特許第6193668号(P6193668)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6193668
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】超音波診断装置用プローブ
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20170828BHJP
【FI】
   A61B8/14
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-157286(P2013-157286)
(22)【出願日】2013年7月30日
(65)【公開番号】特開2015-27320(P2015-27320A)
(43)【公開日】2015年2月12日
【審査請求日】2016年3月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232483
【氏名又は名称】日本電波工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105946
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 富彦
(74)【代理人】
【識別番号】100094651
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100123478
【弁理士】
【氏名又は名称】田邉 隆
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 功
【審査官】 永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−245785(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3163407(JP,U)
【文献】 国際公開第2013/065598(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0144611(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 − 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波探触子を備える超音波診断装置用プローブであって、
超音波診断装置に繋がれたケーブルと、該ケーブルを保持するケーブル外周保持部品と、を備え、
該ケーブルの外周と該外周を保持する部品の保持面との間に形成される隙間から、液体の侵入を防ぐ防水構造において、前記ケーブル外周保持部品を柔軟性のある材質から形成し、前記ケーブル外周保持部品の前記超音波探触子側の先端に凸状形状部を形成し、該凸状形状部と対向して配置されるすり鉢形状部品のすり鉢形状部に前記凸状形状部を押し当てることにより、前記ケーブル外周保持部品に形成した前記凸状形状部の内径が小さくなるように変形させ、もって、前記ケーブルの前記外周を締め付けることによって、縮径部が形成され、前記隙間をなくし液体の前記プローブ内への侵入を防止し
前記凸状形状部を前記すり鉢形状部に押し付け前記ケーブル外周を締め付ける手段は、前記凸状形状部に形成された雄ネジと前記すり鉢状部品の開口端に形成された雌ねじの螺合による構成であり、前記ケーブル外周保持部品が前記すり鉢形状部品に対して回転することにより、前記凸状形状部が前記すり鉢形状部に対してねじ込まれるように押し付けられて前記ケーブルの前記外周が締め付けられることを特徴とする超音波診断装置用プローブ。
【請求項2】
超音波探触子を備える超音波診断装置用プローブであって、
超音波診断装置に繋がれたケーブルと、該ケーブルを保持するケーブル外周保持部品と、を備え、
該ケーブルの外周と該外周を保持する部品の保持面との間に形成される隙間から、液体の侵入を防ぐ防水構造において、前記ケーブル外周保持部品を柔軟性のある材質から形成し、前記ケーブル外周保持部品の前記超音波探触子側の先端に凸状形状部を形成し、該凸状形状部と対向して配置されるすり鉢形状部品のすり鉢形状部に前記凸状形状部を押し当てることにより、前記ケーブル外周保持部品に形成した前記凸状形状部の内径が小さくなるように変形させ、もって、前記ケーブルの前記外周を締め付けることによって、縮径部が形成され、前記隙間をなくし液体の前記プローブ内への侵入を防止し
