【文献】
NTT DOCOMO,Views on Benefit of Small Cell Discovery Based on Discovery Signal,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #74 R1-133458,2013年 8月10日,第1節-第4節
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記送信部は、前記参照信号を、前記ホッピングパターンに基づいて前記第1送信期間毎に異なる単一の帯域に割り当てて周波数ホッピングすることを特徴とする請求項5に記載の無線基地局。
前記送信部は、前記参照信号を、前記ホッピングパターンに基づいて前記第1送信期間毎に異なる複数の帯域に分割して割り当てて周波数ホッピングすることを特徴とする請求項5に記載の無線基地局。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、HetNetの概念図である。
図1に示すように、HetNetは、マクロセルと地理的に重複するようにスモールセルが配置される無線通信システムである。HetNetは、マクロセルを形成する無線基地局(以下、マクロ基地局又はMeNB(Macro eNodeB)という)、各スモールセルを形成する無線基地局(以下、スモール基地局又はSeNB(Small eNodeB)という)、マクロ基地局及びスモール基地局の少なくとも一つと通信するユーザ端末(UE:User Equipment)とを含む。
【0012】
図1に示すHetNetでは、マクロセルにおいて相対的に低い周波数帯(以下、低周波数帯という)のキャリアF1を用い、スモールセルにおいて相対的に高い周波数帯(以下、高周波数帯という)のキャリアF2を用いることが検討されている。この場合、低周波数帯のキャリアF1を用いるマクロセルにおいて、カバレッジ確保やモビリティサポートを行い、高周波数帯のキャリアF2を用いるスモールセルにおいて、容量増大やオフロードを行うこと(Macro-assisted、C/U-plane splitなどともいう)も検討されている。
【0013】
図2は、キャリアF1、F2の一例を示す図である。
図2に示すように、低周波数帯のキャリアF1としては、例えば、800MHzや2GHzなどの既存の周波数帯(Existing cellular bands)のキャリアを用いることができる。一方、高周波数帯のキャリアF2としては、例えば、3.5GHzや10GHzなど、既存の周波数帯よりも高い周波数帯(Higher frequency bands)のキャリアを用いることができる。
【0014】
図2に示すように、キャリアF1の送信電力密度(Transmit power density)は、キャリアF2の送信電力密度より高いため、マクロセルのカバレッジはスモールセルよりも大きくなる。一方、キャリアF2の送信帯域幅(bandwidth)は、キャリアF1の送信帯域幅よりも広く確保できるため、スモールセルの伝送速度(キャパシティ)はマクロセルよりも高くなる。
【0015】
ところで、パスロス(path-loss)は、周波数fに比例して増加する。具体的には、パスロスは、およそ20
*log10(f)で示される。このため、高周波数帯のキャリアF2が用いられるスモールセルでは、Massive MIMO(3次元(3D)/Massive MIMOともいう)などによるビームフォーミングを適用することで、パスロスを補償することが検討されている。
【0016】
図3は、Massive MIMOの説明図である。Massive MIMOを用いる場合、複数のアンテナ素子が2次元面に配置される。例えば、
図3に示すように、2次元面における水平方向と垂直方向とで均等に、複数のアンテナ素子が配置されてもよい。かかる場合、2次元面に配置可能なアンテナ素子数は、理論上、周波数fの2乗に比例して増加する。なお、図示しないが、複数のアンテナ素子は、3次元で配置されてもよい。
【0017】
図4及び
図5を参照し、周波数fとアンテナ素子数との関係を説明する。
図4及び5は、周波数fとアンテナ素子数との関係を説明するための図である。
【0018】
図4では、アンテナ素子が1次元で配列される場合を説明する。アンテナ素子が1次元で配置される場合、周波数fの増加率に比例して、アンテナ長Lで配置可能なアンテナ素子数Txが増加する。例えば、
図4Aに示すように、周波数fが2GHzである場合、アンテナ長Lに6個のアンテナ素子が配列されるとする。この場合、
図4Bに示すように、周波数fが4GHz(
図4Aの2倍)となると、同じアンテナ長Lに12個(=6×2)のアンテナ素子を配置可能となる。
【0019】
また、アンテナ素子が1次元で配置される場合、アンテナ長Lで配置可能なアンテナ素子数Txが増加するにつれて、ビームフォーミングゲインが増加する。例えば、
図4Bでは、アンテナ長Lが配置可能なアンテナ素子数Txが
図4Aの2倍になるので、アンテナ素子間の間隔(以下、アンテナ素子間隔)が、
図4Aの1/2となる。アンテナ素子間隔が狭いほど、ビーム幅が狭くなるので、ビームフォーミングゲインが増加する。このため、
図4Bのビームフォーミングゲインは、
図4Aの2倍となる。
【0020】
一方、
図5では、アンテナ素子が2次元面に配置される場合(Massive MIMOを適用する場合)を説明する。アンテナ素子が2次元で配置される場合、周波数fの増加率に2乗比例して、所定面積で配置可能なアンテナ素子数Txが増加する。例えば、
