特許第6193060号(P6193060)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6193060
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】レバー式電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/631 20060101AFI20170828BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20170828BHJP
   H01R 13/64 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   H01R13/631
   H01R13/639 Z
   H01R13/64
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-181060(P2013-181060)
(22)【出願日】2013年9月2日
(65)【公開番号】特開2015-50036(P2015-50036A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2016年7月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(72)【発明者】
【氏名】岩谷 真吾
【審査官】 板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−117045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/631
H01R 13/639
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
嵌合検知用の相手検知端子を備える相手コネクタと嵌合可能なハウジングと、
前記ハウジングに支持され、嵌合完了位置に向けて操作することによって前記相手コネクタに前記ハウジングを嵌合させる嵌合レバーと、
前記ハウジングに設けられ、前記相手コネクタとの嵌合が完了すると、前記嵌合レバーを係止するハウジングロックと、
前記ハウジングに保持され、前記相手検知端子と接触することにより、検知回路を形成する嵌合検知端子と、を備え、
前記嵌合レバーは、
前記ハウジングに回動可能に支持される一対の揺動体と、
前記一対の揺動体を連結する操作体と、を備え、
前記操作体は、
前記嵌合レバーが前記嵌合完了位置に到る前までに、前記ハウジングロックが摺動する案内面を備え、
前記案内面は、
前記嵌合の際の前記嵌合レバーの回転の向きの前方よりも後方の方が、前記嵌合レバーの回動の中心からの距離が近く、
前記嵌合検知端子は、
前記嵌合レバーの前記操作に追従して変位する前記ハウジングロックを介して、前記相手検知端子に対する動作がなされ、
前記嵌合レバーの前記操作がなされてから前記嵌合完了位置に到る前までは、前記相手検知端子と離れた位置に規制され、
前記嵌合レバーが前記嵌合完了位置に達すると、前記相手検知端子と接触する、
ことを特徴とするレバー式電気コネクタ。
【請求項2】
記ハウジングロックは、
前記嵌合レバーの動作に伴う前記操作体の変位に追従して変位し、
前記嵌合検知端子は、
前記ハウジングロックの変位に追従して、前記相手検知端子に対する動作がなされる、請求項1に記載のレバー式電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、嵌合相手となる電気コネクタと正規に嵌合が完了したことを検知することができる電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電気コネクタ(以下、単に「コネクタ」ということもある)は、用途によって多極化が進んでいる。多極化されたコネクタには、コネクタ同士の嵌合を行う際及び嵌合を解除する際に大きな力が必要となるために、レバーによる倍力効果を利用して相手コネクタとの嵌合及び嵌合の解除を行うレバー式コネクタが適用されている。
