(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0018】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0019】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことはいうまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0020】
以下、代表的な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0021】
さらに、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見やすくするためにハッチングを省略する場合もある。
【0022】
また、断面図において、各部位の大きさは実デバイスと対応するものではなく、図面を分かりやすくするため、特定の部位を相対的に大きく表示する場合がある。
【0023】
(実施の形態1)
以下、図面を参照しながら本実施の形態1の半導体装置について詳細に説明する。
【0024】
<半導体装置の構成>
図1は、実施の形態1の半導体装置の構成例を示す回路ブロック図である。
図2は、画素の構成例を示す回路図である。なお、
図1では、アレイ状に配置された4行4列の16個の画素を示す。しかし、実施の形態1の半導体装置がカメラなどの電子機器に適用される場合、例えば数百万の画素が設けられる。
【0025】
図1に示す画素領域1Aには、複数の画素PUがアレイ状に配置され、その周囲には、垂直走査回路102や水平走査回路105などの駆動回路が配置されている。すなわち、本実施の形態1の半導体装置は、画素PUがアレイ状に複数配置された画素アレイを有する。言い換えれば、本実施の形態1の半導体装置は、アレイ状に配置された複数の画素PUを有する。
【0026】
各画素PUは、選択線SLおよび出力線OLの交点に配置されている。選択線SLは垂直走査回路102と接続され、出力線OLはそれぞれ列回路103と接続されている。列回路103はスイッチSwを介して出力アンプ104と接続されている。各スイッチSwは水平走査回路105と接続され、水平走査回路105により制御される。
【0027】
例えば、垂直走査回路102および水平走査回路105により選択された画素PUから読み出された電気信号は、出力線OLおよび出力アンプ104を介して出力される。
【0028】
画素PUは、例えば、
図2に示すように、フォトダイオードPDと、4つのMOSFETとを備えている。これらのMOSFETは、nチャネル型であり、RSTはリセットトランジスタ、TXは転送トランジスタ、SELは選択トランジスタ、AMIは増幅トランジスタである。転送トランジスタTXは、フォトダイオードPDにより生成された電荷を転送する。なお、これらのトランジスタの他に、他のトランジスタまたは容量素子などの素子が組み込まれることもある。また、これらのトランジスタの接続形態として、種々の変形例を用いることが可能である。そして、MOSFETは、Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistorの略であり、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)と示されることもある。さらに、FET(Field Effect Transistor)は、電界効果トランジスタの略である。
【0029】
図2に示す回路例においては、画素PUにおいて、接地電位GNDとノードn1との間にフォトダイオードPDと転送トランジスタTXとが直列に接続されている。ノードn1と電源電位VDDとの間にはリセットトランジスタRSTが接続されている。電源電位VDDは、電源電位線の電位である。電源電位VDDと出力線OLとの間には、選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMIが直列に接続されている。この増幅トランジスタAMIのゲート電極はノードn1に接続されている。また、リセットトランジスタRSTのゲート電極はリセット線LRSTに接続されている。そして、選択トランジスタSELのゲート電極は選択線SLと接続され、転送トランジスタTXのゲート電極は転送線LTXと接続されている。
【0030】
例えば、転送線LTXおよびリセット線LRSTを立ち上げてHレベルとし、転送トランジスタTXおよびリセットトランジスタRSTをオン状態とする。この結果、フォトダイオードPDの電荷が抜かれて空乏化される。その後、転送トランジスタTXをオフ状態とする。
【0031】
この後、例えば、カメラなどの電子機器の例えばメカニカルシャッターなどのシャッターを開くと、シャッターが開いている間、フォトダイオードPDにおいて、入射光によって電荷が発生し、蓄積される。つまり、フォトダイオードPDは、入射光を受光して電荷を生成する。
【0032】
次いで、シャッターを閉じた後、リセット線LRSTを立ち下げてLレベルとし、リセットトランジスタRSTをオフ状態とする。さらに、選択線SLおよび転送線LTXを立ち上げてHレベルとし、選択トランジスタSELおよび転送トランジスタTXをオン状態とする。これにより、フォトダイオードPDにより生成された電荷が転送トランジスタTXのノードn1側の端部(後述する
図3に示すフローティングディフュージョンFD)に転送される。このとき、フローティングディフュージョンFDの信号、すなわち電位は、フォトダイオードPDから転送された電荷に応じた値に変化し、この信号の値が、増幅トランジスタAMIにより増幅され出力線OLに出力される。この出力線OLの信号、すなわち電位が、電気信号(受光信号)となり、列回路103およびスイッチSwを介して出力アンプ104から出力信号として読み出される。
【0033】
<画素領域および周辺回路領域の素子構造>
次いで、画素領域および周辺回路領域の素子構造を説明する。
図3および
図4は、実施の形態1の半導体装置の構成を示す断面図である。なお、
図3および
図4では、画素領域の素子構造と、周辺回路領域の素子構造とを、合わせて図示している。また、
図4では、
図3のうち、層間絶縁膜IL1よりも上方の部分の図示を省略している。
【0034】
図3に示すように、本実施の形態1の半導体装置は、半導体基板1Sと、半導体基板1Sの主面としての上面側の画素領域1Aに形成された半導体領域である活性領域AcTP、AcASおよびAcRと、半導体基板1Sの上面側の周辺回路領域2Aに形成された半導体領域である活性領域AcHおよびAcLとを有する。
【0035】
本実施の形態1の半導体装置は、画素領域1Aにおいて、フォトダイオードPDと、転送トランジスタTXと、増幅トランジスタAMIと、選択トランジスタSELと、リセットトランジスタRSTとを有する。
【0036】
フォトダイオードPDは、活性領域AcTPに形成されており、光電変換により電荷を生成する。転送トランジスタTXは、活性領域AcTPに形成されており、フォトダイオードPDにより生成された電荷を転送する。増幅トランジスタAMIは、活性領域AcASに形成されており、転送トランジスタTXにより転送された電荷に応じて信号を増幅する。選択トランジスタSELは、活性領域AcASに形成されており、フォトダイオードPDおよび転送トランジスタTXが含まれた画素PU(
図1および
図2参照)を選択する。言い換えれば、選択トランジスタSELは、増幅トランジスタAMIを選択する。リセットトランジスタRSTは、活性領域AcRに形成されており、フォトダイオードPDの電荷を消去する。
【0037】
本実施の形態1の半導体装置は、周辺回路領域2Aにおいて、論理回路を構成するロジックトランジスタとしてのトランジスタLTHと、トランジスタLTLとを有する。周辺回路領域2Aにおける論理回路は、電子をキャリアとするnチャネル型のMISFETおよび正孔をキャリアとするpチャネル型のMISFETにより構成されている。
図3には、一例として、周辺回路領域2Aにおける論理回路を構成するトランジスタのうち、nチャネル型のMISFETであるトランジスタLTHおよびLTLを示している。
【0038】
トランジスタLTHは、活性領域AcHに形成されており、トランジスタLTLは、活性領域AcLに形成されている。トランジスタLTHの駆動電圧は、トランジスタLTLの駆動電圧よりも大きい。トランジスタLTHの駆動電圧は、例えば3.3Vであり、トランジスタLTLの駆動電圧は、例えば1.5Vである。すなわち、周辺回路領域2Aには、駆動電圧の異なる複数種類のnチャネル型のトランジスタが形成されている。なお、図示は省略するが、周辺回路領域2Aには、駆動電圧の異なる複数種類のpチャネル型のトランジスタが形成されていてもよい。
【0039】
半導体基板1Sは、例えばリン(P)または砒素(As)などのn型不純物を含有する単結晶シリコンである。活性領域AcTP、AcAS、AcR、AcHおよびAcLの各々の外周には、素子分離領域LCSが配置されている。このように、半導体基板1Sの上面側で、素子分離領域LCSで囲まれた各部分が、活性領域AcTP、AcAS、AcR、AcHおよびAcL等の活性領域となる。
【0040】
画素領域1Aでは、活性領域AcTPのうちフォトダイオードPDが形成される部分に、例えばホウ素(B)などのp型不純物を導入した半導体領域としてのp型ウェルPW1が形成されている。また、画素領域1Aでは、活性領域AcTPのうちフォトダイオードPDが形成される部分以外の部分、および、活性領域AcASおよびAcRには、例えばホウ素(B)などのp型不純物を導入した半導体領域としてのp型ウェルPW2が形成されている。また、周辺回路領域2Aでは、活性領域AcHおよびAcLには、例えばホウ素(B)などのp型不純物を導入した半導体領域としてのp型ウェルPW3が形成されている。なお、本願明細書では、p型ウェルPW1とp型ウェルPW2とをまとめて半導体領域PWと定義する。
【0041】
p型ウェルPW1、PW2およびPW3の各々におけるp型の不純物濃度は、特に限定されず、任意の値とすることができる。このとき、活性領域AcHのうちp型ウェルPW3におけるp型の不純物濃度と、活性領域AcLのうちp型ウェルPW3におけるp型の不純物濃度とを、異ならせることもできる。
【0042】
活性領域AcTP上には、p型ウェルPW1上からp型ウェルPW2上にかけて、ゲート絶縁膜GOX1を介してゲート電極GEtが形成されている。ゲート電極GEtは、転送トランジスタTXのゲート電極である。平面視において、ゲート電極GEtの一方の側(
図3中左側)には、フォトダイオードPDが形成されている。また、平面視において、ゲート電極GEtの他方の側(
図3中右側)、すなわちゲート電極GEtのフォトダイオードPD側と反対側には、電荷蓄積部または浮遊拡散層としての機能を有する、フローティングディフュージョンFDが形成されている。
【0043】
p型ウェルPW1の内部には、例えばリン(P)または砒素(As)などのn型不純物を導入した半導体領域としてのn型ウェルNWが形成されている。具体的には、n型ウェルNWは、p型ウェルPW1の上層部に形成されている。このp型ウェルPW1とn型ウェルNWによって、フォトダイオードPDが形成されている。すなわち、フォトダイオードPDは、活性領域AcTPに形成されたp型ウェルPW1と、p型ウェルPW1の内部に形成されたn型ウェルNWとを含む。また、フォトダイオードPDは、p型ウェルPW1とn型ウェルNWとの間のpn接合を含む。
【0044】
このn型ウェルNWの上面の一部には、p
+型半導体領域PRが形成されている。このp
+型半導体領域PRは、半導体基板1Sの上面に多数形成されている界面準位に基づく電子の発生を抑制する目的で形成される。すなわち、半導体基板1Sの上面付近の部分では、界面準位の影響により、光が照射されていない状態でも電子が発生し、暗電流の増加を引き起こす場合がある。このため、電子を多数キャリアとするn型ウェルNWの上面に、正孔を多数キャリアとするp
+型半導体領域PRを形成することにより、光が照射されていない状態での電子の発生を抑制でき、暗電流の増加を抑制することができる。すなわち、フォトダイオードPDは、n型ウェルNWの上面の一部に形成されたp
