(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、実施形態に係るエアバッグ装置について説明する。
図1及び
図2はステアリングホイール10及びエアバッグ装置30を示す分解斜視図である。
【0030】
<1.ステアリングホイール10とエアバッグ装置30との全体構成>
このエアバッグ装置30は、車両におけるステアリングホイール10に取付可能に構成されている。以下に、ステアリングホイール10及びエアバッグ装置30の全体構成について概略的に説明する。
【0031】
<1−1.ステアリングホイール>
ステアリングホイール10は、車両の操舵を行うためのものであり、ホイール本体12とスポーク14と中央部材16とを備えている。ホイール本体12は、リング状に形成されており、人による操舵力を受ける部分である。中央部材16は、運転手から遠ざかる方向に延出するステアリングシャフトの先端部に連結可能に構成されている。スポーク14は、ホイール本体12の内周部分からその中央に向けて延びており、当該中央において中央部材16に連結されている。ここでは、スポーク14は、3つ設けられているが、2つ等であってもよい。そして、ステアリングホイール10を回転させると、その回転運動がスポーク14及び中央部材16を介してステアリングシャフトに伝達されるようになっている。
【0032】
上記中央部材16には、エアバッグ装置30とステアリングホイール10とを固定するための取付構造が設けられる。例えば中央部材16には、取付突部162と取付凹部164とが設けられる。取付突部162は運転手側に突出している。また取付突部162はその先端側で爪部を有しており、エアバッグ装置30に設けられた係止体60(
図2参照)と係止する。再び
図1を参照して、取付凹部164は中央部材16に凹設されており、運転手側に開口している。取付凹部164には、エアバッグ装置30と固定される取付挿入部材25が挿入され、取付凹部164と取付挿入部材25とが互いに固定される。係止体60および取付挿入部材25については後にも述べる。
【0033】
また中央部材16にはホーン接点166が設けられている。このホーン接点166は、いわゆるホーンを鳴らすためのものである。エアバッグ装置30は、運転手側からプッシュ可能にステアリングホイール10に固定されており、運転手がエアバッグ装置30を押し込むことで、ホーン接点166が、エアバッグ装置30に設けられるホーン接点72に当接し、この当接によってホーンが鳴る。
【0034】
<1−2.エアバッグ装置>
エアバッグ装置30は、エアバッグ32と、インフレータ34と、カバー36と、取付プレート40と、係止体60と、ホーン用導体70とを備えている。
【0035】
エアバッグ32は、布等で袋状に形成されており、カバー36内に収容可能なように折畳まれている。
【0036】
インフレータ34は、エアバッグ32を膨張展開させる装置である。ここでは、インフレータ34は、短円柱状のインフレータ本体部34aと、インフレータ本体部34aの外周に形成された取付フランジ34bとを有している。インフレータ本体部34aには、点火装置及びガス発生剤等が組込まれている。そして、車両衝突時に衝撃検知部等からの検知信号等を受けると、当該点火装置がガス発生剤を点火する。これにより、ガス発生剤が燃焼し、この燃焼によって発生するガスがエアバッグ32内に供給される。これにより、エアバッグ32が運転手に向けて膨張展開する。取付フランジ34bは、外周縁が方形状をなすように延出する板状に形成され、その4つの角部分に固定孔34cが形成されている。
【0037】
カバー36は、樹脂等により形成された部材であり、カバー本体37と立壁38とを有している。カバー本体37は、エアバッグ装置30がステアリングホイール10に取付固定された状態で、操舵装置(エアバッグ付きステアリングホイール)の前面を形成する部分である。このカバー本体37は、折り畳まれたエアバッグ32を一方側(ステアリングホイール10とは反対側)から覆う。立壁38は、カバー本体37の内面側で折畳まれたエアバッグ32の周りを囲うように、カバー本体37に突設されている。ここでは、立壁38は、角筒状に形成されているが、その他、円筒状、或は、エアバッグ32の周りを部分的に囲う形状に形成されていてもよい。そして、折畳まれたエアバッグ32が、カバー本体37及び立壁38で囲まれる空間内に収容される。なお、カバー本体37には、エアバッグ32の膨張展開力を受けて破断するティアラインが形成されている。
【0038】
取付プレート40は、上記インフレータ34が取付けられた状態で、立壁38の開口を塞ぐようにエアバッグ32に取付けられる。
