(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記撮像部によって撮像した会議出席者の顔に該当する顔写真が、前記出席簿ファイルが格納するファイル名の顔写真データにないかどうかを顔認識アルゴリズムによって判定する請求項1記載の顔認証会議システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、顔認証会議システムの一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0011】
本実施形態の顔認証会議システムは、会議の出席者の顔を撮像する撮像部と、少なくとも顔写真データを格納するサーバから読み出した会議出席者予定の顔写真データのファイル名を含む会議出席予定者情報を格納する出席簿ファイル、及び撮像部によって撮像した会議出席者の顔に該当する顔写真が、出席簿ファイルが格納するファイル名の顔写真データにないと判定した場合、アラームを発報する制御部を備えるパソコンと、を備える。
【0012】
図1は、顔認証会議システムに用いられる撮像部101を有する電子黒板1の外観斜視図である。
図1に示すように、電子黒板1は、筆記した画像を担持する筆記面11と、電源スイッチ12と、タッチパネル、各種スイッチなどの情報を入出力する装置である入出力部13と、外部機器との通信を行う通信ポート14と、記録媒体に画像形成するプリンタ15と、会議への出席者の顔を撮像する撮像部101と、を備える。
【0013】
筆記面11は、シート状でも板状でもよい。板状の場合、撮像部27は筆記面11を移動しながら撮像する。以下、筆記面11がシート状の場合を例に説明する。
【0014】
入出力部13は、タッチパネルであることが操作性の面で優れているが、スイッチ類をもちいて構成してもよい。以下、入出力部13がタッチパネルである場合を例に説明する。
【0015】
通信ポート14は、例えばUSB(Universal Serial Bus)を採用することができるが、これに限られるものではない。
【0016】
撮像部101は、カメラと、通信を行う通信部と、を備え、電子黒板1の出席者に面する部位、例えば筆記面11の上端部に設置される。撮像部101は、電子黒板1と一体に形成されていても、着脱可能な別体として形成されていてもよい。
【0017】
図2は、
図1におけるAA線断面図である。
図2に示すように、電子黒板1は、無端状のシートにより形成される筆記面11と、筆記面11を回転させる駆動ローラ21及び従動ローラ22と、筆記面11に光を照射するライト24と、筆記面11が反射したライト24により照射された光を反射するミラー25と、反射した光を集光するレンズ26と、集光された光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)センサなどの撮像センサ27と、を備える。撮像部27は、モノクロセンサであってもカラーセンサであってもよい。
【0018】
電子黒板1は、入出力部13から印刷指示がなされると、ライト24を点灯し、駆動ローラ21を駆動させて筆記面11を回転させる。
【0019】
電子黒板1は集光された反射光を順次電気信号に変え、2値化して筆記面画像データを生成する。
【0020】
(第1の実施形態)
図3は、本実施形態の顔認証会議システムの構成を示すブロック図である。
図3に示すように、顔認証会議システムは、撮像部101と、顔認証を行うコンピュータであるパソコン2と、従業員情報を格納するサーバ3と、を備える。従業員情報は、従業員及び会議出席予定者の顔を含む。
【0021】
パソコン2は、演算装置であるCPU(Central Processing uit)を含む制御部201と、メモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置を含む記憶部202と、通信を行う通信部203と、を備える。
【0022】
パソコン2はさらに、キーボード、ディスプレイ、マウス等の入出力部を備える。
【0023】
記憶部202は、顔写真を含む会議への出席者に関する情報を格納する出席簿ファイル202Aを格納する。
【0024】
通信部203は、撮像部101及びサーバ3と通信を行う。
【0025】
