特許第6193472号(P6193472)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6193472
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】使い捨て吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/49 20060101AFI20170828BHJP
【FI】
   A61F13/49 413
   A61F13/49 312
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-504305(P2016-504305)
(86)(22)【出願日】2014年3月12日
(65)【公表番号】特表2016-517335(P2016-517335A)
(43)【公表日】2016年6月16日
(86)【国際出願番号】US2014023854
(87)【国際公開番号】WO2014150638
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2015年9月16日
(31)【優先権主張番号】61/804,276
(32)【優先日】2013年3月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(72)【発明者】
【氏名】サラ、ウェード
(72)【発明者】
【氏名】石 原 薫
【審査官】 田中 尋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−010840(JP,A)
【文献】 特開2012−100857(JP,A)
【文献】 特開2012−010905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15−13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前側領域、股領域、及び後側領域を含む吸収性物品であって、当該吸収性物品は、
第1内側ベルトウェブと、
第1外側ベルトウェブと、
第2内側ベルトウェブと、
第2外側ベルトウェブと、
前記第1内側ベルトウェブと前記第1外側ベルトウェブとの間に配置された第1の複数の弾性体と、
前記第2内側ベルトウェブと前記第2外側ベルトウェブとの間に配置された第2の複数の弾性体と、
第1端部及び第2端部を有する中央シャーシと、を備え、
前記第1内側ベルトウェブ及び前記第1外側ベルトウェブは、前側ベルトを形成するように接合されており、
前記第2内側ベルトウェブ及び前記第2外側ベルトウェブは、後側ベルトを形成するように接合されており、
前記前側ベルトは、前記第1端部に接合されており、
前記後側ベルトは、前記第2端部に接合されており、
前記前側ベルト及び前記後側ベルトは、腰部開口部及び2つのレッグ開口部を形成するように接合されており、
前記レッグ開口部を形成する前記前側ベルトの部分は、非直線状部分を含み、
前記レッグ開口部を形成する前記後側ベルトの部分は、非直線状部分を含み、
前記中央シャーシは、バリアレッグカフを含み、並びに、
前記中央シャーシは、線状の側縁部を含み、
前記レッグ開口部を形成する前記後側ベルトの前記部分は、凹状部分を有し、
前記レッグ開口部を形成する前記後側ベルトの前記部分は、凸状部分を有し、
前記前側ベルト及び前記後側ベルトは、湾曲した弾性体を含んでいない、吸収性物品。
【請求項2】
前記第1の複数の弾性体は、前記前側領域及び前記股領域内に配置されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記第2の複数の弾性体は、前記後側領域及び前記股領域内に配置されている、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記レッグ開口部を形成する前記前側ベルトの前記部分は、凹状部分を有している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記中央シャーシは、直線状の側部を有している、請求項1〜のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記第1及び第2の複数の弾性体は、互いに平行であり、当該物品の長手方向中央ラインを横断している、請求項1〜のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形されたベルトを含む使い捨て吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの成人用失禁製品は、腰部区域の伸長性原動力として弾性ストランドを含み、この場合、ストランドは、1つの外側カバー不織布と、2つの別個の内側不織布ベルトとの間に積層される。大部分のストランドは、平行であり、かつこれら製品の腰部区域において横方向に延びる。湾曲した弾性体は、しばしば、股領域のレッグ切り抜き部及び股領域に隣接する腰部領域内に沿っている。しかしながら、弾性体を湾曲させることは、複雑であり得、これら製品の製造を遅らせ得る。出願人は、以下に、湾曲した弾性体を含むことを必要としない全面外側カバー不織布を提供する設計を開示する。実際に、出願人は、前側及び後側腰部領域の両方から股部内に延びる直線の弾性体を提供し、これにより、製造が容易な物品であり、増加された適用範囲(特に後側において)を提供し、かつ様々な顧客に適する物品を提供する。
【0003】
