【文献】
Huawei (will be RAN3),[DRAFT] Draft LS for IRAT too late,3GPP TSG-RAN WG3#69bis R3-102715,フランス,3GPP,2010年10月 1日,paragraph 1
【文献】
Huawei, HiSilicon,Extension to Radio Link Failure reporting for MDT and MRO,3GPP TSG-RAN WG2#72bis R2-110101,フランス,3GPP,2011年 1月10日,paragraph 2.4
【文献】
Nokia Siemens Networks (rapporteur),Report email#04: inter-RAT mobility failures,3GPP TSG-RAN WG3#75bis R3-120479,フランス,3GPP,2012年 3月30日,paragraph 2.2
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2のタイマー値は前記ノード(24、32)によって保持され、かつ前記ノード(24、32)によって行われた前記最も直近のモビリティーの調整に関して前記接続障害がいつ発生したかを判定することは、前記障害報告からの前記第1のタイマー値を前記第2のタイマー値と比較することを含む、請求項1に記載の方法。
前記ノード(24、32)によって行われた前記最も直近のモビリティーの調整に関して前記接続障害がいつ発生したかを判定することは、別のノードから、前記障害報告からの前記第1のタイマー値及び第2のタイマー値の比較を表示する情報を取得することを含む、請求項1に記載の方法。
前記ノード(24、32)によって行われた前記最も直近のモビリティーの調整の後に前記接続障害が発生した場合、前記障害報告を現在の障害報告として分類すること(1006)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
新しいモビリティーの調整が望ましいか否かを判定し、かつそうである場合、1以上の新しいモビリティーの調整を行う次のプロセスを実行すること(3004)をさらに含み、前記次のプロセスは、前記障害報告が過去の障害報告であるとして分類される場合、前記障害報告を考慮せず、かつ前記障害報告が現在の障害報告であるとして分類される場合、前記障害報告を考慮する、請求項4に記載の方法。
新しいモビリティーの調整が望ましいか否かを判定し、かつそうである場合、1以上の新しいモビリティーの調整を行う次のプロセスを実行すること(3004)をさらに含み、前記次のプロセスは、前記障害報告が現在の障害報告であるとして分類される場合、前記障害報告を考慮し、かつ前記障害報告が過去の障害報告であるとして分類される場合、低減された関連性を伴って前記障害報告を考慮する、請求項4に記載の方法。
新しいモビリティーの調整が望ましいか否かを判定し、かつそうである場合、現在の障害報告として分類された前記複数の障害報告のうちのいくつかに基づいて、しかし過去の障害報告として分類された前記複数の障害報告のうちのいくつかに基づかないで、1以上の新しいモビリティーの調整を行うプロセスを実行すること(3004)と、
前記プロセスが1以上の新しいモビリティーの調整を行った場合、前記第2のタイマー(TMRO)をリスタートすること(3006、3008)とをさらに含む、請求項7に記載の方法。
新しいモビリティーの調整が望ましいか否かを判定し、かつそうである場合、過去の障害報告として分類された前記複数の障害報告の第1のサブセットに、現在の障害報告として分類された前記複数の障害報告の第2のサブセットと比較してより低い関連性が与えられるように、前記複数の障害報告に基づいて、1以上の新しいモビリティーの調整を行うプロセスを実行すること(3004)と、
前記プロセスが1以上の新しいモビリティーの調整を行った場合、前記第2のタイマー(TMRO)をリスタートすること(3006、3008)とをさらに含む、請求項7に記載の方法。
前記ノード(24、32)は前記移動体通信ネットワーク(20)の基地局(24)であり、かつ前記障害報告を受信することは前記ユーザ装置(26、28)から前記障害報告を受信することを含む、請求項1に記載の方法。
前記ノード(24、32)は前記移動体通信ネットワーク(20)の第1の基地局(24)であり、かつ前記障害報告を受信することは前記移動体通信ネットワーク(20)の第2のノード(24、32)から前記障害報告を受信することを含む、請求項1に記載の方法。
前記ノード(24、32)は第1の無線アクセス技術にしたがって作動する第1の無線アクセスネットワーク(22)の基地局(24)であり、かつ前記障害報告を受信することは第2の無線アクセス技術にしたがって作動する第2の無線アクセスネットワーク(23)と関連するノード(32)から前記障害報告を受信することを含み、前記第2の無線アクセスネットワーク(23)は前記ユーザ装置(38から44)から前記障害報告を取得した、請求項1に記載の方法。
【背景技術】
【0003】
全ての移動体通信ネットワークによって処理されなければならない1つの問題は、モバイル機器のモビリティーである。特に、移動体通信ネットワークは、異なる無線アクセスネットワーク(RANs)の間のモバイル端末のハンドオーバーを有効にするのと同様に、同じRANの範囲内のセル(cells)の間のモバイル端末のハンドオーバーを有効にしなければならない。一般的なモビリティーの問題は、モビリティーの接続障害、すなわち、ハンドオーバープロセスの間又は直後における接続障害である。このモビリティーの問題に対処するために、第3世代パートナーシッププロジェクト(スリージーピーピー(3GPP))における議論にしたがって、ユーザ装置又はユーザ要素(UE)として言及されるモバイル機器は、モビリティーの接続障害が起こり得る全ての場合において、移動体通信ネットワークに対して障害報告を送信することが要求される。その後、障害報告は、移動体通信ネットワークのモビリティーロバストネス最適化(MRO)機能によって使用されて、移動体通信ネットワークの範囲内でハンドオーバーを制御する、モビリティーの設定又はモビリティーのパラメータを最適化する。
【0004】
インターラット(IRAT)ハンドオーバー(HOs)に関して、3GPPのRANワーキンググループ3(WG3)は、モビリティーの問題を提示し、かつそれ故、対処される必要がある複数の優先度が高いシナリオを確認した。
図1A及び
図1Bの中において示されるように、IRATHOは、1つの無線アクセス技術(RAT)にしたがって作動するRANの中の基地局(BS)14によって担われるセル12(例えば、4Gロングタームエボリューション(LTE)移動体通信ネットワークのRANの中の拡張ノードB(eNB))、及び別のRATにしたがって作動する別のRANの中の基地局18によって担われるセル16(例えば、3Gユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム(UMTS)移動体通信ネットワークのユニバーサルテレストリアル無線アクセスネットワーク(UTRAN)の中のノードB)の間のUE10のハンドオーバーである。特に、3GPPRANWG3によって確認されたシナリオは:
・シナリオ1:モビリティーの接続障害、具体的には、無線リンク障害(RLF)であり、さらに、LTERANの中の又はLTERANから2G/3GRAN(例えば、UTRAN)へのHOの間における接続障害は、2G/3GRANに対する再接続によってフォローされる(すなわち、LTERANから2G/3GRANへのHOが遅すぎる)。
・シナリオ2:2G/3GRAN(すなわち、ソースRAT)に戻って再接続されることによりフォローされる2G/3GRAN(例えば、UTRAN)からLTERANへのHOの間又は後のモビリティーの障害。再接続は、HOに対するソースセル又は2G/3GRANの中の異なるセルに対するものである。これは、本明細書の中において、2G/3GRANからLTERANへの早過ぎるHOとして言及される。
・シナリオ2a:2G/3GRANに戻って再接続されることによりフォローされる2G/3GRANからLTERANへのHOの間のハンドオーバー障害(HOF)(すなわち、LTERANの中のランダムアクセスチャネル(RACH)の試みの間のHOF)。
・シナリオ2b:2G/3GRANに戻って再接続されることによりフォローされる2G/3GRANからLTERANへのHOの直後のLTERANの中のRLF。
【0005】
LTERANの中のセルからUTRANの中のセルへのIRATHOのトリガリングは、基準信号受信電力(RSRP)及び基準信号受信クオリティー(RSRQ)の測定タイプの両方に関連するLTERANの中のモビリティーパラメータによって制御される。LTERANの中のこれらのモビリティーパラメータは、HOの閾値を形成し、それは本明細書の中において、ho_thresh_lteとして言及される。シナリオ1(すなわち、LTERANから2G/3GRAN、例えばUTRANへの遅すぎるHOs)を最適化する1つの方法は、LTERANから2G/3GRANへのHOsをより早くトリガリングするために、ho_thresh_lteの値を増加させることである。しかしながら、そのようにすることは、LTERANの受信可能範囲が接続を維持するために十分な場合でさえ、不必要なHOs、すなわち、LTERANから2G/3GRANへのHOsの数を増加させる。遅すぎるHOsの数を減少させること、及び不必要なHOsの数を増加させることの間のこのトレードオフは、
図2の中において図解されている。MROアルゴリズムは、ho_thresh_lteを増加又は減少させるために、このトレードオフを考慮すべきである。
【0006】
UTRANの中のセルからLTERANの中のセルへのIRATHOのトリガリングは、RSRP及びRSRQの測定タイプの両方に関連するUTRANの中の他のモビリティーパラメータによって制御される。UTRANの中のこれらのモビリティーパラメータは、HOの閾値を形成し、それは本明細書の中において、ho_thresh_utranとして言及される。シナリオ2(すなわち、2G/3GRAN、例えばUTRAN又はグローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(GSM)の進化型高速データレートフォーグローバルエボリューション(EDGE)RAN(GERAN)からLTERANへの早過ぎるHOs)を最適化する1つの方法は、LTERANからの信号が接続を保持するために十分に強い場合に、LTERANに対するHOをトリガリングするためだけに、ho_thresh_utranの値を増加させることである。しかしながら、そのようにすることは、LTERANの受信可能範囲がUE10との接続を保持するのに十分な場合でさえ、UE10がUTRANの中に残っているようにするために、ho_thresh_utranが高過ぎるように設定される場合、UTRANの中の時間を不必要に増加させる。このトレードオフは、
図3の中において図解され、かつho_thresh_utranを増加又は減少させる場合に、MROアルゴリズムによって考慮されるべきである。
【0007】
LTERANから2G/3GRANへの遅過ぎかつ不必要なHOsの発生は、RLF報告及び不必要なHOの表示器を介して検出されるべきである。RLF検出の上で実行されるべき手順は、3GPPの技術仕様書(TS)36.311のセクション5.3.11.3の中において標準化されている。UE10において、RLFが検出される場合、様々な情報が、
図4の中において図解されているようなRLF報告の中に保存される。RLFが、無線リソース制御(RRC)の接続再確立手順によってフォローされる場合、UE10は、選択されたセルのグローバルセルアイデンティティーに対するRLFの中に再確立セルIdを設定する。特にIRATHOsに関するMRO機能を支持して報告される付加的な情報は、現在、3GPPのRAN3の中において議論されている。この点において、議論は、以下に説明されるように、種々のRATsに対して利用可能なRLF報告をいかにして作るかということについての決定に向けて、先ず前進している。
