特許第6193485号(P6193485)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6193485自動車両のステアリングホイール用の接続装置、自動車両、およびステアリングコラム上にステアリングホイールを取り付けるための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6193485
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】自動車両のステアリングホイール用の接続装置、自動車両、およびステアリングコラム上にステアリングホイールを取り付けるための方法
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/10 20060101AFI20170828BHJP
【FI】
   B62D1/10
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-519917(P2016-519917)
(86)(22)【出願日】2014年9月25日
(65)【公表番号】特表2016-531788(P2016-531788A)
(43)【公表日】2016年10月13日
(86)【国際出願番号】EP2014070431
(87)【国際公開番号】WO2015049145
(87)【国際公開日】20150409
【審査請求日】2016年5月30日
(31)【優先権主張番号】102013016507.5
(32)【優先日】2013年10月2日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508108903
【氏名又は名称】ヴァレオ・シャルター・ウント・ゼンゾーレン・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】ティム、ウルマン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエラ、ジャックル
(72)【発明者】
【氏名】ビクトリア、シュバルツ
【審査官】 岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−347904(JP,A)
【文献】 実開平06−068371(JP,U)
【文献】 特表2013−516355(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D1/10
H01R35/04
B60R16/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両のステアリングホイール(23)への、および/または自動車両のステアリングホイール(23)からの電気的信号を伝達するための接続装置(1)であって、前記自動車両内での位置固定された取付けのための位置固定構成要素(2)を有し、前記位置固定構成要素(2)上に回転可能に取り付けられて、前記ステアリングホイール(23)への接続の役目をするハブ部分(3)を有すると共に、支承部分(3)上へ可動に取り付けられたロック要素(6)であって、前記ステアリングホイール(23)への前記ハブ部分(3)の接続中に、当該ロック要素(6)のブロックバー(9)が前記位置固定構成要素(2)に対する前記ハブ部分(3)の回転を妨げる取付位置から、前記ハブ部分(3)の回転を可能とする操作位置へと、バネ要素(14)の弾発力に抗して可動となったロック要素(6)を有する、接続装置(1)において、
前記ロック要素(6)に対して可動に取り付けられて、前記ステアリングホイール(23)への前記ハブ部分(3)の接続中に前記ロック要素(6)を前記操作位置へと移動させるプランジャー(18)を有し、前記操作位置において、前記プランジャー(18)によって前記ロック要素(6)が前記ステアリングホイール(23)から間隔を離された状態に保たれるようになっており、
前記プランジャー(18)は、長く伸びた形状であって、前記プランジャー(18)の長手方向に沿って可動となるように取り付けられており、前記ロック要素(6)は、前記プランジャー(18)がそこを貫いて伸びる貫通孔(20)を有していることを特徴とする接続装置(1)。
【請求項2】
前記バネ要素(14)は、前記ロック要素(6)の本体(7)の周囲に巻き付けられる脚付バネ(14)の形態であり、前記脚付バネ(14)の第1の脚(15)が前記ロック要素(6)上で支持され、前記脚付バネ(14)の第2の脚が前記支承部分(3)上で支持されていることを特徴とする、請求項1に記載の接続装置(1)。
【請求項3】
自動車両のステアリングホイール(23)への、および/または自動車両のステアリングホイール(23)からの電気的信号を伝達するための接続装置(1)であって、前記自動車両内での位置固定された取付けのための位置固定構成要素(2)を有し、前記位置固定構成要素(2)上に回転可能に取り付けられて、前記ステアリングホイール(23)への接続の役目をするハブ部分(3)を有すると共に、支承部分(3)上へ可動に取り付けられたロック要素(6)であって、前記ステアリングホイール(23)への前記ハブ部分(3)の接続中に、当該ロック要素(6)のブロックバー(9)が前記位置固定構成要素(2)に対する前記ハブ部分(3)の回転を妨げる取付位置から、前記ハブ部分(3)の回転を可能とする操作位置へと、バネ要素(14)の弾発力に抗して可動となったロック要素(6)を有する、接続装置(1)において、
