(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
器具本体と、該器具本体内に設置され所定量の水を貯水する貯水室と、前記器具本体内にある収納室に設置され前記貯水室内へ水を供給する給水タンクと、前記貯水室の底部に接続され前記貯水室の水を排水タンクへ排水させる排水管と、該排水管の途中に設置され弁を開閉することで水の流動を制御する排水弁と、前記貯水室内の貯水を破砕してナノミストと負イオンを発生させるミスト発生部と、該ミスト発生部で発生したナノミストと負イオンを含んだ加湿空気を室内に送風する送風ファンと、該送風ファンを駆動させ前記器具本体に形成された送風口から前記ミスト発生部で発生したナノミストと負イオンを含んだ加湿空気を送風するミスト運転を実施する制御部とを備えたミスト発生装置において、前記給水タンクが前記収納室内に設置されているかを検知するタンク検知手段を備え、前記制御部は、前記タンク検知手段で前記給水タンクが前記貯水室内の水を排水するために前記収容室から抜かれたと判断できる所定時間以上検知されなければ前記排水弁を開放し、前記貯水室内の排水が完了したと判断したら、前記送風ファンを駆動させ前記貯水室を乾燥させる乾燥運転を実施することを特徴とするミスト発生装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この従来のものでは、ミスト運転が終了して給水タンクを収納室から抜いた後、使用者が排水レバーの操作を忘れてしまい、貯水室内の水を排水しないまま次のミスト運転を行う可能性があったため、貯水室内に残った水中に菌やカビが発生した状態でミスト運転を開始する虞があることから、不衛生であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、器具本体と、該器具本体内に設置され所定量の水を貯水する貯水室と、前記器具本体内にある収納室に設置され前記貯水室内へ水を供給する給水タンクと、前記貯水室の底部に接続され前記貯水室の水を排水タンクへ排水させる排水管と、該排水管の途中に設置され弁を開閉することで水の流動を制御する排水弁と、前記貯水室内の貯水を破砕してナノミストと負イオンを発生させるミスト発生部と、該ミスト発生部で発生したナノミストと負イオンを含んだ加湿空気を室内に送風する送風ファンと、該送風ファンを駆動させ前記器具本体に形成された送風口から前記ミスト発生部で発生したナノミストと負イオンを含んだ加湿空気を送風するミスト運転を実施する制御部とを備えたミスト発生装置において、前記給水タンクが前記収納室内に設置されているかを検知するタンク検知手段を備え、前記制御部は、前記タンク検知手段で前記給水タンク
が前記貯水室内の水を排水するために前記収容室から抜かれたと判断できる所定時間以上検知されなければ、前記排水弁を開放
し、前記貯水室内の排水が完了したと判断したら、前記送風ファンを駆動させ前記貯水室を乾燥させる乾燥運転を実施するものである。
【0007】
また、請求項
2では、前記ミスト発生部は、前記貯水室内に下端を水没させ、回転により水を汲み上げて飛散させる筒状の回転体と、該回転体を回転駆動させるミストモータと、前記回転体の回転により飛散された水が衝突する衝突体とで構成されているものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の請求項1によれば、給水タンクが収納室内に設置されているかを検知するタンク検知手段を備え、タンク検知手段で給水タンク
が貯水室内の水を排水するために収容室から抜かれたと判断できる所定時間以上検知されなければ、排水弁を開放
し、貯水室内の排水が完了したと判断したら、送風ファンを駆動させ貯水室を乾燥させる乾燥運転を実施するので、
給水タンクが器具本体内から一時的に抜かれた訳ではなく、貯水室内の水を排水する目的で抜かれたと判断して排水弁を開放するため、タンク検知手段による誤検知を防ぎ、給水タンク内の水が排水タンク内に流入することを防止でき、また、器具本体内から
貯水室内の水を排水する目的で給水タンクが抜かれたことを検知したら自動的に排水弁を開放して貯水室内の水を排水するため、貯水室内の水を排水し忘れる虞が無く、
また、貯水室内の水を確実に排水して送風ファンにより貯水室内を乾燥させることが可能となることから、貯水室内に菌やカビが発生した状態でミスト運転を再開することが防止できる。
【0010】
また、請求項
