(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検出手段は、前記払出装置による払出動作の開始後であって前記第2期間の開始前に前記検知手段が遊技媒体の払出しに対応する出力態様で信号を出力したことを前記異常状態として検出しないように構成されている請求項1に記載の遊技機。
前記検出手段は、前記払出装置による払出動作の開始後、前記第1期間が経過しても前記検知手段が遊技媒体の払出しに対応する出力態様で信号を出力しないことを前記異常状態として検出するように構成されている請求項1または2に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、遊技機の一種であるスロットマシンの一実施形態を説明する。本実施形態のスロットマシンは、遊技店等において遊技の提供に供され、所謂パチスロとも称される回胴式遊技機である。なお、本明細書に示す上、下、左、右、前(表)、後(裏)は、遊技者から見た状態における各方向を示すものとする。
【0013】
図1に示すように、スロットマシン10は、前面に開口部を有する四角箱状の本体キャビネット11と、本体キャビネット11の開口部を覆う前面扉12とを備えている。前面扉12は、本体キャビネット11の一側縁部に対して回動可能に軸支されている。前面扉12の前面には、演出として発光演出を行う装飾ランプLA、及び演出として音声演出を行うスピーカSPが配設されている。
【0014】
前面扉12の前面上部には、演出として表示演出を行う演出表示装置14が配設されている。演出表示装置14は、例えば透過型液晶ディスプレイ(透明液晶ディスプレイ)である。詳しくは後述するように、演出表示装置14では、スロットマシン10で発生した各種のエラー状態(異常状態)を報知するエラー報知が行われる。演出表示装置14の裏面には、機内部に配設されているリールユニット13を透視可能な透視窓16が設けられている。スロットマシン10では、演出表示装置14の画像表示領域のうち、正面から見たときに透視窓16と重なる重複領域において画像を表示することで、リールユニット13と演出表示装置14に映し出された画像とが重ね合された状態で遊技者に視認させることが可能である。また、スロットマシン10では、上記重複領域において画像を表示しないことで、リールユニット13のみを遊技者に視認させることが可能である。
【0015】
リールユニット13は、回胴とも称されるリール(ドラム)として、第1リール13a、第2リール13b、及び第3リール13cを有する。第1リール13a、第2リール13b、及び第3リール13cは、左からこの順で並設されている。各リール13a〜13cには、複数の識別図柄(以下、単に「図柄」と示す)を長手方向に沿って印刷した透光性フィルムが外側を巻いた状態で取り付けられていることにより、外周面に沿って複数の図柄が配置されている。また、リールユニット13は、第1リール13aを回転及び停止させるアクチュエータA1と、第2リール13bを回転及び停止させるアクチュエータA2と、第3リール13cを回転及び停止させるアクチュエータA3とを有する(
図5に示す)。各アクチュエータA1〜A3は、例えばステッピングモータである。
【0016】
各リール13a〜13cは、各々に対応して設けられたアクチュエータにより独立して縦方向に回転及び停止を可能に構成されている。本実施形態では、各リール13a〜13cが回転することにより、透視窓16において、図柄が上方から下方に向かって縦方向に変動表示(スクロール表示)され、遊技としての変動ゲームが行われる。リールユニット13は、第1リール13aの回転位置を検出する第1リールセンサSE1と、第2リール13bの回転位置を検出する第2リールセンサSE2と、第3リール13cの回転位置を検出する第3リールセンサSE3とを有する(
図5に示す)。
【0017】
透視窓16は、各リール13a〜13cにおいて周方向に連続する3つの図柄を表示可能な大きさに形成されているとともに、透視窓16には、リール13a〜13cごとに上段停止位置、中段停止位置、及び下段停止位置が設定されている。そして、スロットマシン10では、各リール13a〜13cに設定された3つの停止位置の中から1つずつ選択された停止位置の組合せによって、停止表示された図柄の組合せを入賞と判定し得る有効な停止位置の組合せが設定されている。以下の説明では、有効な停止位置の組合せを構成する各停止位置を結んだラインを単に有効ラインNLと示す。また、以下の説明では、有効ラインNL上に停止表示された図柄の組合せが賞を定めた図柄の組合せとなることを単に「入賞」と示す。スロットマシン10では、賞を定めた図柄の組合せ(役)に入賞すると、該入賞した図柄の組合せに対応付けられた賞が付与される。なお、有効な停止位置の組合せ以外の組合せは、停止表示された図柄の組合せを入賞と判定し得ない無効な停止位置の組合せ(所謂、無効ライン)となる。
【0018】
また、前面扉12の前面には、変動ゲームに関わる各種の情報を表示する情報表示部17が配設されている。情報表示部17には、投入可能表示用ランプ、再遊技表示用ランプ、ウェイト表示用ランプ、状態ランプ、賭数表示部、貯留枚数表示部、賞枚数表示部、及びエラー表示部17aが設けられている。
【0019】
投入可能表示用ランプは、遊技媒体としてのメダル(遊技メダル)YMをベット可能な状態、及び投入したメダルYMをスロットマシン10の機内部にクレジットとして記憶可能な状態のときに点灯する。以下の説明では、変動ゲームにおいてベットされたメダルYMの枚数を「ベット数(賭数)」と示し、1回の遊技においてベットを許容されるメダルYMの最大枚数を「最大ベット数(最大賭数)」と示す。
【0020】
再遊技表示用ランプは、再遊技(リプレイ)作動時である場合に点灯する。ウェイト表示用ランプは、ウェイトタイム中に開始操作が検出された場合に点灯し、ウェイトタイムが経過した後に消灯する。ウェイトタイムは、変動ゲームの単位時間当りの実行回数が規定回数を超えないように設定された最短遊技時間であり、このウェイトタイム中に開始操作が検出されると、ウェイトタイムが経過した後に各リールの回転が開始するように設定されている。状態ランプは、変動ゲームの進行に合わせて点灯/消灯をする。
【0021】
また、賭数表示部は、3つの発光部から構成されており、変動ゲームのベット数に応じてランプが点灯する。1ベットで1つのランプが点灯し、2ベットで2つのランプが点灯し、3ベットで全てのランプが点灯する。貯留枚数表示部は、機内部で貯留しているクレジット数を表示する。賞枚数表示部は、変動ゲーム中に入賞が発生した場合に、当該入賞に基づいて遊技者に付与されるメダルYMの枚数が表示される。また、エラー表示部17aは、スロットマシン10で発生した各種のエラー状態を特定可能なエラー番号を表示する態様によりエラー報知を実行可能である。
【0022】
前面扉12の前面において、演出表示装置14の右下方には、メダル投入口18が配設されている。前面扉12の前面において、情報表示部17の下方には、BETボタン19が配設されている。BETボタン19は、スロットマシン10の機内部に記憶されているクレジットからメダルYMの1枚分をベットするときに操作するボタンである。前面扉12の前面において、情報表示部17の右方には、MAXBETボタン20が配設されている。MAXBETボタン20は、スロットマシン10の機内部に記憶されているクレジットから、最大ベット数までをベットするときに操作するボタンである。
【0023】
また、前面扉12の前面において、BETボタン19の右方には、精算ボタン21が配設されている。精算ボタン21は、ベットされたメダルYM、又は機内部に記憶されているクレジットを払い戻すときに操作するスイッチである。
【0024】
前面扉12の前面において、精算ボタン21の右方には、スタートレバー22が配設されている。スタートレバー22は、各リール13a〜13cにおいて図柄の変動を開始させる契機となる開始操作を可能である。即ち、スタートレバー22は、開始操作手段として機能し得る。前面扉12の前面において、演出表示装置14の下方には、第1ストップボタン23a、第2ストップボタン23b、及び第3ストップボタン23cが配設されている。第1ストップボタン23a、第2ストップボタン23b、及び第3ストップボタン23cは、左からこの順で並設されている。第1ストップボタン23aは第1リール13aと、第2ストップボタン23bは第2リール13bと、第3ストップボタン23cは第3リール13cと各別に対応付けられている。そして、各ストップボタン23a〜23cは、対応付けられたリールにおいて図柄を導出表示させる契機となる停止操作(導出操作)をそれぞれ可能である。したがって、各ストップボタン23a〜23cは、停止操作手段(導出操作手段)として機能し得る。
【0025】
また、前面扉12の前面における下部中央には、メダル排出口24が形成されている。また、前面扉12の前面における下部には、メダル排出口24から排出されたメダルYMを受ける受皿25が配設されている。
【0026】
また、前面扉12の前面には、前面扉12を開放するための開放錠12aが配設されている。スロットマシン10では、開放錠12aに対して該開放錠12aに適合するカギを挿入するとともに、該カギを第1方向(本実施形態では左まわり)に回動させることにより、開放錠12aによる施錠が解除され、前面扉12を開放可能となる。開放錠12aには、開放錠12aが開錠されたこと、即ち前面扉12が開放されていることを検知する扉開放センサSE4(
図5に示す)が設けられている。
【0027】
