特許第6193766号(P6193766)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6193766心臓壁の電気双極子密度の幾何学的測定のための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6193766
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】心臓壁の電気双極子密度の幾何学的測定のための装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0408 20060101AFI20170828BHJP
   A61B 5/0478 20060101ALI20170828BHJP
   A61B 5/0492 20060101ALI20170828BHJP
   A61B 8/12 20060101ALI20170828BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   A61B5/04 300J
   A61B8/12
   A61M25/00 560
【請求項の数】30
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2013-557926(P2013-557926)
(86)(22)【出願日】2012年3月9日
(65)【公表番号】特表2014-514031(P2014-514031A)
(43)【公表日】2014年6月19日
(86)【国際出願番号】US2012028593
(87)【国際公開番号】WO2012122517
(87)【国際公開日】20120913
【審査請求日】2015年3月6日
(31)【優先権主張番号】61/451,357
(32)【優先日】2011年3月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513228661
【氏名又は名称】アクタス メディカル インク
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャルフ クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】シャルフ グンター
(72)【発明者】
【氏名】ベルネス ランデル エル
【審査官】 永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0298690(US,A1)
【文献】 特開2002−113004(JP,A)
【文献】 特開2001−070269(JP,A)
【文献】 特表2006−511296(JP,A)
【文献】 米国特許第06895267(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/04 − 5/0472
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の1つまたは複数の心腔の表面における双極子密度d(y)と距離測定値のデータベースを作成する装置において、
1つまたは複数の支持アームと、前記支持アームが一端に設けられたカテーテルシャフトと、を含む多アームアセンブリと、
前記1つまたは複数の支持アームに設置された複数電極であって、前記多アームアセンブリに取り付けられた電極を少なくとも1つ含む、複数電極と、
音波を発生するように構築、構成された少なくとも1つのトランスデューサと、
音波の反射を受けるように構築、構成された少なくとも1つのセンサと、
各トランスデューサと前記1つまたは複数の心腔の組織表面との間の距離を表すデータ一式を、受け取った前記反射から生成するように構成された距離測定部と、を備え、
前記少なくとも1つのセンサに含まれるセンサが前記1つまたは複数の支持アームに取り付けられており、前記少なくとも1つのトランスデューサに含まれるトランスデューサが、前記カテーテルシャフトに取り付けられている
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記少なくとも1つのトランスデューサおよび前記少なくとも1つのセンサが、トランスデューサおよびセンサを包含する1つの構成要素を少なくとも1つ含むことを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置において、
前記装置がリアルタイム画像を生成するように構築、構成されることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の装置において、
前記装置が連続画像を生成するように構築、構成されることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の装置において、
前記装置が前記患者の組織の画像を生成するように構築、構成されることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置において、
前記画像が1つまたは複数の心腔の画像を含むことを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項5に記載の装置において、
前記画像が前記複数電極のうちの少なくとも1つの画像を含むことを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の装置において、
前記装置が前記患者の組織の運動情報を提供するように構築、構成されることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の装置において、
前記装置が、前記患者の組織の厚さ情報を提供するように構築、構成されることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の装置において、
前記装置が距離測定データを生成し、
前記距離測定データが、前記複数電極のうちの少なくとも1つと心腔壁の間の距離を含むことを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の装置において、
前記装置が、組織運動情報と細胞電気信号の両方を解析することによって、組織診断情報を提供するように構築、構成されることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置において、
前記装置が心臓アブレーション処置中に前記組織診断情報を提供するように構築、構成されることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の装置において、
前記装置が、電位図波形で心組織の位置を提供するように構築、構成されることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載の装置において、
前記装置がさらにデリバリシースを備えることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載の装置において、
前記センサまたは前記トランスデューサのうちの少なくとも一方が1つの構成要素を含むことを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項1から14のいずれか1項に記載の装置において、
前記センサまたは前記トランスデューサのうちの少なくとも一方が、構成要素のアレイを含むことを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置において、
前記アレイが超音波結晶のアレイを含むことを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか1項に記載の装置において、
前記装置が多アームアセンブリを備え、前記センサまたは前記トランスデューサのうちの少なくとも一方が前記多アームアセンブリに取り付けられることを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置において、
前記複数電極のうちの第一の電極が前記多アームアセンブリに取り付けられることを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか1項に記載の装置において、
前記トランスデューサが超音波トランスデューサを含むことを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか1項に記載の装置において、
前記トランスデューサが3MHzから18MHzの間の周波数で信号を生成することを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか1項に記載の装置において、
前記センサが超音波センサを含むことを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項1から22のいずれか1項に記載の装置において、
前記センサが複数のセンサを含むことを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項1から23のいずれか1項に記載の装置において、
前記複数電極からのマッピング情報を受け取るように構築、構成された第一の受信機であって、前記マッピング情報が、前記複数電極が前記1つまたは複数の心腔内に留置された時に受け取られるような第一の受信機と、
双極子密度d(y)の三次元データベースを生成するように構成、配置された双極子密度モジュールと、
をさらに備え、
前記双極子密度モジュールが心腔壁への個々の投影三角形についての双極子密度を測定し、位置yにおける各投影三角形について、ω(x,y)に前記双極子密度d(y)を乗じたものが地点xにおける電位V(x)となり、
ただし、ω(x,y)は前記投影三角形の立体角であり、
a)xは1つまたは複数の心腔内の一連の位置を表し、
b)V(x)は点xにおける測定電位であり、前記測定電位が前記複数電極によって記録される
ことを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項24に記載の装置において、
前記双極子密度が少なくとも1000個の投影三角形について測定されることを特徴とする装置。
【請求項26】
請求項24に記載の装置において、
前記双極子密度モジュールが、対応する時間間隔の双極子密度d(y)のマップを作成することを特徴とする装置。
【請求項27】
請求項24に記載の装置において、
前記双極子密度モジュールが、一連の心拍から、各々の対応する心拍の興奮順序のカスケードを表す合成マップを生成することを特徴とする装置。
【請求項28】
請求項24に記載の装置において、
測定電位V(x)の補間によって領域数が増やされることを特徴とする装置。
【請求項29】
請求項24に記載の装置において、
1つまたは複数の皮膚電極からマッピング情報を受け取るように構成された第二の受信機をさらに備えることを特徴とする装置。
【請求項30】
請求項29に記載の装置において、
前記双極子密度モジュールが、前記1つまたは複数の皮膚電極からの前記マッピング情報を使用して、前記双極子密度d(y)のデータベースを計算および/または再計算することを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、不整脈の位置特定と治療に関し、より詳しくは、双極子密度マッピングのための超音波を用いたリアルタイム非接触型イメージングおよび距離測定装置と方法ならびに組織健全性の診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不整脈の発生源の位置特定に使用されるシステムは、心腔内の電位(たとえば、ミリボルト単位)を測定し、これらを心腔壁の三次元画像の上の対応する位置に表示する。心臓壁上の電気的活動の測定はマッピングと呼ばれる。この目的のために、複数電極マッピングカテールを心臓内に設置して、心腔壁上の異なる位置で複数の電位を同時に測定できるようにしてもよく、その際、壁との直接的な接触はない(非接触型マッピング)。心腔は、対応する心腔内で1つまたは複数のマッピング電極を移動させることによって直接、または撮像装置(たとえば、コンピュータ断層撮影、MRIまたは超音波)から心腔の解剖学的形状をインポートすることによって、三次元構造として視覚化される。心内の電気的活動は、多電極マッピングカテーテルを用いて測定でき、これは三次元空間の異なる点における電位を同時に測定可能としうる。現在のシステムでは、非接触型多電極マッピングカテーテルで測定された電位は、直接壁接触型の電極で測定された心臓壁上の電気的活動(接触型マッピング)に直接対応しない。非接触型マッピングシステムによる測定電位は、コンピュータプログラムで変換して、マッピングシステムの心腔上に投影される仮想電位図に外挿しなければならない。