+型半導体領域PRを有する。
【0045】
ゲート電極GEt上には、膜部FPtが形成されている。膜部FPtは、絶縁膜としての厚いハードマスク膜HM1からなる膜部FPt1(後述する
図13参照)と、膜部FPt1の側面に形成された薄いハードマスク膜HM2からなる側壁部としてのサイドウォールSWt(後述する
図13参照)とを含む。
【0046】
ここで、ハードマスク膜HM1の膜厚TH5(後述する
図13参照)は、例えば200〜300nm程度であり、ハードマスク膜HM2の膜厚TH6(後述する
図13参照)は、例えば20nm程度である。また、膜部FPtおよび膜部FPt1(後述する
図13参照)の膜厚は、ハードマスク膜HM1の膜厚TH5(後述する
図13参照)に等しく、サイドウォールSWt(後述する
図13参照)の幅は、ハードマスク膜HM2の膜厚TH6(後述する
図13参照)に等しい。
【0047】
本実施の形態1では、ゲート電極GEt上に、膜部FPtが形成されている。これにより、フォトダイオードPDのn型ウェルNWを形成するために例えばn型の不純物イオンを注入する際に、ゲート電極GEtを突き抜けて、ゲート電極GEt下のゲート絶縁膜GOX1およびp型ウェルPW1に、不純物イオンが注入されることを、防止または抑制することができる。そのため、p型ウェルPW1の上面から深い位置までn型の不純物イオンを注入することができ、p型ウェルPW1の上面から深い位置にn型ウェルNWを形成することができる。その結果、フォトダイオードPDにおける飽和電子数が低減することを防止または抑制することができ、光を照射していない状態での白点の発生、すなわち画素欠陥の発生の頻度を低減することができる。
【0048】
半導体基板1Sの上面から、n型ウェルNWの下面、すなわちn型ウェルNWの半導体基板1Sの上面側と反対側の面までの距離TH7(後述する
図15参照)は、ゲート電極GEtの膜厚TH4(後述する
図15参照)よりも大きくてもよい。このような場合でも、本実施の形態1によれば、n型ウェルNWを形成するために例えばn型の不純物イオンを注入する際に、ゲート電極GEtを突き抜けて、ゲート電極GEt下のゲート絶縁膜GOX1およびp型ウェルPW1に、不純物イオンが注入されることを、防止または抑制することができる。なお、ゲート電極GEtの膜厚TH4は、例えば200nm程度である。
【0049】
好適には、膜部FPtを構成する厚いハードマスク膜HM1(後述する
図13参照)として、酸化シリコン(SiO
2)膜、窒化シリコン(SiN)膜および酸窒化シリコン(SiON)膜のうち、1種からなる単層膜、または、2種以上からなる積層膜である、絶縁膜を用いることができる。不純物イオンを注入する際のマスクとして膜部FPtを用いる本実施の形態1では、例えば膜部FPtに代えてレジスト膜を用いる場合に比べ、膜部FPtが変質または変性することを、防止または抑制することができる。
【0050】
さらに好適には、膜部FPtを構成する厚いハードマスク膜HM1として、酸化シリコン膜を用いることができる。これにより、ハードマスク膜HM1が厚い場合でも、容易にパターニングすることができる。
【0051】
一方、膜部FPtを構成する薄いハードマスク膜HM2(後述する
図13参照)として、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜および酸窒化シリコン膜のうち、1種からなる単層膜、または、2種以上からなる積層膜である、絶縁膜を用いることができる。
【0052】
また、膜部FPtは段差部STP(後述する
図18参照)を有してもよい。このとき、段差部STPよりもフォトダイオードPD側と反対側の部分の膜部FPtの膜厚は、段差部STPよりもフォトダイオードPD側の部分の膜部FPtの膜厚TH5(後述する
図13参照)よりも小さい。
【0053】
p
+型半導体領域PRの上面から、膜部FPtの上面にかけて、キャップ絶縁膜CAPが形成されている。このキャップ絶縁膜CAPは、n型ウェルNWおよびp
+型半導体領域PRの上面における特性を良好に保つために形成される。また、このキャップ絶縁膜CAPは、反射防止膜ARFとしても機能する。すなわち、フォトダイオードPDは、n型ウェルNW上、および、p
+型半導体領域PR上に形成された反射防止膜ARFを有する。
【0054】
なお、ゲート電極GEtのフォトダイオードPD側と反対側の側面、および、膜部FPtのフォトダイオードPD側と反対側の側面には、絶縁膜からなるサイドウォールSWが形成されている。
【0055】
ゲート電極GEtのフォトダイオードPD側と反対側、すなわち活性領域AcTPのうち、p型ウェルPW2が形成された部分の上層部には、例えばリン(P)または砒素(As)などのn型不純物を導入したn型の高濃度半導体領域NRが形成されている。n型の高濃度半導体領域NRは、フローティングディフュージョンFDとしての半導体領域であり、転送トランジスタTXのドレイン領域でもある。すなわち、転送トランジスタTXは、活性領域AcTP上に形成されたゲート電極GEtと、活性領域AcTPの上層部に、ゲート電極GEtに整合して形成されたドレイン領域であるn型の高濃度半導体領域NRとを含む。
【0056】
活性領域AcASのうちp型ウェルPW2上に、それぞれゲート絶縁膜GOX1を介してゲート電極GEaおよびゲート電極GEsの各々が形成されている。ゲート電極GEaは、増幅トランジスタAMIのゲート電極であり、ゲート電極GEsは、選択トランジスタSELのゲート電極である。ゲート電極GEa上には、膜部FPaが形成されており、ゲート電極GEs上には、膜部FPsが形成されている。膜部FPaは、絶縁膜としての厚いハードマスク膜HM1からなる膜部FPa1(後述する
図13参照)と、膜部FPa1の側面に形成された薄いハードマスク膜HM2からなる側壁部としてのサイドウォールSWa(後述する
図13参照)とを含む。膜部FPsは、絶縁膜としての厚いハードマスク膜HM1からなる膜部FPs1(後述する
図13参照)と、膜部FPs1の側面に形成された薄いハードマスク膜HM2からなる側壁部としてのサイドウォールSWs(後述する
図13参照)とを含む。
【0057】
膜部FPa1を構成するハードマスク膜HM1(後述する
図13参照)は、膜部FPt1を構成するハードマスク膜HM1(後述する
図13参照)と同層に形成された絶縁膜である。サイドウォールSWaを構成するハードマスク膜HM2(後述する
図13参照)は、サイドウォールSWtを構成するハードマスク膜HM2(後述する
図13参照)と同層に形成された絶縁膜である。膜部FPs1を構成するハードマスク膜HM1(後述する
図13参照)は、膜部FPtを構成するハードマスク膜HM1(後述する
図13参照)と同層に形成された絶縁膜である。サイドウォールSWsを構成するハードマスク膜HM2(後述する
図13参照)は、サイドウォールSWtを構成するハードマスク膜HM2(後述する
図13参照)と同層に形成された絶縁膜である。
【0058】
ゲート電極GEaおよび膜部FPaの両側の側面には、絶縁膜からなるサイドウォールSWが形成されており、ゲート電極GEsおよび膜部FPsの両側の側面には、絶縁膜からなるサイドウォールSWが形成されている。
【0059】
両側の側面にサイドウォールSWが形成されたゲート電極GEaのさらに両側のp型ウェルPW2には、増幅トランジスタAMIのソース・ドレイン領域SDが、ゲート電極GEaに整合して形成されている。これらのソース・ドレイン領域は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有し、n型の低濃度半導体領域NM、すなわちn
−型半導体領域NM、および、n型の高濃度半導体領域NR、すなわちn
+型半導体領域NRからなる。また、n型の高濃度半導体領域NRの上面には、例えばニッケルシリサイドなどの金属シリサイド層からなるシリサイド層SILが形成されている。すなわち、n型の高濃度半導体領域NRの上層部には、シリサイド層SILが形成されている。
【0060】
なお、本願明細書では、ソース・ドレイン領域SDとは、ソース領域またはドレイン領域である半導体領域を意味する。
【0061】
また、両側の側面にサイドウォールSWが形成されたゲート電極GEsのさらに両側のp型ウェルPW2には、選択トランジスタSELのソース・ドレイン領域SDが、ゲート電極GEsに整合して形成されている。これらのソース・ドレイン領域SDは、LDD構造を有し、n型の低濃度半導体領域NM、および、n型の高濃度半導体領域NRからなる。選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMIは、互いに直列に接続されているため、一方のソース・ドレイン領域SDを共有している。
【0062】
活性領域AcRのうちp型ウェルPW2上には、ゲート絶縁膜GOX1を介してゲート電極GErが形成されている。ゲート電極GErは、リセットトランジスタRSTのゲート電極である。ゲート電極GEr上には、膜部FPrが形成されている。膜部FPrは、絶縁膜としての厚いハードマスク膜HM1からなる膜部FPr1(後述する
図13参照)と、膜部FPr1の側面に形成された薄いハードマスク膜HM2からなる側壁部としてのサイドウォールSWr(後述する
図13参照)とを含む。
【0063】
膜部FPr1を構成するハードマスク膜HM1(後述する
図13参照)は、膜部FPtを構成するハードマスク膜HM1(後述する
図13参照)と同層に形成された絶縁膜である。サイドウォールSWrを構成するハードマスク膜HM2(後述する
図13参照)は、サイドウォールSWtを構成するハードマスク膜HM2(後述する
図13参照)と同層に形成された絶縁膜である。ゲート電極GErおよび膜部FPrの両側の側面には、サイドウォールSWが形成されている。
【0064】
また、両側の側面にサイドウォールSWが形成されたゲート電極GErのさらに両側のp型ウェルPW2には、ソース・ドレイン領域SDが、ゲート電極GErに整合して形成されている。これらのソース・ドレイン領域SDは、LDD構造を有し、n型の低濃度半導体領域NM、および、n型の高濃度半導体領域NRからなる。また、n型の高濃度半導体領域NRの上面には、例えばニッケルシリサイドなどの金属シリサイド層からなるシリサイド層SILが形成されている。すなわち、n型の高濃度半導体領域NRの上層部には、シリサイド層SILが形成されている。
【0065】
すなわち、増幅トランジスタAMIは、ゲート電極GEaと、ソース・ドレイン領域SDと、膜部FPaと、ソース・ドレイン領域SDの上面に形成されたシリサイド層SILとを有する。また、選択トランジスタSELは、ゲート電極GEsと、ソース・ドレイン領域SDと、膜部FPsと、ソース・ドレイン領域SDの上面に形成されたシリサイド層SILとを有する。さらに、リセットトランジスタRSTは、ゲート電極GErと、ソース・ドレイン領域SDと、膜部FPrと、ソース・ドレイン領域SDの上面に形成されたシリサイド層SILとを有する。
【0066】
一方、活性領域AcHのうちp型ウェルPW3上には、ゲート絶縁膜GOX2を介してゲート電極GEHが形成されている。ゲート電極GEHは、トランジスタLTHのゲート電極である。ゲート電極GEHの両側の側面には、絶縁膜からなるサイドウォールSWが形成されている。
【0067】
また、活性領域AcLのうちp型ウェルPW3上には、ゲート絶縁膜GOX3を介してゲート電極GELが形成されている。ゲート電極GELは、トランジスタLTLのゲート電極である。ゲート電極GELの両側の側面には、絶縁膜からなるサイドウォールSWが形成されている。
【0068】
ゲート絶縁膜GOX2の膜厚TH2(後述する
図9参照)は、ゲート絶縁膜GOX3の膜厚TH3(後述する
図9参照)よりも大きい。これにより、トランジスタLTHの駆動電圧を、トランジスタLTLの駆動電圧よりも大きくすることができる。なお、ゲート絶縁膜GOX1の膜厚TH1(後述する
図9参照)は、例えばゲート絶縁膜GOX2の膜厚TH2(後述する
図9参照)と等しくすることができる。
【0069】