2によれば、ミスト発生部は、貯水室に下端を水没させ、回転により水を汲み上げて飛散させる筒状の回転体と、該回転体を回転駆動させるミストモータと、回転体の回転により飛散された水が衝突する衝突体とで構成されているので、貯水室内の水を回転体で汲み上げて衝突体に衝突させる簡易な構成によってナノミストと負イオンを多量に発生させることができるため、組付けが容易であり低コストでミスト発生部を構成できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、この発明の一実施形態におけるミスト発生装置を図に基づいて説明する。
1は器具本体であり、該器具本体1の下面を構成する下面ケース2と、上面を構成する上面ケース3とで構成されている。
【0013】
4は器具本体1内で発生した加湿空気を室内に放出する送風口、5は器具本体1の正面に引き出し用の取っ手が形成され、器具本体1内で発生した排水を所定量だけ貯留する排水タンク、6は器具本体1の上面に形成され開閉自在の給水タンク扉、7は各種操作用のスイッチが設置された操作部である。
【0014】
8は器具本体1内に固定された外トレー、9は外トレー8上部に対して装着や取り外しが可能な内トレーであり、内トレー9内には所定量の水を貯めることができ、外トレー8と内トレー9とで貯水室が構成されている。
【0015】
10は所定量の水を内部に貯水可能なカートリッジ式の給水タンク、11は給水タンク10の先端に装着された給水蓋、12は内トレー9上に形成された突起であり、前記給水蓋11内部には、上下に可動する図示しない開閉弁が設置されており、前記突起12上に給水蓋11の開閉弁が設置されることで、前記開閉弁が可動して給水タンク10内の水を内トレー9内に供給することができる
【0016】
13は器具本体1内に給水タンク10を収納可能な収納室、14は該収納室13の側壁に設置され、軸15を支点にして所定角度だけ回動するタンク検知体、16は該タンク検知体に設置され磁性を持つ給水マグネット、17は前記タンク検知体14の近傍に設置され、前記給水マグネット16が近づいたことを磁性で検知し、ON/OFF状態を切り替える近接センサ方式でタンク検知手段としてのタンク検知スイッチである。
【0017】
前記タンク検知体14は、
図4で示すように給水タンク10が収納室13内に設置されていない場合、図示しないバネ等の弾性体によって上方向への力を受けて静止しているが、給水タンク10が収納室13内に設置されると、タンク検知体14が軸15を支点にして下方向に回動し、給水マグネット16がタンク検知スイッチ17に近づいてON状態に切り替わることで、収納室13内に給水タンク10が設置されたかを確認できる。
【0018】
18は前記内トレー9の貯水に下端を水没させ、駆動軸19に軸支された筒状の回転体であり、回転体18は略中央部で駆動軸19の端部と図示しないナットで固定されており、ナットを外して回転体18を取り外した後に、前記内トレー9を前記外トレー8から取り外すことができる。
【0019】
前記回転体18は、中空逆円錐形で上方に向かって径が徐々に拡大するものであり、駆動軸19に接続され回転体18を回転駆動させるミストモータ20を駆動させ、回転体18が回転することでの回転の遠心力で内トレー9内の貯水を汲み上げ、回転体18の外壁および内壁を伝わせて水を押し上げて、回転体18の外壁を伝わせて押し上げた水を周囲に飛散させると共に、回転体18の内壁を伝わせて押し上げた水を回転体18の上端に形成された複数の図示しない飛散口から周囲に飛散させる。
【0020】
21は回転体18の上部外周に所定間隔を離間させて位置し、回転体18と共に回転する円筒状の多孔体で、該多孔体21には、その全周壁に多数のスリットや金網やパンチングメタル等から成る衝突体としての多孔部22が設置されており、前記回転体18、前記ミストモータ20及び前記多孔部22でミスト発生部が構成されている。
【0021】
前記ミスト発生部を構成するミストモータ20を駆動させ、回転体18を回転させることで発生する遠心力で内トレー9内の水を汲み上げると共に空気を飛散させ、多孔部22を通過した水滴が破砕されることで、水の粒子を微細化してナノメートル(nm)サイズのミストが生成すると共に、水の粒子の微細化によるレナード効果で負イオンを多量に発生させるものである。
【0022】
23は所定の回転数で駆動する送風ファンであり、器具本体1の背面にある図示しない吸い込み口から吸い込んだ室内空気を吹き出して、内トレー9を通過させて送風口4から送風することで、内トレー9内で発生させたナノミストと負イオンを含んだ加湿空気を室内に供給する。
