(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6193496
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】光ファイバ式振動検出
(51)【国際特許分類】
G01V 9/00 20060101AFI20170828BHJP
【FI】
G01V9/00 E
【請求項の数】22
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-531607(P2016-531607)
(86)(22)【出願日】2014年5月28日
(65)【公表番号】特表2016-532108(P2016-532108A)
(43)【公表日】2016年10月13日
(86)【国際出願番号】US2014039711
(87)【国際公開番号】WO2015017011
(87)【国際公開日】20150205
【審査請求日】2016年3月3日
(31)【優先権主張番号】13/954,507
(32)【優先日】2013年7月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ロリンジャー,アンドリュー アール.
【審査官】
北川 創
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/076873(WO,A1)
【文献】
実開昭60−158127(JP,U)
【文献】
実開昭56−094934(JP,U)
【文献】
特開2010−216960(JP,A)
【文献】
実開平04−113033(JP,U)
【文献】
特開2008−020709(JP,A)
【文献】
米国特許第04414471(US,A)
【文献】
特表平09−511075(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0067118(US,A1)
【文献】
特表2001−503157(JP,A)
【文献】
特開2000−196565(JP,A)
【文献】
特開平08−084121(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0277720(US,A1)
【文献】
特開2007−263847(JP,A)
【文献】
特開2012−042231(JP,A)
【文献】
特開2010−237083(JP,A)
【文献】
特開2005−241431(JP,A)
【文献】
特開2011−027533(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 9/00
G01V 1/00
G01H 1/00
G01H 9/00
G08B 19/00 − 31/00
G01N 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光送信器により、振動センサによって変更される光信号を送信することと、
光受信器により、前記振動センサから前記光信号を受信することであり、該受信される光信号は、前記振動センサの振動に応じた変動を有する、受信することと
を有し、
前記光信号は、無線周波数(RF)信号を含み、
光学アセンブリが前記振動センサ及び複数の光ファイバを有し、前記光学アセンブリは、地下振動を検出するように構成され、且つ
前記振動センサは、前記光学アセンブリ内の2つの光ファイバの2つの端部を有し、前記2つの光ファイバの前記2つの端部は、間隙によって離隔され、前記2つの端部の少なくとも一方が、前記振動に応じて移動するように構成され、前記2つの端部の前記少なくとも一方の移動が、前記2つの端部間の位置ずれ及び前記光信号の減衰を生じさせる、
方法。
【請求項2】
前記光ファイバはシングルモードファイバを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記光ファイバは、劈開されたファイバを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記光受信器により受信された前記RF信号が閾値を満足するときに、警報を発すること、を更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記振動の振幅を、前記RF信号における振幅変化により監視すること、を更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記振動センサは、複数の異なる位置で振動を検出するように構成された前記光学アセンブリのリボンファイバに沿った複数の振動センサのうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記光送信器及び前記光受信器は、前記光学アセンブリを介して前記光送信器と前記光受信器との間に能動コンポーネントを接続することなく同じ場所に設置されている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