【0039】
取付プレート40は、例えば立壁38の外周に沿った形状を有する板状部材に形成されている。ここでは、取付プレート40は、立壁38の開口と同じ形状の周縁を有する板部42と、板部42の外周囲に形成された周壁48とを有している。周壁48は立壁38に外嵌めされる。
【0040】
板部42の中央部には、開口42hが形成され、この開口42h内にインフレータ34が配設される。
【0041】
また、板部42のうち開口42hの周りには、ネジ挿通孔42cが形成されており、このネジ挿通孔42cを利用して、インフレータ34及びエアバッグ32が次のようにして取付けられる。まず上記エアバッグ32に挟込ブラケット50が取り付けられる。
図1,2ではエアバッグ32と挟込ブラケット50とを分離して示しているものの、実際にはエアバッグ32の開口辺縁部が、挟込ブラケット50の周縁部をステアリングホイール10側から覆っている。つまり、挟込ブラケット50はエアバッグ32の内部に配設される。
【0042】
挟込ブラケット50は、金属板等で形成された部材であり、ここでは、板形状に形成されている。挟込ブラケット50の中央部には、インフレータ34を配設可能な開口50hが形成されている。また、挟込ブラケット50の各角部にネジ部51が突設されている(
図2参照)。各ネジ部51はエアバッグ32の開口辺縁部に形成された孔32cを通ってエアバッグ32外に突出する。ネジ部51が開口辺縁部に形成された孔32cを貫通することにより、エアバッグ32が挟込ブラケット50に対して固定される。
【0043】
また、カバー36の立壁38には爪部381が形成されており、この爪部381が、エアバッグ32によって覆われた挟込ブラケット50の周縁に対して、エアバッグ32の外側から係止される。これにより、カバー36が挟込ブラケット50に固定される。
【0044】
取付プレート40には、ネジ部51に対応する位置にネジ挿通孔42cが形成される。取付プレート40は、ネジ部51がネジ挿通孔42cを貫通した状態で、ネジ部51にナット52(
図1参照)を螺合締結することで、挟込ブラケット50に取り付けることができる。
【0045】
ただしここでは、ネジ部51とナット52とを用いて、インフレータ34とホーン用導体70をも取り付ける。
【0046】
ホーン用導体70は例えば板状の金属部材である。このホーン用導体70には、ステアリングホイール10のホーン接点166と対応する位置にホーン接点72が形成されるとともに、ネジ挿通孔42cと対応する位置で固定孔70cが形成されている。
【0047】
このホーン用導体70は、固定孔70cをネジ挿通孔42cと同じ位置に配設した状態で、取付プレート40に重ねて配置される。
【0048】
また、インフレータ本体部34aが取付プレート40の開口42h内に配設されると共に、取付フランジ34bが、その固定孔34cをネジ挿通孔42cと同じ位置に配設した状態で、取付プレート40(或いはホーン用導体70)のステアリングホイール10側に重ねて配設される。
【0049】
この状態で、各ネジ部51がネジ挿通孔42c及び固定孔34c,70cを通って取付プレート40から突出するように、挟込ブラケット50が取付プレート40に重ね合される。そして、取付プレート40から突出する各ネジ部51に、ナット52を螺合締結する。これにより、インフレータ34およびホーン用導体70が取付プレート40に取付固定されると共に、カバー36及びエアバッグ32が取付プレート40に取付固定される。この状態では、インフレータ34の少なくとも一部はエアバッグ32内に配設されている。
【0050】
また、取付プレート40には、エアバッグ装置30をステアリングホイール10に取付固定するための取付構造が設けられる。ここでは、取付挿入部材25と係止体60とを用いてエアバッグ装置30がステアリングホイール10に取付けられる。
【0051】
取付挿入部材25は、コイルスプリング251を介して取付プレート40(より詳細には板部42)に固定される。このコイルスプリング251は取付挿入部材25の筒状部に外嵌めされており、筒状部に形成されたフランジ部に当接する。一方で、板部42には、一対の柱部422が突設されており、一対の柱部422の先端には爪部が設けられている。この柱部422は、例えば取付挿入部材25の筒状部とコイルスプリングとの間を通って、取付挿入部材25に設けられた係止部の縁部に引っ掛かる。これによって、取付挿入部材25が取付プレート40に取付けられる。またコイルスプリング251は、板部42にも当接しており、取付挿入部材25と板部42とが互いに離れる方向に付勢する。