一例として、レバー式コネクタ(例えば、メス型の端子を保持)のプラグハウジングにはレバーが嵌合開始位置と嵌合完了位置との間を回動するようにレバーが取り付けられ、相手コネクタ(例えば、オス型の端子を保持する)のリセプタクルハウジングにはカムピンが設けられている。レバーを嵌合開始位置に保持した状態で両ハウジングを浅く嵌合させることによりカムピンをレバーに設けられたカム溝に進入させ、その状態からレバーを嵌合完了位置まで回転させる。そうすると、カム溝とカムピンが係合するカム作用により両ハウジングが嵌合され、両コネクタの端子が電気的に接続される。
なお、回動とは時計回りの回転及び反時計回りの回転の両者が行われ得ることを言い、時計回りの回転又は反時計回りのいずれか一方の回転は、単に回転というものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−150959号公報
【特許文献2】特開2009−117045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レバー式コネクタは、正規に嵌合が完了していない状態で使用に供されると、コネクタとしての機能が損なわれるため、嵌合が完了しているか確認する必要がある。
コネクタの分野において、例えば特許文献1に記載されるように、機器同士の接続が正規になされた否かを検知するために、検知用の端子を設けることが知られており、特許文献2に開示されるように、レバー式のコネクタにも嵌合検知用の端子を設けることが提案されている。特許文献2に開示されるコネクタは、相手コネクタとの嵌合過程では、嵌合検知端子を相手側の嵌合検知端子から離間させ、相手コネクタと正規の嵌合がなされると、嵌合検知端子を相手側の嵌合検知端子に接触させて、検知回路を形成する。したがって、特許文献2のコネクタによると、正規に嵌合が完了しているか否かを電気的に検知できる。
【0005】
ところが、特許文献2に開示されるコネクタは、嵌合用のレバーの動作により変位される検知アームを設け、この検知アームの動作によって、嵌合検知端子を弾性変位させて、相手側の嵌合検知端子との接触及び非接触を制御する。また、特許文献2は、検知アームを動作させるために必要な部材(押圧部、先行押圧部)を、レバーに設けている。したがって、特許文献2のコネクタは、検知アーム及び当該部材を備える構成が複雑であり、これに起因してコストを押し上げてしまう。
本発明は、このような課題に基づいてなされたもので、簡易な構成でありながら、嵌合検知機能を実現できるレバー式電気コネクタを提供することを目的とする。また、本発明は、このレバー式電気コネクタに適用される嵌合システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもとなされた、本発明のレバー式電気コネクタは、嵌合検知用の相手検知端子を備える相手コネクタと嵌合可能なハウジングと、ハウジングに支持され、嵌合完了位置に向けて操作することによって相手コネクタにハウジングを嵌合させる嵌合レバーと、ハウジングに設けられ、相手コネクタとの嵌合が完了すると、嵌合レバーを係止するハウジングロックと、ハウジングに保持され、相手検知端子と接触することにより、検知回路を形成する嵌合検知端子と、を備える。
本発明のレバー式電気コネクタは、嵌合レバーが、ハウジングに回動可能に支持される一対の揺動体と、一対の揺動体を連結する操作体と、を備え、操作体は、嵌合レバーが嵌合完了位置に到る前までに、ハウジングロックが摺動する案内面を備える。この案内面は、嵌合の際の嵌合レバーの回転の向きの前方よりも後方の方が、嵌合レバーの回動の中心からの距離が近い。
本発明のレバー式電気コネクタは、嵌合検知端子が、嵌合レバーの操作に追従して変位するハウジングロックを介して、相手検知端子に対する動作がなされる。そして、嵌合検知端子は、嵌合レバーの操作がなされてから嵌合完了位置に到る前までは、相手検知端子と離れた位置に規制され、嵌合レバーが嵌合完了位置に達すると、相手検知端子と接触する、ことを特徴とする。
【0007】
本発明のレバー式電気コネクタは、嵌合レバーを係止するのに欠かせないハウジングロックを用いて嵌合検知端子を動作させるので、嵌合検知端子を動作させるために格別な部材を設ける必要がない。したがって、本発明によると、簡易な構成でありながら、嵌合検知機能を実現できるレバー式電気コネクタを提供する。
また、本発明のレバー式電気コネクタは、案内面という簡易な要素を形成することにより、ハウジングロックに必要な変位を与えることができる。
【0008】