また、本実施形態の開放錠12aは、各種のエラー報知を解除するためのエラー解除キーSW1として兼用されている。スロットマシン10では、開放錠12aにカギを挿入するとともに、該カギを第2方向(本実施形態では右まわり)に回動させることで所定のエラー報知を解除可能である。本実施形態の開放錠12aは、機前面側に配設されたエラー解除用の操作手段として機能し得る。以下の説明では、開放錠12aに挿入したカギを第2方向に回動させる操作を単に「第1エラー解除操作」と示す。
【0028】
図2に示すように、前面扉12の裏面には、メダル投入口18から投入されたメダルYMを受け入れ可能となるようにメダルセレクタ30が配設されている。メダルセレクタ30には、メダル投入口18から受入れたメダルYMを検知する投入センサSE5が配設されている(
図5に示す)。また、前面扉12の裏面において、メダルセレクタ30の左方(紙面右方)には、メダルセレクタ30から排出されたメダルYMを案内する案内通路31が配設されている。案内通路31は、メダルセレクタ30から左方に延びたのちに後方へ向かって屈曲しているとともに、その延びる方向と直交する平面で切断したときの断面形状が略V字型である溝状の通路である。案内通路31は、メダルセレクタ30から排出されたメダルYMを後述するホッパーユニット35へ案内する。前面扉12の裏面には、後述するホッパーユニット35から払出されたメダルYMを受け入れる受入口32が設けられている。受入口32は、前述したメダル排出口24に連通されている。
【0029】
また、前面扉12の裏面には、各種のエラー報知を解除するためのエラー解除ボタンSW2が設けられている。エラー解除ボタンSW2は、前面扉12の裏面に配設されていることから、原則として前面扉12を開放しなければ操作不能である。本実施形態のエラー解除ボタンSW2は、機内部に配設されたエラー解除用の操作手段として機能し得る。以下の説明では、エラー解除ボタンSW2の操作を単に「第2エラー解除操作」と示す。
【0030】
また、スロットマシン10の機内部であって、本体キャビネット11の底板11aには、ホッパーユニット35が固定されている。ホッパーユニット35は、メダルYMを貯留可能に構成された貯留ボックス36と、該貯留ボックス36を支持する支持台37とを有する。
【0031】
貯留ボックス36の形状は、その全体として、上下方向と直交する平面で切断したときの内部空間の断面積が下方に向かうほど小さくなる扁平な略角錐状である。貯留ボックス36は、上面に開口する開口部36aを有しており、該開口部36aから、案内通路31によって案内されたメダルYMを受け入れ可能である。また、貯留ボックス36の下端部には、支持台37に向かって延びる扁平な円筒状の案内部36bが設けられている。
【0032】
支持台37は、上面に開口部を有する四角箱状の支持部38と、該支持部38の開口部を覆う天板39とを有する。天板39は、右下がりで傾斜するように支持部38に対して固定されている。
【0033】
図3に示すように、天板39は、該天板39の面方向と直交する方向に凹む円形のディスク収容部39aを有する。天板39には、貯留ボックス36が固定されている。この状態において、ディスク収容部39aは、貯留ボックス36の案内部36bの内部に収容されている。また、天板39は、ディスク収容部39aから前方に延びるとともに、ディスク収容部39aと支持台37の前面とを連通する凹部39bを有する。凹部39bの幅は、1枚のメダルYMの直径よりも僅かに広い。
【0034】
また、天板39には、該天板39の面方向と直交する方向に延びる回転軸L1まわりで回転可能となるように円盤状の払出しディスク40が固定されている。払出しディスク40は、ディスク収容部39aに嵌め込まれた状態で収容されている。また、払出しディスク40は、回転軸L1方向に貫通し、且つメダルYMを受入可能な大きさである複数(本実施形態では6個)のメダル受入孔40aを有している。複数のメダル受入孔40aは、払出しディスク40の円周方向に沿って均等に配置されている。払出しディスク40の回転軸L1には、払出しディスク40を回転させる第4アクチュエータA4が接続されている(
図5に示す)。第4アクチュエータA4は、例えばステッピングモータである。第4アクチュエータA4は、支持部38に収容されている。
【0035】
図4に示すように、払出しディスク40は、払出しディスク40の下面から突出し、且つ回転軸L1を中心とした渦巻き状に配置されている複数のメダル押出し部40bを有する。回転軸L1が延びる方向に沿った各メダル押出し部40bの長さは、メダルYMの1枚分の厚さより僅かに長い。各メダル押出し部40bの先端部とディスク収容部39aの底面とは、接触又は近接しているとともに、払出しディスク40の下面とディスク収容部39aの底面との間には、1枚のメダルYMの厚さと略等しい厚さのメダル搬送空間S1が形成されている。
【0036】
また、天板39の凹部39bは、メダルYMの1枚分の厚さより僅かに離間させた状態で、板状の凹部カバー41によって覆われている。このため、凹部39bと凹部カバー41との間には、同時に1枚のメダルYMが通過可能なメダル払出し通路S2が形成されている。支持台37において、メダル払出し通路S2の開口部は、メダルYMの払出し口37aとなる。本実施形態のホッパーユニット35において、メダル受入孔40aを介してメダル搬送空間S1に受け入れられたメダルYMは、払出しディスク40の回転に伴い1枚ずつ、メダル押出し部40bによりメダル払出し通路S2に押し出されるようになっている。
【0037】
また、ホッパーユニット35は、メダル搬送空間S1から押し出されたメダルYMをメダル払出し通路S2へ勢い良く押し出すための押出し装置43を備えている。押出し装置43は、凹部39bの底面からメダル払出し通路S2に突出する円柱状の押出し部44を有する。押出し部44は、図中において矢印Y1に示すように、メダル払出し通路S2の幅をメダルYMの直径より小さく規制する第1位置(実線で示す)と、メダル払出し通路S2の幅をメダルYMの直径と等しく、又はメダルYMの直径より大きくする第2位置(二点鎖線で示す)との間で変位可能である。また、押出し装置43は、押出し部44が常には第1位置に位置するように、第2位置から第1位置へ向かう方向に付勢する図示しない付勢機構を有する。この付勢機構は、例えばバネによって構成できる。
【0038】
また、押出し装置43は、押出し部44が第2位置へ変位したことを検知して所定の信号を出力する払出センサSE6を有する。即ち、払出センサSE6は、ホッパーユニット35から払出されるメダルYMを検知しているか否かに応じて信号を出力する検知手段として機能する。
【0039】
ホッパーユニット35において、メダル搬送空間S1から押し出されたメダルYMは、押出し部44を第2位置へ向かって変位させながらメダル払出し通路S2へ侵入する。そして、メダルYMは、図中において矢印Y2に示すように、押出し部44の付勢力によって、メダル払出し通路S2を前方に向かって勢い良く押し出される。その後、メダルYMは、払出し口37aから払出されるとともに、受入口32を介してメダル排出口24から排出される。なお、ホッパーユニット35は、主にはメダルYMの払出しを賞として定めた図柄の組合せ(払出役)に入賞したことを条件として、貯留ボックス36にて貯留されているメダルYMを払い出すようになっている。本実施形態において、ホッパーユニット35は、メダルYMを払出す払出動作を可能な払出装置として機能する。
【0040】
次に、スロットマシン10の電気的構成を説明する。
図5に示すように、スロットマシン10の機内部には、遊技の進行に関する各種の処理を行うとともに、該処理の結果に応じて制御信号(制御コマンド)を出力する主基板100が配設されている。また、スロットマシン10の機内部には、主基板100から入力する各種の制御信号に基づいて、演出の実行に関する各種の処理を行う副基板200が配設されている。副基板200は、演出表示装置14による表示演出、装飾ランプLAによる発光演出、及びスピーカSPによる音声演出の実行を制御する。
【0041】
まず、主基板100について詳しく説明する。
主基板100は、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU100aと、主制御用CPU100aの制御プログラムを格納する主制御用ROM100bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM100cとを備えている。
【0042】
主制御用CPU100aには、リールセンサSE1〜SE3が接続されている。主制御用CPU100aには、有効ラインNLを通過中である図柄、又は有効ラインNLに停止されている図柄を特定するための図柄信号がリールセンサSE1〜SE3から入力される。
【0043】
主制御用CPU100aには、扉開放センサSE4が接続されている。主制御用CPU100aには、開放錠12aが開錠されると、扉開放センサSE4から前面扉12が開放されていることを示す開放信号が入力される。以下の説明において、「扉開放センサSE4がONする」とは、扉開放センサSE4が開放信号を出力することを意味し、「扉開放センサSE4がOFFする」とは、扉開放センサSE4が開放信号の出力を停止することを意味する。
【0044】
主制御用CPU100aには、投入センサSE5、及び払出センサSE6が接続されている。主制御用CPU100aには、投入センサSE5や払出センサSE6においてメダルYMが検知されると、該メダルYMを検知したことを示すメダル検知信号が入力される。以下の説明において、「投入センサSE5がONする」とは、投入センサSE5がメダル検知信号を出力することを意味し、「投入センサSE5がOFFする」とは、投入センサSE5がメダル検知信号の出力を停止することを意味する。同様に、「払出センサSE6がONする」とは、払出センサSE6がメダル検知信号を出力することを意味し、「払出センサSE6がOFFする」とは、払出センサSE6がメダル検知信号の出力を停止することを意味する。