【0052】
取付挿入部材25は、外力を受けて板部42に近づくことができる。このときコイルスプリング251は外力によって縮む。また外力が消失すると、取付挿入部材25はコイルスプリング251の付勢力によって元の位置に戻る。
【0053】
また取付挿入部材25はステアリングホイール10の取付凹部164と固定される。たとえば取付挿入部材25は、筒状部の先端(フランジ部よりもステアリングホイール10側の端部)に設けられる鍔部を有している。一方で、取付凹部164の底部周縁には溝部が形成されている。そして、取付挿入部材25が取付凹部164に挿入された状態で、この鍔部が溝部に嵌って係止される。これにより、取付挿入部材25が取付凹部164に固定される。
【0054】
かかる構造により、エアバッグ装置30は運転手からの外力を受けてステアリングホイール10側へと移動することができる。そしてエアバッグ装置30のホーン接点72がステアリングホイール10のホーン接点166に当接することにより、ホーンが鳴る。また外力が消失すれば、コイルスプリング251の付勢力によってエアバッグ装置30が元の位置に戻る。
【0055】
また、上記取付構造とは別の構造(係止体60)が取付プレート40に設けられる。これは例えば次の事態に備えるためである。すなわち、エアバッグ32が膨張展開するときには、大きな衝突力またはエアバッグの膨張展開力が生じる。これにより、取付挿入部材25と取付凹部164との固定、または、取付挿入部材25と板部42との固定部が破損する事態が生じ得る。そこで、このような事態が生じても他の構造によってエアバッグ装置30とステアリングホイール10との固定を維持するのである。
【0056】
係止体60は弾性変形可能な線状体であり、例えば金属ワイヤである。係止体60は、取付プレート40に支持されており、取付突部162と係止される。なお係止体60は、取付突部162と常時当接して係止されている必要はない。係止体60は、取付挿入部材25による固定部が破損したときに取付突部162に当接して、エアバッグ装置30とステアリングホイール10との固定を維持すればよい。
【0057】
本実施の形態では、係止体60を取付プレート40に取り付ける構造について、詳述する。
【0058】
<2.係止体60の支持構造>
図3は、取付プレート40の概念的な構成の一例を示す斜視図であり、
図4は、取付プレート40と係止体60との概念的な構成の一例を示す斜視図である。
図3,4では、ステアリングホイール10側から見た構造が示されている。また
図4では、係止体60に係止される取付突部162も模式的に示している。
【0059】
以下では、説明の便宜上、互いに直交する前後方向D1、上下方向D2および左右方向D3を設定する。前後方向D1は取付プレート40の主面の法線(板部42の法線)に沿う方向である。またここでは、上下方向D2および左右方向D3は、それぞれ、運転手がエアバッグ装置30を見たときの上下方向および左右方向であるとして説明する。ただし、上下方向D2および左右方向D3は、必ずしも運転手から見た方向に限らない。上下方向D2および左右方向D3は、前後方向D1と垂直であり、かつ、互いに垂直であればよい。
【0060】
<2−1.係止体60の係止部分の支持>
図4の例示では、係止体60は略U字形状を有している。係止体60は、略U字形状の開口が上方に向く姿勢で取付プレート40に支持されている。
図5は、前後方向D1に沿って見た係止体60の概念的な構成の一例を示す平面図であり、
図6は左右方向D3に沿って見た係止体60の概念的な構成の一例を示す平面図である。
【0061】
図3,4の例示では、板部42には、係止体支持部424が突設される。係止体支持部424は、ステアリングホイール10側に突出しており、係止体60の両側の部分(以下、係止部分と呼称する)62を前後方向D1で支持する。係止体支持部424は、例えば開口42hに対して左右方向D3の両側にそれぞれ設けられている。
【0062】
係止体支持部424には、取付プレート40の主面に水平な方向(ここでは上下方向D2)に沿って自身を貫通する係止体挿通孔424aが形成されており、この係止体挿通孔424aに係止部分62が挿入される。
図3,4の例示では、係止体支持部424は4つの壁部424bを有している。これら4つの壁部424bは板部42からステアリングホイール10側に突出しており、上下方向D2に沿って並んで設けられる。また4つの壁部424bのいずれにも係止体挿通孔424aが形成されており、係止部分62は4つの壁部424bの全てを上下方向D2に沿って貫通している。
