(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6193380
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】トンネル掘進において掘削土砂を搬出する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
E21D 9/12 20060101AFI20170828BHJP
E21D 9/087 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
E21D9/12 J
E21D9/087
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-537188(P2015-537188)
(86)(22)【出願日】2013年10月7日
(65)【公表番号】特表2015-532373(P2015-532373A)
(43)【公表日】2015年11月9日
(86)【国際出願番号】EP2013070839
(87)【国際公開番号】WO2014060234
(87)【国際公開日】20140424
【審査請求日】2016年5月16日
(31)【優先権主張番号】102012219134.8
(32)【優先日】2012年10月19日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511025455
【氏名又は名称】ヘーレンクネヒト アクツィエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】HERRENKNECHT AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 充
(72)【発明者】
【氏名】ブルガー、ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】シュトレッサー、ミヒャエル
【審査官】
神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−022387(JP,A)
【文献】
実開平02−047293(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 9/04−9/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル掘進において掘削土砂を搬出する方法であって、
オープン式掘進又は土圧支援式掘進において、搬出機(18)の搬出方向の第1開口(22)は開放されかつ搬出方向に関し該第1開口(22)の後方に位置する第2開口(28)は閉鎖され、そして、
液体支援式掘進において、該第1開口(22)は閉鎖されかつ該第2開口(28)は開放される
方法。
【請求項2】
第1開口(22)が閉鎖されかつ第2開口(28)が開放されている場合、流動化室(34)から排出されること
を特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
オープン式掘進又は土圧支援式掘進から液体支援式掘進に移行する際、前記第1開口(22)の閉鎖後かつ前記第2開口(28)の開放後、前記流動化室(34)に流動化流体が供給されること
を特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つのスクリュウコンベヤ(19、31)を有するトンネル掘進装置における掘削土砂の搬出装置であって、
該スクリュウコンベヤ(19、31)ないし個々のスクリュウコンベヤ(19、31)は、ハウジング(20、29)によって取り囲まれ、
該搬出装置は、該ハウジング(20、29)ないし1つのハウジング(20、29)に形成される掘削土砂室側の第1開口(22)と、該ハウジング(20、29)ないし1つのハウジング(20、29)に形成される掘削土砂室から離隔する第2開口(28)と、該第1開口(22)のための選択的に作動可能な第1閉鎖部材(23)と、選択的に作動可能な第2閉鎖部材(27)を有し、
該第2閉鎖部材(27)は、該ハウジング(20、29)ないし1つのハウジング(20、29)によって貫通され、及び、該スクリュウコンベヤ(19、31)ないし複数のスクリュウコンベヤ(19、31)のユニットの第1部分と第2部分を流体力学的に分離するよう構成され、