前記ロック要素(6)に対して可動に取り付けられて、前記ステアリングホイール(23)への前記ハブ部分(3)の接続中に前記ロック要素(6)を前記操作位置へと移動させるプランジャー(18)を有し、前記操作位置において、前記プランジャー(18)によって前記ロック要素(6)が前記ステアリングホイール(23)から間隔を離された状態に保たれるようになっており、
前記バネ要素(14)は、前記ロック要素(6)の本体(7)の周囲に巻き付けられる脚付バネ(14)の形態であり、前記脚付バネ(14)の第1の脚(15)が前記ロック要素(6)上で支持され、前記脚付バネ(14)の第2の脚が前記支承部分(3)上で支持されていることを特徴とする接続装置(1)。
【請求項4】
自動車両のステアリングホイール(23)への、および/または自動車両のステアリングホイール(23)からの電気的信号を伝達するための接続装置(1)であって、前記自動車両内での位置固定された取付けのための位置固定構成要素(2)を有し、前記位置固定構成要素(2)上に回転可能に取り付けられて、前記ステアリングホイール(23)への接続の役目をするハブ部分(3)を有すると共に、支承部分(3)上へ可動に取り付けられたロック要素(6)であって、前記ステアリングホイール(23)への前記ハブ部分(3)の接続中に、当該ロック要素(6)のブロックバー(9)が前記位置固定構成要素(2)に対する前記ハブ部分(3)の回転を妨げる取付位置から、前記ハブ部分(3)の回転を可能とする操作位置へと、バネ要素(14)の弾発力に抗して可動となったロック要素(6)を有する、接続装置(1)において、
前記ロック要素(6)に対して可動に取り付けられて、前記ステアリングホイール(23)への前記ハブ部分(3)の接続中に前記ロック要素(6)を前記操作位置へと移動させるプランジャー(18)を有し、前記操作位置において、前記プランジャー(18)によって前記ロック要素(6)が前記ステアリングホイール(23)から間隔を離された状態に保たれるようになっており、
前記支承部分(3)は、前記ロック要素(6)の本体(7)が内部へ挿入される受入部(10)を有し、
前記支承部分(3)は弾性形態の保持アーム(12)を有し、その保持アームは、前記ロック要素(6)の前記本体(7)に対して当り、その保持アームによって前記本体(7)が前記受入部内に保持されることを特徴とする接続装置(1)。
【請求項5】
前記ロック要素(6)は、非破壊式に解放可能となるよう前記支承部分(3)上に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の接続装置(1)。
【請求項6】
前記ステアリングホイール(23)への前記ハブ部分(3)の接続中に、前記ロック要素(6)は、最初に前記ステアリングホイール(23)と接触し、前記ステアリングホイール(23)を介して、前記プランジャー(18)が前記ステアリングホイール(23)と接触させられる中間位置へと動くことができ、前記ロック要素は、その後に前記プランジャー(18)を介して前記操作位置へと動くことができることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の接続装置(1)。
【請求項7】
前記ロック要素(6)は、前記取付位置と前記操作位置との間で軸周りに回動可能となるように前記ハブ部分(3)上に取り付けられていることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の接続装置(1)。
【請求項8】
前記プランジャー(18)は、案内部分(19)上に、および/または案内部分(19)内に移動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の接続装置(1)。
【請求項9】
前記ロック要素(6)は、前記プランジャー(18)上に関節連結されていることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の接続装置(1)。
【請求項10】
前記支承部分(3)は、前記ロック要素(6)が前記ハブ部分(3)上に軸周りに回動可能に取り付けられるように、前記ハブ部分(3)と一体的に形成されていることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の接続装置(1)。
【請求項11】
前記支承部分(3)は、前記ロック要素(6)の本体(7)が内部へ挿入される受入部(10)を有していることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の接続装置(1)。
【請求項12】
当該接続装置(1)は、特に前記位置固定構成要素(2)内に形成された、窪み(17)を有し、その窪み(17)内には、前記ロック要素(6)の前記取付位置において、前記ハブ部分(3)の回転を妨げるために前記ブロックバー(9)が係合することを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の接続装置(1)。
【請求項13】
