【実施例】
【0016】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1および
図2に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤Mを着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤Mの裏側に、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置18が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤Mを透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板13bで前後に開口する窓部13aを覆うよう構成された前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。なお、実施例では、前記図柄表示装置18としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の図柄表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成してもよい。なお、球受け皿については、上下2枚の球受け皿14,15を備えるものに限らず、1枚の球受け皿のみを設ける構成であってもよい。
【0017】
前記前枠13の右下方位置には、前記中枠12に配設された打球発射装置16を作動する操作ハンドル17が設けられている。前記操作ハンドル17は、左回転方向に付勢された操作レバー17aを備えており、該操作レバー17aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置16が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤Mに向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー17aの回動量に応じて前記打球発射装置16によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー17aの回動量を操作することで、前記遊技盤Mに形成された第1球流下経路21a(後述)をパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該遊技盤Mに形成された第2球流下経路21b(後述)をパチンコ球が流下する所謂「右打ち(ゴム打ち)」とを打ち分け得るようになっている。
【0018】
(遊技盤Mについて)
本実施例では、所定板厚の略矩形状に形成された木材板の表面に各種絵柄等が描かれた合成樹脂シート(図示せず)等を貼付けて装飾した板状部材20と、該板状部材20の裏側に着脱自在に取り付けられる設置部材19とから遊技盤Mが構成されている(
図4参照)。板状部材20の表面には、略円形状に湾曲形成された案内レール23が配設され、該案内レール23によってパチンコ球が流下可能な遊技領域21が画成されている。なお、前記図柄表示装置18は、設置部材19の裏側に取り付けられて、後述するように該設置部材19に設けた開口部19aおよび後述する枠状装飾部材31に設けた開口部31aを介して板状部材20の前側に臨むよう構成される。
【0019】
前記案内レール23は、
図3に示す如く、板状部材20の左下部から右上部に至るよう左方向に膨出する円弧状に形成された外レール24と、板状部材20の右上部、右下部および左上部に至るよう右方向に膨出する円弧状に形成された内レール25,26とから構成されている。前記内レール25,26は、外レール24の右上端部に連接して板状部材20の右上部から下部に亘って配設され、左端縁が右方に凹む円弧状に形成された盤面飾り部材25と、板状部材20の下部から左上部に亘って配設されて盤面飾り部材25の下端部に連接し、前記外レール24の右方(内側)に離間して位置するレール部材26とから構成され、該外レール24およびレール部材26により1個のパチンコ球が通過可能な発射通路23aが画成されている。ここで、前記内レールを構成するレール部材26は、前記板状部材20の左上部に開放端を臨ませて外レール24との間に遊技領域21に開口する打出し口23bを画成するよう構成されて、前記打球発射装置16から発射されたパチンコ球が発射通路23aの下方開口から飛翔して、レール部材26の開放端側の打出し口23bから遊技領域21内に打ち出されるようになっている。
【0020】
図3に示す如く、前記外レール24と盤面飾り部材25との接続位置は、外レール24および盤面飾り部材25の曲率の相違から段差が形成されており、該段差部分に緩衝ゴム(減勢部)27が配設されている。すなわち、前記外レール24の終端位置に臨むよう緩衝ゴム27が配設されて、前記打球発射装置16から発射されて外レール24に沿って終端位置まで移動して緩衝ゴム27に当接したパチンコ球を減勢し得るようになっている。なお、前記緩衝ゴム27は、前記第2球流下経路21bに位置している。
【0021】
(板状部材20の装着口28)
前記板状部材20には、
図4に示す如く、前後に貫通する装着口28が前記遊技領域21内に複数開設されて、各装着口28に対して各種遊技部品が前側から取り付けられると共に、遊技領域21の最下部位置には、該遊技領域21に開口する第1アウト口(アウト口)29が開設されており、遊技領域21に打ち出されて第1アウト口29に入球したパチンコ球が機外に排出されるよう構成される。また、前記板状部材20には、前記遊技領域21内に多数の遊技釘30が植設されており、遊技領域21を流下するパチンコ球が遊技釘30に接触することでパチンコ球の流下方向を不規則に変化させるようになっている。なお、前記装着口28の形成数は、板状部材20に対して取り付けられる各種遊技部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜決定される。
【0022】
実施例の前記板状部材20には、