本発明のレバー式電気コネクタにおいて、ハウジングロックは、嵌合レバーの動作に伴う操作体の変位に追従して変位し、嵌合検知端子は、ハウジングロックの変位に追従して、相手検知端子に対する動作がなされることが好ましい。
この本発明のレバー式電気コネクタは、作業者が嵌合レバーを操作する際に力を加える操作体に追従してハウジングロックが確実に変位されるので、ハウジングロックの変位に追従して嵌合検知素子は、必要な動作確実に行なわれる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のレバー式電気コネクタは、嵌合レバーを係止するのに欠かせないハウジングロックを用いて嵌合検知端子を動作させるので、嵌合検知端子を動作させるのに格別な部材を設ける必要がない。したがって、本発明によると、簡易な構成でありながら、嵌合検知機能を実現できるレバー式電気コネクタを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態にかかるコネクタ組立体を示す斜視図である。
図2図1のコネクタ組立体を構成するオスコネクタを示す分解斜視図である。
図3図1のコネクタ組立体を構成するレバー式のメスコネクタを示す図であり、(a)は後方側から視た斜視図、(b)は前方側から視た斜視図である。
図4】本実施形態にかかるコネクタ組立体をメスコネクタの後方側から視た正面図であり、(a)はレバー操作前を示し、(b)はレバー操作途中を示し、(c)はレバー操作完了を示す。
図5】(a)は図4のV−V矢視断面図であり、(b)は(a)の部分拡大図である。
図6】(a)は図4のVI−VI矢視断面図であり、(b)は(a)の部分拡大図である。
図7】(a)は図4のVII−VII矢視断面図であり、(b)は(a)の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態にかかる電気コネクタ組立体1を説明する。
[コネクタの構成]
はじめに、図1図3を参照して、電気コネクタ組立体1の構成について説明する。
電気コネクタ組立体1は、図1に示すように、相手コネクタ10とコネクタ30を主たる構成要素として備えている。なお、相手コネクタ10とコネクタ30において、互いに嵌合がなされる側を前、その反対側を後と定義する。
[相手コネクタ10]
相手コネクタ10は、図2に示すように、相手ハウジング11と、相手ハウジング11の内側に設けられ、コネクタ30が挿入される受容室13と、複数本のピン型の信号端子15と、相手コネクタ10とコネクタ30が正規の嵌合がなされたことを検知するための嵌合検知端子16(図5図7参照)と、を備えている。信号端子15及び嵌合検知端子16は、相手ハウジング11に圧入により保持され、一部が受容室13の内部に配置され、他の部分は相手ハウジング11の外側に配置される。相手コネクタ10は、相手ハウジング11の外側において信号端子15を整列状態で保持するタインプレート17を備えている。
相手ハウジング11は、絶縁性の樹脂を射出成形することにより一体的に形成されている。コネクタ30のハウジング31及び嵌合レバー50も同様である。また、信号端子15及び嵌合検知端子16は、導電性及び弾性が優れる金属材料、例えば銅合金により形成されている。
【0014】
相手コネクタ10をより詳しく説明すると、相手ハウジング11は、幅方向Xに並ぶ3つの受容室13を備えており、各々の受容室13にコネクタ30が嵌合される。
相手ハウジング11は、各々の受容室13を、幅方向Xに沿って仕切る側壁11aと、高さ方向Zに沿って仕切る側壁11bと、を備えている。各側壁11bは、受容室13に対向する内面11cに、カムピン12を備えている。カムピン12は、コネクタ30を嵌合する際に、嵌合レバー50に設けられるカム溝51bに挿入されることで嵌合レバー50と係合し、嵌合レバー50を所定の向きに回転させると、カム溝51bの内部を移動することで、倍力効果を生じさせる。
【0015】
嵌合検知端子16は、図5に示されるように、受容室13の前方に延設される一端側が、コネクタ30に設けられる嵌合検知端子40と接触される接触端16aとして機能する。相手ハウジング11の外側に引き出される各々の他端側は、検知用の機器に接続される。