さらに、両側の側面にサイドウォールSWが形成されたゲート電極GEHのさらに両側のp型ウェルPW3には、ソース・ドレイン領域SDがゲート電極GEHに整合して形成されている。また、両側の側面にサイドウォールSWが形成されたゲート電極GELのさらに両側のp型ウェルPW3には、ソース・ドレイン領域SDがゲート電極GELに整合して形成されている。これらのソース・ドレイン領域SDは、LDD構造を有し、n型の低濃度半導体領域NM、および、n型の高濃度半導体領域NRからなる。
【0070】
また、ゲート電極GEHの上面、ゲート電極GELの上面、および、n型の高濃度半導体領域NRの上面には、例えばニッケルシリサイドなどの金属シリサイド層からなるシリサイド層SILが形成されている。言い換えれば、ゲート電極GEHの上層部、ゲート電極GELの上層部、および、n型の高濃度半導体領域NRの上層部には、シリサイド層SILが形成されている。
【0071】
すなわち、トランジスタLTHは、ゲート電極GEHと、ソース・ドレイン領域SDと、ゲート電極GEHの上面に形成されたシリサイド層SILと、ソース・ドレイン領域SDの上面に形成されたシリサイド層SILとを有する。また、トランジスタLTLは、ゲート電極GELと、ソース・ドレイン領域SDと、ゲート電極GELの上面に形成されたシリサイド層SILと、ソース・ドレイン領域SDの上面に形成されたシリサイド層SILとを有する。
【0072】
なお、フローティングディフュージョンFDであるn型の高濃度半導体領域NRの上面には、シリサイド層SILが形成されていてもよい。すなわち、フローティングディフュージョンFDであるn型の高濃度半導体領域NRの上層部には、シリサイド層SILが形成されていてもよい。あるいは、フローティングディフュージョンFDであるn型の高濃度半導体領域NRの表面には、シリサイド層が形成されていなくてもよい。
【0073】
また、転送トランジスタTXのゲート電極GEtの上面には、シリサイド層が形成されていない。しかし、ゲート電極GEtのうち、p型ウェルPW1およびPW2の上に位置する部分と、プラグに接続される部分との距離が短い場合には、ゲート電極GEtのうち、p型ウェルPW1およびPW2の上に位置する部分と、プラグと接続される部分との間の抵抗は小さい。したがって、転送トランジスタTXのゲート電極GEtの上面に、シリサイド層が形成されていなくても、ゲート電極GEtとプラグとを低抵抗で接続することができる。
【0074】
画素領域1Aでは、転送トランジスタTXおよびフォトダイオードPDを含めて活性領域AcTPを覆うように、層間絶縁膜IL1が形成されている。このとき、層間絶縁膜IL1は、膜部FPt上に形成されている。そして、層間絶縁膜IL1には、層間絶縁膜IL1を貫通して、フローティングディフュージョンFDであるn型の高濃度半導体領域NRに達するプラグPGtが形成されている。
【0075】
また、画素領域1Aでは、増幅トランジスタAMIおよび選択トランジスタSELを含めて活性領域AcASを覆うように、層間絶縁膜IL1が形成されている。このとき、層間絶縁膜IL1は、膜部FPa上、および、膜部FPs上に、形成されている。そして、層間絶縁膜IL1には、層間絶縁膜IL1を貫通して、ゲート電極GEaを挟んでゲート電極GEsと反対側のn型の高濃度半導体領域NRに達するプラグPGaが形成されている。また、層間絶縁膜IL1には、層間絶縁膜IL1を貫通して、ゲート電極GEsを挟んでゲート電極GEaと反対側のn型の高濃度半導体領域NRに達するプラグPGsが形成されている。
【0076】
さらに、画素領域1Aでは、リセットトランジスタRSTを含めて活性領域AcRを覆うように、層間絶縁膜IL1が形成されている。このとき、層間絶縁膜IL1は、膜部FPr上に形成されている。そして、層間絶縁膜IL1には、層間絶縁膜IL1を貫通して、ゲート電極GErの両側のn型の高濃度半導体領域NRに達するプラグPGrが形成されている。なお、
図3では、ゲート電極GErの一方の側(
図3中右側)のn型の高濃度半導体領域NRに達するプラグPGrのみを図示している。
【0077】
また、周辺回路領域2Aでは、トランジスタLTHを含めて活性領域AcHを覆うように、層間絶縁膜IL1が形成されている。このとき、ゲート電極GEHの上面に形成されたシリサイド層SILと、層間絶縁膜IL1との間には、膜部FPtを構成するハードマスク膜HM1(後述する
図13参照)と同層に形成された絶縁膜からなる膜部は、形成されていない。そして、層間絶縁膜IL1には、層間絶縁膜IL1を貫通して、ゲート電極GEHの両側のn型の高濃度半導体領域NRに達するプラグPGHが形成されている。なお、
図3では、ゲート電極GEHの一方の側(
図3中右側)のn型の高濃度半導体領域NRに達するプラグPGHのみを図示している。
【0078】
また、周辺回路領域2Aでは、トランジスタLTLを含めて活性領域AcLを覆うように、層間絶縁膜IL1が形成されている。このとき、ゲート電極GELの上面に形成されたシリサイド層SILと、層間絶縁膜IL1との間には、膜部FPtを構成するハードマスク膜HM1(後述する
図13参照)と同層に形成された絶縁膜からなる膜部は、形成されていない。そして、層間絶縁膜IL1には、層間絶縁膜IL1を貫通して、ゲート電極GELの両側のn型の高濃度半導体領域NRに達するプラグPGLが形成されている。なお、
図3では、ゲート電極GELの一方の側(
図3中右側)のn型の高濃度半導体領域NRに達するプラグPGLのみを図示している。
【0079】
層間絶縁膜IL1は、例えば、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)を原料とした酸化シリコン(SiO
2)膜から形成されている。また、
図4に示すように、層間絶縁膜IL1には、コンタクトホールCHt、CHa、CHs、CHr、CHHおよびCHLが形成されている。これらのコンタクトホールCHt、CHa、CHs、CHr、CHHおよびCHLの各々には、例えば、チタン膜およびチタン膜上に形成された窒化チタン膜からなるバリア導体膜と、バリア導体膜上に形成されたタングステン膜からなる主導体膜とが、埋め込まれている。これにより、プラグPGt、PGa、PGs、PGr、PGHおよびPGLの各々が形成されている。
【0080】
画素領域1Aおよび周辺回路領域2Aで、プラグPGt、PGa、PGs、PGr、PGHおよびPGLが形成された層間絶縁膜IL1上には、
図3に示すように、例えば層間絶縁膜IL2が形成されており、この層間絶縁膜IL2内に配線M1が形成されている。上記プラグPGt、PGa、PGs、PGr、PGHおよびPGLは、配線M1と接続されている。
【0081】
層間絶縁膜IL2は、例えば窒化シリコン(SiN)膜と酸化シリコン(SiO
2)膜との積層膜から形成されるが、これに限定されるものではなく、例えば酸化シリコン膜よりも誘電率の低い低誘電率膜から形成することもできる。低誘電率膜としては、例えば、炭素含有酸化シリコン(SiOC)膜を挙げることができる。また、配線M1は、例えば、銅配線から形成されており、例えばダマシン法により形成することができる。なお、配線M1は、銅配線に限定されるものではなく、アルミニウム配線から形成することもできる。
【0082】
配線M1が形成された層間絶縁膜IL2上には、例えば、酸化シリコン膜や低誘電率膜からなる層間絶縁膜IL3が形成されており、この層間絶縁膜IL3内に配線M2が形成されている。また、配線M2が形成された層間絶縁膜IL3上には、層間絶縁膜IL4が形成されており、この層間絶縁膜IL4内に配線M3が形成されている。配線M1〜M3は、配線層を形成している。上記プラグPGt、PGa、PGs、PGr、PGHおよびPGLは、配線M1〜M3からなる配線層により接続される。これにより、
図1および
図2に示す回路を形成することができる。
【0083】
なお、配線M1〜M3は、フォトダイオードと平面的に重ならないように形成されている。これは、フォトダイオードに入射する光が配線M1〜M3によって遮られないようにするためである。
【0084】
さらに、画素領域1Aでは、配線M3が形成された層間絶縁膜IL4上には、マイクロレンズMLが搭載されている。なお、
図3に示すように、マイクロレンズMLと層間絶縁膜IL4との間に、半導体基板1S側から順に、パッシベーション膜PFおよびカラーフィルタCLが形成されていてもよい。このとき、
図3に示すように、周辺回路領域2Aでも、層間絶縁膜IL4上に、パッシベーション膜PFが設けられていてもよい。
【0085】
図3において、光が画素PU(
図1参照)に照射されると、まず、入射光は、マイクロレンズMLを通過する。その後、可視光に対して透明な層間絶縁膜IL4〜IL1を通過した後、反射防止膜ARFに入射する。反射防止膜ARFでは、入射光の反射が抑制されて充分な光量の入射光がフォトダイオードPDに入射する。フォトダイオードPDでは、入射光のエネルギーがシリコンのバンドギャップよりも大きいため、光電変換により入射光が吸収されて正孔電子対が生成される。このとき生成された電子は、n型ウェルNWに蓄積される。
【0086】
そして、適切なタイミングで、転送トランジスタTXをオンする。具体的には、転送トランジスタTXのゲート電極GEtに、しきい値電圧以上の電圧を印加する。すると、p型ウェルPW1およびPW2のうち、ゲート絶縁膜GOX1下の部分に、チャネル領域が形成され、転送トランジスタTXのソース領域であるn型ウェルNWと、転送トランジスタTXのドレイン領域であるn型の高濃度半導体領域NRとが、電気的に導通することになる。この結果、n型ウェルNWに蓄積された電子は、チャネル領域を通ってドレイン領域に達し、ドレイン領域から配線層を通って外部に取り出される。
【0087】
<半導体装置の製造方法>
次いで、本実施の形態1の半導体装置の製造方法について説明する。
図5および
図6は、実施の形態1の半導体装置の製造工程の一部を示す製造プロセスフロー図である。
図7〜
図22は、実施の形態1の半導体装置の製造工程を示す断面図である。なお、
図7〜
図22では、画素領域1Aにおける製造工程と、周辺回路領域2Aにおける製造工程とを、合わせて図示している。
【0088】
まず、
図7に示すように、半導体基板1Sを準備する(
図5のステップS11)。このステップS11では、まず、半導体基板1Sとして、例えばリン(P)または砒素(As)などのn型不純物を含有したn型の単結晶シリコン基板を準備する。
【0089】
次いで、半導体基板1Sに素子分離領域LCSを形成する。素子分離領域LCSは、熱酸化膜からなる。例えば、半導体基板1Sのうち、活性領域AcTP、AcAS、AcR、AcHおよびAcL等の活性領域となる領域を窒化シリコン(SiN)膜で覆い、熱酸化することにより、酸化シリコン(SiO
2)膜等の絶縁部材からなる素子分離領域LCSを形成する。このような素子分離方法をLOCOS(Local oxidation of silicon)法という。この素子分離領域LCSにより活性領域AcTP、AcAS、AcR、AcHおよびAcL等の活性領域が区画、すなわち形成される。活性領域AcTP、AcASおよびAcRは、画素領域1Aに形成され、活性領域AcHおよびAcLは、周辺回路領域2Aに形成される。
【0090】
なお、LOCOS法に代えてSTI(Shallow Trench Isolation)法を用いて素子分離領域を形成してもよい。この場合、素子分離領域は、半導体基板1S中の溝内に埋め込まれた絶縁部材からなる。例えば、上記窒化シリコン膜をマスクとして半導体基板1Sをエッチングすることにより、分離溝を形成する。次いで、この分離溝の内部に酸化シリコン膜などの絶縁膜を埋め込むことにより、素子分離領域を形成する。
【0091】
次いで、
図8に示すように、p型ウェルPW1、PW2およびPW3を形成する(
図5のステップS12)。このステップS12では、画素領域1Aで、活性領域AcTPのうち一部分(
図8中左側の部分)に、p型ウェルPW1を形成する。また、ステップS12では、画素領域1Aで、活性領域AcTPのうち他の部分(