【0023】
24は内トレー9の底部に設置され、内トレー9内の貯水を間接的に加熱する加熱ヒータであり、内トレー9の底面にバネ25によって押し当てられ、内トレー9内の水の温度を検知する貯水温度センサ26での検知値が所定値となるよう、ON/OFF状態を適宜切り替えて貯水温度を調節する。
【0024】
27は内トレー9内に設置され、フロートが上下することで水位を検知する貯水センサであり、内トレー9内の水位が低下して所定水位以下になったらON信号を出力し、水位が上昇して所定水位以上になったらOFF信号を出力することで、内トレー9内の水位を確認する。
【0025】
28は内トレー9の底部に形成された排水口であり、略円筒状の筒部29と、該筒部29の外周に形成された略鍔状のリング部30とで構成されており、前記筒部29内部に設置された排水バルブ31が上下方向に動作することで内トレー9内の水の排水を制御することができ、内トレー9を外トレー8から外した時に、排水バルブ31が下方向に動作してリング部30に当接して排水口28を塞ぐことで、内トレー9から水が漏れるのを防止することができる。
【0026】
32は外トレー8の下部と接続し、内トレー9が外トレー8上に設置された時に排水バルブ31を上方向に持ち上げる突起33を略中央に備えた排水口ガイドであり、内トレー9が外トレー8上に装着されることで、排水バルブ31が突起33に当接して上方向に持ち上げられ、内トレー9内の貯水が排水口ガイド32に流入する。
【0027】
34は排水口ガイド32と接続され、配管途中に電磁式の排水弁35が設置された排水管であり、内トレー9を外トレー8上に装着すると突起33によって排水バルブ31が上方向に持ち上げられ、内トレー9内の水が排水口ガイド32から排水管34内に流入して、前記排水弁35を開放すると、排水管34の端部から内トレー9内の水を排水タンク5内に回収することができる。
【0028】
36は排水タンク5の側面に対向する位置で器具本体1に形成された壁部に設置された近接センサ方式の排水センサであり、排水タンク5内の水位に応じて上下方向に動作するフロートに設置された排水マグネット37によってON/OFF状態を切り替えることで、排水タンク5内が満水かを判断可能であり、排水タンク5内に所定量以上の排水が流入して排水マグネット37を設置したフロートが浮き上がり、排水マグネット37が排水センサ36から離れたらON信号を出力することで満水を検知し、排水弁35を閉止して排水管34からの水の流入を防止することで、排水タンク5から水が溢れることを防止することができるため、器具本体1の設置面を濡らすことがない。
【0029】
38は外トレー8の下部にあり、排水管34に沿って平行に設置された排水案内板であり、排水口28と排水口ガイド32との間から溢れ出した水を回収して、排水タンク5まで案内可能な構成にしたことで、器具本体1の設置面を濡らすことがない。
【0030】
39は各センサで検知された検知値や操作部7上に備えられた各スイッチでの設定内容に基づき、運転内容や弁の開閉を制御するマイコンで構成された制御部であり、ミストモータ20を所定の回転数で駆動させるミストモータ制御手段40と、送風ファン23を所定の回転数で駆動させる送風ファン制御手段41と、内トレー9内の水の排水時に排水弁35を開放していから経過した時間等をカウントする計時手段42とが備えられている。
【0031】
次に、本実施形態における通常運転時の制御について説明する。
まず、操作部7上にある図示しない運転スイッチをON状態にしたら、制御部39は、タンク検知スイッチ17がON状態になっているか判断して、タンク検知スイッチ17がON状態であれば、給水タンク10が収納室13内に設置されているとして次のステップに進み、タンク検知スイッチ17がOFF状態であれば、給水タンク10は収納室13内に設置されていないとして、器具本体1上にある図示しないスピーカから報知音を鳴らし、図示しない表示部で給水タンク10が収納室13内に設置されていない旨を表示する。
【0032】
前記ステップでタンク検知スイッチ17がON状態になっていれば、制御部39は、計時手段42でカウントされた所定時間経過後に貯水センサ27がOFF状態になっているか判断して、貯水センサ27がOFF状態になっていれば、内トレー9内に所定量の水が貯水されていると判断してミスト運転を開始し、貯水センサ27がON状態のままであれば、給水タンク10内に水がないと判断して、器具本体1上にある図示しないスピーカから報知音を鳴らし、図示しない表示部で給水タンク10が空状態である旨を表示する。