地下振動を検出するように構成された光学アセンブリであり、振動センサ及び複数の光ファイバを有する光学アセンブリと、
前記振動センサによって変更される光信号を送信するように構成された光送信器と、
前記振動センサから前記光信号を受信するように構成された光受信器であり、該受信される光信号は、前記振動センサの振動に応じた変動を有する、光受信器と
を有し、
前記光信号は、無線周波数(RF)信号を含み、且つ
前記振動センサは、前記光学アセンブリ内の2つの光ファイバの2つの端部を有し、前記2つの光ファイバの前記2つの端部は、間隙によって離隔され、前記2つの端部の少なくとも一方が、前記振動に応じて移動するように構成され、前記2つの端部の前記少なくとも一方の移動が、前記2つの端部間の位置ずれ及び前記光信号の減衰を生じさせるようにされている、
システム。
【請求項9】
前記光ファイバはシングルモードファイバを有する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記光ファイバは、劈開されたファイバを有する、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記光受信器により受信された前記RF信号が閾値を満足するとき、警報器が動作される、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記振動の振幅が、前記RF信号における振幅変化により監視される、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記振動センサは、複数の異なる位置で振動を検出するように構成された前記光学アセンブリのリボンファイバに沿った複数の振動センサのうちの1つである、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記光送信器及び前記光受信器は、前記光学アセンブリを介して前記光送信器と前記光受信器との間に能動コンポーネントを接続することなく同じ場所に設置されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
振動センサによって変更される光信号を送信するように構成された光送信器と、
前記振動センサから前記光信号を受信するように構成された光受信器であり、該受信される光信号は、前記振動センサの振動に応じた変動を有する、光受信器と
を有し、
前記光信号は、無線周波数(RF)信号を含み、
光学アセンブリが前記振動センサ及び複数の光ファイバを有し、前記光学アセンブリは、地下振動を検出するように構成され、且つ
前記振動センサは、前記光学アセンブリ内の2つの光ファイバの2つの端部を有し、前記2つの光ファイバの前記2つの端部は、間隙によって離隔され、前記2つの端部の少なくとも一方が、前記振動に応じて移動するように構成され、前記2つの端部の前記少なくとも一方の移動が、前記2つの端部間の位置ずれ及び前記光信号の減衰を生じさせる、
装置。
【請求項16】
前記光ファイバはシングルモードファイバを有する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記光ファイバは、劈開されたファイバを有する、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記光受信器により受信された前記RF信号が閾値を満足するとき、警報器が動作される、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記振動の振幅が、前記RF信号における振幅変化により監視される、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記振動センサは、複数の異なる位置で振動を検出するように構成された前記光学アセンブリのリボンファイバに沿った複数の振動センサのうちの1つである、請求項15に記載の装置。
【請求項21】
前記光送信器及び前記光受信器は、前記光学アセンブリを介して前記光送信器と前記光受信器との間に能動コンポーネントを接続することなく同じ場所に設置されている、請求項15に記載の装置。
