(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ハウジング本体、上記ハウジング本体に設けられると共にインフレータハウジングの嵌合側の表面から反嵌合側に向かって凹むソケットに装着されたリテーナに嵌合することになる嵌合部、および上記嵌合部が上記リテーナへ嵌合するときに弾性変形して上記ソケット又は上記リテーナの凸部を乗り越えてから復原して上記凸部よりも上記反嵌合側に設けられた凹部に係合する係合部材を有するハウジングと、
上記ハウジングの上記嵌合部が上記リテーナに嵌合したときに上記ソケットの底部から上記嵌合側に向かって立ち上がるスクイブ端子に接触することになる接触部、および上記ハウジング本体から上記嵌合方向と交差する方向へ導出される外部導体に接続されることになる接続部を有して上記ハウジングに設けられることになる電気端子と、
上記ハウジングに、第1位置と上記第1位置よりも上記反嵌合側にある第2位置との間で移動自在に設けられ、上記第1位置にあるときは上記係合部材の当該係合部材が上記弾性変形する側に形成された第1空間に割り込んで上記弾性変形を阻止し、上記第2位置にあるときは上記第1空間から退避して上記係合部材の上記弾性変形を許容するロック部材と、
上記ハウジングに、上記ロック部材を上記第1位置へ押すように設けられた弾性部材と、
上記ロック部材が上記第1位置と上記第2位置の直前位置との間にあるときは上記嵌合方向に沿って上記ロック部材を上記リテーナ又は上記インフレータハウジングに干渉させ、上記ロック部材が上記第2位置に至ると上記干渉を解除して上記ロック部材の上記第1位置への移動を許可する制御機構とを備え、
上記ハウジングは、上記反嵌合側に開放されて上記電気端子および上記外部導体が配置されることになる第2空間が形成されるように設けられており、
上記ロック部材および上記弾性部材が、上記ハウジングにおいて上記嵌合方向からみて上記第2空間を除いた空間に含まれる第3空間に配置されている電気コネクタ。
嵌合側の表面から反嵌合側に向かって凹むソケットが設けられたインフレータハウジング、スクイブ端子が上記ソケットの底部から上記嵌合側に向かって立ち上がるように上記インフレータハウジングの反嵌合側に設けられたスクイブ、および上記ソケットに装着されたリテーナを有する相手装置と、
上記相手装置に接続することになるハーネスとを備えたスクイブの接続装置であって、
上記ハーネスは、電気コネクタと、この電気コネクタに接続された外部導体とを備え、
上記電気コネクタは、
ハウジング本体、上記ハウジング本体に設けられると共にインフレータハウジングの嵌合側の表面から反嵌合側に向かって凹むソケットに装着されたリテーナに嵌合することになる嵌合部、および上記嵌合部が上記リテーナへ嵌合するときに弾性変形して上記ソケット又は上記リテーナの凸部を乗り越えてから弾性復原して上記凸部よりも上記反嵌合側に設けられた凹部に係合する係合部材を有するハウジングと、
上記ハウジングの上記嵌合部が上記リテーナに嵌合したときに上記ソケットの底部から上記嵌合側に向かって立ち上がるスクイブ端子に接触することになる接触部、および上記ハウジングから上記嵌合方向と交差する方向へ導出される上記外部導体に接続された接続部を有して上記ハウジングに設けられた電気端子と、
上記ハウジングに、第1位置と上記第1位置よりも上記反嵌合側にある第2位置との間で移動自在に設けられ、上記第1位置にあるときは上記係合部材の当該係合部材が上記弾性変形する側に形成された第1空間に割り込んで上記弾性変形を阻止し、上記第2位置にあるときは上記第1空間から退避して上記係合部材の上記弾性変形を許容するロック部材と、
上記ハウジングに、上記ロック部材を上記第1位置へ押すように設けられた弾性部材と、
上記ロック部材が上記第1位置と上記第2位置の直前位置との間にあるときは上記嵌合方向に沿って上記ロック部材を上記リテーナ又は上記インフレータハウジングに干渉させ、上記ロック部材が上記第2位置に至ると上記干渉を解除して上記ロック部材の上記第1位置への移動を許可する制御機構とを備え、
上記ハウジングは、上記反嵌合側に開放されて上記電気端子および上記外部導体が配置された第2空間が形成されるように設けられており、
上記ロック部材および上記弾性部材が、上記ハウジングにおいて上記嵌合方向からみて上記第2空間を除いた空間に含まれる第3空間に配置されているスクイブの接続装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のコネクタ組立体は、電気端子と、この電気端子に接続されて上記コネクタハウジングから外部へ引き出された電線とを備えている。したがって、上記コネクタ組立体からハーネスを組み上げる場合、上記電気端子に上記電線を接続し、この電線付き電気端子を上記コネクタハウジングに組み付け、上記二次ロック部材および上記安全バネ棒をそれぞれ上記コネクタハウジングに組み付けるという作業を要する。そのため、上記ハーネスの組立現場に上記コネクタハウジング、上記電気端子、上記電線、上記二次ロック部材、および上記安全バネ棒をバラバラに供給し、上記組立作業を進める必要がある。
【0005】
本発明は、このような点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、上記二次ロック部材などのロック部材、および上記安全バネ棒などの弾性部材などと、上記電気端子、および上記電線などの外部導体との配置を改善することにより、この種の電気コネクタを用いたハーネスの組立現場に持ち込む部品点数を出来るだけ少なくして、組立性を向上させた電気コネクタを提供し、さらにそれを用いたハーネス、およびスクイブの接続装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の電気コネクタは、
ハウジング本体、上記ハウジング本体に設けられると共にインフレータハウジングの嵌合側の表面から反嵌合側に向かって凹むソケットに装着されたリテーナに嵌合することになる嵌合部、および上記嵌合部が上記リテーナへ嵌合するときに弾性変形して上記ソケット又は上記リテーナの凸部を乗り越えてから復原して上記凸部よりも上記反嵌合側に設けられた凹部に係合する係合部材を有するハウジングと、
上記ハウジングの上記嵌合部が上記リテーナに嵌合したときに上記ソケットの底部から上記嵌合側に向かって立ち上がるスクイブ端子に接触することになる接触部、および上記ハウジング本体から上記嵌合方向と交差する方向へ導出される外部導体に接続されることになる接続部を有して上記ハウジングに設けられることになる電気端子と、
上記ハウジングに、第1位置と上記第1位置よりも上記反嵌合側にある第2位置との間で移動自在に設けられ、上記第1位置にあるときは上記係合部材の当該係合部材が上記弾性変形する側に形成された第1空間に割り込んで上記弾性変形を阻止し、上記第2位置にあるときは上記第1空間から退避して上記係合部材の上記弾性変形を許容するロック部材と、
上記ハウジングに、上記ロック部材を上記第1位置へ押すように設けられた弾性部材と、
上記ロック部材が上記第1位置と上記第2位置の直前位置との間にあるときは上記嵌合方向に沿って上記ロック部材を上記リテーナ又は上記インフレータハウジングに干渉させ、上記ロック部材が上記第2位置に至ると上記干渉を解除して上記ロック部材の上記第1位置への移動を許可する制御機構とを備え、
上記ハウジングは、上記反嵌合側に開放されて上記電気端子および上記外部導体が配置されることになる第2空間が形成されるように設けられており、
上記ロック部材および上記弾性部材が、上記ハウジングにおいて上記嵌合方向からみて上記第2空間を除いた空間に含まれる第3空間に配置されている電気コネクタである。
【0007】
上記電気端子に上記外部導体を接続し、この外部導体付き電気端子を上記ハウジングに組み付け、上記ハウジングを上記リテーナに乗せて上記ハウジングを上記嵌合側へ押すと、上記ロック部材が上記第1位置から上記第2位置へ向かうと共に上記弾性部材が弾性変形するが、上記制御機構により、上記第2位置の上記直前位置までは上記嵌合方向に沿って上記ロック部材が上記リテーナ又は上記インフレータハウジングに干渉するので、上記ハウジングを離すと、上記弾性部材の復原力により上記ロック部材が上記第1位置へ戻る。一方、上記ロック部材が上記第2位置に至ると、上記制御機構により、上記干渉が解除されて上記ロック部材が上記弾性部材の上記復原力により上記第1位置へ移動する。このときに、上記ハウジングの上記嵌合部が上記リテーナに嵌合するように構成すれば、上記電気端子の上記接触部が上記スクイブ端子に接触し、上記係合部材が上記インフレータハウジング又は上記リテーナの上記凹部に係合し、上記第1位置に位置づけられた上記ロック部材により上記係合部材の上記第1空間への上記弾性変形が阻止される。その場合、上記嵌合方向からみて上記第2空間と上記第3空間とは干渉しないので、上記ハウジングに上記ロック部材および上記弾性部材を、上記第3空間に収まるように組み付けた状態で、上記ハウジングに上記電気端子および上記外部導体を、上記第2空間に収まるように組み付けることが可能となる。そのため、上記電気コネクタに上記外部導体を接続してハーネスを組み立てる場合、上記ハーネスの組立現場には、少なくとも上記ハウジング、上記ロック部材、および上記弾性部材を組み付けた電気コネクタ半完成品と、上記電気端子と、上記外部導体とを供給すればよい。そして、上記電気端子に上記外部導体を接続し、この外部導体付き電気端子を上記電気コネクタ半完成品に装着すれば、上記ハーネスが完成する。よって、上記従来のハーネスのように、組立現場に上記コネクタハウジング、上記電気端子、上記電線、上記二次ロック部材、および上記安全バネ棒をバラバラに供給することに較べると、上記ハーネスの組立現場に持ち込む部品点数が少なくなり、組立性が向上する。
【0008】
第2の電気コネクタは、上記第1の電気コネクタにおいて、
上記第3空間が、上記嵌合方向からみてU字状に形成されている。
【0009】
このようにすれば、上記嵌合方向からみて、上記ハウジングの央部から一つの端縁にかけて上記電気端子および上記外部導体が配置され、これを囲む上記第3空間に上記ロック部材および上記弾性部材が配置されるので、他のレイアウトに対して比較的コンパクトでバランスのよい部材配置が実現する可能性が高い。
【0010】
第3の電気コネクタは、上記第2の電気コネクタにおいて、
上記弾性部材が棒状に形成されており、
上記弾性部材が、上記ハウジングにおける上記第3空間のうち中途部を除く両側の少なくとも一方側に配置され、
上記弾性部材の上記外部導体が導出される側にある第1の端部が上記ハウジングに取り付けられ、
上記弾性部材の上記第1の端部と反対側の第2の端部が上記ロック部材に取り付けられている電気コネクタである。