【0033】
次に、本実施形態におけるミスト運転終了後の制御について
図5のフローチャートに基づいて説明する。
ミスト運転中に操作部7上にある図示しない運転スイッチがOFF状態に切り替えられたら、制御部39は、タンク検知スイッチ17の状態を確認し(ステップS101)、タンク検知スイッチ17がOFF状態か判断して(ステップS102)、タンク検知スイッチ17がOFF状態であれば、収納室13内に給水タンク10がないと判断して、OFF状態になってから経過した時間を計時手段42でカウント開始する(ステップS103)。
【0034】
ステップS103でタンク検知スイッチ17がOFF状態になってから経過した時間のカウントを開始したら、制御部39は、計時手段42でカウントした時間が10秒経過したか判断して(ステップS104)、10秒経過していれば収納室13内に給水タンク10がなく、排水するために給水タンク10が抜かれたと判断して、排水センサ36のON/OFF状態を確認した上で排水弁35を開放して、内トレー9内の水を排水する排水動作を開始する(ステップS105)。
【0035】
ステップS105で排水動作を開始したら、制御部39は、排水弁35を開放してから所定時間経過したか、もしくは貯水センサ27でON信号が出力されたことを検知したら、内トレー9内の水が全て排水されたと判断して排水弁35を閉止し、送風ファン制御手段41で送風ファン23を所定の回転数で駆動させて、内トレー9や回転体18に付着している水分を乾かす乾燥動作を開始する(ステップS106)。
【0036】
ステップS106で送風ファン23を駆動させる乾燥動作を開始したら、制御部39は、送風ファン23を駆動してから所定時間(例えば15分)経過したか計時手段42で確認し、所定時間が経過していれば送風ファン23の駆動を停止させ、自動運転を終了する。
【0037】
以上のように、ミスト運転が終了した後にタンク検知スイッチ17の状態を確認し、タンク検知スイッチ17が所定時間以上OFF状態であることを確認したら、給水タンク10が収納室13から取り出されたと判断して排水弁35を開放するため、給水タンク10を収納室13から取り出した後に内トレー9内の水を排水し忘れる虞がないため、内トレー9内での菌やカビの発生や増殖を確実に防止することができ、衛生的なミスト運転を確実に行うことができる。
【0038】
また、タンク検知スイッチ17がOFF状態になってから10秒経過した後に排水弁35を開放するので、給水タンク10を一時的に取り出してから再度収納室13内に設置するような場合に、誤って排水弁35を開放して給水タンク10内の水が排水タンク5内に流入することがないため、大量の水が排水タンク5内に流入して溢れ出すことで器具本体1の設置面を濡らすことがない。
【0039】
なお、本実施形態では収納室13の側面に近接センサ方式のタンク検知スイッチ17を設置しているが、これに限らず例えば、収納室13の底面にバネ等の弾性体により所定長さ分だけ上方向に突き出した棒状の突起を設置し、給水タンク10が収納室13内に設置されると前記突起が下方に移動し、この移動した突起の下面がスイッチに触れることで、給水タンク10の収納室13内への設置有無を判断するような方法でもよい。
【0040】
また、器具本体1上に使用者が操作することで排水弁35を開放して内トレー9内の水を排水タンク5内に流入させることが可能な排水スイッチを設け、タンク検知スイッチ17がOFF状態の時のみ排水スイッチでの操作が可能な構成であってもよく、ミスト運転終了後に給水タンク10を収納室13から抜いていない状態で誤って排水スイッチを操作しても、タンク検知スイッチ17がON状態なので排水弁35を開放することがなく、給水タンク10内の水が排水タンク5内に流入しないため、排水タンク5から水が溢れ出して器具本体1の設置面が濡れることを確実に防止することができる。
【0041】
また、本実施形態の説明で用いたタンク検知スイッチ17の構造や、給水タンク10が収納室13内に設置されているか判断するタンク検知スイッチ17のOFF状態の時間等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において各構造や数値は変更可能である。