【請求項22】
前記2つの光ファイバの前記2つの端部は、異なる長さの自由ファイバ端を表し、且つ異なる周波数で共振するように構成されている、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して振動検出に関し、より具体的には光学機器を用いた振動検出に関する。
【背景技術】
【0002】
境界を越えて気付かれずに武器、禁制品及び人間をこっそり運ぶために地下トンネルが使用され得る。トンネルを掘る活動の検出を用いて、安全な境界の助けとすることができる。トンネル掘り及び関連活動を検出するために監視すべき土地が広大であることにより、トンネル堀りの検出には障害がある。
【発明の概要】
【0003】
振動センサシステムの方法が提供される。当該方法は、光送信器により、振動センサによって変更される光信号を送信することを有する。当該方法は、光受信器により、振動センサからの光信号を受信することを有し、この光信号は、振動センサの振動に応じた変動を有する。光信号は、無線周波数(RF)信号を含んでいる。上記振動センサを、地下振動を検出するように構成された光学アセンブリが有する。
【0004】
振動を測定するシステムが提供される。当該システムは、当該システムは、光送信器及び光受信器を有する。光送信器は、振動センサによって変更される光信号を送信するように構成される。光受信器は、振動センサからの光信号を受信するように構成され、この光信号は、振動センサの振動に応じた変動を有する。光信号は、無線周波数(RF)信号を含んでいる。上記振動センサを、地下振動を検出するように構成された光学アセンブリが有する。
【0005】
振動を検出する装置が提供される。当該装置は、光送信器及び光受信器を有する。光送信器は、振動センサによって変更される光信号を送信するように構成される。光受信器は、振動センサからの光信号を受信するように構成され、この光信号は、振動センサの振動に応じた変動を有する。光信号は、無線周波数(RF)信号を含んでいる。上記振動センサを、地下振動を検出するように構成された光学アセンブリが有する。
【0006】
具体的な利点を以上にて挙げたが、様々な実施形態は、ここに挙げた利点の全て又は一部を含むこともあるし、これらの利点を含まないこともある。また、以下の図面及び説明のレビュー後、他の技術的利点がただちに当業者に明らかになるであろう。
【0007】
以下の詳細な説明に取り掛かる前に、本特許文献の全体を通して使用される一定の用語及びフレーズの定義を説明しておくことが有益となり得る。用語“含む”及び“有する”、並びにこれらの派生語は、限定なしで含むことを意味し、用語“又は”は、及び/又はの意味を含み、フレーズ“関連する”及び“それと関連する”、並びにこれらの派生語は、含む、その中に含まれる、収容する、その中に収容される、それに若しくはそれと接続する、それに若しくはそれと結合する、それと通信可能である、それと協働する、インターリーブする、隣り合う、それに近接する、それに若しくはそれと結び付けられる、持つ、その特性を持つ、又はこれらに類するものを意味することがあり、用語“コントローラ”は、少なくとも1つの動作を制御する如何なる装置、システム又はその一部をも意味し、そのような装置は、ハードウェア、ファームウェア若しくはソフトウェア、又はこれらのうちの少なくとも2つの組み合わせにて実装され得る。なお、特定のコントローラに関連する機能は、ローカルにであろうとリモートにであろうと、中央化されてもよいし分散されてもよい。特定の用語及びフレーズの定義が本特許文献のいたるところで与えられるが、当業者が理解するように、殆どではないにしても、それらの定義の多くは、そのように定義された単語及びフレーズの先の使用及び後の使用にも当てはまる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下、本開示及びその利点の更に完全なる理解のため、以下の説明を添付の図面とともに参照する。図面において、似通った参照符号は同様の部分を表している。
【
図1】開示の一実施形態に従った振動検出システムを示している。
【
図2】開示の一実施形態に従った振動検出システムを示している。
【
図3】開示の一実施形態に従った振動検出システムの単一のチャンネルを示している。
【
図4】開示の一実施形態に従った振動検出器を示している。
【
図5】開示の一実施形態に従った振動検出器を示している。
【
図6】開示の一実施形態に従った振動検出システムのフロー図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