【0003】
米国特許第5,297,549号(Beattyら)は、ある心腔内の電気的活動の三次元マップおよび心内膜表面内の電気的活動の二次元マップを生成する方法を開示している。Beatty特許は、インピーダンスプレチスモグラフィを利用して、心腔内に留置された電極アレイを介して情報を生成するもので、1つの電極が基準として使用される。
【0004】
現在の変換方法はさまざまな点で不安定であり、安定性を保つには、正規化と呼ばれるさらに別の処理を施さなければならない。この正規化により、空間分解能が低下する。現在の方法の他の限界は、提供される電位が、組織の広い領域にわたる全体的電気的活動の平均を表しているにすぎないことであり、細胞は電気双極子を分離する膜からなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電位を利用した不整脈の位置特定は不正確であるため、これまで不整脈の治療は成功しにくく、実際の成功例と信頼度は限られている。したがって、不整脈の位置を特定するための改良された方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、双極子密度マッピングのための超音波を用いたリアルタイムの非接触型イメージングおよび距離測定装置と方法および、組織健全性の診断方法を開示する。1つの態様において、本発明は1つまたは複数のカテーテルを備える装置を含み、各カテーテルがシャフトを備える。このシャフトは1つの管腔を有していてもよく、操向可能であってもよい。シャフトは、一般にはその遠位端付近に1つまたは複数の構成要素を含んでいてもよく、これは、組織の電気的活動を記録するように構成された電極等の電極、超音波トランスデューサ等のトランスデューサ、超音波センサ等のセンサ、超音波の送信と検出の両方を行うように構成された超音波結晶、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。この装置は、患者の組織の連続的なリアルタイム画像のほか、その組織内に存在する電気的活動に関する情報を生成するように構築、構成される。たとえば医師等の使用者は、患者の心臓壁を含む心腔の画像を生成できる。この装置はまた、たとえば組織の運動や組織の厚さ等の組織情報を提供することもできる。これに加えて、この装置は、センサが記録した角度または周波数変化のうちの少なくとも1つを解析することにより、距離測定データを生成するように構成される。距離測定データの非限定的な例としては、複数電極と心腔壁の間の距離や、複数電極とトランスデューサおよび/またはセンサの間の距離がある。この装置は、組織運動情報と細胞電気信号の両方の解析を通じた組織診断データを生成するように構成されてもよい。細胞電気信号は複数電極によって記録されてもよく、その一方で組織運動情報は複数電極および/またはセンサによって収集されてもよい。この装置は、正確な不整脈のフォーカスと伝導帯ギャップ位置を提供するように構成され、それによってアブレーションがより高い精度で行われる。ライン内に「ギャップ」を含む小さな伝導路もフォーカスと同程度に関係がある。この装置はアブレーションカテーテルを含んでいてもよく、これはたとえば、第二の装置のカテーテルの開放した管腔を通じて、またはシースを通じて正確に送達可能なアブレーションカテーテルである。
【0007】
いくつかの実施形態において、装置は、さらにデリバリシースとして構成されるカテーテルを含んでいてもよい。たとえば、第一のカテーテルは管腔を有し、別のアブレーションカテーテルが第一のカテーテルによって摺動可能に受けられるようになっていてもよい。これに加えて、第一のカテーテルとアブレーションカテーテルをその中に通すことができるような単独のシースを提供してもよい。この構成により、複数のシース器材が不要となるであろう。
【0008】
いくつかの実施形態において、この装置の1つまたは複数のカテーテルは操向可能であってもよい。たとえば、使用者はリアルタイムの組織解析とイメージングによって焼灼部位を決定してもよく、その後、カテーテルを所望の位置へ操向できる。1つまたは複数のカテーテルの操向はケーブル、たとえばデリバリシースの管腔内に格納可能なケーブル等を介して行ってもよい。
【0009】
この装置はトランスデューサを備え、これは好ましくは、一般に5〜18MHzの間の周波数の音波を生成するように構成された超音波トランスデューサである。音波は一定の速度でも、パルス状に供給されてもよい。この装置は、複数のトランスデューサを備えていてもよい。1つまたは複数のトランスデューサがこの装置の1つまたは複数のカテーテルに、たとえばカテーテルの遠位部またはその付近等に位置付けられてもよい。1つまたは複数のトランスデューサはさらにセンサとして構成されてもよく、これはたとえば音波の記録と発生の両方を行う超音波結晶である。
【0010】
この装置はセンサを備え、これは好ましくは、超音波トランスデューサによって生成された音波を受信するように構成された超音波センサである。この装置は複数のセンサを備えていてもよい。1つまたは複数のセンサがこの装置の1つまたは複数のカテーテルに、たとえばカテーテルの遠位部またはその付近等に位置付けられてもよい。1つまたは複数のセンサはさらにトランスデューサとして構成されてもよく、これはたとえば音波の記録と発生の両方を行う超音波結晶である。
【0011】
センサ、トランスデューサまたはセンサとトランスデューサの組み合わせがこの装置のさまざまな場所に位置付けられてもよく、たとえばカテーテルのシャフトに取り付けられ、またはカテーテルのシャフトの中に格納されてもよく、たとえば、センサおよび/またはトランスデューサはシャフトによって摺動可能に受けられてもよく、複数電極の各々の幾何学的中心に取り付けられ、複数電極の少なくとも1つの付近に取り付けられ、多アームアセンブリに取り付けられ、およびこれらの組み合わせもあり、これらに限定されない。この装置は、細胞の組織内の電気的活動を記録するように構成された1つまたは複数の電極を含んでいてもよい。さまざまな比率の電極と、センサ、トランスデューサまたはセンサとトランスデューサの組み合わせが含まれていてよい。1つの実施形態において、2つの電極と1つの超音波結晶の比率で設けられ、たとえば、1つの構成要素に1つの超音波結晶と結晶の各端に位置付けられた電極がある。他の実施形態では、5つの電極と2つのセンサ/トランスデューサの比率で設けられ、たとえばカテーテルシャフトに2つのアセンブリと1つの電極が含まれる。各アセンブリには1つの超音波結晶とその両端に位置付けられた電極が含まれる。
【0012】
トランスデューサおよび/またはセンサは回転してもよく、これは部分的回転でも360°の丸1回転でもよい。あるいは、またはこれに加えて、センサおよび/またはトランスデューサは直線軸に沿って平行移動してもよい。1つの実施形態において、センサおよび/またはトランスデューサは圧電フィルムを含む。たとえばワイヤが第一の電極に電気的に接続されてもよく、そのワイヤの一部が圧電フィルムを備える。あるいは、センサおよび/またはトランスデューサが圧電ケーブルを含んでいてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態において、センサとトランスデューサは1つの構成要素、たとえば1つの結晶を含んでいてもよい。あるいは、センサおよび/またはトランスデューサは、構成要素のアレイ、たとえば超音波結晶の円周アレイを備えていてもよい。超音波結晶の各々は、生きている細胞の電気的活動を記録するように構成された1つまたは複数の電極に取り付けられていてもよい。
【0014】
この装置はさらに、細胞の電気的活動、たとえば心電図に現れる活動のマッピングを行うように構成された、1つまたは複数のカテーテルの中に含まれる複数電極からマッピング情報を受信する第一の受信機を備える。これらの電極は患者の心臓の心腔の中に留置される。この装置はさらに、解剖学的情報を受信する第二の受信機を含む。解剖学的情報は、全体的な心臓モデル、より好ましくは組織の形態および、患者自身の心臓から記録されるその他の解剖学的情報であってもよい。双極子密度モジュールが、双極子密度d(y)のデータベースをテーブルの形で作成し、yは心組織上の、その特定の双極子密度を有する三次元位置を表す。心腔内の別のさまざまな位置xにおける、V(x)で表される電位が複数電極によって記録される。立体角ω(x,y)は、位置x(心腔内の電極の位置)とy(心腔壁上の三角形の位置)の間の投影三角形の立体角を表す。双極子密度モジュールは、心腔壁への個々の投影三角形の双極子密度を以下に基づいて測定する。すなわち、位置yにおける各投影三角形について、ω(x,y)に双極子密度d(y)を乗じたものが地点xにおける電位V(x)となる。
【0015】
好ましい実施形態において、装置はソフトウェアプログラムを含み、たとえばパーソナルコンピュータ、ECGシステム、心組織アブレーションシステムおよび/またはイメージングシステムに組み込まれたソフトウェアプログラムがある。双極子密度モジュールで決定される三角形の数は、各投影三角形の双極子密度が比較的一定となるように十分に大きい(三角形の面積が十分に小さい)。一般には1000個またはそれ以上の三角形が計算、たとえば標準的な大きさの左心房または右心房に基づく計算に使用される。より大きな心腔には、使用される三角形の数が多くなる。
【0016】
他の好ましい実施形態において、患者は心臓の状態、たとえば不整脈等についての診断および/または治療を受ける。電極は1つまたは複数のマッピングカテーテルの遠位端に搭載されて、患者の心腔内に留置され、電位を記録する。イメージング機器、たとえば心臓全体のモデルを提供する機器または患者の心臓の解剖学的モデルを提供する機器は、解剖学的情報を第二の受信機に供給する。1つの実施形態において、イメージング機器は、コンピュータ断層撮影、MRI、超音波、およびマッピングカテーテル付のECGシステムのうちの1つまたは複数である。あるいは、またはこれに加えて、この装置にイメージング機器が組み込まれていてもよく、たとえば1つまたは複数の超音波センサから受信した信号から画像および距離情報を生成するように構成された超音波ユニットがある。
【0017】
他の好ましい実施形態において、双極子密度モジュールは、双極子密度のデータベースの作成を支援するように構成されたアルゴリズムを実行する。このアルゴリズムは、データベースの空間および/または時間分解能を高めるために修正または改善されるように構成された進歩的アルゴリズムであってもよい。双極子密度モジュールは、相応の時間間隔での双極子密度のマップを作成してもよい。マップを合成することにより、対応する各心拍の興奮順序のカスケードが表される。
【0018】
他の好ましい実施形態において、この装置は第三の受信機を含む。第三の受信機は、1つまたは複数の皮膚電極からマッピング情報を収集する。双極子密度モジュールは、この皮膚電極の信号を使って、後述の式により双極子密度のデータベースを計算、または再計算する。
【0019】
本発明の他の態様によれば、患者の心臓の1つまたは複数の心腔表面における双極子密度のデータベースを作成するシステムが提供される。本発明の装置に加えて、このシステムは1つまたは複数の多電極カテーテルと、アブレーション装置と、少なくとも1つの表面または皮膚電極と、トランスデューサと、センサと、を含む。別体のイメージング機器をこのシステムの中に含めてもよい。好ましい実施形態において、マッピングカテーテルはまた、双極子密度のデータベースによって特定された組織の焼灼にも使用され、リアルタイムイメージングを使って心腔内に位置付けられる。このシステムは、リアルタイム画像と双極子密度情報、たとえば患者の心腔との相対的形状において表示される情報を表示するモニタを含む。
【0020】