図4に示す如く、前記案内レール23で囲まれた遊技領域21の略中央の大部分が開口する第1装着口(貫通孔)28に、前後に開口する開口部31aが形成された枠状装飾部材31が取り付けられ、該枠状装飾部材31の開口部31aを介して図柄表示装置18の表示部が板状部材20(遊技盤M)の前面側に臨むよう構成されている。そして、第1装着口28(枠状装飾部材31)の下方に開設された第2装着口(図示せず)に、遊技領域21(後述する第1球流下経路21a)を流下するパチンコ球が入賞可能な第1始動入賞口32aを有する第1始動入賞装置32が取り付けられ、該第2装着口(第1始動入賞装置32)の右方から上方にかけて開設された第3装着口(図示せず)に、遊技領域21(後述する第2球流下経路21b)を流下するパチンコ球が入賞可能な特別入賞装置33が取り付けられている。また、実施例のパチンコ機10では、前記枠状装飾部材31における特別入賞装置33の上方であって第2球流下経路21bに臨む位置に、該第2球流下経路21bを流下するパチンコ球が入賞可能な第2始動入賞口34aを有する第2始動入賞装置34が設けられている。更に、枠状装飾部材31には、第2始動入賞口34aの上側において、第2球流下経路21bに開口するよう第2アウト口52が設けられており、第2球流下経路21bを流下するパチンコ球を第2アウト口52で回収して機裏側に通出し得るよう構成される。
【0023】
実施例のパチンコ機10では、前記第1始動入賞装置32に設けられた第1始動入賞口32aまたは第2始動入賞装置34に設けられた第2始動入賞口34aに遊技領域21を流下するパチンコ球が入賞することで、前記図柄表示装置18において図柄が変動表示されて図柄変動演出が展開され、該図柄変動演出の結果、図柄表示装置18に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の3つ揃い等)で図柄が停止表示されることで所謂大当り(当り)が発生し、大当りの発生に伴って前記特別入賞装置33が開放して多数の賞球を獲得し得る機会が与えられるようになっている。ここで、前記第1始動入賞装置32は、第1始動入賞口32aが遊技領域21に常時開放する常時開放型の入賞装置とされ、前記第2始動入賞装置34は、所定の開放条件および閉鎖条件に従って第2始動入賞口34aが開閉部材35により開閉される開閉型の入賞装置とされている。そして、前記特別入賞装置33は、開閉体33aにより特別入賞口33bを常には閉鎖(入賞不能状態と)するよう構成され、大当りの発生に伴って特別入賞口33bを開放(入賞可能状態と)するよう構成されている。
【0024】
(球通過ゲート36について)
前記板状部材20には、
図3に示す如く、前記枠状装飾部材31より右側に画成されている前記第2球流下経路21bに、パチンコ球が通過可能な球通過ゲート36が配設されている。球通過ゲート36には、該ゲート36をパチンコ球が通過したことを検知するゲートセンサ(図示せず)が配設される。そして、ゲートセンサが接続される図示しない制御装置は、該ゲートセンサの球検知に基づき前記第2始動入賞装置34の開閉部材35を開放するか否かの始動口開放抽選を行うよう構成されている。そして、始動口開放抽選に当選した場合に、制御装置は前記第2始動入賞装置34を制御して開閉部材35を開放するよう設定される。
【0025】
(特別入賞装置33について)
前記枠状装飾部材31に配設した第2始動入賞装置34より下側の遊技領域21(第2球流下経路21b)の板状部材20に配設された前記特別入賞装置33は、特別入賞口33bが開閉体(開閉部材)33aで常には閉鎖されている。そして、前記図柄表示装置18での図柄変動の結果、図柄表示装置18の表示部に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の三つ揃い等)で図柄が停止表示されることで所謂「大当り」が発生した場合に、前記制御装置によって開閉体33aを開放するよう作動制御し、これにより遊技領域21(第2球流下経路21b)に開口した特別入賞口33bへの入賞により多数の賞球を獲得し得るように構成されている。特別入賞装置33には、前記特別入賞口33bより下側に、遊技領域21を流下するパチンコ球が入賞可能な普通入賞口50が設けられている(
図3参照)。
【0026】
(枠状装飾部材31について)
前記板状部材20に配設される前記枠状装飾部材31は、
図4に示す如く、前記板状部材20に開設された前記第1装着口28の内側に沿って延在する環状に形成された枠状基部37と、該枠状基部37に設けられて前記板状部材20の前面より前方に突出し、前記遊技領域21と図柄表示装置18の表示部(表示領域)を区切る庇状部38と、該庇状部38の後縁から外方に延出する薄板状の台板部39とを備える。そして、前記枠状基部37を第1装着口28に挿入すると共に台板部39を板状部材20の前面に当接した状態で、該台板部39をネジ等の固定手段で板状部材20に固定することで、枠状装飾部材31が板状部材20に取り付けられる。ここで、前記庇状部38は、
図3に示す如く、前記枠状装飾部材31(枠状基部37)の左側縁の中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するよう設けられており、図柄表示装置18の前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。
【0027】
前記枠状装飾部材31には、
図3,
図4に示す如く、開口部31aの下側に、ステージ42が配設されると共に、開口部31aの左側に、遊技領域21に開口して該遊技領域21を流下するパチンコ球を取り込んでステージ42に案内する球導入部43が設けられ、該球導入部43からステージ42に通出されたパチンコ球は、ステージ42上を左右に転動した後に、前記第1始動入賞装置32が配設されている遊技領域21に排出される。またステージ42の後端縁には、左右方向の全長に亘って上側に向けて所定高さで立上がる透明壁44が設けられ、ステージ42上を転動するパチンコ球が図柄表示装置18の表示部側に移動するのを該透明壁44で防止している。
【0028】
前記庇状部38は、
図3に示す如く、最上部位置から左右方向に下方傾斜するよう形成されて、遊技領域21に打ち出されたパチンコ球が庇状部38上で滞ることなく前記枠状装飾部材31の左側方または右側方へ誘導されるよう形成されている。すなわち、前記板状部材20に画成された遊技領域21には、前記枠状装飾部材31の左側方をパチンコ球が流下する第1球流下経路21a、および該枠状装飾部材31の上方から右側方をパチンコ球が流下する第2球流下経路21bが設けられており、前記打出し口23bから遊技領域21に打ち込まれたパチンコ球は、第1球流下経路21aおよび第2球流下経路21bの何れかを流下するよう構成される。換言すると、前記打球発射装置16により遊技領域21内に発射されたパチンコ球は、到達位置に応じて前記枠状装飾部材31およびレール部材26(内レール25,26)の間に形成される第1球流下経路21aか、或いは枠状装飾部材31、外レール24および盤面飾り部材25(内レール25,26)の間に形成される第2球流下経路21bの何れかを流下する。そして、実施例に係るパチンコ機10では、前記第1球流下経路21aをパチンコ球が流下する場合(左打ちした場合)に、パチンコ球が第2球流下経路21bを流下する場合に較べて第1始動入賞装置32の第1始動入賞口32aにパチンコ球が入賞する可能性が高くなるよう構成されると共に、該第2球流下経路21bをパチンコ球が流下する場合(右打ちの場合)に、パチンコ球が第1球流下経路21aを流下する場合に較べて特別入賞装置33の特別入賞口33eや第2始動入賞装置34の第2始動入賞口34aへパチンコ球が入賞する可能性が高くなるよう構成されている。なお、庇状部38における前記開口部31aの上方に臨む略弧状に形成されている領域において、外レール24との離間間隔は、パチンコ球1個分の幅寸法より大きく、かつ遊技球2個分の幅寸法より小さな幅寸設に設定されている。
