(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
同一フェーズの前記少なくとも2つのワークステーション(A’〜D’)は、前記少なくとも2つのワークステーションが、相互に異なる時点に各セルにおいて前記フェーズの作業を独立的に開始および終了し得るように、相互に独立したものである、請求項1に記載の検出装置。
前記検出プロセスの任意のフェーズに提供される任意のワークステーションから前記検出プロセスの後のフェーズに提供される任意のワークステーションまでセル(13〜16)を移動させ得る交換要素(601、601’、601’’、601’’’)をさらに備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の検出装置。
前記移動デバイスは、前記検出プロセスの前記フェーズが前記セル(13〜16)に対して連続的に実施され得るように、前記個別のワークステーション(A’〜D’)の方向に前記セル(13〜16)を移動させるために、並進移動デバイスまたは回転移動デバイスを備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の検出装置。
前記移動デバイスは、前記検出プロセスの前記フェーズが前記セル(13〜16)に対して連続的に実施され得るように、前記個別のワークステーション(A’〜D’)の方向に前記セル(13〜16)を移動させるために、回転軸を中心として回転することが可能な回転可能プラットフォーム(17)を備える、請求項6に記載の検出装置。
前記複数のセル(10)の各セル(13、14、15、16)が、前記製品(50)が上に位置決めされるプレート(20)と、閉鎖デバイス(21)とを備え、前記閉鎖デバイス(21)は、閉鎖位置(X)において前記セル(13〜16)内に前記製品(50)を気密の態様で受けることにより、前記製品(50)と前記閉鎖デバイス(21)の壁部との間に外方チャンバ(26)を、および前記製品(50)の内方壁部と前記プレート(20)と間に内方チャンバ(27)を画成するように、前記プレート(20)に対して移動可能であり、前記外方チャンバ(26)および前記内方チャンバ(27)は、前記検出プロセスの前記個別のフェーズ(A〜D)を実施するための前記検出システム(7)に対して各セル(13〜16)を連結するように前記検出システム(7)の前記連結デバイス(80、80a〜80e)と協働するように設けられた連結手段(18、19)を備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の検出装置。
前記検出システム(7)は、各セル(13〜16)の前記外方チャンバ(26)に対してトレーサガスを供給するためのガス供給システム(12)と、前記製品(50)におけるどんな漏れをも検出するために前記内方チャンバ(27)に対して連結されるように設けられた漏れ検出システム(11)とを備える、請求項8に記載の検出装置。
前記検出システム(7)は、前記外方チャンバ(26)および/または前記内方チャンバ(27)の中に収容されたガスを引き込むために、前記外方チャンバ(26)および/または前記内方チャンバ(27)に対して連続的に連結されるように設けられた複数の取込みポンプ(54、64、70、70’)と、前記製品(50)のどんな欠陥をも検出するために前記内方チャンバ(27)に対して連結されるように設けられた分光計(71)と、前記トレーサガス用の貯蔵タンク(60)とを備える、請求項8に記載の検出装置。
前記ワークステーション(A’〜D’)は、グリッパ要素により検査済み製品(50)が、前記セル(13〜16)から取り出され、前記検査済み製品を排出するのに適したデバイス(9’、9’’)の上に位置決めされる、少なくとも1つの装填/装填解除ステーション(A’)を備え、検査される製品(50)が、前記セル(13〜16)内に装填される、請求項8〜10のいずれか一項に記載の検出装置。
前記ワークステーション(A’〜D’)は、前記検出システム(7)の初期減圧ポンプ(54)により、内方チャンバ(27)内においておよびその後前記外方チャンバ(26)内において、所望の減圧レベルがもたらされる、少なくとも1つの初期減圧ステーション(B’)を備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の検出装置。
前記ワークステーション(A’〜D’)は、前記検出システム(7)の最終減圧ポンプ(64)により、残留ガスが、前記外方チャンバ(26)内において所望の最終減圧値をもたらすために前記外方チャンバ(26)内に引き込まれ、前記最終減圧ポンプ(70、70’)により、残留ガスが、前記内方チャンバ(27)内に引き込まれ、その後、前記内方チャンバ(27)が、前記製品(50)における漏れを検出するために検出分光器(71)に対して連結される、少なくとも1つの検出ステーション(C’)を備える、請求項8〜12のいずれか一項に記載の検出装置。
前記ワークステーション(A’〜D’)は、前記検出システム(7)のガス回収システム(73)により、ガスが、前記外方チャンバ(26)および前記内方チャンバ(27)から引き込まれて、前記検出システム(7)に対して供給される、少なくとも1つの回収ステーション(D’)を備える、請求項8〜13のいずれか一項に記載の検出装置。
【背景技術】
【0002】
製造される製品の気密性を確保すること、およびしたがって製造全体または製造される製品の全てが管理を受けることが重要となる、様々な分野が存在する。実際には、工業的に製造される場合であっても、欠陥(穴、孔、等々)を全く有さない、すなわち完全な気密性を有する製品というものは、考えられない。したがって、これらの製品は、所要の特徴を有するか否かを、すなわち使用目的の参考基準により規定される不完全度未満の不完全度を有するか否かを確認するために、非破壊気密性管理試験を受ける。
【0003】
不完全性は、漏れ速度に関して規定される。この漏れ速度が低いほど、製品の気密要件はより高くなり、逆の場合には逆となる。例えば工業用途、機械用途、化学用途、または航空宇宙産業用途などの、製品の具体的な各最終用途ごとに、許容される漏れ速度が規定される。
【0004】
検出すべき漏れ速度と、具体的な用途により必要とされる測定精度とに応じて、様々な試験方法を利用することが可能である。非常に低い漏れ速度(2×10
-4Pa*m
3/s)を測定することが必要となる分野においては、「ヘリウム試験」と呼ばれる試験方法、すなわち、トレーサガスとしてヘリウム(He)を使用することによる製品の管理を利用することが知られている。ヘリウムは、水素に次いで最小の極めて低い分子量を有するため、これにより、10
-10Pa*m
3/sの漏れを検出することも可能となり、さらに、水素とは異なり不活性であるため危険性もない。
【0005】
米国特許第5850036号は、ホイールリムをヘリウムの差圧下におく、車両のホイールリム用の試験装置を説明している。
【0006】
図1に概略的に図示され、(100)で示されるこの装置は、試験ガスの漏れ(220)を検出するために第1のチューブ(720)により質量分析器に対して作動的に連結された検査セル(300)へと、検査すべきホイールリム(140)を輸送するためのコンベヤベルトと、検査セル(300)から、この検査されたホイールリム(140)が試験に合格した場合には第1の排出ゾーンへと、またはこの検査されたホイールリム(140)が試験に合格しなかった場合には第2の排出ゾーンへと、検査されたホイールリム(140)を輸送するための排出ベルトとを備える。さらに、装置(100)は、コンベヤベルトからホイールリム(140)を取り出し、セル(300)内にこのホイールリム(140)を装填し、排出ベルト上にこのホイールリム(140)を位置決めするために試験用のセルからこのホイールリム(140)を取り出すための、グリッパデバイスを備える。
【0007】
さらに、この装置は、検査されるホイールリム(140)の漏れ速度に関する信号を受けて、検出された漏れ速度の値に基づきホイールリムの最終到着ゾーンに対して命令を発するために、分光計(220)に対して作動的に接続されたプロセッサを備える。
【0008】
検査セル(300)は、検査のためにホイールリム(140)を支持する固定下方プレート(520)と、下方プレート(520)に対して移動され得るベル状部材(600)と、可動上方プレート(540)とを備える。この可動上方プレート(540)は、ベル状部材(600)の内部において、気密状態で閉鎖されたホイールリム(140)のハウジング(660)を画成するように可動上方プレート(540)がホイールリム(140)上まで下降される、検査位置と、可動上方プレート(540)がホイールリム(140)に対して上昇される、上昇位置との間で移動され得る。上方プレート(540)およびベル状部材(600)は、それぞれアクチュエータ(560)および(610)により移動され得る。ホイールリム(140)は、下方プレート(520)と共に、内方ハウジング(580)を画成する。この内方ハウジング(580)は、ハウジング(580)内および分光計(220)内において所望の減圧レベルを生じさせるために、第1のチューブ(720)によりポンプに対して連結される。外方ハウジング(660)は、第2のチューブ(680)により、試験ガス源(700)、すなわち空気/ヘリウム混合気に対して連結される。気密シールが、外方ハウジング(660)および内方ハウジング(580)を封止するために、セル(300)に設けられる。
