(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6193516
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】コンタクトID伝播のシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H04L 12/66 20060101AFI20170828BHJP
【FI】
H04L12/66 Z
【請求項の数】19
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-575137(P2016-575137)
(86)(22)【出願日】2016年5月31日
(86)【国際出願番号】US2016035048
(87)【国際公開番号】WO2016196482
(87)【国際公開日】20161208
【審査請求日】2017年1月20日
(31)【優先権主張番号】62/169,596
(32)【優先日】2015年6月2日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516183901
【氏名又は名称】インタラクティブ・インテリジェンス・グループ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100138760
【弁理士】
【氏名又は名称】森 智香子
(74)【代理人】
【識別番号】100129643
【弁理士】
【氏名又は名称】皆川 祐一
(72)【発明者】
【氏名】キング,ケビン エリオット
【審査官】
宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−75731(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0185307(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0061306(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0067785(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00−12/26,12/50−12/955
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電気通信デバイスに関連する情報を伝播する方法であって、前記第1の電気通信デバイスが、電気通信システムにおける第1のパーティに紐づけられ、前記システムが複数のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置を接続するネットワーク、クラウド管理アプリケーション及び第2のパーティに紐づいた第2の電気通信デバイスを更に含み、前記方法は、
a.前記第1のパーティに紐づいた前記第1の電気通信デバイスに関連するテレフォニーデバイス搬送波により、前記電気通信デバイスに関連する情報を第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に提供するステップと、
b.前記第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、前記情報を前記クラウドアプリケーションに通知するステップと、
c.前記第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、前記情報を第2のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に中継するステップと、
d.前記第2のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、前記第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置により提供された前記情報を記憶し、必要に応じて前記クラウドアプリケーションに通知するステップと、
e.前記第2のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、前記提供された情報を前記第2のパーティに紐づいた前記第2の電気通信デバイスに中継するステップと、
f.前記クラウドアプリケーションにより、既存の記録を前記提供された情報でデータストア検索するステップであって、既存の記録が存在する場合には、前記提供された情報を既存の記録で確認し、情報が一致しない場合には、前記クラウドアプリケーションにより前記第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に更新を提供するステップと、
g.前記クラウドアプリケーションにより、情報を第2の電気通信デバイスに紐づいたディスプレイに送信するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記方法が、
a.前記第1のパーティに紐づいた前記第1の電気通信デバイスからの次の通信を受信するステップと、
b.前記第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、前記第1の電気通信デバイスに関連する更新をデータストア検索するステップであって、前記テレフォニーデバイス搬送波から受信した前記情報が当該データストア検索で前記第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置により発見された前記情報と異なる場合には、前記第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置により発見された前記情報を使用するステップと、
c.前記第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、前記発見された情報が前記受信した情報と一致することを前記クラウドアプリケーションに確認するステップであって、前記発見された情報が前記受信した情報と一致しない場合に、最新の情報を前記クラウドアプリケーションに送信するステップと、
