特許第6193341号(P6193341)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱製鋼株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6193341-施錠装置 図000002
  • 特許6193341-施錠装置 図000003
  • 特許6193341-施錠装置 図000004
  • 特許6193341-施錠装置 図000005
  • 特許6193341-施錠装置 図000006
  • 特許6193341-施錠装置 図000007
  • 特許6193341-施錠装置 図000008
  • 特許6193341-施錠装置 図000009
  • 特許6193341-施錠装置 図000010
  • 特許6193341-施錠装置 図000011
  • 特許6193341-施錠装置 図000012
  • 特許6193341-施錠装置 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6193341
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】施錠装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 65/06 20060101AFI20170828BHJP
   E05C 1/06 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   E05B65/06 F
   E05C1/06 E
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-249506(P2015-249506)
(22)【出願日】2015年12月22日
(65)【公開番号】特開2017-115345(P2017-115345A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2015年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000176833
【氏名又は名称】三菱製鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 隆生
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−064246(JP,A)
【文献】 特開2009−138412(JP,A)
【文献】 実開平04−130683(JP,U)
【文献】 特開2013−249644(JP,A)
【文献】 特開2004−278246(JP,A)
【文献】 特開2001−107622(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00−85/28
E05C 1/00−21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁の開口部を開閉するドアを、閉状態で施錠する施錠装置であって、
ドアに設けられ、壁に設けられる受け具の施錠穴に差し込まれる施錠位置と、前記施錠穴から抜き出される解錠位置との間でスライドするデッドボルトと、
前記施錠位置と前記解錠位置との間の中間位置から前記施錠位置に向けて前記施錠位置にある前記デッドボルトを付勢すると共に、前記中間位置から前記解錠位置に向けて前記解錠位置にある前記デッドボルトを付勢する弾性部材とを有し、
前記デッドボルトは、前記デッドボルトのスライド方向に対し傾斜した傾斜面を有し、
前記ドアを開状態から閉状態に回動させるとき、前記施錠位置にある前記デッドボルトの前記傾斜面が前記受け具によって押圧されることで、前記デッドボルトが前記施錠位置から前記解錠位置にスライドされる、施錠装置。
【請求項2】
前記デッドボルトが前記施錠位置から前記中間位置に向かうにつれ、前記弾性部材の弾性変形量が大きくなり、
且つ、前記デッドボルトが前記解錠位置から前記中間位置に向かうにつれ、前記弾性部材の弾性変形量が大きくなる、請求項1に記載の施錠装置。
【請求項3】
前記デッドボルトのスライド方向に対し垂直方向にスライドするスライドカムをさらに有し、
前記デッドボルトは、前記デッドボルトのスライドを前記スライドカムのスライドに方向変換するカム溝を有し、
前記スライドカムは、スライドすることで、前記弾性部材を弾性変形させる、請求項1または2に記載の施錠装置。
