(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記信号送信部が、所定のホッピングパターンに従ってD2D信号の再送を行う場合に、前記リソース選択部は、初回の送信及び再送において前記複数のD2D信号が同一の時間リソースで送信されないように前記無線リソースを選択する
ことを特徴とする請求項1に記載のユーザ装置。
前記信号送信部が、所定のホッピングパターンに従ってD2D信号の再送を行う場合に、前記リソース選択部は、初回の送信及び再送において、前記複数のD2D信号が同一の時間リソースにおける不連続の複数の周波数リソースを用いて送信されないように前記無線リソースを選択する
ことを特徴とする請求項3に記載のユーザ装置。
前記所定のリソースプールは、周波数多重された複数のリソースプールであり、前記リソース選択部は、前記複数のD2D信号に対する無線リソースを、異なる複数のリソースプールから選択する
ことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載のユーザ装置。
【背景技術】
【0002】
現状のLTE等の移動体通信システムでは、ユーザ装置UEと基地局eNBが通信を行うことにより基地局eNB等を介してユーザ装置UE間で通信を行うことが一般的であるが、近年、ユーザ装置UE間で直接に通信を行うD2D通信(以降、"D2D"と呼ぶ)についての種々の技術が提案されている。
【0003】
特に、LTEにおけるD2Dでは、ユーザ装置UE間でプッシュ通話等のデータ通信を行う「Communication(コミュニケーション)」と、ユーザ装置UEが、自身のIDやアプリケーションID等を含む発見信号(discovery signal)を送信することで、受信側のユーザ装置UEに送信側のユーザ装置UEの検出を行わせる「Discovery(発見)」が提案されている(非特許文献1参照)。なお、Communicationは、例えば、Public safety(警察・消防無線など)への適用が想定されている。
【0004】
LTEで規定されるD2Dでは、各ユーザ装置UEは、ユーザ装置UEから基地局eNBへの上り信号送信のリソースとして既に規定されている上りリソースの一部を利用することが提案されている。また、D2Dで使用するリソースの割り当てにおいては、基地局eNBからのアシストがなされることも提案されている。以下、現状で提案されているLTEのD2Dの送信のためのリソース割り当ての概要を説明する(非特許文献1参照)。
【0005】
「Discovery」については、
図1Aに示すように、Discovery period毎に、Discovery信号用のリソースプールが確保され、ユーザ装置UEはそのリソースプール内でDiscovery信号を送信する。より詳細にはType1、Type2a、Type2bがある。Type1では、ユーザ装置UEが自律的にリソースプールから送信リソースを選択する。Type2aでは、(E)PDCCHによりダイナミックにリソースプール内の特定のリソースが割り当てられる。Type2bでは、上位レイヤシグナリング(例えばRRC信号)により準静的なリソースが割り当てられる。
【0006】
「Communication」についても、
図1Bに示すように、SA/Data送信用リソースが周期的に確保されることが検討されている。SAはScheduling Assignmentの略であり、送信側のユーザ装置はSAリソースプールから選択されたリソースでData送信用リソースを受信側に通知し、当該Data送信用リソースでDataを送信する。このリソース通知の信号のことをSAと呼んでもよい。「Communication」について、より詳細には、Mode1とMode2がある。Mode1では、基地局eNBからユーザ装置UEに送られる(E)PDCCHによりダイナミックにリソースが割り当てられる。また、(E)PDCCHの割り当てにおいては、準静的なリソース割り当て(SPS: Semi−persistent scheduling)も提案されている。Mode2では、ユーザ装置UEはSAリソースプールから自律的に送信リソースを選択する。
【0007】
図1Cは、D2DのリソースプールがWANのリソースとFDM/TDMにより多重される例をより具体的に示すものである。
図1Cに示すD2DSS(D2D Synchronization Signal)は同期信号である。
【0008】
D2Dにおいて、複数セッションのCommunication、及び複数Discoveryメッセージの送信が検討されている。
【0009】
図2Aに示すように、SAにはL1 ID(宛先のID、送信元のID等)が含まれており、受信側ユーザ装置UEはこのIDに基づいてDataの受信フィルタリングを行うことが想定されている。図示の例では、受信側ユーザ装置UEのID=Bであり、当該ユーザ装置UEは宛先ID=BのSAと、当該SAで割り当てられたリソースで送信されるデータを受信する。また、ID=Bを送信元IDと解釈してもよい。
【0010】
IDに基づいて受信フィルタリングを行うため、異なるグループ・UEに対するD2D communicationでは送信側のユーザ装置UEは複数のSA/Dataを送信することができる。以降、SA/Dataによる通信をセッションと呼ぶ。
【0011】
「Discovery」に関しては、アプリケーションに紐付いたUEの発見をサポートするため、アプリケーション毎に異なる複数のDiscoveryメッセージを送信するケースが想定される。
図2Bに示す例では、ユーザ装置UEから、アプリケーションA用のDiscoveryメッセージと、アプリケーションB用のDiscoveryメッセージが送信されることが示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
