特許第6193235号(P6193235)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6193235
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】貯蔵容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 21/024 20060101AFI20170828BHJP
   A47B 87/02 20060101ALI20170828BHJP
   B65D 21/02 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   B65D21/024
   A47B87/02
   B65D21/02 510
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-529125(P2014-529125)
(86)(22)【出願日】2012年9月7日
(65)【公表番号】特表2014-532011(P2014-532011A)
(43)【公表日】2014年12月4日
(86)【国際出願番号】IB2012054645
(87)【国際公開番号】WO2013035079
(87)【国際公開日】20130314
【審査請求日】2015年8月27日
(31)【優先権主張番号】BE201100537
(32)【優先日】2011年9月9日
(33)【優先権主張国】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】513154463
【氏名又は名称】ザ チラフィッシュ カンパニー エンフェー
【氏名又は名称原語表記】The CHILLAFISH Company NV
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】デ レック,ゼバスティアン
【審査官】 長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−099197(JP,A)
【文献】 西独国特許出願公告第01071555(DE,B)
【文献】 スイス国特許出願公開第00536232(CH,A3)
【文献】 米国特許第06991115(US,B2)
【文献】 実公平07−051472(JP,Y2)
【文献】 特開平10−031014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 21/024
A47B 87/02
B65D 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間(3)を画定する概ね立方体のハウジング(2)を含む貯蔵容器であって、前記ハウジング(2)が、底壁(4)、上壁(5)、左側壁(6)、右側壁(7)、後壁(8)、および前壁(9)を含み、全てが概ね正方形の外形を有し、それにより少なくとも前記前壁(9)は、上記壁(4〜9)によって画定された前記内部空間(3)へのアクセスを提供する開口(10)が設けられ、およびそれにより少なくとも前記側壁(6〜7)はそれらの外面側に連結手段(11)が設けられ、それによりこれら連結手段(11)は、連結手段(11)により前記貯蔵容器(1)が、それらの両方の前壁が同じ面にある状態で、または前記貯蔵容器(1)の一方の前記前壁が他方の貯蔵容器(1)の前記後壁と同じ面にある状態で連結されることが可能になるような方法で作製され、それにより前記側壁(6〜7)に設けられた前記連結手段(11)が少なくとも二柱式にされ、それにより対向する柱が相補的、すなわち結合可能であり、前記前壁(9)および前記後壁(8)に平行でありかつこれら壁(8〜9)の間の中間に概ね位置付けられる第1垂直正中面に対して対称に位置付けられる貯蔵容器において、前記左側壁(6)の前記連結手段(11)および前記右側壁(7)の前記連結手段(11)を少なくとも含む前記2つの柱のそれぞれが、1つの雄型部分(12)と1つの雌型部分(13)からなり、それにより第1の柱の前記雄型部分(12)が他方の柱の前記雌型部分(13)と少なくとも相補的であり、およびそれにより壁(6〜7)あたり合計4つの前記連結手段が、該当する前記側壁の真中に概ね設けられた仮想正方形の角に位置付けられ、それにより2つの前記雄型部分(12)および2つの前記雌型部分(13)が前記仮想正方形の対角すなわち隣接しない角を占めており、
