(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第二記憶手段は、前記不使用生成済識別情報と関連付けて、当該不使用生成済識別情報を使わなくなった不使用理由及び当該不使用生成済識別情報を使ってよいか否かに関する使用可否情報をさらに記憶すること、
を特徴とする請求項1に記載の識別情報発行装置。
前記取得手段は、連続した前記所定個数の前記不使用生成済識別情報であって、これらの中に含まれる最先の前記不使用生成済識別情報より1つ前の前記不使用生成済識別情報が前記第二記憶手段に存在せず、且つ、これらの中に含まれる最後の前記不使用生成済識別情報より1つ後の前記不使用生成済識別情報が前記第二記憶手段に存在しないものを、前記第二記憶手段から取得すること、
を特徴とする請求項4に記載の識別情報発行装置。
前記生成済識別情報特定情報は、前記生成済識別情報であって、当該生成済識別情報の後に当該生成済識別情報とは異なる前記生成済識別情報が存在しないものであること、
を特徴とする請求項4又は5に記載の識別情報発行装置。
前記生成手段は、前記第一記憶手段に記憶した前記生成済識別情報を、前記所定個数だけ後のもの又は前記所定個数から前記取得手段で取得できた前記不使用生成済識別情報の個数を引いた個数だけ後のものに更新し、更新後の前記生成済識別情報、前記所定個数、及び前記取得手段で取得できた前記不使用生成済識別情報の前記個数に基づいて、連続した前記所定個数又は前記引いた個数の識別情報を生成すること、
を特徴とする請求項6に記載の識別情報発行装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2のいずれも、番号の再利用は可能であるが、番号の再利用を新規採番より優先していないので、番号発行の効率(具体的には、有限の番号資源を無駄なく使う点)について改善の余地が残されている、という問題点がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、識別情報(例えば番号など)発行の効率を改善することができる識別情報発行装置、識別情報発行方法、及び識別情報発行プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる識別情報発行装置は、制御部と記憶部とを備えた識別情報発行装置であって、前記記憶部は、過去に生成した識別情報である生成済識別情報を特定するための生成済識別情報特定情報を記憶する第一記憶手段と、使っていない前記生成済識別情報である不使用生成済識別情報を記憶する第二記憶手段と、を備え、前記制御部は、前記第二記憶手段から前記不使用生成済識別情報を取得する取得手段と、前記取得手段で前記不使用生成済識別情報を取得できなかった場合、前記第一記憶手段に記憶した前記生成済識別情報特定情報を参照して、前記生成済識別情報とは異なる前記識別情報を生成する生成手段と、を備えたこと、を特徴とする。
【0007】
ここで、識別情報は、例えば、数字、文字、記号、図形、又はこれらの組み合わせで構成されるものでもよい。
【0008】
また、本発明にかかる識別情報発行装置は、前記の識別情報発行装置において、前記第二記憶手段は、前記不使用生成済識別情報と関連付けて、当該不使用生成済識別情報を使わなくなった不使用理由及び当該不使用生成済識別情報を使ってよいか否かに関する使用可否情報をさらに記憶すること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる識別情報発行装置は、前記の識別情報発行装置において、前記第一記憶手段及び前記第二記憶手段は、前記識別情報が使用される用途ごとに、情報を記憶すること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる識別情報発行装置は、前記の識別情報発行装置において、前記取得手段は、前記第二記憶手段から前記不使用生成済識別情報を、所定個数を上限として取得し、前記生成手段は、前記取得手段で前記不使用生成済識別情報を1つも取得できなかった場合、前記第一記憶手段に記憶した前記生成済識別情報特定情報を参照して、前記所定個数の前記識別情報を生成し、前記取得手段で前記所定個数未満の個数の前記不使用生成済識別情報を取得できた場合、前記第一記憶手段に記憶した前記生成済識別情報特定情報を参照して、前記取得手段で取得できた前記不使用生成済識別情報の前記個数を前記所定個数から引いた個数の前記識別情報を生成すること、を特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる識別情報発行装置は、前記の識別情報発行装置において、前記識別情報は順序尺度に該当するものであり、前記取得手段は、前記第二記憶手段から、連続した前記所定個数の前記不使用生成済識別情報を取得し、前記生成手段は、前記取得手段で、連続した前記所定個数の前記不使用生成済識別情報を取得できなかった場合、前記第一記憶手段に記憶した前記生成済識別情報特定情報を参照して、連続した前記所定個数の前記識別情報を生成すること、を特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる識別情報発行装置は、前記の識別情報発行装置において、前記取得手段は、連続した前記所定個数の前記不使用生成済識別情報であって、これらの中に含まれる最先の前記不使用生成済識別情報より1つ前の前記不使用生成済識別情報が前記第二記憶手段に存在せず、且つ、これらの中に含まれる最後の前記不使用生成済識別情報より1つ後の前記不使用生成済識別情報が前記第二記憶手段に存在しないものを、前記第二記憶手段から取得すること、を特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる識別情報発行装置は、前記の識別情報発行装置において、前記生成済識別情報特定情報は、前記生成済識別情報であって、当該生成済識別情報の後に当該生成済識別情報とは異なる前記生成済識別情報が存在しないものであること、を特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる識別情報発行装置は、前記の識別情報発行装置において、前記生成手段は、前記第一記憶手段に記憶した前記生成済識別情報を、前記所定個数だけ後のもの又は前記所定個数から前記取得手段で取得できた前記不使用生成済識別情報の個数を引いた個数だけ後のものに更新し、更新後の前記生成済識別情報、前記所定個数、及び前記取得手段で取得できた前記不使用生成済識別情報の前記個数に基づいて、連続した前記所定個数又は前記引いた個数の識別情報を生成すること、を特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる識別情