図5に示すように、周波数fが2.5GHzである場合、所定の2次元面に1個のアンテナ素子が配置されるとする。この場合、周波数fが2.5GHzの1.4倍の3.5GHzになると、アンテナ素子数Txは、1.4
2=1.96≒2となる。また、周波数fが2.5GHzの2倍の5GHzになると、アンテナ素子数Txは、2
2=4となる。周波数fが、2.5GHzの4倍の10GHz、8倍の20GHzとなる場合も同様に、アンテナ素子数Txは、4
2=16、8
2=64となる。
【0021】
また、アンテナ素子が2次元で配置される場合も、所定面積で配置可能なアンテナ素子数Txが増加するにつれて、
図5に示すように、ビームフォーミングゲインが増加する。すなわち、Massive MIMOを適用する場合、周波数fが高いほど、大きなビームフォーミングゲインを得ることができる。したがって、スモールセルにおいてMassive MIMOを適用する場合、ビームフォーミングゲインにより、高周波数帯のパスロスを補償することができる。
【0022】
図6は、スモールセルのカバレッジの説明図である。
図6に示すように、ビームフォーミングされる参照信号のカバレッジC1は、ビームフォーミングされない参照信号のカバレッジC2と比べて、所定方向に拡大する。これにより、ビームフォーミング方向に位置するUE1は、カバレッジC2外であっても、ビームフォーミングされた参照信号を所定の受信品質で受信できる。一方、ビームフォーミング方向とは逆方向に位置するUE2は、カバレッジC2内であっても、当該参照信号を十分な受信品質で受信できない恐れがある。
【0023】
また、ビームフォーミングを行うためには、チャネル状態を示すCSI(Channel State Information)などのユーザ端末からのフィードバック情報や、アンテナ素子の重み付けに用いられるAOA(Angle of Arrival)やAOD(Angle of Departure)などを取得する必要がある。このため、フィードバック情報、AOA、AODなどが未知となる期間ではビームフォーミングを行うことができず、当該期間に送信される参照信号をユーザ端末が十分な受信品質で受信できないことが想定される。
【0024】
そこで、Massive MIMOなどによるビームフォーミングを行わずに、ユーザ端末における参照信号の受信品質を向上させる方法が検討されている。具体的には、
図7に示すように、ビームフォーミングが行われない参照信号送信期間においては、ビームフォーミングが行われるデータ送信期間よりも、送信帯域幅を狭くして、送信電力を大きくすることが検討されている。
【0025】
例えば、
図7では、データ送信期間におけるビームフォーミングゲインに比例して、参照信号送信期間における送信帯域幅が狭められ、送信電力が増加される。これにより、高周波数帯のキャリアF2が用いられるスモールセルにおいても、ビームフォーミングを行わずに、参照信号のカバレッジを拡大し、ユーザ端末における参照信号の受信品質を向上することができる。
【0026】
しかしながら、
図7に示すように、送信帯域幅が狭められ、送信電力が増加された参照信号送信期間においては、ビームフォーミングが行われないため、近隣のスモールセルが同一の周波数帯で参照信号を送信する場合には、当該スモールセル間で干渉が発生し、ユーザ端末における参照信号の受信品質が低下する恐れがある。
【0027】
そこで、本発明者らは、送信電力が増加された参照信号送信期間において、スモールセル間の干渉を抑制することができる無線通信方法を検討し、本発明に至った。
【0028】
本発明に係る無線通信方法では、スモール基地局が、ビームフォーミングが行われない参照信号送信期間(第1送信期間)において、ビームフォーミングが行われるデータ送信期間(第2送信期間)よりも狭い送信帯域幅かつ大きな送信電力で、参照信号を送信する。また、スモール基地局は、当該参照信号を各スモール基地局特有の情報に対応付けられた帯域に割り当てて送信する。
【0029】
ここで、参照信号送信期間(第1送信期間)とは、ビームフォーミングせずに参照信号が送信される期間である。また、参照信号は、受信品質測定用の信号であり、本実施の形態では、ユーザ端末がスモール基地局を検出/測定するためのディスカバリー信号(DS:Discovery Signal)のことを指す。ただし、参照信号は、例えば、CRS(Cell-Specific Reference Signal)、CSI−RS(Channel State Information-Reference Signal)、DM−RS(DeModulation-Reference Signal)、PRS(Positioning Reference Signal)など、他の受信品質測定用の信号を用いても良い。なお、受信品質には、例えば、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、SINR(Signal Interference Noise Ratio)などが含まれる。
【0030】
また、参照信号送信期間では、下記の
図8などに示されるように、データ送信期間(第2送信期間)よりも送信帯域幅を狭くして、送信電力を増加させて、参照信号が送信される。このため、データ送信期間のようにビームフォーミングゲインが得られなくても、ユーザ端末における参照信号の受信品質の低下を防止できる。なお、参照信号送信期間の送信帯域幅は、データ送信期間におけるビームフォーミングゲイン、アンテナ素子数などに基づいて、決定されても良い。