【0011】
このようにすれば、上記弾性部材を上記第3空間のうち中途部を除く両側の一方側に配置した態様、他方側に配置した態様、又は上記両側に配置した態様の上記電気コネクタが実現する。上記弾性部材を上記両側に配置すれば、上記両側で行われる弾性変形、弾性復原などのバランスがとれる可能性が高くなる。
【0012】
第4の電気コネクタは、上記第2の電気コネクタにおいて、
上記弾性部材が上記第3空間に対応してU字状に形成されており、
上記弾性部材が、上記ハウジングにおける上記第3空間に配置され、
上記弾性部材の上記外部導体が導出される側の二つの第1の端部がそれぞれ上記ハウジングに取り付けられ、
上記弾性部材の上記二つの第1の端部と反対側の第2の端部が上記ロック部材に取り付けられている電気コネクタである。
【0013】
このようにすれば、単一の上記弾性部材を備えた上記電気コネクタが実現する。そして、上記両側で行われる弾性変形、弾性復原などのバランスがとれる可能性が高くなる。
【0014】
第5の電気コネクタは、上記第1ないし上記第4のうちいずれか一つの電気コネクタにおいて、
上記制御機構が、上記ロック部材に設けられ、上記嵌合側へ延びて上記リテーナ又はインフレータハウジングに当たる脚部と、
上記ハウジングに設けられ、上記ロック部材が上記第1位置から上記第2位置へ向かうと上記脚部を押して上記リテーナ又はインフレータハウジングから外す解除部材とを備えている電気コネクタである。
【0015】
このようにすれば、上記ハウジングを上記リテーナ又は上記インフレータハウジングに乗せて上記ハウジングを上記嵌合側へ押すと、上記ロック部材が上記第1位置から上記第2位置へ向かうと共に上記弾性部材が弾性変形するが、上記第2位置の上記直前位置までは上記嵌合方向に沿って上記ロック部材が上記脚部により上記リテーナ又は上記インフレータハウジングに干渉するので、上記ハウジングを離すと、上記弾性部材の復原力により上記ロック部材が上記第1位置へ戻る。一方、上記ロック部材が上記第2位置に至ると、上記脚部が上記解除部材に押されて上記リテーナ又はインフレータハウジングから外れ、上記干渉が解除されて上記ロック部材が上記弾性部材の上記復原力により上記第1位置へ移動する。このときに、上記ハウジングの上記嵌合部が上記リテーナに嵌合するように構成すれば、上記電気端子の上記接触部が上記スクイブ端子に接触し、上記係合部材が上記インフレータハウジング又は上記リテーナの上記凹部に係合し、上記第1位置に位置づけられた上記ロック部材により上記係合部材の上記第1空間への上記弾性変形が阻止される。
【0016】
第6の電気コネクタは、上記第1ないし上記第5のうちいずれか一つの電気コネクタにおいて、
上記ハウジング本体の上記反嵌合側には、蓋が設けられている電気コネクタである。
【0017】
このようにすれば、上記ハウジングの内部が保護される。
【0018】
本発明のハーネスは、電気コネクタと、この電気コネクタに接続された外部導体とを備えたハーネスであって、
上記電気コネクタは、
ハウジング本体、上記ハウジング本体に設けられると共にインフレータハウジングの嵌合側の表面から反嵌合側に向かって凹むソケットに装着されたリテーナに嵌合することになる嵌合部、および上記嵌合部が上記リテーナへ嵌合するときに弾性変形して上記ソケット又は上記リテーナの凸部を乗り越えてから弾性復原して上記凸部よりも上記反嵌合側に設けられた凹部に係合する係合部材を有するハウジングと、
上記ハウジングの上記嵌合部が上記リテーナに嵌合したときに上記ソケットの底部から上記嵌合側に向かって立ち上がるスクイブ端子に接触することになる接触部、および上記ハウジングから上記嵌合方向と交差する方向へ導出される上記外部導体に接続された接続部を有して上記ハウジングに設けられた電気端子と、
上記ハウジングに、第1位置と上記第1位置よりも上記反嵌合側にある第2位置との間で移動自在に設けられ、上記第1位置にあるときは上記係合部材の当該係合部材が上記弾性変形する側に形成された第1空間に割り込んで上記弾性変形を阻止し、上記第2位置にあるときは上記第1空間から退避して上記係合部材の上記弾性変形を許容するロック部材と、
上記ハウジングに、上記ロック部材を上記第1位置へ押すように設けられた弾性部材と、
上記ロック部材が上記第1位置と上記第2位置の直前位置との間にあるときは上記嵌合方向に沿って上記ロック部材を上記リテーナ又は上記インフレータハウジングに干渉させ、上記ロック部材が上記第2位置に至ると上記干渉を解除して上記ロック部材の上記第1位置への移動を許可する制御機構とを備え、
上記ハウジングは、上記反嵌合側に開放されて上記電気端子および上記外部導体が配置された第2空間が形成されるように設けられており、
上記ロック部材および上記弾性部材が、上記ハウジングにおいて上記嵌合方向からみて上記第2空間を除いた空間に含まれる第3空間に配置されているハーネスである。
【0019】
上記電気端子に上記外部導体を接続し、この外部導体付き電気端子を上記ハウジングに組み付け、上記ハウジングを上記リテーナに乗せて上記ハウジングを上記嵌合側へ押すと、上記ロック部材が上記第1位置から上記第2位置へ向かうと共に上記弾性部材が弾性変形するが、上記制御機構により、上記第2位置の上記直前位置までは上記嵌合方向に沿って上記ロック部材が上記リテーナ又は上記インフレータハウジングに干渉するので、上記ハウジングを離すと、上記弾性部材の復原力により上記ロック部材が上記第1位置へ戻る。一方、上記ロック部材が上記第2位置に至ると、上記制御機構により、上記干渉が解除されて上記ロック部材が上記弾性部材の上記復原力により上記第1位置へ移動する。このときに、上記ハウジングの上記嵌合部が上記リテーナに嵌合するように構成すれば、上記電気端子の上記接触部が上記スクイブ端子に接触し、上記係合部材が上記インフレータハウジング又は上記リテーナの上記凹部に係合し、上記第1位置に位置づけられた上記ロック部材により上記係合部材の上記第1空間への上記弾性変形が阻止される。その場合、上記嵌合方向からみて上記第2空間と上記第3空間とは干渉しないので、上記ハウジングに上記ロック部材および上記弾性部材を、上記第3空間に収まるように組み付けた状態で、上記ハウジングに上記電気端子および上記外部導体を、上記第2空間に収まるように組み付けることが可能となる。そのため、上記電気コネクタに上記外部導体を接続して上記ハーネスを組み立てる場合、上記ハーネスの組立現場には、少なくとも上記ハウジング、上記ロック部材、および上記弾性部材を組み付けた電気コネクタ半完成品と、上記電気端子と、上記外部導体とを供給すればよい。そして、上記電気端子に上記外部導体を接続し、この外部導体付き電気端子を上記電気コネクタ半完成品に装着すれば、上記ハーネスが完成する。よって、上記従来のハーネスのように、組立現場に上記コネクタハウジング、上記電気端子、上記電線、上記二次ロック部材、および上記安全バネ棒をバラバラに供給することに較べると、上記ハーネスの組立現場に持ち込む部品点数が少なくなり、組立性が向上する。
【0020】
本発明のスクイブの接続装置は、
嵌合側の表面から反嵌合側に向かって凹むソケットが設けられたインフレータハウジング、スクイブ端子が上記ソケットの底部から上記嵌合側に向かって立ち上がるように上記インフレータハウジングの反嵌合側に設けられたスクイブ、および上記ソケットに装着されたリテーナを有する相手装置と、
上記相手装置に接続することになるハーネスとを備えたスクイブの接続装置であって、
上記ハーネスは、電気コネクタと、この電気コネクタに接続された外部導体とを備え、
上記電気コネクタは、
ハウジング本体、上記ハウジング本体に設けられると共にインフレータハウジングの嵌合側の表面から反嵌合側に向かって凹むソケットに装着されたリテーナに嵌合することになる嵌合部、および上記嵌合部が上記リテーナへ嵌合するときに弾性変形して上記ソケット又は上記リテーナの凸部を乗り越えてから弾性復原して上記凸部よりも上記反嵌合側に設けられた凹部に係合する係合部材を有するハウジングと、
上記ハウジングの上記嵌合部が上記リテーナに嵌合したときに上記ソケットの底部から上記嵌合側に向かって立ち上がるスクイブ端子に接触することになる接触部、および上記ハウジングから上記嵌合方向と交差する方向へ導出される上記外部導体に接続された接続部を有して上記ハウジングに設けられた電気端子と、
上記ハウジングに、第1位置と上記第1位置よりも上記反嵌合側にある第2位置との間で移動自在に設けられ、上記第1位置にあるときは上記係合部材の当該係合部材が上記弾性変形する側に形成された第1空間に割り込んで上記弾性変形を阻止し、上記第2位置にあるときは上記第1空間から退避して上記係合部材の上記弾性変形を許容するロック部材と、
上記ハウジングに、上記ロック部材を上記第1位置へ押すように設けられた弾性部材と、
上記ロック部材が上記第1位置と上記第2位置の直前位置との間にあるときは上記嵌合方向に沿って上記ロック部材を上記リテーナ又は上記インフレータハウジングに干渉させ、上記ロック部材が上記第2位置に至ると上記干渉を解除して上記ロック部材の上記第1位置への移動を許可する制御機構とを備え、
上記ハウジングは、上記反嵌合側に開放されて上記電気端子および上記外部導体が配置された第2空間が形成されるように設けられており、
上記ロック部材および上記弾性部材が、上記ハウジングにおいて上記嵌合方向からみて上記第2空間を除いた空間に含まれる第3空間に配置されているスクイブの接続装置である。
【0021】