最初に理解されるべきことには、実施形態例が以下に示されるが、本発明は、現在知られていようといなかろうと、多くの技術を用いて実装され得る。本発明は決して、以下に示される実施形態例、図面及び技術に限定されるべきでない。また、図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【0010】
図1は、開示の一実施形態に従った振動検出システムを示している。
図1に示される実施形態は、単に例示のためのものである。この開示の範囲を逸脱することなく、他の実施形態も使用され得る。
【0011】
環境100は、フェンス126、地盤122、及びトンネル掘り検出システム102を含んでいる。環境100は、国境、土地の区画の境界線、及びこれらに類するものとし得る。環境100は、境界や境界線に限られず、土地若しくは領土の如何なる部分又は広がりをも有し得る。
【0012】
フェンス126は、例えば国境又は土地の区画間の境界線などの境界を横切っての移動を制限するための独立構造とすることができる。フェンス126の下方に配置されているように図示されているが、光学アセンブリ106は、フェンスの有無にかかわらず、任意の広がりの土地にわたって配置されることができる。
【0013】
地盤122はトンネル124を有している。トンネル124に関する活動が、振動検出システム102によって検出される。トンネル124に関する活動は、以下に限られないが、構築すること、維持管理すること、使用すること、及びこれらに類することを含む。
【0014】
振動検出システム102は、フェンス126の下方の地盤122内でのトンネル124に関する活動を検出する。この構成にてトンネル活動を検出するとして説明されるが、振動検出システム102は、他の構成にて他の地下活動を検出してもよい。
【0015】
振動検出システム102は、光送受信器104と、光学アセンブリ106とを有している。光送受信器104は、レーザを含み得るものである光送信器128と、フォトダイオードを含み得るものである光受信器130とを有している。光送受信器104は、光学アセンブリ106を介して1つ以上の光信号の送信及び受信を行う。一緒に示されているが、特定の実施形態は、光送信器128と光受信器130とを相異なる位置に有することができる。光送信器128は、振動センサ108乃至118により変更される原(オリジナル)光信号を送る。光受信器130は、変更された光信号を振動センサ108乃至118から受け取る。
【0016】
光学アセンブリ106は、受動的な光カプラ120、振動センサ108乃至118、及び1つ以上の光ファイバを有している。光学アセンブリ106は、能動的な光コンポーネントを有していない。光学アセンブリ106は、光送受信器104、光カプラ120、及び振動センサ108乃至118の間で光信号を搬送する1つ以上のシングルモードファイバ(SMF)を有している。単一の光ファイバが、光送信器128のレーザからのオリジナル光信号を光カプラ120へと搬送し得る。1つ以上の光ファイバが、光カプラ120からの光信号を、振動センサ108乃至118を介して、光受信器130の1つ以上のフォトダイオードへと搬送し得る。
【0017】
光カプラ120は、入来する光信号を、1つ以上の光ファイバによって搬送される複数の光信号へと分離する光スプリッタを有する受動コンポーネントである。光カプラ120は、光送信器128からの光信号を受け取り、オリジナル信号を複数の信号へと分離し、そして、該複数の信号を振動センサ108乃至118のうちの1つ以上へと送る。
【0018】
振動センサ108乃至118は各々、光ファイバの発振を介して振動を検出するように構成された一組のフェルール又はV字溝ブロックを有する。振動センサ108乃至118は各々、入力信号を変更して、振動センサの動き又は振動に基づいて変動する変更された出力信号を生成する。変動を有するこの出力信号が、光学アセンブリ106を介して光受信器130に送られ、それによって受信される。光信号の変動は、フェンス126の下方の地盤122内でのトンネル124に関する活動を振動検出システム102が検出することを可能にする。
【0019】
図2は、開示の一実施形態に従った振動検出システム200を示している。
図2に示される実施形態は、単に例示のためのものである。この開示の範囲を逸脱することなく、他の実施形態も使用され得る。
【0020】
振動検出システム200は、
