(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アクティブな状態から確認応答済み状態に遷移する前記ステップが、正常血糖に向かう前記ホストのグルコーストレンディングを示す前記データに基づいて、前記アクティブな状態から前記確認応答済み状態に遷移するステップを含み、
前記データは、a)グルコーストレンドの変化を示すセンサデータと、b)血糖状況の補正に関連するインスリン情報とからなるグループから選択される、請求項1に記載の方法。
前記アクティブな状態から確認応答済み状態に遷移する前記ステップが、前記ユーザ確認応答に基づいて、前記アクティブな状態から前記確認応答済み状態に遷移するステップを含み、
前記ユーザ確認応答は、a)ユーザインタフェース上での前記アラート状態へのユーザ確認応答と、b)ユーザ入力インスリン情報と、c)ユーザ入力食事情報とからなるグループから選択される、請求項1に記載の方法。
アクティブにモニターする前記ステップが、前記センサデータ、センサ診断情報、食事情報、インスリン情報、又はイベント情報のうちの少なくとも1つをモニターするステップを含む、請求項1に記載の方法。
前記確認応答済み状態から遷移する前記ステップが、低血糖状況又は高血糖状況が満たされることに関連する前記1つ又は複数のアクティブな遷移基準に基づいて、かつ所定の期間の満了に基づいて、前記確認応答済み状態から前記アクティブな状態に遷移するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
前記アラート状態への前記ユーザ確認応答を受信し、正常血糖に向かう前記ホストのグルコーストレンディングをデータが示すと判定した後、アクティブにモニターする期間中に、正常血糖から外れる前記ホストのグルコーストレンディングに基づいて、前記確認応答済み状態から前記アクティブな状態に遷移するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
前記アクティブな状態への遷移に関連する前記出力は、前記確認応答済み状態から前記非アクティブな状態への遷移に関連する前記出力と異なる、請求項7に記載の方法。
前記アクティブな状態から確認応答済み状態に遷移する前記手順が、正常血糖に向かう前記ホストのグルコーストレンディングを示す前記データに基づいて、前記アクティブな状態から前記確認応答済み状態に遷移する手順を含み、
前記データは、a)グルコーストレンドの変化を示すセンサデータと、b)血糖状況の補正に関連するインスリン情報とからなるグループから選択される、請求項9に記載のシステム。
前記アクティブな状態から確認応答済み状態に遷移する前記手順が、前記ユーザ確認応答に基づいて、前記アクティブな状態から前記確認応答済み状態に遷移する手順を含み、
前記ユーザ確認応答は、a)ユーザインタフェース上での前記アラート状態へのユーザ確認応答と、b)ユーザ入力インスリン情報と、c)ユーザ入力食事情報とからなるグループから選択される、請求項9に記載のシステム。
前記確認応答済み状態から遷移する前記手順が、低血糖状況又は高血糖状況が満たされることに関連する前記1つ又は複数のアクティブな遷移基準に基づいて、かつ所定の期間の満了に基づいて、前記確認応答済み状態から前記アクティブな状態に遷移する手順をさらに含む、請求項9に記載のシステム。
前記アクティブな状態への遷移に関連する前記出力は、前記確認応答済み状態から前記非アクティブな状態への遷移に関連する前記出力と異なる、請求項15に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の詳細な説明では、図面を参照して本実施形態を述べる。図面では、参照符号は、本実施形態の要素にラベル付けする。これらの参照符号は、対応する図面特徴の説明に関連して以下で提示される。
【0022】
センサシステム及びアプリケータ
図1は、幾つかの例示的な実装態様による例示的なシステム100を示す。システム100は、センサエレクトロニクス12及び連続検体センサ10を含む連続検体センサシステム8を含む。システム100は、薬物送出ポンプ2及びグルコースメータ4等の他のデバイス及び/又はセンサを含み得る。連続検体センサ10は、センサエレクトロニクス12に物理的に接続され、連続検体センサ10と一体であり(例えば、着脱不能に取り付けられ)得るか又は着脱可能に取り付けられ得る。センサエレクトロニクス12、薬物送出ポンプ2、及び/又はグルコースメータ4は、ディスプレイデバイス14、16、18、及び/又は20等の1つ又は複数のデバイスに結合され得る。
【0023】
幾つかの例示的な実装態様では、システム100は、センサシステム8からネットワーク406を介して(例えば、有線、無線、又はその組合せを介して)提供される検体データ(及び/又は他の患者関連データ)を分析するように構成されるクラウドベース検体プロセッサ490、及び、ホスト(患者とも呼ばれる)に関連する、ディスプレイデバイス14〜20及び同様なもの等の他のデバイスを含み、一定時間枠にわたる、測定される検体に関する統計量等の高水準情報を提供するレポートを生成し得る。クラウドベース検体処理システムを使用する詳論は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、「Cloud−Based Processing of Analyte Data」という名称で2012年6月5日に出願された米国特許出願第61/655,991号に見出され得る。
【0024】
幾つかの例示的な実装態様では、センサエレクトロニクス12は、連続検体センサ10によって生成されるデータを測定し処理することに関連する電子回路要素を含み得る。生成されるこの連続検体センサデータは、連続検体センサデータを処理し較正するために使用され得るアルゴリズムを同様に含み得るが、これらのアルゴリズムは、他の方法でも提供され得る。センサエレクトロニクス12は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はその組合せを含んで、連続グルコースセンサ等の連続検体センサによって検体のレベルの測定値を提供し得る。センサエレクトロニクス12の例示的な実装態様は、
図2に関して以下で更に述べられる。
【0025】
用語「センサデータ(sensor data)」は、本明細書で使用されるとき、広義の用語であり、その通例でかつ慣例的な意味を当業者に与え(また、特別な又はカスタマイズされた意味に限定されず)、制限することなく、連続検体センサ等のセンサに関連する任意のデータを更に指す。センサデータは、検体センサからの測定される検体に関連するアナログ又はデジタル信号(又は、別のセンサから受信される他の信号)の未処理データストリーム又は単にデータストリーム、或いは、較正済みの及び/又はフィルタリング済みの未処理データを含む。一例では、センサデータは、アナログ信号(例えば、電圧又はアンペア)からのA/D変換器によって変換された「カウント(counts)」のデジタルデータを含み、グルコース濃度を示す1つ又は複数のデータポイントを含む。そのため、用語「センサデータポイント(sensor data point)」及び「データポイント(data point)」は、一般に、特定の時間におけるセンサデータのデジタル表現を指す。用語「広く(broadly)」は、実質的に連続のグルコースセンサ等のセンサからの、複数の時間的に離間したデータポイントを包含し、そのデータポイントは、1秒の何分の1から、例えば1分、2分、又は5分以上までの範囲にある時間間隔で採取される。別の例では、センサデータは、所定の期間にわたって平均される1つ又は複数のデータポイントを示す統合されたデジタル値を含む。幾つかの実施形態では、センサデータは、較正済みのデータ、平滑化済みのデータ、フィルタリング済みのデータ、変換済みのデータ、及び/又はセンサに関連する任意の他のデータを含み得る。
【0026】
センサエレクトロニクス12は、先に述べたように、ディスプレイデバイス14、16、18、及び/又は20等の1つ又は複数のデバイスと(例えば、無線でまた同様なもので)結合され得る。ディスプレイデバイス14、16、18、及び/又は20は、ディスプレイデバイス14、16、18、及び/又は20における表示のためセンサエレクトロニクス12によって送信されるセンサ情報等の情報(及び/又はアラーミング(alarming))を提示するために構成され得る。
【0027】
ディスプレイデバイスは、比較的小さなキーフォブに似たディスプレイデバイス14、比較的大きな手持ち式ディスプレイデバイス16、携帯電話18(例えば、スマートフォン、タブレット、及び同様なもの)、コンピュータ20、及び/又は情報(例えば、薬物送出情報、離散的な自己モニタリンググルコースの読み、心拍数モニター、カロリー摂取量モニター、及び同様なもの)を少なくとも提示するように構成される任意の他のユーザ機器を含み得る。
【0028】
幾つかの例示的な実装態様では、比較的小さなキーフォブに似たディスプレイデバイス14は、腕時計、ベルト、ネックレス、ペンダント、宝飾品、粘着性パッチ、ページャ、キーフォブ、プラスチックカード(例えば、クレジットカード)、識別(identification)(ID)カード、及び/又は同様なものを備え得る。この小さなディスプレイデバイス14は、比較的小さな(例えば、大きなディスプレイデバイス16よりも小さい)ディスプレイを含み、数値及び矢印等の或るタイプの表示可能なセンサ情報を表示するように構成され得る。
【0029】
幾つかの例示的な実装態様では、比較的大きな手持ち式ディスプレイデバイス16は、手持ち式受信器デバイス、パームトップコンピュータ、及び/又は同様なものを備え得る。この大きなディスプレイデバイスは、比較的大きなディスプレイ(例えば、小さなディスプレイデバイス14よりも大きい)を含み、センサシステム8によって出力される現在のまた履歴的なセンサデータを含む連続センサデータのグラフィカル表現等の情報を表示するように構成され得る。
【0030】
幾つかの例示的な実装態様では、連続検体センサ10は、検体を検出及び/又は測定するためのセンサを備え、連続検体センサ10は、非侵襲的デバイス、皮下デバイス、経皮デバイス、及び/又は血管内デバイスとして、検体を連続的に検出及び/又は測定するように構成され得る。幾つかの例示的な実装態様では、連続検体センサ10は、複数の中間血液サンプルを分析し得るが、他の検体もまた使用され得る、
【0031】
幾つかの例示的な実装態様では、連続検体センサ10は、酵素的、化学的、物理的、電気化学的、分光光度的、旋光分析的、熱量測定的、イオン永動的、放射測定的、免疫化学的、及び同様なもの等の1つ又は複数の測定技法を使用して血液中のグルコースを測定するように構成されるグルコースセンサを備え得る。連続検体センサ10がグルコースセンサを含む実装態様では、グルコースセンサは、グルコースの濃度を測定することが可能な任意のデバイスを備え、侵襲的、最小侵襲的、及び非侵襲的検知技法を含むグルコースを測定する種々の技法(例えば、蛍光モニタリング)を使用して、ホスト内のグルコース濃度を示す、データストリーム等のデータを提供し得る。データストリームは、未処理データ信号であるとすることができ、未処理データ信号は、ユーザ、患者、又は世話人(例えば、親、親戚、保護者、先生、医師、看護師、又は、ホストの健全な状態に関心を持つ任意の他の個人)等のホストにグルコース値を提供するために使用される較正済みの及び/又はフィルタリング済みのデータストリームに変換される。更に、連続検体センサ10は、以下のタイプのセンサ、すなわち、ホストの血管内に又は体外から埋め込まれた埋め込み型グルコースセンサ、経皮的グルコースセンサ、皮下センサ、再充填可能な皮下センサ、血管内センサのうちの少なくとも1つとして実装され得る。
【0032】
本明細書の開示はグルコースセンサを備える連続検体センサ10を含む幾つかの実装態様を指すが、連続検体センサ10は、他のタイプの検体センサも備え得る。更に、幾つかの実装態様は埋め込み型グルコースセンサとしてグルコースセンサを指すが、グルコース濃度を検出し、グルコース濃度を示す出力信号を提供することが可能な他のタイプのデバイスもまた使用され得る。更に、本明細書の説明は、測定され、処理され、また同様なことをされる検体としてグルコースを指すが、例えば、ケトン体(例えば、アセトン、アセト酢酸及びβ−ヒドロキシ酪酸、乳酸等)、グルカゴン、アセチルCoA、トリグリセリド、脂肪酸、クエン酸回路内の中間体、コリン、インスリン、コルチゾール、テストステロン、及び同様なものを含む他の検体もまた使用され得る。
【0033】
図2は、幾つかの例示的な実装態様によるセンサエレクトロニクス12の例を示す。センサエレクトロニクス12は、例えば、プロセッサモジュールを介して、センサデータ等のセンサ情報を処理し、変換済みのセンサデータ及び表示可能なセンサ情報を生成するように構成されるセンサエレクトロニクスを含み得る。例えば、プロセッサモジュールは、センサデータを、フィルタリング済みのセンサデータ(例えば、1つ又は複数のフィルタリング済みの検体濃度値)、未処理センサデータ、較正済みのセンサデータ(1つ又は複数の較正済みの検体濃度値)、変化率情報、トレンド情報、加速率/減速率情報、センサ診断情報、ロケーション情報、アラーム/アラート情報、較正情報、センサデータの平滑化及び/又はフィルタリングアルゴリズム、及び/又は同様なもののうちの1つ又は複数に変換し得る。
【0034】
幾つかの実施形態では、プロセッサモジュール214は、データ処理の、全てではないにしろかなりの部分を達成するように構成される。プロセッサモジュール214は、センサエレクトロニクス12と一体であり得る、かつ/又は、デバイス14、16、18、及び/又は20、並びに/又はクラウド490の1つ又は複数内等に、遠隔に配置され得る。幾つかの実施形態では、プロセッサモジュール214は、複数のより小さなサブコンポーネント又はサブモジュールを備え得る。例えば、プロセッサモジュール214は、アラートモジュール(図示せず)又は予測モジュール(図示せず)又はデータを効率的に処理するために利用され得る任意の他の適したモジュールを含み得る。プロセッサモジュール214が複数のサブモジュールで構成されるとき、サブモジュールは、センサエレクトロニクス12又は他の関連するデバイス(例えば、デバイス14、16、18、20、及び/又はクラウド490)を含むプロセッサモジュール214内に配置され得る。例えば、幾つかの実施形態では、プロセッサモジュール214は、クラウドベースの検体プロセッサ490内に又はネットワーク406の他の場所に少なくとも部分的に配置され得る。
【0035】
幾つかの例示的な実装態様では、プロセッサモジュール214は、センサデータを較正するように構成され、データ記憶メモリ220は、較正済みのセンサデータポイントを変換済みのセンサデータとして記憶し得る。更に、プロセッサモジュール214は、幾つかの例示的な実装態様では、センサ12からのセンサデータの較正を可能にするため、デバイス14、16、18、及び/又は20等のディスプレイデバイスから較正情報を無線で受信するように構成され得る。更に、プロセッサモジュール214は、センサデータ(例えば、較正済みの及び/又はフィルタリング済みのデータ及び/又は他のセンサ情報)に関して更なるアルゴリズム的処理を実施するように構成され、データ記憶メモリ220は、変換済みのセンサデータ及び/又はアルゴリズムに関連するセンサ診断情報を記憶するように構成され得る。
【0036】
幾つかの例示的な実装態様では、センサエレクトロニクス12は、ユーザインタフェース222に接続された特定用途向け集積回路(ASIC)205を備え得る。ASIC205は、ポテンシオスタット210、センサエレクトロニクス12から、デバイス14、16、18、及び/又は20等の1つ又は複数のデバイスにデータを送信するためのテレメトリモジュール232、並びに/又は、信号処理及びデータ記憶用の他のコンポーネント(例えば、プロセッサモジュール214及びデータ記憶メモリ220)を更に含み得る。
図2はASIC205を示すが、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、センサエレクトロニクス12によって実施される処理の(全てではないにしろ)一部を提供するように構成される1つ又は複数のマイクロプロセッサ、アナログ回路要素、デジタル回路要素、又はその組合せを含む他のタイプの回路要素もまた使用され得る。
【0037】
図2に示す例では、ポテンシオスタット210は、グルコースセンサ等の連続検体センサ10に接続されて、検体からセンサデータを生成する。ポテンシオスタット210は、ホスト(センサのアナログ部とも呼ばれる)内の検体濃度を示す値(例えば、電流、及び同様なもの)を測定するためにセンサをバイアスするための電圧を、データライン212を介して連続検体センサ10に同様に提供し得る。ポテンシオスタット210は、連続検体センサ10における作業電極の数に応じて1つ又は複数のチャネルを有し得る。
【0038】
幾つかの例示的な実装態様では、ポテンシオスタット210は、センサ10からの電流値を電圧値に変換する抵抗器を含むことができ、一方、幾つかの例示的な実装態様では、電流−周波数変換器(図示せず)は、例えば、電荷計数デバイスを使用してセンサ10からの測定される電流値を連続的に積分するように構成することができる。幾つかの例示的な実装態様では、アナログ−デジタル変換器(図示せず)は、センサ10からのアナログ信号を、いわゆる「カウント」になるようデジタル化して、プロセッサモジュール214による処理を可能にし得る。結果として得られるカウントはポテンシオスタット210によって測定される電流に直接関連し、電流はホスト内のグルコースレベル等の検体レベルに直接関連し得る。
【0039】
テレメトリモジュール232は、プロセッサモジュール214に動作可能に接続され、センサエレクトロニクス12と、ディスプレイデバイス、プロセッサ、ネットワークアクセスデバイス、及び同様なもの等の1つ又は複数の他のデバイスとの間で無線通信を可能にするハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを提供し得る。テレメトリモジュール232において実装され得る種々の無線(wireless radio)技術は、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth Low−Energy、ANT、ANT+、ZigBee、IEEE 802.11、IEEE 802.16、セルラー無線アクセス技術、無線周波数(RF)、赤外線(IR)、ページングネットワーク通信、磁気誘導、衛星データ通信、拡散スペクトル通信、周波数ホッピング通信、近接場通信、及び/又は同様なものを含む。幾つかの例示的な実装態様では、テレメトリモジュール232は、Bluetoothチップを備えるが、Bluetooth技術は、テレメトリモジュール232及びプロセッサモジュール214と組み合わせて同様に実装され得る。
【0040】
プロセッサモジュール214は、センサエレクトロニクス12によって実施される処理を制御し得る。例えば、プロセッサモジュール214は、センサからのデータ(例えば、カウント)を処理し、データをフィルタリングし、データを較正し、フェールセーフチェックを実施し、かつ/又は同様なことを実施するように構成され得る。
【0041】