本発明の他の態様によれば、患者の心臓の1つまたは複数の心腔の表面における双極子密度のデータベースを作成する方法が提供される。この方法は、複雑な不整脈疾患を診断および/または治療するために使用できる。一般的な構成では電位図波形が特定され、たとえば3つまたはそれ以上の電位図波形が特定される方法がある。好ましい実施形態において、この方法は、心房細動(AF)、心室性頻脈(VT)、心房粗動、組織瘢痕化、たとえば心腔内除細動器(ICD)が原因の組織瘢痕化の診断および/または治療に使用される。他の好ましい実施形態において、この方法は、心室虚血の検出および/または心筋機能の定量化に使用される。この方法は、複数電極のアレイを患者の心腔内に留置して、電位を測定するステップと、音センサから受信した信号を解析することによって距離または移動情報を計算するステップと、を含む。複数電極のアレイは、双極子密度を測定するために位置変更されても、されなくてもよい。
【0021】
他の好ましい実施形態において、この方法はさらに、1つまたは複数の皮膚電極を設置するステップを含む。皮膚電極により記録される情報は、双極子密度のデータベースの作成に使用される。また別の実施形態では、この方法はさらに、組織厚さ情報を計算するステップを含む。
【0022】
本発明の他の態様によれば、患者の心腔に関する電気的および解剖学的情報を取得するための医学的方法が開示される。第一のステップで、使用者は装置をデリバリシステムの中に挿入できる。装置は上述の装置のいずれでもよい。次のステップで、使用者は装置を、デリバリシステムを通じて心腔内へと前進させることができる。次のステップで、装置および/またはデリバリシステムを操向し、装置の遠位端が心腔のほぼ幾何学中心に位置付けられるようにすることができる。装置が心腔内に位置付けられると、本明細書で開示される測定と方法に従って測定データを取得し、解析してもよい。
【0023】
本発明の他の態様によれば、組織の診断方法が開示される。好ましい方法は、電極カテーテルの遠位端を患者の1つまたは複数の心腔内に留置するステップを含み、この電極カテーテルは少なくとも1つの電極と少なくとも1つの超音波素子を備える。次のステップで、組織の運動等の解剖学的情報が少なくとも1つの超音波素子を介して測定されてもよい。次のステップで、組織の電荷が少なくとも1つの電極を介して測定されてもよい。最後に、組織の運動と電荷の情報を解析することによって、組織の健全性が判断されてもよい。
【0024】
たとえば、適当な電気的活動を示す電気的情報と適当な組織運動を示す解剖学的情報は、健全な組織の存在と相関する。これに加えて、適当な電気的活動に示す電気的情報と不適当な組織運動を示す解剖学的情報は、虚血組織または仮死状態の組織のうちの少なくとも一方の存在と相関する。逆に、不適当な電気的活動を示す電気的情報と不適当な組織運動を示す解剖学的情報は、瘢痕化組織の存在と相関する。これに加えて、不適当な電気的活動を示す電気的情報と不適当な組織運動を示す解剖学的情報は、完全焼灼、たとえば不整脈治療のために施行される心臓のアブレーションで行われる焼灼と相関する。いくつかの実施形態において、完全焼灼は貫壁性焼灼を含む。
【0025】
より詳しくは、以下の4つのケースが存在しうる。
ケース1:電気的および解剖学的情報が適当−組織は健全である。
ケース2:電気的情報が適当で解剖学情報が不適当−組織に損傷がある。
ケース3:電気的情報が不適当で解剖学情報が適当−組織に損傷がある。
ケース4:電気的および解剖学情報がどちらも不適当−組織壊死がある。
【0026】
心臓のいずれか1つの領域の電気的機能の適当性を判断する実際の閾値は、興奮パターンの協調度と活性化細胞の質量等、多くの要素に依存する。これに加えて、この閾値は、各心腔によっても、患者の体の大小によっても異なる。たとえば0.5mVの閾値が適切であるかもしれず、この場合、閾値0.5mV未満の電位は不適当な電気的機能を示すかもしれず、0.5mV以上の電位は適当な電気的機能を示すかもしれない。
【0027】
組織診断に含まれるものとして、医師は心細胞の電気的完全性を評価してもよい。たとえば、心細胞の機能的状態が評価されてもよい。
【0028】
1つの実施形態において、電気的情報は双極子密度情報を含む。これに加えて、またはその代わりに、電気的情報は再分極または波面伝播速度のうちの少なくとも一方を含んでいてもよい。
【0029】
この方法はさらに、組織診断に基づいて心組織を焼灼するステップをさらに含んでいてもよい。たとえば、解剖学的情報は、組織厚さ情報を含み、焼灼エネルギーまたは時間の少なくとも一方が、組織厚さ情報に基づいて調整される。医師は、アブレーション施行中および施行後に組織を評価して、焼灼エネルギーの印加による組織の変化を評価してもよい。たとえば、医師はまた、1つまたは複数の超音波センサから受け取った情報を、1つまたは複数の電極から受け取った双極子密度マッピング情報と共に使って組織アブレヘションの妥当性を評価することにより、たとえば長期的な患者の転帰を改善してもよい。
【0030】
本発明の1つの態様によれば、患者の1つまたは複数の心腔の表面における双極子密度d(y)と距離測定値のデータベースを作成する装置が提供される。この装置は、1つまたは複数のカテーテルに設置された複数電極と、音波を発生するように構築、構成されたトランスデューサと、音波の反射を受けるように構築、構成されたセンサと、を含む。
【0031】
各種の実施形態において、トランスデューサはセンサを含むことができる。
【0032】
各種の実施形態において、トランスデューサはさらに複数電極のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0033】
各種の実施形態において、装置はリアルタイム画像を生成するように構築、構成することができる。
【0034】
各種の実施形態において、装置は連続画像を生成するように構築、構成することができる。
【0035】
各種の実施形態において、装置は患者の組織の画像を生成するように構築、構成することができる。
【0036】
各種の実施形態において、画像は1つまたは複数の心腔の画像を含むことができる。
【0037】
各種の実施形態において、画像は1つまたは複数の心腔の壁の画像を含むことができる。
【0038】
各種の実施形態において、画像は複数電極のうちの少なくとも1つの付近の組織の画像を含むことができる。
【0039】
各種の実施形態において、画像は複数電極のうちの少なくとも1つの画像を含むことができる。
【0040】
各種の実施形態において、装置は患者の組織の運動情報を提供するように構築、構成することができる。
【0041】
各種の実施形態において、運動情報は心臓壁運動情報を含むことができる。
【0042】
各種の実施形態において、装置は、患者の組織の厚さ情報を提供するように構築、構成される。
【0043】
各種の実施形態において、厚さ情報は心臓壁厚さ情報とすることができる。
【0044】
各種の実施形態において、装置は複数電極のうちの少なくとも1つの画像を生成するように構築、構成することができる。
【0045】
各種の実施形態において、装置は、複数電極のうちの少なくとも1つの付近の組織の画像をさらに生成するように構築、構成することができる。
【0046】
各種の実施形態において、装置は、1つまたは複数の心腔の画像をさらに生成するように構築、構成することができる。
【0047】
各種の実施形態において、装置は距離測定データを生成するように構築、構成することができる。
【0048】
各種の実施形態において、距離測定データは、複数電極のうちの少なくとも1つと心腔壁の間の距離を含むことができる。
【0049】
各種の実施形態において、距離測定データは、複数電極のうちの少なくとも1つとトランスデューサまたはセンサのうちの少なくとも1つの間の距離を含むことができる。
【0050】
各種の実施形態において、距離測定データは、心腔壁とトランスデューサまたはセンサのうちの少なくとも1つの間の距離を含むことができる。
【0051】
各種の実施形態において、装置は、センサによって記録された角度または周波数変化のうちの少なくとも1つを解析することによって距離測定データを生成するように構築、構成することができる。
【0052】
各種の実施形態において、装置は、心腔内の複数電極のうちの少なくとも1つの位置を測定するように構築、構成することができる。
【0053】
各種の実施形態において、装置は、心腔内の複数電極のうちの少なくとも2つの位置を測定するように構築、構成することができる。
【0054】
各種の実施形態において、装置は、複数電極から受け取った距離情報をセンサから受け取った情報と組み合わせるように構築、構成することができる。
【0055】
各種の実施形態において、装置は、組織運動情報と細胞電気信号の両方を解析することによって、組織診断情報を提供するように構築、構成することができる。
【0056】
各種の実施形態において、細胞電気信号が複数電極によって記録されるようにすることができる。
【0057】
各種の実施形態において、組織運動情報がセンサによって提供されるようにすることができる。
【0058】
各種の実施形態において、組織運動情報が複数電極によってさらに提供されるようにすることができる。
【0059】
各種の実施形態において、装置は心臓アブレーション処置中に組織診断情報を提供するように構築、構成することができる。
【0060】
各種の実施形態において、装置は、不整脈治療または機能療法の施行中に組織診断情報を提供するように構築、構成することができ、このような不整脈療法と機能療法には以下の療法、すなわちアブレーション、遺伝子治療製剤送達、心臓再同期、薬理療法等が含まれ、これらに限定されない。
【0061】
各種の実施形態において、装置は、焼灼エネルギーを組織に送達するように構築、構成することができる。
【0062】
各種の実施形態において、装置は、正確なフォーカス、伝導ギャップ、または伝導チャネル位置情報を提供するように構築、構成することができる。
【0063】
各種の実施形態において、装置は、フォーカス、伝導ギャップの境界、または伝導チャネル位置の境界の位置を1mm〜3mm以内で特定するように構築、構成することができる。
【0064】
各種の実施形態において、装置は、電位図波形で心組織の位置を提供するように構築、構成することができる。
【0065】
各種の実施形態において、装置は、電位図波形を含む少なくとも3つの位置を提供するように構築、構成することができる。
【0066】
各種の実施形態において、装置は、不整脈の1心拍マッピングを提供するように構築、構成することができる。
【0067】
各種の実施形態において、装置は、操向および/または案内されるように構築、構成された少なくとも1つのカテーテルを備えることができる。
【0068】
各種の実施形態において、カテーテルは、リアルタイム組織解析とイメージングによって電位図波形の部位まで操向および/または案内されるように構築、構成することができる。
【0069】
各種の実施形態において、装置はさらにデリバリシースを備えることができる。
【0070】
各種の実施形態において、デリバリシースは、アブレーションカテーテルを摺動可能に受けるように構築、構成することができる。
【0071】
各種の実施形態において、装置はさらに、近位端を有する近位部と遠位端を有する遠位部を含み、患者の体内に挿入されるように構築、構成された長いシャフトを備えることができる。
【0072】
各種の実施形態において、装置はさらに、長いシャフトに着脱可能に取り付けられ、振動エネルギーを伝送するように構築、構成されたクランプアセンブリを備えることができる。
【0073】
各種の実施形態において、クランプアセンブリは、超音波を発生するように構成された振動トランスデューサを備えることができる。
【0074】
各種の実施形態において、クランプアセンブリは、長いシャフトに着脱可能に取り付けられるように構築、構成されたクランプ機構を備えることができる。
【0075】
各種の実施形態において、クランプアセンブリは、長いシャフトの近位部に位置付けることができる。
【0076】
各種の実施形態において、装置はさらにハンドルを備えることができ、近位部がハンドルから10センチメートル以内にある。
【0077】
各種の実施形態において、長いシャフトはさらに、近位部から遠位部へと超音波を伝送するように構築、構成された導管を備えることができる。
【0078】
各種の実施形態において、クランプアセンブリは長いシャフトの遠位部に位置付けることができる。
【0079】
各種の実施形態において、遠位部は長いシャフトの遠位端から10センチメートル以内にあるようにすることができる。
【0080】