【0009】
気密性試験においては、まず内方ハウジング(580)および外方ハウジング(660)が減圧され、内方ハウジング(580)および外方ハウジング(660)内における減圧が所定のレベルに達した後に、試験ガスが外方ハウジング(660)内に導入され、差圧がホイールリム(140)に対して印加される。分光計(220)が作動されると、外方ハウジング(660)からホイールリム(140)を通過し内方ハウジング(580)に進む試験トレーサガスのいずれかの漏れ速度が、判定される。
【0010】
漏れ速度が判定された後に、ハウジング(660)内に収容された試験ガスは、回収され、所定の減圧レベルに達した後に、上方プレート(540)およびベル状部材(600)は、上昇され、ホイールリム(140)は、グリッパデバイスにより取り出され、実施される試験の結果に応じて規定される到着地点の方向に移動される。
【0011】
装置(100)の生産性を高めるために、第1の試験セルと概ね同様である第2の試験セルと、第2の質量分析器と、第2の試験ガス源とを備える、第2の試験ラインが、設けられ、搬送デバイス、排出デバイス、およびグリッパデバイスにそれぞれ連結される。第1のセルおよび第2のセルは、並行して動作し得る。
【0012】
しかし、米国特許第5850036号に記載の装置は、以下において論じるいくつかの欠点を有する。装置の生産性を大幅に向上させるために2つの別個の試験ラインを設けることにより、プラントコストと、装置(100)の全体寸法と、装置を動作させるためのヘリウムの消費量とが、増加する。
【0013】
既述のように、試験ガスの導入前に、およびその後に外方ハウジング(660)内に収容された試験ガスが回収される際に、外方ハウジング(660)内において適切なレベルの減圧を生じさせることが必要となる。これらの作業は、プロセスの合計期間の主要素を構成するある特定の時間を必要とし、生じさせる減圧レベルがより高いほど、所要時間が、すなわち検出プロセス期間がより長くなり、生産性が低下するが、試験ガスの消費量および測定環境の汚染度はより低下し、実施される検出作業の精度はより上昇する。
【0014】
試験サイクルの合計期間が制限される状況で、装置の生産性を上昇させるためには、より低い減圧レベルにて動作することが必要となるが、これは、試験混合気中のヘリウムの希釈が原因となり、実施される検出作業の精度を大幅に低下させる。さらに、これは、ベル状部材が開かれる際に、測定環境内にヘリウムが分散することを伴うため、実施される検出作業の感度を低下させるバックグラウンドノイズを生じさせ、トレーサガスの消費量を増加させることに加えて、検出作業の精度および信頼性を無効化する。
【0015】
この分散は、ヘリウムのコストが高いことにより、プロセスコストの大幅な増加をさらにもたらす。
【0016】
したがって、ヘリウムの過剰な消費を回避するために、ヘリウム含有量の低いヘリウム/空気混合気が使用され、それにより、実施される検出作業の感度がさらに低下する。
【0017】
上記に示した限界は、非常に高い測定精度を有することが必要となる試験が製品に対して実施される場合には、および/または、典型的には試験セル内に減圧をもたらすフェーズである試験プロセスの諸フェーズの中の少なくとも1つを実施するための所要時間を増大させることが必要となるようなジオメトリを有する製品に対して試験が実施される場合には、特に明白となる。
【0018】
米国特許出願公開第2005/0115305号は、製品のための試験装置および関連する方法を説明している。米国特許出願公開第2005/0115305号の装置においては、試験されることとなるベル状部材は、それぞれ試験セル内に導入され、ベル状部材を含むセルおよび試験設備は、回転可能プラットフォームの上に取り付けられ、プロセスフェーズが、プラットフォーム自体が回転する間に実施される。したがって、検出プロセスは、継続的に実施され、すなわち、検出プロセスは、プラットフォームの回転を中断することなく実施される。減圧用のポンプが、各試験セルに関連付けられる。
【0019】
また、この装置は、いくつかの限界を有する。
【0020】
特に、この装置は、融通の効くものではなく、試験プロセスの1つまたはいくつかのフェーズの期間のみを変更することができない。さらに、この装置は、かなりの寸法および/または複雑なジオメトリを有する製品、および/または高い試験精度レベルを有することが必要となる製品を処理するのには適さない。なぜならば、必要な全ての設備を輸送するには大きすぎる寸法を有する回転可能プラットフォームを有することが必要となるためである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図2、
図2A、および
図2Bを参照すると、ヘリウムまたは空気/ヘリウム混合気などのトレーサガスにより例えば金属ホイールリムなどの特に気密性構成要素である製品50の気密性特徴を確証することを目的として、製品50を検査するための、本発明による検出装置1が概略的に図示される。
【0031】
装置1は、検査される製品50が受けられる取込みゾーン2と、以下においてより良く説明されるように製品50の気密性特徴を確証するために製品50が検査される検出領域3と、管理試験に合格した検査済みの製品50’用の第1の排出ゾーン5と、管理試験に合格しなかった製品50’’用の第2の排出ゾーン6とを備える。
【0032】
装置1は、装置1の様々なゾーンを通して製品50を移送するための移送手段を、特に、検出領域3へと検査される製品を移送するためのコンベヤデバイス8と、検出領域3から第1の排出ゾーン5または第2の排出ゾーン6へと検査済み製品50’、50’’を移送するための第1の排出デバイス9’および第2の排出デバイス9’’とを備える。
【0033】
さらに、装置1は、以下においてより良く説明されるように、規定された検出作業を実施するために検査される製品50と連携するように設けられたトレーサガス検出システム7を備える。
【0034】
さらに、装置1は、図面には図示されないプロセッサを備え、このプロセッサは、以下においてより良く説明されるように、検出システム7から検出データを受領することが可能であり、検査済み製品を取り出し、実施された検出の結果に応じてあらかじめ位置決めされた排出デバイス9’、9’’内にその製品を装填するための、グリッパ要素を作動させるために設けられる。
【0035】
本発明の装置の1つのバージョンにおいては、管理試験に合格した検査済み製品50’用の、および管理試験に合格しなかった製品50’’用の、それぞれ別個のあらかじめ位置決めされた保管ゾーン内へと検査済み製品を移動させるように作動され得る、単一の排出デバイスが提供され得る。
【0036】
検出領域3は、検出プロセスの特定のフェーズを実施するのにそれぞれが適した複数の検出ステーションA’〜D’と、複数の検出セル10とを備える。
図2に示すバージョンにおいては、4つの検出セル13〜16が提供され、これらは、検出プロセスの全てのフェーズがセル13〜16において逐次的に実施され得るように、装置1内に設けられ、
図3〜
図6において詳細に図示される、個別のワークステーションA’〜D’の方向へとセル13〜16を移動させるために、回転矢印Fにより示される方向への回転軸を中心とした回転が可能な回転可能プラットフォーム17の上に位置決めされる。ワークステーションA’〜D’は、装置1の所定のゾーン内に設けられ、定置され、セル13〜16は、種々のワークステーションA’〜D’の間で移動可能である。
【0037】
装置1の他のバージョンにおいては、並進および/または回転により、装置1の種々のワークステーションA’〜D’の方向に複数の検出セル10の中の種々のセル13〜16を移動させるのに適した回転可能プラットフォーム以外の移動デバイスが提供され得る。これらのワークステーションA’〜D’のそれぞれにおいて、設定された検出プロセスのフェーズA〜Dが実施される。
【0038】
移動デバイスは、検出プロセスの全てのフェーズA〜Dにわたって連続して延在する移動経路に沿ってこれらのセルを移動させ、プロセスの終了時には、プロセスの第1のフェーズが実施されるステーションへと戻す。検出プロセスのこれらのフェーズの際には、セルは定置状態にあり、各セル13〜16は検出ステーション内に位置し、したがって移動デバイスは定置状態にある。
