特許第6193128号(P6193128)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6193128
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】骨固定アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/56 20060101AFI20170828BHJP
【FI】
   A61B17/56
【請求項の数】23
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2013-552623(P2013-552623)
(86)(22)【出願日】2012年2月2日
(65)【公表番号】特表2014-511221(P2014-511221A)
(43)【公表日】2014年5月15日
(86)【国際出願番号】US2012023608
(87)【国際公開番号】WO2012106505
(87)【国際公開日】20120809
【審査請求日】2015年1月22日
(31)【優先権主張番号】13/019,907
(32)【優先日】2011年2月2日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513164565
【氏名又は名称】シンセス・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Synthes GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】クニュッペル・ステファン
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第00597257(EP,A2)
【文献】 特開2005−255252(JP,A)
【文献】 特表平11−514593(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0260251(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0059357(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/108050(WO,A2)
【文献】 欧州特許出願公開第00299387(EP,A1)
【文献】 米国特許第03661187(US,A)
【文献】 特開2004−113392(JP,A)
【文献】 米国特許第3645302(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 − 17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨固定部材に張力を適用して、前記骨固定部材を標的の骨の周囲に締め付けるように構成される骨固定器具であって、
前端及び対向する後端を画定する本体と、
前記固定部材の自由端を前記固定器具に固定するように構成される握り部と、
前記握り部がトラベラと共に後方に移動して、前記骨固定部材における張力を増加させるように前記握り部に接続されるトラベラと、
適用される力に応答して初期位置から張力位置に向かって移動し、それによって、前記トラベラを付勢して後方に移動させるように構成される、前記トラベラに動作可能に連結されるアクチュエータと、
前記骨固定部材における前記張力が選択張力未満である間、前記自由端を引っ張り、前記標的の骨の周囲の前記骨固定部材内における張力を増加させるように構成され、前記骨固定部材における張力が前記選択張力に達すると、前記骨固定部材における張力を更に増加させることができない、張力アセンブリと、
前記骨固定部材における張力が前記選択張力未満であるとき、前記トラベラが後方に移動することを可能にし、かつ前記骨固定部材における張力が前記選択張力に達すると、前記張力アセンブリに対する反発力を印加することにより前記トラベラが後方に移動することを防ぐ、前記アクチュエータと前記トラベラとの間に接続される張力リミタと、を備える、骨固定器具。
【請求項2】
前記握り部が係脱位置にあるときに、前記握り部が前記骨固定部材を受容するように寸法決めされた間隙を画定し、かつ前記握り部が係合位置にあるときに、前記握り部が前記骨固定部材を前記骨固定器具に固定するように前記間隙が減少するように、前記握り部が、前記係脱位置と前記係合位置との間で移動可能である、請求項1に記載の骨固定器具。
【請求項3】
前記握り部が、第1及び第2の握り部部材を更に備え、前記握り部部材のうちの一方が、係脱位置と係合位置との間で移動可能であるようになっており、前記移動可能な握り部部材が、前記係合位置よりも前記係脱位置において他方の前記握り部部材から遠くに離間するようになっている、請求項1に記載の骨固定器具。
【請求項4】
前記トラベラが前方位置から後方に移動するときに、前記握り部部材が前記係脱位置から前記係合位置に移動する、請求項3に記載の骨固定器具。
【請求項5】
前記トラベラが前記前方位置にあるときに、前記移動可能な握り部部材が前記係合位置に向かって付勢され、前記移動可能な握り部部材が前記係脱位置から前記係合位置に移動するのを防ぐように前記本体と係合する、請求項4に記載の骨固定器具。
【請求項6】
前記トラベラが前記前方位置から後方に移動するとき、前記移動可能な握り部部材が前記本体から係脱され、前記係合位置へ付勢される、請求項5に記載の骨固定器具。
【請求項7】
前記張力リミタが、前記アクチュエータと前記トラベラとの間に接続されるばね部材を備え、前記アクチュエータの動きが前記ばね部材を屈曲させ、かつ付勢力下で前記トラベラを後方に付勢する、請求項1に記載の骨固定器具。
【請求項8】
前記付勢力が前記骨固定部材における前記張力を超えるときに、前記トラベラが後方に移動する、請求項7に記載の骨固定器具。
【請求項9】
前記付勢力が前記骨固定部材における前記張力以下であるときに、前記トラベラが静止したままである、請求項8に記載の骨固定器具。
【請求項10】
前記アクチュエータと前記ばね部材との間に連結される力伝達部材を更に備え、前記アクチュエータの動きが、前記力伝達部材を移動させて、前記ばね部材を屈曲させる、請求項7に記載の骨固定器具。
【請求項11】
前記ばね部材が、前記力伝達部材に接続される移動可能ばね座に連結される、請求項10に記載の骨固定器具。
【請求項12】
前記アクチュエータが前記初期位置から前記張力位置に向かって移動するにつれて、前記ばねが圧縮され、前記ばねの前記圧縮が、前記トラベラを後方に移動させるように前記ばねを付勢させる、請求項7に記載の骨固定器具。
【請求項13】
前記アクチュエータが、前記初期位置から、前記トラベラを後方に付勢する位置に前記ばねを屈曲させ、かつ前記骨固定部材における前記張力を増加させる前に、前記握り部を前記骨固定部材に固定させる第2の位置に移動可能である、請求項7に記載の骨固定器具。
【請求項14】
前記アクチュエータが、前記初期位置から、前記握り部を前記骨固定部材に固定させる第2の位置に、かつ前記第2の位置から、前記トラベラを移動させ、かつ前記骨固定部材における前記張力を増加させる前記張力位置に移動可能である、請求項1に記載の骨固定器具。
【請求項15】
前記アクチュエータが、一回の連続動作で、前記初期位置から、前記第2の位置、前記張力位置に移動する、請求項14に記載の骨固定器具。
【請求項16】
係脱位置から係合位置に移動するように構成される切断アセンブリを更に備え、それによって、前記切断アセンブリが、前記係合位置にあるときに前記骨固定部材の前記自由端を切断する、請求項1に記載の骨固定器具。
【請求項17】
前記トラベラが後方に移動され、前記骨固定部材における張力を増加させたときに、前記切断アセンブリが前記係脱位置から前記係合位置に移動することを防ぐ安全機構を更に備える、請求項1に記載の骨固定器具。
【請求項18】
前記切断アセンブリが前記係合位置にあるときに、前記アクチュエータが前記張力位置に移動するのを防ぐ第2の安全機構を更に備える、請求項17に記載の骨固定器具。
【請求項19】
標的の骨の周囲で骨固定部材に張力を適用するように構成される骨固定器具であって、
前記骨固定部材の自由端に前記固定器具を固定するように構成され、また更に、前記骨固定部材における張力が選択張力未満である間、前記自由端を引っ張り、前記標的の骨の周囲の前記骨固定部材内の張力を増加させるように構成され、前記骨固定部材における張力が前記選択張力に達すると、前記骨固定部材内の張力を更に増加させることができない、張力アセンブリと、
前記選択張力を設定するため、かつ、前記骨固定部材における張力が前記選択張力に達すると、前記張力アセンブリに対する反発力を印加することにより前記骨固定部材における張力の更なる増加を防ぐための張力リミタと、
前記骨固定部材の前記自由端を切断するように構成される切断アセンブリと、
前記張力アセンブリが前記骨固定部材における張力を増加させている間、前記切断アセンブリが前記骨固定部材の前記自由端を切断するのを防ぐ安全機構を備える、骨固定器具。
【請求項20】
前記張力アセンブリが、握り部を更に備え、前記握り部は、1)前記握り部が前記骨固定部材の前記自由端を緩く受容するように構成される係脱位置から、2)前記握り部が前記骨固定部材の前記自由端を前記骨固定器具へ固定する係合位置に、移動するように構成される、請求項19に記載の骨固定器具。
【請求項21】
前記握り部が前記係合位置にあるとき、前記切断アセンブリが前記骨固定部材の前記自由端を切断することを前記安全機構が可能にする、請求項20に記載の骨固定器具。
【請求項22】
前記切断アセンブリが、係脱位置から係合位置に移動するように構成され、前記切断アセンブリが係合位置にあるとき、前記張力アセンブリが、前記骨固定部材における張力を増加させるのを防ぐ第2の安全機構を更に備える、請求項21に記載の骨固定器具。
【請求項23】
骨固定システムであって、
ストラップ及びロック機構を含む少なくとも1つの骨固定部材であって、前記ストラップは、標的の骨の周囲にループを形成するように第1の方向に沿って前記ロック機構を通して引っ張られることができ、また前記ロック機構は、前記ストラップが前記第1の方向と反対の第2の方向に沿って前記ロック機構を通して移動することを防ぎ、前記ストラップは、前記ロック機構を超えて延在する自由端を画定する、骨固定部材と、
前記標的の骨の周囲の前記ループに張力を適用するように構成される骨固定器具であって、