幾つかの例示的な実装態様では、プロセッサモジュール214は、例えば無限インパルス応答(infinite impulse response)(IIR)又は有限インパルス応答(finite impulse response)(FIR)フィルタ等のデジタルフィルタを備え得る。このデジタルフィルタは、センサ10から受信される未処理データストリームを平滑化し得る。一般に、デジタルフィルタは、所定の時間間隔(サンプルレートとも呼ばれる)でサンプリングされるデータをフィルタリングするようにプログラムされる。ポテンシオスタット210が離散的な時間間隔で検体(例えば、グルコース及び/又は同様なもの)を測定するように構成されるとき等の幾つかの例示的な実装態様では、これらの時間間隔は、デジタルフィルタのサンプリングレートを決定する。幾つかの例示的な実装態様では、ポテンシオスタット210は、例えば電流−周波数変換器を使用して検体を連続的に測定するように構成され得る。これらの電流−周波数変換器の実装態様では、プロセッサモジュール214は、電流−周波数変換器の積分器からデジタル値を所定の時間間隔(採取時間)で要求するようプログラムされ得る。積分器からプロセッサモジュール214によって取得されるこれらのデジタル値は、電流測定の連続性のため、採取時間にわたって平均され得る。したがって、採取時間は、デジタルフィルタのサンプリングレートによって決定され得る。
【0042】
プロセッサモジュール214は、ディスプレイデバイス14、16、18、及び/又は20等のデバイスに送信するため、データパッケージを生成するように構成されるデータ発生器(図示せず)を更に含み得る。更に、プロセッサモジュール214は、テレメトリモジュール232を介してこれらの外部ソースに送信するため、データパケットを生成し得る。幾つかの例示的な実装態様では、データパッケージは、先に述べたように、各ディスプレイデバイスのためにカスタマイズされ得る、かつ/又は、タイムスタンプ、表示可能なセンサ情報、変換済みのセンサデータ、センサ及び/又はセンサエレクトロニクス12用の識別子コード、未処理データ、フィルタリング済みのデータ、較正済みのデータ、変化率情報、トレンド情報、エラー検出又は訂正、並びに/又は同様なもの等の利用可能な任意のデータを含み得る。
【0043】
プロセッサモジュール214は、プログラムメモリ216及び他のメモリ218を同様に含み得る。プロセッサモジュール214は、通信ポート238等の通信インタフェース、及び、電池234等の電力源に接続され得る。更に、電池234は、電池充電器及び/又はレギュレータ236に更に接続されて、センサエレクトロニクス12に電力を提供しかつ/又は電池234を充電し得る。
【0044】
プログラムメモリ216は、接続されるセンサ10用の識別子(例えば、センサ識別子(ID))等のデータを記憶するため、また、本明細書に述べる動作/機能の1つ又は複数を実施するようにASIC205を構成するためのコード(プログラムコードとも呼ばれる)を記憶するためにセミスタティックメモリとして実装され得る。例えば、プログラムコードは、データストリーム又はカウントを処理し、それらをフィルタリングし、それらを較正し、フェールセーフチェックを実施し、また同様なことを実施するようプロセッサモジュール214を構成し得る。
【0045】
メモリ218は、情報を記憶するために同様に使用され得る。例えば、メモリ218を含むプロセッサモジュール214は、センサから受信される最近のセンサデータについて一時的な記憶が提供されるシステムのキャッシュメモリとして使用され得る。幾つかの例示的な実装態様では、メモリは、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックRAM、スタティックRAM、非スタティックRAM、容易に消去可能でプログラム可能な読出し専用メモリ(EEROM)、再書込み可能ROM、フラッシュメモリ、及び同様なもの等のメモリ記憶コンポーネントを備え得る。
【0046】
データ記憶メモリ220は、プロセッサモジュール214に接続され、種々のセンサ情報を記憶するように構成され得る。幾つかの例示的な実装態様では、データ記憶メモリ220は、1日又は複数日の連続検体センサデータを記憶する。例えば、データ記憶メモリは、センサ10から受信される、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、20日、及び/又は30日(又はそれよりも長い日数)の連続検体センサデータを記憶し得る。記憶されるセンサ情報は、タイムスタンプ、未処理センサデータ(1つ又は複数の未処理検体濃度値)、較正済みのデータ、フィルタリング済みのデータ、変換済みのセンサデータ、並びに/又は、任意の他の表示可能なセンサ情報、較正情報(例えば、基準BG値及び/又は過去の較正情報)、センサ診断情報、及び同様なもののうちの1つ又は複数を含み得る。
【0047】
ユーザインタフェース222は、1つ又は複数のボタン224、液晶ディスプレイ(LCD)226、振動器228、オーディオ変換器(例えば、スピーカ)230、バックライト(図示せず)、及び/又は同様なもの等の種々のインタフェースを含み得る。ユーザインタフェース222を構成するコンポーネントは、ユーザ(例えば、ホスト)と対話するコントロールを提供し得る。1つ又は複数のボタン224は、例えば、トグル(toggle)、メニュー選択、オプション選択、ステータス選択、オンスクリーン質問に対するはい/いいえ選択、「ターンオフ(turn off)」機能(例えば、アラーム用)、「確認応答済み(acknowledged)」機能(例えば、アラーム用)、リセット、及び/又は同様なものを可能にし得る。LCD226は、ユーザに、例えば視覚データ出力を提供し得る。オーディオ変換器230(例えば、スピーカ)は、現在の及び/又は予測される高血糖又は低血糖状況等の或るアラートのトリガリングに応答して可聴信号を提供し得る。幾つかの例示的な実装態様では、可聴信号は、トーン、ボリューム、デューティサイクル、パターン、継続時間、及び/又は同様なものによって区別され得る。幾つかの例示的な実装態様では、可聴信号は、センサエレクトロニクス12上の1つ又は複数のボタン224を押すことによって、及び/又は、ディスプレイデバイス(例えば、キーフォブ、携帯電話、及び/又は同様なもの)上のボタン又は選択部を使用してセンサエレクトロニクス12に信号送信することによって沈黙(例えば、確認応答又はターンオフ)するように構成され得る。
【0048】
オーディオ及び振動アラームが
図2に関して述べられるが、他のアラーミングメカニズムもまた使用され得る。例えば、幾つかの例示的な実装態様では、1つ又は複数のアラーム状況に応答して患者を「つつく(poke)」か又は患者に身体的に接触するように構成されるポーキングメカニズムを含む触知可能アラームが提供される。
【0049】
電池234は、プロセッサモジュール214(及び、おそらく、センサエレクトロニクス12の他のコンポーネント)に動作可能に接続され、センサエレクトロニクス12のために必要な電力を提供し得る。幾つかの例示的な実装態様では、電池は、二酸化マンガンリチウム電池である。しかし、適切にサイズ決定されかつ電力供給された任意の電池(例えば、AAA、ニッケルカドミウム、亜鉛カーボン、アルカリ、リチウム、ニッケル水素、リチウムイオン、亜鉛空気、酸化亜鉛水銀、銀亜鉛、又は密閉式)が使用され得る。幾つかの例示的な実装態様では、複数の電池が、システムに電力供給するために使用され得る。更に他の実装態様では、受信器は、例えば、誘導結合によって経皮的に電力供給され得る。
【0050】
電池充電器及び/又はレギュレータ236は、内部及び/又は外部充電器からエネルギーを受け取るように構成され得る。幾つかの例示的な実装態様では、電池レギュレータ(又はバランサー)236は、センサエレクトロニクス12内の全てのセル又は電池が他のセル又は電池を過充電することなく十分に充電されることを可能にするため、過剰な電荷電流を取り出すことによって再充電プロセスを調節する。幾つかの例示的な実装態様では、1つの電池234(又は複数の電池)は、誘導及び/又は無線充電パッドを介して充電されるように構成されるが、任意の他の充電及び/又は電力メカニズムも使用され得る。
【0051】
外部コネクタ(複数可)とも呼ばれる1つ又は複数の通信ポート238は、他のデバイスとの通信を可能にするために設けられ得る。例えば、PC通信(com)ポートは、センサエレクトロニクス12から離れるか又はセンサエレクトロニクス12と一体であるシステムとの通信を可能にするために設けられ得る。例えば、通信ポートは、シリアル(例えば、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus)又は「USB」)通信ポートを備え、別のコンピュータシステム(例えば、PC、携帯情報端末又は「PDA」、サーバ、又は同様なもの)との通信を可能にし得る。幾つかの例示的な実装態様では、センサエレクトロニクス12は、患者及び/又は医師によるレトロスペクティブ分析のためにPC又は他のコンピューティングシステム(例えば、本明細書に開示する検体プロセッサ)に履歴データを送信することができる。
【0052】
一部の連続検体センサシステムでは、センサエレクトロニクスの皮膚上部は、皮膚上エレクトロニクスであって、例えば、センサデータを表示するために必要とされる較正アルゴリズム及び他のアルゴリズムを実行するように構成されるディスプレイデバイスに、未処理データ、較正済みのデータ、及び/又はフィルタリング済みのデータだけを提供する、皮膚上エレクトロニクスの複雑さ及び/又はサイズを最小にするために簡略化され得る。しかし、センサエレクトロニクス12(例えば、プロセッサモジュール214を介して)は、変換済みのセンサデータ及び/又は表示可能なセンサ情報を生成するために使用される予期的アルゴリズムを実行するように実装され、予期的アルゴリズムは、例えば、基準及び/又はセンサデータの臨床的容認性を評価し、組み入れ基準に基づいて最良較正のために較正データを評価し、較正の品質を評価し、推定される検体値を、時間対応する測定検体値と比較し、推定される検体値の変動を分析し、センサ及び/又はセンサデータの安定性を評価し、信号アーチファクト(ノイズ)を検出し、信号アーチファクトを置換し、センサデータの変化率及び/又はトレンドを決定し、動的でかつインテリジェントな検体値推定を実施し、センサ及び/又はセンサデータに関する診断を実施し、動作モードをセットし、異常についてデータを評価し、かつ/又は同様なことを実施するアルゴリズムを含み得る。
【0053】
別個のデータ記憶及びプログラムメモリが
図2に示されるが、種々の構成もまた使用され得る。例えば、1つ又は複数のメモリが、センサエレクトロニクス12においてデータ処理及び記憶要件をサポートする記憶空間を提供するために使用され得る。
【0054】
ここで
図3A〜3Dを参照すると、手持ち式受信器16のより詳細な略図が示される。手持ち式受信器16は、本明細書の他の所で述べるような、検体センサからのセンサデータを、受信し、処理し、表示するために必要なシステムを備え得る。特に、手持ち式受信器16は、例えば、ページャサイズに作られたデバイスであり、ユーザインタフェースであって、複数のボタン242及び液晶ディスプレイ(LCD)スクリーン244を有し、また、バックライトを含み得る、ユーザインタフェースを備え得る。幾つかの実施形態では、ユーザインタフェースは、キーボード、スピーカ、及び振動器を同様に含み得る。
【0055】
幾つかの実施形態では、ユーザは、手持ち式受信器上のトグルボタンを使用して
図3A〜3Dに示すスクリーンの一部又は全てを通してトグルすることができる。幾つかの実施形態では、ユーザは、ユーザインタフェース上に表示される出力のタイプを対話的に選択することができる。幾つかの実施形態では、センサ出力は代替の構成を有し得る。
【0056】
幾つかの実施形態では、検体値は、例えば、医療デバイスのディスプレイ上に表示される。幾つかの実施形態では、プロンプト又はメッセージがディスプレイデバイス上に表示されて、基準外れ値、基準検体値についての要求、治療推奨、測定済みの検体値の推定された検体値からの偏差等の情報をユーザに伝達することができ、プロンプト又はメッセージは、予測的アラート/アラームを提供し、アラート/アラームがトリガーされた後に血糖アラート状態をモニターし、状態変化を判定し、又は同様なことを実施する。更に、プロンプトが表示されて、較正又は較正のトラブルシューティングを通してユーザを導き得る。
【0057】
図4A〜4Cは、ユーザインタフェース222上に提供され得る幾つかの更なる視覚ディスプレイを示す。これらの視覚ディスプレイは、
図3の手持ち式デバイス16上に示す出力と同じか又は同様の出力を含み得るが、
図4の視覚ディスプレイは、デバイス14、16、18、20上のユーザインタフェース等の任意の適したユーザインタフェース222上に設けられ得る。幾つかの実施形態では、LCD226は、接触アクティブ化スクリーンであり、例えば、スクリーン上のメニューからのユーザによる各選択を可能にする。ボタンは、例えば、トグル、メニュー選択、オプション選択、モード選択、及びリセットを提供し得る。幾つかの代替の実施形態では、マイクロフォンは、音声アクティブ化コントロールを可能にし得る。
【0058】
図4Aは、トレンドグラフ184及び単一数値186の形態で、連続的グルコース情報及び単一ポイントグルコース情報を示すLCDスクリーン226である。トレンドグラフは、ホストが彼/彼女のグルコース値をその間に維持すべきであるターゲット範囲を示す上方及び下方境界182を示す。好ましくは、受信器は、これらの境界182がホスト又は介護提供者等のユーザによって構成又はカスタマイズされ得るように構成される。所定の期間にわたる連続検体値(例えば、トレンドグラフ184)と組み合わせて視覚境界182を提供することによって、ユーザは、単一ポイント(例えば、単一数値186)だけと比較して、彼/彼女の検体濃度をどのようにコントロールするかをよりよく学ぶことができる(例えば、糖尿病を病む人は、彼/彼女の検体濃度をどのようにコントロールするかをよりよく学ぶことができる)。
図4Aは1時間の(例えば、1時間の時間範囲188で示す)トレンドグラフを示すが、種々の時間範囲、例えば、3時間、9時間、1日、及び同様なものがスクリーン226上に示され得る。
【0059】
図4Bは、ホストの検体濃度が下方境界(境界182参照)よりも下に降下する(fall below)ことに応答して表示され得る低アラートスクリーンを示すLCDスクリーン226の図である。この例示的なスクリーンでは、ホストのグルコース濃度は、例えば、
図4Aでセットされる下方境界よりも下である55mg/dLまで降下した。矢印190は、例えば、グルコース濃度が降下し続けていることを示す検体トレンドの方向を示す。注釈192(「LOW」)は、例えば、彼/彼女のグルコース濃度がプリセット限界よりも降下したこと、及び、何が臨床的に安全な値であると考えられ得るかをホストに即座にかつ明確に注意喚起するときに役立つ。
【0060】
対照的に、
図4Cは、ホストの検体濃度が上方境界(境界182参照)を超えて上昇することに応答して表示され得る高アラートスクリーンを示すLCDスクリーン226の図である。この例示的なスクリーンでは、ホストによってセットされる境界よりも上である200mg/dLまで上昇しており、それにより、高アラートスクリーンをトリガーする。矢印190は、例えば、グルコース濃度が上昇し続けていることを示す検体トレンドの方向を示す。注釈192(「HIGH」)は、例えば、彼/彼女のグルコース濃度がプリセット限界を超えたこと、及び、何が臨床的に安全な値であると考えられ得るかをホストに即座にかつ明確に注意喚起するときに役立つ。
【0061】
少数の例示的なスクリーンが本明細書で示されるが、種々のスクリーンが、提供される実施形態で述べる情報並びに更なる情報の任意の情報を示すために設けられ得る。ユーザは、これらのスクリーン間でトグルし得る、かつ/又は、スクリーンは、例えば手持ち式受信器16内のプログラミングに応答して自動的に表示され、別のタイプの(例えば、可聴的又は触知的)アラートを同時に伴い得る。
【0062】
例えば、
図4Dは、ユーザの血中グルコースが降下しており、直ぐに低範囲になることを示すアラートの一実施形態を示すスマートフォン18のディスプレイのスクリーンショットである。
図4Eは、血中グルコーストレンドグラフの一実施形態を示すスマートフォン18のディスプレイのスクリーンショットである。
図4Fは、血中グルコーストレンド矢印の一実施形態である。
【0063】
幾つかの実施形態では、プロセッサモジュール214は、重篤な低血糖イベントが近い将来に起こることが予測されるとき、スマートフォン18のディスプレイ又はユーザインタフェース222上に予測的アラートを提供し得る。例えば、予測的アラートは、重篤な低血糖イベントが、5分、10分、15分、20分、30分等以内に起こることが予測されるときに示され得る。
図4Dを参照すると、55mg/dL等の重篤な低血糖イベントを示すBG値302を指す矢印300が、トレンドスクリーン上に表示され得る。矢印300は、正常血糖から低血糖に遷移するときに色を変更して、予想されるグルコースレベルの変化を強調し得る。更に、矢印300は、アラートの深刻さを強調するためフラッシングするようアニメ化され得る。ディスプレイは、「Going LOW」等のテキスト304を同様に示し得る。この予測的アラートは、重篤な低血糖イベントが起こることが予測されるとプロセッサモジュール214が判定するとき、スマートフォン18がどのようなモード又はアプリケーションにあっても、そのモード又はアプリケーションよりも優先される(をオーバライドする)ように構成され得る。換言すれば、アラートは、スマートフォンのユーザインタフェース222上に目下のところどのようなものがあっても、それを中断し得る。
【0064】
これらの実施形態では、プロセッサモジュール214は、ユーザがそれよりも低いと低血糖であると考えられる閾値に対応する血中グルコース値をプログラムされ得る。プロセッサモジュール214は、入力として、時間的に離間した間隔で複数のEGVを受信するとき、それぞれの入力を、プログラム済みの値、また同様に以前に受信されたEGVと比較することによって入力を処理する。ユーザの血中グルコースが下方トレンドを示し、プログラム済みの値に近づく場合、プロセッサモジュール214は、
図4Dに示すアラート等のアラートをスマートフォンのユーザインタフェース222に出力する。こうして、ユーザは、彼又は彼女が低血糖イベントを回避するため適切な処置をとり得るように、考えられる低血糖イベントの事前警告を受信する。
【0065】
種々他の実施形態では、プロセッサモジュール214は、ユーザインタフェース222の色を変更して、ユーザの目下の血中グルコースレベルを反映し得る。例えば、ユーザのEGVは、数字、トレンドグラフ、水平棒グラフ等としてスクリーン上に表示され得る。ユーザインタフェース222上のテキスト及び/又はバックグラウンドは、ユーザの目下の血中グルコースレベルが1つの状態から別の状態に遷移するときに変化し得る。例えば、テキスト/バックグラウンドは、ユーザの血中グルコースが健全な範囲内にある場合、緑等の第1の色を、また、ユーザの血中グルコースが低いか又は高い場合、赤等の第2の色を示し得る。代替的に、第1の色は健全な範囲のために使用され、第2の色は低い範囲のために使用され、第3の色は高い範囲のために使用され得る。更に、低い又は高い範囲にあるとき、ユーザの血中グルコースが益々低く又は高くなるにつれて、色の輝度が増加し得る。テキスト/バックグラウンドは、ユーザの血中グルコースが益々低く又は高くなるにつれて増加するフラッシングの頻度を持って、同様にフラッシングし得る。
【0066】