出願人はまた、改善された着用感を提供するレッグ切り抜き部と、出願人の開示した弾性プロファイルを組み合わせた適用範囲との組み合わせを開示した。その上更に、出願人は、漏れに対する防御を更に改善するためのレッグカフを中央シャーシに追加し得る実施形態を開示した。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本明細書は、本発明を構成するとみなされる主題を具体的に指摘しかつ明確に主張する特許請求の範囲を結論とするが、本発明は、添付の図面と関連してなされた以下の説明によって更に理解されると考えられ、添付の図面において同様の参照符号が、実質的に同一の要素を示すために用いられている。
図1】典型的な使用中の形状の、例示の使い捨てプルオン衣類の斜視図である。
図2】典型的な使用中の形状の、例示の使い捨てプルオン衣類の斜視図である。
図3】内側表面を見えるようにしている平らな未収縮状態のプルオン衣類の平面図である。
図4A】例示の使い捨てプルオン衣類の図3の線4〜4に沿った、第1の実施形態の概略断面図である。
図4B】例示の使い捨てプルオン衣類の図3の線4〜4に沿った、第2の実施形態の概略断面図である。
図4C】例示の使い捨てプルオン衣類の図3の線4〜4に沿った、第3の実施形態の概略断面図である。
図4D】例示の使い捨てプルオン衣類の図3の線4〜4に沿った、第4の実施形態の概略断面図である。
図4E】例示の使い捨てプルオン衣類の図3の線4〜4に沿った、第6の実施形態の概略断面図である。
図4F】例示の使い捨てプルオン衣類の図3の線4〜4に沿った、第7の実施形態の概略断面図である。
図4G】例示の使い捨てプルオン衣類の図3の線4〜4に沿った、第8の実施形態の概略断面図である。
図5A】本発明の一実施形態において好適な折り畳まれた外側レッグカフの一実施例の図3の線5〜5に沿って取られた概略断面図である。
図5B】本発明の一実施形態において好適な折り畳まれた外側レッグカフの別の実施形態の実施例の図3の線5〜5に沿って取られた概略断面図である。
図6】内側表面を見えるようにしている平らな未収縮状態の図4Dのプルオン衣類の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書で使用するとき、用語「プルオン衣類」は、画定された腰部開口部及び1対のレッグ開口部を有する着用物品であって、レッグ開口部の中に脚を挿入して腰部を覆って物品を引っ張り上げることによって、着用者の身体上へと引っ張られる着用物品を指す。本明細書では、用語「使い捨て」は、洗濯される、又は別の方法で衣類として復元若しくは再利用されることを目的としない衣類(すなわち、1回の使用後に廃棄され、好ましくはリサイクルされるか、堆肥化されるか、ないしは別の方法で環境に適した方式で処理されることを目的とする)を説明するために使用される。プルオン衣料は、体から排出された様々な滲出物を吸収する及び収容するような「吸収性」であり得る。
【0006】
本明細書で使用するとき、用語「吸収性物品」とは、尿、糞便、及び/又は経血を吸収し封じ込めるために、幼児及び失禁症状のある人によって、一般に着用されるプルオン衣類を指す。しかしながら、吸収性物品という用語は、トレーニングパンツ、失禁者用ブリーフ、女性用生理衣類又はパンティなどの他の衣類にも適用できることを理解されたい。
【0007】
本明細書で使用するとき、用語「弾性」、「エラストマー」、及び「エラストマーの」は、破断又は破裂することなく一般に少なくとも50%のひずみまで伸びが可能であり、ひずみの原因となる変形力が除去された後に実質的にその最初の寸法まで回復可能である材料を指す。
【0008】
本明細書で使用するとき、「接合されている」という用語には、ある要素を別の要素に直接固着させることによって、ある要素を別の要素に直接固定させる形体と、ある要素を中間部材に固着させてから、その中間部材を他の要素に固着させることによって、ある要素を別の要素に間接的に固定させる形体が含まれる。
【0009】
図1は、吸収性物品20の斜視図である。図2は、吸収性物品20の斜視図である。吸収性物品20は、長手方向中心線L1、及び横断方向中心線T1を有する(図3も参照のこと)。吸収性物品20は、外側表面22、外側表面22と反対側にある内側表面24、前側領域26、後側領域28、股領域30、及び前側領域26と後側領域28とを接合して、2つのレッグ開口部34と腰部開口部36を形成する継ぎ目32を有する。また図1〜3を参照すると、吸収性物品20は、主要部分1、側部分2、及び腰部部分3を含む。
【0010】
図1及び3で示される実施形態では、吸収性物品20は、着用者の股領域を覆う吸収性本体38(以下、「本体」又は「中央シャーシ」と記載される場合がある)、及び腰部開口部36の周りを横断的に延びるベルト40を含む。吸収性物品20は、本体38を覆う外側カバー層42を更に含んでもよい。ベルト40は、腰部開口部36を画定する。ベルト40、本体38、及び/又は外側カバー層42は共に、レッグ開口部34を画定する。レッグ開口部34を形成するベルト部分は、図3に及び図6に示されるように形成されてもよい。図3の実施形態では、前側ベルト84は、凹状であってもよく、後側ベルトは、凸状の部分を有してもよい。あるいは、前側及び後側ベルトの両方は、凹状であってもよく、又は両方は凸状であってもよい。またあるいは、前側ベルトは、凸状であってもよく、及び後側ベルトは、凹状であってもよい。図3が別個の第1ベルト層83を図示する一方で、図6は、全面外側カバー不織布の第1ベルト層82を図示する。図6において、レッグ切り抜き部はまた、第2ベルト層83a及びbを貫いて切り抜く。
【0011】
図2に示される実施形態では、吸収性物品20は、着用者の股領域を覆う吸収性本体38、及び腰部開口部36の周りを横方向に伸びるベルト40を含む。吸収性物品20は、本体38を覆う外側カバー層42を更に含んでもよい。ベルト40は、腰部開口部36を画定する。ベルト40、本体38、及び/又は外側カバー層42は共に、レッグ開口部34を画定する。1つ以上のベルト層は、第1腰部領域26内の第1腰部縁部134から股領域を通って長手方向に向かい合う、第2腰部領域28内の第2腰部縁部138へと延在してよく、吸収性物品20の外側表面の一部又は全体を形成してもよい。