前記固定器具に前記自由端を固定するように構成され、また更に、前記ループ内の前記張力が選択張力未満である間、前記ループ内の張力を増加させるように、前記自由端を引っ張るように構成され、前記骨固定部材における張力が前記選択張力に達すると、前記骨固定部材内の張力を更に増加させることができない、張力アセンブリと、
前記選択張力を設定するため、かつ、前記骨固定部材内の張力が前記選択張力に達すると、前記張力アセンブリに対する反発力を印加することにより前記骨固定部材における張力の更なる増加を防ぐための張力リミタと、
前記骨固定部材の前記自由端を切断して、前記自由端を前記ループから分離するように構成される切断アセンブリと、を含む、骨固定器具と、
前記切断アセンブリが、係脱位置から係合位置に移動するように構成され、また前記切断アセンブリが係合位置にあるとき、前記張力アセンブリが、前記骨固定部材における張力を増加させるのを防ぐ安全機構と、
を備える、骨固定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2011年2月2日に出願された米国特許第13/019,907号の一部継続出願であり、この全体の内容は参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
開心処置中の心臓など、特定の内部構造に接近するためには、正中胸骨切開が典型的に実施される。正中胸骨切開は、胸骨の正中線に実質的に沿った切断を形成し、それによって、胸郭を半分に分割して、外科医が胸郭を心臓へ接近するように移動させることを可能にする。開心処置の完了時には、外科処置後の数週間以内に、胸骨の半体が互いに対して移動して骨の癒着を促進するのを防ぐように、胸骨に接近し、胸骨を圧縮し、また胸骨の半体を互いに接近した位置にしっかりと維持することが望ましい。
【0003】
通常の解剖学的機能の間、例えば、呼吸、身体運動、及び物体を移動させる間などに、胸骨上に作用する力が生じ得る。1つの従来方式の胸骨固定アセンブリは、ワイヤに取り付けられた角針を使用して、胸骨の傍に(胸骨の周囲に)か、又は胸骨を貫通して(胸骨を通って)定置され、その後そのワイヤを胸骨に対して締め付けるように撚られるステンレス鋼ワイヤを含む。しかしながら、撚りは、ワイヤ上に張力を生成し、それはワイヤを弱め易く、閉鎖中又は術後に破損をもたらす可能性がある。更に、この種類の方式は、ワイヤを締め付けるときに外科医の経験に依存する。ワイヤが十分に締め付けられなければ、胸骨圧縮は損なわれ得る。ワイヤが締め付けられ過ぎると、ワイヤは胸骨に食い込み、若しくは胸骨を貫通することがあり、及び/又は破損することがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態によると、骨固定器具は、骨固定部材に張力を適用して、該骨固定部材を標的の骨の周囲に締め付けるように構成される。骨固定器具は、前端及び対向する後端を画定する本体と、固定部材の自由端を固定器具に固定するように構成される握り部と、握り部がトラベラにと共に後方に移動して、骨固定部材における張力を増加させるように握り部に接続されるトラベラと、トラベラに動作可能に連結されるアクチュエータと、を含む。アクチュエータは、適用される力に応答して初期位置から張力位置に向かって移動し、それによって、トラベラを付勢して後方に移動させるように構成される。骨固定器具は、アクチュエータとトラベラとの間に接続される張力リミタを更に含み得る。張力リミタは、骨固定部材における張力が選択張力未満であるとき、トラベラが後方に移動することを可能にし、かつ骨固定部材における張力が選択張力に達すると、トラベラが後方に移動することを防ぐ。
【図面の簡単な説明】
【0005】
前述の課題を解決するための手段、及び以下の本願の好ましい実施形態の発明を実施するための形態は、添付の図面と共に読まれれば、より良く理解されるであろう。本開示を説明する目的のため、好ましい実施形態を図面に示す。しかしながら、本願は、開示される特定の実施形態及び方法に限定されず、その目的のためには、特許請求の範囲が参照されることを理解するべきである。図面は以下の通りである。
図1】一実施形態に従って構築される骨固定器具の斜視図。
図2A】初期構成における骨固定部材を示す、本体及びロック部材を含む骨固定部材の斜視図。
図2B】下部の骨の周囲に骨固定部材を固定するようにロック部材を通して挿入される本体を示す、図2Aに例示した骨固定部材の一部分の拡大した斜視図。
図3A】標的の骨の周囲に締め付けられ、切断された状態で示される、図2Aに例示した複数の骨固定部材の斜視図。
図3B図3Aに例示した複数の骨固定部材のうちの1つに動作可能に連結され、またそれを締め付ける、図1に例示した骨固定器具の斜視図。
図3C図3Bに例示される締め付けられた骨固定部材のうちの1つに動作可能に連結され、またそれを切断している、図1に例示した骨固定器具の斜視図。
図4】張力アセンブリ及び切断アセンブリを含む内部構成要素を例示するために一部分を取り除いた、図1に例示した骨固定器具の斜視図。
図5A】切断位置にある切断アセンブリを示す、図4に例示した骨固定器具の斜視図。
図5B図5Aに例示されるような骨固定器具の前端の斜視図。
図6図4に例示した骨固定器具の後端の斜視図。
図7A】係脱位置にある張力アセンブリを示す、図4に例示した骨固定器具の前端の斜視図。
図7B】一部分を取り除き、また係合位置にある張力アセンブリを示す、図7Aに例示された骨固定器具の遠位端の斜視図。
図8A】係脱位置にある張力アセンブリを有する骨固定器具内に緩く受容されて示され、例示の目的のために標的の骨を取り除いた状態の、図3Aに例示されるような骨固定部材を示す、図4に例示された骨固定器具を含む骨固定システムの側面図。
図8B】骨固定器具が骨固定部材に固定されるように係合位置にある張力アセンブリを示す、図8Aに例示した骨固定システムの側面図。
図8C】締め付け位置にある張力アセンブリを示す、図8Bに例示される骨固定システムの側面図。
図8D】予め図8Cの締め付け位置にされた後、係脱位置にある張力アセンブリを示す、図8Cに例示された骨固定システムの側面図。
図8E】締め付け位置に向かう張力アセンブリの作動が、受容される骨固定部材を締め付けない張力リミタの動作を示す、図8Dに例示された骨固定システムの側面図。
図9図8Dに例示された骨固定システムであるが、切断アセンブリの作動を示す側面図。
図10図4に例示された骨固定器具に類似するが代替的実施形態に従って構築される、骨固定器具の斜視図。
図11】係脱位置にある張力アセンブリを示し、更に係脱位置にある切断アームも示す、別の実施形態に従って構築される骨固定システムの側面図。
図12A図11に示される骨固定システムの斜視図。
図12B】線12Bに沿って取った図12Aの拡大部分。
図13】締め付け位置にある張力アセンブリと係脱位置にある切断アームとを示す、図11に示される骨固定システムの側面図。
図14】部分的に係合位置にある張力アセンブリと係合位置にある切断アームとを示し、更に張力アセンブリが締め付け位置に移動するのを防ぐように係合位置にある安全機構を示す、図11に示す骨固定システムの側面図。
図15A図14に示される骨固定システムの斜視図。
図15B】線15Bに沿って取った図15Aに示される骨固定システムの拡大部分。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の説明において、特定の専門用語は便宜上のためにのみ使用され、限定的ではない。用語「右」、「左」、「下方」、及び「上方」は、参照する図面内での方向を指定する。用語「近位に」及び「遠位に」は、それぞれ、外科器具を使用する外科医に向かう、及びその外科医から離れる方向を指す。用語「前部」、「後部」、「上側」、「下側」、及び関連する語及び/又はフレーズは、参照する人体における好ましい位置及び方位を指定し、限定的であることを意味しない。専門用語には、前述で列挙した語、その派生語、及び同様の意味を有する後が含まれる。
【0007】
図1〜3Bを参照すると、骨固定アセンブリ20は、骨固定器具22と、胸骨などの、骨折部位30にて分離している標的の骨28の第1及び第2の骨セグメント26a及び26bを、圧縮された近接位置に一緒に固定するように構成される複数の骨固定部材24などの、少なくとも1つの骨固定部材24とを含む。
【0008】
例示される実施形態によると、各骨固定部材24は、ケーブルタイとして実質的に構成されることができ、また、ストラップ本体33を画定し、かつ第1の端34a及びストラップ32の長さに反って第1の端34aに対向する第2の端34bを有する可撓性ストラップ32と、第1の端34aから延在する針先36と、第2の端34bから延在するロック機構38と、を含むことができる。ストラップ32は、所望に応じて、PEEKといった、任意の好適な生体適合性材料から作製され得る。
【0009】
各骨固定部材24は、第1の端34aから第2の端34bに向かって、ストラップ32の長さの一部に沿って(例えば、ストラップ32の長さの約1/3)延在する第1の初期領域40と、第1の初期領域40と第2の端34bとの間に延在する第2のロック領域42と、を更に含み得る。例示した実施形態によると、第2のロック領域42は、第1の初期領域40から第2の端34bに延在する。第1の初期領域40は、ストラップ本体33から延在する複数の小さい突起を含み、隣接する突起間に配設される陥凹領域と交互になってもよい。別の方法としては、初期領域40は、実質的に平滑で突起又は歯を有していなくてもよい。第2のロック領域42は、ストラップ本体33から突起より大きい距離延在する複数のロック歯48を含んでもよく、隣接するロック歯間に配設される陥凹領域51によって分離される。ロック領域42は、所望により、最大でストラップ本体33の全体までの任意の部分に沿って延在し得ることを理解されたい。
【0010】