同一リソースプールを用いて複数セッションのSA/Dataや複数Discoveryメッセージを同時送信する場合、以下に示す課題がある。なお、以下では、SA/Data、Discoveryメッセージ等の信号を「D2D信号」と総称する場合がある。また、ここでの「同時」とは、例えばリソースプール内で複数のD2D信号を送信することを意味し、同一サブフレーム(同一時間リソース)で複数D2D信号を送信する等の厳密な意味での同時に限られない。
【0014】
D2D信号の送信方式としては、Communication/DiscoveryともにPUSCHベースのシングルキャリア送信方式(例:SC−FDMA)を用いることが想定されている。当該シングルキャリア送信方式では、同一時間リソースで使用する周波数リソースが周波数方向に不連続に割り当てられた場合、PAPRが増大してしまうという問題があることから、基本的には、同一時間リソースで使用する周波数リソースは周波数方向に連続的に割り当てる必要がある。
【0015】
しかし、D2Dでは、SAやDiscovery等において所定のホッピングパターンに従って時間・周波数ホッピングを行うことが想定されていることから、例えばユーザ装置UEが、複数D2D信号の初回送信のために連続リソースを選択したとしても時間・周波数ホッピングにより不連続リソース割り当てが生じる可能性がある。つまり、
図3Aに示すように、2つのD2D信号の送信のために連続リソースを選択したとしても、ホッピング後に不連続リソースになる場合が生じ得る。
【0016】
また、複数のD2D信号を送信するために同一時間リソース内のリソース(PRB等)数が増加することで、送信電力密度が低下するという問題もある。すなわち、
図3Bに示すように、2つのリソースを用いることで、1つのリソースを用いる場合に比べて送信電力密度が低下してしまう。これは、D2D信号間で優先度が異なる場合に、より大きな問題となる可能性がある。
【0017】
更に、
図3Cに示すように、同一時間リソース内で異なる送信電力のD2D信号が多重される場合において、D2D信号間の電力差が大きい場合、低電力側のD2D信号のSINR劣化が生じるという問題がある。これは、In−band emission、送受RFのダイナミックレンジ等に起因するものである。
【0018】
上記の同時送信時に発生し得る問題は、リソースプール内でのリソース選択に限らず、リソースプールが周波数多重された場合にもリソースプール間で同様の問題が生じ得る。
【0019】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ユーザ装置が複数D2D信号の同時送信を適切に行うことを可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の実施の形態によれば、D2D通信をサポートする移動通信システムにおいて使用されるユーザ装置であって、
複数のD2D信号を送信する信号送信部と、
前記複数のD2D信号を送信するための時間リソースと周波数リソースとを有する無線リソースを、所定のリソースプールから選択するリソース選択部と、を備え、
前記リソース選択部は、前記複数のD2D信号が同一の時間リソースで送信されないように前記無線リソースを選択するユーザ装置が提供される。
【0021】
また、本発明の実施の形態によれば、D2D通信をサポートする移動通信システムにおいて使用されるユーザ装置であって、
複数のD2D信号を送信する信号送信部と、
前記複数のD2D信号を送信するための時間リソースと周波数リソースとを有する無線リソースを、所定のリソースプールから選択するリソース選択部と、を備え、
前記リソース選択部は、前記複数のD2D信号が同一の時間リソースにおけ
る連続する複数の周波数リソースを用いて送信さ
れるように前記無線リソースを選択する
ことを特徴とするユーザ装置が提供される。
【0022】
また、本発明の実施の形態によれば、D2D通信をサポートする移動通信システムにおいて使用されるユーザ装置が実行するリソース選択方法であって、
複数のD2D信号を送信するための時間リソースと周波数リソースとを有する無線リソースを、所定のリソースプールから選択するリソース選択ステップと、
前記リソース選択ステップにより選択された前記無線リソースを用いて前記複数のD2D信号を送信する信号送信ステップと、を備え、
前記リソース選択ステップにおいて、前記ユーザ装置は、前記複数のD2D信号が同一の時間リソースで送信されないように前記無線リソースを選択するリソース選択方法が提供される。
【0023】
また、本発明の実施の形態によれば、D2D通信をサポートする移動通信システムにおいて使用されるユーザ装置が実行するリソース選択方法であって、
複数のD2D信号を送信するための時間リソースと周波数リソースとを有する無線リソースを、所定のリソースプールから選択するリソース選択ステップと、
前記リソース選択ステップにより選択された前記無線リソースを用いて前記複数のD2D信号を送信する信号送信ステップと、を備え、
前記リソース選択ステップにおいて、前記ユーザ装置は、前記複数のD2D信号が同一の時間リソースにおけ
る連続する複数の周波数リソースを用いて送信さ
れるように前記無線リソースを選択する
ことを特徴とするリソース選択方法が提供される。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施の形態によれば、ユーザ装置は複数D2D信号の同時送信を適切に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。例えば、本実施の形態に係る移動通信システムはLTEに準拠した方式のシステムを想定しているが、本発明はLTEに限定されるわけではなく、他の方式にも適用可能である。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「LTE」は、3GPPのリリース8、又は9に対応する通信方式のみならず、3GPPのリリース10、11、又は12もしくはそれ以降に対応する通信方式も含み得る広い意味で使用する。また、以下の説明では、同時送信する複数D2D信号の例として2つのD2D信号を示しているが、同時送信するD2D信号の数は3つ以上でもよい。