【0045】
主制御用CPU100aには、エラー解除キーSW1、及びエラー解除ボタンSW2が接続されている。主制御用CPU100aには、開放錠12aが第1エラー解除操作をされると、エラー解除キーSW1が操作されたことを示す操作信号が入力される。以下の説明において、「エラー解除キーSW1がONする」とは、エラー解除キーSW1が操作信号を出力することを意味し、「エラー解除キーSW1がOFFする」とは、エラー解除キーSW1が操作信号の出力を停止することを意味する。また、主制御用CPU100aには、エラー解除ボタンSW2が操作されると、該エラー解除ボタンSW2が操作されたことを示す操作信号が入力される。以下の説明において、「エラー解除ボタンSW2がONする」とは、エラー解除ボタンSW2が操作信号を出力することを意味し、「エラー解除ボタンSW2がOFFする」とは、エラー解除ボタンSW2が操作信号の出力を停止することを意味する。
【0046】
主制御用CPU100aには、エラー表示部17aを含む情報表示部17が接続されている。主制御用CPU100aには、BETボタン19と、MAXBETボタン20と、精算ボタン21と、スタートレバー22と、各ストップボタン23a〜23cとが接続されている。主制御用CPU100aには、BETボタン19、MAXBETボタン20、精算ボタン21、スタートレバー22及びストップボタン23a〜23cが操作されると、各ボタンが操作されたことを示す各種の操作信号が入力される。
【0047】
また、主制御用CPU100aには、アクチュエータA1〜A3が接続されている。主制御用CPU100aは、各アクチュエータA1〜A3に対して、所定の作動信号(駆動信号)を出力することにより駆動させ、各リール13a〜13cを各別に回転及び停止させる。主制御用CPU100aには、ホッパーユニット35の第4アクチュエータA4が接続されている。主制御用CPU100aは、第4アクチュエータA4に対して所定の作動信号(駆動信号)を出力することにより駆動させ、払出しディスク40を回転及び停止させる。以下の説明では、払出しディスク40を回転させるホッパーユニット35の動作を単に「払出動作」と示す。
【0048】
また、主基板100では、各種の抽選処理に用いられる乱数が生成される。この乱数は、例えば、クロック信号を入力する毎に値を更新する乱数生成回路を備えることにより、ハードウェア乱数として生成したり、主制御用CPU100aが所定の制御周期毎に値を更新する乱数更新処理を実行することにより、ソフトウェア乱数として生成したりできる。主基板100において生成される乱数には、変動ゲームにおいて導出表示(入賞)可能な図柄の組合せ(役)を特定可能な当選情報(例えば当選番号など)を決定するのに用いられる当選情報決定用乱数がある。なお、本実施形態のスロットマシン10において、各当選情報には、変動ゲームにおいて導出表示可能な図柄の組合せが1つ、又は複数対応付けられている。
【0049】
また、主制御用ROM100bには、主制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM100bには、変動ゲームに関する処理の実行に用いられる各種のテーブルが記憶されている。このようなテーブルには、例えば複数の当選情報の中から当選情報を決定するための当選情報決定テーブルなどがある。また、主制御用RAM100cには、前述したクレジットなど、スロットマシン10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶される。
【0050】
次に、副基板200について詳しく説明する。
副基板200は、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU200aと、演出制御用CPU200aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM200bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM200cが設けられている。そして、演出制御用CPU200aには、演出表示装置14、装飾ランプLA、及びスピーカSPが接続されている。
【0051】
また、副基板200では、各種の抽選処理に用いられる乱数が生成される。この乱数は、例えば、クロック信号を入力する毎に値を更新する乱数生成回路を備えることにより、ハードウェア乱数として生成したり、演出制御用CPU200aが所定の制御周期毎に値を更新する乱数更新処理を実行することにより、ソフトウェア乱数として生成したりできる。
【0052】
また、演出制御用ROM200bには、副制御プログラムが記憶されている。また、演出制御用ROM200bには、演出表示装置14の表示演出の態様を特定可能な表示演出パターン、スピーカSPの音声演出の態様を特定可能な音声演出パターン、及び装飾ランプLAの発光演出の態様を特定可能な発光演出パターンが記憶されている。また、演出制御用RAM200cには、スロットマシン10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶される。例えば、演出制御用RAM200cには、内部状態に関するフラグなどの状態情報が演出制御用CPU200aにより記憶される。
【0053】
そして、演出制御用CPU200aは、主基板100(主制御用CPU100a)から入力した各種のコマンドに基づいて演出を実行させるように演出表示装置14、装飾ランプLA、及びスピーカSPを制御する。この演出には、例えば所定の図柄の組合せを導出表示させるために必要なストップボタン23a〜23cの押し順を遊技者に報知する押し順報知演出や、導出表示を可能と決定された図柄の組合せ(役)を遊技者に示唆する示唆演出などがある。また、演出制御用CPU200aは、ボーナス遊技中などといったスロットマシン10の内部状態に対応させて演出を行わせることもできる。
【0054】
以下、主制御用CPU100aが主制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに関する処理(遊技進行処理)について説明する。
図6に示すように、主制御用CPU100aは、遊技開始セット処理を行う(ステップS101)。遊技開始セット処理において、主制御用CPU100aは、スロットマシン10の遊技状態やリールユニット13を用いた演出に関するフラグなどの情報の記憶や、主制御用RAM100cにおける所定の記憶領域の初期化などを行う。
【0055】
次に、主制御用CPU100aは、メダルのベット受付を開始する(ステップS102)。次に、主制御用CPU100aは、スロットマシン10の遊技状態をチェックする(ステップS103)。ステップS103において、主制御用CPU100aは、スロットマシン10の遊技状態がボーナス遊技であるか否かなどを特定する。
【0056】
次に、主制御用CPU100aは、再遊技動作時であるか否かを判定する(ステップS104)。主制御用CPU100aは、再遊技作動時ではない場合(ステップS104:NO)、各投入センサSE5からのメダル検知信号の入力等に基づいて、今回の変動ゲームにおけるベット数を設定するメダル管理処理を行う(ステップS105)。このメダル管理処理の詳細については後述する。主制御用CPU100aは、再遊技作動時である場合(ステップS104:YES)、又はステップS105の処理を終了した場合、スロットマシン10で発生しているエラー状態(異常状態)を報知するためのエラー表示設定処理を行う(ステップS106)。このエラー表示設定処理の詳細については後述する。
【0057】
次に、主制御用CPU100aは、今回の変動ゲームにおけるベット数が最大ベット数と一致するか否かを判定する(ステップS107)。なお、主制御用CPU100aは、再遊技動作時である場合(ステップS104:YES)、前回の変動ゲームにおけるベット数を今回の変動ゲームにおけるベット数として主制御用RAM100cに再設定する。
【0058】
今回の変動ゲームにおけるベット数が最大ベット数と一致しない場合(ステップS107:NO)、主制御用CPU100aは、ステップS103の処理に移行する。即ち、ステップS107において、主制御用CPU100aは、変動ゲームを開始可能な状態であるか否かを判定している。一方、今回の変動ゲームにおけるベット数が最大ベット数と一致する場合(ステップS107:YES)、主制御用CPU100aは、スタートレバー22による開始操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS108)。ステップS108において、主制御用CPU100aは、スタートレバー22から操作信号を入力した場合には肯定判定する一方で、スタートレバー22から操作信号を入力しない場合には否定判定する。開始操作を受け付けていない場合(ステップS108:NO)、主制御用CPU100aは、ステップS103の処理へ移行する。
【0059】
一方、開始操作を受け付けた場合(ステップS108:YES)、主制御用CPU100aは、当選情報を決定する(ステップS109)。ステップS109において、主制御用CPU100aは、当選情報決定用乱数の値を用いた抽選により1つの当選情報を決定する。ステップS109の処理は、スロットマシン10において内部的に行う役抽選(内部抽選)となる。また、主制御用CPU100aは、ステップS109の処理において、変動ゲームの開始を指示するとともに、決定した当選情報から特定可能な図柄の組合せ(役)を示す変動ゲーム開始コマンドを副基板200に出力する制御を行う。
【0060】