【0029】
(装飾部品53,54,55,56について)
前記枠状装飾部材31の枠状基部37や庇状部38の前側に、各種の意匠が施された光透過性の装飾部品53,54,55,56が配設され、該装飾部品53,54,55,56および前記透明壁44によって前記図柄表示装置18の表示部を前側に臨ませる開口部31aが画成されている。
図3に示す如く、枠状装飾部材31における開口部31aの上側に、該開口部31aの横幅寸法と略程度の横幅寸法に設定された大型の第1装飾部品53が配設されている。この第1装飾部品53は、裏側に配設された発光装置によって裏側から照明されるよう構成される。また、枠状装飾部材31における開口部31aの左側に、第1装飾部品53の左端から前記球導入部43までに至る第2装飾部品54が配設されており、該第2装飾部品54は、裏側に配設された発光装置によって裏側から照明されるよう構成される。第1装飾部品53および第2装飾部品54は、メッキ処理が施された非透明な部品を透明部材の前側に配設したり、または透明部材自体にメッキ処理を施して非透明部と透明部とを形成するよう構成され、透明部が裏側から照明されて明輝するよう構成される。なお、第1装飾部品53および第2装飾部品54に形成される透明部が、パチンコ機10のモチーフとなるキャラクタのロゴや関連する意匠を表わすようになっており、該透明部が明輝することで図柄表示装置18の表示部で実行される図柄変動演出を盛り上げ得るよう構成される。
【0030】
前記枠状装飾部材31における開口部31aの右側には、
図3または
図6に示す如く、前記第2始動入賞装置34の上側に第3装飾部品(装飾部)55および第4装飾部品(装飾部)56が配設されている。なお、第2始動入賞装置34の前側には、非光透過性の意匠部材57が配設されており、該意匠部材57と前記第1装飾部品53の右端との間に第3装飾部品55と第4装飾部品56とが位置している。
【0031】
(第3装飾部品55について)
前記第3装飾部品55は、全体が透明(透光性)の部材の表面に、非透明な部材を配設したり透明部材自体に塗料を塗布する等して非透明部と透明部とを形成したものであって、該透明部によってパチンコ機10のモチーフとなる意匠が表わされるようになっている。第3装飾部品55の表面および裏面に、後述する発光装置74の第1発光体76aから照射される光を拡散する凹凸による光拡散処理が施されている。なお、第3装飾部品55の表面と裏面とに施される光拡散処理による凹凸の形状が異なるように構成されている。
【0032】
前記第3装飾部品55は、前記枠状装飾部材31の枠状基部37に対して第1取着部材58を介して着脱自在に配設されるよう構成される。そして、第3装飾部品55は、枠状基部37に配設された状態で、
図10,
図11に示す如く、右側(第2球流下経路21bに臨む側)から開口部31aの中央側に向かうにつれて後方に向けて変位するように湾曲形成されており、該第3装飾部品55の全体が、前記図柄表示装置18の表示部の正面前方を向くよう設定されている。第3装飾部品55の裏面には、ネジ孔を形成した一対の第1固定ボス55a,55aが上下に離間して後方に向けて突設されており(
図8参照)、該固定ボス55a,55aに第1取着部材(支持部)58がネジ等の固定手段によって着脱自在に固定されるよう構成されている。
【0033】
前記第1取着部材58は、
図9に示す如く、前記枠状基部37に固定される第1取付基部59と、第3装飾部品55に固定される第2取付基部60とを、所定角度で折曲形成した全体が透明の部材であって、第1取付基部59が、枠状基部37に設けた第1固定部61に対して着脱自在に固定されるよう構成される。該第1固定部61は、
図7,
図10に示す如く、枠状基部37の前縁から内側(開口部31aの中央部側)に向けて延出する基部61aと、該基部61aの延出端から後方に向けて延在する接続部61bと、該接続部61bの後端から内側(開口部31aの中央部側)に向けて延在する取着部61cとから構成される。取着部61cには、上下に離間して2つの通孔61dが形成されると共に、各通孔61dに近接する位置に位置決め孔61eが夫々穿設されている。また、前記第1取着部材58の第1取付基部59に、ネジ孔を形成した一対の第2固定ボス59a,59aが上下に離間して前方に向けて突設されると共に、第1取付基部59の裏面には、各第2固定ボス59aの形成位置に近接して位置決め突起59bが後方に向けて突設されている。そして、各位置決め突起59bを対応する位置決め孔61eに取着部61cの前側から挿入することで、取着部61cの通孔61dと第2固定ボス59aのネジ孔とが前後に整合するようになっている。すなわち、位置決め突起59bおよび位置決め孔61eによって第1取着部材58の各第2固定ボス59aのネジ孔を第1固定部61の対応する通孔61dに整合するように第1取付基部59の裏面を取着部61cの前面に当接した状態で、各通孔61dに後側から挿通した固定手段としてのネジ(図示せず)を第2固定ボス59aのネジ孔に螺挿することで、第1取着部材58が第1固定部61(枠状装飾部材31)に固定されるよう構成される。
【0034】
前記第1取着部材58の第2取付基部60には、上下に離間して2つの通孔60aが形成されており、第2取付基部60の前面を前記第3装飾部品55の第1固定ボス55a,55aの後端(突出端)に当接した状態で、各通孔60aに後側から挿通した固定手段としてのネジ(図示せず)を第1固定ボス55aのネジ孔に螺挿することで、第3装飾部品55の裏側に第1取着部材58が固定されるよう構成される。前記枠状装飾部材31の第1固定部61における取着部61cは、
図11に示す如く、前記板状部材20の板面と平行に延在しており、該取着部61cに第1取付基部59を固定した状態で、該第1取付基部59に対して第2取付基部60は左斜め後方に向けて延在(すなわち枠状基部37から離間するにつれて後方に変位するように延在)するよう構成される。そして、該第2取付基部60に固定された第3装飾部品55は、前述したように、枠状装飾部材31の枠状基部37から開口部31aの中央部側に向かうにつれて後方に変位するように延在する。また、第1取着部材58には、後述する発光装置74の第1発光体84aから照射される光を拡散する光拡散処理が施されている。