上記電気端子に上記外部導体を接続し、この外部導体付き電気端子を上記ハウジングに組み付け、上記ハウジングを上記リテーナに乗せて上記ハウジングを上記嵌合側へ押すと、上記ロック部材が上記第1位置から上記第2位置へ向かうと共に上記弾性部材が弾性変形するが、上記制御機構により、上記第2位置の上記直前位置までは上記嵌合方向に沿って上記ロック部材が上記リテーナ又は上記インフレータハウジングに干渉するので、上記ハウジングを離すと、上記弾性部材の復原力により上記ロック部材が上記第1位置へ戻る。一方、上記ロック部材が上記第2位置に至ると、上記制御機構により、上記干渉が解除されて上記ロック部材が上記弾性部材の上記復原力により上記第1位置へ移動する。このときに、上記ハウジングの上記嵌合部が上記リテーナに嵌合するように構成すれば、上記電気端子の上記接触部が上記スクイブ端子に接触し、上記係合部材が上記インフレータハウジング又は上記リテーナの上記凹部に係合し、上記第1位置に位置づけられた上記ロック部材により上記係合部材の上記第1空間への上記弾性変形が阻止される。その場合、上記嵌合方向からみて上記第2空間と上記第3空間とは干渉しないので、上記ハウジングに上記ロック部材および上記弾性部材を、上記第3空間に収まるように組み付けた状態で、上記ハウジングに上記電気端子および上記外部導体を、上記第2空間に収まるように組み付けることが可能となる。そのため、上記電気コネクタに上記外部導体を接続して上記ハーネスを組み立てる場合、上記ハーネスの組立現場には、少なくとも上記ハウジング、上記ロック部材、および上記弾性部材を組み付けた電気コネクタ半完成品と、上記電気端子と、上記外部導体とを供給すればよい。そして、上記電気端子に上記外部導体を接続し、この外部導体付き電気端子を上記電気コネクタ半完成品に装着すれば、上記ハーネスが完成する。よって、上記従来のハーネスのように、組立現場に上記コネクタハウジング、上記電気端子、上記電線、上記二次ロック部材、および上記安全バネ棒をバラバラに供給することに較べると、上記ハーネスの組立現場に持ち込む部品点数が少なくなり、組立性が向上する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の上記第1の電気コネクタは、上記ロック部材および上記弾性部材を、上記ハウジングにおいて上記嵌合方向からみて、上記反嵌合側に開放されて上記電気端子および上記外部導体が配置されることになる上記第2空間を除いた空間に含まれる上記第3空間に配置したので、上記電気コネクタを用いた上記ハーネスの組立現場に持ち込む部品点数を出来るだけ少なくして、組立性を向上させた電気コネクタを提供することができた。
【0023】
本発明の上記第2の電気コネクタは、上記第1の電気コネクタにより得られる効果が得られることに加え、さらに、他のレイアウトに対して比較的コンパクトでバランスのよい部材配置が実現する可能性が高くなる。
【0024】
本発明の上記第3の電気コネクタは、上記第2の電気コネクタにより得られる効果が得られることに加え、さらに、上記弾性部材の配置が異なる三つの態様の上記電気コネクタを実現することができた。また、上記弾性部材を上記両側に配置すれば、上記両側で行われる弾性変形、弾性復原などのバランスがとれる可能性を高くすることができる。
【0025】
本発明の上記第4の電気コネクタは、上記第2の電気コネクタにより得られる効果が得られることに加え、さらに、単一の上記弾性部材を備えた上記電気コネクタを実現することができた。また、上記両側で行われる弾性変形、弾性復原などのバランスがとれる可能性を高くすることができる。
【0026】
本発明の上記第5の電気コネクタは、上記第1ないし上記第4のうちいずれか一つの電気コネクタにより得られる効果が得られることに加え、さらに、上記脚部、および上記解除部材を用いて上記制御機構を実現することができた。
【0027】
本発明の上記第6の電気コネクタは、上記第1ないし上記第5のうちいずれか一つの電気コネクタにより得られる効果が得られることに加え、さらに、上記蓋により、上記ハウジングの内部を保護することができた。
【0028】
本発明の上記ハーネスは、上記ロック部材および上記弾性部材を、上記ハウジングにおいて上記嵌合方向からみて、上記反嵌合側に開放されて上記電気端子および上記外部導体が配置されることになる上記第2空間を除いた空間に含まれる第3空間に配置したので、上記電気コネクタを用いた上記ハーネスの組立現場に持ち込む部品点数を出来るだけ少なくして、組立性を向上させた上記電気コネクタを備えるハーネスを提供することができた。
【0029】
本発明の上記スクイブの接続装置は、上記ロック部材および上記弾性部材を、上記ハウジングにおいて上記嵌合方向からみて、上記反嵌合側に開放されて上記電気端子および上記外部導体が配置されることになる上記第2空間を除いた空間に含まれる第3空間に配置したので、上記電気コネクタを用いた上記ハーネスの組立現場に持ち込む部品点数を出来るだけ少なくして、組立性を向上させた上記電気コネクタ、および上記ハーネスを備えたスクイブの接続装置を提供することができた。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし
図14は、本発明の電気コネクタ、ハーネス、およびスクイブの接続装置の一つの実施形態を示す。上記電気コネクタ、ハーネス、および上記スクイブの接続装置は、エアバッグを膨らませる装置であるインフレータを構成する要素である。
図1に示すように、上記スクイブの接続装置Dは、インフレータハウジング200、スクイブ300、およびリテーナ400を有する相手装置Cと、上記相手装置Cに嵌合することになる上記ハーネスHとを備えており、上記ハーネスHは、上記電気コネクタ100と、外部導体500とを備えている。このように嵌合することになる上記電気コネクタ100および上記相手装置Cにおいて、一方における他方に対して嵌合する側を嵌合側とし、上記電気コネクタ100および上記相手装置Cで上記嵌合側同士を対向させたときに一方における他方へ向かう方向を嵌合方向とする。上記嵌合側の反対側を反嵌合側とし、上記嵌合方向の反対方向を反嵌合方向とする。以下、部材又は部分に対して単に上記嵌合側若しくは上記嵌合方向又は上記反嵌合側若しくは上記反嵌合方向というときは、その部材又は部分が上記電気コネクタ100に設けられているときは当該電気コネクタ100の上記嵌合側若しくは上記嵌合方向又は上記反嵌合側若しくは上記反嵌合方向のことであり、その部材又は部分が上記相手装置Cに設けられているときは当該相手装置Cの上記嵌合側若しくは上記嵌合方向又は上記反嵌合側若しくは上記反嵌合方向のことである。したがって、例えば
図7を符号が正しく読める向きに置くと、上記電気コネクタ100の上記嵌合側は図の上記電気コネクタ100の下側を指し、上記嵌合方向は図の上記電気コネクタ100の下方向を指し、上記反嵌合側は図の上記電気コネクタ100の上側を指し、上記反嵌合方向は図の上記電気コネクタ100の上方向を指す。また同じ図で、上記相手装置Cの上記嵌合側は図の上記相手装置Cの上側を指し、上記嵌合方向は図の上記相手装置Cの上方向を指し、上記反嵌合側は図の上記相手装置Cの下側を指し、上記反嵌合方向は図の上記相手装置Cの下方向を指す。
【0032】
図1、および
図5ないし
図14に示すように、上記インフレータハウジング200はアルミ合金で形成されているが、このような導電性の材料により形成してもよいし、絶縁性の材料又はその他の材料により形成してもよい。上記インフレータハウジング200には、上記嵌合側の表面から上記反嵌合側に向かって凹むソケット210が設けられている。上記ソケット210は内部空間が円柱状になるように形成されているが、上記内部空間が角柱状又はその他の形状になるように形成してもよい。
【0033】
図1、および
図5ないし
図14に示すように、上記スクイブ300の上記嵌合側には、上記嵌合側に向かって立ち上がる一対のスクイブ端子310が設けられている。このスクイブ端子310は、導電性材料により棒状に形成されているが、例えば筒状、板状、又はその他の形状に形成してもよい。上記スクイブ端子310はピンと呼ばれることもある。上記スクイブ300に上記一対のスクイブ端子310を介して電流を流すと、その電気エネルギを受けて上記スクイブ300が発熱する。上記インフレータハウジング200が導電性の材料により形成されているので、上記スクイブ端子310の周囲には絶縁性の部材が設けられていて、上記スクイブ端子310と上記インフレータハウジング200とを絶縁している。例えば接地の取り方などにより、上記スクイブ端子が単極になることがあるし、三極以上になることもある。そして、上記スクイブ300は、上記インフレータハウジング200の上記反嵌合側に、上記スクイブ端子310が上記ソケット210の底部から上記嵌合側に向かって立ち上がるように設けられている。上記スクイブ300の周囲には点火剤およびガス発生剤が配設されている。上記インフレータハウジング200の上記反嵌合側には収縮したエアバッグが納められている。よって、スクイブ300が電気エネルギを受けて発熱すると上記点火剤が点火し、これによってガス発生剤がガスを発生し、このガスが上記エアバッグを展開させるようになっている。
【0034】
図1に示すように、上記リテーナ400は、合成樹脂により形成されているが、このような絶縁性の材料により形成してもよいし、例えば上記スクイブ端子310又は後述する電気端子120と絶縁する構成を採用するときには、導電性の材料又はその他の材料により形成してもよい。上記リテーナ400は、外形が上記ソケット210の内部空間に対応する形状に形成されているので、この実施形態の場合、上記リテーナ400の横断面の外周がほぼ円状になるように形成されているが、上記ソケット210の内部空間に含まれる形状であれば上記リテーナの横断面の外周が多角形又はその他の形状になるように形成してもよい。上記リテーナ400は、内部に、上記嵌合方向に貫通して上記反嵌合側から上記スクイブ端子310を導入する空洞が形成されるように設けられている。上記リテーナ400は上記ソケット210に装着されている。上記リテーナ400と上記ソケット210との係合力を確保するため、上記リテーナ400の外周壁に突起410が設けられ、この突起410が、上記ソケット210に設けられた溝212に嵌まっている。上記溝212は、上記インフレータハウジング200の上記ソケット210を構成する壁211から外側へ凹んで設けられている。上記ソケット210の外側とは、上記ソケット210において、上記嵌合方向にみて上記ソケット210の央部から遠い側であり、その反対側が内側である。そして、上記リテーナ400を上記ソケット210に押し込むと、上記突起410が上記壁211に押されて上記リテーナ400の央部に近付くように弾性変形することで上記リテーナ400の上記ソケット210への挿入が可能となり、上記突起410が上記溝212の位置にくると上記突起410が復原して上記突起410が上記溝212に嵌まり、これによって上記リテーナ400と上記ソケット210とが係合する。
【0035】
この実施形態の場合、上記外部導体500は、芯線と、この芯線を被覆する絶縁被覆とを備えた電線である。上記外部導体500は、上記電線の他にも例えばシールドケーブル又はその要素を含み、また例えばFFC(フレキシブルフラットケーブル)などの平形柔軟ケーブル又はその要素を含み、さらに、その他の導電体を備えた導電手段を含んでいる。
【0036】
図3に示すように、上記電気コネクタ100は、ハウジング110と、電気端子120と、ロック部材130と、弾性部材140と、制御機構150とを備えている。上記電気端子120には上記外部導体500が接続されている。上記電気コネクタ100には、さらに、蓋114が設けられており、上記外部導体500には、当該外部導体500の一部を構成しているノイズ対策用のフェライト600が設けられているが、本発明は、上記蓋を設けない実施形態、上記フェライトを設けない実施形態を含んでいる。
【0037】