【0063】
この係止体挿通孔424aの前後方向D1の幅は、係止体60の断面の幅(前後方向D1の幅)と等しいか、わずかに広い。これにより、係止体支持部424は係止部分62を前後方向D1で挟んで支持することができる。よって係止部分62を前後方向D1で固定することができる。ただし、全ての壁部424bの係止体挿通孔424aが、係止体60の幅と等しいか、わずかに広い幅を有している必要はない。
図3,4の例示では、上方に位置する壁部424bの係止体挿通孔424aの幅は、係止体60の幅よりも十分に広い。また、係止部分62を支持するという観点では、壁部424bは少なくとも一つ設けられていれば良い。
【0064】
一対の係止部分62は、左右方向D3に沿って係止体支持部424を付勢していることが望ましい。例えば一対の係止部分62を互いに近づける方向に係止体60を弾性変形させた状態で、係止体支持部424がこの係止部分62を、左右方向D3の外側から支持する。これにより、係止体60は、両外側に向かって係止体支持部424を付勢することとなる。このような構造により、係止体60を左右方向D3で固定することができる。なお、係止体60は一対の係止部分62が互いに近づく方向に向かって係止体支持部424を付勢してもよい。これによっても、係止体60を左右方向D3で固定することができるからである。
【0065】
また係止体挿通孔424aの左右方向D3の幅は、係止体60の断面の幅(左右方向D3の幅)よりも十分に広い。よって、係止部分62に対して左右方向D3の外力を与えることで、係止体60を弾性変形させて、係止部分62を左右方向D3に移動させることができる。例えば
図4の構造では、一対の係止部分62を互いに近づけるように、係止体60を弾性変形することができる。
【0066】
また係止体支持部424は、ステアリングホイール10の取付突部162と干渉しないように構成されている。
図4の例示では、係止体支持部424は、上方の2つの壁部424bの間で係止部分62を露出させており、この部分に取付突部162が入り込む。この構造によれば、エアバッグ装置30をステアリングホイール10へ取り付ける際に、取付突部162の爪部が当該部分で係止部分62に接触する。そして、取付突部162が板部42側へと押し込まれることにより、係止部分62が左右方向D3に移動して取付突部162の進入を許す。
図4の例示では、このとき一対の係止部分62は、互いに近づくように移動する。そして、さらに取付突部162が押し込まれて、その爪部が板部42と係止部分62との間の空隙に位置すると、係止部分62が元の位置に戻る。これにより、取付突部162が係止部分62と係止状態となる。
【0067】
なお、取付突部162の爪部が、常に、係止部分62と前後方向D1で接触している必要はない。取付挿入部材25によるエアバッグ装置30とステアリングホイール10との固定部が破損したときに、取付突部162が係止部分62と前後方向D1で当接すればよい。
【0068】
<2−2.係止体60の上下方向D2の移動規制>
図3,4の例示では、板部42には凹み部426が形成されている。この凹み部426は板部42の下方側の周縁部に沿って形成されている。この凹み部426には、係止体60のうち、略U字形状の中央の部分(以下、被規制部分と称呼する)64が配置される。より詳細には、凹み部426を形成する側壁面(以下、規制壁面と呼称する)426aは、被規制部分64に対して、取付プレート40の主面に水平な方向(ここでは上下方向D2)において一方から当接する。
図4の例示では、規制壁面426aおよび被規制部分64は左右方向D3に沿って延在している。なお、規制壁面426aは全領域で被規制部分64と当接する必要はなく、少なくとも一部が当接していればよい。この点は、被規制部分64に当接する他の部材であっても同様である。
【0069】
なお一対の係止部分62は、上述のように、板部42から前後方向D1に突出する係止体支持部424によって支持されている。よって一対の係止部分62と被規制部分64とを繋ぐ連結部分66は、前後方向D1にも延在する。ここでは、
図4〜6を参照して、連結部分66は、係止部分62から、前後方向D1で板部42に近づきつつ、左右方向D3で板部42の中央側かつ上下方向D2で下方側に延在して、被規制部分64に至っている。
【0070】
また取付プレート40には規制片挿通孔426cが形成されている。この規制片挿通孔426cは、被規制部分64に対して取付プレート40の外周側(規制壁面426aとは反対側)の位置に形成され、板部42(凹み部426)を前後方向D1に沿って貫通する。