【0012】
吸収性本体38は、本体38上に配置される身体滲出物を吸収し、封じ込める。図3に示される実施形態では、本体38は、長手方向中心線L1、横断方向中心線T1、左右の長手方向に延在する側縁部48(以下、「長手方向側縁部」と称されることもある)、並びに前側及び後側の横方向に延在する末端縁部50(以下、「横方向末端縁部」と称されることもある)を有する略方形形状を有する。本体38はまた、腰部パネル(すなわち、吸収性物品20の前側腰部領域26に位置付けられる前側腰部パネル52、及び後側腰部領域28に位置付けられる後側腰部パネル54)、及び股領域30の、前側腰部パネル52と後側腰部パネル54との間の股部パネル56を有する。
【0013】
図4A及び4Bに示される実施形態では、吸収性物品20は、着用者の腰部の少なくとも一部を取り囲むことを目的とする前側及び後側ベルト84、86を含んでもよく、前側及び後側ベルト部分84、86は、吸収性物品20の股領域30を形成する本体38によって接合される。前側及び後側ベルト84及び86は、吸収性物品の外側表面22の一部を形成する第1ベルト層から形成されてもよく、第1ベルト層82は、2つの長手方向に離間配置された材料のウェブで形成されてもよい。前側及び後側ベルト84及び86はまた、吸収性物品20の内側表面24の一部を形成する第2ベルト層83を含んでよく、第2ベルト層83はまた、2つの長手方向に離間配置された材料のウェブで形成されてもよい。第2のベルト層は更に、横方向に不連続に離間して配置されてもよい。第1及び第2のベルト層82、83は、実質的に同じ材料で形成されてもよく、又は異なる材料を含んでもよい。第1及び第2のベルト層82、83は、不織布、フィルム、発泡体、弾性の不織布、又はそれらの組み合わせから形成されてもよい。前側及び後側ベルト84、86はまた、第1ベルト層82と第2ベルト層83との間に配置されたエラストマー材を含んでもよい。エラストマー材は、1つ又は複数の弾性ストランド、エラストマーフィルム、エラストマーリボン、エラストマー不織布、エラストマーフィラメント、エラストマー接着剤、エラストマー発泡体、スクリム、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。エラストマー材の部分は、外側カバー層と直接組み合わされてもよい。吸収性物品の本体38(又は中央シャーシと呼ばれる)は、外側表面22、内側表面24、トップシート58、及びトップシート58とバックシート60との間に配置された吸収性コア62を含み得る。バックシートは、不織布材料、織布材料、フィルム、又はこれらの材料の1つ以上の組み合わせを含む積層体で形成されてもよい。一実施形態では、バックシートは、フィルム及び不織布の積層体であり、その積層体の不織布は外側カバー層である。更に、本体38は、本体の側縁部に配置された、又は隣接して配置された、伸縮性があるバリアレッグカフ64を含んでもよい。前側及び後側ベルト84、86は、本体の少なくとも一部と重なり合ってもよく、ベルト部分の一方又は両方は、本体の外側表面あるいは本体の内側表面に配置されてよい。第2ベルト層の一部及び/又は第1ベルト層の一部は、外側カバー層に直接取り付けられてもよい。あるいは、前側ベルト及び後側ベルト84、86は、ベルトの第1の面を形成する縦方向に離間された材料ウェブを含んでもよく、ウェブは、ベルトの腰縁部(又は別の方法としては、レッグ開口部縁部)に沿って折り畳まれて、エラストマー材を包み、ベルトの第2の面の少なくとも一部分を形成する。言いかえれば、ベルト部分のそれぞれの内側表面及び外側表面の少なくとも一部分は、単一のウェブ材料から形成されてもよい。
【0014】
図4C及び4Dに示される実施形態では、吸収性物品20は、前側及び後側腰部領域26、28にそれぞれ配置され、着用者の腰部の少なくとも一部を取り囲むことを目的とする前側及び後側伸張可能ベルト84、86を含んでよく、前側及び後側ベルト84、86は、物品の股領域30を形成する本体によって接合される。第1及び/又は第2ベルトは、第1ベルト層82(例えば、「全面外側カバー不織布」又は「外側カバーウェブ」)から形成されてもよく、この第1ベルト層82は、第1の腰部領域26の第1の腰縁部134から股領域を通って、第2の腰部領域28の、長手方向に反対側の第2の腰縁部138まで延び、かつ吸収性物品20の外側表面の一部分を形成する。前側及び後側ベルト84、86はまた、吸収性物品の内側表面24の一部分を形成する第2ベルト層83a及びb(例えば、「内側ベルトウェブ」)を含んでもよく、第2ベルト層は、2つの長手方向に離間配置されたウェブ材料で形成されてもよい。第1及び第2ベルト部分はまた、第1ベルト層と第2ベルト層の間に配置されたエラストマー材200(例えば「弾性要素」又は「弾性体」)を含んでもよい。エラストマー材は、弾性ストランド、エラストマーフィルム、エラストマーリボン、エラストマー不織布、エラストマーフィラメント、エラストマー系接着剤、エラストマーフォーム、スクリム又はこれらの組み合わせを含むことができる。吸収性物品の本体38(又は中央シャーシと呼ばれる)は、外側表面22、バックシート60、内側表面24、トップシート58、及びトップシート58とバックシート60との間に配置された吸収性コア62を含み得る。第1ベルト層は、外側表面22の一部を形成してもよい。加えて、本体は、本体の側縁部又はその近傍に配置された伸縮性バリアレッグカフ64を含んでもよい。第2ベルト層は、本体の少なくとも一部に重なり合ってもよく、第2ベルト層のウェブの一方又は両方は、第1ベルト層の外側表面あるいは第1ベルト層の内側表面を形成してもよい。あるいは、第1ベルト層82の前側部分及び/又は後側部分は、エラストマー材を包囲し、前側及び後側ベルト部分84、86のうちの一方又は両方の第2ベルト層の一部分を形成するように、ベルト領域の腰部縁部に沿って折り畳まれてもよい。換言すると、ベルト部分それぞれの内側表面と外側表面は、単一の材料ウェブから形成されてもよい。図6は、図4Dと一致する実施形態の平面図である。