d.前記クラウドアプリケーションにより、更新を前記第2のパーティに紐づいた前記第2の電気通信デバイスに送信するステップと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記最新の情報は、前記第1のパーティに関連する直近の情報を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記情報は、前記第1のパーティに紐づいた前記第1の電気通信デバイスに関連する名前及び電話番号を少なくとも含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記情報は、変更可能である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記データストアは、前記第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記データストアは、前記クラウドアプリケーションから受信した更新のキャッシュを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記通知は、非同期的に実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置は、第2のパーティに紐づいた第2の電気通信デバイスに関連する情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(f)は、前記第2のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に更新を提供する前記第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置を更に含み、前記第2のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置が前記更新を前記第2の電気通信デバイスに中継する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
第1の電気通信デバイスに関連する情報を伝播する方法であって、前記第1の電気通信デバイスが電気通信システムにおける第1のパーティに紐づけられ、前記システムがクラウド管理テレフォニーネットワーク装置を接続するネットワーク、クラウド管理アプリケーション及び第2のパーティに紐づいた第2の電気通信デバイスを更に含み、前記方法は、
a.前記第1のパーティに紐づいた前記第1の電気通信デバイスに関連するテレフォニーデバイス搬送波により、前記電気通信デバイスに関連する情報をクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に提供するステップと、
b.前記クラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、前記情報を前記クラウドアプリケーションに通知するステップと、
c.前記クラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、前記情報を記憶するステップと、
d.前記クラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、前記提供された情報を前記第2のパーティに紐づいた前記第2の電気通信デバイスに中継するステップと、
e.前記クラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、既存の記録を前記提供された情報でデータストア検索するステップであって、既存の記録が存在する場合には、前記提供された情報を前記既存の記録で確認し、前記情報が前記既存の記録と一致しない場合には、前記クラウドアプリケーションにより前記クラウド管理テレフォニーネットワーク装置に更新を提供するステップと、
f.前記クラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、前記更新を前記第2の電気通信デバイスに中継するステップと、
g.前記クラウドアプリケーションにより、情報を前記第2の電気通信デバイスに紐づいたディスプレイに送信するステップと
を含む方法。
【請求項12】
前記方法が、
a.前記第1のパーティに紐づいた前記第1の電気通信デバイスからの次の通信を受信するステップと、
b.前記クラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、前記第1の電気通信デバイスに関連する更新をデータストア検索するステップであって、前記テレフォニーデバイス搬送波から受信した前記情報が当該データストア検索で前記クラウド管理テレフォニーネットワーク装置により発見された前記情報と異なる場合には、前記クラウド管理テレフォニーネットワーク装置により発見された前記情報を使用するステップと、
c.前記クラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、前記発見された情報が前記受信した情報と一致することを前記クラウドアプリケーションに確認するステップであって、前記発見された情報が前記受信した情報と一致しない場合に、最新の情報を前記クラウドアプリケーションに送信するステップと、
d.前記クラウドアプリケーションにより、更新を前記第2のパーティに紐づいた前記第2の電気通信デバイスに送信するステップと