ロック機構38は、筐体50と、筐体50からを通って延在し、かつストラップ32の第1の端34aを受容するように構成されるストラップ受容溝52とを含む。例示した実施形態によると、第1の端34aは、標的の骨28の周囲にループ55を画定するように、溝52を通して挿入される。ロック機構38は、ストラップ32を、溝52を通じて矢印Aの方向に沿って単方向に並進させて、標的の骨28の第1及び第2のセグメント26a及び26bの周囲のループ55の寸法を減少させるように構成される。例えば、針先36は、溝52を通して挿入され、その後、例えば、ストラップ32が溝52内に残るように、針先36に隣接する場所にて減少した厚さを画定するストラップ本体33のネック56を切断することによって、除去され得る。例示された実施形態によると、ロック機構38は、筐体50に接続される舌54といった、ロック部材を含み、また溝52内へと延在する複数のロック歯58といった、少なくとも1つの相補形の歯を含む。ロック歯58は、ストラップ32が矢印Aの方向に沿って溝52を通して並進するときに、ロック歯48の相補形の傾斜付先行端49をカムするように構成される、傾斜付先行端60を画定する。ロック歯58及び48は更に、傾斜付先行端60よりも小さく傾斜付けられ、後続端62及び47が、係合して、ストラップ32が溝52を通して矢印Aと反対の方向に並進しループ55の寸法を増加させるのを防ぐ、後続端62及び47を画定する。
【0011】
動作中、ストラップ32は、標的の骨28の第1及び第2のセグメント26a及び26bの周囲に巻かれ、針先36は、溝52を通して挿入され、その後ストラップ32を溝52を通して並進させるように溝52を通して引っ張られる。針先36は、ストラップ32から除去されることができ、ストラップ32は次に、溝52を通して、例えば、手動で、更に引っ張られることができる。ストラップ32が矢印Aの方向に沿ってロック機構38を通って並進するにつれて、初期領域40の小突起は、ロック機構38のロック歯58と係合することなく溝52を通して滑動し得る。ストラップ32のロック領域42が矢印Aの方向に沿って溝52を通って並進するにつれて、ロック歯48及び58は、ストラップ32において誘発された張力が、ストラップ32を矢印Aと反対の方向に沿って溝52から後退させてはずすのを防ぐように、係合し得る。例えば、ストラップ32が矢印Aの方向に沿ってロック機構38を通って並進するにつれて、標的の骨28の周囲のループ55の寸法は、張力がストラップ32において誘発されたことを触覚フィードバックが示すまで、減少する。
【0012】
図3Bに例示するように、固定器具22は、固定器具22をストラップ32に固定するように構成され、かつストラップ32をロック機構38を通して更に引っ張るように更に構成され、それによって、ストラップ32が、骨折部位30にて標的の骨28の骨第1及び第2の骨セグメント26a及び26bを一緒にしっかりと圧縮するまで、ストラップ32における張力を更に誘発する、張力アセンブリ70を含む。図3Cに例示するように、固定器具22は、標的の骨28の第1及び第2のセグメント26a及び26bの周囲のストラップ32において所望の張力が誘発されると、ロック機構38を通過したストラップ32の自由端35を切断するように構成される切断アセンブリ72を更に含む。例えば、所望の張力は、約50ニュートン又は約80ニュートンであり得る下端と、約150〜160ニュートン又は200ニュートンであり得る上端とによって画定され、またそれらの間の範囲内であってもよい。所望の張力は、骨の質及び外科医の好みに依存してもよく、また例えば、所望に応じて、ストラップ32を締め付け過ぎることなく標的の骨28を確実に固定する任意の張力であってもよいことを理解されたい。
【0013】
ここで図1及び4を参照すると、固定器具22は、前端78aと、長手方向Lに沿って前端78aから離間する対向する後端78bとを画定する本体76、及び長手方向Lに対して実質的に垂直である横方向Aに沿って離間する対向する辺80を含む。固定器具22は、本体76によって支持され、長手方向Lと横方向Aとの双方に対して実質的に垂直である横断方向に沿って本体76から下方へ延在し得るハンドル82を更に含む。例示した実施形態によると、横断方向Tは垂直に配置され、長手方向及び横方向L及びAは水平に配置されているが、固定器具の方位は使用中に変化し得ることを理解されたい。例示した実施形態によると、本体76は、長手方向Lに伸長する。
【0014】
固定器具22は、ハンドル82から前方に離間する場所にて本体76から下方へ延在するトリガ84と、本体76の前端78aに配設されるノーズ86とを更に含む。ハンドル82、トリガ84、及びノーズ86は、本体76に別個に取り付けられてもよく、又は所望に応じて本体76と一体であってもよい。本体76は、横方向に対向し、それぞれの外辺92を画定する、また固定器具22の種々の内部構成要素を支持するようにねじ94などの締結具を介して、一緒に接合され得る一対の筐体部材90a及び90bを含む、外側筐体88を含み得る。
【0015】
固定器具22の本体76は、所望に応じて、任意の好適な手法で構築され得ることを理解されたい。例えば、図1に例示するように、外側筐体部材90a及び90bは、本体76の前方場所において、辺80から互いに向かって横方向に内側へ延在するフランジ93を含み得る。別の方法としては、図10に例示するように、フランジ93は、後方に更に延在し、隣接するアクチュエータ100を仕切ることができる。
【0016】
更に、図11〜15を参照すると、固定器具は、外側筐体88に関して上述したように構築され得る、又は任意の好適な代替的実施形態に従って構築され得る外側筐体188を含み得る。例えば、図11〜15に例示されるように、外側筐体188は、横方向Aに沿って互いに離間する第1及び第2の筐体部材190a及び190bを含み得る。外側筐体188は、第1及び第2の筐体部材190a及び190bの間に配設される複数のスペーサ部材145、147、及び149といった、少なくとも1つのスペーサ部材を更に含み得る。固定器具22は、ねじ94といった、第1及び第2の筐体部材190a及び190bをスペーサ部材145、147、及び149に取り付ける1つ以上の締結具を更に含み得る。例えば、ねじ94は、スペーサ部材145、147、及び149を部分的に通過することができるか、又は第1及び第2の筐体部材190a及び190bのうちの一方、若しくは双方から、スペーサ部材145、147、及び149を完全に通過して、横方向に対向する第1及び第2の筐体部材190a及び190bのうちの一方まで延在してもよい。スペーサの数、それらの各幾何学的構成、及び筐体部材190a及び190bとの間のスペーサがそれぞれ位置付けられる場所は、各パラメータが筐体部材190a及び190bに対する適切な構造的支持を提供するのに好適である限り、異なる実施形態間で変化してもよい。
【0017】
例示された実施形態によると、スペーサ部材145は、ハンドル82の遠位端に配設され得る。スペーサ部材145は単一部品として図示されているが、他の実施形態では、スペーサ145は、例えば、合わせて嵌合される横方向に対向する2つの半体から組み立てられてもよい。更に、例示した実施形態によると、スペーサ部材147は、後方のハンドル82の基底部から本体76の後端78bに向かって長手方向Lに沿って延在する場所に配設される。スペーサ部材147は更に、ハンドル82の基底部に隣接し、かつ本体76の後端78bに対して遠位であるスペーサ147の部分に配設され、また更にテール151から後方に延在し得る伸長部分153を含む、テール151を含み得る。テール151は、長手方向伸長部分153からハンドル82の遠位端に向かってオフセットした角度で延在し得る。例えば、テール151は、長手方向Lによって画定され得る伸長部分153の伸長の方向から角度的にオフセットである伸長の方向を画定し、テール151の伸長の方向と、伸長部分153の伸長の方向、すなわち長手方向Lとの間の、約85〜約95度の角度を画定し得る。スペーサ部材147は単一部品として図示されているが、スペーサ147は、例えば、合わせて嵌合される横方向に対向する2つの半体から組み立てられてもよいことを理解されたい。
【0018】
テール151及び伸長部分153は、好ましくは材料の単一の部品から形成されるが、別の方法としては、結合、溶接、ないしは別の方法でもう一方に固定して取り付けられる別個の部品で構築されてもよい。スペーサ部材149は、第1及び第2の筐体部材190a及び190bの本体76の前端78aと後端78bとの間に位置する部分に、構造的支持を提供し得る。スペーサ149は、例えば、本体76の組み立て中に合わせて嵌合される横方向に対向する2つの半体から組み立てられることが、又は別の方法としては、単一構成要素であり得る。対向する半体149a及び149bを合わせて嵌合する場合、対向する半体149a及び149bは、長手方向Lに沿ってスペーサ149を完全に通って延在するチャネル155を画定し得る。スペーサ部材149が、2つの横方向に対向する半体から組み立てられない単一構造を備える場合、スペーサ部材149は同様に、長手方向Lに沿ってスペーサ149を完全に通って延在するチャネル155を画定する。チャネル155は、長手方向に延在するトラベラ98が、長手方向Lに沿って、したがって本体76の前端78a及び後端78bにそれぞれ向かって若しくは離れてチャネル155内で移動し得るように、長手方向に延在するトラベラ98の対応する外形寸法を超え得る断面寸法、例えば、直径を画定し得る。固定器具22は、少なくとも1つの対応する翼などの、少なくとも1つの安全部材を更に含むことができ、それは外側筐体188から延在する第1及び第2の横方向に対向する可撓性翼161a及び161bとして構成され得る。例示した実施形態によると、スペーサ部材149は、第1の、又は前端157と対向する第2の、又は後端159とを画定する。図11〜15と共により完全に後述する通り、第1及び第2の翼161a及び161bは、スペーサ部材149から、例えば、後端159において、延在し得る。
【0019】
例示する実施形態、例えば、図1、6、及び7A及びBに例示される実施形態に戻ると、筐体88は、骨固定部材を締め付け、それによってストラップ32などの骨固定部材24において張力を誘発するように構成される張力アセンブリ70を支持することができ、また更に、張力アセンブリ70が骨固定部材24において所望のレベルの張力を誘発し終えると、骨固定部材24の自由端35を除去するように構成される切断アセンブリ72を支持することができる。張力アセンブリ70は、握り部96が、例えば、ロック機構38を通過したストラップの部分などの、ストラップ32を緩く受容するように構成される係脱位置(図7A)と、握り部96が受容したストラップ32に固定されるように構成される係合位置(図7B)との間で移動可能な握り部96を含む。張力アセンブリ70は更に、握り部96に動作可能に連結され、また、トラベラ98の後方への動きが握り部96を固定された構成で後方に移動させ、それによってストラップ32において張力を誘発するように握り部96から後方に延在する、トラベラ98を含む。張力アセンブリ70は更に、トリガ84、及びトリガ84とトラベラ98との間に接続される張力リミタ102(図6)といった、アクチュエータ100を含み得る。張力アセンブリ70は更に、トリガ84と張力リミタ102との間に接続され、それによってトリガ84をトラベラ98に動作可能に連結する、力伝達部材104を含み得る。
