(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接続手段は、前記フレームの開口部の内縁から当該開口部内に延び且つ前記配線基板のダミー絶縁部に設けた導電体と接合される接続リード、上記フレームの開口部の内縁から当該開口部内に延び且つ上記ダミー絶縁部における複数の外周面に先端部が当接する当接リード、上記フレームの開口部の内縁から当該開口部内に延び且つ上記ダミー絶縁部をその厚み方向から挟む挟持リード、あるいは、上記フレームの開口部の内縁から当該開口部内に延び且つ上記ダミー絶縁部の外周面に開口する凹部に先端部が進入する凸型リード、の何れかである、
ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板ユニット。
前記接続手段は、前記フレームの開口部の内縁から当該開口部内に延び且つ前記配線基板のダミー絶縁部に設けた導電体と接合される接続リード、上記フレームの開口部の内縁から当該開口部内に延び且つ上記ダミー絶縁部における複数の外周面に先端部が当接する当接リード、上記フレームの開口部の内縁から当該開口部内に延び且つ上記ダミー絶縁部を該絶縁部の厚み方向から挟む挟持リード、あるいは、上記フレームの開口部の内縁から当該開口部内に延び且つ上記ダミー絶縁部の外周面に開口する凹部に先端部が進入する凸型リードの何れかである、
ことを特徴とする請求項3に記載のリード付き配線基板の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、背景技術で説明した問題点を解決し、例えば、リードフレームの開口部内に配置すべき配線基板が該開口部の内縁から延びた複数のリードにより片持ち状態で実装されていても、メッキ工程で上記リードに曲がりが生じにくい配線基板ユニット、該配線基板ユニット
を得るための製造方
法に続けて得られるリード付き配線基板の製造方法を提供する、ことを課題とする。
【0006】
本発明は、前記課題を解決するため、配線基板をリードフレームにおける複数のリードに接続される外部端子を有する製品絶縁部と、該製品絶縁部を除いたダミー絶縁部とから構成し、該ダミー絶縁部とリードフレームのフレームとの間を接続手段によって接続する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の配線基板ユニット(請求項1)は、平面視で3以上の辺を有する多角形の配線基板と、平面視で内側に少なくとも1個の前記配線基板を配置する開口部を有するフレーム、および該フレームの開口部の内縁に一端が連結され、且つ他端が上記配線基板の複数の外部端子に接続された複数のリードを含むリードフレームと、を備えた配線基板ユニットであって、上記配線基板は、上記複数の外部端子が表面に形成された製品絶縁部と、上記多角形の1辺を含む外縁部に形成されたダミー絶縁部とを有しており、上記リードフレームのフレームと、上記配線基板のダミー絶縁部との間に、両者の間を接続する接続手段を配置してなる
と共に、
上記ダミー絶縁部と接続手段とは、追って上記配線基板から除去される部位である、ことを特徴とする。
【0007】
これによれば、前記フレームにおける内側の開口部内に配置された配線基板は、該配線基板における前記製品絶縁部の表面に形成された複数の外部端子が上記開口部の内縁から延びた複数のリードの先端部に接続されていると共に、上記配線基板の前記ダミー絶縁部が上記フレームの内縁と接続手段を介して接続されている。その結果、製造時における前記フレームの開口部内に配線基板を実装した実装工程後のメッキ工程において、メッキ液の流動により上記配線基板が該メッキ液中で揺動する事態をなくすか、著しく抑制されている。あるいは、配線基板が実装されたリードフレームをメッキ電極(電源)に接続したり、該メッキ電極から除去する際のリード曲がりも皆無とされている。更に、上記実装工程の後や工程間の搬送時において、配線基板の製品絶縁部に接続された前記複数のリードが不用意に曲がるなどの変形が生じにくくなっている。加えて、
前記ダミー絶縁部と接続手段とは、追って前記配線基板から除去される部位でもある。
従って、前記リードフレームと、そのフレームの内側における開口部内に延びた複数のリードに製品絶縁部が接続され、且つダミー絶縁部が接続手段を介して上記フレームの内縁に接続された配線基板とからなり、形状安定性および寸法精度に優れ
ていると共に、追って上記配線基板から除去されるダミー絶縁部および接続手段を含む配線基板ユニットを確実に提供できる。
【0008】
尚、前記配線基板を構成する製品絶縁部およびダミー絶縁部は、例えば、アルミナなどのセラミック、あるいはエポキシ系などの樹脂からなる。
また、前記配線基板は、平面視において三角形以上の正多角形(例えば、正方形、六角形、八角形)または変形多角形(長方形、変形八角形など)を呈する。
更に、前記配線基板のダミー絶縁部は、前記配線基板の外形をなす多角形の少なくとも1辺を含み且つ前記製品絶縁部に隣接する絶縁部分であり、前記接続手段を配置するために必要最小限の面積を有する絶縁部分である。そのため、該ダミー絶縁部は、平面視で製品絶縁部に比べ比較的小さな面積となる。一方、配線基板の製品絶縁部は、前記多角形の2辺以上を含み且つ上記ダミー絶縁部を除いた絶縁部分である。
また、上記ダミー絶縁部と製品絶縁部との境界に沿って、配線基板の裏面などに分割溝や、該配線基板の表・裏面間を貫通する所要数の貫通孔を設けても良い。