【0008】
MROアルゴリズムを実行している種々のRATsに対して利用可能なIRATHOsに関連するRLF報告を作ることに対する種々の解決法が、提案されてきた。これらの解決法は、3GPPの投稿文R3−120390の中で説明され、それは、「IRAT MRO way forward」というタイトルが付けられ、ドイツのドレスデンで2012年の2月6日から2012年の2月10日まで開催された3GPPのミーティングR3−75の中で提示された。3GPPの投稿文R3−120390の中において説明されるように、かつ以下に議論されるように、4つの異なる解決法が存在する。
【0009】
解決法1:第1の解決法は、LTERANに戻ってくる時に、RLFを報告することである。より具体的には、上述されたシナリオ1及びシナリオ2の両方に対して、UEがモビリティーの障害の後に2G/3GRANに再接続する場合、UEは、必要な情報を対応する障害報告のために保存する。その後、UEがLTERANの中に戻る場合、障害情報は、例えばRLF報告として、LTERANに対して送信される。UEからのRLF報告を取得するLTERANの中の基地局は、適切なシグナリングを介して対応するモビリティーの接続障害が起きたセルを担う基地局に対してRLFを転送する(例えば、シナリオ1及び2bに対してはX2又はS1、かつシナリオ2aに対しては、IRATHOの前の2G/3GRANの中のセルを担う基地局の無線ネットワークコントローラ(RNC)に対するRAN情報メッセージ(RIM))。
【0010】
シナリオ1に対する解決法1は、
図5の中において図解されている。図解されているように、UEは、LTERANの中のRLFを経験する。RLFの後に、UEは、3GRANの中のセルYに接続し、かつRLF報告を保存する。引き続いて、UEが、この実施例において、3GRANの中のセルYからLTERANの中のセルBへのIRATHOによってLTERANに再接続する場合、UEは、RLF報告をLTERANの中のセルBに対応する基地局に対して送る。セルBに対応する基地局は、RLF報告を、RLFが発生したセルAに対応する基地局に対して送る。セルAに対する基地局のMRO機能は、UEがRLFの前にセルAに接続された時間の量(Δt)が、時間の所定の最小量(t_min)よりも大きいことを判定し、かつそのようにして、RLFは、LTERANから3GRANへの遅過ぎるIRATHOのせいとなる。
【0011】
シナリオ2aに対する解決法1は、
図6の中において図解されている。3GRANのセルXからLTERANのセルAへのIRATHOの間のHOの障害(すなわち、失敗したRACHの試み)の後に、UEが3GRANのセルYに再接続する。引き続いて、UEが、この実施例において、3GRANの中のセルYからLTERANの中のセルBへのIRATHOによってLTERANに再接続する場合、UEは、RLF報告をLTERANの中のセルBに対応する基地局に対して送る。LTERANの中のセルBに対応する基地局は、モビリティーの障害が、3GRANの中のセルXからのIRATHOFであることを判定し、かつそのようにして、RLF報告を、RIMを介して3GRANのセルXに対応する基地局に対するRNCに対して送る。
【0012】
シナリオ2bに対する解決法1は、
図7の中において図解されている。3GRANのセルXからLTERANのセルAへのIRATHOの直後に、UEは、RLFを経験する。RLFの後に、UEは、3GRANのセルYに再接続する。引き続いて、UEが、この実施例において、3GRANの中のセルYからLTERANの中のセルBへのIRATHOによってLTERANに再接続する場合、UEは、RLF報告をLTERANの中のセルBに対応する基地局に対して送る。LTERANの中のセルBに対応する基地局は、モビリティーの障害が、3GRANの中のセルXからLTERANの中のセルAへのIRATHOFの直後のRLFであることを判定し(すなわち、IRATは、早過ぎるIRATである)、かつそのようにして、RLF報告を、RIMを介して3GRANのセルXに対応する基地局に対するRNCに対して送る。それに加えて、セルBに対応する基地局は、RLF報告を、適切なシグナリング(例えば、X2又はS1)を介してRLFが発生したLTERANの中のセルAに対応する基地局に対して送る。
【0013】
解決法2:第2の解決法は、モビリティーの障害の後にUEが再接続する2G/3GRAN及び/又はLTERANに対して障害を報告することである。より具体的には、シナリオ1に対する解決法2は、
図8の中において図解されている。図解されているように、UEは、3GRANに対する遅過ぎるHOのために、LTERANのセルAの中のRLFを経験する。RLFの後に、UEは、RLF報告を保存し、かつRLF報告を、3GRANのセルYに再接続することによって3GRANに対してRLF報告を送る。3GRANのセルYに対応する基地局のRNCは、RLF報告がLTERANのセルAからの遅過ぎるIRATHOの結果であると判定し、かつそれ故、RLF報告を、RIMを介してLTERANのセルAに対応する基地局に対して送る。
【0014】
シナリオ2aに対する解決法2は、
図9の中において図解されている。図解されているように、3GRANのセルXからLTERANのセルAへのIRATHOの間のHOの障害(すなわち、失敗したRACHの試み)の後に、UEは、対応するRLF報告を保存し、かつ3GRANのセルYに再接続することによって3GRANに対してRLF報告を送る。3GRANのセルYに対応する基地局のRNCは、RLF報告が3GRANのセルXからLTERANのセルAへの早過ぎるIRATHOの結果であると判定する。それに加えて、RNCは、RLF報告を、RIMを介してLTERANのセルAに対応する基地局に送る。とりわけ、RLF報告は、RNCのMRO機能及び/又はLTERANのセルAに対応する基地局のMRO機能によって、使用されることができる。障害の後にUEがLTERANに再接続し、かつRLF報告が未だLTERANに対して報告されていない場合、UEは、RLF報告を、LTERANの中の担当基地局に対して送る。その後、担当基地局は、RLF報告を、RIMを介して3GRANの中のセルXに対応する基地局のRNCに対して転送し、かつ望まれる場合には、RLF報告を、LTERANの中のセルAに対応する基地局に対して送ることができる。
【0015】
シナリオ2bに対する解決法2は、
図10の中において図解されている。図解されているように、3GRANのセルXからLTERANのセルAへのIRATHOの直後に、UEは、RLFを経験する。RLFの後に、UEは、RLF報告を保存し、かつRLF報告を、3GRANのセルYに再接続することによって3GRANに対してRLF報告を送る。3GRANのセルYに対応する基地局のRNCは、RLF報告が3GRANのセルXからLTERANのセルAへの早過ぎるIRATHOの結果であると判定する。それに加えて、RNCは、RLF報告を、RIMを介してLTERANのセルAに対応する基地局に送る。とりわけ、RLF報告は、RNCのMRO機能及び/又はLTERANのセルAに対応する基地局のMRO機能によって、使用されることができる。障害の後にUEがLTERANに再接続し、かつRLF報告が未だLTERANに対して報告されていない場合、UEは、RLF報告を、LTERANの中の担当基地局に対して送る。その後、担当基地局は、RLF報告を、RIMを介して3GRANの中のセルXに対応する基地局のRNCに対して転送し、かつ望まれる場合には、RLF報告を、LTERANの中のセルAに対応する基地局に対して送ることができる。
【0016】
解決法3:第3の解決法は、障害が発生したRATに対してRLFを報告すること、及びHO指令が受信されたセルのRATの中のHOの障害を報告することである。より具体的には、シナリオ1に対する解決法3は、
図11の中において図解されている。とりわけ、シナリオ1に対する解決法3は、シナリオ1に対する解決法1と同じである。図解されているように、UEは、LTERANの中でRLFを経験する。RLFの後に、UEは、3GRANの中のセルYに接続し、かつRLF報告を保存する。引き続いて、UEが、この実施例において、3GRANの中のセルYからLTERANの中のセルBへのIRATHOによってLTERANに再接続する場合、UEは、RLF報告をLTERANの中のセルBに対応する基地局に対して送る。セルBに対応する基地局は、RLF報告を、RLFが発生したセルAに対応する基地局に対して送る。セルAに対する基地局のMRO機能は、UEがRLFの前にセルAに接続された時間の量(Δt)が、時間の所定の最小量(t_min)よりも大きいことを判定し、かつそのようにして、RLFは、LTERANから3GRANへの遅過ぎるIRATHOのせいとなる。
【0017】
シナリオ2aに対する解決法3は、
図12の中において図解されている。図解されているように、3GRANのセルXからLTERANのセルAへのIRATHOの間のHOの障害(すなわち、失敗したRACHの試み)の後に、UEは、対応するRLF報告を保存し、かつ3GRANのセルYに再接続することによって3GRANに対してRLF報告を送る。3GRANのセルYに対応する基地局のRNCは、RLF報告が3GRANのセルXからLTERANのセルAへの早過ぎるIRATHOの結果であると判定する。望まれる場合、RNCは、RLF報告を、RIMを介してLTERANのセルAに対応する基地局に送る。
【0018】
シナリオ2bに対する解決法3は、
図13の中において図解されている。とりわけ、シナリオ2bに対する解決法3は、シナリオ2bに対する解決法1と同じである。3GRANのセルXからLTERANのセルAへのIRATHOの直後に、UEは、RLFを経験する。RLFの後に、UEは、3GRANの中のセルYに再接続する。引き続いて、UEが、この実施例において、3GRANの中のセルYからLTERANの中のセルBへのIRATHOによってLTERANに再接続する場合、UEは、RLF報告をLTERANの中のセルBに対応する基地局に対して送る。LTERANの中のセルBに対応する基地局は、モビリティーの障害が、3GRANの中のセルXからLTERANの中のセルAへのIRATHOの直後のRLFであることを判定し(すなわち、IRATは、早過ぎるIRATである)、かつそのようにして、RLF報告を、RIMを介して3GRANのセルXに対応する基地局に対するRNCに対して送る。それに加えて、セルBに対応する基地局は、RLF報告を、適切なシグナリング(例えば、X2又はS1)を介してRLFが発生したLTERANの中のセルAに対応する基地局に対して送る。
【0019】
解決法4:第4の解決法は、LTERANから2G/3GRANへのIRATHOが遅過ぎる場合で、LTERANに戻る場合、RLF報告を送ること、及び2G/3GRANからLTERANへのIRATHOが早過ぎる場合、2G/3GRANのRNCにおける接続障害を検出することである。シナリオ1に対する解決法4は、
図14の中において図解され、かつ解決法1、シナリオ1に対するものと同じである。解決法4、シナリオ2a及び2bに対して、UEは、ネットワークに対して接続障害を報告しない。むしろ、2G/3GネットワークのRNCは、UEがかつて2G/3Gネットワークの上に載っており、かつLTERANに対するIRATHOの間の接続障害の後に2G/3Gネットワークに戻っている、ということを理解することができる。
【0020】
以下の詳細な説明の中で詳細に説明されるように、本発明者は、上述された様々なシナリオの中のUEsからRLF報告を取得するための解決法が、遅らされたRLFの報告に関する新しい問題を生じさせる、ということを理解した。そのように、これらの新しい問題に対処するシステム及び方法に対する必要性が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1A】
図1Aは、本開示の一実施形態による、移動体通信ネットワークの中のインターラット(IRAT)のハンドオーバー(HOs)を図解している。
【
図1B】