【請求項4】
前記デッドボルトを案内するデッドボルト案内溝と、前記スライドカムを案内するスライドカム案内溝とを有するベースをさらに有する、請求項3に記載の施錠装置。
【請求項5】
前記スライドカム案内溝は、前記スライドカム案内溝の側壁面に、前記スライドカムの案内方向に平行な凸部を有し、
前記スライドカムは、前記凸部が嵌め込まれる凹部を有する、請求項4に記載の施錠装置。
【請求項6】
前記スライドカム案内溝は、前記スライドカム案内溝の側壁面に、前記スライドカムの案内方向に平行な凹部を有し、
前記スライドカムは、前記凹部に嵌め込まれる凸部を有する、請求項4に記載の施錠装置。
【請求項7】
前記デッドボルトをスライドさせる操作スイッチをさらに有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の施錠装置。
【請求項8】
前記操作スイッチは、前記デッドボルトのスライド方向に対し垂直な回動軸を中心に回動し、
前記デッドボルトは、前記操作スイッチの回動運動を前記デッドボルトの直線運動に変換する運動変換部を有する、請求項7に記載の施錠装置。
【請求項9】
前記デッドボルトを覆うカバーをさらに有し、
前記操作スイッチは、前記デッドボルトの位置を示す位置表示部を有する、請求項7または8に記載の施錠装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施錠装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のドア錠は、ドアの内壁面に水平に取付けられ、ワンタッチ操作で施錠と解錠とを行う。ドアが閉じた状態で、ドアのデッドプレートが受け金具の受孔に係脱することで、施錠および解錠が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−107622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドアが開いた状態で、誤って施錠操作がなされることがある。この施錠操作によって、デッドプレートがドアから突出する。その後、ドアを閉めようとすると、デッドプレートが受け金具にぶつかり、ドアが閉まらなかった。また、デッドプレートや受け金具が破損することがあった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、ドアが開いた状態で誤って施錠操作がなされた場合に、ドアを閉じることで解錠がなされる、施錠装置の提供を主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一態様によれば、
壁の開口部を開閉するドアを、閉状態で施錠する施錠装置であって、
ドアに設けられ、壁に設けられる受け具の施錠穴に差し込まれる施錠位置と、前記施錠穴から抜き出される解錠位置との間でスライドするデッドボルトと、
前記施錠位置と前記解錠位置との間の中間位置から前記施錠位置に向けて前記施錠位置にある前記デッドボルトを付勢すると共に、前記中間位置から前記解錠位置に向けて前記解錠位置にある前記デッドボルトを付勢する弾性部材とを有し、
前記デッドボルトは、前記デッドボルトのスライド方向に対し傾斜した傾斜面を有し、
前記ドアを開状態から閉状態に回動させるとき、前記施錠位置にある前記デッドボルトの前記傾斜面が前記受け具によって押圧されることで、前記デッドボルトが前記施錠位置から前記解錠位置にスライドされる、施錠装置が提供される。

【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、ドアが開いた状態で誤って施錠操作がなされた場合に、ドアを閉じることで解錠がなされる、施錠装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態による施錠装置および施錠装置が取付けられるドアを示す斜視図である。
図2】一実施形態による施錠装置を示す斜視図である。
図3】一実施形態による施錠装置を分解して示す斜視図である。
図4】一実施形態による施錠装置の施錠時の状態を示す断面図である。
図5】一実施形態による施錠装置の解錠時の状態を示す断面図である。
図6】一実施形態によるデッドボルトの施錠位置を示す断面図である。
図7】一実施形態によるデッドボルトの中間位置を示す断面図である。
図8】一実施形態によるデッドボルトの解錠位置を示す断面図である。
図9】一実施形態によるスライドカムとスライドカム案内溝とを示す断面図である。