【0035】
前記第1固定部61の取着部61cは、
図11に示す如く、前記枠状基部37の前後方向の略中間に位置しており、該取着部61cに第1取着部材58を介して固定された第3装飾部品55は、右端部が前記庇状部38より前側に位置すると共に、左端部(開口部31aの中央部を向く側)が前記板状部材20の裏面より後方まで延在するよう構成してある。また、枠状装飾部材31に第1取着部材58を固定するネジおよび該第1取着部材58に第3装飾部品55を固定するネジは、何れも枠状装飾部材31を取り付けた板状部材20の第1装着口28の内側に位置して該第1装着口28を介して裏側に露出するよう構成されている。すなわち、板状部材20から設置部材19を取り外した状態において、板状部材20の裏側から各ネジにアクセスして、枠状装飾部材31に対して第3装飾部品55を取り付けたり取り外したりすることが可能に構成されている。実施例では、第3装飾部品55に固定されている第1取着部材58を、ネジによって枠状装飾部材31の第1固定部61に対して着脱可能に固定し得るように構成されると共に、第1固定部61に固定されている第1取着部材58に対して、第3装飾部品55をネジによって着脱可能に固定し得るように構成されている。すなわち、実施例では、枠状装飾部材31に対して第3装飾部品55を着脱自在に取り付けるための第1固定部61および第1取着部材58が取付部として機能する。なお、第1取着部材58および第1固定部61は、第3装飾部品55の外縁部から外方に突出しない寸法に設定されており、第3装飾部品55を正面側から見た場合に、該第1取着部材58および第1固定部61は第3装飾部品55によって覆われて隠されるようになっている。
【0036】
(第4装飾部品56について)
前記第4装飾部品56は、前記第3装飾部品55より小型の部材であって、全体が光透過性に形成されており、枠状装飾部材31の枠状基部37に設けた第2固定部62に対して第2取着部材63を介して着脱自在に取り付けられるよう構成される(
図7参照)。この第2固定部62および第2取着部材63の構成は、前記第1固定部61および第1取着部材58の構成と同じであって、第2取着部材63は、第4装飾部品56および第2固定部62に対して夫々ネジを介して着脱自在に固定されるよう構成される。また、第4装飾部品56は、第3装飾部品55と同様に、前記板状部材20の裏側から各ネジにアクセスして枠状装飾部材31に対して取り付けたり取り外し得るよう構成される。なお、第4装飾部品56は、全体が光透過性の不透明に構成されて、後述する発光装置74から照射される光による明輝態様が、前記第3装飾部品55の明輝態様とは異なるようにしてある。
【0037】
前記枠状装飾部材31における第3装飾部品55および第4装飾部品56の配設位置の間に、前記台板部39から前側に膨出する全体が透明(透光性)で後方に開口する発光装飾部64が設けられている。この発光装飾部64に光拡散処理が施されると共に、該発光装飾部64の後方には、枠状装飾部材31に配設された光透過性の光拡散部材65(
図7参照)が対向するよう位置している。この光拡散部材65には、ダイヤモンドカット等の凹凸による光拡散処理が施されており、後述する発光装置74から照射された光が該光拡散部材65で拡散して明輝する状態を発光装飾部64を介して視認可能にしている。すなわち、光拡散部材65を介して視認可能な発光装置74から照射される光による明輝態様は、前記第3装飾部品55および第4装飾部品56での明輝態様とは異なるようになっている。
【0038】
(設置部材19について)
前記設置部材19は、前記板状部材20の外郭形状より僅かに小さな形状に形成された略矩形状の背面板45と、該背面板45の外周縁部から前方に突出する画壁部46とから前方に開口した箱状に形成されて、該画壁部46の開口前端部を板状部材20の裏面に当接させた状態で、当該板状部材20と設置部材19とがネジにより固定される。そして、設置部材19において板状部材20との間に画成される空間に、各種の可動演出装置71や各種の発光装置74等が設置されて、設置部材19を基材とする1つのユニットとして扱い得るようになっている(
図4参照)。また、前記設置部材19の背面板45には、前記枠状装飾部材31の開口部31aと前後に整列する位置に、略矩形状の開口部19aが前後に開口するよう開設されると共に、該背面板45の裏側に前記図柄表示装置18が着脱自在に取り付けられて、該開口部19aを介して図柄表示装置18の表示部が板状部材20(遊技盤M)の前側に臨むようになっている。
【0039】
(画壁部46の支持段部46bについて)
前記設置部材19における右側の画壁部(側壁)46は、
図6または
図10に示す如く、前記背面板45の側端縁から前方に向けて延在する第1側壁46aと、該第1側壁46aの前端縁に連設されて外側(左側方)に延在する支持段部46bと、支持段部46bの延出端縁に連設されて前方に向けて延在する第2側壁46cとを備える。支持段部46bには、上下に離間して装置取着部(取着部)46d,46eが設けられており、該装置取着部46d,46eを介して後述する球排出経路部材67および発光装置74がネジ止め固定されるようになっている(
図5参照)。実施例では、装置取着部46d,46eとして、上側にネジ孔が形成された位置決め用ネジボス部が設けられると共に、下側に位置決め用突部が設けられ、発光装置74に設けた対応する装置被取着部83a,83bを対応する位置決め用ネジボス部および位置決め用ネジ突部に位置決めした状態でネジ止め固定されるようになっている。
【0040】
(球排出経路部材67について)
前記設置部材19には、前記第2始動入賞口34a、特別入賞口33b、普通入賞口50に入賞したパチンコ球(セーフ球)および第2アウト口52に入球したパチンコ球(アウト球)を排出案内する球排出経路部材67が配設されている。この球排出経路部材67には、第2始動入賞口34aに入賞したパチンコ球を排出案内する入賞球排出経路、特別入賞口33bに入賞したパチンコ球を排出案内する特別入賞球排出経路、普通入賞口50に入賞したパチンコ球を排出案内する普通入賞球排出経路および、第2アウト口52に入球したパチンコ球を排出案内するアウト球排出経路が形成される。また球排出経路部材67には、
図5に示す如く、入賞球排出経路を第2始動入賞口34aに連通する入賞用開口67aおよびアウト球排出経路を第2アウト口52に連通するアウト用開口67bが前方に向けて開口すると共に、特別入賞球排出経路を特別入賞口33bに連通する特別用開口67cが上方に向けて開口している。また、普通入賞球排出経路を普通入賞口50に連通する普通用開口67dが前方に向けて開口している。