【0020】
より詳細に後述する通り、動作中、ストラップ32の自由端35は握り部96に受容され、ノーズ86はロック機構38の筐体50に接して定置され、またアクチュエータ100は、第1の初期位置から、握り部96を係脱位置から係合位置へ反復させる第2の握り部位置へと移動され、また更に、第2の握り部位置から、ストラップ32における張力が張力リミタ102によって決定されるような所望の最大張力であり得る選択張力未満であるときに、トラベラ98を後方に移動させ、それによってストラップ32において張力を誘発する第3の張力位置に移動される。ストラップ32における張力が最大張力に達すると、張力リミタ102は、アクチュエータ100が張力位置に移動されるときにトラベラ98が後方に移動するのを防ぐ。
【0021】
切断アセンブリ72は、本体76に動作可能に支持される切断アーム106と、切断アーム106によって担持される切断刃108とを含む。切断アーム106は、切断刃108が握り部96に受容されるストラップ32の自由端35から離間される着座係脱位置(図4参照)から、切断刃108が、ノーズ86の相補形切断刃87と協働して、ストラップ32の自由端35を切断する(図9参照)係合位置(図5A及びB参照)へと移動可能である。固定器具22、及び具体的には切断アセンブリ72は、切断アーム106を座係脱位置から係合位置に向かって移動可能にさせる係脱位置、及び切断アーム106が座係脱位置から係合位置に向かって移動するのを防ぐ係合位置から移動する安全機構110を更に含む。
【0022】
ここで図4及び7A及びBを参照すると、固定器具22のトラベラ98は、張力リミタ102から前方に延在し、また握り部96をその前端にて支持する長手方向に延在するトラベラロッド111として提供され得る。トラベラロッドは、図4に例示されるような方形の断面、図10に例示されるような実質的に円形の断面、又は所望により任意の別の寸法及び形状を画定し得る。握り部96は、第1の下方握り部部材112と、下方及び上方握り部部材112及び114の間に配設される間隙116を画定するように下方握り部部材112から離間する第2の上方握り部部材114と、を含む。下方握り部部材112は、上方握り部部材114に面する第1の握り部面118を画定し、また更に、第1の握り部面118から上方握り部部材114に向かって延在する複数の歯120を画定し得る。歯120は、握り部96をストラップ32に確実に固定するのに役立つように構成される。上方握り部部材114は、トラベラロッド111によって支持され、また第1の握り部面118に面する第2の握り部面115を画定する。第1及び第2の握り部面118及び115は、所望に応じて寸法決め及び形状付けすることができる。例示された実施形態によると、第1の握り部面118は、第1の握り部面118が上方握り部部材114に対して凸状であるように曲面であり、また例示した実施形態によると実質的に弧形である。更に、例示された実施形態によると、第2の握り部面115は、実質的に平坦である。
【0023】
トラベラロッド111は、一対の横方向に離間された側壁122を画定する、又状の第1の前端117aを画定する。上方握り部部材114は、トラベラロッド111によって強固に支持されることができ、下方握り部部材112は、横方向枢軸を画定する横方向に延在する枢軸ピン115の周囲で枢軸場所113にてトラベラロッド111に枢動可能に連結されることができ、また更に、側壁122の間に配設されることができる。握り部96は、下方握り部部材を握り部96の係脱位置から握り部96の係合位置へと、枢軸場所113の周囲でノーズ86に向かって順方向に枢動するように付勢する、例えば、トーションばね124といった、付勢部材を更に含み得る。握り部面118は、下方握り部部材112が係合位置に向かって枢動するにつれて、握り部面118が上方握り部部材114に向かって上方に移動するように、枢軸場所113の周囲に偏心して延在し得る。
【0024】
下方握り部部材112は、第1の、又は前方停止面126を画定し、またノーズ86は、相補形の第2の、又は後方停止面127を画定する。トラベラロッド111が前方位置にあるとき、握り部96は、トーションばね124に前方停止面126を後方停止面127に接して付勢させる係脱位置にある。握り部が係脱位置にあるとき、間隙116は、図7Aに例示されるように、ストラップ32の自由端35の厚さより大きく寸法決めされる。したがって、ストラップ35の自由端は、図8Aに例示されるように、第1及び第2の握り部面118及び115の間で間隙116内に受容され得る。トラベラロッド111が後方に移動するにつれて、下方握り部部材112は、枢軸場所113の周りで順方向に枢動し、握り部面118は、図7Bに例示するように上方握り部部材114の握り部面115に向かって移動し、それによって、間隙116は、握り部95がトーションばね124(図8B)の力がかかって第1及び第2の握り部面118及び115の間で間隙116に受容されるストラップ32の自由端35を捕捉するまで、減少する。したがって、トラベラロッド111が更に後方に移動すると、ストラップ32の自由端35は、握り部95及びトラベラロッド111と共に後方に移動することになることを理解されたい。
【0025】
ここで図4及び6を参照すると、トラベラロッド111は、前端117aに対向する第2の後端117bを画定する。トラベラロッド111の後端117bは、張力リミッタ102に接続される。張力リミタ102は、圧縮コイルばねといった、第1の又は前端130aと第2の又は後端130bとを画定するばね部材128を含む。ばね部材128は、その後端130bにおいてはトラベラロッド111に関する動きに対して固定されており、またその前端130aにおいてはトラベラロッド111に対して移動可能である。ばね部材128は更に、その前端においてトリガ84に連結される。したがって、ばね部材128は、その端においてトリガ84に連結され、該端は同様にトラベラロッド111に対して移動可能であり、骨固定部材24のロック機構38から離れてトラベラロッドを後方に付勢するトラベラロッド111に対する力を生成する。
【0026】
例示した実施形態によると、張力リミタ102は、トラベラロッド111に、例えば、トラベラロッド111の後端117bに、螺入されるか、ないしは別の方法で固定される、定常端末キャップ129を含む。ばね部材128の後端130bは、ばね部材128をトラベラロッド111にその後端130bにて固定して、後端130bがロッド111に関する動きに対して固定されるように、端末キャップ129に取り付けられる。したがって、ばね部材128の後端130bが後方に移動するにつれて、トラベラロッドは、ばね部材128の後端130bと共に後方に移動する。張力リミタ102は、ばね部材128の移動可能前端130aに固定される移動可能ばね座132を更に含み得る。例示した実施形態によると、トラベラロッド111は、ばね座132がトラベラロッド111に沿って長手方向Lに移動可能であるようにばね座132を通って延在する。トラベラロッド111は、ばね座132の突起を受容し得る、それを通って延在する長手方向に伸長する溝134を画定し得る。したがって、溝134は、移動可能ばね座132が、その最前方位置からその最後方位置へと並進することを可能にする長さを画定する。
【0027】
張力アセンブリ70は、移動可能ばね座132とトリガ84との間に枢動可能に接続される力伝達アーム136として例示される、力伝達部材104を更に含む。別の方法で述べると、ばね部材128の移動可能前端130aは、力伝達アーム136を介してトリガ84に連結される。例示した実施形態によると、力伝達アーム136は、前端138a及び対向する後端138bを画定する。力伝達アーム136は、例えば、その後端138bにおいて、横方向枢軸を画定する枢軸場所139にてばね座132に枢動可能に連結される。力伝達アーム136は更に、例えば、その前端138aにおいて、横方向枢軸を画定する枢軸場所140にてトリガ84に枢動可能に連結される。
【0028】
再び図4を参照すると、張力アセンブリ70は更に、ハンドル82の前方へ離間する場所にて筐体88から下へ延在する下方握り部部分85と、力伝達アーム136に枢動可能に接続され、また更に筐体88に枢動可能に接続される上方固定部分89と、を含む、トリガ84を含む。トリガ84は、上方固定部分89を通って長手方向に延在する開口91を画定し、また該開口、すなわち上方固定部分89を通って延在するトラベラロッドを受容する。トリガ84の固定部分89は、枢軸場所140において力伝達アーム136に枢動可能に接続され、トリガ84の第1の下方枢軸場所を画定する。トリガ84の固定部分89は更に、横方向枢軸を画定する第2の上方枢軸場所142において、筐体88に枢動可能に連結される。ユーザは、ハンドル82及びトリガ84の握り部85を片手で握り、トリガ84を圧搾し、トリガ84を第2の上方枢軸場所142の周囲で逆方向に枢動させることができる。下方枢軸場所140は、上方枢軸場所142と握り部85との間に配設されるため、下方枢軸場所140は、トリガ144がユーザによって後方に移動されると、後方に移動する。張力アセンブリ70は更に、ハンドル142とトリガ144との間に接続され、トリガ144をその初期位置に向かって前方に付勢する、ばね部材146を含む。固定器具22は、筐体部材90aと90bとの間に横方向に延在する合わせくぎ148として例示される、停止部材を含む。トリガ84の固定部分89の前縁部は、合わせくぎ148に隣接して、ばね部材146の力の力がかかってトリガ144をその第1の初期位置に設置する。
【0029】
ここで、固定器具の動作を、図8A〜Eへの更なる参照と共に説明することとする。例えば、図7A及び8Aに例示されるように、トリガ84、したがって張力アセンブリ70は、第1の初期位置にあり、それによってトラベラロッド111の前端117aは、ノーズ86に隣接及び近接して配設され、下方握り部部材112の前方停止面126は、ノーズ86の相補形の後方停止面127に隣接し、それによって、間隙116にストラップ32の自由端35の厚さより大きい横の厚さを画定させる。自由端35は、間隙116へと挿入され、またノーズ86は、ロック機構38に隣接するように位置付けられる。ノーズ86はしたがって、固定器具22が自由端35に後方への力を適用するときにロック機構38が後方に移動するのを防ぐ、ブレース部材を提供する。