【0031】
一方、データ送信期間(第2送信期間)とは、ビームフォーミングをしてデータ信号(例えば、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)で送信されるユーザデータや上位レイヤ制御情報)が送信される期間である。データ送信期間では、ビームフォーミングゲインにより、ユーザ端末における受信品質の低下を防止できる。
【0032】
なお、参照信号送信期間では、参照信号だけでなく、下りシステム情報や制御信号など(例えば、BCCH(Broadcast Control Channel)やセルサーチに利用される同期信号、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)で送信される共通制御情報など)のユーザ固有でない下り信号が送信されてもよい。すなわち、本実施の形態に係る無線通信方法は、参照信号送信方法及び制御信号送信方法を含む。また、データ送信期間では、データ信号だけでなく、L1/L2信号、下り制御信号(例えば、PDCCHで送信される個別制御情報)など、ユーザ固有の下り信号が送信されてもよい。
【0033】
本実施の形態は、大別すると、スモール基地局による分散制御(態様1−3)及びマクロ基地局による集中制御(態様4)の2つとなる。分散制御は、スモール基地局が自律的に、各スモール基地局特有の情報に対応付けられた帯域に基づいて参照信号送信に係る制御を行うため、マクロ基地局とスモール基地局との間の当該制御に必要な通信オーバヘッドが非常に小さい。一方、集中制御は、マクロ基地局がスモール基地局に対して割り当てる帯域を通知するため、当該制御に必要な通信量が分散制御に比べて増加するものの、干渉を効果的に抑制することが可能である。
【0034】
以下、本実施の形態の各態様に係る無線通信方法を詳細に説明する。説明で参照する図のうち、
図8−12及び14には、スモールセルを構成する基地局(SeNB、スモール基地局)#1−#3について、参照信号送信期間(第1送信期間)及びデータ送信期間(第2送信期間)にユーザ端末との通信に割り当てる周波数帯が示されている。また、
図8−12及び14には、参照信号送信期間として、期間t1、t2及びt3の3つが示されている。なお、SeNB#1−#3は同じ周波数帯を利用するとともに、参照信号送信期間において互いのカバレッジに共通部分がある。なお、本実施の形態では、ビームフォーミングが行われない参照信号送信期間において、ビームフォーミングが行われるデータ送信期間のビームフォーミングゲインに従って送信帯域幅を狭くして、送信電力を大きくして参照信号を送信する。
【0035】
(態様1)
図8−10を参照し、本実施の形態の態様1に係る無線通信方法を説明する。態様1に係る無線通信方法では、各スモール基地局は、参照信号を、所定のホッピングパターンに基づいて周波数ホッピングして送信する。ここで、参照信号は、第1送信期間毎に異なる単一の帯域に割り当てられても良いし(態様1.1)、第1送信期間毎に異なる複数の帯域に分割して割り当てられても良い(態様1.2)。また、参照信号は、第1送信期間のうち所定の時間毎に異なる帯域に割り当てられても良い(態様1.3)。
【0036】
図8は、態様1.1に係る無線通信方法の説明図である。態様1.1においては、各スモール基地局は、ホッピングパターンに基づいて参照信号を単一の帯域に割り当てて送信する。また、帯域の割り当ては、参照信号送信期間毎に変更する。例えば、
図8において、SeNB#1は、期間t1、t2及びt3で、参照信号を送信する周波数帯が異なっている。
【0037】
ここで、ホッピングパターンには、格別の制限はない。例えば、パターンの数を所定の個数に制限しても良い。ただし、ホッピングパターンは、少なくとも隣接するスモール基地局間で異なる帯域に参照信号が割り当てられるように構成されていることが好ましい。また、
図8には、図示される時間において、参照信号に割り当てられる帯域幅が一定である場合の例が示されているが、参照信号の帯域幅は動的に変更されるように構成しても良い。例えば、参照信号の帯域幅は、ホッピングパターンに従って変更されても良いし、何らかの乱数系列に基づいて変更されても良い。
【0038】
図9は、態様1.2に係る無線通信方法の説明図である。態様1.2においては、各スモール基地局は、ホッピングパターンに基づいて参照信号を複数の帯域に分割して割り当てて送信する。また、帯域の割り当ては、参照信号送信期間毎に変更する。
【0039】
図10は、態様1.3に係る無線通信方法の説明図である。態様1.3において、態様1.1及び1.2と異なる点は、1つの参照信号送信期間中に帯域の割り当てが変わることである。例えば、
図10に示すように、1つの参照信号送信期間を2つに分け、当該2つの期間に異なるパターンの帯域を割り当てる。ホッピングパターンとして、パターン1、2及び3の3通りが規定されているとすると、当該2つの期間へのパターンの割り当て方は6通りある。態様1.3に係る無線通信方法では、複数のSeNBで同じ帯域に参照信号が割り当てられる期間が生じた場合でも、当該期間を短くすることで、干渉を効果的に抑制できる。
【0040】