前記凸状形状部を前記すり鉢形状部に押し付け前記ケーブル外周を締め付ける手段は、前記ケーブル外周保持部品に固着されたねじ込み部品に形成された雌ネジと前記すり鉢状部品の開口端に形成された雄ねじの螺合による構成であり、前記ケーブル外周保持部品が前記すり鉢形状部品に対して回転することにより、前記凸状形状部が前記すり鉢形状部に対してねじ込まれるように押し付けられて前記ケーブルの前記外周が締め付けられることを特徴とする超音波診断装置用プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を用いて生体内の画像を得る医用超音波診断装置のプローブに関し、特に超音波診断装置とプローブとを繋ぐケーブルと、このケーブル外周を保持する保持部材との間に形成される隙間からプローブ内へ液体の侵入を防止する防止構造に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置用の超音波探触子を有するプローブでは、生体の超音波診断に使用した後は、常時、消毒洗浄するため、防水構造であることが必要とされている。しかし、超音波診断装置とプローブとを繋ぐケーブルの被覆部が、シリコンゴム等の柔軟な素材からできているため、ケーブルとプローブとを繋ぐ部分の完全な防水構造を確保することは、非常に難しいという問題点を有していた。
【0003】
そのため、従来、この種の防水構造を確保するため、前述したケーブルとこのケーブル外周を保持する部材との間の隙間に接着剤を充填して硬化させ、プローブ内への液体の侵入を防いでいた。
【0004】
すなわち、従来技術では、図3図4に示すように、ケーブル外周保持部材12の内腔に軟質の合成樹脂の被覆11aを設けたケーブル11の外周部を接着剤により接着する。そして、プローブPのハウジング(外装ケース)15に蓋部材13を接着剤を硬化させて固着し、蓋部材13の内周部に形成したネジ部16に金属または合成樹脂からなる保持金具14をネジ込んで、ケーブル11を保持したケーブル外周保持部材12を固定して、図4に示す液体の侵入経路を塞いで、プローブP内への液体の侵入を防止していた。
【0005】
しかしながら、このような従来の液体の侵入防止方法では、その都度接着剤を当該隙間に必要量充填・塗布して硬化させ、プローブの修理等の場合に分解しなければならない場合には、接着剤により固着された構成部材を一部破壊しなければ分解できないこともあり、そのため、プローブの作業性、分解性等が著しく劣っているとする問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−299850号公報
【特許文献2】特開2005−245785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、超音波診断装置用のプローブのケーブル保持部の防水構造を確保するために、接着剤を用いることなく、ケーブル外周を保持する部品をシリコンゴム等の柔軟性のある材質から構成し、ケーブルの外周保持部品への取り付け時に、ケーブルの内径が小さくなるように変形させて隙間をなくして液体のプローブ内への侵入を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するため、本発明の超音波診断装置用プーブでは、ケーブル外周保持部品を柔軟性のある材質から構成し、ケーブルの外周保持部品への取り付け時に、ケーブルの内径が小さくなるように変形させて、隙間をなくし、液体のプローブ内への侵入を防止する
【0009】
そのため、本発明では、超音波探触子を備える超音波診断装置用プローブであって、超音波診断装置に繋がれたケーブルと、該ケーブルを保持するケーブル外周保持部品と、を備え、該ケーブルの外周と該外周を保持する部品の保持面との間に形成される隙間から、液体の侵入を防ぐ防水構造において、前記ケーブル外周保持部品を柔軟性のある材質から形成し、前記ケーブル外周保持部品の前記超音波探触子側の先端に凸状形状部を形成し、該凸状形状部と対向して配置されるすり鉢形状部品のすり鉢形状部に前記凸状形状部を押し当てることにより、前記ケーブル外周保持部品に形成した前記凸状形状部の内径が小さくなるように変形させ、もって、前記ケーブルの前記外周を締め付けることによって、縮径部が形成され、前記隙間をなくし液体の前記プローブ内への侵入を防止し、前記凸状形状部を前記すり鉢形状部に押し付け前記ケーブル外周を締め付ける手段は、前記凸状形状部に形成された雄ネジと前記すり鉢状部品の開口端に形成された雌ねじの螺合による構成であり、前記ケーブル外周保持部品が前記すり鉢形状部品に対して回転することにより、前記凸状形状部が前記すり鉢形状部に対してねじ込まれるように押し付けられて前記ケーブルの前記外周が締め付けられることを特徴とする。