図1の振動検出システム102の一実施形態とし得る。振動検出システム200は、光送信器202と、光受信器204と、光学アセンブリ226とを有している。光送信器202及び光受信器204は、光送信器202と光受信器204との間に光学アセンブリ226を介して能動コンポーネントを接続することなく、中央設備に共同設置される。
【0021】
光送信器202はレーザを含み、このレーザの出力信号は、1つ以上の無線周波数(RF)信号入力に基づいて変調される。1つ以上のRF信号を含んだレーザの出力が、光学アセンブリ226の光ファイバ210によって伝送される。光送信器202は、光信号を提供するために、これらの波長に限定されないが例えば1310又は1550ナノメートル(nm)の波長をもつレーザなど、如何なる好適なレーザを有していてもよい。特定の実施形態は、光送信器202の一部として複数の光送信器を含むことができ、それは、より大型の設備にとって有利である。特定の実施形態は、複数のレーザ波長の使用を含み得る。
【0022】
振動検出システム200の特定の実施形態は、RF信号入力に基づいて変調を行うことなく、レーザの出力信号を使用する。RF信号なしでは、光パワーのみが測定される。
【0023】
光受信器204は、1つ以上のチャンネルを含んでいる。これらのチャンネルは、フォトダイオードを各々が含むそれぞれの受信器206乃至208を含んでいる。受信器206乃至208の各々のフォトダイオードが、振動センサ222のうちの1つからの信号に相当するものである光ファイバ212乃至214のうちの1つからの出力信号を受け取る。
【0024】
光学アセンブリ226は、光ファイバ210−214、218及び224と、マルチ光ファイバケーブル216と、光スプリッタ220と、振動センサ222とを有している。光学アセンブリ226は、地面の下に埋め込まれるように構成される。特定の実施形態は、光学アセンブリ226を地下に埋めることなく、杭で地面に結合された地面上の光学アセンブリ226を有することができる。光学アセンブリ226は、光送信器202から少なくとも1つの光信号を受け取り、少なくとも1つの光信号を土地の広がりに沿って光スプリッタ220及び振動センサ222を介して経路付け、そして、該土地の広がりに沿った振動及び活動を検出するよう、振動センサ222により変更された光信号を光受信器204へと送るように構成される。
【0025】
光ファイバ210−214、218及び224は、光学アセンブリ226の受動コンポーネントを例えば光送信器202及び光受信器204などの能動コンポーネントに接続するシングルモードファイバである。シングルモードファイバ(SMF)の使用は、数百マイル又は数百キロメートルに及び得る長距離据え付けを可能にする。シングルモードファイバは、ファイバ結合間の位置ずれ(ミスアライメント)に非常に敏感である。
【0026】
マルチ光ファイバケーブル216は、複数の振動センサ222のいっそう容易な配備を可能にするように構成された、光ファイバ210−214、218及び224の少なくとも一部の集合体である。マルチ光ファイバケーブル216は、マルチ光ファイバケーブル216の長さに沿った様々な位置で振動を検出するようにマルチ光ファイバケーブル216に沿って分布された複数の振動センサ222を備えた、光ファイバ210−214、218及び224を有するリボンファイバとし得る。特定の実施形態は、リボンファイバを複数の別々のファイバの撚糸で置き換えることができる。
【0027】
光スプリッタ220は、入来する光信号を、光ファイバ224によって搬送される複数の光信号へと分離するように構成された受動コンポーネントである。光スプリッタ220は、光送信器202からのオリジナル信号を光ファイバ218を介して受け取り、オリジナル信号を複数の信号へと分離し、そして、該複数の信号を光ファイバ224を介して振動センサ222へと送る。
【0028】
振動センサ222は各々、光ファイバの発振を介して振動を検出するように構成された一組のフェルール又はV字溝ブロックを有する。振動センサ222は各々、入力信号を変更して、振動センサの振動に基づいて変動する出力信号を生成する。変動を有するこの出力信号が、光ファイバ212−214及び224を介して光受信器204に送られ、それによって受信される。光信号の変動は、地下トンネルに関する活動に関係する地下振動を振動検出システム200が検出することを可能にする。
【0029】
図3は、開示の一実施形態に従った振動検出システムの単一のチャンネル318を示している。
図3に示される実施形態は、単に例示のためのものである。この開示の範囲を逸脱することなく、他の実施形態も使用され得る。
【0030】
チャンネル318は、
図1の振動検出システム102及び