請求項1から12のうちのいずれか一項に記載の接続装置(1)を有した自動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車両のステアリングホイールへの、および/または自動車両のステアリングホイールからの電気的信号を伝達するための電気的接続装置であって、自動車両内での位置固定された取付けのための位置固定構成要素を有し、位置固定構成要素上に回転可能に取り付けられて、ステアリングホイールへの接続の役目をするハブ部分を有すると共に、支承部分上へ可動に取り付けられたロック要素であって、ステアリングホイールへのハブ部分の接続中に、取付位置から操作位置へとバネ要素の弾発力に抗して可動となったロック要素を有した接続装置に関する。取付位置においては、ロック要素のブロックバーが、位置固定構成要素に対するハブ部分の回転を妨げるのに対して、ロック要素の操作位置においては、ハブ部分の回転が可能とされる。本発明はまた、当該型式の接続装置を有した自動車両、および自動車両のステアリングコラム上にステアリングホイールを取り付けるための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
自動車両用の電気的ステアリングコラム・モジュールは、先行技術より既に知られている。そのようなステアリングコラム・モジュールは一般的に、位置固定構成要素とステアリングホイールとの間での電気信号の伝達に役立つ接続装置を備えている。既知のステアリングコラム・モジュールは通常、位置固定構成要素、ないしはハウジングを備えている。その位置固定構成要素ないしハウジングは、自動車両内で、例えばステアリングコラムの、車体に対して固定的に配置されるケーシング(そのケーシング内にステアリングシャフトが回転可能に取り付けられる)へ、位置固定方式に取り付けられる。位置固定構成要素上には、ステアリングホイールに対して回転結合的に取り付けることのできるハブ部分が、回転可能に取り付けられる。位置固定構成要素内には、例えば、平型渦巻バネ、ないしは、いわゆる平型導体が配置され得る。そのバネないし導体を介して、ステアリングホイール内に位置する各装置と、車両内に位置固定的に配置される各ユニットとの間で、電気信号(例えば、配電電圧)が伝達される。当該型式の平型渦巻バネを通じては、例えば、ステアリングホイール内の電気ヒータに電気エネルギが供給される場合がそうである。更に、平型渦巻バネを通じてステアリングホイール内のエアバッグを作動させることも可能である。更なる例は、ステアリングホイール内に統合された操作要素類である。それらの操作要素類は、平型渦巻バネを通じて、ステアリングホイール外に位置する制御ユニットに対して電気的に接続される。この場合の平型渦巻バネは概して、互いに電気的に絶縁された複数の電気ラインを備えている。平型渦巻バネは、それ自体、平型弾性ケーブル(フラットケーブル)を構成しているのである。
【0003】
既に述べたように、平型渦巻バネは通常、ハウジングを構成する位置固定構成要素内に収容されている。平型渦巻バネは、この場合、ハブ部分上に端子として設けられる電気接点要素を装備している。それらの端子を通じて、平型渦巻バネがステアリングホイール上の各構成要素と電気的に接続されるのである。当該型式の平型渦巻バネに加えて、ステアリングコラム・モジュール内には、現在操舵角を計測するための操舵角センサ、および/または、ステアリングシャフトに加えられる現在トルクを検出するのに役立つトルクセンサも配置され得る。また、ステアリングコラム・モジュール上にステアリングコラム・スイッチが取り付けられることも可能である。
【0004】
ステアリングコラム・モジュールは、例えば特許文献1(EP 1 462 296 A2)より知られている。位置固定ケーシングと、当該ケーシング内に回転可能に取り付けられた回転シャフトとを伴ったステアリングコラムの具体例は、特許文献2(EP 1 410 971 A2)より知られている。
【0005】
ステアリングホイールの取付け中に、当該ステアリングホイールは、ステアリングコラム・モジュールの前記ハブ部分に対して回転可能に取り付けられる。これは、ステアリングホイールが、ステアリングコラム上に取り付けられ、その過程で、ステアリングホイールの回転が同時にステアリングコラム・モジュールのハブ部分の回転にも影響するようなやり方で、ステアリングシャフト上へと軸線方向に取り付けられる、ということを意味する。ここで、回転運動は通常、駆動要素を通じて伝達される。ステアリングホイール上の駆動要素が、ハブ部分の駆動要素に対して作動的に連結されるのである。一方の駆動要素はピン状のボルトの形態であってよく、他方の駆動要素は、ステアリングホイールの取付け中に、定められた作動的連結が作り出されるようにボルトを受け入れ、或いはボルトが挿入される受入部のあるスリーブとして設けられてよい。
【0006】
ステアリングホイールの取付け中には、ステアリングホイールがハブ部分に接続されるまで、ハウジングないし位置固定構成要素に対するハブ部分の回転運動が妨げられることが保証されるべきである。この目的のために、先行技術においては、それを通じてハブ部分の回転運動が機械的に防止され、即ちロックされるロック要素の使用が既に成されている。そのような解決手段は、例えば特許文献3(EP 1 674 343 B1)より知られている。ステアリングホイールの取付け中にロック要素は、ハウジングに対するハブ部分の回転運動が可能となる操作位置ないし動作可能位置へと移動される。この場合、ロック要素は、圧縮バネの弾発力に抗して移動させられる。当該先行技術の欠点は、バネ要素の具体化のために比較的大きな弾性変位量が必要とされ、それにより全体として比較的大量の構造空間が取られてしまう、という事実である。