【0015】
図6で見られるように、前側及び/又は後側領域26、28の弾性体200は、股領域30内に延びてもよい(すなわち、第1の複数の弾性体216及び第2の複数の弾性体217は、股領域と同様に、前側及び/又は後側領域26、28内に配置されてもよい)。前側領域26及び股領域30は、第1側部シーム32aのレッグ末端縁部204aと第2側部シーム32bのレッグ末端縁部204bとの間を第1ベルト層82に沿って通る第1軸202によって分離され得、第1軸は、前側領域26と股領域30との間の移行部を画定する。更に、後側領域26及び股領域30は、第1側部シーム32cのレッグ末端縁部204cと第2側部シーム32dのレッグ末端縁部204dとの間を第1ベルト層82に沿って通る第2軸206によって分離され得、第2軸は、後側領域28と股領域30との間の移行部を画定する。前側及び後側ベルトが共に接合されるときにシームが形成される場所を、32a〜dで示すように、シームが開かれ、物品が平らにされていることを理解されたい。
【0016】
図6はまた、大半の弾性体200は、中央シャーシ38と重なり合わない場合があることを図示する。弾性体200のいずれもが中央シャーシ38と重なり合わないことが望ましくあり得る。図6に図示される実施形態では、1つ又は2つのみが中央シャーシ38の末端縁部と重なり合う。また、吸収性コア62を除いて中央シャーシ38の一部分と重なり合うことが望ましくあり得る。
【0017】
弾性体を吸収性コアと重なり合わないようにする1つの方法は、吸収性コアをベルト上に定置する前に、弾性体の接着されていない領域を切断することである。弾性体は、次に接着された弾性体の区域(例えば、210)へと跳ね返り得る。
【0018】
図4E及び4Fに示される実施形態では、吸収性物品20は、第1腰部領域26内の前側腰部領域134から股領域を通って長手方向に向かい合う、第2腰部領域28内の後側腰部縁部138へと延在する、外側カバー層全体42を含んでよい。物品はまた着用者の腰部を取り囲むことを目的とする前側及び後側ベルト84、86を含んでよく、前側及び後側ベルト84、86は、物品20の外側カバー層42及び/又は本体38に接合される。第1及び第2ベルトは、ベルトの外側表面の一部を形成する第1ベルト層から形成され、第1ベルト層は2つの長手方向に離間配置された材料のウェブで形成される。第1及び第2ベルト部分はまた、吸収性物品の内側表面の一部を形成する第2ベルト層を含み、第2ベルト層はまた、2つの長手方向に離間配置された材料のウェブで形成される。第1及び第2ベルト層は、実質的に同じ材料で形成されてよいか、又は異なる材料を含んでもよい。第1及び第2ベルト層は、不織布、フィルム、発泡体、又はこれらの組み合わせから形成されてもよい。第1及び第2ベルトはまた、第1ベルト層と第2ベルト層との間に配置されたエラストマー材を含んでもよい。エラストマー材は、弾性ストランド、エラストマーフィルム、エラストマーリボン、エラストマー不織布、エラストマーフィラメント、エラストマー系接着剤、エラストマーフォーム、スクリム又はこれらの組み合わせを含むことができる。第1及び第2ベルトは、外側カバー層の内面に配置されてよい。あるいは、第1及び第2ベルトは、外側カバー層の外側表面に配置されてよい。そのような実施形態では、外側カバー層は、腰部領域で物品の内側表面の一部を形成し、第1ベルト層は、物品の外側表面の一部を形成する。第2ベルト層が存在する場合は、第1ベルト層と外側カバー層との間に配置されてよい。吸収性物品20の本体38は、外側表面22、バックシート60、内側表面24、トップシート58、及びトップシート58とバックシート60との間に配置された吸収性コア62を含んでよい。加えて、本体38は、本体38の側縁部又はその近傍に配置された伸縮性バリアレッグカフ64を含んでもよい。前側及び後側ベルト84、86の一方又は両方は、本体38の少なくとも一部と重なり合ってよく、ベルトの一方又は両方は、本体38の外側表面あるいは本体38の内側表面に配置されてよい。前側及び後側ベルト84、86の一方又は両方は、外側カバー層の内面に配置されてよく、あるいはベルトの一方又は両方は、外側カバー層の外面に配置されてよい。前側ベルト及び後側ベルト84、86の一方又は両方は、ベルトの第1の面を形成する縦方向に離間した材料ウェブを含んでもよく、ウェブは、ベルトの腰縁36に沿って折り畳まれて、エラストマー材料を包み、ベルトの第2の面の少なくとも一部分を形成する。換言すると、ベルト部分の一方又は両方の内側表面及び外側表面の一部又は全体は、単一のウェブ材料から形成されてもよい。前側及び後側ベルトの一方又は両方のしわ、ひだ、折れ線は、外側カバー層のものと異なる構成、サイズ、向き、形状などを有してもよい。
【0019】
