特許第6193523号(P6193523)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6193523
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】発電システム
(51)【国際特許分類】
   F01K 7/40 20060101AFI20170828BHJP
   F01K 23/06 20060101ALI20170828BHJP
   F01K 23/10 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   F01K7/40 Z
   F01K23/06 A
   F01K23/10 X
【請求項の数】1
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-58928(P2017-58928)
(22)【出願日】2017年3月24日
【審査請求日】2017年3月24日
(31)【優先権主張番号】特願2016-240601(P2016-240601)
(32)【優先日】2016年12月12日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】306047996
【氏名又は名称】株式会社 ユーリカ エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 信三
【審査官】 松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−115046(JP,A)
【文献】 特開昭58−214606(JP,A)
【文献】 特開2005−030745(JP,A)
【文献】 特開2012−117680(JP,A)
【文献】 特開2012−149541(JP,A)
【文献】 特開2006−009574(JP,A)
【文献】 特表2015−519500(JP,A)
【文献】 特開平11−013418(JP,A)
【文献】 特開平03−050302(JP,A)
【文献】 特開2015−052427(JP,A)
【文献】 特開平10−339172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01K1/00−27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の供給側配管と第1の戻り側配管を介して接続された第1のボイラ及び復水タービンを備えると共に、前記第1の戻り側配管に接続された復水器及び一つ以上の加熱器を有する熱交換装置を備えた発電ラインと、ガスタービン発電機と、前記ガスタービン発電機に接続された第2のボイラと、前記第2のボイラから前記加熱器の少なくとも一つに接続された第2の供給側配管と、前記第2の供給側配管の道中に接続された少なくとも1台の背圧タービン発電機と、前記復水器から前記第2のボイラに接続された第2の戻り側配管と、前記第2の供給側配管が接続された前記加熱器から前記第1の戻り側配管に接続された第3の戻り側配管とを備えた加熱ラインとを具備したことを特徴とする発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電システムに関し、特に、化石燃料及び/またはバイオマスを燃料として発電する発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、地球温暖化問題が世界規模で深刻度を増しており、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)、京都議定書第11回締約国会合(CMP11)で、温暖化対策の枠組みが決められ、地球温暖化の極めて大きい要因である二酸化炭素(CO2)の排出量の削減目標が世界各国から提出されている。
【0003】
一方、日本では、原子力発電所の事故の影響で、多くの原子力発電所が長期にわたる稼働停止状態にあり、再稼働が遅々として進んでいないという状況であるため、化石燃料(石炭、石油、天然ガス)による火力発電所の建設が計画されている。
【0004】
火力発電の燃料は、石炭、天然ガスが多く使用されているが、これらの燃料による火力発電は、高効率であるもの、kW当たりのCO2の排出量が多く、特に、石炭火力発電のCO2の排出量は、天然ガス火力発電のCO2の排出量の約2倍であるため、前述のCO2の排出量削減目標の達成が難しいという問題がある。