【0007】
しかしながら、そのような構造空間の、特にステアリングホイールの部位における利用可能性は限れたものでしかない。
【0008】
導入部で述べた一般的な型式の接続装置はまた、特許文献4(DE 696 08 537 T2)より知られるように、分かってくる。
【0009】
ステアリングホイールの取付け中には、ステアリングコラム・モジュールないし接続装置がステアリングコラム上に取り付けられるのが最初であり、それからステアリングホイールが取り付けられる。ステアリングホイールの取付けは、かくして軸線方向に行われ、すなわちステアリングホイールは、ステアリングコラム上へと軸線方向に嵌め付けられ、或いは取り付けられる。ステアリングホイールの取付け中、ステアリングホイールのハブ部分の軸線方向正面側が、接続装置のロック要素と接触させられ、ハブ部分の回転が可能となる操作位置へとロック要素を押し込む。ここで、ロック要素は、ステアリングホイールのハブ部分の軸線方向正面側によって、操作位置に継続的に保持される。目下のところ、自動車両の運転中には、ステアリングホイールの軸線方向の動きが生じる可能性があり、それが今度はステアリングホイールに対するロック要素の相対運動に繋がる、ということが見出されている。このことは運転中の付加的な騒音を引き起こし、そのような騒音の発生が今度は運転の快適性を低下させてしまうのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1462296号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1410971号明細書
【特許文献3】欧州特許第1674343号明細書
【特許文献4】欧州特許独国公表第69608537号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、導入部で述べた一般的な型式の接続装置の場合において、先行技術に対して騒音の発生を低減させることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的は、本発明により、それぞれの独立請求項の諸特徴を有した、接続装置を通じて、自動車両を通じて、また方法を通じて達成される。各従属請求項、明細書、および図面は、本発明の有利な実施形態に関するものである。
【0013】
本発明による接続装置は、自動車両のステアリングホイールへの、および/または自動車両のステアリングホイールからの電気的信号を伝達するために設計されており、自動車両内での(具体的には、特にステアリングコラム上への)位置固定された取付けのための位置固定構成要素を備えると共に、位置固定構成要素上に回転可能に取り付けられて、ステアリングホイールに対して回転結合的に連結することのできるハブ部分を備えている。その接続装置は更に、支承部分上へ可動に、特に軸周り回動可能に取り付けられたロック要素であって、ステアリングホイールへのハブ部分の接続中、特にステアリングコラム上へのステアリングホイールの軸線方向の取付け中に、取付位置から操作位置へとバネ要素の弾発力に抗して可動となったロック要素を備えている。ロック要素の取付位置においては、当該ロック要素のブロックバーが、位置固定構成要素に対するハブ部分の回転を妨げる。これに対して、ロック要素の操作位置においては、ハブ部分の回転が可能とされる。本発明によれば、ロック要素に対して可動に取り付けられて、ステアリングホイールへのハブ部分の接続中、特にステアリングコラム上へのステアリングホイールの取付け中にロック要素を操作位置へと移動させるプランジャーを当該接続装置が有し、操作位置において、プランジャーによってロック要素がステアリングホイールから、ないしはステアリングホイールのハブから間隔を離された状態に保たれる、ことがもたらされる。
【0014】
前記形式のプランジャー(これによりロック要素が、操作位置において、ステアリングホイールから間隔を離された状態に保たれる)によって、先行技術に比べて騒音の発生を確実に低減させることが可能となる。具体的には、ロック要素はもはやステアリングホイールと接触しない。それは、自動車両の運転中におけるステアリングホイールの軸線方向の動きでさえも、騒音の発生には繋がらないようにである。かくして、プランジャーは、ロック要素が、そのロック解除位置において、即ち操作位置において、ステアリングホイールから間隔を離される、という効果を有している。それは、ロック要素とステアリングホイールとの間の接触、および結果として生じる騒音の発生が確実に防止されるようにである。
【0015】
接続装置は、自動車両のステアリングコラム上に取り付けられて、ステアリングホイールと、自動車両内に位置固定的に配置された装置類との間での電気信号の伝達に役立つステアリングコラム・モジュール、ないしは、そのようなステアリングコラム・モジュールの一部を構成してることが好ましい。この目的のために、接続装置は、特に位置固定構成要素内に配置される、平型渦巻バネを備えていてもよい。また、少なくとも1つのセンサ、特に操舵角センサおよび/またはトルクセンサを、接続装置ないしステアリングコラム・モジュール内へ統合できるようにしておいてもよい。概括的に言えば、接続装置ないしステアリングコラム・モジュールは、回転自在なステアリングホイールと、車両内に位置固定的に配置された構成要素類との間のインターフェイスにて用いられる、電気的モジュールであると理解されるべきものである。