図8中右側の部分)、ならびに、活性領域AcASおよびAcRに、p型ウェルPW2を形成する。さらに、ステップS12では、周辺回路領域2Aで、活性領域AcHおよびAcLに、p型ウェルPW3を形成する。
【0092】
このステップS12では、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、活性領域AcTP、AcASおよびAcR、ならびに、活性領域AcHおよびAcLで、半導体基板1S内に、例えばホウ素(B)などのp型不純物を導入する。これにより、画素領域1Aおよび周辺回路領域2Aで、p型ウェルPW1、PW2およびPW3を形成する。p型ウェルPW1、PW2およびPW3の導電型はp型であり、半導体基板1Sの導電型であるn型の反対の導電型である。
【0093】
p型ウェルPW1、PW2およびPW3の各々におけるp型の不純物濃度は、特に限定されず、任意の値とすることができる。また、活性領域AcHのうちp型ウェルPW3におけるp型の不純物濃度と、活性領域AcLのうちp型ウェルPW3におけるp型の不純物濃度とを、異ならせることもできる。
【0094】
次いで、
図9に示すように、ゲート絶縁膜GOX1、GOX2およびGOX3、ならびに、導電膜CF1を形成する(
図5のステップS13)。このステップS13では、まず、半導体基板1Sを熱酸化することにより、画素領域1Aで、p型ウェルPW1およびPW2の各々の上面に、酸化シリコン(SiO
2)膜からなり、膜厚TH1を有するゲート絶縁膜GOX1を形成する。また、半導体基板1Sを熱酸化することにより、周辺回路領域2Aで、活性領域AcHのうちp型ウェルPW3の上面に、酸化シリコン膜からなり、膜厚TH2を有するゲート絶縁膜GOX2を形成する。さらに、半導体基板1Sを熱酸化することにより、周辺回路領域2Aで、活性領域AcLのうちp型ウェルPW3の上面に、酸化シリコン膜からなり、膜厚TH3を有するゲート絶縁膜GOX3を形成する。
【0095】
ゲート絶縁膜GOX2の膜厚TH2は、ゲート絶縁膜GOX3の膜厚TH3よりも大きい。これにより、トランジスタLTH(後述する
図19参照)の駆動電圧を、トランジスタLTL(後述する
図19参照)の駆動電圧よりも大きくすることができる。
【0096】
なお、ゲート絶縁膜GOX1の膜厚TH1は、例えばゲート絶縁膜GOX2の膜厚TH2と等しくすることができる。
【0097】
ゲート絶縁膜GOX1、GOX2およびGOX3として、窒化シリコン(SiN)膜や酸窒化シリコン(SiON)膜などを用いてもよい。また、酸化ハフニウム(HfO
2)膜に酸化ランタン(La
2O
3)を導入したハフニウム系絶縁膜などのいわゆる高誘電体膜、すなわち窒化シリコン膜よりも誘電率の高い膜を用いてもよい。これらの膜を、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて形成することができる。
【0098】
次いで、
図9に示すように、ゲート絶縁膜GOX1、GOX2およびGOX3上に、導電膜CF1として、例えば多結晶シリコン膜を、CVD法などを用いて形成する。
【0099】
次いで、
図10に示すように、厚いハードマスク膜HM1を形成する(
図5のステップS14)。このステップS14では、画素領域1Aおよび周辺回路領域2Aで、導電膜CF1上に、絶縁膜としてのハードマスク膜HM1を、例えばCVD法により形成する。ハードマスク膜HM1の膜厚TH5は、ハードマスク膜HM2の膜厚TH6(後述する
図12参照)よりも大きい。
【0100】
好適には、ハードマスク膜HM1として、酸化シリコン(SiO
2)膜、窒化シリコン(SiN)膜および酸窒化シリコン(SiON)膜のうち、1種からなる単層膜、または、2種以上からなる積層膜である、絶縁膜を形成することができる。不純物イオンを注入する際のマスクとして、ハードマスク膜HM1からなる膜部FPt(後述する
図15参照)を用いる本実施の形態1では、例えば膜部FPtに代えてレジスト膜を用いる場合に比べ、膜部FPtが変質または変性することを、防止または抑制することができる。
【0101】
さらに好適には、ハードマスク膜HM1として、酸化シリコン膜を形成することができる。これにより、ハードマスク膜HM1が厚い場合でも、ハードマスク膜HM1を容易にパターニングすることができる。
【0102】
次いで、
図11に示すように、厚いハードマスク膜HM1をパターニングする(
図5のステップS15)。このステップS15では、画素領域1Aで、厚いハードマスク膜HM1をパターニングすることで、厚いハードマスク膜HM1からなる膜部FPt1、FPa1、FPs1およびFPr1を形成し、周辺回路領域2Aで、厚いハードマスク膜HM1を除去する。
【0103】
具体的には、厚いハードマスク膜HM1上にフォトレジスト膜(図示は省略)を形成し、フォトリソグラフィ技術を用いて露光および現像処理する。このフォトレジスト膜を、レジスト膜とも称する。これにより、周辺回路領域2Aでは、フォトレジスト膜を残存させないが、画素領域1Aで、膜部FPt1、FPa1、FPs1およびFPr1を形成する領域に、フォトレジスト膜を残存させる。
【0104】
次いで、このフォトレジスト膜をマスクとして、厚いハードマスク膜HM1をエッチングする。これにより、画素領域1Aにおいて、活性領域AcTPの上方で、導電膜CF1上に厚いハードマスク膜HM1を残して膜部FPt1を形成する。また、画素領域1Aにおいて、活性領域AcASの上方で、導電膜CF1上に厚いハードマスク膜HM1を残して膜部FPa1およびFPs1を形成する。さらに、画素領域1Aにおいて、活性領域AcRの上方で、導電膜CF1上に厚いハードマスク膜HM1を残して膜部FPr1を形成する。次いで、フォトレジスト膜をアッシングなどにより除去する。このようなフォトレジスト膜の形成から除去までの工程をパターニングという。
【0105】
また、膜部FPt1は、活性領域AcTPのうち、p型ウェルPW1上から、p型ウェルPW2上にかけて、連続的に形成される。
【0106】
次いで、
図12に示すように、薄いハードマスク膜HM2を形成する(
図5のステップS16)。このステップS16では、画素領域1Aおよび周辺回路領域2Aで、膜部FPt1上、膜部FPa1上、膜部FPs1上および膜部FPr1上を含めて導電膜CF1上に、絶縁膜としてのハードマスク膜HM2を、例えばCVD法により形成する。ハードマスク膜HM2の膜厚TH6は、ハードマスク膜HM1の膜厚TH5よりも小さい。
【0107】
ハードマスク膜HM2として、酸化シリコン(SiO
2)膜、窒化シリコン(SiN)膜および酸窒化シリコン(SiON)膜のうち、1種からなる単層膜、または、2種以上からなる積層膜である、絶縁膜を形成することができる。
【0108】
また、ハードマスク膜HM1の膜厚TH5は、例えば200〜300nm程度であり、ハードマスク膜HM2の膜厚TH6は、例えば20nm程度である。
【0109】
次いで、
図13に示すように、薄いハードマスク膜HM2をパターニングする(
図5のステップS17)。このステップS17では、周辺回路領域2Aにおいて、薄いハードマスク膜HM2をパターニングすることで、薄いハードマスク膜HM2からなる膜部FPHおよびFPLを形成する。
【0110】
具体的には、薄いハードマスク膜HM2上にフォトレジスト膜(図示は省略)を形成し、フォトリソグラフィ技術を用いて露光および現像処理する。これにより、画素領域1Aでは、フォトレジスト膜を残存させないが、周辺回路領域2Aで、膜部FPHおよびFPLを形成する領域に、フォトレジスト膜を残存させる。次いで、このフォトレジスト膜をマスクとして、薄いハードマスク膜HM2をエッチングする。これにより、周辺回路領域2Aで、導電膜CF1上に薄いハードマスク膜HM2を残して膜部FPHおよびFPLを形成する。
【0111】
このとき、画素領域1Aでは、薄いハードマスク膜HM2をエッチバックする。これにより、活性領域AcTPの上方で、膜部FPt1の側面に薄いハードマスク膜HM2を残してサイドウォールSWtを形成し、導電膜CF1上に、膜部FPt1とサイドウォールSWtとからなる膜部FPtを形成する。
【0112】
また、活性領域AcASの上方で、膜部FPa1の側面に薄いハードマスク膜HM2を残してサイドウォールSWaを形成し、導電膜CF1上に、膜部FPa1とサイドウォールSWaとからなる膜部FPaを形成する。また、活性領域AcASの上方で、膜部FPs1の側面に薄いハードマスク膜HM2を残してサイドウォールSWsを形成し、導電膜CF1上に、膜部FPs1とサイドウォールSWsとからなる膜部FPsを形成する。さらに、活性領域AcRの上方で、膜部FPr1の側面に薄いハードマスク膜HM2を残してサイドウォールSWrを形成し、導電膜CF1上に、膜部FPr1とサイドウォールSWrとからなる膜部FPrを形成する。
【0113】
なお、画素領域1Aにおいて、膜部FPt1、FPa1、FPs1およびFPr1の各々の側面に薄いハードマスク膜HM2を残さなくてもよい。そして、画素領域1Aにおいて、膜部FPt1のみからなる膜部FPt、膜部FPa1のみからなる膜部FPa、膜部FPs1のみからなる膜部FPs、および、膜部FPr1のみからなる膜部FPrを形成してもよい。
【0114】
また、膜部FPtは、p型ウェルPW1上から、p型ウェルPW2上にかけて、連続的に形成される。
【0115】
次いで、
図14に示すように、ゲート電極GEt、GEa、GEs、GEr、GEHおよびGELを形成する(
図5のステップS18)。このステップS18では、画素領域1Aで、ゲート電極GEt、GEa、GEsおよびGErを形成し、周辺回路領域2Aで、ゲート電極GEHおよびGELを形成する。
【0116】
具体的には、膜部FPt、FPa、FPsおよびFPr、ならびに、膜部FPHおよびFPLをマスクとして、導電膜CF1、ならびに、ゲート絶縁膜GOX1、GOX2およびGOX3をエッチングする。
【0117】
このとき、画素領域1Aでは、膜部FPt、FPa、FPsおよびFPrのいずれにも覆われていない部分の導電膜CF1およびゲート絶縁膜GOX1を除去する。これにより、膜部FPtに覆われた部分の導電膜CF1およびゲート絶縁膜GOX1を残し、活性領域AcTP上に、ゲート絶縁膜GOX1を介して、導電膜CF1からなるゲート電極GEtを形成する。
【0118】
また、膜部FPaに覆われた部分の導電膜CF1およびゲート絶縁膜GOX1を残し、活性領域AcAS上に、ゲート絶縁膜GOX1を介して、導電膜CF1からなるゲート電極GEaを形成する。そして、膜部FPsに覆われた部分の導電膜CF1およびゲート絶縁膜GOX1を残し、活性領域AcAS上に、ゲート絶縁膜GOX1を介して、導電膜CF1からなるゲート電極GEsを形成する。さらに、膜部FPrに覆われた部分の導電膜CF1およびゲート絶縁膜GOX1を残し、活性領域AcR上に、ゲート絶縁膜GOX1を介して、導電膜CF1からなるゲート電極GErを形成する。
【0119】
一方、周辺回路領域2Aでは、膜部FPHおよびFPLのいずれにも覆われていない部分の導電膜CF1、ならびに、ゲート絶縁膜GOX2およびGOX3を除去する。これにより、膜部FPHに覆われた部分の導電膜CF1およびゲート絶縁膜GOX2を残し、活性領域AcH上に、ゲート絶縁膜GOX2を介して、導電膜CF1からなるゲート電極GEHを形成する。また、膜部FPLに覆われた部分の導電膜CF1およびゲート絶縁膜GOX3を残し、活性領域AcL上に、ゲート絶縁膜GOX3を介して、導電膜CF1からなるゲート電極GELを形成する。
【0120】
なお、ゲート電極GEtは、p型ウェルPW1上から、p型ウェルPW2上にかけて、連続的に形成される。
【0121】
次いで、
図15に示すように、n型ウェルNWを形成する(
図5のステップS19)。このステップS19では、画素領域1Aで、活性領域AcTPのうち、ゲート電極GEtの一方の側(
図15中の左側)に位置するp型ウェルPW1の内部に、イオン注入法によりn型ウェルNWを形成する。
【0122】
例えば、画素領域1Aおよび周辺回路領域2Aで、半導体基板1S上にフォトレジスト膜R1を形成し、フォトリソグラフィ技術を用いて露光および現像処理を行う。これにより、画素領域1Aにおいて、フォトレジスト膜R1を貫通し、活性領域AcTPのうち、ゲート電極GEtの一方の側(