図1Bは、本開示の一実施形態による、移動体通信ネットワークの中のインターラット(IRAT)のハンドオーバー(HOs)を図解している。
【
図2】
図2は、ロングタームエボリューション(LTE)の無線アクセスネットワーク(RAN)からユニバーサルテレストリアル無線アクセスネットワーク(UTRAN)への遅過ぎるIRATHOsを原因とする無線リンク障害(RLFs)の数を減少させることと、対応するIRATHOの閾値を増加させる場合に、LTERANからUTRANへの不必要なIRATHOsの数を増加させることとの間のトレードオフを図解している。
【
図3】
図3は、UTRANからLTERANへの早過ぎるIRATHOsを原因とするHOの障害(HOFs)の数を減少させることと、対応するIRATHOの閾値を増加させる場合に、UTRANの中の時間を不必要に増加させることとの間のトレードオフを図解している。
【
図4】
図4は、スリージーピーピーの技術仕様書(3GPPTS)の最新版にしたがって、RLF報告の中に保存される情報を図解している。
【
図5】
図5は、IRATHOsと関連する接続障害の種々のシナリオに対する、障害報告を移動体通信ネットワークに送る4つの異なる解決法をグラフを用いて図解している。
【
図6】
図6は、IRATHOsと関連する接続障害の種々のシナリオに対する、障害報告を移動体通信ネットワークに送る4つの異なる解決法をグラフを用いて図解している。
【
図7】
図7は、IRATHOsと関連する接続障害の種々のシナリオに対する、障害報告を移動体通信ネットワークに送る4つの異なる解決法をグラフを用いて図解している。
【
図8】
図8は、IRATHOsと関連する接続障害の種々のシナリオに対する、障害報告を移動体通信ネットワークに送る4つの異なる解決法をグラフを用いて図解している。
【
図9】
図9は、IRATHOsと関連する接続障害の種々のシナリオに対する、障害報告を移動体通信ネットワークに送る4つの異なる解決法をグラフを用いて図解している。
【
図10】
図10は、IRATHOsと関連する接続障害の種々のシナリオに対する、障害報告を移動体通信ネットワークに送る4つの異なる解決法をグラフを用いて図解している。
【
図11】
図11は、IRATHOsと関連する接続障害の種々のシナリオに対する、障害報告を移動体通信ネットワークに送る4つの異なる解決法をグラフを用いて図解している。
【
図12】
図12は、IRATHOsと関連する接続障害の種々のシナリオに対する、障害報告を移動体通信ネットワークに送る4つの異なる解決法をグラフを用いて図解している。
【
図13】
図13は、IRATHOsと関連する接続障害の種々のシナリオに対する、障害報告を移動体通信ネットワークに送る4つの異なる解決法をグラフを用いて図解している。
【
図14】
図14は、IRATHOsと関連する接続障害の種々のシナリオに対する、障害報告を移動体通信ネットワークに送る4つの異なる解決法をグラフを用いて図解している。
【
図15】
図15は、
図5から
図14の中において図解されている解決法及びシナリオのうちの多くにおいて生ずることが可能なモビリティーロバストネス最適化(MRO)機能を実行する、移動体通信ネットワークの中のノードに対する接続障害の報告遅れを図解している。
【
図16】
図16は、本開示の一実施形態による、現在又は過去のいずれかとしてMRO機能を実行するノードによって受信される障害報告を分類するためのプロセスを図解する流れ図である。
【
図17】
図17は、本開示の一実施形態による、関連する接続障害が発生した時間を表示するタイミングデータを含む障害報告を、移動体通信ネットワークに送る又は送信するユーザ装置又はユーザ要素(UE)の作動を図解する流れ図である。
【
図18】
図18は、本開示の一実施形態による、ノードによって行われた最も直近のMROの調整の時間を確定するタイミングデータと同様に、
図17のプロセスにしたがって障害報告の中に含まれるタイミングデータに基づいて、障害報告を受信しかつ分類するMRO機能を実行する移動体通信ネットワークの中のノードの作動を図解する流れ図である。
【
図19】
図19は、本開示の一実施形態による、接続障害のためにUEsによって送信される障害報告が、現在又は過去として障害報告を分類する適切なMRO機能によって利用されるタイミングデータを含む、IRATHOsが、4GLTE移動体通信ネットワークのLTERAN及び3Gユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム(UMTS)移動体通信ネットワークのUTRANの間で発生する、4GLTE移動体通信ネットワーク及び3GUMTSの移動体通信ネットワークを含む、移動体通信ネットワークを図解している。
【
図20】
図20は、本開示の様々な実施形態による、障害報告が現在又は過去のいずれかの障害報告として分類されることを可能にするタイミングデータを含む、
図5から
図14までの解決法及びシナリオの各々に対する障害報告の送信を図解している。
【
図21】
図21は、本開示の様々な実施形態による、障害報告が現在又は過去のいずれかの障害報告として分類されることを可能にするタイミングデータを含む、
図5から
図14までの解決法及びシナリオの各々に対する障害報告の送信を図解している。
【
図22】
図22は、本開示の様々な実施形態による、障害報告が現在又は過去のいずれかの障害報告として分類されることを可能にするタイミングデータを含む、
図5から
図14までの解決法及びシナリオの各々に対する障害報告の送信を図解している。
【
図23】
図23は、本開示の様々な実施形態による、障害報告が現在又は過去のいずれかの障害報告として分類されることを可能にするタイミングデータを含む、
図5から
図14までの解決法及びシナリオの各々に対する障害報告の送信を図解している。
【
図24】
図24は、本開示の様々な実施形態による、障害報告が現在又は過去のいずれかの障害報告として分類されることを可能にするタイミングデータを含む、
図5から
図14までの解決法及びシナリオの各々に対する障害報告の送信を図解している。
【
図25】
図25は、本開示の様々な実施形態による、障害報告が現在又は過去のいずれかの障害報告として分類されることを可能にするタイミングデータを含む、
図5から
図14までの解決法及びシナリオの各々に対する障害報告の送信を図解している。
【
図26】
図26は、本開示の様々な実施形態による、障害報告が現在又は過去のいずれかの障害報告として分類されることを可能にするタイミングデータを含む、
図5から
図14までの解決法及びシナリオの各々に対する障害報告の送信を図解している。
【
図27】
図27は、本開示の様々な実施形態による、障害報告が現在又は過去のいずれかの障害報告として分類されることを可能にするタイミングデータを含む、
図5から
図14までの解決法及びシナリオの各々に対する障害報告の送信を図解している。
【
図28】
図28は、本開示の様々な実施形態による、障害報告が現在又は過去のいずれかの障害報告として分類されることを可能にするタイミングデータを含む、
図5から
図14までの解決法及びシナリオの各々に対する障害報告の送信を図解している。
【
図29】
図29は、本開示の様々な実施形態による、障害報告が現在又は過去のいずれかの障害報告として分類されることを可能にするタイミングデータを含む、
図5から
図14までの解決法及びシナリオの各々に対する障害報告の送信を図解している。
【
図30】
図30は、本開示の一実施形態による、UEのブロック図である。
【
図31】
図31は、本開示の一実施形態による、基地局のブロック図である。
【
図32】
図32は、本開示の一実施形態による、無線ネットワークコントローラ(RNC)のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に説明される実施形態は、当業者がそれらの実施形態を実施することを可能にするために必要な情報を表現し、かつそれらの実施形態の実施のベストモードを図解している。添付の図面と照らし合わせて以下の説明を読むことによって、当業者は、本開示の概念を理解し、かつ本明細書の中において具体的に対処されていないこれらの概念の用途を認識するだろう。これらの概念及び用途が、本開示及び添付の特許請求の範囲の領域内に含まれる、ということは理解されるべきである。
【0033】
背景技術の中で議論されたように、多重の無線アクセス技術(RAT)の移動体通信システムの中のインターラット(IRAT)ハンドオーバー(HOs)に関して、スリージーピーピー(3GPP)無線アクセスネットワーク(RAN)ワーキングループ3(WG3)は、モビリティーの問題を提示し、かつそれ故、対処されることが必要な複数の優先度が高いシナリオを識別した。再び、3GPPRANWG3によって確認されたシナリオは:
・シナリオ1:モビリティーの接続障害(本明細書の中において単に接続障害としてもまた言及される)、具体的には、無線リンク障害(RLF)であり、さらに、ロングタームエボリューション(LTE)RANの中の又はLTERANから2G/3GRAN(例えば、ユニバーサルテレストリアル無線アクセスネットワーク(UTRAN))へのHOの間における接続障害は、2G/3GRANに対する再接続によってフォローされる(すなわち、LTERANから2G/3GRANへのHOは遅過ぎる)。
・シナリオ2:2G/3GRAN(すなわち、ソースRAT)に戻って再接続されることによりフォローされる2G/3GRAN(例えば、UTRAN)からLTERANへのHOの間又は後のモビリティーの障害。再接続は、HOに対するソースセル又は2G/3GRANの中の異なるセルに対するものである。これは、本明細書の中において、2G/3GRANからLTERANへの早過ぎるHOとして言及される。
・シナリオ2a:2G/3GRANに戻って再接続されることによりフォローされる2G/3GRANからLTERANへのHOの間のハンドオーバー障害(HOF)(すなわち、LTERANの中のランダムアクセスチャネル(RACH)の試みの間のHOF)。
・シナリオ2b:2G/3GRANに戻って再接続されることによりフォローされる2G/3GRANからLTERANへのHOの直後のLTERANの中のRLF。
さらに、LTERAN及び2G/3GRANの間のIRATHOsに対して、モビリティーロバストネス最適化(MRO)アルゴリズムを実行する種々のRATsに対して利用可能なIRATHOsに関連したRLF報告を作るための複数の解決法が、提案されてきた。背景技術の中において議論されたように、これらの解決法は以下のものを含む:すなわち、
・解決法1:LTERANに戻ってくる時に、RLFを報告する。
・解決法2:モビリティーの障害の後にUEが再接続する2G/3GRAN及び/又はLTERANに対して障害を報告する。
・解決法3:障害が発生したRATに対してRLFを報告し、かつHO指令が受信されたセルのRATの中のHOの障害を報告する。
・解決法4:LTERANから2G/3GRANへのIRATHOが遅過ぎる場合で、LTERANに戻る場合、RLFを報告し、かつ2G/3GRANからLTERANへのIRATHOが早過ぎる場合、2G/3GRANのRNCにおける接続障害を検出する。
【0034】
本発明者は、移動体通信ネットワークに対して利用可能な障害報告を作るための上述の解決法を使用する場合、起きてくる1つの問題は、ユーザ装置又はユーザ要素(UE)が接続障害を経験する時間と、UEが接続障害を報告する時間との間に遅れが存在するということである、ということを理解した。接続障害を報告することにおける遅れは、接続障害が報告されるべきRANに対してUEが再接続する前の長い遅れ(例えば、解決法1)のためであり、接続障害が報告されるべきRANと再接続する前の長い時間に対してUEがアイドルモードに移行するためであり、又は長い時間にわたりRLF報告の報告をリクエストする移動体通信ネットワークの障害のためである。それ故、例えば、LTERANの中のセルに対してMROを実行するMRO機能は、タイムリーなやり方で受信された障害報告に基づいて、セルに対してモビリティーパラメータに対する調整(すなわち、モビリティーの調整)をもたらす、MROプロセスを実行する。しかしながら、遅れた報告の問題のために、MRO機能は、障害報告がモビリティーの調整を行う前の時間ウィンドウに関連する場合であっても、モビリティーの調整が行われた後にその障害報告を受信し続ける。現在のMROアルゴリズムを使用しても、これらの「過去の」障害報告は、MROプロセスの次の繰り返しのためのタイムリーな障害報告と同じ関連性を伴って、未だ考慮される。過去の障害報告は、正しくない又は望ましくないモビリティーの調整をもたらし、かつ安定したモビリティーの状態への移動体通信ネットワークの収束を遅くする。