【0005】
そこで、前述のCO2の排出量の削減目標を達成するという対策として、石炭とバイオマスを燃料として発電する混焼発電システムや熱効率が高いガスタービンコージェネレーションシステムを活用したガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)発電が提案されている。
【0006】
混焼発電システムは、特許文献1に記載されているように、石炭とバイオマスとを一台のボイラの燃料として用いた混焼発電システムが知られており、バイオマスを燃料の一部として使用することで、石炭の使用量を削減し、石炭の使用量の削減によって、kW当たりのCO2の排出量を低減することを図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2014−228265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述の混焼発電システムは、植物残渣及び褐炭を原料として燃料となるバイオマス及び石炭を製造するための乾燥・撹拌・加熱等に必要な動力消費が大きく、火力発電の燃料が製造されるまでに、相当な電力・熱エネルギーを要するという問題がある。
【0009】
また、前述の混焼発電システムでは、植物残渣及び褐炭を乾燥・撹拌・加熱等を行いバイオマス及び石炭を製造する装置を備えているが、あらかじめ製造されたバイオマス及び石炭を燃料として発電する混焼発電システムも存在する。
【0010】
燃料に用いられるバイオマスは、ボイラ阻害物質(塩素、低融点物質であるカリウム及びナトリウム等)の含有率が低いと共に、単位発熱量が高い高質のバイオマス(例えば、低含水な木質チップ、木質ペレット)が最適であり、この高質のバイオマスを燃料として使用することによって、ボイラの腐食や汚れを低減することができると共に、高効率な発電を行うことができる。
【0011】
混焼発電システムに用いられるボイラとしては、微粉炭焚きボイラが主流となっているため、燃料である微粉炭に対応させて、木質チップや木質ペレットを粉砕して微粉化して微粉炭に混合している。
【0012】
また、バイオマスの内、木質チップは、その性状から粉砕性に難があって、微粉化されるまでの動力消費が大きいため、現在では、バイオマスは、粉砕性がよい木質ペレットが実用化されつつある。
【0013】
しかしながら、木質ペレットは、高質なバイオマスとするために、原料となるパームヤシ殻(PKS)や間伐材等の林地残材を粉砕、乾燥してペレットに成型するが、これらの原料においても、ペレットに成型するのに、原料を粉砕して微粉化する作業が必要であるため、結局は、この微粉化に要する動力消費が大きく、微粉化されるまでに相当な電力・熱エネルギーを必要とし、微粉化に対する加工コストが高騰してしまうという問題がある。
【0014】
特に、PKSは、パームオイルの抽出後に残る廃棄物である一方、高質のバイオマスの原料として適したものであるが、極めて堅いものであるため、微粉化が難しく、この微粉化に要する動力消費がより大きくなってしまうという問題がある。
【0015】
また、高質のバイオマスの資源量には限度がある上に、日本のみならず世界各国で需要が高まる可能性があり、原料コストの高騰が予想される。
【0016】
このため、前述の各問題点を解消し、バイオマスの性状や原料の種類にかかわらず燃料として使用できると共に、固定価格買い取り制度(FIT)を活用することで経済性を確立し、且つ地球温暖化対策に貢献できる発電システムが求められており、また、熱効率が高いガスタービンコージェネレーションシステムを活用した発電システムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前述の課題を解決するため、本発明は、以下の手段を採用した。
【0018】
第1の供給側配管と第1の戻り側配管を介して接続された第1のボイラ及び復水タービンを備えると共に、前記第1の戻り側配管に接続された復水器及び一つ以上の加熱器を有する熱交換装置を発電ラインと、第2の供給側配管と第2の戻り側配管を介して前記加熱器の少なくとも一つに接続された第2のボイラと、前記第2の供給側配管の道中に接続された少なくとも1台の背圧タービン発電機とを備えた加熱ラインを具備したことを特徴とする発電システムである。
【0019】