【0039】
例えば、
図2Aおよび
図2Bのバージョンにおけるような、または同様の移動デバイスのような、シャトルが提供されてもよい。本発明の装置の
図2のバージョンにおいては、検出プロセスは、時間に関して同一の期間を有し、検出領域において特定され得るワークステーションの個数と一致する個数となる、所与の個数のフェーズに分割される。したがって、単一のセルが、プロセスの各フェーズに設けられる。適切なフェーズ数へと検出プロセスを分割することにより、管理コストまたは用意する検出構造体をそれに応じて増加させることを伴わない、プロセス自体の効率の上昇と、装置の全体的な生産性の向上とが可能となる。
【0040】
図2に示すバージョンにおいては、検出プロセスは、文字A〜Dを使用して以下に示す4つの別個のプロセスフェーズへと下位分割される。したがって、検出領域3においては、文字A’〜D’を使用して以下に示す4つの別個のワークステーションが設けられ、これらのワークステーションのそれぞれにおいて4つのフェーズA〜Dの中の1つが実施され、セル13〜16は、中に位置決めされた製品が様々なフェーズA〜Dを連続的に受けるように設けられた、別個のステーションA’〜D’の領域内において、回転可能プラットフォーム17により連続的に移動される。
【0041】
検出プロセスのフェーズA〜Dは、任意の時点において、各セル13〜16内で実施される。
図2は、第1のセル13が、装填/装填解除ステーションA’内に位置し、第1の装填/装填解除フェーズAを受け、第2のセル14が、初期減圧(予備真空)用のステーションB’内に位置し、第2のフェーズの初期減圧(予備真空)Bを受け、第3のセル15が、検出ステーションC’内に位置し、検出フェーズCを受け、第4のセル16が、回収ステーションD’内に位置し、回収フェーズDを受ける、状況を図示する。
【0042】
各セル13〜16は、各製品50がそれらの気密性特徴を管理するためにプロセスの種々のフェーズを連続的に受けるように、検出プロセスの全てのフェーズA〜Dを受けるのに適したものである。
【0043】
分割される検出プロセスのフェーズの合計数、および/または装置内に用意されるセルの合計数、および/またはプロセスの各フェーズに対して提供されるワークステーションの個数は、以下においてより良く説明されるように、プロセスの要件、および/または試験されることとなる製品のジオメトリ特徴、および/または必要とされる気密性の精度に応じて、選択され得る。
【0044】
他のバージョンにおいては、検出プロセスは、以下においてより良く説明されるように、実現することが望ましい生産性と、実現することが望ましい検出精度および減圧度と、検査されることとなる製品のジオメトリまたはジオメトリ複雑性とに応じて、例えば6または8などの様々なフェーズ数へと分割されることで、各フェーズにおける適切な個数の検出セルおよびワークステーションを提供してもよい。
【0045】
これにより、装置の生産性を低下させることなく、および装置のコストを過剰に増加させることなく、検出精度を上昇させることが可能となる。さらに、以下においてより良く説明されるように、検出プロセスの特定のフェーズに対して提供されるワークステーションを装置内に設け、移動デバイスにより種々のステーションの方向にセルを移動させ、さらに、複数のセルを設ける、したがって装置の高い生産性レベルを実現することにより、必要な追加の設備ピース数が最小限に抑えられる。
【0046】
様々なワークステーションA’〜D’は、好ましくは提供される移動デバイスの移動方向において均等に離間された、装置1の規定の位置に位置決めされ、
図2の場合には、回転可能プラットフォーム17の約90°の回転により、セルは、2つの連続するワークステーションの間で移動され得る。直線移動デバイスの場合には、種々のワークステーションA’〜D’が、移動デバイス自体の移動方向に位置決めされ、これらの種々のワークステーションA’〜D’は、種々のステーションに専用の設備ピースに適合した適切な距離をおいて位置決めされる。種々のフェーズA〜Dは、装置1の対応する所定のステーションA’〜D’において実施される。
【0047】
さらに、装置1は、コンベヤデバイス8から検査される製品50を取り出し、特定の検出セル13〜16へとその製品50を供給し、検出セル13〜16から検査済み製品50、50’’を取り出し、実施された検出作業の結果に応じて、およびしたがってプロセッサから受領した命令に応じて、第1の排出デバイス9’または第2の排出デバイス9’’へとそれらの製品を供給するための、グリッパ要素(図面には図示せず)を備える。設けられる検出セル13〜16は、相互に同一であり、そのため、それらの中の1つのみを、ホイールリム50の気密性試験を参照として詳細に説明する。
図3に示すセル13は、検査されることとなるホイールリム50を支持する固定下方プレート20と、ベル状形態閉鎖デバイス21とを備える。このベル状形態閉鎖デバイス21は、並進方向矢印F1により示されるように、ベル状部材21のエッジ23が下方プレート20の上に支持される、
図3〜
図6に示す閉位置Xと、ベル状部材21のエッジ23が下方プレート20に対して上昇されて、下方プレート20上のホイールリム50が導入/取出し可能となる、
図3で破線により示される開位置Yとの間において、第1のアクチュエータ22により下方プレート20に対して移動され得る。検査されることとなるホイールリム50は、ホイールリム50のチャネルの下方エッジが下方プレート20の上に載置されるように、下方プレート20の上に位置決めされる。ホイールリムのチャネルは、ホイールリム/タイヤの気密性を確保しなければならない部分であり、確保されない場合には、ホイールリム/タイヤアセンブリの気密性を損なう空気の漏れが見つかる。
【0048】
さらに、セル13は、第2のアクチュエータ25により作動される可動カバー24を備え、この可動カバー24は、カバー24がホイールリム50から離間される、
図3において破線で示される上方位置Wと、カバー24がホイールリム50の上に下降されることにより、下方プレート20およびベル状部材21の壁部との間で、外部に対して気密に閉鎖されたホイールリム50の外方チャンバ26が、ならびに湾曲部分21’およびベル状部材21の壁部との間で、外部と連通状態にある上方チャンバ26’が画成される、
図3〜
図6に図示される下方位置Zとの間において、ベル状部材21の内部で気密の態様で摺動可能である。ホイールリム50は、その内方壁部51が下方プレート20との間において気密に閉鎖された内方チャンバ27を画成するように、下方プレート20の上に位置決めされる。カバー24は、円錐状であり、また、この形状により、突出中央ハブおよびスポークを有するホイールリム50および/またはホイールは、セル13内に正確に収容され得る。
【0049】
さらに、各セル13〜16は、下方プレート20中に設けられた穴28により内方チャンバ27へと気密の態様で連結される第1の連結手段18と、ベル状部材21の壁部中に設けられた第2の穴29により外方チャンバ26へと気密の態様で連結される第2の連結手段19とを備え、第1の連結手段18および第2の連結手段19は、以下においてより良く説明されるように、検出手段の種々のフェーズA〜Dを実施するために検出システム7に対して連結されるのに適したものである。
【0050】
図4を参照すると、第1の連結手段18は、穴28に挿入されるパイプ30を備える。このパイプ30は、第1のソレノイド弁31が位置決めされるブランチ30’と、第2のソレノイド弁32が位置決めされる第2のブランチ30’’とを有する。また、この第2のブランチ30’’は、連結手段33および連結デバイス80が前進位置に位置し、第2のソレノイド弁32が開状態にある場合には、検出システム7に対して第1の連結手段18を連結し、連結手段33および連結デバイス80が相互に離間され、第2のソレノイド弁32が閉じられた状態では、気密の態様で第1の連結手段18をしたがって内方チャンバ27を閉じるように、検出システム7の連結デバイス80と協働するように設けられた連結手段33にて終端する。
【0051】
第2の連結手段19は、第2の穴29内に挿入される第2のパイプ40を備える。この第2のパイプ40は、第3のソレノイド弁41が位置決めされる第1のブランチ40’と、絶対圧力変換器44および第4のソレノイド弁42が位置決めされる第2のブランチ40’’とを備える。また、この第2のブランチ40’’は、第2の連結手段19に対して連結するための、ならびに、第2の連結手段43および連結デバイス80が前進位置にあり、第4のソレノイド弁42が開状態にある場合には、第2の連結手段19に対して検出システム7を連結し、第2の連結手段43および連結デバイス80が相互に離間され、第4のソレノイド弁42が閉じられた状態では、気密の態様で第2の連結手段19をしたがって外方チャンバ26を閉鎖するように、検出システム7の連結デバイスと協働するための、第2の連結手段43を備える。