報発行装置は、前記の識別情報発行装置において、前記制御部は、前記生成済識別情報を前記第二記憶手段に記憶させる返却手段をさらに備えたこと、を特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかる識別情報発行方法は、制御部と記憶部とを備えた識別情報発行装置において実行される識別情報発行方法であって、前記記憶部は、過去に生成した識別情報である生成済識別情報を特定するための生成済識別情報特定情報を記憶する第一記憶手段と、使っていない前記生成済識別情報である不使用生成済識別情報を記憶する第二記憶手段と、を備え、前記制御部において実行される、前記第二記憶手段から前記不使用生成済識別情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップで前記不使用生成済識別情報を取得できなかった場合、前記第一記憶手段に記憶した前記生成済識別情報特定情報を参照して、前記生成済識別情報とは異なる前記識別情報を生成する生成ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0017】
また、本発明にかかる識別情報発行プログラムは、制御部と記憶部とを備えた識別情報発行装置において実行させるための識別情報発行プログラムであって、前記記憶部は、過去に生成した識別情報である生成済識別情報を特定するための生成済識別情報特定情報を記憶する第一記憶手段と、使っていない前記生成済識別情報である不使用生成済識別情報を記憶する第二記憶手段と、を備え、前記制御部において実行させるための、前記第二記憶手段から前記不使用生成済識別情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップで前記不使用生成済識別情報を取得できなかった場合、前記第一記憶手段に記憶した前記生成済識別情報特定情報を参照して、前記生成済識別情報とは異なる前記識別情報を生成する生成ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0018】
また、本発明にかかる識別情報発行システムは、記憶部を備えた識別情報記憶装置と、制御部を備えた識別情報発行装置とが通信可能に接続された識別情報発行システムであって、前記記憶部は、過去に生成した識別情報である生成済識別情報を特定するための生成済識別情報特定情報を記憶する第一記憶手段と、使っていない前記生成済識別情報である不使用生成済識別情報を記憶する第二記憶手段と、を備え、前記制御部は、前記第二記憶手段から前記不使用生成済識別情報を取得する取得手段と、前記取得手段で前記不使用生成済識別情報を取得できなかった場合、前記第一記憶手段に記憶した前記生成済識別情報特定情報を参照して、前記生成済識別情報とは異なる前記識別情報を生成する生成手段と、を備えたこと、を特徴とする。
【0019】
また、本発明にかかる識別情報発行装置は、記憶部を備えた識別情報記憶装置と通信可能に接続された、制御部を備えた識別情報発行装置であって、前記記憶部は、過去に生成した識別情報である生成済識別情報を特定するための生成済識別情報特定情報を記憶する第一記憶手段と、使っていない前記生成済識別情報である不使用生成済識別情報を記憶する第二記憶手段と、を備え、前記制御部は、前記第二記憶手段から前記不使用生成済識別情報を取得する取得手段と、前記取得手段で前記不使用生成済識別情報を取得できなかった場合、前記第一記憶手段に記憶した前記生成済識別情報特定情報を参照して、前記生成済識別情報とは異なる前記識別情報を生成する生成手段と、を備えたこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、記憶部は、生成済識別情報特定情報を記憶する第一記憶手段と不使用生成済識別情報を記憶する第二記憶手段とを備えており、制御部は、第二記憶手段から不使用生成済識別情報を取得し、不使用生成済識別情報を取得できなかった場合、第一記憶手段に記憶した生成済識別情報特定情報を参照して、生成済識別情報とは異なる識別情報を生成するので、識別情報(例えば番号など)発行の効率を改善することができるという効果を奏する。
【0021】
本発明によれば、第二記憶手段は、不使用生成済識別情報と関連付けて不使用理由及び使用可否情報をさらに記憶するので、使われなくなった理由が明確に説明可能となり、故にIT統制を実現することができるという効果を奏する。
【0022】
本発明によれば、第一記憶手段及び第二記憶手段は用途ごとに情報を記憶するので、識別情報の発行を用途ごとに行うことができるという効果を奏する。
【0023】
本発明によれば、制御部は、第二記憶手段から不使用生成済識別情報を、所定個数を上限として取得し、不使用生成済識別情報を1つも取得できなかった場合、第一記憶手段に記憶した生成済識別情報特定情報を参照して、所定個数の識別情報を生成し、所定個数未満の個数の不使用生成済識別情報を取得できた場合、第一記憶手段に記憶した生成済識別情報特定情報を参照して、取得できた不使用生成済識別情報の個数を所定個数から引いた個数の識別情報を生成するので、一回の発行要求に対して複数の識別情報の発行を行うことができるという効果を奏する。
【0024】
本発明によれば、識別情報は順序尺度に該当するものであり、制御部は、第二記憶手段から、連続した所定個数の不使用生成済識別情報を取得し、連続した所定個数の不使用生成済識別情報を取得できなかった場合、第一記憶手段に記憶した生成済識別情報特定情報を参照して、連続した所定個数の識別情報を生成するので、一回の発行要求に対して、連続した複数の識別情報の発行を行うことができるという効果を奏する。
【0025】
本発明によれば、制御部は、連続した所定個数の不使用生成済識別情報であって、これらの中に含まれる最先の不使用生成済識別情報より1つ前の不使用生成済識別情報が第二記憶手段に存在せず、且つ、これらの中に含まれる最後の不使用生成済識別情報より1つ後の不使用生成済識別情報が第二記憶手段に存在しないものを、第二記憶手段から取得するので、第二記憶手段内における不連続な単独の識別情報の増加を抑制することができ、その結果、連続した複数の識別情報の再使用を効率よく行うことができるという効果を奏する。
【0026】
本発明によれば、生成済識別情報特定情報は、生成済識別情報であって、当該生成済識別情報の後に当該生成済識別情報とは異なる生成済識別情報が存在しないものであるので、未だ生成されていない識別情報を効率よく特定することができるという効果を奏する。
【0027】