第1の供給側配管と第1の戻り側配管を介して接続された第1のボイラ及び復水タービンを備えると共に、前記第1の戻り側配管に接続された復水器及び一つ以上の加熱器を有する熱交換装置を備えた発電ラインと、ガスタービン発電機と、前記ガスタービン発電機に接続された第2のボイラと、前記第2のボイラから前記加熱器の少なくとも一つに接続された第2の供給側配管と、前記第2の供給側配管の道中に接続された少なくとも1台の背圧タービン発電機と、前記復水器から前記第2のボイラに接続された第2の戻り側配管と、前記第2の供給側配管が接続された前記加熱器から前記第1の戻り側配管に接続された第3の戻り側配管とを備えた加熱ラインとを具備したことを特徴とする発電システムである。

【0020】
前述の発電システムであって、前記第2のボイラの供給側で接続された配管道中に、少なくとも1台の背圧タービン発電機が接続されていることが好ましい。
【0021】
第1の供給側配管と第1の戻り側配管を介して接続された第1のボイラ及び復水タービンを備えると共に、前記第1の戻り側配管に接続された復水器及び一つ以上の加熱器を有する熱交換装置を備えた発電ラインと、第2の供給側配管と第2の戻り側配管を介して前記復水タービンに接続された第2のボイラを備えた加熱ラインとを具備したことを特徴とする発電システムである。
【0022】
第1の供給側配管と第1の戻り側配管を介して接続された第1のボイラ及び復水タービンを備えると共に、前記第1の戻り側配管に接続された復水器及び一つ以上の加熱器を有する熱交換装置を備えた発電ラインと、ガスタービン発電機と、前記ガスタービン発電機に接続された第2のボイラと、前記第2のボイラから前記復水タービンに接続された第2の供給側配管と、前記復水器から前記第2のボイラに接続された第2の戻り側配管とを備えた加熱ラインとを具備したことを特徴とする発電システムである。
【0023】
前述の発電システムであって、前記第2の供給側配管の道中に前記第1のボイラが接続されていることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係る第1実施形態の発電システムを示す配管構成図である。
図2】本発明に係る第2実施形態の発電システムを示す配管構成図である。
図3】本発明に係る第3実施形態の発電システムを示す配管構成図である。
図4】本発明に係る第4実施形態の発電システムを示す配管構成図である。
図5】本発明に係る第5実施形態の発電システムを示す配管構成図である。
図6】本発明に係る第6実施形態の発電システムを示す配管構成図である。
図7】本発明に係る第7実施形態の発電システムを示す配管構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る第1実施形態の発電システムAを図1に基づいて説明する。
【0026】
発電システムAは、石炭の燃焼によって作られた過熱蒸気を動力として発電する発電ラインLと、バイオマスの燃焼によって、発電ラインLを通過する過熱蒸気が発電後に冷却されて生じる凝縮水を加熱する加熱ラインSの二つのラインを備えている。
【0027】
また、バイオマスとして、高質のバイオマスに限らず、低質のバイオマス(例えば、EFB、竹、生ごみを含む可燃ごみやRDF等)を使用することができる。
【0028】
発電ラインLは、第1の供給側配管L1及び第1の戻り側配管L2を介して第1のボイラ1と発電機2Aが接続された復水タービン2とが接続されており、石炭の燃焼によって第1のボイラ1が過熱蒸気を作り、第1のボイラで作られた過熱蒸気の圧力によって復水タービン2が回転し、この回転に伴って発電機2Aによる発電が行われるようになっている。
【0029】
復水タービン2から第1のボイラ1にわたる第1の戻り側配管L2上には、上流側(復水タービン2側)から復水器3と、熱交換装置HCとが接続されている。
【0030】
熱交換装置HCは、低圧の給水加熱器(加熱器)4と、脱気器5と、高圧の給水加熱器(加熱器)6を有するものであり、低圧の給水加熱器4から、この低圧の給水加熱器4の下流側の第1の戻り側配管L2に配管された第3の戻り側配管S3が配管されており、さらに、低圧の給水加熱器4、脱気器5、高圧の給水加熱器6の夫々に、加熱ラインSの第2の供給側配管S1が接続され、脱気器5に第2の戻り側配管S2が接続されている。
【0031】
尚、例示した熱交換装置HCは、2台の加熱器(低圧の給水加熱器4、高圧の給水加熱器6)を有するものに限らず、低圧の給水加熱器4と高圧の給水加熱器6のいずれか1台、或いは、低圧の給水加熱器4と高圧の給水加熱器6の任意の組み合わせで3台以上としてもよい。