【0052】
圧力変換器44は、変換器44が大量の漏れを検出した場合に、残りの設備に対する損傷を防ぐために検出プロセスが停止されるように、プロセッサに対して作動的に接続される。
【0053】
検出システム7は、複数の連結要素80a〜80eを備え、プロセスの個別のフェーズA〜Dを実施するために種々のステーションA’〜D’内の各セル13〜16に対して検出システム7が接続され得るように各セル13〜16の第1の連結手段33および第2の連結手段43と協働するように設けられた、連結デバイス80を備える。
【0054】
第1の連結手段33および第2の連結手段43および連結要素80a〜80eは、適切な流れ開口を有するOリングシールを備え、真空用および低圧用の気密連結を確立するのに適した、金属プレートにより構成される。Oリングを備えるこれらの金属プレートにより、ISO Kタイプの気密連結をもたらすことが可能となる。
【0055】
第1の連結手段33および第2の連結手段43および連結要素80a〜80eは、それぞれプロセッサにより作動されるアクチュエータによって、各セル13〜16の内方チャンバ27または外方チャンバ26と検出システム7との間に所望の連結を確立/閉鎖するために相互に離れるように相互に前進/移動されるように、移動される。さらに、プロセッサは、ソレノイド弁の動作を、すなわちソレノイド弁の開閉を制御する。
【0056】
検出システム7は、
図5でより良く分かるトレーサガスを供給するためのシステム12を備える。このシステム12は、約4.5バールの圧力にて所望量のヘリウムを貯蔵するためのヘリウムガス用の貯蔵タンク60を備え、第2の連結手段19により各セル13〜16に対して連結され得る供給パイプ61を備える。各セル13〜16に対して試験ガスを供給するために、第2のパイプ40の方向へのヘリウムの通過を許可/防止するように、ソレノイド弁421が、供給パイプ61の上に設けられる。
【0057】
さらに、ガス供給システム12は、最終減圧ポンプ64を備える。この最終減圧ポンプ64は、以下においてより良く説明されるように、外方チャンバ26内においてヘリウムまたはヘリウムの混合気の希釈を最小限に抑えるのに適した減圧度をもたらすために、取込みパイプ641およびソレノイド弁425により第2の連結手段19に対して連結されるように設けられる。
【0058】
最終減圧ポンプ64は、検出を実施可能にするために、外方チャンバ26に対して検出ガスを供給する前に、適切な初期減圧ポンプを用いて外方チャンバ26内で以前に得られた初期減圧度を精緻化するように意図される。
【0059】
第1の連結要素80aが、タンク60に対してまたは最終減圧ポンプ64に対して外方チャンバ26を連結するように第2の連結手段43と協働するように、取込みパイプ641および供給パイプ61に共通のパイプ部分610上のソレノイド弁421および425の下流に設けられる。タンク60は、検出作業の終了時に外方チャンバ26から回収される試験ガスをタンク60に供給するために、ガス回収システム73に対して作動的に連結される。
【0060】
図6においてより良く分かるガス回収システム73は、ソレノイド弁422にて終端する回収パイプ75と、回収パイプ75上に直列で位置決めされた圧縮機76および回収ポンプ77により外方チャンバ26内に存在する残留空気/ヘリウム混合気を引き込み、貯蔵タンク60にこの混合気を供給するために、外方チャンバ26にガス回収システム73を連結するように第2の連結手段43と協働するための第4の連結要素80dとを備える。さらに、検出システム7は、
図4でより良く分かる第1の初期減圧ポンプ54をさらに備え、このポンプ54の取込み側には、2つのソレノイド弁320および420が存在し、これらのソレノイド弁は、第1の減圧度を内方チャンバ27および外方チャンバ26の位置にもたらすために、第2の連結要素80bおよび第1の連結手段33により、ならびに第3の連結要素80cおよび第2の連結手段43により、内方チャンバ27および外方チャンバ26に対してそれぞれ連結されるように設けられる。
【0061】
さらに、検出システム7は、検査されるホイールリム50におけるどんな漏れをも検出するために、内方チャンバ27に対して連結されるように設けられた漏れ検出システム11を備える。
図5でより良く分かる漏れ検出システム11は、第5の連結要素80eおよびソレノイド弁321により第1の連結手段18に対しておよび内方チャンバ27に対して連結されるように設けられた取込みパイプ78を備える。漏れ検出システム11は、直列で位置決めされた、ならびに、検出作業用の最適な減圧条件を内方チャンバ27内にもたらすために内方チャンバ27内に存在するガスを引き込むようにおよび適切な導管にこのガスを排出するように構成された、減圧ポンプ70、70’と、分光計71に対して接続された第2の減圧ポンプ72とを備える。減圧ポンプ70、70’および第2の減圧ポンプ72は、取込みパイプ78の別個のブランチ78’および78’’の上に設置される。
【0062】
既述のように、装置1内に設けられた複数のセル10の各セル13〜16は、検出プロセスの全てのフェーズA〜Dを実施するのに適したものであり、プロセスの種々のフェーズを実施するために設けられた種々のワークステーションA’〜D’の間で移動デバイスにより移動される。各ステーションA’〜D’においては、セル13〜16は、それぞれ特定のフェーズA〜Dに対して規定される作業を実施するために、関連する第1の連結手段18および第2の連結手段19と、第1の連結手段33および第2の連結手段43と、連結デバイス80の適切な連結要素80a〜80eとにより、検出システム7の個別の部分に対して連結される。
【0063】
セル13〜16と検出システムの所望の部分との間の連結は、プレートにより流体通路用の単一の気密パイプが画成されるように、移動デバイスにより所望の位置にセルを位置決めし、連結デバイス80の適切な連結要素80a〜80eを用いて相互前進位置に第1の連結手段33および第2の連結手段43を配置した後に、実施される。既述のように、これらのプレートは、検出プロセスの実行時間を増大させず、それと同時に漏れのない単一のパイプをもたらすように、極めて迅速な係合/係合解除を確保する。
【0064】
装置の他のバージョンにおいては、既述のように、異なる個数のワークステーションが、プロセスの各フェーズA〜Dに対して設けられてもよく、各ステーションは、検出セルを受けるのに適したものである。この場合には、複数の検出セルが、検出プロセスの同一のフェーズを同時に受けることが可能となる。各ワークステーションごとに、そのステーションが提供されるプロセスのフェーズA〜Dにより規定される作業を実施するために必要な検出システム7の部分のみが、設けられる。いくつかの場合では、例えば検査される製品のジオメトリが複雑である場合に、または高水準の気密性が検査されることとなる製品の最終用途により必要とされることにより、または他の理由などにより、検出プロセスの特定のフェーズの期間を増大させることが有利となる。
【0065】
本発明の装置により、より長い期間を有するフェーズに複数のワークステーションを提供することが可能となり、対応する個数のセルがそのフェーズを同時に受けるように、その/それらのフェーズに対して規定される個数のステーションが増加する。
【0066】
プロセスの合計期間の増加は回避され、検出プロセスの合計期間は変更がないままとなる。
【0067】
したがって、検出プロセスが製造プロセスと同期された状態に維持され、検査されることとなる製品の貯留を防止することが可能となり、さらに、検出プロセスの特定のフェーズの期間が増大する。したがって、試験されることとなる製品が複雑なジオメトリを有する、および/または高い気密性水準を必要とする場合でも、高い試験水準を維持することが可能となる。
【0068】
同一フェーズのステーションは、相互から作動的に独立しており、各ステーションは、セルに関して特定のフェーズを実施するのに必要な固有の設備を備える。したがって、特定のフェーズのステーション同士は、相互にフェーズ外となり得る、すなわち、あるフェーズの作業を、セルを移動させその特定のフェーズを受けることとなる新たなセルを装填する前に、そのフェーズに提供される全てのステーションにおいて終了させることが、不要となる。
【0069】
あるフェーズの作業が、あるステーションにおいて終了し次第、そのフェーズが終了したセルを移動させ、ステーションに新たなセルを装填することが可能となる。さらに、フェーズのステーションが増加することにより、そのフェーズ用に提供された設備ピースのみが増加し、他のフェーズを実施するために提供される設備ピースは増加しない。例えば、初期減圧フェーズ期間が増大することにより、そのフェーズに提供されるステーションの個数が増加し、そのフェーズに提供される設備ピースが増加するが、プロセスの残りのフェーズを実施するために提供される設備ピースを増加することは不要となる。これにより、プラントコストの過剰な増加が防がれる。