図15中の左側)に位置する部分、すなわちp型ウェルPW1に達する開口部OP1を形成する。そして、画素領域1Aにおいて、活性領域AcTPのうち、n型ウェルNWが形成される部分であるp型ウェルPW1は、開口部OP1の底部に露出する。
【0123】
一方、画素領域1Aにおいて、活性領域AcTPのうち、n型ウェルNWが形成されない部分であるp型ウェルPW2、ならびに、活性領域AcASおよびAcRのうちp型ウェルPW2は、n型の不純物イオンが注入されないように、フォトレジスト膜R1により覆われている。また、周辺回路領域2Aにおいて、活性領域AcHおよびAcLのうちp型ウェルPW3は、n型の不純物イオンが注入されないように、フォトレジスト膜R1により覆われている。
【0124】
このように、開口部OP1が形成されたフォトレジスト膜R1をマスクとして、n型の不純物イオンIM1を注入する。これにより、
図15に示すように、p型ウェルPW1の上層部にn型の不純物イオンIM1が注入されてn型ウェルNWが形成される。すなわち、p型ウェルPW1の内部にn型ウェルNWが形成される。このp型ウェルPW1とn型ウェルNWとの間のpn接合によって、フォトダイオードPDが形成される。
【0125】
好適には、n型の不純物イオンIM1が照射される方向は、ゲート電極GEtのフォトダイオードPD側の側面にn型の不純物イオンIM1が照射されるように、半導体基板1Sの主面の法線方向に対して角度θ1だけ傾斜している。角度θ1は、例えば30°程度である。なお、上記のn型の不純物イオンIM1の注入は、垂直方向によるイオン注入と、角度θ1による斜めイオン注入の2回で行ってもよい。垂直方向によるイオン注入の角度は0°から7°の範囲が好ましい。
【0126】
半導体基板1Sの主面の法線方向に平行な方向に不純物イオンIM1を注入する場合には、不純物イオンIM1を注入する深さが極めて大きい値であるときを除き、n型ウェルNWを、平面視において、ゲート電極GEtと重なるように形成することは、困難である。
【0127】
一方、ゲート電極GEtのフォトダイオードPD側の側面にn型の不純物イオンIM1が照射されるように、半導体基板1Sの主面の法線方向に傾斜した方向に不純物イオンIM1を注入する場合を考える。この場合、不純物イオンIM1を注入する深さが極めて大きな値でなくても、n型ウェルNWを、平面視において、ゲート電極GEtと重なるように形成することができる。このようにn型ウェルNWの一部とゲート電極GEtとが、平面視において重なることにより、n型ウェルNWを転送トランジスタTX(後述する
図19参照)のソース領域としても機能させることができる。
【0128】
本実施の形態1では、フォトダイオードPDを形成するために例えばn型の不純物イオンを注入する際に、膜部FPtに覆われたゲート電極GEtに自己整合させて注入する。これにより、不純物イオンが、ゲート電極GEtを突き抜けて、ゲート電極GEt下のゲート絶縁膜GOX1およびp型ウェルPW1に、注入されにくくなる。そのため、p型ウェルPW1の上面から深い位置までn型の不純物イオンを注入することができ、p型ウェルPW1の上面から深い位置にn型ウェルNWを形成することができる。その結果、フォトダイオードPDにおける飽和電子数が低減することを防止または抑制することができ、光を照射していない状態での白点の発生、すなわち画素欠陥の発生の頻度を低減することができる。
【0129】
半導体基板1Sの上面からn型ウェルNWの下面までの距離TH7は、ゲート電極GEtの膜厚TH4よりも大きくてもよい。このような場合でも、本実施の形態1によれば、n型ウェルNWを形成するために例えばn型の不純物イオンを注入する際に、ゲート電極GEtを突き抜けて、ゲート電極GEt下のゲート絶縁膜GOX1およびp型ウェルPW1に、不純物イオンが注入されることを、防止または抑制することができる。なお、ゲート電極GEtの膜厚TH4は、例えば200nm程度である。
【0130】
好適には、開口部OP1は、露光の際の位置合わせ精度を考慮した上で、平面視において、ゲート電極GEtと隣接する部分のp型ウェルPW1が開口部OP1の底部に確実に露出するように、形成される。すなわち開口部OP1は、フォトレジスト膜R1を貫通して、膜部FPtのうち一方の側(
図15中の左側)の端部に達するように、形成される。これにより、平面視において、ゲート電極GEtと隣接する部分のp型ウェルPW1の上層部に、確実にn型の不純物イオンを注入してn型ウェルNWを形成することができる。
【0131】
次いで、
図16に示すように、p
+型半導体領域PRを形成する(
図5のステップS20)。このステップS20では、n型ウェルNWの上層部に、p
+型半導体領域PRを形成する。
【0132】
例えば、画素領域1Aおよび周辺回路領域2Aで、半導体基板1S上にフォトレジスト膜R2を形成し、フォトリソグラフィ技術を用いて露光および現像処理を行う。これにより、画素領域1Aにおいて、フォトレジスト膜R2を貫通し、活性領域AcTPのうちn型ウェルNWに達する開口部OP2を形成する。そして、画素領域1Aにおいて、活性領域AcTPのうち、p
+型半導体領域PRが形成される部分であるn型ウェルNWは、開口部OP2の底部に露出する。
【0133】
一方、画素領域1Aにおいて、活性領域AcTPのうち、p
+型半導体領域PRが形成されない部分であるp型ウェルPW2、ならびに、活性領域AcASおよびAcRのうちp型ウェルPW2は、p型の不純物イオンが注入されないように、フォトレジスト膜R2により覆われている。また、周辺回路領域2Aにおいて、活性領域AcHおよびAcLのうちp型ウェルPW3は、p型の不純物イオンが注入されないように、フォトレジスト膜R2により覆われている。
【0134】
このように、開口部OP2が形成されたフォトレジスト膜R2をマスクとして、p型の不純物イオンIM2を注入する。これにより、
図16に示すように、n型ウェルNWの上層部にp型の不純物イオンIM2が注入されてp
+型半導体領域PRが形成される。
【0135】
好適には、p型の不純物イオンIM2が照射される方向は、ゲート電極GEtのフォトダイオードPD側の側面にn型の不純物イオンが照射されないように、半導体基板1Sの上面の法線方向に対して角度θ2だけ傾斜している。角度θ2は、例えば10〜30°程度である。
【0136】
これにより、n型ウェルNWの上層部のうち、ゲート電極GEtと離れた部分に、p型の不純物イオンが注入される。したがって、p
+型半導体領域PRは、n型ウェルNWの上層部のうち、ゲート電極GEtと離れた部分に、形成される。
【0137】
なお、フォトレジスト膜R2として、フォトレジスト膜R1(
図15参照)をそのまま用いてもよい。
【0138】
次いで、
図17に示すように、n型の低濃度半導体領域NMを形成する(
図6のステップS21)。このステップS21では、画素領域1Aにおいて、活性領域AcASのうち、ゲート電極GEaの両側のp型ウェルPW2、および、ゲート電極GEsの両側のp型ウェルPW2に、n型の低濃度半導体領域NMを形成する。また、画素領域1Aにおいて、活性領域AcRのうち、ゲート電極GErの両側のp型ウェルPW2に、n型の低濃度半導体領域NMを形成する。さらに、周辺回路領域2Aにおいて、活性領域AcHのうち、ゲート電極GEHの両側のp型ウェルPW3に、n型の低濃度半導体領域NMを形成し、活性領域AcLのうち、ゲート電極GELの両側のp型ウェルPW3に、n型の低濃度半導体領域NMを形成する。
【0139】
例えば、画素領域1Aおよび周辺回路領域2Aで、半導体基板1S上にフォトレジスト膜R3を形成し、フォトリソグラフィ技術を用いて露光および現像処理を行う。これにより、画素領域1Aにおいて、活性領域AcASおよびAcRで、ゲート電極GEa、GEsおよびGEr、ならびに、p型ウェルPW2が露出するように、フォトレジスト膜R3をパターニングする。また、周辺回路領域2Aにおいて、活性領域AcHおよびAcLで、ゲート電極GEHおよびGEL、ならびに、p型ウェルPW3が露出するように、フォトレジスト膜R3をパターニングする。一方、画素領域1Aにおいて、活性領域AcTPのうちn型ウェルNWおよびp
+型半導体領域PRは、n型の不純物イオンが注入されないように、フォトレジスト膜R3により覆われている。
【0140】
そして、フォトレジスト膜R3、および、ゲート電極GEa、GEs、GEr、GEHおよびGELをマスクとして、n型の不純物イオンを注入する。これにより、画素領域1Aにおいて、ゲート電極GEa、GEsおよびGErの各々の両側のp型ウェルPW2中に、n型の低濃度半導体領域NMが形成される。また、周辺回路領域2Aにおいて、ゲート電極GEHおよびGELの各々の両側のp型ウェルPW3中に、n型の低濃度半導体領域NMが形成される。
【0141】
このとき、転送トランジスタTX(後述する
図19参照)のドレイン領域が形成される部分のp型ウェルPW2が露出し、露出したp型ウェルPW2に、n型の低濃度半導体領域NMが形成されてもよい。
【0142】
また、ステップS21では、まず、活性領域AcAS、AcRおよびAcHで、ある条件でn型の不純物イオンを注入してn型の低濃度半導体領域NMを形成した後、活性領域AcLで、別の条件でn型の不純物イオンを注入してn型の低濃度半導体領域NMを形成してもよい。
【0143】
なお、周辺回路領域2Aにpチャネル型のMISFETが形成される場合には、周辺回路領域2Aにおいて、例えばホウ素(B)などのp型の不純物イオンを注入することで、p型の低濃度半導体領域を形成してもよい。
【0144】
次いで、
図18に示すように、キャップ絶縁膜CAPの形成およびパターニングを行う(
図6のステップS22)。
【0145】
まず、
図18に示すように、半導体基板1S上に、酸化シリコン(SiO
2)膜、窒化シリコン(SiN)膜、および、酸窒化シリコン(SiON)膜のうち、1種からなる単層膜、または、2種以上からなる積層膜である、絶縁膜CAP1を、例えばCVD法などを用いて形成する。
【0146】
次いで、
図18に示すように、絶縁膜CAP1をパターニングする。例えば、画素領域1Aおよび周辺回路領域2Aで、絶縁膜CAP1上にフォトレジスト膜R4を形成し、フォトリソグラフィ技術を用いて露光および現像処理を行う。これにより、画素領域1Aにおいて、膜部FPt上、n型ウェルNW上、および、p
+型半導体領域PR上の部分のフォトレジスト膜R4を残し、それ以外の部分のフォトレジスト膜R4を除去する。
【0147】
そして、膜部FPt、n型ウェルNWおよびp
+型半導体領域PRがフォトレジスト膜R4に覆われた状態で、画素領域1Aにおいて、活性領域AcASおよびAcRの各々の上の絶縁膜CAP1を、RIE(Reactive Ion Etching)法などにより異方性エッチングする。また、周辺回路領域2Aにおいて、活性領域AcHおよびAcLの各々の上の絶縁膜CAP1を、RIE法などにより異方性エッチングする。
【0148】
このとき、画素領域1Aにおいて、n型ウェルNW上、p
+型半導体領域PR上、および、膜部FPt上に、絶縁膜CAP1を残してキャップ絶縁膜CAPを形成する。なお、このキャップ絶縁膜CAPは、反射防止膜ARFとして機能する。
【0149】
一方、周辺回路領域2Aにおいて、絶縁膜CAP1がエッチバックされて膜部FPHおよびFPLが露出し、さらに、露出した膜部FPHおよびFPLが除去される。そして、ゲート電極GEHおよびGELの各々の側面に絶縁膜CAP1を残してサイドウォールSWを形成する。すなわち、サイドウォールSWは、絶縁膜CAP1からなる。
【0150】
一方、画素領域1Aにおいて、活性領域AcASおよびAcRの各々の上で、絶縁膜CAP1がエッチバックされて膜部FPa、FPsおよびFPrが露出する。ここで、膜部FPa、FPsおよびFPrの膜厚TH5(
図13参照)は、膜部FPHおよびFPLの膜厚TH6(