【0016】
位置固定構成要素は、電気信号の伝達に役立つ前記平型渦巻バネが内部に収容されるハウジングの形態であることが好ましい。
【0017】
一実施形態においては、ステアリングホイールへのハブ部分の接続中、特にステアリングコラム上へのステアリングホイールの取付け中に、ロック要素が、最初にステアリングホイールと局所的に接触し、ステアリングホイールを介し、特にステアリングホイールのハブを介して、プランジャーがステアリングホイールと接触させられる中間位置へと動かされる、ということがもたらされる。その後にロック要素は、プランジャーを介して、中間位置から、ロック要素がもはやステアリングホイールと接触しない操作位置へと動かされる。ここで、中間位置において、プランジャーは、ロック要素自体を除くステアリングホイールの部位と接触し、かくして、そこに当たることが好ましい。特にプランジャーは、ステアリングホイールのハブの軸線方向正面側とではなく、ハブを支えるステアリングホイール・ポット形構造の後ろ側と接触させられてもよい。当該後ろ側は通常、ミル加工と研磨をされ、および/またはコーティングが施される。それは、この場合のプランジャーとの接触が、騒音の発生増大に繋がらないようにである。プランジャーがステアリングホイールによって直接的に作動されるという事実のおかげで、更なる中間要素の使用が不要となり、かくして全体として、特にコンパクトで、構造空間を節約し、有する構成要素の数を減らされた接続装置をもたらすことが可能となる。
【0018】
ロック要素は、取付位置と操作位置との間で軸周りに回動可能となるようにハブ部分上に取り付けられているのが好ましい。このロック要素の軸周り回動可能な取付けによっても同様に、全体として、コンパクトで構造空間を節約する接続装置をもたらすことが可能となる。それは、ロック要素が何ら大きな距離を担わなくてもよいからである。更に、このようにして、位置固定構成要素に対するハブ部分の動きの確実なロックおよびロック解除を可能とすることができる。
【0019】
更に、プランジャーが案内部分上に、および/または案内部分内に移動可能に取り付けられていれば特に有利であると証明されている。ここで、プランジャーは、軸線方向に移動可能であるように取り付けられていてもよい。それは特に、軸線方向でのプランジャーの直進運動が、ロック要素の軸周りの回動運動を引き起こすようにである。ロック要素の軸周り回動可能な取付けの場合であっても、それによってロック要素とステアリングホイールとの間の比較的大きな隙間を空けるのを可能とすることができ、かくして騒音の発生を確実に防止することができるのである。
【0020】
プランジャーは、長く伸びた形状であり、かくして、概してピンのような形状であることが好ましい。ここで、プランジャーは、当該プランジャーの広がりの主方向が軸線方向を向くように、軸線方向へ伸びているのが好ましい。かくしてプランジャーの動きは全体として、実質的に当該プランジャーの軸線方向に、即ち広がりの主方向に沿って、かくしてハブ部分の回転の軸線に沿って生じるのである。
【0021】
ロック要素は、プランジャー上に関節連結されているのが特に好ましい。このようにして、プランジャーの略直線的な運動を、ロック要素の操作位置への軸周り回動可能な運動へと確実に変換することができる。プランジャーがロック要素上に関節連結される操向軸線は、この場合、ロック要素が支承部分上へ軸周り回動可能に取り付けられる回動軸線に対して、平行に間隔を離されているのが好ましい。
【0022】
既に述べたように、プランジャーは、長く伸びた形状であって、その広がりの主方向に沿って可動となるように取り付けられていてよい。そしてロック要素は、プランジャーがそこを貫いて伸びる貫通孔を有していてよい。このようにして、ハブ部分の回転の軸線に対する半径方向、および周方向において、構造空間を節約することができる。
【0023】
バネ要素は、ロック要素の、特に円柱形状である本体の周囲に巻き付けられる脚付バネの形態であるのが好ましい。脚付バネの第1の脚がロック要素上で支持されていてよく、脚付バネの第2の脚が支承部分上で支持されていてよい。その第1の脚がロック要素に固定されて第2の脚が支承部分に固定された脚付バネのようなバネ要素の実施形態によって、全体として、コンパクトで構造空間を節約する接続装置をもたらすことが可能となる。第1に、バネ要素の弾性変位量がロック要素の軸周り回動変位量と一致することが具体的に当て嵌まる。第2に、バネ要素自体には追加的な構造空間が何ら必要とされない。それは、当該バネ要素が、ロック要素自体の本体の周りに巻き付けられるからである。特に、従来技術で用いられるような圧縮バネと比べれば、かくして、特に軸線方向で比較的大量の構造空間を節約することが可能である。そこでは、特にステアリングホイールの部位において、限定された利用可能性しか存在しないのである。脚付バネとしてのバネ要素の実施形態は更に、ステアリングホイールが(例えば整備作業中に)取り外されたとき、ロック要素を(バネの弾発力のおかげで)特に信頼できる方式で再び取付位置へと移動させることができる、という利点を有している。
【0024】