前記雄型部分(12)が、第1の外径を有する円筒状突起であって、自由端部付近に密閉キャップ(14)が設けられているかいないかのどちらかであり、設けられている場合はスタッド(15)と呼ばれる円筒状突起からなり、一方で、前記雌型部分(13)が、スリーブ(16)とも呼ばれ、前記第1の外径といくらかの遊びを持って対応する第1の内径によって特徴づけられる、開口端部を有する円筒状突起からなり、その結果、前記雄型部分を適切な方法で、例えば押し込む方法で、前記雌型部分に挿入でき、
前記上壁(5)に設けられた前記連結手段(11)が、該当する前記上壁(5)の真中に概ね提供された仮想正方形の角に位置付けられた2つのスタッド(15)および2つのスリーブ(16)を含み、それにより前記2つのスタッド(15)および前記2つのスリーブ(16)が前記仮想正方形の対角すなわち隣接しない角を占め、およびそれにより前記スタッド(15)の外径および/またはこれらスリーブの内径および/またはそれらの相互位置が、前記側壁(6、7)に設けられたスタッド(15)およびスリーブ(16)の対応する直径または位置から制限範囲まで逸脱し、その結果、視覚的相似性が得られるが、第1貯蔵容器(1)の前記上壁(5)の、側壁(6、7)に対する意図しない連結が不可能にされることを特徴とする貯蔵容器。
【請求項2】
請求項1に記載の貯蔵容器において、前記左側壁(6)の連結手段の2つの柱が、前記右側壁(7)の連結手段の2つの柱と反対に位置付けられ、すなわち、前記左側壁(6)において、雄型部分と雌型部分が第1の並びである正の柱が前記前壁(9)付近に、従って雄型部分と雌型部分が前記第1の並びとは逆の第2の並びである負の柱が前記後壁(8)付近に位置付けられるが、これは前記右側壁(7)において反対である、すなわち逆であることを特徴とする貯蔵容器。
【請求項3】
請求項1に記載の貯蔵容器において、前記側壁(6〜7)ごとの4つの連結手段が仮想の正方形の角度で配置され、前記上壁(5)の近くに配置された2つの前記連結手段が相互に相補的であり、前記底壁(4)の近くに配置された2つの前記連結手段も相互に相補的であるが、互いに垂直の並びの連結手段は相補的ではなく、すなわち、前記後壁(8)の近くに配置された2つの前記連結手段は相補的ではなく、前記前壁(9)の近くに配置された2つの前記連結手段も相補的ではないことを特徴とする貯蔵容器。
【請求項4】
請求項1に記載の貯蔵容器において、前記側壁(6〜7)ごとの4つの連結手段が仮想の正方形の角度で配置され、前記上壁(5)の近くに配置された2つの前記連結手段が相互に相補的であり、前記底壁(4)の近くに配置された2つの前記連結手段も相互に相補的であり、互いに垂直の並びの連結手段も相補的であり、すなわち、前記後壁(8)の近くに配置された2つの前記連結手段が相補的であり、前記前壁(9)の近くに配置された2つの前記連結手段も相補的であることを特徴とする貯蔵容器。
【請求項5】
請求項1乃至の何れか一項に記載の貯蔵容器において、前記後壁(8)は、側壁(6、7)に設けられた前記連結手段(11)に対応する連結手段(11)が設けられ、その結果、2つのそのような貯蔵容器(1)を、それぞれの後壁(8)を相互に連結することによって、または後壁(8)を側壁(6、7)に連結することによって、連結できることを特徴とする貯蔵容器。
【請求項6】
請求項1乃至の何れか一項に記載の貯蔵容器において、前記底壁(4)および前記上壁(5)は相補的連結手段(11)が設けられることを特徴とする貯蔵容器。
【請求項7】
請求項に記載の貯蔵容器において、前記底壁(4)に設けられた前記連結手段(11)が少なくとも2つの連結手段からなり、前記少なくとも2つの連結手段が、全体として、前記上壁(5)に設けられた少なくとも2つの連結手段と相補的であることを特徴とする貯蔵容器。
【請求項8】
