特許第6193759号(P6193759)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6193759化学量論的燃焼の最適化システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6193759
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】化学量論的燃焼の最適化システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   F02C 9/16 20060101AFI20170828BHJP
   F01K 23/10 20060101ALI20170828BHJP
   F02C 3/30 20060101ALI20170828BHJP
   F02C 6/18 20060101ALI20170828BHJP
   F23R 3/00 20060101ALI20170828BHJP
   F23R 3/12 20060101ALI20170828BHJP
   F23R 3/26 20060101ALI20170828BHJP
   F23R 3/34 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   F02C9/16 A
   F01K23/10 T
   F02C3/30 D
   F02C6/18 A
   F23R3/00 B
   F23R3/12
   F23R3/26 B
   F23R3/34
【請求項の数】28
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2013-523169(P2013-523169)
(86)(22)【出願日】2011年6月27日
(65)【公表番号】特表2013-539512(P2013-539512A)
(43)【公表日】2013年10月24日
(86)【国際出願番号】US2011042000
(87)【国際公開番号】WO2012018457
(87)【国際公開日】20120209
【審査請求日】2014年6月17日
【審判番号】不服2016-10064(P2016-10064/J1)
【審判請求日】2016年7月4日
(31)【優先権主張番号】61/371,523
(32)【優先日】2010年8月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500450727
【氏名又は名称】エクソンモービル アップストリーム リサーチ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】ミトリッカー フランクリン エフ
(72)【発明者】
【氏名】ハンティントン リチャード エイ
【合議体】
【審判長】 佐々木 芳枝
【審判官】 松下 聡
【審判官】 金澤 俊郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平4−203808(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/72729(WO,A2)
【文献】 特開平5−52125(JP,A)
【文献】 特開平4−260721(JP,A)
【文献】 特開2008−95541(JP,A)
【文献】 特開2007−16787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C9/16
F01K23/10
F02C3/30
F02C6/18
F23R3/00
F23R3/12
F23R3/26
F23R3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンシステムであって、
酸化剤系統と、
燃料系統と、
制御システムと、
酸化剤系統からの酸化剤と燃料系統からの燃料と希釈剤とを別々に受け入れ、これらを燃焼させて複数の排ガスを生じさせる複数の燃焼器と、
複数の酸化剤流量調節装置であって、各々が前記燃焼器の各々とそれぞれ作動的に関連しており、関連の前記燃焼器中への酸化剤流量を別個独立に調節し化学量論的燃焼を達成するよう構成された複数の酸化剤流量調節装置と、
前記制御システムと連絡状態にある複数の排気センサであって、前記複数の排ガスのそれぞれの酸素濃度及び一酸化炭素濃度を測定するようになっており、前記制御システムは、少なくとも部分的に、前記複数の排気センサによって測定された酸素濃度及び一酸化炭素濃度に基づいて、前記複数の酸化剤流量調節装置のそれぞれを別個独立に、前記複数の排ガスの酸素及び一酸化炭素濃度が所定の範囲に維持されるように調節するよう構成されている排気センサと、備えている、
ことを特徴とするガスタービンシステム。
【請求項2】
前記酸化剤は、酸素及び希釈剤を含む、
請求項1記載のシステム。
【請求項3】
圧縮酸化剤を前記複数の燃焼器の各々に提供するようになった酸化剤圧縮機を更に有する、
請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記酸化剤流量調節装置は、流量制御弁を含む、
請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記酸化剤流量調節装置は、調節可能なスワラサブアセンブリを含む、
請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記調節可能なスワラサブアセンブリは、流れスリーブの周りに位置決めされ、前記流れスリーブ中への酸化剤流量を制御可能に調節する環状制御組立体を含む、
請求項5記載のシステム。
【請求項7】
環状制御組立体は、取り付けリング及びアクチュエータ翼と作動的に関連した複数の関節運動翼を含む、
請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の関節運動翼は、前記アクチュエータ翼を前記取り付けリングに対して動かすことによって開放位置と閉鎖位置と前記位置相互間の位置との間で制御可能に調節されるようになっている、
請求項7記載のシステム。
【請求項9】
前記複数の排気センサ及び前記制御システムは、互いに異なる排気センサのところでの測定パラメータ相互間の差を最小限に抑えるよう前記複数の燃焼器への酸化剤流量を調節するようになっている、
請求項1記載のシステム。
【請求項10】
前記複数の燃焼器の少なくとも1つに設けられた前記酸化剤流量調節装置は、前記酸化剤、前記燃料、希釈剤又はこれらの任意の組み合わせの混合度を増大させるようになっている、
請求項1記載のシステム。
【請求項11】
燃焼器が希釈剤入口及び酸化剤入口を有し、前記酸化剤流量調節装置は、前記酸化剤入口内に配置され、前記酸化剤流量調節装置は、前記燃料が導入される前に前記酸化剤と前記希釈剤を混合するよう構成されている、
請求項1記載のシステム。
【請求項12】
前記排ガスを受け入れて動力を発生させるようになったタービン膨張機を更に有する、
請求項1記載のシステム。
【請求項13】
前記タービン膨張機から前記排ガスを受け入れて動力を発生させるようになった排熱回収蒸気発生器を更に有する、
請求項12記載のシステム。
【請求項14】
前記膨張機から前記排ガスを受け入れるようになった希釈剤圧縮機及びEGRループを更に有し、前記EGRループは、動力を発生させるようになった排熱回収蒸気発生器及び冷却状態の排ガスを前記希釈剤圧縮機に提供するようになった冷却排気ラインを有し、前記希釈剤圧縮機は、圧縮状態の希釈剤を前記燃焼器に提供するようになっている、
請求項12記載のシステム。
【請求項15】
前記希釈剤圧縮機と前記燃焼器との間に設けられた排ガス抽出系統を更に有し、前記排ガス抽出系統は、希釈剤を高い圧力状態で抽出するようになっている、
請求項14記載のシステム。
【請求項16】
ガスタービンを制御する方法であって、
燃料をガスタービンの複数の燃焼器に別々に提供するステップと、
前記複数の燃焼器に希釈剤を別々に提供するステップと、
酸化剤を前記複数の燃焼器に別々に提供するステップであって、酸化剤流量は、前記複数の燃焼器の各々について別個独立に調節されるステップと、
前記燃料及び前記酸化剤を前記複数の燃焼器のそれぞれで化学量論的に燃焼させて複数の排ガスを生じさせるステップと、
前記複数の排ガスのそれぞれの酸素濃度及び一酸化炭素濃度を測定するステップと、
前記複数の排ガスの酸素及び一酸化炭素濃度が所定の範囲に維持されるように、前記測定した酸素濃度及び一酸化炭素濃度に基づいて、前記複数の燃焼器の各々中への前記酸化剤流量を調節するステップと、を備えている、
ことを特徴とする方法。
【請求項17】
前記酸化剤を前記複数の燃焼器の各々に提供する前に前記酸化剤を圧縮するステップを更に有する、
請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記排ガスの一部分を希釈剤として前記複数の燃焼器に戻すステップを更に有する、
請求項16記載の方法。
【請求項19】
前記希釈剤が前記燃焼器に入る前に前記希釈剤を圧縮機で圧縮するステップを更に有する、
請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記圧縮機は、前記排ガスを受け入れてこれから動力を発生させるようになった膨張機に作動的に結合されている、
請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記圧縮機と前記複数の燃焼器の各々との間に設けられた継手から前記排ガスの少なくとも一部分を抽出するステップを更に有し、前記排ガスの抽出量は、少なくとも部分的に、前記パラメータに基づいている、
請求項20記載の方法。
【請求項22】
コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体は、プロセッサに命令することによって、
燃料をガスタービンの複数の燃焼器に別々に提供し、
前記複数の燃焼器に希釈剤を別々に提供し、
酸化剤を前記複数の燃焼器に別々に提供し、酸化剤流量は、前記複数の燃焼器の各々について別個独立に調節され、
前記燃焼器のそれぞれの火炎中にそれぞれ生じた複数の排ガス中の酸素濃度及び一酸化炭素濃度をモニタし、