ここで、態様1に係る所定のホッピングパターン及び下記の態様2に係る所定の拡散符号系列は、各スモール基地局で特有の情報に対応付けられて、乱数系列として生成される。すなわち、スモール基地局特有の情報を、乱数の初期化に使用する値(シード値、乱数の種)として用いる。したがって、参照信号が割り当てられる帯域は各スモール基地局特有の情報に対応付けられている。なお、複数のスモールセルで同じホッピングパターン及び拡散符号系列が選択されないようにするためには、乱数系列(擬似乱数列を含む)の周期が長く、かつ乱数の種が各スモール基地局で異なることが好ましい。本実施の形態では、スモール基地局特有の情報としてスモールセルのセルIDを用いる。ただし、乱数の種はこれに限られるものではなく、例えば地理的位置から決定されても良い。また、乱数の種に関する情報は、MeNBから通知されても良い。
【0041】
また、態様1に係る無線通信方法において、ユーザ端末は、スモール基地局で所定のホッピングパターンに基づいて周波数ホッピングされた参照信号を受信し逆拡散した後、参照信号の受信品質を測定する。
【0042】
ユーザ端末は、参照信号の受信品質の測定結果をスモール基地局にフィードバックする。ここで、ユーザ端末は、スモールセルで用いられる周波数帯(例えば、キャパシティキャリアと呼ばれる相対的に高い周波数帯)を用いて、直接スモール基地局にフィードバックしてもよいし、マクロセルで用いられる周波数帯(例えば、カバレッジキャリアと呼ばれる相対的に低い周波数帯)などの別周波数帯を用いて、マクロ基地局にフィードバックして、マクロ基地局を介してスモール基地局に上記測定結果を通知しても良い。なお、測定結果のフィードバックは、本実施の形態の他の態様でも同様に行うことができる。
【0043】
以上、態様1に係る無線通信方法によれば、スモール基地局が、参照信号を所定のホッピングパターンに基づいて周波数ホッピングして送信する。このため、参照信号にビームフォーミングを行わない場合であっても、参照信号のカバレッジを拡大すると共に、スモールセル間の干渉を抑制して、ユーザ端末における参照信号の受信品質を向上できる。
【0044】
(態様2)
図11及び12を参照し、本実施の形態の態様2に係る無線通信方法を説明する。態様2に係る無線通信方法では、各スモール基地局は、参照信号を、所定の拡散符号系列に基づいて直接スペクトラム拡散して送信する。ここで、当該拡散符号系列は、固定的に決定されていても良いし(態様2.1)、参照信号送信期間毎に変更されても良い(態様2.2)。
【0045】
図11は、態様2.1に係る無線通信方法の説明図である。態様2.1においては、各スモール基地局は、固定的に決定された拡散符号系列に基づいて参照信号を拡散して送信する。
図11には、SeNB#1−#3が、それぞれ異なる拡散符号系列1−3に基づいて参照信号を拡散して送信する例が示されている。このように、各スモール基地局における拡散符号系列は、参照信号送信期間において参照信号のカバレッジが少なくとも一部重なるスモール基地局間で、異なっていることが好ましい。
【0046】
図12は、態様2.2に係る無線通信方法の説明図である。態様2.2においては、各スモール基地局は、参照信号送信期間毎に異なる拡散符号系列で参照信号を拡散して送信する。態様2.2に係る無線通信方法によれば、複数のスモール基地局が長い期間同じ拡散符号系列を利用することを防止できるため、態様2.1よりも効果的に干渉を抑制することができる。例えば、SeNB#1及び#2の両方が、期間t1−t3のいずれにおいても拡散符号系列1を用いて拡散してしまう事態を防止できる。
【0047】
また、態様2に係る無線通信方法において、ユーザ端末は、スモール基地局で所定の拡散符号系列に基づいて拡散された参照信号を受信し逆拡散した後、参照信号の受信品質を測定する。
【0048】
以上、態様2に係る無線通信方法によれば、スモール基地局が、参照信号を所定の拡散符号系列に基づいて直接スペクトラム拡散して送信する。このため、参照信号にビームフォーミングを行わない場合であっても、参照信号のカバレッジを拡大すると共に、スモールセル間の干渉を抑制して、ユーザ端末における参照信号の受信品質を向上できる。
【0049】
図13に、態様1及び2に係る無線通信方法のシーケンス図を示す。
【0050】
まず、MeNBは、地理的に重複するスモールセルを形成するSeNBに対して、制御信号・参照信号のホッピングパターンや拡散符号系列の乱数の種に関する情報を通知する(ステップST01)。また、乱数の種に関する情報以外の情報も通知しても良い。例えば、参照信号を送信する帯域に関する情報を通知し、当該情報に従ってホッピングする帯域を変更しても良い。なお、SeNBが、使用するホッピングパターン及び拡散符号系列の生成の際、MeNBからの情報を必要としない場合(例えば、乱数の種として自セルのセルIDを用いる場合)には、ステップST01は実施しなくても良い。
【0051】
次に、SeNBは、通知された情報に基づいて、制御信号・参照信号のホッピングパターンや拡散符号系列を生成する(ステップST02)。なお、SeNBが以前に生成したホッピングパターン又は拡散符号系列を保持し、当該ホッピングパターン又は拡散符号系列を利用できる場合には、ステップST02は実施しなくても良い。
【0052】
次に、SeNBは、配下のUEに対して、生成されたホッピングパターン又は拡散符号系列に基づいて、周波数ホッピング又は拡散を適用して、制御信号(例えば、PSS(Primary Synchronization Signal)、SSS(Secondary Synchronization Signal)などの同期信号)を送信する(ステップST03)。制御信号については参照信号と同様に、ビームフォーミング(BF)は行われない。
【0053】
