(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6193049
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】太陽光パネル支持構造及び支持部材
(51)【国際特許分類】
E04D 13/18 20140101AFI20170828BHJP
H02S 20/23 20140101ALI20170828BHJP
【FI】
E04D13/18ETD
H02S20/23 A
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-166308(P2013-166308)
(22)【出願日】2013年8月9日
(65)【公開番号】特開2015-34433(P2015-34433A)
(43)【公開日】2015年2月19日
【審査請求日】2016年6月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000201869
【氏名又は名称】倉敷化工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺内 大地
(72)【発明者】
【氏名】小田原 雅道
【審査官】
坪内 優佳
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−023872(JP,A)
【文献】
特開平11−190106(JP,A)
【文献】
特開2013−024031(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3167164(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0267490(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/18
H02S 20/00−20/32
E04D 13/00
E04D 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の設置面に所定方向に互いに所定間隔を開けて並設された複数のベース部材と、該各ベース部材の上側に取り付けられた支持部材とを備え、隣り合うベース部材の間に該支持部材を介して太陽光パネルを支持する太陽光パネル支持構造であって、
上記支持部材は、
上記所定方向に延設され、上記所定方向の両端部にそれぞれ上記太陽光パネルの上記所定方向の一端部を載置支持する支持部と、
上記支持部の下側に設けられ、上記ベース部材にその上側から嵌合された嵌合部と、
上記支持部の上側における上記所定方向の両側に上下方向にそれぞれ延設され、該支持部により支持される太陽光パネルの上記所定方向の一端面を位置決めする位置決め面部と、
上記位置決め面部の上側に連続して設けられ、上側に行くに従って上記所定方向の内側に延びる案内面部とを有していることを特徴とする太陽光パネル支持構造。
【請求項2】
請求項1記載の太陽光パネル支持構造において、
上記嵌合部は、上記ベース部材に隙間嵌めされていることを特徴とする太陽光パネル支持構造。
【請求項3】
請求項1又は2記載の太陽光パネル支持構造において、
上記支持部材は、
上記所定方向から見て略コ字状に形成され、上板部と、該上板部における上記所定方向と直交する方向の両端部からそれぞれ下側に延設された一対の側板部とを有するコ字状部をさらに有しており、
上記各側板部における上記所定方向の両端面が、上記位置決め面部及び上記案内面部を構成していることを特徴とする太陽光パネル支持構造。
【請求項4】
請求項3記載の太陽光パネル支持構造において、
上記支持部は、上記コ字状部の上記側板部の下端部から上記所定方向と直交する方向の外側に延設された支持板部であり、
上記嵌合部は、上記支持板部からそれぞれ下側に延設され且つその間に上記ベース部材を挟み込む一対の嵌合板部を有していることを特徴とする太陽光パネル支持構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の太陽光パネル支持構造において、
上記支持部材の上側に取り付けられ、上記太陽光パネルをその上面側から押さえ付ける押さえ部材をさらに備えていることを特徴とする太陽光パネル支持構造。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の太陽光パネル支持構造に用いられる支持部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の設置面に所定方向に互いに所定間隔を開けて並設された複数のベース部材と、この各ベース部材の上側に取り付けられた支持部材とを備え、隣り合うベース部材の間に支持部材を介して太陽光パネルを支持する太陽光パネル支持構造及びこれに用いられる支持部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