【0030】
張力アセンブリ70が第1の初期位置にあるとき、ばね部材128は、中立位置である初期位置にあってもよく、又は移動可能ばね座132は、ばね部材128の初期位置がその中立位置から屈曲する、例えば、僅かに伸ばされ得るように、中立位置に対して前方の場所に配設されてもよい。例えば、移動可能ばね座132がその中立位置から前方へずれる場合、トリガ84を前方に付勢するばね部材146の力は、トリガ84を後方に付勢するばね部材128の力を超え得る。ばね部材128がその中立位置から延在する場合、ばね部材は、端末キャップ129、したがって、トラベラロッド111上に、後方圧縮力を適用することができ、それは下方握り部部材112をノーズ86に対して前方に付勢する。下方握り部部材112をノーズ86に対して前方に付勢するトーションばね124は、トラベラロッドを後方に付勢する、トラベラロッド111に対する同等かつ反対の力を生み出すことが理解される。したがって、ばね部材128が僅かに伸ばされるときにトラベラロッド111に適用されるばね部材128の前方力は、トラベラロッド111に対するトーションばね124の後方付勢力より大きい。ばね部材128が僅かに伸ばされる場合、ばね部材128の前方付勢力はトーションばね124の後方付勢力より大きいため、ばね部材128は、握り部96をその係脱位置に能動的に維持することができる。
【0031】
別の方法としては、移動可能ばね座132は、したがってばね部材128は、張力アセンブリ70がその第1の初期位置にあるとき、ばね部材128がトラベラロッド111に前方付勢力又は後方付勢力を適用しないように、中立位置にあることができる。上述の通り、トーションばね124は、トラベラロッド111に、トラベラロッド111を後方に付勢する力を適用し得る。しかしながら、トラベラロッド111の後方移動は、ばね部材128の後端130bを、ばね部材128の前端130aから離れて移動させ、それによってばね部材128をその中立位置から延在させるであろう。ばね部材128は、ばね部材128がトーションばね124の力がかかって張力に耐えるように、トーションばね124のばね定数より大きいばね定数を有することができ、またそれによって、下方握り部部材112をその係脱位置に受動的に維持し、それによって、前方停止面126はノーズ86の相補形後方停止面127に接して休止し、したがって間隙116は、間隙116に受容されるストラップ32の自由端35より横断方向Tにおいて厚い。
【0032】
ここで図4及び8Bを参照すると、ユーザが、トリガ84の握り部部分85に、後方に方向付けられた力Fといった、作動力を適用するとき、トリガ85は、したがって同様に張力アセンブリ70は、第1の初期位置から第2の握り部位置へ移動し、握り部96を係脱位置から係合位置へ反復させる。例示した実施形態によると、トリガ84の握り部部分85に適用される後方力は、トリガ84を上方枢軸場所142の周囲で逆方向に枢動させ、下方枢軸場所140を後方に移動させる。下方枢軸場所140は、上方枢軸場所142の周囲の弧形移動経路の周囲で、後方に移動することを理解されたい。下方枢軸場所140の後方移動は、力伝達アーム136を同様に後方に移動させ、それによって、トリガからの力を移動可能ばね座132及びばね部材128の前端130aへ伝達する。力伝達アーム136は、力伝達アーム136が後方に移動するにつれて、下方枢軸場所140の周囲でトリガ84に対して枢動することを理解されたい。
【0033】
力伝達アーム136が後方に移動するにつれて、力伝達アーム136は更に、移動可能ばね座132及びばね部材128の前端130aを、ばね部材128の後端130bに向かってトラベルロッド111に沿って長手方向Lに後方に並進させ、それによってばね部材128を第1の初期位置から屈曲させる。力伝達アーム136は、枢軸場所139の周囲で移動可能ばね座132に対して枢動することを理解されたい。ばね部材128の前端130aがばね部材128の後端130bに向かって後方に移動するにつれて、ばね部材128はその中立位置から屈曲して、トラベラロッド111に後方付勢力を適用する。例示した実施形態によると、ばね部材128は、ばね部材128の端130aが後方に移動するときに圧縮し、したがって、端130b、端末キャップ129、またすなわち同様にトラベラロッド111を付勢して後方に移動させる。別の方法としては、ばね部材128の端130aの動きは、トラベラロッド111を付勢するばね128の力を、トラベラロッド111を後方に付勢するトーションばね124の力未満のレベルに減少させるのに十分であり得る。固定器具22は、本体76の後端78bを通って延在する開口119を画定し得る。開口119は、端末キャップ129を受容して、端末キャップ129が、ばね部材128の後端130bの後方移動によって、筐体88を超えて延在し得るように寸法決めされる。
【0034】
したがって、同様に図7A及びBを参照すると、トラベラロッド111は、トーションばね124、ばね部材128、又はその双方によって適用される付勢力がかかって、ノーズ86から後方に離れて移動するように付勢される。ロッド111がノーズ86から離れて移動するにつれて、トーションばね124のトーション力は、下方握り部部材112を矢印Bの方向に沿って枢軸場所113の周囲で順方向に枢動させ、間隙116を、握り部面118及び115がストラップ32の自由端35を間隙116内に捕捉するまで減少させ、それによって、自由端35を固定器具22に固定し、一方、ノーズ86は、ループ55に、具体的にはロック機構38の筐体50に隣接する。したがって、トリガ84の第1の中立位置から第2の中立位置への移動は、握り部96を、その係脱位置からその係合位置へ反復させるといえる。
【0035】
ここで図4、6、及び8Cを参照すると、トリガ84の握り部部分85への力Fの継続的適用は、トリガ84を上方枢軸場所142の周囲で更に枢動させ、それによってトリガ84を、またしたがって張力アセンブリ70を、第2の握り部位置から、トラベラ98を後方に移動させる第3の張力位置へと移動させ、それによって、ストラップ32における張力が、例えば、張力リミタ102によって決定される最大張力といった、所望の張力未満であるときに、ストラップ32の自由端35に張力を適用する。固定器具22のノーズ86の、ループ55との、及び具体的にはロック機構38の筐体50との係合は、ループ55が自由端35と共に後方に移動するのを防ぐブレースを提供するため、張力アセンブリ70が自由端35を張力下におくと、ストラップ32、及び具体的にはロック領域42は、ロック機構38を通して更に引っ張られる。図2Bを参照して上述した通り、ロック歯58及び48は、係合して、ロック領域42がロック機構を通して引っ張られることを可能にし、ループ55の寸法を減少させ、又はループ55内に配設される骨セグメントの周囲でループ55を更なる張力下におく。ループ55の寸法が減少されても、ループ内に配設される骨セグメントの周囲でループ55が更に締め付けられても、固定器具は、張力アセンブリが第2の握り部位置から第3の張力位置に移動するときに、骨固定部材24を張力下におくことがいえる。
【0036】
したがって、トリガストロークが完了し、図8Cに例示されるようにトリガ84がその最後方位置に移動し終えると、ユーザは、トリガ84を解放することができ、ばね部材146にトリガ84を図8Dに図示するその前方位置へと付勢させる。トリガ84がその前方位置へ移動し終えると、トリガ84、及びしたがって張力アセンブリ70は、下方握り部部材112がノーズ86に対して付勢され、それによって上述のように握り部96をその係脱位置に定置するように、第1の初期位置になる。したがって、ストラップ32の自由端35はもはや固定器具22に固定されず、ロック歯58及び48の係合は、ループ55において誘発される増加した張力が、自由端35を、ループ55における張力を減少させることになる矢印Aと逆の方向に筐体を通して移動させるのを防ぐ。
【0037】
第2の握り部位置から第3の張力位置へのトリガ84の動きは、第1の初期位置から第2の握り部位置への動きの続きであり得ることを理解されたい。したがってトリガ84は、第1の初期位置から第2の握り部位置へ、第3の張力位置へ、と、単一の滑らかな動きで移動し得る。
【0038】
ノーズ86は、再びロック機構38に接触して定置されることができ、自由端35は、握り部96の間隙116内に受容されることができ、また張力アセンブリ70は、例えば、ループ55にて誘発される張力が所定の最大張力に達するまで、所望に応じて何度でも、第1の初期位置から第2の握り部位置へ、第3の張力位置へと反復することができる。ループ55における張力が最大張力に達すると、張力リミタ102は、アクチュエータ100が張力位置に移動されるときにトラベラ98が後方に移動するのを防ぐ。
【0039】
例えば、ここで図4、6、及び8Eを参照すると、ばね部材128は、ばね部材128の前端130aがトリガ84の完全後方作動に対応する距離を後方に並進したとき、トラベラロッド111に所定の付勢力を適用するように構成される、ばね定数を有することを理解すべきである。したがって、ループ55における張力が、ばね部材128と、ばね部材128の前端130aの移動の長さとによって画定される所望の力未満である限り、ばね部材128の圧縮は、ばね部材128によって適用される力を引き起こし、トラベラロッド111を後方に移動させるであろう。しかしながら、ひとたびループ55にて誘発された張力が所望の力に達すると、前端130aの後方移動によるばね部材128の圧縮は、ばね部材128に、トラベラロッド111に対する後方付勢力を適用させることになり、それはループ55を更に締め付けるために必要な力に打ち勝つには不十分である。
【0040】