図4の例示では、規制片挿通孔426cは、被規制部分64の延在方向(ここでは左右方向D3)に長い長尺形状を有している。
【0071】
この規制片挿通孔426cは次で説明する規制片によって貫通される。
図7はカバー36の概念的な構成の一例を示す斜視図である。
図7では、ステアリングホイール10側から見た構造が示されている。また
図7では、規制片挿通孔426cの位置を示すべく、模式的に規制片挿通孔426cも示している。後述の規制片挿通孔426dについても同様に示される。
【0072】
図7に示すように、カバー36の立壁38の先端には規制片382が設けられている。この規制片382は、規制片挿通孔426cに対応する位置で、立壁38から前後方向D1に沿って突出している。
図7の例示では、規制片382は例えば左右方向D3に長尺の形状を有している。
【0073】
そして、カバー36が取付プレート40に取り付けられた状態で、規制片382は規制片挿通孔426cを貫通し、取付プレート40に水平な方向(ここでは上下方向D2)において、規制壁面428aとは反対側から被規制部分64と当接する。
図8は、
図4の断面Aの概念的な構成の一例を示している。
図8では、カバー36が取り付けられた状態での、カバー36の一部(規制片382など)も示されている。また
図8では、取付挿入部材25についても示されているものの、取付挿入部材25は、係止体60の支持とは無関係であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0074】
図8に示すように、規制片382は規制壁面426aとともに被規制部分64を上下方向D2で挟む。したがって、規制片382と規制壁面426aとは互いに協働して、係止体60の上下方向D2の移動を抑制することができる。
【0075】
一方で、カバー36が取り外された状態では、被規制部分64は規制片382によって規制されない。よって、係止体60の移動規制を緩和した状態で、係止体60を取付プレート40に取り付けることができる。よって上述のように、係止体60を容易に取付プレート40に配置できる。また逆に、係止体60を取付プレート40から容易に取り外すこともできる。したがって本構造は、例えば取付作業をやり直す必要がある場合などに特に好適である。
【0076】
また
図4の例示では、係止部分62は下方から上方へと係止体挿通孔424aに挿入される。そして取付プレート40は、この係止部分62を係止体挿通孔424aに挿入することにより、被規制部分64が規制壁面426aと当接するように、構成されている。より詳細には、被規制部分64は、係止部分62の挿入方向と同じ方向から規制壁面426aと当接している。つまり、規制片382は、規制壁面426aに対して取付プレート40の外周側に位置している。また凹み部426は下方側に開口しており、カバー36が取り外された状態では、被規制部分64は下方から上方へと凹み部426に侵入可能である。
【0077】
これにより、係止部分62を係止体挿通孔424aに挿入しながら、被規制部分64を規制壁面426aに当接させることができる。よって、被規制部分64を容易に規制壁面426aに当接させることができる。
【0078】
なお、
図4,7の例示では、規制片382および規制片挿通孔426cは長尺状の形状を有しているものの、これらの形状については適宜に変更することができる。また、規制片382が被規制部分64の延在方向に長い長尺形状を有していれば、被規制部分64との対向面積を向上することができる。よって被規制部分64の支持力を向上できる。
【0079】
また、
図3,4では、規制壁面426aは凹み部426の側壁面であるものの、これに限らない。例えば板部42からステアリングホイール10側に突出する突出部材を設け、この突出部材が被規制部分64と当接しても構わない。この場合、規制壁面426aは、当該突出部材の側面のうち被規制部分64と当接する側面である。ただし、凹み部426の規制壁面426aが被規制部分64と当接する構造であれば、突出部材のような不要な出っ張りを抑制することができる。板部42からの出っ張りが増えると、他の部材に干渉して取付作業性を低下させる可能性があるので、このような出っ張りは少なくいことが好ましい。
【0080】
また、
図3〜8では、規制片382は規制片挿通孔426cを貫通している。よって取付プレート40に対してカバー36を位置決めすることができる。またカバー36の取付プレート40に対する安定性も向上できる。
【0081】
また