請求項に記載の貯蔵容器において、前記底壁(4)の前記少なくとも2つの連結手段のそれぞれが、前記上壁(5)の前記少なくとも2つの連結手段のそれぞれと相補的であること、および前記底壁(4)および前記上壁(5)の前記少なくとも2つの連結手段が、前記左側壁(6)および右側壁(7)と平行にかつそれらの真中に位置付けられた第2垂直正中面に対して対称に位置付けられることを特徴とする貯蔵容器。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の貯蔵容器において、前記底壁(4)に設けられた前記連結手段(11)が、前記上壁(5)に設けられた前記スタッド(15)およびスリーブ(16)と相補的な4つのスリーブを含むことを特徴とする貯蔵容器。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の貯蔵容器において、前記上壁(5)に設けられた前記2つのスタッド(15)が、前記側壁(6、7)に設けられた前記スタッド(15)の前記第1の外径に対応する外径を有すること、前記上壁(5)の前記スリーブ(16)が前記側壁(6、7)に設けられた前記スリーブの内径より小さい内径を有すること、前記上壁(5)の前記スリーブ(16)が、前記側壁(6、7)に設けられた前記スタッド(15)の外径に概ね対応する外径を有すること、および前記底壁(4)の前記スリーブ(16)が、前記側壁(6、7)に設けられた前記スリーブ(16)の前記第1の内径に対応する内径を有することを特徴とする貯蔵容器。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の貯蔵容器において、前記貯蔵容器(1)が、底壁(4L)、開口上側(5L)、左側壁(6L)、右側壁(7L)、後壁(8L)および前壁(9L)が設けられた引出し(18)を含み、それにより、水平に配置された底壁(4L)を起点にして、前記4つの他の壁(6L〜8L)の少なくとも3つが、コンパクトな積み重ねを考慮して、前記開口上側(5L)の方向において互いに離れるように移動することを特徴とする貯蔵容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯蔵容器に関し、詳細には、モジュール式貯蔵システムの構成用ブロックを形成することができる貯蔵容器に関する。
【0002】
そのような貯蔵容器およびモジュール式貯蔵システムは良く知られているが、既存の解決策は欠点かつ限界を有する。
【0003】
知られている貯蔵容器は概ね、下および上にある同型のビンとそれぞれ協働できる連結手段が上下に設けられた積み重ね可能なビンからなる。
【0004】
そのようなビンの問題は、どのような品物がどのようなビンに保管されているかを見ることが容易でなく、および、品物をビンに保管できる前、または取り出せる前、必要なビンに至るまで、積み重ねをとにかくばらさなければならないことである。
【0005】
あるいは、例えば国際公開第2010011627号パンフレットに記載されているような、横方向のアクセスを有し、横方向に拡張できる引出しが設けられているかいないかのどちらかである積み重ね可能な箱またはその類似物がある。
【0006】
この全てにより、概観およびアクセシビリティを維持することが簡単になるが、そのような貯蔵システムは、安定性に関する制約のため、積み重ね可能性が制限されるという点で限界を有する。
【0007】
米国特許第3,999,818号明細書は、開放的な貯蔵構造体を組み立てることを可能にする様々な壁に連結手段が設けられた積み重ね可能な容器またはビンを記載している。
【0008】
容器は、容器が組み立てられた状態のときでさえ、内部へのアクセスを提供する横からアクセスできる開口が設けられる。
【0009】
しかしながら、上記の連結手段は、制限された数の組立て可能性だけを提供し、組立体の全体的な外観を、シンプルにして美的とみなすことはほとんどできない。
【0010】
これらおよび他の欠点は、英国特許第2441378号明細書に記載されている箱に見出すことができる。
【0011】
本発明は、モジュールが貯蔵システムに組み立てられた状態のときのような別個に使用されているときの両方で、異なる貯蔵容器への容易なアクセスを可能にし、および別個の補助手段をいっさい必要とすることなく、高度な柔軟性を有するが同時に誤った構造を防止する一次元、二次元または三次元の安定した構造体を組み立てることを可能にし、この間常に、貯蔵容器の外観に注意を払っている、貯蔵容器を提供することを目的とする。
【0012】