図13参照)よりも大きい。したがって、膜部FPHおよびFPLが除去されるまで膜部FPa、FPsおよびFPrをエッチバックした場合でも、膜部FPa、FPsおよびFPrを完全に除去せず残存させることができる。これにより、ゲート電極GEaの側面、および、残された膜部FPaの側面に、絶縁膜CAP1を残してサイドウォールSWを形成する。また、ゲート電極GEsの側面、および、残された膜部FPsの側面に、絶縁膜CAP1を残してサイドウォールSWを形成する。さらに、ゲート電極GErの側面、および、残された膜部FPrの側面に、絶縁膜CAP1を残してサイドウォールSWを形成する。
【0151】
なお、
図18に示すように、露光の際の位置合わせ精度を考慮した上で、平面視において、ゲート電極GEtと隣接する部分のp型ウェルPW2が確実に露出するように、膜部FPtのフォトダイオードPD側と反対側の端部上のフォトレジスト膜R4は、除去される。これにより、絶縁膜CAP1がエッチバックされて膜部FPtのフォトダイオードPD側と反対側の端部が露出する。そして、膜部FPHおよびFPLが除去されるまで、膜部FPtのフォトダイオードPD側と反対側の端部をエッチバックした場合でも、膜部FPtのフォトダイオードPD側と反対側の端部を完全に除去せず残存させることができる。これにより、ゲート電極GEtのフォトダイオードPD側と反対側の側面、および、残された膜部FPtのフォトダイオードPD側と反対側の側面に、絶縁膜CAP1を残してサイドウォールSWを形成する。
【0152】
このように、膜部FPtのフォトダイオードPD側と反対側の端部をエッチバックした場合、膜部FPtは段差部STPを有することがある。このとき、段差部STPよりもフォトダイオードPD側と反対側の部分の膜部FPtの膜厚は、段差部STPよりもフォトダイオードPD側の部分の膜部FPtの膜厚TH5(
図13参照)よりも小さい。
【0153】
次いで、
図19に示すように、n型の高濃度半導体領域NRを形成する(
図6のステップS23)。
【0154】
このステップS23では、画素領域1Aにおいて、活性領域AcTPで、反射防止膜ARFとしてのキャップ絶縁膜CAP、および、ゲート電極GEtをマスクとして、例えばリン(P)または砒素(As)などのn型の不純物イオンを注入する。これにより、画素領域1Aにおいて、活性領域AcTPのうち、ゲート電極GEtのフォトダイオードPD側と反対側(
図19中の右側)に位置する部分であるp型ウェルPW2に、n型の高濃度半導体領域NRを形成する。このn型の高濃度半導体領域NRは、転送トランジスタTXのドレイン領域でもあり、フローティングディフュージョンFDとなる半導体領域である。すなわち、ゲート電極GEtと、ドレイン領域であるn型の高濃度半導体領域NRと、膜部FPtとを含む転送トランジスタTXが形成される。
【0155】
また、ステップS23では、画素領域1Aにおいて、活性領域AcASで、ゲート電極GEaと、ゲート電極GEaの両側の側面に形成されたサイドウォールSWとをマスクとして、n型の不純物イオンを注入する。これにより、ゲート電極GEaと、ゲート電極GEaの両側の側面に形成されたサイドウォールSWとからなる合成体の両側のp型ウェルPW2に、n型の高濃度半導体領域NRを形成する。そして、ゲート電極GEaと、ソース・ドレイン領域SDであるn型の高濃度半導体領域NRと、膜部FPaとを含む増幅トランジスタAMIが形成される。
【0156】
また、画素領域1Aにおいて、活性領域AcASで、ゲート電極GEsと、ゲート電極GEsの両側の側面に形成されたサイドウォールSWとをマスクとして、n型の不純物イオンを注入する。これにより、ゲート電極GEsと、ゲート電極GEsの両側の側面に形成されたサイドウォールSWとからなる合成体の両側のp型ウェルPW2に、n型の高濃度半導体領域NRを形成する。そして、ゲート電極GEsと、ソース・ドレイン領域SDであるn型の高濃度半導体領域NRと、膜部FPsとを含む選択トランジスタSELが形成される。
【0157】
さらに、画素領域1Aにおいて、活性領域AcRで、ゲート電極GErと、ゲート電極GErの両側の側面に形成されたサイドウォールSWとをマスクとして、n型の不純物イオンを注入する。これにより、活性領域AcRで、ゲート電極GErと、ゲート電極GErの両側の側面に形成されたサイドウォールSWとからなる合成体の両側のp型ウェルPW2に、n型の高濃度半導体領域NRを形成する。そして、ゲート電極GErと、ソース・ドレイン領域SDであるn型の高濃度半導体領域NRと、膜部FPrとを含むリセットトランジスタRSTが形成される。
【0158】
一方、ステップS23では、周辺回路領域2Aにおいて、活性領域AcHで、ゲート電極GEHと、ゲート電極GEHの両側の側面に形成されたサイドウォールSWとをマスクとして、n型の不純物イオンを注入する。これにより、ゲート電極GEHと、ゲート電極GEHの両側の側面に形成されたサイドウォールSWとからなる合成体の両側のp型ウェルPW3に、n型の高濃度半導体領域NRを形成する。そして、ゲート電極GEHと、ソース・ドレイン領域SDであるn型の高濃度半導体領域NRとを含むトランジスタLTHが形成される。
【0159】
また、周辺回路領域2Aにおいて、活性領域AcLで、ゲート電極GELと、ゲート電極GELの両側の側面に形成されたサイドウォールSWとをマスクとして、n型の不純物イオンを注入する。これにより、ゲート電極GELと、ゲート電極GELの両側の側面に形成されたサイドウォールSWとからなる合成体の両側のp型ウェルPW3に、n型の高濃度半導体領域NRを形成する。そして、ゲート電極GELと、ソース・ドレイン領域SDであるn型の高濃度半導体領域NRとを含むトランジスタLTLが形成される。
【0160】
なお、周辺回路領域2Aにpチャネル型のMISFETが形成される場合には、周辺回路領域2Aにおいて、例えばホウ素(B)などのp型の不純物イオンを注入することで、pチャネル型のMISFETのソース・ドレイン領域となるp型の高濃度半導体領域を形成してもよい。
【0161】
その後、以上の工程で注入した不純物を活性化させるために、活性化アニールを行う。なお、各不純物の注入の順序は上記工程の順序に制限されるものではない。また、複数の同じ導電型の半導体領域については、一度の工程で同時に不純物を注入することが可能であり、各不純物の注入工程を調整することができる。なお、活性化アニールの後も、p
+型半導体領域PRは、n型ウェルNWの上層部のうち、ゲート電極GEtと離れた部分に形成されている。
【0162】
次いで、
図20に示すように、シリサイド層SILを形成する(
図6のステップS24)。このステップS24の工程では、シリサイド層を形成しない領域で、半導体基板1S上に、シリサイドブロッキング膜(図示は省略)を形成する。一方、例えばゲート電極GEHおよびGLH、ならびに、n型の高濃度半導体領域NRなど、シリサイド層SILを形成する領域では、半導体基板1S上に、シリサイドブロッキング膜(図示は省略)を形成しない。
【0163】
次いで、半導体基板1S上に、例えばニッケル(Ni)膜からなる金属膜(図示は省略)を、スパッタリング法などを用いて形成する。この金属膜として、ニッケル膜の他、チタン(Ti)膜、コバルト(Co)膜またはプラチナ(Pt)膜などの金属膜、および、これらの金属からなる合金膜を用いてもよい。
【0164】
次いで、半導体基板1Sに対して熱処理を施すことにより、金属膜(図示は省略)と、ゲート電極GEHおよびGLHを構成するシリコン、ならびに、n型の高濃度半導体領域NRを構成するシリコンとを反応させて、例えばニッケルシリサイド層からなるシリサイド層SILを形成する。その後、未反応の金属膜(図示は省略)を除去する。このようにして、画素領域1Aにおいて、活性領域AcTP、AcASおよびAcRでは、膜部FPt、FPa、FPsおよびFPrの各々の上面には、シリサイド層を形成しない。
【0165】
一方、画素領域1Aにおいて、活性領域AcTPでは、n型の高濃度半導体領域NRの上面に、シリサイド層SILを形成し、活性領域AcASおよびAcRでは、n型の高濃度半導体領域NRの上面に、シリサイド層SILを形成する。また、周辺回路領域2Aにおいて、活性領域AcHおよびAcLでは、n型の高濃度半導体領域NRの上面、ならびに、ゲート電極GEHおよびGELの各々の上面に、シリサイド層SILを形成する。このシリサイド層により、各領域とプラグとの接続抵抗を小さくすることができる。
【0166】
なお、このステップS24の工程で、画素領域1Aにおいて、転送トランジスタTXのドレイン領域であるn型の高濃度半導体領域NRの上面にシリサイド層SILを形成しなくてもよい。この場合、転送トランジスタTXのドレイン領域であるn型の高濃度半導体領域NRの上面にも、シリサイドブロッキング膜(図示は省略)を形成する。
【0167】
次いで、
図21に示すように、層間絶縁膜IL1を形成する(
図6のステップS25)。このステップS25では、画素領域1Aおよび周辺回路領域2Aで、半導体基板1S上に、層間絶縁膜IL1を形成する。すなわち、フォトダイオードPD、転送トランジスタTX、増幅トランジスタAMI、選択トランジスタSELおよびリセットトランジスタRST、ならびに、トランジスタLTHおよびLTLを覆うように、層間絶縁膜IL1を形成する。
【0168】
例えば、半導体基板1S上に、TEOSガスを原料ガスとしたCVD法により酸化シリコン膜を堆積する。この後、必要に応じて、層間絶縁膜IL1の上面をCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)法などを用いて平坦化する。
【0169】
次いで、
図22に示すように、コンタクトホールCHt、CHa、CHs、CHr、CHHおよびCHLを形成する(
図6のステップS26)。このステップS26では、層間絶縁膜IL1をパターニングすることにより、コンタクトホールCHt、CHa、CHs、CHr、CHHおよびCHLを形成する。
【0170】
転送トランジスタTXのn型の高濃度半導体領域NRの上方で、層間絶縁膜IL1を貫通してn型の高濃度半導体領域NRに達するコンタクトホールCHtを形成する。増幅トランジスタAMIのn型の高濃度半導体領域NRの上方で、層間絶縁膜IL1を貫通して、n型の高濃度半導体領域NRの上面に形成されたシリサイド層SILに達するコンタクトホールCHaを形成する。選択トランジスタSELのn型の高濃度半導体領域NRの上方で、層間絶縁膜IL1を貫通して、n型の高濃度半導体領域NRの上面に形成されたシリサイド層SILに達するコンタクトホールCHsを形成する。リセットトランジスタRSTのn型の高濃度半導体領域NRの上方で、層間絶縁膜IL1を貫通して、n型の高濃度半導体領域NRの上面に形成されたシリサイド層SILに達するコンタクトホールCHrを形成する。
【0171】
トランジスタLTHのn型の高濃度半導体領域NRの上方で、層間絶縁膜IL1を貫通して、n型の高濃度半導体領域NRの上面に形成されたシリサイド層SILに達するコンタクトホールCHHを形成する。トランジスタLTLのn型の高濃度半導体領域NRの上方で、層間絶縁膜IL1を貫通して、n型の高濃度半導体領域NRの上面に形成されたシリサイド層SILに達するコンタクトホールCHLを形成する。
【0172】
この際、ゲート電極GEt、GEa、GEs、GEr、GEHおよびGELの上方にも、コンタクトホール(図示は省略)が形成される。
【0173】
次いで、
図4に示したように、プラグPGt、PGa、PGs、PGr、PGHおよびPGLを形成する(
図6のステップS27)。このステップS27では、コンタクトホールCHt、CHa、CHs、CHr、CHHおよびCHLの各々の内部に導電膜を埋め込むことにより、プラグPGt、PGa、PGs、PGr、PGHおよびPGLのそれぞれを形成する。
【0174】
まず、コンタクトホールCHt、CHa、CHs、CHr、CHHおよびCHLの底面および内壁を含む層間絶縁膜IL1上に、バリア導体膜を形成する。バリア導体膜は、チタン膜およびチタン膜上に形成された窒化チタン膜からなり、例えばスパッタリング法を使用することにより形成することができる。このバリア導体膜は、例えば、後の工程で埋め込む主導体膜の材料であるタングステンがシリコン中へ拡散するのを防止する、いわゆる拡散バリア性を有する。
【0175】
