【実施例1】
【0027】
図1に示す本発明の第1実施例は、太陽電池パネル1の棟側に位置する枠体11aに外設部材2として雪止め具を取り付けた構造であり、外設部材2に設けた複数の各係合部23を、枠体11aに設けた係合溝121に係合した状態で長さ方向にスライドさせて一体化可能であることを特徴とする。
【0028】
図1(a),(b)に示すように太陽電池パネル1は、下地4上に敷設した断面ハット型の支持部材(垂木)3の上に載置され、棟側に位置する枠体11aは、複数の横長の通気孔110を有する縦片状の側面部112の下端から内側へ固定片113が延在し、側面部112の外側に断面L字状部分12を有する構成であり、支持部材3の上面31に設けた切り起こし爪311に固定片113の先端が係止される状態で固定されている。これに対し、軒側に位置する枠体11bは、L字状部分12が形成されない以外は殆ど同じ構成であって、略Z字状の押さえ部材5にて支持部材3に固定されている。
【0029】
前記枠体11aは、長さ方向に延在する縦壁121と横片122とで形成されるL字状部分12を有するので、側面部112との間に上方が開放する係合溝13を形成する構成であり、この係合溝13には、断面L字状部分12の縦壁121の上端に設けた隆出部131が内側へ突出している。但し、縦壁121は、所定間隔で低く形成されているので、隆状部131も長さ方向に所定間隔で形成され、結果的に係合溝13は長さ方向に浅溝14を挟んで所定間隔にて形成されている。
【0030】
前記外設部材2は、取付状態において前記枠体11aより上方に延出する起立部21と、該起立部21の下方に位置する縦片22とで構成され、図示実施例では前記起立部21がやや外側へ傾斜する傾斜片状であり、前記縦片22が略垂直状に形成され、下端から外側へ厚肉状に形成された係合部(縦係合部)23が長さ方向の所定間隔で複数形成されている。
なお、外設部材2の係合部23及び枠体11aの係合溝13については、
図1(c)にそれぞれの端縁部分を拡大して示した。また、これらの係合状態については、
図1(a)にその端縁部分を拡大して示した。
【0031】
この第1実施例における配設手順を図に基づいて説明すると、まず、
図1(c)に示すように前記構成の太陽電池パネル1の棟側に位置する枠体11aの上方に、前記構成の外設部材2を臨ませるが、より詳しくは枠体11aの各浅溝14の直上に外設部材2の各係合部23が位置するように臨ませる。
【0032】
この状態で、
図1(c)中の白抜き矢印で示すように、上方から下方へ外設部材2を配設し、
図1(d)に示すように縦片22が枠体11aの係合溝13及び浅溝14に係合するように配設する。この状態では、枠体11aの各浅溝14に外設部材2の各係合部23の下端が緩く係合すると共に、枠体11aの各係合溝13に外設部材2の縦片22が緩く係合しているに過ぎないが、L字状部分12の縦壁121が外設部材2の外側への傾倒を防止して安定に保持している。
【0033】
続いて、この状態で、
図1(d)中の白抜き矢印で示すように、外設部材2を長さ方向へスライド(図中、右奥側から左手前側へ)させ、
図1(e)に示すように各係合部23が各係合溝13に位置するように配設する。
【0034】
この
図1(e)のように係合溝13に係合部23が位置すると、係合溝13内にて隆状部131と係合部23(の厚肉部分)とが係合して一体化状態となる。必要に応じて外設部材2を取り外す際には、外設部材2に、
図1(d)に示した白抜き矢印の逆方向の力を加えれば容易に取り外すことができる。
【0035】
このように施工される本発明の第1実施例の外設部材2の取付構造は、枠体11aの側面部112に上方が開放する係合溝(縦係合溝)13を有し、外設部材2の下端に前記枠体11aの係合溝13に係合可能な複数の係合部(縦係合部)23を有し、設置後又は設置前の太陽電池パネル1の上方から外設部材2の係合部を枠体11aの係合溝13に係合した状態で長さ方向にスライドさせて一体化することができる。しかも、外設部材2の係合部23を複数設けたので、スライド幅を最小限にすることができる。また、必要に応じて外設部材2を逆方向にスライドさせることにより、容易に枠体11aから取り外すことができる。
【0036】
図2に示す本発明の第2実施例は、太陽電池パネル1の棟側に位置する枠体11eが、前記第1実施例における枠体11aと同様に縦壁121と横片122とで形成されるL字状部分12eを有するが、このL字状部分12eは、長さ方向に所定間隔を隔てて複数形成される点が前記第1実施例と相違するが、それ以外の構成は殆ど前記第1実施例と同一であり、図面に同一符号を付して説明を省略する。
なお、この