このため、本発明は、内部空間を画定する概ね立方体のハウジングを含む貯蔵容器に関し、ハウジングが底壁、上壁、左側壁、右側壁、後壁、および前壁を含み、その全てが概ね正方形の外形を有し、それにより少なくとも前壁に、上記の各壁によって画定される内部空間へのアクセスを提供する開口が設けられ、およびそれにより少なくとも側壁は、それらの外面側に連結手段が設けられ、それによりこれら連結手段は、連結手段によってそのような貯蔵容器が、両方の前壁が同じ面にある状態で、または貯蔵容器の一方の前壁が他方の貯蔵容器の後壁と同じ面にある状態で、連結されることが可能になるような方法で作製され、それにより側壁に設けられた連結手段は少なくとも二柱式(bipolar)にされ、それにより対向する柱が相補的すなわち連結可能であり、前壁および後壁と平行でありかつこれら壁の間の中間に概ね位置付けられる第1垂直正中面に対して対称に位置付けられ、それにより左側壁の連結手段および右側壁の連結手段を少なくとも含む2つの柱のそれぞれは、1つの雄型部分と1つの雌型部分からなり、それにより第1の柱の雄型部分は他方の柱の雌型部分と少なくとも相補的であり、およびそれにより壁あたり合計4つの連結部材が、関連する側壁の真中に概ね提供される仮想正方形の角に配置され、それにより2つの雄型部分および2つの雌型部分が仮想正方形の対角すなわち隣接しない角を占める。
【0013】
明確にするため、貯蔵容器は、別段示されない場合、貯蔵容器からある距離でとられた、特に前壁の開口の延長部における視点から記載される。
【0014】
ここで開口が前壁と呼ばれるものに設けられているという事実は、完全に任意である。
【0015】
好ましい実施形態によれば、左側壁の柱は右側壁の柱と反対である、すなわち左側壁の正の柱が前壁付近に、従って負の柱が後壁付近に位置付けられている場合、これは右側壁では逆である。
【0016】
実際、これにより、各前壁が反対方向に向けられているときでさえ、2つのそのような貯蔵容器を一緒に連結する可能性が提供される。
【0017】
換言すると、そのような前壁の反対の向きは、2つの貯蔵容器の連結をもたらし、それにより各右壁または左壁が連結され、それにより各前壁は他の貯蔵容器の後壁と同じ面に位置付けられる。
【0018】
左側壁の雄型部分および雌型部分は、右側壁の雄型部分および雌型部分と逆に配置される、すなわち、左側壁において、雄型部分は底部の前壁付近に位置付けられるが、右側壁において、雄型部分は上部の前壁付近に位置付けられる、またはその逆である。
【0019】
そのような逆の配置は、貯蔵容器の左の位置からみると、貯蔵容器の右の位置から見るときと同じパターンであることに気付くので、連結手段が両方の側壁において対応して配置されていることを一目で示していることに留意されたい。
【0020】
実際、両視点を起点にして、雌型部分の対角線は例えば左下から右上に走る。しかしながら、左下は、第1の観察において後壁付近に、第2の観察において前壁付近に位置する。
【0021】
雄型部分を正の柱、雌型部分を負の柱と考えてもよいが、これは完全に任意である。
【0022】
連結手段のそのような実施形態の結果、側壁ごとに、2つは正の柱であり2つは負の柱である4つの柱がもたらされ、それら柱はさらに、第1垂直正中面に対して、およびそれに対して直角であり前記底壁と上壁の間の真中に位置付けられる水平正中面に対して対称的に位置付けられる。
【0023】
事実上、従って各側壁の連結手段は4つの柱を含むが、これら柱が2つずつグループ化されるものとして考慮されるとき、2つの柱は憂慮する。
【0024】
これにより、各上壁が反対方向を向いているときでさえ、2つのそのような貯蔵容器を一緒に連結する可能性が提供される。
【0025】
これが、例えば構造的な制限のために望ましくない場合、上に位置付けられた柱を相補的にし、同じく底に位置付けられた柱を相補的にする可能性が当然あるが、上に位置付けられた柱および底に位置付けられた柱は相補的でないようなやり方である。
【0026】
このようにして、望ましくない結合および積み重ねは防止される。
【0027】
しかしながら、視覚効果を維持するために、制限された方法でサイズまたは相互配置を調整するだけでよく、その結果、取付けはもはや不可能である。
【0028】
雄型部分は第1の外径を有する円筒状突起からなってもよく、それは自由端部の近くに密閉キャップが設けられているかいないかのどちらかであり、設けられている場合、スタッドと呼ばれ、一方で、雌型部分は開放端部を有するスリーブと呼ばれる円筒状突起からなってもよく、それは第1の外径に遊びを持って対応する第1の内径によって特徴づけられ、その結果、雄型部分を適切な方法で雌型部分に、例えば押し込む方法で、挿入することができる。