そして、コンタクトホールCHt、CHa、CHs、CHr、CHHおよびCHLの各々を埋め込むように、バリア導体膜上に、タングステン膜からなる主導体膜を形成する。この主導体膜は、例えばCVD法を使用して形成することができる。そして、層間絶縁膜IL1上に形成された不要な主導体膜およびバリア導体膜を例えばCMP法で除去することにより、プラグPGt、PGa、PGs、PGr、PGHおよびPGLのそれぞれを形成することができる。
【0176】
次いで、
図3に示したように、層間絶縁膜IL1上に、層間絶縁膜IL2〜IL4および配線M1〜M3を形成する。例えば、層間絶縁膜IL1上に、層間絶縁膜IL2として窒化シリコン(SiN)膜と酸化シリコン(SiO
2)膜との積層膜をCVD法などで形成する。次いで、層間絶縁膜IL2を貫通して配線M1に達するコンタクトホールを形成する。次いで、そのコンタクトホールの内部を含む層間絶縁膜IL2上に、バリア膜としてタンタル(Ta)膜と、その上の窒化タンタル(TaN)膜との積層膜をスパッタリング法などで堆積する。次いで、バリア膜上にシード膜(図示は省略)として薄い銅(Cu)膜をスパッタリング法などで堆積し、電解メッキ法によりシード膜上に銅膜を堆積する。次いで、層間絶縁膜IL2上の不要なバリア膜、シード膜および銅膜をCMP法などにより除去する。このように、配線溝の内部にバリア膜、シード膜および銅膜を埋め込むことにより配線M1を形成することができる(シングルダマシン法)。
【0177】
以下、同様にして、
図3に示したように、配線M1を形成した層間絶縁膜IL2上に層間絶縁膜IL3を形成し、層間絶縁膜IL3中に配線M2を形成し、配線M2を形成した層間絶縁膜IL3上に層間絶縁膜IL4を形成し、層間絶縁膜IL4中に配線M3を形成する。
【0178】
なお、本実施の形態では、配線M1や配線M2をダマシン法による銅配線で形成した例を示しているが、これに限られず、アルミニウムを用いてパターニング法によって形成しても良い。
【0179】
次いで、
図3に示したように、最上層の層間絶縁膜IL4上であって、平面的に画素領域1Aを含む領域にマイクロレンズMLを形成する。すなわち、フォトダイオードPDを構成するn型ウェルNWと平面視において重なるように、オンチップレンズとしてのマイクロレンズMLを形成する。なお、
図3に示したように、マイクロレンズMLと層間絶縁膜IL4との間に、下から順に、パッシベーション膜PFおよびカラーフィルタCLを形成してもよい。
【0180】
以上の工程により、
図3に示したように、本実施の形態1の半導体装置を製造することができる。
【0181】
なお、本実施の形態1において、例えば半導体基板1S、p型ウェルPW1、PW2およびPW3、n型ウェルNW、p
+型半導体領域PR、n型の低濃度半導体領域NM、ならびに、n型の高濃度半導体領域NRのそれぞれの導電型を、一括して反対の導電型に変えてもよい(実施の形態2においても同様)。
【0182】
<フォトダイオードを形成するためのイオン注入について>
次いで、フォトダイオードを形成するためのイオン注入について、比較例1の半導体装置と比較しながら説明する。
【0183】
図23は、比較例1の半導体装置の構成を示す断面図である。
図24〜
図26は、比較例1の半導体装置の製造工程を示す断面図である。なお、
図23では、層間絶縁膜IL1よりも上方の部分の図示を省略している。
【0184】
図23に示すように、比較例1の半導体装置では、実施の形態1の半導体装置と異なり、転送トランジスタTX100のゲート電極GEtと層間絶縁膜IL1との間に、膜部FPt(
図3参照)が形成されていない。また、増幅トランジスタAMIのゲート電極GEaと層間絶縁膜IL1との間に、膜部FPa(
図3参照)が形成されておらず、選択トランジスタSELのゲート電極GEsと層間絶縁膜IL1との間に、膜部FPs(
図3参照)が形成されていない。さらに、リセットトランジスタRSTのゲート電極GErと層間絶縁膜IL1との間に、膜部FPr(
図3参照)が形成されていない。一方、ゲート電極GEa、GEsおよびGErの各々の上面には、シリサイド層SILが形成されている。
【0185】
比較例1の半導体装置の製造工程では、実施の形態1で
図7〜
図9を用いて説明したステップS11〜ステップS13の工程を行った後、
図10を用いて説明したステップS14を行わず、
図24に示すように、導電膜CF1上に、膜厚TH6を有し、薄いハードマスク膜HM2を形成する。
【0186】
次いで、
図25に示すように、薄いハードマスク膜HM2をパターニングして形成された膜部FPt100、FPa100、FPs100およびFPr100をマスクとして、導電膜CF1、ならびに、ゲート絶縁膜GOX1、GOX2およびGOX3をエッチングする。
【0187】
これにより、活性領域AcTP上に、ゲート絶縁膜GOX1を介して、導電膜CF1からなるゲート電極GEtを形成する。また、活性領域AcAS上に、ゲート絶縁膜GOX1を介して、導電膜CF1からなるゲート電極GEaを形成し、ゲート絶縁膜GOX1を介して、導電膜CF1からなるゲート電極GEsを形成する。さらに、活性領域AcR上に、ゲート絶縁膜GOX1を介して、導電膜CF1からなるゲート電極GErを形成する。
【0188】
一方、周辺回路領域2Aについては、実施の形態1で
図14を用いて説明したステップS18と同様である。
【0189】
次いで、
図26に示すように、n型ウェルNWを形成する。その後、実施の形態1で
図16〜
図22などを用いて説明したように、ステップS20以後の工程を行うことで、比較例1の半導体装置を形成する。
【0190】
比較例1では、
図26に示すn型ウェルNWを形成する工程において、画素領域1Aおよび周辺回路領域2Aで、半導体基板1S上にフォトレジスト膜R1を形成する。そして、画素領域1Aで、活性領域AcTPのうち、n型ウェルNWが形成される部分であるp型ウェルPW1が、開口部OP1の底部に露出するように、開口部OP1を形成する。そして、開口部OP1が形成されたフォトレジスト膜R1をマスクとして、n型の不純物イオンIM1を注入する。
【0191】
このとき、開口部OP1は、露光の際の位置合わせ精度を考慮した上で、平面視において、ゲート電極GEtと隣接する部分のp型ウェルPW1が開口部OP1の底部に確実に露出するように、形成される。すなわち、開口部OP1は、フォトレジスト膜R1を貫通して、膜部FPt100のうち一方の側(
図26中の左側)の端部に達するように、形成される。また、比較例1では、ゲート電極GEt上に、薄いハードマスク膜HM2のみを含む膜部FPt100(
図25参照)が形成されているものの、厚いハードマスク膜HM1を含む膜部FPt(
図15参照)が形成されていない。したがって、膜部FPt100、ゲート電極GEtおよびゲート絶縁膜GOX1を貫通して、ゲート絶縁膜GOX1直下のp型ウェルPW1に、イオンが注入されるおそれがある。
【0192】
上記比較例1の製造工程を例示して説明したように、CMOSイメージセンサでは、ゲート電極GEtを形成した後に、半導体基板1Sの上面から深い位置まで、ゲート電極GEtに自己整合させてイオン注入することにより、フォトダイオードPDを形成する。ゲート電極GEtに自己整合させてイオンを注入するのは、ゲート電極GEtとフォトダイオードPDとの位置関係がずれると、フォトダイオードPDで生成された電子を転送する際の特性が劣化するからである。
【0193】
また、CMOSイメージセンサでは、赤色光がシリコンからなる半導体基板1Sの上面から深い位置まで到達する。したがって、赤色光も含めた光を受光して電子を効率よく発生させ、発生した電子を効率よく捕獲するためには、フォトダイオードPDのpn接合が半導体基板1Sの上面から深い位置に配置されることが望ましい。したがって、フォトダイオードPDのpn接合を構成するp型ウェルPW1とn型ウェルNWのうち、n型ウェルについては、n型ウェルNWの下面ができるだけ深い位置に配置されることが望ましい。
【0194】
ところが、ゲート電極GEtに整合させてイオンを注入する場合には、ゲート電極GEtを突き抜けて、ゲート電極GEt下のゲート絶縁膜GOX1および半導体基板1Sにイオンが注入されるおそれがある。そこで、ゲート電極GEt下のゲート絶縁膜GOX1および半導体基板1Sにイオンが注入されることを防止または抑制するため、例えばゲート電極GEt上に絶縁膜が形成された状態で、イオンを注入することが考えられる。
【0195】
しかし、周辺回路領域2Aでは、動作速度の増加に伴って寸法が微細になった場合でも低抵抗で接続するために、ゲート電極GEHおよびGELの各々の上面、および、ソース・ドレイン領域SDの上面にシリサイド層が形成される。そのため、周辺回路領域2Aにおけるゲート電極GEHおよびGELの各々の上も含めてゲート電極GEt上に厚い絶縁膜が形成された状態で、イオンを注入してフォトダイオードPDを形成した後、周辺回路領域2Aにおけるゲート電極GEHおよびGELの各々の上の絶縁膜を除去する必要がある。しかし、周辺回路領域2Aにおけるゲート電極GEHおよびGELの各々の上の厚い絶縁膜を例えばウェットエッチングにより除去する際に、素子分離領域LCSまたはゲート絶縁膜GEHおよびGELの一部が除去されるおそれがある。したがって、フォトダイオードPDを形成した後、周辺回路領域2Aにおけるゲート電極GEHおよびGELの各々の上の絶縁膜を除去することは困難である。
【0196】
すなわち、シリサイド層SILを容易に形成するためには、ゲート電極GEt上に厚い絶縁膜を形成することができない。したがって、フォトダイオードPDを形成するために例えばn型の不純物イオンを注入する際に、ゲート電極GEtを突き抜けて、ゲート電極GEt下のゲート絶縁膜GOX1および半導体基板1Sに、不純物イオンが注入されないようにするため、半導体基板1Sの上面から深い位置までn型の不純物イオンを注入することができない。
【0197】
その結果、フォトダイオードPDが、半導体基板1Sの上面から浅い位置に形成されることになり、半導体基板1Sの上面付近の部分に、結晶欠陥を補償するために形成されたp
+型半導体領域PR中の不純物イオンが、フォトダイオードPDの内部に拡散する。そして、p
+型半導体領域PRからの不純物イオンがフォトダイオードPDの内部に拡散することで、フォトダイオードPDにおける飽和電子数が低減して、CMOSイメージセンサの感度が低下するおそれがあり、半導体装置の性能を低下させる。
【0198】
また、CMOSイメージセンサでは、光を照射していない状態で流れる暗電流が増加すると、光が照射されていないにもかかわらず、光が照射されていると判断されて誤点灯を起こして白点が発生する。この暗電流の原因の1つとして考えられるのが、フォトダイオードPDを構成する半導体領域に形成される結晶欠陥である。特に、半導体基板1Sの上面付近の部分には、結晶欠陥が多く含まれる。そのため、半導体基板1Sの上面から浅い位置にフォトダイオードPDが形成されることで、光を照射していない状態での白点の発生、すなわち画素欠陥の発生の頻度が増加して、CMOSイメージセンサの感度が低下するおそれがあり、半導体装置の性能を低下させる。
【0199】
<本実施の形態の主要な特徴と効果>
本実施の形態1では、ゲート電極GEt上に、厚いハードマスク膜HM1からなる膜部FPtが形成されている。また、フォトダイオードPDを形成するために例えばn型の不純物イオンを注入する際に、膜部FPtに覆われたゲート電極GEtに自己整合させて不純物イオンを注入する。
【0200】
これにより、ゲート電極GEtを突き抜けて、ゲート電極GEt下のゲート絶縁膜GOX1およびp型ウェルPW1に、不純物イオンが注入されにくくなる。そのため、フォトダイオードPDを形成する領域で、p型ウェルPW1の上面から深い位置までn型の不純物イオンを注入することができ、p型ウェルPW1の上面から深い位置にn型ウェルNWを形成することができる。その結果、p型ウェルPW1の上面付近の部分における結晶欠陥を補償するために形成されるp
+型半導体領域PRに注入された不純物イオンが、フォトダイオードPDの内部に拡散することを、防止または抑制することができる。したがって、フォトダイオードPDにおける飽和電子数が低減することを防止または抑制することができ、CMOSイメージセンサの感度を向上させることができ、半導体装置の性能を向上させることができる。