各種の実施形態において、装置はさらに複数電極を備えることができ、複数電極は長いシャフトの遠位端に位置付けられ、クランプアセンブリは複数電極を振動させるように構築、構成される。
【0081】
各種の実施形態において、複数電極は上述の複数電極を含むことができる。
【0082】
各種の実施形態において、装置はさらに、長いシャフトに位置付けられた少なくとも1つのサーモカップルを備えることができ、クランプアセンブリは少なくとも1つのサーモカップルを振動させるように構築、構成される。
【0083】
各種の実施形態において、装置はさらに、長いシャフトに取り付けられる少なくとも1つの支持アームを備えることができ、クランプアセンブリは少なくとも1つの支持アームを振動させるように構築、構成される。
【0084】
各種の実施形態において、装置は、センサまたはトランスデューサのうちの少なくとも1つを有する少なくとも1つの支持アームを備えることができる。
【0085】
各種の実施形態において、装置はさらに、長いシャフトに取り付けられた少なくとも1つのアブレーション素子を備えることができ、クランプアセンブリは少なくとも1つのアブレーション素子を振動させるように構築、構成される。
【0086】
各種の実施形態において、装置はさらに、長いシャフトに取り付けられた少なくとも1つのセンサを備えることができ、クランプアセンブリは少なくとも1つのセンサを振動させるように構築、構成され、センサは、温度、圧力、電気信号、電極、音声およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0087】
各種の実施形態において、装置はさらに、長いシャフトに取り付けられた少なくとも1つのトランスデューサを備えることができ、クランプアセンブリは少なくとも1つのトランスデューサを振動させるように構築、構成され、トランスデューサはアブレーション素子、電極、音声およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0088】
各種の実施形態において、装置はさらに、長いシャフトに位置付けられた少なくとも1つの超音波結晶を備えることができ、クランプアセンブリは少なくとも1つの結晶を振動させるように構築、構成される。
【0089】
各種の実施形態において、クランプアセンブリは長いシャフトを振動させるように構築、構成することができる。
【0090】
各種の実施形態において、クランプアセンブリは、長いシャフトの遠位端が患者の体内にある間はクランプアセンブリが患者の体外にあるように位置付けることができる。
【0091】
各種の実施形態において、センサまたはトランスデューサのうちの少なくとも一方はシャフトに留め付けられるように構築、構成することができる。
【0092】
各種の実施形態において、装置はシャフトを備えることができ、センサまたはトランスデューサのうちの少なくとも一方は前記装置シャフトに留め付けられるように構築、構成される。
【0093】
各種の実施形態において、センサまたはトランスデューサのうちの少なくとも一方は、シャフトによって摺動可能に受けられるように構築、構成することができる。
【0094】
各種の実施形態において、センサまたはトランスデューサのうちの少なくとも一方は、複数電極の幾何学中心に位置付けられるように構築、構成することができる。
【0095】
各種の実施形態において、センサまたはトランスデューサのうちの少なくとも一方は1つの構成要素を含むことができる。
【0096】
各種の実施形態において、1つの構成要素は1つの結晶を含むことができる。
【0097】
各種の実施形態において、センサまたはトランスデューサのうちの少なくとも一方は、回転されるように構築、構成することができる。
【0098】
各種の実施形態において、センサまたはトランスデューサのうちの少なくとも一方は、360°回転されるように構築、構成することができる。
【0099】
各種の実施形態において、センサまたはトランスデューサのうちの少なくとも一方は、軸に沿って平行移動するように構築、構成することができる。
【0100】
各種の実施形態において、センサまたはトランスデューサのうちの少なくとも一方は、構成要素のアレイを含むことができる。
【0101】
各種の実施形態において、アレイは超音波結晶のアレイを含むことができる。
【0102】
各種の実施形態において、アレイは円周アレイを含むことができる。
【0103】
各種の実施形態において、センサまたはトランスデューサのうちの少なくとも一方は、複数電極のうちの少なくとも1つの中またはその付近に位置付けることができる。
【0104】
各種の実施形態において、センサまたはトランスデューサのうちの少なくとも一方は第一の構成要素と第二の構成要素を含むことができ、第一の構成要素は複数電極のうちの第一の電極の中またはその付近に取り付けられ、第二の構成要素は複数電極のうちの第二の電極の中またはその付近に取り付けられる。
【0105】
各種の実施形態において、センサまたはトランスデューサの少なくとも一方は圧電フィルムを含むことができる。
【0106】
各種の実施形態において、装置はさらに、第一の電極に電気的に接続されたワイヤを備えることができ、圧電フィルムは前記ワイヤの少なくとも一部を覆う。
【0107】
各種の実施形態において、センサまたはトランスデューサのうちの少なくとも一方は圧電ケーブルを備えることができる。
【0108】
各種の実施形態において、装置は多アームアセンブリを含むことができ、センサまたはトランスデューサのうちの少なくとも一方は多アームアセンブリに取り付けられる。
【0109】
各種の実施形態において、複数電極のうちの第一の電極は多アームアセンブリに取り付けることができる。
【0110】
各種の実施形態において、センサまたはトランスデューサのうちの少なくとも一方は複数電極のうちの少なくとも1つの電極と一体とすることができる。
【0111】
各種の実施形態において、センサまたはトランスデューサの少なくとも一方は第一の面を含むことができ、複数電極のうちの少なくとも1つの電極は第二の面を含むことができ、第一の面と第二の面は平行である。
【0112】
各種の実施形態において、センサまたはトランスデューサのうちの少なくとも一方は、回転し、心腔との信号の送受信を行うように構築、構成することができる。
【0113】
各種の実施形態において、トランスデューサは超音波トランスデューサを含むことができる。
【0114】
各種の実施形態において、トランスデューサは、持続的またはパルス励起のいずれかの少なくとも一方で音波を生成するように構築、構成することができる。
【0115】
各種の実施形態において、トンラスデューサは複数のトランスデューサを含むことができる。
【0116】
各種の実施形態において、トランスデューサは3MHzから18MHzの間の周波数で信号を生成することができる。
【0117】
各種の実施形態において、トランスデューサはシャフトに留め付けられるように構築、構成することができる。
【0118】
各種の実施形態において、装置はさらにシャフトを備えることができ、トランスデューサは前記装置シャフトに留め付けられるように構築、構成される。
【0119】
各種の実施形態において、センサは超音波センサを含むことができる。
【0120】
各種の実施形態において、センサは複数のセンサを含むことができる。
【0121】
各種の実施形態において、センサはシャフトに留め付けられるように構築、構成することができる。
【0122】
各種の実施形態において、装置はシャフトを備えることができ、センサは前記装置シャフトに留め付けられるように構築、構成される。
【0123】
各種の実施形態において、装置はさらに、複数電極からのマッピング情報を受け取るように構築、構成された第一の受信機であって、マッピング情報は複数電極が1つまたは複数の心腔内に留置された時に受け取られるような第一の受信機と、双極子密度d(y)の三次元データベースを生成するように構成、配置された双極子密度モジュールと、を備えることができ、双極子密度モジュールは心腔壁への個々の投影三角形についての双極子密度を測定し、位置yにおける各投影三角形について、ω(x,y)に双極子密度d(y)を乗じたものが地点xにおける電位V(x)となる。ここで、ω(x,y)はその投影三角形の立体角であり、a)xは1つまたは複数の心腔内の一連の位置を表し、b)V(x)は点xにおける測定電位であり、前記測定電位は複数電極によって記録される。
【0124】
各種の実施形態において、装置はさらに、1つまたは複数の心腔の形状図を生成するように構成された少なくとも1つのイメージング機器から解剖学的情報を受け取るように構築、構成された第二の受信機を含む。
【0125】
各種の実施形態において、前記投影三角形は、各投影三角形に関する双極子密度が実質的に一定となるような大きさとすることができる。
【0126】
各種の実施形態において、双極子密度は少なくとも1000個の投影三角形について測定することができる。
【0127】
各種の実施形態において、双極子密度は、多数の投影三角形によって測定でき、前記数は心腔の大きさによって決まる。
【0128】
各種の実施形態において、複数電極は1つのカテーテル内に含めることができる。
【0129】
各種の実施形態において、複数電極は2つまたはそれ以上のカテーテル内に含めることができる。
【0130】
各種の実施形態において、イメージング機器は、コンピュータ断層撮影(CT)機器、磁気共鳴画像形成(MRI)機器、超音波機器、多電極マッピングカテーテルとマッピングシステム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0131】
各種の実施形態において、イメージング機器は、双極子密度モジュールにアップロードされる標準的な解剖学的形状を有することができる。
【0132】
各種の実施形態において、双極子密度モジュールは、コンピュータ、電子モジュール、メモリの中に保存され、プロセッサにより実行可能なコンピュータプログラム、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、およびこれらの組み合わせのうちの1つまたは複数を含む数学的処理素子を含むことができる。
【0133】
各種の実施形態において、双極子密度モジュールは、双極子密度d(y)のデータベースの空間分解能と時間分解能のうちの少なくとも一方を改善するように構成された進歩的アルゴリズムを実行するように構成することができる。
【0134】
各種の実施形態において、双極子密度モジュールは、双極子密度d(y)のデータベースを作成するために線形方程式系を使用することができる。
【0135】
各種の実施形態において、双極子密度モジュールは、対応する時間間隔の双極子密度d(y)のマップを作成するように構成することができる。
【0136】
各種の実施形態において、双極子密度モジュールは、一連の心拍から、各々の対応する心拍の興奮順序のカスケードを表す合成マップを生成するように構成される。
【0137】
各種の実施形態において、多数の測定電位V(x)は100,000個の電位V(x)までの範囲とすることができる。
【0138】
各種の実施形態において、心臓壁は複数の領域に分割することができ、各領域は各電極に関する領域立体角によって表され、各領域立体角はその領域内の個々の三角形の立体角の総和である。
【0139】
各種の実施形態において、双極子密度d(y)を測定するために使用される領域の数は心臓壁上の100,000個の領域までの範囲とすることができる。
【0140】
各種の実施形態において、測定電位V(x)を補間して領域の数を増やすことができる。
【0141】
各種の実施形態において、V(x)はスプラインを用いて補間することができる。
【0142】
各種の実施形態において、装置はさらに、1つまたは複数の皮膚電極からマッピング情報を受け取るように構成された第三の受信機を備えることができる。
【0143】
各種の実施形態において、双極子密度モジュールは、1つまたは複数の皮膚電極からの前記マッピング情報を使用して、双極子密度d(y)のデータベースを計算および/または再計算することができる。
【0144】
各種の実施形態において、双極子密度モジュールは、次式のうちの少なくとも1つを使って双極子密度d(y)を計算および/または再計算することができる:
【数1】
ただし、小さい正弦波電圧Vは心内の電極アレイ上の各電極l=1,...Lに印加され、結果として得られる電圧W、k=1,...Kは表面電極で測定され、これによってKXL遷移行列が得られる。
【数2】