【0032】
加熱ラインSは、第2のボイラ7が、第2の供給側配管S1を介して低圧の給水加熱器4、脱気器5、高圧の給水加熱器6に接続されていると共に、第2の戻り側配管S2を介して脱気器5に接続されている。
【0033】
また、第2の供給側配管S1の道中、且つ高圧の給水加熱器6への分岐管S10と脱気器5への分岐管S11の間に背圧タービン発電機11が接続されている。
【0034】
また、低圧の給水加熱器4から第1の戻り側配管L2及び高圧の給水加熱器6から脱気器5に、夫々第3の戻り側配管S3が接続されている。
【0035】
この加熱ラインSは、バイオマスの燃焼によって第2のボイラ7が過熱蒸気を作り、この過熱蒸気が第2の供給側配管S1から高圧の給水加熱器6を通過すると共に、第3の戻り側配管S3を介して脱気器5を通過して第2の戻り側配管S2に至り、第2の戻り側配管S2を経て第2のボイラ7に戻るようになっている。
【0036】
また、第2のボイラ7で作られた過熱蒸気の圧力で背圧タービン発電機11を回転させて発電させるようになっている。
【0037】
また、第2の供給側配管S1の過熱蒸気が、第2の供給側配管S1から低圧の給水加熱器4及び高圧の給水加熱器6を通過する際に凝縮水となり、この凝縮水を第3の戻り側配管S3を経て第1の戻り側配管L2に戻すと共に、脱気器5に戻すようになっている。
【0038】
また、低圧の給水加熱器4、高圧の給水加熱器6を通過する過熱蒸気は、低圧の給水加熱器4、高圧の給水加熱器6を通過する復水器3で凝縮された凝縮水を加熱し、この加熱で熱せられた凝縮水が第2のボイラ7へ給水されるようになっている。
【0039】
また、第1の戻り側配管L2側の凝縮水に含まれる空気を脱気器5で抜くようにされている。
【0040】
また、第2のボイラ7で作られる過熱蒸気は、凝縮水をある程度高温に加熱できる程度の温度・圧力であればよく、第1のボイラ1で作る過熱蒸気に比べて低温・低圧でよい。
【0041】
以上の構成とする発電システムAによると、発電ラインLでは、第1のボイラ1が過熱蒸気を作り、この過熱蒸気の圧力による復水タービン2の回転によって発電機2Aを回転させて発電することができる。
【0042】
復水タービン2を通過した過熱蒸気は、第1の戻り側配管L2に至ると共に、復水器3で凝縮水に凝縮されて、低圧の給水加熱器4、脱気器5、高圧の給水加熱器6を経て第1のボイラ1に給水され、この凝縮水で再び第1のボイラ1で過熱蒸気が作られて、連続した発電ができる。
【0043】
一方、加熱ラインSでは、第2のボイラ7が過熱蒸気を作り、この過熱蒸気が低圧の給水加熱器4、高圧の給水加熱器6を通過するときに、低圧の給水加熱器4、高圧の給水加熱器6を通過する凝縮水を加熱することができ、しかも、作られた過熱蒸気で背圧タービン発電機11を回転させて発電することができる。
【0044】
すなわち、復水器3での凝縮により冷却された凝縮水を、第2のボイラ7で作られた過熱蒸気によって加熱し、高温の状態で第1のボイラ1に給水するようにしているので、第1のボイラ1での過熱蒸気を効率よく作ることができ、これによって、石炭の使用量を削減することができる。
【0045】
また、発電ラインLばかりでなく、発電ラインLで冷却された凝縮水を加熱する加熱ラインSの過熱蒸気を利用して発電することができるので、高効率な発電ができる。
【0046】
また、混焼発電システムに加熱ラインSを増設し、この混焼発電システムを本願発明の発電システムAに改良することも可能である。
【0047】
したがって、発電システムAは、バイオマスの性状や原料の種類にかかわらず燃料として使用できると共に、固定価格買い取り制度(FIT)を活用することで経済性を確立し、且つ地球温暖化対策に貢献できる。
【0048】
次に、本発明に係る第2実施形態の発電システムBを図2に基づいて説明する。
尚、前述の発電システムAと重複する部位についての説明は、同符号を付すことにより省略する。
【0049】
発電システムBでは、第1のボイラ1の燃料に高質のバイオマスを用い、第2のボイラ7の燃料に低質のバイオマスを用いている。
【0050】
発電システムBは、復水タービン2から高圧の給水加熱器6に直接配管された抽気配管L3と、高圧の給水加熱器6から脱気器5に配管された第3の戻り側配管S3とを備え、脱気器5に第2の供給側配管S1と第2の戻り側配管S2が接続されている。
【0051】