【0041】
(磁気センサ68について)
図5に示す如く、前記球排出経路部材67の上部右側に、磁気センサ68を着脱自在に取り付けるためのセンサ設置部69が一体的に設けられている。このセンサ設置部69には、固定手段としての皿ビス70を介して磁気センサ68が位置決め固定されるよう構成されており、球排出経路部材67を取り付けた設置部材19を板状部材20の裏側に取り付けた状態で、磁気センサ68が板状部材20の裏面に近接位置して(
図10参照)、前記前枠13の透視保護板13bに磁石が近づけられたときに、該磁石の磁気を磁気センサ68で検出し得るよう構成される。なお、磁気センサ68は、前記制御装置に電気的に接続されて、該磁気センサ68が磁気を検出した際に、制御装置が警報を発するようにスピーカを制御したり、打球発射装置16の作動を停止制御するよう構成される。
【0042】
前記センサ設置部69には、前後に貫通する通孔が形成されており、該センサ設置部69の裏面を前記支持段部46bの前面に当接した状態で、通孔に前側から挿通したネジによって該センサ設置部69を支持段部46bにネジ止めすることで、球排出経路部材67の上部側が設置部材19に対して位置決め固定されるよう構成される。なお、球排出路部材67の下部側は、複数箇所において前記背面板45にネジ止め固定されるようになっている。
【0043】
(可動演出装置71について)
前記設置部材19には、前記第2球流下経路21bの裏側に臨む部分に、左右方向に往復移動自在な可動体72を備えた可動演出装置71が配設されており、前記図柄表示装置18で行われる図柄変動演出に合わせて可動体72を作動させることで、遊技の興趣を向上するよう構成してある。可動体72は、前記背面板45における開口部19aの下端縁より上側に延在して、該背面板45の前面に沿って左右方向に直線的に往復移動可能に支持されている。また可動演出装置71は、
図6に示す如く、前記背面板45における開口部19aの下端縁より下方に配設されて可動体72に連繋した駆動手段73を備え、該駆動手段73によって可動体72は、前記枠状装飾部材31の開口部31aに臨んで前側に露出する作動位置(開口部31aの中央部側の位置)と、開口部31aの中央側から作動位置より離れて枠状装飾部材31および板状部材20の裏側に隠れる待機位置(開口部31aの縁部側の位置)との間を往復移動するよう構成される。そして、可動体72は、
図10,
図11に示す如く、待機位置において背面板45と球排出経路部材67との間に画成される空間S1に下端部が収容されるようになっている。
【0044】
(発光装置74について)
前記球排出経路部材67の上端部には、待機位置に位置する可動体72の前方に臨む発光装置74が配設されている。発光装置74は、待機位置に位置する可動体72と前記枠状装飾部材31の第3装飾部品55、第4装飾部品56および発光装飾部64との間に臨んでおり(
図12参照)、該発光装置74に設けた発光体76a,76b,76cを点灯することで、第3装飾部品55、第4装飾部品56および発光装飾部64を裏側から照らして明輝させ得るよう構成される。
【0045】
前記発光装置74は、
図6に示す如く、全体が透明(透光性)で後方に開口するカバー体75と、該カバー体75の裏側に配設された発光基板76と、該発光基板76の前面に実装されて前方に向けて光を照射するLED等の複数の発光体76a,76b,76cとを備え、発光基板76の前面(発光体の実装面)はカバー体75で覆われて保護されている。発光装置74は、カバー体75の下端部が前記球排出経路部材67の上端部および該球排出経路部材67に設けた前記センサ設置部69の夫々にネジ止め固定されて、球排出経路部材67と一体的に取り扱い得るよう構成される(
図5参照)。また、カバー体75の右側部(一側部)に、上下に離間して装置被取着部(被取着部)83a,83bが設けられ、該装置被着取部83a,83bが、前記支持段部46bに設けた装置取着部46d,46eに対して着脱自在に取着されて、該発光装置74は設置部材19の画壁部46に片持ち支持されるよう構成されている。実施例では、上側の装置被取着部83aは、支持段部46bの上側に設けた装置取着部46dとしての位置決め用ネジボス部が後側から嵌合可能な凹部が形成されると共に通孔が形成された固定用通孔形成部として構成されると共に、下側の装置被取着部83bは、支持段部46bの下側に設けた装着取着部46eとしての位置決め用突部が後側から嵌合可能な凹部が形成された位置決め用凹部として構成されている。そして、固定用通孔形成部(装置被取着部83a)および位置決め用凹部(装置被取着部83b)に対応する位置決め用ネジボス部(装着取着部46d)および位置決め用突部(装着取着部46e)を嵌合した状態で、固定用通孔形成部(装置被取着部83a)の通孔に前側から挿通したネジを位置決め用ネジボス部(装着取着部46d)のネジ孔に螺挿することで、当該発光装置47の右側部が前記設置部材19における支持段部46bの前面にネジ止め固定されるよう構成されている。なお、実施例では、カバー体75における下側の装置被取着部83bの下側に、前記球排出経路部材67に設けたセンサ設置部69がネジ止めされており、該センサ設置部69を支持段部46bにネジ止めすることで、センサ設置部69を介して発光装置47の右側部下側が間接的に支持段部46bにネジ止め固定されるようになっている。すなわち、発光装置74を配設した球排出経路部材67を設置部材19にネジ止め固定した状態で、該発光装置74は、支持段部46bから内側(枠状装飾部材31の開口部31a中央側)に向けて前記板状部材20の板面に沿って延在して前記可動体72の前方に張り出すよう構成される(
図10,
図11参照)。
【0046】
前記発光装置74は、
図10,
図11に示す如く、枠状装飾部材31の枠状基部37より開口部31aの中央部側に所定長さで延出するよう構成されており、該枠状基部37の内側に延出する発光基板76の延出部76dに実装されている複数の第1発光体76aは、前記第3装飾部品55の後方に臨むようになっている。また、発光基板76には、
図6または
図12に示す如く、前記第4装飾部品56の裏側に対向する部分に複数の第2発光体76bが実装されると共に、前記発光装飾部64(光拡散部材65)の裏側に対向する部分に複数の第3発光体76cが実装されている。すなわち、発光基板76において発光させる発光体76a,76b,76cを選択することで、前記第3装飾部品55、第4装飾部品56および発光装飾部64(光拡散部材65)を選択して照明し得るよう構成される。なお、発光体76a,76b,76cとしては、フルカラーLEDまたは単色発光LEDを採用し得ると共に、フルカラーLEDからなる発光体と単色発光LEDからなる発光体とを組み合わせることもできる。