上記ハウジング110は合成樹脂により形成されているが、このような絶縁性の材料により形成してもよいし、例えば上記電気端子120又は上記スクイブ端子310と絶縁する構成を採用するときには、導電性の材料又はその他の材料により形成してもよい。上記ハウジング110は、ハウジング本体111と、上記ハウジング本体111に設けられて上記リテーナ400に嵌合することになる嵌合部112と、上記インフレータハウジング200又は上記リテーナに係合することになる係合部材113とを備えている。
【0038】
上記ハウジング本体111は、上記嵌合方向と直交する方向に延びており、その一端側から上記嵌合部112が上記嵌合方向へ延びている。しかし、これによって上記ハウジング本体および上記嵌合部の形状が限定解釈されることはない。上記ハウジング本体が、例えば、長手方向をもたない例えば立方体などの形状に形成されていてもよいし、上記ハウジング本体の長手方向が上記嵌合方向に対して零度を越えて180度未満の角度をなすように形成されていてもよい。また、上記嵌合部は上記ハウジング本体の上記嵌合側に設けられておればよく、上記ハウジング本体における上記嵌合方向に向いた面内のどの位置に設けてもよい。
【0039】
上記嵌合部112と上記リテーナ400とは、一方に設けられた凸部を他方に設けられた凹部に挿入することで嵌合し、さらに上記凸部を上記凹部から抜くことで離脱する。変形例として、上記嵌合部が上記リテーナに嵌合すると外れなくなるようにしてもよい。この実施形態の場合、上記嵌合部112に、凸部として第1筒状部112aが設けられ、これに対応して上記リテーナ400には凹部として第2筒状部420が設けられており、上記第1筒状部112aが上記第2筒状部420の内側に入ることで上記嵌合を行うようになっている。これとは逆に、上記第2筒状部が上記第1筒状部の内側に入ることで上記嵌合を行うようにしてもよい。ここでは上記第1筒状部112aも上記第2筒状部420も円筒状に形成したが、例えば角筒状、楕円筒状、又はその他の筒状に形成してもよい。この実施形態の場合、さらに、上記嵌合部112の上記第1筒状部112aの内側に、凸部として第3筒状部112bが設けられ、これに対応して上記リテーナ400の上記第2筒状部420の内側に、凹部として第4筒状部430が設けられており、上記第3筒状部112bが上記第4筒状部430の内側に入ることで上記嵌合を行うようになっている。そして、上記第3筒状部112bの内部に上記電気端子120が配置され、上記第4筒状部430の内部が上記空洞になっていて上記スクイブ端子310を配置している。しかし、例えば上記第1筒状部112aと上記第2筒状部420との嵌合のみで上記嵌合部112と上記リテーナ400とが安定的に嵌合する場合などには、上記第3筒状部112bおよび上記第4筒状部430を設けなくてもよい。
【0040】
図1ないし
図4、および
図6ないし
図14に示すように、上記係合部材113は、可撓性を有しており、上記ハウジング110に設けられている。上記係合部材113は、上記ハウジング本体111に設けられているが、上記嵌合部に設けられていてもよい。上記係合部材113は上記嵌合方向にみて上記ハウジング本体111の央部を通る線に対して対称になるように四つ設けられているが、設ける上記係合部材113の数は一つでも二つ以上であってもよいし、上記嵌合方向にみて、どの部位に設けられていてもよい。上記係合部材113は、片持ち梁状に設けられて上記嵌合方向に沿って延びている。この実施形態の場合、上記係合部材113は上記嵌合方向に向かって延びているが、上記反嵌合方向へ延びてもよい。上記係合部材113は、弾性変形する接続部113aを介して上記嵌合方向又は上記反嵌合方向と直交する方向である軸Xのまわりに傾くことができるように上記ハウジング110に接続されている。上記軸Xは仮想的な軸である。この実施形態の場合、上記嵌合部材113は、このように上記接続部113aを介して上記軸Xのまわりに傾くことができるように上記ハウジング本体111に接続されている。
【0041】
上記係合部材113の上記接続部113aよりも自由端側の端部には突出部113bが設けられている。上記突出部113bは上記係合部材113の外側に突き出ている。上記係合部材113の外側とは、上記係合部材113において、上記嵌合方向にみて上記嵌合部112の上記央部から遠い側であり、その反対側が内側である。そして、上記係合部材113は、上記嵌合部112を上記リテーナ400に上記嵌合方向へ嵌めていくと、上記嵌合部112が上記リテーナ400へ嵌合するときに弾性変形して上記ソケット210の凸部を乗り越えてから復原して上記ソケット210における上記凸部よりも上記反嵌合側に設けられた凹部に係合するように構成されている。また、上記係合部材113は、上記嵌合部112を上記リテーナ400から上記反嵌合方向へ抜いていくと、上記突出部113bが上記凹部から外れて上記ソケット210の凸部に乗り上げるように構成されている。しかし、本発明は、上記係合部材が上記凹部に係合すると外れなくなるようにした実施形態も含んでいる。
図17は、上記電気コネクタ100の変形例を示す。この電気コネクタ100の場合、上記突出部113bは上記係合部材113の上記内側に突き出ている。そして、上記係合部材113は、上記嵌合部112を上記リテーナ400に上記嵌合方向へ嵌めていくと、上記嵌合部112が上記リテーナ400へ嵌合するときに弾性変形して上記リテーナ400の凸部を乗り越えてから復原して上記リテーナ400における上記凸部よりも上記反嵌合側に設けられた凹部に係合するように構成されている。また、上記係合部材113は、上記嵌合部112を上記リテーナ400から上記反嵌合方向へ抜いていくと、上記突出部113bが上記凹部から外れて上記リテーナ400の凸部に乗り上げるように構成されている。しかし、本発明は、上記係合部材が上記凹部に係合すると外れなくなるようにした実施形態も含んでいる。上記凸部および上記凹部は、上記係合部材が上記嵌合方向へ移動したときに上記突出部が当たるように上記嵌合方向と交差する方向に沿って出た部位が凸部であり、上記突出部が嵌まるように上記嵌合方向と交差する方向に沿って凹んだ部位が凹部である。上記ソケット210の凹部は上記溝212であるが、他に別途に形成してもよい。また、上記ソケット210の凸部は上記凹部よりも上記嵌合側にある上記壁211であるが、上記凸部又は上記凹部を上記ソケットの他の部位に設けてもよい。上記突出部を上記係合部材の上記内側に突き出した上記変形例の場合、上記凸部は上記第4筒状部430の上記嵌合側の部位であり、上記凹部は上記第4筒状部430に設けられた開口であるが、上記凸部又は上記凹部を上記リテーナの他の部位に設けてもよい。上記係合部材を上記接続部よりも上記自由端の反対側に延ばして操作部を設けてもよい。その場合、上記係合部材の上記操作部を押すか引いて上記係合部材を上記接続部を支点にして傾かせると、上記突出部が上記凹部から外れるので、その状態で上記嵌合部を上記リテーナから上記反嵌合方向へ抜いていくことになる。このことは、上記突出部を上記係合部材の上記内側に突き出した上記変形例の場合も同様である。
【0042】
上記係合部材113の上記突出部113bの上記反嵌合側の面は、上記突出部113bの先端に向かうにつれて、つまり上記係合部材113の上記外側に向かうにつれて上記嵌合側に寄るように傾斜して設けられている。こうすることで、上記ハウジング110を上記反嵌合側へ抜くときに上記突出部113bが上記凹部から外れやすくなるようにしている。上記突出部113bが上記係合部材113の上記内側に突き出た上記変形例では、上記突出部の上記反嵌合側の面を、上記突出部の先端に向かうにつれて、つまり上記係合部材の上記内側に向かうにつれて上記嵌合側に寄るように傾斜して設ければよい。このように上記係合部材113の上記突出部113bの上記反嵌合側の面を傾斜させることに代えて、又は、そうすることに加えて、上記ソケット210の上記凹部の上記反嵌合側に向いた面を、上記ソケット210の上記内側に向かうにつれて上記嵌合側に寄るように傾斜して設けてもよい。同様に、上記突出部が上記係合部材の上記内側に突き出た上記変形例では、上記リテーナの上記凹部の上記反嵌合側に向いた面を、上記リテーナの上記外側に向かうにつれて上記嵌合側に寄るように傾斜して設けてもよい。上記係合部材が上記凹部に係合すると外れなくなるようにするときには、そのような構成をとらなくてもよい。
【0043】
そして、上記ハウジング110の上記嵌合部112が上記リテーナ400に嵌合すると、上記係合部材113の上記突出部113bが上記凹部としての上記溝212に掛かるように構成している。上記リテーナに上記凹部を設けたときも同様に、上記ハウジングの上記嵌合部が上記リテーナに嵌合すると、上記係合部材の上記突出部が上記リテーナの上記凹部に掛かるように構成する。
【0044】
図2、
図3、
図4、および
図6ないし
図14に示すように、上記電気端子120は、上記スクイブ端子310の数に応じた数だけ設けられている。したがって、この実施形態の場合、一対の上記電気端子120が設けられている。上記電気端子120は、導電性材料により形成され、接触部121と、接続部122とを備えており、上記ハウジング110に設けられている。そして、少なくとも上記ハウジング110の上記嵌合部112が上記リテーナ400に嵌合したときに、上記接触部121が上記スクイブ端子310に接触するように構成されている。上記ハウジング110の上記嵌合部112が上記リテーナ400に嵌合したときよりも嵌合長さが短いときでも上記接触部121が上記スクイブ端子310に接触していてもよく、この実施形態では、そのようになっている。上記ハウジング110の上記嵌合部112が上記リテーナ400に嵌合するとは、上記嵌合部112と上記リテーナ400との嵌合長さが設計目標とした嵌合長さに至り、上記電気端子120が上記スクイブ端子310に接触することであり、図でいえば
図12ないし