次に、制御信号を受信したUEは、SeNBに対して接続要求を送信する(ステップST04)。
【0054】
次に、SeNBは、UEから接続要求を受信すると、上記制御信号と同様に、周波数ホッピング又は拡散を適用して参照信号を送信する(ステップST05)。また、SeNBは、制御信号(例えば、システム情報ブロック(SIB:System Information Block))を適宜送信しても良い。なお、ステップST03の制御信号の送信からステップST05の参照信号の送信までの間にMeNBから再度乱数の種に関する情報を通知された場合などには、ステップST02を再度実施して生成したホッピングパターン又は拡散符号系列をステップST05に適用しても良い。
【0055】
次に、UEは、受信した参照信号からチャネル推定などを行い、CSIフィードバックを行う(ステップST06)。
【0056】
SeNBは、フィードバックされたCSIを用いてアンテナの調整などを適宜行い、データ送信を行う(ステップST07)。データ送信はビームフォーミング(BF)を行う。
【0057】
(態様3)
図14を参照し、本実施の形態の態様3に係る無線通信方法を説明する。態様3に係る無線通信方法では、各スモール基地局は、参照信号を、各スモール基地局特有の情報に対応付けられた帯域に固定的に割り当てて送信する。この際、少なくとも隣接するスモール基地局間で異なる帯域が割り当てられるように対応付けられることが好ましい。本実施の形態では、上述のとおり、スモール基地局特有の情報としてスモールセルのセルIDを用いる。ただし、スモール基地局特有の情報はこれに限られるものではなく、例えば地理的位置から決定されても良い。
【0058】
図14は、態様3に係る無線通信方法の説明図である。各スモール基地局は、参照信号を各スモール基地局特有の情報(例えば、セルID)に対応付けられた周波数帯域に固定的に割り当てて送信する。つまり、態様3は、帯域が固定的に割り当てられている点で、態様1と異なる。また、
図14には、参照信号が単一の帯域に割り当てられる場合を示しているが、複数の帯域をセルIDに対応付け、当該複数の帯域に参照信号を割り当てる構成としても良い。
【0059】
態様3に係る無線通信方法において、ユーザ端末は、スモール基地局が所定の帯域に割り当てて送信した参照信号を受信した後、参照信号の受信品質を測定する。
【0060】
以上、態様3に係る無線通信方法によれば、スモール基地局が、参照信号を各スモール基地局特有の情報に対応付けられた帯域に固定的に割り当てて送信する。このため、参照信号にビームフォーミングを行わない場合であっても、参照信号のカバレッジを拡大すると共に、スモールセル間の干渉を抑制して、ユーザ端末における参照信号の受信品質を向上できる。
【0061】
(態様4)
本実施の形態の態様4は、MeNBが、その配下の各SeNBが用いる参照信号の帯域の割り当てを集中制御することで干渉を回避する。これにより、態様4ではSeNB間の干渉を効果的に抑制することが可能である。
【0062】
上述した
図14は、態様4に係る無線通信方法の説明図でもある。態様4においては、各スモール基地局は、態様1と同様に、参照信号を所定の帯域に割り当てて送信する。さらに、態様4においては、各SeNBの参照信号に割り当てる帯域は、MeNBで集中的に管理されているため、各SeNBの帯域を重ならないようにすることで、干渉を好適に防止することが可能である。本実施の形態では、MeNBが、各SeNBに対して、参照信号を割り当てる帯域(例えば、リソースブロック)を通知する。ただし、これに限られず、MeNBが、帯域に関する情報を通知し、SeNBが当該情報から参照信号を割り当てる帯域を決定するように構成しても良い。
【0063】
図14には、各SeNBの帯域をそれぞれ固定的に割り当てる場合を示しているが、MeNBが任意のタイミングでSeNBに割り当てる帯域の通知を行うことで動的に割り当てを変更しても良い。例えば、
図14に示す期間t2の終了後にMeNBがSeNB#1及び#2に対して参照信号を割り当てる帯域の通知を行い、期間t3におけるSeNB#1及び#2の使用する帯域を入れ替えることができる。また、
図14には、参照信号が単一の帯域に割り当てられる場合を示しているが、複数の帯域に分割して割り当てられるように構成しても良い。
【0064】
態様4に係る無線通信方法において、ユーザ端末は、スモール基地局が所定の帯域に割り当てて送信した参照信号を受信した後、参照信号の受信品質を測定する。
【0065】
以上、態様4に係る無線通信方法によれば、スモール基地局が、参照信号をマクロ基地局から通知された帯域に割り当てて送信する。このため、参照信号にビームフォーミングを行わない場合であっても、参照信号のカバレッジを拡大すると共に、スモールセル間の干渉を抑制して、ユーザ端末における参照信号の受信品質を向上できる。
【0066】
図15に、態様3及び4に係る無線通信方法のシーケンス図を示す。態様3では、ステップST11は実施しないため、「通知された帯域」を「自スモール基地局が決定した帯域」と読み替える。また、ステップST13、ST15及びST16は、
図13におけるステップST04、ST06及びST07と同じであるため、説明を省く。
【0067】
まず、MeNBは、地理的に重複するスモールセルを形成するSeNBに対して、制御信号・参照信号の送信帯域の通知を行う(ステップST11)。互いに干渉するSeNBが複数ある場合には、各SeNBで用いられる帯域が重ならないように制御する。ここで、通知された帯域の帯域幅は、SeNBがデータ送信期間で利用する帯域幅よりも狭いことが好ましい。上述のとおり、態様3では、ステップST11は実施しない。