【0035】
実施例として、
図15は、LTERANから3GRANへの遅過ぎるHOsのためのRLFsの後の、解決法1、シナリオ1に対する過去の障害報告を図解している。解決法1に対して、UEsは、それらがLTERANに戻るまで障害を報告せず、かつ結果として、UEsがRLFの後に最初にLTERANに戻って再接続しない場合、遅れが存在する。この遅れは、2つの理由のために非常に長い:すなわち、(1)3GRANからLTERANへのHOは、LTERAN及び3GRANの間のピンポンを避けるために、オペレーターによって不能にされ、かつ(2)UEsは、セルの再選択を介してLTERANに再接続し、セルの再選択はUEに制御される手順である(すなわち、UEsは、望ましい場合に3GRANの中に置かれたままであることを決定することができる)。LTERANの中の基地局の上で働くMRO機能及び/又は3GRANの中の無線ネットワークコントローラ(RNCs)の上で働くMRO機能は、何らかのイベントの発生に反応して及び/又は最小の数の報告の受信に基づいて定期的にモビリティーの調整をトリガし、それらの報告は、RLF報告、不必要なHO報告、又はピンポン報告となる可能性がある。
【0036】
この実施例において、N=N1+N2のUEsは、LTERANのセルAから3GRANのセルXへの遅過ぎるHOsを被っており、かつUEsの全てのNは、遅過ぎるHOsのためにLTERANのセルAの中の対応するRLFsの後に3GRANのセルYに再接続した。しばらくした後に、UEsのN1は、LTERANのセルBに再接続し、かつ対応するRLF報告をLTERANの中のセルBに対応する基地局(eNB1)に送信した。eNB1がLTERANのセルA及びセルBの両方を担うと想定すると、eNB1のMROプロセスは、特定の時間(t0)においてトリガされ、モビリティーの調整又はMROの調整が必要とされるか否かを判定し、そうであればモビリティーの調整を行う。時間(t0)の後に、新しいUEsは、結局、遅過ぎる又は不必要なHOsを被り、かつそれらの新しいUEsがLTERANに戻る場合、新しいUEsは、MROプロセスの次の繰り返しのために使用されるように新しいRLF報告を送る。
【0037】
時間(t0)の後に、eNB1はまた、それらのUEsが、3GPPの技術仕様書(TS)36.331にしたがって、障害の後48時間以内にLTERANに対してRLF報告を送る場合、他のN2のUEsからRLF報告を受信する。現行基準において、eNB1が、それらのN2のUEsからのRLF報告がeNB1の中の現在のモビリティーパラメータの設定と関連しているということを認識するための、サポートは存在しない。それ故、eNB1が、eNB1におけるMROプロセスの引き続いて行われる繰り返しに対して、RLF報告が考慮されないように、N2のUEsからのRLF報告を廃棄することは不可能である。そのようにして、N2のUEsからのRLF報告は、本明細書の中において過去のRLF報告として言及され、MROの調整及びN2/Nに比例するMROの収束のロバストネスに影響を与えるだろう。
【0038】
他の解決法、すなわち、解決法2、3、及び4において、RLF報告は、MROアルゴリズムをおそらく実行する他のノードに対して利用可能なように作られる。これらの解決法において、例えば、過去のRLFは、UEが障害の後にアイドルモードに行ってかつ長い時間の後にアクティブモードに戻る場合、又はネットワークが長い時間においてRLF報告の報告をリクエストし損ねた場合に、発生する。過去のRLF報告の問題はまた、RLF報告が解決法1においてよりも早く利用可能である場合でさえ、存在する。例えば、特定の数の障害がMROプロセスの繰り返しが実行される数分前に発生することを想定することができ、かつ対応するRLF報告が数分後に利用可能であってさえも、RLF報告は過去のものである。
【0039】
本開示は、移動体通信ネットワークの中の接続障害の過去の報告に対処するシステム及び方法を提供する。過去の障害報告は、それらがモビリティー最適化プロセス(例えば、MROプロセス)の引き続き行われる繰り返しに対して考慮されないように、又は低減された関連性を伴ってモビリティー最適化プロセスの引き続き行われる繰り返しに対して考慮されるように、廃棄されることができる。とりわけ、以下に説明される実施形態の多くがIRATHOsに関連する障害報告の分類に関係する一方で、本明細書の中において開示される概念は、イントララットHOs(すなわち、同じRATの中のセルの間のHOs)に対する障害報告に対して等しく適用可能である。さらに、以下に説明される実施形態の多くが4GLTE移動体通信ネットワーク及び2G/3G移動体通信ネットワークの間のIRATHOsに関連する障害報告の分類に関係するけれども、本明細書の中において説明される概念は、任意の特定のRATsに限定されない。
【0040】
この点において、
図16は、本開示の一実施形態による、障害報告を特徴付けるためのプロセスを図解している流れ図である。この実施形態において、
図16のプロセスは、本明細書の中においてMROプロセスとして言及される、モビリティーパラメータを調整し又はアップデートするためのプロセスを実行する移動体通信ネットワークの中のノードによって実行される。本明細書の中において使用されるように、モビリティーパラメータは、移動体通信ネットワークの範囲内の無線装置のモビリティー若しくはHOs又はUEを制御するために利用されるパラメータである(例えば、基準信号受信電力(RSRP)又は基準信号受信クオリティー(RSRQ)の閾値)。より具体的には、モビリティーパラメータは、1つのセルから近隣のセルへのHOsを制御するために利用されるパラメータであり、ここで、その2つのセルは同じRAN(すなわち、イントララットHOsに対して)の中にあり、又は種々のRATs(すなわち、IRATHOsに対して)にしたがって作動する種々のRANsの中にある。モビリティーパラメータは、概して、モビリティーの閾値(例えば、RSRP及び/又はRSRQの閾値)を含む。モビリティーの調整は、特定の隣接するセルに対する1以上のモビリティーパラメータの調整である。さらに、モビリティーの調整は、異なるソース及びターゲットエンティティ―の間のモビリティーの閾値などのモビリティーパラメータに影響を与える。例えば、モビリティーの調整は、ソースセルとターゲットセルの間、又はソースセルとターゲット周波数の間、又はソースセルとターゲットRATの間に適用される。例えば、
図16のプロセスを実行するノードは、移動体通信ネットワークの中の基地局(例えば、LTE移動体通信ネットワークの拡張ノードB(eNB))、RNC(例えば、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム(UMTS)の移動体通信ネットワークの中の基地局のRNC)、又は同様なものであり得る。
【0041】
図解されているように、ノードは、UEに対する接続障害と関連する障害報告を受信する(ステップ1000)。本明細書の中において使用されているように、障害報告は、概して、UEによって経験される接続障害を通知又は報告する情報であり、ここで、接続障害は、より具体的にはモビリティーの接続障害である。一具体的実施形態において、障害報告はRLF報告である。以下に議論されるように、障害報告は、接続障害が発生した時間を表示するタイミングデータを含む。1つの好適な実施形態において、タイミングデータは、接続障害が発生した時間と、UEが適切なノードに対して障害報告を送信することによって接続障害を報告した時間との間で経過した時間の量を確定するタイマー値であるか、又はタイマー値を含む。しかしながら、タイミングデータは、それに限定されない。例えば、タイミングデータは、代替的に、接続障害が発生した絶対的な時間(例えば、接続障害が発生した時間及び日にち)を含む。以下で詳細に議論されるように、ノードが障害報告を受信するやり方は、具体的な実施形態に応じて変化する可能性がある。概して、ノードはUEから、同じ移動体通信ネットワークの中の別のノードから、又は異なるRATにしたがって作動する別の移動体通信ネットワークの中の別のノードから障害報告を受信することができる。
【0042】
障害報告を受信した後に、ノードは、関連する接続障害がノードによって行われた最後の又は最も直近のMROの調整の前に発生したか否かを判定する(ステップ1002)。言い換えると、ノードは、関連する接続障害がノードによって行われた最も直近のMROの調整に関していつ発生したしたかを判定する。より具体的に、一実施形態において、障害報告の中に含まれるタイミングデータは、接続障害が発生した時間を表示するタイミングデータを含む。その後、ノードは、障害報告の中のタイミングデータ、及び最も直近のMROの調整がノードによって行われた時間を確定するノードによって維持されるタイミングデータに基づいて、最も直近のMROの調整に関して関連する接続障害がいつ発生したかを判定する。以下に議論される1つの好適な実施形態において、障害報告の中のタイミングデータは、接続障害が発生した時間と、UEが障害報告を適切なノードに送信することによって接続障害を報告した時間との間で経過した時間の量を確定するタイマー値であるか又はタイマーチを含み、かつノードによって維持されるタイミングデータは、最も直近のMROの調整がノードによって行われてから経過した時間の量を確定する別のタイマー値であるか又はタイマー値を含む。この実施形態において、ノードは、いくつかの実施形態において、UEによる接続障害の報告と、ノードによる障害報告の受信との間の任意の遅れの原因となる一方で、2つのタイマー値の比較に基づいて、ノードによって行われた最も直近のMROの調整に関して接続障害がいつ発生したかを判定する。
【0043】
別の実施形態において、別のノード(例えば、運用及び整備(OAM)ノード)は、最も直近のMROの調整がノードによって行われてから経過した時間の量を確定するタイマー値を維持する。本実施形態において、ノードは、接続障害が発生した時間と、UEが障害報告を他のノードに送信することによって接続障害を報告した時間との間で経過した時間の量を確定する障害報告からのタイマー値を送る。その後、他のノードは、いくつかの実施形態において、UEによる接続障害の報告と、他のノードによって送られた障害報告の中のタイマー値の受信との間の任意の遅れの原因となる一方で、2つのタイマー値を比較する。その後、他のノードは、ノードによって行われた最も直近のMROの調整に関して接続障害がいつ発生したかを表示するノードに対して、情報を返す。
【0044】
接続障害が最も直近のMROの調整の前に発生した場合、ノードは、障害報告を過去の障害報告として分類する(ステップ1004)。そのようにして、一実施形態において、障害報告は、廃棄されるか又はさもなければ、MROプロセスの次の繰り返しに対して考慮されない。別の実施形態において、障害報告は、低減された関連性(例えば、MROプロセスの次の繰り返しに対するタイムリーな障害報告と比較して、低減された重み付け又はスケーリングファクター)を伴って、MROプロセスの次の繰り返しに対して考慮される。接続障害が最も直近のMROの調整の後に発生した場合、ノードは、障害報告を現在の又はタイムリーな障害報告として分類する(ステップ1006)。そのようにして、障害報告は、MROプロセスの次の繰り返しに対して、最大限の重み付けを伴って、考慮される。
【0045】