サーバ3は、演算装置であるCPUを含む制御部301と、メモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置を含む記憶部302と、通信を行う通信部303と、を備える。
【0026】
記憶部302は、従業員及び会議出席予定者に関する情報を格納する従業員マスタ302Aを格納する。従業員及び会議出席予定者に関する情報は、顔写真、従業員に固有に割り当てられるID No.、氏名、所属などを含む。
【0027】
なお、従業員以外の会議出席予定者の情報は、サーバ3の従業員マスタ302Aに登録しても、直接にパソコン2の出席簿ファイルに202Aに登録してもよい。
【0028】
図4は、出席簿ファイル202Aのデータ構成を示す図である。
図4に示すように、出席簿ファイル202Aは、従業員に固有に割り当てられる「ID No.」と、会議出席予定の者の「氏名」と、会議出席予定の者の「所属」と、会議出席予定の者の顔写真データへのファイル名を示す「顔写真」と、会議への出欠を示す「出欠」と、を格納する。
【0029】
具体的なデータの例は、ID No.が「10123」、氏名が「○山△男」、所属が「開発1課」、顔写真が「10123.jpg」、出欠が「出」である。
【0030】
パソコン2は、まず会議への出席予定者の氏名、所属乃至ID No.を入出力部から入力する。
【0031】
パソコン2は、サーバ3の従業員マスタ302Aを従業員の氏名、所属乃至ID No.に基づいて検索し、会議への出席予定者の顔写真のデータファイルを読み出し、読み出したデータファイルを記憶部202に格納する。パソコン2は、読み出した顔写真のデータファイルのファイル名を出席簿ファイル202Aの顔写真に格納する。
【0032】
なお、出欠のデータは、当初全て「欠」となっている。
【0033】
図5は、パソコン2がパソコン2に接続されるプリンタから出力する会議出席記録の例を示す図である。
図5に示すように、パソコン2は、会議に出席した者及び欠席した者をそれぞれまとめて出力する。
【0034】
会議への出欠の確認は、撮像部101が撮像した出席者の顔の画像と、出席簿ファイル202Aにファイル名が格納されている顔写真とを比較して顔認識アルゴリズムによって判定する。顔認識アルゴリズムは、公知の物を適宜選択して使用できる。
【0035】
図6は、顔認証会議システムの動作を示すフローチャートである。ユーザーは、会議への出席予定者の氏名、所属乃至ID No.をパソコン2の入出力部から入力する。
【0036】
パソコン2から会議への出席予定者の氏名、所属乃至ID No.が入力されると、ステップ601において、パソコン2の制御部201は、サーバ3の従業員マスタ302Aを従業員の氏名、所属乃至ID No.に基づいて検索し、会議への出席予定者の顔写真のデータファイルを抽出して読み出す。
【0037】
ステップ602において、パソコン2の制御部201は、入力した会議出席予定者に関する情報及び読み出した顔写真データを記憶部202に格納する。パソコン2は、読み出した顔写真のデータファイルのファイル名を出席簿ファイル202Aの顔写真に格納する。
【0038】
ステップ603において、パソコン2の制御部201は出席確認の指示が入力されたかを判定する。パソコン2は、出席確認の指示が入力されたと判定した場合ステップ604に進み、入力されたと判定しない場合、ステップ603に戻る。
【0039】
ステップ604において、パソコン2の制御部201は撮像部101によって会議出席者の顔を撮像し、記憶部202に一時的に格納する。
【0040】
ステップ605において、パソコン2の制御部201は、撮像した出席者の顔を一人ずつ顔認識する。すなわち、パソコン2の制御部201は撮像した出席者の顔の特徴量を一人ずつ抽出する。
【0041】
ステップ606において、パソコン2の制御部201は出席予定者の顔写真から抽出した特徴量と、撮像した出席者の顔の特徴量とを比較する。
【0042】
ステップ607において、パソコン2の制御部201は、撮像した出席者の顔と特徴量の差が閾値以下の該当者があるかを判定する。パソコン2の制御部201は、出席簿ファイル202Aに該当者があると判定した場合、ステップ608に進み、該当者がいないと判定した場合ステップ611に進む。