本発明によれば、制御部は、第一記憶手段に記憶した生成済識別情報を、所定個数だけ後のもの又は所定個数から取得できた不使用生成済識別情報の個数を引いた個数だけ後のものに更新し、更新後の生成済識別情報、所定個数、及び取得できた不使用生成済識別情報の個数に基づいて、連続した所定個数又は前記引いた個数の識別情報を生成するので、複数の発行要求をほぼ同じタイミングで受けた状況においても、個々の発行要求に対し、連続した複数の識別情報の発行を行うことができるという効果を奏する。
【0028】
本発明によれば、生成済識別情報を第二記憶手段に記憶させるので、使用されていない生成済識別情報の再使用を促進させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明にかかる識別情報発行装置、識別情報発行方法、及び識別情報発行プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。具体的には、本実施形態では、数字で定義された番号を識別情報とし、隣り合う任意の2つの番号の差(番号間の間隔)が1となる場合(例えば、番号「1」の1つ後(次)の番号を「2」とし、更に1つ後の番号を「3」とする場合、など)を一例として挙げるが、本発明はこの場合に限定されるものではない。
【0031】
[1.構成]
本発明を包含する業務管理システムの構成の一例について
図1を参照して説明する。
図1は業務管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0032】
業務管理システムは、一台又は複数台のクライアント端末100(
図1では一台のみ例示)と、本発明の識別情報発行装置を含むサーバ装置200と、ネットワーク300と、で構成されている。
【0033】
ネットワーク300は、例えばインターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)などである。
【0034】
クライアント端末100は、業務管理(例えば販売管理、在庫管理など)を支援する業務アプリケーション(例えばWebアプリケーションなど)がインストールされている据置型又は携帯型の情報処理装置(例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ、ノート型のパーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、及びタブレット型のパーソナルコンピュータなど)である。
【0035】
クライアント端末100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。クライアント端末100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0036】
制御部102は、クライアント端末100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0037】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、クライアント端末100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
【0038】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。
【0039】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0040】
サーバ装置200は、業務アプリケーションの管理下にある業務データ(例えば、受注データ、発注データ、仕入データ、及び売上データなど)を格納したものである。
【0041】
サーバ装置200は、制御部202と通信インターフェース部204と記憶部206と、を備えている。サーバ装置200が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0042】
通信インターフェース部204は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、サーバ装置200をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部204は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
【0043】
記憶部206には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部206には、OSと協働してCPUに命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部206として、例えば、RAM・ROM等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。
【0044】
記憶部206は、本発明の第一記憶手段に相当するカウンタテーブル206aと本発明の第二記憶手段に相当する再利用カウンタテーブル206bとを含む。
【0045】
カウンタテーブル206aは、番号種別(本発明の「識別情報が使用される用途」に相当)ごとに、採番済最終番号(本発明の「生成済識別情報であって、当該生成済識別情報の後に当該生成済識別情報とは異なる生成済識別情報が存在しないもの」に相当)を記憶したテーブルであり、例えば、番号種別(主キー)と採番済最終番号とを相互に関連付けて格納した
図2に示すテーブルである。
【0046】
ここで、業務管理における番号種別の具体例としては、受注、発注、仕入、及び売上などが挙げられる。例えば、番号種別が「受注」である場合、当該番号種別と関連付けて格納した採番済最終番号は、受注番号に該当するものである。
【0047】
図1に戻り、再利用カウンタテーブル206bは、番号種別ごとに、使われていない採番済番号(本発明の不使用生成済識別情報に相当)と再利用可能フラグ(本発明の使用可否情報に相当)と返却理由(本発明の不使用理由に相当)とを記憶したテーブルであり、例えば番号種別(主キー)と採番済番号(主キー)と再利用可能フラグと返却理由とを相互に関連付けて格納した
図3に示すテーブルである。
【0048】
ここで、再利用可能フラグには、再利用可であることを意味する「True」又は再利用不可であることを意味する「False」が設定される。
【0049】
また、返却理由には、例えば、採番済番号が使われなくなった理由(例えば、入力キャンセルの為や、アプリケーションエラーの為、登録ミスの為、など)などが設定される。
【0050】
図1に戻り、制御部202は、サーバ装置200を統括的に制御するCPU等である。制御部202は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0051】
制御部202は、機能概念的に、要求受付部202aと取得部202b(本発明の取得手段に相当)と生成部202c(本発明の生成手段に相当)と返却部202d(本発明の返却手段に相当)とを含む。