更に、前記配線基板の外部端子は、製品絶縁部の薄肉部分に形成しても良い。
また、前記リードフレームは、42アロイ(Fe−42%Ni)、194合金(Cu−2.3%Fe−0.03%P)などの銅合金、コバール(Fe−29%Ni−17%Co)、あるいはステンレス鋼などの薄板を所定のパターンで打ち抜き加工したものである。
【0009】
更に、前記リードフレームのフレームの外形と、その内側に位置する開口部とは、平面視において、互いにほぼ相似形の3角形以上の正多角形あるいは変形多角形を呈するほか、互いにほぼ相似形の円形、長円形、楕円形などであっても良い。
また、平面視で前記開口部が正多角形あるいは変形多角形である場合、前記リードフレームにおける複数のリードは、開口部を形成する前記フレームの内縁の同じ辺から互いに平行に開口部内に延び且つ同じ配線基板における製品絶縁部の同じ辺に向かって平行あるいは平行に延びているか、前記フレームの内縁の同じ辺から互いに接近するように同じ配線基板における製品絶縁部の同じか異なる辺に向かって、斜めに延びているか、あるいは、上記フレームの内縁の異なる辺からそれぞれ異なる方向に沿って延び且つ同じ配線基板における製品絶縁部の異なる辺に向かって任意に延びている。
更に、上記複数のリードの総数は、少なくとも2本である。
加えて、前記配線基板は、前記リードフレームの開口部内において、平面視において、複数個が直線状に配設される形態のほか、格子状の位置、あるいは千鳥状の位置に配設された形態としても良い。
【0010】
また、本発明には、前記接続手段は、前記フレームの開口部の内縁から当該開口部内に延び且つ前記配線基板のダミー絶縁部に設けた導電体と接合される接続リード、上記フレームの開口部の内縁から当該開口部内に延び且つ上記ダミー絶縁部における複数の外周面に先端部が当接する当接リード、上記フレームの開口部の内縁から当該開口部内に延び且つ上記ダミー絶縁部をその厚み方向から挟む挟持リード、あるいは、上記フレームの開口部の内縁から当該開口部内に延び且つ上記ダミー絶縁部の外周面に開口する凹部に先端部が進入する凸型リード、の何れかである、配線基板ユニット(請求項2)も含まれる。
これによれば、前記フレームの開口部内に配置された配線基板は、その製品絶縁部の表面に形成された複数の外部端子と上記フレームの内縁から延びた複数のリードの先端部とが接続されていると共に、該配線基板のダミー絶縁部と上記フレームとが前記接続リード、当接リード、挟持リード、あるいは凹部と凸型リードとの組み合わせの何れかの接続手段を介して接続されている。その結果、製造時の前記メッキ工程における複数のリードの曲がり変形や、実装工程後における上記リードの不用意な変形を皆無にした配線基板ユニットとなっている。
【0011】
尚、配線基板のダミー絶縁部に形成される導電体は、少なくとも1個の導体層で、例えば、前記外部端子と同じWやMoなどの金属からなり、該導電体と接続リードの先端部とがロウ付けやスポット溶接などにより接合される。
また、前記当接リードには、前記リードフレームにおける開口部の内縁から平面視でY字形状、V字形状、あるいはU字形状で延びる形態が含まれ、該当接リードの内側部分と前記ダミー絶縁部の外周との摩擦により、両者が接続される。
更に、前記挟持リードは、前記フレームにおける開口部の内縁から延びた帯状のリード片の先端側にスリットを入れ、該スリットにより分割された一対のリード片の何れか一方または双方を厚み方向に沿って変形させた形態、あるいは、帯状のリード片の表面に別のリード片を重ねて接合し、例えば、両者が側面視で>字形状を構成する形態を含み、厚み方向で先端側が開いた2つのリード片の間に前記ダミー絶縁部の外周部が挟み込まれる。
また、前記ダミー絶縁部に設ける凹部は、外周面に開口する凹みまたは凹溝であり、該凹みには、先端部を先細形状にした凸型リードの該先端部が進入し、上記凹溝には、平面視が細長い長方形を呈する凸型リードの先端部が進入することによって、両者が接続される。
更に、前記当接リード、挟持リード、あるいは凸型リードは、前記複数のリードとは、平面視で重複しないと共に、フレームの内縁における異なる辺、またはフレームにおいて互いに離れた位置の内縁から開口部内に延びている。
加えて、前記接続手段は、前記フレームとダミー絶縁部との間に配置される金属製あるいは樹脂製などの連結片としても良く、該連結片の両端部は、上記フレームおよびダミー絶縁部と、ロウ付けによる接合または接着剤で連結しても良い。
【0012】
一方、本発明による
リード付き配線基
板の製造方法(請求項3)は、平面視で3以上の辺を有する多角形の配線基板と、平面視で内側に少なくとも1個の上記配線基板を配置する開口部を有するフレーム、および該フレームの開口部の内縁に一端が連結され、且つ他端が上記配線基板の複数の外部端子に接続された複数のリードを含むリードフレームと、を備えた
リード付き配線基
板の製造方法であって、
平面視で開口部を内側に有するフレームと、該フレームの開口部の内縁から該開口部内に延びる複数のリードと、を有するリードフレームを準備する工程と、
複数の外部端子が表面に形成された製品絶縁部と、上記多角形の1辺を含む外縁部に形成されたダミー絶縁部とを有する配線基板を準備する工程と、該配線基板の複数の外部端子と、上記複数のリードの先端部とを接合して、上記配線基板を上記フレームの開口部内に配置する配線基板の実装工程と、上記配線基板に接合したリードフレームのフレームをメッキ電源に導通して、該フレームの表面および上記複数のリードの表面に対し、メッキ膜を被覆するメッキ工程と、を含み、上記配線基板の実装工程において、上記フレームにおける開口部の内縁と、上記配線基板のダミー絶縁部との間に、両者の間を接続する接続手段を更に配置をする