図4Gに示される実施形態では、吸収性物品20は、着用者の腰部の少なくとも一部を取り囲むことを目的とする前側及び後側ベルト84、86を含んでもよく、前側及び後側ベルト84、86は、吸収性物品20の股領域30の一部を形成する本体38に接合される。前側及び後側ベルト84、86は、吸収性物品の外側表面の一部を形成する第1ベルト層82から形成される。前側及び後側ベルト部分84、86はまた、吸収性物品20の内側表面24の一部を形成する第2ベルト層83を含む。第2ベルト層は、外側に断続的かつ横方向に離間配置されてよい。第1及び第2のベルト層82、83は、実質的に同じ材料で形成されてもよく、又は異なる材料を含んでもよい。第1及び第2ベルト層82、83は、不織布、フィルム、発泡体、又はこれらの組み合わせから形成されてもよい。前側及び後側ベルト部分84、86はまた、第1ベルト層82と第2ベルト層83との間に配置されたエラストマー材を含んでもよい。エラストマー材は、弾性ストランド、エラストマーフィルム、エラストマーリボン、エラストマー不織布、エラストマーフィラメント、エラストマー系接着剤、エラストマーフォーム、スクリム又はこれらの組み合わせを含むことができる。エラストマー材の部分は、外側カバー層と直接組み合わされてもよい。吸収性物品の本体38は、外側表面22、バックシート60、内側表面24、トップシート58、及びトップシート58とバックシート60との間に配置された吸収性コア62を含んでもよい。特定の実施形態では、バックシートは、不織布とフィルムの積層物でよく、不織布は、外側カバー層によって形成される。加えて、本体38は、本体38の側縁部又はその近傍に配置された伸縮性バリアレッグカフ64を含んでもよい。前側及び後側ベルト84、86は、本体38の少なくとも一部と重なり合って、ベルトの一方又は両方は本体38の外側表面に配置されてよい。第2ベルト層の一部及び/又は第1ベルト層の一部は、外側カバー層に直接取り付けられてもよい。前側及び後側ベルト84、86は、第1腰部領域26内の第1腰部縁部134から股領域を通って第2腰部領域28内の第2腰部縁部138へと延在し、吸収性物品20の外側表面の一部を形成する第1ベルト層から形成されてもよい。前側及び後側ベルト84、86はまた、第1腰部領域26内の第1腰部縁部134から股領域を通って第2腰部領域28内の第2腰部縁部138へと延在し、吸収性物品20の内側表面の一部を形成する第2ベルト層を含んでもよい。第1及び第2ベルト層は、実質的に同じ材料で形成されてよいか、又は異なる材料を含んでもよい。第1及び第2ベルト層は、不織布、フィルム、発泡体、織布材、又はこれらの組み合わせから形成されてもよい。前側及び後側ベルト部分84、86はまた、第1及び第2腰部領域26、28の一方又は両方の第1ベルト層と第2ベルト層との間に配置されたエラストマー材を含んでもよい。エラストマー材は、弾性ストランド、エラストマーフィルム、エラストマーリボン、エラストマー不織布、エラストマーフィラメント、エラストマー系接着剤、エラストマーフォーム、スクリム又はこれらの組み合わせを含むことができる。吸収性物品20の本体38は、外側表面22、バックシート60、内側表面24、トップシート58、及びトップシート58とバックシート60との間に配置された吸収性コア62を含んでよい。第1及び第2ベルト層の一方又は両方は、外側表面22の一部を形成してもよい。加えて、本体38は、本体38の側縁部又はその近傍に配置された伸縮性バリアレッグカフ64を含んでもよい。前側及び後側ベルト84、86の一方又は両方の一部は、本体38の少なくとも一部と重なり合ってよい。あるいは、前側ベルト部分及び後側ベルト84、86は、ベルト部分の第1表面を形成するベルト層を含んでもよく、ベルト層はベルト部分の腰部縁部に沿って折り畳まれてエラストマー材を包み、反対側のベルト層の一部と重なり合ってよい。換言すれば、それぞれのベルト部分の内側表面の一部及び外側表面の一部は、単一のウェブ材料から形成されてよい。
【0020】
本体38の一部又は全体を、本体38が作られる材料(例えば、バックシート60)本来の延伸性を超える程度まで延伸可能に作製してもよい。着用者の運動中に本体38が着用者の身体にぴったり一致できるようにするため、及び/又は適切な体適用範囲を提供するために、更なる延伸性が望ましい場合がある。例えば、伸展延伸前に特定の大きさを有する本体38を含む吸収性物品のユーザーに、本体38の前側腰部領域26、後側腰部領域28、又は両方の腰部領域を延伸させて、異なる大きさの着用者のための追加の体適用範囲を提供するために、すなわち、物品を個々の着用者にぴったり合わせるために、更なる延伸性が望ましい場合もある。腰部領域又は領域類のこのような延伸は、股領域が腰部領域よりも比較的少ない程度に延伸されるかぎり、本体38に概ね砂時計形状を与え得、またそれが着用されたときに、ぴったり合った外観を物品に付与し得る。加えて、物品10のコストを最小限に抑えるために、更なる延伸性が望ましい場合がある。例えば、延伸性を持たない比較的小さな物品を作製するためにのみ元来十分である材料量を使用して、未延伸状態のより小さい物品が適合するであろうよりも大きい着用者を適度に覆うように延伸可能に物品を作製することが可能である。
【0021】
各部分が横方向延伸が最大延伸までかけられると、本体38に砂時計の形状を付与するように、本体38の一部、例えば、腰部領域26、28の一方又は両方におけるシャーシの一部は、股領域における本体38の別の部分の最大延伸性を超える最大延伸性まで横方向に延伸可能で作製されてもよい。一実施形態では、前側及び後側延伸可能ベルトの一方又は両方の下にある及び/又はこれに直接隣接する本体38の一部は、本体38の別の部分(例えば、股領域)の最大延伸性を超える最大延伸性まで、横方向に延伸可能であってもよく、よって、腰部領域を着用者の尻部を覆ってフィットするために伸長可能にすることにより、及び、これに加えて、レッグ開口部を開口し、配向して、着用者がより効果的に脚を開口部を通して配置可能にすることにより、その最大延伸性までのそれぞれの一部分の横方向の延伸は、着用者の身体への吸収性物品の適用を促進する。
【0022】