前記測定した酸素濃度及び一酸化炭素濃度に基づいて前記複数の燃焼器の各々中への酸化剤流量を調節して、前記複数の排ガスの酸素及び一酸化炭素濃度が所定の範囲に維持し、化学量論的燃焼を達成するよう構成されたコードを有する、
コンピュータ可読媒体
【請求項23】
前記パラメータは、前記排ガス中の酸素濃度である、
請求項22記載のコンピュータ可読媒体
【請求項24】
前記パラメータは、前記排ガス中の一酸化炭素濃度である、
請求項22記載のコンピュータ可読媒体
【請求項25】
スワールチャートを表すデータ構造を有する、
請求項22記載のコンピュータ可読媒体
【請求項26】
前記プロセッサに命令して複数のセンサと関連した測定値を前記データ構造と比較して前記複数の燃焼器のどれを調節すべきかを決定するよう構成されたコードを有する、
請求項25記載のコンピュータ可読媒体
【請求項27】
前記プロセッサに命令して複数の排気センサから測定値を得るよう構成されたコードを有する、
請求項22記載のコンピュータ可読媒体
【請求項28】
前記プロセッサに命令し、前記複数の燃焼器の各々への酸化剤流量を調節して互いに異なる排気センサのところでの測定パラメータ相互間の差を最小限に抑えるよう構成されたコードを有する、
請求項27記載のコンピュータ可読媒体
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的には、低エミッション発電システムに関する。詳細には、本発明は、ガスタービンシステムにおいて実質的に化学量論的燃焼を最適化するシステム及び方法に関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2010年8月6日に出願された米国特許仮出願第61/371,523号(発明の名称:SYSTEMS AND METHODS FOR OPTIMIZING STOICHIOMETRIC COMBUSTION)の権益主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その開示内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
本項は、本発明の例示の実施形態と関連している場合のある当該技術分野の種々の観点を紹介するものである。この説明は、本発明の特定の観点の良好な理解を容易にする技術内容の枠組みの提供を助けるものと考えられる。従って、本項は、このような見方で読まれるべきであり、必ずしも本項の記載内容が先行技術である旨の承認として読まれるべきではないことは理解されるべきである。
【0004】
例えばガスタービンと一体化された燃焼器内での燃料の燃焼は、排ガスの温度をモニタすることによって制御できる。全負荷時、典型的なガスタービンは、所望の燃焼ガス又は排ガス温度に達するために多くの燃焼器に導入される燃料の量を調節する。従来型燃焼タービンは、入口案内翼を用いて燃焼器に導入される酸化剤を制御する。部分負荷時、燃焼器に導入される酸化剤の量を減少させ、この場合も又、燃料の導入量を制御して所望の排ガス温度に到達するようにする。部分負荷時、ガスタービンの効率は低下する。というのは、酸化剤の燃料を減少させることが入口案内翼によって制限されるからであり、これら入口案内翼は、酸化剤の流量を僅かに減少させることしかできない。さらに、酸化剤は、入口案内翼がこれらの流れ制限位置にあるときに一定の低い流量のままである。この場合、ガスタービンの効率は、これが低い動力発生状態にあるときに低下する。というのは、当該質量流量で当該量の動力を得るためには、低い膨張機入口温度が必要だからである。さらに、既存の酸化剤制御装置は、細かい流量制御が可能ではない場合があり、このような既存の酸化剤入口制御装置は、酸化剤の流量を絞った状態で大きな圧力降下をもたらす場合がある。酸化剤制御に関するこれら方式のいずれであっても、部分負荷時又は減圧作動状態においてリーンブローアウト(lean blow out)に関する潜在的な問題が存在する。
【0005】
燃焼器への酸化剤の導入量を制御することは、排ガスから二酸化炭素(CO2)を捕捉することを目的とした場合に望ましいと言える。現行の二酸化炭素捕捉技術は、幾つかの理由により費用が高くつく。1つの理由は、温度が低く且つ排ガス中の二酸化炭素の濃度が低いということにある。しかしながら、実質的に化学量論的条件下において燃焼プロセスと作動させることにより二酸化炭素濃度を約4%から10%超えるレベルまで著しく増大させることができる。さらに、排ガスの温度を制御するために排ガスの一部分を希釈剤として燃焼器に再利用するのが良い。また、排ガス中の未使用酸素が捕捉二酸化酸素中で汚染される場合があり、それにより二酸化炭素の捕捉に利用できる溶剤の種類が制限される。
【0006】
多くのシステムでは、別個の酸化剤系統の作動を変更することにより酸化剤流量を減少させることができる。例えば、独立の酸化剤圧縮機を遅い作動速度に絞ることができ、それにより、酸化剤流量が減少する。しかしながら、圧縮機作動速度の減少により、一般に、圧縮機の効率が低下する。更に、圧縮機の絞りにより、燃焼器に入る酸化剤の圧力が減少する場合がある。これとは対照的に、ガスタービンの圧縮機区分によって酸化剤が提供される場合、速度を減衰させることは、発電中に制御可能な変数ではない。60サイクル電力を生じさせるために用いられるガスタービンは、一般に、3600rpmで作動される。同様に、50サイクル電力を生じさせるためには、ガスタービンは、3000rpmで作動される場合が多い。従来型ガスタービン燃焼器作動では、燃焼器への酸化剤の流量は、制御にそれほど値しない場合がある。というのは、過剰の酸化剤が燃焼条件及び排ガスの温度を制御するために燃焼チャンバ内で冷却剤として用いられるからである。ガスタービン内における燃焼プロセスを制御する技術を求めて多くの検証が行われた。
【0007】
例えば、ウィリス(Willis)等に付与された米国特許第6,332,313号明細書は、別々の燃焼ゾーンのために別々の弁動作式空気混合ツールを備えた燃焼チャンバを開示している。燃焼チャンバ組立体が燃料及び空気を一次、二次及び三次燃焼ゾーンの各々に供給するよう一次、二次及び三次燃料及び空気混合ダクトを含む。一次、二次、三次燃料及び空気混合ダクトの各々は、空気を互いに逆方向に旋回させるよう同軸に配置された1対の軸流スワラ又は旋回器及び燃料を同軸にそれぞれの軸流スワラに供給する燃料噴射器を有する。一次及び二次燃料及び空気混合ダクトへのそれぞれ空気の供給を制御する弁が設けられている。冷却用空気及び希釈空気を燃焼チャンバに供給するためにダクトが配置されている。一次、二次及び三次燃料及び空気混合ダクト並びにこの供給ダクトへの空気の供給量が測定される。
【0008】
ミトリッカ(Mittricker)等名義で出願された国際公開第2010/044958号パンフレットは、例えばガスタービンシステムにおいて燃焼生成物を制御する方法及びシステムを開示している。一実施形態は、実質的に酸素及びCO2を含み、酸素とCO2の所与の酸素とCO2の比を有する酸素化流を有する燃焼制御システムを含み、次に、酸素化流を燃焼燃料流と混合し、燃焼器内で燃焼させて温度センサ及び酸素濃度計により検出される温度及び組成を有する燃焼生成物流を生じさせる。センサからのデータを用いて酸素化流及び燃焼燃料流の流量及び組成を制御する。このシステムは、膨張機を備えると共にフィードバック構成において負荷及び負荷コントローラを備えたガスタービンを更に有する場合がある。
【0009】
ミトリッカ等名義の国際公開第2009/120779号パンフレットは、低ミッション発電及び炭化水素回収システム及び方法を開示している。一システムは、低ミッション発電方式の圧力維持及びフラッドシステム(integrated pressure maintenance and miscible flood system)を含む。別のシステムは、高温ガス膨張機及び外部燃焼器を用いた低ミッション発電、炭素隔離、原油増進回収(EOR)又は二酸化炭素販売を可能にする。別のシステムは、空気を入口圧縮機で圧縮し、高温二酸化炭素含有ガスを膨張機内で用いて動力を発生させるガス動力タービンを用いて低ミッション発電を可能にする。
【0010】
ポール(Paul)に付与された米国特許第4,858,428号明細書は、ガスタービン用の全最適化サイクルを備えた新一体形推進システムを開示している。この米国特許明細書は、一体形高圧及び低圧回路を備えたガスタービンシステムを開示しており、このようなガスタービンシステムは、これら回路の一方から仕事を取り出す動力伝達装置を備えており、それぞれの回路への空気及び燃料の量は、マイクロプロセッサによってモニタされる電力需要に従って変えられる。タービンシステムは、低圧圧縮機、燃焼チャンバを備えた多段高圧圧縮機及び高圧圧縮機と関連した高圧タービンを有する。燃焼チャンバ及び低圧タービンが低圧圧縮機と関連しており、低圧タービンは、高圧タービンから消費状態のガスを追加的に受け取るよう高圧タービンと段階的に作動され、マイクロプロセッサがタービンシステム内における圧縮機コンポーネントとタービンコンポーネントとの間の空気及びガス流量を調節するために用いられる。
【0011】
アーネスト(Earnest)に付与された米国特許第4,271,664号明細書は、EGR方式のタービンエンジンを開示している。このエンジンは、開ループブレイトンサイクルで動作する主動力タービンを有する。主動力タービンへの空気供給は、ブレイトンタービンの排ガスから熱エネルギーを引き出す閉ループランキンサイクルのタービンによって別個独立に駆動される圧縮機によって提供される。排ガスの一部分は、部分負荷作動中、圧縮機入口中に再循環される。
【0012】
ハーゲン(Hagen)等名義で出願された米国特許出願公開第2009/0064653号明細書は、部分負荷燃焼サイクルを開示している。部分負荷方法は、タービン入口温度を上げると共に部分負荷作動における熱的効率をブレイトンサイクル、フォグド(fogged)ブレイトンサイクル又は幾分かの水蒸気送り出し又は最大水蒸気送り出し方式で動作するサイクルの関連技術における部分負荷作動によって得られる熱的効率よりも高く増大させるために希釈剤を用いた熱力学的サイクルにおける希釈剤流体、燃料流体及び酸化剤流体の送り出しを制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第6,332,313号明細書