次に、主制御用CPU100aは、最短遊技時間(ウェイトタイム)が経過したか否かを判定する(ステップS110)。最短遊技時間が経過していない場合(ステップS110:NO)、主制御用CPU100aは、最短遊技時間が経過するまで待機する。最短遊技時間が経過している場合(ステップS110:YES)、主制御用CPU100aは、アクチュエータA1〜A3に作動信号(駆動信号)を出力して各リール13a〜13cの回転を開始させ、変動ゲームを開始させる(ステップS111)。
【0061】
続けて、主制御用CPU100aは、各ストップボタン23a〜23cの何れかによる停止操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS112)。ステップS112において、主制御用CPU100aは、ストップボタン23a〜23cの何れかから操作信号を入力した場合には肯定判定する一方で、ストップボタン23a〜23cの何れかから操作信号を入力しない場合には否定判定する。
【0062】
停止操作を受け付けた場合(ステップS112:YES)、主制御用CPU100aは、決定済みの当選情報とストップボタンの操作タイミングとをもとに、入賞ライン上に停止表示させる図柄を決定し、該決定した図柄を入賞ライン上に停止表示させる図柄組合せ制御を実行する(ステップS113)。
【0063】
停止操作を受け付けていない場合(ステップS112:NO)、及びステップS113の処理を終了した場合、主制御用CPU100aは、各リール13a〜13cの全てを停止させたか否かを判定する(ステップS114)。各リール13a〜13cのうち1つ以上のリールを停止させていない場合(ステップS114:NO)、主制御用CPU100aは、ステップS112の処理へ移行する。一方、各リール13a〜13cの全てを停止させている場合(ステップS114:YES)、主制御用CPU100aは、スロットマシン10で発生しているエラー状態(異常状態)を報知するためのエラー表示設定処理を行う(ステップS115)。このエラー表示設定処理の詳細については後述する。
【0064】
次に、主制御用CPU100aは、各リールにおいて、有効ラインNL上に停止表示されている図柄の組合せが賞を定めた何れかの図柄の組合せ(役)に対応するものであるか否か、及び対応する場合にはその図柄の組合せ(役)を判定する表示図柄判定を実行する(ステップS116)。即ち、ステップS116において、主制御用CPU100aは、ステップS109の処理で決定した当選情報から特定可能な図柄の組合せに実際に入賞したか否か、及び入賞している場合に入賞した図柄の組合せを判定している。
【0065】
次に、主制御用CPU100aは、遊技者にメダルの払出しを行うか否かを判定する(ステップS117)。ステップS117において、主制御用CPU100aは、払出役に入賞している場合には肯定判定する一方で、払出役に入賞していない場合には否定判定する。メダルYMの払出しを行う場合(ステップS117:YES)、主制御用CPU100aは、ホッパーユニット35を駆動してメダルYMを払出すためのメダル払出し処理を実行する(ステップS118)。このメダル払出し処理の詳細については後述する。このとき、主制御用CPU100aは、入賞した払出役に設定されたメダルYMの払出枚数を払出残数として主制御用RAM100cに記憶させる。このように、スロットマシン10では、有効ラインNLに停止表示された図柄の組合せに応じて所定の遊技価値としてメダルの払出しを発生可能である。
【0066】
主制御用CPU100aは、メダルの払出しを行わない場合(ステップS117:NO)、及びステップS118の処理を終了した場合、1回の変動ゲームを終了させる終了処理を行う(ステップS119)。即ち、本実施形態のスロットマシン10では、図柄の組合せが導出表示されることによって遊技を終了可能となる。ステップS119の終了処理において、主制御用CPU100aは、入賞と判定した図柄の組合せ(役)に応じて内部状態を移行させる制御や、入賞と判定したことを示す入賞指示コマンドを副基板200に出力する制御を行う。この入賞指示コマンドは、変動ゲーム開始コマンドで指示される図柄の組合せ(役)の入賞を副基板200に把握させる。その後、主制御用CPU100aは、1回の変動ゲームの実行に係る遊技進行処理を終了し、再びステップS101の処理へ移行する。
【0067】
次に、入力エラーチェック処理について説明する。主制御用CPU100aは、所定の制御周期毎に入力エラーチェック処理を実行する。
図7に示すように、主制御用CPU100aは、メダル払出動作中であるか否かを判定する(ステップS201)。メダル払出動作中ではない場合(ステップSa201:NO)、主制御用CPU100aは、払出センサSE6がONしたか否かを判定する(ステップS202)。ステップS202において、主制御用CPU100aは、払出センサSE6からメダル検出信号を入力した場合に肯定判定する一方で、払出センサSE6からメダル検出信号を入力していない場合に否定判定する。
【0068】
払出センサSE6がONした場合(ステップS202:YES)、主制御用CPU100aは、ホッパーユニット35がメダル払出動作中ではないにもかかわらずメダルYMが払出される不正払出しが発生したことを特定可能な情報として不正払出しフラグを主制御用RAM100cにセットする(ステップS203)。
【0069】
メダル払出動作中である場合(ステップS201:YES)、払出センサSE6がONしていない場合(ステップS202:NO)、又はステップS203の処理を終了した場合、主制御用CPU100aは、入力エラーチェック処理を終了する。このように、本実施形態のスロットマシン10では、制御周期ごとに主制御用CPU100aが入力エラーチェック処理を実行することにより、ホッパーユニット35からの不正払出しが検出され、該検出結果に対応する情報(フラグ)が主制御用RAM100cに記憶される。したがって、主制御用CPU100aは、払出センサSE6が出力する信号をもとにメダルYMの払出しに関するエラー状態(異常状態)を検出する検出手段として機能する。
【0070】
次に、遊技進行処理のステップS105において実行されるメダル管理処理について説明する。
図8に示すように、メダル管理処理において、主制御用CPU100aは、投入要求可状態であるか否かを判定する(ステップS301)。詳しく説明すると、ステップS301の処理において、主制御用CPU100aは、投入要求可状態であることを特定可能なフラグなどの情報が主制御用RAM100cに記憶されている場合に肯定判定する一方で、記憶されていない場合に否定判定する。投入要求可状態である場合(ステップS301:YES)、主制御用CPU100aは、メダルYMがメダルセレクタ30を通過したか否かを判定する(ステップS302)。ステップS302の処理において、主制御用CPU100aは、投入センサSE5からメダル検知信号を入力している場合に肯定判定する一方で、投入センサSE5からメダル検知信号を入力していない場合に否定判定する。
【0071】
メダルYMがメダルセレクタ30を通過した場合(ステップS302:YES)、主制御用CPU100aは、投入センサSE5からのメダル検知信号の入力に基づいてベット数やクレジットを加算するための投入チェック処理を実行する(ステップS303)。主制御用CPU100aは、ステップS303の処理において、設定されているベット数が最大ベット数に達していないときにはベット数に1加算する一方で、ベット数が最大ベット数に達しているときにはクレジットに1加算する。その後、主制御用CPU100aは、メダル管理処理を終了する。
【0072】
投入要求可状態ではない場合(ステップS301:NO)、又はメダルYMがメダルセレクタ30を通過していない場合(ステップS302:NO)、主制御用CPU100aは、精算ボタン21がON(操作)されたか否かを判定する(ステップS304)。ステップS304の処理において、主制御用CPU100aは、精算ボタン21から操作信号を入力した場合に肯定判定する一方で、操作信号を入力していない場合に否定判定する。
【0073】
精算ボタン21がONされた場合(ステップS304:YES)、主制御用CPU100aは、清算メダルがあるか否かを判定する(ステップS305)。ステップS305の処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cに1以上のクレジットが記憶されている場合に肯定判定する一方で、1以上のクレジットが記憶されていない場合に否定判定する。清算メダルがある場合(ステップS305:YES)、主制御用CPU100aは、投入要求不可状態をセットする(ステップS306)。詳しく説明すると、ステップS306の処理において、主制御用CPU100aは、投入要求可状態であることを特定可能なフラグなどの情報を消去(クリア)する。
【0074】
次に、主制御用CPU100aは、ホッパーユニット35の第4アクチュエータA4を駆動して払出しディスク40を回転させ、メダルYMを払出すためのメダル払出し処理を実行する(ステップS307)。このメダル払出し処理の詳細については後述する。このとき、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cに記憶されているクレジットを払出残数として主制御用RAM100cに記憶させる。次に、主制御用CPU100aは、投入要求可状態をセットする(ステップS308)。詳しく説明すると、主制御用CPU100aは、投入要求可状態であることを特定可能なフラグなどの情報を主制御用RAM100cに記憶させる。そして、精算ボタン21がONされていない場合(ステップS304:NO)、精算メダルがない場合(ステップS305:NO)、又はステップS308の処理を終了した場合、主制御用CPU100aは、メダル管理処理を終了する。