本体38の更なる横方向の延伸性は多様な方法で提供されてもよい。例えば、本体38が作製される材料に、多くの既知の方法のいずれかによりひだを付けてもよい。あるいは、本体38のすべての又は一部は、1996年5月21日にChappell et al.の名のもとに発行された米国特許第5,518,801号に記載されたものと同様に形成されたウェブ材料又は形成されたウェブ材料の積層体によって作製されてもよい。この形成されたウェブ材料は、元々の材料が、エンボス加工又は他の変性方法により変性され、長手方向に配向された交互の隆起部及び谷部のパターンが作られた別個の横方向に延びる領域と、この横方向に延びる変性された領域間にある横方向に延びる変性されていない領域とを含む。形成されたウェブ材料は隆起部及び谷部が、その点を超えて延伸するのに必要とされるよりも実質的に小さな力で平らになる点まで、隆起部に垂直な方向に延伸することができる。横方向の延伸性に加えて、上記のように形成された積層ウェブの作製は、改善された質感並びに布様の外観及び感触を備える本体38のバックシートを提供する。変形は、フィルムに布様のパターンを作り、多層フィルムの不織布及び積層バックシートの不織布のかさばりを増加させる。
【0023】
あるいは、吸収性物品の一部は、米国特許第5,366,782号(Curroらに1994年11月22日に発行)に記載されているように、リングロール加工され、よって高度に延伸性にされ得る。具体的には、リングロール装置は、噛み合う歯を有する対向するロールを有し、該ロールは、吸収性物品(又は、その一部分)を形成する材料を徐々に伸張して塑性的に変形させ、それにより、リングロール領域内で物品が伸張可能になる。一実施形態では、吸収性物品は、前側又は後側腰部領域の少なくとも1つの一部、例えば、前側及び後側ベルト84、86の一方又は両方の下にある及び/又はこれに直接隣接する本体38の一部などにおいて、リングロール加工されてもよく、一方で、他の領域は構造化された弾性様に形成されたウェブ材料を含んでもよい。物品は、腰部領域の一方又は両方において全幅にわたりリングロール加工されてもよいか、あるいは、本体38の幅の一部のみ又はベルトの一方若しくは両方の一部のみがリング加工されてもよい。
【0024】
本体38の前側横方向中央部及び後側横方向中央部は、本体38の他の部分と異なる範囲の延伸性を有してもよい。更に又は別の方法として、横方向中央部は、所与の水準の対向する張力を受けるときに、多かれ少なかれ延伸性があってもよく、すなわち、本体38の他の部分より、容易に伸張可能であっても、容易に伸張不可能でもよい。
【0025】
本体38は、液体透過性トップシート58、液体不透過性バックシート60、及びそれらの間に配置された吸収性コア62を含んでもよい。本体38は、長手方向側縁部48に沿って配置されるバリアレッグカフ64を追加的に備えてもよい。バリアレッグカフ64は、股領域30内の液体及び他の身体滲出物の、改善された封じ込めを提供する。図5に示されるバリアレッグカフ64は、折り重ねられて2層を有するバリアレッグカフが形成されてもよい、材料の単一層を含む。バリアレッグカフ64は、長手方向側縁部48又はその近傍で本体の側部から長手方向中心線L2に向かって延在する。バリアレッグカフは、折り畳み線66に沿って、長手方向側縁部48に向かって折り返されてもよい。バリアレッグカフ64は、遠位部分68に隣接する第1バリアカフ弾性材料72と、バリアレッグカフ64の近位部分70に隣接する第2バリアカフ弾性材料73とを有してもよい。バリアレッグカフ64の近位部分70は、長手方向側縁部48に隣接するバックシート60に接合されてよい。バリアレッグカフ64の折り畳み線66に沿った部分及び遠位部分68は、股領域30内の本体38のいかなる部分へも接着を有さなくてもよく、そのためバリアレッグカフ64は着用者の身体に向かって直立する。バリアレッグカフ64の横断端部74は、図5Aに図示されるように、接着剤、熱ボンド、圧着、又は同様の既知であり得る取り付け方法によって、長手方向に対向するレッグカフの端部において又はこれに隣接してトップシート58に接合され得る。許容可能なカフ64の例は、2012年4月27日出願の米国特許出願第13/457,521号に開示される(図8a〜tによって開示された構成を含む)。例えば、図5Bに図示されるように、バリアレッグカフは2つの部品のカフであってもよい。更に、カフ64は、カフの長手方向全長さ及び/又はバックシートフィルム60に沿って走る漏れ防止ビード215によってバックシートに接合され得る。
【0026】
液体透過性トップシート58は、吸収性コア62の身体に面する面に隣接して位置付けられていてよく、当該技術分野において既知である任意の取り付け手段によって、吸収性コア62の身体に面する面及び/又はバックシート60に接合されてもよい。液体不透過性バックシート60は概して、吸収性コア62の衣類に面する面に隣接して位置付けられる吸収性物品20の部分であり、吸収性コア62内に吸収され封じ込められた滲出物が、吸収性物品20に接触し得る物品を汚すのを防ぐ。吸収性コアは、トップシート58とバックシート60との間に位置付けられ、尿及び他の特定の身体滲出物等の液体を吸収し、保持する。
【0027】
トップシート58、バックシート60、及び吸収性コアは、任意の既知の材料によって製造されてよい。好適なトップシート材料には、多孔質発泡体、網状発泡体、有孔プラスチックフィルム、又は天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル繊維若しくはポリプロピレン繊維)、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせによる織布ウェブ又は不織布ウェブが挙げられ得る。適切なバックシート材としては、蒸気をおむつから逃がすが、滲出物がバックシートを通過することは防ぐ通気性材料を挙げることができる。