【0070】
検出プロセスの特定のフェーズに対して提供されるワークステーションの個数、およびしたがってそのフェーズを受けるセルの個数は、そのフェーズ自体の期間により決定される。フェーズの期間が増大することにより、そのフェーズを同時に受けるセルの個数と、提供されるワークステーションの個数とが増加し、逆の場合には逆となる。
【0071】
特定のフェーズKにおけるワークステーションの個数は、フェーズKの期間と、他のフェーズの期間未満の期間を有する検出プロセスのフェーズA〜Dの期間との間の関係に等しい。t
fを、例えば装填および装填解除フェーズAなどの、より短い期間を有する検出プロセスのフェーズの期間とし、t
iを、例えば初期減圧フェーズなどの、任意の他のフェーズKの期間とする。初期減圧フェーズにおけるワークステーションの個数(およびしたがって、初期減圧フェーズを同時に受けるセルの個数)は、t
i/t
fに等しい。
【0072】
次に、
図2Aおよび
図2Bに示す装置1のバージョンの図を詳細に説明する。
図2の図を参照として説明されたものに対応するパーツは、同一の参照数字を使用して示し、詳細には説明しない。
【0073】
各検出セル13〜16が、各セルが検出プロセスの種々のフェーズA〜Dを連続的に受けるように設けられた種々のワークステーションA’〜D’の方向にセル13〜16を輸送することが可能となるように、装置1内部の閉鎖経路を画定するように形成された適切な移動トラックに沿って移動され得る、シャトル60の上に取り付けられる。
【0074】
交換要素601、601’、601’’、601’’’は、プロセスの任意のフェーズに提供される任意のワークステーションからのシャトル60が、連続するプロセスフェーズの任意のステーションに搬送され得るように、2つの連続するフェーズの各ワークステーションのトラック部分同士の間に設けられる。これらの交換要素により、シャトルは、種々のトラック部分に沿って移動され得る。このようにすることで、プロセスのあるフェーズが終了するシャトル60が、後のフェーズの第1の自由ステーションへと輸送され得る。これにより、試験プロセスの増加が防がれる。
【0075】
さらに、異常もしくは故障の場合には、またはさらにはステーションのメンテナンスの場合にも、装置全体を停止することが不要となり、代わりに、適切なトラック部分によりフェーズの他の利用可能なステーションの方向にシャトルを移動することが必要となる。したがって、検出プロセスは、停止されることが必要なくなり、プロセスは、ステーションの非作動による増加を被るのみとなる。
【0076】
特に
図2Aの図を参照すると、第1の装填/装填解除フェーズAと、フェーズAの期間に対して3倍の期間を有する第2の初期減圧フェーズBと、フェーズAの期間に対して2倍の期間を有する検出フェーズCと、フェーズAの期間に対して3倍の期間を有する回収フェーズDとが提供される。各シャトル60は、最終フェーズDの終了時には、適切な寸法を有する戻りラインEによりフェーズAのために提供されるゾーンまで移動される。
【0077】
このバージョンにおいては、単一の装填/装填解除ステーションA’、3つの初期減圧ステーションB’、2つの検出ステーションC’、および3つの回収ステーションD’が提供される。したがって、ある特定の時点においては、単一のセル13が、フェーズAを受け、3つの別個のセル(14、14’、14’’)が、フェーズBを受け、2つのセル(15、15’)が、フェーズCを受け、3つの別個のセル(16、16’、16’’)が、フェーズDを受け、セル117が、戻りラインEを経由して移動中となる。
【0078】
したがって、検出領域3には、検出プロセスの種々のフェーズA〜Dを受ける9つの別個の試験セルが提供され、第10のセルは、ステーションAへと戻るべく移動中となる。
【0079】
この図は、約10秒の製造周期で製造される製品に対して検出プロセスを実施するのに適しており、この検出プロセスにおいては、フェーズAは、約7秒の期間を有し、初期減圧フェーズBは、約21秒の期間を有し、検出フェーズCは、約14秒の期間を有し、回収フェーズDは、約21秒の期間を有する。2つの連続するステーション間においてシャトルを移動させるのに必要となる時間は3秒であり、戻りラインEに沿ってフェーズAまでシャトルを戻すのに必要となる時間は約7秒である。
【0080】
図2Bの図を参照すると、第2の初期減圧フェーズBは、装填/装填解除フェーズAの期間に対して4倍の期間を有し、したがって4つの初期減圧ステーションB’が提供され、検出フェーズCは、フェーズAの期間に対して2倍の期間を有し、したがって2つの検出ステーションC’が提供され、回収フェーズDは、フェーズAの期間に対して3倍の期間を有し、したがって3つの回収ステーションD’が提供され、戻りラインEを経由する移動は、装填/装填解除フェーズAと同一の期間を有する。
【0081】
したがって、ある特定の時点においては、単一のセル13が、装填/装填解除作業に関与し、ステーションA’に位置し、4つの別個のセル14、14’、14’’、14’’’が、初期減圧ステーションB’に位置し、第2の初期減圧フェーズBを受け、2つの別個のセル15、15’が、検出ステーションC’に位置し、3つの別個のセル16、16’、16’’が、回収ステーションD’に位置し、単一のセル117が、戻りライン上を移動中となる。この図が、約10秒の製造周期で製造される製品に対して検出プロセスを実施するために利用される場合には、フェーズAは、約7秒の期間を有し、初期減圧フェーズBは、約28秒の期間を有し、検出フェーズCは、約14秒の期間Cを有し、回収フェーズDは、約21秒の期間を有する。2つの連続するステーション間でシャトルを移動させるのに必要となる時間は、3秒であり、戻りラインEに沿ってフェーズAまでシャトルを戻すのに必要となる時間は、約7秒である。
【0082】
したがって、このバージョンでは、セル内に位置決めされた製品が検出プロセスの種々のフェーズを連続的に受けるように、種々のワークステーションA’〜D’の間で移動され得る11個の別個の試験セルが提供される。
【0083】
上記に示した例から明白なように、検出装置に設けられるセルの合計個数、および/またはある特定の時点にて検出プロセスの個別のフェーズに関与するセルの個数、ならびにしたがって個別のフェーズのステーションの個数および/またはプロセスを分割するフェーズの個数は、検出プロセスの特定の要件と試験されることとなる製品のジオメトリ特徴とに基づき、自由に変更および選択することが可能となる。
【0084】
次に、セル13ならびに
図2、
図2A、および
図2Bの図を参照として種々のステーションA’〜D’およびプロセスの種々のフェーズA〜Dを分析することにより、装置1の動作を説明する。
【0085】
セル13は、検出プロセスの第1のフェーズAが実施される、
図3に示すワークステーションA’へと移動される。
【0086】
セルが定位置に置かれると、ベル状部材21は、開位置Yへと並進移動され、その後、グリッパ要素が、先に検査されたホイールリム50を取り出し、プロセッサから受領した命令に応じてまたは実施される検出作業の結果に基づいて、第1の排出デバイス9’または第2の排出デバイス9’’上へとこのホイールリム50を装填する。その後、グリッパ要素は、コンベヤデバイス8から検査されることとなるホイールリム50を取り出し、セル13の下方プレート20の上にこのホイールリム50を装填する。次いで、ベル状部材21が、閉位置Xへと変位される。したがって、検査されることとなるホイールリム50を装填し、検査済みのホイールリム50’、50’’を装填解除する作業は、同一のワーク位置A’において実施され、これにより単一のグリッパ要素が使用されることとなる。
【0087】
閉位置Xにおいては、カバー24が、ホイールリム50の上まで下降されて、セル13内に相互に隔離された3つの別個のゾーンを、すなわち気密の態様で外部から閉鎖された外方チャンバ26および内方チャンバ27と上方チャンバ26’とを画成する。フェーズAの際には、望ましくない逆圧が外方チャンバ26内におよび内方チャンバ27内において発生した状態になるのを防止するために、ソレノイド弁31および41が励起される。したがって、第1のフェーズAは、完了し、回転可能プラットフォーム17が、第1のフェーズAを実施するために設けられたワークステーションA’内に次のセル16を移動させるために、検出プロセスの第2のフェーズBを実施するために設けられたワークステーションB’内にセル13を移動させるために、等々のために、90°回転される。
【0088】