これらの実施形態では、プロセッサモジュール214は、低閾値BG値及び高閾値BG値に対応する血中グルコース値をプログラムされ得る。プロセッサモジュール214は、入力として、時間的に離間した間隔で複数のEGVを受信するとき、それぞれの入力を、プログラム済みの値と比較することによって入力を処理する。ユーザの血中グルコースが閾値の1つを交差する場合、プロセッサモジュール214は、テキスト及び/又はバックグラウンドの色を変更するという形でアラートをスマートフォンのユーザインタフェース222に出力する。ユーザの血中グルコース値が益々低く又は高くなり続ける場合、プロセッサモジュール214は、色の強度を増加させること及び/又はテキスト/バックグラウンドにフラッシングさせること等の更なる出力を生成する。これらの更なる出力は、プロセッサモジュール214が入力EGVを更なるプログラム済みの閾値と比較することに応答して生成され得る。
【0067】
種々の他の実施形態では、プロセッサモジュール214は、リアルタイムデータを反映するイコノグラフィ及び/又はアラートシンボルを使用し得る。例えば、ユーザの血中グルコースが低くなり、スマートフォン18上のアイコンは、例えばEGVからの実際のデータポイントを使用してユーザのBGトレンドグラフの画像を示し得る。この実施形態についての入力−処理−出力は、前の実施形態についての入力−処理−出力と実質的に同じであることになる。
【0068】
極端に低い血中グルコースの場合、人は意識を失う可能性がある。そのため、本実施形態の一定の実施形態では、意識の喪失を知らせる場合がある所定のレベル又はイベント(低グルコースレベル、アラート後にボタンが全く押されないこと等)において、プロセッサモジュール214は、緊急応答命令モードに入り得る。このモードは、何かがおかしいことをユーザの非常に近くにいる他の人に注意喚起するアラームを含み得る。例えば、グルコースタブ又は別の形態の炭水化物を投与すること、救急車を呼ぶこと等のような、意識不明のユーザをどのように支援するかに関するステップバイステップ式命令が、スマートフォンのユーザインタフェース222上に示され得る。
【0069】
これらの実施形態では、プロセッサモジュール214は、ユーザのEGVであるCGMから入力を受信し得る。プロセッサモジュール214は、入力を1つ又は複数の閾値と比較することによって入力を処理し、ユーザの血中グルコースが低いと判定し得る。プロセッサモジュール214は、アラートの形態で出力を生成し得る。ユーザが、例えば、タッチスクリーンのユーザインタフェース222上のボタン又はエリアを押すことによってアラートに応答しない場合、プロセッサモジュール214は、ユーザが意識不明である可能性があると判定し、本明細書で述べる緊急応答命令モードの形態で別の出力を生成し得る。
【0070】
種々の他の実施形態では、プロセッサモジュール214は、アラート閾値に対して識別型の視覚的高/低閾値を提供し得る。例えば、プロセッサモジュール214は、低い血中グルコース閾値及び高い血中グルコース閾値をプログラムされ得る。これらの閾値は、ユーザインタフェース222上の血中グルコーストレンドグラフ上で、ユーザが交差しないよう努めるべきである水平ラインとして表示され得る。通常、ラインのいずれかを交差することは、アラートを生成し得る。しかし、過剰なアラートは、ユーザにとって煩わしい、また、患者のコンプライアンスを低下させる可能性がある。そのため、幾つかの実施形態では、グラフ上に示す視覚的高/低閾値ターゲット範囲境界は、アラートを生成する境界と異なり得る。例えば、アラートを生成する境界は、ユーザインタフェース222上で視覚的ターゲット範囲閾値境界よりも広く、アラートを生成する境界は、視野から隠され得る。この構成は、アラートを生成することなく視覚境界のいずれかを交差するほんのわずかのバッファゾーンをユーザに与える。代替的に、アラートを生成する境界は、目に見えるが、ターゲット範囲境界から識別可能である場合がある。視覚的区別の例は、異なる色、フラッシング対スタティック、実線対破線、異なるラインの太さ、アラームラインに隣接するアラームアイコン等を含む。幾つかの実施形態では、高/低ターゲット境界は、常に表示される場合があるが、アラート境界は、ユーザ設定、モード(サイレンス)、閾値等に基づいて示されるか又は示されない場合がある。
【0071】
種々の他の実施形態では、プロセッサモジュール214のユーザインタフェースは、ユーザが、彼又は彼女がスマートフォンのユーザインタフェース222をアクティブ化するときに見る最初のものであり得る。例えば、多くのスマートフォン18は、一定時間の間、アクティビティが全く検出されないとき、自動的にユーザインタフェース222をスリープに(例えば、スリープモードに)する。この対策は電池電力を節約する。ユーザインタフェース222を再アクティブ化するため、ユーザは、スマートフォン18上のボタンを押さなければならない。一実施形態では、ユーザがユーザインタフェース222を再アクティブ化するとき、彼又は彼女が見る最初のものは、プロセッサモジュール214のユーザインタフェースである。これらの実施形態では、プロセッサモジュール214は、ユーザインタフェース222がスリープモードに入ったという通知と、それに続いて、ユーザインタフェース222が再アクティブ化されたという後の通知を入力として受信する。プロセッサモジュール214は、これらの入力を処理し、スマートフォン18上でプロセッサモジュール214のユーザインタフェース222のディスプレイを出力として生成し得る。
【0072】
種々の他の実施形態では、プロセッサモジュール214によって表示されるトレンドグラフは色分けされる。例えば、
図4Eを参照すると、グラフ400(トレンドライン402又はバックグラウンド404のいずれか)の色は、ターゲット範囲内である場合、緑色、ターゲット範囲の外側±10%である場合、黄色、ターゲット範囲の外側±15%である場合、橙色、またターゲット範囲の外側±20%である場合、赤色であり得る。トレンド矢印406は、同様に色分けされることができ、トレンド矢印406が配向する角度は、ユーザのグルコースの実際の変化率に対応し得る。例えば、より水平な矢印は低い変化率を示し、一方、急峻に傾斜する矢印は高い変化率を示す。これらの実施形態では、プロセッサモジュール214はセンサシステム8からの連続EGVを入力として受信し得る。幾つかの実施形態では、変化率は、センサシステム8によって計算され、表示する(例えば、表示する方法を決定し、表示をもたらす)ためにプロセッサモジュール214に送出されるが、プロセッサモジュール214は、変化率の計算も実施し得る。線形又は非線形関数に基づく変化率は、最近のセンサデータの窓に適用される。幾つかの実施形態では、変化率の計算は、少なくとも2つのポイント間の変化率の計算値を計算することを含み、変化率の計算は、決定されるノイズレベルに少なくとも部分的に基づいてポイント間の変化率の計算値に適用するフィルタを適応的に選択することを更に含む。プロセッサモジュール214は、これらの値を、ユーザインタフェース222上のトレンドグラフ400上のデータポイントとして出力し、ユーザの直近のEGVを含むボックス内に示す値408を同様に更新し得る。ユーザの血中グルコースが降下している場合、プロセッサモジュール214は、矢印406を下に配向させることによってこの情報を出力し、一方、ユーザの血中グルコースが上昇している場合、プロセッサモジュール214は、矢印406を上に配向させることによってこの情報を出力する。幾つかの実施形態では、トレンド矢印は、トレンドグラフの端部に(例えば、むしろ別個のボックス/エリア内に)配置される。
【0073】
一実施形態では、ユーザの直近のEGVを含むボックス内に示す値408のサイズは、ユーザがそのターゲットゾーンからどれだけ遠くに離れているかに応じてサイズを変更し得る。例えば、ユーザのグルコースがターゲットゾーンから益々遠くに遠ざかるにつれて、数値は、益々大きくなり得る。この増幅は、一方向性又は両方向性であり、トレンドグラフ上に表示されるEGVが、いずれかの方向でターゲット範囲の外側にある場合、益々大きくなり得る、又は、低い側(例えば、ハイポ)でターゲット範囲の外側にある場合にだけ、益々大きくなり得ることを意味し得る。同じことがトレンド矢印406に当てはまる。
図4Fを参照すると、トレンド矢印406は、矢印406の内部にEGV408をピッタリ合わせるのに十分に大きく描かれ得る。
図4Fにおけるトレンド矢印406/EGV408のレイアウトは、トレンド矢印406/EGV408のサイズがユーザのグルコース変化として動的に変化する先の実施形態と独立に使用され得る。
【0074】
図4Eの実施形態に関連する種々の他の実施形態では、1つの色から次の色への遷移についてハード閾値を使用するのではなく、ディスプレイは、代わりに、勾配タイプのトレンドグラフを示す。すなわち、ユーザのグルコースが、例えばターゲット範囲の外側±10%の閾値に行き当たるとすぐに、緑色から黄色に直接遷移するのではなく、ディスプレイは、代わりに、ユーザのグルコースがターゲット範囲から離れ、確立済みの閾値に向かって移動するにつれて、緑色から黄色に徐々に遷移することになる。そのため、ターゲット範囲の外側±5%において、ディスプレイは、緑色と黄色との間の色を示し、その色は、ユーザのグルコースが、ターゲット範囲の外側±6%、ターゲット範囲の外側±7%、ターゲット範囲の外側±8%等を通して移動するにつれて、徐々により黄色に近くなる。
【0075】
予測的アラート/アラーム
幾つかの実施形態では、センサは、電流の形態で信号を出力する。しかし、任意の測定技法による任意の出力信号が、本明細書で述べる予測的アラート/アラームのために使用され得る。一般に、変換関数がセンサ信号に適用されて、ユーザが、彼又は彼女の血流内の検体の濃度を示すものとして理解するユーザ出力を生成する。こうした適切な変換関数は、多数の変数、例えば、感度(傾斜)、ベースライン(切片)、ドリフト、温度補正、工場由来情報、或いは、データに対する他の較正又は調整を考慮し得る。適した変換関数が適用された後、ユーザは、例えば
図3A〜3Dに示す出力と同様の出力を見ることができる。
【0076】
糖尿病の重大な結果を防止するという範囲で、低血糖及び/又は高血糖エピソードを、こうしたエピソードが起こるときにアラートを単に生成する代わりに防止することが望ましい。例えば、介入が無い場合、低血糖エピソードが20分以内に起こることを示すために生成されるアラートは、ホスト又は患者が適時に糖分を摂取し吸収することを可能にすることになる。
【0077】
ここで
図5を参照すると、所定の時間枠中に測定され、閾値フラグx
1及び閾値フラグx
1上に配置される予測的フラグx
2を有するグルコース値の連続トレースが示される。
図5に提示されるように、例示的なグルコーストレースは、時間枠、例えば24時間に対して比較された、グルコースレベル、例えばmg/dlを有するグラフを具現化する。
【0078】
図示するように、幾つかの実施形態において、グルコース値をモニターするときに使用される3つの閾値又は限界、すなわち、TV
1、TV
2、及びTV
Pが存在する。TV
1は、ユーザによってセット可能であり、一般に、モニターによって注意喚起される前にユーザがそこで行動を取り得る上限又は上方グルコース値を規定し得る。同様に、TV
2は、ユーザによってセット可能であり、一般に、モニターによって注意喚起される前にユーザがそこで行動を取り得る下限又は下方グルコース値を規定し得る。TV
Pは、予測的閾値、例えば、予測される値がそれと比較される閾値である。示す実施形態が閾値を想定するが、閾値範囲又は他の基準(例えば、血糖状態)が、代替的に使用され得ることが認識されるべきである。
【0079】
図示するように、TV
Pは、特定のグルコース値を与えられていない。これは、TV
Pがユーザによってセット可能でないとすることができるためである。すなわち、TV
Pは、工場設定中にセットされる固定値又は永久値であるとすることができる。幾つかの実施形態では、TV
Pは、危険なほどに低いグルコース値を示し得る、例えば、深刻な低血糖イベントを示し得る。幾つかの実施形態では、TV
Pは、55mg/dLの又はその周りの値を示し得る。
【0080】
幾つかの実施形態では、TV
Pは、TV
2に基づいて適応的に決定され得る。例えば、ユーザが、TV
2を比較的高い値、例えば90mg/dLであるようセットする場合、アルゴリズム又は関数は、TV
Pが65mg/dLにセットされるべきであると決定し得る。逆に、ユーザが、TV
2を比較的低い値、例えば70mg/dLであるようセットする場合、アルゴリズム又は関数は、TV
Pが55mg/dLにセットされるべきであると決定し得る。更に又は代替的に、予測ホライゾンPHは、予測に関連する別のパラメータに基づいて、例えば、選択されたTV
2及び/又はTV
Pに基づいてプリセットされ得る、又は、適応的に選択され得る。
【0081】
再び
図5を参照すると、2つのフラグx
1及びx
2が示される。フラグx
1は、一般に、閾値フラグであると考えられ、第1の閾値、例えばTV
2が満たされたことをユーザに注意喚起するように構成され得る。幾つかの実施形態では、閾値フラグx
1は、閾値が満たされたか又は交差されたときを、リアルタイムに又はほぼリアルタイムに(例えば、処理遅延等を考慮し得る)ユーザに通知するように働く。閾値フラグx
1を使用する例は、ユーザが、自身のグルコース値が、或る値、高いか又は低い値に行き当たるときを、通知されることを欲するときである。ユーザのグルコース値がその所定のユーザセット値を満たすと判定されると、ユーザは、アラート又はアラームによって通知され得る。更なる変化率状況(例えば、>0.5mg/dL/分で増加するTV
1及び変化率又は>0.5mg/dL/分で減少するTV
2及び変化率)が追加され得る。
【0082】
フラグx
2は、一般に、予測的フラグであると考えられ、第2の閾値、例えばTV
Pが所定の又は予め規定された時間枠又は時間ホライゾンPH内で満たされると予測されることをユーザに注意喚起するように構成され得る。幾つかの実施形態では、予測的フラグx
2は、閾値が予め規定された時間枠内で、例えば20分で交差されるか又は満たされると予測されることを、リアルタイムにユーザに通知するように働く。
【0083】
図5に示すグルコースモニタリングプロファイルの利点は、予測が、ユーザによってセット可能である閾値アラートと対形成されることができ、アラートが、どのような状況であっても最初に満たされる状況(閾値又は予測)について音を出すことになることである。前もってチューニングされる予測アルゴリズムパラメータ(例えば、モデル化データ対測定データの信頼性、過去データの時間感応的重み付け、予測ホライゾンPH、及び予測閾値TV
P)の使用は、重篤なイベントが起こる前に患者について警告時間を増加又は最適化し、ユーザが聞く不快物/偽アラームの回数を最小にし得る。
【0084】
幾つかの実施形態では、予測パラメータ(TV
P及びPH)は、ユーザにとって目に見えず、またプリセット又は固定され得る。幾つかの実施形態では、予測パラメータは、種々の履歴データ、例えば、ユーザの履歴データ、母集団履歴データ、特定のセンサの履歴データ等を使用してセンサ製造業者によって決定される。
【0085】
再び
図3Aを参照すると、ユーザのその日の例示的なグルコーストレースが示される。トレースを見ることによって、グルコーストレースが影付き領域又は境界領域246内に全体的に入ることが認識され得る。この領域は、全体的に「ターゲットゾーン(target zone)」と呼ばれることができ、ユーザは、「ラインの間に留まる(stay between the lines)」ことを奨励される。この領域は、一般に、特定の期間の間、ユーザのグルコースがどのように見えるかに関する迅速なチェックとして役立つ可能性がある観察用スクリーンを有するそのモニター又はデバイス上でユーザが観察可能である。境界領域の別の例は、
図4Aに示され、参照符号182として指定される。
【0086】
幾つかの実施形態では、この影付き「ターゲットゾーン」は、以降で「アラート境界(alert boundary)」と呼ばれるTV
1及びTV
2によって規定される領域と異なる。幾つかの実施形態では、TV
1及びTV
2は、ユーザによって観察可能ではなく、むしろ、例えば必要なときにユーザに注意喚起するため、適切なアルゴリズム又は関数によって使用される内部値である。
【0087】
他の実施形態では、アラート境界は、ユーザが観察可能であり得る。値、絵、又はアイコン、或いは「HIGH」及び「LOW」等の簡単な指示が、TV
1及びTV
2にそれぞれ関連付けられ得ることが認識されるべきである。更に、TV
Pは、例えば簡単なアラームアイコンとして示され得る。
【0088】
幾つかの実施形態では、予測的アラートは、簡単なオン/オフボタンを使用してアクティブ化され得る。更に、幾つかの実施形態では、異なるユーザのニーズについて、「高感度(sensitive)」、「通常(normal)」、「煩わしくない(non-annoying)」等の、予測についての1つ又は複数の一般的な設定が存在し得る。例えば、高感度予測設定は、値をPH=30分及びTV
P=70mg/dLにセットし、通常の予測設定は、値をPH=20分及びTV
P=55mg/dLにセットし、煩わしくない予測設定は、値をPH=10分及びTV
P=55mg/dLにセットし得る。
【0089】
本開示は、低グルコース(低血糖)における予測に関連する予測ホライゾン及び基準に的を絞るが、低血糖アラーム/アラートに適用される原理の全てが、当業者によって認識されるように、高グルコース(高血糖)についても実装され得ることが留意されるべきである。
【0090】
図6は、本開示の一実施形態による、予測的アラート/アラームを動的にかつインテリジェントに提供するためのプロセスを示す、フローチャート500である。先に説明したように、予測的アラート/アラームを提供することは、1ユーザ体験について低血糖及び/又は高血糖エピソードの数を最小にし得るかつ/又は防止し得るため非常に望ましい。
【0091】
ブロック510にて、プロセッサモジュール214は、センサ10から、時間的に離間した1つ又は複数のセンサデータポイントを含むセンサデータ(例えば、データストリーム)を受信するように構成され得る。センサデータポイント(複数可)は、平均化され得る、平滑化され得る、かつ/又は、一実施形態では、フィルタ、例えば、有限インパルス応答(FIR)又は無限インパルス応答(IIR)を使用してフィルタリングされ得る。
【0092】
ブロック520にて、プロセッサモジュール214は、第1のセットの命令又は基準を使用してセンサデータを評価するように構成され得る。第1のセットの命令又は基準は、低血糖又は高血糖に関連する1つ又は複数の第1の所定の基準をデータポイントが満たしたか否かを判定するのに適した任意のアルゴリズムを含み得る。こうした所定の基準は、例えば、種々のアラート閾値を入力するためのメニューを使用してユーザによって入力され得る。代替的に、所定の基準は、工場設定に従ってセットされ、ユーザが、例えばアラート閾値を変更できないように固定され得る。幾つかの実施形態では、所定の閾値は、例えばルックアップテーブルに保存され、また、時刻(例えば、夜間において多少高感度となる)、履歴患者情報、又は同様なもの等の他のパラメータに依存し得る。他の実施形態では、より複雑なアルゴリズムが使用されて、静的リスクモデル又は動的リスクモデル等の、静的閾値ではなく、ユーザの目下の血糖状態を規定することができ、閾値は、これらのより複雑なアルゴリズム又は命令(例えば、勾配、はい/いいえ指示器、パーセンテージ、確率、又は同様なもの)の出力に基づいて規定されることになる。
【0093】
