特許第6193710号(P6193710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社丸一の特許一覧

<>
  • 特許6193710-噴霧容器の振動式噴口構造 図000002
  • 特許6193710-噴霧容器の振動式噴口構造 図000003
  • 特許6193710-噴霧容器の振動式噴口構造 図000004
  • 特許6193710-噴霧容器の振動式噴口構造 図000005
  • 特許6193710-噴霧容器の振動式噴口構造 図000006
  • 特許6193710-噴霧容器の振動式噴口構造 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6193710
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】噴霧容器の振動式噴口構造
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/14 20060101AFI20170828BHJP
   B05B 9/04 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   B65D83/14 200
   B05B9/04
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-207154(P2013-207154)
(22)【出願日】2013年10月2日
(65)【公開番号】特開2015-71431(P2015-71431A)
(43)【公開日】2015年4月16日
【審査請求日】2016年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000141118
【氏名又は名称】株式会社丸一
(74)【代理人】
【識別番号】100135437
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 哲三
(72)【発明者】
【氏名】境野 幸一
(72)【発明者】
【氏名】中村 泰祐
【審査官】 西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−099246(JP,U)
【文献】 特開2004−351360(JP,A)
【文献】 特開昭62−117688(JP,A)
【文献】 特開平10−203572(JP,A)
【文献】 特開2005−186044(JP,A)
【文献】 特開2006−271849(JP,A)
【文献】 特開平10−309501(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/14−83/76
B05B 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾール容器又はポンプ式噴霧容器の上端部に設けられた噴射用ステムに装着される噴射用押下部材に備えられた噴口部であって、この噴口部は、前記噴射用押下部材の内容液流通路の出口部に装着され、且つ、当該流通路の出口部の内部から外部に延長する延長管から構成され、この延長管の中間部の適宜位置を折曲して先端の開口部の向きを噴口部の根元部の内部通路の方向と異なる方向に配置し、これにより前記噴射用押下部材を押下して内容液が前記噴口部の内部通路を通過し、噴口部の開口部から外界に噴霧されると、噴口部を成す延長管がその根元部を中心として回転する噴口構造において、
前記延長管の適宜位置に重り部材を付加し、
この重り部材付き延長管が回転することによりその根元部の回転軸がぶれることによって噴口部に振動が発生することを特徴とする噴霧容器の振動式噴口構造。
【請求項2】
前記延長管が金属製管体から成り、重り部材がその先端部に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の噴霧容器の振動式噴口構造。
【請求項3】
前記延長管及び重り部材が合成樹脂製のものから成り、重り部材が前記延長管と一体成形されたものであることを特徴とする請求項1に記載の噴霧容器の振動式噴口構造。
【請求項4】
前記重り部材が金属製であることを特徴とする請求項2に記載の噴霧容器の振動式噴口構造。
【請求項5】
前記延長管の先端開口部が、当該先端部の円周軌跡の略接線方向を向いていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の噴霧容器の振動式噴口構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾール容器やポンプ式噴霧容器の上端部に配設された噴射用ステムに接続される押下ボタン等の噴射用押下部材に設けられた噴口部の構造に関するものであって、かかる噴口部が振動を発生するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来においては、このような振動を発生する噴口構造を有するものは存在していなかった。