図14に示す状態である。上記電気端子120は板状物により形成されているが、他の形態の材料で形成してもよい。上記接触部121は上記電気端子120の上記嵌合側に設けられているが、上記電気端子の例えば上記反嵌合側又はその他の部位に設けられていてもよい。そして、上記嵌合部112を上記リテーナ400に嵌合すると、上記接触部121が上記スクイブ端子310に接触するように構成されている。上記スクイブ端子310が棒状に形成されているので、上記電気端子120の上記接触部121は、この上記スクイブ端子310に嵌まるように筒状に形成されている。これとは逆に上記スクイブ端子を筒状に形成すると共に、上記電気端子の上記接触部を上記スクイブ端子に嵌まるように棒状に形成してもよい。上記電気端子の上記接触部は、上記スクイブ端子に接触できる形状に形成されておればよく、例えば板状又はその他の形状に形成されていてもよい。上記接続部122は、上記外部導体500との接続構造を備えている。この実施形態の場合、上記外部導体500は、上記電線であるので、上記接続構造はワイヤーバレル、およびインシュレーションバレルにより構成されている。上記ワイヤーバレルは、上記電気端子120における板幅方向から立ち上がる圧着片であり、上記外部導体500の終端から露出する芯線をかしめる。上記インシュレーションバレルは、上記電気端子120における上記ワイヤーバレルに対して上記接触部121から遠い側で上記電気端子120の板幅方向から立ち上がる圧着片であり、上記外部導体500の終端の絶縁被覆をかしめる。また、上記接続構造は、例えば上記外部導体を圧接するための構造、上記外部導体をピアシングするための構造、上記外部導体をハンダ付けするための構造、又はその他の構造であってもよい。この実施形態の場合、上記接触部121が上記嵌合部112の内部に装着され、上記接続部122が上記ハウジング本体111の内部に装着されるので、上記接触部121が上記嵌合部112の長手方向である上記嵌合方向へ延び、上記接続部122が上記ハウジング本体111の長手方向である、上記嵌合方向と直交する方向に延びていて、上記電気端子120がL字状に形成されているが、上記電気端子は例えばI字状、V字状、又はその他の形状に形成されていてもよく、また上記接触部および上記接続部は上記ハウジングの外部に設けられていてもよい。
図18、および
図19は、上記電気コネクタ100の変形例を示す。この電気コネクタ100の場合、上記一対の上記電気端子120に加えて、さらに、他の電気端子120’(図示省略)が設けられている。その他の構成は、この実施形態の電気コネクタと同様である。上記他の電気端子120’は、上記嵌合側に設けられた上記接触部121’と、他の外部導体500’との接続構造を有する接続部(図示省略)とを備えている。上記接触部121’は、上記嵌合部112に設けられた開口から外へ出ており、上記嵌合部112が上記リテーナ400に嵌合すると、上記接触部121’が上記ソケット210の上記壁211に接触して上記インフレータハウジング200に導通するようになっている。上記他の外部導体500’は上記外部導体500と同様の構成の電線であるが、上記電線の他にも例えばシールドケーブル若しくはその要素、例えばFFCなどの平形柔軟ケーブル若しくはその要素、又はその他の導電体を備えた導電手段を含んでいる。上記他の電気端子120’の上記接続部は上記電気端子120の上記接続部122と同様の構成であり、上記接続部122のときと同様にして上記他の外部導体500’に接続される。さらに、シールドケーブルを接続するようにした上記電気コネクタ100の変形例がある。この変形例では、例えば上記シールドケーブルの信号線が上記外部導体500として上記電気端子120の上記接続部122に接続されると共に、上記シールドケーブルの外部導体が上記他の外部導体500’として上記他の電気端子120’の上記接続部に接続される。上記電気端子は上記接続部を備えていない実施形態を含んでいる。そのなかには、例えば非接触で外部との間で導通を行う上記電気端子の実施形態などがある。
【0045】
上記ロック部材130は、上記ハウジング110に、上記ハウジング110に対する位置が第1位置と上記第1位置よりも上記反嵌合側にある第2位置との間で移動自在に設けられている。
図6ないし
図8は、上記ロック部材130が上記第1位置にあることを示しており、
図9ないし
図11は、上記ロック部材130が上記第2位置にあることを示している。また、
図12ないし
図14は、上記ロック部材130が上記第1位置に戻っていることを示している。すなわち、
図3、および
図4に示すように、上記ハウジング本体111には、上記嵌合方向と直交する方向に貫通すると共に上記反嵌合側が開放された溝111aが設けられ、この溝111aに、上記ロック部材130における上記嵌合方向と直交する方向に延びる本体131が、上記嵌合方向および上記反嵌合方向にスライド自在になるように嵌まっている。そして、上記ロック部材130が上記溝111aの上記嵌合側の端部まで落ち込むと上記第1位置をとり、上記ロック部材130が上記第1位置から所定距離だけ上記反嵌合側へ移動すると上記第2位置をとるようになっている。しかし、上記ロック部材は上記ハウジングのどこかに、第1位置と上記第1位置よりも上記反嵌合側にある第2位置との間で移動自在に設けられておればよく、この実施形態の構造によって上記ハウジング又は上記ロック部材の構成が限定されることはない。例えば、上記ハウジング、および上記ロック部材のうち一方に上記嵌合方向および上記反嵌合方向へ延びる溝を設けると共に、他方に上記溝に嵌る突起を設けるなどしてもよい。上記ロック部材130は、上記第1位置にあるときは上記係合部材113の当該係合部材113が上記弾性変形する側に形成された第1空間113cに割り込んで上記弾性変形を阻止し、上記第2位置にあるときは上記第1空間113cから退避して上記係合部材113の上記弾性変形を許容するように構成されている(
図8、
図11、および
図14を参照)。すなわち、
図3、および
図4に示すように、上記ロック部材130には上記嵌合方向からみて上記係合部材113に対して、当該係合部材113が嵌合する上記凹部の側とは反対側つまり上記係合部材113の背面の側に対応してロック片132が設けられている。この実施形態の場合、上記ロック片132は上記係合部材113の上記背面と同じ向きの面を持った板状部材で構成しているが、例えば棒状又はその他の形状であってもよい。上記ロック片132は上記係合部材113と同じ数だけ設けられている。そして、
図8および
図14に示すように、上記ロック部材130が上記第1位置にあるときは、上記ロック片132が上記第1空間113cに割り込んで上記弾性変形を阻止し、
図11に示すように、上記ロック部材130が上記第2位置にあるときは、上記ロック片132が上記第1空間113cから退避して上記係合部材113の上記弾性変形を許容するようになっている。
【0046】
図3、
図4、および
図6ないし
図14に示すように、上記弾性部材140は、上記ハウジング110に、上記ロック部材130を上記第1位置へ押すように設けられている。上記弾性部材140は、上記ハウジング110と、上記ロック部材130との間に設けられている。この実施形態の場合、上記弾性部材140は、弾性を有する材料により棒状に形成されている。上記弾性部材140は鋼材により形成されているが、弾性を有すれば他の材料であってもよい。また、上記弾性部材は、例えばコイルスプリング、板バネ、筍バネ、トーションバー、又はその他の、荷重を受けて弾性変形するバネ等であってもよいし、例えば弾性を有する材料でできた板状体、棒状体、又はその他の形状の物体などであってもよい。上記弾性部材140は、小型化すると共に弾性復原力を大きくするため、途中で巻いているが、このように巻かれた部分を設けない変形例もある。そして、第1の端部141を上記ハウジング本体111に係止し、これと反対側の第2の端部142を上記ロック部材130に係止している。上記第1の端部141はハウジング110の他の部位に係止してもよい。上記第2の端部142は上記ロック部材130の上記反嵌合側の端面に設けた溝に嵌めている。この実施形態によって上記弾性部材の上記端部の上記ハウジングへの取り付け構造、又は上記弾性部材の上記端部の上記ロック部材への取り付け構造が限定解釈されることはない。上記各端部は上記ハウジング又は上記ロック部材に対して、例えば、嵌入する、嵌合する、引っかける、一体成形する、又はその他の構造でもって取り付けてもよい。そして、上記ロック部材130が上記第1位置から上記第2位置へ押されると、上記弾性部材140が弾性変形し、弾性復原力により上記ロック部材130を上記第2位置から上記第1位置へ押すように構成している。上記ロック部材130の位置が上記第1位置よりも上記嵌合側へ移動しないように、上記ロック部材と上記ハウジングとを係止するストッパを設けることが好ましい。この実施形態の場合、上記ロック部材130の本体131が上記溝111aの上記嵌合側の端部に当たることで、そのストッパの役目を果たしている。しかし、本発明は、このようなストッパを設けない上記電気コネクタの実施形態を含んでいる。そのような実施形態には、例えば上記ロック部材が上記第1位置にあるときに上記弾性部材により上記ロック部材が上記第1位置付近に保持されるように構成した実施形態などが含まれる。この実施形態の場合、上記弾性部材140は主として曲げ荷重を受けることで弾性変形するように設けたが、上記弾性部材が、例えば圧縮荷重、引っ張り荷重、又はその他の荷重を受けることで弾性変形するように設けてもよい。
図1ないし
図3に示すように、上記ハウジング本体111には、後述する蓋114が被せられて組み付けられており、この蓋114によって上記ハウジング110が手で摘みやすくなっているが、本発明は、このような手掛かりとなる部材を設けない実施形態を含んでいる。
【0047】
上記制御機構150は、上記ロック部材130が上記第1位置と上記第2位置の直前位置との間にあるときは上記嵌合方向に沿って上記ロック部材130を上記リテーナ400に干渉させ、上記ロック部材130が上記第2位置に至ると上記干渉を解除して上記ロック部材130の上記第1位置への移動を許可するように構成されている。上記ロック部材を干渉させる相手はインフレータハウジングであってもよい。この実施形態の場合、
図3、
図6、
図7などに示すように、上記ロック部材130には、可撓性を有する脚部151が設けられている。また、
図1、
図3、
図6、および
図7などに示すように、上記ハウジング110には、解除部材152が設けられている。
【0048】
上記脚部151は、上記嵌合側へ延びている。上記脚部151は、棒状に形成され、その上記反嵌合側の端部が上記ロック部材130の本体131に接続されている。しかし、上記脚部は、上記ロック部材のどこかに接続されておればよいし、上記脚部は、例えば板状、又はその他の形状に形成されていてもよいし、例えば上記嵌合方向に沿った中途部、又はその他の部分で上記ロック部材に接続されていてもよい。上記脚部151は二つ設けられているが、上記脚部は一つ設けても三つ以上設けてもよい。この実施形態の場合、上記脚部151は上記ロック部材130と同一の材料で形成されて上記ロック部材130と一体的に成形されているが、上記脚部を上記ロック部材と同一の材料又は異なる材料で形成して上記ロック部材に例えば接続し、連結し、又はその他の方法で設けるなどしてもよい。
図1、
図6、
図7、
図9、
図10、
図12、および