と共に、
少なくとも上記フレームの一部を切断して、該フレームから上記複数のリードを切り離すと共に、上記メッキ工程は、上記フレームの開口部の内縁と上記ダミー絶縁部との間に、これらの両者を接続する上記接続手段を配置した状態で行われ、上記配線基板から上記ダミー絶縁部を切り離して、上記製品絶縁部のみからなる配線基板を切り出す切断工程を施す、ことを特徴とする。
【0013】
これによれば、前記の各準備工程で準備されたリードフレームと配線基板とは、前記実装工程で該配線基板の製品絶縁部の表面に形成された複数の外部端子と前記フレームの開口部内に延びた複数のリードの先端部とが接続されると共に、上記配線基板のダミー絶縁部と上記フレームの開口部の内縁との間が接続手段を介して接続される。その結果、メッキ工程において、メッキ液の流動により上記配線基板が該メッキ液中で揺動する事態をなくすか、著しく抑制できると共に、配線基板が実装されたリードフレームをメッキ電極(電源)に接続したり、該メッキ電極から取り外す際のリード曲がりも皆無となる。更に、上記実装工程の後や工程間の搬送時において、配線基板の製品絶縁部に接続された前記複数のリードが不用意に曲がるなどの変形が生じにくくなる。
加えて、前記フレームの一部を切断して、該フレームから上記複数のリードを切り離すと共に、前記配線基板から上記ダミー絶縁部を切り離して、前記製品絶縁部のみからなる配線基板を切り出す切断工程を経ることで、製品絶縁部のみからなる配線基板と、その表面に形成された複数の外部端子に一端部(先端部)が接合された複数のリードとを備えたリード付き配線基板が得られる。
従って、前記リードフレームと、そのフレームの内側における開口部内に延びた複数のリードに製品絶縁部が接続され、且つダミー絶縁部が接続手段を介して上記フレームの内縁に接続された配線基板とからなり、形状安定性および寸法精度に優れた配線基板ユニット
からダミー絶縁部などを切り離したリード付き配線基板を確実に製造できる。
尚、前記メッキ工程は、例えば、電解Niメッキおよび電解Auメッキを施す2つのメッキ工程からなる形態がある。
【0014】
また、本発明には、前記接続手段は、前記フレームの開口部の内縁から当該開口部内に延び且つ前記配線基板のダミー絶縁部に設けた導電体と接合される接続リード、上記フレームの開口部の内縁から当該開口部内に延び且つ上記ダミー絶縁部における複数の外周面に先端部が当接する当接リード、上記フレームの開口部の内縁から当該開口部内に延び且つ上記ダミー絶縁部を該絶縁部の厚み方向から挟む挟持リード、あるいは、上記フレームの開口部の内縁から当該開口部内に延び且つ上記ダミー絶縁部の外周面に開口する凹部に先端部が進入する凸型リードの何れかである、
リード付き配線基
板の製造方法(請求項4)も含まれる。
これによれば、前記実装工程において、前記フレームの開口部内に配置された配線基板の製品絶縁部の表面に形成された複数の外部端子と上記開口部の内縁から延びた複数のリードの先端部とを接続できると共に、該配線基板のダミー絶縁部と上記フレームとを前記接続リード、当接リード、挟持リード、あるいは凹部と凸型リードとの組み合わせの何れかの接続手段を介して接続できる。その結果、前記メッキ工程における複数のリードの曲がり変形や、実装工程後における上記リードの不用意な変形を皆無にした配線基板ユニットを低コストで容易且つ確実に製造できる。
【0015】
尚、複数のリードの基端部付近に隣接する前記フレームの一部を併有する形態のリード付き配線基板としても良い。更に、かかる形態の該リード付き配線基板における各リードの基端部側の位置を切断することで、所望の長さのリードを有するリード付き配線基板を提供することも可能である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下において、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明による一形態の配線基板ユニット1を示す平面図、
図2(A)は、
図1中のX−X線の矢視に沿った垂直断面図、
図2(B)は(A)中の一点鎖線部分Bの拡大図、
図2(C),(D)は本発明により得られるリード付き配線基板を示す平面図である。
かかる配線基板ユニット1は、
図1に示すように、平面視で長方形(四角形)を呈する4個(複数)の配線基板20と、該4個の配線基板20を内側の開口部4内において直線状(図示で左右方向)に配置したリードフレーム2とからなる。
上記リードフレーム2は、例えば、厚みが約0.1〜0.2mmの42アロイからなり、平面視の外形が長方形の枠状で且つ内側に前記外形とほぼ相似形の開口部4を有するフレーム3と、該フレーム3の下辺における内縁3aから互いに隣接する2本(複数)ずつ4組が上記開口部4内に垂直に延びた複数のリード5と、上記フレーム3の上辺における内縁3aから垂直で且つ上記各組のリード5とほぼ対向して上記開口部4内に延びた4本の接続リード6とを備えている。
【0018】
一方、前記配線基板20は、
図1,
図2(A),(B)に示すように、平面視の外形が4つの辺を有する縦長の長方形を呈し、比較的広い面積を占める製品絶縁部21と比較的狭い面積を占めるダミー絶縁部22とからなる。これらの絶縁部21,22は、例えば、アルミナを主成分とするセラミック層s1〜s4を積層したもので、