【0201】
また、結晶欠陥が多く含まれるp型ウェルPW1の上面付近の部分から遠く離れた部分にフォトダイオードPDを形成することができる。したがって、光を照射していない状態での白点の発生、すなわち画素欠陥の発生の頻度を低減することができ、CMOSイメージセンサの感度を向上させることができ、半導体装置の性能を向上させることができる。
【0202】
一方、本実施の形態1では、後述する実施の形態2と異なり、画素領域1Aにおける転送トランジスタTX以外のトランジスタのゲート電極GEa、GEsおよびGErの各々の上にも、厚いハードマスク膜HM1からなる膜部FPa、FPsおよびFPrのそれぞれが形成されている。したがって、半導体装置の製造工程の途中で、画素領域1Aの内部で、転送トランジスタTXのゲート電極GEt上の膜部を残しつつ、画素領域1Aにおける転送トランジスタTX以外のトランジスタのゲート電極GEa、GEsおよびGEr上の膜部を除去する工程を行う必要がない。したがって、後述する実施の形態2に比べ、半導体装置を容易に製造することができる。
【0203】
(実施の形態2)
実施の形態1では、転送トランジスタのゲート電極上に加えて、画素領域における転送トランジスタ以外のトランジスタのゲート電極上にも、厚いハードマスク膜を含む膜部が形成されている例について説明した。一方、実施の形態2では、転送トランジスタのゲート電極上には、厚いハードマスク膜からなる膜部が形成されているが、画素領域における転送トランジスタ以外のトランジスタのゲート電極上には、厚いハードマスク膜からなる膜部が形成されていない例について説明する。
【0204】
本実施の形態2の半導体装置の構成については、
図1および
図2を用いて説明した実施の形態1の半導体装置の構成と同様であり、それらの説明を省略する。また、周辺回路領域の素子構造については、
図3および
図4を用いて説明した周辺回路領域の素子構造と同様であり、それらの説明を省略する。
【0205】
<画素領域の素子構造>
次いで、画素領域の素子構造を説明する。
図27および
図28は、実施の形態2の半導体装置の構成を示す断面図である。なお、
図27および
図28では、
図3および
図4と同様に、画素領域1Aの素子構造と、周辺回路領域2Aの素子構造とを、合わせて図示している。また、
図28では、
図27のうち、層間絶縁膜IL1よりも上方の部分の図示を省略している。
【0206】
本実施の形態2の半導体装置の画素領域1Aの素子構造における、増幅トランジスタAMI、選択トランジスタSELおよびリセットトランジスタRST以外の各部分については、実施の形態1の半導体装置の画素領域1Aの素子構造における各部分と同一であり、それらの説明を省略する。
【0207】
増幅トランジスタAMIは、ゲート電極GEa上に膜部FPa(
図3参照)が形成されていない点を除き、実施の形態1における増幅トランジスタAMIと同様の構造を有する。そして、本実施の形態2では、ゲート電極GEaの上面には、シリサイド層SILが形成されている。これにより、ゲート電極GEaとプラグ(図示は省略)とを、低抵抗で接続することができる。
【0208】
選択トランジスタSELは、ゲート電極GEs上に膜部FPs(
図3参照)が形成されていない点を除き、実施の形態1における選択トランジスタSELと同様の構造を有する。そして、本実施の形態2では、ゲート電極GEsの上面には、シリサイド層SILが形成されている。これにより、ゲート電極GEsとプラグ(図示は省略)とを、低抵抗で接続することができる。
【0209】
リセットトランジスタRSTは、ゲート電極GEr上に膜部FPr(
図3参照)が形成されていない点を除き、実施の形態1におけるリセットトランジスタRSTと同様の構造を有する。そして、本実施の形態2では、ゲート電極GErの上面には、シリサイド層SILが形成されている。これにより、ゲート電極GErとプラグ(図示は省略)とを、低抵抗で接続することができる。
【0210】
これらのゲート電極GEa、GEsおよびGErの各々の上面に形成されたシリサイド層SILは、ゲート電極GEa、GEsおよびGErの各々の両側のソース・ドレイン領域SDの上面に形成されたシリサイド層SILと同様に、例えばニッケルシリサイドなどの金属シリサイド層からなる。
【0211】
<半導体装置の製造方法>
次いで、本実施の形態2の半導体装置の製造方法について説明する。
図29〜
図38は、実施の形態2の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
【0212】
なお、
図29〜
図38では、画素領域1Aにおける製造工程と、周辺回路領域2Aにおける製造工程とを、合わせて図示しているが、周辺回路領域2Aにおける製造工程については、
図7〜
図22を用いて説明した実施の形態1の周辺回路領域2Aにおける製造工程と同様であり、それらの説明を省略する。
【0213】
また、本実施の形態2の半導体装置の製造工程は、実施の形態1の半導体装置の製造工程と概略同様である。したがって、以下では、実施の形態1の半導体装置の製造工程の一部を示す製造プロセスフロー図である
図5および
図6を用いて説明する。
【0214】
本実施の形態2の半導体装置の製造工程では、実施の形態1で
図7〜
図9を用いて説明した
図5のステップS11〜ステップS13の工程を行った後、
図5のステップS14の工程を行って、
図10に示したように、厚いハードマスク膜HM1を形成する。
【0215】
次いで、
図5のステップS15に相当する工程を行って、厚いハードマスク膜HM1をパターニングする。このステップS15に相当する工程では、
図29に示すように、画素領域1Aで、厚いハードマスク膜HM1をパターニングすることで、厚いハードマスク膜HM1からなる膜部FPt1を形成するものの、膜部FPa1、FPs1およびFPr1(
図11参照)を形成しない。
【0216】
次いで、
図5のステップS16に相当する工程を行って、薄いハードマスク膜HM2を形成する。前述したように、膜部FPa1、FPs1およびFPr1(
図11参照)が形成されない。そのため、このステップS16に相当する工程では、
図30に示すように、画素領域1Aで、膜部FPt1上を含めて導電膜CF1上に、ハードマスク膜HM1よりも薄いハードマスク膜HM2、すなわちハードマスク膜HM1の膜厚TH5よりも小さい膜厚TH6を有するハードマスク膜HM2を形成する。それ以外の点については、
図5のステップS16の工程と同様にすることができる。
【0217】
次いで、
図5のステップS17に相当する工程を行って、薄いハードマスク膜HM2をパターニングする。このステップS17に相当する工程では、
図31に示すように、画素領域1Aで、膜部FPa2、FPs2およびFPr2を形成する領域に、フォトレジスト膜を残存させる。次いで、このフォトレジスト膜をマスクとして、薄いハードマスク膜HM2をエッチングする。これにより、
図31に示すように、画素領域1Aで、導電膜CF1上に薄いハードマスク膜HM2を残して膜部FPa2、FPs2およびFPr2を形成する。それ以外の点については、
図5のステップS17の工程と同様にすることができる。
【0218】
次いで、
図5のステップS18に相当する工程を行って、
図32に示すように、ゲート電極GEt、GEa、GEs、GEr、GEHおよびGELを形成する。このステップS18に相当する工程では、膜部FPa2、FPs2およびFPr2の膜厚TH6(
図30参照)が、膜部FPa、FPsおよびFPrの膜厚TH5(
図13参照)よりも小さい。それ以外の点については、
図5のステップS18の工程と同様にすることができる。
【0219】
次いで、
図5のステップS19と同様の工程を行って、
図33に示すように、n型ウェルNWを形成する。次いで、
図5のステップS20と同様の工程を行って、
図34に示すように、p
+型半導体領域PRを形成する。次いで、
図6のステップS21と同様の工程を行って、
図35に示すように、n型の低濃度半導体領域NMを形成する。
【0220】
次いで、
図6のステップS22に相当する工程を行って、
図36に示すように、キャップ絶縁膜CAPの形成およびパターニングを行う。このステップS22に相当する工程では、画素領域1Aにおいて、絶縁膜CAP1がエッチバックされて膜部FPa2、FPs2およびFPr2が露出し、さらに、露出した膜部FPa2、FPs2およびFPr2が除去される。そして、ゲート電極GEa、GEsおよびGErの各々の側面に絶縁膜CAP1を残し、残された絶縁膜CAP1からなるサイドウォールSWを形成する。それ以外の点については、
図6のステップS22の工程と同様にすることができる。
【0221】
次いで、
図6のステップS23と同様の工程を行って、
図37に示すように、n型の高濃度半導体領域NRを形成する。
【0222】
次いで、
図6のステップS24に相当する工程を行って、
図38に示すように、シリサイド層SILを形成する。このステップS24に相当する工程では、活性領域AcASおよびAcRで、ゲート電極GEa、GEsおよびGErの各々の上面に、シリサイド層SILを形成する。それ以外の点については、
図6のステップS24の工程と同様にすることができる。
【0223】
なお、本実施の形態2でも、実施の形態1と同様に、このステップS24に相当する工程で、転送トランジスタTXのドレイン領域であるn型の高濃度半導体領域NRの上面に、シリサイド層SILを形成しなくてもよい。
【0224】
次いで、実施の形態1の半導体装置の製造工程で説明した、
図6のステップS25〜ステップS27の工程と同様の工程を行って、
図28に示したように、層間絶縁膜IL1、コンタクトホールCHt、CHa、CHs、CHr、CHHおよびCHL、ならびに、プラグPGt、PGa、PGs、PGr、PGHおよびPGLを形成する。
【0225】
その後、実施の形態1と同様に、層間絶縁膜IL2〜IL4、配線M1〜M3およびマイクロレンズMLを形成することにより、
図27に示したように、本実施の形態2の半導体装置を製造することができる。なお、
図27に示したように、マイクロレンズMLと層間絶縁膜IL4との間に、下から順に、パッシベーション膜PFおよびカラーフィルタCLを形成してもよい。
【0226】
<本実施の形態の主要な特徴と効果>
本実施の形態2では、実施の形態1と同様に、ゲート電極GEt上に、厚いハードマスク膜HM1からなる膜部FPtが形成されている。また、フォトダイオードPDを形成するために例えばn型の不純物イオンを注入する際に、膜部FPtに覆われたゲート電極GEtに自己整合させて不純物イオンを注入する。これにより、実施の形態1と同様に、ゲート電極GEtを突き抜けて、ゲート電極GEt下のゲート絶縁膜GOX1およびp型ウェルPW1に、不純物イオンが注入されにくくなる。そのため、本実施の形態2の半導体装置は、実施の形態1の半導体装置が有する効果と同様の効果を有する。
【0227】
例えば、実施の形態1と同様に、フォトダイオードPDにおける飽和電子数が低減することを防止または抑制することができ、CMOSイメージセンサの感度を向上させることができ、半導体装置の性能を向上させることができる。また、実施の形態1と同様に、光を照射していない状態での白点の発生、すなわち画素欠陥の発生の頻度を低減することができ、CMOSイメージセンサの感度を向上させることができ、半導体装置の性能を向上させることができる。
【0228】
一方、本実施の形態2では、実施の形態1と異なり、画素領域1Aにおける転送トランジスタTX以外のトランジスタのゲート電極GEa、GEsおよびGErの各々の上には、厚いハードマスク膜HM1を含む膜部が形成されていない。したがって、増幅トランジスタAMI、選択トランジスタSELおよびリセットトランジスタRSTなど、画素領域1Aにおける転送トランジスタTX以外のトランジスタの各々のゲート電極と、プラグとを、低抵抗で接続することができる。
【0229】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。