この発電システムBによると、抽気配管L3から高圧の給水加熱器6を通過する過熱蒸気で、低圧の給水加熱器4を通過して加熱された凝縮水をさらに加熱することができる。また、高圧の給水加熱器6を通過する凝縮水の加熱により過熱蒸気が冷却されて凝縮水となり、この凝縮水が第3の戻り側配管S3及び脱気器5を経て第1の戻り側配管L2に戻すことができる。
【0052】
すなわち、発電システムBは、復水タービン2から抽気される過熱蒸気を高圧の給水加熱器6を通過する凝縮水の加熱に利用することができると共に、第2のボイラ7の過熱蒸気を低圧の給水加熱器4に集中させることができる。
【0053】
したがって、発電システムBは、発電システムAと同じ作用効果を有した上、復水タービン2から送出される熱エネルギーを有効利用できると共に、高圧の給水加熱器6での凝縮水の加熱をより効率よく行うことができるため、高質のバイオマスの使用量を削減できる一方、低質のバイオマスを使用することができる。
【0054】
尚、抽気配管L3に加えて、復水タービン2から脱気器5に抽気配管を直接配管してもよい。
【0055】
次に、本発明に係る第3実施形態の発電システムCを図3に基づいて説明する。尚、前述の発電システムA、Bと重複する部位についての説明は、同符号を付すことにより省略する。
【0056】
発電システムCでは、第1のボイラ1の燃料に石炭を用い、第2のボイラ7の燃料に高質のバイオマスを用いている。
【0057】
発電システムCは、第2のボイラ7から復水タービン2にわたって第2の供給側配管S1が接続されていると共に、脱気器5を介して低圧の給水加熱器4から第2のボイラにわたって接続された第2の戻り側配管S2が接続されている。
【0058】
また、復水タービン2から低圧の給水加熱器4及び脱気器5にわたって、抽気配管L4、L5が接続されている。
【0059】
この発電システムCによると、第1のボイラ1及び第2のボイラ7からの過熱蒸気を復水タービン2の作動に用いることができるので、高効率な発電を行うことができる。
【0060】
また、復水タービン2から低圧の給水加熱器4、脱気器5、高圧の給水加熱器6の夫々にわたって抽気配管L3〜L5が接続されているので、抽気配管L3〜L5から低圧の給水加熱器4、脱気器5、高圧の給水加熱器6を通過する過熱蒸気で、低圧の給水加熱器4、脱気器5、高圧の給水加熱器6を通過して加熱された凝縮水をさらに加熱することができる。
【0061】
次に、本発明に係る第4実施形態の発電システムDを図4に基づいて説明する。尚、前述の発電システムAと重複する部位についての説明は、同符号を付すことにより省略する。
【0062】
発電システムDでは、第1のボイラ1の燃料に高質のバイオマスを用い、第2のボイラの燃料に、流体化石燃料(石炭ガス化ガス、天然ガス、灯油、軽油等)を用いている。
【0063】
発電システムDは、加熱ラインSの第2のボイラ7に排ガスボイラが用いられている。この第2のボイラ7は、流体化石燃料により発電するガスタービン発電機8が接続されており、ガスタービン発電機8から排気される排ガスにより過熱蒸気を作るようにされている。
【0064】
加熱ラインSは、第2のボイラ7から低圧の給水加熱器4、脱気器5、高圧の給水加熱器6に接続された第2の供給側配管S1と、復水器3から低圧の給水加熱器4にわたる第1の戻り側配管L2から第2のボイラ7に接続された第2の戻り側配管S2と、低圧の給水加熱器4から第1の戻り側配管L2及び高圧の給水加熱器6から脱気器5に、夫々接続された第3の戻り側配管S3を備えている。
【0065】
この発電システムDは、第1のボイラ1で作られた過熱蒸気を利用する発電と、流体化石燃料を利用したガスタービン発電機8による発電と、第2のボイラ7で作られた過熱蒸気を利用した背圧タービン発電機11による発電との3つの発電手段を有しているので、高効率な発電を行うことができる。
【0066】
第2のボイラで作られた過熱蒸気は、低圧の給水加熱器4及び高圧の給水加熱器6並びに脱気器5に供給され、復水器3から第1の戻り側配管L2を経て、低圧の給水加熱器4、脱気器5、高圧の給水加熱器6を通過する凝縮水を加熱し、過熱した凝縮水を第1のボイラ1に給水することができる。
【0067】
したがって、この発電システムDは、発電システムAと同じ作用効果を有した上、3つの発電手段を有し、その一つの発電手段において、流体化石燃料によって発電して排気される排ガスによって作られる過熱蒸気を、発電ラインLの凝縮水を加熱する熱源として利用しているので、高効率な発電が行えると共に、CO2の削減に効果的である。
