転状態の診断は、図5に示すように、まず、運転状態診断手段21により予測仮想プラント210’の運転状態を診断する(ステップS25)。具体的には、予測仮想プラント210’の運転状態を運転状態予測手段13から取得し、運転状態診断手段21に送る。運転状態診断手段21では、運転状態に従って診断データD3を診断データ記憶手段22から読み込み、これらを比較する。
【0059】
次に、運転状態診断手段21により予測仮想プラント210’の運転状態を診断した診断結果が異常診断結果であった場合(ステップS26:Yes)、異常診断結果を報知する(ステップS27)。異常診断結果の報知は、診断結果表示手段23により診断結果表示部24に表示することでもよいが(ステップS28)、図には明示しないブザーや音声メッセージで行ってもよい。なお、異常診断結果とは、ここでは各データD1,D3に相違があった場合である。
【0060】
一方、運転状態診断手段21により予測仮想プラント210’の運転状態を診断した診断結果が異常診断結果でない場合(ステップS26:No)、診断結果表示手段23により診断結果表示部24に診断結果を表示する(ステップS28)。
【0061】
このように、プラント運転状態診断機能において、本実施形態のプラント運転支援装置1は、実プラント110の運転状態を診断する一方、予測仮想プラント210’の運転状態を診断する運転状態診断手段21と、実プラント110の診断結果および予測仮想プラント210’の診断結果を表示する診断結果表示手段23と、を備える。
【0062】
また、プラント運転状態診断機能において、本実施形態のプラント運転支援方法は、実プラント110の運転状態を診断する一方、予測仮想プラント210’の運転状態を診断する運転状態診断工程と、実プラント110の診断結果および予測仮想プラント210’の診断結果を表示する診断結果表示工程と、を含む。
【0063】
これらによれば、実プラント110の運転状態の診断とともに、プラント運転状態予測機能において実プラント110の運転状態の変化に対応して正確かつ迅速な予測をした予測仮想プラント210’の運転状態を診断するため、予測に応じた双方の診断結果の比較を正確かつ迅速に行うことが可能になる。
【0064】
[プラント運転手順提示機能]
プラント運転手順提示機能は、図2に示すように、運転手順設定手段31、運転手順データ記憶手段32、および運転手順表示手段33を備える。
【0065】
運転手順設定手段31は、上述したプラント運転状態診断機能での診断結果に対応し、実プラント110の運転手順を設定する一方、予測仮想プラント210’の運転手順を設定するする。実プラント110の運転手順は、運転状態診断手段21からの診断結果を取得し、当該診断結果に基づき設定する。予測仮想プラント210’の運転手順は、運転状態診断手段21からの診断結果を取得し、当該診断結果に基づき設定する。
【0066】
運転手順データ記憶手段32は、実プラント110や予測仮想プラント210’の運転状態の診断結果に合わせた運転手順データD4が予め記憶されたデータベースである。運転手順データD4は、例えば、原子炉112の水位、圧力、流量などのパラメータを示すパラメータ診断データや、各系統の状態や各機器の状態を示す機器診断データや、異常発生時における警報診断データなどの変化に対応した運転手順を含む。この運転手順データD4は、運転手順設定手段31による設定において読み取られる。
【0067】
運転手順表示手段33は、実プラント110や予測仮想プラント210’について設定された運転手順を表示させるものである。実プラント110や予測仮想プラント210’の運転手順は、運転手順設定手段31から入力する。実プラント110や予測仮想プラント210’の運転手順の表示は、例えば、中央制御装置100を備える中央制御室(図示せず)に設置された大型表示盤101において、運転手順表示部34に表示される。運転手順表示手段33は、オペレータの操作に応じ、運転手順表示部34に対して実プラント110の運転手順または予測仮想プラント210’の運転手順の一方を切り換えて表示させたり、双方を合わせて表示させたりする。
【0068】
図6および図7は、本実施形態に係るプラント運転支援装置の処理手順を示すフローチャートである。図6は、プラント運転支援装置1におけるプラント運転手順提示機能の実プラント110の運転手順の設定の処理手順を示す。また、図7は、プラント運転支援装置1におけるプラント運転手順提示機能の予測仮想プラント210’の運転手順の設定の処理手順を示す。
【0069】
実プラント110の運転手順の設定は、図6に示すように、まず、運転手順設定手段31により実プラント110の運転手順を設定する(ステップS31)。具体的には、運転状態診断手段21で診断された実プラント110の運転状態を運転手順設定手段31に送る。運転手順設定手段31では、この運転状態に従って運転手順データD4を運転手順データ記憶手段32から読み込み、この運転手順データD4に基づき運転手順を設定する。
【0070】
次に、運転手順設定手段31により設定した実プラント110の運転手順を、運転手順表示手段33により運転手順表示部34に表示する(ステップS32)。
【0071】