図2(B)中における仮想の破線で示すように、両者の境界に沿って、当該配線基板20の裏面に断面V字形状の分割溝23が形成されている。
尚、上記絶縁部21,22は、ムライトなどの高温焼成セラミック、ガラス−セラミックなどの低温焼成セラミック、あるいは、エポキシ系などの樹脂の絶縁材料から構成しても良い。
上記製品絶縁部21は、セラミック層s1,s2のみからなる平板部分の上方に平面視で四角枠形状を呈するセラミック層s3,s4を積層したものであり、平面視で矩形枠状の表面24および長方形の裏面25を有し、
図1,
図2(A),(B)において、該製品絶縁部21の薄肉部分の表面26には、左右一対(複数)の外部端子27が形成されている。かかる一対の外部端子27には、前記1組2本のリード5の先端部が、例えば、Agからなるロウ材35を介して個々にロウ付け(接合)されている。
【0019】
また、前記セラミック層s3,s4の内側には、セラミック層s2の表面を底面とするキャビティ28が形成され、該底面には、左右一対の内部端子29と、平面視が角形形状を呈する1つの素子搭載部30とが形成されている。
図2(B)に示すように、前記一対の外部端子27と一対の内部端子29とは、セラミック層s2を貫通するビア導体と、セラミック層s1,s2間に形成された配線層とからなる一対の内部配線32を介して、個々に導通可能とされている。
更に、前記素子搭載部30の表面には、追ってICチップなどの半導体素子や発光素子などの電子部品31が実装され、該電子部品31における一対の電極と前記一対の内部端子29との間は、追ってワイヤwを介して個別に導通される。
加えて、
図1,
図2(B)に示すように、前記ダミー絶縁部22を構成するセラミック層s1,s2からなる平板部分の表面33には、横長の導電体34が形成され、かかる導電体34には、前記同様のロウ材35を介して、前記接続リード6の先端部がロウ付けされている。
尚、前記外部端子27、内部端子29、素子搭載部30、内部配線32、および導電体34は、例えば、WまたはMoからなる。また、前記素子搭載部30とダミー絶縁部22の導体部34との間にも、前記同様の内部配線を設けても良い。
【0020】
図2(C)は、前記配線基板ユニット1から、前記ダミー絶縁部22を切断および除去して、絶縁部として製品絶縁部21のみとした配線基板20pと、一対のリード5と、該一対のリード5に隣接する前記フレーム3の下辺を2箇所で切断して残った部分フレーム3bとからなるリード付き配線基板36を示す平面図である。かかるリード付き配線基板36は、前記配線基板ユニット1から4個が得られる。
更に、上記リード付き配線基板36から、上記部分フレーム3bと、これに隣接する一対のリード5の基端部側とを切断および除去することで、
図2(D)に示すように、所望の長さである一対のリード5を含むリード付き配線基板38が得られる。かかるリード付き配線基板38は、素子搭載部30の表面上に前記電子部品31を実装し、且つ該電子部品31の各電極と一対の内部端子29とをワイヤwにより個別に導通することで、各種の電子機器などにおける所定部分に配設することが可能となる。
【0021】
図3は、異なる形態の2つの配線基板ユニット1a,1bを示す平面図である。
一方の配線基板ユニット1aは、
図3の左側で部分的に示すように、前記同様のリードフレーム2aと、そのフレーム3の開口部4内に配置した前記同様の複数の配線基板20aとを備えている。該配線基板ユニット1aが前記配線基板ユニット1と異なるのは、前記接続リード6に替えて、フレーム3の上辺における開口部4の内縁3aから平面視でほぼY字形状の当接リード(接続手段)7を、配線基板20ごとの上方に設けたリードフレーム2aを用いたことである。上記当接リード7は、フレーム3に接続した基片8と、該基片8の先端から斜め下向きで且つ左右対称に延びた一対の当接片(先端部)9とからなる。
前記同様にフレーム3の下辺から延びた一対のリード5の先端部と、製品絶縁部21における一対の外部端子27とが個別に接合された複数の配線基板20aは、
図3の左側に示すように、そのダミー絶縁部22に前記導電体34がなく、該ダミー絶縁部22における左右一対のコーナ部が上記一対の当接片9の内側面に個別に当接し、該当接部分ごとの摩擦によって、それぞれフレーム3の上辺とも接続されている。
【0022】
他方の配線基板ユニット1bも、
図3の右側で部分的に示すように、前記同様のリードフレーム2bと、そのフレーム3の開口部4内に配置した前記と同じ複数の配線基板20aとを備えている。該配線基板ユニット1bは、上記リードフレーム2bにおけるフレーム3の上辺に複数の当接リード(接続手段)7aを設けている。かかる当接リード7aは、前記基片8と左右一対の当接片9と、該当接片9ごとの先端に図示で下向きに延びた接触片(先端部)10とを有している。
前記同様にフレーム3の下辺から延びた一対のリード5の先端部と、製品絶縁部21における一対の外部端子27とが個別に接合された複数の配線基板20aは、
図3の右側に示すように、そのダミー絶縁部22における左右側面に各当接リード7aにおける左右一対の接触片10が線接触し、且つ該ダミー絶縁部22の上辺付近を左右から挟むことにより、それぞれフレーム3の上辺とも接続されている。
【0023】
図4(A)は、更に異なる形態の配線基板ユニット1cを示す部分平面図、