【0068】
次に、SeNBは、配下のUEに対して、通知された帯域を用いて、制御信号(例えば、PSS、SSSなど)を送信する(ステップST12)。制御信号については参照信号と同様に、ビームフォーミング(BF)は行われない。
【0069】
SeNBは、UEから接続要求を受信すると、上記制御信号と同様に、狭帯域で参照信号を送信する(ステップST14)。ここで、SeNBは、制御信号(例えば、SIB)を適宜送信しても良い。なお、ステップST12の制御信号の送信からステップST14の参照信号の送信までの間にMeNBから再度送信帯域を通知された場合などには、ステップST12及びステップST14で使用される帯域が異なっていても良い。
【0070】
(変形例)
また、本実施の形態の態様1から4は、適宜組み合わせることができる。例えば、SeNB#1−#3を制御する場合に、SeNB#1における参照信号を、態様4に基づいて高周波数帯に割り当てる一方で、SeNB#2及び#3における参照信号を、態様1に基づいて高周波数帯以外の帯域にホッピングする構成としても良い。これにより、制御性と制御に係る通信量のトレードオフを鑑みて制御を実施することが可能である。また、態様2で拡散した参照信号をさらに態様1でホッピングする構成としても良い。
【0071】
(無線通信システムの構成)
以下、本実施の形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上述の無線通信方法(態様1−4)の少なくとも1つが適用される。
図16−20を参照し、本実施の形態に係る無線通信システムの概略構成を説明する。
【0072】
図16は、本実施の形態に係る無線通信システムの概略構成図である。なお、
図16に示す無線通信システムは、例えば、LTEシステム、LTE−Aシステム、IMT−Advanced、4G、FRA(Future Radio Access)などが包含されるシステムである。
【0073】
図16に示すように、無線通信システム1は、マクロセルC1を形成するマクロ基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成するスモール基地局12a及び12bとを備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。ユーザ端末20は、マクロ基地局11及びスモール基地局12の双方と無線通信可能に構成されている。
【0074】
マクロセルC1では、例えば、800MHzや2GHzなど、相対的に低い周波数帯のキャリアF1が用いられる。一方、スモールセルC2では、例えば、3.5GHz、10GHzなど、相対的に高い周波数帯のキャリアF2が用いられる。なお、キャリアF1は、既存キャリア、レガシーキャリア、カバレッジキャリアなどと呼ばれてもよい。また、キャリアF2は、追加(additional)キャリア、キャパシティキャリアなどと呼ばれてもよい。なお、マクロセルC1、スモールセルC2では、同一の周波数帯のキャリアが用いられてもよい。
【0075】
マクロ基地局11及び各スモール基地局12は、有線接続されてもよいし、無線接続されてもよい。マクロ基地局11及び各スモール基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。
【0076】
なお、マクロ基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、eNodeB(eNB)、無線基地局、送信ポイント(transmission point)などと呼ばれてもよい。スモール基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、RRH(Remote Radio Head)、ピコ基地局、フェムト基地局、Home eNodeB、送信ポイント、eNodeB(eNB)などと呼ばれてもよい。ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでよい。
【0077】
また、無線通信システム1では、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。
【0078】
また、無線通信システム1では、下りリンクの通信チャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)と、下り制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel、EPDCCH:Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PCFICH、PHICH、報知チャネル(PBCH)などが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報が伝送される。PDCCH、EPDCCHにより、下り制御情報(DCI)が伝送される。
【0079】
また、無線通信システム1では、上りリンクの通信チャネルとして、各ユーザ端末20で共有される各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)と、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)や、送達確認情報(ACK/NACK)などが伝送される。