また、予測仮想プラント210’の運転手順の設定は、図7に示すように、まず、運転手順設定手段31により予測仮想プラント210’の運転手順を設定する(ステップS33)。具体的には、運転状態診断手段21で診断された予測仮想プラント210’の運転状態を運転手順設定手段31に送る。運転手順設定手段31では、この運転状態に従って運転手順データD4を運転手順データ記憶手段32から読み込み、この運転手順データD4に基づき運転手順を設定する。
【0072】
次に、運転手順設定手段31により設定した予測仮想プラント210’の運転手順を、運転手順表示手段33により運転手順表示部34に表示する(ステップS33)。
【0073】
このように、プラント運転手順提示機能において、本実施形態のプラント運転支援装置1は、実プラント110の診断結果に対応する運転手順を設定する一方、予測仮想プラント210’の診断結果に対応する運転手順を設定する運転手順設定手段31と、実プラント110の運転手順および予測仮想プラント210’の運転手順を表示する運転手順表示手段33と、を備える。
【0074】
また、プラント運転手順提示機能において、本実施形態のプラント運転支援方法は、実プラント110の診断結果に対応する運転手順を設定する一方、予測仮想プラント210’の診断結果に対応する運転手順を設定する運転手順設定工程と、実プラント110の運転手順および予測仮想プラント210’の運転手順を表示する運転手順表示工程と、を含む。
【0075】
これらによれば、実プラント110の運転手順の設定とともに、プラント運転状態予測機能において実プラント110の運転状態の変化に対応して正確かつ迅速な予測をした予測仮想プラント210’の運転手順を設定するため、予測に応じた運転手順の設定を正確かつ迅速に行うことが可能になる。
【0076】
[操作確認機能]
操作確認機能は、図2に示すように、操作確認手段41および確認結果表示手段42を備える。
【0077】
操作確認手段41は、上述したプラント運転手順提示機能での運転手順の設定に対応し、実プラント110の運転操作が運転手順に則しているかを確認する。実プラント110の運転操作の確認は、運転状態データD1を取得するとともに、運転手順設定手段31から設定した運転手順を取得し、これらを比較することで確認を行う。
【0078】
操作確認手段41は、実プラント110の運転操作の確認結果を表示させるものである。実プラント110の運転操作の確認結果は、操作確認手段41から入力する。実プラント110の運転操作の確認結果の表示は、例えば、中央制御装置100を備える中央制御室(図示せず)に設置された大型表示盤101において、確認結果表示部43に表示される。
【0079】
図8は、本実施形態に係るプラント運転支援装置の処理手順を示すフローチャートである。図8は、プラント運転支援装置1における操作確認機能の実プラント110の運転操作の確認の処理手順を示す。
【0080】
実プラント110の運転操作の確認は、図8に示すように、まず、操作確認手段41により運転手順に基づく運転操作の確認を行う(ステップS41)。具体的には、運転手順に基づく運転操作がなされた後、実プラント110の運転状態データD1を操作確認手段41に送るとともに、運転手順設定手段31から設定した運転手順を送り、双方を比較する。
【0081】
次に、操作確認手段41により実プラント110の運転操作を確認した確認結果が誤操作であった場合(ステップS42:Yes)、誤操作を報知する(ステップS43)。誤操作の報知は、確認結果表示手段42により確認結果表示部43に表示するだけでもよいが(ステップS44)、図には明示しないブザーや音声メッセージで行ってもよい。なお、誤操作とは、ここでは運転状態データD1の操作と設定された運転手順の操作とに相違があった場合である。
【0082】
一方、操作確認手段41により実プラント110の運転操作を確認した確認結果が誤操作でない場合(ステップS42:No)、確認結果表示手段42により確認結果表示部43に確認結果を表示する(ステップS44)。
【0083】
このように、操作確認機能において、本実施形態のプラント運転支援装置1は、実プラント110の運転操作が運転手順に則しているかを確認する操作確認手段41と、運転操作の確認結果を表示する確認結果表示手段42と、を備える。
【0084】
また、操作確認機能において、本実施形態のプラント運転支援方法は、実プラント110の運転操作が運転手順に則しているかを確認する操作確認工程と、運転操作の確認結果を表示する確認結果表示工程と、を含む。
【0085】
これらによれば、実プラント110の運転手順が正確であるか否かを確認することが可能になる。
【符号の説明】
【0086】
1 プラント運転支援装置
11 運転状態監視手段
12 仮想プラント作成手段
13 運転状態予測手段
14 基準データ記憶手段
15 運転状態表示手段
16 運転状態表示部
21 運転状態診断手段
22 診断データ記憶手段
23 診断結果表示手段
24 診断結果表示部
31 運転手順設定手段
32 運転手順データ記憶手段
33 運転手順表示手段
34 運転手順表示部
41 操作確認手段
42 確認結果表示手段
43 確認結果表示部
110 原子力発電プラント( 実プラント)
210 仮想プラント
210’ 予測仮想プラント
D1 運転状態データ
D2 基準データ
D3 診断データ
D4 運転手順データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8