図13に示すように、上記リテーナ400には、上記嵌合側に向いた対向面440が形成されている。上記対向面440の端縁は上記反嵌合側へ向かって落ち込んでいる。この実施形態の場合、上記対向面440は上記第4筒状部430の上記嵌合側の面により構成しているが、他の部位の面により構成してもよい。上記嵌合側に向いた対向面は上記インフレータハウジングに設けてもよく、例えば上記ソケットに設けてもよい。その場合、上記対向面は、例えば、上記ソケットの上記壁から上記ソケットの上記央部に向けて迫り出すように設ける。そして、例えば、上記脚部を上記ロック部材における上記央部から離れた外周部分に設ける。
【0049】
上記解除部材152は上記嵌合側へ延びている。上記解除部材152は、棒状に形成され、その上記反嵌合側の端部が上記ハウジング110の上記蓋114に接続されている。しかし、上記脚部は、例えば上記ハウジング本体、上記嵌合部、又は上記係合部材などのように上記ハウジングのどこかに接続されておればよいし、上記解除部材は、例えば板状、又はその他の形状に形成されていてもよいし、例えば上記嵌合方向に沿った中途部、又はその他の部分で上記ハウジングに接続されていてもよい。上記解除部材152は上記脚部151と同じ数だけ設けられている。そして、上記ロック部材130が上記第1位置にあるときには上記解除部材152が上記脚部151を押圧せず、上記ロック部材130が上記第2位置に向かうにつれて上記解除部材152が上記脚部151を上記嵌合方向と交差する側方へ押し、上記ロック部材130が上記第2位置に至ると、上記解除部材152が上記脚部151の上記嵌合側の端部を上記リテーナの上記対向面440から外して上記嵌合側へ落とすようにしている。そのため、上記脚部151の上記解除部材側に、上記嵌合側に向かうと上記解除部材152へ接近するよう傾斜した案内部151aが設けられている。逆に、上記解除部材の上記脚部側に、上記反嵌合側に向かうと上記脚部151へ接近するよう傾斜した案内部を設けてもよいし、上記脚部および上記解除部材に上記案内部をそれぞれ設けてもよい。この実施形態の場合、上記対向面440の上記反嵌合側へ落ち込む端縁を、上記対向面440における上記リテーナ400の央部から遠い側に設け、上記解除部材152を上記脚部151の内側に設けたが、上記対向面の上記反嵌合側へ落ち込む端縁を、上記対向面における上記リテーナの央部に近い側に設け、上記解除部材を上記脚部の外側に設けてもよい。上記脚部151の内側とは、上記脚部151において、上記嵌合方向にみて上記嵌合部の上記央部に近い側であり、その反対側が外側である。また、上記嵌合側に向いた対向面を上記インフレータハウジングに設けたときには、例えば、上記対向面の上記反嵌合側へ落ち込む端縁を、上記対向面における上記ソケットの央部に近い側に設け、上記解除部材を上記脚部の外側に設ければよく、或いは上記対向面の上記反嵌合側へ落ち込む端縁を、上記対向面における上記ソケットの央部から遠い側に設け、上記解除部材を上記脚部の内側に設けてもよい。
【0050】
そして、
図6および
図7に示すように、上記ロック部材130が上記第1位置にある上記電気コネクタ100を上記リテーナ400に乗せると、上記脚部151の上記嵌合側の端部が上記リテーナ400の上記対向面440に突き当たり、上記嵌合方向に沿って上記ロック部材130が上記リテーナ400に干渉する。上記ハウジング110を上記嵌合方向へ押すと、上記ロック部材130が上記第1位置から上記第2位置へ向うが、上記第2位置の上記直前位置に至るまでは上記干渉した状態が維持される。さらに、
図9および
図10から、
図12および
図13に示すように、上記ハウジング110を上記嵌合方向へ押して上記ロック部材130が上記第2位置に至ると、上記脚部151の上記嵌合側の端部が上記対向面440から外れて上記嵌合側へ落ち、これによって上記干渉が解除されて上記ロック部材130の上記第1位置への移動が許可される。上インフレータハウジングに上記対向面を設け、上記脚部をその対向面に当たるように構成し、上記解除部材により上記脚部を上記対向面から外すように構成したときにも、以上と同様の作用が発揮される。上記実施形態の場合、上記脚部151と上記解除部材152によって上記制御機構を構成したが、上記ロック部材が上記第1位置と上記第2位置の上記直前位置との間にあるときは上記嵌合方向に沿って上記ロック部材を上記リテーナ又はインフレータハウジングに干渉させ、上記ロック部材が上記第2位置に至ると上記干渉を解除して上記ロック部材の上記第1位置への移動を許可するようにするものであれば、他の構成によって制御機構を実現してもよい。
【0051】
図3、
図4、および
図20に示すように、上記ハウジング110は、第2空間115が形成されるように設けられている。上記第2空間115は、上記反嵌合側に開放されて上記電気端子120および上記外部導体500が配置されることになる空間である。この実施形態の場合、上記第2空間115は、上記嵌合部112の央部から上記ハウジング本体111の一つの端縁にかけて一連に設けられている。しかし、これによって、上記第2空間の位置が限定解釈されることはなく、上記反嵌合側に開放されて上記電気端子および上記外部導体が配置されることになる上記第2空間が上記ハウジングのどこかに設けられておればよい。
【0052】
そして、
図3、
図4、および
図20に示すように、上記ロック部材130および上記弾性部材140は、第3空間116に配置されている。上記第3空間116は、上記ハウジング110において上記嵌合方向からみて上記第2空間115を除いた空間に含まれている。上記第3空間116は、上記反嵌合側に開放されているが、そうなっていなくてもよい。この実施形態の場合、上記第3空間116は、上記嵌合方向からみてU字状に形成されている。しかし、これによって上記第3空間の形状が限定解釈されることはなく、上記第3空間は、上記嵌合方向からみて、例えばI字状、L字状、J字状、−状、又はその他の形状に形成されていてもよい。また、この実施形態の場合、上記制御機構150の上記脚部151が上記ロック部材130に設けられているので、上記脚部151も第3空間116に配置されている。また、上記制御機構150の上記解除部材152が上記ハウジング110に設けられているので、上記解除部材152が上記第3空間116と干渉しないように設けられている。上記制御機構を、上記ハウジング、上記ロック部材、および上記弾性部材と別部材にしたときには、上記制御機構と上記第3空間との関係を、どうように設定してもよい。しかし、そのように別部材にしたときでも、上記制御機構を上記第3空間と干渉しないように設けることが好ましい。
【0053】
先に説明したように、この実施形態の場合、上記弾性部材140は棒状に形成されている。そして、上記弾性部材140は、上記ハウジング110における上記第3空間116のうち、中途部を除く両側の少なくとも一方側に配置されている。ここでは、二つの上記弾性部材140を、上記ハウジング110における上記第3空間116のうち、上記中途部を除く両側にそれぞれ配置している。
図15は、上記電気コネクタ100の変形例を示す。この電気コネクタ100の場合、上記弾性部材140は、上記ハウジング110における上記第3空間116のうち、上記中途部を除く両側の一方側に配置されている。これに対応して、上記ロック部材130も、上記ハウジング110における上記第3空間116のうち、上記中途部を除く両側の一方側に配置されている。しかし、上記ロック部材130を上記両側に配置してもよい。この実施形態の場合も、上記変形例の場合も、上記弾性部材140における上記外部導体500が導出される側の第1の端部141が上記ハウジング110に取り付けられ、上記弾性部材140の上記第1の端部141と反対側の第2の端部142が上記ロック部材130に取り付けられている。ここでは、上記弾性部材140における上記外部導体500が導出される側の上記第1の端部141を上記ハウジング本体111に取り付けたが、この第1の端部141を上記ハウジング110の他の部位に取り付けてもよい。また、先に説明したように、上記弾性部材140の中途部143には、巻かれた部分が設けられているが、本発明の電気コネクタは、上記弾性部材に、このように巻かれた部分を設けない実施形態を含んでいる。
【0054】
図16は、上記電気コネクタ100の別の変形例を示す。この電気コネクタ100の場合、上記弾性部材140は、上記第3空間116に対応してU字状に形成されており、上記弾性部材140が、上記ハウジング110における上記第3空間116に配置され、上記弾性部材140の上記外部導体500が導出される側の二つの端部141、141がそれぞれ上記ハウジング110に取り付けられ、上記弾性部材140の上記二つの第1の端部141と反対側の第2の端部142が上記ロック部材130に取り付けられている。これに対応して、上記ロック部材130も、上記ハウジング110における上記第3空間116に配置されている。上記弾性部材140における上記両端部141、142の間の中途部143に、巻かれた部分がそれぞれ形成されているが、本発明の電気コネクタは、上記弾性部材に、このように巻かれた部分を設けない実施形態を含んでいる。
【0055】
図1ないし
図3に示すように、上記ハウジング本体111の上記反嵌合側には、上記蓋114が設けられている。
【0056】
上記電気コネクタ100は、上記嵌合方向又は上記反嵌合方向からみて、上記電気コネクタ100の央部を通る線に対して対称に設けられている。したがって、上記係合部材113、上記電気端子120、上記ロック片132、上記弾性部材140、上記脚部151、上記解除部材152、および上記外部導体500などが、それぞれ二以上設けられ、しかもそれらが上記線の両側に振り分けて設けられている。しかし、これによって上記電気コネクタの構造、又は形状が限定解釈されることはなく、上記電気コネクタは上記線に対して非対称に設けられていてもよいし、また、例えば上記各部材が一つだけ設けられていてもよい。
【0057】
図6、および
図7に示すように、上記電気コネクタ100を上記リテーナ400に乗せて上記ロック部材130が上記第1位置にあるときに、上記電気端子120の上記接触部121と上記スクイブ端子310とが接触するに至っていないように構成している。しかし、これによって上記電気コネクタの構造、又は形状が限定解釈されることはなく、上記電気コネクタは、上記電気コネクタを上記リテーナに乗せて上記ロック部材が上記第1位置にあるときに、上記電気端子の上記接触部と上記スクイブ端子とが接触するように構成してもよい。
【0058】
また、
図12ないし
図14の状態から上記電気コネクタ100を上記反嵌合側へ引くと、上記脚部151の可撓性により、上記脚部151が上記対向面440にの乗り上げて、
図6ないし
図8の状態に戻るように構成されている。
【0059】