図17は、本開示の一実施形態による、接続障害を報告するUEの作動を図解している流れ図である。図解されているように、UEは接続障害を検出する(ステップ2000)。接続障害は、好ましくは、RLF又はHOFのいずれかである。例えば、接続障害は、LTERANから2G/3GRANへの遅過ぎるIRATHOによるRLFである。別の実施例として、接続障害は、2G/3GRANからLTERANへの早過ぎるIRATHOによるHOFであるか、又は早過ぎるIRATHOによる2G/3GRANからLTERANへのIRATHOの直後のRLFである。しかしながら、これらの実施例は非限定的であることに注意せよ。他のタイプの接続障害(すなわち、イントララットHOに対するHOの障害)は、UEによって検出されかつ引き続いて報告される。
【0046】
接続障害を検出することに反応して、UEはタイマーを開始し、それは本明細書の中においてタイマー(TF)として言及される(ステップ2002)。その後、UEは、UEが接続障害を報告する時間であると判定するまで、タイマー(TF)を実行することを続ける(ステップ2004)。一旦、接続障害を報告する時間になると、UEはタイマー(TF)を停止する(ステップ2006)。このやり方において、タイマー(TF)は、接続障害が発生しそれ故、UEによって検出された時間と、接続障害がUEによって報告される時間との間で経過した時間の量を確定する。最後に、UEは、適切なノードに対して接続障害を報告する障害報告を送り又は送信し、ここで、障害報告はタイマー(TF)の値を含む(ステップ2008)。UEが障害報告を送るノードは、具体的な実施形態に応じて変化する可能性がある。以下に詳細に議論されるように、UEは、接続障害が発生した同じRAT又は同じRANの中の基地局に対して、又は接続障害が発生したRAT又はRANとは、異なるRAT又は異なるRANの中の基地局に対して、障害報告を送ることができる。とりわけ、接続障害がRLF又はHOFであるならば、接続障害はRLF報告を介して報告される。
【0047】
図18は、本開示の一実施形態による、
図17のプロセスにしたがってUEsにより送られた障害報告を受信し、分類し、かつ利用するMROプロセスを実行するノードの作動を図解している流れ図である。図解されているように、ノードは、MROプロセスの第1の繰り返しに対するMROの調整を行うことにおいてタイマー(TMRO)を開始する(ステップ3000)。その後、ノードは、障害報告を受信し、かつタイマー(TMRO)及び障害報告の中に含まれているタイマー(TF)に基づいて、障害報告を分類する(ステップ3002)。障害報告は、複数のセル、周波数、及び/又はRATsに対する障害報告であり得ることに注意せよ。一実施形態において、各々の障害報告は、ノードによって障害報告が受信される時間におけるタイマー(TMRO)と、障害報告の中のタイマー(TF)との比較に基づいて分類され、障害報告は、TF>TMROである場合に過去の障害報告として分類され、かつTF<TMROである場合に現在の又はタイムリーな障害報告として分類される。しかしながら、いくつかの実施形態において、障害報告が対応するUEによって送られる時間と、障害報告がノードによって受信される時間との間に遅れが存在する。例えば、解決法1、シナリオ2aにおいて、障害報告は、UEによって2G/3GRANに対して送られ、かつその後、2G/3GRANのRNCによってRAN情報メッセージ(RIM)を介してLTERANに対して転送される。障害報告の転送は、関連する遅れを有し、その遅れはTF及びTMROを比較する場合にノードによって埋め合わせされる。
【0048】
MROプロセスを実行するためのトリガリングイベントが発生した後のいつかにおいて、ノードは、MROプロセスの次の繰り返しを実行する(ステップ3004)。一実施形態において、過去の障害報告は廃棄され、ステップ3004によって実行されたMROプロセスの次の繰り返しは、ステップ3002において受信されかつ過去として分類された障害報告に基づいてではなく、ステップ3002において受信されかつ現在として分類された障害報告に基づいて実行される。別の実施形態において、過去の障害報告は、ステップ3002において受信されかつ過去として分類された障害報告と同様に、ステップ3004において実行されたMROプロセスの次の繰り返しが、ステップ3002において受信されかつ現在として分類された障害報告に基づいて実行されるように、低減された関連性を伴って考慮され、しかしここで、過去の障害報告は、現在の障害報告と比較して低減された関連性を伴って考慮される。過去の障害報告の関連性は、例えば、過去の障害報告に対して適切なスケーリング又は重み付けファクターを適用して、低減される。
【0049】
次に、ノードは、任意のMROの調整がステップ3004の中で実行されたMROプロセスの繰り返しの間において行われたか否かを判定する(ステップ3006)。もしそうでなければ、プロセスはステップ3002に戻りかつ継続される。ステップ3004の中において1以上のMROの調整が行われた場合、ノードは、タイマー(TMRO)を再開し(ステップ3008)、かつその後、プロセスはステップ3002に戻りかつ継続される。
【0050】
図19は、本開示の一実施形態による、接続障害の報告及び対応する障害報告の分類を有効にする多重のRAT移動体通信システム20を図解している。本明細書の中において使用されるように、多重のRAT移動体通信システムは、種々のRATsにしたがって作動する多重の移動体通信ネットワークを含む。本実施形態において、多重のRAT移動体通信システム20は、LTE移動体通信ネットワーク22(具体的には、4GLTE移動体通信ネットワーク22)及び3GネットワークであるUMTS移動体通信ネットワーク23を含む。図解されているように、LTE移動体通信ネットワーク22はRANを含み、RANは本明細書の中においてLTERANとして言及される。LTERANは、LTE移動体通信ネットワーク22の対応するセルを担う、基地局(BSs)24−1及び24−2(より一般的には本明細書の中において集団的に複数の基地局24として及び個別的に基地局24として言及される)を含む。とりわけ、LTEにおいて、基地局24はまたeNBsとしてまた言及される。
【0051】
基地局24−1は、基地局24−1によって担われるセルの範囲内に置かれる、UEs26−1から26−N1(より一般的には本明細書の中において集団的にUEs26として及び個別的にUE26として言及される)を担う。同様に、基地局24−2は、基地局24−2によって担われるセルの範囲内に置かれる、UEs28−1から28−N2(より一般的には本明細書の中において集団的にUEs28として及び個別的にUE28として言及される)を担う。本明細書の中において使用されるように、UEは、移動体通信ネットワークの中で作動するように構成される任意のタイプの装置、及び
図19の実施形態において、多重のRAT移動体通信システム20の中で作動するように構成される任意のタイプの装置である。基地局24−1は、本明細書の中においてUEs26の担当基地局24−1として言及され、かつ基地局24−2は、本明細書の中においてUEs28の担当基地局24−2として言及される。とりわけ、議論の明快さ及び簡略化のために、2つの基地局24−1及び24−2のみが
図19の中において図解されている一方で、LTE移動体通信ネットワーク22は、任意の数の基地局24を含むことができる、ということがしっかりと理解されるべきである。さらに、図解されていない一方で、各々の基地局24は、1以上のセル又はセクターを担う。
【0052】
LTE移動体通信ネットワーク22はまた、(図示されぬ)1以上の担当ゲートウェイ(S−GWs)及び1以上のモビリティー管理エンティティー(MMEs)を含むコアネットワーク30を含む。基地局24は、対応するS1接続を介してコアネットワーク30に接続される。同様に、本実施形態において、基地局24−1及び24−2は、X2接続を介して互いに接続される。
【0053】
UMTS移動体通信ネットワーク23はRANを含み、RANは本明細書の中においてUTRANとして言及される。UTRANは、RNCs32−1及び32−2(より一般的には本明細書の中において集団的にRNCs32として及び個別的にRNC32として言及される)を含む。RNC32−1は、任意の数の基地局34−1から34−M1(より一般的には本明細書の中において集団的に複数の基地局34として及び個別的に基地局34として言及される)を制御する。同様に、RNC32−2は、任意の数の基地局36−1から36−M2(より一般的には本明細書の中において集団的に複数の基地局36として及び個別的に基地局36として言及される)を制御する。基地局34−1は、UMTS移動体通信ネットワーク23の対応するセルの範囲内に置かれるUEs38−1から38−N3(より一般的には本明細書の中において集団的にUEs38として及び個別的にUE38として言及される)を担い、かつ基地局34−M1は、UMTS移動体通信ネットワーク23の対応するセルの範囲内に置かれるUEs40−1から40−N4(より一般的には本明細書の中において集団的にUEs40として及び個別的にUE40として言及される)を担う。同じようなやり方で、基地局36−1は、UMTS移動体通信ネットワーク23の対応するセルの範囲内に置かれるUEs42−1から42−N5(より一般的には本明細書の中において集団的にUEs42として及び個別的にUE42として言及される)を担い、かつ基地局36−M2は、UMTS移動体通信ネットワーク23の対応するセルの範囲内に置かれるUEs44−1から44−N6(より一般的には本明細書の中において集団的にUEs44として及び個別的にUE44として言及される)を担う。とりわけ、議論の明快さ及び簡略化のために、2つのRNCs32のみが
図19の中において図解されている一方で、UMTS移動体通信ネットワーク23は、任意の数のRNCs32及び関連する複数の基地局を含むことができる、ということがしっかりと理解されるべきである。UMTS移動体通信ネットワーク23はまた、コアネットワーク46を含む。RNCs32は、対応する接続を介してコアネットワーク46に接続される。
【0054】
多重のRAT移動体通信システム20は、UEs26、28、38、40、42、44に対してモビリティーパラメータを最適化するように作動する、多重のMRO機能48−1から48−4(より一般的には本明細書の中において集団的に複数のMRO機能48として及び個別的にMRO機能48として言及される)を含む。LTE移動体通信ネットワーク22において、MRO機能48−1及び48−2は、本実施例の中で、基地局24−1及び24−2において実装される。反対に、UMTS移動体通信ネットワーク23において、MRO機能48−3及び48−4は、RNCs32−1及び32−2において実装される。本実施例において、MRO機能48−1は、基地局24−1によって担われるセルからのHOsを制御する1以上のモビリティーパラメータを調整し又はアップデートする、MROアルゴリズムを実行する。これらのモビリティーパラメータは、RSRP及び/又はRSRQの測定タイプと関連することができ、かつ基地局24−1によって担われるセルに対するHOの閾値を形成するように作動し、その閾値は本明細書の中においてho_thresh_lteとして言及される。同じやり方において、MRO機能48−2は、基地局24−2によって担われるセルからのHOsを制御する1以上のモビリティーパラメータを調整し又はアップデートする、MROアルゴリズムを実行する。MRO機能48−3は、RNC32−1によって制御される基地局34によって担われるセルからのHOsを制御する1以上のモビリティーパラメータを調整し又はアップデートする、MROアルゴリズムを実行する。これらのモビリティーパラメータは、RSRP及び/又はRSRQの測定タイプと関連することができ、かつ基地局34によって担われるセルに対するHOの閾値を形成するように作動し、その閾値は本明細書の中においてho_thresh_utranとして言及される。同じやり方において、MRO機能48−4は、RNC32−2によって制御される基地局36によって担われるセルからのHOsを制御する1以上のモビリティーパラメータを調整し又はアップデートする、MROアルゴリズムを実行する。