幾つかの実施形態では、センサデータは、リアルタイムグルコース値(例えば、血中グルコース(BG)値)、較正済みのグルコース値(例えば、推定されたグルコース値(estimated glucose value)(EGV))、グルコース値の変化率、グルコース値の変化の方向、グルコース値の加速度又は減速度、インスリン情報、イベント情報、履歴トレンド分析結果、及び同様なものを含む。その結果、幾つかの実施形態では、プロセッサモジュール214は、リアルタイムグルコース値が1つ又は複数の第1の所定の基準を満たすか否かを判定するために第1の関数を使用してセンサデータを評価するように構成され得る。
【0094】
幾つかの実施形態では、基準は、少なくとも1つの成分を含むものとして考えられ得る。例えば、基準は、特異値又は絶対値を示し得る。幾つかの実施形態では、基準は、2つ以上の成分を含み得る。例えば、閾値は、所定の範囲の値を示し得る。代替的に、閾値は、時間成分に関連する特異値を示し得る。他の実施形態では、閾値は、方向又は方向の割合に関連する特異値を示し得る。
【0095】
先に述べたように、1つ又は複数の基準は、ユーザによってセットされる第1の閾値であり得る。例えば、ユーザは、自身のグルコースの読みが70mg/dL又は70mg/dLまで降下し、変化率が負(グルコースレベルの減少を示す)であるときはいつでも、注意喚起されたいと欲することを決定し得る。他の場合には、ユーザは、70mg/dLが低すぎる読みであると判断し、自身のグルコースが80mg/dLよりも下に降下するときはいつでも注意喚起されたいと欲する。当業者によって理解されるように、あまりにも頻繁に注意喚起されること、例えば、不快物アラームと、実際のイベントが存在するときに適切に注意喚起されることとの間に微妙なバランスが存在する。その結果、ユーザは、第1の閾値を選択することに基づいて、ユーザがどの程度の頻度で注意喚起されるかに関する或る入力を持つことを許容され得る。選択される値が高ければ高いほど、アラートのトリガーは敏感であり、例えば、ユーザが、より頻繁に注意喚起されることになる。
【0096】
幾つかの実施形態では、第1の閾値は、交差される閾値についての、ユーザがセット可能な数値又は定性的感度指示であり得る。定性的感度指示は、上述したように、「高感度」、「通常」、「煩わしくない」等のような設定を含み得る。例えば、検体モニタリングシステム8は、多い回数の(例えば、>1日につき2回)アラートを検出し、不必要な煩わしい事物を回避するため設定が調整されるべきか否かを判定する質問をユーザに向け得る。例えば、システム8は、通常の回数(例えば、通常通り2回)よりも多い回数のアラートが提供されている場合、定性的感度指示を、「高感度」から、「通常」へ、又は、「通常」から、「煩わしくない」へ変更するようユーザに提案し得る。
【0097】
幾つかの実施形態では、第1のセットの命令又は基準は、データポイントが所定の閾値を満たしたか又はそれを交差したか否かを判定するのに適した任意のアルゴリズムを含み得る。幾つかの実施形態では、第1のセットの命令又は基準は、例えば、グルコースの変化率の振幅及び/又は方向、グルコースの加速率/減速率、インスリン及び/又は食事消費等の他のパラメータを含む、血糖状態のより複雑な評価を含み得る。幾つかの実施形態では、第1のセットの命令又は基準は、連続グルコースモニタリングデータについて静的リスクモデル及び/又は動的リスクモデル等のリスクの尺度を使用して、特定の基準が満たされたか否かを生成および判定し得る。幾つかの実施形態では、アルゴリズムは、未較正のセンサデータに関してその計算を実施し、その後、その結果が、較正済みのデータに変換され、基準及び/又は閾値と比較される。未較正のデータに関してアルゴリズム的な処理の一部又は全てを実施することは、較正に関連するエラー又はバイアスのネガティブな影響を低減するため有利であり得る。しかし、幾つかの実施形態では、アルゴリズム的な処理は、較正済みのデータに関して実施され得る。
【0098】
他の実施形態では、より複雑なアルゴリズムが使用されて、静的リスクモデル又は動的リスクモデル等の、静的閾値ではなく、ユーザの予測される血糖状態を規定することができ、入力は、リアルタイムの値又は予測された値を含むことができ、また、基準は、これらの複雑なアルゴリズム(例えば、勾配、はい/いいえ指示器、パーセンテージ、確率、又は同様なもの)の出力に基づいて規定されることになる。
【0099】
ブロック530にて、プロセッサモジュール214は、第2のセットの命令又は基準を使用してセンサデータを評価するように構成され得る。幾つかの実施形態では、ブロック520からの第1のセットの命令は、ブロック530からの第2のセットの命令と異なる。
【0100】
ブロック520と同様に、ブロック530にて、第2のセットの命令又は基準は、例えば、所定の閾値を交差するとデータポイントが予測又は予想されるか否かを判定することによって、血糖(高血糖又は低血糖)状態が予測されるか否かを判定するため、センサデータを評価するのに適した任意の1つ又は複数のアルゴリズムを含み得る。適したアルゴリズムは、多項式モデル及び自己回帰モデルに基づくアルゴリズム、カルマンフィルタリング(Kalman Filtering)(KF)、人工ニューラルネットワーク、統計的アルゴリズム及び数値論理アルゴリズム、並びに機械学習に基づくアルゴリズムを含む。
【0101】
幾つかの実施形態では、第2のセットの命令は、利用可能である場合、食物、運動、ストレス、病気、又は手術等の他の関連情報を考慮できる人工ニューラルネットワークを利用して将来のグルコース値を予測し得る。アーキテクチャは、3つの層であって、入力を採取する第1の層と、多項式関数又は非線形関数を使用して入力を変換する、例えば、平方化する、シグモイダル化する、閾値処理する隠れ層と、隠れ層の出力を組み合わせて出力値又は予測値(複数可)にする第3の出力層とを有する、3つの層を含み得る。ニューロンは、全体として接続され、フィードフォワードされ得る。1つの有用な人工ニューラルネットワークの実装態様は、「Blood glucose prediction for diabetes therapy using a recurrent artificial neural network」 IX European Signal Processing Conference (EUSIPCO), Rhodes, 1998, pp.673-676においてW. A Sandham, D. Nikoletou, D. J. Hamilton, K. Patterson. A Japp and C. MacGregorによって述べられる。第2の層及び第3の層内の各ニューロンは、入力として、前の層からの出力の重み付き結合を採取する。これらの重みは、訓練と呼ぶプロセスを通して最良の予測値を与えるようにチューニングされる。すなわち、ニューラルネットワークは、初期推定によって始まり、既知の入力及び出力を用いてデータセットを訓練し試験することを使用して、最適な出力を与えるために考えられる最良の重みを見出す。訓練プロセスが終了すると、ネットワークが使用されて、任意の新しいデータについて出力を予測し得る。ネットワーク入力情報は、CGMシステムからの、制限された数の過去のグルコースサンプルと共に、目下のグルコース測定値及びそのタイムスタンプであり得る。NNM(ニューラルネットワークモデル(neural network model))は、目下の時間以前の20分までのグルコース測定値を考慮し得る。サンプリングレートがCGMシステムごとに変動するため、NNM入力の数は、各データセットについて異なり得る。ネットワークの出力は、予測ホライゾン時間におけるグルコース予測であり得る。
【0102】
幾つかの実施形態では、第2のセットの命令は、自己回帰モデル(例えば、1次、2次、又は3次)を使用して、将来のグルコース値を予測し得る。1つの有用な1次自己回帰モデルの実装形態は、「Glucose Concentration can be Predicted. Ahead in Time From Continuous Glucose Monitoring Sensor Time-Series」Biomedical Engineering. IEEE Transactions 011. 2007, voL 54, pp.931-937においてG. Sparacino, F. Zanderigo, S. Corazza, A. Maran, A. Facchinetti and C. Cobelliによって述べられる。このアルゴリズムは、目下のグルコース値y(n)を採用(take)し、過去のグルコース値y(n−1)を或る係数αで乗算することによって将来のグルコース値を予測する。グルコースが上昇しているとき、αは、1よりもわずかに大きな或る値であることになり、グルコースが降下しているとき、αは、1よりもわずかに小さいことになる。このアルゴリズムでは、モデルパラメータ(α)は、再帰的に推定されて(例えば、グルコースの動態を反映するため、5分ごとに更新されて)、予測されたグルコース値と目下のグルコース値の全ての対について残差2乗和を最小にし得る。αの推定値は、新しいセンサデータポイントが受信されるたびに(例えば、5分ごとに)、(例えば、重み付き最小2乗回帰を使用して)更新され得る。予測パラメータ(例えば、忘却因子、予測ホライゾン、及び予測閾値)は、前もってチューニングされて、重篤なハイポイベント(例えば、55mg/dL)が起こる前に患者について警告時間を最適化し、また、患者が聞く不快物/偽アラートの数を最小にし得る。例えば、所定の期間にわたるグルコース変化の方向には、忘却因子μが使用されて、直近のデータを、0と1との間の値でより重く重み付けし得る。予測ホライゾン及び/又は予測閾値は、本明細書の他の所でより詳細に述べるように、システムによって予め決定され得る、かつ/又は、ユーザ選択可能であり得る。
【0103】
幾つかの実施形態では、1次自己回帰モデルは、第1の関数と第2の関数の共同使用を第1の関数単独と比較するレトロスペクティブ分析に基づいて1週当たり1回しか更なるアラーム(alarm)を提供しないようにチューニングされた忘却因子、予測ホライゾン、及び予測閾値を含む。幾つかの実施形態では、これは、ユーザの定性的感度指示をモニターし、適切な設定を選択するようユーザに促すか又は強いることによって少なくとも部分的に達成される。
【0104】
幾つかの実施形態では、第2のセットの命令は、カルマンフィルタ(最適推定法)を使用して、将来のグルコース値を予測し得る。カルマンフィルタは、測定されるグルコース変化がセンサノイズのせいであるという確率を、グルコースの実際の変化に対してトレードオフして、グルコースの最尤推定値(並びにその1次導関数及び2次導関数)を取得する。1つの有用なカルマンフィルタの実装態様は、「Hypoglycemia Detection and Prediction Using Continuous Glucose Monitoring-A Study on Hypoglycemic Clamp Data」J Diabetes Sci Technol. 2007 September; 1(5): 624-629においてPalerm, C. and Bequette, W.によって述べられる。状態は、血中グルコース濃度(g
k)、その変化率(d
k、例えば、速度)、及び変化率の変化率(f
k、例えば、加速度)である。後者は、ランダム方式で変動すると仮定され、プロセスに対する変化を記述する入力ノイズw
kよって(共分散行列Qによって)駆動される。センサグルコース測定値は、υ
kによって(共分散行列Rによって)記述されるノイズを含むと仮定される。予測モデルパラメータ(例えば、Q/R比、予測ホライゾン、及び予測閾値)は、前もってチューニングされ得る、かつ/又は、ユーザ選択可能であり得る。
【0105】
幾つかの実施形態では、第2のセットの命令又は関数は、任意選択で、インスリン、運動、食事、ストレス、病気、履歴患者情報(例えば、パターン又はトレンド)等のようなユーザ入力を含むメカニズムを含み得る。
【0106】
幾つかの実施形態では、センサデータは、リアルタイムグルコース値(例えば、血中グルコース(BG)値)、較正済みのグルコース値(例えば、推定されたグルコース値(estimated glucose value)(EGV))、グルコース値の変化率、グルコース値の変化の方向、グルコース値の加速又は減速、インスリン情報、イベント情報、履歴トレンド分析結果、及び同様なものを含む。その結果、幾つかの実施形態では、プロセッサモジュール214は、予測されたグルコース値が1つ又は複数の予測的アラーム基準を満たすか否かを判定するために第2の関数を使用してセンサデータを評価するように構成され得る。
【0107】
第2の所定の基準は、単一値、所定の範囲の値、値に関連する方向、方向の割合等を含み得る。幾つかの実施形態では、第2の基準は、工場設定の一部としてセットされる固定値である所定の閾値を含む。例えば、第2の閾値であって、その閾値に関連する重要性のせいで、ユーザが操作又は変更できない、第2の閾値を有することが望ましい場合がある。例えば、幾つかの実施形態では、第2の所定の閾値は、重篤な低血糖イベント、例えば55mg/dLを示す値を示し得る。
【0108】
幾つかの実施形態では、第2の所定の基準は、特定の時間枠内での低血糖の確率に基づいて決定され、センサデータが変化する率、センサデータが進む方向、目下のグルコースレベル、グルコース変化の過去の履歴、インスリン情報、食事情報、運動情報等を反映し得る。プロセッサモジュール214に更なる基準を適用する例は、低血糖が、近い将来、予測されるが、目下のグルコースレベルが200mg/dLである場合、予測がありそうでないか又は可能性がなく、したがって、グルコース値、変化率、及び同様なものに関する制限が適用され得る。食事情報を使用する別の例は、ユーザが、最近食事をとることを指示された場合、食事が、迅速に好転させることになるグルコースである場合があり、今回は、ユーザに注意喚起することは必要でない。
【0109】
幾つかの実施形態では、第2の所定の基準は、少なくとも部分的に又は適応的に、第1の所定の閾値に基づき得る。例えば、アルゴリズム又は関数の適したセットは、例えば、予測ホライゾン及び/又は第2の所定の閾値を第1の所定の閾値に基づかせ得る。
【0110】
幾つかの実施形態では、第2のセットの命令は、完全に予測的であり、命令が、過去の及び/又は目下のデータを使用して、ユーザが、所定の時間枠又はホライゾン内で第2の所定の閾値を満たすか又は閾値を交差することになるか否かを判定することを意味する。所定の時間枠又はホライゾンは、好ましくは、ユーザが、予測されるイベントを好転させるために処置をとるのに十分に長い。例えば、所定のホライゾンは、幾つかの実施形態では少なくとも15分、幾つかの実施形態では少なくとも20分、また幾つかの実施形態では少なくとも30分であり得る。
【0111】
幾つかの実施形態では、所定の時間枠又はホライゾンは、時間枠をセットするとき、更なる能力を有し得る、又は、更なる情報を考慮し得る。例えば、当業者には既知のように、一部の連続グルコースモニタリングシステムは、血液(例えば、指スティック測定値が、伝統的にそこから導出される毛細管血)ではなく、間質液内のグルコースを検知する。その結果、測定される値と実際の血中グルコース値との間に時間遅れ、例えば5分以上が存在し得る。幾つかの例では、時間遅れは0分ほどであり、他の例では、時間遅れは15分以上ほどに長い。時間遅れの変動性もまた存在する場合があり、変動性は、測定値の標準偏差によって示されることができ、例えば、5分の遅れについて10分である。
【0112】
センサが、改良されたセンサ設計によってより正確になるため、時間遅れによる不正確さは、総合エラーに対するより実質的な寄与者になり得る。任意の特定の理論に束縛される意図はないが、生理学、センサが挿入されてからの時間、グルコース状態(ハイポ又はハイパー)、グルコースの変化率、実施されるフィルタリングの知識、及び他の変数は、センサが経験することになる時間遅れの量に影響を及ぼし得る。その結果、幾つかの実施形態では、時間遅れ調整のアルゴリズム又は命令のセットが、所定の時間枠又は時間ホライゾンを決定するときに、又は、それをセットすることと連携して使用され得る。幾つかの実施形態では、時間遅れ調整の命令のセットは、目先予測を使用して、例えばアルゴリズム的な又は代替の検出手段によって取得される更なる情報に応じて、将来の時点、例えば、約2.5分から約15分において、推定されるグルコース値を予測し表示する。例えば、予測ホライゾンに影響を及ぼし得る情報は、センサが挿入されてからの時間、グルコースの状態又は変化率、各個人の平均時間遅れがどれくらいかを学習し、ユニークな設定を適用し得る適応的学習アルゴリズム等を含む。その結果、幾つかの実施形態では、時間遅れ調整のアルゴリズムは、1つ又は複数の入力として、以下の変数、すなわち、センサが挿入されてからの時間、グルコースの状態又は変化率、ユーザの先験的情報の1つ又は複数を使用し得る。幾つかの実施形態では、更なるセンサが実装されて、時間遅れを直接的に又は間接的に測定し得る。例示的なセンサは、空間的に分離されている作業電極と基準電極との間、又は、検知エリアの電極と皮膚の表面上の2次電極との間でのインピーダンスデータの使用であり得る。
【0113】
幾つかの実施形態では、ブロック520及び/又は530は、低血糖指示器のアクティブ化の前に、センサ、別の医療デバイス(例えば、インスリン送出デバイス)、及び/又は(ユーザ入力を介して)ユーザ又はホストから導出されるデータを含む、任意の新しいデータの受信によって反復的に繰り返され得る。
【0114】
ブロック540にて、プロセッサモジュール214は、第1の基準が満たされる場合、又は、第2の基準が満たされると予測される場合、低血糖指示器をアクティブ化するように構成され得る。幾つかの実施形態では、プロセッサモジュール214は、どの命令のセットがその基準(例えば、x
1又はx
2がフラグを立てられる場合、ブロック520又は530)を満たしたかを判定するように構成される。例えば、第1の命令のセットは、リアルタイムデータを使用して、ブロック520において8:47pmに第1の閾値が満たされたと判定し得る。同じ例では、第2の命令のセットは、20分予測ホライゾンを使用して、ブロック530において9:00pmに第2の閾値が満たされと予測されると判定し得る。この例では、第1と第2の両方の評価がそれらの基準を満たした場合、いずれか又は両方が、後続の処理で使用され得る。
【0115】
上述したように、低血糖指示器は、閾値が時間的に最初に交差されることになると判定又は予測するいずれの関数であってもその関数を示す単一指示器を含み得る。幾つかの実施形態では、低血糖指示器は、第1の基準(x
1)を使用する第1の評価が満たされたか、第2の基準(x
2)を使用する第2の評価が満たされたかに応じて、低血糖指示器に関連する特定の命令のセットを有するフラグを含む。第1及び第2の評価に対する応答は、処理及び/又は出力において、別様に同様に区別され得る。幾つかの実施形態では、基準が満たされていることを両方の評価が示す場合、実際ベースの基準と予測ベースの基準が共に満たされることを示すユニークな処理及び出力が存在する。代替的に、どの基準が満たされたかを判定するルールが設けられ得る。
【0116】
例えば、幾つかの実施形態では、x
1及びx
2フラグは、ユーザディスプレイ又はユーザインタフェース222上で区別され得る。幾つかの実施形態では、ユーザインタフェース222は、「x
1は76mg/dLである」及び「x
2は、20分経って55mg/dLになると予測される」等、同時のディスプレイ又は両方の基準(x
1及びx