【0029】
これによって、関連する壁によって形成される面と平行な横方向の移動が防止され、そして連結が押込み特性を有する程度まで、同じく相互の分離移動を、意図されなかった限り、防止することができる。
【0030】
エッジおよび溝等を協働連結部材に設けることによって、さらに確実な連結を達成できることは明らかである。
【0031】
実施形態の好ましい変形によれば、後壁は、側壁の連結手段に対応する連結手段が設けられる。
【0032】
これにより、各後壁を相互に連結することによって、および後壁を側壁に連結することによって、2つのそのような貯蔵容器を連結することが可能になる。
【0033】
後者の連結は、それにより例えば壁構造が目標とされる貯蔵容器のより大規模な組立体で特に有用であり得、およびそれにより横断端部において、貯蔵容器の開口を壁の横断側に向けるように選択する。
【0034】
実施形態の好ましい変形によれば、底壁および上壁は連結手段が設けられる。
【0035】
これにより高さのある頑丈に積み重ねられた構造体を組み立てることが可能になる。
【0036】
好ましい実施形態によれば、底壁に設けられた連結手段は、全体として上壁に設けられた少なくとも2つの連結手段と相補的な少なくとも2つの連結手段からなる。
【0037】
そのような連結手段により、貯蔵容器を接着して横たえて組み立てることが可能になる。
【0038】
接着して横たわる対称構造、すなわち、それにより正確に貯蔵容器の一方の第1半部が下の第1貯蔵容器に提供され、一方、貯蔵容器の他方の半部が下の第2の隣接する貯蔵容器に提供されることを確実にするために、底壁の少なくとも2つの連結手段のそれぞれが上壁の少なくとも2つの連結手段のそれぞれと相補的であること、および底壁および上壁の少なくとも2つの連結手段が、左側壁および右側壁と平行でありかつそれらの真中に位置付けられる第2垂直正中面に対して対称に位置付けられることが必要である。
【0039】
一般的に、側壁に適用されるパターンをコピーし、それを底壁および上壁に適用することを考えるであろうが、前記連結手段は上記要件を満たさない、ゆえに接着して横たわる組立体を可能にしない。
【0040】
さらに、このパターンは、各前壁の90°または270°の相互回転が目的とされるとき、貯蔵容器が相互に組み立てられることを可能にしないであろう。
【0041】
他方、そのようなパターンにより、貯蔵容器を組み立てることが可能になり、それにより側壁は上壁および底壁に連結され、これは例えば構造的制限および関連の安全性のせいであることを目的としない。
【0042】
従って、側壁に適用された連結手段と相補的でない連結手段を選択することが好ましい。
【0043】
それにもかかわらず、視覚的調和を得るために、好ましい実施形態によれば、第2の内径が側壁の雌型部分の第1の内径よりいくぶん小さいので、第1の外径を有する雄型部分を中に提供することを不可能にする第2の内径を雌型部分が有するというこの相違とともに、上壁の連結手段は側壁の連結手段と実質的に完全に対応する。
【0044】
目はこれらの相違に気が付かないであろう。事実上、一見して雌型に見えるこれら部分は雄型部分として機能するが、それらはここでは密閉キャップが設けられない。それらの外径は、例えば、雄型部分と対応するように作ることができる。このようにして、雄型部分を、底壁に設けられた4つの雌型部分に挿入することができる。
【0045】
底壁のこれら連結手段は、上壁の4つの雄型部分と組み合わせて機能できる4つの雌型部分からなり、地面に置かれるとき、それらの均一性と側壁に設けられた雄型部分の外径と比べて4つの雌型部分のより大きい外径のおかげで、追加の安定性を提供する。
【0046】
底壁の各連結部材が上壁の各連結部材と相補的であるとき、および4つの連結部材が第2垂直正中面に対して対称に、同じく第1垂直正中面に対して対称に位置付けられるとき、貯蔵容器を、上に重ねて真直ぐに、あるいは接着して横たえて、各前壁の90°、180°または270°の相互回転が可能な状態で、組み立てることが可能になる。
【0047】
本発明の特徴をより深く説明するために、本発明による貯蔵容器の以下の好ましい実施形態を、単に例として、如何様にも限定することなく、添付図面を参照して与える。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1図1は、斜視的に見た本発明による貯蔵容器を示す。