【0047】
前記複数の第1発光体76aの一部は、前記第3装飾部品55に向けて直接光を照射する位置に設けられると共に、一部は第3装飾部品55を枠状装飾部材31に固定するための前記第1取着部材58に向けて照射する位置に設けられている。すなわち、第1取着部材58が一部の第1発光体76aの前側に位置して、該発光体76aから照射された光を第1取着部材58で拡散して第3装飾部品55を照明し得るよう構成される。また、前記板状部材20の板面に沿って延在する発光基板76に実装されている第1発光体76aの光軸は、枠状装飾部材31に対して第1取着部材58を介して固定されている第3装飾部品55の裏面に対して傾斜するようになっている。そして、第1発光体76aから第1取着部材58に照射される光は、該第1取着部材58で拡散して、該第1発光体76aの光軸に対して傾斜している第3装飾部品55の裏面を広い範囲で照明し得るよう構成される。また、第1取着部材58における第3装飾部品55が固定される第2取付基部60は、第3装飾部品55の裏面に略沿うように延在して第1発光体76aの光軸に対して傾斜するよう構成されているので、該第1取付基部60に向けて照射されて拡散する光によって第3装飾部品55の裏面を広い範囲で照明することができる。
【0048】
前記発光装置74には、前記球排出経路部材67に対するネジ止め部に近接して位置決め部75aが設けられ、前記枠状装飾部材31に設けた被位置決め部78を該位置決め部75aに係合することで(
図11参照)、発光装置74に対して枠状装飾部材31が位置決めされるよう構成される。被位置決め部78は、枠状装飾部材31の前記第1固定部61における取着部61cに設けられており(
図7参照)、位置決め部75aと被位置決め部78とを係合することで、発光装置74と第3装飾部品55とが精度よく位置決めされるよう構成される。
【0049】
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0050】
前記前枠13の前面側に設けられた前記操作ハンドル17の操作レバー17aを遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置16から発射されたパチンコ球が前記板状部材20に設けた案内レール23により画成された発射通路23aを通って打出し口23bから遊技領域21内に打ち出される。このとき、前記操作レバー17aの回動量に応じてパチンコ球の打ち出し位置が変化し、打ち出し位置に応じて遊技領域21の第1球流下経路21aまたは第2球流下経路21bをパチンコ球が流下する。第1球流下経路21aまたは第2球流下経路21bを流下するパチンコ球が第1始動入賞装置32または第2始動入賞装置34に入賞すると、前記制御装置の制御に基づいて前記図柄表示装置18での図柄変動演出が開始され、図柄変動演出の結果、図柄表示装置18に所定の図柄組み合わせが表示されると大当りが発生する。大当りが発生すると、図柄表示装置18に表示された図柄組み合わせに応じて、前記板状部材20の右方(第2球流下経路21b)に設けられた特別入賞装置33が開放されると共に、前記制御装置の制御に基づいて図柄表示装置18において大当り演出が行われる。
【0051】
前記パチンコ機10では、前記図柄表示装置18で行なわれる図柄変動演出や大当り演出に応じて、前記各発光装置74の発光体76a,76b,76cが発光されたり点滅され、前記枠状装飾部材31の開口部31aの外周において行われる装飾部品53,54,55,56や発光装飾部64による発光演出により遊技の興趣が向上される。また、前記遊技盤M(板状部材20)における枠状装飾部材31の開口部3aより右側には、特別入賞装置33、第2始動入賞装置34およびゲート部材36が配設されており、遊技者が注目する領域であり、該領域における発光演出によって遊技の興趣を向上することができる。
【0052】
実施例では、前記枠状装飾部材31の右側の領域には、第3装飾部品55、第4装飾部品56および発光装飾部64が上下方向に並んで設けられている。そして、これらの装飾部品55,56や装飾部64の裏側に、
図12に示す如く、前記発光装置74が配設されている。すなわち、発光装置74の第1発光体76aを発光することで、前記第3装飾部品55を照明することができ、第2発光体76bを発光することで、前記第4装飾部品56を照明することができ、第3発光体76cを発光することで、前記発光装飾部64(光拡散部材65)を照明することができる。第3装飾部品55、第4装飾部品56および発光装飾部64に表われる明輝態様は夫々異なるよう構成してあるので、各装飾部品55,56や装飾部64を個別に照明する演出や、各装飾部品55,56や装飾部64を組み合わせて照明する演出によって、より興趣を向上することができる。
【0053】
(第3装飾部品55での明輝態様について)
前記発光装置74の第1発光体76aを発光すると、該第1発光体76aの光は、前記第3装飾部品55に向けて照射される。第1発光体76aと第3装飾部品55との間には、
図10,
図11に示す如く、光拡散作用を奏する前記第1取着部材58が位置しているので、該第1取着部材58に照射された光が拡散することで第3装飾部品55を効果的に照明することができる。しかも、実施例では、第3装飾部品55に直接光を照射する第1発光体76aと、第1取着部材58に向けて直接光を照射する第1発光体76aとが設けられているので、第3装飾部品55において第1発光体76aからの光が直接照射される領域と、第1取着部材58を介して光が照射される領域とでの明輝態様が異なる。すなわち、第3装飾部品55において、明輝態様が異なる複数の領域を設けてあるので、全体が同じ形態で明輝する場合に比べて演出効果を向上することができる。また、第1取着部材58は、第3装飾部品55を枠状装飾部材31に取り付けるための部材であるので、専用の光拡散部材を用いる場合に比べて部品点数を低減し得ると共に構造の簡略化が可能となる。
【0054】
前記第3装飾部品55は、
図10,
図11に示す如く、右側から左側に向かうにつれて後方に変位するように湾曲形成されており、前記枠状装飾部材31の枠状基部37の内側への突出寸法を大きくすることなく照明可能な面を広くし得るようになっている。従って、第1発光体76aから照射される光によって第3装飾部品55を明輝して興趣の高い発光演出が可能となる。しかも、第1発光体76aと第3装飾部品55との間に位置する第1取着部材58の第2取付基部60は、第3装飾部品55の裏面に略沿うように延在しているので、第1発光体76aから該第2取付基部60に向けて照射された光が透過する際に拡散することで第3装飾部品55の左端部側(開口部31aを画成する端側)の広い範囲を明輝させることができ、高い発光演出効果が得られる。