2)を示すように構成され得る。
【0117】
ブロック550にて、プロセッサモジュール214は、低血糖指示器によって示されるように、満たされるか又は満たされることが予測される閾値の検出によって保証される場合、アラート又はアラームを提供するように構成され得る。幾つかの実施形態では、プロセッサモジュール214は、満たされるか又は満たされることが予測される閾値の最も早い時点での検出に基づいてアラーム又はアラートを提供する。幾つかの実施形態では、最も早く検出又は予測される閾値に基づいてアラートを提供することは、実際の又は予測される低血糖及び/又は高血糖イベントを好転させるためより多くの時間をユーザに提供し得る。
【0118】
上述したセンサデータの任意のセンサデータをインスリン送出デバイスに送信することに加えて、幾つかの実施形態では、プロセッサモジュール214は、a)(例えば、所定の基準を満たすセンサデータに応答して、インスリン送出デバイスにおいてグルコースの基底又はボーラス送出を一時停止するように構成される)インスリン送出を一時停止すること、b)低血糖及び/又は高血糖ミニマイザアルゴリズム(例えば、自動インスリン送出デバイスを使用してユーザの血中グルコースをターゲット範囲になるよう制御するように構成されるアルゴリズム)を始動すること、c)アルゴリズムに応答してインスリン送出を制御すること、又はd)アラート(例えば、低血糖指示器)に関連する情報、の少なくとも1つを含むメッセージをインスリン送出デバイスに送信し得る。センサデータ及び/又はメッセージは、直接的に、或いは、スマートフォン内等のコントローラを通して又はクラウドを介して間接的に専用インスリン送出デバイスに送信され得る。幾つかの実施形態は、低血糖ハイポアボイダンス(hypo-avoidance)システムにとって有用な必要なセンサデータがインスリン送出デバイスに送信されることを可能する。例えば、低血糖指示器は、基底インスリン送出を、いつ、また、どれだけの期間、一時停止又は減少させるかを決定するのに有用な情報(例えば、予測されるグルコース値及び予測ホライゾン、グルコースの変化率、静的リスク、動的リスク)を含み得る、又は、実際の命令(例えば、20分間、基底送出を一時停止する)を送信し得る。
【0119】
幾つかの実施形態では、アラート及び/又はアラーム設定は、ユーザによって操作され得る、又は、1つ又は複数の閾値(例えば、約60〜100mg/dLから)をセットし得る。幾つかの実施形態では、ユーザは、第1の関数及び/又は第2の関数をディセーブル/イネーブルし得る。幾つかの実施形態では、「早期警告(early warning)」又はアラートを指示する単一メッセージがユーザに提供され得る。幾つかの実施形態では、特に閉ループ又は半閉ループシステムの文脈で、設定は、プログラマブルであるか又はユーザによってダウンロード可能であり得る制御アルゴリズムに基づいて構成される。
【0120】
幾つかの実施形態では、アラートは、(例えば、遠隔のモニタリングサイトに対する)可聴的な、触知的な、視覚的な、及び/又はデータの送信から、ユーザインタフェース222に対する後続の可聴的な、触知的な、及び/又は視覚的な出力を含むグループから選択され得る。例えば、子供のホストのアラームがアクティブ化される場合、データは、親のスマートフォンに送信され得る(また、同じ又は異なるアラーム情報が提供され得る)。こうした例では、子供のホストは、可聴的アラームを受信し、一方、親は、詳細なグルコースログを受信し得る。幾つかの実施形態では、第1の閾値が最初に満たされていると第1の関数が判定する場合、アラートがユーザに提供される。他の実施形態では、第2の閾値が最初に満たされることになると第2の関数が予測する場合、アラームがユーザに提供される。
【0121】
幾つかの実施形態では、予測アラームは、閾値アラートを出して、より大きな切迫感を与える。例えば、予測アラームが、20分の予測ホライゾンを有する55mg/dLの読みに関連し、閾値アラートが70mg/dLの読みに関連する場合、予測アラーム指示器は、アラートスクリーン及び出力を制御するように構成されることになる。
【0122】
幾つかの実施形態では、予測アラーム音/スクリーンは、セット可能な閾値アラートよりも大きな切迫感を伝達し得る。アラーム及びアラートについて異なる音/スクリーンを有する理論的根拠は、2つの閾値の差、例えば、一方がルーチンアラートであり、一方、他方が重篤なイベントを示すことをユーザが理解するのを支援することである。幾つかの実施形態では、どのようなアラートが、満たされるか、又は、時間的に最初に満たされると予測されてもそのアラートが、ユーザに伝達されるアラートである。これらの予測的アラート及び閾値アラートが、
図3B及び
図4Aに関して上述したような「ライン間にユーザを保つ(keep a user between the lines)」ために使用され得るターゲットアラートと異なることが認識されるべきである。幾つかの実施形態では、第1と第2の両方の命令のセットの結果からの情報は、それらの情報が共に、或る基準を満たしても、満たさなくても、ユーザインタフェース上で組み合わされ中継され得る。例えば、組み合わされたアラートスクリーンは、両方の予測的アラーム(例えば、ホストが、アラート閾値(TV
2)未満であり、また、20分以内に予測される閾値TV
P未満になると予測されるという指示、又は、ホストがアラート閾値(TV
2)未満であるが、20分以内に予測される閾値TV
P未満になると予測されないという指示)を含むことになる。幾つかの実施形態では、治療推奨又は更なる情報についての要求等の更なる情報が表示され得る。
【0123】
低血糖アラート又はアラームがトリガーされると、プロセッサモジュール214は、以下でより詳細に述べるアラート後モニタリングを継続し得る。更に又は代替的に、システムが遠隔モニタリング(例えば、親の携帯電話又は世話人のパーソナルコンピュータ等、ユーザを受信し追跡する遠隔電子デバイス)を含む場合、低血糖アラートが、トリガーされ、遠隔デバイスに送信されると、通信、データ送信、又は同様なものの増加が始動されて、世話人又は親が、低血糖イベント又は予測される低血糖イベント中に患者をより綿密にモニターすることを可能にし得る。通信又はデータ送信の増加は、より頻繁なセンサデータのプッシュ及びプル、遠隔デバイスからの更なる入力、或いは遠隔デバイスへ又はからの更なるメッセージングを含み得る。更なる情報についての要求は、遠隔デバイスで始まり、プロセッサモジュール214は、遠隔デバイスから直接、更なる情報についてのこうした要求を受信し処理するように構成され得る。
【0124】
アラート後モニタリング
連続グルコースモニターが一般に直面する別の問題は、アラート又はアラームがトリガーされると、ユーザが、アラートをトリガーした閾値に又は閾値の周りに留まり、その後、繰り返しアラート又は冗長アラートをトリガーし続け得ることである。こうしたアラートは、ユーザにとって不快物であり、モニターのアラート/アラームフィーチャをユーザに一時停止(例えば、スヌーズ)させ得る。(例えば、更なるセンサデータではなく)時間だけを考慮するスヌーズは、望ましくない場合がある。その理由は、初期トリガーに続く状況であって、更なるアラームがユーザに提供されることを要求することになる状況が存在する場合があるからである。ユーザが、アラート/アラームフィーチャを一時停止し、一時停止又は「スヌーズ(snooze)」フィーチャが単に時間ベースである場合、ユーザは、一時停止又はスヌーズ期間中に低血糖及び/又は高血糖イベントに近づいているという危険な状態にあることに気付かない場合がある。
【0125】
ここで
図7を参照すると、アラート/アラームを繰り返させ得る異なるシナリオを示す時間枠中に測定されるグルコース値の連続トレースの例が示される。
図5と同様に、
図7では、例示的な連続グルコーストレースは、時間枠、例えば24時間に対して比較された、グルコースレベル、例えばmg/dLを有するグラフを具現化し得る。
【0126】
図示するように、グルコース値をモニターするときに使用される3つの閾値又は限界、すなわち、TV
1、TV
2、及びTV
Pが存在する。これらの値については、すでに上述した
図5で詳細に述べている。
【0127】
図7では、第1の時点TA
1Sと第2の時点TA
1Eとの間に領域又はゾーンが存在する。時点TA
1Sは、一般に、第1のアラートが始まる時間又は開始する時間と呼ばれ得る。ユーザが、時点TA
1S直後にアラートに確認応答したと仮定すると、時点TA
1Eは、一般に、ユーザの血糖状態が変化する時間と呼ばれ得る。図示するように、TA
1Sにて、ユーザは、閾値TV
2が満たされたというアラートを最初に提供され得る。TA
1Sに続く時間間隔において、ユーザのグルコース値は、一般に、初期アラートをトリガーした同じグルコースレベルの周りで浮遊停止又は振動する。初期アラート期間中、再アラートは起こるべきでなく、初期アラート後に、再アラートが起こるべきである。
【0128】
幾つかの従来のシステムでは、ユーザのグルコース値がTV
1及びTV
2等の閾値を交差するたびに、ユーザは、閾値が交差されたことを、再注意喚起されることになる。これは、煩わしいだけであることになり、第1のアラートTA
1Sに続いてセンサのアラームをターンオフするようユーザに更に影響を及ぼし得る。更に、ユーザが、ターンオフするか、又は更に、単純な時間ベーススヌーズを使用して(例えば、80mg/dLで)1つ又は複数の閾値アラートを「スヌーズした(snoozed)」場合、ユーザは、TA
1E後の悪化する状況に気付かない場合がある。
【0129】
依然として
図7を参照すると、グルコース値が振動する領域又はゾーンは、第1及び/又は第2のグルコース閾値TV
Z1及びTV
Z2によって更に規定され得る。第1のグルコース閾値TV
Z1は、一般に、例えばTV
2の周りで振動する値についての上方領域又はゾーン限界と呼ばれ得る。第2のグルコース閾値TV
Z2は、一般に、例えばTV
2の周りで振動する値についての下方領域又はゾーン限界と呼ばれ得る。幾つかの実施形態では、まとめると、TV
Z1及びTV
Z2は、バッファゾーンを提供し、バッファゾーンは、もしあれば、少数の繰り返しアラートがそれによってユーザに提供される初期アラートをトリガーすることになる閾値の上及び下のマージン(例えば、+/−5、10、15%、又は、+/−5、10、15、20mg/dL)とも呼ばれ得る。換言すれば、初期アラートがTA
1Sにてユーザに提供され、ユーザがアラートに確認応答した後、ユーザは、TA
1E後まで、例えば、グルコース値がバッファゾーンを出る(例えば、血糖状態が変化する)ときまで再注意喚起されないとすることができる。幾つかの実施形態では、TV
Z1及びTV
Z2は、非対称境界を持つ、かつ/又は、下方境界を持たない(TV
Z2がない)とすることができる。少なくともグルコーストレースシナリオが示唆する理由で、ユーザが、或る状況で(例えば、TA
1SとTA
1Eとの間で)過剰に注意喚起されるのではなく、他の状況で(例えば、TA
1E後に)十分に注意喚起されるような、よりインテリジェントでかつ動的な意思決定が有利であり得る。本明細書でマージン又はデルタとも呼ばれるこうしたバッファゾーンは、状況に応じて、双方向性及び/又は非対称性であり得る。
【0130】
図8は、例えば、ブロック540に関して先に述べたように、低血糖状況又は高血糖状況に関連する1つ又は複数のアクティブな遷移基準を満たすセンサデータに基づいてアラート状態をアクティブ化した後にホストの血糖状況を動的にかつインテリジェントにモニターするためのプロセス700を示すフローチャートである。更に、アラート後モニタリングは、ブロック520及び530の場合と同様に複数の基準に対して評価しても、単一閾値(例えば、低血糖閾値又は高血糖閾値)に対して単に比較しても、任意のアラーム又はアラートについて適用され得る。幾つかの実施形態では、アラート又はアラームのトリガリングは、単にアラート又はアラームのフラグ立て又はマーク付けである。例えば、幾つかの高血糖アラート条件は、待機時間(例えば、0〜120分)、例えば、ユーザがセット/イネーブルできる「第1のアラートの前に待機をイネーブルする(enable wait before first alert)」オプションを含む。この入力がイネーブルされると、アクティブにモニターすることが状況の悪化を判定しない限り、本明細書の他の所でより詳細に述べるように、最初にユーザに注意喚起する前に、待機時間が適用されることになる。
【0131】
幾つかの実施形態では、アラート又はアラームをトリガーすることは、アラート又はアラームをユーザに提供することを含む。一般に、プロセッサモジュールは、アクティブなアラート状態に関連する出力であって、低血糖状況又は高血糖状況を示す、出力を提供するように構成され得る。幾つかの実施形態では、アラート後モニタリングは、ユーザがアラートに確認応答したか否かによらず始まることになり、確認応答は、本明細書の他の所で述べるように、アラート後の状態を変更することになる。幾つかの実施形態では、アラート後モニタリングは、アクティブな状態から確認応答済み状態への遷移によって始まる。
【0132】
非アクティブな状態からアクティブな状態に遷移することとも呼ばれる、アラートをトリガーするための基準、又は、アクティブ化基準は、低血糖又は高血糖に関連する任意基準又は閾値であり得る。アクティブ化基準は、グルコース値、予測されたグルコース値、グルコースの変化率(方向及び/又は振幅)、グルコースの加速率(方向及び/又は振幅)、静的リスクモデル、動的リスクモデル、又は同様なものを含み得る。更に又は代替的に、非アクティブな状態1030からアクティブな状態1010に遷移する1055のための開示されるアクティブ化基準は、低血糖又は高血糖に関連するアラート状態をアクティブ化した後にホストの血糖状況を動的にかつインテリジェントにモニターすることを始動し得る。
【0133】
ブロック710にて、プロセッサモジュール214は、ユーザにトリガーすること又はアラート/アラーム(例えば、
図6及び関連するテキストに述べるように)及び/又はユーザ確認応答に続いて、所定の期間の間、ホストの低血糖又は高血糖状況に関連するデータをアクティブにモニターするように構成され得る。幾つかの実施形態では、ユーザ又はホストは、初期アラートに確認応答している。本明細書の他の所でより詳細に述べるように、アラームの確認応答は、ボタン又はメニュー選択等のシステムとのユーザ対話(「ユーザ処置(user action)」)又は入力される他のデータ(例えば、入力される食事又はインスリン情報)を含み得る。更に又は代替的に、アラームの確認応答は、センサデータ、インスリンデータ、食事データ、又は同様なものを含む、血糖状態に関連するデータのモニタリングに基づき得る。幾つかの実施形態では、確認応答は、親の携帯電話又は同様なもの等の遠隔モニターに由来する。アラームの確認応答は、プロセッサモジュール214に、アクティブな状態から確認応答済み状態に遷移させることができ、確認応答済み状態中に、アクティブなモニタリングが起こり得る。
【0134】
幾つかの実施形態では、プロセッサモジュール214は、(例えば、非アクティブ化基準に基づいて)非アクティブへ状態遷移するまで、確認応答済み状態の所定の期間の間、又は、確認応答済み状態にある間、連続的に、ホストの低血糖又は高血糖状況に関連するデータをアクティブにモニターする。幾つかの実施形態では、プロセッサモジュール214は、アラート後のアクティブ化によって受信されるセンサデータ又は他のデータをモニターする。例えば、データは、センサデータ(例えば、グルコースレベル、トレンド、食事のタイミングを示すピークと谷との間の距離等)、センサ診断情報(ノイズ指示器)、食事情報(例えば、カロリー摂取量及び摂取時間)、インスリン情報、又は他のイベント情報等の情報を含み得る。幾つかの実施形態では、データをアクティブにモニターすることは、所定の時間窓にわたる平均グルコース、グルコースの変化率の振幅及び/又は方向、或いは、グルコースの加速率の振幅及び/又は方向を決定することを含む。
【0135】
幾つかの実施形態では、プロセッサモジュール214は、どれほど迅速に及び/又はどれほど頻度にユーザがアラームに確認応答するかを追跡して、更なる処理を決定する。例えば、ユーザの確認応答のタイミングを評価するパターン、トリガーされたかつ/又は状況からの回復をもたらしたアラートのタイプに関する情報が、評価され、将来の確認応答又はアラートが、それに基づいて修正され得る。しかし、一般に、プロセッサモジュール214は、アラート/アラームのユーザ確認応答が、ユーザがその状況に気付いていることを示すという仮定に基づいてアラームを処理し得る。したがって、再アラート条件は、本明細書で述べるように幾つかの実施形態では、異なる、例えばより厳しいとすることができる。
【0136】
幾つかの実施形態では、センサデータは、アクティブなモニタリング期間とも呼ばれる、確認応答期間中にアクティブにモニターされる。適した期間は、例えば、20分、40分、60分等の期間を含み、また、ユーザセット可能であり得る。こうした期間は、アラート又はアラームトリガリングデータポイントに続く第1のデータポイントで開始又は始まり得る。幾つかの実施形態では、ユーザは、期間を選択することを許容され得る。幾つかの実施形態では、アラート後のセンサデータモニタリングは、本明細書の他の所でより詳細に述べるように、アラートが非アクティブ化されるまで継続する。
【0137】
ブロック720にて、プロセッサモジュール214は、1つ又は複数の所定の基準を満たすホストの低血糖又は高血糖状況に関連するデータに応答して、確認応答済み状態から、非アクティブな状態又はアクティブな状態の少なくとも一方に遷移するように構成される。プロセッサモジュール214は、センサデータ又はホストの血糖状況に関連する他のデータに基づいて状態の変化が存在したか否かを判定し得る。幾つかの実施形態では、状態の変化は、ホストの血糖状況の変化を示し得る。
【0138】
幾つかの実施形態では、状態の変化は、予測される低血糖イベントをユーザが無事に好転させたという指示等のポジティブなイベントであるとすることができ、そのイベントは、本明細書の他の所でより詳細に述べるように、確認応答済み状態をトリガーして、回復のサブ状態及び/又は非アクティブな状態を認識し得る。他の実施形態では、状態の変化は、回復のサブ状態が判定されている状態か又は判定されていない状態で、特定の期間(例えば、20分)の間、ユーザが低血糖イベントに向かって更に降下したという指示(例えば、センサデータの加速/減速分析)等のネガティブなイベントであり得る。ネガティブなイベントを論じるこの第2の例では、ユーザがアラートに確認応答したときでも、アラートを再アクティブ化することが望ましい場合がある。この第2のアラート又はアラームは、ユーザの状況が減退していること−もしあれば、第1のアラームに続いてユーザがとったどのような処置も、ユーザのグルコースの読みを好転又は改善させるのに不十分であったこと−を、ユーザに警告するときに役立ち得る。幾つかの実施形態では、こうしたネガティブなイベントを示すステータス変化は、確認応答済み状態(本明細書の他の所で述べた)を無視し、システムに、アクティブなアラート状態に戻るように遷移させ得る(再アラート又は再アクティブ化とも呼ばれる)。しかし、システムが、既にアクティブなアラート状態にあった(例えば、ユーザによって確認応答されなかった)場合、結果として得られる出力は、エスカレートし、例えば、より音量が大きくまたより頻繁になり得る、かつ/又は、911への緊急通報、世話人又は同様な者との通信をもたらし得る。
【0139】