【0028】
吸収性物品20に使用する好適な吸収性コアは、一般に圧縮可能で、形状適合可能で、着用者の皮膚を刺激せず、尿及び他の特定の身体滲出物などの液体を吸収し保持することができる、任意の吸収材料を含んでもよい。更に、吸収性コアの形状及び構造も、異なってもよい(例えば、吸収性コア(単数又は複数)若しくは他の吸収性構造(単数又は複数)は、様々なキャリパーゾーン、親水性勾配(単数又は複数)、超吸収性勾配(単数又は複数)、若しくは比較的低い平均密度及び比較的低い平均坪量の受入れゾーンを有してもよく、又は、1つ以上の層若しくは構造を含んでもよい)。幾つかの実施形態では、吸収性コアは、流体吸収構成要素、流体分散構成要素、及び流体貯蔵構成要素を含むことができる。流体吸収構成要素、流体分散構成要素及び流体貯蔵構成要素を有する適切な吸収性コアの例は、米国特許第6,590,136号に述べられている。許容可能なエアフェルトフリーのコア(すなわち、少量エアフェルト又はエアフェルトが全く無い吸収性コアシステム)の例が、米国特許第5,562,646号、同第7,750,203号、同第7,744,576号、及び米国特許公開第2008/0312617号(A1)、同第2008/0312619(A1)号、及び同第2004/0097895(A1)号に開示される。
【0029】
外側カバー層42は、吸収性物品20の外側表面22上に配置され、かつ吸収性本体38の股部パネル56を覆ってもよい。外側カバー層42は、本体38の前側腰部パネル52及び後側腰部パネル54内へと延在し、本体38の前側腰部パネル52及び後側腰部パネル54を被覆してもよい。外側カバー層は、バックシート及び/又は本体の部分を形成してもよい。外側カバー層42は、本体38の液体不透過性バックシート60の一部分又は全部に直接接合され、覆ってもよい。前側及び後側ベルト84、86の中央パネル80は、外側カバー層42を通して、本体38の前側腰部パネル52及び後側腰部パネル54に接合されてもよい。したがって、外側カバー層42は、前側及び後側ベルト84、86と、本体38の液体不透過性バックシート60との間に配置される。図2及び4Cに示される一実施形態では、外側カバー層42は、液体不透過性バックシート60と同一の広がりを持つ。レッグ弾性材料140は、本体38の長手方向側縁部48に沿って概ね長手方向に延在するように配置される。レッグ弾性材料140は、少なくとも吸収性物品20の股領域30に配置されてもよく、又は長手方向側縁部48の全体に沿って配置されてもよい。
【0030】
外側カバー層42は、ベルト40を構成する中間層83と外側層82の材料と別の材料を含むことができる。外側カバー層42は、材料の2つ以上の層を含んでもよい。外側カバー層42は任意の既知の材料を含んでよく、また上で説明した前側及び後側ベルト84、86に用いられる材料を含んでよい。外側カバー層42は、合成繊維からなる不織布ウェブの単層を含んでもよい。外側カバー層42は、疎水性で非伸縮性の不織布材料の単一層を含んでもよい。外側カバー層42は、フィルム、発泡体、不織布、織布材料若しくは類似のもの、並びに/又はフィルム及び不織布の積層体などのそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0031】
ベルト40は、前側ベルト84及び後側ベルト86(以下、「前側及び後側ベルト84、86」とする場合もある)を含んでよく、前側ベルト84及び後側ベルト86をシーム32で永続的に若しくは再固定可能に接合することによって、又は前側及び/若しくは後側ベルトを本体38に永続的に若しくは再固定可能に接合することによって、リング様構成を有する。本開示の物品は、2013年3月15日出願の米国特許出願第61/787,416号、並びに2013年3月15日出願の米国特許出願第61/787,332号に開示される再締結可能な構成要素、構成、及び製造方法を有し得る。
【0032】
ベルト40は、リング状で弾性体であってもよい。リング状の弾性体のベルト40は、吸収性物品20の腰部開口部36の周りで横方向に伸び、力学的に取り付け力を生み出す働きをし、着用中に力学的に生成された力を分配する働きをする。出願人らは、改善された着用感が、エラストマー材の距離、線密度及び予ひずみを、お互いに関して及び身体の開口部に関して制御することにより生成され得ることを発見した。これは、所望の特性を示すベルト40全体にわたって様々な材料を選択することによって行われてもよい。異なる材料は、固有の距離、線密度、及び予ひずみで結合されて、適合力を動的に形成するように働くベルト40を作製する。具体的には、この開示の物品は、2013年2月12日出願の米国特許出願第13/764,990号に開示された実施例1〜4の物品の特徴を有し得る。この開示の物品はまた、2012年2月13日出願の米国特許出願第13/764,990号、及び/又は同第61/598,012号に開示された弾性体と同様の応力、ひずみ、及び間隔を有し得る。本開示の物品はまた、米国特許出願第13/764,990号に記載の同様の弾性体区分、及び抵抗力ゾーンを有し得る。
【0033】
前側ベルト84は、5〜50個の弾性ストランドを含んでよい。前側ベルト84は、10〜20個の弾性ストランドを含んでよい。後側ベルト86は、5〜50個の弾性ストランドを含んでよい。後側ベルト86は、10〜20個の弾性ストランドを含んでよい。弾性ストランドは、異なる力領域の間で分配される。弾性ストランドは、力領域の間で均等に分配されてよい。弾性ストランドはまた、異なる力領域の間で不均等に分配されてよい。各力領域は、少なくとも1つの弾性ストランドを含む。
【0034】