ばね部材128は、標的の骨28の周囲でループ50において誘発される張力を超える、トラベラロッド111に対する後方付勢力を適用するように構成され得ることを理解されたい。例えば、ばね部材128は、ループ50の張力と、ループ55を締め付けているときに、ロック歯48及び52のうちの一方又は双方を、歯が互いを乗り越えるように偏向させる追加の力と、に打ち勝つのに十分な力を適用し得る。したがって、張力リミタ102は、標的の骨の周囲のループ55における張力より大きいがそれに対応する力を適用するように、構成され得る。したがって、張力リミタ102によって適用される最大の力は、ループ55における最大所望張力に対応することができ、歯48及び52が互いを乗り越えて通過すると、ループ55における張力は、歯48及び52が連動するように幾分減少し得ることが理解される。一実施形態によると、張力リミタ102は、所望に応じて、例えば、最大約430ニュートンの、又は所望に応じて、標的の骨28の周囲のループ55における所望の最大張力に対応する任意の他の力といった、最大力を適用し得る。その結果、所望の最大張力が標的の骨28の周囲でループ55において誘発されると、トリガ84が完全に作動されるときに張力リミタ102によって適用される力は、歯48及び58を互いに乗り越えさせ、ループ55を更に締め付けるには不十分である。したがって、最大張力がループ55において標的の骨28の周囲に誘発されると、張力リミタ102によって適用される力は、ループ55を標的の骨28の周囲に更に締め付けるのに十分な距離だけトラベラロッド111を後方に並進させるには、不十分であろう。
【0041】
ばね部材128は、別の方法として、引張りばねとして構成され得ることを理解されたい。例えば、代替的実施形態によると、前端130aは、トラベラロッド111に接続され、かつトラベラロッド111に対して固定され、また後端130bは、トラベラロッド111に対して移動可能であり得る。例えば、後端130bは、上述の様式で力伝達部材104を介してトリガ84に連結され得る。後端130bに適用される張力、及びそれに対応する後端130bの後方変位は、したがって、ばね力に、トラベラロッド111を後方に移動するように付勢させることができ、それによって上述の様式でストラップ32において張力を誘発する。したがって、ばね部材128の初期位置は、上述の通り中立位置であり得る初期位置であり、又はばね部材128の初期位置は、僅かに圧縮されるなど、その中立位置から屈曲され得る。
【0042】
ここで図4〜5Bを参照すると、固定デバイス22は、前端107a及び後端107bを有する切断アーム106と、切断アーム106によって、例えば、前端107aにて、携持される移動可能切断刃108と、を含む、切断アセンブリ72を含む。切断アーム106は、所望に応じて寸法決め及び形状付けされることができ、例示した実施形態によると、前端及び後端107a及び107bが実質的に長手方向に延在するように構成される。切断アーム106はまた、後端107bから前端107aに向かって、前方方向に沿って横方向に外側に延在する、オフセットセグメント107cを含み得る。したがって、前端107aは、後端107bに対して横方向に外側へオフセットであり得る。例えば、後端107bは、対向する辺80の間に配設されることができ、また前端107aは、辺80の横方向に外側の場所において、辺80のうちの1つに連結されることができる。切断アーム106は更に、オフセットセグメント107cから前方に延在し、したがって前端及び後端107a及び107bに実質的に平行に延在する、中間長手方向セグメント107dを含み得る。切断アームはまた、中間長手方向セグメント107dと前端107aとの間に延在し、かつ順方向に沿って横断方向に下方に延在する、横断方向オフセットセグメント107eも含み得る。したがって、前端107aは、後端107bに対して横断方向にオフセットであり得る。切断アーム106は更に、後端107bに配設される握り部150を含み得る。
【0043】
同様に図6を参照すると、切断アセンブリ72は、切断アーム106がその係脱位置にあるときに本体76の上方端において切断アーム106を受容する、座158を含み得る。例示した実施形態によると、座158は、切断アーム106を受容するように寸法決め及び形状付けされる。したがって、切断アーム106が座158に着座しているとき、切断アーム106は、着座係脱位置にあるといえる。座158は更に、切断アーム106の横方向厚さより僅かに少ない距離だけ離間した一対の横方向に対向する保持部材162といった、少なくとも1つの保持部材162を含み得る。保持部材162は、切断アーム106の横方向厚さより僅かに少ない距離を離間した位置に荷重されるばねであり得る。例えば、切断アーム106は、切断アーム106がその着座係脱位置にあるときに保持部材162を受容するように寸法決めされる、陥凹164を画定し得る。したがって、切断アーム106を、その着座係脱位置へ、及びその着座係脱位置から移動させるとき、矢印Cの方向に沿った係合力が切断アーム106に適用されることができ、それは保持部材162の保持力に打ち勝つのに十分であり、保持部材162を陥凹164の外へ飛び出させ、また切断アーム106を座158から自由にする。
【0044】
同様に図7A及びBを参照すると、切断アーム106は、本体76に、例えば、辺80のうちの1つにおいて、枢動可能に取り付けられ得る。例示した実施形態によると、切断アーム106は、その前端107aにおいて、横方向枢軸を画定する枢軸場所152にてノーズ86に枢動可能に取り付けられる。例えば、切断アセンブリ72は、実質的に円筒形であり、ノーズ86の側壁を通って延在し、また切断アーム106がその係合位置とその係脱位置との間で枢動可能であるように、その中心軸の周りで回転可能である、刃支持体154を含み得る。切断アーム106がその係脱位置にあるとき、切断刃108は、自由端35が、握り部96に対して、したがって間隙116に対して前方に配設される間隙156内に緩く受容されるように、相補形で実質的に静止したノーズ86の切断刃87の上方に離間され、ストラップ32の自由端35のそれよりも大きい横断方向寸法を有する間隙156を画定する。
【0045】
再び図5A及びBを参照すると、切断アーム106は、その係合位置へ矢印Cの方向に沿って枢軸場所152の周囲を上方及び順方向に枢動されることができ、切断刃108を相補形切断刃87に向かって弧形経路に沿って下側へ移動させて、間隙156の寸法を減少させる。切断刃108は、切断刃108が切断刃87を通過して滑動するように、相補形切断刃87に対して後方に奥まっている。したがって、切断刃108及び87は、協働して、切断刃108が切断刃87を通過して滑動するにつれて、間隙156内に受容されたストラップ102の自由端35を切断する(図9参照)。したがって、間隙156が、ロック機構(図2B及び3Cを参照)の筐体50のストラップ受容溝52の出口端と整列し、かつアーム106がその係合位置に移動するように、ノーズ86が骨固定部材24のロック機構38に隣接するとき、切断アセンブリ72は、ノーズ86の前端と切断刃108との間の距離と実質的に等しい距離を筐体50から離間した場所にて、自由端35を切断し得る。したがって、ひとたび固定器具22がストラップ32において所望の量の張力を適用すると、自由端35は、上述の方式で切断されて、ループ55から自由端35を実質的に除去することができる。
【0046】
ここで図4及び6を参照すると、切断アセンブリ72は更に、係脱位置から移動する安全機構110を含み、それによって切断アーム106は着座係脱位置から係合位置に向かって移動することができ、また係合位置は、切断アーム106が着座係脱位置から係合位置に向かって移動するのを防ぐ。例示した実施形態によると、切断アセンブリ72は、切断アーム106から下方へ延在する第1の係合部材166と、移動可能ばね座132から上方へ延在する第2の係合部材168とを含む。張力アセンブリ70が第1の初期位置にあるとき、第1の係合部材166は、移動可能ばね座132から後方に離間される。別の方法で述べると、第1の係合部材166は、張力アセンブリ70が第1の初期位置から第3の張力位置に向かって移動されるときに、ばね座132が移動する方向に移動可能ばね座132から離間される。したがって、第2の係合部材168は、移動可能ばね座132が後方に移動するにつれて、第1の係合部材に向かって移動し得る。別の方法としては、第2の係合部材168は、トラベラロッド111から延在することでき、また係合部材166と連動するようにトラベラロッド111に沿って移動可能である。
【0047】
第1及び第2の係合部材166及び168は、それらが長手方向に重なり合うときに連動するように、構成される。例えば、第2の係合部材168は、第1の係合部材166を受容する溝172を有する筐体170として構成され得る。第1の係合部材166は、係合力が、矢印Cの方向に沿って切断アーム106に適用されて、切断アーム106をその着座係脱位置からその係合位置に向かって移動させるときに、フランジ174が筐体170に隣接するように横断方向において筐体170と重なり合う、フランジ174を画定し得る。例示した実施形態によると、第1及び第2の係合部材166及び168は、切断アーム106が座158からはずれるのを防ぐように、干渉する。第1の係合部材166及び168は、別の方法としては、本明細書に説明される様式で、選択的に互いに干渉するように、所望に応じて寸法決め及び形状付けされ得ることを理解されたい。
【0048】
同様に図8Aを参照すると、張力アセンブリ70が第1の初期位置にあるとき、第1及び第2の係合部材166及び168は、切断アーム106が矢印Cの方向に沿って着座係脱位置から係合位置に移動され得るように、長手方向に離間される。張力アセンブリ70が第2の握り部位置に移動するとき、移動可能ばね座132は長手方向に後方に並進し、それによって同様に、第2の係合部材168を第1の係合部材166に向かって長手方向に後方に並進させる。図8Bに例示した実施形態によると、係合部材166及び168は、張力アセンブリ70が第2の握り部位置にあるとき、互いに長手方向に離間して留まり、それによって、切断アーム106が座からはずれ、係脱位置から係合位置に向かって移動することを可能にする。したがって、図9を参照すると、固定器具22がループ55において所望量の張力を誘発した後、張力アセンブリ70は、上述の様式で自由端35を切断する前に、間隙116内に自由端35を捕捉するように握り部位置へ移動され得る。したがって、図3Aに例示されるように、複数の骨固定部材24は、張力アセンブリ70を本明細書に説明するように作動させることによって、標的の骨28の周囲に締め付けられることができ、その後、本明細書に説明されるように切断アセンブリ72を作動させることによって、切断され得る。
【0049】