幾つかの実施形態では、プロセッサモジュール214は、特定の状態(例えば、アクティブな状態)に留まっていることに関連する状況及び/又は本明細書の他の所でより詳細に述べる再アクティブ化状況に関して述べるように、最後のx分、例えば15、30、45、又は60分にわたって変化が全く起こらなかったと判定するように構成され得る。例えば、初期アラート(例えば、低い変化率を有する)をトリガーした閾値の周りでデータポイントが浮遊停止している状況では、変化が全く起こらない場合がある。こうした状況では、データポイントが、閾値を、望ましくない方向に、例えば、低血糖イベントについての閾値よりも下に、又は、高血糖イベントについての閾値よりも上に交差するたびに、アラート又はアラームが、従来のシステムにおいてトリガーされることになることが認識され得る。これは、通常、不快物と考えられ、ユーザが、ユーザのアラートをターンオフするよう動作するか又はそのアラートに対して鈍感になると思われる理由になり得る。これらの状況では、インテリジェントなアラート後モニタリングアルゴリズムは、(例えば、ユーザが同じ状態に留まる限り、及び/又は、本明細書の他の所でより詳細に述べる再アクティブ化状況が満たされていない限り)おそらくこれらの煩わしいアラートを回避することになる。
【0140】
本明細書で使用するとき、ユーザは、1つの状態から別の状態にユーザが遷移するときをプロセッサモジュール214が検出できるように異なるモニタリング「状態」にあり得る。こうした状態の例は、例えば、「アクティブな」、「非アクティブな(inactive)」、及び「確認応答済みの(acknowledged)」状態を含む。
【0141】
アクティブな状態は、アラート状態を、「確認応答済みの」又は「非アクティブな」状態に変化させるか否かを判定するためにデータがモニターされている、アラート状態アラート後トリガーとして本明細書で規定される。アクティブな状態は、それぞれの状態遷移について、異なる基準に対してデータ(センサ、グルコース、インスリン、ユーザ提供情報等)をそれぞれ比較することによって、非アクティブな及び/又は確認応答済み状態から入力され得る。再アラート及び/又はアラートの再アクティブ化はこの状態で起こり、確認応答が起こらないときでも、初期アラートをエスカレートさせる。
【0142】
非アクティブな状態は、血糖状態が安全又はターゲットゾーンにあることをデータの評価が示すアラート状態アラート後トリガーとして本明細書で規定される。非アクティブな状態は、それぞれの状態遷移について、異なる基準に対してデータ(センサ、インスリン、ユーザ提供情報等)をそれぞれ比較することによって、アクティブな及び/又は確認応答済み状態から入力され得る。
【0143】
確認応答済み状態は、ユーザがアラート及び/又はアラームに確認応答しており、また、或る再アクティブ化基準が満たされない限り、更なるアラート/アラームが、所定の期間の間、全く提供されないことになる、アラート状態アラート後トリガーとして本明細書で規定される(再アクティブ化基準は、例えば、本明細書の他の所でより詳細に述べる初期アクティブ化基準と異なる、かつ/又は、それよりも厳しい)。確認応答済み状態は、ユーザ対話及び/又は高血糖又は低血糖状況からの回復を示すデータに基づいてアクティブな状態から入力され得る。状態及び/又は関数について本明細書で使用される用語は、単に記述的なものであり、関数が実質的に同じのままである場合、他の名称で通用し得ることが認識されるべきである。
【0144】
幾つかの実施形態では、ユーザは、ボタンを押すこと、メニュースクリーンを選択すること等によってアラートに確認応答し得る。幾つかの実施形態では、タイマは、システムが確認応答済み状態に入る所定の期間についてセットされ、その所定の期間後、状態は、選択された状況に基づいてアクティブな及び/又は非アクティブな状態に自動的に遷移し得る。
【0145】
幾つかの実施形態では、確認応答済み状態は、ホストの血糖状況に関連するデータ(グルコース、食事、及び/又はインスリン情報を含む)を評価し、アラートをトリガーした血糖状況からのホストの回復を示す評価に基づいて確認応答済み状態に遷移し得る。ホストの回復は、確認応答済みのサブ状態とも考えられ、それぞれの状態遷移について、異なる基準に対してデータ(センサ、グルコース、インスリン、ユーザ提供情報等)をそれぞれ比較することによって判定され得る。再アラートは、確認応答済み状態及び/又は確認応答済みでかつ回復のサブ状態にあるとき、所定の期間、一時停止され得る。
【0146】
幾つかの実施形態では、ユーザがアラートに確認応答しない場合、アラートはアクティブな状態のままである。幾つかの実施形態では、ユーザが、X分(例えば、5、10、15分)後にアラートに確認応答しない場合、アラートは、2次ディスプレイデバイス、遠隔モニターに対する出力、緊急連絡等によってエスカレートされ得る。同様に、アクティブなモニタリング(例えば、確認応答済み状態)中に状況が悪化する場合、アラートは、2次ディスプレイデバイス、遠隔モニターに対する出力、緊急連絡等によってエスカレートされ得る。
【0147】
1つの状態から別の状態への種々の遷移を示す例は、以下の
図11の説明において提供される。ユーザ又はホストの血糖状況を記述するため異なる状態を使用することが、アラート又はアラームがトリガーされた後のユーザの状況を追跡するときに有用であることが認識されるべきである。そのため、ユーザの血糖状況が改善していること又は深刻でないアラートの周りで浮遊停止しているだけであること等の或るトレンドは、ユーザに注意喚起することを中止するのに十分な理由であり得る。しかし、ユーザの血糖状況の急速な減退、又は更に、深刻なアラートの周りで浮遊停止すること等の他のトレンドは、ユーザに警告又は警報し続ける理由であり得る。多数の適した応答(例えば、アクティブなアラートの再アクティブ化に関連する)は、状態遷移及び他の既知の情報に応じて、例えばルックアップテーブルに保存され得る。
【0148】
ここで
図11を参照すると、アクティブな状態(A)1010と、確認応答済み状態(K)1020と、非アクティブな状態(I)1030との間の遷移を示す状態
図1000が提供される。これらの状態及びその遷移は、次の通りに述べられ得る。
【0149】
アラートがアクティブ化されると、プロセッサモジュールは、非アクティブな状態(1030)からアクティブな状態(1010)に遷移する(1055)。アクティブ化についての条件は、本明細書の他の所(例えば、
図6)でより詳細に述べられるような、実際の又はやがてやって来る高血糖又は低血糖を検出するのに有用な、以降で「アクティブ化基準(activation criteria)」又は「アクティブ化条件(activation condition)」と呼ばれる種々の基準又は閾値を含む。参照符号1055で指定されるアラート条件が満たされる。センサデータ(グルコース値、その導関数(変化率)、及びその2次導関数(加速度))に加えて、アラート条件は、インスリンデータ及び/又はユーザ入力(食事情報、運動情報等)を含む他のデータに関連し得る。更に、再アクティブ化に関して本明細書で論じる実施形態がここ(例えば、静的リスク及び/又は動的リスクの分析)で適用され得る。しかし、アクティブな低血糖又は高血糖状況についての検出方法にもかかわらず、開示されるアクティブなモニタリング及び状態遷移が適用され得る。
【0150】
幾つかの実施形態では、以下のアクティブ化条件のうちの或る条件は、高血糖状況、すなわち、グルコースレベルが所定の閾値(例えば、160、180、200、220mg/dL)を超えること、所定の期間(例えば、10、20、30、40分)にわたる平均グルコースレベルが所定の閾値(例えば、160、180、200、220mg/dL)よりも大きいこと、目下のグルコースレベルが所定の閾値に所定のマージン(例えば、25、50、75mg/dL)を足した値よりも大きいこと、及び/又はグルコースの変化率が所定の閾値(例えば−0.5mg/dL)よりも大きいこと、に基づいて非アクティブからアクティブへの状態遷移を適用し得る。
【0151】
幾つかの実施形態では、以下のアクティブ化条件は、低血糖状況、すなわち、グルコースレベルが所定の閾値(例えば、80、60、60mg/dL)よりも小さいこと、グルコースレベルが所定の閾値よりも小さくかつ変化率が所定の率(1.0mg/dL/分、例えば、急速に上昇しない)よりも小さいこと、又は、グルコースレベルが、水平ホライゾン(例えば、10、15、20分)以内で第2の閾値(例えば55mg/dL)よりも下がると予測されること、に基づいて非アクティブからアクティブへの状態遷移を適用し得る。
【0152】
幾つかの実施形態では、アクティブな状態(1010)から確認応答済み状態(1020)に遷移すること(1080)は、正常血糖に向かうホストのグルコーストレンディングを示すデータ又は確認応答基準に基づき、データは、グルコーストレンドの変化を示すセンサデータ及び/又は状況の補正に関連するインスリン情報を含み得る。
【0153】
例えば、高血糖又は低血糖を示すアラートがアクティブ化されるとグルコーストレンドの変化を示すセンサデータは、センサデータを評価することを含むことができ、それにより、元通りに正常血糖に向かうトレンドを示す、グルコースレベルの方向及び/又は振幅、グルコースレベルの変化率、又はグルコースレベルの加速度/減速度(例えば、方向又はトレンドの変化)は、(ユーザインタフェースとのユーザ対話がある状態で又は無い状態で)アクティブな状態から確認応答済み状態に自動的に遷移するのに十分である。元通りに正常血糖に向かうトレンドはまた、元通りに正常血糖に向かうトレンドを示す確認応答済み状態内のステータスである「回復する(recovering)」サブ状態にフラグを立てるか又はそれをトリガーし得る。一例では、高血糖状況に関連するアクティブな遷移後、確認応答済み状態であるが、回復するサブ状態への状態遷移は、グルコースレベル(又は、所定の期間にわたる平均グルコースレベル)が所定の閾値からデルタ(例えば、10、15、20mg/dL)を引いた値よりも小さいような確認応答基準又は条件に基づき、また、幾つかの例では、正常血糖に向かう変化率トレンディングに関する条件(例えば、約1mg/dL/分よりも速く減少する)を有し得る。同様に、低血糖状況に関連するアクティブな遷移後、確認応答済み状態であるが、回復するサブ状態への状態遷移は、グルコースレベル(又は、所定の期間にわたる平均グルコースレベル)が所定の閾値にデルタ(例えば、10、15、20mg/dL)を足した値よりも大きいような確認応答基準又は条件に基づき、また、幾つかの例では、正常血糖に向かう変化率トレンディングに関する条件(例えば、約1mg/dL/分よりも速く増加する)を有し得る。
【0154】
幾つかの実施形態では、アクティブな状態(1010)から確認応答済み状態(1020)に遷移すること(1075)は、ユーザインタフェース上でのアラートのユーザ確認応答を示す確認応答基準、ユーザ入力インスリン情報、及び/又はユーザ入力の食事情報に基づく。例えば、ユーザは、タッチスクリーンの「ボタン(button)」を押して、アラートに確認応答し得る。更に又は代替的に、連続グルコースセンサがインスリン送出デバイス(それに関連する遠隔プログラマを含む)に動作可能に接続されると、基底又はボーラス送出プロファイル又は量に関連する変化は、特に、変化がユーザ対話によって始動されたときに、ユーザ入力として考えられ得る。同様に、連続グルコースセンサが食事情報(例えば、炭水化物及び消費のタイミング)を受信することが可能な電子デバイスに動作可能に接続される(又は電子デバイスと一体である)とき、こうした食事情報は、ユーザ入力として考えられ得る。幾つかの実施形態では、ユーザ入力は、(例えば、親のスマートフォン又は同様なものからの遠隔モニタリングによる)別の電子デバイスに由来し得る。
【0155】
幾つかの実施形態では、確認応答済み状態(1020)から非アクティブな状態(1030)に遷移すること(1085)は、低血糖状況又は高血糖状況に関連する1つ又は複数のアクティブな遷移基準をもはや満たさないセンサデータに基づく、かつ/又は、(例えば、(例えば、初期アラートに関連する)低血糖状況又は高血糖状況に関連する1つ又は複数のアクティブな遷移基準と異なり得る)1つ又は複数の非アクティブな遷移基準に基づく。更に又は代替的に、確認応答済み状態から非アクティブな状態に遷移すること(1080)は、インスリンデータ及び/又は食事情報に基づき得る。幾つかの実施形態では、遷移すること(1090)は、例えば、確認応答(アクティブなモニタリング)期間の満了後の時間要素であって、固定及び/又はユーザセット可能であり得る、時間要素を含む。
【0156】
確認応答済みから非アクティブに遷移するための非アクティブ化基準は、(1つ又は複数の第1又は第2の基準(例えば、
図6参照)が満たされなかったとき、及び/又は、アクティブから非アクティブに遷移するため、確認応答済み状態が入力されることになることを除いて)非アクティブからアクティブに遷移することについての条件と同様又は同じであり得る。幾つかの実施形態では、以下の非アクティブ化基準又は条件のうちの或るものは、高血糖状況、すなわち、所定の期間(例えば、10、20、30、40分)にわたる平均グルコースレベルが所定の閾値(例えば、160、180、200、220mg/dL)から所定のデルタ(例えば、10、15、20mg/dL)を引いた値よりも小さいこと、確認応答期間が終了しかつグルコースレベルが所定の閾値(例えば、160、180、200、220mg/dL)よりも小さいこと、及び/又は、グルコースの変化率が所定のレートで降下していること、に基づいて確認応答済みから非アクティブへの状態遷移を適用し得る。
【0157】
代替的に、確認応答済みから非アクティブに遷移するための非アクティブ化基準は異なる(例えば、より厳しい)ものとすることができる。センサデータに加えて、インスリンデータ及び/又はユーザ入力を含む他のデータが、状態遷移基準のために考えられ得る。幾つかの実施形態では、以下の非アクティブ化基準又は条件は、グルコース値が所定の量(例えば、10、15、20mg/dL、何らかのユーザ処置を示し得る)以上だけ増加したか否か、また、グルコース値が(例えば、第1の関数から)閾値条件を超えて上昇したか否かを判定することを含み得る低血糖状況に基づいて確認応答済みから非アクティブへの状態遷移を適用し得る。リアルタイムアラート(第1の関数)及び予測的アラート(第2の関数)についての非アクティブ化条件は、同じか又は異なり得る。幾つかの実施形態では、或る値を超える正のグルコース変化率(増加する上昇率)は、ユーザが何らかの予防的処置をとることを上昇率が示すことを仮定され得るため、条件として使用され得る。幾つかの実施形態では、上昇率条件はグルコース値閾値条件と組み合わされ得る。幾つかの実施形態では、グルコース値上昇率条件は、0.25、0.5、又は1mg/dL/分である。
【0158】
幾つかの実施形態では、低血糖状況が、ユーザ確認応答後にアクティブな状態及びアクティブなモニタリングをトリガーした場合、状態は、例えば低血糖状況が著しく改善していることを示す非アクティブ化基準又はデータ、ホストのグルコースレベルが低閾値にデルタを足した値よりも大きく、また、予測ホライゾンについての予測されるグルコースレベルが、或る所定の限界(初期アクティブ化の予測ホライゾン又は閾値の限界と同じか又は異なり得る)よりも大きいという判定に基づいて、確認応答期間が終了する前に、確認応答済み状態から非アクティブな状態に遷移し得る。
【0159】
幾つかの実施形態では、確認応答済み状態(1020)からアクティブな状態(1010)に遷移すること(1060)は、低血糖状況又は高血糖状況が、満たされ、また、所定の期間の満了に基づくことに関連する1つ又は複数のアクティブ化基準に基づく。確認応答済みからアクティブに遷移するためのアクティブ化基準は、最初に注意喚起するための同じ条件のうちの任意の条件であり得る、又は、(例えば、正常血糖から外れるグルコーストレンディングに基づいて)異なり得る。センサデータに加えて、インスリンデータ及び/又はユーザ入力を含む他のデータが、状態遷移基準のために考えられ得る。更に、再アクティブ化に関して本明細書で論じる実施形態がここで適用され得る。
【0160】
幾つかの実施形態では、確認応答済み状態(1020)からアクティブな状態(1010)に遷移する(1065)ための再アクティブ化基準は、アクティブな状態に最初に遷移するための基準と異なり得る。例えば、ユーザが(アクティブなモニタリング期間及び/又は確認応答済みの期間中に)アラートに確認応答したときでも、悪化する状況は、第2の関数が1つ又は複数の基準を満たすこと、及び/又は、グルコースを示すセンサデータが、悪化を示す1つ又は複数の基準に基づいて正常血糖から外れるというトレンドを更に示すこと等、悪化する血糖状況を示すセンサデータに基づいて再アラートについての必要性を示し得る。
【0161】
幾つかの実施形態では、以下の再アクティブ化基準又は条件は、確認応答される時間が終了した後の低血糖状況、すなわち、グルコースレベルが所定の閾値(例えば、80、60、60mg/dL)よりも小さいこと、グルコースレベルが所定の閾値よりも小さくかつ変化率が所定の率(1.0mg/dL/分、例えば、急速に上昇しない)よりも小さいこと、又は、グルコースレベルが、水平ホライゾン(例えば、10、15、20分)以内で第2の閾値(例えば55mg/dL)よりも下がる(go below)と予測されること、に基づいて確認応答済みからアクティブへの状態遷移を適用し得る。しかし、幾つかの実施形態では、悪化する低血糖状況を示す再アクティブ化基準は、その一部が本明細書の他の所でより詳細に述べられる1つ又は複数の再アラート基準(例えば、初期アラート用の基準と異なる)に基づいて、確認応答期間が終了する前に、確認応答済みからアクティブへの状態遷移(再アクティブ化又は再アラート)を引き起こし得る。幾つかの実施形態では、(520にて)第1の関数によってアクティブ化されるアラートは、第2の関数が(530にて)第2の基準を満たす場合、確認応答期間中に再アラート又は再アクティブ化をトリガーし(期間が終了する前に、アクティブに遷移し)得る。
【0162】
幾つかの実施形態では、確認応答済みからアクティブに遷移する高血糖状況に関連するアクティブ化基準は、グルコースレベルが所定の閾値(例えば、160、180、200、220mg/dL)を超えるか否か、所定の期間(例えば、10、20、30、40分)にわたる平均グルコースレベルが所定の閾値(例えば、160、180、200、220mg/dL)よりも大きいか否か、目下のグルコースレベルが所定の閾値に所定のマージン(例えば、25、50、75mg/dL)を足した値よりも大きいか否か、及び/又は、グルコースの変化率が所定の閾値(例えば、1分当たり−0.5mg/dL)よりも大きいか否かについての判定を含み得る。
【0163】
幾つかの実施形態では、再アクティブ化とも呼ばれる、確認応答済み状態(1020)からアクティブな状態(1010)に遷移すること(1065)は、回復するサブ状態とも呼ばれる、正常血糖に向かうホストのグルコーストレンディング、及び、アクティブなモニタリング期間中の、正常血糖から外れるその後のトレンディングをデータが示すと(1つ又は複数の基準に基づいて)判定した後に起こる。換言すれば、ユーザの血糖状況が、正常血糖(回復)に向かうトレンドを最初に示すが、その後、元通りに高血糖又は低血糖状況に向かうトレンドを示すとき、リバウンド状況が、アクティブなアラート後に起こり得る。したがって、確認応答期間中に第1のアラート状態を再アクティブ化することは、リバウンド状況を示す1つ又は複数のリバウンド(例えば、再アクティブ化)基準を満たすホストの低血糖又は高血糖状況に関連するデータにより得る。一般に、回復からアクティブに遷移するための基準は、最初に注意喚起するための同じ条件のうちの任意の条件であり得る、又は、異なり得る(例えば、グルコース値、変化率、又は加速度の反転トレンド)。幾つかの実施形態では、1つ又は複数のリバウンド基準は、正常血糖に向かうホストのグルコーストレンディングを示す条件(例えば、回復するサブ状態)、及び、アクティブなモニタリング期間中に正常血糖から外れるホストのグルコーストレンディングを示す後続の条件を含む。センサデータに加えて、インスリンデータ及び/又はユーザ入力を含む他のデータが、状態遷移基準のために考えられ得る。更に、再アクティブ化に関して本明細書で論じる実施形態がここで適用され得る。