【0052】
要求受付部202aは、クライアント端末100にインストールされている業務アプリケーションから出された番号発行要求(採番要求)及び番号返却要求(返却要求)を受け付ける。
【0053】
ここで、採番要求には、例えば、番号種別(例えば、番号種別を特定するための種別ID「X」、など)、再利用カウンタテーブル206bを使用するか否かに関する再利用設定(使用する:Yes、使用しない:No)、採番する番号の個数である採番個数(N:Nは1以上の整数)、及び、連続した番号を採番するか否かに関する連続採番設定(連続採番する:Yes、連続採番しない:No)などが含まれる。
【0054】
また、返却要求には、例えば、番号種別、使われていない採番済番号、返却理由、及び再利用可能フラグ(再利用可:True、再利用不可:False)などが含まれる。
【0055】
取得部202bは、再利用設定が「Yes」である場合であって連続採番設定が「No」であるときは、再利用カウンタテーブル206bから、種別IDが「X」であり且つ再利用可能フラグが「True」である採番済番号を、N個を上限として昇順に取得する。
【0056】
また、取得部202bは、再利用設定が「Yes」である場合であって連続採番設定が「Yes」であるときは、再利用カウンタテーブル206bから、種別IDが「X」であり且つ再利用可能フラグが「True」であり且つN個連続している採番済番号を取得する。
【0057】
なお、取得部202bは、連続したN個の採番済番号であって、当該N個の採番済番号の中に含まれる最先(1番目/先頭/最初)の採番済番号より1つ前の採番済番号(具体的には、1番目の採番済番号から1だけ減算した番号)が再利用カウンタテーブル206bに存在せず、且つ、当該N個の採番済番号の中に含まれる最後(N番目)の採番済番号より1つ後の採番済番号(具体的には、N番目の採番済番号に1だけ加算した番号)が再利用カウンタテーブル206bに存在しないものを、再利用カウンタテーブル206bから取得してもよい。
例えば、「1」、「2」、「4」、「6」、「7」、及び「8」の計6個の番号が再利用カウンタテーブル206bに格納されている場合において、採番個数Nが2のとき、連続した2個の番号は以下の3パターンである。
{「1」,「2」}(番号集合1)
{「6」,「7」}(番号集合2)
{「7」,「8」}(番号集合3)
ここで、各番号集合の中に含まれる最先(1番目)の番号と最後(2番目)の番号のペアは、「1」と「2」、「6」と「7」、及び「7」と「8」であるので、各番号集合において、最先の番号より1つ前の番号と最後の番号より1つ後の番号のペアは、以下の通りである。
「0」と「3」(番号集合1に対応)
「5」と「8」(番号集合2に対応)
「6」と「9」(番号集合3に対応)
そして、「0」と「3」のペアについては、いずれの番号も再利用カウンタテーブル206bに存在しないが、「5」と「8」のペアについては、「8」が再利用カウンタテーブル206bに存在し、また、「6」と「9」のペアについては、「6」が再利用カウンタテーブル206bに存在する。
従って、「0」と「3」のペアに対応する番号集合1{「1」,「2」}が、再利用カウンタテーブル206bから取得されることになる。
【0058】
生成部202cは、再利用設定が「No」である場合、又は、再利用設定が「Yes」である場合であって取得部202bで採番済番号を1つも取得できなかったとき、カウンタテーブル206aに記憶した種別IDが「X」である採番済最終番号を参照して、当該採番済最終番号より1つ後(次)の番号を含むN個の連続した新規番号を生成する。
例えば、採番済最終番号が「1」である場合、生成部202cは、番号「2」から番号「N+1」までのN個の番号を生成する。
【0059】
また、生成部202cは、再利用設定が「Yes」である場合であって取得部202bで採番済番号をn個(nは1以上N未満の整数)だけ取得できたとき、カウンタテーブル206aに記憶した種別IDが「X」である採番済最終番号を参照して、当該採番済最終番号より1つ後の番号を含むN−n個の連続した新規番号を生成する。
例えば、採番済番号「2」を取得でき且つ採番済最終番号が「3」である場合、生成部202cは、番号「4」から番号「4+(N−2)」までのN−1個の番号を生成する。
【0060】
なお、生成部202cは、カウンタテーブル206aに記憶した種別IDが「X」である採番済最終番号を、取得部202bでの番号取得個数がゼロであればNだけ後のものに更新し、また番号取得個数がnであればN−nだけ後のものに更新し、更新後の採番済最終番号を最後の番号としたN個又はN−n個の連続した新規番号を生成してもよい。
例えば、採番済最終番号が「4」である場合、採番済最終番号を、番号取得個数がゼロであれば「4+N」に更新し、番号取得個数がnであれば「4+(N−n)」に更新し、更新後の採番済最終番号「4+N」又は「4+(N−n)」を最後の番号とした、「5」から「4+N」までのN個の番号又は「5」から「4+(N−n)」までのN−n個の番号を生成してもよい。
このように、カウンタテーブル206aの採番済最終番号を、番号を生成する前に更新することで、複数のクライアント端末100からほぼ同時に採番要求を受け付けた状況であっても、個々のクライアント端末100に対し、要求を満たす番号を発行することができる。
【0061】
返却部202dは、クライアント端末100にインストールされている業務アプリケーションから出された返却要求を要求受付部202aが受け付けると、当該返却要求に含まれる番号種別、採番済番号、返却理由、及び再利用可能フラグを再利用カウンタテーブル206bに記憶させる。具体的には、返却部202dは、番号種別、採番済番号、返却理由、及び再利用可能フラグを含むレコードを、再利用カウンタテーブル206bに追加する。
【0062】
ここで、業務管理システムの構成については、
図1に示されているものに限らず、例えば
図4に示されているものなどでもよい。具体的には、上述した要求受付部、取得部、生成部、及び返却部が、サーバ装置200ではなくクライアント端末100に備えられている構成の業務管理システムでもよい。
【0063】
[2.処理]
業務管理システムで実行される処理の一例について、
図5から
図9を参照して詳細に説明する。
【0064】
[2−1.メイン処理]
ここでは、業務管理システムで実行されるメイン処理(番号発行処理)の一例について、
図5を参照して説明する。
図5は、メイン処理の一例を示すフローチャートである。
【0065】