図2図2は、図1に従うが引出しが省略された貯蔵容器を示す。
図3図3は、図2に従う貯蔵容器を右側面図で示す。
図4図4は、図2に従う貯蔵容器を左側面図で示す。
図5図5は、図2に従う貯蔵容器を上面図で示す。
図6図6は、図2に従う貯蔵容器を底面図で示す。
図7図7は、図2に従う貯蔵容器を背面図で示す。
図8図8は、図2に従う貯蔵容器を正面図で示す。
図9図9は、図1に従う貯蔵容器を正面図で示す。
図10図10は、前半分が省略されたいくつかの重ねられた引出しを斜視的に示す。
【0049】
図1は本発明による貯蔵容器1である。
【0050】
貯蔵容器1は、内部空間3を画定する主として立方体のハウジング2を含む。
【0051】
ハウジング2は、底壁4と、上壁5と、左側壁6および右側壁7と、後壁8と、前壁9とを含む。
【0052】
これらの壁は全て、主として正方形の周辺形状を有するが、ここでは完全に平らではなく、周縁部の近くで丸められている。
【0053】
前壁9には、上記の壁4〜9によって画定される内部空間3へのアクセスを提供する開口10が設けられる。
【0054】
側壁6と7、後壁8、底壁4、および上壁5は、外面側に連結手段11が設けられ、それにより貯蔵容器1のいくつかを組み立て、連結することが可能になる。
【0055】
図1〜9から明らかなように、連結手段11はこの実施形態では円筒状突起から形成され、円筒状突起は自由端部の近くに密閉キャップが設けられているかいないかのどちらかである。
【0056】
一見すると、異なる壁5〜8およびそれらに設けられた連結手段11は、そのやり方で意図されたように、非常に似ているが、以下の説明から明らかになるように、連結手段11はよく考え抜かれている。
【0057】
左側壁6の連結手段11および右側壁7の連結手段は、2つの雄型部分12と2つの相補的な雌型部分13とからなり、2つの雄型部分12と2つの相補的な雌型部分13は、該当する側壁6および7の真中に主として設けられる仮想正方形の角に配置され、それにより2つの雄型部分12および2つの雌型部分13は仮想正方形の対角すなわち隣接しない角を占める。
【0058】
雄型部分12を正の柱、雌型部分13を負の柱と考えてもよいが、これは完全に任意である。
【0059】
事実上、従って連結手段11は各側壁6および7に4つの柱を含むが、これら柱が2つずつグループ化されるものとして考慮されるとき、2つの柱は憂慮する。雄型部分12は第1の外径を有する円筒状突起からなり、それらはここでは自由端部の近くに密閉キャップ14が設けられている。密閉キャップ14が設けられたそのような雄型部分12を同じくスタッド15と呼ぶ。
【0060】
雌型部分13は常に開放端部を有する円筒状突起からなり、それらは雄型部分12の第1の外径に遊びを持って対応する第1の内径によって特徴づけられ、その結果、雄型部分12を適切な方法で雌型部分13に、例えば押し込む方法で、挿入することができる。
【0061】
開放遠位端を有する円筒状突起を同じくスリーブ16と呼ぶが、明らかになるように、スリーブ16は常に雌型連結部材13であるとは限らない。
【0062】
左側壁6の雄型部分12および雌型部分13は、右側壁7と逆に配置される、すなわち、左側壁6において、雄型部分12は前壁9の近くで底部に位置付けられるが、右側壁7において雄型部分12は前壁9の近くで上部に位置付けられる。これを逆にできることは明白である。
【0063】
そのような逆の配置は、貯蔵容器1の左の位置からみると、貯蔵容器1の右の位置から見るときと同じパターンであることに気付くので、連結手段11が側壁6および7の両方において対応して配置されていることを一目で示していることに留意されたい。
【0064】
実際、両視点を起点にして、雌型部分13の対角線は左下から右上に走る。しかしながら、左下は、第1の観察において後壁8付近に、第2の観察において前壁9付近に位置する。
【0065】
連結手段11のそのような実施形態の結果、側壁ごとに、2つは正の柱であり2つは負の柱である4つの柱がもたらされ、それら柱はさらに、第1垂直正中面に対して、および水平正中面に対して対称的に位置付けられる。
【0066】