【0010】
また、本発明では、超音波探触子を備える超音波診断装置用プローブであって、超音波診断装置に繋がれたケーブルと、該ケーブルを保持するケーブル外周保持部品と、を備え、該ケーブルの外周と該外周を保持する部品の保持面との間に形成される隙間から、液体の侵入を防ぐ防水構造において、前記ケーブル外周保持部品を柔軟性のある材質から形成し、前記ケーブル外周保持部品の前記超音波探触子側の先端に凸状形状部を形成し、該凸状形状部と対向して配置されるすり鉢形状部品のすり鉢形状部に前記凸状形状部を押し当てることにより、前記ケーブル外周保持部品に形成した前記凸状形状部の内径が小さくなるように変形させ、もって、前記ケーブルの前記外周を締め付けることによって、縮径部が形成され、前記隙間をなくし液体の前記プローブ内への侵入を防止し、前記凸状形状部を前記すり鉢形状部に押し付け前記ケーブル外周を締め付ける手段は、前記ケーブル外周保持部品に固着されたねじ込み部品に形成された雌ネジと前記すり鉢状部品の開口端に形成された雄ねじの螺合による構成であり、前記ケーブル外周保持部品が前記すり鉢形状部品に対して回転することにより、前記凸状形状部が前記すり鉢形状部に対してねじ込まれるように押し付けられて前記ケーブルの前記外周が締め付けられることを特徴とする。




【発明の効果】
【0011】
柔軟性のあるケーブル外周保持部品の保持部の内径が小さくなるように変形させて隙間をなくすことができ、接着剤を用いることなく、液体のプローブ内への侵入を防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の超音波診断装置用プローブの防水機構の分解図を示し、図1(a)は、その一部断面斜視図を、また、図1(b)は、その一部断面図を示す。
図2図1に示したプローブの防水機構の実施形態の断面図を示し、図2(a)は、すり鉢形状部品の内周開口部にケーブル外周保持部品の凸角形状を押し当ててケーブル外周を締め付け縮径部を形成した実施形態を、図2(b)は、すり鉢形状部品のすり鉢形状の斜面に接触させてケーブル外周を締め付け縮径部を形成した実施形態を、また、図2(c)は、ねじ込み部品を別途ケーブル外周保持部品に設けた実施形態を示す
図3】従来の超音波診断用探触子用プローブの外観を示す斜視図を示す。
図4図3に示したプローブの防水機構の部分断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の超音波診断装置用プローブの防水構造の実施形態について添付した図面に基いて説明する。
【0014】
図1に示すように、本発明の超音波探触子を有するプローブの防水構造は、超音波診断装置(図示なし)とプローブPを繋ぐ外側を軟質の合成樹脂で被覆されたケーブル1(図1参照)と、このケーブル1を保持する部品2との間に形成される隙間gから液体が図1(b)に示す経路からプローブP内に侵入するのを防止するよう機能する。
【0015】
具体的には、ケーブル1の外周1aを保持する,例えば、シリコンゴム等の柔軟性のある材質からなるケーブル外周保持部品2を断面形状が末広がりの円錐状に形成し、このケーブル外周保持部品2の挿入側の先端2bに凸角形状部2aを形成し、別部品の硬質の合成樹脂等の材質からなる、すり鉢形状部品3のすり鉢状部3aにすり鉢形状部品3に形成した雌ねじ3cにケーブル外周保持部品2の凸角形状部2aの根元部に形成した図2(a)に示す雄ネジ2cを図1(b)に示す矢印方向に押し当て、あるいは凸角形状部2aをすり鉢状部3aに圧入(嵌合)させ、これにより柔軟性のあるケーブル外周保持部品2の先端2bの開口部の内径をその半径方向に小さくなるように変形させ縮径部sを形成する。これにより、軟質の材質を被覆したケーブル1の外周1aをその全周にわたって締め付けることとなり、この個所で隙間gがなくなり封止され、プローブPへの外部からの液体の侵入を防止(阻止)できるようになる。