図2における枠体11eも、縦片状の側面部112に複数の横長の通気孔110を有するが、それ以外の構成を明確にするために、取付状態を示した
図2(c)以外は、通気孔110を省略して示した。
【0037】
この第2実施例では、施工手順についても前記第1実施例とほぼ同様に行うことができるが、前述のように複数のL字状部分12eが所定間隔を隔てて形成される構成であるから、各係合溝13が所定間隔を隔てて形成される点では前記第1実施例と同様であるが、前記第1実施例のように浅溝14が設けられる構成ではないため、
図2(a),(b)に示すように外設部材2を上方から下方へ配設した状態では前記第1実施例の方が僅かに安定性には優れている。尤も、L字状部分12eの縦壁121がこの状態における外設部材2の外側への傾倒を防ぐ点では前記第1実施例と全く同様であるから、同様の安定な保持状態が得られる。
続いて
図2(b),(c)に示すように外設部材2を長さ方向へスライドさせて各各係合部23が各係合溝13に位置するように配設する工程も全く同様に実施することができる。
【0038】
図3に示す本発明の第3実施例は、太陽電池パネル1の棟側に位置する枠体11fが、前記第2実施例における枠体11eと同様に縦壁121と横片122とで形成されるL字状部分12fが、長さ方向に所定間隔を隔てて複数形成されるが、その基端となる側面部112には、外方が開放する横係合溝である係合溝15が長さ方向に沿って形成される構成である。なお、この
図3における枠体11fも、縦片状の側面部112に複数の横長の通気孔110を有するが、それ以外の構成を明確にするために、取付状態を示した
図3(d)以外は、通気孔110を省略して示した。
【0039】
また、この第3実施例における外設部材2Fは、起立部21については他の実施例のものと同様であるが、この起立部21の下方に位置する縦片22fが、長さ方向に所定間隔を隔てて形成される櫛歯状であって、しかもその下端が内側へ略直角状に折曲された構成である。この内側へ向かう横片は、前記係合溝15に係合する係合部(横係合部)24である。
それら以外の構成は殆ど前記第1実施例又は第2実施例と同一であり、図面に同一符号を付して説明を省略する。
【0040】
この第3実施例では、枠体11fに設けた外方が開放して内側へ延在する係合溝15が横係合溝であり、外設部材2Fに設けた内側へ突出する係合部24が横係合部であるため、前記第1実施例や第2実施例と異なり、
図3(b)に示すように、前記構成の枠体11fの側方に、前記構成の外設部材2Fを臨ませるが、より詳しくは枠体11fのL字状部分12fが存在しない部分の外側に、外設部材2Fの各係合部24が位置するように臨ませる。
【0041】
この状態で、
図3(b)中の白抜き矢印で示すように、外側から外設部材2Fを押し込むように配設し、
図3(c)に示すように縦片22fがL字状部分12f,12f間に位置し、係合部24が係合溝15に係合するように配設する。この状態では、枠体11fの係合溝15に外設部材2Fの各係合部24の先端が緩く係合しているに過ぎない。
【0042】
続いて、この状態で、
図3(c)中の白抜き矢印で示すように、外設部材2Fを長さ方向へスライド(図中、右奥側から左手前側へ)させ、
図3(d)に示すように各係合部24が各係合溝15に位置するように配設する。
【0043】
この
図3(d)のように係合溝15に係合部24が位置すると、L字状部分12fの縦壁121が外設部材2Fの外側への傾倒及び抜け出しを防止するため、安定に係合保持され、一体化状態となる。なお、より強力な一体化状態を得るためには、薄いシートやゴム等の細片を係合部分に介在させるようにしてもよい。必要に応じて外設部材2Fを取り外す際には、外設部材2Fに、
図3(c)に示した白抜き矢印の逆方向の力を加えれば容易に取り外すことができる。
【0044】
図4に示す本発明の第4実施例は、太陽電池パネル1の棟側に位置する枠体11gが、前記第3実施例における枠体11fと同様に外方が開放して内側へ延在する係合溝(横係合溝)15gが長さ方向に沿って形成されているが、長さ方向に所定間隔を隔てて複数形成されるL字状部分12gが、前記係合溝15gに沿うものではなく、側面部112の下方に離れた位置に形成される構成である。また、このL字状部分12gは、長さ方向に延在する縦壁121と横片122とで形成されるL字状部分12を有するので、前記第1実施例や前記第2実施例と同様に側面部112との間に上方が開放する係合溝(縦係合溝)13gを形成する構成である。なお、この
図4における枠体11gも、縦片状の側面部112に複数の横長の通気孔110を有するが、それ以外の構成を明確にするために、
図4(c),(d)以外は、通気孔110を省略して示した。