図2の振動検出システム200のチャンネルの一実施形態である。チャンネル318は、光送信器300と、光学アセンブリ320と、光受信器310とを有している。チャンネル318は、振動検出器306を介して地下振動を検出する。
【0031】
光送信器300はダイオードレーザ302を有している。ダイオードレーザ302は、RF信号で変調された光信号を、振動検出器306によって変更されるよう、光ファイバ304に送り込む。
【0032】
光学アセンブリ320は、光ファイバ304と、振動検出器306と、光ファイバ308とを有している。光学アセンブリ320は、光送信器300からの光信号を光ファイバ304を介して受け取り、該光信号を振動検出器306によって検出される振動に基づいて変更し、そして、変更された光信号を光ファイバ308を介して光受信器310へと送る。
【0033】
光ファイバ304及び308は、長距離にわたる配備に好適なシングルモード光ファイバである。光ファイバ304及び308の各々の図示におけるループは、当該ファイバが数百マイル又は数百キロメートルのオーダーで極めて長いものであり得ることを指し示しており、それ故に、振動検出器306は、光送信器300及び光受信器310を有する中央設備から非常に遠く離して配置されることができる。
【0034】
振動検出器306は、V字溝ブロックとして例示されている。振動検出器306は、振動検出器306内にある光ファイバ304及び308各々の支持なしのファイバ端の振動を介して振動を検出する。振動検出器306への小さい振動が、支持のないファイバ端同士の位置ずれを生じさせて、光受信器310によって受信及び検出されることが可能な光パワー変動をもたらす。
【0035】
光受信器310は、フォトダイオード312と、増幅器314と、抵抗316とを有している。光受信器310は、振動検出器306を介して送られた変更された光信号を受け取り、該変更された光信号を、変更されたRF信号へと変換する。変更されたRF信号は、オリジナルRF信号の変更版であり、変更されたRF信号の変更は、振動検出器306によって受けられた振動に基づく。光学アセンブリ320によって光信号を介してRF信号を送ることは、フォトダイオード上でのRF信号の二乗検波により、フォトダイオードを2倍も高感度にする。オリジナルRF信号はクロック信号とすることができる。
【0036】
特定の実施形態は、閾値検出を含み得る。変更されたRF信号が或る特定の閾値を満足するとき、有意な振動が検出されたことを指し示すように警報器がトリガーされる。変更されたRF信号の振幅変化を検知することによって振動振幅を監視するように、より洗練された回路を実装することができる。これはまた、地震を監視することや地盤内での波の伝播を研究することにも使用され得る。より多数のセンサを使用することは、地中撮影のためのエコーロケーション技術の使用をも可能にし得る。
【0037】
特定の実施形態は、各光ファイバ上に複数の振動センサを有することができる。各振動センサを異なる共振周波数に合わせることによって、同じ光ファイバ上の異なる振動センサからの変動を区別することができる。
【0038】
図4は、開示の一実施形態に従った振動検出器400を示している。
図4に示される実施形態は、単に例示のためのものである。この開示の範囲を逸脱することなく、他の実施形態も使用され得る。
【0039】
振動検出器400は、スリーブ(軸ざや)408、並びに光ファイバ402及び422がその中を通る一組の位置合わせ(アライメント)されたフェルール406及び418、として具現化されている受動素子である。振動検出器400は、例えば光ファイバ402などの第1のファイバを介した光信号を変更し、変更された光信号を、例えば光ファイバ422などの第2のファイバを介して送る。ここで、光信号は、振動検出器400によって検出される動き又は振動に基づいて変更される。
【0040】
スリーブ408は、フェルール406及び418を収容し、空間410を有し、且つ例えばセラミックなどの何らかの好適材料から製造される。スリーブ408は、光ファイバ402及び422の固定及び位置合わせを行うように、フェルール406及び418の固定及び位置合わせを行う。
【0041】
空間410は、スリーブ408内、且つフェルール406と418との間にある。空間410は、光ファイバ402及び422の端部412及び416が、振動検出器400の動き又は振動に基づいて動いたり振動したりすることを可能にする。
【0042】