【特許文献2】国際公開第2010/044958号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2009/120779号パンフレット
【特許文献4】米国特許第4,858,428号明細書
【特許文献5】米国特許第4,271,664号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2009/0064653号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
酸化剤流量を制御する幾つかの従来の技術的努力は、酸化剤入口制御装置を具体化したが、このようなシステムは、このような燃焼器の全てを一緒に制御することを開示しており、燃焼器相互間の差を考慮に入れていない。さらに、これらシステムは、酸化剤流量を微調節する能力において制限がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の例示の実施形態は、ガスタービンシステムを提供する。このガスタービンシステムは、酸化剤系統、燃料系統、制御システム及び酸化剤系統からの酸化剤及び燃料系統からの燃料を受け入れ、これらを燃焼させて排ガスを生じさせる複数の燃焼器を有する。酸化剤流量調節装置が燃焼器の各々とそれぞれ作動的に関連している。酸化剤流量調節装置は、関連の燃焼器中への酸化剤流量を別個独立に調節するよう構成されている。排気センサが、制御システムと連絡状態にある。排気センサは、排ガスの少なくとも1つのパラメータを測定するようになっており、制御システムは、少なくとも部分的に、排気センサによって測定されたパラメータに基づいて、複数の酸化剤流量調節装置の1つを別個独立に調節するよう構成されている。
【0016】
酸化剤は、酸素及び希釈剤を含むのが良い。希釈剤供給源が複数の燃焼器の各々に提供される。圧縮酸化剤を複数の燃焼器に提供するのに酸化剤圧縮機を用いるのが良い。
【0017】
酸化剤流量調節装置は、流量制御弁を含むのが良い。酸化剤流量調節装置は、調節可能なスワラサブアセンブリを含むのが良い。調節可能なスワラサブアセンブリは、流れスリーブの周りに位置決めされていて、流れスリーブ中への酸化剤流量を制御可能に調節する環状制御組立体を含むのが良い。環状制御組立体は、取り付けリング及びアクチュエータ翼と作動的に関連した複数の関節運動翼を含むのが良い。複数の関節運動翼は、アクチュエータ翼を取り付けリングに対して動かすことによって開放位置と閉鎖位置とこれら位置相互間の位置との間で制御可能に調節されるようになっているのが良い。
【0018】
ガスタービンシステムは、複数の排気センサを有するのが良く、複数の排気センサは、制御システムと協働して、互いに異なる排気センサのところでの測定パラメータ相互間の差を最小限に抑えるよう複数の燃焼器への酸化剤流量を調節するようになっている。複数の燃焼器の少なくとも1つに設けられた酸化剤流量調節装置は、酸化剤、燃料、希釈剤又はこれらの任意の組み合わせの混合度を増大させるようになっている。
【0019】
燃焼器が希釈剤入口及び酸化剤入口を有するのが良く、酸化剤流量調節装置は、酸化剤入口内に配置される。酸化剤流量調節装置は、燃料が導入される前に酸化剤と希釈剤を混合するよう構成されているのが良い。
【0020】
タービン膨張機が排ガスを受け入れて動力を発生させるようになっているのが良い。排熱回収蒸気発生器がタービン膨張機から排ガスを受け入れて動力を発生させるようになっているのが良い。
【0021】
希釈剤圧縮機及びEGRループが膨張機から排ガスを受け入れるようになっているのが良く、EGRループは、動力を発生させるようになった排熱回収蒸気発生器及び冷却状態の排ガスを希釈剤圧縮機に提供するようになった冷却排気ラインを有し、希釈剤圧縮機は、圧縮状態の希釈剤を燃焼器に提供するようになっている。
【0022】
排ガス抽出系統が希釈剤圧縮機と燃焼器との間に設けられるのが良く、排ガス抽出系統は、希釈剤を高い圧力状態で抽出するのが良い。
【0023】
別の例の磁気実施形態は、ガスタービンを制御する方法を提供する。この方法は、燃料をガスタービンの複数の燃焼器に提供するステップ及び酸化剤を複数の燃焼器に提供するステップを有し、酸化剤流量は、複数の燃焼器の各々について別個独立に調節される。燃料及び酸化剤を複数の燃焼器内で燃焼させて排ガスを生じさせる。排ガスのパラメータを測定し、複数の燃焼器の各々中への酸化剤流量を調節してパラメータを標的設定値範囲内に調節する。
【0024】
この方法は、酸化剤を複数の燃焼器の各々に提供する前に酸化剤を圧縮するステップを有するのが良い。排ガスの一部分を希釈剤として複数の燃焼器に戻すのが良い。希釈剤が燃焼器に入る前に希釈剤を圧縮機で圧縮するのが良い。圧縮機は、排ガスを受け入れてこれから動力を発生させるようになった膨張機に作動的に結合されるのが良い。
【0025】
圧縮機と複数の燃焼器の各々との間に設けられた継手から排ガスの少なくとも一部分を抽出するのが良く、排ガスの抽出量は、少なくとも部分的に、パラメータに基づく。
【0026】
別の例示の実施形態は、プロセッサに命令し、燃料をガスタービンの複数の燃焼器に提供し、酸化剤を複数の燃焼器に提供し、酸化剤流量は、複数の燃焼器の各々について別個独立に調節されるよう構成されたコードを有する非一過性コンピュータ可読媒体を提供する。このコードは又、プロセッサに命令し、燃焼の際の火炎中に生じた排ガスのパラメータをモニタし、複数の燃焼器の各々中への酸化剤流量を調節してパラメータを標的設定値範囲内に調節する。パラメータは、排ガス中の酸素濃度であるのが良い。パラメータは、排ガス中の一酸化炭素濃度であっても良い。
【0027】
非一過性コンピュータ可読媒体は、スワールチャートを表すデータ構造を有するのが良い。コードは、プロセッサに命令して複数のセンサと関連した測定値をデータ構造と比較して複数の燃焼器のどれを調節すべきかを決定するよう構成されているのが良い。コードは、プロセッサに命令して複数の排気センサから測定値を得るよう構成されているのが良い。コードは、プロセッサに命令し、複数の燃焼器の各々への酸化剤流量を調節して互いに異なる排気センサのところでの測定パラメータ相互間の差を最小限に抑えるよう構成されているのが良い。
【0028】
本発明の利点は、以下の詳細な説明及び添付の図面を参照すると良好に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】ガスタービンを含むガスタービンシステムの略図である。
図2】燃焼器、例えば図1を参照して説明する燃焼器の一部分を示す略図である。
図3図2を参照して説明するスワラの斜視図である。
図4】多数の燃焼器の各々への酸化剤流量を別個独立に調節するために使用できるガスタービンシステムの略図である。
図5】タービン膨張機に設けられたセンサを含むガスタービンシステムの略図である。
図6】各燃焼器からの排気ラインに設けられたセンサを含むガスタービンシステムの略図である。
図7】各燃焼器のための酸化剤供給ラインに設けられた別個の酸化剤流量調節弁を含むガスタービンシステムの略図である。
図8】膨張機排気区分からの排気流に対する排熱回収蒸気発生器(HRSG)を含むガスタービンシステムの略図である。
図9】膨張機排気区分から排熱回収蒸気発生器(HRSG)までの排気流に対するセンサを含むガスタービンシステムの略図である。
図10】HRSGからの冷却排気流に対するセンサを含むガスタービンシステムの略図である。
図11】HRSGからの冷却排気流に対する冷却器を含むガスタービンシステムの略図である。
図12】上述の多数のシステムの特徴を組み合わせたガスタービンシステムの略図である。
図13A】当量比(φ)が0.75から1.25に変化したときにおける酸素の濃度と一酸化炭素の濃度の関係を示すシミュレーションのグラフ図である。
図13B】当量比(φ)が0.999から1.001に変化したときにおける酸素の濃度と一酸化炭素の濃度の関係を示すシミュレーションのグラフ図である。
図14】アレイ状に配置されたセンサからの読みに基づいて個々の燃焼器を付勢する方法のブロック図である。
図15】ガスタービンにおける多数の燃焼器への酸化剤及び燃料を別個独立に制御するために使用できるプラント制御システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の詳細な説明の項において、本発明の特定の実施形態を好ましい実施形態と関連して説明する。しかしながら、以下の説明が本発明の特定の実施形態又は特定の使用に特有である範囲まで、これは、例示目的にのみ行われ、例示の実施形態についての説明を提供するに過ぎない。したがって、本発明は、以下に説明する特定の実施形態には限定されず、それどころか、本発明は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれるあらゆる変形例、改造例及び均等例を含む。
【0031】
始めに、参照の便宜上、本明細書で用いられる或る特定の用語及び本発明との関連で用いられるこれらの意味について説明する。本明細書において用いられる用語が以下において定義されていない範囲については、当業者が与える最も広い定義が少なくとも1つの刊行物又は発行された特許に反映されている用語に与えられるべきである。さらに、本発明は、以下に示されている用語の使い方によって限定されることはない。というのは、全ての均等例、同義語、新たな展開及び同一又は類似の目的を達成する用語又は技術は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれると見なされるからである。
【0032】
「吸着剤」は、排ガス流からCO2を抽出し又は隔離するために使用できる。吸着剤は、床中の吸着剤が容量に達したときに切り換え可能な一連の平行な床内に用いられる場合がある。流れから取り出される床は、次に、CO2を脱着するよう処理され、例えば加熱されるのが良い。
【0033】