図4(B)は(A)中の白抜き矢印Bの矢視に沿った垂直断面図である。
該配線基板ユニット1cも、
図4(A)に示すように、前記同様のリードフレーム2cと、そのフレーム3の開口部4内に配置した前記同様の複数の配線基板20cとを備えている。上記リードフレーム2cは、前記接続リード6に替えて、フレーム3の上辺側における開口部4の内縁3aから、配線基板20ごとの上方に向かって複数の挟持リード(接続手段)12を延ばしている。
かかる挟持リード12は、
図4(A),(B)に示すように、平面視で左右一対の挟持片13,14からなり、左側の挟持片13は、フレーム3と同じレベルに位置しているが、右側の挟持片14は、フレーム3の上辺における開口部4の内縁から斜め下向きに延びている。
【0024】
一方、配線基板20cは、
図4(A),(B)に示すように、ダミー絶縁部22の表面に前記導電体34がなく、該表面にダミー絶縁部22と同じ絶縁材からなる凸部33aを形成している。該凸部33aの高さは、前記導電体34の厚みとほぼ同じである。
本配線基板ユニット1cを構成するには、
図4(B)中の矢印で示すように、配線基板20cを、リードフレーム2の底面(裏面)側に向かって斜め上方に持ち上げ、ダミー絶縁部22の凸部33aと裏面とを、挟持リード12の挟持片13,14間に挟みこんだ状態とした後で、前記同様にフレーム3の下辺から延びた一対のリード5の先端部と、製品絶縁部21における一対の外部端子27とを個別に接合することにより構成できる。
尚、上方の挟持片13の全体またはその先端側を側面視で下向きに若干折り曲げることで、配線基板20c側の前記凸部33aを省略しても良い。また、一対の挟持片13,14は、互いに若干離しつつ前記フレーム3に形成しても良い。
【0025】
図5(A)は、別異な形態の配線基板ユニット1dを示す部分平面図、
図5(B)は、(A)中の白抜き矢印Bの矢視に沿った垂直断面図、
図5(C)は、本配線基板ユニット1dに用いる配線基板20の垂直断面図である。
該配線基板ユニット1dも、
図5(A)に示すように、前記同様のリードフレーム2dと、そのフレーム3の開口部4内に配置した複数の配線基板20dとを備えている。上記リードフレーム2dは、前記接続リード6と同様な凸型リード(接続手段)16をフレーム3の上辺側における開口部4の内縁3aに設けている。一方、配線基板20dは、
図5(C)に示すように、前記同様の製品絶縁部21とダミー絶縁部22とからなり、該ダミー絶縁部22の表面33には、前記導電体34がなく、該表面の上辺に沿った凸部33bと、該凸部33bの外周側に開口した凹溝(凹部:接続手段)33cとを設けている。
【0026】
前記配線基板ユニット1dを構成するには、
図5(B)に示すように、複数の配線基板20dにおける凹溝33c内にフレーム3の上辺から延びた凸型リード16の先端部を個別に進入させた状態とした後で、前記同様にフレーム3の下辺から延びた一対のリード5の先端部と、製品絶縁部21における一対の外部端子27とを個別に接合することにより構成できる。
尚、前記配線基板20dのダミー絶縁部22を製品絶縁部21と同じ厚みの厚板状の形態とし、その外周側の上部に前記凹溝33cを形成しても良い。また、凹溝33cに替えて、局部的な凹部をダミー絶縁部22側に設け、該凹部に先端部を先細形状とした凸型リードを進入させるようにしても良い。
【0027】
図6は、更に別異な形態の配線基板ユニット1eを示す部分平面図である。
該配線基板ユニット1eは、
図6に示すように、前記同様のリードフレーム2eと、そのフレーム3の開口部4内に配置した複数の配線基板40とを備えている。上記リードフレーム2eは、前記同様のフレーム3と、該フレーム3の下辺における開口部4側の内縁3aから前記同様に延びたリード5と、該リード5の両側に位置し且つ上記内縁3aから左右対称に傾斜して延び且つ先端部5bが屈曲した左右一対のリード5aと、該フレーム3の上辺の内縁3aから垂直に延びた前記同様の接続リード6とを備えている。上記リード5とこれを挟んだ左右一対のリード5aとは、配線基板40ごとに対応した複数のリードである。
一方、上記配線基板40は、前記同様の複数のセラミック層を積層してなり、
図6に示すように、平面視で8つの辺を有する変形八角形を呈し、同図中の仮想の一点鎖線で示す境界の下側に位置し且つ5つの辺を有する変形六角形の製品絶縁部41と、上記境界の上側に位置し且つ3つの辺を有する平面視が台形状のダミー絶縁部42とからなる。尚、配線基板40の裏面には、上記2つの絶縁部41,42を区分する前記同様の分割溝を設けて良い。
【0028】
前記製品絶縁部41は、
図6に示すように、その表面43の中央側に平面視で四角枠形状の側壁45とその内側のキャビティ46とを備えると共に、図示で下辺付近の表面43に形成した横長の外部端子47、および図示で左右の側辺付近の表面43に個別に縦長に形成した一対の外部端子48を有している。上記キャビティ46の底面には、上記3つの外部端子47,48と前記同様の内部配線(図示せず)を介して個別に導通した3つの内部端子49と、1つの矩形状の素子搭載部50とが形成されている。
一方、前記ダミー絶縁部42には、
図6で上辺の付近における表面43に、横長の導電体44が形成されている。
そして、前記配線基板ユニット1と同様に、