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記最新の情報は、前記第1のパーティに関連する直近の情報を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記情報は、前記第1のパーティに紐づいた前記第1の電気通信デバイスに関連する名前及び電話番号を少なくとも含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記情報は、変更可能である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記データストアは、前記クラウド管理テレフォニーネットワーク装置を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記データストアは、前記クラウドアプリケーションから受信した更新のキャッシュを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記通知は、非同期的に実行される、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記クラウド管理テレフォニーネットワーク装置は、第2のパーティに紐づいた第2の電気通信デバイスに関連する情報を含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年6月2日に出願された発明の名称が「コンタクトID伝播のシステム及び方法」である米国特許仮出願第62/169,596号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、電気通信デバイスのみならず、該して電気通信システム及び方法に関する。より詳細には、本発明は、電気通信システム内で情報が伝わることに関する。
【発明の概要】
【0003】
ハイブリッドクラウド分散システム内でのデバイス間のコンタクトID伝播のシステム及び方法が提供される。第1のパーティデバイスに関連する情報は、クラウド管理テレフォニーネットワーク装置に提供される。装置は、クラウドアプリケーションと通信し、その装置が第2のパーティデバイスに紐づけられていない場合には、第2のパーティデバイスに紐づけられてもよい任意の他の装置と通信可能である。システムにおける構成要素間の情報は、第1のパーティ情報及びより細かな一致を提供するために非同期的に更新されてもよい。
【0004】
一実施形態では、第1の電気通信デバイスに関連する情報を伝播する方法が示されており、前記第1の電気通信デバイスが電気通信システムにおける第1のパーティに紐づけられ、前記システムが複数のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置を接続するネットワーク、クラウド管理アプリケーション及び第2のパーティに紐付いた第2の電気通信デバイスを更に含み、前記方法は、前記第1のパーティに紐づいた前記第1の電気通信デバイスに関連するテレフォニーデバイス搬送波により、前記電気通信デバイスに関連する情報を第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に提供するステップと、前記第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、前記情報を前記クラウドアプリケーションに通知するステップと、前記第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、前記情報を第2のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に中継するステップと、前記第2のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、前記第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置により提供された前記情報を記憶し、必要に応じて前記クラウドアプリケーションに通知するステップと、前記第2のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、前記提供された情報を前記第2のパーティに紐づいた前記第2の電気通信デバイスに中継するステップと、前記クラウドアプリケーションにより、既存の記録を前記提供された情報でデータストア検索するステップであって、既存の記録が存在する場合には、前記提供された情報を既存の記録で確認し、情報が一致しない場合には、前記クラウドアプリケーションにより前記第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に更新を提供するステップと、前記クラウドアプリケーションにより、情報を第2の電気通信デバイスに紐づいたディスプレイに送信するステップとを含む。
【0005】
他の実施形態では、第1の電気通信デバイスに関連する情報を伝播する方法が示されており、前記第1の電気通信デバイスが電気通信システムにおける第1のパーティに紐づけられ、前記システムがクラウド管理テレフォニーネットワーク装置を接続するネットワーク、クラウド管理アプリケーション及び第2のパーティに紐づいた第2の電気通信デバイスを更に含み、前記方法は、前記第1のパーティに紐づいた前記第1の電気通信デバイスに関連するテレフォニーデバイス搬送波により、前記電気通信デバイスに関連する情報をクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に提供するステップと、前記クラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、前記情報を前記クラウドアプリケーションに通知するステップと、前記クラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、前記情報を記憶するステップと、前記クラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、前記提供された情報を前記第2のパーティに紐づいた前記第2の電気通信デバイスに中継するステップと、前記クラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、既存の記録を前記提供された情報でデータストア検索するステップであって、既存の記録が存在する場合には、前記提供された情報を前記既存の記録で確認し、前記情報が前記既存の記録と一致しない場合には、前記クラウドアプリケーションにより前記クラウド管理テレフォニーネットワーク装置に更新を提供するステップと、前記クラウド管理テレフォニーネットワーク装置により、前記更新を前記第2の電気通信デバイスに中継するステップと、前記クラウドアプリケーションにより、情報を前記第2の電気通信デバイスに紐づいたディスプレイに送信するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、ハイブリッドクラウド分散システムを示す図である。