【0027】
(システム構成)
図4は、本発明の実施の形態(各実施例に共通)における移動通信システムの構成例を示す図である。
図4に示すように、本実施の形態における通信システムは、基地局eNBの配下にユーザ装置UE1、UE2が存在するセルラー通信システムである。ユーザ装置UE1、UE2はそれぞれD2D通信機能を有しており、ユーザ装置UE1、UE2間でD2D通信を行うことが可能である。また、ユーザ装置UE1、UE2はそれぞれ基地局eNBとの間で通常のセルラー通信を行うことが可能であるとともに、基地局eNBからD2D通信用のリソース割り当てを受けることができる。
【0028】
図4は、ユーザ装置UE1、UE2が基地局eNBのカバレッジ内にあることを示しているが、これは一例であり、本発明は、ユーザ装置UEが基地局eNBのカバレッジ外にあっても実施可能である。以下では、ユーザ装置UE1、UE2を総称してユーザ装置UEと記述する。
【0029】
本実施の形態では、ユーザ装置UEが同時に複数セッションのSA/Dataを送信し、また、同時に複数のDiscoveryメッセージを送信する。すなわち、ユーザ装置UEは同時に複数のD2D信号を送信する。ここでの「同時」とは、例えばリソースプール内で複数のD2D信号を送信することを意味し、同一サブフレーム(同一時間リソース)で複数D2D信号を送信する厳密な意味での同時に限られない。
【0030】
また、本実施の形態では、1つのD2D信号を送信する時間リソースを1つのサブフレームとしているが、これは例であり、1つのD2D信号を送信する時間リソースが1つのサブフレームよりも小さな単位(例:スロット)でもよいし、1つのD2D信号を送信する時間リソースが複数サブフレームの時間長であってもよい。
【0031】
前述したように、同時に複数のD2D信号を送信する場合には、(a)不連続周波数リソース割り当て、(b)送信電力密度の低下、(c)送信電力ギャップ等の課題が生じ得る。そこで、本実施の形態では、これらの課題を解決するべく、(X)送信リソースの時間多重、(Y)リソース選択・割り当ての制限による連続リソース割り当て、(Z)不連続リソースの無送信(Drop)、(W)UE capabilityに基づいた不連続リソース割り当て動作の切り替え等の解決手法を採用している。
【0032】
解決手法と課題との関係について、例えば、(X)は(a)、(b)、(c)に有効であり、(Y)は(a)に有効であり、(Z)は(a)に有効((b)、(c)には部分的に有効)であり、(W)は(a)に有効である。
【0033】
以下、上記解決手法を用いる実施例として、実施例1〜5について説明する。以下の各実施例の説明において、各方法等が上記の解決手法のうちのどの解決手法に相当するかを(X)、(Y)、(Z)等の記号を適宜付けることにより示している。
【0034】
(実施例1)
まず、D2Dの「Communication」に関する実施例として実施例1を説明する。
【0035】
図5は、実施例1におけるリソース選択方法1−1(X)を説明するための図である。リソース選択方法1−1はSAとDataに共通であり、
図5に示すように、ユーザ装置UEは、D2D(SA又はData)の送信機会毎に、異なるセッションの信号(SA/Data)を送信する。
図5には、送信機会毎にセッション1の信号とセッション2の信号を交互に送信する例が示されている。ここでの「送信機会」は、例えば基地局eNBから割り当てられる周期的に到来するリソースプールであってもよいし、リソースプール内の異なる時間位置(サブフレーム群)であってもよい。あるセッションの信号について、送信機会内で再送を行ってよいが、再送信号は当該送信機会内で送信され、1つの送信機会内に複数セッション信号の送信はなされない。
【0036】
また、ある送信機会であるセッションのSAを送信し、当該送信機会内の別の時間位置で当該セッションのDataを送信してもよいし、ある送信機会であるセッションのSAを送信し、当該送信機会とは別の送信機会で当該セッションのDataを送信してもよい。後者の場合、当該セッションのDataを送信する上記別の送信機会では、他のセッションのSA/Dataを送信しない。
【0037】
次に、実施例1におけるリソース選択方法1−2を説明する。リソース選択方法1−2は、Mode 2 communication(UEが自律的にSAリソースプールからリソース選択)において、複数SAを送信するためのリソース選択方法の例である。
【0038】
リソース選択方法1−2において、ユーザ装置UEは、再送を含め同一サブフレームで複数SAが送信されないようにリソース選択を行う(X)。すなわち、複数SAが異なるサブフレームで送信されるようにリソース選択を行う。また、ユーザ装置UEは、同一サブフレームで複数SAが送信されるようなリソース選択をする場合には、再送を含め周波数方向で不連続リソース割り当てとならないようにリソース選択を行う(Y)。すなわち、ユーザ装置UEは、同一サブフレームで複数SAを送信する場合、複数SAを周波数方向に連続したリソースに割り当てて送信する。
【0039】
本実施の形態では、SAはリソースプール内で2回送信される。1回目はユーザ装置UEが選択したリソースで送信され、2回目は予め定められたホッピングパターンに従って算出されるリソースで送信される。
【0040】
SAのホッピングパターンとしては、例えば、1回目送信のリソースの時間位置と周波数位置に基づき所定の計算式で2回目送信のリソースの時間位置と周波数位置を算出する方式がある。1回目送信のリソースの時間位置と周波数位置をそれぞれt1、f1とし、2回目送信のリソースの時間位置と周波数位置をそれぞれt2、f2とした場合、例えばA,Bを所定の関数とすると、t2=A(t1,f1)、f2=B(t1,f1)と表すことができる。時間ホッピングを行わず、連続したSA用時間インデックスを用いて再送することも考えられる。
【0041】