【0045】
また、第4実施例における外設部材2Gは、起立部21については他の実施例のものと同様であるが、この起立部21の下方に位置する縦片22gが、長さ方向に所定間隔を隔てて形成される櫛歯状である構成では、前記第3実施例のものと同様であるが、その下端より上方に係合部(横係合部)24gが設けられた構成である。言い換えれば、この第4実施例における縦片22gは、係合部24gより下方に延在している構成であり、係合部24gより下方に位置する部分は、前記係合溝(縦係合溝)13gに係合する係合部(縦係合部)23gである。
それら以外の構成は殆ど前記第3実施例と同一であり、図面に同一符号を付して説明を省略する。
【0046】
この第4実施例では、枠体11gに設けた外方が開放して内側へ延在する横係合溝も係合溝15gであり、上方が開放して下側へ延在する縦係合溝も係合溝13gであり、縦横それぞれに係合溝13g,15gを有する構成である。
また、外設部材2Gに設けた内側へ突出する横係合部も係合部24gであり、下方へ突出する縦係合部も係合部23gであり、縦横それぞれに係合部23g,24gを有する構成である。
前記第3実施例でも、枠体11fにL字状部分12fを設けているので、側面部112との間に縦係合溝を形成していると見なせるし、外設部材2Fの縦片22fは該縦係合溝に係合する縦係合部と言うこともできる。したがって、前記第3実施例も、枠体11fに縦横それぞれに係合溝、外設部材2Hに縦横それぞれに係合部を設けた構成ということもできる。
そのため、この第4実施例も、前記第3実施例と全く同様の手順にて施工することができ、縦横それぞれの係合溝13g、15gに対し、縦横それぞれの係合部23,24gを係合させて安定に一体化させることができる。
【0047】
図5に示す本発明の第5実施例は、太陽電池パネル1の棟側に位置する枠体11hが、前記第4実施例における枠体11gとほぼ同様の構成であって、外方が開放して内側へ延在する係合溝(横係合溝)15hが長さ方向に沿って形成され、長さ方向に所定間隔を隔てて複数形成されるL字状部分12hが、前記係合溝15hに沿うものではなく、側面部112の下方に離れた位置に形成され、側面部112との間に上方が開放する係合溝(縦係合溝)13hを形成する構成である。
【0048】
また、第5実施例における外設部材2Hは、起立部21については他の実施例のものと同様であるが、
図5(b)に示すようにこの起立部21の下方に位置する縦片22hが、略垂直状の縦片である点では他の実施例のものと同様であるが、更に下方へ延在する縦係合部23hが長さ方向に所定間隔を隔てて形成される櫛歯状に形成され、その下端より上方に内側へ突出する横係合部24hが設けられた構成である。なお、この第5実施例における横係合部24hは、長手方向端部(左手前側)には形成されていない。
それら以外の構成は殆ど前記第4実施例と同一であり、図面に同一符号を付して説明を省略する。
【0049】
この第5実施例では、
図5(b)に示すように、前記構成の枠体11hの側方に、前記構成の外設部材2Hを臨ませるが、より詳しくは枠体11hのL字状部分12fが存在しない部分の外側に、外設部材2Hの各横係合部24hが位置するように臨ませる。この状態で、
図5(b)中の白抜き矢印で示すように、外側から外設部材2Hを押し込むように配設し、
図5(c)に示すように各縦係合部23hがL字状部分12h,12h間に位置し、横係合部24が横係合溝15hに係合するように配設する。この状態では、枠体11hの横係合溝15hに外設部材2Hの横係合部24hの先端が緩く係合しているに過ぎない。
【0050】
続いて、この状態で、
図5(c),(d)中の白抜き矢印で示すように、外設部材2Hを長さ方向へスライドさせ、
図5(e)に示すように各縦係合部24hが各縦係合溝15hに位置するように配設する。
【0051】
この
図5(e)のように縦係合溝15hに縦係合部24hが位置すると、縦横それぞれの係合により、安定に係合保持され、一体化状態となる。なお、より強力な一体化状態を得るためには、薄いシートやゴム等の細片を係合部分に介在させるようにしてもよい。必要に応じて外設部材2Hを取り外す際には、外設部材2Hに、
図5(c),(d)に示した白抜き矢印の逆方向の力を加えれば容易に取り外すことができる。
【0052】
図6は、枠体の側面部に形成する通気孔の例を示すものであり、前記第5実施例における側面部112を例にして示した。
図6(a)の例は、側面部に、横長の比較的大径の通気孔110aと、小径の通気孔110bとの2種類を交互に設けたものであり、
図6(b)の例は、側面部に、横長の比較的小径の通気孔110cをほぼ所定間隔で設けたものである。