ただし、立体角の計算によって、電極アレイの電位Vと心臓壁のN個の領域の双極子密度d、n=1,...Nの間の線形変換Blnが得られる。
【数3】
上式(2)を式(1)に代入することにより、式(3)が得られる。
【0145】
各種の実施形態において、双極子密度モジュールは、正規化手法を使って式(2)と(3)を解くように構成することができる。
【0146】
各種の実施形態において、正規化手法はTikhonov正規化法を含むことができる。
【0147】
本発明の他の態様によれば、患者の1つまたは複数の心腔の表面における双極子密度d(y)と距離測定値のデータベースを作成するシステムが提供される。このシステムは、患者の1つまたは複数の心腔の表面における双極子密度d(y)のデータベースを作成する装置を含み、これは、1つまたは複数のカテーテル上に設置された複数電極と、複数電極からマッピング情報を受け取るように構成された第一の受信機であって、マッピング情報が、複数電極が1つまたは複数の心腔に留置された時に受け取られるような第一の受信機と、1つまたは複数の心腔の幾何学表現を生成するように構成された少なくとも1つのイメージング機器から解剖学的情報を受け取るように構成された第二の受信機と、双極子密度d(y)のデータベースを生成するように構成された双極子密度モジュールと、を備え、双極子密度モジュールは、心腔壁への個々の投影三角形に関する双極子密度を測定し、位置yにおける各投影三角形について、ω(x,y)に双極子密度d(y)を乗じたものが点xにおける電位V(x)となり、ω(x,y)はその投影三角形に関する立体角であり、a)xは1つまたは複数の心腔内の一連の位置を表し、b)V(x)は点xでの測定電位であり、前記測定電位は複数電極により記録される。
【0148】
各種の実施形態において、システムはさらに第二のイメージング機器を備えることができる。
【0149】
各種の実施形態において、システムはマッピングおよびアブレーション用カテーテルを備えることができる。
【0150】
各種の実施形態において、システムは、高周波(RF)エネルギー、超音波エネルギー、極低温エネルギーのうちの1つまたは複数を供給するように構成されたアブレーション装置を備えることができる。
【0151】
各種の実施形態において、システムは以下の療法、すなわち遺伝子治療製剤送達、心臓再同期、薬理療法のうちの1つまたは複数を提供するように構成された装置を備えることができる。
【0152】
本発明の他の態様によれば、患者の1つまたは複数の心腔の表面における双極子密度d(y)と距離測定値のデータベースを作成する方法が提供される。この方法は、電極カテーテルの遠位端を患者の1つまたは複数の心腔のうちの1つの中に留置するステップと、1つまたは複数のカテーテルに設置された複数電極からマッピング情報を受け取る第一の受信機であって、マッピング情報は複数電極が1つまた複数の心腔内に留置された時に受け取られるような第一の受信機と、1つまたは複数の心腔内の幾何学的表現を生成するように構成された少なくとも1つのイメージング機器から解剖学的情報を受け取る第二の受信機と、双極子密度d(y)のデータベースを生成する双極子密度モジュールと、によって双極子密度d(y)を生成するステップであって、双極子密度モジュールが心腔壁への個々の投影三角形に関する双極子密度を測定し、位置yにおける各投影三角形について、ω(x,y)に双極子密度d(y)を乗じたものが点xにおける電位V(x)となり、ω(x,y)はその投影三角形に関する立体角であり、a)xは1つまたは複数の心腔内の一連の位置を表し、b)V(x)は点xでの測定電位であり、前記測定電位は複数電極により記録されるようなステップと、音センサから受け取った信号を解析することによって距離または移動情報を計算するステップと、を含む。
【0153】
各種の実施形態において、方法は、組織厚さ情報を計算するステップを含む、距離情報を計算するステップを含むことができる。
【0154】
各種の実施形態において、方法は、双極子密度d(y)を使って、心臓の異常な電気的活動の発生源の位置を特定するステップを含むことができる。
【0155】
各種の実施形態において、双極子密度を計算するステップは、プロセッサがメモリ内に記憶されたコンピュータプログラムを実行するステップを含むことができ、コンピュータプログラムはメモリ内の双極子密度のテーブルを生成するためのアルゴリズムを具体化する。
【0156】
本発明の他の態様によれば、組織の診断方法が提供され、前記方法は、患者の1つまたは複数の心腔内にカテーテルの遠位端を留置するステップであって、カテーテルが少なくとも1つの電極と少なくとも1つの超音波素子を含むようなステップと、その少なくとも1つの超音波素子を介して組織の運動を測定するステップと、少なくとも1つの電極を介して電荷を測定するステップと、組織の運動と電荷に基づいて組織の診断を下すステップと、を含む。
【0157】
本発明の他の態様によれば、医学的方法が提供され、これは、特許請求の範囲の請求項1〜122のいずれか1項に記載の装置をデリバリシステム内に挿入するステップと、装置を、デリバリシステムを通じて心腔へと前進させるステップと、装置および/またはデリバリシステムを、装置の遠位端が心腔のほぼ幾何学中心に位置付けられるように操向するステップと、を含む。
【0158】
本発明の他の態様によれば、患者の組織の診断方法が提供され、これは、電気的情報と解剖学的情報を組み合わせるステップを含み、電気的情報は、組織によって生成される電気信号を記録するように構築、構成された複数電極から受け取られる情報を含み、解剖学的情報は、音声信号を記録するように構築、構成されたセンサによって受け取られる情報を含む。
【0159】
各種の実施形態において、適当な電気的活動を示す電気信号と適当な組織の運動を示す解剖学的情報は、健全な組織の存在と相関しうる。
【0160】
各種の実施形態において、適当な電気的活動を示す電気信号と不適当な組織の運動を示す解剖学的情報は、虚血組織または仮死組織のうちの少なくとも一方の存在と相関しうる。
【0161】
各種の実施形態において、電気的情報は閾値電圧より大きい信号を含むことができる。
【0162】
各種の実施形態において、不適当な電気的活動を示す電気的情報と不適当な組織運動を示す解剖学的情報は、瘢痕化組織の存在と相関しうる。
【0163】
各種の実施形態において、診断は組織虚血の評価を含むことができる。
【0164】
各種の実施形態において、診断は心細胞の電気的完全性の評価を含む。
【0165】
各種の実施形態において、診断はさらに、心細胞の機能的状態の評価を含むことができる。
【0166】
各種の実施形態において、不適当な電気的活動を示す電気的情報と不適当な組織運動を示す解剖学的情報は、不整脈の治療のために施行された心臓のアブレーションにおいて行われた焼灼のような完全焼灼の存在と相関しうる。
【0167】
各種の実施形態において、完全焼灼は貫壁性焼灼を含むことができる。
【0168】
各種の実施形態において、電気的情報は双極子密度情報を含むことができる。
【0169】
各種の実施形態において、電気的情報は、脱分極、再分極、波面伝搬速度、電圧の大きさ(最大、最小、勾配)、興奮のタイミング、興奮持続時間のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0170】
各種の実施形態において、方法はさらに、ある時間にわたって焼灼エネルギーを印加することによって心組織を焼灼するステップをさらに含むことができる。
【0171】
各種の実施形態において、解剖学的情報は組織厚さ情報を含むことができ、焼灼エネルギーと時間の少なくとも一方は組織厚さ情報に基づいて調整される。
【0172】
本発明の態様によれば、患者に医療処置を施行する方法が提供され、この方法は、第一のカテーテルを患者に挿入するステップであって、第一のカテーテルが第一の素子群と少なくとも1つのセンサを含むようなステップと、第二のカテーテルを患者に挿入するステップであって、第二のカテーテルが長いシャフトを含み、第二のカテーテルが第二の素子群を含むようなステップと、クランプアセンブリを第二のカテーテルに取り付けるステップであって、クランプアセンブリが第二のカテーテルに着脱可能に取り付けられ、振動エネルギーを伝送するように構築、構成されているようなステップと、を含む。
【0173】
各種の実施形態において、第一の素子群はセンサを含むことができる。
【0174】
各種の実施形態において、センサは温度、圧力、電気信号、電極、音声およびこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0175】
各種の実施形態において、第一の素子群はトランスデューサを含むことができる。
【0176】
各種の実施形態において、トランスデューサはアブレーション素子、電極、音声、これらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0177】
各種の実施形態において、少なくとも1つのセンサは超音波センサを含むことができる。
【0178】
各種の実施形態において、少なくとも1つのセンサはトランスデューサを含むことができる。
【0179】
各種の実施形態において、トランスデューサは超音波トランスデューサを含むことができる。
【0180】
各種の実施形態において、第二の素子群はセンサを含むことができる。
【0181】
各種の実施形態において、センサは温度、圧力、電気信号、電極、音声およびこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0182】
各種の実施形態において、第二の素子群はトランスデューサを含むことができる。
【0183】
各種の実施形態において、トランスデューサはアブレーション素子、電極、音声およびこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0184】
各種の実施形態において、第二のカテーテルの長いシャフトは、近位端を有する近位部と遠位端を有する遠位部を有することができる。
【0185】
各種の実施形態において、クランプアセンブリは、超音波を発生するように構成された振動トランスデューサを含むことができる。
【0186】
各種の実施形態において、クランプアセンブリは、第二のカテーテルの長いシャフトに着脱可能に取り付けられるように構築、構成されたクランプ機構を含むことができる。
【0187】
各種の実施形態において、クランプアセンブリは、第二のカテーテルの長いシャフトの近位部に位置付けることができる。
【0188】
各種の実施形態において、第二のカテーテルはハンドルを備えることができる。
【0189】
各種の実施形態において、クランプアセンブリはハンドルから10センチメートル以内に位置付けることができる。
【0190】
各種の実施形態において、第二のカテーテルの長いシャフトはさらに、第二のカテーテルの長いシャフトの近位部から遠位部に超音波を伝送するように構築、構成された導管を備えることができる。
【0191】
各種の実施形態において、クランプアセンブリは第二のカテーテルの長いシャフトの遠位部に位置付けることができる。
【0192】
各種の実施形態において、第二のカテーテルの遠位部は第二のカテーテルの長いシャフトの遠位端から10センチメートル以内とすることができる。
【0193】
各種の実施形態において、第二のカテーテルの長いシャフトはさらに、複数電極を備えることができ、複数電極は第二のカテーテルの長いシャフトの遠位端に位置付けられ、クランプアセンブリは複数電極を振動させるように構築、構成される。
【0194】
各種の実施形態において、複数電極は上述のような複数電極を含むことができる。
【0195】
各種の実施形態において、第二のカテーテルの長いシャフトはさらに、第二のカテーテルの長いシャフトに位置付けられた少なくとも1つのサーモカップルを備えることができ、クランプアセンブリは少なくとも1つのサーモカップルを振動させるように構築、構成される。
【0196】
各種の実施形態において、第二のカテーテルの長いシャフトはさらに、第二のカテーテルの長いシャフトに取り付けられた少なくとも1つの支持アームを備えることができ、クランプアセンブリは少なくとも1つの支持アームを振動させるように構築、構成される。
【0197】
各種の実施形態において、少なくとも1つの支持アームは、センサまたはトランスデューサのうちの少なくとも一方を含むことができる。
【0198】