前記第1開口(22)は土圧支援式掘進のための送出ユニット(24、25)に対して開口し又は前記第2開口(28)は液体支援式掘進のための送出ユニット(34、37、38、40)に対して開口する
搬出装置。
【請求項5】
互いに対し離隔する2つのスクリュウコンベヤ(19、31)を有すること
を特徴とする請求項4に記載の搬出装置。
【請求項6】
前記第2閉鎖部材(27)は、2つのスクリュウコンベヤ(19、31)の間に配置されること
を特徴とする請求項5に記載の搬出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル掘進における掘削土砂の搬出方法に関する。
【0002】
本発明は、更に、請求項4の上位概念部(前置部)に基づくトンネル掘進における掘削土砂の搬出装置に関する。
【背景技術】
【0003】
この種の方法及びこの種の装置は、DE 197 00 297 C2から知られている。トンネル掘進において掘削土砂(ズリ)を搬出するための既知の方法及び既知の装置では、ハウジング内に配置されるスクリュウコンベヤユニットを有する搬出機が知られている。ハウジングには、掘削土砂室側の第1開口と、掘削土砂室(ズリ室)から離隔する(掘削土砂室離隔側の)第2開口が形成されている。これらの開口は、選択的に作動可能な閉鎖部材によって開閉可能に形成されている。更に、ハウジング内の対抗圧力(Gegendruck)を維持するよう構成された、搬出されるべき掘削土砂を吐出(排出)するための装置が設けられている。流体輸送(Fluessigfoerderung)による掘進の場合、掘削土砂室側の第1開口は開放され、掘削土砂室離隔側の第2開口は閉鎖され、吐出装置は運転されない。土圧支援式掘進の場合、掘削土砂室側の第1開口及び掘削土砂室離隔側の第2開口は閉鎖されるのに対し、吐出装置は運転される。オープン式掘進の場合、掘削土砂室側の第1開口は閉鎖され、掘削土砂室離隔側の第2開口は開放され、吐出装置は運転されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】DE 197 00 297 C2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、殆ど故障がなく(運転停止に至らず)かつ摩損の少ないトンネル掘進において掘削土砂を搬出するための方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1の特徴を有する、トンネル掘進において掘削土砂を搬出する方法によって解決される。
即ち、上記の課題を解決するために、本発明の第1の視点により、トンネル掘進において掘削土砂を搬出する方法が提供される。この搬出方法においては、オープン式掘進又は土圧支援式掘進において、搬出機の搬出方向の第1開口は開放されかつ搬出方向に関し該第1開口の後方に位置する第2開口は閉鎖され、そして、液体支援式掘進において、該第1開口は閉鎖されかつ該第2開口は開放される(形態1・第1基本構成)。
【0007】
この課題は、本発明に応じ請求項4の特徴を有する冒頭に掲げた種類の装置によって解決される。
即ち、上記の課題を解決するために、本発明の第2の視点により、少なくとも1つのスクリュウコンベヤを有するトンネル掘進装置における掘削土砂の搬出装置が提供される。この搬出装置においては、該スクリュウコンベヤないし個々のスクリュウコンベヤは、ハウジングによって取り囲まれ、
該搬出装置は、該ハウジングないし1つのハウジングに形成される掘削土砂室側の第1開口と、該ハウジングないし1つのハウジングに形成される掘削土砂室から離隔する第2開口と、該第1開口のための選択的に作動可能な第1閉鎖部材と、選択的に作動可能な第2閉鎖部材を有し、
該第2閉鎖部材は、該ハウジングないし1つのハウジングによって貫通され、及び、該スクリュウコンベヤないし複数のスクリュウコンベヤのユニットの第1部分と第2部分を流体力学的に分離するよう構成され
、