【0075】
次に、遊技進行処理のステップS106,S115において実行されるエラー表示設定処理について説明する。
図9に示すように、エラー表示設定処理において、主制御用CPU100aは、不正払出しフラグが主制御用RAM100cに記憶されているか否かを判定する(ステップS401)。不正払出しフラグが記憶されている場合(ステップS401:YES)、主制御用CPU100aは、ホッパーユニット35からメダルが不正払出しされるエラー状態を特定可能な情報としてエラー番号E1をセットする(ステップS402)。詳しく説明すると、主制御用CPU100aは、エラー番号E1を主制御用RAM100cに記憶させる。次に、主制御用CPU100aは、スロットマシン10で発生しているエラー状態(異常状態)を報知させるためのエラー表示処理を行う(ステップS403)。このエラー表示処理の詳細については後述する。続けて、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cに記憶されている不正払出しフラグをクリアする(ステップS404)。その後、主制御用CPU100aは、エラー表示設定処理を終了する。
【0076】
次に、遊技進行処理のステップS118、及びメダル管理処理のステップS307において実行されるメダル払出し処理について説明する。
図10に示すように、メダル払出し処理において、主制御用CPU100aは、ホッパー制御タイマをセットする(ステップS501)。詳しく説明すると、ステップS501の処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cにホッパー制御タイマとして所定時間(本実施形態では2秒)を記憶させる。なお、主制御用CPU100aは、ホッパー制御タイマを記憶させると、該ホッパー制御タイマの値を所定の制御周期ごとに該制御周期に相当する時間を減算して更新するようになっている。
【0077】
次に、主制御用CPU100aは、第4アクチュエータA4に対する作動信号(駆動信号)をONすることにより払出しディスク40の回転を開始させ、ホッパーユニット35をメダル払出動作中に制御する(ステップS502)。即ち、ステップS502の処理において、主制御用CPU100aは、ホッパーユニット35による払出動作を開始させている。次に、主制御用CPU100aは、ホッパー制御タイマが終了したか否かを判定する(ステップS503)。ステップS503において、主制御用CPU100aは、減算した結果としてホッパー制御タイマの値がゼロとなっている場合に肯定判定する一方で、ゼロとなっていない場合に否定判定する。ホッパー制御タイマが終了していない場合(ステップS503:NO)、主制御用CPU100aは、払出センサSE6がONしたか否かを判定する(ステップS504)。即ち、ステップS504の処理において、主制御用CPU100aは、ホッパーユニット35をメダル払出動作中に制御したのちに、実際にメダルYMの払出しが開始されたか否かを判定している。
【0078】
払出センサSE6がONしていない場合(ステップS504:NO)、主制御用CPU100aは、ステップS503の処理に戻る。その一方で、払出センサSE6がONしている場合(ステップS504:YES)、主制御用CPU100aは、払出センサ検出タイマをセットする(ステップS505)。詳しく説明すると、ステップS505の処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cに払出センサ検出タイマとして104.237msを記憶させる。なお、主制御用CPU100aは、払出センサ検出タイマを記憶させると、該払出センサ検出タイマの値を所定の制御周期ごとに該制御周期に相当する時間を減算して更新するようになっている。
【0079】
次に、主制御用CPU100aは、払出センサ検出タイマが終了したか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506において、主制御用CPU100aは、減算した結果として払出センサ検出タイマの値がゼロとなっている場合に肯定判定する一方で、ゼロとなっていない場合に否定判定する。払出センサ検出タイマが終了していない場合(ステップS506:NO)、主制御用CPU100aは、払出センサSE6がOFFしたか否かを判定する(ステップS507)。払出センサSE6がOFFしていない場合(ステップS507:NO)、主制御用CPU100aは、ステップS506の処理に戻る。
【0080】
その一方で、払出センサSE6がOFFした場合(ステップS507:YES)、主制御用CPU100aは、払出センサSE6がONしてからOFFする迄の経過時間が第1所定時間以上であるか否かを判定する(ステップS508)。第1所定時間は、メダルYMがメダル払出し通路S2を通過する際に、押出し部44を第2位置へ変位させてから、押出し部44が再び第1位置へ戻るまでの予測時間よりも短い時間に設定されている。本実施形態において、第1所定時間には、払出センサ検出タイマの初期値としてセットされる104.237msの10分の1の長さの時間である10.4237msが設定されている。ここで、払出センサSE6がONしてからOFFする迄の経過時間は、例えば、払出センサ検出タイマの初期値から払出センサSE6がOFFした時点における払出センサ検出タイマの値を減算したり、払出センサSE6がONした時点からの経過時間を計測するタイマを別にセットしたりする処理を主制御用CPU100aが実行することで特定可能である。
【0081】
払出センサSE6がONしてからOFFする迄の経過時間が第1所定時間以上である場合(ステップS508:YES)、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cに記憶されているホッパー制御タイマをクリアする(ステップS509)。次に、主制御用CPU100aは、ホッパーユニット35のモータに対する作動信号をOFFし、ホッパーユニット35を非メダル払出動作中に制御する(ステップS510)。
【0082】
次に、主制御用CPU100aは、払出残数があるか否かを判定する(ステップS511)。詳しく説明すると、ステップS511の処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cに記憶されている払出残数を1減算して更新するとともに、更新後の払出残数が1以上であるか否かを判定する。そして、ステップS511の処理において、主制御用CPU100aは、更新後の払出残数が1以上である場合に肯定判定する一方で、更新後の払出残数が1以上ではない場合に否定判定する。なお、払出残数が1以上ではない場合は、払出残数がゼロであり、メダルの払出しが完了している状態である。払出残数がない場合(ステップS511:NO)、主制御用CPU100aは、メダル払出し処理を終了する。その一方で、払出残数がある場合(ステップS511:YES)、主制御用CPU100aは、ステップS501の処理に戻る。
【0083】
このように、主制御用CPU100aは、払出センサSE6がONしてからOFFする迄の経過時間が第1所定時間以上であって、且つ払出センサ検出タイマが終了する迄である状況をエラー状態(異常状態)として検出しないように構成されている。この場合、主制御用CPU100aは、1枚のメダルYMの払出しが正常に行われたものとして、払出残数が1以上であることを条件に次のメダルYMの払出しを行う処理を開始するようになっている。
【0084】
本実施形態において、払出センサSE6がONしてからの経過時間が第1所定時間(10.4237ms)以上であって、且つ払出センサ検出タイマに設定される初期値分の時間(104.2370ms)が経過する迄の期間は、該期間中に払出センサSE6がOFFしても、主制御用RAM100cが異常状態として検出しない第1期間となる。そして、払出センサ検出タイマが終了する時点(タイミング)は、ホッパーユニット35による払出動作の開始後における第2時点となり、第1所定時間が経過する時点(タイミング)は、第1時点となる。そして、本実施形態において、払出センサSE6がONからOFFに遷移することは、払出センサSE6がメダルYMの払出しに対応する出力態様で信号を出力することである。そして、本実施形態のスロットマシン10では、第1所定時間から払出センサ検出タイマが終了するまでの第1期間(93.8133ms)は、払出センサSE6がONしてから第1所定時間が経過するまでの期間(10.4237ms)よりも長い。
【0085】
また、ホッパー制御タイマが終了している場合(ステップS503:YES)、主制御用CPU100aは、ホッパーユニット35にメダルYMが貯留されていないエラー状態(ホッパー空)を特定可能な情報としてエラー番号E2をセットする(ステップS512)。詳しく説明すると、ステップS512の処理において、主制御用CPU100aは、エラー番号E2を主制御用RAM100cに記憶させる。このように、主制御用CPU100aは、ホッパーユニット35による払出動作の開始後であってホッパー制御タイマが終了する迄の間に払出センサSE6がONしないことをホッパー空のエラー状態として検出するように構成されている。次に、主制御用CPU100aは、スロットマシン10で発生しているエラー状態(異常状態)を報知させるためのエラー表示処理を行う(ステップS513)。このエラー表示処理の詳細については後述する。その後、主制御用CPU100aは、ステップS501の処理に戻る。
【0086】