本発明におけるCO2隔離に適当な吸着剤は、関連の温度範囲及び関連の組成範囲にわたって適度に大きな作業容量を有し、他の望ましくない成分(例えば、N2及びO2)よりもCO2に良好な選択性を示し、良好な反応速度を有し、高い耐久性を有し、良好な適合性を有し、更にこのような吸着剤のコストは、適度に安価である。数種類の固相吸着剤がCO2捕捉のための潜在的な候補である。例えば、分子篩は、多数の相互連結状態の一様なサイズの細孔が存在するよう原子が格子又はフレーム構造の状態に配列された物質である。細孔は、一般に、細孔のサイズ(孔径)とほぼ同じ又はこれより小さいサイズの分子しか入れない。分子篩は、細孔に対してサイズに基づいて分子を吸着して分離し又は遮断するために使用できる。分子篩の一等級は、ゼオライトである。ゼオライトは、アルミニウムの水和シリケートであり、交換可能なイオンを含む場合が多い。ゼオライトは、天然に産出するものであっても良く、人工のものであっても良い。天然に産出する形式のものとしては、少し挙げてみただけでも、斜方沸石、クライノタイロ沸石、エリオナイト、輝沸石及びモルデン沸石が挙げられる。例えばタイプA、D、L、R、S、T、X、Y、ZSM、モルデン沸石又はクライノタイロ沸石を含む人工ゼオライトも又使用できる。例えば化学吸着を利用した液相又は溶剤吸着系も又使用できる。これらは、とりわけカーボネート又はアミンを主成分とする系を含む場合がある。
【0034】
「物理的吸収」という用語は、ガス状供給流から比較的高い圧力、例えば約2.07〜13.8MPaの状態で生成物を優先的に吸着する液体中にガス状供給流を通すことによってガス状供給流から生成物、例えば二酸化炭素を吸収することを意味している。吸収した生成物が減少した供給流を液体から除去する。次に、例えば液体にこのような圧力を下げることにより又は生成物を液体からストリップすることによって生成物を液体から回収することができる。他の溶剤を利用したプロセス、例えばアミン又はカーボネートを利用したプロセスとは異なり、液体中への二酸化炭素の吸収には、二酸化炭素の化学反応は関与しない。物理的吸着プロセスの一例は、ハニウェル・コーポレイション(HONEYWELL Corporation)の子会社であるユーオーピー・エルエルシー(UOP LLC)から入手できるSELEXOL(商標)プロセスである。
【0035】
「炭素隔離施設」は、例えば成熟又は枯渇した石油・ガス貯留層、採鉱不能の炭層、深部岩塩地層、玄武岩地層、シェール地層又は掘削トンネル若しくはキャバーン中への導入によって二酸化炭素を制御すると共に収納場所に隔離することができる施設である。さらに、隔離を隔離ガスのための他の使用、例えば有効貯留層からの三次原油回収における炭化水素産出の増大と組み合わせることができる。
【0036】
「複合サイクル発電プラント」は、発電のために蒸気タービンとガスタービンの両方を用いる。ガスタービンは、開ブレイトンサイクルで動作し、蒸気タービンは、ガスタービンからの熱により動力供給されるランキンサイクルで動作する。これら複合サイクルガス/蒸気発電プラントは、一般に、ガス単独プラント又は蒸気単独プラントよりもエネルギー変換効率が高い。複合サイクルプラントの効率は、50%〜60%という高い効率である場合がある。複合サイクルプラントの効率が高いことは、ガスタービンと蒸気タービンの組み合わせの相乗的利用の結果として得られる。典型的には、複合サイクル発電プラントは、ガスタービン排気からの熱を利用して水を沸騰させて蒸気を発生させる。典型的な複合サイクルプラントのボイラは、排熱回収蒸気発生器又は排熱熱交換器(HRSG)と呼ばれる場合がある。発生した水蒸気は、複合サイクルプラントの蒸気タービンに動力供給するために利用される。ガスタービン及び蒸気タービンは、独立の発電機に別々に動力供給するために利用可能であり、又は変形例として、蒸気タービンをガスタービンと組み合わせて一緒になって共通駆動シャフトにより単一発電機を駆動しても良い。
【0037】
「希釈剤」は、燃料を燃焼させるためにガスタービンに供給される酸化剤の濃度を減少させるために用いられるガスである。希釈剤は、窒素、CO2、燃焼排気又は任意の種類の他のガスの過剰分であるのが良い。実施形態では、希釈剤は又、燃焼器に冷却作用をもたらすことができる。
【0038】
本明細書で用いられる「圧縮機」は、作業流体の圧力を増大させるよう設計された形式の機器を含み、又、任意の一形式若しくは類似し又は互いに異なる形式の圧縮機器の組み合わせを含む。圧縮機は、圧縮機と関連した補助機器、とりわけモータ及び駆動システムを更に含む場合がある。圧縮機は、1つ又は2つ以上の圧縮段を例えば直列に利用することができる。例示の圧縮機としては、容積移送形式、例えば往復圧縮機及び回転圧縮機並びに動的形式、例えば遠心圧縮機及び軸流圧縮機が挙げられるが、これらには限定されない。例えば、圧縮機は、以下に更に詳細に説明するようにガスタービンエンジンにおける第1段(初段)であるのが良い。
【0039】
「制御システム」は、典型的には、1組の共通のプロセス結果を達成するよう協働する論理回路を採用した1つ又は2つ以上の物理的システムコンポーネントを含む。ガスタービンエンジンの作動において、その目的は、特定の排ガス組成及び温度を達成することにあると言える。制御システムは、外乱、製造公差に起因した物理的コンポーネント相互間のばらつき及び制御された出力値を得るために入力される設定値の変化があっても物理的システムコンポーネントを確実に制御するよう設計されているのが良い。制御システムは、通常、コントローラに送ることができるプロセス変数の読みを提供し、次に、例えば酸化剤流れに作用する最終の制御要素を駆動するアクチュエータに制御信号を提供することができる少なくとも1つの測定装置を有する。制御システムは、安定状態のままであり、特定の作動条件範囲内で動揺を回避するよう設計されているのが良い。良好に設計された制御システムは、作動プロセス中の変動状態の間であっても人による介在の必要性を大幅に減少させることができる。
【0040】
「当量比」という用語は、燃焼器に入る燃料と酸素の質量比を質量比が化学量論比である場合の燃料と酸素の質量比で除算した値を意味している。CO2及び水を生じさせる燃料と酸素の完全燃焼は、当量比が1である。例えば燃料よりも酸素の方が多い希薄すぎる混合物は、1未満の当量比をもたらし、例えば酸素よりも燃料の方が多い濃厚すぎる混合物は、1を超える当量比をもたらす。
【0041】
「燃料」という用語は、ガスタービンに動力供給するために酸化剤で燃焼可能な任意種類の炭化水素を含む。このような炭化水素としては、天然ガス、処理済み天然ガス、ケロセン、ガソリン又は任意の種類の他の天然又は合成炭化水素が挙げられる。
【0042】
「ガスタービン」エンジンは、ブレイトンサイクルで動作する。排ガスを逃がす場合、これは、開ブレイトンサイクルと呼ばれ、排ガスを再利用することにより閉ブレイトンサイクルが提供される。本明細書で用いる「ガスタービン」という用語は、典型的には、圧縮機区分、多数の燃焼器及びタービン膨張機区分を含む。圧縮機は、酸化剤を圧縮するために使用でき、酸化剤は、燃料と混合されて燃焼器に送られる。燃料と酸化剤の混合物は、次に、点火されて高温燃焼ガスが生じる。燃焼ガスは、タービン膨張機区分に送られ、タービン膨張機区分は、圧縮機に動力供給するために燃焼ガスからエネルギーを抽出すると共に有用な仕事を行わせて負荷に動力供給する。本明細書において説明する実施形態では、酸化剤は、外部圧縮機によって燃焼器に提供されるのが良く、外部圧縮機は、ガスタービンエンジンのシャフトに機械的に連結されていても良くそうでなくても良い。さらに、実施形態では、圧縮機区分は、冷却材として燃焼器に送られるのが良い希釈剤、例えば再利用排ガスを圧縮するために使用されるのが良い。
【0043】
「排熱回収蒸気発生器」、即ちHRSGは、高温ガス流から熱を回収する熱交換器又はボイラである。HRSGは、プロセスで用いることができ又は蒸気タービンを駆動するために用いることができる蒸気を発生させる。HRSGに関して一般的な用途は、ガスタービンからの高温排気がHRSGに送られて蒸気タービンを駆動する蒸気を発生させる複合サイクル発電プラントにおける用途である。この組み合わせにより、ガスタービン単独か蒸気タービン単独かのいずれかよりも効率的に電気を発生させる。
【0044】
「炭化水素」は、主として元素である水素及び炭素を含む有機化合物であるが、窒素、硫黄、酸素、金属又は任意種類の他の元素が少量で存在していても良い。本明細書で用いられる炭化水素という用語は、一般に、原料天然ガス中に見受けられる成分、例えばCH4、C22、C24、C26、C3異性体、C4異性体、ベンゼン等を意味している。
「酸化剤」という用語は、燃料を燃焼させるためにガスタービンエンジンの燃焼器中に流入させることができるガス混合物である。本明細書において用いられる場合、酸化剤は、希釈剤としての任意の種々の他のガスと混合される酸素であるのが良く、他のガスとしては、CO2、N2、空気、燃焼排気等が挙げられる。
【0045】
「センサ」という用語は、物理的量の絶対値又はその変化を検出し、求め、モニタし、記録し又は違ったやり方で検知することができる任意の装置を意味している。本明細書で用いられる場合、センサは、温度、圧力、O2濃度、CO濃度、CO2濃度、流量、音響データ、振動データ、化学物質濃度、弁位置又は任意他の物理的データを含む物理的量を測定するために使用されるのが良い。
【0046】
「圧力」という用語は、ガスにより容積部の壁に及ぼされる単位面積当たりの力である。圧力は、平方インチ当たりのポンド(psi)で示される場合がある。「大気圧」という用語は、大気の局部圧力を意味している。「絶対圧」(psia)は、大気圧(標準条件では14.7psia)にゲージ圧(psig)に加えた合計を意味している。「ゲージ圧」(psig)は、ゲージ(計器)の測定される圧力を有し、ゲージは、局部大気圧を超える圧力だけを支持する(即ち、0psigのゲージ圧は、14.7psiaの絶対圧に一致する)。「蒸気圧」という用語は、通常の熱力学的意味を有している。所与の圧力状態における閉鎖系内での純粋成分の場合、成分蒸気圧は、本質的に、系中の全圧に等しい。
【0047】
物質又はその特定の特性の量又は大きさに関して用いられる場合の「実質的に」という用語は、物質又は特性が提供しようする効果を提供するのに十分な量を意味している。許容可能な正確なばらつき度は、幾つかの場合、特定の前後関係で決まる場合がある。
【0048】
概観
本発明の実施形態は、ガスタービンエンジンの多数の燃焼器を個々に制御するシステム及び方法を提供する。制御は、少なくとも部分的に、例えば排気膨張機にリング状に設けられたセンサからの測定値に基づいている場合がある。センサは、とりわけ酸素センサ、一酸化炭素センサ及び温度センサを含むのが良い。さらに、種々の形式のセンサの組み合わせが情報を更に提供するよう用いられる場合がある。