前記第1開口は土圧支援式掘進のための送出ユニットに対して開口し又は前記第2開口は液体支援式掘進のための送出ユニットに対して開口する(形態4・第2基本構成)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に応じ、無圧のオープン式掘進又は土圧支援式掘進において、搬出方向の第1開口から掘削土砂が運び出され、流体力学的不活性化のための装置では、搬出方向において第1開口の後方に位置する第2開口が不活性化されることによって、この摩損を引き起こしやすい掘削土砂が早期に運び出されるため、比較的故障が少なくかつ摩損が少ない運転が可能になる。
【0009】
本発明の更なる有利な実施形態は従属請求項の対象である。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を示す。
(形態1)上記第1基本構成参照。
(形態2)上記の搬出方法において、第1開口が閉鎖されかつ第2開口が開放されている場合、流動化室から排出されることが好ましい。
(形態3)上記の搬出方法において、オープン式掘進又は土圧支援式掘進から液体支援式掘進に移行する際、前記第1開口の閉鎖後かつ前記第2開口の開放後、前記流動化室に流動化流体が供給されることが好ましい。
(形態4)上記第2基本構成参照。
(形態5)上記の搬送装置において、互いに対し離隔する2つのスクリュウコンベヤを有することが好ましい。
(形態6)上記の搬送装置において、前記第2閉鎖部材は、2つのスクリュウコンベヤの間に配置されることが好ましい。
(形態7)上記の搬送装置において、前記第1開口は、土圧支援式掘進のための送出ユニットに対して開口することが好ましい。
(形態8)上記の搬送装置において、前記第2開口は、液体支援式掘進のための送出ユニットに対して開口することが好ましい。
【0010】
本発明の更なる有利な実施形態及び利点については、以下に、図面を参照した実施例を用いて説明する。
なお、特許請求の範囲に付した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を図示の態様に限定することは意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】土圧支援式掘進におけるトンネル掘進機を有する本発明の装置の一例の具体的側面図。
【
図2】
図1の実施例のII−II線の(矢視)断面図。
【
図3】液体支援式掘進における
図1の実施例の具体的側面図。
【
図4】
図3の実施例のIV−IV線の(矢視)断面図。
【
図6】
図5の実施例のVI−VI線の(矢視)断面図。
【
図7】液体支援式掘進の際の、
図5の実施例の具体的側面図。
【
図8】不連続的(段階的)吐出(排出)運転の場合の第1運転状態にある、
図5の実施例の具体的側面図。
【
図9】不連続的(段階的)吐出(排出)運転の場合の第2運転状態にある、
図5の実施例の具体的側面図。
【実施例】
【0012】
図1は、掘削土砂を搬出するための本発明の装置の一実施例を備えかつ本発明の方法に従って運転されるトンネル掘進機の一例の具体的側面図である。
図1のトンネル掘進機は、切削輪駆動装置3によって回転するよう駆動可能に構成された掘削工具1を備える切削輪2を有する。掘進方向において切削輪2の後方に位置する掘削土砂室4は、
図1に示した土圧支援式掘進(EPB運転とも称される)の場合、搬出されるべき掘削土砂と、掘削土砂室スライダ6が開放される場合必要に応じシールド流体化流体輸送管5を介して輸送されるシールド流体化流体とによって充填される。
【0013】
掘削土砂室4には、更に、オーバーフロー管7が連通し、該オーバーフロー管7は、更に、切削輪駆動装置3によって包囲されるバッファ室8と接続(連通)状態にある。オーバーフロー管7を介した掘削土砂室4とバッファ室8との間の接続(連通)は、オーバーフロー管スライダ9によって閉鎖可能に構成され、ないしは、EPB運転のために適合された圧力状態を維持するために、必要に応じ開放される。
【0014】
掘進方向において掘削土砂室4の後方に、シールド流体化流体輸送管5の分岐管11が開口(連通)する環状室10が形成されている。分岐管11は、環状室スライダ12によって摺動可能に構成されている。
【0015】
更に、
図1のトンネル掘進機は掘進シリンダ13を有する。切削輪2と、対抗支持体としての(複数の)筒状部材(シールド壁部材ないしセグメントないしタビング:Tuebbing)15を有するシールド14は、掘進シリンダ13によって摺動することができる。筒状部材15は、トンネル壁のライニングのために筒状部材供給ユニット16及び筒状部材位置決めユニット17によって組立て可能である。