図10図1のドアの閉動作を示す断面図である。
図11図10に続いてドアの閉動作を示す断面図である。
図12図11に続いてドアの閉動作を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、各図面において、同一の又は対応する構成については同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。各図面において、X方向、Y方向、Z方向は互いに垂直な方向である。X方向は、ドアに取付けられるデッドボルトのスライド方向である。Y方向は、ドアに対し垂直な方向である。Z方向は、ドアの回動軸方向である。
【0010】
図1は、一実施形態による施錠装置および施錠装置によって施錠するドアを示す斜視図である。施錠装置10は、壁2の開口部を開閉するドア4を閉状態で施錠する。ドア4は、ヒンジ6の回動軸を中心に回動され、壁2の開口部を開閉する。壁2の開口部は、人の出入口であって、例えば、建物の出入口、建物内部の部屋の出入口、乗り物の出入口、乗り物内部の部屋の出入口などである。ドア4には、ドア4の開閉操作に用いる操作ハンドル8などが取付けられる。操作ハンドル8は、施錠装置10の操作には用いられない。
【0011】
図2は、一実施形態による施錠装置を示す斜視図である。図3は、一実施形態による施錠装置を分解して示す斜視図である。施錠装置10は、受け具20と、錠本体30とを有する。
【0012】
受け具20は、図1に示す壁2に設けられる。受け具20は、壁2とは別に設けられるが、壁2の一部として設けられてもよく、その場合、受け具20は施錠装置10に含まれなくてよい。受け具20は、図3に示すように施錠穴21を有する。
【0013】
錠本体30は、図1に示すドア4に設けられる。錠本体30は、図2および図3に示すように、例えばケース40と、デッドボルト50と、圧縮ばね60と、スライドカム70と、操作スイッチ80とを有する。
【0014】
ケース40は、ドア4に取り付けられる。ケース40は、例えば、デッドボルト50と、圧縮ばね60と、スライドカム70と、操作スイッチ80とを支持する。デッドボルト50はX方向にスライド自在に支持され、圧縮ばね60はZ方向に弾性変形自在に支持され、スライドカム70はZ方向にスライド自在に支持され、操作スイッチ80はZ軸回りに回動自在に支持される。ケース40は、ベース41と、カバー42とを有する。
【0015】
ベース41は、ドア4に取付けられる。ベース41は、図3に示すように、例えばデッドボルト案内溝43と、スライドカム案内溝45と、圧縮ばね保持溝47とを有する。
【0016】
デッドボルト案内溝43は、デッドボルト50をX方向に案内する。デッドボルト50は、ケース40からX方向に突出することで、受け具20の施錠穴21に差し込まれる。
【0017】
スライドカム案内溝45は、スライドカム70をZ方向に案内する。スライドカム案内溝45は、例えばデッドボルト案内溝43の底壁面に形成される。
【0018】
圧縮ばね保持溝47は、圧縮ばね60をZ方向に弾性変形自在に保持する。圧縮ばね保持溝47は、例えばデッドボルト案内溝43の側壁面に形成される。
【0019】
カバー42は、ベース41に取付けられ、デッドボルト50などを覆う。カバー42には操作穴49が形成され、操作穴49から操作スイッチ80が突出する。操作者が操作スイッチ80を操作することで、デッドボルト50がスライドする。
【0020】
操作スイッチ80は、例えばロッカスイッチであって、回動軸83を中心に回動する。回動軸83の軸方向は、例えばZ方向である。操作スイッチ80は、施錠ボタン81と、解錠ボタン82とを有する。施錠ボタン81は施錠に用いられ、解錠ボタン82は解錠に用いられる。
【0021】
尚、操作スイッチ80の種類は、ロッカスイッチに限定されず、例えばスライドスイッチ、押しボタンスイッチ、トグルスイッチなどでもよい。
【0022】
ドア4が閉状態のときは、ドア4の内側(ドア4を挟んだ両側のうち錠本体30側)にいる操作者のみが操作スイッチ80を操作できる。ドア4が閉状態のとき、ドア4の外側からは操作スイッチ80を操作できない。
【0023】
尚、操作スイッチ80はなくてもよく、操作者はデッドボルト50を掴んで操作してもよい。この場合も、ドア4が閉状態のときは、ドア4の内側にいる操作者のみがデッドボルト50を掴んで操作できる。
【0024】
図4は、一実施形態による施錠装置の施錠時の状態を示す断面図である。図5は、一実施形態による施錠装置の解錠時の状態を示す断面図である。