【0055】
以下に詳細に議論されるように、複数のMRO機能48は、UEs26、28、38、40、42、及び44によって経験される接続障害と関連する障害報告を、複数のMRO機能48によって実行されるMROアルゴリズムの特定の繰り返しに対して過去又は現在のいずれかとして分類する。一実施形態において、各々の障害報告は、対応する接続障害が発生した時間を表示するタイミングデータを含む。一旦、障害報告が適切なMRO機能48によって受信されると、
図16から18に関して上述されたように、MRO機能48はその後、タイミングデータに基づいて障害報告を現在又は過去のいずれかとして分類する。障害報告が過去である場合、その後、MRO機能48は、具体的な実施形態に応じて、障害報告を廃棄するか、又はMROプロセスの次の繰り返しに対して低減された関連性を伴って障害報告を考慮する。
【0056】
図20から29は、本開示のいくつかの実施形態による、
図19の多重のRAT移動体通信システム20の作動を図解している。特に、
図20から29は、解決法1から4及びシナリオ1、2aに対する、
図19の多重のRAT移動体通信システム20の作動を図解している。特に、
図20は、本開示の一実施形態による、解決法1、シナリオ1に対する、
図19の多重のRAT移動体通信システム20の作動を図解している。図解されているように、時間(t0)において、LTERANの中の基地局24(eNB)のMRO機能48は、1以上のMROの調整(すなわち、1以上のモビリティーパラメータに対する調整)をもたらす、MROプロセスの繰り返しを実行する。MROの調整を行う結果として、基地局24(eNB)はタイマーを開始する(TMRO)。その後しばらくして、時間(t1)において、基地局24(eNB)によって担われるセルの中の2つのUEs(UE1及びUE2)は、RLFsを経験する。本実施形態において、RLFsは、基地局24(eNB)によって担われるセルからUTRANの中の基地局34、36のうちの1つによって担われるセルへの遅過ぎるHOsのために生ずる。RLFsは、UEs(UE1及びUE2)によって検出され、かつそれに応じて、UEs(UE1及びUE2)は、対応するタイマー(TF)を開始する。
【0057】
最初に、UEs(UE1及びUE2)は、RLFsの後にUTRANに再接続する。その後に、時間(t2)において、UE1は、LTERAN(例えば、UTRANからLTERANへのIRATHOによって)に再接続し、かつt0におけるRLFに対するRLF報告を送るためのトリガリングイベントが発生する。UE1は、RLFが発生したLTERANの中の同じセル、又はLTERANの中の異なるセルに対して再接続する。RLF報告を送るためのトリガリングイベントに反応して、UE1は、タイマー(TF)を停止し、かつタイマー(TF)の値を含む障害報告(すなわち、RLF報告)をLTERANの中のUE1の担当基地局24に対して送信する。担当基地局24がRLFが発生したセルを担う基地局24(eNB)と異なる場合、その後、担当基地局24は、接続障害が発生したセルを担う基地局24(eNB)に対して障害報告を転送する。障害報告を受信することによって、基地局24(eNB)のMRO機能48は、障害報告の中に含まれるタイマー(TF)の値に基づいて障害報告を分類し、タイマー(TF)の値はこの場合においてt2−t1であり、かつ障害報告を受信する時間における基地局24(eNB)におけるタイマー(TMRO)の値は、この場合においてt2−t0である。ここで、タイマー(TF)の値は、タイマー(TMRO)の値よりも小さく、かつそのようにして、障害報告は現在又は時間通りであるとして分類され、時間(t3)における基地局24(eNB)のMRO機能48によって実行されるMROプロセスの次の繰り返しのために使用される。タイマー(TMRO)が、時間(t3)においてMRO機能48によって行われる1以上のモビリティーの調整に反応して、時間(t3)において再開されることに注意せよ。
【0058】
その後しばらくして、時間(t4)において、UE2は、LTERANに再接続する(例えば、UTRANからLTERANへのIRATHOによって)。UE2は、RLFが発生したLTERANの中の同じセル、又はLTERANの中の異なるセルに対して再接続する。LTERANに対して再接続した後に、t0において発生したRLF障害を報告するためのトリガリングイベントが、時間(t4)において発生する。例えば、トリガリングイベントは、LTERANからの任意の障害報告に対するリクエストの受信である。それに応じて、UE2は、タイマー(TF)を停止し、かつタイマー(TF)の値を含む障害報告(すなわち、RLF報告)をLTERANの中のUE2の担当基地局24に対して送信する。担当基地局24がRLFが発生したセルを担う基地局24(eNB)と異なる場合、その後、担当基地局24は、接続障害が発生したセルを担う基地局24(eNB)に対して障害報告を転送する。障害報告を受信することによって、基地局24(eNB)のMRO機能48は、障害報告の中に含まれるタイマー(TF)の値に基づいて障害報告を分類し、タイマー(TF)の値はこの場合においてt4−t1であり、かつ障害報告を受信する時間における基地局24(eNB)におけるタイマー(TMRO)の値は、この場合においてt4−t3である。ここで、タイマー(TF)の値は、タイマー(TMRO)の値よりも大きく、かつそのようにして、障害報告は過去であるとして分類される。そのようにして、障害報告は、基地局24(eNB)のMRO機能48によって実行されるMROプロセスの次の繰り返しに対して、考慮されないか、又は低減された関連性を伴って考慮される。
【0059】
図21は、本開示の一実施形態による、解決法1、シナリオ2aに対する、
図19の多重のRAT移動体通信システム20の作動を図解している。図解されているように、時間(t0)において、UTRANの中のRNCs32のうちの1つのMRO機能48は、1以上のMROの調整(すなわち、1以上のモビリティーパラメータに対する調整)をもたらす、MROプロセスの繰り返しを実行する。MROの調整を行う結果として、RNC32はタイマー(TMRO)を開始する。その後しばらくして、時間(t1)において、UTRANの中のRNC32によって制御される基地局34、36のうちの1つによって担われるセルの中の2つのUEs(UE1及びUE2)は、基地局34、36によって担われるセルからLTERANの中の複数の基地局24(eNB)のうちの1つによって担われるセルへのIRATHOsの間にHOFsを経験する。本実施形態において、HOFsは早過ぎるHOsのために生ずる。HOFsは、UEs(UE1及びUE2)によって検出され、かつそれに応じて、UEs(UE1及びUE2)は、対応するタイマー(TF)を開始する。
【0060】
最初に、UEs(UE1及びUE2)は、HOFsの後にUTRANに再接続する。その後に、時間(t2)において、UE1は、LTERAN(例えば、UTRANからLTERANへのIRATHOによって)に再接続し、かつHOFに対する障害報告を送るためのトリガリングイベントが発生する。障害報告を送るためのトリガリングイベントに反応して、UE1は、タイマー(TF)を停止し、かつタイマー(TF)の値を含むHOFに対する障害報告をLTERANの中のUE1の担当基地局24に対して送信する。担当基地局24は、障害報告がRNC32によって制御される基地局34、36によって担われるセルからのIRATHOに対するHOFに対するものであると判定し、かつそれ故、障害報告をRIMを介してRNC32へ転送する。障害報告を受信することによって、RNC32のMRO機能48は、障害報告の中に含まれるタイマー(TF)の値に基づいて障害報告を分類し、タイマー(TF)の値はこの場合においてt2−t1であり、かつ障害報告を受信する時間におけるRNC32におけるタイマー(TMRO)の値は、この場合においてt3−t0である。ここで、タイマー(TF)の値は、タイマー(TMRO)の値よりも小さく、かつそのようにして、障害報告は現在又は時間通りであるとして分類され、時間(t4)におけるRNC32のMRO機能48によって実行されるMROプロセスの次の繰り返しのために使用される。とりわけ、RNC32のMRO機能48は、障害報告の転送から生ずる遅れ(すなわち、遅れt3−t2)を埋め合わせる。RNC32におけるタイマー(TMRO)は、時間(t4)においてMRO機能48によって行われる1以上のモビリティーの調整に反応して、時間(t4)に再開される。
【0061】
その後しばらくして、時間(t5)において、UE2は、LTERAN(例えば、UTRANからLTERANへのIRATHOによって)に再接続し、かつHOFに対する障害報告を送るためのトリガリングイベントが発生する。障害報告を送るためのトリガリングイベントに反応して、UE2は、タイマー(TF)を停止し、かつタイマー(TF)の値を含むHOFに対する障害報告をLTERANの中のUE2の担当基地局24に対して送信する。担当基地局24は、障害報告がRNC32によって制御される基地局34、36によって担われるセルからのIRATHOに対するHOFに対するものであると判定し、かつそれ故、障害報告をRIMを介してRNC32へ転送する。障害報告を受信することによって、RNC32のMRO機能48は、障害報告の中に含まれるタイマー(TF)の値に基づいて障害報告を分類し、タイマー(TF)の値はこの場合においてt5−t1であり、かつ障害報告を受信する時間におけるRNC32におけるタイマー(TMRO)の値は、この場合においてt6−t4である。ここで、タイマー(TF)の値は、タイマー(TMRO)の値よりも大きく、かつそのようにして、障害報告は過去であるとして分類され、RNC32のMRO機能48によって実行されるMROプロセスの次の繰り返しのために使用され又は使用されない。とりわけ、RNC32のMRO機能48は、障害報告の転送から生ずる遅れ(すなわち、遅れt6−t5)を埋め合わせる。RNC32におけるタイマー(TMRO)は、時間(t4)においてMRO機能48によって行われる1以上のモビリティーの調整に反応して、時間(t4)に再開される。UE2からの障害報告が過去なので、障害報告は、RNC32のMRO機能48によって実行されるMROプロセスの次の繰り返しに対して、考慮されないか、又は低減された関連性を伴って考慮される。LTERANの中のセルのMRO機能48がまた、望まれれば障害報告を受信しかつ利用する、ということはまた注意されるべきである。
【0062】
図22は、本開示の一実施形態による、解決法1、シナリオ2bに対する、
図19の多重のRAT移動体通信システム20の作動を図解している。本実施形態は、
図21のそれと同じであるが、接続障害が成功したIRATHOの直後のRLF障害である。そういうことなので、詳細は繰り返さない。
【0063】
図23は、本開示の一実施形態による、解決法2、シナリオ1に対する、
図19の多重のRAT移動体通信システム20の作動を図解している。図解されているように、時間(t0)において、LTERANの中の複数の基地局24(eNB)のうちの1つのMRO機能48は、1以上のMROの調整(すなわち、1以上のモビリティーパラメータに対する調整)をもたらす、MROプロセスの繰り返しを実行する。MROの調整を行う結果として、基地局24(eNB)はタイマー(TMRO)を開始する。その後しばらくして、時間(t1)において、基地局24(eNB)によって担われるセルの中の2つのUEs(UE1及びUE2)は、RLFsを経験する。本実施形態において、RLFsは、基地局24(eNB)によって担われるセルからUTRANの中の基地局34、36のうちの1つによって担われるセルへの遅過ぎるHOsのために生ずる。RLFsは、UEs(UE1及びUE2)によって検出され、かつそれに応じて、UEs(UE1及びUE2)は、対応するタイマー(TF)を開始する。
【0064】