この種の電気コネクタに短絡片が設けられることがある。すなわち、例えば上記電気コネクタを嵌合する前に上記一対のスクイブ端子間に電流等が流れてスクイブが誤作動することなどを防止するため、上記スクイブ端子を短絡する上記短絡片を設けることが行われる。その場合、例えば上記電気コネクタを上記リテーナに嵌合すると上記短絡端子が上記電気コネクタから力を受けて上記外側へ払いのけられ、これによって上記短絡が解除されるように構成する。上記実施形態のスクイブの接続装置では上記短絡片を備えていないが、上記実施形態のスクイブの接続装置において上記短絡片を備えたスクイブの接続装置の実施形態は本発明のスクイブの接続装置に一つの実施形態として含まれる。
【0060】
したがって、上記電気端子120に上記外部導体500を接続し、この外部導体付き電気端子を上記ハウジング110に組み付け、上記ハウジング110を上記リテーナ400に乗せて上記ハウジング110を上記嵌合側へ押すと、上記ロック部材130が上記第1位置から上記第2位置へ向かうと共に上記弾性部材140が弾性変形するが、上記制御機構150により、上記第2位置の上記直前位置までは上記嵌合方向に沿って上記ロック部材130が上記リテーナ400に干渉するので、上記ハウジング110を離すと、上記弾性部材140の復原力により上記ロック部材130が上記第1位置へ戻る。
図6ないし
図8は、上記ハウジング110を上記リテーナ400に乗せた状態であり、
図9ないし
図11は、上記ロック部材130が上記第2位置の上記直前位置を通り越して上記第2位置に至った状態である。一方、
図12ないし
図14に示すように、上記ロック部材130が上記第2位置に至ると、上記制御機構150により、上記干渉が解除されて上記ロック部材130が上記弾性部材140の上記復原力により上記第1位置へ移動する。このときに、上記ハウジング110の上記嵌合部112が上記リテーナ400に嵌合するように構成すれば、上記電気端子120の上記接触部121が上記スクイブ端子310に接触し、上記係合部材113が上記インフレータハウジング200の上記凹部としての上記溝212に係合し、上記第1位置に位置づけられた上記ロック部材130により上記係合部材113の上記第1空間113cへの上記弾性変形が阻止される。上インフレータハウジングに上記対向面を設け、上記脚部をその対向面に当たるように構成し、上記解除部材により上記脚部を上記対向面から外すように構成したときにも、以上と同様の作用が発揮される。その場合、上記嵌合方向からみて上記第2空間115と上記第3空間116とは干渉しないので、上記ハウジング110に上記ロック部材130および上記弾性部材140を、上記第3空間116に収まるように組み付けた状態で、上記ハウジング110に上記電気端子120および上記外部導体500を、上記第2空間115に収まるように組み付けることが可能となる。そのため、上記電気コネクタ100に上記外部導体500を接続して上記ハーネスHを組み立てる場合、上記ハーネスHの組立現場には、少なくとも上記ハウジング110、上記ロック部材130、および上記弾性部材140を組み付けた電気コネクタ半完成品と、上記電気端子120と、上記外部導体500とを供給すればよい。そして、上記電気端子120に上記外部導体500を接続し、この外部導体付き電気端子を上記電気コネクタ半完成品に装着すれば、上記ハーネスHが完成する。よって、上記従来のハーネスのように、組立現場に上記コネクタハウジング、上記電気端子、上記電線、上記二次ロック部材、および上記安全バネ棒をバラバラに供給することに較べると、上記ハーネスの組立現場に持ち込む部品点数が少なくなり、組立性が向上する。このように、上記実施形態の電気コネクタ100は、上記ロック部材130および上記弾性部材140を、上記ハウジング110において上記嵌合方向からみて、上記反嵌合側に開放されて上記電気端子120および上記外部導体500が配置されることになる上記第2空間115を除いた空間に含まれる上記第3空間116に配置したので、上記電気コネクタ100を用いた上記ハーネスHの組立現場に持ち込む部品点数を出来るだけ少なくして、組立性を向上させた電気コネクタを提供することができた。
【0061】
本発明の上記電気コネクタは、上記第3空間の形状を限定しない。そのような種々の実施形態のなかで、上記実施形態、および上記変形例の上記電気コネクタ100は、上記第3空間116を、上記嵌合方向からみてU字状に形成した。このようにすれば、上記嵌合方向からみて、上記ハウジング110の央部から一つの端縁にかけて上記電気端子120および上記外部導体500が配置され、これを囲む上記第3空間116に上記ロック部材130および上記弾性部材140が配置されるので、他のレイアウトに対して比較的コンパクトでバランスのよい部材配置が実現する可能性が高い。
【0062】
本発明の上記電気コネクタは、上記弾性部材の形状、構造、上記弾性部材の上記ハウジングへの組み付け構造などを限定しない。そのような種々の実施形態のなかで、上記実施形態、および上記変形例の上記電気コネクタ100は、上記弾性部材140が棒状に形成されており、上記ロック部材130および上記弾性部材140が、上記ハウジング110における上記第3空間116のうち上記中途部を除く両側の少なくとも一方側に配置され、上記弾性部材140の上記外部導体500が導出される側にある上記第1の端部141が上記ハウジング110に取り付けられ、上記弾性部材140の上記第1の端部141と反対側の上記第2の端部142が上記ロック部材130に取り付けられている。このようにすれば、上記弾性部材140を上記第3空間116のうち上記中途部を除く両側の一方側に配置した態様、他方側に配置した態様、又は上記両側に配置した態様の上記電気コネクタが実現する。上記弾性部材140を上記両側に配置すれば、上記両側で行われる弾性変形、弾性復原などのバランスがとれる可能性が高くなる。
【0063】
また、
図16に示した上記変形例の電気コネクタ100は、上記弾性部材140が上記第3空間116に対応してU字状に形成されており、上記弾性部材140が、上記ハウジング110における上記第3空間116に配置され、上記弾性部材140の上記外部導体500が導出される側の上記二つの第1の端部141,141がそれぞれ上記ハウジング110に取り付けられ、上記弾性部材140の上記二つの第1の端部141と反対側の第2の端部142が上記ロック部材130に取り付けられている。このようにすれば、単一の上記弾性部材を備えた上記電気コネクタが実現する。そして、上記両側で行われる弾性変形、弾性復原などのバランスがとれる可能性が高くなる。
【0064】
本発明の上記電気コネクタは、上記制御機構の構造などを限定しない。そのような種々の実施形態のなかで、上記実施形態、および上記変形例の上記電気コネクタ100は、上記制御機構150が、上記ロック部材130に設けられ、上記嵌合側へ延びて上記リテーナ400に当たる上記脚部151と、上記ハウジング110に設けられ、上記ロック部材130が上記第1位置から上記第2位置へ向かうと上記脚部151を押して上記リテーナ400から外す上記解除部材152とを備えている。このようにすれば、上記ハウジング110を上記リテーナ400に乗せて上記ハウジング110を上記嵌合側へ押すと、上記ロック部材130が上記第1位置から上記第2位置へ向かうと共に上記弾性部材140が弾性変形するが、上記第2位置の上記直前位置までは上記嵌合方向に沿って上記ロック部材130が上記脚部151において上記リテーナ400に干渉するので、上記ハウジング110を離すと、上記弾性部材140の復原力により上記ロック部材130が上記第1位置へ戻る。一方、上記ロック部材130が上記第2位置に至ると、上記脚部151が上記解除部材152に押されて上記リテーナ400から外れ、上記干渉が解除されて上記ロック部材130が上記弾性部材140の上記復原力により上記第1位置へ移動する。このときに、上記ハウジング110の上記嵌合部112が上記リテーナ400に嵌合するように構成すれば、上記電気端子120の上記接触部121が上記スクイブ端子310に接触し、上記係合部材113が上記インフレータハウジング200の上記凹部としての上記溝212に係合し、上記第1位置に位置づけられた上記ロック部材130により上記係合部材113の上記第1空間113cへの上記弾性変形が阻止される。上インフレータハウジングに上記対向面を設け、上記脚部をその対向面に当たるように構成し、上記解除部材により上記脚部を上記対向面から外すように構成したときにも、以上と同様の作用が発揮される。
【0065】
本発明の上記電気コネクタは、上記蓋を設けない電気コネクタの実施形態を含んでいる。そのような種々の実施形態のなかで、上記実施形態、および上記変形例の上記電気コネクタ100は、上記ハウジング本体111の上記反嵌合側に上記蓋114を設けている。このようにすれば、上記ハウジング110の内部が保護される。
【0066】
また、以上の説明により、本発明のハーネスHも十分に開示された。すなわち、本発明のハーネスHは、上記電気コネクタ100と、この電気コネクタ100に接続された上記外部導体500とを備えている。上記電気コネクタ100は、
上記ハウジング本体111、上記ハウジング本体111に設けられると共に上記インフレータハウジング200の上記嵌合側の表面から上記反嵌合側に向かって凹む上記ソケット210に装着された上記リテーナ400に嵌合することになる上記嵌合部112、および上記嵌合部112が上記リテーナ400へ嵌合するときに弾性変形して上記ソケット210又は上記リテーナ400の上記凸部を乗り越えてから弾性復原して上記凸部よりも上記反嵌合側に設けられた上記凹部に係合する上記係合部材113を有する上記ハウジング110と、
上記ハウジング110の上記嵌合部112が上記リテーナ400に嵌合したときに上記ソケット210の上記底部から上記嵌合側に向かって立ち上がる上記スクイブ端子310に接触することになる上記接触部121、および上記ハウジング110から上記嵌合方向と交差する方向へ導出される上記外部導体500に接続された上記接続部122を有して上記ハウジング110に設けられた上記電気端子120と、
上記ハウジング110に、上記第1位置と上記第1位置よりも上記反嵌合側にある上記第2位置との間で移動自在に設けられ、上記第1位置にあるときは上記係合部材113の当該係合部材113が上記弾性変形する側に形成された上記第1空間113cに割り込んで上記弾性変形を阻止し、上記第2位置にあるときは上記第1空間113cから退避して上記係合部材113の上記弾性変形を許容する上記ロック部材130と、
上記ハウジング110に、上記ロック部材130を上記第1位置へ押すように設けられた上記弾性部材140と、
上記ロック部材130が上記第1位置と上記第2位置の上記直前位置との間にあるときは上記嵌合方向に沿って上記ロック部材130を上記リテーナ400又は上記インフレータハウジング200に干渉させ、上記ロック部材130が上記第2位置に至ると上記干渉を解除して上記ロック部材130の上記第1位置への移動を許可する上記制御機構150とを備え、