また、セルラーで規定されているType 1 PUSCH hopping、又は、Type 2 PUSCH hoppingを利用してSAのホッピングを行う例もある。また、サブフレームのビットマップパターンでホッピングパターンを定義し、同一サブフレームで初回送信された複数SAが、再送時にも同一サブフレームで送信されるようなパターンもある。
【0042】
図6A〜Cは、実施例1におけるリソース選択方法1−2を説明するための図である。
図6A〜Cの各例において、ユーザ装置UEは、初回に異なるサブフレームでセッション1,2のSAを送信し、それぞれのSAについて所定のホッピングパターンに従って再送を行う。
【0043】
図6Aの例では、ユーザ装置UEは、所定のホッピングパターンによる再送時のサブフレームがSA間で異なるように初回の各SAのリソースを選択する。これは、例えば、初回の各SAのリソースを任意に選択し、所定のホッピングパターンで再送時のリソースを算出して、再送時のサブフレームがSA間で異なるかどうかをチェックし、異なっていればそれを採用し、同じであれば異なる初回のリソースを選択して同様の手順を繰り返す、といった手順で実現できる。他の例でも同様である。
【0044】
また、
図6Bの例では、ユーザ装置UEは、所定のホッピングパターンによる再送時のサブフレームがSA間で同一で、周波数方向リソースが連続するように初回の各SAのリソースを選択する。
【0045】
図6Cは、リソース選択方法1−2のリソース選択ができなかった場合の例を示しており、再送時において、複数SAに対して同一サブフレームの不連続なリソースが割り当てられている。
図6A〜Cの例のように、2つのSAを2回送る場合には
図6Cに示すようなリソース選択しかできない場合はほとんどないと考えられるが、より多くのSAを送信する場合、もしくは、所定のホッピングパターンにより2回以上の再送を行う場合には、ある2つのSAのある再送機会において
図6Cのように、同一サブフレームの不連続割り当てとなるケースが発生することは考えられる。
【0046】
なお、SAはリソースプール内で2回送信であり、SAの送信リソースはSA周期の度に再選択されるため、リソース選択の妥当性判定(例:
図6Cのようにならないことを判定)のためのUE complexityは大きくない。
【0047】
リソース選択方法1−2は、Mode 1 communication(eNBからダイナミックにSAリソース割り当てを行う)に適用してもよい。この場合は、基地局eNBが、複数SA送信のリソースをユーザ装置UEに割り当てる際に、再送を含めて複数SAが異なるサブフレームで送信されるようにリソース割り当てを行う。もしくは、再送を含めて複数SAが同一サブフレームかつ周波数方向連続のリソースで送信されるようにリソース割り当てを行う。
【0048】
次に、実施例1におけるリソース選択方法1−3(Z)を
図7を参照して説明する。リソース選択方法1−3は、リソース選択方法1−2において、ホッピング再送により、複数SAに割り当てられるリソースが同一サブフレームかつ周波数方向不連続のリソースとなる場合に、一方のSAをドロップする(再送しない)ものである。
図7の例では、セッション2のSAをドロップしている。どのSAをドロップするかはユーザ装置UEにおいて予め決められていてもよいし、予め基地局eNBからユーザ装置UEに通知してもよい。
【0049】
また、適用されるサービスに応じて優先度付けをしてもよい。例えば、確実に信号を届ける必要性が高いと考えられるPublic safetyをNon− public safetyよりも優先度を高くして、優先度の低いサービスのD2D信号を優先的にドロップする。
【0050】
次に、実施例1におけるリソース選択方法1−4(X、Y)を説明する。実施例1におけるリソース選択方法1−4は、Mode 1又はMode 2 communicationにおけるData送信に関するリソース選択方法例である。
【0051】
Data送信においても所定のホッピングパターンに基づく再送がなされる。すなわち、ユーザ装置UEは、Data送信リソースを選択しSAで受信側に通知し、当該通知したリソースで初回のData送信を行い、所定のホッピングパターンに基づいて、Dataを再送する。また、再送は2回以上でもよく、例えば4回でもよい。ホッピングパターンとしては、例えば、サブフレームのビットマップパターンでホッピングパターンを定義し、同一サブフレームで初回送信された複数Dataが、当該パターンに従って、再送時にも同一サブフレームで送信される例がある。また、セルラーで規定されているType 1 PUSCH hopping、又は、Type 2 PUSCH hoppingを利用してDataのホッピングを行う例もある。
【0052】
リソース選択方法1−4において、複数セッションのSAを送信するユーザ装置UEは、以下の2つの条件のうちいずれかの条件を満たすように、各SAにおいて、初回のData送信のリソース選択を行う。
【0053】
条件1:複数のDataが、同一サブフレームかつ連続周波数リソースかつ周波数ホッピングによりリソースの周波数方向の連続性が崩れない;
条件2:複数のDataが異なるサブフレームで送信される。
【0054】
図8Aは、条件1を満たす場合の例である。
図8Aに示すように、Data1とData2は同一サブフレームかつ連続周波数リソースで初回送信がなされ、周波数ホッピング後、リソースの周波数方向(周波数リソース)の連続性が崩れていない。
【0055】
図8Bは、条件2を満たす場合の例である。
図8Bに示すように、Data1とData2が初回と再送ともに異なるサブフレームで送信される。
【0056】
次に、実施例1におけるリソース選択方法1−5(Z)を説明する。リソース選択方法1−5では、上述した条件を満たせずに、リソースプール内のホッピングにより同一サブフレームで不連続リソースとなる場合に、連続リソースとなるよう一方のDataの再送をドロップするものである。
図9の例では、セッション2のDataをドロップしている。どのDataをドロップするかはユーザ装置UEにおいて予め決められていてもよいし、予め基地局eNBからユーザ装置UEに通知してもよい。なお、ドロップするとは、例えば、ユーザ装置UEにおいて当該ドロップする信号に無線リソースを割り当てないようにして、当該信号を送信しないことである。