【0016】
図1のトンネル掘進機は、掘削土砂を搬出する装置としての搬出機18を有する。搬出機18は、
図1の実施例では、シャフト(Seele)を備えて構成されるメインスクリュウコンベヤ19を有する。メインスクリュウコンベヤ19は、メインスクリュウコンベヤカバースリーブ20によって包囲されており、また、掘削土砂室4内に突出する開放端部からカプセル化されて環状室10を介し掘進方向とは反対に切削輪2から離隔するよう延在する。メインスクリュウコンベヤ19は、メインスクリュウコンベヤ駆動装置21によって2つの回転方向に回転するよう駆動可能である。一方のコンベヤ回転方向では、掘削土砂室4に存在する掘削土砂は、とりわけシールド流体化流体輸送管5を介して輸送されるシールド流体化流体と一緒に、場合により更なる混和剤(Zuschlaegen)と一緒に、掘削土砂室4から掘進方向とは反対に搬出されることができる。
【0017】
メインスクリュウコンベヤカバースリーブ20の掘削土砂室4から離隔する側の端部には、メインスクリュウコンベヤカバースリーブ20における掘削土砂室側の第1開口として、メインスクリュウコンベヤ排出口22が設けられている。メインスクリュウコンベヤ排出口22は、第1閉鎖部材としてのメインスクリュウコンベヤ排出口閉鎖スライダ23によって選択的に閉鎖可能に構成されている。メインスクリュウコンベヤ排出口22の排出方向に、横断ベルトコンベヤ24が配設されている。メインスクリュウコンベヤ排出口22から排出される搬出されるべき掘削土砂を含む物質は、横断ベルトコンベヤ24によって、掘進方向に対し横断方向(横方向)に搬出されることができ、そして、掘進方向と反対方向に搬送する後続ベルトコンベヤ25に引き渡されることができる。後続ベルトコンベヤ25は、台車(ないし追従走行台:Nachlaeufer)26と一緒に掘進方向に移動可能に構成されている。
【0018】
更に、
図1から見出すことができるように、メインスクリュウコンベヤカバースリーブ20は、搬出方向に関しメインスクリュウコンベヤ排出口22の後方において、メインスクリュウコンベヤカバースリーブ20の横断面によって形成される第2開口としての移行開口チャンネル28を閉鎖可能に構成された第2閉鎖部材としての移行開口チャンネル閉鎖スライダ27によって閉鎖されており、かくして、搬出方向においてメインスクリュウコンベヤカバースリーブ20に結合するサブスクリュウコンベヤカバースリーブ29は、サブスクリュウコンベヤ駆動装置30によって回転可能にその内部に配設されたサブスクリュウコンベヤ31(これは同様に搬出機18の構成要素である)によって、流体力学的に不活性化されている。
【0019】
サブスクリュウコンベヤカバースリーブ29は、メインスクリュウコンベヤカバースリーブ20の反対側を指向するその端部が、サブスクリュウコンベヤ排出口32を介して、流動化タンク33によって包囲される送出ユニットの流動化室34に開口(連通)する。流動化室34には、更に、流動化流体を噴出可能な流動化タンク流動化流体輸送管35が開口(連通)する。流動化タンク33には、圧迫粉砕機36が配設されており、圧迫粉砕機36によって、以下に詳細に説明するように、流動化タンク33に搬入された粗い成分を粉砕することができる。流動化タンク33の底部領域には、送出ユニットの送出ポンプ38に結合する送出ユニットの送出管吸引ノズル37が開口(連通)している。流動化タンク33に搬入される比較的粘性が小さく(さらさらとした)専ら比較的小粒状の成分を含む物質は、送出ポンプ38によって、流動化タンク33から吸い出されることができる。送出ポンプ駆動装置39によって駆動可能な送出ポンプ38によって、流動化空間34に存在する比較的粘性が小さい(さらさらとした)物質は、送出ユニットの送出管装置40内に導入されることができる。
【0020】
図2は、掘進方向に見た
図1の実施例のII−II線の(矢視)断面図である。
図2から見出されるように、掘進方向ないし搬出方向に対し横断方向に延在する横断ベルトコンベヤ24の配置に基づき、メインスクリュウコンベヤカバースリーブ20の下方に自由空間が形成されている。
【0021】
図3は、液体支援式掘進における