【0025】
デッドボルト50は、施錠位置(図4参照)と、解錠位置(図5参照)との間でX方向にスライドする。施錠位置は、デッドボルト50が施錠穴21に差し込まれる位置である。解錠位置は、デッドボルト50が施錠穴21から抜き出される位置である。
【0026】
図4に示すように、ドア4が閉状態で、デッドボルト50が施錠穴21に差し込まれることで、施錠がなされる。図5に示すように、ドア4が閉状態で、デッドボルト50が施錠穴21から抜き出されることで、解錠がなされる。
【0027】
デッドボルト50は、操作スイッチ80の回動運動をデッドボルト50の直線運動に変換する運動変換部51を有する。運動変換部51は、例えば図4および図5に示すようにZ方向視で等脚台形状に形成され、等脚台形の一方の脚に第1運動変換部51Aを有し、等脚台形の他方の脚に第2運動変換部51Bを有する。
【0028】
第1運動変換部51Aは、施錠ボタン81が押されたときの操作スイッチ80の回動運動を、解錠位置から施錠位置に向かうデッドボルト50の直線運動に変換する。第1運動変換部51Aは、例えば施錠方向(図4図5において左方向)に向かうにつれカバー42の操作穴49に近づく傾斜面で構成される。
【0029】
第2運動変換部51Bは、解錠ボタン82が押されたときの操作スイッチ80の回動運動を、施錠位置から解錠位置に向かうデッドボルト50の直線運動に変換する。第2運動変換部51Bは、例えば解錠方向(図4図5において右方向)に向かうにつれカバー42の操作穴49に近づく傾斜面で構成される。
【0030】
操作スイッチ80は、デッドボルト50の現在位置を示す位置表示部85を有する。位置表示部85は、色、文字、およびマークなどのうちの少なくとも1つを有し、操作者の注意を喚起する。位置表示部85は、シールまたはLEDなどで構成される。操作者は、位置表示部85を見ることで、デッドボルト50の現在位置を知ることができる。
【0031】
例えば位置表示部85は、解錠時にカバー42に隠れ、施錠時にカバー42から現れることで、デッドボルト50の現在位置が施錠位置であることを示す。この位置表示部85は、例えば解錠ボタン82の側面に設けられ、解錠ボタン82が押されたときにカバー42に隠れ、施錠ボタン81が押されたときにカバー42から現れる。
【0032】
尚、位置表示部85は、施錠時にカバー42に隠れ、解錠時にカバー42から現れることで、デッドボルト50の現在位置が解錠位置であることを示してもよい。この位置表示部85は、例えば施錠ボタン81の側面に設けられ、施錠ボタン81が押されたときにカバー42に隠れ、解錠ボタン82が押されたときにカバー42から現れる。デッドボルト50の現在位置が施錠位置であることを示す位置表示部と、デッドボルト50の現在位置が解錠位置であることを示す位置表示部の両方が設けられてもよい。
【0033】
図6は、一実施形態によるデッドボルトの施錠位置を示す断面図である。図7は、一実施形態によるデッドボルトの中間位置を示す断面図である。図8は、一実施形態によるデッドボルトの解錠位置を示す断面図である。
【0034】
圧縮ばね60は、中間位置から施錠位置に向けてデッドボルト50を付勢すると共に、中間位置から解錠位置に向けてデッドボルト50を付勢する。中間位置とは、施錠位置と解錠位置との間の位置である。尚、中間位置は、X方向にある程度の長さを有してもよい。
【0035】
デッドボルト50が施錠位置(図6参照)から中間位置(図7参照)に向かうにつれ、圧縮ばね60の弾性変形量が大きくなり、且つ、デッドボルト50が解錠位置(図8参照)から中間位置(図7参照)に向かうにつれ、圧縮ばね60の弾性変形量が大きくなる。圧縮ばね60は、その弾性復元力によって、中間位置から施錠位置に向けてデッドボルト50を付勢すると共に、中間位置から解錠位置に向けてデッドボルト50を付勢する。
【0036】
デッドボルト50は、デッドボルト50のX方向のスライドをスライドカム70のZ方向のスライドに方向変換するカム溝52を有する。カム溝52のX方向中央部は、カム溝52のX方向両端部よりも、Z方向片側(より詳細には、圧縮ばね60を圧縮させる方向)に突出する。
【0037】
スライドカム70は、Z方向にスライドすることで、圧縮ばね60をZ方向に弾性変形させる。圧縮ばね60は、その弾性復元力によって、中間位置から施錠位置に向けてデッドボルト50を付勢すると共に、中間位置から解錠位置に向けてデッドボルト50を付勢する。
【0038】