【
図2】
図2は、ハイブリッドクラウド分散システムを示す図である。
【
図3】
図3は、ハイブリッドクラウド分散システムにおいて情報が伝わる処理を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、第1のパーティデバイスに続いて起こる通信試行の処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、ハイブリッドクラウド分散システムにおいて情報が伝わる処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の原理を理解するのを促す目的で図に示す実施形態を参照し、それを説明するために具体的な用語を使用する。しかし、本発明の範囲はそれにより限定されるものではないと理解される。本発明が関連する当業者なら通常思いつくように、記載された実施形態における変更及び更なる修正、並びに本明細書に記載された本発明の原理の更なる応用が考えられる。
【0008】
テレフォニーアプリケーションは、オンプレミスに置かれた装置にインストールされるのではなく、ますますクラウドベースになってきている。その結果、コンピュータ環境もクラウドへと移行している。実際のクラウドコンピュータ環境では、クラウドにおいてアプリケーションは単独で実行されるだろう。しかし、あるサービスはクラウドに置かれ、あるサービスはオンプレミスに残るハイブリッドクラウド分散システムが使用され始めている。例えば、コンタクトセンター環境又は企業環境において使用されているハイブリッドクラウド分散システムにおいて、アウトバウンド通信は通信開始時に更新されてもよい。クラウドアプリケーションは、通信開始時に中継された情報を伴いイニシエータとして機能する。システムへのインバウンド通信にとって、起点はデバイスに関連する情報のデータストア検索を必要としてもよい第1のパーティデバイスである。インバウンド通信に関連する情報は、迅速な変更可能で最新の状態を維持する必要がある。ホワイトページ逆引き検索及びオンプレミスでの顧客データベース検索などの従来の方法は、逆引きほど効率的又は最新ではない。オンプレミスでの顧客データベース検索が時代遅れとなるように、ホワイトページが急速に時代遅れとなる可能性もある。
【0009】
本明細書で開示された実施形態では、更新されたコンタクトID情報が、分散した装置のセットで使用されることが可能となり、顧客記録があるクラウドデータストアからのデバイスによってより細かな一致又はカスタマイズされた名前に対処する。加えて、より正確なコンタクトID情報を用いて更新を可能にしている間、デバイスへの通信伝達が遅延することはない。システム全体の更新に対処している間、WANネットワーク及びLANネットワーク上で送信される必要があるネットワークメッセージ数も最小限に抑えられている。
【0010】
図1は、ハイブリッドクラウド分散システムの一実施形態を示す図であり、全体として100で示される。ハイブリッドクラウド分散システムは、コンタクトセンター又は企業環境のような別の環境に存在してもよい。一実施形態において、より大きい環境及び組織では、インターネットなどのサービスの断続的な停止を乗切るためにより一層の堅牢性を提供するため、ハイブリッドシステムを用いる。ハイブリッドクラウド分散システムの構成要素には、第1のパーティ105に紐づいたテレフォニーデバイス、テレフォニーデバイス搬送波110、複数のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置115、クラウド管理アプリケーション120及び第2のパーティ125に紐づいたデバイスを含んでもよい。
【0011】
第1のパーティ又は代わりに第1のパーティデバイス105に紐づいたテレフォニーデバイスは、電話(例えば、SIP携帯)などのインバウンド通信を入れるために使用されてもよい電気通信デバイスを含む。第1のパーティデバイス105は、それに関連するID情報、非限定的な例を2〜3挙げると電話番号及び顧客の名前などを有する。第1のパーティデバイス105も、第1のパーティに対応する通信及びユーザ記録を入れるユーザ又は第1のパーティに紐づけられてよい。一実施形態において、第1のパーティデバイス105も、スペクトラリンク・ワイファイ(SpectraLink Wifi)フォン又はWebRTCソフトフォンなどのIPベースの電話でよい。
【0012】
第1のパーティデバイス105は、テレフォニーデバイス搬送波110に動作可能なように(例えば、有線又は無線で)接続される。一実施形態において、第1のパーティデバイス105は、IPネットワークを通じてテレフォニーデバイス搬送波110に接続されてもよい。テレフォニーデバイス搬送波110は、電話会社などの通信サービスプロバイダを含む。ハイブリッドクラウド分散システムにおいて、テレフォニーデバイス搬送波110は、接続(例えば、中継接続)を介して複数のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置115の少なくとも1つと通信する。
【0013】
コンタクトセンター又は企業システムのような環境において、クラウド管理テレフォニーネットワーク装置115は、SIP処理を管理できる多目的装置を含む。クラウド管理テレフォニーネットワーク装置115の一例には、インタラクティブ・インテリジェンス・グループ社(Interactive Intelligence Group, Inc.)のインタラクション・エッジ(Interaction Edge
TM)デバイスを含んでもよい。この非限定的な実施例において、本実施形態の範囲内には任意の数の装置115が存在するが、簡潔にするために115a及び115bの2つの装置のみが示されている。必要に応じて、単一の装置115が使用されてもよい。
図2は、ハイブリッドクラウド分散システムの別の実施形態を示す図であり、全体として200で示される。
図2は、単一のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置115を含むハイブリッドクラウド分散システムを更に示す。単一の装置システムが機能する処理が、以下の全体として