上記ハウジング110は、上記反嵌合側に開放されて上記電気端子120および上記外部導体500が配置された上記第2空間115が形成されるように設けられており、
上記ロック部材130および上記弾性部材140が、上記ハウジング110において上記嵌合方向からみて上記第2空間115を除いた空間に含まれる上記第3空間116に配置されている。
【0067】
このハーネスにより、次の作用および効果が得られる。すなわち、上記電気端子120に上記外部導体500を接続し、この外部導体付き電気端子を上記ハウジング110に組み付け、上記ハウジング110を上記リテーナ400に乗せて上記ハウジング110を上記嵌合側へ押すと、上記ロック部材130が上記第1位置から上記第2位置へ向かうと共に上記弾性部材140が弾性変形するが、上記制御機構150により、上記第2位置の上記直前位置までは上記嵌合方向に沿って上記ロック部材130が上記リテーナ400に干渉するので、上記ハウジング110を離すと、上記弾性部材140の復原力により上記ロック部材130が上記第1位置へ戻る。一方、上記ロック部材130が上記第2位置に至ると、上記制御機構150により、上記干渉が解除されて上記ロック部材130が上記弾性部材140の上記復原力により上記第1位置へ移動する。このときに、上記ハウジング110の上記嵌合部112が上記リテーナ400に嵌合するように構成すれば、上記電気端子120の上記接触部121が上記スクイブ端子310に接触し、上記係合部材113が上記インフレータハウジング200の上記凹部としての上記溝212に係合し、上記第1位置に位置づけられた上記ロック部材130により上記係合部材113の上記第1空間113cへの上記弾性変形が阻止される。上インフレータハウジングに上記対向面を設け、上記脚部をその対向面に当たるように構成し、上記解除部材により上記脚部を上記対向面から外すように構成したときにも、以上と同様の作用が発揮される。その場合、上記嵌合方向からみて上記第2空間115と上記第3空間116とは干渉しないので、上記ハウジング110に上記ロック部材130および上記弾性部材140を、上記第3空間116に収まるように組み付けた状態で、上記ハウジング110に上記電気端子120および上記外部導体500を、上記第2空間115に収まるように組み付けることが可能となる。そのため、上記電気コネクタ100に上記外部導体500を接続して上記ハーネスHを組み立てる場合、上記ハーネスHの組立現場には、少なくとも上記ハウジング110、上記ロック部材130、および上記弾性部材140を組み付けた電気コネクタ半完成品と、上記電気端子120と、上記外部導体500とを供給すればよい。そして、上記電気端子120に上記外部導体500を接続し、この外部導体付き電気端子を上記電気コネクタ半完成品に装着すれば、上記ハーネスHが完成する。よって、上記従来のハーネスのように、組立現場に上記コネクタハウジング、上記電気端子、上記電線、上記二次ロック部材、および上記安全バネ棒をバラバラに供給することに較べると、上記ハーネスの組立現場に持ち込む部品点数が少なくなり、組立性が向上する。このように、上記ハーネスHは、上記ロック部材130および上記弾性部材140を、上記ハウジング110において上記嵌合方向からみて、上記反嵌合側に開放されて上記電気端子120、および上記外部導体500が配置されることになる上記第2空間115を除いた空間に含まれる上記第3空間116に配置したので、上記電気コネクタ100を用いた上記ハーネスHの組立現場に持ち込む部品点数を出来るだけ少なくして、組立性を向上させた上記電気コネクタ100を備える上記ハーネスHを提供することができた。
【0068】
さらに、以上の説明により、本発明のスクイブの接続装置Dも十分に開示された。すなわち、本発明のスクイブの接続装置Dは、
上記嵌合側の表面から上記反嵌合側に向かって凹む上記ソケット210が設けられた上記インフレータハウジング200、上記スクイブ端子310が上記ソケット210の上記底部から上記嵌合側に向かって立ち上がるように上記インフレータハウジング200の上記反嵌合側に設けられた上記スクイブ300、および上記ソケット210に装着された上記リテーナ400を有する上記相手装置Cと、
上記相手装置Cに接続することになる上記ハーネスHとを備えたスクイブの接続装置である。
上記ハーネスHは、上記電気コネクタ100と、この電気コネクタ100に接続された上記外部導体500とを備えている。上記電気コネクタ100は、
上記ハウジング本体111、上記ハウジング本体111に設けられると共に上記インフレータハウジング200の上記嵌合側の表面から上記反嵌合側に向かって凹む上記ソケット210に装着された上記リテーナ400に嵌合することになる上記嵌合部112、および上記嵌合部112が上記リテーナ400へ嵌合するときに弾性変形して上記ソケット210又は上記リテーナ400の上記凸部を乗り越えてから弾性復原して上記凸部よりも上記反嵌合側に設けられた上記凹部に係合する上記係合部材113を有する上記ハウジング110と、
上記ハウジング110の上記嵌合部112が上記リテーナ400に嵌合したときに上記ソケット210の上記底部から上記嵌合側に向かって立ち上がる上記スクイブ端子310に接触することになる上記接触部121、および上記ハウジング110から上記嵌合方向と交差する方向へ導出される上記外部導体500に接続された上記接続部122を有して上記ハウジング110に設けられた上記電気端子120と、
上記ハウジング110に、上記第1位置と上記第1位置よりも上記反嵌合側にある上記第2位置との間で移動自在に設けられ、上記第1位置にあるときは上記係合部材113の当該係合部材113が上記弾性変形する側に形成された第1空間113cに割り込んで上記弾性変形を阻止し、上記第2位置にあるときは上記第1空間113cから退避して上記係合部材113の上記弾性変形を許容する上記ロック部材130と、
上記ハウジング110に、上記ロック部材130を上記第1位置へ押すように設けられた上記弾性部材140と、
上記ロック部材130が上記第1位置と上記第2位置の上記直前位置との間にあるときは上記嵌合方向に沿って上記ロック部材130を上記リテーナ400又は上記インフレータハウジング200に干渉させ、上記ロック部材130が上記第2位置に至ると上記干渉を解除して上記ロック部材130の上記第1位置への移動を許可する上記制御機構150とを備え、
上記ハウジング110は、上記反嵌合側に開放されて上記電気端子120および上記外部導体500が配置された上記第2空間115が形成されるように設けられており、
上記ロック部材130および上記弾性部材140が、上記ハウジング110において上記嵌合方向からみて上記第2空間115を除いた空間に含まれる上記第3空間116に配置されている。
【0069】
このスクイブの接続装置Dにより、次の作用および効果が得られる。すなわち、上記電気端子120に上記外部導体500を接続し、この外部導体付き電気端子を上記ハウジング110に組み付け、上記ハウジング110を上記リテーナ400に乗せて上記ハウジング110を上記嵌合側へ押すと、上記ロック部材130が上記第1位置から上記第2位置へ向かうと共に上記弾性部材140が弾性変形するが、上記制御機構150により、上記第2位置の上記直前位置までは上記嵌合方向に沿って上記ロック部材130が上記リテーナ400に干渉するので、上記ハウジング110を離すと、上記弾性部材140の復原力により上記ロック部材130が上記第1位置へ戻る。一方、上記ロック部材130が上記第2位置に至ると、上記制御機構150により、上記干渉が解除されて上記ロック部材130が上記弾性部材140の上記復原力により上記第1位置へ移動する。このときに、上記ハウジング110の上記嵌合部112が上記リテーナ400に嵌合するように構成すれば、上記電気端子120の上記接触部121が上記スクイブ端子310に接触し、上記係合部材113が上記インフレータハウジング200の上記凹部としての上記溝212に係合し、上記第1位置に位置づけられた上記ロック部材130により上記係合部材113の上記第1空間113cへの上記弾性変形が阻止される。上インフレータハウジングに上記対向面を設け、上記脚部をその対向面に当たるように構成し、上記解除部材により上記脚部を上記対向面から外すように構成したときにも、以上と同様の作用が発揮される。その場合、上記嵌合方向からみて上記第2空間115と上記第3空間116とは干渉しないので、上記ハウジング110に上記ロック部材130および上記弾性部材140を、上記第3空間116に収まるように組み付けた状態で、上記ハウジング110に上記電気端子120および上記外部導体500を、上記第2空間115に収まるように組み付けることが可能となる。そのため、上記電気コネクタ100に上記外部導体500を接続して上記ハーネスHを組み立てる場合、上記ハーネスHの組立現場には、少なくとも上記ハウジング110、上記ロック部材130、および上記弾性部材140を組み付けた電気コネクタ半完成品と、上記電気端子120と、上記外部導体500とを供給すればよい。そして、上記電気端子120に上記外部導体500を接続し、この外部導体付き電気端子を上記電気コネクタ半完成品に装着すれば、上記ハーネスHが完成する。よって、上記従来のハーネスのように、組立現場に上記コネクタハウジング、上記電気端子、上記電線、上記二次ロック部材、および上記安全バネ棒をバラバラに供給することに較べると、上記ハーネスの組立現場に持ち込む部品点数が少なくなり、組立性が向上する。このように、上記スクイブの接続装置Dは、上記ロック部材130および上記弾性部材140を、上記ハウジング110において上記嵌合方向からみて、上記反嵌合側に開放されて上記電気端子120および上記外部導体500が配置されることになる上記第2空間115を除いた空間に含まれる上記第3空間116に配置したので、上記電気コネクタ100を用いた上記ハーネスHの組立現場に持ち込む部品点数を出来るだけ少なくして、組立性を向上させた上記電気コネクタ100、および上記ハーネスHを備えた上記スクイブの接続装置Dを提供することができた。
【0070】
本発明の上記電気コネクタ、上記ハーネス、および上記スクイブの接続装置は、以上で説明した上記実施形態および上記変形例の特徴を組み合わせた実施形態を含んでいる。さらに、以上で説明した上記実施形態および上記変形例は本発明の上記電気コネクタ、上記ハーネス、および上記スクイブの接続装置のいくつかの例を示したに過ぎない。したがって、これらの上記実施形態および上記変形例の記載によって本発明の上記電気コネクタ、上記ハーネス、および上記スクイブの接続装置が限定解釈されることはない。