図6に示すように、フレーム3の下辺の内縁3aから開口部4内に延びたリード5の先端部を配線基板40ごとの製品絶縁部41の外部端子47に個々に接合すると共に、一対のリード5aの先端部を製品絶縁部41における一対の外部端子48と個別に接合し、更にフレーム3の上辺の内縁3aから開口部4内に延びた接続リード6の先端部を配線基板40ごとのダミー絶縁部42の導電体44に接合することで、配線基板ユニット1eが構成されている。
尚、リードフレーム2eの接続リード6に替えて、前記当接リード7,7a、挟持リード12、または、凸型リード16を同様の位置に形成し、凸型リード16の場合には、その先端部が進入し得る凹部をダミー絶縁部42に設けても良い。
【0029】
以上のような配線基板ユニット1,1a〜1eによれば、前記リードフレーム2,2a〜2eの開口部4内に配置された複数の配線基板20,20a,20c,20d,40は、それらの製品絶縁部21,41の表面26,43に形成された複数の外部端子27,47,48が開口部4の内縁3aから延びた複数のリード5,5aの先端部に個別に接合されていると共に、配線基板20,20a,20c,20d,40のダミー絶縁部22,42がフレーム3の内縁3aと接続手段(接続リード6、当接リード7,7a、挟持リード12、および凸型リード16と凹溝33c)を介して接続されている。
その結果、製造時においてフレーム3の開口部4内に配線基板20,20a,20c,20d,40を実装した実装工程後のメッキ工程において、メッキ液の流動により配線基板20,40などが該メッキ液中で揺動する事態をなくすか、著しく抑制されている。あるいは、配線基板20,40などが実装されたリードフレーム2,2a〜2eをメッキ電極(電源)に接続したり、該メッキ電極から取り外す際に生じ得る前記リード5,5aの曲がりも皆無となっている。
【0030】
更に、上記実装工程の後や工程間の搬送時において、配線基板20,20a,20c,20d,40の外部端子27,47,48に接続された複数のリード5,5aが不用意に曲がるなどの変形を生じにくくなっている。
従って、前記リードフレーム2,2a〜2eと、それらのフレーム3の開口部4内に延び且つ所定の形状を備えた複数のリード5,5aに製品絶縁部21,41の外部端子27,47,48が接続され、且つダミー絶縁部22,42が前記接続手段を介して上記フレーム3に接続された複数の配線基板20,20a,20c,20d,40とからなり、形状安定性および寸法精度に優れた配線基板ユニット1,1a〜1eとされている。
尚、接続手段の前記接続リード6、当接リード7,7a、挟持リード12、および凸型リード16は、同じリードフレーム2,2a〜2eにおけるフレーム3の内縁3aに2種類以上を併設しても良い。また、前記当接リード7,7aの内側面が進入可能な凹溝を、配線基板20,20a,20c,20d,40のダミー絶縁部22,42の外周面に設けても良い。
【0031】
以下において、配線基板ユニット1の製造方法について説明する。
予め、
図7に示すようなリードフレーム2を準備する工程を行った。該リードフレーム2を得るには、42アロイなどからなり、
図7で左右方向に沿って連続する帯状の金属薄板(図示せず)を用意し、該金属薄板に対し、所定の断面形状(パターン)を有するポンチおよびダイによる打ち抜き加工を、該金属薄板の長手方向に沿って複数回にわたり施す。次いで、打ち抜いた領域ごとに上記金属薄板を切断した。その結果、
図7に示すように、平面視で内側に外形とほぼ相似形の開口部4を有するフレーム3と、該フレーム3の下辺における内縁3aから互いに隣接する2本ずつ4組が開口部4内に垂直に延びた複数のリード5と、上記フレーム3の上辺における内縁3aから垂直で且つ上記各組のリード5とほぼ対向して上記開口部4内に延びた4本の接続リード6とを備えたリードフレーム2が得られた。
尚、前記リードフレーム2a〜2eを準備する工程も、リードフレーム2を得る場合とは異なる断面形状のポンチおよびダイを用いることで、上記と同様に成形することができる。
【0032】
前記リードフレーム2の準備と平行して配線基板20を準備する工程を行った。
予め、アルミナを主成分とする4枚のグリーンシートを用意し、このうち、追って前記セラミック層s1,s2となる2枚のグリーンシートをそのままとし、追って前記セラミック層s3,s4となる2枚のグリーンシートに対し、平面視で長方形状の抜き孔を有するダイと、前記よりも小さい長方形状の断面を有するポンチとを用いた打ち抜き加工を施して、平面視で四角枠形状を呈し且つ追って前記キャビティ28を内側に形成する2つの枠形グリーンシートとした。
次いで、前記セラミック層s1,s2となる2枚のグリーンシートのうち、追って前記セラミック層s2となる平坦なグリーンシートに対し、小径のポンチによる打ち抜き加工を行って、複数のビアホールを形成し、該ビアホールごとにW粉末またはMo粉末を含む導電性ペーストを充填して、追って前記内部配線32の一部となる複数の未焼成のビア導体を形成した。次に、該ビア導体が形成されたグリーンシートの表面における所定の位置に、スクリーン印刷により上記同様の導電性ペーストを所定のパターンにより印刷して、追って前記外部端子27、内部端子29、素子搭載部30、および導電体34となる未焼成の複数の導体層を形成した。
【0033】
更に、追って前記セラミック層s1となる平坦なグリーンシートの表面に対し、上記同様の導電性ペーストをスクリーン印刷して、追って前記内部配線32の一部となる複数の未焼成の配線層を形成した。加えて、該グリーンシートの裏面に対し、該裏面の幅方向に沿ってナイフを挿入して、断面V字形状の分割溝23を形成した。