【0057】
また、適用されるサービスに応じて優先度付けをしてもよい。例えば、確実に信号を届ける必要性が高いと考えられるPublic safetyをNon− public safetyよりも優先度を高くして、優先度の低いサービスのD2D信号を優先的にドロップする。
【0058】
また、Discoveryではリソースプール先頭サブフレームのD2DSS(D2D Synchronization Signal)しか同期に用いられないことから、CommunicationのためにD2DSSを送信しないユーザ装置UEは、リソースプール先頭サブフレーム以外のD2DSS送信をドロップしてもよい。これにより不連続リソース割り当てを回避したり、端末消費電力を低減することができる。D2DSS用のサブフレームでは、他のD2D信号を送信しないことでIn−band emissionを低減してもよい。
【0059】
(実施例2)
次に、D2Dの「Discovery」に関する実施例として実施例2を説明する。
図10A、Bは、実施例2におけるリソース選択方法2−1(X)を説明するための図である。
図10A、Bに示すように、ユーザ装置UEは、送信機会毎に、異なるメッセージを送信する。
図10Aには、送信機会毎にメッセージ1とメッセージ2を交互に送信する例が示されている。ここでの「送信機会」は、Discovery周期毎に到来するリソースプールであってもよいし、リソースプール内の異なる時間位置(サブフレーム群)であってもよい。
図10Bは、リソースプール内の異なる時間位置を送信機会とし、送信機会毎に異なるメッセージを送信する例を示している。
【0060】
あるメッセージについて、送信機会内で再送を行ってよいが、再送メッセージは当該送信機会内で送信され、1つの送信機会内に複数メッセージ(複数アプリケーションのメッセージ)の送信はなされない。
【0061】
次に、実施例2におけるリソース選択方法2−2(X、Y)を説明する。リソース選択方法2−2は、Type 1 discovery(UEが自律的にDiscoveryリソースプールからリソース選択)において、複数メッセージを送信するためのリソース選択方法の例である。
【0062】
リソース選択方法2−2において、ユーザ装置UEは、再送を含め同一サブフレームで複数メッセージが送信されないようにリソース選択を行う(X)。すなわち、複数メッセージが異なるサブフレームで送信されるようにリソース選択を行う。また、ユーザ装置UEは、同一サブフレームで複数メッセージが送信されるようなリソース選択をする場合には、再送を含め周波数方向で不連続リソース割り当てとならないようにリソース選択を行う。(Y)。すなわち、ユーザ装置UEは、同一サブフレームで複数メッセージを送信する場合、複数メッセージを周波数方向に連続したリソースに割り当てて送信する。
【0063】
Discoveryのメッセージはリソースプール内で再送してもよいし、再送しなくてもよい。仮に1回の再送(2回送信)を行う場合、1回目はユーザ装置UEが選択したリソースでメッセージが送信され、2回目は予め定められたホッピングパターンに従って算出されるリソースで送信される。ホッピングパターンとしては、例えばSAにおけるホッピングパターンと同様のホッピングパターンを使用することが考えられる。
【0064】
図11A〜Cは、実施例2におけるリソース選択方法2−2を説明するための図である。
図11A〜Cの各例において、ユーザ装置UEは、初回に異なるサブフレームでメッセージ1,2を送信し、それぞれのメッセージについて所定のホッピングパターンに従って再送を行う。
【0065】
図11Aの例では、ユーザ装置UEは、所定のホッピングパターンによる再送時のサブフレームがメッセージ間で異なるように初回の各メッセージのリソースを選択する。また、
図11Bの例では、ユーザ装置UEは、所定のホッピングパターンによる再送時のサブフレームがメッセージ間で同一で、周波数方向リソースが連続するように初回の各メッセージのリソースを選択する。
【0066】
図11Cは、リソース選択方法2−2のリソース選択ができなかった場合の例を示しており、再送時において、複数メッセージに対して同一サブフレームの不連続なリソースが割り当てられている。
【0067】
リソース選択方法2−2は、Type 2A、Type 2B(eNBからリソース割り当てを行う)に適用してもよい。この場合は、基地局eNBが、複数メッセージ送信のリソースをユーザ装置UEに割り当てる際に、再送(リソースプール内及び/又はリソースプール間)を含めて複数メッセージが異なるサブフレームで送信されるようにリソース割り当てを行う。もしくは、再送を含めて複数メッセージが同一サブフレームかつ周波数方向連続のリソースで送信されるようにリソース割り当てを行う。
【0068】
次に、実施例2におけるリソース選択方法2−3(Z)を
図12、
図13を参照して説明する。リソース選択方法2−3は、リソース選択方法2−2において、ホッピングにより、複数メッセージに割り当てられるリソースが同一サブフレームかつ周波数方向不連続のリソースとなる場合に、一方をドロップする(再送しない)ものである。
図12の例では、リソースプール内再送において、メッセージ2をドロップしている。
【0069】
また、
図13の例はType 2Bを想定しており、リソースプール間再送において、メッセージ2をドロップしている。
図12、
図13のいずれの場合も、どのメッセージをドロップするかはユーザ装置UEにおいて予め決められていてもよいし、予め基地局eNBからユーザ装置UEに通知してもよい。
【0070】
また、適用されるサービスに応じて優先度付けをしてもよい。例えば、確実に信号を届ける必要性が高いと考えられるPublic safetyをNon− public safetyよりも優先度を高くして、優先度の低いサービスのD2D信号を優先的にドロップする。Discovery rangeが広いメッセージの優先度を高くしてもよい。