【0164】
幾つかの実施形態では、アクティブな状態(1010)から非アクティブな状態(1050)に遷移すること(1070)は、((
図6の)1つ又は複数の第1又は第2の基準が満たされなかったとき、非アクティブな状態が入力されることになることを除いて)最初に注意喚起するための同じ条件のうちの任意の条件であり得る。代替的に、アクティブから非アクティブに遷移するための非アクティブ化基準は異なり得る(例えば、異なる閾値である)。センサデータに加えて、インスリンデータ及び/又はユーザ入力を含む他のデータが、状態遷移基準のために考えられ得る。一例では、アクティブから非アクティブへの遷移は、本明細書の他の所でより詳細に述べるように、もはや満たされないアラート条件、例えばEGV及びデルタEGVに基づく。
【0165】
幾つかの実施形態では、以下の非アクティブ化基準又は条件のうちの或るものは、高血糖状況、すなわち、所定の期間(例えば、10、15、30、45分)にわたる平均グルコースレベルが所定の閾値(例えば、160、180、200、220mg/dL)から所定のデルタ(例えば、10、15、20mg/dL)を引いた値よりも小さいこと、所定の期間(例えば、10、15、30、45分)にわたるグルコースレベルが所定の閾値(例えば、160、180、200、220mg/dL)から所定のデルタ(例えば、10、15、20mg/dL)を引いた値よりも下に下がること、所定の期間にわたる平均グルコースレベルが所定の閾値よりも小さいこと、及び/又は、グルコースの変化率が所定のレート(例えば、1mg/dL/分)以上で降下する(負である)こと、に基づいてアクティブから非アクティブへの状態遷移を適用し得る。
【0166】
幾つかの実施形態では、以下の非アクティブ化基準又は条件のうちの或るものは、低血糖状況、すなわち、所定の期間(例えば、10、15、30、45分)にわたる平均グルコースレベルが所定の閾値(例えば、60、70、80mg/dL)に所定のデルタ(例えば、10、15、20mg/dL)を足した値よりも大きいこと、所定の期間(例えば、10、15、30、45分)にわたるグルコースレベルが所定の閾値(例えば、60、70、80mg/dL)に所定のデルタ(例えば、10、15、20mg/dL)を足した値よりも上に行くこと、所定の期間にわたる平均グルコースレベルが所定の閾値よりも大きいこと、及び/又は、グルコースの変化率が所定のレート(例えば、1mg/dL/分)以上で増加する(正である)こと、に基づいてアクティブから非アクティブへの状態遷移を適用し得る。
【0167】
例えば、幾つかの実施形態では、確認応答済み状態であって、確認応答がデータユーザ確認応答(例えば、ボタンを押すこと)に基づく、確認応答済み状態から出て、非アクティブな状態又はアクティブな状態(例えば、再アクティブ化)に達する基準は、確認応答済み状態であって、確認応答が、検出されるユーザ処置(例えば、データのモニタリングによって検出される回復)に基づく、確認応答済み状態から出る基準と異なる。検出されるユーザ処置に基づくこの確認応答は、以下の確認応答サブ状態回復の説明においてより詳細に述べられる。例えば、確認応答済み状態であって、確認応答がデータユーザ確認応答に基づく、確認応答済み状態から非アクティブな状態に行くため、或る第1の基準(例えば、非アクティブ化が起こることなく閾値の周りでの振動を可能にする基準、又は、換言すれば、閾値の周りでユーザが単に振動しないことを保証する基準)が適用され得る。対照的に、確認応答済み状態であって、確認応答が、検出されるユーザ処置(回復サブ状態)に基づく、確認応答済み状態から非アクティブな状態に行くため、或る第2の基準が適用され得る(例えば、第2の基準は、振動を考慮するのではなく、むしろ、正常血糖になるよう成功裡に回復したユーザが検出されることを確認するデータを考慮する)。
【0168】
先に述べたように、再アクティブ化についての条件又は基準は、初期アクティブ化についてよりも厳しいとすることができる。同様に、確認応答済み状態であって、確認応答がユーザ確認応答(例えば、ボタンを押すこと)に基づく、確認応答済み状態から出て、アクティブな状態に達する再アクティブ化基準は、確認応答済み状態であって、確認応答が、検出されるユーザ処置(例えば、データのモニタリングによって検出される回復)に基づく、確認応答済み状態から出る再アクティブ化基準と異なり得る。幾つかの実施形態では、確認応答済み(ユーザ確認応答に基づく)からアクティブに遷移するための再アクティブ化基準は、時間ベースであり得る、又は、厳しい第2のセットの基準(例えば、200mg/dLよりも大きい変化)を含む可能性がある。対照的に、確認応答済み(検出されるユーザ処置、回復サブ状態に基づく)からアクティブに遷移するための再アクティブ化基準は、センサデータのモニタリングに基づいて、回復トレンド、又は、リバウンド状況を示す悪化等を認識することを含み得る。状況の例示的な悪化は、ターゲットから遠ざかるグルコースの強い変化を含むか又はそれに基づくとすることができ、また、グルコースレベル(g)、グルコース変化量(Δg)、グルコース変化率(Δg/t)、加速率、又はその組合せに基づく可能性がある。
【0169】
図8に戻って、ブロック730にて、プロセッサモジュール214は、アラート状態変化又は遷移に対する応答を処理するように構成され得る。幾つかの実施形態では、プロセッサモジュール214は、ステータス変化のために適切な応答をどのように処理するかに関する命令又は基準を含み得る。幾つかの実施形態では、こうした応答は、例えば、ルックアップテーブル又は同様なものに記憶され得る。幾つかの実施形態では、アクティブな状態への遷移に関連する出力は、確認応答済み状態からアクティブな状態への遷移に関連する出力と異なる、かつ/又は、確認応答済み状態から非アクティブな状態への遷移と異なる。
【0170】
ステータス変化に応じて、1つ又は複数の考えられる及び/又は適切な応答が存在し得ることが認識されるべきである。例えば、ユーザが自身のグルコース値を安定化させ、高血糖イベントから十分に脱した(例えば、アクティブから非アクティブへの状態遷移)ことをセンサデータが示す場合、ポジティブなステータス変化又はクドス(kudos)を示す特定のタイプのアラートが提供され得る。クドスは、特定の音、例えば、特定のピッチ又は数のチャイムを有し得る。幾つかの実施形態では、ユーザは、スマートフォンのユーザにとって目下利用可能なシグネチャと同様のアラートシグネチャをカスタマイズ又は選択することができるとすることができる。
【0171】
他の実施形態では、ネガティブなステータス変化又は警告を示す特定のタイプのアラート(例えば、アクティブな状態に戻る遷移)が提供され得る。警告は、特定の音を同様に有し、幾つかの事例では、ユーザによってカスタマイズされ得る。幾つかの実施形態では、警告の深刻さは、警告の音自体によって反映され得る。例えば、警告は、より大音量であるか、より強烈か、又は、ことによると、認識可能な遭難信号と同様な音であり得る。幾つかの実施形態では、再アラート又はフォローアップアラームは、初期アラートと異なり得る。
【0172】
状態遷移は、本明細書の他の所でより詳細に述べられる。しかし、種々の指示器のうちの任意の指示器が、プリセットされた又はユーザ選択可能なオプションに基づいて、可聴的に、触知的に、視覚的に提供され得る、かつ/又は、データ転送によって通信され得ることが認識されるべきである。
【0173】
ブロック740にて、プロセッサモジュール214は、任意選択で、例えば、状態又はステータス変化の検出によって保証される場合、アラート又はアラーム又はクドスを提供するため、状態遷移に関連する情報を出力するように構成される。幾つかの実施形態では、アクティブな状態への遷移に関連する出力は、確認応答済み状態から非アクティブな状態及び/又はアクティブな(再アクティブ化)状態への遷移に関連する出力と異なる。幾つかの実施形態では、アラート又はアラーム又はクドスは、例えば、ユーザがアラートに関して確認応答をプッシュした場合等に、時間制限を受け得る。これは、
図9に関してより詳細に述べるように、アラームが再アクティブ化条件として特徴付けられる場合等に、わずかな状況以外の全ての状況においてユーザがアラート/アラーム/クドスを受信できなくさせ得る。
【0174】
アラートの即座の通知が有利でない場合がある、幾つかの使用事例が生じる。例えば、食後血糖変動は、インスリン注入を受けていても糖尿病を病む人々にとって、又は、糖尿病の無い人々にとって通常である。幾つかの状況では、ユーザが既に気付いている血糖変動に関してユーザに注意喚起することは、アラームに対するフラストレーション及び鈍感化をもたらし得る。ユーザに注意喚起する前に待ち、ホストの血糖変動が通常の回復過程に従うか否かを判定することが好ましい場合がある。したがって、幾つかの実施形態では、プロセッサモジュールは、所定の期間を待った後に第1のアラート状態に関連する出力を提供するように構成されることができ、その出力は、所定の待ち期間後の1つ又は複数の第2の基準を満たすホストの高血糖状況に関連するデータに基づく。そのため、プロセッサモジュール214が、1つ又は複数の第2の基準を満たさないホストの高血糖状況に関連するデータに基づいて、待ち期間後に第1のアラート状態に関連する出力を提供しないように構成され、それにより、ユーザに注意喚起することなく及び/又はその他の方法でユーザに出力を提供することなく、状態が、アクティブな状態に遷移する、また、非アクティブな状態に戻るように遷移することを可能にし得るということになる。これらの実施形態では、1つ又は複数の第1の基準及び1つ又は複数の第2の基準は、同じか又は異なるとすることができ、待ち期間は、固定か又はユーザセット可能であるとすることができる。例えば、1つ又は複数の第2の基準は、グルコースレベルが所定の閾値(例えば、160、180、200、220mg/dL)を超えるか否か、所定の期間(例えば、10、20、30、40分)にわたる平均グルコースレベルが所定の閾値(例えば、160、180、200、220mg/dL)よりも大きいか否か、目下のグルコースレベルが所定の閾値に所定のマージン(例えば、25、50、75mg/dL)を足した値よりも大きいか否か、閾値までの推定時間(例えば、グルコースの変化率に基づいて)及び/又はグルコースの変化率が所定の閾値(例えば、1分当たり−0.5mg/dL)よりも大きいか、を判定することを含み得る。
【0175】
図9は、本開示の一実施形態による、再注意喚起すべきときを決定するための、及び/又は、確認応答済み状態から、再アクティブ化条件とも呼ばれるアクティブな状態に戻る状態遷移アラート後アクティブ化を決定するための、例示的なプロセスを示すフローチャート800である。幾つかの実施形態では、再アクティブ化条件は、例えば、
図6に関して述べるように、アクティブなアラート状態の初期トリガーと比較して、アクティブなアラート状態に入る(アラート出力を提供する)ための異なる基準を有し、それにより、不必要な「フリッカリング(flickering)」再アラートを回避する。
【0176】
ブロック810にて、1つの例示的な実施形態では、プロセッサモジュール214は、所定の期間のアラート後トリガー中に1つ又は複数のデータポイントが所定の又は予め規定されたゾーン内にあるか否かを判定するように構成され得る。こうした所定の又は予め規定されたゾーンは、ユーザに提供される初期アラートをトリガーした閾値よりも上の及び/又はそれよりも下の領域を含み得る。例えば、
図7に戻って、TV
Z1及びTV
Z2は、閾値よりも上で、また閾値よりも下でバッファゾーン又はエンベロープを提供し得る。幾つかの実施形態では、予め規定されたゾーンは、第1のアラートをトリガーした値を囲む範囲を画定するゾーンである。例えば、予め規定されたゾーンは、第1のアラートをトリガーした値よりも上の10mg/dL及び/又は第1のアラートをトリガーした値よりも下の10mg/dLとすることができる。
【0177】
幾つかの実施形態では、予め規定されたゾーン内のデータポーントは、ステータス変化を全く示さない。こうした実施形態では、更なる処置は全く実施されない。状態遷移を利用する実施形態では、ユーザがアラート/アラームに確認応答した(又はデータ分析に基づく)と仮定すると、確認応答済みのアラート状態が存続し、非アクティブへの遷移もアクティブへの遷移も起こらないことになる。対照的に、センサデータポイントがゾーンの外に移動する場合、状態は、確認応答済み状態に留まり、(例えば、正常血糖に向かうか又は正常血糖から外れるホストのグルコースレベルトレンディングを示す或る基準に基づいて回復しているか又は悪化しているかについて)アクティブにモニターされて、1つ又は複数の第2の(第1の基準よりも厳しい)基準に基づいてセンサデータが正常血糖に向かって移動する場合、非アクティブに遷移する、又は、アクティブに(例えば、更なる1つ又は複数の再アクティブ化基準に基づいてセンサデータが正常血糖から外れて移動する場合、再アクティブ化)に遷移し得る。例えば、ユーザは、確認応答済み状態からアクティブな状態に遷移する場合、再注意喚起され得る。
【0178】
ブロック820にて、プロセッサモジュール214はまた、任意選択で、本明細書の他の所でより詳細に述べるように、ユーザがアラートに確認応答したか否かを判定するように構成され、それにより、アラート又はアラームが、セットされた期間、例えば30分の間、ユーザに提供されない。幾つかの実施形態では、プロセッサモジュール214は、所定の期間のアラート後トリガー中に、センサと独立にユーザが或る種の処置をとったか否かを判定するように構成され得る。例えば、ユーザは、初期アラーム以来、おそらく食事をとったか又はインスリンを増加させており、そのことが、グルコースレベルの顕著な変化をもたらす可能性がある。ユーザは、このタイプの情報をセンサに入力する場合がある又はしない場合がある。しかし、或るタイプの変化、例えば、インスリン更新は、グルコースレベルの変化、方向、変化率、又は加速度/減速度等の、ユーザ処置であったとプロセッサモジュール214が判定できる場合がある識別可能なパターンを有し得る。
【0179】
ブロック830にて、プロセッサモジュール214は、再アクティブ化条件が1つ又は複数のセンサデータポイントによって満たされたか否かを判定するように構成され得る。本明細書で使用するとき、「再アクティブ化条件(reactivation condition)」は、更なる不必要なアラート(例えば、確認応答済み状態からアクティブな状態への状態遷移)を受信することをユーザが予想しない「確認応答済みの期間(acknowledged time period)」中に、アラート又はアラームが初期アラート後にユーザに提供されるようにさせることになる条件を指す。一般的に言えば、再アクティブ化条件は、ユーザの健康にとって危険であると考えられるイベント、例えば、重篤な低血糖イベントについてのアラームに関連しない可能性よりも関連する可能性が高いことになる。幾つかの実施形態では、再アクティブ化条件は、
図11に関して論じるように、ホスト又はユーザを、確認応答済み状態からアクティブな状態に変化させることになる条件又はイベントと考えられ得る。
【0180】
更に、再アクティブ化が、おそらく予想されていないか又は抑制しようとする試みに対する応答であったため、再アクティブ化に関連する出力は、例えば、当業者によって認識され得るように、とられる処置の説明的な情報又は質問を表示することによって及び/又はアラームをエスカレートさせることによって、より顕著になるか又は他のアラームと異なり得る。
【0181】
図10は、本開示の例示的な実施形態による、再アクティブ化条件が満たされているか否かを判定するための例示的なプロセスを示すフローチャート900である。ブロック910にて、プロセッサモジュール214は、1つ又は複数のセンサデータポイントが所定の又は予め規定されたゾーンの外にあるか否かを判定するように構成され得る。例えば、
図7に示すように、アラートがユーザに提供された後にデータポイントがその周りで振動するように見える領域又はゾーンが存在し得る。データポイントが、この予め規定されたゾーンの外に入ると判定されると、それは、望ましくない値に向かって又は望ましくないトレンド内へ移動するユーザのグルコースレベル(例えば、正常血糖から外れるトレンディング)を示し得る。
【0182】
ブロック920にて、プロセッサモジュール214は、データポイントが、高い値を有するか、低い値を有するか、例えば、高血糖イベント又は低血糖イベントをそれぞれ示す高い閾値の範囲内にあるか、低い閾値の範囲内にあるかに応じて、データが、どの方向に及び/又はどの率で移動するか又はトレンドを示すかを判定するように構成され得る。更に、幾つかの実施形態では、プロセッサモジュール214は、再アクティブ化条件が満たされたか否かを評価するときに、ユーザ入力及び/又はインスリン情報を変数として考えるように更に構成され得る。
【0183】
認識され得るように、再アクティブ化条件を有することは、インテリジェントな確認応答済みの条件として同様に考えられ得る。その理由は、再アクティブ化条件を有することが、第1のアラートに続いてユーザに提供され得るアラートの数を制限するからである。これは、第1のアラート後に、一連の更なるアラートがオフになることによって、ユーザが煩わされないことを保証するのに役立つ可能性があるが、単純な時間ベースのスヌーズよりも多くのインテリジェンス及び安全性を可能にする。幾つかの実施形態では、再アクティブ化条件に該当すると考えられ得るデータポイントは、工場設定によって予め決定されるか又は固定され得る。こうした再アクティブ化条件は、例えば、ルックアップテーブルに記憶され得る。
【0184】
幾つかの実施形態では、再アクティブ化は、不適切であり、危険なゾーンに戻る処置をユーザがとったときにユーザに再注意喚起することを意図される。例えば、低閾値アラート後、ユーザは、自身のグルコースを増加させ始める何かを食べ得るが、それが十分でないため、ユーザのグルコースが再び降下する。この状況で、再びユーザに注意喚起することが望ましいが、それは、振動する/煩わしいアラームと区別可能であるべきである。これは、例えば、グルコースが低閾値を超えて或る距離を上昇し、その後、降下するという基準、又は、変化率が例えば1mg/dL/分を超えるまで増加し、その後、再び負に向かうという基準をセットすることによって達成され得る。
【0185】
幾つかの実施形態では、ユーザに対する第1の又は初期のアラートに続いて、ユーザは、初期アラートに確認応答することによって、更なるアラートを一時停止し得る。例えば、ユーザ又はホストが初期アラートに確認応答すると、更なるアラートは、再アラート条件を除いて、所定の期間の間、一時停止される。換言すれば、閾値又は予測的アラートに続いて、ユーザは、直後に別の閾値又は予測的アラートを聞くのではなく、代わりに、所定の期間、例えば30分の間、待つことになる。幾つかの実施形態では、一時停止時間はユーザセット可能である。幾つかの実施形態では、ユーザは、安全のため30分のデフォルト、また、例えば2時間の最大値を有し得る。