その後しばらくして、時間(t2)において、UE1は、UTRANの中のRNCs32のうちの1つの基地局34、36のうちの1つのセルに再接続し、かつt0におけるRLFに対するRLF報告を送るためのトリガリングイベントが発生する。RLF報告を送るためのトリガリングイベントに反応して、UE1は、タイマー(TF)を停止し、かつタイマー(TF)の値を含む障害報告(すなわち、RLF報告)をUTRANの中のUE1の担当基地局34、36に対して送信し、担当基地局34、36は、今度は、RLF報告をRNC32に対して通信する。RNC32は、RLF報告がLTERANの中の基地局24(eNB)によって担われるセルの中で発生したRLFと関連することを判定し、かつそれ故、RLF報告を時間(t3)においてRIMを介して基地局24(eNB)に対して転送する。
【0065】
障害報告を受信することによって、基地局24(eNB)のMRO機能48は、障害報告の中に含まれるタイマー(TF)の値に基づいて障害報告を分類し、タイマー(TF)の値はこの場合においてt2−t1であり、かつ障害報告を受信する時間における基地局24(eNB)におけるタイマー(TMRO)の値は、この場合においてt3−t0である。ここで、タイマー(TF)の値は、タイマー(TMRO)の値よりも小さく、かつそのようにして、障害報告は現在又は時間通りであるとして分類され、時間(t4)における基地局24(eNB)のMRO機能48によって実行されるMROプロセスの次の繰り返しのために使用される。MRO機能48が、RNC32から基地局24(eNB)へのRLF報告の転送に関連する遅れを埋め合わせる、ということに注意すべきであり、その遅れは本実施例においてt3−t2である。タイマー(TMRO)が、時間(t4)においてMRO機能48によって行われる1以上のモビリティーの調整に反応して、時間(t3)において再開される。
【0066】
その後しばらくして、時間(t5)において、UE2は、UTRANの中のRNCs32のうちの1つの基地局34、36のうちの1つのセルに再接続し、かつt0におけるRLFに対するRLF報告を送るためのトリガリングイベントが発生する。RLF報告を送るためのトリガリングイベントに反応して、UE2は、タイマー(TF)を停止し、かつタイマー(TF)の値を含む障害報告(すなわち、RLF報告)をUTRANの中のUE2の担当基地局34、36に対して送信し、担当基地局34、36は、今度は、RLF報告をRNC32に対して通信する。RNC32は、RLF報告がLTERANの中の基地局24(eNB)によって担われるセルの中で発生したRLFと関連することを判定し、かつそれ故、RLF報告を時間(t6)においてRIMを介して基地局24(eNB)に対して転送する。障害報告を受信することによって、基地局24(eNB)のMRO機能48は、障害報告の中に含まれるタイマー(TF)の値に基づいて障害報告を分類し、タイマー(TF)の値はこの場合においてt5−t1であり、かつ障害報告を受信する時間における基地局24(eNB)におけるタイマー(TMRO)の値は、この場合においてt6−t4である。ここで、タイマー(TF)の値は、タイマー(TMRO)の値よりも大きく、かつそのようにして、障害報告は過去であるとして分類され、基地局24(eNB)のMRO機能48によって実行されるMROプロセスの次の繰り返しのために使用され又は使用されない。MRO機能48が、RNC32から基地局24(eNB)へのRLF報告の転送と関連する遅れを埋め合わせる、ということに注意すべきであり、その遅れは本実施例においてt6−t5である。UE2からの障害報告が過去なので、障害報告は、基地局24(eNB)のMRO機能48によって実行されるMROプロセスの次の繰り返しに対して、考慮されないか、又は低減された関連性を伴って考慮される。
【0067】
図24は、本開示の一実施形態による、解決法2、シナリオ2aに対する、
図19の多重のRAT移動体通信システム20の作動を図解している。図解されているように、時間(t0)において、LTERANの中の複数の基地局24(eNB)のうちの1つのMRO機能48は、1以上のMROの調整(すなわち、1以上のモビリティーパラメータに対する調整)をもたらす、MROプロセスの繰り返しを実行する。MROの調整を行う結果として、基地局24(eNB)はタイマー(TMRO)を開始する。それに加えて、時間(t0’)において、UTRANの中のRNCs32のうちの1つのMRO機能48は、1以上のMROの調整(すなわち、1以上のモビリティーパラメータに対する調整)をもたらす、MROプロセスの繰り返しを実行する。MROの調整を行う結果として、RNC32はタイマー(TMRO)を開始する。その後しばらくして、時間(t1)において、UTRANの中のRNC32によって制御される基地局34、36のうちの1つによって担われるセルの中の2つのUEs(UE1及びUE2)は、基地局34、36によって担われるセルからLTERANの中の複数の基地局24(eNB)のうちの1つによって担われるセルへのIRATHOsの間にHOFsを経験する。本実施形態において、HOFsは早過ぎるHOsのために生ずる。HOFsは、UEs(UE1及びUE2)によって検出され、かつそれに応じて、UEs(UE1及びUE2)は、対応するタイマー(TF)を開始する。
【0068】
その後、時間(t2)において、UE1は、UTRANの中の複数のセルのうちの1つと再接続し、かつHOFに対する障害報告を送るためのトリガリングイベントが発生する。UE1は、HOFが発生した同じセル、又は異なるセルに対して再接続する。障害報告を送るためのトリガリングイベントに反応して、UE1は、タイマー(TF)を停止し、かつタイマー(TF)の値を含むHOFに対する障害報告をUTRANの中のUE1の担当基地局34、36に対して送信する。担当基地局34、38は、障害報告がRNC32によって制御される基地局34、36によって担われるセルからLTERANの中の複数の基地局24(eNB)のうちの1つによって担われるセルへのIRATHOに対するHOFに対するものであると判定する。担当基地局34、36のRNC32がHOFが発生したセルを担う基地局34、36のRNC32と異なる場合、RNC32は、HOFが発生したセルを担う基地局34、36のRNC32に対して障害報告を転送する。それに加えて、本実施例において、RNC32は、障害報告を、RIMを介して、失敗したIRATHOのターゲットであったLTERANの中の基地局24(eNB)に対して転送する。
【0069】
障害報告を受信することによって、LTERANの中の基地局24(eNB)は、障害報告の中に含まれるタイマー(TF)の値に基づいて障害報告を分類し、タイマー(TF)の値はこの場合においてt2−t1であり、かつ障害報告を受信する時間における基地局24(eNB)におけるタイマー(TMRO)の値は、この場合においてt3−t0である。ここで、タイマー(TF)の値は、タイマー(TMRO)の値よりも小さく、かつそのようにして、障害報告は現在又は時間通りであるとして分類され、時間(t4)における基地局24(eNB)のMRO機能48によって実行されるMROプロセスの次の繰り返しのために使用される。とりわけ、基地局24(eNB)のMRO機能48は、障害報告を転送することから生ずる遅れ(すなわち、遅れt3−t2)を埋め合わせる。基地局24(eNB)におけるタイマー(TMRO)は、時間(t4)においてMRO機能48によって行われる1以上のモビリティーの調整に反応して、時間(t4)に再開される。
【0070】
RNC32において、RNC32のMRO機能48は、障害報告の中に含まれるタイマー(TF)の値に基づいて障害報告を分類し、タイマー(TF)の値はこの場合においてt2−t1であり、かつ障害報告を受信する時間におけるRNC32におけるタイマー(TMRO)の値は、この場合においてt2−t0’である。ここで、タイマー(TF)の値は、タイマー(TMRO)の値よりも小さく、かつそのようにして、障害報告は現在又は時間通りであるとして分類され、時間(t3’)におけるRNC32のMRO機能48によって実行されるMROプロセスの次の繰り返しのために使用される。RNC32におけるタイマー(TMRO)は、時間(t3’)においてMRO機能48によって行われる1以上のモビリティーの調整に反応して、時間(t3’)に再開される。
【0071】
その後しばらくして、時間(t5)において、UE2は、UTRANの中の複数のセルのうちの1つと再接続し、かつHOFに対する障害報告を送るためのトリガリングイベントが発生する。UE2は、HOFが発生した同じセル、又は異なるセルに対して再接続する。障害報告を送るためのトリガリングイベントに反応して、UE2は、タイマー(TF)を停止し、かつタイマー(TF)の値を含むHOFに対する障害報告をUTRANの中のUE2の担当基地局34、36に対して送信する。担当基地局34、36は、障害報告がRNC32によって制御される基地局34、36によって担われるセルからLTERANの中の複数の基地局24(eNB)のうちの1つによって担われるセルへのIRATHOに対するHOFに対するものであると判定する。担当基地局34、36のRNC32がHOFが発生したセルを担う基地局34、36のRNC32と異なる場合、RNC32は、HOFが発生したセルを担う基地局34、36のRNC32に対して障害報告を転送する。それに加えて、本実施例において、RNC32は、障害報告を、RIMを介して、失敗したIRATHOのターゲットであったLTERANの中の基地局24(eNB)に対して転送する。
【0072】
障害報告を受信することによって、LTERANの中の基地局24(eNB)は、障害報告の中に含まれるタイマー(TF)の値に基づいて障害報告を分類し、タイマー(TF)の値はこの場合においてt5−t1であり、かつ障害報告を受信する時間における基地局24(eNB)におけるタイマー(TMRO)の値は、この場合においてt6−t4である。ここで、タイマー(TF)の値は、タイマー(TMRO)の値よりも大きく、かつそのようにして、障害報告は過去であるとして分類され、基地局24(eNB)のMRO機能48によって実行されるMROプロセスの次の繰り返しのために使用され又は使用されない。とりわけ、基地局24(eNB)のMRO機能48は、障害報告を転送することから生ずる遅れを埋め合わせる。UE2からの障害報告が過去なので、障害報告は、基地局24(eNB)のMRO機能48によって実行されるMROプロセスの次の繰り返しに対して、考慮されないか、又は低減された関連性を伴って考慮される。
【0073】
RNC32において、RNC32のMRO機能48は、障害報告の中に含まれるタイマー(TF)の値に基づいてUE2からの障害報告を分類し、タイマー(TF)の値はこの場合においてt5−t1であり、かつ障害報告を受信する時間におけるRNC32におけるタイマー(TMRO)の値は、この場合においてt5−t3’である。ここで、タイマー(TF)の値は、タイマー(TMRO)の値よりも大きく、かつそのようにして、障害報告は過去であるとして分類され、RNC32のMRO機能48によって実行されるMROプロセスの次の繰り返しのために使用され又は使用されない。UE2からの障害報告が過去なので、障害報告は、RNC32のMRO機能48によって実行されるMROプロセスの次の繰り返しに対して、考慮されないか、又は低減された関連性を伴って考慮される。
【0074】
図25は、本開示の一実施形態による、解決法2、シナリオ2bに対する、
図19の多重のRAT移動体通信システム20の作動を図解している。本実施形態は、
図24のそれと同じであるが、接続障害が成功したIRATHOの直後のRLF障害である。そういうことなので、詳細は繰り返さない。
【0075】
図26から28は、解決法3、シナリオ1、2a、及び2bのそれぞれに対する、
図21の多重のRAT移動体通信システム20の作動を図解している。解決法3に対して、RLFは、接続障害が発生したRATの中で報告され、かつHOFは、HO指令が受信されたセルのRATの中で報告される。それ故、シナリオ1、2a、及び2bに対する解決法3は、解決法1、シナリオ1、解決法2、シナリオ2a、及び解決法1、シナリオ2bのそれぞれと同じである。これらの実施形態に対する多重のRAT移動体通信システム20の作動は、
図20(解決法1、シナリオ1)、
図24(解決法2、シナリオ2a)、及び