図1の装置の具体的側面図であり、一方では、液体支援式掘進のために必要な液体供給と、掘削土砂室4内及びバッファ室8内における相応の圧力条件を維持するために、掘削土砂室スライダ6とオーバーフロー管スライダ9と環状室スライダ12は開放されている。液体支援式掘進においては、他方では、メインスクリュウコンベヤ排出口閉鎖スライダ23は閉鎖され、かつ、移行開口チャンネル閉鎖スライダ27は開放されており、かくして、メインスクリュウコンベヤカバースリーブ20とサブスクリュウコンベヤカバースリーブ29との間にある移行開口チャンネル28は開放されており、メインスクリュウコンベヤ19によって搬送される搬出されるべき掘削土砂を含む物質は、サブスクリュウコンベヤカバースリーブ29に搬入されることができ、更には、搬送方向に回転するサブスクリュウコンベヤ31によってサブスクリュウコンベヤ排出口32を介して、流動化タンク33によって包囲される流動化室34内に搬入されることができる。液体支援式掘進の際、送出ポンプ38の運転パラメータに適合される排出されるべき物質の粘性を達成するために、
図3に矢印で模式的に示すように、流動化タンク流動化流体輸送管35を介して、流動化流体が流動化室34に導入されることができる。
【0022】
図4は、
図3の装置のIV−IV線の(矢視)断面図である。
図4からは、圧力シリンダ41によって作動可能な粉砕ジョー42を有する圧迫粉砕機36の構造がとりわけ良好に見出すことができる。流動化室34に存在し比較的嵩高でもある成分を含む物質は、送出管吸引ノズル37の前方において支持されるフィルタ(Sieb)43を通過することができるようになるまで、粉砕ジョー42によって粉砕されることができる。
【0023】
図5は、
図1〜
図4を用いて説明した実施例の一変形例の具体的側面図である。
図1〜
図4の実施例と
図5の変形例では、互いに対応する構成要素には同じ図面参照符号が付されているが、以下においては部分的に繰り返しを回避するために、再度詳細には説明していない。
図5の変形例では、EPB運転のために、サブスクリュウコンベヤ排出口32の際(きわ)に配置されこの変形例の運転方法において開放されるサブスクリュウコンベヤ排出口閉鎖スライダ44の領域に、横断ベルトコンベヤ24と後続ベルトコンベヤ25が配設されているが、
図1〜
図4の実施例と比べると、流動化タンク33と送出ポンプ38は除去されている。更に、
図5の変形例では、サブスクリュウコンベヤカバースリーブ29とサブスクリュウコンベヤ31の領域に、台車26上に載置された液滴受け槽45が設けられている。
【0024】
図6は、掘進方向に見た、
図5の変形例のVI−VI線の(矢視)断面図である。
図6から分かるとおり、
図2の実施例の場合のように、サブスクリュウコンベヤ排出口32から排出される物質は、横断ベルトコンベヤ24と後続ベルトコンベヤ25とによって、液滴受け槽45を越えて搬出される。
【0025】
図7は、
図5及び
図6を用いて既に説明した変形例の具体的側面図である。この変形例では、
図7に示した液体支援式掘進のために、サブスクリュウコンベヤ排出口32の際(きわ)に、ローラ粉砕機46が配置されている。メインスクリュウコンベヤ19とサブスクリュウコンベヤ31を介して搬送された物質は、排出管47と排出ポンプ48に入る前に、ローラ粉砕機46によって粉砕されることができる。
【0026】
図8は、不連続的(段階的ないし間欠的)吐出(排出)運転の場合の第1運転状態にある、
図5の構造を示す。この場合、例えば大きな流体凝集又は高圧を伴う比較的短い領域を突貫(Durchfahren)するために、土圧支援式掘進又はオープン式掘進から出発し、掘進時、移行開口チャンネル閉鎖スライダ27は開放されかつサブスクリュウコンベヤ排出口32は閉鎖されており、かくして、掘進時には、サブスクリュウコンベヤカバースリーブ29が充填される。
【0027】
図9は、不連続的(段階的ないし間欠的)吐出(排出)運転の場合の第2運転状態にある、
図5の構造を示す。この場合、サブスクリュウコンベヤカバースリーブ29の中身を横断ベルトコンベヤ24と後続ベルトコンベヤ25とによって排出するために、掘進なしで、移行開口チャンネル閉鎖スライダ27は閉鎖されかつサブスクリュウコンベヤ排出口32は開放される。次いで、
図8に示した不連続的(段階的)吐出(排出)運転の第1運転状態に再び戻り、クリティカルな(掘削)領域が不連続的(段階的)に突貫されるまで、不連続的(段階的)吐出(排出)運転における(上記第1及び第2)運転状態の切り替えが続けられる。