【0049】
センサは、特定の燃焼器に対して1対1の関係を持たなくても良いが、特定の燃焼器によって影響を受ける場合がある。種々のセンサの応答は、例えばスワールチャートに基づく場合のある和アルゴリズム及び差アルゴリズムを用いて特定の燃焼器にフィードバックされる場合がある。スワールチャートは、膨張機内の排気流のパターンをその時点での排気流に貢献している場合のある燃焼器に関連付ける。
【0050】
個々に制御される燃焼器の使用により、ガスタービンエンジンの燃焼効率が向上させることができ、例えば、燃焼を1対1当量比に近づけることができる。効率のこのような向上により、排気中の汚物及び未燃焼の炭化水素を減少させることができ、しかも排ガスからのCO2捕捉を効率的にすることができる。これにより、原油増進回収並びに隔離への使用のためにタービンからのCO2の捕捉度を向上させることができる。
【0051】
図1は、ガスタービン102を有するガスタービンシステム100の略図である。ガスタービン102は、単一のシャフト108に取り付けられた圧縮機104及びタービン膨張機106を有するのが良い。ガスタービン102は、単一シャフト構成には限定されない。というのは、一般にシャフト相互間に機械的リンク機構又は動力伝達装置を備えた状態で多数のシャフトを用いることができるからである。実施形態では、ガスタービン102は、高温排ガスを例えばライン112により膨張機に供給する多数の燃焼器110を更に有している。例えば、ガスタービン102は、ガスタービン102のサイズに応じて、2基、4基、6基、14基、18基又はそれ以上の数の燃焼器110を有することができる。
【0052】
燃焼器110は、燃料源114により提供される燃料を燃やすために用いられる。種々の源から酸化剤を燃焼器110の各々に提供することができる。例えば、実施形態では、外部酸化剤源116、例えば外部圧縮機が酸化剤を燃焼器110に提供することができる。実施形態では、酸化剤又は再利用排ガス118又はこれらの混合物を圧縮機104で圧縮することができ、次に燃焼器110に提供することができる。他の実施形態では、例えば外部酸化剤源116が提供される場合、圧縮機104は、酸化剤の冷却及び希釈のために燃焼器110に供給することができる再利用排ガスだけを圧縮するために用いられても良い。
【0053】
燃焼器110からの排ガスは、タービン膨張機106内で膨張し、機械エネルギーを生じさせる。機械エネルギーは、シャフト108を介して圧縮機104に動力供給することができる。さらに、機械エネルギーの一部分を機械的動力出力120としてガスタービンから取り出して電気を発生させ又は酸化剤圧縮機に動力供給しても良い。膨張した排ガス122をガス抜きし、熱回収のために用い、圧縮機104に再利用し又はこれらの任意の組み合わせ状態で用いることができる。
【0054】
実施形態では、酸化剤を燃焼器110の各々に個々に計量供給してその燃焼器110内の当量比を制御することができる。当業者には明らかなように、例えば当量比1での化学量論的燃焼は、非化学量論的燃焼よりも高温になるであろう。したがって、過剰酸化剤か追加の非可燃性ガス、例えば再利用排ガスかのいずれかを追加してエンジンを冷却することができ、それにより非常に高い熱による燃焼器110又はタービン膨張機106の損傷を阻止することができる。再循環排ガス122の使用により、排気が酸素不足になり、それによりこのような排気が原油増進回収のための良好な材料になるという別の利点が得られる。さらに、例えば図2及び図3を参照して説明するように各燃焼器110への酸化剤を個々に調節することにより、燃焼器110相互間の差を補償することができ、それによりガスタービン102の全体的効率が向上する。燃焼器110の各々への混合物パラメータの制御の仕方について図13A図13B及び図14を参照して更に説明する。
【0055】
図2は、図1を参照して説明した燃焼器、例えば燃焼器110の一部分を示す略図200である。これは、燃焼器110の一例に過ぎないことは明らかである。というのは、他の多くのオプションが利用可能だからである。略図200に示されているように、酸化剤202を調節可能な酸化剤スワラ204中に供給するのが良い。スワラ204は、図3を参照して更に説明するようにアクチュエータリング206を動かすことによって広く開放可能であり又は部分的に閉鎖可能である。スワラ204は、例えば空気と酸化剤流中の再利用排ガス又は燃料を含む酸化剤との混合度を促進することができる渦巻き状ガス流208を生じさせる。燃料210を別個の流路212を通って例えば渦巻き状ガス208の外部に沿って注入しても良く、それにより燃料210を加熱することができ、燃焼が促進される。燃料210の注入は、別個の流路212には限定されない。というのは、燃料210を任意の数の場所に注入することができるからである。例えば、燃料の予熱流214をスワラ204の中心に沿って下方に注入するのが良く、それにより螺旋流路208中の酸化剤202と混合させる。燃料210を燃焼ゾーン216への流入に先立って酸化剤202と混合し、燃焼ゾーン内では、燃料110と酸化剤202を火炎218の状態で消費させる。空気中でのメタンの化学量論的燃焼の断熱火炎温度は、約1960℃であり、酸素中でのメタンの化学量論的燃焼は、約2800℃である。したがって、機器の損傷の恐れを減少させるためには冷却が必要な場合がある。実施形態では、希釈剤をこれが調節可能な酸化剤スワラ204中に注入されているときに冷却目的で酸化剤202に追加するのが良い。実施形態では、希釈剤は、再利用排ガス、窒素又は燃焼プロセスに加わらない他のガスであるのが良い。
【0056】
図3は、図2を参照して説明したスワラ204の斜視図である。スワラ204は、多数の翼302を有し、翼302は、酸化剤流304を翼302の各々相互間のスロート開口部中に差し向ける。スロート開口部306のサイズを調節するためにアクチュエータリング206を用いるのが良い。例えば、アクチュエータリングが角度を変化させると、翼302は、開閉することができ、それによりスロート308中への酸化剤流304を調節することができる。調節可能なスワラ204を各燃焼器110(図1)内に設けて燃焼器110に供給される酸化剤の量を加減するのが良い。各燃焼器110への酸化剤の量を調節するためにスワラ204を用いることができるシステムが図4に示されている。
【0057】
燃焼器への酸化剤の個別的制御
図4は、多数の燃焼器110の各々への酸化剤流を個別的に調節するために使用できるガスタービン400の略図である。参照符号が付けられたユニットは、図1を参照して全体的に説明したものである。システム400は、酸化剤流量調節装置402、例えば上述のスワラ204及び各燃焼器110内に設けられた混合区分を用いる。アクチュエータ404を用いると酸化剤流量調節装置402を調節することができる。
【0058】
多くのセンサ406がガスタービン102の膨張機排気区分408内に設けられるのが良く、例えば、5個、10個、15個、20個、25個、30個又はそれ以上のセンサ406が膨張機排気区分408の周りにリング状に配置されるのが良い。センサ406の個数は、ガスタービン102のサイズで決定されるのが良い。センサ406は、酸素センサ、一酸化炭素センサ、温度センサ等を含む本明細書において説明した形式の任意のものであって良い。酸素センサの例としては、ラムダ及び/又は広帯域ジルコニア酸素センサ、チタニアセンサ、ガルヴァニックセンサ、赤外線センサ又はこれら任意の組み合わせが挙げられる。温度センサの例としては、熱電対、抵抗型温度装置、赤外線センサ又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。一酸化炭素センサの例としては、酸化物を主成分とするフィルムセンサ、例えば、錫酸化バリウム及び/又は二酸化チタンが挙げられる。例えば、一酸化炭素センサとしては、白金活性化二酸化チタン、ランタン安定化二酸化チタン等が挙げられる。センサ406の選択は、測定がシステムの実時間制御に必要なので、応答時間で左右される場合がある。センサ406は、互いに異なる形式のセンサ406の組み合わせを更に含む場合がある。センサ406は、データ信号410を制御システム412に送る。
【0059】
制御システム412は、大型システム、例えば分散型制御システム(DCS)、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、直接ディジタルコントローラ(DDC)又は任意他の適当な制御システムの一部であるのが良い。さらに、制御システム412は、パラメータを自動的に調節することができ又はガスタービン102に関する情報を調節を手動で行うオペレータに提供することができる。以下において、図14を参照して制御システム412について更に説明する。
【0060】
理解されるように、図4に示されているガスタービンシステム400及び他の図に示されている類似のガスタービンシステムは、本発明の種々の実施形態の説明を助けるために単純化されている。したがって、本発明の実施形態では、酸化剤系統116と燃料系統114の両方並びにガスタービンシステムそれ自体は、図示していない多くの装置を含む場合がある。このような装置としては、流量計、例えばオリフィス流量計、質量流量計、超音波流量計、ベンチュリ流量計等が挙げられる。他の装置としては、ラインを開閉する弁、例えばピストンモータ弁(PMV)及び流量を調節するためのモータ弁、例えばダイヤフラムモータ弁(DMV)、球形弁等が挙げられる。さらに、図示のユニットに加えて、実施形態では、圧縮機、タンク、熱交換器及びセンサを利用する場合がある。
【0061】
図4に示されている実施形態では、圧縮機104は、流れ414、例えば再利用排気流を圧縮するために使用されるのが良い。圧縮後、流れ414をライン416から燃焼器110の混合区分中に注入するのが良い。流れ414は、純粋再利用流には限定されない。というのは、注入される流れ414は、酸化剤を燃焼器110に提供することができるからである。膨張機排気区分408からの排気流414を用いると、以下において図12を参照して更に説明するように再利用流を提供することができる。センサ406の配置場所は、膨張機排気区分408には限定されず、センサ406を多くの他の場所に配置することができる。例えば、センサ406を膨張機排気区分408周りに多数のリングの状態に配置することができる。さらに、センサ406をセンサ406の形式によっては多数のリングの状態に分けても良く、例えば、酸素濃度計を1つのリングの状態に配置し、温度センサを別のリングの状態に配置するのが良い。当業者には明らかなように、任意の数の適当な構成例を用いることができる。排気膨張機内のセンサ406に加えて又はこれに代えて、センサは、図5及び図6を参照して説明するようにガスタービン102の他の部分に配置しても良い。