図22(解決法1、シナリオ2b)のそれぞれに関して上述されたものと同じである。そういうことなので、詳細は繰り返さない。
【0076】
図29は、解決法4、シナリオ1に対する、
図19の多重のRAT移動体通信システム20の作動を図解している。この実施形態に対する多重のRAT移動体通信システム20の作動は、
図20(解決法1、シナリオ1)に関して上述されたものと同じである。そういうことなので、詳細は繰り返さない。解決法4、シナリオ2a及び2bに対して、接続障害は、UEによって報告されないが、むしろ適切なRNC32によって検出される。
図20から29がIRATHOsに注目している一方で、本明細書の中で開示されるシステム及び方法は、例えば、イントララットHOsに対する接続障害などの他のタイプのモビリティーの接続障害を報告することに対して、等しく適用可能である。
【0077】
図30は、本開示の一実施形態による、UE50のブロック図である。UE50この議論は、
図19のUEs26、28、38、40、42、及び44に対して、等しく適用可能である。図解されているように、UE50は、無線サブシステム52及び処理サブシステム54を含む。無線サブシステム52は、概して、移動体通信ネットワーク22及び23(
図19)に対して及びから送信及び受信するためのアナログ及び、いくつかの実施形態において、デジタル構成要素を含む、(図示されぬ)1以上のトランシーバーを含む。具体的な実施形態において、1以上のトランシーバーのうちの各々は、他のネットワーク構成要素又はノードに対して適切な情報を無線で送信し、かつ他のネットワーク構成要素又はノードから適切な情報を受信することができる、1以上の無線周波数(RF)トランシーバー、又は個別のRF送信機及び受信機を表し、又は含むことできる。無線通信プロトコルの観点から、無線サブシステム52は、少なくとも層1(すなわち、物理的な又は「物理」層)の部分を実装する。
【0078】
処理サブシステム54は、概して、無線通信プロトコルの中のより高い層(例えば、層2(データリンク層)、層3(ネットワーク層)など)に対して機能するのと同様に、層1の任意の残っている部分を実装する。具体的な実施形態において、処理サブシステム54は、例えば、1又はいくつかの汎用又は特殊目的のマイクロプロセッサ、又は本明細書の中において説明されるUE50の機能性のうちのいくつか又は全てを実行するために適切なソフトウェア及び/又はファームウェアを伴ってプログラムされた他のマイクロコントローラを備える。それに加えて又は代替的に、処理サブシステム54は、本明細書の中において説明されるUE50の機能性のうちのいくつか又は全てを実行するように構成される、様々なデジタルハードウェアブロック(例えば、1以上の特定用途向け集積回路(ASICs)、1以上の市販のデジタル及びアナログハードウェア構成要素、又はそれらの組み合わせ)を備える。それに加えて、具体的な実施形態において、UE50の上述された機能性が、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、磁気記憶装置、光学式記憶装置、又は任意の他の適切なタイプのデータ記憶構成要素などの、非一時的コンピュータ可読媒体の上に保存される、ソフトウェア又は他の指示命令を実行する処理サブシステム54によって、全体として又は部分的に実装される。無論、機能的プロトコル層、及びそれ故、無線サブシステム52、並びに処理システム54の各々に対する詳細な作動は、UE50によって支持される基準又は複数の基準と同様に、具体的な実装の両方に応じて変化するだろう。
【0079】
図31は、本開示の一実施形態による、基地局56のブロック図である。基地局56のこの議論は、
図19の基地局24、34、及び36に対して、等しく適用可能である。図解されているように、基地局56は、無線サブシステム58、1以上の通信インターフェース60、及び処理サブシステム62を含む。ただ1つの無線サブシステム58が図解されている一方で、基地局56は、多重の無線サブシステム58(例えば、セクター1つ当たり1つの無線サブシステム58)を含む。無線サブシステム58は、概して、対応するセルの範囲内のUEsに対して及びからデータを送信及び受信するための、アナログ、かついくつかの実施形態において、デジタル構成要素を含む。具体的な実施形態において、無線サブシステム58は、他のネットワーク構成要素又はノードに対して適切な情報を無線で送信し、かつ他のネットワーク構成要素又はノードから適切な情報を受信することができる、1以上のRFトランシーバー、又は個別のRF送信機、及び受信機を表し、又は含むことできる。無線通信プロトコルの観点から、無線サブシステム58は、少なくとも層1(すなわち、物理的な又は「物理」層)の部分を実装する。
【0080】
1以上の通信インターフェース60は、必要に応じて他のネットワークノードに対する接続性を提供する。例えば、1以上の通信インターフェース60は、他の基地局56に対する通信インターフェース(例えば、LTE移動体通信ネットワーク22の中のX2インターフェース)、及び対応するコアネットワーク30、46に対する通信インターフェース(例えば、LTE移動体通信ネットワーク22の中のS1通信インターフェース)を含む。
【0081】
処理サブシステム62は、概して、無線通信プロトコルの中のより高い層(例えば、層2(データリンク層)、層3(ネットワーク層)など)に対して機能するのと同様に、無線サブシステム58の中において実装されない層1の任意の残っている部分を実装する。具体的な実施形態において、処理サブシステム62は、例えば、1又はいくつかの汎用又は特殊目的のマイクロプロセッサ、又は本明細書の中において説明される基地局56の機能性のうちのいくつか又は全てを実行するために適切なソフトウェア及び/又はファームウェアを伴ってプログラムされた他のマイクロコントローラを備える。それに加えて又は代替的に、処理サブシステム62は、本明細書の中において説明される基地局56の機能性のうちのいくつか又は全てを実行するように構成される、様々なデジタルハードウェアブロック(例えば、1以上のASICs、1以上の市販のデジタル及びアナログハードウェア構成要素、又はそれらの組み合わせ)を備える。それに加えて、具体的な実施形態において、基地局56の上述された機能性が、RAM、ROM、磁気記憶装置、光学式記憶装置、又は任意の他の適切なタイプのデータ記憶構成要素などの、非一時的コンピュータ可読媒体の上に保存される、ソフトウェア又は他の指示命令を実行する処理サブシステム62によって、全体として又は部分的に実装される。
【0082】
最後に、
図32は、本開示の一実施形態による、
図19のRNCs32のうちの1つのブロック図である。図解されているように、RNC32は、1以上の通信インターフェース64及び処理システム66を含む。1以上の通信インターフェース64は、必要に応じて他のネットワークノードに対する接続性を提供する。特に、1以上の通信インターフェース64は、対応する基地局34、36(
図19)に対する通信インターフェース、及びコアネットワーク46に対する通信インターフェースを含む。処理サブシステム66は、例えば、1又はいくつかの汎用又は特殊目的のマイクロプロセッサ、又は本明細書の中において説明されるRNC32の機能性のうちのいくつか又は全てを実行するために適切なソフトウェア及び/又はファームウェアを伴ってプログラムされた他のマイクロコントローラを備える。それに加えて又は代替的に、処理サブシステム66は、本明細書の中において説明されるRNC32の機能性のうちのいくつか又は全てを実行するように構成される、様々なデジタルハードウェアブロック(例えば、1以上のASICs、1以上の市販のデジタル及びアナログハードウェア構成要素、又はそれらの組み合わせ)を備える。それに加えて、具体的な実施形態において、RNC32の上述された機能性が、RAM、ROM、磁気記憶装置、光学式記憶装置、又は任意の他の適切なタイプのデータ記憶構成要素などの、非一時的コンピュータ可読媒体の上に保存される、ソフトウェア又は他の指示命令を実行する処理サブシステム66によって、全体として又は部分的に実装される。
【0083】
上述されたように、従来の接続障害の報告は、接続障害が発生する時間と、接続障害がネットワークに報告される時間との間の遅れをもたらす。接続障害を報告することにおける遅れは、接続障害が報告されるべきRANに対してUEが再接続する前の長い遅れ(例えば、解決法1)のためであり、接続障害が報告されるべきRANと再接続する前の長い時間に対してUEがアイドルモードに移行するためであり、又は長い時間にわたりRLF報告の報告をリクエストする移動体通信ネットワークの障害のためである。それ故、例えば、LTERANの中のセルに対してMROを実行するMRO機能は、タイムリーなやり方で受信された障害報告に基づいて、セルに対してモビリティーパラメータに対する調整(すなわち、モビリティーの調整)をもたらす、MROプロセスを実行する。しかしながら、遅れた報告の問題のために、MRO機能は、障害報告がモビリティーの調整を行う前の時間ウィンドウに関連する、モビリティーの調整が行われた後に障害報告を受信し続ける。従来のMROアルゴリズムを使用しても、これらの「過去の」障害報告は、MROプロセスの次の繰り返しのためのタイムリーな障害報告と同じ関連性を伴って、未だ考慮される。過去の障害報告は、正しくない又は望ましくないモビリティーの調整をもたらし、かつ安定したモビリティーの状態への移動体通信ネットワークの収束を遅くする。
【0084】
本明細書の中において開示された概念が任意の具体的な利点に限定されない一方で、本明細書の中において開示された概念は、遅れた接続障害の報告の問題に対処する。特に、適切なタイミングデータを使用して、障害報告は、過去又は現在として分類される。その後、過去の障害報告は、廃棄されるか、又はMROアルゴリズムの引き続いての繰り返しの中で使用されることができる。結果として、遅れた障害報告を原因とする、正しくない又は望ましくないモビリティーの調整、及び安定したモビリティーの状態に対する移動体通信ネットワークの遅い収束が、避けられる。
【0085】
以下の頭字語が、本開示の全体を通じて使用される。
・3GPP 第3世代パートナーシッププロジェクト(スリージーピーピー)
・ASIC 特定用途向け集積回路
・BS 基地局
・EDGE 進化型高速データレートフォーグローバルエボリューション
・eNB 拡張ノードB
・GERAN グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズの進化型高速データレートフォーグローバルエボリューションの無線アクセスネットワーク
・GSM グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ
・HO ハンドオーバー
・HOF ハンドオーバー障害
・IRAT インター無線アクセス技術(インターラット)
・LTE ロングタームエボリューション
・MME モビリティー管理エンティティー
・MRO モビリティーロバストネス最適化
・OAM 運用及び整備
・RACH ランダムアクセスチャネル
・RAM ランダムアクセスメモリ
・RAN リードオンリーメモリ
・RAT 無線アクセス技術
・RF 無線周波数
・RIM 無線アクセスネットワーク情報メッセージ
・RLF 無線リンク障害
・RNC 無線ネットワークコントローラ
・RRC 無線リソース制御
・RSRP 基準信号受信電力
・RSRQ 基準信号受信クオリティー
・S−GW 担当ゲートウェイ
・TS 技術仕様書
・UE ユーザ装置又はユーザ要素
・UMTS ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム
・UTRAN ユニバーサルテレストリアル無線アクセスネットワーク
・WG3 ワーキンググループ3(作業部会3)
【0086】
当業者は、本開示の好適な実施形態に対する改良又は修正を認識するだろう。それら全ての改良及び修正は、本明細書の中において開示された概念、及び以下の特許請求の範囲の領域内に含まれると考えられる。