図5に示された処理500において詳細が記載されている。クラウド管理テレフォニーネットワーク装置115も、データストアを含んでよい。データストアは、ディレクトリ又は顧客関係管理(CRM)プラグイン(例えば、salesforce)を含んでもよい。加えて、データストアは、ホワイトページ逆引き検索又は局所的に情報を記憶する他の手段を含んでもよい。
【0014】
複数のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置115は、複数がLANのようなネットワークを通じて相互に接続されてもよい、又は装置が互いにルーティング可能となるような方法で接続されてもよい場合には、グループ分けに組込まれてもよい。複数の装置は、冗長化した環境及びフェイルセーフ目的ばかりでなく容量目的に利用されてもよい。一実施形態において、ある装置は有限の同時通信量を処理できるので、システムの装置数はユーザ数、会議機能、ボイスメール機能、音声自動応答装置(IVR)、自動通信分配(ACD)などに基づいてもよい。各装置は、電話のサブセットを提供してもよいので、通信を受信する装置が必ずしも通信を提供する装置である必要はない。装置115は、オンプレミス又はクラウド内などのオフプレミスに存在してもよい。
【0015】
一実施形態において、装置も、第2のパーティ125に属する少なくとも1つのテレフォニーデバイスに動作上接続されてよい。第2のパーティデバイス125は、コンタクトセンター環境又は企業背景のような環境に存在してもよい。第2のパーティデバイス125は、少なくとも電話及びワークステーションを更に含んでもよい。コンタクトセンター環境又は企業環境のような別の環境において、エージェント又は他の従業員が職務をこなす複数のワークステーションが存在してもよい。存在するワークステーション又はワークステーションに紐づいた装置の数は、雇用変動、装置交換又は一定の定期的な整備のため、必ずしも不変のままである必要はない。各ワークステーションは、ネットワーク(例えば、デジタルネットワークなど)及びワークステーションのコンピュータに接続する通信デバイスを含んでもよい。ワークステーションのコンピュータは、ディスプレイに接続されてもよい。通信デバイスは、ワークステーションに紐づけられてもよいデジタル電話を含んでもよい。加えて、デジタル電話は、ワークステーションのコンピュータへ組込まれる及びソフトウエアで実行される、又はいずれか一方でもよい。ネットワークに直接接続できるデジタル電話は、ハンドセット、ヘッドセット又は当業者が思いつくような他の仕組みの形態でよいと理解されるべきである。ネットワークからワークステーションへの接続は、まず紐づいたワークステーションの通信デバイス、次いでワークステーションの通信デバイスからワークステーションのコンピュータへワークステーションの通信デバイスの接続を通るパス経由で作成できると更に理解されなければならない。あるいは、ネットワークからの2つの接続は、1つはワークステーションの通信デバイスに、1つはワークステーションのコンピュータに作成できる。
【0016】
クラウド管理アプリケーション120は、非限定的な実施例を挙げると、インタラクティブ・インテリジェンス・グループ社(Interactive Intelligence Group, Inc.)のピュアクラウド(PureCloud)のスイートなどの統合コラボレーション及び通信アプリケーションを含む。一実施形態において、クラウド管理アプリケーション120は、ステートレスを経由して複数のクラウドベースデータセンターにわたり負荷の平衡した分散サービスを伝達できる。別の実施形態において、クラウド管理アプリケーション120は、音声通話を提供できる。
【0017】
図3は、ハイブリッドクラウド分散システムにおいて情報を伝えるための一実施形態の処理を示すフローチャートであり、全体として300で示される。処理300は、システム100に存在してもよい。
【0018】
操作305において、通信は第1のデバイスから受信される。例えば、第1のパーティは、システムに紐づいたデバイスから通信を開始する。一実施形態において、これは顧客がコンタクトセンターへ通話を開始することを含む。別の実施形態において、従業員が企業環境へ通話を開始していることもある。制御は操作310に移され、処理300は続行される。
【0019】
操作310において、情報がクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に提供される。例えば、第1のパーティに関連する情報は、テレフォニーデバイス搬送波により中継接続を終了させる第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に名前及び電話番号として提供される。第1のパーティの名前はブロックされてもよく、「インディアナ州インディアナポリス」などの都市情報と共に「携帯発呼者」などの一般的な表現形式として表示される、又は「Betsy Hamilton」などの発呼者の名前を含む。装置は、この情報を使用してもよい、又はホワイトページ逆引き、CRMアプリケーションプラグイン(例えば、salesforce)などの局所データストア検索を実施することによりこの情報を置換えてもよい。制御は操作315に移され、処理300は続行される。
【0020】
操作315において、クラウドアプリケーションが通知される。例えば、第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置は、クラウドアプリケーションに発呼者の番号及び有する最新の名前情報を通知する。この例では、Betsy Hamiltonには「インディアナ州インディアナポリス」である。一実施形態において、通知は非同期的に行われてもよい。通知を非同期的に送信し、何の返信も待たないことで通信及び現在の既知情報を第2のパーティに紐づいたテレフォニーデバイスに伝達する際のあらゆる遅延を防止する。制御は操作320に移され、処理300は続行される。
【0021】