【0071】
(実施例3)
次に、実施例3を説明する。本実施の形態では、D2D信号(SA or Data or Discovery)送信のためのリソースプールが基地局eNBからユーザ装置UEに所定のシグナリング(SIB、RRC等)により割り当てられる。
【0072】
実施例3では、基地局eNBは、リソースプールの周波数多重(FDM)を行わないようにする(X)。例えば、SA用にリソースプールAを割り当て、Discovery用にリソースプールBを割り当てる場合に、リソースプールAとリソースプールBに異なる時間リソースを割り当てる。周波数リソースについては、リソースプールAとリソースプールBで同一であってもよいし異なっていてもよい。
【0073】
また、リソースプールの周波数多重を許容してもよい。この場合、ユーザ装置UEは、実施例1〜2で説明したリソースプール内での複数D2D信号に対するリソース選択方法と同様に、リソースプール間で、再送を含め同一サブフレームで複数D2D信号が送信されないようにリソース選択を行う(X)。すなわち、複数D2D信号が異なるサブフレームで送信されるようにリソース選択を行う。
【0074】
また、
図14に示すように、ユーザ装置UEは、同一サブフレームで異なるリソースプールに対するD2D信号の送信リソースを選択する場合(選択せざるを得ない場合)、いずれかのD2D信号をドロップする。どのD2D信号をドロップするかについては、予めユーザ装置UEに設定しておいてもよいし、基地局eNBから通知することとしてもよい。また、所定の優先順位に基づいてドロップしてもよい。例えば、SA/DataとDiscoveryが異なるリソースプールの同一サブフレームに割り当てられた場合、Discoveryをドロップさせることが考えられる。その場合、「SA>Data>Discovery」の順に優先度をつけることが考えられる。
【0075】
(実施例4)
次に、実施例4を説明する。実施例4は、ユーザ装置UEにおいて、複数D2D信号の送信電力制御を行う例である。ここでは、複数D2D信号が同一サブフレームに割り当てられる場合において、周波数方向のリソースが連続であるか不連続であるかを問わない。不連続であることを許容する場合、ユーザ装置UEが、不連続リソースであっても適切に信号送信を行う能力を持つことを想定している。また、以下の例で、同一サブフレーム複数D2D信号送信となる場合は、主に再送時が想定されるが、再送時に限定されるわけではない。
【0076】
複数D2D信号により総送信電力が最大送信電力を超える場合の制御例を
図15を参照して説明する。
【0077】
ステップ101において、ユーザ装置UEは、複数D2D信号を送信する場合の総送信電力がユーザ装置UEの最大送信電力を超えるか否かを判定する。ステップ101の判定がYes(超える)の場合、ユーザ装置UEは、同一サブフレームで複数D2D信号を送信しないようにするために、これまでに説明したスケジューリング制御もしくは信号のドロッピングができるかを判定する(ステップ102)。
【0078】
ステップ102の判定結果がYesであれば、ユーザ装置UEはスケジューリング制御もしくは信号のドロッピングを実施する(ステップ103)。ステップ102の判定結果No(同一サブフレーム複数送信になる場合)であれば、ユーザ装置UEは、総送信電力が最大送信電力以下になるようにパワースケーリング(電力を減少させること)を実施する(ステップ104)。
【0079】
ステップ104においては、例えば、信号の種類に関わらずに、複数D2D信号の中で送信電力が高い方のD2D信号の送信電力をスケーリングする。また、SA、Data、Discoveryで優先度付けをしてスケーリングしてもよい。優先度の大きさの順(スケーリングをしない度合の順)としては例えば「SA>Data>Discovery」が考えられる。また、適用されるサービスに応じて優先度付けをしてもよい。例えば、確実に信号を届ける必要性が高いと考えられるPublic safetyをNon− public safetyよりも優先度を高くして、優先度の低いサービスのD2D信号を優先的にスケーリングする。
【0080】
複数D2D信号間で送信電力が異なる場合の制御例を
図16を参照して説明する。ステップ201において、ユーザ装置UEは、複数D2D信号を送信する場合において、2つの信号間の送信電力差が所定値よりも大きくなるか否かを判定する。ステップ201の判定がYes(所定値よりも大きい)の場合、ユーザ装置UEは、同一サブフレームで複数D2D信号を送信しないようにするために、これまでに説明したスケジューリング制御もしくは信号のドロッピングができるかを判定する(ステップ202)。
【0081】
ステップ202の判定結果がYesであれば、ユーザ装置UEはスケジューリング制御もしくは信号のドロッピングを実施する(ステップ203)。ステップ202の判定結果がNo(同一サブフレーム複数送信になる場合)であれば、ユーザ装置UEは、任意の2つの信号間の送信電力差が所定値以下になるようにパワースケーリング(電力を減少させること)を実施する(ステップ204)。
【0082】
ステップ204においては、例えば、信号の種類に関わらずに、複数D2D信号の中で送信電力が高い方のD2D信号の送信電力をスケーリングする。また、SA、Data、Discoveryで優先度付けをしてスケーリングしてもよい。優先度の大きさの順(スケーリングをしない度合の順)としては例えば「SA>Data>Discovery」が考えられる。また、適用されるサービスに応じて優先度付けをしてもよい。例えば、確実に信号を届ける必要性が高いと考えられるPublic safetyをNon− public safetyよりも優先度を高くして、優先度の低いサービスのD2D信号を優先的にスケーリングする。
【0083】
(実施例5)
次に、実施例5を説明する。実施例5では、ユーザ装置UEが、同一サブフレームにおける不連続リソースでの複数D2D信号の送信能力の有無をUE能力(Capability)として基地局eNBに送信する。