なお、本説明では、要求受付部202aが、クライアント端末100において業務アプリケーションが起動している状況において当該業務アプリケーションから所定のタイミングに出された、番号種別(種別ID「X」)、採番個数「N」、再利用設定(「Yes」又は「No」)、及び連続採番設定(「Yes」又は「No」)を含む採番要求を受け付けたことを前提とする。
【0066】
再利用設定が「Yes」である場合(ステップSA1:Yes)、取得部202bは、後述する再利用カウンタ番号取得処理を実行し、そして、取得結果(「取得成功」又は「取得失敗」)と、取得できた場合には取得番号(コピーした採番済番号)とを出力する(ステップSA2)。なお、再利用設定が「No」である場合(ステップSA1:No)、ステップSA5へ進む。
【0067】
ここで、連続採番設定が「Yes」である場合、取得成功とは、種別IDが「X」であり且つ再利用可能フラグが「True」である採番済番号をN個連続でコピーできたときであり、取得失敗とは、そうでなかったとき(要するに採番済番号を1つもコピーできなかったとき)である。
【0068】
また、連続採番設定が「No」である場合、取得成功とは、種別IDが「X」であり且つ再利用可能フラグが「True」である採番済番号をN個コピーできたときであり、取得失敗とは、種別IDが「X」であり且つ再利用可能フラグが「True」である採番済番号を1つもコピーできなかったとき、又は、種別IDが「X」であり且つ再利用可能フラグが「True」である採番済番号をn個コピーできたときである。
【0069】
ステップSA2で出力された取得結果が「取得成功」である場合(ステップSA3:Yes)、取得部202bは、ステップSA2で出力された取得番号に対応する採番済番号を含むレコードを、再利用カウンタテーブル206bから削除(消去)する(ステップSA4)。
【0070】
ステップSA2で出力された取得結果が「取得失敗」である場合(ステップSA3:No)、生成部202cは、後述するカウンタ番号取得処理を実行し、そして、取得番号(新規番号)を出力する(ステップSA5)。
【0071】
要求受付部202aは、ステップSA2で出力した取得番号とステップSA5で出力した取得番号を、業務アプリケーション(クライアント端末100)へ返す(ステップSA6)。
【0072】
[2−2.再利用カウンタ番号取得処理]
ここでは、取得部202bで実行される再利用カウンタ番号取得処理の一例について、
図6及び
図7を参照して説明する。
図6は、再利用カウンタ番号取得処理の一例を示すフローチャートである。
【0073】
連続採番設定が「Yes」である場合(ステップSB1:Yes)、取得部202bは、再利用カウンタテーブル206bから、種別IDが「X」であり且つ再利用可能フラグが「True」であるN個以上の連続した採番済番号から成る採番済番号集合(当該集合に含まれる採番済番号の個数はM個(MはN以上の整数))を抽出し、抽出した採番済番号集合に含まれる最後の採番済番号(M番目の採番済番号)を特定し、特定した最後の採番済番号であって、採番済番号の個数が最も少なく且つ最先(1番目)の採番済番号が最も小さい採番済番号集合に含まれるものを再利用カウンタテーブル206bから取得(コピー)する(ステップSB2)。例えば、採番個数が2の場合において再利用カウンタテーブル206bから2つの番号集合{「2」,「3」}と{「5」,「6」}が抽出されたとき、当該2つの番号集合の要素数はいずれも2であるが、1番目の番号が最も小さい番号集合は{「2」,「3」}であるので、当該番号集合{「2」,「3」}に含まれる最後の番号「3」が再利用カウンタテーブル206bから取得(コピー)されることになる。
【0074】
ここで、取得部202bは、ステップSB2の処理において、例えば、(1)N個以上の連続した採番済番号から成る採番済番号集合を抽出した時点で、当該採番済番号集合に含まれる採番済番号に対応するレコード全ての再利用可能フラグを「False」に切り替えてもよく、また、(2)最後の採番済番号をコピーした時点で、コピーした採番済番号に対応するレコードから、当該コピーした採番済番号からN−1だけ前の番号に対応するレコードまでのレコードを対象として、再利用可能フラグを「False」に切り替えてもよい。
これにより、複数のクライアント端末100からほぼ同時に採番要求を受け付けた状況であっても、個々のクライアント端末100に対し、要求を満たす番号を発行することができる。
【0075】
なお、取得部202bは、ステップSB2の処理において、N個以上の連続した採番済番号から成る採番済番号集合を抽出することができなかった場合、「取得失敗」という取得結果を出力して、本処理を終了する。
【0076】
つぎに、取得部202bは、ステップSB2でコピーした採番済番号に基づいて、当該採番済番号より1つ前の番号を含むN−1個の連続した番号を、当該採番済番号から降順に(当該採番済番号を1ずつ減算しながら)生成し、「取得成功」という取得結果と取得番号(コピーした採番済番号と生成した番号)とを出力する(ステップSB3)。なお、ステップSB3で生成した番号は、採番済番号に該当するものである。
【0077】
なお、ステップSB2及びステップSB3の処理により、再利用カウンタテーブル206bへのアクセス時間及びアクセス回数を必要最小限に抑えることができる。
【0078】
ここで、ステップSB2及びステップSB3の処理をより具体的に説明する。ここでは、再利用カウンタテーブル206bが
図7に示すものであり、採番要求に含まれる種別ID、採番個数、再利用設定、及び連続採番設定がそれぞれ、以下に示すものであることを前提とする。
・種別ID:X001
・採番個数:2
・再利用設定:Yes
・連続採番設定:Yes
【0079】
再利用カウンタテーブル206bに記憶した全てのレコードが、種別IDが「X001」であり且つ再利用可能フラグが「True」であるので、ステップSB2では、まず、この全てのレコードの中で、2個以上連続した採番済番号を含む採番済番号集合を抽出する。ここでは、{「1」,「2」,「3」}と{「9」,「10」}の2つの採番済番号集合が抽出されることになる。
【0080】
つぎに、ステップSB2では、抽出された採番済番号集合{「1」,「2」,「3」}と{「9」,「10」}における、最後の採番済番号(最も大きい番号)を特定する。ここでは、番号「3」と番号「10」が特定される。
【0081】
つぎに、ステップSB2では、特定された番号「3」と番号「10」のうち、抽出された採番済番号集合の中で要素数が最も少ないものに含まれるものを、再利用カウンタテーブル206bからコピーする。ここでは、抽出された採番済番号集合の中で要素数が最も少ないものは{「9」,「10」}であり、特定された番号「3」と番号「10」のうちこの集合に含まれるものは番号「10」であるので、番号「10」が再利用カウンタテーブル206bからコピーされる。
【0082】