ただし、この種の噴口構造を有するものとしては、以下の特許文献に記載のものを挙げることができる。
尚、このような振動を発生することができる噴口構造は、例えば、頭髪の育毛や養毛のための薬剤を噴霧するエアゾール製品等に適用することができるものとなる。
【0003】
この種のエアゾール製品にあっては、その容器の上端部にマッサージ用の複数の突起部が円環状に設けられ、その中央部に噴口部が設けられており、これらの突起部を頭皮に押圧することによりバルブステム(噴射用ステム)が押下されて、噴口部の先端開口部から内容液が噴射されるタイプのものである。
【0004】
このような従来の頭髪用のエアゾール容器においては、前記複数の突起部を頭皮に押圧して頭皮上を移動させてマッサージ効果を発揮させつつ同時に内容液を噴射させるのであるが、その際に、つまり内容液の噴射と同時に噴口部の動作により振動が更に加われば、頭皮へのマッサージ効果はより向上し、内容液の塗布効果も向上するものと本願発明者は考えたのである。これが本発明に係る振動式の噴口部構造開発の端緒となったのである。
【0005】
下記特許文献1に記載の回転噴射エアゾール装置においては、床面に沿って均一に広く薬液を散布させ、害虫の潜む低位置を重点的にかつ経済的に薬剤処理しうることを課題とするものである。
その構成は、回転ヘッド10が、回転体5と、そのアーム部1と、その先端のノズル部2とからなり、ノズル部2の噴口21は半径方向を向き、噴口22は接線方向成分を有し、回転平面内のみにあり、上方を向く成分を有していない。取付体3の係合部31は、エアゾル缶6のマウント61に係合する。回転ヘッド10を押し下げたときに、前記係合部31がマウント61と係合し、押し下げた状態に保持できるものである。
【0006】
即ち、この従来例においては、エアゾール缶の上端部に設けられた噴射用ステムに噴射用押下部材(取付体)が装着され、この押下部材の内容液流通路の出口部に噴口部(回転ヘッド)が取り付けられ、この噴口部の根元部は前記内容液流通路の出口部内から外部に延長し、その中間部で略直角方向に折曲してノズルの開口部が半径方向を向き、またノズルの開口部は先端ノズルの周回軌跡の略接線方向にも設けられているものである。
以上の構成により、噴口部(回転ヘッド)のノズルの開口部から内容液が噴霧されると、噴霧の反作用により、噴口部(回転ヘッド)が略水平面内で回転することができるものである。
【0007】
下記特許文献2に記載のエアゾール装置においては、上記発明と同様に、内容液を広範囲に噴霧できるものであって、エアゾール内容液を噴霧動作の反作用で旋回する噴射ノズル(噴口部)を備えるものである。
この噴射ノズル(噴口部)は、1本のパイプから形成され、回転中心に位置する軸心部分と、該軸心部分から半径方向に延びるアーム部分と、該アーム部分の先端で旋回軌跡の接線方向成分とエアゾール装置の上方成分とをもつ方向に噴口が向けられた先端部分とに屈曲されて構成され、前記軸心部分の基部が押しボタン(押下部材)内部において回転自在に保持されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−57537号公報
【特許文献2】実公平5−45401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記従来例にある通り、噴口部が回転又は旋回して、エアゾール容器等の内容液を広範囲に噴霧できるものが存在しているが、本願発明においては、この広範囲噴霧と同時に噴口部が振動を発生できるものを創案することをその課題としている。
これにより、例えば頭髪用の育毛剤や養毛剤等を内部に収容したエアゾール容器に使用される複数のマッサージ用突起を有する押下部材にこの噴口部を適用することにより振動を発生させてマッサージ効果をより向上させることができることとなる。
尚、本願発明に係る振動発生可能な噴口部は、エアゾール容器の他、ポンプ式噴霧容器においても適用することができ、振動発生を必要とするあらゆるタイプの噴霧容器に利用することができるものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1のものは、エアゾール容器又はポンプ式噴霧容器の上端部に設けられた噴射用ステムに装着される噴射用押下部材に備えられた噴口部であって、この噴口部は、前記噴射用押下部材の内容液流通路の出口部に装着され、且つ、当該流通路の出口部の内部から外部に延長する延長管から構成され、この延長管の中間部の適宜位置を折曲して先端の開口部の向きを噴口部の根元部の内部通路の方向と異なる方向に配置し、これにより前記噴射用押下部材を押下して内容液が前記噴口部の内部通路を通過し、噴口部の開口部から外界に噴霧されると、噴口部を成す延長管がその根元部を中心として回転する噴口構造において、前記延長管の適宜位置に重り部材を付加し、この重り部材付き延長管が回転することによりその根元部の回転軸がぶれることによって噴口部に振動が発生することを特徴とする噴霧容器の振動式噴口構造である。
【0011】