また、払出センサ検出タイマが終了している場合(ステップS506:YES)、主制御用CPU100aは、ホッパーユニット35にメダル詰まりが発生しているエラー状態(メダル詰まり)を特定可能な情報としてエラー番号E3をセットする(ステップS514)。詳しく説明すると、ステップS514の処理において、主制御用CPU100aは、エラー番号E3を主制御用RAM100cに記憶させる。このように、主制御用CPU100aは、払出センサSE6がONしてから払出センサ検出タイマが終了する迄の間に払出センサSE6がOFFしなかった場合にメダル詰まりのエラー状態を検出するように構成されている。次に、主制御用CPU100aは、スロットマシン10で発生しているエラー状態(異常状態)を報知させるためのエラー表示処理を行う(ステップS515)。このエラー表示処理の詳細については後述する。その後、主制御用CPU100aは、ステップS501の処理に戻る。
【0087】
また、払出センサSE6がONしてからOFFする迄の経過時間が第1所定時間以上ではない場合(ステップS508:NO)、主制御用CPU100aは、払出センサSE6がONしてからOFFする迄の経過時間が第2所定時間以上であるか否かを判定する(ステップS516)。第2所定時間は、第1所定時間より短い時間である。本実施形態において、第2所定時間は、メダルYMがメダル払出し通路S2を通過する際に、押出し部44を第2位置へ変位させてから、押出し部44が再び第1位置へ戻るまでの予測時間よりも極めて短い時間に設定されている。なお、本実施形態の第2所定時間は、2.9782msに設定されている。
【0088】
払出センサSE6がONしてからOFFする迄の経過時間が第2所定時間以上ではない場合(ステップS516:NO)、主制御用CPU100aは、ステップS503の処理に戻る。このように、主制御用CPU100aは、払出センサSE6がONしてからOFFする迄の経過時間が第2所定時間未満である場合、エラー状態(異常状態)として検出しないように構成されている。本実施形態において、払出センサSE6がONしてからの経過時間が第2所定時間(2.9782ms)以上であって、且つ第1所定時間未満である期間は、上述した第1期間よりも前の第2期間となる。したがって、主制御用CPU100aは、ホッパーユニット35による払出動作の開始後であって第2期間の開始前に払出センサSE6がONからOFFに遷移したことをエラー状態(異常状態)として検出しないように構成されている。
【0089】
その一方で、払出センサSE6がONしてからOFFする迄の経過時間が第2所定時間以上である場合(ステップS516:YES)、主制御用CPU100aは、ホッパーユニット35にメダル詰まりが発生しているエラー状態(メダル詰まり)を特定可能な情報としてエラー番号E3をセットする(ステップS517)。詳しく説明すると、ステップS517の処理において、主制御用CPU100aは、エラー番号E3を主制御用RAM100cに記憶させる。このように、主制御用CPU100aは、払出センサSE6がONしてからOFFする迄の経過時間が第2所定時間以上であって、且つ第1所定時間未満である状況をメダル詰まりのエラー状態(異常状態)として検出する。即ち、主制御用CPU100aは、ホッパーユニット35による払出動作の開始後であって第1期間よりも前の第2期間中に払出センサSE6がONからOFFに遷移したことをエラー状態(異常状態)として検出するように構成されている。次に、主制御用CPU100aは、スロットマシン10で発生しているエラー状態(異常状態)を報知させるためのエラー表示処理を行う(ステップS518)。このエラー表示処理の詳細については後述する。その後、主制御用CPU100aは、ステップS501の処理に戻る。
【0090】
以上のように、本実施形態のスロットマシン10では、ホッパーユニット35をメダル払出動作中に制御したにもかかわらず、所定期間(2秒間)にわたってメダルYMが検知されなかった場合に、ホッパー空のエラー状態が検出され、該検出結果に対応する情報としてエラー番号E2が主制御用RAM100cに記憶される。本実施形態のスロットマシン10では、払出センサ検出タイマが終了する迄の間に払出センサSE6がONからOFFに遷移しなかった場合に、メダル詰まりのエラー状態が検出され、該検出結果に対応する情報としてエラー番号E3が主制御用RAM100cに記憶される。本実施形態のスロットマシン10では、払出センサSE6がONしてからOFFする迄の経過時間が第2所定時間以上であって、且つ第1所定時間未満である場合、メダル詰まりのエラー状態が検出され、該検出結果に対応する情報としてエラー番号E3が主制御用RAM100cに記憶される。
【0091】
本実施形態のスロットマシン10では、払出センサSE6がONしてからOFFする迄の経過時間が第1所定時間以上であって、払出センサ検出タイマが終了する迄である場合、エラー状態として検出しないように構成されている。本実施形態のスロットマシン10では、払出センサSE6がONしてからOFFする迄の経過時間が第2所定時間未満である場合、エラー状態として検出しないように構成されている。以上のように、主制御用CPU100aは、払出センサSE6が出力する信号をもとにメダルYMの払出しに関するエラー番号E2,E3のエラー状態(異常状態)を検出する検出手段として機能する。
【0092】
次に、上述した各処理においてサブルーチンとして実行されるエラー表示処理について説明する。
図11に示すように、エラー表示処理において、主制御用CPU100aは、エラー表示要求ありか否かを判定する(ステップS601)。ステップS601の処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cにエラー番号E1〜E3の何れかがセット(記憶)されている場合に肯定判定する一方で、エラー番号E1〜E3の何れもセット(記憶)されていない場合に否定判定する。
【0093】
エラー表示要求なしの場合(ステップS601:NO)、主制御用CPU100aは、エラー表示処理を終了する。その一方で、エラー表示要求ありの場合(ステップS601:YES)、主制御用CPU100aは、表示要求に基づくエラー表示、即ち主制御用RAM100cにセットされているエラー番号が表示されるようにエラー表示部17aの表示内容を制御する(ステップS602)。詳しく説明すると、主制御用CPU100aは、エラー番号E1がセットされている場合には「E1」が、エラー番号E2がセットされている場合には「E2」が、エラー番号E3がセットされている場合には「E3」が表示されるようにエラー表示部17aの表示内容を制御する。このように、本実施形態のスロットマシン10において、エラー表示部17aにエラー番号を表示させる制御は、検出されているエラー状態(異常状態)に応じた特定制御として把握できる。即ち、特定制御は、異常状態が検出されたことを報知する制御として把握可能である。
【0094】
次に、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cにセットされているエラー番号に基づいて、該エラー番号に対応するエラー報知の表示開始を指示するための制御コマンド(以下、報知開始コマンドと示す)を生成し、所定の出力バッファに設定する(ステップS603)。なお、出力バッファに設定された報知開始コマンドは、次回以降の制御周期における出力処理などにおいて、副基板200(演出制御用CPU200a)に対して出力される。
【0095】
次に、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cにセットされているエラー番号がE1(不正払出し)、又はE3(ホッパー詰まり)であるか否かを判定する(ステップS604)。エラー番号がE1又はE3ではない場合(ステップS604:NO)、主制御用CPU100aは、所定のエラー解除操作がされたか否かを判定する(ステップS605)。詳しく説明すると、ステップS605の処理において、主制御用CPU100aは、扉開放センサSE4及びエラー解除ボタンSW2が何れもONである場合、若しくはエラー解除キーSW1がONである場合に肯定判定する。即ち、主制御用CPU100aは、ステップS605の処理において、第1エラー解除操作、及び第2エラー解除操作の何れかが行われたか否かを判定している。
【0096】
所定のエラー解除操作がされていない場合(ステップS605:NO)、主制御用CPU100aは、ステップS605の処理を繰り返し実行することにより、エラー解除操作が行われる迄の間、待機する。その一方で、エラー解除操作がされている場合(ステップS605:YES)、主制御用CPU100aは、エラー番号の表示が終了するようにエラー表示部17aの表示内容を制御する(ステップS606)。次に、主制御用CPU100aは、エラー報知の表示終了を指示するための制御コマンド(以下、報知終了コマンドと示す)を生成し、所定の出力バッファに設定する(ステップS607)。その後、主制御用CPU100aは、エラー表示処理を終了する。
【0097】
その一方で、エラー番号がE1又はE3である場合(ステップS604:YES)、主制御用CPU100aは、待機タイマをセットする(ステップS608)。即ち、主制御用CPU100aは、セットされているエラー番号がE1,E3の何れかである場合、待機タイマをセットする。詳しく説明すると、ステップS608の処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cに待機タイマとして所定時間(本実施形態では6秒)を設定する。なお、主制御用CPU100aは、待機タイマをセットすると、該待機タイマの値を所定の制御周期ごとに該制御周期に相当する時間を減算して更新するようになっている。
【0098】