【0068】
尚、第2のボイラ7の燃料として、流体化石燃料にバイオマスを由来とするガス(バイオマスガス化ガス、バイオガス(メタン発酵ガス))を混合した燃料を用いてもよいし、このバイオマスを由来とするガスを流体化石燃料に換えて用いてもよい。
【0069】
次に、本発明に係る第5実施形態の発電システムEを図5に基づいて説明する。尚、発電システムEは、第1のボイラ1の燃料に石炭を用いおり、発電システムCのように抽気配管L3〜L5が接続され、発電システムDのように復水器3から第1の戻り側配管L2を介して第2のボイラ7に第2の戻り側配管S2が接続されていると共に、第2のボイラ7に流体化石燃料で発電するガスタービン発電機8を接続したものであるので、発電システムC、Dと重複する部位についての説明は、同符号を付すことにより省略する。
【0070】
この発電システムEは、発電システムCにおける抽気配管L3〜L5による作用効果と、発電システムDにおけるガスタービン発電機8による作用効果とを有する。
【0071】
次に、本発明に係る第6実施形態の発電システムFを図6に基づいて説明する。尚、発電システムFは、発電システムCにおける第2の供給側配管S2の道中に第2のボイラ7を接続したものであるので、発電システムEと重複する部位についての説明は、同符号を付すことにより省略する。また、第1のボイラ1の燃料に石炭を用い、第2のボイラの燃料に低質のバイオマスを用いている。
【0072】
この発電システムFは、第2のボイラ7で作られた過熱蒸気が第1のボイラ1を通過すると共に、この通過時に第1のボイラ1によって再加熱されて復水タービン2へと送られることになる。
【0073】
したがって、発電システムCと同じ作用効果を有すると共に、第1の供給側配管L1と第2の供給側配管S1からの過熱蒸気で復水タービン2を作動させることができるので、高効率な発電を行うことができる。
【0074】
次に、本発明に係る第7実施形態の発電システムGを図7に基づいて説明する。尚、発電システムGは、第2のボイラ7にガスタービン発電機8が接続され、復水器3から第1の戻り側配管L2を介して第2の戻り側配管S2が第2のボイラ7に接続されている構成以外は、発電システムFと同様であるので、発電システムFと重複する部位についての説明は、同符号を付すことにより省略する。また、第1のボイラ1に石炭を用いている。
【0075】
発電システムGは、発電システムC、Fと同じ作用効果を有し、これらの作用効果の相乗効果によって高効率な発電を行うことができる。
【0076】
尚、本発明は、例示した実施の形態に限定するものでは無く、特許請求の範囲に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。
【0077】
石炭又は高質のバイオマスを第1のボイラ1に使用し、低質のバイオマスを第2のボイラ(排ガスボイラを除く)7に使用することが望ましいが、これに限定するものではなく、石炭及びバイオマスをどのような組み合わせで使用してもよい。
【0078】
また、用いられる燃料は、石炭やバイオマスに限らず、石炭とバイオマスの混合物や流体化石燃料を使用することができる。
【符号の説明】
【0079】
A:発電システム
B:発電システム
C:発電システム
D:発電システム
E:発電システム
F:発電システム
G:発電システム
HC:熱交換装置
L:発電ライン
L1:第1の供給側配管
L2:第1の戻り側配管
S:加熱ライン
S1:第2の供給側配管
S2:第2の戻り側配管
1:第1のボイラ
2:復水タービン
3:復水器
4:低圧の給水加熱器
6:高圧の給水加熱器
7: 第2のボイラ
8:ガスタービン発電機
11:背圧タービン発電機

【要約】      (修正有)
【課題】バイオマスの性状や原料の種類にかかわらず燃料として使用できると共に、固定価格買い取り制度(FIT)を活用することで経済性を確立し、且つ地球温暖化対策に貢献できる発電システムを提供する。
【解決手段】第1の供給側配管と第1の戻り側配管を介して接続された第1のボイラ及び復水タービンを備えると共に、前記第1の戻り側配管に接続された復水器及び一つ以上の加熱器を有する熱交換装置を発電ラインと、第2の供給側配管と第2の戻り側配管を介して前記加熱器の少なくとも一つに接続された第2のボイラを備えた加熱ラインとを具備した発電システム。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7