本発明の第2のものは、上記第1の発明において、前記延長管が金属製管体から成り、重り部材がその先端部に設けられたことを特徴とする噴霧容器の振動式噴口構造である。
【0012】
本発明の第3のものは、上記第1の発明において、前記延長管及び重り部材が合成樹脂製のものから成り、重り部材が前記延長管と一体成形されたものであることを特徴とする噴霧容器の振動式噴口構造である。
【0013】
本発明の第4のものは、上記第2の発明において、前記重り部材が金属製であることを特徴とする噴霧容器の振動式噴口構造である。
【0014】
本発明の第5のものは、上記何れかの発明において、前記延長管の先端開口部が、当該先端部の円周軌跡の略接線方向を向いていることを特徴とする噴霧容器の振動式噴口構造である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の第1のものにおいては、上記従来の噴口構造において、つまり、エアゾール容器又はポンプ式噴霧容器の上端部に設けられた噴射用ステムに装着される噴射用押下部材に備えられた噴口部であって、この噴口部は、前記噴射用押下部材の内容液流通路の出口部に装着され、且つ、当該流通路の出口部の内部から外部に延長する延長管から構成され、この延長管の中間部の適宜位置を折曲して先端の開口部の向きを噴口部の根元部の内部通路の方向と異なる方向に配置し、これにより前記噴射用押下部材を押下して内容液が前記噴口部の内部通路を通過し、噴口部の開口部から外界に噴霧されると、噴口部を成す延長管がその根元部を中心として回転する噴口構造において、この延長管の適宜位置に重り部材を付加し、この重り部材付き延長管が回転することによりその根元部の回転軸がぶれることによって噴口部に振動が発生することとなるのである。
従って、内容液の噴霧範囲を広範囲とすると共に、噴口部が振動するために、例えば頭髪用の各種薬液を噴霧するに際し、同時に振動をも付加でき、マッサージ効果をより向上させることができるのである。
【0016】
本発明の第2のものにおいては、噴口部を形成する延長管を金属製管体から形成したものであり、且つ重り部材はその延長管の先端部に設けたため、その製作が容易となり、振動効果を簡単により効果的に発生させることが可能となるのである。
【0017】
本発明の第3のものにおいては、前記延長管及び重り部材が合成樹脂製のものから成り、重り部材が前記延長管と一体成形されたため、上記同様に製作容易で、振動効果も良好に発揮されるものとなる。
【0018】
本発明の第4のものにおいては、上記第2の発明において、重り部材を金属製としたために、延長管とその先端部の重り部材とを一体的に形成でき、製作容易で、その振動効果も極めて良好に発揮できるものとなる。
【0019】
本発明の第5のものにおいては、噴口部を成す延長管の先端部の開口部を、延長管の先端部の円周軌跡の略接線方向に向けたことを特徴とするものであって、噴霧範囲の限定化を行ったものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る噴霧容器の振動式噴口構造の第一の実施形態を示し、当該噴口構造を備える噴霧機構の全体を図示しており、その(A)が平面図、その(B)が斜視図、その(C)が正面図、その(D)が前図(C)のS−S線断面図である。
図2図1(D)の噴口部分の拡大断面図である。
図3】上記第一実施形態に係る噴口部を図示したものであり、その(A)が平面図、その(B)が斜視図、その(C)が正面図、その(D)が左側面図である。
図4】本発明に係る噴霧容器の振動式噴口構造の第二の実施形態を示し、当該噴口構造を備える噴霧機構の全体を図示しており、その(A)が平面図、その(B)が斜視図、その(C)が正面図、その(D)が前図(C)のD−D線断面図である。
図5図4に示した第二実施形態に係る噴口部を示し、その(A)が平面図、その(B)が斜視図、その(C)が正面図、その(D)が右側面図、その(E)が(D)図のE−E線断面図である。
図6】本発明に係る噴霧容器の振動式噴口構造の第三の実施形態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付の図面と共に本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る噴霧容器の振動式噴口構造の第一の実施形態を示し、当該噴口構造を備える噴霧機構の全体を図示しており、その(A)が平面図、その(B)が斜視図、その(C)が正面図、その(D)が前図(C)のS−S線断面図である。
図2は、図1(D)の噴口部分の拡大断面図である。
【0022】
本発明に係る噴口構造を備える噴射機構の全体は、図示はしていないエアゾール容器の上端部に装着固定される取付部10と、エアゾール容器の上端中央部で上方に延長するバルブステム(噴射用ステム)に嵌合するステム接続部13をその下面中央部に備える噴射用押下部材14と、この噴射用押下部材14の上面中央部に設けられた噴口部18とから成る。
【0023】
上記取付部10は、筒体形状を有し、その下端周壁部10kの内周面に設けられた段部10dが図示省略したエアゾール容器の上方肩部に係合し、前記段部10dの更に上方の係合部10fがエアゾール容器上端部のマウンテンカップの周縁部に係合する。