次いで、2枚の前記平坦なグリーンシートと、前記2つの枠形グリーンシートとを、下側から前記セラミック層s1〜s4となる順に積層し、更に加圧した後、得られたグリーンシート積層体に対し、脱脂および焼成工程を順次施した。
その結果、
図8(A),(B)の平面図と垂直断面図に示すように、セラミック層s1〜s4が積層され、裏面の分割溝23を挟んで隣接する製品絶縁部21とダミー絶縁部22とからなり、該製品絶縁部21における薄肉部の表面26に位置する一対の外部端子27と、キャビティ28の底面に位置する一対の内部端子29および1つの素子搭載部30と、外部端子27および内部端子29を導通する一対の内部配線32と、上記ダミー絶縁部22の表面に位置する導電体34と、を備えた配線基板20を形成(準備)することができた。
尚、素子搭載部30と導電体34とを導通する前記同様の内部配線を、製品絶縁部21とダミー絶縁部22とに跨って配線基板20内に形成しても良い。また、配線基板20を準備する前記工程は、多数個取りの形態により行っても良い。
【0034】
次に、4個の前記配線基板20を、前記リードフレーム2に実装する工程を行った。即ち、
図9(A)中の矢印で示すように、配線基板20を、前記リードフレーム2におけるフレーム3の下辺から開口部4内に延びた前記一対のリード5の先端部と、配線基板20ごとの製品絶縁部21における一対の外部端子27とを前記同様のAgロウ(図示せず)を介して個別にロウ付けした。更に、上記フレーム3の上辺から開口部4内に延びた前記接続リード6の先端部と、上記配線基板20ごとのダミー絶縁部22における導電体34とを、上記同様にロウ付けした。
その結果、
図9(B)に示すように、リードフレーム2と、そのフレーム3の開口部4内に延びた一対のリード5および接続リード6の各先端部と、製品絶縁部21およびダミー絶縁部22とが個別に接合されことによって、該リードフレーム2の開口部4内に実装された4個の配線基板20と、からなる未メッキ状態の配線基板ユニット(1)が得られた。
【0035】
更に、
図9(B)に示すように、前記配線基板ユニット(1)を構成するリードフレーム2のフレーム3における上辺をメッキ電極(電源)52に接続して、該配線基板ユニット(1)を、図示しない電解Niメッキ液中および電解Auメッキ液中に順次浸漬する電解Niメッキおよび電解Auメッキ(メッキ工程)を行った。
その結果、リードフレーム2における全ての露出面と、配線基板20ごとの外部端子27、内部端子29、導電体34の表面とにおいて、Niメッキ膜およびAuメッキ膜からなるメッキ層(図示せず)が被覆されることより、前記
図1で示した配線基板ユニット1を得ることができた。
尚、前記素子搭載部30の表面には、無電解Niメッキおよび無電解Auメッキを施すか、あるいは、該素子搭載部30と前記導電体34とを導通する内部配線を活用して上記と同時に電解Niメッキおよび電解Auメッキを施して、上記メッキ層を被覆しても良い。
【0036】
前記電解Niメッキ液中および電解Auメッキ液中での浸漬時において、これらのメッキ液が流動しても、各配線基板20は、前記フレーム3の下辺と一対のリード5を介して接続され、且つ該フレーム3の上辺と接続リード6を介して接続されていると共に、上記一対のリード5と接続リード6とが開口部4内でほぼ対向しているので、各リード5,6には、曲がりなどの変形が生じなかった。
更に、前記実装工程からメッキ工程への搬送時や、前記メッキ電極52への接続時(ラッキング)および該メッキ電極52からの除去時(アンラッキング)において、メッキ前およびメッキ後の配線基板ユニット(1),1に含まれる各リード5,6にも、不用意な曲がりなどの変形は生じなかった。
【0037】
以上のような配線基板ユニット1の製造方法によれば、前記各準備工程で準備されたリードフレーム2と配線基板20とは、前記実装工程で該配線基板20の製品絶縁部21の表面に形成された一対の外部端子27と前記フレーム3から開口部4内に延びた一対のリード5の先端部とが個別に接合され、該配線基板20のダミー絶縁部22の表面に形成された導電体34とフレーム3から開口部4内に延びた接続リード6の先端部とが接合された。その結果、メッキ工程で、メッキ液の流動によっても、配線基板20とこれに接続された一対のリード5とが該メッキ液中で揺動しなくなるか、揺動する事態を著しく抑制できた。しかも、配線基板20が実装されたリードフレーム2をメッキ電極52に接続したり、該メッキ電極52から除去する際でも、上記各リード5,6の曲がりは皆無であった。更に、上記実装工程の後や工程間の搬送時においても、配線基板20に接続された上記各リード5,6が、不用意に曲がるなどの変形は生じなかった。
従って、前記リードフレーム2と、そのフレーム3の内側における開口部4内に延びた一対のリード5に製品絶縁部21が接続され、且つダミー絶縁部22が接続リード6を介してフレーム3に接続された配線基板20とからなり、形状安定性および寸法精度に優れた配線基板ユニット1を確実に製造できた。
【0038】
図10(A)の平面図は、前記配線基板ユニット1から、前記分割溝23に沿って配線基板20からダミー絶縁部22を切断・除去し、一対のリード5に隣接する前記フレーム3の下辺を2箇所(一部)で切断する切断工程によって、得られた製品絶縁部21のみからなる配線基板20pと、その外部端子27に接続した一対のリード5と、部分フレーム3bとからなるリード付き配線基板36を示す。かかるリード付き配線基板36は、前記配線基板ユニット1から4個が得られた。