【0043】
ステップ608において、パソコン2の制御部201は出欠フラグに「出」を格納する。
【0044】
ステップ609において、パソコン2の制御部201は出席記録のプリント指示があるかを判定する。パソコン2の制御部201は、出席記録のプリント指示があると判定した場合、ステップ610に進み、プリント指示がないと判定した場合、ステップ603に戻る。
【0045】
ステップ610において、パソコン2の制御部201は出席記録をプリンタから出力する。
【0046】
ステップ611において、パソコン2の制御部201はアラームを発報する。
【0047】
以上述べたように、本実施形態の顔認証会議システムは、会議の出席者の顔を撮像する撮像部101と、従業員及び会議出席予定者の顔を含む従業員情報を格納するサーバ3と、サーバ3から読み出した会議出席者予定の顔写真データのファイル名を含む会議出席予定者情報を格納する出席簿ファイル202A、及び撮像部101によって撮像した会議出席者の顔に該当する顔写真が、出席簿ファイル202Aが格納するファイル名の顔写真データにないと判定した場合、アラームを発報する制御部201を備えるパソコン2と、を備える。
【0048】
従って、互いに見知らぬ者が会議に出席する場合でも、第三者がまぎれ込むことを阻止することができるという効果がある。
【0049】
(第2の実施形態)
図7は、顔認証会議システムの構成を示すブロック図である。
図7に示すように、顔認証会議システムは、撮像部101を備える電子黒板1と、顔認証を行うコンピュータであるパソコン2と、従業員及び会議出席予定者の顔を含む従業員情報を格納するサーバ3と、を備える。
【0050】
電子黒板1は、演算装置であるCPUを含む制御部110と、メモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置を含む記憶部102と、通信を行う通信部103と、記録媒体に画像形成する画像形成部104と、ライト24を駆動させる照明駆動部105と、筆記面11を回転させる筆記部駆動部106と、会議の出席者の顔を撮像する撮像部101と、を備える。
【0051】
パソコン2は、演算装置であるCPUを含む制御部201と、メモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置を含む記憶部202と、通信を行う通信部203と、を備える。
【0052】
パソコン2はさらに、キーボード、ディスプレイ、マウス等の入出力部を備える。
【0053】
記憶部202は、顔写真を含む会議への出席者に関する情報を格納する出席簿ファイル202Aを格納する。
【0054】
通信部203は、撮像部101及びサーバ3と通信を行う。
【0055】
サーバ3は、演算装置であるCPUを含む制御部301と、メモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置を含む記憶部302と、通信を行う通信部303と、を備える。
【0056】
記憶部302は、顔写真、従業員に固有に割り当てられるID No.、氏名、所属などを含む従業員及び会議出席予定者に関する情報を格納する従業員マスタ302Aを格納する。
【0057】
なお、従業員以外の会議出席予定者の情報は、サーバ3の従業員マスタ302Aに登録しても、直接にパソコン2の出席簿ファイルに202Aに登録してもよい。
【0058】
出席簿ファイル202Aのデータ構成は第1の実施形態の出席簿ファイル202Aのデータ構成と同様である。
【0059】
ユーザーは、会議への出席予定者の氏名、所属乃至ID No.をパソコン2の入出力部から入力する。
【0060】
パソコン2の制御部201は、サーバ3の従業員マスタ302Aを従業員の氏名、所属乃至ID No.に基づいて検索し、会議への出席予定者の顔写真のデータファイルを読み出し、記憶部202に格納する。パソコン2の制御部201は、読み出した顔写真のデータファイルのファイル名を出席簿ファイル202Aの顔写真に格納する。
【0061】
なお、出欠のデータは、当初全て「欠」となっている。
【0062】
図8は、パソコン2の制御部201の指示により電子黒板1が出力する会議出席記録の例を示す図である。