弾性ストランドは、200〜2500の線密度を有してもよい。線密度は、弾性ストランドにおける弾性繊維の密度である。線密度に最もよく用いられる単位は、10,000メートル当たりのグラム単位の量である、デシテックスであり、dtexと略記される。線密度は力プロファイルを変更するために使用され得る。例えば、単一の弾性ストランドの線密度を選択する、複数の弾性ストランドをお互いにごく近接しているより小さな線密度と結合する、及び/又は他のエラストマー材と結合することによって、所望の力プロファイルに達することができた。
【0035】
弾性ストランドは、弾性予ひずみを有してもよい。弾性予ひずみは、弾性ストランド又は複数の弾性ストランドにおける、その弾性体が第1及び/又は第2ベルト層に結合された時点での長さの増加比率である。例えば、15センチメートル(cm)の自由長を有するストランドは、15cmの弾性ストランドが、次に18cm長さになるように適用される負荷を有し得る。この長さ3cmの増加は、15cmの20%(3/15)であり、又は20%ひずみである。弾性予ひずみは、単一の弾性ストランド又は複数の弾性ストランドの力プロファイルを変更するために使用され得る。力プロファイルはまた、1つ以上の弾性ストランドの弾性予ひずみと共に線密度を変更することにより変更できる。
【0036】
各領域の弾性ストランドの数は、吸収性コアの配置によって変更され得る。出願人らは、より薄い吸収性コアの使用は、物品の厚みの変化を補うため更なる弾性力の必要性につながり得ることを発見した。力プロファイルを吸収性コアの位置及び厚みによって調整する必要がある。このことは、特に第2弾性部及び第3弾性部に影響を及ぼす。
【0037】
ベルト内に配置された弾性ストランドは、弾性ストランドの曲線の接線が中心線と鋭角を形成できるように又は弓形形状を形成できるように、湾曲した状態で整列されてよい。これは、力プロファイルのターゲッティング、及び/又はストレッチ部内の印刷と伸縮性(elastication)/しわの程度/弾性との調整を可能にし得る。
【0038】
本明細書に開示の物品をシーミングするために、熱風シーミング法、並びに米国特許第6,248,195号、及び米国特許出願第12/795021号、同第13/401907号、及び同第13/402056号に開示された物品形成方法を使用することは、望ましくあり得る。更に、本明細書に開示の物品は、2012年5月15日にそれぞれ出願の、米国特許出願第61/646,953号及び同第61/646,979号によるグラフィックを有してもよい。
【0039】
試験方法の項
試験装置/環境
MTS Testworks version4.0のMTS Alliance又は同等の計器などの、好適な引張試験器が使用される。試験器は、使用されるべきサイドシームの少なくとも横の全長を保持できるフラットクランプを備えている。計器が、製造者の仕様書に従って較正される。試験は、23℃±2℃、50%±2%の相対湿度で実行される。
【0040】
試料調製
製品のサイドシームを破断して前側ベルトを後側ベルトから分離する。対応する力領域(本発明の発明を実施するための形態に記載されるように)は、これらのベルトから切り離す。前側及び後側のベルトの分離された各部は、本明細書で「試験サンプル」と呼ばれる。シャーシコンポーネントを含むすべての材料層は、試験サンプルで維持する必要がある。すべてのカット線は、直線で、吸収性物品の横方向に平行である。各試験サンプルは、少なくとも1つのエラストマー材を有する必要がある。それぞれの領域の幅(吸収性物品の長手方向の寸法)を測定する。
【0041】
試験サンプルの長さを決定する。長さは、吸収性物品の横方向に、完全に引き伸ばされた状態の試験サンプルの一方の末端部から他方の末端部までの距離を測定する。完全に引き伸ばされた状態は、試験サンプルが、0.1N/mmに試験サンプルの幅を掛けた力によって引き伸ばされた状態である。試験サンプルの一方又は両方の末端部が長手方向に平行でない場合、試験サンプル内の最短の長さを試験サンプルの長さとみなす。
【0042】
調整された試験サンプルの長さは、試験サンプルの長さ引く上部及び下部クランプにおける任意の材料の結合長であるように定義する。したがって、各末端部において10mmをクランプで保持できるように試験サンプルをクランプに固定する場合、調整したベルトの長さは、測定したベルトの長さから20mmを引いたものである。
【0043】
試験サンプルは、試験前に少なくとも10分間引き伸ばさない状態を保つ。
【0044】
試験
各試験サンプルに対し、引張試験機の初期標点距離を設定して、試験サンプルを緩和状態で固定することができる。ロードセルはゼロになってサンプル重量をオフセットする。
【0045】
試験サンプルは、254mm/分の速度で吸収性物品の横方向に引き伸し、ロード(N)は、試験サンプルが調整された試験サンプルの長さの65%に達した後5秒以内に測定する。横の力は、次の等式によってそれぞれの力領域について計算する。
試験サンプルの横の力(N/mm)=測定値(N)/力領域の幅(mm)
【0046】
本明細書に開示した寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0047】
「発明を実施するための形態」で引用するすべての文献は、関連部分において本明細書に参照により組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照することにより組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と矛盾する範囲については、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0048】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5A
図5B
図6