この係合部10fの中央の穴部からエアゾール容器の上端の噴射用ステムが上方に延長する。
【0024】
この噴射用ステムに嵌合するのが、上記噴射用押下部材14の底面部14bの下面略中央部に設けられたステム接続部13である。
この噴射用押下部材14も有底円筒形状を有し、上記取付部10の上端内周部で上下に往復摺動することができる。
【0025】
また、この噴射用押下部材14の上端周縁部の上面には、一定間隔に8本の突起部15が設けられている。即ち、この噴射機構は、頭髪用の各種薬剤が収容されたエアゾール容器用のものである。
噴射用押下部材14の底面部14bの中央上面部には噴口部18の根元部18rを受容する噴口部保持部16が設けられ、この噴口部保持部16の内部には、エアゾール容器内に収容された薬液の流通路16pが設けられている(図2参照)。
【0026】
噴口部18は、この実施形態では、金属製管体から成る延長管18を用いており、その根元部18rは、上記噴口部保持部16の流通路16pの出口部内に回転自在に保持され、この出口部から外部に延長して折曲部18fで略直角方向に折曲されている。
この実施形態では、この延長管18は、その先端部で円周周回軌跡の接線方向に更に折曲されており、その先端部に円柱形状の重り部材19を取り付けているのである。
【0027】
以上の構成により、本発明に係る延長管18から成る噴口部18は、噴射用押下部材14が下向きに押下されると、当該押下部材14の底面部14bの下面中央部に設けられたステム接続部13が図示省略したエアゾール容器の上端の噴射用ステムを押下することにより、エアゾール容器内の内容液がステムから噴射され、当該内容液は、押下部材14の噴口部保持部16の流通路16pを通過し、噴口部である延長管18の内部通路を流通して、延長管18の先端の噴口から外界に噴霧されるのである。
【0028】
延長管18の先端噴口から内容液が外界に噴霧されると、その反作用により延長管18は回転する。延長管18の先端部には重り部材19が取り付けられているために、延長管18の根元部の回転軸がぶれることとなる。
この回転軸がぶれることにより、延長管18、即ち噴口部18は、振動を発生するのである。
噴口部18が振動を起こすと、押下部材14にも振動が伝わり、その結果、押下部材14の上端の複数の突起部15も振動し、これら突起部15が頭皮等に当接された場合には、頭皮等のマッサージ効果を向上させることができるのである。
【0029】
図3は、上記実施形態に係る噴口部を図示したものであり、その(A)が平面図、その(B)が斜視図、その(C)が正面図、その(D)が左側面図である。
この図から解る通り、本実施形態に係る噴口部18は、金属製管体から成る延長管18からなり、
その先端部には円柱形状の金属製の重り部材19を取り付け、その根元部は噴口部保持部16n内に受容され、この噴口部保持部16nの内部で回転できるように構成されている。
尚、この図3に図示した噴口部保持部16nは、図2の拡大図で示す噴口部保持部16の内部に固定されるものである。
【0030】
図4は、本発明に係る噴霧容器の振動式噴口構造の第二の実施形態を示し、当該噴口構造を備える噴霧機構の全体を図示しており、その(A)が平面図、その(B)が斜視図、その(C)が正面図、その(D)が前図(C)のD−D線断面図である。
この第二実施形態においては、その噴口部の構造のみ上記第一実施形態と異なっており、その他の構成は全く同一である。
【0031】
即ち、この第二実施形態に係る噴口構造を備える噴射機構の全体は、図示はしていないエアゾール容器の上端部に装着固定される取付部10と、エアゾール容器の上端中央部で上方に延長するバルブステム(噴射用ステム)に嵌合するステム接続部13をその下面中央部に備える噴射用押下部材14と、この噴射用押下部材14の上面中央部に備えられた噴口部20とから成る。
【0032】
取付部10及び噴射用押下部材14の構成は、第一実施形態と同じであり、説明は省略する。
噴口部20は、合成樹脂製の延長管20からなり、延長管20の中間の折曲部20fで略直角方向に折曲されており、その根元部20rは、押下部材14の噴口部保持部16の内部に回転自在に保持されている。
【0033】
噴口部20となる延長管20の内部通路も同様に上向きから略直角に折れ曲がり、その噴口20kは、延長管20の先端部の円周軌跡の略接線方向に開口しており、この噴口20kからエアゾール容器の内容液が噴霧されると、その反作用で延長管20が、即ち、噴口部20が、その根元部20rを回転軸として回転することとなる。
【0034】
延長管20の折曲部20fから先端部にかけて重り部材29が一体成形されている。
即ち、この重り部材29も延長管20と同一の合成樹脂製である。
この重り部材29は、その平面図(A)から解る通り、平面視扇形状を有し、その延長管20の接続部20sで最大の厚みを有し、その外周部29gに向かってその厚みが薄くなる形態を有している(図5参照)。
【0035】