【0055】
実施例では、前記発光装置74の後方に位置する可動演出装置71の可動体72が、図柄表示装置18で行なわれる図柄変動演出や大当り演出に応じて、待機位置と作動位置との間を移動することで、前記装飾部品53,54,55,56や発光装飾部64による発光演出と相俟ってより遊技の興趣が向上される。また、発光装置74は、設置部材19に片持ち支持されて可動体72の前方に張り出すように設けられるよう構成してあるので、可動体72の動作を阻害することなく発光装置74を任意の位置に設けることができる。すなわち、発光装置74の配設位置の自由度を高めることができるので、該発光装置74によって照明する装飾部の位置も任意に設定することが可能となり、図柄表示装置18の表示部で実行される表示演出と装飾部での発光演出とによって視覚的な演出効果を向上し得る。更に、可動体72の待機位置側の画壁部46から該可動体72の前方に張り出すように発光装置47を片持ち支持しているので、可動体72の待機位置から作動位置への移動を妨げるような位置に発光装置47を設置部材19に取り付けるための部分は設けられておらず、可動体72の動作の自由度を高めて動作による演出効果を向上することができる。
【0056】
実施例のパチンコ機10では、枠状装飾部材31に配設した第3装飾部品55、第4装飾部品56および発光装飾部64を照明する発光装置74を設置部材19に設けるよう構成したので、発光装置74(発光基板76)の設置スペースを確保するために枠状装飾部材31の開口部31aを小さくする必要はなく、大きな装飾部品を配設して発光演出効果を向上し得ると共に大型の図柄表示装置18を採用することができる。また、発光基板76に実装した第1発光体76aの光軸に対して第3装飾部品55の裏面が傾斜する関係となるよう構成したので、第1発光体76aの光によって第3装飾部品55の広い範囲を照明することができ、効果的な発光演出を行い得る。すなわち、第1発光体76aからの光が第3装飾部品55に対して斜めに照射されることで、1つの発光体により照射される範囲が広がり、少ない発光体によって広範囲での照明が可能となる。また、第3装飾部品55を湾曲形成することで、照明可能な範囲を広くしつつ枠状基部37から内側への突出寸法を小さく抑え得るようになっているので、前記開口部31aの周囲での発光演出効果を向上させつつ開口部31aを大きくすることができ、より大型の図柄表示装置18を採用し得る。
【0057】
実施例のパチンコ機10では、前記枠状装飾部材31に配設した第3装飾部品55を照明する発光装置74を設置部材19に設けているので、該枠状装飾部材31が取り付けられている板状部材20から設置部材19を取り外すことで、第3装飾部品55の裏側を露出することができる。また、設置部材19を取り外した状態では、第3装飾部品55を枠状装飾部材31に取り付けるネジが板状部材20の裏側に露出するので、該ネジに裏側からアクセスして第3装飾部品55を枠状装飾部材31から簡単に取り外して別の部品に交換することができる。すなわち、基本的な演出内容やデザインを変更することなく大当り確率等のスペックを異ならせた複数種類(大当り確率の低い「メインスペックタイプ」や、該メインスペックタイプより大当り確率を高く設定した「甘いデジタイプ」)のパチンコ機10をシリーズで提供する場合において、スペックに応じてデザインを異ならせた第3装飾部品55を枠状装飾部材31に簡単に取り付けることができるので、外観の違いによってパチンコ機10の識別性を高めて遊技者が誤認するのを防止し得る。言い替えるなら、枠状装飾部材31の全体を、スペックに応じたデザインに変更する多くの手間や費用を費やすことなく、第3装飾部品55を交換するだけで、簡単かつ低コストでスペックが異なるパチンコ機10の識別性を高めることができる。また、枠状装飾部材31に対する第3装飾部品55の交換は簡単であるので、該第3装飾部品55を手軽に交換してパチンコ機10の見た目を変更することもできる。更に、第3装飾部品55と発光装置74(発光基板76)とは別体となっているので、発光装置74をリユースするに際して第3装飾部品55から発光装置74(発光基板76)を取り外す手間は必要なく、リユース性が高い。
【0058】
また、実施例では、前記枠状装飾部材31に対して第3装飾部品55を固定するための第1取着部材58を、該第3装飾部品55に対して着脱自在に構成しているので、第3装飾部品55自体の取り付け構造は第1固定ボス55aを設けただけの簡単な構成とすることができる。すなわち、枠状装飾部材31に設けた第1固定部61に対して第3装飾部品55の裏面を、前記板状部材20の板面に沿うように配置した発光基板76における第1発光体76aの光軸に対して傾斜させるための複雑な取り付け構造を第3装飾部品55に設ける必要はないので、該第3装飾部品55のデザイン変更が容易となる。
【0059】
(別実施例について)
図13は、別実施例に係るパチンコ機の要部を示すものであって、前述した実施例と異なる部分についてのみ説明し、同一部材には同じ符号を付して示すものとする。
【0060】
別実施例のパチンコ機では、前記枠状装飾部材31の枠状基部37における前記設置部材19に配設した発光装置74の前側に臨む部位に、光を透過可能な基部側光透過部79が設けられている。具体的に基部側光透過部79は、前記第3装飾部品55を固定するための第1固定部61が設けられる領域に設けられており、該第1固定部61に固定されている前記第1取着部材58が、該基部側光透過部79の内側に位置するよう構成される。また、第1取着部材58における前記第2取付基部60は、
図13に示す如く、基部側光透過部79に近接する端部(右端部)から離間するにつれて後方に向けて傾斜しており、前記第1発光体76aから照射された光は、一部が第2取付基部60を透過すると共に一部が第2取付基部60の表面で基部側光透過部79に向かうように反射可能に構成されている。すなわち、別実施例において第2取付基部60は、第1発光体76aから照射された光を透過光と反射光とに分岐するビームスプリッタとして機能するよう構成されており、第2取付基部60の表面にハーフミラーのシートやフィルムを貼付したり、該第2取付基部60自体をハーフミラーで構成することで、反射効率を高めることができる。なお、枠状基部37の全体を透明に形成することで、基部側光透過部79が設けられるようにしてもよい。
【0061】