図8Cに示される例示の実施形態によると、係合部材166及び168は、張力アセンブリ70が第2の握り部位置から第3の張力位置に向かって移動し終えたときに重なり合うように、位置付けられる。したがって、張力アセンブリ70が第2の握り部位置を越えて前進した後は、係合部材166及び168は、矢印Cの方向に沿って切断アーム106に係合力が適用されると、干渉する。したがって、安全機構110は、張力アセンブリ70がストラップ32に張力を適用している間、固定器具22が自由端35を切断するのを防ぐ。別の方法としては、係合部材166及び168は、張力アセンブリ70が第2の握り部位置にあるときに、少なくとも部分的に重なり合い、また連動するように位置付けられることができ、それによって切断アーム106が、座からはずれること、及び矢印Cの方向に沿って係合位置に移動することを防ぐ干渉を画定する。
【0050】
ここで図11〜15を参照すると、固定器具22は、安全機構110を含むことができ、安全機構110は第1の係合部材166及び第2の係合部材168(その相互作用は詳細に上述する)を含み、また固定器具22は更に、切断アセンブリ72が作動位置にある間、張力アセンブリ70が締め付け位置へ移動するのを防ぐ、第2の安全機構195を含み得る。例えば、第2の安全機構は、張力アセンブリが、例示されるように部分的に係合した位置から締め付け位置に移動するのを防ぐことができ、また別の方法としては、切断アセンブリ72が作動位置にある間、張力アセンブリ70が係脱位置から締め付け位置に移動するのを防ぐことができる。したがって、第2の安全機構195は、切断アセンブリ72が作動位置にある間、張力アセンブリ70が係脱位置から締め付け位置へ一定方向に沿って移動するのを防ぐことができるといえる。この点において、安全機構110は、第1の安全機構と称され得ることを理解されたい。第2の安全機構195は、スペーサ部材149の後端159から、本体76の後端78bに向かって長手方向Lに沿って、例えば、後方に、延在する、第1及び第2の翼161a及び161bといった、少なくとも1つの安全部材196を含み得る。他の実施形態では、翼161a及び161bは、スペーサから延在せず、別の方法で固定器具22内に存在して、スペーサ部材149から延在する翼161a及び161bと同一の機能性を提供する。
【0051】
各翼161a及び161bは、それぞれ、対応する翼本体#a及び#b、並びに、実質的に横断方向Tに沿って対応する翼本体#a及び#から、例えば、実質的に垂直に下方へ、それぞれ延在する、フック163a及び163bを含み得る。図12Bに例示されるように、各翼161a及び161bは、対応する横方向外面165a及び165b、並びに、横方向Aに沿って横方向外面165a及び165bから離間する対向する横方向内面167a及び167bを画定する。各フック163a、163bは、それぞれ、長手方向の外側又は前側の端169a及び169bと、長手方向Lに沿って前端169a及び169bから離間する、対向する後端171a及び171bとを画定する。
【0052】
図12Aを参照すると、固定器具22は、第1及び第2の翼161a及び161bの間、例えば、内面167aと167bとの間に、横方向Aに沿って延在する、間隙173を画定する。間隙173は、切断アーム106が係脱位置にあるときに、切断アーム106を受容するように、寸法決めされる。例えば、内面167a及び167bは、切断アーム106が係脱位置にあるときに切断アーム106を支持し得る、対応する座を画定し得る。例えば、内面167a及び167bは、切断アーム106が本体76の上方横断方向面にて係脱位置にあるとき、切断アーム106の相補形の外面に隣接するように、凹凸付けられ得る。したがって、切断アーム106が間隙173内に着座しているとき、切断アーム106は、着座係脱位置にあるといえる。
【0053】
図14また図15A及びBに示されるように、切断アーム106は、例えば、筐体部材190bにおいて、本体76に枢動可能に取り付けられてもよい。例示した実施形態によると、切断アーム106は、その前端107aにおいて、横方向枢軸を画定する枢軸場所152にてノーズ86に枢動可能に取り付けられる。この配列は上述されており、例えば、図7A及びBに描写される。図5A〜B、14、及び15A〜Bに示すように、切断アーム106は、矢印Cの方向に沿って枢軸場所152の周囲をその係合位置に上方及び順方向に枢動されることができ、切断刃108を弧形経路に沿って相補形切断刃87に向かって下方へ移動させて、間隙156の寸法を減少させる。このプロセスは、上述される。図14また15A及びBに描かれる実施形態では、切断アーム106の、その着座係脱位置からその係合位置への枢動は、間隙173からの切断アーム106の除去に関する。したがって、切断アーム106が間隙173から除去されるとき、切断アーム106は、係合位置にあるといえる。
【0054】
第1及び第2の翼161a及び161bのうちの少なくとも一方又は双方は、可撓性であることができ、例えば、可撓性材料から製作されることができる。したがって、第1の及び第2の翼161a及び161bのうちの少なくとも一方又は双方は、非偏向(又は、中立)状態と、外側へ偏向された(例えば、横方向に偏向された)状態との間で移動可能であり得る。図15Bに示す非偏向位置では、第1の及び第2の翼161a及び161bは、互いに実質的に平行であり、また間隙173は、第1の距離を画定する。第1及び第2の翼161a及び161bは、切断アーム106が間隙173から除去されるとき、例えば、矢印Cの方向に沿って枢軸場所152の周囲でその係合位置へ枢動されると、対応する非偏向位置にある。第1及び第2の翼161a及び161bは、切断アーム106が、間隙173内で第1及び第2の翼161a及び161bの間に配設されるとき、対応する偏向位置にある。例えば、切断アーム106が着座係脱位置にあるとき、それは第1の翼161aの横方向内面167aと、第2の翼161bの横方向内面167bとに隣接する。図12Bに例示する通り、切断アーム106の横方向Aに沿った断面寸法は、第1及び第2の翼161a及び161bが非偏向位置にあるとき、間隙173より大きいため、切断アーム106が着座係脱位置に移動されるとき、切断アーム106は、第1及び第2の翼161a及び161bのうちの少なくとも一方又は双方を付勢して、第1及び第2の翼161a及び161bのうちの他方から離し、それによって、切断アーム106が上述の通り間隙173内に着座され得るように、間隙173の横方向寸法を増加させる。切断アーム106による翼161a、161bの偏向を促進するため、翼161aの横方向内面167a及び翼161bの横方向内面167bは、内面167a及び167bが横断方向Tに対して非ゼロ角度を画定し得るように、それらが横断方向Tに沿って下方に延在するにつれて、互いに向かって横方向に内側へ広がってもよい。
【0055】
切断アーム106が着座係脱位置にあり、かつ翼161a、161bが横方向に外側に偏向されるとき、横方向Aに沿った、翼161aの横方向内面167aと翼161bの横方向内面167bとの間の距離、すなわち間隙173の横方向寸法は、横方向Aに沿った第2の係合部材168の対応する外幅より大きい。図15Bは、第2の係合部材の横方向幅wを示し、図12Bは、翼161aの横方向内面167aと翼161bの横方向内面167bとの間の距離は、第2の係合部材168が、翼161aの横方向内面167aと翼161bの横方向内面167bとの間で間隙173を通過することによって、移動可能ばね座132に沿って、本体76の後端78bに向かって長手方向Lに沿った方向に移動し得るように、第2の係合部材168の横方向幅より大きいことを示す。
【0056】
対照的に、図15Bに示す通り、切断アーム106が着座係脱位置から係合位置に移動するとき、第1及び第2の翼161a及び161bのうちの一方又は双方は、それぞれの非偏向位置へ戻り、また翼161aの横方向内面167aと翼161bの横方向内面167bとの間の距離は、第2の係合部材168の横方向幅より小さくなる。以下で完全に説明する通り、この構成では、第2の係合部材168が、翼161aの横方向内面167aと翼161bの横方向内面167bとの間を通過することは不可能であり、またしたがって、移動可能ばね座132(そこから第2の係合部材168が上方へ延在する)が、長手方向Lに沿った方向において、本体76の後端78bに向かって、特定の位置を越えて移動することは不可能である。翼161a及び161bのうちの一方又は双方がそれぞれの非偏向位置にあるとき、対応する翼161a及び161bのうちの一方又は双方は、長手方向Lに沿って、第2の係合部材168と少なくとも部分的に整列されることを理解されたい。したがって、対応する翼161a及び161bのうちの一方又は双方は、第2の係合部材168に隣接し、かつ第2の係合部材168が間隙173を通って移動するのを防ぐように、位置付けられる。翼161a及び161bのうちの一方又は双方がそれぞれの偏向位置にあるとき、翼161a及び161bは、第2の係合部材168が長手方向Lに沿って間隙173と整列され、またしたがって、第1及び第2の翼161a及び161bを通過して間隙173内へ少なくとも入って、又は間隙173を通って、移動するように位置付けられるように、第2の係合部材168に対して横方向Aに沿ってオフセットである。
【0057】
図11に例示する通り、張力アセンブリ70(前述)が第1の初期位置にあるとき、フック163a及び163bの双方、並びに第1の係合部材166は、移動可能ばね座132、及び移動可能ばね座132から上方に延在する第2の係合部材168から、長手方向Lに沿って、例えば、後方に、離間される。ユーザが作動力、例えば、後方に方向付けられた力Fを、トリガ84の握り部部分85に適用するとき、トリガ85は、したがって、同様に張力アセンブリ70は、第1の初期位置から第2の握り部位置へ移動し、移動可能ばね座132を、本体76の後端78bに向かって長手方向にトラベラロッド111に沿って後方に並進させる。図14及び15A〜Bに示す通り、切断アーム106が座からはずれた係合位置にあるとき、第1及び第2の翼161a及び161bは、それらのそれぞれの非偏向位置にある。したがって、張力アセンブリ70が第1の初期位置から第2の握り部位置へ移動するとき、移動可能ばね座132は、第2の係合部材168が、例えば、フック163a及び163bのそれぞれの前側長手方向端169a及び169bにおいて、第1及び第2の翼161a及び161bのうちの一方又は双方に隣接するまで、後端78に向かって移動する。ひとたび第2の係合部材168が、例えば、前側長手方向端169a及び169bにおいて、フック163a及び163bに隣接すると、翼161a及び161bのうちの一方又は双方と第2の係合部材168との間の干渉は、張力アセンブリ70が、例えば、第2の握り部位置から、第3の張力位置へと移動するのを防ぎ、それによって、切断アーム106が座からはずれた係合位置にある間に、張力アセンブリ70がストラップ32における張力を増加させるのを防ぐ。