【0084】
図17を参照して実施例5の手順例を説明する。ユーザ装置UEは、例えば基地局eNBからの要求(inquiry)に応じて、同一サブフレームにおける不連続リソースでの複数D2D信号の送信能力の有無を示すUE能力を上位レイヤシグナリング(たとえばRRCシグナリング)により基地局eNBに送信する(ステップ301)。なお、同一サブフレームにおける不連続リソースでの複数D2D信号の送信能力が有る場合に、有ることを示す情報をUE能力として送り、無い場合は、同一サブフレームにおける不連続リソースでの複数D2D信号の送信能力に関する情報を送らないこととしてもよい。
【0085】
基地局eNBはステップ301で受信したUE能力を保持しておく。そして、例えば、基地局eNBからユーザ装置UEに対して複数D2D信号送信用リソースを割り当てる状況において、基地局eNBはUE能力を参照し、ユーザ装置UEが不連続周波数リソースでの複数D2D信号の送信能力を有する場合(ステップ302のYes)には不連続リソース割り当てを許容する割り当てを行う(ステップ303)。一方、ユーザ装置UEが不連続リソースでの複数D2D信号の送信能力を有しない場合は、再送を含めて不連続リソースにならないように割り当てを行う(ステップ304)。なお、ユーザ装置UEが送信するUE能力には、不連続リソースでのD2D送信能力有無だけでなく,D2D信号とセルラーUplinkとの同時送信能力の有無が含まれていてもよい。
【0086】
送信するUE能力に関し、PUSCHの不連続リソース割り当て能力がある場合に、D2Dの不連続周波数リソース割り当て能力もあると見なすことで、PUSCHの不連続リソース割り当て能力情報をD2Dの不連続周波数リソース割り当て能力情報として流用してもよい。しかしながら、PUSCHの不連続周波数リソース割り当てUE能力は限定された送信リソースセット(Cluster数)やリソースサイズを前提としているため、D2Dの不連続周波数リソース割り当て能力情報として新たなUE能力を規定して用いてもよい。
【0087】
UE能力に従い不連続周波数リソース割り当てを行なった場合、送信Cluster数に応じたMPR(Maximum Power Reduction)を規定して適用してもよい。
【0088】
以上、実施例1〜5を説明したが、これら実施例1〜5のうちのいずれか複数又は全部を、適宜組み合わせて実施することも可能である。
【0089】
なお、ユーザ装置UEにおいて、セルラーとD2D信号の同一時間リソースの送信が発生し、UEの能力によりいずれかのみが送信可能な場合、D2D信号をドロップしてもよい。
【0090】
(装置構成例)
以下、本発明の実施の形態(実施例1〜5を含む)の動作を実行するユーザ装置UEと基地局eNBの構成例を説明する。
【0091】
<ユーザ装置UEの構成例>
図18に、本実施の形態に係るユーザ装置UEの機能構成図を示す。
図18に示すように、ユーザ装置UEは、信号送信部101、信号受信部102、D2D通信機能部103、リソース選択部104、送信電力制御部105を含む。なお、
図18は、ユーザ装置UEにおいて本発明の実施の形態に特に関連する機能部のみを示すものであり、少なくともLTEに準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。また、
図18に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分や機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0092】
信号送信部101は、ユーザ装置UEから送信されるべき上位のレイヤの信号から、物理レイヤの各種信号を生成し、無線送信する機能を含む。また、信号送信部101は、所定のホッピングパターンに従ったリソースを用いてD2D信号を再送する機能を含む。信号送信部101は、D2D通信の送信機能とセルラー通信の送信機能を有する。また、信号送信部101は、UE能力を送信する機能を含む。
【0093】
信号受信部102は、他のユーザ装置UE又は基地局eNBから各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する機能を含む。信号受信部102は、D2D通信の受信機能とセルラー通信の受信機能を有する。
【0094】
D2D通信機能部103は、D2Dアプリケーションの機能を含み、Discovery信号送受信制御、SA/Data送受信制御等を実行する。リソース選択部104は、これまでに説明した実施例1〜実施例4のリソース選択方法(信号送信部101に対する信号ドロップの制御を含む)を実行する機能部である。送信電力制御部105は、実施例4における送信電力制御を実行する機能部である。
【0095】
<基地局eNBの構成例>
図19に、本実施の形態に係る基地局eNBの機能構成図を示す。
図19に示すように、基地局eNBは、信号送信部201、信号受信部202、UE情報格納部203、D2Dリソース情報格納部204、リソース割り当て部205を含む。なお、
図19は、基地局eNBにおいて本発明の実施の形態に特に関連する機能部のみを示すものであり、少なくともLTEに準拠した移動通信システムにおける基地局として動作するための図示しない機能も有するものである。また、
図19に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分や機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0096】
信号送信部201は、基地局eNBから送信されるべき上位のレイヤの信号から、物理レイヤの各種信号を生成し、無線送信する機能を含む。信号受信部202は、ユーザ装置UEから各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する機能を含む。
【0097】