図3〜8では、係止部分62の挿入方向と同じ方向で、規制片382と規制壁面426aとがそれぞれ被規制部分64と当接している。ただし、これに限らず、係止体60の挿入方向の移動を抑制できる範囲で、挿入方向と当接方向とが交差していてもよい。例えば被規制部分64が下方に膨らむように湾曲している場合、被規制部分64はその両側で左右方向D3から傾斜して延在する。規制片382および規制壁面426aは、この両側で被規制部分64と当接してもよい。
【0082】
<2−3.被規制部分64の前後方向D1の移動規制>
図3,4の例示では、板部42に規制壁部428が設けられている。この規制壁部428は、被規制部分64と前後方向D1で当接する部材であり、被規制部分64に対してステアリングホイール10側に位置する。なお、規制壁部428の表面のうち、被規制部分64と当接する面は、エアバッグ32とは反対側から被規制部分64と当接する第2規制面である、と把握できる。
【0083】
図3,4の例示では、規制壁部428は、規制壁面426aから上下方向D2に沿って被規制部分64側(ここでは下方側)に延在する略板状の部材である。また
図3,4の例示では、規制壁部428は対で設けられ、規制片挿通孔426cに対して互いに反対側の位置に設けられている。
【0084】
また凹み部426には、被規制部分64と前後方向D1で当接する位置において、規制片挿通孔426dが形成されている(
図3,4を参照)。規制片挿通孔426dは前後方向D1で板部42を貫通する。
図3の例示では、規制片挿通孔426c,426dは上下方向D2で連続しており、全体として一つの挿通孔を形成している。
【0085】
一方で、カバー36側には、規制片384が設けられている(
図7,8を参照)。規制片384は、立壁38の先端のうち規制片挿通孔426dに対応する位置に設けられている。
図7,8の例示では、規制片384は規制片382と上下方向D2で連続しており、全体として一つの規制片を形成している。また
図8を参照して、規制片384は規制片382よりも立壁38側に退いている。よって段差が形成される。
【0086】
図9,10は、上下方向D2に垂直であり、かつ、規制片384を通る断面での、取付プレート40、係止体60、カバー36の概念的な構成の一例が示されている。
図9はカバー36を取り付ける様子を示しており、
図10はカバー36が取り付けられた状態を示している。
【0087】
図9,10の例示では、規制片384は、係止体60側に突出/開口する櫛歯形状を有しているものの、これに限らない。ただし櫛歯形状を採用すれば、櫛歯形状の開口部が埋まった形状に比して、規制片384の体積を低減できる。よって軽量化できる。
【0088】
図9に示すように、カバー36を取付プレート40に近づけて取り付けると、
図8,10に示すように、規制片384は規制片挿通孔426dを貫通し、被規制部分64と前後方向D1で当接する。
図8も参照して、被規制部分64は、規制片382,384によって形成される段差に配置される。
【0089】
以上のように、被規制部分64は、ステアリングホイール10側で規制壁部428と当接し、エアバッグ32側で規制片384と当接する。かかる構造により、被規制部分64の前後方向D1の移動を抑制することができる。換言すれば、被規制部分64を前後方向D1で位置決めすることができる。
【0090】
ここで、規制片384と規制壁部428とを有さない構造について考慮する。
図4も参照して、この場合、係止体60は、係止部分62を支点として被規制部分64が前後方向D1に沿って移動するように、弾性変形できる。したがって、例えば自動車の振動によって被規制部分64が揺動し、騒音を生じ得る。しかるに、本構造によれば、被規制部分64の前後方向D1の揺動を抑制することができるので、このような騒音も抑制できる。
【0091】
また
図3〜8の例示では、規制片384は、規制壁部428とは異なる位置で被規制部分64と当接している。これは、被規制部分64の回転を抑制するという観点で望ましい。ここで、
図3〜8の例示とは異なって、規制片384と規制壁部428とが同じ位置で被規制部分64と当接する構造について考慮する。このとき、被規制部分64は、規制片384と規制壁部428とによって挟まれる部分を中心として、両方向に回転し得る。一方で、異なる位置で規制壁部428と規制片384とが被規制部分64と当接する場合、被規制部分64は、規制片384と規制壁部428とに当接された状態で、一方向の回転が規制される。よって被規制部分64の回転を抑制できる。
【0092】