各種の実施形態において、第二のカテーテルの長いシャフトはさらに、第二のカテーテルの長いシャフトに取り付けられた少なくとも1つのアブレーション素子を備えることができ、クランプアセンブリは少なくとも1つのアブレーション素子を振動させるように構築、構成することができる。
【0199】
各種の実施形態において、第二のカテーテルの長いシャフトはさらに、第二のカテーテルの長いシャフトに取り付けられた少なくとも1つのセンサを含むことができ、クランプアセンブリは少なくとも1つのセンサを振動させるように構築、構成することができ、センサは、温度、圧力、電気信号、電極、音声およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0200】
各種の実施形態において、第二のカテーテルの長いシャフトはさらに、第二のカテーテルの長いシャフトに取り付けられた少なくとも1つのトランスデューサを備えることができ、クランプアセンブリは少なくとも1つのトランスデューサを振動させるように構築、構成することができ、トランスデューサは、アブレーション素子、電極、音声およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0201】
各種の実施形態において、第二のカテーテルの長いシャフトはさらに、第二のカテーテルの長いシャフトに位置付けられた少なくとも1つの超音波結晶を備えることができ、クランプアセンブリは少なくとも1つの結晶を振動させるように構築、構成することができる。
【0202】
各種の実施形態において、クランプアセンブリは第二のカテーテルの長いシャフトを振動させるように構築、構成することができる。
【0203】
各種の実施形態において、クランプアセンブリは、第二のカテーテルの長いシャフトの遠位端が患者の体内にある間にはクランプアセンブリが患者の体外にあることができるように位置付けることができる。
【0204】
本願に含められた図面に描かれているような、双極子密度マッピングのために超音波を使用するリアルタイムの非接触型イメージングおよび距離測定装置、システムおよび/または方法のほか、組織の健全性の診断方法が提供される。
【0205】
添付の図面は本明細書に組み込まれ、その一部をなし、本発明による各種の実施形態を示しており、説明文と併せて本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0206】
図1】本発明の態様による、少なくとも1つの心腔の双極子密度d(y)のデータベーステーブルを作成するための装置のある実施形態の概略図である。
図2】本発明の態様による、少なくとも1つの心腔の双極子密度のデータベーステーブルを作成するための好ましい方法のある実施形態のフローチャートである。
図3】本発明の態様による、立体角ω(x,y)を利用して少なくとも1つの心腔の双極子密度のデータベーステーブルを作成するためのシステムのある実施形態の概略図である。
図4】本発明の態様による、複数の支持アームに取り付けられた超音波素子を含むカテーテルの端部の側面図である。
図5】本発明の態様による、複数のセンサを含むマッピングカテーテルと、複数のアブレーション素子を含むアブレーションカテーテルと、アブレーションカテーテルに取り付けられたクランプアセンブリと、を含むシステムの側面図である。
図6】本発明の態様による、患者の組織を診断するための好ましい方法のある実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0207】
表面電荷密度を計算する装置は、2007年8月3日に出願された、“METHOD AND DEVICE FOR DETERMINING AND PRESENTING SURFACE CHARGE AND DIPOLE DENSITIES ON CARDIAC WALLS”と題する国際特許出願第PCT/CH2007/000380号(以下、「‘380号特許出願」という)に詳しく記載されている。
【0208】
‘380号特許出願に記載されているように、研究の結果、表面電荷(すなわちその分布)または双極子密度(すなわちその分布)を使って分布マップを作成することにより、局所の心細胞の電気イオン活量に関して、電位より詳細で正確な情報が得られることがわかった。表面電荷または双極子密度は、電気的活動の正確で鮮鋭な情報を高い空間分解能で提供するのに対し、電荷密度の集積から得られる電位では、電気的活動の拡散的な概要しか把握できない。たんぱく質のイオン電荷と水溶性イオンを含む心細胞膜の電気的性質は、表面電荷と双極子密度によって正確に表すことができる。表面電荷密度または双極子密度は、心臓の中で直接測定することができず、測定された電位をもとに、数学的に正確に計算しなければならない。換言すれば、現在のマッピングシステムによって得られた電圧マップの情報は、これらから表面電荷密度または双極子密度を計算すれば大幅に改善できる。
【0209】
表面電荷密度とは、単位面積(cm)あたりの表面電荷(クーロン)を意味する。そのため、双極子は中性元素であり、一部が正電荷、他の部分が同等であるが負の電荷を有する。双極子は細胞膜の電気的性質をよりよく表している可能性があり、これは、生物学的環境ではイオン電荷が巨視的に分離されないからである。
【0210】
‘380号特許出願により表面電荷密度(表面電荷密度分布)のマップを生成するためには、ある心腔の形状を知る必要がある。心腔の3D形状は一般に、現在入手可能な一般的なマッピングシステム(いわゆるロケータシステム)によって、あるいはCT/MRIスキャンからの解剖学的データの積分によって評価される。非接触型マッピング法による電位の測定には、プローブ電極が使用された。プローブ電極は、楕円形または球形の多電極アレイであってもよい。球形は、その後のデータ解析にとって、特定の利点を有する。しかしながら、Vの測定には他の種類の電極または、複数の独立した電極でも使用できる。たとえば、心内膜内の心室内腔に関して、表面Sを有するプローブ電極を血液中に設置した場合、表面S上の点x,y,zの電位V(x,y,z)を測定することが可能である。心内膜の表面Sの電位を計算するには、ラプラス方程式、
【数4】
を解く必要があり、式中、Vは電位であり、x,y,zは三次元座標を示す。この方程式の境界条件はS上でV(x,y,z)=V(x,y,z)であり、Vはプローブ表面上の電位である。
【0211】
解は整数であり、それによって、血液が充満している心腔の全容量の中の点x’y’z’における電位V(x’y’z’)を計算することができる。前記整数を数値的に計算するために、心表面の離散化が必要であり、いわゆる境界要素法(BEM)を使用しなければならない。
【0212】
境界要素法は、線形積分方程式(すなわち、面積分の形態)を解くための数値的計算方法である。この方法は、流体力学、音響学、電磁気学、破壊力学を含む工学および科学の多くの分野で応用された。
【0213】
境界要素法は、有限要素法を含めた他の方法より効率的であることが多い。境界要素定式によれば、一般に、離散化後の完全占有行列が得られる。これは、ストレージ要件と計算時間が問題の大きさの二乗に従って増大する傾向があることを意味する。これに対して、有限要素行列は一般に帯状であり(要素は局所的にのみ接続される)、システム行列のストレージ要件は一般に、問題の大きさとともにほとんど直線的に増大する。
【0214】
上記を鑑み、プローブの表面上のすべての電位V(x1’y1’z1’)を測定することができる。心腔壁の電位Vを計算するには、心腔の表面の既知の形状を個別の部分に分割して、境界要素法を使用しなければならない。すると、心内膜の電位Veは、プローブの電位V:V=TVからの線形行列変換Tによって得られる。
【0215】
少なくとも1つの、ある心腔の1つまたは複数の位置P(x,y,z)における、ある時間tの心細胞の1つまたは複数の電位Vを測定し、計算した後。表面電荷密度と双極子密度は、以下の2つのポワソン方程式によって電位に関係付けられる。
【数5】
【数6】
ただし、ρ(P)は位置P=x,y,zにおける表面電荷密度であり、
は心腔表面S上に集中したデルタ分布であり、νは双極子密度である。
【0216】
心腔壁の表面上の電位Vと表面電荷(4)または双極子密度(5)の間には公知の関係がある。
【数7】
【数8】
(参考としては、Jackson JD.Classical Electrodynamics,2nd edition,Wiley,New York 1975を参照のこと。)
【0217】
境界要素法はここでも、式4と5の電位Vを所望の表面電荷密度と双極子密度に変換するためのコードを提供し、これらはデータベースに記録できる。
【0218】
この方法の他の実施形態では、電位Vは接触型マッピングによって測定される。この場合、電位Vを計算するステップは不要であり、これは、電極を心腔壁に直接接触させることによって、すでに電位Vが得られるからである。
【0219】
好ましい実施形態において、プローブ電極は、電位Vを正確に計算でき、それゆえ、Vを所望の電荷または双極子密度に変換するための計算を容易にするような形状を有する。電極のこの好ましい形状は基本的に楕円形または球形である。
【0220】
‘380号特許出願に関して少なくとも1つのある心腔の表面電荷密度のデータベーステーブルを作成するための方法を採用するためには、少なくとも、
a)ある心腔の表面上のある位置P(x,y,z)における電位Vを測定し、記録する1つのユニット(接触型マッピング)または、壁と直接接触せずに心内に位置付けられたプローブ(非接触型マッピング)と、
b)測定された電位をデジタルデータに変換する1つのA/D変換器と、
c)測定および/または変換されたデータを保存する1つのメモリと、
d)デジタルデータをデジタル表面電荷密度または双極子密度データに変換する1つのプロセッサユニットと、
を含むシステムを使用することが好ましかった。
【0221】
当業界では、ある心腔内の心細胞の電位の位置特定と測定を侵襲的および非侵襲的方法で行うための多数の装置がよく知られており、長年にわたり医療従事者によって採用されてきた。したがって、‘380号特許出願の方法、システム、装置では、本発明の最良の実践態様を実行するための特段の新たな電極は一切必要なかった。その代わりに、‘380号特許出願は入手可能なデータの新規で有利な処理を提案したものであり、これによって、心臓の表面電位のみに基づく先行技術のシステムと比較して、心臓の活動のマッピングの精密さ、正確さ、空間分解能を改善することができる。‘380号特許出願のシステムと方法はまた、代謝および機能的情報を含め、不整脈と心細胞の電気的状態を診断するための優れた診断方法を提供することができるであろう。
【0222】
本発明は、心臓壁上の双極子電荷密度の分布と活動を計算し、視覚化するための改良された装置、システム、方法を提供する。双極子密度は幾何学的に直接測定され、従来の外挿アルゴリズムを使用した場合に遭遇するエラーを避けることができる。
【0223】
1つの実施形態において、本発明の装置は、1つまたは複数のカテーテルに設置された複数電極と、トランスデューサと、センサと、を含む。この装置は、患者の1つまたは複数の心腔の表面における双極子密度d(y)と距離の測定値の三次元データベースを作成するために使用できる。距離測定データはたとえば、複数電極のうちの少なくとも1つと心臓壁の間の距離、複数電極のうちの少なくとも1つとトランスデューサおよび/またはセンサの間の距離、心臓壁とトランスデューサおよび/またはセンサの間の距離を含んでいてもよい。距離測定データは、センサにより記録された角度および/またはセンサの周波数変化を解析することによって計算してもよい。この装置はまた、患者の組織の連続的なリアルタイム画像を生成するように構成されてもよい。画像の例としては、たとえば1つまたは複数の心腔、心臓壁、複数電極のうちの少なくとも1つの付近の組織、複数電極のうちの少なくとも1つ、およびこれらの組み合わせであってもよい。この装置は、組織の位置、組織の厚さ(たとえば、心臓壁の厚さ)および組織の運動(たとえば心臓壁の運動)の情報等の組織画像情報、組織の2点間の距離、ある組織の位置と装置の構成要素の位置の間の距離、2つの装置構成要素の位置間の距離等の距離情報、組織の電気的活動情報、組織の一部の焼灼状態、およびこれらの組み合わせのうちの1つまたは複数を提供してもよい。
【0224】