【0080】
以下、マクロ基地局11及びスモール基地局12を区別しない場合、無線基地局10と総称する。
図17は、本実施の形態に係る無線基地局10の全体構成図である。無線基地局10は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ101(アンテナポート)と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106とを備えている。なお、複数の送受信アンテナ101は、Massive MIMO用のアンテナ素子で構成されてもよい。
【0081】
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
【0082】
ベースバンド信号処理部104では、PDCPレイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御の送信処理などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御、例えば、HARQの送信処理、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理が行われて各送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、各送受信部103に転送される。
【0083】
各送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力された下り信号を無線周波数帯に変換する。アンプ部102は、周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ101により送信する。
【0084】
一方、上り信号については、各送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部102で増幅され、各送受信部103で周波数変換されてベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部104に入力される。
【0085】
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、FFT処理、IDFT処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
【0086】
図18は、本実施の形態に係るユーザ端末20の全体構成図である。ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205とを備えている。
【0087】
下り信号については、複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部202で増幅され、送受信部203で周波数変換され、ベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などがなされる。この下り信号に含まれるユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータの内、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
【0088】
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御(H−ARQ(Hybrid ARQ))の送信処理や、チャネル符号化、プリコーディング、DFT処理、IFFT処理などが行われて各送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。その後、アンプ部202は、周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ201により送信する。
【0089】
図19は、本実施の形態に係るスモール基地局12の機能構成図である。なお、以下の機能構成は、スモール基地局12が有するベースバンド信号処理部104などによって構成される。
図19に示すように、スモール基地局12は、データ信号生成部301、ビームフォーミング部302、参照信号生成部303、決定部304、マッピング部305を具備する。
【0090】
データ信号生成部301は、データ送信期間(第2送信期間)に送信されるデータ信号を生成して、ビームフォーミング部302に出力する。上述のように、データ信号は、PDSCHで送信されるユーザデータや上位レイヤ制御情報などを含む。送受信部103に出力されたデータ信号は、データ送信期間(
図8)において、ビームフォーミングされて送信される。
【0091】
ビームフォーミング部302は、ユーザ端末20からのフィードバック情報(例えば、CSI、AOA、AODなど)に基づいて、ユーザ端末20に対するビームフォーミングを行う。具体的には、ビームフォーミング部302は、データ信号生成部301から出力されたデータ信号に対して重み付けを行い、送受信部103に出力する。
【0092】
参照信号生成部303(生成部)は、参照信号送信期間(第1送信期間)に送信される参照信号を生成し、マッピング部305に出力する。上述のように、参照信号は、受信品質測定用の信号であり、代表的にはディスカバリー信号を用いる。ただし、参照信号は、CRS、CSI−RS、DM−RSなどの、その他の受信品質測定用の信号を用いても良い。
【0093】