【0062】
図5は、タービン膨張機106に設けられたセンサ502を有するガスタービンシステム500の略図である。参照番号が付けられたユニットは、図1及び図4を参照して上述したものである。タービン膨張機106に設けられたセンサ502は、信号504を制御システム412に送り戻し、制御システム412は、燃焼器110の各々又は全てに関する調節の決定を行うよう使用できる。任意の数の物理的測定を膨張機106に対して行うことができ、例えば、センサ106を用いて温度、圧力、CO濃度、O2濃度、振動等を測定することができる。さらに、これらパラメータの組み合わせを測定するために多数のセンサ502を用いても良い。センサ502をタービン膨張機106に設けることにより、個々の燃焼器106の状態に対するセンサ502の各々の依存性を高めることができ、それにより制御アルゴリズムの効率が向上する。図6を参照して説明するようにこれを一段と高めることができる。
【0063】
図6は、各燃焼器110からの排気ライン604に設けられたセンサ602を有するガスタービンシステム600の略図である。参照番号が付けられたユニットは、図1及び図4を参照して上述したものである。この実施形態では、個々の燃焼器110に固有の信号606をセンサ602から制御システム412に戻し、それにより、特定の制御アルゴリズムを燃焼器110の各々について制御システム412で実施することができる。上述したように、センサ602は、温度、圧力、CO濃度、O2濃度又はこれら任意の組み合わせを測定することができる。センサ602のこの構成は、燃焼器110の各々の特定の制御とガスタービン102に関する全体的制御データの両方についてデータを提供するために膨張機排気区分408又は他の場所に配置されたセンサ406と組み合わせるのが良い。図7を参照して説明するように燃焼器110の各々における燃焼プロセスに対する一層の制御を得るために実施形態では他の技術も又使用するのが良い。
【0064】
図7は、各燃焼器110のための酸化剤供給ライン704に設けられた別個の酸化剤流れ調節弁702を有するガスタービンシステム700の略図である。本明細書で用いられる酸化剤流調節弁702は、ラインを通るガスの流量を制御するよう設計された任意の可変形態システムであって良い。参照符号が付けられたユニットは、図1図4及び図6を参照して上述したものである。制御システム412によってアクチュエータ706を用いて酸化剤流れ調節弁702を通る酸化剤の流量を調節するのが良い。酸化剤流れ調節弁702は、酸化剤の流れを調節するよう酸化剤流れ調節装置402と一緒に動作するのが良く、それにより燃焼器110内における燃焼プロセスの厳密な制御が提供される。さらに、実施形態では、一層の制御を提供するよう酸化剤流れ調節弁702を燃焼器110からの排気ライン604に設けられたセンサ602(図6)と組み合わせるのが良い。
【0065】
実施形態では、ガスタービン102は、多くの用途のために動力、CO2、熱エネルギー又はこれらの任意の組み合わせを提供するよう使用できる。例えば、排気からの熱を図8を参照して説明するように回収することができる。
【0066】
エネルギー回収及び排気の再利用
図8は、膨張機排気区分408からの排気流418に対して設けられた排熱回収蒸気発生器(HRSG)802を有するガスタービンシステム800の略図である。参照符号が付けられたユニットは、図1及び図4を参照して上述したものである。排気流418中の排ガスとしては、燃料、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、窒素、酸化窒素、窒素酸化物、アルゴン、水、水蒸気又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。排気流418は、約430℃〜約725℃の温度を有すると共に約101kPa〜約110kPaの圧力を有する場合がある。
【0067】
図800に示された実施形態では、燃焼により生じた熱を用いて入口水流804を沸騰させて水蒸気流806を生じさせることができ、この水蒸気流806も又過熱されるのが良い。水蒸気流806を例えばランキンサイクルで用いると、蒸気タービンから機械的動力を生じさせることができ又はユーティリティ用の水蒸気を生じさせることができ又はこれら両方を実施することができる。蒸気タービンからの機械的動力を用いると、電気を発生させ、圧縮機を作動させたりすることができる。システム800は、任意形式の熱回収ユニット(HRU)を用いることができるのでHRSG802には限定されない。例えば、熱を熱交換器で回収して温水又は他の加熱流体を生じさせることができる。さらに、有機作動流体(ORC)を利用したランキンサイクルを用いると、熱エネルギーを機械エネルギーに変換することにより熱エネルギーを回収することができる。
【0068】
次に、冷却状態の排気流808を他の目的に用いることができ、例えば、以下に説明するように再利用排気を流れ414に提供することができる。図9及び図10を参照して説明するように水蒸気発生プロセスをモニタすると共に制御するためにシステムに種々のセンサを追加して設けるのが良い。
【0069】
図9は、膨張機排気区分408から排熱回収蒸気発生器(HRSG)802までの排気流418に対して設けられたセンサ902を有するガスタービンシステム900の略図である。参照符号で示されたユニットは、図1図4及び図8を参照して上述したものである。信号904がセンサ902から制御システム412に提供されている。センサ902は、温度センサ、圧力センサ又は上述したセンサの任意のものであって良い。さらに、センサ902は、単一のセンサであっても良く一群のセンサであっても良く、又、センサ902は、燃焼器110の全てを制御するための情報を提供してHRSG802を制御するためにガスタービン102からの排気流418の温度を調節するよう構成されているのが良い。実施形態では、センサ902を例えば図4図5及び図6に示されているように上述したセンサ構成の任意のものと組み合わせることができる。図10を参照して説明するようにHRSG802及びガスタービン102の制御を他の場所に設けたセンサによって一段と促進することができる。
【0070】
図10は、HRSG802からの冷却排気流808に対して設けられたセンサ1002を有するガスタービンシステム1000の略図である。先の参照番号が付けられているユニットは、図1図4及び図8を参照して上述したものである。信号1004がセンサ1002から制御システム412に提供されている。センサ1002は、温度センサ、圧力センサ又は上述したセンサの任意のものであって良い。さらに、センサ1002は、単一のセンサであっても良く一群のセンサであっても良く、又、センサ1002は、燃焼器110の全てを制御するための情報を提供してガスタービン102からの排気流418の温度を調節するよう構成されているのが良い。信号1004が、制御システム412によって使用されて冷却排気流808中の無駄になっている熱の量に対してHRSG802により取り出される熱の量を求めることができる。
【0071】
実施形態では、センサ1002を例えば図4図5図6及び図8に示されているように上述したセンサ構成の任意のものと組み合わせることができる。HRSG802からの却排気流808中の熱は、下流側のユニットで利用するには高すぎる場合がある。したがって、図11を参照して説明するように冷却器を用いて過剰の熱を除去するのが良い。
【0072】
図11は、HRSG802からの冷却排気流808に対して設けられた冷却器1102を有するガスタービンシステム1100の略図である。先の参照番号が付けられているユニットは、図1図4図8及び図10を参照して上述したものである。冷却器1102は、非接触型熱交換器であっても良く、或いは任意の数の他の形式のものであっても良い。例えば、一実施形態では、冷却器1102は、向流直接接触型熱交換器であるのが良く、この場合、水流れ1104が容器の頂部のところに導入され、冷却状態の排気流808が容器の底部のところに導入される。水が高温排気ガスに接触すると、水は、蒸発と熱交換の両方によって水蒸気を冷却する。加熱された水の流れ1106は、容器の底部から除去され、そして冷却され、その後、水の流れ1104として再利用される。出口排気流1108は、冷却されると共に水蒸気で飽和され、このような出口排気流を図12を参照して説明するように例えば流れ414への再利用流として用いることができる。
【0073】
図12は、上述した多くのシステムの特徴を組み合わせたガスタービンシステム1200の略図である。先の参照番号が付けられているユニットは、図1図4図8及び図11を参照して上述したものである。この実施形態では、冷却器1102からの飽和排ガス1202を圧縮機104の入口に再循環させるのが良い。圧縮後、飽和排ガス1202を流れ416として燃焼器110に供給して燃焼器110の冷却を助けるのが良い。流れ416の一部分を抽出副流1204として他の使用のために処理システムにそらすのが良い。処理システムは、例えば原油増進回収のために炭化水素貯留層中への注入のためにCO及びO2の変換又は除去によって副流1204中のCO2を精製することができる。そらされたガスの他の用途としては、炭素隔離が挙げられる。この用途では、副流1204を処分のために地下地層中に直接注入しても良い。
燃焼器への当量比の個々の制御
【0074】
上述したガスタービンシステムは、燃焼器110の各々内における燃焼プロセスを個々に且つひとまとまりとして制御するために使用できる。上述したように、制御の一目的は、燃料と酸素の当量比のバランスを取ることにある。これは、排気流中のCO濃度により表される未燃焼又は部分的に燃焼された炭化水素を最小限に抑えると共に排気流中の未消費酸素を最小限に抑えるよう実施されるのが良い。図13を参照して当量比について更に説明する。
【0075】