本発明はトランスデューサとセンサを取り入れ、これらは各々、好ましくは超音波式であり、1つの構成要素の中に含まれる。トランスデューサとセンサは、患者の組織または1つまたは複数のカテーテルまたはその他の装置の構成要素等の1つまたは複数の標的の距離または存在の非接触型測定を行うように構成される。情報は、超音波を送信し、その後、反響が戻ってセンサによって感知されるまでに必要な時間を測定することによって生成され、それゆえ、すべての反射面とセンサ/送信機の間の距離が測定される。この追加情報によって、より精密な双極子密度d(y)の測定が可能となる。測定は、対象物の厚さ、たとえば心組織の厚さを測定するために行ってもよく、これを使ってエネルギーの出力と供給時間等のアブレーションパラメータを決定できる。
【0225】
本発明を利用して、組織の診断方法もまた開示される。カテーテル装置から収集される情報、特に組織の運動と組織の電荷を解析することにより、医師は組織の健全性を判断できる。たとえば、適当な組織運動が検出され、健全な状態を示す電気信号を組織が生成した場合、組織は健全であると判断される。組織の診断によって、医師はどのような治療、たとえばアブレーションがその患者にとって好ましいかを判断できる。
【0226】
本発明によれば、心臓壁上の双極子密度d(y)のデータベースを測定し、計算する装置が提供される。心臓において実際に測定される電位は、双極子とみなすことのできる細胞の電気的活動から得られる。双極子は生体膜の両側のイオン電荷からなる。双極子密度の使用によって、電気的活動の正確な表現が提供される。本発明によるシステムと方法は、1つまたは複数の数学的定理を利用して、双極子密度を効率的かつ有効に計算する。この計算は、現在のシステムによって生成される仮想的電位の計算よりずっと精密であり、現在のシステムは、必要な数値的方法と、双極子密度ではなく電位を使用することによって、空間的精度を欠く。本発明によるシステムと方法は、たとえばコンピュータシステムまたは同様のマイクロコントローラおよび/または数学的処理装置を使用する双極子密度の幾何学的な計算において効率的である。
【0227】
定義。本発明をより理解しやすくするために、いくつかの用語を以下に定義する。
【0228】
本明細書で使用された場合、「治療対象者」および「患者」という用語は、あらゆる動物、たとえば家畜、ペット、好ましくは人間等の哺乳類を指す。「治療対象者」と「患者」の具体的な例には、たとえば医学的支援を必要とする個人、特に心房細動(AF)等の不整脈を有する患者が含まれるが、これに限定されない。
【0229】
本明細書で使用された場合、例示的実施形態では、「立体角」という用語は、心臓壁の上の1つの三角形と観察点xの間の二次元の角度を三次元空間に内在させたものである。位置xから見た場合、直線を点xからその三角形の頂点まで引き、中心xに半径r=1の球を作る。すると、直線は単位球の表面上に三角形の区画を画定する。立体角はその三角形の表面積と等しい。本明細書で使用された場合、例示的実施形態において、「双極子密度」という用語は密度の大きさの三次元テーブルを指し、d(y)は一般に三次元系または空間を指す。
【0230】
本発明の方法と装置は、過去の先行技術の装置より有利である。図1〜6は、本発明の態様による装置、システム、方法の各種の好ましい実施形態を示している。しかしながら、本発明はこれらの具体的な構成に限定されない。
【0231】
ここで、図1を参照すると、患者の少なくとも1つの心腔の双極子密度のデータベーステーブルを作成するための装置のある実施形態の概略図が示されている。装置100は、別の装置、たとえば患者の心臓の心腔内の循環血液内に留置された多電極マッピングカテーテルを含む装置からの電位を受け取るように構成された第一の受信機110を含む。装置100はさらに、たとえば、これらに限定されないが、コンピュータ断層撮影、MRI、超音波、多電極マッピングカテーテルおよびこれらの組み合わせ等の機器から心臓の幾何学的情報(たとえば、心腔壁の幾何学形状)を受け取るように構成された第二の受信機120を含む。あるいは、心腔のモデルを表す標準的な形状を読み込むことができる。
【0232】
装置100はさらに、超音波ユニット240から超音波情報を受け取るように構成された第三の受信機140を備える。超音波ユニット240は、トランスデューサとセンサを含む。好ましい実施形態において、トランスデューサは、高周波振動、すなわち超音波をパルス状または連続して生成するように構成された超音波トランスデューサを含む。一般に、超音波トランスデューサは5〜15MHzの波長の音波を生成する。いくつかの実施形態において、トランスデューサとセンサは、超音波信号の送信と検出の両方を行うように構成された圧電性結晶としての1つの構成要素である。
【0233】
この実施形態では、センサは好ましくは、超音波トランスデューサから発生される超音波を記録またはその他検出するように構成された超音波センサである。センサはさらに、心腔内の複数電極および/またはセンサのうちの少なくとも1つの位置のリアルタイムの連続的測定データを測定するように構成されていてもよい。特定の環境内の音速と、トランスデューサによる音波の供給タイミングがわかれば、センサ、トランスデューサと1つまたは複数の反射面の間の距離を計算できる。
【0234】
代表的な実施形態において、圧電性結晶は超音波を送信し、これらの音波の反射を受信する。当業者の間では公知のように、送受信間のタイミングを使って、組織表面や装置構成要素の表面等の反射面の位置を判断することができる。1つの実施形態において、標的となる心組織の正確な位置推定と測定が行われ、その結果、より精密で有効な治療が行われる。超音波結晶は、組織表面で反射される信号を送信し、これはマッピング電極から組織までの距離を判断するために使用できる。この距離はソフトウェアアルゴズムに供給され、双極子密度または直接的な電気信号解析を通じて電気的活動の計算に役立てられる。
【0235】
精密な距離を得ることにより、計算全体が非常に精密となる(周波数であり、これは約3メガヘルツで、最高18メガヘルツでもよい)。発せられた超音波は、一定の周波数でもよく、または可変周波数のチップによって生成されてもよい(受信時のパルス圧縮が可能となる)。双極子密度の計算および距離測定の精度により、心細胞の詳細を電気的活動の点で精密に知ることができ、細胞活動を精密に特定して、どの細胞が活動の最早期興奮部位であるかを特定できる。1つの実施形態において、センサは、第一の反射を通じてセンサから心臓壁までの距離を自動的に検出し、第二の反射を通じて壁の厚さを検出するように構成されてもよい。その他の距離測定データには、たとえば複数電極のうちの少なくとも1つと心臓壁の間の距離、複数電極のうちの少なくとも1つとトランスデューサおよび/またはセンサの間の距離、心臓壁とトランスデューサおよび/またはセンサの間の距離等が含まれるが、これらに限定されない。他の実施形態では、超音波素子が複数の反射を統合して、壁の距離と厚さを含む完全な画像を形成する。また別の実施形態では、超音波素子は、心組織と1つまたは複数の電極の位置決めに関する情報を提供して、たとえばこれら1つのまたは複数の電極を含むアブレーションおよび/またはマッピングカテーテルの位置を特定する。
【0236】
1つの実施形態において、センサおよび/またはトランスデューサは、一般的には圧電材料からなる少なくとも1つの結晶を含み、これは電極アレイ内の各電極の中心付近に位置付けられる。他の実施形態では、結晶は2つまたはそれ以上の電極間に位置付けられ、たとえばマッピング電極と結晶の比が1:1、2:1、5:2、3:1、4:1またはその他の比の装置が作製される。この少なくとも1つの結晶は、超音波トランスデューサにより送信される信号および/またはこれらの信号の反射を受信するように構築、構成されてもよい。この少なくとも1つの結晶は、固定位置にあってもよく、またはたとえば少なくとも1つの超音波結晶に動作的に取り付けられた回転シャフトによって、回転機構を介して回転されてもよい。この回転は丸1回転、すなわち360°であってもよく、それによって心腔の全周が測定される。あるいは、少なくとも1つの結晶の回転は部分的であってもよい。あるいは、またはこれに加えて、1つまたは複数の超音波結晶を軸方向に移動させてもよく、たとえば往復運動させて、より長い画像を生成し、および/または三次元再生画像を生成してもよい。他の実施形態において、センサおよび/またはトランスデューサは、アレイ、たとえば円周アレイとして配置された複数の水晶を含む。
【0237】
他の実施形態において、超音波センサおよび/またはトランスデューサは、カテーテルに動作的に取り付けられ、1つまたは複数のカテーテル構成要素を振動させるように構成されたプローブを含んでいてもよい。代替的実施形態において、超音波センサおよび/またはトランスデューサは、アレイ内の各電極をカバーする圧電フィルムを備える。また別の実施形態において、超音波センサおよび/またはトランスデューサは、各電極に動作的に接続された圧電ケーブルを備える。
【0238】
超音波センサおよび/またはトランスデューサは機械的クランプアセンブリの中に格納してもよく、これをカテーテル、たとえばマッピングカテーテルまたはアブレーションカテーテルのシャフトに取り付けてもよい。これに加えて、特定の超音波周波数の特定のクランプアセンブリを特定のカテーテルとともに使用してもよく、その一方で、第二の超音波周波数の第二のクランプアセンブリを第二のカテーテルとともに使用してもよい。他の実施形態において、超音波センサおよび/またはトランスデューサはマッピングカテーテルに直接挿入してもよい。
【0239】
また別の実施形態において、この装置は多アームアセンブリを備えていてもよく、それによってセンサおよび/またはトランスデューサは多アームアセンブリに取り付けられる。これに加えて、少なくとも1つの電極は多アームアセンブリに取り付けてもよい。代替的実施形態において、センサおよび/またはトランスデューサは電極の一部として構築してもよい。たとえば、この装置は、センサと電極の組み合わせを含んでいてもよい。他の実施形態では、センサおよび/またはトランスデューサは、前向きセンサとして構築し、信号を直接電極に従って組織に投影するように構成されてもよい。また別の実施形態では、センサおよび/またはトランスデューサは回転するように構成されてもよく、それによってセンサおよび/またはトランスデューサは各電極と個々に対面し、信号は各電極の超えて発せられてもよい。
【0240】
いくつかの実施形態において、この装置は、操向可能に構築、構成され、それによってこの装置の遠位端が患者の心腔のほぼ幾何学中心に位置付けられる。この実施形態では、カテーテルがデリバリシステム、たとえばデリバリシースに装填されてもよく、デリバリシースから前進されてもよく、それによって超音波センサを含む双極子密度マッピングシステムが血液と心腔内に位置付けられる。また、この実施形態では、デリバリシースがアブレーションカテーテルを摺動可能に受けるように構成された中央管腔を含んでいてもよい。装置のこのような構成によって、使用者は1つの装置で診断手順を実行しうる。これに加えて、経中隔穿刺は1回のみでよいかもしれない。また別の実施形態においては、この装置は操向可能であってもよい。たとえば、使用者は、リアルタイム解析およびイメージングを通じて焼灼部位を決定してもよく、その後、装置を所望の位置まで操向してもよい。装置の操向は、上述のデリバリシースと同様のデリバリシースの管腔の中に格納可能なケーブルを介して行ってもよい。
【0241】
装置100はさらに双極子密度モジュール130を含み、これは、数学的またはその他の計算を実行するための数学的処理要素、たとえばコンピュータまたは、ソフトウェアおよび/またはハードウェアを含むその他の電子モジュールを含む。双極子密度モジュール130は、第一の受信機110からのマッピング情報と第二の受信機120からの心臓の幾何学的情報を受け取る。双極子密度モジュール130は好ましくは、1つまたは複数のアルゴリズムを使って、受け取ったマッピングおよび幾何学的情報を処理し、双極子密度のデータベーステーブル、たとえば双極子密度の三次元データベーステーブルを生成する。
【0242】