UE情報格納部203には、各UEから受信するUE能力の情報が格納されている。D2Dリソース情報格納部204には、UE毎に、割り当てられたD2Dリソースを示す情報が格納される。また、リソースが解放された場合は割り当て情報は削除される。リソース割り当て部205は、UE情報格納部203とD2Dリソース情報格納部204を参照することで、UE毎のリソースの割り当て状況を把握して、不連続リソースを許容するか否かを考慮したD2Dリソースの割り当てを行う。
【0098】
(実施の形態のまとめ)
本実施の形態により、D2D通信をサポートする移動通信システムにおいて使用されるユーザ装置であって、複数のD2D信号を送信する信号送信部と、前記複数のD2D信号を送信するための時間リソースと周波数リソースとを有する無線リソースを、所定のリソースプールから選択するリソース選択部と、を備え、前記リソース選択部は、前記複数のD2D信号が同一の時間リソースで送信されないように前記無線リソースを選択するユーザ装置が提供される。この構成により、ユーザ装置は複数D2D信号の同時送信を適切に行うことができる。例えば、PAPRを上げることなく複数D2D信号の同時送信を行うことができる。
【0099】
前記信号送信部が、所定のホッピングパターンに従ってD2D信号の再送を行う場合に、前記リソース選択部は、初回の送信及び再送において前記複数のD2D信号が同一の時間リソースで送信されないように前記無線リソースを選択することとしてもよい。この構成により、再送が行われる場合でも、複数のD2D信号が同一の時間リソースで送信されないようにすることができる。
【0100】
また、本実施の形態により、D2D通信をサポートする移動通信システムにおいて使用されるユーザ装置であって、複数のD2D信号を送信する信号送信部と、前記複数のD2D信号を送信するための時間リソースと周波数リソースとを有する無線リソースを、所定のリソースプールから選択するリソース選択部と、を備え、前記リソース選択部は、前記複数のD2D信号が同一の時間リソースにおける不連続の複数の周波数リソースを用いて送信されないように前記無線リソースを選択するユーザ装置が提供される。この構成により、ユーザ装置は複数D2D信号の同時送信を適切に行うことができる。
【0101】
前記リソース選択部は、前記複数のD2D信号が同一の時間リソースにおける連続する複数の周波数リソースを用いて送信されるように前記無線リソースを選択するようにしてもよい。この構成により、同一時間リソースにおける不連続の周波数リソースが選択されることを回避できる。
【0102】
前記リソース選択部は、前記複数のD2D信号に対して同一の時間リソースが選択される場合に、当該複数のD2D信号が不連続の複数の周波数リソースを用いて送信されないように、一部のD2D信号を前記信号送信部に送信させない制御を行うこととしてもよい。この構成により、一部のD2D信号をドロップすることで、同一時間リソースにおける不連続の周波数リソースを用いた送信を回避できる。
【0103】
前記信号送信部が、所定のホッピングパターンに従ってD2D信号の再送を行う場合に、前記リソース選択部は、初回の送信及び再送において、前記複数のD2D信号が同一の時間リソースにおける不連続の複数の周波数リソースを用いて送信されないように前記無線リソースを選択することとしてもよい。この構成により、再送が行われる場合でも、複数のD2D信号が同一の時間リソースにおける不連続の複数の周波数リソースを用いて送信されないようにすることができる。
【0104】
前記信号送信部は、複数D2D信号を同一時間リソースにおける不連続の複数の周波数リソースを用いて送信する能力に関する能力情報を基地局に送信することとしてもよい。この構成により、基地局は、複数D2D信号を同一時間リソースにおける不連続の複数の周波数リソースを用いて送信する能力に関するUE能力情報を取得でき、UEへリソース割り当てを行い際に当該UE能力情報を考慮して割り当てを行うことができる。
【0105】
例えば、前記所定のリソースプールは、周波数多重された複数のリソースプールであり、前記リソース選択部は、前記複数のD2D信号に対する無線リソースを、異なる複数のリソースプールから選択することとしてもよい。この構成により、複数リソースプールを周波数多重する場合においても、同一時間リソースにおける不連続の複数の周波数リソースを用いた信号送信等を回避することができる。
【0106】
本実施の形態で説明したユーザ装置UEは、CPUとメモリを備え、プログラムがCPU(プロセッサ)により実行されることで実現される構成であってもよいし、本実施の形態で説明する処理のロジックを備えたハードウェア回路等のハードウェアで実現される構成であってもよいし、プログラムとハードウェアが混在していてもよい。
【0107】
本実施の形態で説明した基地局eNBは、CPUとメモリを備え、プログラムがCPU(プロセッサ)により実行されることで実現される構成であってもよいし、本実施の形態で説明する処理のロジックを備えたハードウェア回路等のハードウェアで実現される構成であってもよいし、プログラムとハードウェアが混在していてもよい。
【0108】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。説明の便宜上、基地局eNB及びユーザ装置UEは機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従って基地局eNBが有するプロセッサにより動作するソフトウェア、及び本発明の実施の形態に従ってユーザ装置UEが有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
【0109】
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。
【0110】
本特許出願は2014年9月25日に出願した日本国特許出願第2014−195883号に基づきその優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2014−195883号の全内容を本願に援用する。