前記基部側光透過部79の外側に位置する前記板状部材20に、基部側光透過部79を透過した光を前方に向けて透過可能な板側光透過部80が設けられている。この板側光透過部80は、板状部材20における前第1装着口28側に開口するように形成された孔部に透明部材を配設して構成される。また、板側光透過部80の裏面には、光を透過することなく基部側光透過部79に入射した光を前方に向けて反射可能な非光透過部81が設けられている。この非光透過部81は、非光透過性の塗料を塗布したり非光透過性の部材やシール等を配設することで設けることができる。なお、板側光透過部80に、光拡散処理を施すことが好ましい。
【0062】
すなわち、前記第1発光体76aから第1取着部材58の第2取付基部60に照射された光は、該第2取付基部60に対して斜めに当ることで、一部が反射すると共に一部が第2取付基部60を透過する。そして、第2取付基部60を透過する際に拡散した光によって、前記第3装飾部品55を照明することができる。また、第2取付基部60で反射された光は、前記基部側光透過部79を透過して板側光透過部80に入射し、該板側光透過部80を明輝させることができる。なお、板側光透過部80の裏面には光を前方に向けて反射可能な非光透過部81が設けられているので、側方から板側光透過部80に入射された光は該非光透過部81によって前方に反射されて、該板側光透過部80を効果的に明輝させ得る。すなわち、別実施例のパチンコ機では、枠状装飾部材31に配設された第3装飾部品55を照明する第1発光体76aの光によって、板状部材20の板側光透過部80(遊技領域)を照明することができる。すなわち、板側光透過部80を照明するための専用の発光体を設ける必要はなく、部品点数を削減し得る。
【0063】
なお、前記第1取着部材58にプリズムを設けて光を分散する構成としてもよい。また、第3装飾部品55にレンズ部を設けることも可能である。
【0064】
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、枠状装飾部材における開口部の右側に第3装飾部品(装飾部)を配設したが、該第3装飾部品は、開口部の上側や右側等、任意の位置に設けることができる。
(2) 実施例では、第3装飾部品(装飾部)を枠状装飾部材に対して着脱自在に配設した場合で説明したが、該第3装飾部品を枠状装飾部材に一体で設ける構成を採用し得る。
(3) 第3装飾部品(装飾部)を枠状装飾部材に取り付ける第1取着部材として、
図14に示す構造の変更例を採用することができる。この変更例に係る第1取着部材82には、第1取付基部59の前面における一対の第2固定ボス59a,59aの間に、前方に突出する支持片82aが突設されている。そして、第2取付基部60を介して第3装飾部品55を第1取着部材58に固定した際に、支持片82aが第3装飾部品55における第1固定ボス55aから離間した位置の裏面に当接して該第3装飾部品55を支持し得るよう構成される。すなわち、変更例の第1取着部材82によれば、第3装飾部品55を3箇所(第2取付基部60と第1固定ボス55a,55aとの当接部および支持片82aと第3装飾部品55の裏面との当接部)で安定して支持し得る。また、支持片82aは、第1取付基部59および第2取付基部60に対して異なる方向に向けて延在しているので、該支持片82aに光拡散処理を施すことで、第1発光体から照射される光をより多方向に拡散することができる。なお、
図14に示す第1取着部材82では、実施例で説明した第1取着部材58と同じ部分については同じ符号を付している。
【0065】
(4) 実施例では、第3装飾部品(装飾部)を、別部材の第1取着部材を介して枠状装飾部材に取り付けるよう構成したが、第1取着部材が第3装飾部品に一体で設けられているものであってもよい。
(5) 実施例では、発光基板を板状部材の板面に平行に延在するように配置するのに対し、第3装飾部品(装飾部)を板状部材の板面に対して傾斜(湾曲)するよう構成することで、第1発光体(発光体)の光軸と第3装飾部品(装飾部)の裏面とが傾斜するよう構成したが、第3装飾部品(装飾部)を板状部材の板面に平行に延在するように配置するのに対して、発光基板を板状部材の板面に対して傾斜するように配置する構成を採用し得る。また、板状部材の板面に対して発光基板および第3装飾部品(装飾部)の何れも傾斜するように配置することで、第1発光体(発光体)の光軸と第3装飾部品(装飾部)の裏面とが傾斜するようにしてもよい。
(6) 実施例では、複数の部材(第3装飾部品、第4装飾部品、発光装飾部)を照明する発光体を共通の発光基板に実装した場合で説明したが、各部材を照明する発光体を別々の発光基板に実装する構成を採用することができる。
(7) 実施例では、可動体を枠状装飾部材における開口部の右側後方から開口部中央に向けて移動可能に設けたが、該可動体を開口部の上側後方や右側後方から開口部中央に向けて移動可能に設ける構成を採用し得る。そして、可動体の配設位置に応じて、発光装置を片持ち支持する設置部材の側壁の位置を設定すればよい。
(8) 実施例では、発光装置を球排出経路部材にネジ止め固定して、該球排出経路部材と発光装置とを一体的に取り扱い得るよう構成したが、発光装置を単独で設置部材に対して着脱自在に構成することができる。
(9) 実施例において、第1取着部材にプリズムを設け、1つのフルカラーLEDからの光を分散して、第3装飾部品における各照射領域によって照明される色を異ならせるようにすることができる。
(10) 別実施例では、板状部材に設けた孔部に透明部材を配設して板側光透過部を構成したが、透明部材に代えて、外周端面から内部に導入される光が反射することで前側から視認可能となる図柄がレーザー彫刻方法等によって形成された透明パネルを配設するようにしてもよい。この透明パネルを用いることで、第1取着部材で反射した光が透明パネルの該第1取着部材を向く外周端面から内部に導入されることで、遊技領域において図柄が前側から視認可能となって浮き出るように表示され、演出効果を向上し得る。
(11) 実施例では、板状部材を木材板から構成した場合で説明したが、アクリル板等の透明板で構成したものであってもよい。この場合には、別実施例の板側光透過部を別途設ける必要はなく、板状部材における第1取着部材の側方に対応する領域を第1発光体によって明輝させることができる。
(12) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。
【0066】
遊技機に関しては、実施例から以下の技術的思想を把握することができる。
前記枠状装飾部材(31)に設けた取付部(61)を介して前記装飾部(55)が枠状装飾部材(31)に取り付けられ、前記取付部(61)
に被位置決め部(78)が設けられる。
この
構成によれば、枠状装飾部材に装飾部を取り付けるための取付部に被位置決め部を設けたので、発光装置の発光体と装飾部とをより適正な関係で位置決めし得る。