第1垂直正中面は、前壁9と後壁8に平行に位置付けられ、かつ主としてこれら壁8および9の中間に位置付けられる面として定義される。
【0067】
水平正中面は、それに直角であり、かつ底壁4と上壁5の中間に位置付けられる面として定義される。
【0068】
後壁8には、側壁6および7の連結手段11に対応する連結手段11が設けられる。
【0069】
底壁4および上壁5には、側壁6および7に、および後壁8に設けられた連結手段11と視覚的に非常に類似しているが相補的でない連結手段11が設けられる。
【0070】
上壁5に設けられた連結手段11は、スリーブ16が第1外径を有する雄型部分12を中に配置することを許容しない第2内径を有するという点で、側壁6および7に設けられた連結手段11と異なる。
【0071】
そのために、ここでの場合のように、少なくとも雄型部分12の外径が側壁6および7の雄型部分12の外径に対応する場合、第2内径は側壁6および7の雌型部分13の第1内径よりいくらか小さい。
【0072】
あるいは雄型部分12の外径を側壁6および7の雄型部分12の外径よりいくらか大きくできること、または他の最小限の相違を提供できることは明白である。
【0073】
一見してこれら上壁5のスリーブ16は雌型部分のように見えるが、それらは雄型部分として機能する。
【0074】
それらの外径、いわゆる第2外径は、ここでは雄型部分12の第1外径に対応する。
【0075】
底壁4には、上壁5の4つの機能的雄型連結部材と組み合わせて機能できる、従ってそれらと相補的な4つの雌型部分13からなる連結手段11が設けられる。
【0076】
このため、それらは全て、第1内径を有するスリーブ16である。
【0077】
図1、2および8、ならびに上で言及した、内部空間3へのアクセスを提供する開口10が設けられた前壁9を参照して、内部空間3の特徴を以下で考察する。
【0078】
内部空間3は、壁4〜7の撓みに抵抗するように主として意図された一連のリブ17によって特徴づけられる。
【0079】
これらリブ17は、開口10を介して内部空間3に挿入できる引出し18に対する支持を提供するように、壁4〜7を起点としてそれらからかなりの距離まで延びる。
【0080】
引出し18は、底壁4L、開口上部5L、左側壁6L、右側壁7L、後壁8L、および前壁9Lを含む。
【0081】
ハウジング2と対照的に、引出し18は立方体形状ではないが、前壁9Lはここでは概ね平らである。
【0082】
水平に位置付けられた底壁4Lに対して、前壁9Lはここでは概ね垂直に延在するが、他の壁6L〜8Lは、上に向かう方向において、互いに徐々に離れて移動する。
【0083】
前壁9Lは自由上縁20付近に凹部19が設けられる。
【0084】
取り付けられた状態で、前壁9Lはハウジング2の前壁9と概ね一致すること、およびまた開口10の外形が引出し18の前壁9Lの周縁部と一致することに留意されたい。
【0085】
本発明による貯蔵容器1の運用および使用は簡単であり、以下のようなものである。
【0086】
第1貯蔵容器1は、底壁4を下に向けた状態で、例えば自立した状態で、複合貯蔵構造体を組み立てたい地面に置かれる。
【0087】
別の貯蔵容器1が、例えば前壁9が同じ方向に向けられた状態で、第1貯蔵容器1の右側壁7に対して置かれ、隣接する側壁6および7の相補的連結手段11を協働させることによって、第1貯蔵容器1と連結される。
【0088】
この全てを、貯蔵構造体の線状基本構造が得られるように繰り返すことができる。
【0089】
複合貯蔵構造体の上方構造に関して、貯蔵容器1を下の層に接着して横たえるように提供することを選択してもよく、それは当然のことながら全体として貯蔵構造体の強度を促進する。
【0090】
接着して横たえるそのような構成は、底壁4および上壁5の連結手段11が、側壁6および7の連結手段11に対応する場合、不可能であろう。
【0091】
しかしながら、貯蔵容器1は同じく横方向に連結され、それらを接着剤なしに組み立てることできるので、接着組立体は必要ない。
【0092】
連結手段11によって、それらが設けられる壁によって形成される面と平行な横方向の移動が防止され、そして連結が押込み特性を有する程度まで、同じく前記面に直角な方向における相互の分離移動を防止できる、または困難にすることができる。
【0093】