図8に示すように、電子黒板1は、パソコン2の制御部201の指示に基づいて会議に出席した者及び欠席した者をそれぞれまとめて、筆記面11に筆記された文字又は図とともに出力する。
【0063】
会議への出欠の確認は、撮像部101が撮像した出席者の顔の画像と、出席簿ファイル202Aにファイル名が格納されている顔写真とを比較して顔認識アルゴリズムによって判定する。顔認識アルゴリズムは、公知の物を適宜選択して使用できる。
【0064】
顔認証会議システムの動作を示すフローチャートは
図6と同様であるため、
図6を用いて説明する。
【0065】
図6に示すように、ユーザーは、会議への出席予定者の氏名、所属乃至ID No.をパソコン2の入出力部から入力する。
【0066】
パソコン2から会議への出席予定者の氏名、所属乃至ID No.が入力されると、ステップ601において、パソコン2の制御部201は、サーバ3の従業員マスタ302Aを従業員の氏名、所属乃至ID No.に基づいて検索し、会議への出席予定者の顔写真のデータファイルを抽出して読み出す。
【0067】
ステップ602において、パソコン2の制御部201は、入力した会議出席予定者に関する情報及び読み出した顔写真データを記憶部202に格納する。パソコン2は、読み出した顔写真のデータファイルのファイル名を出席簿ファイル202Aの顔写真に格納する。
【0068】
ステップ603において、パソコン2の制御部201は出席確認の指示が入力されたかを判定する。パソコン2は、出席確認の指示が入力されたと判定した場合ステップ604に進み、入力されたと判定しない場合、ステップ603に戻る。
【0069】
ステップ604において、パソコン2の制御部201は電子黒板1が備える撮像部101によって会議出席者の顔を撮像し、記憶部202に一時的に格納する。
【0070】
ステップ605において、パソコン2の制御部201は、撮像した出席者の顔を一人ずつ顔認識する。すなわち、パソコン2の制御部201は撮像した出席者の顔の特徴量を一人ずつ抽出する。
【0071】
ステップ606において、パソコン2の制御部201は出席予定者の顔写真から抽出した特徴量と、撮像した出席者の顔の特徴量とを比較する。
【0072】
ステップ607において、パソコン2の制御部201は、撮像した出席者の顔と特徴量の差が閾値以下の該当者があるかを判定する。パソコン2の制御部201は、出席簿ファイル202Aに該当者があると判定した場合、ステップ608に進み、該当者がいないと判定した場合ステップ611に進む。
【0073】
ステップ608において、パソコン2の制御部201は出欠フラグに「出」を格納する。
【0074】
ステップ609において、パソコン2の制御部201は出席記録のプリント指示があるかを判定する。パソコン2の制御部201は、出席記録のプリント指示があると判定した場合、ステップ610に進み、プリント指示がないと判定した場合、ステップ603に戻る。
【0075】
ステップ610において、パソコン2の制御部201は電子黒板1に出席記録を出力するように指示する。電子黒板1は、この指示を受けて出席記録を筆記面11の記載された文字及び図とともにプリンタから出力する。
【0076】
ステップ611において、パソコン2はアラームを発報する。
【0077】
以上述べたように、本実施形態の顔認証会議システムは、会議の出席者の顔を撮像する撮像部101を備える電子黒板1と、従業員及び会議出席予定者の顔を含む従業員情報を格納するサーバ3と、サーバ3から読み出した会議出席者予定の顔写真データのファイル名を含む会議出席予定者情報を格納する出席簿ファイル202A、及び撮像部101によって撮像した会議出席者の顔に該当する顔写真が、出席簿ファイル202Aが格納するファイル名の顔写真データにないと判定した場合、アラームを発報し、出席記録を出力するように指示された場合、電子黒板1に会議出席者に関する情報及び筆記面11に筆記された文字または図をプリントさせる制御部201を備えるパソコン2と、を備える。
【0078】
従って、互いに見知らぬ者が会議に出席する場合でも、第三者がまぎれ込むことを阻止することができるとともに、筆記面11の文字または図とともに出席記録を出力できるという効果がある。
【0079】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。