図13A及び図13Bは、それぞれ、当量比(φ)が0.75から1.25に変化したとき及び0.999から1.001に変化したときにおける酸素の濃度と一酸化炭素濃度の関係を示すシミュレーションのグラフ図である。最も高い効率は、当量比が約1.0の場合に達成できる。当量比の関数としての酸素濃度が線1310として示され、当量比の関数としての一酸化炭素の濃度が線1320として示されている。当量比(φ)は、(mol%燃料/mol%酸素)actual/(mol%燃料/mol%酸素)stoichiometricに等しい。mol%燃料は、Ffuel/(Foxygen+Ffuel)に等しく、この場合、Ffuelは、燃料のモル流量に等しく、Foxygenは、酸素のモル流量に等しい。 mol%酸素は、Foxygen/(Foxygen+Ffuel)に等しく、この場合、Foxygenは、酸素のモル流量に等しく、Ffuelは、燃料のモル流量に等しい。酸素のモル流量は、酸化剤混合物中の希釈剤に対する酸素の割合で決まり、Foxygen/(Foxygen+Fdiluent)として計算できる。本明細書で用いられる場合、酸素の流量をFoxidant=(Foxygen+Fdiluent)として計算できる。
【0076】
当量比(φ)が1を下回り又は1を上回ると、排ガス中の酸素及び一酸化炭素のモル分率又は濃度が変化する。例えば、当量比(φ)が1を下回ると、酸素のモル分率は、約1の当量比(φ)での約1ppm(即ち、約1.0×10-6の酸素をモル分率)から約0.999の当量比における約100ppm(即ち、約1×10-4の酸素モル分率)まで急増する。同様に、当量比(φ)が1を上回ると、一酸化炭素の濃度は、約0.995の当量比(φ)での約1ppm(即ち、約1.0×10-6の一酸化炭素濃度)から約1.001の当量比における約100ppm(即ち、約1×10-4の一酸化炭素濃度)まで急増する。
【0077】
少なくとも部分的にセンサ、例えばセンサ406(図4)、502(図5)又は602(図6)から得られるデータに基づいて、燃焼器110の各々への酸化剤116の量及び/又は燃料114の量は、所望の組成を有する排気流418を生じさせるよう調節されるのが良い。例えば、膨張機排気区分408、タービン膨張機106又は排気ライン604内の排ガス中の酸素及び/又は一酸化炭素濃度をモニタすることにより、各燃焼器110に導入される酸化剤116及び燃料114の量の個々の調節を燃料の燃焼がその燃焼器110内で当量比(φ)の所定の範囲内で実施されるよう制御することができる。これは、約3mol%以下、約2.5mol%以下、約2mol%以下、約1.5mol%以下、約1mol%以下又は約0.5mol%以下の酸素及び一酸化炭素の組み合わせ濃度を有する排気流418を生じさせるために使用できる。さらに、排気流418は、約4,000ppm以下、約2,000ppm以下、約1,000ppm以下、約500ppm以下、約250ppm以下又は約100ppm以下の組み合わせ酸素及び一酸化炭素を有するのが良い。
【0078】
各燃焼器110内における当量比(φ)に関する所望の又は所定の範囲は、所望量の酸素及び/又は一酸化炭素を含む混合排気流418を生じさせるよう燃料114の燃焼を実施するために計算され又は入力されるのが良い。例えば、各燃焼器110内の当量比(φ)を約0.85から約1.15までの所定の範囲内に維持して約0.5mol%、約0.8mol%又は約1mol%という低い割合から約1.5mol%、約1.8mol%、約2mol%又は約2.2mol%という高い割合までの組み合わせ酸素及び一酸化炭素濃度を有する排気流418を生じさせるのが良い。別の例では、各燃焼器110内の当量比(φ)を約0.85から約1.15までの所定の範囲内に維持して約2mol%未満、約1.9mol%以下、約1.7mol%以下、約1.4mol%以下、約1.2mol%以下又は約1mol%以下の組み合わせ酸素及び一酸化炭素濃度を有する排気流418を生じさせるのが良い。さらに別の例では、各燃焼器110内の当量比(φ)を約0.96から約1.04までの所定の範囲内に維持して約4,000ppm以下、約3,000ppm以下、約2,000ppm以下、約1,000ppm以下、約500ppm以下、約250ppm以下又は約100ppm以下の組み合わせ酸素及び一酸化炭素濃度を有する排気流418を生じさせるのが良い。
【0079】
燃焼器110は、同一の設定値の状態にある必要なく又はそれどころか同一の範囲内にある必要はないことが注目されよう。本発明の実施形態では、構成、性能又は作動の差を考慮に入れて燃焼器110の各々について異なる又は偏りのある設定値を用いることができる。これは、互い異なる燃焼器110の互いに異なる動作特性により排気流418を許容できないレベルの酸素又は一酸化炭素で汚染される状況を回避することができる。
したがって、本発明の実施形態では、ガスタービン102を作動させる2種類の方法が用いられる。第1の方法では、1組の燃焼器110全体を例えば始動中且つグローバルな設定値調節、例えば速度又は動力変化に応答して単一のものとして作動させる。第2の方法では、個々の燃焼器110を別々に付勢して例えば摩耗の差、製造上のばらつき等を補償することができる。
【0080】
1組の燃焼器110全体を作動させる一方法は、最初に、即ち、始動時に、燃料114及び酸化剤116内の酸素を1を超える当量比で導入するステップを有するのが良い。例えば、始動時における当量比(φ)は、約1.0001、約1.0005、約1.001、約1.05又は約1.1という低い値から約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5という高い値までの範囲にわたるのが良い。別の例では、当量比(φ)は、約1.0001〜約1.1、約1.0005〜約1.01、約1.0007〜約1.005又は約1.01〜約1.1の範囲にわたるのが良い。グローバル調節の場合、排気流418中の酸素及び/又は一酸化炭素の濃度をセンサ406、502又は902により測定し又は推定するのが良い。排気流418中の膨張した排ガスは、当初、高い濃度(例えば、約1,000ppm以上又は約10,000ppm以上)の一酸化炭素及び低い濃度(例えば、約10ppm以下又は約1ppm以下)の酸素を含むのが良い。
【0081】
1組の燃焼器110全体を作動させる別の方法は、最初に、即ち、始動時に、燃料114及び酸化剤116内の酸素を1未満の当量比で導入するステップを有するのが良い。例えば、始動時における当量比(φ)は、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8又は約0.9という低い値から約0.95、約0.98、約0.99、約0.999という高い値までの範囲にわたるのが良い。別の例では、当量比(φ)は、約0.9〜約0.999、約0.95〜約0.99、約0.96〜約0.99又は約0.97〜約0.99の範囲にわたるのが良い。排気流418中の膨張した排ガスは、当初、高い濃度(例えば、約1,000ppm以上又は約10,000ppm以上)の酸素及び低い濃度(例えば、約10ppm以下又は約1ppm以下)の一酸化炭素を含むのが良い。
【0082】
例えば、排ガス中の酸素濃度が約1ppm以下から約100ppm以上、約1,000ppm以上、約1mol%以上、約2mol%以上、約3mol%以上又は約4mol%以上まで増大すると、オペレータ若しくは制御システム412又はこれら両方には1未満の当量比(φ)に達成したという警告が出されるのが良い。1つ又は2つ以上の実施形態では、酸化剤116を介する酸素の量及び燃料114の量を一定に又は実施的に一定に維持して1よりも僅かに小さい値、例えば約0.99の当量比(φ)を有する燃焼プロセスを提供するのが良い。酸化剤116を介する酸素の量を減少させると共に/或いは燃料114の量を増大させるのが良く、次に、これを一定又は実質的に一定の量に維持して所定の範囲内に収まる当量比(φ)を有する燃焼プロセスを提供するのが良い。例えば、排気流418中の酸素の濃度が約1ppm以下から約1,000ppm、約0.5mol%、約2mol%又は4mol%に増大すると、排ガス中の酸素の増加が最初に検出された時点で、酸化剤116を介して導入される酸素の量を酸化剤116を介して導入される酸素の量に対して約0.01%、約0.02%、約0.03%又は約0.04%という低い割合から約1%、約2%、約3%又は約5%という高い割合までの範囲の量だけ減少させるのが良い。別の例では、排気流418中の酸素の濃度が約1ppm以下から約1,000ppm以上に増大すると、排ガス中の酸素の増加が最初に検出された時点で、酸化剤116を介して導入される酸素の量を酸化剤116を介して導入される酸素の量に対して約0.01%〜約2%、約0.03%〜約1%、約0.05%〜約0.5%の量だけ減少させるのが良い。さらに別の例では、排気流418中の酸素の濃度が約1ppm以下から約1,000ppm以上に増大すると、排ガス中の酸素の増加が最初に検出された時点で、燃料114の量を酸化剤116を介して導入される燃料の量に対して約0.01%、約0.02%、約0.03%又は約0.04%という低い割合から約1%、約2%、約3%又は約5%という高い割合までの範囲の量だけ減少させるのが良い。
【0083】
ガスタービンシステム102の作動中、当量比(φ)をセンサ406、502又は602により連続方式において定期的な時間間隔で、ランダムな又は非定期的な時間間隔で、排気流418の当量比(φ)を変更し又は変化させる場合のあるガスタービンシステム102に対する1回又は2回以上の変化が起こった場合又はこれらの任意の組み合わせの場合にモニタするのが良い。例えば、当量比(φ)を変更し又は変化させる場合のあるガスタービンシステム102に対して起こる変化としては、燃料の組成の変化、酸化剤の組成の変化又はこれらの組み合わせが挙げられる。したがって、例えば酸素の濃度及び/又は一酸化炭素の濃度をモニタするのが良く、そして酸化剤116の量及び/又は燃料114の量の調節を行って排気流418中の酸素の量及び/又は一酸化炭素の量を制御するのが良い。
【0084】