次に、主制御用CPU100aは、待機タイマが終了したか否かを判定する(ステップS609)。ステップS609において、主制御用CPU100aは、減算した結果として待機タイマの値がゼロとなっている場合に肯定判定する一方で、待機タイマの値がゼロとなっていない場合に否定判定する。待機タイマが終了していない場合(ステップS609:NO)、主制御用CPU100aは、ステップS609の処理を繰り返し実行することにより、待機タイマが終了する迄の間、待機する。
【0099】
その一方で、待機タイマが終了している場合(ステップS609:YES)、主制御用CPU100aは、所定のエラー解除操作が行われたか否かを判定する(ステップS610)。詳しく説明すると、ステップS610の処理において、主制御用CPU100aは、扉開放センサSE4及びエラー解除ボタンSW2が何れもONである場合に肯定判定する。即ち、主制御用CPU100aは、ステップS610の処理において、第2エラー解除操作が行われたか否かを判定している。なお、ステップS610において、主制御用CPU100aは、エラー解除キーSW1がONである場合であっても、肯定判定しない。
【0100】
所定のエラー解除操作がされていない場合(ステップS610:NO)、主制御用CPU100aは、ステップS610の処理を繰り返し実行することにより、所定のエラー解除操作が行われる迄の間、待機する。その一方で、所定のエラー解除操作がされている場合(ステップS610:YES)、主制御用CPU100aは、エラー番号の表示が終了するようにエラー表示部17aの表示内容を制御する(ステップS606)。次に、主制御用CPU100aは、報知終了コマンドを生成し、所定の出力バッファに設定する(ステップS607)。その後、主制御用CPU100aは、エラー表示処理を終了する。
【0101】
なお、主制御用CPU100aは、エラー表示処理の実行中、即ちエラー報知を実行させている間、変動ゲームを進行させるための処理を行わない。即ち、本実施形態のスロットマシン10では、エラー報知中に変動ゲームの進行が停止されることから、該変動ゲームの進行が停止された状況からエラーが発生していることを認識可能である。このため、本実施形態において、変動ゲームの進行を停止(停滞)させることは、エラー報知に関する特定制御の1つとして把握することも可能である。
【0102】
本実施形態において、エラー表示処理におけるステップS605〜S607の処理は、検出されているエラー番号E2(ホッパー空)のエラー状態に応じた特定制御として把握できる。また、エラー表示処理におけるステップS606〜S610の処理は、検出されているエラー番号E1(不正払出し)のエラー状態、及びエラー番号E3(ホッパー詰まり)のエラー状態に応じた特定制御として把握できる。そして、エラー表示処理におけるステップS608〜S610の処理により、主制御用CPU100aは、待機タイマが終了する迄の間、扉開放センサSE4及びエラー解除ボタンSW2が何れもONとなったとしても、該信号の入力を受付けない、即ちエラー解除操作を受付けないように構成されている。
【0103】
次に、副基板200の演出制御用CPU200aが演出表示装置14の表示内容を制御してエラー報知を表示させるために実行するエラー報知表示処理について説明する。
エラー報知表示処理において、演出制御用CPU200aは、主制御用CPU100aから報知開始コマンドを入力しているか否かを判定する。報知開始コマンドを入力していない場合、演出制御用CPU200aは、エラー報知表示処理を終了する。その一方で、演出制御用CPU200aは、報知開始コマンドを入力している場合、入力した報知開始コマンドから特定可能な種類のエラー報知が表示されるように演出表示装置14の表示内容を制御する。
【0104】
詳しく説明すると、
図12に示すように、演出制御用CPU200aは、エラー番号E1に対応するエラー報知の表示開始を指示されている場合、例えば「ホッパー空」の文字列を模した画像を表示するなど、エラー番号E1に対応する内容のエラー報知が開始されるように演出表示装置14の表示内容を制御する。演出制御用CPU200aは、エラー番号E2に対応するエラー報知の表示開始を指示されている場合、例えば「ホッパー詰まり」の文字列を模した画像を表示するなど、エラー番号E2に対応する内容のエラー報知が開始されるように演出表示装置14の表示内容を制御する。演出制御用CPU200aは、エラー番号E3に対応するエラー報知の表示開始を指示されている場合、例えば「不正払出し」の文字列を模した画像を表示するなど、エラー番号E2に対応する内容のエラー報知が開始されるように演出表示装置14の表示内容を制御する。
【0105】
また、演出制御用CPU200aは、エラー報知を表示させている場合であって、報知終了コマンドを入力したときには、エラー報知の表示が終了されるように演出表示装置14の表示内容を制御する。なお、演出制御用CPU200aは、報知開始コマンドを入力してから、報知終了コマンドを入力する迄の間、継続してエラー報知を表示させ続けるようになっている。
【0106】
次に、上記のように構成したスロットマシン10の作用について説明する。
図12に示すように、本実施形態のスロットマシン10では、ホッパーユニット35の払出動作が開始されてから2秒が経過しても払出センサSE6がONしない状況をホッパー空のエラー状態(エラー番号E2)として検出する。エラー番号E2のエラー状態は、単にホッパーユニット35が空であることを示すものであり、不正行為が行われている可能性の低い、又は遊技店側の利益が損なわれる可能性の低いエラー状態となる。
【0107】
また、
図12及び
図13に示すように、本実施形態のスロットマシン10では、メダル払出動作中において、払出センサ検出タイマ(104.237ms)が終了する迄の間に、払出センサSE6がONからOFFに遷移しない状況をメダル詰まりのエラー状態(エラー番号E3)として検出する。このような状況は、主にメダル払出し通路S2においてメダルYMが詰まり、該メダルYMによって押出し部44が第2位置側へ変位され続けていることにより生じていることが想定できる。このように、本実施形態のスロットマシン10では、払出センサSE6のON期間が正常な払出し時に想定される期間より長いことを検出することで、メダル払出し通路S2におけるメダルYMの詰まり(第1異常態様)を好適に検出できる。
【0108】
また、本実施形態では、メダル払出動作中において、払出センサSE6がONしてからOFFする迄の経過時間が第2所定時間以上であって、且つ第1所定時間未満である状況をメダル詰まりのエラー状態(エラー番号E3)として検出する。このような状況は、メダル搬送空間S1から押し出されたメダルYMが押出し部44の付勢力で押し戻され、メダル搬送空間S1内において詰まっていることにより生じていることが想定できる。即ち、メダルYMによって押出し部44が短時間だけ第2位置へ向かって変位されるとともに、メダルYMが押し戻されることによって第1位置へ戻る状況では、払出センサSE6がごく短時間だけメダル検知信号を出力し得る。このように、本実施形態のスロットマシン10では、払出センサSE6のON期間が正常な払出し時に想定される期間より短いことを検出することで、メダル搬送空間S1におけるメダルYMの詰まり(第2異常態様)を好適に検出できる。そして、エラー番号E3のエラーは、実際にメダル詰まりが発生している状況の他にも、遊技者がホッパーユニット35からメダルを強制的に払出させようとすること、即ちメダルの払出しに関する不正行為が行われている可能性のあるエラーとなる。
【0109】
また、本実施形態では、メダル払出動作中において、払出センサSE6がONしてからOFFする迄の経過時間が第2所定時間未満である状況をエラー状態として検出しない。このような状況は、静電気などに起因したノイズによって偶発的に払出センサSE6がONすることにより生じていることが想定される。本実施形態では、このようなメダル詰まりとは関係ない状況について迄、逐一エラー状態として検出してしまうことを抑制できる。また、本実施形態では、非メダル払出動作中において払出センサSE6がONする状況を不正払出しのエラー(エラー番号E1)として検出する。エラー番号E1のエラーは、実際にメダル詰まりが発生している状況の他にも、エラー番号E3と同様に、メダルの払出しに関する不正行為が行われている可能性のあるエラーとなる。
【0110】
本実施形態では、セットされたエラー番号に対応する内容のエラー報知が演出表示装置14とエラー表示部17aとで実行されるようになっている。このため、本実施形態では、スロットマシン10において発生したエラー状態を遊技者や遊技店の店員などに容易に認識させることができる。
【0111】
そして、本実施形態では、複数種類のエラー状態のうち、特にエラー番号E2のエラー状態に関しては、エラー報知の開始からの経過時間に関係なく、所定のエラー解除操作を行うことで演出表示装置14及びエラー表示部17aにおけるエラー報知を終了させることができる。エラー番号E2のエラー報知は、不正行為によって発生している可能性が低いことから、前面扉12を開放して機内部のエラー解除ボタンSW2を操作するほか、開放錠12aにカギを挿入して第2方向に回動させることによって簡便に解除できるようになっている。
【0112】
これに対して、複数種類のエラー状態のうち、不正行為により発生している可能性があるエラー番号E1,E3のエラー状態に関しては、前面扉12を開放して機内部のエラー解除ボタンSW2を操作しなければ、エラー報知を解除できないようになっている。即ち、エラー番号E1,E3のエラー報知は、エラー解除キーSW1(開放錠12a)の操作によって解除できない。このため、本実施形態のスロットマシン10では、スロットマシン10のカギを保有していない遊技者が容易にエラー報知を解除できないようになっている。