セル13が、フェーズAの終了時にシャトル60の上に取り付けられると、シャトル60は、移動トラックに沿って移動され、初期減圧フェーズBに提供される試験ステーションB’の中の1つへと運ばれる。
【0089】
いずれの場合でも、移動デバイス、回転可能プラットフォーム、またはシャトルは、検出フェーズ中には定置状態に維持され、検出フェーズの終了時には後のフェーズを実施するのに適したステーションへとセルを移動させるために作動される。
【0090】
複数の初期減圧ステーションB’が設けられる場合には、フェーズAからのセルは、解除されたばかりの初期減圧フェーズBのワークステーション内に位置決めされる。初期減圧フェーズの作業は、セルが位置決めされ次第、したがってある特定の時点に種々の初期減圧ステーション内に存在するセルが所与の時間までに相互にフェーズ外となり次第、開始される。初期減圧フェーズの作業が、あるセルで完了し次第、対応するシャトルが、次のフェーズへと並進移動し、新たなセルが、解除された対応するステーション内に装填される。
【0091】
同一のフェーズの種々のステーション間における動作の独立性により、そのフェーズの諸ステーションは、相互にフェーズ外となることが可能となり、試験プロセス全体を通じてそれらのステーションが遅滞するまたは減速するのが防止される。
【0092】
図4において詳細に示す、第2のステーションB’においては、またはステーションB’の中の1つにおいては、セル13は、フェーズBを受ける。内方チャンバ27は、連結手段33および第2の連結要素80bにより第1の初期減圧ポンプ54に連結され、ソレノイド弁320および32は、第1の初期減圧ポンプ54と流体連通状態に内方チャンバ27を置くために励起された状態となる。第1の初期減圧ポンプ54は、作動されて、内方チャンバ27内に存在するガス状内容物を引き込む。このようにすることで、内方チャンバ27に対して分光計71を後に接続することが可能となるために必要な減圧条件が、調製される。
【0093】
このフェーズにおいては、内方チャンバ27内において100Pa未満の減圧レベルを達成することが可能となる。このようにすることで、先行の検出作業により残った内方チャンバ27内に存在する、および後の検出作業の精度に悪影響を及ぼすバックグラウンドノイズを構成することとなる、ヘリウム残量の約80%〜90%が除去される。
【0094】
例えば100Paなどのある特定の減圧レベルが、内方チャンバ27内において実現されると、第2の連結手段19の上に設けられた絶対圧力変換器44が、読み込まれ、次いで外方チャンバ26へと接続される。変換器44が、大量の漏れをもたらす、検査されるホイールリム50における大規模欠陥の可能性の示度となる、外方チャンバ26内の減圧を検出すると、このホイールリム50の検出プロセスは、検出システム7の他の設備ピース、特に分光計71に対する損傷を防ぐために、および不利となるヘリウムの浪費を防止するために、停止される。この場合には、ホイールリム50は、セル内に維持され、種々の動作フェーズ(A〜D)間において漸進的にこのセルと共に移動されるが、ホイールリム50が取り出されるおよび装填解除される第1のステーションA’まではいかなる検出フェーズも受けない。
【0095】
100Pa未満の圧力が、内方チャンバ27内において達成され、大量の損失が、変換器44により検出されなかった場合には、第2の連結手段43は、第3の連結要素80cに連結され、ソレノイド弁42および420は、励起された状態となり、外方チャンバ26と連通状態に第1の初期減圧ポンプ54を置く。
【0096】
第1の初期減圧ポンプ54は、外方チャンバ26内に収容された空気を引き込み、排出540により外方に排出する。外方チャンバ26内に残る絶対圧力値が、変換器44により読み取られる。
【0097】
このフェーズにおいては、外方チャンバ26内において100Pa未満の減圧レベルを達成することが可能となる。このフェーズにおいて内方チャンバ27内と外方チャンバ26内の両方で実現される初期減圧レベルを高めることにより、達成される最終的な減圧レベル同一のままで、フェーズBの期間が増大し、またその後のフェーズCの期間が短縮され、逆の場合には逆となる。
【0098】
したがって、このフェーズにおいて達成される初期減圧レベルは、最終減圧レベルに基づき、2つのフェーズの期間を均衡させるように達成されるように選択される。任意には、より高い減圧レベルが望ましい場合には、ならびにフェーズBおよび/またはフェーズCの期間が過度に増大することが望ましくない場合には、フェーズBにおいて達成される「初期減圧」とフェーズCにおいて達成される最終減圧との間の中間減圧レベルを実現するように専用化された1つまたは複数の中間フェーズが提供されてもよい。代替的には、上記において既述のように、初期減圧フェーズBのステーションB’の個数および/または検出ステーションC’の個数を増加させるという措置が取られ得る。この構成は、特に検出作業のために非常に極端な減圧レベルを有することが必要である場合、および/または検出すべき製品のジオメトリが特に複雑な場合に、採用され得る。
【0099】
フェーズBが完了すると、第1の連結手段33および第2の連結手段43は、第2の連結要素80bおよび第3の連結要素80cからそれぞれ連結解除されて、漏れ検出システム7からセル13を分離させ、回転可能プラットフォーム17が、90°回転されるか、またはシャトルが、並進移動されて、第3のフェーズCを実施するために設けられたステーションC’内にまたはフェーズCから解除されたばかりのステーション内にセル13を搬送する、ステーションD’内にまたはフェーズDから解除されたばかりのステーション内にセル14を搬送する、等々となる。
【0100】
初期減圧フェーズの作業の終了時には、このフェーズが終了したすなわち上述の作業が終了したセルが、移動される一方で、他のセルは、初期減圧作業を完了させるために定置状態に留まる。
【0101】
セル13が、
図5において詳細に示すステーションC’に到着すると、内方チャンバ27および外方チャンバ26は、初期減圧条件(100Pa未満)に既にある。ステーションCでは、第2の連結手段43が、第1の連結要素80aに対して連結され、ソレノイド弁42および425を励起することにより、最終減圧ポンプ64と連通状態に外方チャンバ26を置き、それにより、一般的には変換器44により検出される100Pa未満の絶対圧力である最終減圧値まで、すなわちヘリウムおよび空気/ヘリウム混合気を検出し、ヘリウムおよび空気/ヘリウム混合気の最小希釈を実現するのに適した最終減圧値まで、外方チャンバ26内の残留空気の引き込みを継続する。
【0102】
したがって、漏れの測定値を実施するために外方チャンバ26内に導入されることとなるヘリウムまたはその混合気の後の希釈を大幅に軽減させるように、高い減圧レベルが、外方チャンバ26内においてもたらされる。
【0103】
この条件は、ある特定の減圧レベルが先行のフェーズBにおいて既に実現されているため、フェーズCの期間を過度に増大させることなく実現され得る。
【0104】
したがって、第1の連結手段33は、第5の連結要素80eに対して連結され、ソレノイド弁32、321、および322を励起することにより、減圧ポンプ70、70’に対して内方チャンバ27が連結されて、内方チャンバ27内に存在する残留空気が引き込まれる。これにより、最適な減圧条件が、後の検出用に分光計71を連結することを可能にして、いかなる残留ヘリウムもが発生させるノイズを劇的に軽減および/または解消するために、検出用に内方チャンバ27内においてもたらされる。
【0105】
また、内方チャンバ27内において適切な最終減圧レベル、一般的には0.2Paが達成された後に、ソレノイド弁323が、励起されて、分光計71に対して連結された第2の減圧ポンプ72に対して内方チャンバ27を連結する。
【0106】
内方チャンバ27は、内方チャンバ27から排出されるガス流が、同時に動作し、導管と分光計71による検出を実施するために内方チャンバ27からの流れの一部分を取り込む第2の減圧ポンプ72とに排出を行う、減圧ポンプ70、70’の取込み容量に正比例して分割されるように、全ての減圧ポンプ70、70’と第2の減圧ポンプ72の両方に対して連結される。
【0107】
分光計71により読み取られるノイズ、すなわち引き込まれるガス中に検出されるヘリウムの量が、例えば10
-5ミリバール/秒などの自由にプログラム可能なしきい値未満であり、外方チャンバ26内の残留圧力値が、例えば100Pa未満などのやはり自由にプログラム可能なしきい値未満である場合には、ソレノイド弁425が、作動停止されて、減圧ポンプ64から外方チャンバ26を隔離する。その後、供給パイプ61上に設けられたソレノイド弁421が、励起され、外方チャンバ26(100Pa未満)とタンク60(4.5バール)との圧力差が、ヘリウム流またはヘリウムの混合気流を生じさせ、これらのヘリウム流またはヘリウムの混合気流は、圧力変換器44に読み取られる例えば1.5〜3.5バールなどの気密性試験圧力で外方チャンバ26へと供給される。