フェルール406及び418は各々、例えば光ファイバ402及び422などの光ファイバを通すことができる孔を有している。フェルール406及び418は、例えばセラミック、ガラス、又は金属などの好適材料で製造され、セラミック又はガラスは、フェルール406及び418の各々内に収容されるファイバの熱膨張係数と実質的に同等の熱膨張係数を有するように選定され得る。フェルール406及び418は、光ファイバ402及び422の固定及び位置合わせを行うとともに、スリーブ408からの応力が光ファイバ402及び422に影響を及ぼすことを防止するのに十分な剛性を提供する。フェルール406及び418は、光ファイバ402及び422の互いに対する移動を防止する。
【0043】
光ファイバ402及び422は、シングルモードファイバであり、端部412及び416と部分404及び420とを有している。光ファイバ402及び422は、非常に長距離にわたる光信号の伝送を可能にする。
【0044】
端部412と416は、距離414だけ離隔されている。端部412と416との離隔は、振動検出器400の動き及び振動に応答して端部412及び416が動くときに、光ファイバ402と422との間の位置ずれを可能にする。光ファイバ402と422との間の位置ずれは、光ファイバ402及び422を通されている入力信号を減衰させ、その減衰量は、光ファイバ402と422との間の位置ずれに比例するとともに、振動検出器400の動き又は振動に比例する。端部412及び416は、同等の共振周波数を有するように同じ長さである。端部412及び416は、距離414だけ離間された光ファイバ402及び422を形成するように単一の光ファイバを切断又は劈開することによって形成されることができ、劈開されたファイバの動きが、光ファイバ同士の位置ずれに基づいて光信号を減衰及び変更させる揺動を提供する。特定の実施形態は、劈開されたファイバを、レーザ切断されたファイバや、テーパー形状にされたファイバや、レンズ化されたファイバ先端で置き換えることができる。
【0045】
距離414は、端部412と416との間の物理的な距離である。距離414は、光ファイバ402及び422の端部412及び416が自由に動いたり振動したりすることを可能にする。距離414は、可能な限り小さくし得るが、端部412及び416が動いたり振動したりするときに互いに接触しないのに十分な大きさである。
【0046】
特定の実施形態は、端部412及び416を相異なる周波数で共振するように相異なる長さのものにし得る。異なる長さ及び共振周波数を使用することは、振動検出器400の動き及び振動についての更なる情報を捕捉することを可能にする。
【0047】
特定の実施形態は、端部412及び416のうちの第1のものをそのフェルールから外に特定の長さだけ延在させるとともに、端部412及び416のうちの第2のものをそのフェルールから外に延在させず、それにより端部412及び416のうちの第1のものだけが自由に動いたり振動したりするようにし得る。一方の端部だけを振動させることは、少なくとも空間410を小さくすることによって振動検出器400の全体サイズを縮小させることを可能にする。
【0048】
図5は、開示の一実施形態に従った振動検出器500を示している。
図5に示される実施形態は、単に例示のためのものである。この開示の範囲を逸脱することなく、他の実施形態も使用され得る。
【0049】
振動検出器500は、光ファイバ502及び514がそれを通る支持部材506を有するV字溝ブロックとして具現化されている受動素子である。振動検出器500は、例えば光ファイバ502などの第1のファイバを介した光信号を変更し、変更された光信号を、例えば光ファイバ514などの第2のファイバを介して送る。ここで、光信号は、振動検出器500によって検出される振動に基づいて変更される。
【0050】
支持部材506は、光ファイバ502及び514用のV字形状の溝(V字溝)508及び518を有している。支持部材506は、例えばシリコーン、ガラス、セラミック、又は金属などの好適材料で製造され、シリコーン、ガラス、又はセラミックは、V字溝508及び518の各々内に収容されるファイバの熱膨張係数と実質的に同等の熱膨張係数を有するように選定され得る。支持部材506は、光ファイバ502及び514の固定及び位置合わせを行う。支持部材506は、光ファイバ502及び514の互いに対する移動を防止する。
【0051】
光ファイバ502及び514は、シングルモードファイバであり、端部510及び520と部分504及び516とを有している。光ファイバ502及び514は、非常に長距離にわたる光信号の伝送を可能にする。
【0052】