尚、本実施形態では弾性部材として圧縮ばね60が用いられるが、圧縮ばね60の代わりに、引張ばね、ねじりばね等が用いられてもよく、弾性部材の種類は特に限定されない。弾性部材は、中間位置から施錠位置に向けてデッドボルト50を付勢すると共に、中間位置から解錠位置に向けてデッドボルト50を付勢するものであればよい。
【0039】
図9は、一実施形態によるスライドカムとスライドカム案内溝とを示す断面図である。
【0040】
スライドカム案内溝45は、その側壁面に、スライドカム70の案内方向(図9において紙面垂直方向)に平行な凸部46を有する。凸部46は、図9ではX方向両側(図9において左右両側)の側壁面にそれぞれ設けられているが、X方向片側の側壁面にのみ設けられてもよい。
【0041】
一方、スライドカム70は、凸部46が嵌め込まれる凹部71を有する。図9では複数の凸部46に対応して複数の凹部71が設けられているが、凸部46の数が1つの場合、凹部71の数も1つでよい。
【0042】
スライドカム案内溝45の凸部46と、スライドカム70の凹部71とは、嵌合することで、スライドカム70に対する圧縮ばね60の弾性復元力の作用方向を安定化し、スライドカム70の姿勢を安定化できる。
【0043】
尚、凸部と凹部の配置は逆でもよい。つまり、スライドカム案内溝45は、その側壁面に、スライドカム70の案内方向に平行な凹部を有してもよい。この場合、スライドカム70は、凹部に嵌め込まれる凸部を有する。スライドカム70の姿勢を安定化できる。
【0044】
凸部46は、スライドカム案内溝45の側壁面に形成される場合、スライドカム案内溝45の長手方向全体に亘って形成されていなくてよい。デッドボルト50が施錠位置と解錠位置との間で移動する時のスライドカム70の移動範囲に、凸部46が形成されていればよい。
【0045】
凸部46が形成されていない範囲(図6図8においてスライドカム案内溝45の下部)で、スライドカム案内溝45にスライドカム70が置かれる。その後、スライドカム70が案内方向にスライドされることで、凸部46と凹部71とが嵌合される。施錠装置10の組立作業性が良い。
【0046】
図10は、図1のドアの閉動作を示す断面図である。図11は、図10に続いてドアの閉動作を示す断面図である。図12は、図11に続いてドアの閉動作を示す断面図である。
【0047】
図10に示すように、ドア4が開状態で、操作者が誤って施錠ボタン81を押し、デッドボルト50が解錠位置から施錠位置にスライドされることがある。このとき、位置表示部85が、デッドボルト50の現在位置が施錠位置であることを示す。これにより、操作者の注意を喚起できる。
【0048】
操作者が、位置表示部85の表示に気付かずに、ドア4を開状態から閉状態に回動させようとすることがある。この場合、図11に示すように施錠位置にあるデッドボルト50の傾斜面53が受け具20によって押圧される。
【0049】
デッドボルト50の傾斜面53は、デッドボルト50のスライド方向(X方向)に対し傾斜しており、受け具20による押圧力のX方向分力によって、デッドボルト50を施錠位置からスライドさせ、少なくとも中間位置を越えさせる(図12参照)。デッドボルト50が中間位置を越えると、圧縮ばね60の弾性復元力によってデッドボルト50が解錠位置に移動する。よって、ドア4を閉めることができ、デッドボルト50や受け具20の破損を抑制することができる。また、デッドボルト50が中間位置から解錠位置に向けて付勢されているので、ドア4の内側に別の操作者が存在しない限り、デッドボルト50は解除位置から施錠位置に戻らない。つまり、ドア4の内側に誰もいない状態で、デッドボルト50が解錠位置から施錠位置に戻ることがなく、人間がドア4の外側に締め出されることを防止できる。
【0050】
以上、施錠装置の実施形態等について説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
【符号の説明】
【0051】
2 壁
4 ドア
6 ヒンジ
8 操作ハンドル
10 施錠装置
20 受け具
21 施錠穴
30 錠本体
40 ケース
41 ベース
42 カバー
43 デッドボルト案内溝
45 スライドカム案内溝
46 凸部
47 圧縮ばね保持溝
50 デッドボルト
51 運動変換部
51A 第1運動変換部
51B 第2運動変換部
52 カム溝
60 圧縮ばね
70 スライドカム
71 凹部
80 操作スイッチ
81 施錠ボタン
82 解錠ボタン
83 回動軸
85 位置表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12