つぎに、ステップSB3では、コピーした番号「10」から1回(採番個数から1引いた回数)だけ1を減算することで、番号「9」を生成する。なお、例えば3回の場合は、当該減算を繰り返すことで、番号「9」と、1つ前の番号「8」と、更に1つ前の番号「7」を生成する。
【0083】
図6の説明に戻り、連続採番設定が「No」である場合(ステップSB1:No)、取得部202bは、再利用カウンタテーブル206bから、種別IDが「X」であり且つ再利用可能フラグが「True」である採番済番号を昇順にN個取得(コピー)し、N個取得できたときは「取得成功」という取得結果と取得番号とを出力し、n個取得できたときは「取得失敗」という取得結果と取得番号とを出力し、1つも取得できなかったときは「取得失敗」という取得結果を出力する(ステップSB4)。
具体的には、取得部202bは、再利用カウンタテーブル206bから、種別IDが「X」であり且つ再利用可能フラグが「True」である任意の採番済番号(例えば先頭の採番済番号)を1つ特定し、特定した採番済番号から昇順に、当該採番済番号を含むN個の採番済番号を再利用カウンタテーブル206bから取得(コピー)してもよい。
【0084】
[2−3.カウンタ番号取得処理]
ここでは、生成部202cで実行されるカウンタ番号取得処理の一例について、
図8を参照して説明する。
図8は、カウンタ番号取得処理の一例を示すフローチャートである。
【0085】
生成部202cは、再利用設定が「No」である場合又は取得部202bから取得番号が出力されなかった場合、新たに採番する番号の個数をNに設定し、取得部202bから取得番号がn個出力された場合は、Nからn引いた値を算出し、新たに採番する番号の個数をN−nに設定する(ステップSC1)。
【0086】
生成部202cは、カウンタテーブル206aに記憶した種別IDが「X」である採番済最終番号を、ステップSC1で設定した個数(N又はN−n)だけ後のものに更新する(ステップSC2)。具体的には、採番済最終番号に、N又はN−nを加算する。
【0087】
なお、ステップSC2の処理により、複数のクライアント端末100からほぼ同時に採番要求を受け付けた状況であっても、当該要求を満たす番号を発行することができる。
【0088】
生成部202cは、ステップSC2で更新した後の採番済最終番号をコピーする(ステップSC3)。なお、ステップSC3でコピーした番号は、新規番号に該当するものである。
【0089】
生成部202cは、ステップSC3でコピーした新規番号に基づいて、当該新規番号より1つ前の番号を含む、ステップSC1で設定した個数から1だけ引いた個数(N−1個又はN−n−1個)の連続した番号を、当該新規番号から降順に(当該新規番号を1ずつ減算しながら)生成する(ステップSC4)。
【0090】
[2−4.返却処理]
ここでは、返却部202dで実行される番号返却処理の一例について、
図9を参照して説明する。
図9は、番号返却処理の一例を示すフローチャートである。
【0091】
なお、本説明では、要求受付部202aが、クライアント端末100において業務アプリケーションが起動している状況において当該業務アプリケーションから所定のタイミングに出された、番号種別(種別ID)、使われなくなった採番済番号、返却理由(欠番理由)、及び再利用可能フラグ(「True」又は「False」)を含む返却要求を受け付けたことを前提とする。
【0092】
返却部202dは、返却要求に含まれる番号種別、採番済番号、返却理由、及び再利用可能フラグを含むレコードを、再利用カウンタテーブル206bに記憶させる(ステップSD1)。
【0093】
[3.実施形態のまとめ、および他の実施形態]
以上、本実施形態によれば、要求受付部202aがクライアント端末100(業務アプリケーション)から出された採番要求を受け付けると、要求された番号種別と一致し且つ再利用可である番号を対象として、(1)取得部202bが、再利用カウンタテーブル206bから採番済番号を取得し、(2)取得部202bで採番済番号を取得できなかった場合、生成部202cが、カウンタテーブル206aに記憶した採番済最終番号(採番済番号であって、当該採番済番号の後に当該採番済番号とは異なる前記採番済番号が存在しないもの)を参照して、採番済最終番号の後の新規番号を生成し、(3)要求受付部202aが、取得した採番済番号と生成した新規番号をクライアント端末100(業務アプリケーション)に返す。これにより、番号発行の効率を改善することができる。また、未だ生成されていない番号を効率よく特定することができる。
【0094】
また、本実施形態によれば、再利用カウンタテーブル206bは、採番済番号と関連付けて、返却理由及び再利用可能フラグをさらに記憶する。これにより、使われなくなった理由が明確に説明可能となり、故にIT統制を実現することができる。
【0095】
また、本実施形態によれば、カウンタテーブル206aは、番号種別ごとに採番済最終番号を記憶し、再利用カウンタテーブル206bは、番号種別ごとに、採番済番号、返却理由、及び再利用可能フラグを記憶する。これにより、番号発行を番号種別ごとに行うことができる。
【0096】
また、本実施形態によれば、取得部202bは、再利用カウンタテーブル206bから採番済番号を、採番要求に含まれる採番個数を上限として取得し、生成部202cは、取得部202bで採番済番号を1つも取得できなかった場合、カウンタテーブル206aに記憶した採番済最終番号を参照して、採番個数の新規番号を生成し、取得部202bで採番個数未満の個数の採番済番号を取得できた場合、カウンタテーブル206aに記憶した採番済最終番号を参照して、取得部202bで取得できた採番済番号の個数を採番個数から引いた個数の新規番号を生成する。これにより、一回の採番要求に対して複数の番号の発行を行うことができる。
【0097】
また、本実施形態によれば、取得部202bは、再利用カウンタテーブル206bから、連続した採番個数の採番済番号を取得し、生成部202cは、取得部202bで、連続した採番個数の採番済番号を取得できなかった場合、カウンタテーブル206aに記憶した採番済最終番号を参照して、連続した採番個数の新規番号を生成する。これにより、一回の採番要求に対して、連続した複数の番号の発行を行うことができる。
【0098】
また、本実施形態によれば、取得部202bは、連続した採番個数の採番済番号であって、これらの中に含まれる最先の採番済番号より1つ前の採番済番号が再利用カウンタテーブル206bに存在せず、且つ、これらの中に含まれる最後の採番済番号より1つ後の採番済番号が再利用カウンタテーブル206bに存在しないものを、再利用カウンタテーブル206bから取得する。これにより、再利用カウンタテーブル206b内における不連続な単独の番号の増加を抑制することができ、その結果、連続した複数の番号の再使用を効率よく行うことができる。