図5は断面図であるために嵌合検知端子16は1本のみが示されているが、図2に示すように、相手ハウジング11は、幅方向Xに間隔をあけて2本の嵌合検知端子16を保持している。2本の嵌合検知端子16は、コネクタ30の嵌合検知端子40が接触するまでは導通が取れないが、嵌合検知端子40が2本の嵌合検知端子40の双方に接触すると検知回路として機能する。
【0016】
[コネクタ30]
コネクタ30は、相手コネクタ10の受容室13に挿入されて相手コネクタ10と嵌合し、複数の信号端子15と接続して信号の伝送を担う複数のソケット状の端子(以下、メス端子(図示省略))を備えている。コネクタ30は、これら複数のメス端子を保持するハウジング31と、ハウジング31に回動可能に保持され、コネクタ30を相手コネクタ10に嵌合する際に用いられる嵌合レバー50と、を備えるレバー式の電気コネクタである。
なお、相手コネクタ10の3つの受容室13に挿入されるコネクタ30は、異なることもあるが、本実施形態では、同じコネクタ30が用いられるものとして扱う。
【0017】
コネクタ30は、図3及び図5に示すように、ハウジング31の高さ方向Zの上側であっては幅方向Xの中央に嵌合検知端子40を備えている。
嵌合検知端子40は、ハウジング31に設けられる検知端子収容室33に保持されている。検知端子収容室33はハウジング31の上面に開口する窓33aを備えており、コネクタ30が単独で存在するときには、嵌合検知端子40の大部分は窓33aを介して外部に露出している。
検知端子収容室33は、窓33aよりも前方に保持壁33bを備えている。保持壁33bは、検知端子収容室33を区画する底壁33cと高さ方向Zに所定の間隔をあけて設けられており、保持壁33bと底壁33cの間に嵌合検知端子40は前端側が収容される。
【0018】
ハウジング31は、窓33aよりも後方にハウジングロック35を備えている。ハウジングロック35は、正規の嵌合位置にある嵌合レバー50を係止することで、コネクタ30が相手コネクタ10から意図せずに抜け出るのを阻止する。
ハウジングロック35は、ハウジング31と一体的に形成されており、ハウジング31と接続されるヒンジ35aと、ヒンジ35aに連なり後方に向けて延設されるアーム35bと、アーム35bの先端(後端)に設けられる係止突起35cと、を備えている。係止突起35cは、上向きに突出している。ハウジングロック35は、ヒンジ35aを中心にして、アーム35bが係止突起35cとともに回動可能とされる。ハウジングロック35は、嵌合レバー50を嵌合操作する際に、係止突起35cが嵌合レバー50と接触することで一旦は下向きに弾性変位(押し下げ)するが、嵌合レバー50が正規の嵌合位置まで回転、移動すると、嵌合レバー50との接触が解かれることで、元の位置まで弾性復帰する。
【0019】
嵌合検知端子40は、図5(b)に示すように、長さ方向の概略中央部分でU字状に屈曲する折返し部40cと、折返し部40cに連なる一方の側に設けられる接触部40aと、接触部40aよりも後方に設けられる係止部40bと、を備えている。接触部40aは、上方に突出しており、相手コネクタ10の嵌合検知端子16と直接的に接触する部位である。また、嵌合検知端子40は、折返し部40cに連なる他方の側の支持部40dを備えている。嵌合検知端子40は、折返し部40cを境にして、一方の側は二股に分岐されており、接触部40aと係止部40bは、分岐した各々に設けられる。
【0020】
嵌合検知端子40は、検知端子収容室33の内部において、他方の側の支持部40dが底壁33cに支持される。さらに、嵌合検知端子40は、折返し部40cが保持壁33bと底壁33cの間の間隙に挿入されるのに加えて、係止部40bがハウジングロック35のヒンジ35aの下面に係止されることで、検知端子収容室33の内部に位置決めされる。また、係止部40bがヒンジ35aの下面に係止されているために、ハウジングロック35が嵌合レバー50により押し下げられると、折返し部40cが弾性変形して、接触部40aは下向きに変位する。接触部40aは、この位置では、嵌合検知端子16と接触しない。嵌合レバー50からの負荷が解除されると、接触部40aは元の位置に弾性復帰する。
【0021】
[嵌合レバー50]
嵌合レバー50は、ハウジング31に回動可能に支持され、コネクタ30を相手コネクタ10に嵌合する際及び嵌合を解除する際に操作されることで、倍力機構として機能する。
嵌合レバー50は、図3及び図5に示される嵌合開始位置から、図1及び図7に示される嵌合完了位置までの範囲を回動する。つまり、嵌合開始位置から時計回りに嵌合完了位置まで回転させると、コネクタ30が相手コネクタ10へ正規に嵌合される。