決定部304は、ビームフォーミング部302におけるビームフォーミングによるゲイン(ビームフォーミングゲイン)に基づいて、参照信号送信期間の送信帯域幅を決定する。具体的には、決定部304は、データ送信期間におけるビームフォーミングゲインに基づいて、参照信号送信期間の送信帯域幅をデータ送信期間より狭く決定する。これにより、参照信号期間の送信電力が、送信帯域幅に比例してデータ送信期間よりも増加する。
【0094】
マッピング部305は、参照信号生成部303で生成された参照信号を決定部304で決定された送信帯域幅の無線リソースにマッピングする。具体的には、マッピング部305は、参照信号を、スモール基地局12特有の情報に対応付けられた帯域に割り当てて送信する。例えば、マッピング部305は、当該参照信号を、所定のホッピングパターンに基づいて周波数ホッピングしても良い(態様1)。ここで、マッピング部305は、参照信号を、ホッピングパターンに基づいて第1送信期間毎に、異なる単一の帯域にマッピングしても良いし(態様1.1)、異なる複数の帯域に分割してマッピングしても良い(態様1.2)。また、マッピング部305は、参照信号を、ホッピングパターンに基づいて第1送信期間のうち所定の時間毎に異なる帯域にマッピングしても良い(態様1.3)。
【0095】
また、マッピング部305は、参照信号を、所定の拡散符号系列に基づいて直接スペクトラム拡散しても良い(態様2)。具体的には、マッピング部305は、参照信号を、固定的に決定されている拡散符号系列に基づいて拡散しても良いし(態様2.1)、参照信号送信期間毎に変更される拡散符号系列に基づいて拡散しても良い(態様2.2)。
【0096】
また、マッピング部305は、参照信号を、各スモール基地局特有の情報に対応付けられた帯域に固定的にマッピングしても良い(態様3)。
【0097】
また、マッピング部305は、参照信号を、マクロ基地局11から通知された参照信号の帯域の割り当ての情報に基づいて、所定の帯域にマッピングしても良い(態様4)。
【0098】
マッピング部305によって無線リソースにマッピングされた参照信号は、送受信部103に出力され、参照信号送信期間において、データ送信期間の送信帯域幅よりも狭い送信帯域幅かつ大きな送信電力で送信される。これにより、参照信号は、データ送信期間よりも大きな送信電力で送信される。なお、本発明の送信部は、マッピング部305及び送受信部103によって構成される。
【0099】
図20は、本実施の形態に係るユーザ端末20の機能構成図である。なお、以下の機能構成は、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204などによって構成される。
図20に示すように、ユーザ端末20は、測定部401、チャネル推定部402を具備する。
【0100】
測定部401は、スモール基地局12がスモール基地局12特有の情報に対応付けられた帯域に割り当てて送信した参照信号を送受信部203から受け取り、当該参照信号の受信品質を測定する。具体的には、測定部401は、所定の乱数系列に基づいてスペクトラム拡散された参照信号を逆拡散して、参照信号の受信品質を測定する(態様1及び2)。また、測定部401は、所定の帯域に割り当てられた参照信号の受信品質を測定する(態様3及び4)。ここで、受信品質測定に必要な、乱数系列、ホッピングパターン、拡散符号系列、参照信号が割り当てられた帯域の情報などは、マクロ基地局、スモール基地局、他のユーザ端末などから通知されても良い。また、上述のように、受信品質には、RSRP、RSRQ、SINRなどが含まれる。
【0101】
チャネル推定部402は、測定部401によって測定された受信品質に基づいて、チャネル推定を行う。具体的には、チャネル推定部402は、測定部401で測定された受信品質に対応するチャネル状態情報(CSI)を生成し、送受信部203に出力する。なお、CSIには、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、RI(Rank Indicator)などが含まれてもよい。
【0102】
以上のように、本実施の形態の無線通信システム1によれば、スモール基地局12が、参照信号を、スモール基地局12特有の情報に対応付けられた帯域に割り当てて送信する。具体的には、本実施の形態の態様1及び2に係る無線通信システム1によれば、スモール基地局12が、参照信号を、所定の乱数系列に基づいてスペクトラム拡散して送信する。また、本実施の形態の態様3に係る無線通信システム1によれば、スモール基地局12が、参照信号を、各スモール基地局特有の情報に対応付けられた帯域に割り当てて送信する。また、本実施の形態の態様4に係る無線通信システム1によれば、スモール基地局12が、参照信号を、マクロ基地局11から通知された参照信号の帯域の割り当ての情報に基づいて、所定の帯域にマッピングして送信する。このため、参照信号にビームフォーミングを行わない場合であっても、スモールセル間の干渉を抑制して、参照信号の送信電力増大によるカバレッジ拡大及びユーザ端末における参照信号の受信品質の向上を両立することができる。
【0103】
なお、本実施の形態に係る無線通信システム1では、参照信号送信期間において、データ送信期間よりも狭い送信帯域幅かつ大きな送信電力で参照信号を送信するものとしたが、これに限られない。本発明は、送信帯域幅を狭めない場合にも、適用可能である。
【0104】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。