第1垂直正中面周囲の対称的二柱性のおかげで、および右側壁7の構成に対する左側壁6の柱の逆構成のおかげで、いくつかの貯蔵容器1を180°、すなわち前壁9を反対方向に向けた状態に回転させることを任意選択的に選択してもよいことに留意されたい。
【0094】
後壁8の連結手段11が側壁6および7の連結手段と対応するので、複合貯蔵構造体の横断端部の貯蔵容器1を、代替的に90°、すなわち前壁9が横断端部の方向にある状態に回転させることができる。
【0095】
同じく後壁8は相互に連結可能であり、それにより複合貯蔵構造体は、後壁8と後壁8によって、すなわち、換言すると「背中合わせ」で連結されている貯蔵容器1の「二重壁」からなることができる。
【0096】
2つのそのような貯蔵容器1を一緒に連結することの意図しない可能性は、それらの各上壁5が反対方向に向けられている場合さえ、上壁5および底壁4の連結手段11の特別なディテールによって防止される。
【0097】
このようにして、あらゆる望まない積み重ねは防止される。
【0098】
同じく側壁6または7の、あるいは後壁8の、上壁5または底壁4への意図せぬ連結は防止される。
【0099】
実際、底壁4および上壁5には、目的通りに、側壁6および7、ならびに後壁8に設けられたような連結手段11と非常に似ているが相補的でない連結手段11が設けられる。
【0100】
底壁4には、上壁5の4つの雄型部分12と組み合わせて機能できる、従ってそれらと相補的である4つの雌型部分13からなる連結手段11が設けられる。
【0101】
換言すると、それらは上壁5に設けられた連結手段11との連結のみを、しかしあらゆる所望の方向の、そして接着して横たわるような連結を、許容する。
【0102】
この全てにより、上壁5を側壁6または7に、あるいは後壁8に連結した状態で貯蔵容器1が連結されることが防止される。
【0103】
所与の実施形態では、貯蔵容器1は、上壁5に対して直角に向けられた力に対抗して、撓み抵抗性を主に提供できるので、そのような連結は実際に望まれないであろう。
【0104】
上壁の連結手段11の視覚的相似は、美的な釣り合いについて設計された。従って美的なつり合いは達成される。
【0105】
底壁4に設けられた連結手段11の各連結部材は上壁5の各連結部材と相補的であること、および4つの連結手段は第2垂直正中面に関して、同じく第1垂直正中面に関して、対称的に位置付けられることに留意されたい。
【0106】
この全てにより、貯蔵容器1を、上に重ねてまたは接着して横たえて、各前壁の90°、180°または270°の相互回転が可能な状態で、真直ぐに組み立てることが可能になる。
【0107】
側壁6および7、ならびに後壁8に設けられた連結手段11によって提供されるような既に考察した可能性とともに、考察される好ましい実施形態は多数の組立て可能性を提供し、それによりあらゆる望ましくない組立ての危険性は最小限に制限される。
【0108】
まとめると、本発明による貯蔵容器1はそのようにまたは個々に使用可能であり、または本発明による貯蔵容器1は、各前壁の90°、180°または270°の相互回転が可能な状態で、一次元、二次元または三次元構造に組立て可能であり、それにより底壁4は1つまたは2つの上壁5に連結可能であり、三次元構造は接着して横たえる構成に適用し、および/または、本発明による貯蔵容器1は、協働しかつ連結される側壁6および/または7および/または後壁8によって組み立て可能であり、その間、対称性および関係する全側面の視覚的に同一に見える連結部材は維持される。
【0109】
記載したように、内部空間3は、壁からかなりの距離まで延びる一連のリブ17によって特徴づけられ、その結果、引出し18は一方で内部空間3に導入可能であり、かつ他方でこれらリブ17によって支持され、その上に載る。
【0110】
記載したような引出し18の形状により、異なる引出し18を互いに重ねることが可能になり、コンパクトな保管および効率的な輸送が可能になる。
【0111】
引出し18の前壁9Lの自由上側縁部20付近の凹部19により、引出しが貯蔵容器1に導入されたあと、引出しを開けることが可能になる。
【0112】
本発明は、例として記載され図面に示された実施形態に決して制限されない。反対に、本発明による貯蔵容器は、本発明の範囲内に留まりながら、あらゆる種類の形状および寸法に作製することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10