操作320において、情報は他のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に中継される。例えば、装置をグループ分けする際に、第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置は、第2のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に名前及び番号を中継する。一実施形態において、装置は送信先の電話(例えば、第2のパーティテレフォニーデバイス)が登録されているものを含む。第2のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置は、情報を記憶してクラウドアプリケーションに通知してもよい。制御は操作325にされ、処理300は続行される。
【0022】
操作325において、情報は第2のパーティデバイスに中継される。例えば、第2のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置は、名前及び番号を含む情報をディスプレイのための第2のパーティデバイスに送信する。制御は操作330にされ、処理300は続行される。
【0023】
操作330において、データストア検索は任意の更新と共に実施される。例えば、クラウドアプリケーションは、任意の一致又は関連する記録の情報を使用してデータストア検索を実施する。クラウドアプリケーションが有する情報と、第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置がクラウドアプリケーションに送信したものが一致しない場合には、クラウドアプリケーションは更新メッセージを第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に中継して、より細かな情報を知らせるだろう。一実施形態において、第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置が、クラウドアプリケーションにより更新される場合には、装置は情報を局所的に記憶し、更新メッセージを第2のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に送信して変更を通知するだろう。第2のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に受信された任意の更新は、ディスプレイまで更新するように第2のパーティデバイスに中継される。制御は操作335に移され、処理300は続行される。
【0024】
操作335において、情報は第2のパーティディスプレイに中継され、操作300が終了する。例えば、クラウドアプリケーションは、第2のパーティのデバイスに紐づいたディスプレイに「Betsy Hamilton」などの名前に基づきクラウドアプリケーションが有する情報を送信するだろう。
【0025】
図4は、第1のパーティデバイスの次の通信試行の情報検証の一実施形態の処理を示すフローチャートであり、全体として400で示される。この処理は、システム100及び必要に応じてシステム200で発生する。
【0026】
操作405において、次の通信は第1のパーティデバイスから受信される。例えば、第1のパーティは既にシステムに紐づいたデバイスから別の通信を始める。一実施形態において、これは顧客がコンタクトセンターへ通話を開始することを含む。別の実施形態において、従業員が企業環境へ通話を開始していることもある。制御は操作410に移され、処理400は続行される。
【0027】
操作410において、データストア検索が任意の更新と共に実施される。例えば、第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置は、局所データストア検索を実施し、処理300の間に受信された「Betsy Hamilton」として記憶された第1のパーティの電話番号への継続した更新を見つける。第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置は、これがより具体的な顧客記録であると確信してテレフォニーデバイス搬送波から受信されたものに関する情報を使用する。クラウドアプリケーションは、発呼者の番号及び有する最新情報を第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置により非同期的に通知される。クラウドアプリケーションは、記録が存在する場合には決定するために番号を使用してデータストア検索を実施してもよい。クラウドアプリケーションが有する最新の名前情報が第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置により送信されたものと一致しない場合には、クラウドアプリケーションは更新メッセージを第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に送信し、装置により細かな情報を知らせるだろう。情報が最新情報と一致する場合には、更新は装置に送信されない。制御は操作415に移され、処理400は続行される。
【0028】
操作415において、情報が確認され処理が終了する。例えば、第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置は、名前及び番号を第2のパーティデバイス(例えば、送信先の電話)が登録されている第2のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に送信する。第2の装置も、情報を記憶してクラウドアプリケーションに通知してよい。第2の装置は、名前及び番号をディスプレイのための第2のパーティデバイスに中継してもよく、続いてクラウドアプリケーションが有する名前情報をディスプレイのためのワークステーションに送信する。
【0029】
一実施形態において、200で
図2に示されるシステムのように単一のクラウド管理テレフォニー装置が利用され、第2のパーティデバイスは、情報及びクラウドアプリケーションとの通信を受信する装置に紐づけられる。これはまた複数の装置を利用する環境の場合でもよく、第2のパーティデバイスに紐づいた追加の装置を更新する必要はない。この様な場合には、追加のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に通知して更新する必要はなく、全体として500で示される