この重り部材29の形態は、図5から良く見て取ることができる。
図5は、図4に示した第二実施形態に係る噴口部の部分を示し、その(A)が平面図、その(B)が斜視図、その(C)が正面図、その(D)が右側面図、その(E)が(D)図のE−E線断面図である。
【0036】
即ち、この重り部材29は、噴口部20の折曲部20fから先端部にかけて接続し、平面視扇形状を有し、その接続部20sでその上下の厚みが最大であり、その外周部20gでその厚みが最少となり、両者の中間部29tではその厚みが外周部に向かって徐々に薄くなるように形成されている。つまり、噴口部20の先端側が一番重い状態となる。
【0037】
このような形態を採用したのは、噴口部20が最も大きい振動を発生できるからである。
尚、この実施形態においては、(B)及び(C)図から良く見て取れる通り、噴口部20の先端部に設けた噴口20kの開口方向は、先端部の回転軌跡の略接線方向に向かって設けられている。
【0038】
この噴口20kの開口向きは、半径方向であっても良好に延長管20を回転させることができるのであるが、その噴霧範囲を適宜所定範囲内に限定するために、この態様を採用したものである。
また、本発明において、噴口部(延長管)20が良好に振動を発生することができるのは、その根元部の回転に際して、その回転軸が重り部材によりぶれることが原因と考えられている。
【0039】
図6は、本発明に係る噴霧容器の振動式噴口構造の第三の実施形態を示す縦断面図である。
この第三実施形態においては、上記2つの実施形態と異なり、噴射用押下部材の構成が異なるものであり、噴口部の構成は、上記第一実施形態のものと同様のものである。
【0040】
この第三実施形態における噴射用押下部材30は、エアゾール容器の上端のバルブステム(噴射用ステム)に装着される押しボタン30からなるものである。
この押しボタン30は、エアゾール容器の噴射用ステムに接続嵌合するステム接続部33をその下面中央部に有し、ステム接続部33から上方に、そして略直角の横方向に延びる内容液の流通路30pを有し、この流通路30pの出口部の内部に噴口部を成す延長管28の根元部28rが回転自在に保持されている。
【0041】
押しボタン30の頂面30t(濃い斜線部)が手の指を置いて押し下げられる部分である。
延長管28は、その中間部で略直角上方に折曲し、その先端部で更にこの延長管28の先端部の円周軌跡の略接線方向に折曲する。
そして、この先端部に重り部材19が取り付けられているものである。
この重り部材19は、上記第一実施形態のものと同一である。
【0042】
これにより、押しボタン(押下部材)30を押下することにより、エアゾール容器内部の内容液が噴射用ステムから排出され、押しボタン30の流通路30pを通過して、延長管(噴口部)28の内部通路を通過してその先端部から外界に噴霧されるのである。
この噴霧動作の反作用により、延長管(噴口部)28は、その根元部28rを回転軸として回転し、その先端部の重り部材19の存在により、この延長管28は振動を発生するのである。
【0043】
この第三実施形態における延長管28及び重り部材19も、前記第一実施形態と同様に、金属製である。
このように、本発明に係る噴口構造は、押下部材として押しボタン形式のものに関しても適用することができるのである。
【0044】
以上、実施形態について説明したが、本発明においては以下の通り種々設計変更が可能である。
本発明に係る噴口構造の形状、サイズ、材質等は任意に設計変更することができる。
噴口部(延長管)の折曲箇所は最低1つあればよく、噴口部(延長管)の先端部の噴口の開口向きがその根元部の内部通路の方向と異なっていればよい。
これにより、噴霧方向の反作用により噴口部(延長管)が回転することができるからである。
【0045】
更に、重り部材は、噴口部(延長管)の外部の中間部の何れかの位置又は先端部に設ければよいものである。
重り部材は、最低1個設ければよいが、これを複数設けることもできる。
重り部材の形態も、上記第一実施形態のような円柱形状の他、上記第二実施形態のような特殊な形態を採用することもできる。
【0046】
また、その材質も、金属製又は合成樹脂製等各種のものを採用することができる。
一体成形を考慮すれば、噴口部と同じ材質とすることが望ましい。
重り部材の重量も全く自由に設定することができる。
最後に、本発明においては、この噴口構造をポンプ式の噴霧容器に適用することも当然可能である。
【0047】
以上、本発明は、噴口部の適宜位置に重り部材を取り付けることにより、噴口部が回転すると共に振動をも発生できることを特徴とし、振動を必要とする噴射機構のあらゆるタイプのものに応用できる極めて大きな効果を有する噴霧容器の振動式噴口構造を提供することができた。
【符号の説明】
【0048】
10 取付部
13 ステム接続部
14 噴射用押下部材
15 突起部
16 噴口部保持部
18、20、28 噴口部(延長管)
18f、20f 折曲部
18r、20r 根元部
19、29 重り部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6