一実施形態においては、支承部分がハブ部分と一体的に形成できるようにされる。それは、ロック要素が軸周り回動可能にハブ部分上へ直接的に取り付けられるように、即ち支承部分が、いわばハブ部分の一部位によって形成されるようにである。そのようなロック要素のハブ部分上への直接的な配置は、次のような利点を有している。即ち、ステアリングホイールの取付け中、ロック要素が、容易にアクセス可能であり、かくしてステアリングホイールによって直接的に作動させることができるということである。それは、ロック要素の操作位置への移動が、ステアリングホイールのハブ部分内への挿入中に、いわば自動的に生じるようにである。
【0025】
脚付バネが周囲に巻き付けられるロック要素の本体を、円柱形状とすることができるようにしておいてもよい。この場合、ロック要素は、円柱状本体の円柱縦軸線の周りを軸周り回動可能となるよう、支承部分上に取り付けられていてよい。このようにして、支承部分上へのロック要素の、特に安定した、作動的に信頼性のある取付けが保証される。更に、このようにして、円筒状本体上への脚付バネのしっかりした据付けを可能とすることができる。
【0026】
支承部分は、ロック要素の本体が内部へ挿入される受入部を有しているのが好ましい。ロック要素の本体は、かくして支承部分の受入部内へ滑動式に軸周り回動可能に取り付けられる。これにより、ロック要素の確固とした取付けと、従って接続装置の相応に長い耐用年数とが保証される。
【0027】
支承部分が弾性形態の保持アームを有し、その保持アームが、ロック要素の本体に対して(特に、その自由端部を介して)当り、その保持アームによって、本体が受入部内にかくして保持されてもよい。当該保持アームは、支承部分と一体に、特にハブ部分と一体に形成されるのが好ましい。当該型式の保持アームは、ロック要素、ないしはその本体を、前記受入部内で堅固かつ安定的に保持できることを保証する。具体的に換言すれば、保持アームは、全体としてロック要素の本体の受入部内でのしっかりした据付けが保証されるように、その本体を受入部の方向へ押す。保持アームの弾性形態によって、非破壊式に、ロック要素を受入部から取り外し、かくして支承部分から撤去できることも保証される。
【0028】
かくして一実施形態においては、ロック要素が、非破壊式に解放可能となるよう支承部分上に配置される、ということがもたらされる。かくして、ロック要素を伴う接続装置と、ロック要素無しで済ます装置との両方について同じハブ部分を用いることができる。
【0029】
ロック要素が、本体から出張った、ハブ部分のステアリングホイールへの接続中にステアリングホイールによって作動させることのできる作動部分を有していれば有利であると証明されている。その作動部分は例えば、本体から突き出た、特にステアリングホイールを中へ挿入できるハブ部分の円筒状空洞内へと伸びるラグの形状であってよい。ハブ部分の空洞内へのステアリングホイールの挿入中、かくして作動部分は、ステアリングホイール自体によって直接的に接触させられ、ロック要素を操作位置へと軸周りに回動させるように作動される。
【0030】
脚付バネの第1の脚は特に、作動部分に固定されるか、さもなければブロックバー自体に固定されてもよい。特に、脚付バネの第1の脚は、作動部分ないしブロックバーの孔の中に受け入れられ、それにより固定される。脚付バネの第2の脚は、今度は、例えばハブ部分の対応する孔の中に受け入れられて、ハブ部分に固定されてよい。
【0031】
位置固定構成要素に対するハブ部分の回転をロックすることは、特にロック要素のブロックバーが、取付位置において窪みの中へと係合し、かくして窪みを画定する壁とブロック動作を伴った相互作用をする、という事実によって可能とされる。当該窪みは、位置固定構成要素に形成されるのが好ましい。ロック要素が操作位置へと軸周りに回動されたならば、かくして、ハブ部分の回転運動が可能となるように、ブロックバーが窪みの外へ出される。そのような能動的なロック動作によって、特に信頼性のあるロックが保証されるのである。
【0032】
本発明による自動車両、特に乗用自動車両は、本発明による接続装置を備える。
【0033】
本発明による方法は、自動車両のステアリングコラム上へのステアリングホイールの取付けに役立つものである。ステアリングホイールへの、および/またはステアリングホイールからの電気的信号の伝達用の接続装置ないしステアリングコラム・モジュールにおける位置固定構成要素が、ステアリングコラム上へ位置固定式に配置され、接続装置のハブ部分が、位置固定構成要素上に回転可能に取り付けられ、そのハブ部分は、ステアリングホイールに対して回転結合的に接続される。ステアリングホイールへのハブ部分の接続中、特にステアリングコラム上へのステアリングホイールの軸線方向の取付け中に、接続装置の支承部分上へ可動に取り付けられたロック要素が、当該ロック要素のブロックバーが位置固定構成要素に対するハブ部分の回転を妨げる取付位置から、ハブ部分の回転を可能とする操作位置へと、バネ要素の弾発力に抗して動かされる。ステアリングホイールへのハブ部分の接続中に、ロック要素に対して可動に取り付けられたプランジャーがロック要素を操作位置へと移動させ、操作位置において、プランジャーによってロック要素がステアリングホイールから間隔を離された状態に保たれる。
【0034】