所定の設置面に所定方向に互いに所定間隔を開けて並設された複数のベース部材と、この各ベース部材の上側に取り付けられた支持部材とを備え、隣り合うベース部材の間に支持部材を介して太陽光パネルを支持する太陽光パネル支持構造が従来技術として知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に示す太陽電池パネル支持装置は、構築物の外側面に固定される支持部材と、その支持部材上に脱着可能に取り付けられる押さえ部材とを備えている。支持部材には、隣接する2枚の太陽電池パネルの対向する端縁部の裏面を載置状態で受けるための一対の受け面と、両太陽電池パネルの端面にそれぞれ対向する一対の突条とを設けている。一方の突条には一方の太陽電池パネルの表面を押さえるための押さえ部を形成し、他方の突条には他方の太陽電池パネルの表面を押さえるとともに、両突条間の開口を覆う押さえ部材を固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−26381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図4及び
図5に示す太陽光パネル支持構造101は、複数のベース部材110と、支持部材120と、押さえ部材130とを備えている。支持部材120は、支持部121と、嵌合部122と、位置決め部123とを有している。支持部121は、
図4及び
図5に示す左右方向に延設され、左右方向の両端部にそれぞれ太陽光パネルSの左右方向の一端部を載置支持する。嵌合部122は、支持部121の下側に設けられ、ベース部材110にその上側から嵌合されている。位置決め部123は、コ字状に形成され、底板部123aと一対の側板部123b,123bとを有し、この側板部123bにより、支持部121により支持される太陽光パネルSの左右方向の一端面を位置決めする。押さえ部材130は、支持部材120の上側に取り付けられている。そして、支持部材120は、支持部材120及び押さえ部材130に挿通したボルト141及びナット142によりベース部材110の上面に取り付けられている。また、押さえ部材130は、ナット142をボルト141に締めることにより、太陽光パネルSをその上面側から押さえ付ける。
【0006】
ここで、太陽光パネル支持構造101による太陽光パネルSの設置作業時に、
図5に示すように、太陽光パネルSが、対応する支持部材120,120のうち、一方の支持部材120(
図5では右側の支持部材120)の位置決め部123の側板部123bの上に乗ると、この状態のままでは、太陽光パネルSを、対応する支持部材120,120の位置決め部123の側板部123bの間に嵌め込むことができない。このため、太陽光パネルSを一旦持ち上げて、場合によっては、ベース部材110や支持部材120の位置調整を行い、その後に、太陽光パネルSを再度、側板部123b,123bの間に嵌め込む必要が生じ、太陽光パネルSの設置作業の効率性が悪化するという課題があった。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、太陽光パネルの設置作業の効率性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明は、位置決め面部の上側に連続して、上側に行くに従って所定方向の内側に延びる案内面部を設けたことを特徴とする。
【0009】
具体的には、本発明は、所定の設置面に所定方向に互いに所定間隔を開けて並設された複数のベース部材と、該各ベース部材の上側に取り付けられた支持部材とを備え、隣り合うベース部材の間に該支持部材を介して太陽光パネルを支持する太陽光パネル支持構造を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0010】
すなわち、第1の発明は、上記支持部材は、
上記所定方向に延設され、
上記所定方向の両端部にそれぞれ上記太陽光パネルの
上記所定方向の一端部を載置支持する支持部と、上記支持部の下側に設けられ、上記ベース部材にその上側から嵌合された嵌合部と、上記支持部の上側における
上記所定方向の両側に上下方向にそれぞれ延設され、該支持部により支持される太陽光パネルの
上記所定方向の一端面を位置決めする位置決め面部と、上記位置決め面部の上側に連続して設けられ、上側に行くに従って
上記所定方向の内側に延びる案内面部とを有していることを特徴とするものである。
【0011】
これによれば、位置決め面部の上側に連続して、上側に行くに従って所定方向の内側に延びる案内面部を設けたため、太陽光パネルが案内面部等の上に乗ったとしても、その太陽光パネルをその上面側から押し付けると、太陽光パネルが、案内面部により下側に移動案内され、対応する位置決め面部の間に滑り込む。このため、太陽光パネルの設置作業の効率性を向上させることができる。