【0186】
幾つかの実施形態では、命令又はアルゴリズムのアラート後のセットが使用されて、低血糖イベント及び/又は高血糖イベントの、回復するサブ状態への遷移の終了を検出し、それにより、別のイベント(例えば、閾値の周りでの5mg/dLの上昇、1mg/dL/分よりも大きい上方傾斜等)が起こる場合、再アラートが起こるだけである。こうした実施形態では、これは、上述したように、安定したグルコースが80mg/dLの周りで振動し、閾値アラートを繰り返し始動させるという煩わしい状況を防止するのに役立つ可能性がある。
【0187】
幾つかの実施形態では、低血糖である時間長が、同様に健康リスクであると考えられ得るため、ユーザが、長い期間、同じ状況、例えば70mg/dLのすぐ下に留まる場合、アラートが生成され得る。
【0188】
例
幾つかの例が以下で提供される。「低(low)」閾値に言及するとき、低閾値は、一般に、低血糖イベントを示し得る低グルコース値に関連することが理解されるべきである。同様に、「高(high)」閾値に言及するとき、高閾値は、一般に、高血糖イベントを示し得る高グルコース値に関連することが理解されるべきである。本明細書で使用されるとき、グルコース値は、推定されたグルコース値(estimated glucose value)(EGV)、或いは任意の既知のタイプのグルコース指示器又はセンサデータであり得る。
【0189】
以下の例が、上述したフローチャートに従って実行され得ることが認識されるべきである。例は、特定の実装態様に関連し、開示されるプロセスがどのように動作できるかについてのより深い理解のために提供される。例は、限定的であると解釈されるのではなく、むしろ、ある態様がどのように実施され得るかに関する一般的な指針と解釈されるべきである。
【0190】
例1:低閾値アラート
この例では、プロセッサモジュールは、センサデータを受信し(510)、「リアルタイム(real-time)」グルコース値が第1の閾値(80mg/dL)を交差したか否かを判定する第1の関数を使用してセンサデータを評価し(520)、予測されるグルコース値が15分(PH)以内に第2の閾値(55mg/dL)を交差することになるか否かを判定する第2の関数を使用してセンサデータを評価する(530)ように構成され得る。プロセッサモジュールは、状態変化遷移が起こるべきか否かを判定する第1又は第2の関数に基づいて低血糖指示器がトリガーされた後に、血糖状況に関連するデータをアクティブにモニターする(710)ように構成され得る。この例では、(アクティブ又は確認応答済みから非アクティブに遷移するための)以下の3つの非アクティブ化条件が存在する。3つの非アクティブ化条件とは、1)グルコース値が、所定の量(15mg/dL)よりも大きい値だけ増加し、かつ、グルコース値が、低血糖指示器がアクティブ化されて以来、第1の閾値(80mg/dL)を超えている場合、2)グルコースの変化率が、所定の値(1mg/dL/分)よりも大きい率で増加している場合、また、3)確認応答済みの期間が終わる(30分)場合、である。
【0191】
シナリオA−グルコースレベルが低閾値よりも大きい
このシナリオでは、低血糖指示器は、第1の関数(ホストのグルコースが80mg/dLよりも下に下がる)に基づいてトリガーされ、ユーザは、ユーザインタフェースによって(視覚的にまた可聴的に)注意喚起される。ユーザは、ボタンを押すことによってアラートに確認応答し、状態は、確認応答済み状態に遷移する。確認応答済み状態では、プロセッサモジュールは、グルコース値が、65mg/dLまで下がり、次に、元に戻るように上昇し、75mg/dLに達するが、次に、再び降下し始めるため、ホストの血糖状況をアクティブにモニターする。この例では、確認応答済み状態は、ユーザが任意の更なるアラートをその間に受信しないことになる30分間、存続することになり、アクティブなモニタリング中に、プロセッサモジュールは、ユーザのグルコースが回復している(元に戻るように上昇し、75mg/dLに達する)と判定し、それが、確認応答済みの回復するサブ状態をトリガーした。ユーザは、彼/彼女のグルコースが再アクティブ化条件又は非アクティブ化条件に達するまで注意喚起されないことになる。確認応答済み状態では、回復するサブ状態、再アラート用の基準は、グルコース「リバウンド」を示す任意の条件を含み得る。有利には、回復するサブ状態は、何らかのユーザ対話が検出されたことを利用し、したがって、ユーザが、彼/彼女を処置しようと試みており、ユーザの処置が不十分であり、リバウンド(例えば、トレンドの所定の反転又はグルコースの悪化)が検出される場合にだけ、再注意喚起されるべきであることが仮定される可能性がある。このシナリオでは、状態は、グルコースが再び降下し始めたときに(すなわち、再アクティブ化条件に基づいて)アクティブに戻るように遷移し、ユーザは、再注意喚起された。
【0192】
シナリオB−グルコースレベルが閾値の周りで振動する
このシナリオでは、低血糖指示器は、第1の関数(ホストのグルコースが80mg/dLよりも下に下がる)に基づいてトリガーされ、ユーザは、ユーザインタフェースによって(視覚的にまた可聴的に)注意喚起されるが、今度は、ホストのグルコースは、70〜90mg/dLの範囲内に留まり、何回か、80mg/dLよりも上また下に行く。ユーザがアラートに確認応答すると、確認応答済み状態が維持され、ユーザは、確認応答済みの時間が終了するまでアラートを全く受けないことになる。換言すれば、状態は、アクティブから非アクティブに前後に遷移せず、ユーザが80mg/dLよりも上また下に振動するため、再アラートを引き起こす。有利には、これは、何らかのバッファがアラートのオフ及びオンのフリッカリングを回避することを可能にすることによって煩わしいアラートを回避する。ユーザが確認応答しない場合、5分ごとに再アラートが存在し得る(ユーザによって確認応答されるまで、アクティブな状態に維持される)。しかし、アラートが従来の「閾値(threshold)」アラートでないことに留意することが重要である。代わりに、それは、「早期警告(early warning)」アラートであり、結果として、ユーザに状況が妥当であることを警告する。確認応答済みの時間が終了した後、状態は、アラート条件が依然として満たされているか否かに応じて、アクティブ又は非アクティブのいずれかに遷移することになる。状態は、アクティブに遷移することになり、アラートは、EGVが依然として80mg/dLの閾値よりも下にある場合にだけ示され得る(例えば、確認応答済みの時間が30分であり、30分後に、EGVが75mg/dLである場合、ユーザがアラートを受けることになる)。状態は、非アクティブに遷移することになり、ユーザは、(予測される降下速度がアラートをトリガーするのに十分でなければ)EGVが85mg/dLである場合、アラートを受けないことになる。
【0193】
シナリオC−閾値を交差することを伴う予測
この場合、ユーザのグルコース値は、100mg/dLであり、第2の関数によって判定される(530)ように、15分経って55mg/dLに達すると予測される。アクティブな状態がトリガーされ、アラートが(ブロック550に従って)ユーザに表示される。ユーザが確認応答すると、確認応答済み状態が、グルコース値が10分経って80mg/dL(低閾値)まで降下するまで維持され、そのとき、状態は、ホストのグルコースが、20分の間、80mg/dLの周りに留まるため、確認応答済みのままである。特に、80mg/dLに達したとき、アラートは全くトリガーされないことになり(確認応答済み状態が維持される)、状態は、閾値条件が満たされる場合、30分後にアクティブに戻るように遷移することになる。
【0194】
例2:高血糖状況に関連する処置可能なアラート
有利には、ユーザは、ユーザの処置が必要である可能性があるときだけ注意喚起され得る。1つのこうした例では、ユーザは、グルコース値がアラート閾値を交差するとすぐにやはり注意喚起され得る。しかし、ユーザはまた、或る条件下で、例えば高血糖変動が、既知の食事摂取に関係付けられるとき、待機時間をイネーブルするよう選択し得る。幾つかの実施形態では、待機時間がイネーブルされるか否かによらず、グルコース値が閾値の周りで振動するときの、煩わしい繰り返されるアラートは、グルコース値が、おそらく関連しない理由のせいで、閾値を2回交差する場合、ユーザが注意喚起されることを保証しながら、最小にされるか又は無くされ得る。例えば、ユーザは、炭水化物摂取のせいでグルコース値が高くなった後に1回注意喚起され得る(高血糖アラート)、又は、全く注意喚起されない。その後、ユーザは、不充分な量のインスリンを摂取し、そのことが、グルコース値を、少し下げるが、再び元に戻るように上げる。
【0195】
図12は、平均EGVが最後のT分にわたって高いことを示す例示的なグラフである。特に、ユーザのグルコースレベルは、T分の始めにおいて所定の高血糖閾値を交差し、プロセッサモジュールは、180mg/dLの第1の所定の高血糖閾値レベルを超えるグルコースレベルの(第1の)アクティブな遷移基準に基づいてアクティブな状態に遷移し、700、それにより、ホストの血糖状況の動的でかつインテリジェントなモニタリングをトリガーした。しかし、高アラートの前に、ユーザが60分の所定の待ち期間(T)をイネーブルしたため、ユーザは注意喚起されなかった。60分の間、プロセッサモジュールは、所定の待ち期間にわたる平均グルコースに基づく1つ又は複数の高血糖(第2の)基準を使用してホストの血糖状況をアクティブにモニターし、その後、グルコースレベルは、所定の閾値レベル(180mg/dL)よりも大きいと判定され、1200にて、アラートに関連する出力をもたらす。この場合、アクティブな状態は、第1の基準(グルコースレベルが閾値を超えること)に基づいて始動されたが、アラートは、(閾値を超える待機時間にわたる平均グルコースレベルに基づいて)第2の基準が満たされるまで、ユーザに提供されなかった。
【0196】
図13は、平均グルコースが高いが、急速に降下していることを示す例示的なグラフであり、したがって、平均グルコースレベルが高いが、グルコースレベルが急速に降下しているため、アラートがユーザ又はホストに全く提供されない。特に、ユーザのグルコースレベルは、T分の始めにおいて所定の高血糖閾値を交差し、プロセッサモジュールは、180mg/dLの第1の所定の高血糖閾値レベルを超えるグルコースレベルの(第1の)アクティブな遷移基準に基づいてアクティブな状態に遷移し700、それにより、ホストの血糖状況の動的でかつインテリジェントなモニタリングをトリガーした。しかし、高アラートの前に、ユーザが60分の所定の待ち期間(T)をイネーブルしたため、ユーザは注意喚起されなかった。60分の間、プロセッサモジュールは、グルコースレベルの変化率に基づく1つ又は複数の高血糖(第2の)基準を使用してホストの血糖状況をアクティブにモニターし、グルコースレベルは、所定の値(1mg/dL/分)よりも大きな率で降下していると判定され、1300にて出力を全くもたらさなかった。この場合、アクティブな状態は、第1の基準(グルコースレベルが閾値を超えること)に基づいて始動されたが、プロセッサモジュールは、1300にて、非アクティブへの状態遷移を判定した。
【0197】
幾つかの実施形態では、アクティブ化条件は、ユーザのグルコースが、所定の期間、例えば60分にわたって平均的に閾値を超えなければならないことを意味する時間基準又は時間成分を含み得る。
図13に示す例に適用されるように、プロセッサモジュールは、平均グルコースレベル及びグルコースレベルの変化率に基づく1つ又は複数の高血糖基準を使用して連続して、ホストの血糖状況をアクティブにモニターし得る。このシナリオでは、1300にて、60分にわたる平均グルコースは、所定の閾値を超えていることがわかった。しかし、グルコースの変化率は、所定の値(1mg/dL/分)よりも大きな率で降下していると判定され、1300にて出力を全くもたらさなかった。その結果、アクティブな状態は、この状況では入力されず、出力が全くユーザに提供されない。
【0198】
図14は、高いグルコースレベルと、それに続く、下方への急激な変化率、しかしその後の、依然として所定の閾値を超える定常グルコースレベルを示す例示的なグラフである。特に、ユーザのグルコースレベルは、T分の始めにおいて所定の高血糖閾値を交差し、プロセッサモジュールは、180mg/dLの第1の所定の高血糖閾値レベルを超えるグルコースレベルの(第1の)アクティブな遷移基準に基づいてアクティブな状態に遷移し700、それにより、ホストの血糖状況の動的でかつインテリジェントなモニタリングをトリガーした。しかし、高アラートの前に、ユーザが60分の所定の待ち期間(T)をイネーブルしたため、ユーザは注意喚起されなかった。60分の間、プロセッサモジュールは、グルコースレベル及びグルコースレベルの変化率に基づく1つ又は複数の高血糖(第2の)基準を使用してホストの血糖状況をアクティブにモニターし、グルコースレベルは、待ち期間の終わりに、所定の閾値を依然として超えており、所定の率よりも速く降下しない変化率を有すると判定され、1400にて出力をもたらした。この場合、参照符号1400において、ユーザ又はホストは、グルコースレベルが、或る時間の間、降下したが、待機時間の終わりに安定しかつ高かった(例えば、閾値を超えていた)ため、注意喚起された。
【0199】
図15は、待機時間が終了する前でさえも、閾値にマージンを足した値を超えるホストのグルコースレベルを示す例示的なグラフである。特に、ユーザのグルコースレベルは、T分の始めにおいて所定の高血糖閾値を交差し、プロセッサモジュールは、180mg/dLの第1の所定の高血糖閾値レベルを超えるグルコースレベルの(第1の)アクティブな遷移基準に基づいてアクティブな状態に遷移し700、それにより、ホストの血糖状況の動的でかつインテリジェントなモニタリングをトリガーした。しかし、高アラートの前に、ユーザが60分の所定の待ち期間(T)をイネーブルしたため、ユーザは注意喚起されなかった。60分の間、プロセッサモジュールは、グルコースレベルにマージンを足した値(180mg/dL+50mg/dL=230mg/dL)に基づく1つ又は複数の高血糖(第2の)基準を使用してホストの血糖状況をアクティブにモニターし、グルコースレベルにマージンを足した値は、待ち期間が終わる前に起こり、60分の終了の前に1500にて出力をもたらした。この場合、アラート無し待ち期間が無視される程度までグルコースレベルが上昇したため、ユーザ又はホストは、1500において注意喚起されるべきである。
【0200】
図16は、グルコースレベルが、或る時間の間、降下したが、待機時間の終わりに安定しかつ高かった(例えば、閾値を超えていた)ため、
図14と同様のシナリオにおけるアラートのユーザ確認応答後を示す例示的なグラフである。アラートが1600にて出力された後、ユーザは1610にてアラートに確認応答し、60分のアクティブなモニタリング期間を有する確認応答済み状態に遷移した。特に、ユーザのグルコースレベルは、ユーザがアラートに確認応答した直後に、所定の高血糖閾値を下に、しかし、(非アクティブ化条件が閾値にデルタ基準を足した値を含んだため)アラートを非アクティブ化するのに十分に低くない状態で交差した。したがって、プロセッサモジュールは、平均グルコースに基づいてホストの血糖状況をアクティブにモニターし続け、平均グルコースは、60分の終わりに、所定の閾値を超える何らかの所に平均グルコースレベルを決定した。この場合、確認応答期間1620後に、平均EGVが依然として高いため、ユーザ又はホストは、再注意喚起されるか又は後続のアラートを提供される。
【0201】
上記シナリオは、「アラートの前に待ちをイネーブルする(enable wait before alert)」がターンオンされることを仮定する。しかし、これらのシナリオのいずれのシナリオも、待機時間がイネーブルされないが、確認応答済みの期間が、60分であるようにユーザによって選択された場合、同様に機能したであろう。その場合、ユーザは、第1の基準が(期間Tの始めに)満たされた後に第1のアラートを、その後、第2の基準が、例えば、1200、1400、1500、又は1600(しかし、ユーザのグルコースレベルが、所定の閾値の周りで上下に振動したときの中間の他の時点ではないが)にて満たされた後に別のアラートを有することになる。
【0202】
この例は、ユーザが高血糖アラート(例えば、ホストのグルコースが1つ又は複数の第1又は第2の基準を満たすことによってトリガーされる)に確認応答した後に、プロセッサモジュールがどのようにホストの血糖状況をアクティブにモニターするかを更に述べる。高血糖アラート出力に続いて、ユーザはアラートに確認応答し、したがって、ユーザが何らかの処置を観察しているか又はとっていることが仮定され得る。プロセッサモジュールは、確認応答済み状態に遷移する。プロセッサモジュールは、その後、ホストの血糖状況をアクティブにモニターし、それにより、アラートをアクティブ化してからのホストの平均グルコースレベルが、閾値(180mg/dL)からデルタ(15mg/dL)を引いた値よりも小さい場合、ホストの実際の(リアルタイムの)グルコースレベルが閾値からデルタを引いた値(165mg/dL)よりも小さい場合、アラートをアクティブ化してからのホストの平均グルコースレベルが所定の閾値よりも小さく、確認応答済みの時間が終了した場合、ホストのグルコースレベルの変化率が所定の率(例えば、1.0mg/dL/分)よりも速く降下し、グルコースレベルが閾値よりも小さく、所定の食事情報が受信又は確認される場合、又は、所定のインスリン送出情報が受信又は確認される場合、プロセッサモジュールは、これらの非アクティブ化基準に基づいて非アクティブに遷移することになる。
【0203】
本開示は、検体センサデータを処理するための本システム及び方法を実施するために企図される、また、それらを実施するための仕方及びプロセスの最良と考える実施形態(best mode)を、それらが関係する当業者が誰でも、これらのシステム及び方法を実施することができるように、十分に明瞭、簡潔かつ正確な用語で提示する。しかしながら、これらシステム及び方法は、完全に等価である先に論じたものからの修正及び代替の構成を受け入れる。
【0204】
例えば、全ての方法及びプロセスの実装及び/又は実行が、ローカルであれ、リモートであれ、任意の適切なデバイス又はシステムによって実施され得ることが更に認識されるべきである。更に、デバイス又はシステムの任意の組合せが使用されて、本方法及びプロセスを実装し得る。更に、幾つかの実施形態では、本明細書で述べる方法及びプロセスは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、本開示の動作を実現させるコードを含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体内に存在し得る。
【0205】
更に、以上の記載は、明確さ及び理解のため、例証及び例によってある程度詳細に述べられたが、変更及び修正が実施され得ることが当業者に明らかである。本明細書で述べる方法の実施形態による方法の機能、ステップ、及び/又は動作は、任意の特定の順序で実施される必要はない。更に、本発明の要素は単数形で述べられるか又は特許請求され得るが、単数形に対する限定が明示的に述べられない限り、複数形が企図される。したがって、説明及び例は、本開示の範囲を特定の実施形態に限定するものとしてではなく、むしろ、本開示の真の範囲及び精神内に入る全ての修正及び代替を同様にカバーするものとして解釈されるべきである。