少なくとも1つの実施形態では、当量比(φ)を減少させることは、小刻みなステップで、小刻みではないステップで、連続方式で又はこれらの任意の組み合わせで実施することができる。例えば、酸化剤116の量及び/又は燃料114の量を当量比(φ)が酸化剤116及び/又は燃料114に対する調節毎に固定された又は実質的に固定された量だけ、例えば、約0.001、約0.01又は約0.05だけ変化するよう調節するのが良い。別の例では、酸化剤116の量及び/又は燃料114の量を当量比が連続して変化するよう連続的に変更するのが良い。好ましくは、酸化剤116の量及び/又は燃料114の量を変更し、実質的に一定の組成の排ガスを生じさせるのに十分な期間にわたって燃焼を実施し、その時点で、酸化剤116の量及び/又は燃料114の量を調節して当量比(φ)を約0.00001、約0.0001又は約0.0005という低い値から約0.001、約0.01又は約0.05という高い割合までの範囲にわたる量変化させるのが良い。排気流418が実質的に一定濃度の酸素を達成した後、酸化剤116及び/又は燃料114を再び調節して当量比(φ)が変化するようにしても良い。排気流418中の酸素及び/又は一酸化炭素の量をモニタするのが良く、そして酸化剤116及び/又は燃料114の量を排気流418が例えば約2mol%以下、約1.5mol%以下又は約1mol%以下の酸素及び一酸化炭素の組み合わせ濃度を有するまで繰り返し調節するのが良い。
【0085】
燃焼器110を排気流418が2mol%未満、1mol%未満、0.5mol%未満又は約0.1mol%以下の組み合わせ酸素及び一酸化炭素濃度を有するよう連続方式で作動させるのが良い。別の例では、燃焼が燃焼器110内で実施されている期間の間、排気流418は、ガスタービン102が作動されている期間の約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%又は約95%の間、2mol%未満又は約1mol%以下の組み合わせ酸素及び一酸化炭素濃度を有するのが良い。換言すると、燃焼が燃焼器110内で行われている期間の大部分にわたり、排気流418は、約2mol%以下、約1mol%以下、約0.5mol%以下又は約0.1mol%以下の組み合わせ酸素及び一散炭素濃度を有するのが良い。
【0086】
ガスタービン102の全体的制御をいったん設定すると、個々の燃焼器110に必要な付勢を第2の方法で決定するのが良い。例えば、図4を参照すると、膨張機排気区分408内のセンサ406からのデータ信号410に基づき、個々の燃焼器110の各々のための酸素流量調節装置402を制御システム412によって調節してセンサ406の測定値を所望設定値又はその近くに維持するのが良い。幾つかの計算値を各センサ406の測定値から求めることができる。これらは、例えば、第1の方法に関して説明したようにn個の燃焼器110内の酸化流量調節装置402の全てに同様の調節を行うよう用いることができる平均値を含むのが良い。
【0087】
更に、例えば2つ又は3つ以上のセンサ406の測定値の差に基づいて計算される種々の互いに異なる値を用いると、燃焼器110の1つ又は2つ以上の酸化剤流量調節装置402への付勢調節を行ってセンサ406の測定値相互間の差を最小限に抑えることができる。制御システム412は又、例えば圧縮機入口案内翼(IGV)又は速度制御を調節して例えば燃焼器110の全てに対する酸化剤流量を一度変化させることによって酸化剤系統116を直接調節することも可能である。さらに、制御システム412は、例えばガスタービン102について選択された速度に応じて全ての燃焼器110への燃料114の同様な調節を行うことができる。酸化剤に関して、燃焼器110の各々への燃料供給を個々に付勢して燃焼の当量比を制御することができる。これについては図15を参照して更に説明する。
【0088】
図14は、アレイ状に配置されたセンサ406からの読みに基づいて個々の燃焼器110を付勢する方法1400のブロック図である。ガスタービン102をこの方法1400が始まる前に始動させ、そして燃焼器110の全てが本質的に同一の混合物又は先の作動点を用いていると仮定することができる。方法1400は、ブロック1402で始まり、このブロックでは、センサ406又は502から読みを得る。ブロック1404では、個々のセンサ406又は502から得た測定値の和及びこれらの差を求める。ブロック1046では、和及び差を組み合わせて排気中の高い酸素又は高い一酸化炭素条件に寄与している燃焼器110を特定するのを助けるのが良い。これは、上述したようにスワールチャートによって実施されても良い。これら燃焼器110のための燃料114及び酸化剤116の調節を例えば第1の方法において燃焼器110の全てを調節するために用いられるものとして関与した特定の燃焼器110について同一の検討事項を用いてブロック1408で計算する。ブロック1410では、酸化剤116に関する新たな設定値を入力し、酸化剤を燃焼器110に提供する。実質的に同時のやり方で、ブロック1412において、燃料114について新たな設定値を入力し、燃料114を燃焼器110に提供する。ブロック1114では、燃焼プロセスが提供された燃料114及び酸化剤116を消費する。次に、プロセスの流れは、ブロック1402に戻り、ここで、この方法が繰り返される。
【0089】
より正確な測定を用いて燃焼プロセスに対する細かい制御を行うことができる。例えば、図6に示されているセンサ構成では、各燃焼器110は、燃焼器110からの排気ライン604に設けられた別個のセンサ602を有する。この実施形態では、個々の燃焼器110に対する変化の影響を例えば第1の方法に関して説明した技術を用いて高すぎる酸素又は一酸化炭素排気を生じさせる任意の燃焼器110について行うと共に酸化剤116及び燃料114に対する正確な調節をこのような任意の燃焼器110について行うのが良い。これら調節は、例えばガスタービン102の作動速度の設定値の変化に応答して1組の燃焼器110全体に行われた一様な調節に加えて実施されるのが良い。
【0090】
制御システム
図15は、ガスタービン102内の多数の燃焼器110への酸化剤116及び燃料114を個々に制御するために使用できるプラント制御システム1500のブロック図である。上述したように、制御システム600は、DCS、PLC、DDC又は任意他の適当な制御装置であって良い。さらに、センサ、弁、アクチュエータ及び他の制御装置を含む任意のコントローラ、制御される装置又はモニタされるシステムは、IEC61158に準拠したリアルタイム分布式制御ネットワーク、例えばFIELDBUSシステムの一部であって良い。プラント制御システム1500は、プラント又は施設におけるガスタービン102の個々の燃焼器110の各々について用いられる制御システム412をホストとして働くのが良い。
【0091】
制御システム1500は、プロセッサ1502を有するのが良く、プロセッサ1502は、プラント制御システム1500を介してシステム内に設けられる単一コアプロセッサ、多コアプロセッサ又は一連の個々のプロセッサであって良い。プロセッサ1502は、バス1504によりプラント制御システム1500内の分布型プロセッサを含む他のシステムと通信することができる。バス1504は、Ethernet bus、FIELDBUS又は制御システム製造業者からの所有権を主張できるバスを含む他の多くのバスであって良い。記憶システム1506がバス1504に結合されるのが良く、このような記憶システムは、コンピュータ可読媒体、例えばハードドライブ、光ドライブ、読み取り書き込み記憶装置(RAM)ドライブ及びRAM及び読み取り専用記憶装置(ROM)を含むメモリの任意の組み合わせを含むことができる。記憶システム1506は、プラントに関する作動システム1508を提供するために用いられるコード並びに例えば上述の第1又は第2の方法に基づいてタービン制御システム1510を具体化するためのコードを記憶するのが良い。
【0092】
ヒューマンマシンインターフェース1512が例えばディスプレイ1514、キーボード1516及び1つ又は2つ以上の制御ステーションのところに設置されたポインティングデバイス1518を介してプラント制御システム1500へのオペレータアクセスを提供することができる。ネットワークインターフェース1520は、ネットワーク1522、例えば企業用のローカルエリアネットワーク広域ネットワークへのアクセスを提供することができる。
【0093】
プラントインターフェース1524は、第1のガスタービンシステムのための測定及び制御システムを提供することができる。例えば、プラントインターフェース1524は、多くのセンサ1526、例えば図4図5図6図9及び図10を参照して説明したセンサ406,502,602,902,1002を読み取ることができる。プラントインターフェース1524は又、例えばガスタービン102の燃焼器110への燃料114を調節するために用いられる燃料流量制御装置1528を含む多くの制御装置に対する調節を行うことができる。他の制御装置としては、ガスタービン102の燃焼器110の各々のための酸化剤流量調節装置402に設けられたアクチュエータ404、酸化剤流調節弁702に設けられたアクチュエータ706又はこれら両方を調節するために使用される酸化剤流制御装置1530が挙げられる。プラントインターフェース1524は又、他のプラントシステム1532、例えばガスタービン102により提供される機械エネルギーから電力を生じさせるために用いられる発電機を制御することができる。追加のプラントシステム1532は又、酸化剤116をガスタービン102に提供するために用いられる圧縮機システムを含むことができる。
【0094】
プラント制御システム1500は、単一のプラントインターフェース1524には限定されない。タービンが更に追加される場合、追加のプラントインターフェース1534をこれらタービンの制御ために追加するのが良い。さらに、機能の分布は、図15に示されている分布には限定されない。異なる構成を用いることができ、例えば、1つのプラントインターフェースシステムは、幾つかのタービンを作動させることができ、別のプラントインターフェースシステムは、圧縮機システムを作動させることができ、更に別のプラントインターフェースは、発電システムを作動させることができる。
【0095】
本発明の技術には種々の改造及び変形形態が可能であるが、上述の例示の実施形態は、例示として示されているに過ぎない。再度確認的に理解されるべきこととして、本発明は、本明細書において開示された特定の実施形態に限定されるわけではない。もっとはっきりと言えば、本発明は、特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲に含まれる全ての改造例、均等例及び変形例を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15