【0012】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記嵌合部は、上記ベース部材に隙間嵌めされていることを特徴とするものである。
【0013】
これによれば、嵌合部をベース部材に隙間嵌めしたため、支持部材を所定方向に移動させることができる。このため、寸法誤差や施工誤差等があって対応する位置決め面部の間が狭く、且つ太陽光パネルが案内面部等の上に乗ったとしても、その太陽光パネルをその上面側から押し付けると、太陽光パネルが案内面部により下側に移動案内されるとともに、支持金具が所定方向の適当な位置に移動して対応する位置決め面部の間が広がり、太陽光パネルが対応する位置決め面部の間に滑り込む。このため、太陽光パネルの設置作業の効率性をより一層向上させることができる。
【0014】
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記支持部材は、
上記所定方向から見て略コ字状に形成され、上板部と、該上板部における
上記所定方向と直交する方向の両端部からそれぞれ下側に延設された一対の側板部とを有するコ字状部をさらに有しており、上記各側板部における
上記所定方向の両端面が、上記位置決め面部及び上記案内面部を構成していることを特徴とするものである。
【0015】
これによれば、支持部材に、所定方向から見て略コ字状に形成され、上板部と、この上板部における所定方向と直交する方向の両端部からそれぞれ下側に延設された一対の側板部とを有するコ字状部を設けている。そして、このコ字状部の各側板部における所定方向の両端面が、位置決め面部及び案内面部を構成している。このため、太陽光パネルがコ字状部の上に乗ったとしても、太陽光パネルを2つの側板部で二点支持することができ、コ字状部が変形することを抑制することができる。
【0016】
第4の発明は、上記第3の発明において、上記支持部は、上記コ字状部の上記側板部の下端部から
上記所定方向と直交する方向の外側に延設された支持板部であり、上記嵌合部は、上記支持板部からそれぞれ下側に延設され且つその間に上記ベース部材を挟み込む一対の嵌合板部を有していることを特徴とするものである。
【0017】
これによれば、支持部材を板状の支持部、嵌合部及びコ字状部で構成しているため、支持部材を、板金を折り曲げ等を行うことにより形成した一体構造とすることができる。このため、支持部材を簡単な構造とすることができる。
【0018】
第5の発明は、上記第1〜第4のいずれか1つの発明において、上記支持部材の上側に取り付けられ、上記太陽光パネルをその上面側から押さえ付ける押さえ部材をさらに備えていることを特徴とするものである。
【0019】
これによれば、支持部材の上側に、太陽光パネルをその上面側から押さえ付ける押さえ部材を取り付けたため、太陽光パネルを確実に固定することができる。
【0020】
第6の発明は、上記第1〜第5のいずれか1つの発明に係る太陽光パネル支持構造に用いられる支持部材である。
【0021】
これによれば、上記第1〜第4のいずれか1つの発明と同様の作用効果が得られる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、位置決め面部の上側に連続して、上側に行くに従って所定方向の内側に延びる案内面部を設けたため、太陽光パネルが案内面部等の上に乗ったとしても、その太陽光パネルをその上面側から押し付けると、太陽光パネルが、案内面部により下側に移動案内され、対応する位置決め面部の間に滑り込み、このため、太陽光パネルの設置作業の効率性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態に係る太陽光パネル支持構造により太陽光パネルを支持した様子を示す正面図である。
【
図2】支持金具を示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は(b)のC−C線矢視断面図である。
【
図3】太陽光パネル支持構造による太陽光パネルの設置作業工程の一部を示す正面図である。
【
図4】従来に係る太陽光パネル支持構造により太陽光パネルを支持した様子を示す正面図である。
【
図5】従来に係る太陽光パネル支持構造による太陽光パネルの設置作業工程の一部を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0025】
本発明の実施形態に係る太陽光パネル支持構造1は、建物の屋上等の所定の設置面Iに複数の太陽光パネルSを並設支持するものである。この設置面Iは、水平面である。各太陽光パネルSは、略直方体状に形成されている。
【0026】
太陽光パネル支持構造1は、
図1〜