本発明による接続装置に関して提示された好適な実施形態およびそれらの利点は、本発明による自動車両および本発明による方法に対して同様に適用される。
【0035】
本発明の更なる諸特徴は、特許請求の範囲、図面、および各図の説明から現れることとなる。本明細書にて上述した全ての特徴、および特徴同士の組合わせ、並びに、各図の説明にて後述され、および/または図面のみに示された全ての特徴、および特徴同士の組合わせは、それぞれ明記された組合わせだけではなく、その他の組合わせで用いられたり、個別に用いられたりしてもよい。
【0036】
ここで本発明は、好適な例示的実施形態に基づいて、また添付図面を参照して、より詳細に検討されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】ロック要素が取付位置にある、本発明の実施形態による接続装置の一部位の概略的斜視図。
図2】ロック要素が操作位置にある、接続装置の概略的斜視図。
図3】取付位置から操作位置への移動順序がより詳細に検討されることとなる、接続装置の側面視および断面視の概略図。
図4】取付位置から操作位置への移動順序がより詳細に検討されることとなる、接続装置の側面視および断面視の概略図。
図5】取付位置から操作位置への移動順序がより詳細に検討されることとなる、接続装置の側面視および断面視の概略図。
図6】取付位置から操作位置への移動順序がより詳細に検討されることとなる、接続装置の側面視および断面視の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、本発明の実施形態による(全体として符号1で印す)接続装置の各部を示している。接続装置1は、ステアリングコラム・モジュールの形態であり、ハウジングの形態の位置固定構成要素2を備えている。その構成要素は、乗用自動車両内、具体的にはステアリングコラム上、ないしはステアリングコラムのハウジング上に位置固定的に取り付けられるように設計されている。ハブ部分3が、位置固定構成要素2上に回転可能に取り付けられている。ハブ部分3は、当該ハブ部分3の半径方向内周部5によって外側に対して半径方向に画定された円筒状空洞4を有している。ハブ部分3は、乗用自動車両のステアリングホイールに対して回転結合的に連結される。その場合、ステアリングホイール、より精確にはステアリングホイールのハブが、空洞4内へと軸線方向に挿入され、ここではシャフト上へと嵌合される。
【0039】
それ自体知られたやり方で、位置固定構成要素2内に平型渦巻バネが配置されている。そのバネは、ステアリングホイールと、車両内に位置固定的に配置された装置類との間での電気信号の伝達に役立つものである。当該平型渦巻バネは、端子類(図示せず)を通じてステアリングホイールに対して電気的に結合させることができる。
【0040】
ステアリングホイールが空洞4内へと挿入され、かくして完全に取り付けられる前には、ハブ部分3が位置固定構成要素2に対して回転できないことが保証されるべきである。この目的のために接続装置1は、全体として部分に分かれていない形態で、円柱状の本体7を有したロック要素6を備えている。その本体7からは、作動部分8と、それから隔てられてブロックバー9(図3から図6参照)とが、半径方向外側へ、かくして本体7の軸線に対して垂直に突き出ている。本体7は、ハブ部分3の回転の軸線に対して軸線方向に、受入部10内へと挿入されている。その受入部10は、ハブ部分3に形成され、(ハブ部分3の回転の軸線に対する)軸線方向の窪みの形態をしている。そして、当該本体は、その本体7の円柱縦軸線11(図3から図6参照)の周りで回動可能となるように、そこに取り付けられている。ここでは本体7は、受入部10内に滑動式に配置されている。本体7を受入部10内でしっかり保持できるようにするために、ハブ部分3は、ラグないし舌片の形態で、空洞4の方向を向いた弾性保持アーム12を有している。保持アーム12の自由端部13は、保持アーム12が本体7を受入部10内にしっかり保持するように、円柱状本体7の外周部に対して当たっている。かくして保持アーム12は、円柱状本体7の(円柱軸線11に対する)半径方向のしっかりした保持を保証する。保持アーム12の弾発作用のおかげで、ロック要素6は、非破壊式に解放可能であるように、かくして取り外すことができるように、受入部10内に取り付けられる。
【0041】
例示的な実施形態において、かくしてハブ部分3は、ロック要素6がその上に軸周り回動可能に取り付けられる支承部分としても機能するのである。
【0042】
バネ要素としての脚付バネ14が、円柱状本体7の周りに巻き付けられている。脚付バネ14の第1の脚15が、作動部分8に形成された孔16の中に固定されている。第1の脚15はかくして、作動部分8上に支持されている。脚付バネ14の第2の脚(図面にはそれ以上詳細には示さない)が、今度はハブ部分3に対して固定されている。
【0043】
ステアリングホイールのハブの、空洞4内への挿入中に、ロック要素6は、図1に示す取付位置から図2に示す操作位置へと、脚付バネ14の弾発力に抗して、図示の矢印Aに従って軸周りに回動する。
【0044】