【0058】
一方、図12A及びB及び13に例示する通り、切断アーム106が着座した係脱位置にあるとき、翼161a及び161bは、それらのそれぞれの偏向位置にある。したがって、張力アセンブリ70が第1の初期位置から第2の握り部位置に移動するとき、移動可能ばね座132は、第2の係合部材168が、翼167aと167bとの間、例えば、対応する横方向内面167aと167bとの間の、間隙173に少なくとも入る、又はそれを通過するまで、長手方向Lに沿って、例えば、後端78bに向かって後方に、移動可能である。翼161a及び161bは、翼161a及び161bが偏向位置にあるときに第2の係合部材168からオフセットされるため、第2の係合部材168は、フック163a及び163bのそれぞれの前方長手方向縁部169a及び169bに隣接せず、第2の係合部材168が間隙173内へ移動するのを防ぐ。その結果、翼161a及び161bが偏向位置にあるとき、張力アセンブリ70は、第2の握り部位置から第3の締め付け位置に移動することができ、それによってストラップ32における張力が増加される。
【0059】
先に述べたように、第1及び第2の係合部材166及び168は、それらが長手方向に重なり合うときに連動するように位置付けられる。したがって、図11〜15に示す実施形態では、張力アセンブリが第3の張力位置にあるとき、第1及び第2の係合部材166及び168は、少なくとも部分的に重なり合い、それによって切断アーム106が、座からはずれること、及び矢印Cの方向に沿って係合位置に移動することを防ぐ干渉を画定する。
【0060】
本開示について詳細に説明してきたが、種々の変更、代用、及び修正が、添付の特許請求の範囲で定義する本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本明細書においてなされ得ることを理解されたい。更に、本開示の範囲は、本明細書に記載される特定の実施形態に制限されることを意図しない。当業者は、本明細書に説明される対応する実施形態と実質的に同一の機能を果たし、又は実質的に同一の結果を達成する、現存の、又は後に開発されるプロセス、機械、製造、物質の組成物、手段、方法、又はステップが、本開示に従って利用されてもよいことを、本発明の開示から容易に理解するであろう。
【0061】
〔実施の態様〕
(1) 骨固定部材に張力を適用して、前記骨固定部材を標的の骨の周囲に締め付けるように構成される骨固定器具であって、
前端及び対向する後端を画定する本体と、
前記固定部材の自由端を前記固定器具に固定するように構成される握り部と、
前記握り部がトラベラと共に後方に移動して、前記骨固定部材における張力を増加させるように前記握り部に接続されるトラベラと、
適用される力に応答して初期位置から張力位置に向かって移動し、それによって、前記トラベラを付勢して後方に移動させるように構成される、前記トラベラに動作可能に連結されるアクチュエータと、
前記骨固定部材における前記張力が選択張力未満であるとき、前記トラベラが後方に移動することを可能にし、かつ前記骨固定部材における前記張力が前記選択張力に達すると、前記トラベラが後方に移動することを防ぐ、前記アクチュエータと前記トラベラとの間に接続される張力リミタと、を備える、骨固定器具。
(2) 前記握り部が係脱位置にあるときに、前記握り部が前記骨固定部材を受容するように寸法決めされた間隙を画定し、かつ前記握り部が係合位置にあるときに、前記握り部が前記骨固定部材を前記骨固定器具に固定するように前記間隙が減少するように、前記握り部が、前記係脱位置と前記係合位置との間で移動可能である、実施態様1に記載の骨固定器具。
(3) 前記握り部が、第1及び第2の握り部部材を更に備え、前記握り部部材のうちの一方が、係脱位置と係合位置との間で移動可能であるようになっており、前記移動可能な握り部部材が、前記係合位置よりも前記係脱位置において他方の前記握り部部材から遠くに離間するようになっている、実施態様1に記載の骨固定器具。
(4) 前記トラベラが前方位置から後方に移動するときに、前記握り部部材が前記係脱位置から前記係合位置に移動する、実施態様3に記載の骨固定器具。
(5) 前記トラベラが前記前方位置にあるときに、前記移動可能な握り部部材が前記係合位置に向かって付勢され、前記移動可能な握り部部材が前記係脱位置から前記係合位置に移動するのを防ぐように前記本体と係合する、実施態様4に記載の骨固定器具。
【0062】
(6) 前記トラベラが前記前方位置から後方に移動するとき、前記移動可能な握り部部材が前記本体から係脱され、前記係合位置へ付勢される、実施態様5に記載の骨固定器具。
(7) 前記張力リミタが、前記アクチュエータと前記トラベラとの間に接続されるばね部材を備え、前記アクチュエータの動きが前記ばね部材を屈曲させ、かつ付勢力下で前記トラベラを後方に付勢する、実施態様1に記載の骨固定器具。
(8) 前記付勢力が前記骨固定部材における前記張力を超えるときに、前記トラベラが後方に移動する、実施態様7に記載の骨固定器具。
(9) 前記付勢力が前記骨固定部材における前記張力以下であるときに、前記トラベラが静止したままである、実施態様8に記載の骨固定器具。
(10) 前記アクチュエータと前記ばね部材との間に連結される力伝達部材を更に備え、前記アクチュエータの動きが、前記力伝達部材を移動させて、前記ばね部材を屈曲させる、実施態様7に記載の骨固定器具。
【0063】
(11) 前記ばね部材が、前記力伝達部材に接続される移動可能ばね座に連結される、実施態様10に記載の骨固定器具。
(12) 前記アクチュエータが前記初期位置から前記張力位置に向かって移動するにつれて、前記ばねが圧縮され、前記ばねの前記圧縮が、前記トラベラを後方に移動させるように前記ばねを付勢させる、実施態様7に記載の骨固定器具。
(13) 前記アクチュエータが、前記初期位置から、前記トラベラを後方に付勢する位置に前記ばねを屈曲させ、かつ前記骨固定部材における前記張力を増加させる前に、前記握り部を前記骨固定部材に固定させる第2の位置に移動可能である、実施態様7に記載の骨固定器具。
(14) 前記アクチュエータが、前記初期位置から、前記握り部を前記骨固定部材に固定させる第2の位置に、かつ前記第2の位置から、前記トラベラを移動させ、かつ前記骨固定部材における前記張力を増加させる前記張力位置に移動可能である、実施態様1に記載の骨固定器具。
(15) 前記アクチュエータが、一回の連続動作で、前記初期位置から、前記第2の位置、前記張力位置に移動する、実施態様14に記載の骨固定器具。
【0064】
(16) 係脱位置から係合位置に移動するように構成される切断アセンブリを更に備え、それによって、前記切断アセンブリが、前記係合位置にあるときに前記骨固定部材の前記自由端を切断する、実施態様1に記載の骨固定器具。
(17) 前記トラベラが後方に移動され、前記骨固定部材における張力を増加させたときに、前記切断アセンブリが前記係脱位置から前記係合位置に移動することを防ぐ安全機構を更に備える、実施態様1に記載の骨固定器具。
(18) 前記切断アセンブリが前記係合位置にあるときに、前記アクチュエータが前記張力位置に移動するのを防ぐ第2の安全機構を更に備える、実施態様17に記載の骨固定器具。
(19) 標的の骨の周囲で骨固定部材に張力を適用するように構成される骨固定器具であって、
前記骨固定部材の自由端に前記固定器具を固定するように構成され、また更に、前記骨固定部材内の前記張力が選択張力未満である間、前記自由端を引っ張り、前記標的の骨の周囲の前記骨固定部材内の張力を増加させるように構成され、前記骨固定部材内の前記張力が前記選択張力に達すると、前記骨固定部材内の張力を更に増加させることができない、張力アセンブリと、
前記骨固定部材の前記自由端を切断するように構成される切断アセンブリと、を備える、骨固定器具。
(20) 前記張力アセンブリが前記骨固定部材における張力を増加させている間、前記切断アセンブリが前記骨固定部材の前記自由端を切断するのを防ぐ安全機構を更に備える、実施態様19に記載の骨固定器具。
【0065】
(21) 前記張力アセンブリが、握り部を更に備え、前記握り部は、1)前記握り部が前記骨固定部材の前記自由端を緩く受容するように構成される係脱位置から、2)前記握り部が前記骨固定部材の前記自由端を前記骨固定器具へ固定する係合位置に、移動するように構成される、実施態様20に記載の骨固定器具。
(22) 前記握り部が前記係合位置にあるとき、前記切断アセンブリが前記骨固定部材の前記自由端を切断することを前記安全機構が可能にする、実施態様21に記載の骨固定器具。
(23) 前記切断アセンブリが、係脱位置から係合位置に移動するように構成され、前記切断アセンブリが係合位置にあるとき、前記張力アセンブリが、前記骨固定部材における張力を増加させるのを防ぐ第2の安全機構を更に備える、実施態様20に記載の骨固定器具。
(24) 骨固定システムであって、
ストラップ及びロック機構を含む少なくとも1つの骨固定部材であって、前記ストラップは、標的の骨の周囲にループを形成するように第1の方向に沿って前記ロック機構を通して引っ張られることができ、また前記ロック機構は、前記ストラップが前記第1の方向と反対の第2の方向に沿って前記ロック機構を通して移動することを防ぎ、前記ストラップは、前記ロック機構を超えて延在する自由端を画定する、骨固定部材と、
前記標的の骨の周囲の前記ループに張力を適用するように構成される骨固定器具であって、
前記固定器具に前記自由端を固定するように構成され、また更に、前記ループ内の前記張力が選択張力未満である間、前記ループ内の張力を増加させるように、前記自由端を引っ張るように構成され、前記骨固定部材内の前記張力が前記選択張力に達すると、前記骨固定部材内の張力を更に増加させることができない、張力アセンブリと、
前記骨固定部材の前記自由端を切断して、前記自由端を前記ループから分離するように構成される切断アセンブリと、を含む、骨固定器具と、を備える、骨固定システム。
(25) 前記切断アセンブリが、係脱位置から係合位置に移動するように構成され、また前記切断アセンブリが係合位置にあるとき、前記張力アセンブリが、前記骨固定部材における張力を増加させるのを防ぐ安全機構を更に備える、実施態様24に記載の骨固定システム。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15A
図15B