図3に示すように、複数の固定ベース材10(ベース部材)と、支持金具20(支持部材)と、押さえ金具30(押さえ部材)とを備えている。なお、以下の説明では、
図1及び
図3における左右方向を左右方向(所定方向)と、
図1及び
図3における紙面を貫く方向を前後方向(所定方向と直交する方向)とする。
【0027】
複数の固定ベース材10は、設置面Iに左右方向に互いに所定間隔を開けて平行に並設されている。各固定ベース材10は、上側に開口した金属製のC型チャンネルである。つまり、各固定ベース材10は、水平に延びる底板部11と、この底板部11の左右方向両端部からそれぞれ上側に延設された左右一対の側板部12,12と、これら側板部12,12の上端部からそれぞれ左右方向内側に延設された左右一対の上板部13,13とを有している。これら上板部13,13の間には、左右方向に隙間が空いており、この隙間が固定ベース材10の上側開口14を構成している。
【0028】
上記支持金具20は、各固定ベース材10の上側に取り付けられている。各支持金具20は、互いに左右方向に対応する位置に配設されている。各支持金具20は、コ字状部21と、支持板部22(支持部)と、嵌合部23とを有している。
【0029】
コ字状部21は、左右方向から見て略コ字状に形成されている。つまり、コ字状部21は、水平に延びる上板部21aと、この上板部21aの前後方向の両端部からそれぞれ下側に延設された一対の側板部21b,21bとを有している。上板部21aは、略矩形形状に形成されている。上板部21aの中央部には、円状のボルト挿通孔21cが形成されている。各側板部21bは、略六角形状に形成されている。各側板部21bにおける細長い左右方向の両端面の下部は、上下方向に延設された垂直面となっている。この垂直面が、支持板部22により支持される太陽光パネルSの左右方向の一端面に当接又は略当接してその一端面を位置決めする位置決め面部21dを構成している。この位置決め面部21dは、支持板部22の上側における左右方向の両側にそれぞれ配設されている。一方、各側板部21bにおける左右方向の両端面の上部は、位置決め面部21dの上端から上側に行くに従って左右方向の内側(左右方向における太陽光パネルSとは反対側)に直線的に延びる傾斜面となっている。この傾斜面が、位置決め面部21dの上側に連続して設けられ、太陽光パネルSを下側に移動案内する案内面部21eを構成している(この移動案内の詳細については、後述する)。
【0030】
上記支持板部22は、コ字状部21の各側板部21bの下端部から前後方向の外側に延設されている。各支持板部22は、略六角形状に形成されている。各支持板部22は、その長手方向が左右方向に一致するように左右方向に延設されている。各支持板部22は、左右方向の中央部が固定ベース材10の両上板部13,13の上面に載置支持されている。この支持板部22の左右方向の中央部は、コ字状部21に対応する位置に設けられている。
【0031】
各支持板部22は、左右方向の両端部の上面にそれぞれ太陽光パネルSの左右方向の一端部を載置支持する。この支持板部22の左右方向の両端部は、コ字状部21よりも左右方向の外側に位置する。これにより、太陽光パネルSは、左右方向に隣り合う固定ベース材10,10の間に支持金具20,20を介して支持されている。
【0032】
各支持板部22の前後方向の内側端は、コ字状部21から左右方向の外側に行くに従って前後方向の外側に延びている。一方、各支持板部22の前後方向の外側端は、左右方向に延設されている。
【0033】
上記嵌合部23は、支持板部22の下側に設けられている。嵌合部23は、固定ベース材10にその上面側から隙間嵌めされている。嵌合部23は、第1嵌合板部23a(嵌合板部)と、第2嵌合板部23bとを有している。
【0034】
第1嵌合板部23aは、各支持板部22の前後方向の外側端部における左右方向の両端部からそれぞれ下側に延設されている。各第1嵌合板部23aは、略台形状に形成されている。各第1嵌合板部23aの左右方向の内側端は、上側に行くに従って左右方向の内側に延びている。一方、各第1嵌合板部23aの左右方向の外側端は、上下方向に延設されている。各支持板部22の一対の第1嵌合板部23a,23aは、その間に固定ベース材10をその左右両側面側から挟み込む。各第1嵌合板部23aは、対応する固定ベース材10の各側板部12との間に隙間が空いている。
【0035】
上記第2嵌合板部23bは、各支持板部22の前後方向の外側端部における両第1嵌合板部23a,23aの間の中央部分から下側に延設されている。各第2嵌合板部23bは、略台形状に形成されている。各第2嵌合板部23bの左右方向の両端は、上側に行くに従って左右方向の外側に延びている。各第2嵌合板部23bは、固定ベース材10の上側開口14に挿入されている。各第2嵌合板部23bは、対応する固定ベース材10の両上板部13,13との間に隙間が空いている。各第2嵌合板部23bは、太陽光パネルSが両支持板部22の左右方向の両端部のうち一端部にのみ載置されたときに支持金具20が固定ベース材10から外れるのを抑制するストッパの役割も果たしている。