【0108】
したがって、差圧が、ホイールリム50の壁部に対して印加される。
【0109】
検査されるホイールリムチャネル50において、またはタイヤを受けるように意図された部分において、ホイールリムチャネル50の壁を通して外方チャンバ26および内方チャンバ27を流体連通状態に置く欠陥が存在する場合には、ならびに、それらの欠陥を経由してヘリウムが流れ得る場合には、これは、分光計71により部分流で取り込まれる。
【0110】
取り込まれた値が、分光計71の汚染の理由を構成し得る値未満である場合には、ソレノイド弁322が、作動停止されて、内方チャンバ27に対して分光計71を「全流」で連結するために、減圧ポンプ70、70’を連結解除する。
【0111】
分光計71により安定的に取り込まれるヘリウムのレベルが、検査される製品が必要とする気密性の精度により決定される、自由にプログラム可能なしきい値(例えば3.2 10
-4ミリバール/秒)未満である場合には、ホイールリム50は、適切であると見なされ、あるいは逆に、分光計71により取り込まれるヘリウムのレベルが、しきい値よりも高い場合には、ホイールリム50は、不適切であると見なされる。したがって、全てのソレノイド弁が、作動停止されて、外方チャンバ26内に空気/ヘリウム試験混合気が捕獲され、内方チャンバ27内において減圧が維持される。
【0112】
第1の連結要素80aは、第2の連結手段43から連結解除され、第5の連結要素80eは、第1の連結手段33から連結解除され、したがって、回転可能プラットフォーム17を90°回転させる措置が、またはシャトルを並進移動させ、検出作業の第4のフェーズDが実施される第4のステーションD’にもしくはそれらのステーションD’の中の1つにセル13を搬送する措置が、取られる。
【0113】
図6に概略的に示す第4のステーションD’においては、第4の連結要素80dが、第2の連結手段43に対して連結され、ソレノイド弁42および422が、励起されて、ガス回収システム73に対して外方チャンバ26が連結され、そのようにすることで、空気/ヘリウム混合気が、圧力差により、外方チャンバ26から回収パイプ75内へと流れ、圧縮機76を経由してタンク60へと供給される。全ての相対圧力が、外方チャンバ26から排出されると、回収パイプ75上に位置決めされた回収ポンプ77は、作動され、外方チャンバ26内に存在する残留空気/ヘリウム混合気の取込みを、および再び圧縮機76を経由したタンク60へのこの混合気の供給を行う。
【0114】
この作業は、例えば100Pa未満などの、自由にプログラム可能なしきい値未満である残留圧力値が、外方チャンバ26内において達成されるまで、継続する。残留圧力値は、フェーズDの終了時に外方チャンバ26内に残る混合気が、フェーズA中に、ベル状部材21がホイールリム50の装填解除/装填中に開かれる際に浪費されることを考慮して、故意に非常に低くされる。この浪費は、プロセスコストの増加に加えて、後の作業におけるノイズを増大させるヘリウムによる環境汚染を構成する。
【0115】
その後、ソレノイド弁42および422は、作動停止され、ソレノイド弁41および32が、励起されて、回転可能プラットフォーム17のその後の回転の際にまたはシャトル60の移動の際に外方チャンバ26および内方チャンバ27の中において周囲圧力を回復させるために、外部と連通状態に外方チャンバ26および内方チャンバ27を置く。
【0116】
図2に示すバージョンにおいては、検出プロセスのフェーズA〜Dはそれぞれ、約8秒の合計期間を有し、2つの連続するステーションA’〜D’間における90°の回転可能プラットフォーム17の回転は、2秒続く。
【0117】
図2Aおよび
図2Bに示すバージョンにおいては、ある特定のセルにおけるフェーズが終了すると、関連する連結要素が、連結解除状態になり、その後、セルを搬送するシャトルが、後の動作フェーズの自由なステーションへと移動されるように、移動トラック部分へと並進移動される。
【0118】
シャトルが、位置決めされた後に、関連する連結要素は、連結され、検出プロセスの新たなフェーズが、開始される。
【0119】
本発明は、上記の先行技術の限界を克服し、それと同時に複数の他の利点をもたらす。
【0120】
これらは、所望の個数の製品を検出プロセス下に同時に置くことを可能にすることを含み、したがって、高い生産性レベルが得られ、予備デバイスの、したがって必要とされる設置スペース増加が抑えられる。
【0121】
特に、単一の検出システム7と、単一のガス供給システム12と、単一の漏れ検出システム11、すなわち単一の分光計71およびガスを貯蔵するための単一のタンク60とが、提供される。複数のワークステーションが、ある特定のフェーズに提供される場合には、上述のフェーズに関与する検出システム7の部分のみが、倍増されることとなる。
【0122】
また、この場合には、設備ピースは、定置状態に留まるが、セルは、シャトルにより移動され得ることにより、時としてセルが受けるフェーズの試験ステーションに専用化された設備へと連結される。
【0123】
連結デバイス80により、各セル13〜16は、プロセスの種々のフェーズが各セル13〜16において連続的に実施されるように、プロセスのある特定のフェーズA〜Dに必要な検出システム7の部分に対して連結され得る。
【0124】
複数のポンプが、提供され、これらにより、既述のように、外方チャンバおよび内方チャンバ内に減圧をもたらすためのフェーズの分割が可能となり、これにより、各サイクルの時間節減と、実現され得る減圧レベルの、したがって実施される検出作業の精度の上昇とが可能となる。
【0125】
さらに、本発明の装置は、ヘリウムの消費量および浪費を最小限に抑え、これにより、検出セルにおけるバックグラウンドノイズがなくなることによる検出作業の精度の上昇と、使用される検出混合気の純度の上昇と、さらに各サイクルで使用/喪失されるヘリウムの大幅な節減とが、結果的に得られる大幅なコスト節減を伴いつつ可能となる。
【0126】
本出願人は、各使用年ごとおよび/または各2万サイクルごとに約40,000ユーロ〜50,000ユーロ分のヘリウムの節減が実現されると推計している。したがって、また、純ヘリウムを使用することもでき、これにより、実施される検出作業の精度がさらに向上する。
【0127】
本発明のプロセスは、例えば流体または水を冷蔵するためのラジエータ、交換器、燃料用タンク、原子力産業用、航空宇宙産業用、および化学産業用の構成要素など、使用前の気密性試験を必要とする様々な製品を試験するために利用され得る。
【0128】
本発明のプロセスは、5×10
-7ミリバール/秒未満の漏れ速度を有しなければならない構成要素を試験するために利用され得る。
【0129】
さらに、このプロセスは、さらに100,000ccを超える高容量を有する構成要素の試験にも適する。
【0130】
本発明のプロセスは、熱的に安定しない製品の試験にも適する。製造ライン上に、試験すべき製品を加熱する溶接作業があってもよく、したがって、この製品は、高温状態で検出装置に到着する。検査される製品の温度は、断熱性変動をもたらし、すなわちガス圧を上昇させるが、これは、製品における漏れの特定のために化学分析またはトレーサガスの粒子の存在および流れに基づくものであり、物理分析すなわちガス圧に基づくものではないため、本発明の検出プロセスを損なわない。
【0131】
さらに、このプロセスは、弾性構成要素と弾性構成要素を含む構成要素とを試験するのに適する。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
トレーサガスにより気密性製品(50)における漏れを検出するための検出装置(1)であって、前記漏れを検出するために検出プロセスの個別のフェーズ(A〜D)を受けることとなる製品(50)を受けるために設けられた複数のセル(10)と、前記検出プロセスの特定のフェーズ(A〜D)を実施するのにそれぞれが適した複数のワークステーション(A’〜D’)と、前記検出プロセスの前記フェーズ(A〜D)を実施するために適切な連結デバイス(80、80a〜80e)により前記複数のセル(10)の各セル(13、14、15、16)に対して連結されるように設けられた、トレーサガスを使用する検出システム(7)と、を備える、検出装置(1)において、前記セル(13〜16)は、前記検出プロセスの前記個別のフェーズ(A〜D)を受けるために前記装置(1)の前記個別のワークステーション(A’〜D’)に向けて連続的に移動されるように、移動デバイス(17、60)の上に位置決めされることを特徴とする、検出装置(1)。
[2]
前記複数のステーションの各ワークステーション(A’〜D’)は、前記装置の所定の位置に位置決めされる、[1]に記載の装置。
[3]