ここで、取付位置はロック要素6の休止位置を成しており、その休止位置においては、位置固定構成要素2に形成された窪み17の中にブロックバー9が位置している。従って取付位置においては図3に示すように、ブロックバー9が、窪み17内へと係合し、かくして位置固定構成要素2に対するハブ部分3の回転運動を妨げる。ステアリングホイール・ハブの空洞4内への挿入中、ロック要素6は操作位置へと軸周りに回動させられる。その操作位置においては図6に示すように、ブロックバー9は、窪み17の外側に位置して、ハブ部分3の回転運動を可能とする。図6による操作位置において、ロック要素6は、弾発力で予荷重を加えられている。それは、ステアリングホイールの新品交換取外し後に、ロック要素6が再び取付位置へと自動的に移動するようにである。
【0045】
再び図1および図2を参照すると、接続装置1は更に、長く伸びた形状のプランジャー18を有している。そのプランジャー18は、案内部分19の区画内に配置され、その中に移動可能に取り付けられ、ないしは納められている。プランジャー18は、その広がりの主方向が実質的にハブ部分3の回転の軸線に沿った状態で伸びると共に、当該ハブ部分3の回転の軸線に沿って移動可能となるように案内部分19内に取り付けられている。ここで、プランジャー18は、ロック要素6に形成された貫通孔20を通って伸びている。ピン2を介して、プランジャー18は更に、ロック要素6上に関節連結されている。かくしてロック要素6は、プランジャー18に対して軸周りに回動することができる。ここで、ピン21は、プランジャー18に対して取り付けられ、ロック要素6の対応する開口内に配置されている。
【0046】
プランジャー18は、ハブ部分3の回転の軸線に対しての半径方向における運動の自由もある程度可能となるように、案内部分19内に取り付けられている。
【0047】
図3から図6は、ステアリングホイール(これは、全体として符号23で印され、破線によって図示されている)におけるハブ22の空洞4内への挿入中、如何にしてロック要素6が取付位置から操作位置へと移動させられるかを示している。ここで、ステアリングホイール23のハブ22は、自動車両のステアリングコラムにおけるシャフト24上へと嵌合される。図3では、図示の矢印25に従った軸線方向における、ステアリングコラム上へのステアリングホイール23の取付けプロセスが始まる。ロック要素6の作動部分8は、まだハブ22の正面側26から軸線方向に間隔を離されている。ステアリングホイール23が、図示の矢印25に従った軸線方向へ更に動かされると、図4に示すように、ロック要素6の作動部分8が、ハブ22の軸線方向正面側26によって作動させられると共に、その正面側26と接触させられる。ここで、プランジャー18の自由端部27は、まだステアリングホイール23から(具体的には、ハブ22の配置されているステアリングホイール・ポット形構造28から)軸線方向に間隔を離されている。
【0048】
ステアリングホイール23の軸線方向への更なる移動中、図5に示すように、プランジャー18の自由端部27がステアリングホイール・ポット形構造28と接触する。ステアリングホイール23は今や、プランジャー18を押し、プランジャー18を介してロック要素6をも更に操作位置の方向へ押す。ロック要素6の作動部分8は、ロック要素6(即ち作動部分8)がハブ22から軸線方向に間隔を離されるように、ハブ22の正面側26から遠ざかって動かされる。ステアリングホイール23が更に押されると、ロック要素6は、図6による、その操作位置に達する。その操作位置においては、作動部分8がハブ22から更に軸線方向に間隔を離され、プランジャー18がロック要素6を操作位置に保持する。ここで、プランジャー18は、ステアリングホイール・ポット形構造28の軸線方向面の表面と接触したままである。但し当該接触は、騒音の発生に関しては許容可能なものである。それは、ステアリングホイール・ポット形構造28の軸線方向面の表面は、ラッカー塗装したりコーティングしたりすることができるからである。更に、プランジャー18の自由端部27とステアリングホイール・ポット形構造28との間には点状の接触しか生じないし、プランジャー18の自由端部27上に鋲などを形成することによって、それを更に助長することもできるのである。
【0049】
図3から図6より見ることができるように、プランジャー18は(全体的には)シャフト24に沿って、かくしてハブ部分3の回転の軸線に対して軸線方向に動く。更に、プランジャー18の僅かな軸周りの回動運動も見ることができる。既に述べてきたように、プランジャー18は、半径方向にも、かくしてハブ部分3の回転の軸線に垂直にも僅かに可動となるように、案内部分19内に取り付けられている。それは、ロック要素6のハブ22から遠ざかる確実な軸周りの回動運動を可能とするためである。
【0050】
図4から図6より見ることができるように、プランジャー18は、回動軸線29について軸周り回動可能となるように、ロック要素6上に取り付けられ、ないしは関節連結されている。その回動軸線29は、円柱縦軸線11(ロック要素6の円柱状本体7は、この軸線11について軸周り回動可能に取り付けられる)に対して平行に配置されている。
【0051】
かくして追加的なプランジャー18を通じて、ロック要素6の作動部分8を、ステアリングホイール23のハブ22から比較的大きな距離だけ間隔を離された状態に保つことができる、ということが全体として達成されるのである。このようにして、ロック要素6とステアリングホイール23との間には何ら接触が生じないので、自動車両の運転中における騒音の発生を確実に防止することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6