【0036】
上述の如く構成された支持金具20は、板金を折り曲げ等を行うことにより形成されている。これにより、支持金具20は、コ字状部21、支持板部22及び嵌合部23が一体構造となっている。また、支持金具20は、上記折り曲げにより剛性が高くなっている。
【0037】
上記押さえ金具30は、各支持金具20の上側に取り付けられている。各押さえ金具30は、前後方向から見て断面略逆ハット状に形成されている。つまり、各押さえ金具30は、水平に延びる底板部31と、この底板部31の左右方向両端部からそれぞれ上側に延設された左右一対の側板部32,32と、これら側板部32,32の上端部からそれぞれ左右方向外側に延設された左右一対の上板部33,33とを有している。
【0038】
底板部31の中央部には、円状のボルト挿通孔(不図示)が形成されている。底板部31及び側板部32は、左右方向に隣り合う太陽光パネルS,Sの間の隙間に挿入されている。各上板部33は、左右方向の外側に行くに従って下側に延びている。各上板部33は、対応する太陽光パネルSの上面に載置支持されている。
【0039】
そして、支持金具20は、支持金具20のボルト挿通孔21c及び押さえ金具30のボルト挿通孔に挿通した廻り止め金具41a付き六角ボルト41及び六角ナット42(締結部材)によりワッシャ43及びスプリングワッシャ44を介して固定ベース材10の両上板部13,13の上面に固定されている。廻り止め金具41aは、六角ボルト41の下端部に位置する頭部と固定ベース材10の両上板部13,13の下面との間に介設されている。ワッシャ43及びスプリングワッシャ44は、押さえ金具30の底板部31の上面と六角ナット42との間に介設されている。また、押さえ金具30は、六角ナット42をワッシャ43及びスプリングワッシャ44を介して六角ボルト41に締めることにより、各上板部33が対応する太陽光パネルSをその上面側から押さえ付ける。これにより、押さえ金具30は、左右方向に隣り合う太陽光パネルS,Sの間の隙間に固定される。
【0040】
以下、太陽光パネル支持構造1による太陽光パネルSの設置作業を
図3等を参照しながら説明する。
【0041】
最初に、複数の固定ベース材10を、設置面Iに左右方向に互いに所定間隔を開けて並設する。
【0042】
次に、支持金具20を、そのボルト挿通孔21cに挿通した廻り止め金具41a付き六角ボルト41により各固定ベース材10の両上板部13,13の上面に取り付ける。
【0043】
このとき、各支持金具20の嵌合部23は、固定ベース材10にその上面側から隙間嵌めされる。具体的に、各支持板部22の一対の第1嵌合板部23a,23aは、その間に固定ベース材10をその左右両側面側から挟み込む。一方、各第2嵌合板部23bは、固定ベース材10の上側開口14に挿入される。
【0044】
次に、
図3に示すように、太陽光パネルSを、対応する支持金具20,20のコ字状部21の側板部21bにおける位置決め面部21dの間に嵌め込み、太陽光パネルSの左右方向の両端部を、対応する支持金具20,20の支持板部22における左右方向の一端部の上面に載置支持する。
【0045】
このとき、太陽光パネルSが、対応する支持金具20,20のうち、一方の支持金具20のコ字状部21の上に乗ったとしても、その太陽光パネルSをその上面側から押し付けると、太陽光パネルSが、側板部21bの左右方向の一端面の、上側に行くに従って左右方向の内側に延びる案内面部21eにより下側に移動案内され、対応する支持金具20,20のコ字状部21の側板部21bにおける位置決め面部21dの間に滑り込む。
【0046】
また、各支持金具20の嵌合部23を固定ベース材10に隙間嵌めするため、支持金具20を左右方向に移動させることができる。これにより、寸法誤差や施工誤差等があって対応する位置決め面部21d,21dの間が狭く、且つ太陽光パネルSがコ字状部21の上に乗ったとしても、その太陽光パネルSをその上面側から押し付けると、太陽光パネルSが案内面部21eにより下側に移動案内されるとともに、支持金具20が左右方向の適当な位置に移動して対応する位置決め面部21d,21dの間が広がり、太陽光パネルSが対応する位置決め面部21d,21dの間に嵌まり込む。
【0047】
次に、押さえ金具30の底板部31及び側板部32を、左右方向に隣り合う太陽光パネルS,Sの間の隙間に挿入するとともに、押さえ金具30のボルト挿通孔に六角ボルト41を挿通する。これにより、押さえ金具30の各上板部33は、対応する太陽光パネルSの上面に載置支持される。
【0048】