【0113】
そして、本実施形態のスロットマシン10では、エラー報知の開始から待機タイマが終了する迄の6秒間、エラー解除操作を受け付けないことで、エラー解除操作が行われてもエラー報知を解除できないようになっている。即ち、本実施形態において、待機タイマがセットされてから終了する迄の期間は、エラー報知の終了を規制するための規制期間となり、待機タイマをセットする主制御用CPU100aは、期間設定手段として機能する。
【0114】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン10では、スロットマシン10の機本体の内部に配設されたエラー解除ボタンSW2を巧みに操作したとしても、少なくとも待機タイマが終了する迄の期間にわたってエラー報知を継続させることができる。したがって、本実施形態では、例えば遊技店の店員などがエラー報知に気が付かず、遊技店側が不利益をこうむってしまうことを抑制できる。
【0115】
したがって、上記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、第1期間より前の第2期間中において、払出センサSE6がONからOFFに遷移したことをエラーとして検出し、該検出したエラーに応じて特定制御が実行される。このため、例えばメダルYMが詰まりによって押し戻されることで、実際には払出しが行われていないにもかかわらずメダルYMの払出しに対応する出力態様で信号が出力される場合についても、エラー状態として検出できる。したがって、メダルYMの払出しに関するエラー状態を的確に検出できる。
【0116】
(2)ホッパーユニット35による払出動作の開始後であっても、第2所定時間より前に払出センサSE6がONからOFFに遷移した場合には、所謂ノイズである可能性が高い。本実施形態では、このようなノイズであるにもかかわらず、特定制御が行われることを抑制できる。
【0117】
(3)払出センサ検出タイマが終了しても払出センサSE6がONからOFFに遷移しなかった場合には、払出センサSE6による検知位置において、メダルYMの詰まりが発生している可能性が高い。本実施形態では、このような場合に特定制御を的確に実行できる。
【0118】
(4)エラー状態(異常状態)として検出されない第1期間は、第1所定時間が経過してから払出センサ検出タイマが終了する迄の所定幅のある期間となる。したがって、エラー状態が必要以上に厳しく検出されることを抑制できる。
【0119】
(5)本実施形態では、第2所定時間から第1所定時間までの第1期間(93.8133ms)は、払出センサSE6がONしてから第2所定時間が経過するまでの期間(10.4237ms)よりも長い。即ち、本実施形態において、第1期間は、少なくとも第2期間よりも長い。したがって、エラー状態が必要以上に厳しく検出されることを抑制できる。
【0120】
(6)本実施形態では、エラー状態が検出されたことを報知する制御が行われる。したがって、エラー状態の発生を報知できることから、例えば遊技店の店員などに適切な処置を促すことができる。
【0121】
(7)エラー番号E1,E3の検出を契機としたエラー報知は、規制期間が経過した後でなければ、エラー解除ボタンSW2を操作しても終了させることができない。エラー番号E1,E3のエラー状態は、所謂ゴト行為によって発生される可能性の高いエラー状態である。したがって、本実施形態では、ゴト行為によって開始された可能性が高いエラー報知の実行期間を確保し、例えば遊技店の店員などが見落としてしまうことを抑制できる。その一方で、ゴト行為に起因する可能性が低いエラー番号E2の検出を契機としたエラー報知は、規制期間に関係なく、エラー解除キーSW1を操作することで終了できる。したがって、ゴト行為とは関連性の低いエラー報知を解除するのに、無駄に手間がかかってしまうことを抑制できる。
【0122】
実施形態は前記に限定されず、例えば、次のように具体化してもよい。
・スロットマシン10は、ホールコンピュータやデータカウンタなどの外部機器に対して情報を出力可能な外部出力部を備えていてもよい。この場合、主制御用CPU100aは、エラー状態が検出されたことを特定可能な信号を外部出力部から出力させる制御を特定制御として実行するとよい。この構成によれば、エラー状態が検出されたことを特定可能な信号をもとに、例えばホールコンピュータなどにおいて異常状態の発生を集計したり、所定の報知を行わせたりできる。この場合、演出表示装置14によるエラー報知、及びエラー表示部17aによるエラー報知の少なくとも一方を省略してもよい。
【0123】
・払出センサSE6は、メダル払出し通路S2を通過するメダルYMを検知可能であれば、その構成を変更してもよい。例えば、払出センサSE6はメダル払出し通路S2に配設されたフォトセンサや機械式センサであってもよい。
【0124】
・ホッパーユニット35は、複数の払出センサSE6を備えていてもよい。この場合、主制御用CPU100aは、複数の払出センサSE6について、ON・OFFのタイミングや順序をもとにメダルYMの払出しが行われたか否かを判定するように構成するとよい。
【0125】
・第1所定時間、及び第2所定時間には、上記実施形態とは異なる時間を設定してもよい。また、ホッパー制御タイマや、払出センサ検出タイマの初期値としては、上記実施形態とは異なる時間を設定してもよい。
【0126】
・メダル払出し処理のステップS514の処理でセットするエラー番号と、ステップS517の処理でセットするエラー番号とを異ならせてもよい。即ち、払出センサ検出タイマが終了しても払出センサSE6がOFFしなかった状況と、第2所定時間以上であって且つ第1所定時間未満である第2期間に払出センサSE6がOFFした状況とを異なるエラー状態(異常状態)として検出してもよい。この場合、演出表示装置14やエラー表示部17aにおける報知内容を異ならせるとよい。
【0127】
・払出センサSE6がONしてから第1所定時間未満である期間の全体を第2期間とし、該第2期間中に払出センサSE6がOFFした場合には、エラー番号E3をセットするようにしてもよい。この場合、メダル払出し処理のステップS516の処理を省略するとよい。
【0128】
・エラー番号E1〜E3のエラー報知を解除するためのエラー解除操作を変更してもよい。例えば、全てのエラー番号のエラー状態について、第1エラー解除操作によりエラー報知を解除可能としてもよく、第2エラー解除操作によりエラー報知を解除可能としてもよい。
【0129】
・エラー番号E1〜E3のエラー報知は、何れも待機タイマ(規制期間)の終了を必要とすることなく解除可能としてもよい。この場合、エラー表示処理のステップS604,S608〜S610の処理を省略するとよい。また、エラー番号E1〜E3のエラー報知は、何れも待機タイマ(規制期間)の終了を条件として解除可能としてもよい。この場合、エラー番号に関係なく、ステップS604,S608〜S610の処理を実行するとよい。
【0130】
・エラー解除キーSW1は、開放錠12aと兼用せずに別体のボタンなどであってもよい。即ち、エラー解除キーSW1は、前面扉12の開放を必要とすることなく操作可能に構成されておればよい。
【0131】
・エラー解除キーSW1は、ボタンやレバーであってもよい。
・エラー解除ボタンSW2は、レバーであってもよく、カギを挿入して回動させることで操作するものであってもよい。
【0132】
・エラー表示部17aは、他の表示部と兼用構成であってもよい。例えば、エラー表示部17aは、貯留枚数表示部や賞枚数表示部などと兼用されていてもよい。また、エラー表示部17aは、スロットマシン10の機本体の内部に配設されていてもよい。
【0133】
・演出表示装置14やエラー表示部17aによるエラー報知は、スロットマシン10に何らかのエラーが発生していることを報知する内容であればよく、具体的にエラー番号を認識可能な態様でなくてもよい。
【0134】
・演出表示装置14によるエラー報知、及びエラー表示部17aによるエラー報知の何れかを省略してもよい。
・エラー報知は、演出表示装置14による表示に加えて、又は代えてスピーカによる音声出力や装飾ランプLAによる発光態様の変化により行ってもよい。
【0135】
・主制御用CPU100aは、エラー番号E1〜E3のエラー状態とは異なるエラー状態を検出してもよい。主制御用CPU100aは、例えばメダルYMの投入に関するエラーを検出してもよい。
【0136】
・副基板200の機能を複数の基板に分割してもよい。例えば、演出表示装置14を専門に制御する表示基板、スピーカSPを専門に制御する音声基板、及び装飾ランプLAを専門に制御するランプ基板を設けてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに設けてもよい。
【0137】
・メダルYMとは異なる形状の遊技媒体を用いる遊技機に具体化してもよい。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いるスロットマシン(所謂パロット)や、パチンコ遊技機として具体化してもよい。
【0138】
以下に記載する技術的思想は、上記実施形態から把握できる。
(イ)前記第1期間は、前記払出装置による払出動作の開始後における第1時点から第2時点までの期間であることが好ましい。
【0139】
(ロ)前記第1時点から第2時点までの期間は、前記検知手段が遊技媒体を検知してから第1時点までの期間より長いことが好ましい。
(ハ)前記特定制御は、異常状態が検出されたことを報知する制御であることが好ましい。
【0140】
(ニ)信号を出力可能な出力手段をさらに備え、前記特定制御は、異常状態が検出されたことを特定可能な信号を前記出力手段から出力させる制御であることが好ましい。