【0099】
また、本実施形態によれば、生成部202cは、カウンタテーブル206aに記憶した採番済最終番号を、採番個数だけ後のもの又は採番個数から取得できた採番済番号の個数を引いた個数だけ後のものに更新し、更新後の採番済最終番号、採番個数、及び取得できた採番済番号の個数に基づいて、連続した採番個数又は前記引いた個数の番号を生成するので、複数の採番要求をほぼ同じタイミングで受けた状況においても、個々の採番要求に対し、連続した複数の番号の発行を行うことができる。
【0100】
また、本実施形態によれば、要求受付部202aが業務アプリケーションから出された返却要求を受け付けると、返却部202dは、番号種別、採番済番号、返却理由、及び再利用可能フラグを再利用カウンタテーブル206bに記憶させる。これにより、使用されていない採番済番号の再使用を促進させることができる。
【0101】
ここで、通常はカウンタから番号を採番する。また、カウンタは番号の一意性を保つために、一度採番すると二度と同じ番号を採番しない仕組みになっている。また、カウンタは、予め決まった個数の番号しか生成できない。そのため、従来の採番では、無駄な採番をしないために、必要な際しか採番を行うことができなかった。また、従来では、カウンタが有限な番号を生成し尽すと、それまで採番した番号の中から欠番を探し、再利用していた。しかし、過去に採番された膨大な個数の番号の中から再利用可能な番号を探すには多くの時間が掛かる。
しかし、本実施形態によれば、再利用カウンタに番号が存在している場合、優先的に再利用カウンタに存在する番号を使用する。また、本実施形態によれば、採番した番号が、業務データの削除等によって使用されなくなった場合、再利用カウンタへ返却する。よって、本実施形態によれば、番号の再利用が出来るため欠番がなくなり、カウンタの有限な資源を効率よく使用することができる。また、本実施形態の採番の仕組みは、カウンタと再利用カウンタの2つで実現できることから、モジュール化が行いやすい。また、本実施形態によれば、再利用可能な番号を探す先が再利用カウンタテーブル1つであるので、モジュール化が容易に実現可能であるだけでなく、再利用するために不要な番号を検索する時間を、従来のやり方より短縮することができる。
【0102】
また、従来の採番では、1回の採番要求に対して1つの番号を採番することしかできなかった。しかし、本実施形態によれば、取得したい番号の個数を指定して採番要求し、複数の番号を一度に採番することができたり、連続した複数の番号を一度に採番することができたりする。
ここで、業務アプリケーションでは、大量に採番を行わなければならない場面がある。例えば、販売業務を行っている企業では、一度に複数の仕入先に対して請求書を発行する義務が存在する。
しかし、従来の採番では、請求書毎(取引毎)に採番する必要があり、大量の請求書を発行する場合にはそれだけ多くの番号が必要になる。また、一度の採番要求に対して一回のデータベースアクセスが発生することを考えると、アプリケーションが動作するコンピュータと、データベースが動作するコンピュータ間のラウンドトリップが、レスポンスに影響を与えることになる。また、他の端末で同時に採番要求を行った場合、採番処理がそれぞれの要求ごとに行われることになることから、連続した番号が取得できないという問題も起こってしまう。
ところが、本実施形態によれば、一度の採番要求に対して、複数個の番号を連番で採番することができる。
【0103】
また、業務アプリケーションで業務データが削除されると、業務データに対し割り当てられた業務番号は使用されなくなるが、本実施形態によれば、使用されなくなった業務番号は再利用カウンタテーブルに返却され、再利用カウンタテーブルに保存した業務番号は、同じ業務種別の業務番号を採番する時にカウンタテーブルより優先して取得され、取得された業務番号は再利用カウンタテーブルから削除される。
【0104】
また、IT統制上、空き番号を許さないことが求められることがある。業務データの連続性を証明するために、業務管理システム上、連続した番号が求められている場合である。しかし、業務データの削除を行うと欠番が発生する。そこで、本実施形態によれば、欠番の理由を再利用カウンタテーブルへ保存しておくことで、欠番の理由を説明することができる。そして、欠番の理由は、不正な業務データの操作を行っていないことを証明するための情報として活用することができる。
【0105】
また、本実施形態によれば、再利用可能フラグを設定することで、意図的な欠番を実現することもできる。ここで、意図的な欠番を行う理由として、仕訳データ等の企業会計上重要なデータに割り当てられた伝票番号の欠番が監査対象になる場合があるからである。そこで、本実施形態によれば、欠番の理由を明確にしておくことで、IT統制を実現する。具体的には、使用しなくなった番号を、欠番理由を付加して再利用カウンタに保存することで、IT統制を行うことができる。また、返却理由としては、再利用可能フラグが「無効(False)」の場合に、なぜ「無効」なのかを説明する理由を設定することで、IT統制を実現する。
【0106】
また、登録した業務データを削除する機能が業務アプリケーションに実装されている場合、本実施形態では、削除のタイミングで採番済番号の返却を行う。なお、仕訳データのような企業会計上重要なデータの削除時は、再利用可能フラグは「無効」の状態で設定し、返却理由には、削除する際の理由も合わせて設定して返却を行ってもよい。また、通常の取引に関する単純な登録ミスの場合には、再利用可能フラグを「有効」として運用してもよい。
【0107】
また、これまで、業務アプリケーション等では、なるべく欠番を少なくするため、データ登録時に採番を行っていたが、本実施形態では、採番を任意のタイミングで行うことができる。また、本実施形態では、業務データの登録前に採番を行い易くなったことで、業務管理システムの利用者が業務データの関連を登録前に確認することができる。
【0108】
また、採番のタイミングが任意の場合、採番後に入力を中断することが想定されるが、本実施形態では、入力を中断するタイミングで返却処理を行い、採番済番号を再利用する。また、本実施形態では、夜間のデータ保守時に、使用されていない番号を探して返却処理を行う。すなわち、本実施形態では、オペレータのリアルタイム入力時に返却処理を行わずに、夜間のデータメンテナンス時などに番号をまとめて返却することもできる。
【0109】
また、カウンタは有限な番号であるため、可能な限り無駄な番号を採番しないことが求められる。これまでは、無駄な番号を採番しないために、業務データの登録時に採番を行っていた。しかし、本実施形態によれば、例えば、仮で番号を採番させ、採番された番号を使用しなければ、その番号を再利用することが可能となる。