最後に、六角ナット42をワッシャ43及びスプリングワッシャ44を介して六角ボルト41に締める。これにより、押さえ金具30の各上板部33は、対応する太陽光パネルSをその上面側から押さえ付ける。そして、押さえ金具30は、左右方向に隣り合う太陽光パネルS,Sの間の隙間に固定される。また、支持金具20は、六角ボルト41及び六角ナット42により固定ベース材10の両上板部13,13の上面に固定される。
【0049】
以上により、太陽光パネル支持構造1による太陽光パネルSの設置作業が完了する。
【0050】
−効果−
以上より、本実施形態によれば、位置決め面部21dの上側に連続して、上側に行くに従って左右方向の内側に延びる案内面部21eを設けたため、太陽光パネルSが、対応する支持金具20,20のうち、一方の支持金具20のコ字状部21の上に乗ったとしても、その太陽光パネルSをその上面側から押し付けると、太陽光パネルSが、案内面部21eにより下側に移動案内され、対応する位置決め面部21d,21dの間に滑り込む。このため、太陽光パネルSの設置作業の効率性を向上させることができる。
【0051】
また、嵌合部23を固定ベース材10に隙間嵌めしたため、支持金具20を左右方向に移動させることができる。このため、寸法誤差や施工誤差等があって対応する位置決め面部21d,21dの間が狭く、且つ太陽光パネルSがコ字状部21の上に乗ったとしても、その太陽光パネルSをその上面側から押し付けると、太陽光パネルSが案内面部21eにより下側に移動案内されるとともに、支持金具20が左右方向の適当な位置に移動して対応する位置決め面部21d,21dの間が広がり、太陽光パネルSが対応する位置決め面部21d,21dの間に滑り込む。このため、太陽光パネルSの設置作業の効率性をより一層向上させることができる。
【0052】
また、支持金具20に、左右方向から見て略コ字状に形成され、上板部21aと、この上板部21aの前後方向の両端部からそれぞれ下側に延設された一対の側板部21b,21bとを有するコ字状部21を設けている。そして、このコ字状部21の各側板部21bにおける左右方向の両端面が、位置決め面部21d及び案内面部21eを構成している。このため、太陽光パネルSがコ字状部21の上に乗ったとしても、太陽光パネルSを2つの側板部21bで二点支持することができ、コ字状部21、ひいては、支持金具20が変形することを抑制することができる。
【0053】
また、支持金具20を板状のコ字状部21、支持板部22及び嵌合部23で構成しているため、支持金具20を、板金を折り曲げ等を行うことにより形成した一体構造とすることができる。このため、支持金具20を簡単な構造とすることができる。
【0054】
また、支持金具20の上側に、太陽光パネルSをその上面側から押さえ付ける押さえ金具30を取り付けたため、太陽光パネルSを確実に固定することができる。
【0055】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、設置面Iを水平面としたが、これに限らず、例えば、傾斜面としてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、位置決め面部21d及び案内面部21eを、支持金具20のコ字状部21の側板部21bにおける細長い左右方向の端面で構成したが、これに限らず、例えば、面積が比較的大きい面で構成してもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、案内面部21eを、位置決め面部21dの上端から上側に行くに従って左右方向の内側に直線的に延ばしたが、これに限らず、例えば、曲線的に延ばしてもよい。このように曲線的に延ばした場合、太陽光パネルSをより円滑に移動案内することができる。
【0058】
また、上記実施形態では、嵌合部23を第1嵌合板部23a及び第2嵌合板部23bで構成したが、これに限らず、例えば、第1嵌合板部23aのみで構成してもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、支持金具20を一体構造としたが、例えば、コ字状部21、支持板部22及び嵌合部23をそれぞれ別体とする等、別体構造としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上説明したように、本発明に係る太陽光パネル支持構造及び支持部材は、太陽光パネルの設置作業の効率性を向上させることが必要な用途等に適用することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 太陽光パネル支持構造
10 固定ベース材(ベース部材)
20 支持金具(支持部材)
21 コ字状部
21a 上板部
21b 側板部
21d 位置決め面部
21e 案内面部
22 支持板部(支持部)
23 嵌合部
23a 第1嵌合板部(嵌合板部)
23b 第2嵌合板部
30 押さえ金具(押さえ部材)
I 設置面
S 太陽光パネル