端部510と520は、距離512だけ離隔されている。端部510と520との離隔は、振動検出器500の動き又は振動に応答して端部510及び520が動くときに、光ファイバ502と514との間の位置ずれを可能にする。光ファイバ502と514との間の位置ずれは、光ファイバ502及び514を通されている入力信号を減衰させ、その減衰量は、光ファイバ502と514との間の位置ずれに比例するとともに、振動検出器500の動き又は振動に比例する。端部510及び520は、同等の共振周波数を有するように同じ長さである。端部510及び520は、距離512だけ離間された光ファイバ502及び514を形成するように単一の光ファイバを切断又は劈開することによって形成されることができ、劈開されたファイバの動きが、光ファイバ同士の位置ずれに基づいて光信号を減衰及び変更させる揺動を提供する。
【0053】
距離512は、端部510と520との間の物理的な距離である。距離512は、光ファイバ502及び514の端部510及び520が自由に動いたり振動したりすることを可能にする。距離512は、可能な限り小さくし得るが、端部510及び520が動いたり振動したりするときに互いに接触しないのに十分な大きさである。
【0054】
特定の実施形態は、端部510及び520を相異なる周波数で共振するように相異なる長さのものにし得る。異なる長さ及び共振周波数を使用することは、振動検出器500の動き及び振動についての更なる情報を捕捉することを可能にする。
【0055】
特定の実施形態は、端部510及び520のうちの第1のものをそのV字溝から外に特定の長さだけ延在させるとともに、端部510及び520のうちの第2のものをそのV字溝から外に延在させず、それにより端部510及び520のうちの第1のものだけが自由に動いたり振動したりするようにし得る。一方の端部だけを振動させることは、振動検出器500の全体サイズを縮小させることを可能にする。
【0056】
図6は、開示の一実施形態に従った振動検出システムのフロー図を示している。このフロー図は一連の順次ステップを示しているが、明示的に述べない限り、具体的な実行順序、同時若しくは重なり合うようにではない順次でのそのステップ若しくは部分の実行、又は専ら介在ステップ若しくは中間ステップの発生なしで示されるステップの実行に関する如何なる推測も、このシーケンスから引き出されない。示されるプロセスは、例えば、振動検出システムにて実行されることができる。
【0057】
602にて、光送信器によって光信号が生成される。光信号は、レーザによって生成されることができ、また、RF信号と結合されることができる。
【0058】
604にて、光送信器から振動検出器に光信号が伝送される。光信号はRF信号を含むことができ、光送信器はレーザを有することができる。
【0059】
606にて、振動検出器にて光信号が変更される。振動検出器は、動き及び振動に敏感な光ファイバの自由振動端を有する一組のフェルール又はV字溝ブロックとして具現化されることができる。振動検出器内での光ファイバの動き又は振動は、光信号を減衰あるいは変更させるように光ファイバの位置ずれを生じさせる。光信号の減衰及び変更は、光ファイバの動き及び振動の量に比例するとともに、振動検出器の動き及び振動に比例する。
【0060】
608にて、光ファイバを介して光信号が伝送される。光信号は、光送信器から、光信号を変更する振動検出器を介して、変更された光信号を受け取る光受信器へと伝送される。
【0061】
610にて、振動検出器からの変更された光信号が、光受信器にて受け取られる。光受信器は、フォトダイオードを有しており、光信号を検出して、光信号とともに含められたRF信号を復元する。
【0062】
ここに記載されたシステム、装置及び方法には、本発明の範囲を逸脱することなく、変更、付加又は省略が為され得る。システム及び装置の構成要素は、集積されてもよいし、別々であってもよい。また、システム及び装置の動作は、より多数の、より少数の、あるいはその他の構成要素によって実行されてもよい。方法は、より多数の、より少数の、あるいはその他のステップを含んでもよい。さらに、ステップ群は如何なる好適順序で実行されてもよい。この文書で使用されるとき、“各”は、セットの各メンバー、又はセットのサブセットの各メンバーを意味する。
【0063】
パテントオフィス及び本願に対して発行される特許の読者がここに添付のクレームを解釈する際の助けとすべく、出願人が言及しておきたいことには、“する手段”又は“するステップ”なる語が特定のクレーム中で明示的に使用されない限り、添付のクレーム又はクレーム要素の何れかが、それが本願の出願日に存在しているとして35U.S.C.第112節の段落6を行使することを、出願人は意図していない。