【0110】
また、従来では、一度採番した番号の破棄や再利用は難しいため、極力無駄な番号を採番しないように業務管理システムを設計していた。具体的には、オペレータが業務データの入力を途中で放棄したり、業務アプリケーションのエラーに因り、入力した業務データを最終的に登録できなかったりする場合を想定して、採番のタイミングは、業務データの登録直前又は業務データを格納するデータベースの更新時に、業務アプリケーションが行うのが一般的であった。
しかし、本実施形態によれば、番号の破棄や再利用が容易になったので、採番処理のタイミングを従来よりも柔軟に設計することができる。例えば、業務アプリケーションの起動直後や業務データの入力中など任意のタイミングでの採番が設計可能になる。
また、本実施形態によれば、任意のタイミングで採番できることにより、業務データの登録が先となる制約を除外することができる。例えば、業務データを格納するデータベースへ登録する業務データと、コンピュータで管理されている業務ファイルとを関連付けるために、このファイル名を、採番した番号で管理する場合の設計のし易さが挙げられる。
また、従来の採番では業務データの登録が先に行われる必要があるが、作成した業務ファイルから業務データを抽出して登録する場合には、ファイル作成をデータ登録より先に行う必要がある。例えば、機械製品を製造している企業では、製図ソフトウェアを使って図面を作成し、業務アプリケーションと連携するための番号を採番する必要があった。さらに、その番号を使って製図ソフトウェアが作るファイルのファイル名と一致させたいという要件があった。従来の採番では、一時的なファイル名を使って作成したファイルで対応し、データ登録時に採番された番号でファイル名を変更して再度保存することを行わなければならなかった。しかし、本実施形態によれば、採番処理だけ先行して行うことが可能なので、ファイルを先行して作成し、作成されたファイルから情報を抽出してデータベースへのデータ登録を行うことが可能になる。
【0111】
また、本実施形態にかかるシステムは、業務アプリケーション以外にも、有限な番号を生成する必要がある分野において利用可能である。
例えば、本実施形態にかかるシステムは、電話番号(例えば、日本の固定電話の場合は市外局番と市内局番を除いた加入者番号、日本の携帯電話の場合は携帯番号とキャリア識別番号を除いた顧客番号、など)の採番に利用可能である。電話番号は簡単に桁数を増やすことが出来ない有限な番号である。そこで、本実施形態にかかるシステムを利用すれば、例えば、携帯電話の新規購入時に採番を行い、利用停止時に番号をシステムへ返却することで番号を有効に使用することができる。
また、例えば、本実施形態にかかるシステムは、国民総背番号制における番号管理に利用可能である。現在の日本の人口は減少傾向にあるが、累計人口は増加し続ける。しかし、国民総背番号制で必要な番号の桁数は、システム移行に伴って変更することが非常に困難であると推測される。そこで、本実施形態にかかるシステムを利用すれば、例えば、採番は出生時に行い、そして、死亡時から、法的手続きを取る必要がなくなる程度の年数が経ったら返却を行うことで、番号を増やし続けなければならない問題を解決することができる。
【0112】
また、本実施形態にかかるシステムは、番号を発行し管理するビジネスにおいて利用可能である。
例えば、携帯電話番号を管理するサービスを想定した場合、顧客(例えばサービス利用会社)は番号の発行を、サービス提供会社(本実施形態にかかるシステムのサーバ装置を管理する会社)に依頼し、サービス提供会社は顧客に対し番号を発行する。
発行した番号は顧客の資産となるので、番号管理費用として顧客はサービス提供会社にサービス利用料を支払う。
顧客は、サービス提供会社から発行された番号を使用しなくなったら、番号をサービス提供会社に返却し、サービス提供会社は返却の確認を行う。
なお、サービス利用料を、管理対象の番号の量に応じて課金されるように決めておけば、顧客は不要になった番号を返却した方が安くサービスを受けられことから、積極的な番号の返却が発生する。すなわち、サービス提供会社は顧客に番号の返却を促さなくても、サービス提供会社には顧客から自然と番号が返却されるようになる。
【0113】
また、これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0114】
例えば、上述した実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0115】
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0116】
また、業務管理システムに関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0117】
例えば、クライアント端末100及びサーバ装置200が備える処理機能、特に制御部100及び制御部202にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、情報処理装置に本発明にかかる識別情報発行方法を実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じてサーバ装置200に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部206などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0118】
また、このコンピュータプログラムは、クライアント端末100又はサーバ装置200に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0119】
また、本発明にかかる識別情報発行プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0120】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0121】
記憶部106及び記憶部206に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0122】
また、クライアント端末100及びサーバ装置200は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、クライアント端末100及びサーバ装置200は、当該情報処理装置に本発明の識別情報発行方法を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0123】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。