なお、異なる位置で規制壁部428と規制片384とが被規制部分64と当接する場合には、寸法精度を緩和するという観点でも望ましい。規制壁部428と規制片384との間隔(前後方向D1における間隔)が、被規制部分64の断面の幅よりも小さくても、被規制部分64、規制壁部428および規制片384の少なくともいずれかが弾性変形することで、カバー36を取付プレート40に取り付けることができるからである。
【0093】
また
図3〜10の例示では、規制片384は一対の規制壁部428の間に位置している。例えば規制壁部428が一つのみ設けられた構造では、規制片384が被規制部分64を上方に押し込むと、被規制部分64がこの一つの規制壁部428を中心として回転する方向に変形しえる。他方、本構造によれば、このような回転も抑制できる。
【0094】
<係止体60の仮固定>
図3,4に例示するように、凹み部426の規制底面426bは、被規制部分64に対してエアバッグ32側に位置しており、被規制部分64と前後方向D1で当接する。なお、規制底面426bは、エアバッグ32側から被規制部分64と当接する第3規制面である、と把握できる。
【0095】
このような構造では、規制底面426bと規制壁部428とによって、被規制部分64の前後方向D1の移動を抑制することできる。
【0096】
よってカバー36が取り付けられた状態では、規制壁面426a、規制片382、規制底面426bおよび規制壁部428が被規制部分64を前後上下の4方向から当接する。したがって、被規制部分64を前後方向D1および上下方向D2で位置決めできる。他方、カバー36が取り外された状態では、被規制部分64は規制壁面426aとは反対側の一方向(ここでは下方)で開放される。よってこの一方向から被規制部分64を出し入れできる。
【0097】
また、規制底面426bが被規制部分64の下方側への移動を規制するので、規制片384が設けられる必要はない。ただし、規制片384が被規制部分64を前後方向D1で押し込むことで、規制片384が被規制部分64に強く当接し、より強固に支持することができる。
【0098】
また、凹み部426の規制底面426bが被規制部分64と当接する構造を採用する場合、規制壁部428に仮止め用の係止爪を形成してもよい。
図11は、左右方向D3に垂直な断面における、規制壁部428と被規制部分64との概念的な構成の一例を示す図である。
図11に例示するように、規制壁部428には、被規制部分64を抜け止めするように係止する係止爪4281が設けられている。係止爪4281は、被規制部分64に対して規制壁面426aとは反対側で、規制壁部428から前後方向D1に沿って被規制部分64側に突出している。よって、係止爪4281は被規制部分64(より詳細には規制壁部428側の一部)と上下方向D2で当接する。
【0099】
これにより、係止体60を仮止めすることができる。よって、カバー36が取り付けられていない状態であっても、係止体60と取付プレート40とを一体で取り扱うことができる。したがって、エアバッグ装置30の組立作業を容易にできる。
【0100】
なお係止爪4281は必ずしも規制壁部428に設けられる必要はなく、規制底面426bに設けられても構わない。あるいは規制壁部428と規制底面426bの両方に設けられても構わない。
【0101】
また、本実施の形態では、係止体60が略U字形状を有しているとして説明した。しかしながら、係止体60の形状は適宜に変更できる。要するに、係止体60は、前後方向D1で取付プレート40に支持されつつ、ステアリングホイール10の取付突部162と係止される係止部分と、係止部分と連続し、板部42に水平な方向で規制壁面426aおよび規制片382によって挟まれる被規制部分とを有していれば良い。これによって、係止体60の当該方向における移動を規制することができるので、移動に伴う異音の発生を抑制することができる。しかも、カバー36が取り付けられた状態で、被規制部分の移動が規制される。言い換えれば、カバー36を取り外すことで、被規制部分の規制が緩和される。よって被規制部分を移動させやすく、ひいては係止体60をより簡単に取付プレート40に取り付け、またより簡単に取り外すことができる。
【0102】
また係止部分が、取付プレート40に形成される係止体挿通孔424aに挿入される場合には、係止部分から折り曲げて被規制部分を形成することが望ましい。言い換えれば、被規制部分の延在方向が、係止部分の延在方向(即ち係止体挿通孔424aの挿入方向)と異なることが望ましい。この場合、被規制部分を、規制片と規制壁面とで挟むことで、係止部分の延在方向の移動を規制することができる。
【0103】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。