【0022】
嵌合レバー50は、図3に示されるように、一対のカム板(揺動体)51と、一対のカム板51の先端部を互いに連結する操作ロッド(操作体)53と、を備え、全体として門型をなしている。
【0023】
各々のカム板51は、ハウジング31の側壁31aに一体的に形成される支持軸31bが挿入される軸孔51aが表裏を貫通して形成されている。嵌合レバー50は支持軸31bを回転中心にして、ハウジング31に回動可能に支持される。
また、各々のカム板51は、ハウジング31と対向しない面側に、相手ハウジング11のカムピン12が係合されるカム溝51bが形成されている。カム溝51bは、軸孔51a(支持軸31b)を境にして、操作ロッド53が設けられる側とは反対の側に設けられており、操作ロッド53を操作することにより、カムピン12がカム溝51bに沿って相対的にその奥に移動することにより、相手コネクタ10とコネクタ30の嵌合及び嵌合解除の操作が可能となっている。
【0024】
操作ロッド53は、図3及び図5に示すように、幅方向の中央に設けられる操作突起54と、操作突起54よりも回転半径の内側に設けられる作用ブロック55と、備えている。
操作突起54は当該回転半径の外側に突出しており、嵌合を行なう作業者はこの操作突起54を必要な回転の向きに押すことで、嵌合及び嵌合解除の操作を行なうことができる。
【0025】
作用ブロック55は、図5(b)に示すように、当該回転半径の内側が切り欠かれることで、いずれも平坦な第1案内面55aと第2案内面55bを備えている。嵌合レバー50を嵌合のために操作して回転させると、ハウジングロック35の係止突起35cは、第1案内面55aと第2案内面55bにこの順で接触する。第1案内面55aと第2案内面55bは、両者が連なる部分では支持軸31bにある回転中心からの距離が等しいが、第1案内面55aよりも第2案内面55bの方が回転中心からの距離が短く設定されている。特に、第2案内面55bは、第1案内面55aと連なる地点(始点)から第2案内面55bが途切れる終点に向けて、回転中心からの距離が連続的に短くなるように(傾きが)形成されている。したがって、係止突起35cは、接触する相手が第1案内面55aから第2案内面55bに移行し、さらに第2案内面55bの終点に向けて移行するのにつれて、下向きに変位する量が大きくなる。コネクタ30は、操作ロッド53に案内面(第1案内面55a,第2案内面55b)という簡易な要素を形成することにより、ハウジングロック35に必要な変位を与えることができる。
作用ブロック55は、また、切り欠かれた部位の裏面に、ロック面55cを備える。嵌合レバー50が嵌合完了の位置まで達すると、ハウジングロック35の係止突起35cにロック面55cが係止されることで、嵌合レバー50は嵌合解除の向きへの回転が規制される。
【0026】
[嵌合検知端子16と嵌合検知端子40の接触過程]
次に、相手コネクタ10にコネクタ30が嵌合する際の、嵌合検知端子16と嵌合検知端子40が接触するに到る過程を図4図7を参照して説明する。
【0027】
[嵌合操作開始前]
嵌合操作を開始するにあたり、コネクタ30を位置決めしてから、相手コネクタ10の受容室13に挿入する。挿入が浅い嵌合操作の開始前の段階では、図5に示すように、嵌合レバー50はハウジングロック35から離れているので、ハウジングロック35及び嵌合検知端子40は当初の位置にある。このとき、嵌合検知端子40の接触部40aは、その先端が嵌合検知端子16と干渉する高さに達しているが、前後方向Yに離れた位置に規制されているので、嵌合検知端子16と嵌合検知端子40は導通しない。
【0028】
[嵌合操作途中]
コネクタ30をカムピン12がカム溝51bに挿入されるまで押し込んだならば、嵌合レバー50を操作して回転させる。なお、図5図7に示される本実施形態は、嵌合の際に、嵌合レバー50は時計回りに回転される。
図5に示す浅く嵌合された状態から嵌合レバー50を回転させると、カムピン12は、カム溝51bに係合されながら、カム溝51bの奥に相対的に移動する。この移動に伴って、コネクタ30は、相手コネクタ10の受容室13の奥に向かって、つまり嵌合完了位置に向かって移動する。
一方、以下説明するように、嵌合レバー50の操作に追従するハウジングロック35を介して、嵌合検知端子40が動作する。