更に、上記リード付き配線基板36から、上記部分フレーム3bと、これに隣接する一対のリード5の基端部側とを切断・除去する切断工程を行った。
その結果、
図10(B)に示すように、所望の長さである一対のリード5を含むリード付き配線基板38が得られた。該リード付き配線基板38は、素子搭載部30の表面上に前記電子部品31を実装し、且つ該電子部品31の各電極と一対の内部端子29とをワイヤwにより個別に導通することで、各種の電子機器などにおける所定部分に配設されるものとなる。
【0039】
以下において、前記配線基板ユニット1a〜1dを得るための実装工程について説明する。予め、前記同様のリードフレーム2a〜2dと、複数個の配線基板20a,20c,20dとをそれぞれ準備した。
図11(A)に示すように、リードフレーム2aにおけるフレーム3の上辺に設けた複数の当接リード7を構成する一対の当接片9ごとの内側面に、実装すべき配線基板20aごとのダミー絶縁部22における左右一対のコーナ部を個別に当接し、かかる状態で、上記フレーム3の下辺から延びた一対のリード5の先端部と、上記各配線基板20aの製品絶縁部21に形成した一対の外部端子27とを個別に接合し、上記リードフレーム2の開口部4内に複数の配線基板20aを配置することによって、未メッキ状態の配線基板ユニット1aが得られた。
【0040】
また、
図11(B)に示すように、前記リードフレーム2bにおけるフレーム3の上辺に設けた複数の当接リード7aにおける一対の接触片10に、実装すべき配線基板20ごとのダミー絶縁部22における左右一対のコーナ部に隣接する左右の側面を線接触させて、該ダミー絶縁部22の上辺付近を左右から挟み、かかる状態で、上記同様に各リード5の先端部と配線基板20aの各外部端子27とを個別に接合することで、未メッキ状態の配線基板ユニット1bが得られた。
更に、
図12(A)に示すように、リードフレーム2cにおけるフレーム3の上辺に設けた複数の挟持リード12における一対の挟持片13,14間に、実装すべき配線基板20cごとのダミー絶縁部22における凸部33a付近を挟み、かかる状態で、上記同様に各リード5の先端部と配線基板20の各外部端子27とを個別に接合することで、未メッキ状態の配線基板ユニット1cが得られた。
【0041】
加えて、
図12(B)に示すように、前記リードフレーム2dにおけるフレーム3の上辺に設けた複数の凸型リード16の先端部を、実装すべき配線基板20dごとのダミー絶縁部22の外周面に開口した凹溝33c内に進入させ、かかる状態で、上記同様に各リード5の先端部と配線基板20dの各外部端子27とを個別に接合することで、未メッキ状態の配線基板ユニット1dが得られた。
以上の未メッキ状態の配線基板ユニット1a〜1dは、更に前記同様のメッキ工程を施されて、前記
図3〜5に示した配線基板ユニット1a〜1dとなった。
尚、前記リードフレーム2eおよび複数の配線基板40も、前記配線基板ユニット1と同様の各準備工程、実装工程、およびメッキ工程を順次経ることによって、前記
図6で示した配線基板ユニット1eとすることができた。
以上のような配線基板ユニット1a〜1eの製造方法においても、前記配線基板ユニット1の製造方法と同様な作用を果たせ、且つ効果を奏することができた。
尚、前記メッキ済みの配線基板ユニット1a〜1eは、前記同様の切断工程を施されることにより、前記
図10(A),(B)と同様な複数のリード付き配線基板36,38を製造することができた。
【0042】
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記リードフレームは、194合金などの銅合金、コバール、あるいはステンレス鋼などの薄板を所定のパターンで打ち抜き加工したものでも良い。
また、前記フレームの外形と、該フレームの内側に位置する開口部とは、平面視において、互いにほぼ相似形の三角形あるいは五角形以上の正多角形あるいは変形多角形を呈するほか、互いにほぼ相似形の円形、長円形、楕円形などであっても良い。
更に、前記開口部は、1つのリードフレーム内に複数個が開設されていても良く、該開口部内ごとに1個または複数の配線基板を配置する形態としても良い。
また、前記複数のリードは、4本以上でも良く、これらは、前記フレームにおける異なる辺の内縁から任意の角度で前記開口部内に延び、且つそれらの先端部が同じ配線基板の製品絶縁部における複数の外部端子付近に延びていても良い。
【0043】
更に、前記複数のリードと、接続リード、挟持リード、または凸型リードとは、前記各形態のように、前記フレームに囲まれた開口部内において、ほぼ対向する位置ではなく、互いの延長線が90度超から180度未満の鈍角で交差ように前記フレームにおける各辺の内縁から延びた形態であっても良い。
また、前記配線基板は、平面視で三角形または五角形以上の正多角形あるいは変形多角形を呈する外形を有する形態や、前記キャビティのない平板状でも良い。
更に、前記配線基板は、例えば、エポキシ系などの樹脂からなる製品絶縁部とダミー絶縁部とからなる形態でも良い。かかる形態の場合、前記外部端子や導電体などの導体部分は、各種のフォリソグラフィ技術によって形成される。
加えて、前記当接リード7,7a、挟持リード12、および凸型リード16とダミー絶縁部22の外周面あるいは凹溝33cとの接触部分に対し、更に接着剤を塗布するようにしても良い。