図5に例示されるように、処理300はより簡潔化される。処理500は、
図2に示されるシステム200に存在してもよい。
【0030】
操作505において、通信は第1のデバイスから受信される。例えば、第1のパーティは紐づいたデバイスからシステムへの通信を開始する。一実施形態において、これは顧客がコンタクトセンターへ通話を開始することを含む。別の実施形態において、従業員が企業環境へ通話を開始していることもある。制御は操作510に移され、処理500は続行される。
【0031】
操作510において、情報がクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に提供される。例えば、第1のパーティの発呼者ID情報が、テレフォニーデバイス搬送波により中継接続を終了させるクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に名前及び電話番号として提供される。名前はブロックされてもよく、「インディアナ州インディアナポリス」などの都市情報と共に「携帯発呼者」などの一般的な表現形式として表示される、又は「Betsy Hamilton」などの発呼者の名前を含む。装置はこの情報を使用してもよい、又はホワイトページ逆引き、CRMアプリケーションプラグイン(例えば、salesforce)などの局所データストア検索を実施することによりこの情報を置換えてもよい。クラウド管理テレフォニーネットワーク装置は、情報を記憶してクラウドアプリケーションに通知してもよい。装置も、送信先電話(例えば、第2のパーティテレフォニーデバイス)の登録情報を含んでよい。制御は操作515に移され、処理300は続行される。
【0032】
操作515において、クラウドアプリケーションが通知される。例えば、クラウド管理テレフォニーネットワーク装置は、クラウドアプリケーションに発呼者の番号及び有する最新の名前情報を通知する。この例では、「Betsy Hamilton」には「インディアナ州インディアナポリス」である。一実施形態において、通知は非同期的に行われてもよい。通知を非同期的に送信し、何の返信も待たないことで通信及び現在の既知情報を第2のパーティに紐づいたテレフォニーデバイスに伝達する際のあらゆる遅延を防止する。制御は操作520に移され、処理500は続行される。
【0033】
操作520において、情報は第2のパーティデバイスに中継される。例えば、クラウド管理テレフォニーネットワーク装置は、名前及び番号を含む情報をディスプレイのための第2のパーティデバイスに送信する。制御は操作525に移され、処理500は続行される。
【0034】
操作525において、データストア検索が実施され、任意の更新が実施される。例えば、クラウドアプリケーションは、一致する記録を捜す情報を使用してデータストア検索を実施する。クラウドアプリケーションが有する情報と、第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置がクラウドアプリケーションに送信したものが一致しない場合には、クラウドアプリケーションは更新メッセージを第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に中継して、より細かな情報を知らせるだろう。一実施形態において、第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置が、クラウドアプリケーションにより更新される場合には、装置は情報を局所的に記憶し、更新メッセージを第2のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置に送信して変更を通知するだろう。第2のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置で受信した任意の更新は、ディスプレイのための第2のパーティデバイスに中継される。制御は操作530に移され、処理500は続行される。
【0035】
操作530において、情報は第2のパーティデバイスのディスプレイに中継され、処理500が終了する。例えば、クラウドアプリケーションは、第2のパーティのデバイスに紐づいたディスプレイに「Betsy Hamilton」などの名についてのアプリケーションが有する情報を送信するだろう。
【0036】
処理400は、単一のクラウド管理テレフォニー装置システムにおいて処理400におけるステップ415以外は、次の通信に対して実質的に同様のままである。単一のクラウド管理テレフォニー装置システムには、更新すべき第2のクラウド管理テレフォニー装置が存在しない。従って、第1のクラウド管理テレフォニーネットワーク装置は、情報を記憶してクラウドアプリケーションに通知してもよい。このステップを実施する装置の相違とは対照的に、装置も、名前及び番号をディスプレイのための第2のパーティデバイスに中継してよく、続いてクラウドアプリケーションが有する名前情報をディスプレイのためのワークステーションに送信する。
【0037】
本発明は、図面及び前述の記述において詳しく図示され記述されているが、このような図示及び記述は例示的なものであり、その特性を限定するものとみなされるべきではなく、好ましい実施形態のみが示され記載されており、本発明の精神の範囲内の全等価物、変更及び修正は本明細書に記載されているように、及び/又は以下の特許請求の範囲により保護されるべきであると理解されるだろう。
【0038】
従って、本発明の適切な範囲は、全てのこのような修正と同様に図面に示したもの及び本明細書に記載したものと等価の関係を包含するように、添付の請求の範囲の最も広い解釈によってのみ決定されるべきである。
【要約】
ハイブリッドクラウド分散システム内でのデバイス間のコンタクトID伝播のシステム及び方法が提供される。第1のパーティデバイスに関連する情報は、クラウド管理テレフォニーネットワーク装置に提供される。装置は、クラウドアプリケーションと通信し、その装置が第2のパーティデバイスに紐づけられていない場合には、第2のパーティデバイスに紐づけられてもよい任意の他の装置と通信可能である。システムにおける構成要素間の情報は、第1のパーティ情報及びより細かな一致を提供するために非同期的に更新されてもよい。