少なくとも2つのセル(14、14’、14’’、15、15’、16、16’、16’’)が、前記プロセスの前記少なくとも1つのフェーズを同時に受けることが可能となるように、前記プロセス(A〜D)の少なくとも1つのフェーズに対して少なくとも2つのワークステーション(A’〜D’)が提供される、[1]または[2]に記載の装置。
[4]
前記同一フェーズの前記少なくとも2つのワークステーション(A’〜D’)は、前記少なくとも2つのワークステーションが、相互に異なる時点に各セルにおいて前記フェーズの作業を独立的に開始および終了し得るように、相互に独立したものである、[1]〜[3]のいずれかに記載の装置。
[5]
前記検出プロセスの初期減圧フェーズ(B)を実施するように意図された少なくとも2つの初期減圧ステーション(B’)を備える、[4]に記載の装置。
[6]
前記検出プロセスの検出フェーズ(C)を実施するように意図された少なくとも2つの検出ステーション(C’)を備える、[3]または[4]に記載の装置。
[7]
前記移動デバイス(17、60)は、前記プロセスの各フェーズ(A〜D)の少なくとも1つのワークステーション(A’〜D’)にわたり延在する前進経路に沿って前記セル(13〜16)を移動させるように構成される、[3]〜[5]のいずれかに記載の装置。
[8]
前記プロセスの任意のフェーズに提供される任意のワークステーションから前記プロセスの後のフェーズに提供される任意のステーションまでセル(13〜16)を移動させ得る交換要素(601、601’、601’’、601’’’)をさらに備える、[3]〜[6]のいずれかに記載の装置。
[9]
各セルが、連結手段(18、19、33、34)を備え、前記連結手段(18、19、33、34)は、前記プロセスの前記種々のフェーズ(A〜D)が各セル(13〜16)に対して連続的に実施されるように、前記検出システム(7)の所望の部分に対して各フェーズ(A〜D)における各セル(13〜16)を連結するために、前記検出システム(7)の前記連結デバイス(80、80a〜80e)と協働する、[1]〜[8]のいずれかに記載の装置。
[10]
前記移動デバイスは、前記検出プロセスの前記諸フェーズが前記セル(13〜16)に対して連続的に実施され得るように、前記個別のワークステーション(A’〜D’)の方向に前記セル(13〜16)を移動させるために、並進移動デバイスおよび/または回転移動デバイスを備える、[1]〜[9]のいずれかに記載の装置。
[11]
前記移動デバイスは、前記検出プロセスの前記フェーズが前記セル(13〜16)に対して連続的に実施され得るように、前記個別のワークステーション(A’〜D’)の方向に前記セル(13〜16)を移動させるために、回転軸を中心として回転することが可能な回転可能プラットフォーム(17)を備える、[10]に記載の装置。
[12]
前記複数のセル(10)の各セル(13、14、15、16)が、前記製品(50)が上に位置決めされるプレート(20)と、閉鎖デバイス(21)とを備え、前記閉鎖デバイス(21)は、閉鎖位置(X)において前記セル(13〜16)内に前記製品(50)を気密の態様で受けることにより、前記製品(50)と前記閉鎖デバイス(21)の壁部との間に外方チャンバ(26)を、および前記製品(50)の内方壁部と前記プレート(20)と間に内方チャンバ(27)を画成するように、前記プレート(20)に対して移動可能であり、前記外方チャンバ(26)および前記内方チャンバ(27)は、前記検出プロセスの前記個別のフェーズ(A〜D)を実施するための前記検出システム(7)に対して各セル(13〜16)を連結するように前記検出システム(7)の前記連結デバイス(80、80a〜80e)と協働するように設けられた連結手段(18、19)を備える、[1]〜[11]のいずれかに記載の装置。
[13]
前記検出システム(7)は、各セル(13〜16)の前記外方チャンバ(26)に対してトレーサガスを供給するためのガス供給システム(12)と、前記製品(50)におけるどんな漏れをも検出するために前記内方チャンバ(27)に対して連結されるように設けられた漏れ検出システム(11)とを備える、[11]に記載の装置。
[14]
前記検出システム(7)は、前記外方チャンバ(26)および/または前記内方チャンバ(27)の中に収容されたガスを引き込むために、前記外方チャンバ(26)および/または前記内方チャンバ(27)に対して連続的に連結されるように設けられた複数の取込みポンプ(54、64、70、70’)と、前記製品(50)のどんな欠陥をも検出するために前記内方チャンバ(27)に対して連結されるように設けられた分光計(71)と、前記トレーサガス用の貯蔵タンク(60)とを備える、[11]に記載の装置。
[15]
前記ワークステーション(A’〜D’)は、グリッパ要素により検査済み製品(50)が、前記セル(13〜16)から取り出され、前記検査済み製品を排出するのに適したデバイス(9’、9’’)の上に位置決めされる、少なくとも1つの装填/装填解除ステーション(A’)を備え、検査される製品(50)が、前記セル(13〜16)内に装填される、[1]〜[14]のいずれかに記載の装置。
[16]
前記ワークステーション(A’〜D’)は、前記検出システム(7)の初期減圧ポンプ(54)により、前記内方チャンバ(27)内においておよびその後前記外方チャンバ(26)内において、所望の減圧レベルがもたらされる、少なくとも1つの初期減圧ステーション(B’)を備える、[1]〜[15]のいずれかに記載の装置。
[17]
前記ワークステーション(A’〜D’)は、前記検出システム(7)の最終減圧ポンプ(64)により、残留ガスが、前記外方チャンバ(26)内において所望の最終減圧値をもたらすために前記外方チャンバ(26)内に引き込まれ、前記減圧ポンプ(70、70’)により、残留ガスが、前記内方チャンバ(27)内に引き込まれ、その後、前記内方チャンバ(27)が、前記製品(50)における漏れを検出するために前記検出分光器(71)に対して連結される、少なくとも1つの検出ステーション(C’)を備える、[1]〜[16]のいずれかに記載の装置。
[18]
前記ワークステーション(A’〜D’)は、前記検出システム(7)のガス回収システム(73)により、ガスが、前記外方チャンバ(26)および前記内方チャンバ(27)から引き込まれて、前記検出システム(7)に対して供給される、少なくとも1つの回収ステーション(D’)を備える、[1]〜[17]のいずれかに記載の装置。
[19]
一連のフェーズ(A〜D)に応じて検出システム(7)によりトレーサガスを用いて気密性製品(50)の欠陥を検出するための方法であって、複数の検出セル(10)のセル(13〜16)内に製品(50)を位置決めすることと、前記検出方法の個別の連続するフェーズ(A〜D)下に前記セル(13〜16)を置くために、検出装置の個別のワークステーション(A’〜D’)に向けて前記セル(13〜16)を移動させることとを備え、前記方法の各フェーズ(A〜D)が、ある特定のワークステーション(A’〜D’)において実施される、方法。
[20]
各ワークステーション(A’〜D’)が、検出装置の所定の位置に設けられる、[19]に記載の方法。
[21]
前記方法の各フェーズ(A〜D)が、ある特定のワークステーション(A’〜D’)において前記セルを定置状態に維持することにより実施される、[19]または[20]に記載の方法。
[22]
少なくとも2つのセル(14、14’、14’’、15、15’、16、16’、16’’)が、前記検出方法の前記少なくとも1つのフェーズを同時に受けることが可能となるように、前記方法の少なくとも1つのフェーズ(A〜D)に対して少なくとも2つのワークステーション(A’〜D’)が提供される、[19]〜[21]のいずれかに記載の方法。
[23]
前記同一フェーズの前記少なくとも2つのワークステーション(A’〜D’)は、前記少なくとも2つのワークステーションが、相互に異なる時点に各セルにおいて前記フェーズの作業を独立的に開始および終了し得るように、相互に独立したものである、[22]に記載の方法。
[24]
ステーション(A’〜D’)内に前記セルを位置決めした後の各フェーズにおいて、前記方法の前記関連するフェーズ(A〜D)を実施するために、関連する連結手段(18、19、33、34)により前記検出システム(7)の適切な部分に対して各セル(13〜16)を連結する措置が取られる、[19]〜[23]のいずれかに記載の方法。
[25]
前記フェーズは、所望の減圧レベルが前記セル(13〜16)の内方チャンバ(27)内において、およびその後外方チャンバ(26)内においてもたらされる、初期減圧フェーズ(B)と、残留ガスが、前記外方チャンバ(26)および前記内方チャンバ(27)内において所望の最終減圧レベルをもたらすために、前記外方チャンバ(26)内におよび前記内方チャンバ(27)内に引き込まれる、次の減圧フェーズ(C)とを備える、[24]に記載の方法。