ハウジングロック35の係止突起35cは、はじめに第1案内面55aに摺動しながら下向きに押し下げられる。さらに嵌合レバー50を回転させると、係止突起35cが図5から図6に示す位置から相対的に移動することで、第2案内面55bと摺動することになるので、ハウジングロック35と嵌合検知端子40はともに下向きに変位する。係止突起35cが第2案内面55bを摺動する間には、嵌合検知端子40の接触部40aは、前後方向Yには嵌合検知端子16と干渉しうる位置まで達する。しかし、接触部40aの先端は、嵌合検知端子16よりも低い位置まで押し下げられているので、嵌合検知端子16と嵌合検知端子40は導通しない。
【0029】
[嵌合完了]
ハウジングロック35の係止突起35cが第2案内面55bを通過し、さらに、嵌合レバー50を回転させると、図7に示すように、作用ブロック55が係止突起35cを乗り越えて、嵌合レバー50は嵌合完了位置に達する。そうすると、コネクタ30は相手コネクタ10の受容室13の奥まで移動し、相手コネクタ10とコネクタ30の嵌合が完了する。
押し下げられていたハウジングロック35は、当初の位置に弾性復帰するので、嵌合検知端子40も当初の位置に向けて弾性復帰し、接触部40aは、嵌合検知端子16に接触する。こうして嵌合検知端子16と嵌合検知端子40により検知回路が形成されるので、嵌合検知端子40に接続された嵌合機器によって、両者の導通を通じて、相手コネクタ10とコネクタ30が正規の嵌合がなされたことを認識することができる。
一方、係止突起35cが作用ブロック55のロック面55cに係止されることで、嵌合レバー50が嵌合解除の向きへ回転するのが規制される。
【0030】
[効果]
以上説明したように、電気コネクタ組立体1は、相手コネクタ10へのコネクタ30の嵌合開始から嵌合完了位置に到る前までの嵌合途中においては、コネクタ30に設けられる嵌合検知端子40が相手コネクタ10の嵌合検知端子16に接触しないが、嵌合完了位置に到るとはじめて嵌合検知端子40が嵌合検知端子16に接触する。したがって、本実施形態によると、作業者が嵌合レバー50の操作を嵌合途中で止めてしまった場合には、導通が検知されないので正規の嵌合に到っていないことを認識できるのに加えて、正規の嵌合に到ると導通が検知されるので嵌合が完了していることを認識できる。
【0031】
コネクタ30は、嵌合レバー50を係止するハウジングロック35を用いて嵌合検知端子40を動作させる。そもそもハウジングロック35及び嵌合レバー50はレバー式電気コネクタとして必要な要素であり、コネクタ30はこの要素を用いて嵌合検知端子40を動作させるので、嵌合検知端子40を動作させるのに格別な要素を設ける必要がない。したがって、コネクタ30によると、簡易な構成でありながら、嵌合検知機能を実現できるレバー式電気コネクタを提供する。
【0032】
また、コネクタ30は、作業者が嵌合レバー50を操作する際に力を加える操作ロッド53に追従してハウジングロック35を確実に変位できるので、ハウジングロック35の変位に追従する嵌合検知端子40は、必要な動作が確実に行なわれる。
【0033】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
電気コネクタ組立体1(相手コネクタ10及びコネクタ30)の構造は例示にすぎず、例えば、受容室は3つに限らず1以上の任意の数にできる。また、嵌合検知端子40も、相手コネクタ10の嵌合検知端子16とともに検知回路を構成するとともに、嵌合の過程で必要な動作が行えるのであれば、その構造は問われない。
【符号の説明】
【0034】
1 電気コネクタ組立体
10 相手コネクタ
11 相手ハウジング
11a,11b 側壁
11c 内面
12 カムピン
13 受容室
15 信号端子
16 嵌合検知端子
16a 接触端
30 コネクタ
31 ハウジング
33 検知端子収容室
33a 窓
35 ハウジングロック
35a ヒンジ
35b アーム
35c 係止突起
40 嵌合検知端子
40a 接触部
40b 係止部
40c 折返し部
40d 変位規制部
50 嵌合レバー
51 カム板
53 操作ロッド
54 操作突起
55 作用ブロック
55a 第1案内面
55b 第2案内面
55c ロック面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7