【0016】
実施例1
本発明の超音波診断装置用プローブPの防水機構の実施例1では、図2(a)に示すように、ケーブル1の外周1aを保持する,例えば、シリコンゴム等の柔軟性のある材質からなるケーブル外周保持部品2を断面形状が末広がりの円錐状に形成し、このケーブル外周保持部品2の挿入側の先端2bに凸角形状部2aを形成し、別部品の硬質の合成樹脂等の材質からなる、すり鉢形状部品3のすり鉢状部3aにすり鉢形状部品3に形成した雌ねじ3cにケーブル外周保持部品2の凸角形状部2aの根元部に形成した雄ネジ2cを螺合して押し当てる。
【0017】
ここで、図2(a)に示すように、ケーブル外周保持部品2の凸状形状部2aの拡開角がすり鉢形状部品3の拡開角より小さく、かつ、すり鉢状部品3の開口部3bを越えて形成されているので、先端部2bが凸状形状部2aのすり鉢状の面に線接触し、先端部2bが、その半径方向に変形される。
【0018】
これによって、柔軟性のあるケーブル外周保持部品2の先端2bの開口部の内径をその半径方向に小さくなるように変形させる。これにより、軟質の材質を被覆したケーブル1の外周1aをその全周にわたって締め付けることとなり、縮径部sが形成され、この個所で隙間gがなくなり封止され、プローブPへの外部からの液体の侵入を防止(阻止)できるようになる。
【0019】
実施例2
本発明の超音波診断装置用プローブPの防水機構の実施例2では、図2(b)に示すように、ケーブル1の外周1aを保持する,例えば、シリコンゴム等の柔軟性のある材質からなるケーブル外周保持部品2を断面形状が末広がりの円錐状に形成し、このケーブル外周保持部品2の挿入側の先端2bに凸角形状部2aを形成し、別部品の硬質の合成樹脂等の材質からなる、すり鉢形状部品3のすり鉢状部3aにすり鉢形状部品3に形成した雌ねじ3cにケーブル外周保持部品2の凸角形状部2aの根元部に形成した雄ネジ2cを螺合して押し当てる。
【0020】
ここで、図2(b)に示すように、ケーブル外周保持部品2の凸状形状部2aの拡開角が,すり鉢形状部品3の拡開角より小さく、かつ、すり鉢状部品3の開口部3b手前まで形成されているので、先端部2bが凸状形状部2aのすり鉢状の斜面に線接触し、先端部2bが、その半径方向に変形し、これにより柔軟性のあるケーブル外周保持部品2の先端2bの開口部の内径をその半径方向に小さくなるように変形させる。これにより、軟質の材質を被覆したケーブル1の外周1aをその全周にわたって締め付けることとなり、縮径部sが形成され、この個所で隙間gがなくなり、封止され、プローブPへの外部からの液体の侵入を防止(阻止)できるようになる。
【0021】
実施例3
本発明の超音波診断装置用プローブPの防水機構の実施例3では、図2(c)に示すように、ケーブル1の外周1aを保持する,例えば、シリコンゴム等の柔軟性のある材質からなるケーブル外周保持部品2を断面形状が末広がりの円錐状に形成し、このケーブル外周保持部品2の挿入側の先端2bに凸角形状部2aを形成し、別部品の硬質の合成樹脂等の材質からなる、すり鉢形状部品3のすり鉢状部3aにすり鉢形状部品3の先端に形成した雄ねじ3cに別途設けたねじ込み部品4に形成した雌ネジを螺合して押し当てる。
【0022】
ここで、図2(c)に示すように、ケーブル外周保持部品2の凸状形状部2aの拡開角が,すり鉢形状部品3の拡開角より小さく、かつ、すり鉢状部品3の開口部3b手前まで形成されているので、先端部2bが凸状形状部2aのすり鉢状の斜面に線接触し、先端部2bが、その半径方向に変形し、これにより柔軟性のあるケーブル外周保持部品2の先端
2bの開口部の内径をその半径方向に小さくなるように変形させる。これにより、軟質の材質を被覆したケーブル1の外周1aをその全周にわたって締め付けることとなり、縮径部sが形成され、この個所で隙間gがなくなり、封止され、プローブPへの外部からの液体の侵入を防止(阻止)できるようになる。
【符号の説明】
【0023】
1 ケーブル
2 ケーブル外周保持部品
3 すり鉢形状部品
4 ねじ込み部品
11 ケーブル
11a 被覆部
12 ケーブル外周保持部品
13 蓋部材
14 保持金具
15 ハウジング
16 ネジ部
g 隙間
s 縮径部
P プローブ











図1
図2
図3
図4