心腔の幾何学モデルは、双極子密度モジュール130によって複数の小さな三角形へと加工される(三角形分割)。三角形が十分に小さければ、各三角形の双極子密度を一定とみなすことができる。好ましい実施形態において、直径4〜6cmの標準的な心腔は1000個を超える三角形に分割される。他の好ましい実施形態では、双極子密度モジュール130によって決定される三角形の数は、心腔の大きさに基づく。電極が医師、たとえば電気生理学専門医によって心腔内に位置付けられ、各電極の電位が記録される。各三角形は、対応する電極から特定の立体角で見られる。双極子密度モジュール130は、多電極カテーテル上の位置xにおける各電極上の位置yの各三角形によって画定される立体角ω(x,y)を計算する。その三角形の双極子密度をd(y)とすると、その三角形について、ω(x,y)にd(y)を乗じたものが多電極カテーテル上の位置xにおける電位V(x)となる。測定された総電位V(x)は、すべての三角形から得られる総和である。詳しくは、図3に関して以下に説明する。
【0243】
好ましい実施形態において、双極子密度モジュール130は、作成される双極子密度のデータベースの空間および/または時間分解能を改善するために修正および/または改良可能な進歩的アルゴリズムを実行する。双極子密度d(y)は、線形方程式系を解くことによって得られる。この計算には、数値的不安定性を回避するために、幾分かの注意が必要である。それによって、双極子密度のマップを、対応する各時間間隔で作成できる。マップの合成によって、各々の対応する心拍の興奮順序のカスケードが生成され、これを使って電気的活動、すなわち不整脈の発生源を特定し、または心臓病の診断を行うことができる。
【0244】
本発明で使用される測定電極は、心腔内の血流中に、本発明の数学的解析が十分に適用されるように比較的均一な状態で留置される。好ましい実施形態では、皮膚電極もまた使用され、それによって双極子密度モジュール130は皮膚電極から受け取った情報を使って、心臓壁に関する双極子密度を計算および/または再計算できる。侵襲的(すなわち、心腔内に留置される)多電極電位測定によって得られる空間分解能は、いずれかの心腔、たとえば左心房(LA)に留置可能な電極の数によって限定される。皮膚に設置される電極、たとえば胸郭上に設置された電極は、空間的に限定されない。しかしながら、主に体の不均質構造によって、皮膚電極により測定される電位の実際の発生源の位置特定は難しい。非常に複雑な境界値の問題を、境界状態があまりわからないまま解決しなければならず、体表面ECG(のみ)から「活動電位」を測定する過去の試みの成績はあまりよくなかった。
【0245】
境界値問題の不正確な解決は、本発明の多電極アレイによる追加の測定(皮膚電極の測定に追加される)によって回避できる。小さな正弦波電圧Vは、心内の電極アレイ上の各電極l=1,...Lに印加され、その結果得られる電圧W、k=1,...Kが表面電極で測定される。これによって、KXL遷移行列Aklが得られる。
【数9】
【0246】
立体角を計算することにより、電極アレイ電位Vと心臓壁のN個の領域の双極子密度d、n=1,...Nの間の線形変換値Blnが得られる。
【数10】
Nは、N=K+Lとなるように選択され、式中、Kは表面電極の数、Lは内部に設置されたアレイ電極の数である。式(7)を(6)に代入すると、
【数11】
となる。
【0247】
したがって、K+Lの電極すべてで心臓の活動の電位を同時に測定するとによって、心臓壁のN個の領域のN=K+Lの双極子密度を計算できる。この方法により、L個のアレイ電極だけの場合より空間分解能が高くなる。線形方程式系(7)+(8)の解決では、数値不安定性を回避するために正規化法(たとえばTikhonov正規化およびその修正版)を使用しなければならない。
【0248】
ここで図2を参照すると、患者の少なくとも1つの心腔の双極子密度のデータベーステーブルを作成するための好ましい方法のある実施形態が示されている。ステップ10では、多電極アレイが対応する心腔内に留置される。ステップ20では、対応する心腔の形状が、超音波トンラスデューサとセンサ、一般には超音波信号の発生と記録の両方を行うように構成された1つの超音波結晶を介して、多電極アレイの位置に関して取得することができる。心腔の形状に加えて、心臓壁組織の壁運動の大きさおよびその他の特性を測定できる。たとえば、カテーテルの遠位部に位置付けられた超音波トランスデューサは、超音波を心腔壁と、心腔内の1つまたは複数の装置の構成要素に送信するように構成される。代替的実施形態において、超音波トランスデューサはカテーテルシャフトの近位部に取り付けられ、シャフトまたはシャフトに取り付けられた1つまたは複数の構成要素を振動させるように構成され、それゆえ、超音波を心腔壁に送信する。1つまたは複数の超音波センサは、送信された超音波の反射を検出する。これに加えて、患者の組織の厚さおよび組織の運動を測定してもよく、それによってたとえば臨床医はどの治療(たとえば、どのアブレーションパラメータ)が患者にとって適当かを判断できる。このステップで利用可能な超音波トランデューサとセンサの1つの実施形態の詳細な説明は、図1において上述した。あるいは、またはこれに加えて、多電極アレイの位置に関連して、たとえば第二のマッピング電極を移動させることによって、または画像診断(たとえば、電極の多電極アレイが心腔内に設置される前またはその後のコンピュータ断層撮影、MRIまたは超音波)から形状モデルをインポートすることによって、対応する心腔の形状が得られる。対応する心腔の形状の表面が小さい三角形、一般には少なくとも1000個の小さい三角形に分割される。
【0249】
ステップ30では、双極子密度d(y)を、測定による電位値と計算による立体角から計算できる。測定は心周期中に連続的に繰り返すことができ、ミリ秒の高い時間分解能が得られる。時間依存の双極子密度の情報は、その心拍での対応する心腔の興奮伝播マップとして描くことができる。この情報を心房性頻脈等の不整脈の患者の診断および/または治療に使用できる。
【0250】
好ましい実施形態において、情報を用いて、RF、超音波、または極低温アブレーションカテーテルによる刺し入れ、たとえば左心房または右心房への刺し入れのための心臓壁治療箇所を決定する。他の好ましい実施形態では、多電極マッピングアレイを心室に留置し、双極子密度を心室壁に関して測定し、たとえば、虚血を検出し、心筋機能を定量化する。
【0251】
1つの実施形態において、装置は1つまたは複数のカテーテルを含み、これらは、カテーテルの遠位端が患者の心腔のほぼ幾何学中心に位置付けられるように操向可能に構築、構成される。この方法では、マッピングカテーテルをデリバリシステム(たとえば、デリバリシース)の中に装填してもよく、超音波センサとトランスデューサを含む双極子密度マッピングシステムが心腔の循環血液中に設置されるようにデリバリシステムから前進させてもよい。
【0252】
ここで、図3を参照すると、患者の少なくとも1つの心腔の双極子密度のデータベーステーブルを作成するためのシステムのある実施形態が示されている。システム500は装置100を含み、これは、前述のように、心腔内の電位測定と心腔に関する画像情報に基づいて三次元双極子密度d(y)のデータベーステーブルを作成するように構成されている。システム500はさらに、イメージングユニット220を含み、これは心腔の二次元または三次元画像を装置100に供給するように構成される。イメージングユニット220は、コンピュータ断層撮影、MRIおよび/または超音波イメージングのうちの少なくとも1つを実行してもよい。イメージングユニット220は、心腔の実際の、または仮想モデルのいずれの形態でも生成でき、それによって三角法による解析が可能となる。
【0253】
システム500はさらに、マッピングカテーテル310を含み、そのシャフト311は患者の心腔、たとえば左心房(LA)に挿入されているように描かれている。シャフト311の遠位端には、複数電極316を含む電極アレイ315がある。電極アレイ315は支持アーム314を有するバスケット型の構成で示されているが、他の数多くの構成も使用でき、これにはたとえば複数の独立したアーム、らせん状アレイ、表面に電極を配したバルーンおよび、複数電極を三次元空間に設置するように構成されたその他の構成がある。好ましい実施形態において、電極の三次元アレイを有するカテーテルはいずれも、装置100のマッピング情報を供給するために使用できる。
【0254】
この実施形態において、電極316はワイヤに接続され、これは図示されていないが、近位側に、マッピングユニット210、たとえば心電図(ECG)ユニット等に電気的に接続されるケーブル317へと延びる。マッピングユニット210は、電極316によって記録される電位等の情報および装置100により生成される双極子密度情報を表示するためのモニタを含む。代替的実施形態において、装置100はさらにモニタを含み、これは図示されていないが、双極子密度情報、電極316により記録される電位、心腔の形状とその他の幾何学的情報のうちの1つまたは複数を表示するように構成される。好ましい実施形態において、双極子密度および/または記録された電位情報は、カテーテル110が挿入された心腔の三次元表現に関連して表示される。代替的実施形態においては、イメージングユニット220は、電極カテーテル、たとえばカテーテル310から記録された信号をもとに心腔の画像を生成するように構成された装置を含んでいてもよい。
【0255】
システム500は、不整脈を治療するための装置、たとえば焼灼エネルギー源230を含んでいてもよく、これはケーブル318を介して電極316に電気的に取り付けられる。あるいは、またはこれに加えて、焼灼エネルギー源230は異なるアブレーションカテーテル、たとえば、RFエネルギー、極低温エネルギーまたはその他の組織破壊エネルギーを等の焼灼エネルギーを供給するように構成された1つまたは複数のアブレーション素子カテーテル等に取り付けることができる。
【0256】
システム500はさらに、超音波ユニット240を含んでいてもよく、これはケーブル319を介して超音波センサの結晶340に動作的に接続される。ユニット240は、超音波トランスデューサ341と、動作的に取付可能なクランプアセンブリと、を含み、クランプアセンブリは、カテーテル装置のシャフトの周囲に設置され、カテーテル装置の1つまたは複数の構成要素が超音波、たとえば1つまたは複数の構造から反射され、結晶340によって記録されるように構成された波動を送信するように構成される。ユニット240は、結晶34により得られる測定データ(すなわち、結晶340により記録される反射)を処理し、このデータを装置100に送信する。測定データは、心腔と電極316に関する結晶340の位置を含んでいてもよく、これは図1に関して詳しく前述したとおりである。
【0257】
図3に示されるように、装置100により画定される三角形T1は位置Yにある。カテーテル310の電極316aは位置Xにある。三角形T1と位置Xの間の幾何学的関係は、立体角である角度ω(X,Y)により画定される。装置100は、図1に示されるように双極子密度モジュール130を含み、それによって位置yの各三角形について、ω(x,y)に双極子密度d(y)を乗じたものが多電極上の位置xにおける電位V(x)となる。立体角ω(x,y)は上で定義したように、位置yの三角形と多電極アレイ上の位置xの電極に対応する。装置100の、図1に示されるような双極子密度モジュール130は、装置100により画定されるすべての三角形から得られる総和である測定された総電位V(x)から、所望の双極子密度d(y)を決定する。
【0258】
十分な数の電位値V(x)が測定されると(たとえば、10〜10,000個であり、測定された電位の数が増えると、結果はより正確となる)、心臓壁上の均等に分散された多くの領域yにおける双極子密度d(y)は、線形方程式系を解くことによって計算される。測定された電位を(たとえば、スプラインを援用して)補間することにより、その数をより多くの領域に増やすことができる。ある領域の立体角ω(x,y)は、心臓壁上のその領域内の個々の三角形の立体角の総和である。双極子密度のこのような計算の結果は、たとえば、図1に示されるように双極子密度モジュール130の少なくとも一部を形成する自動コンピュータプログラムを介して得られる。
【0259】
好ましい実施形態において、結果は視覚的な解剖学的フォーマットで表示され、たとえば双極子密度か時間(t)に関して心臓壁の幾何学的画像の上に表示される。このフォーマットによって、電気生理学専門医等の医師は、心臓壁上の興奮順序またはその他の電気的および機械的測定データを測定でき、それによってたとえば、不整脈または、心臓壁の組織収縮力や運動等の心組織の健全性における不全の治療箇所を特定する。その結果は、マッピングユニット210のディスプレイまたは、装置100に含まれるディスプレイ等の別体のユニットに表示されてもよく、ディスプレイは図示されていないが、好ましくはカラーモニタである。好ましい実施形態において、本発明の装置は、少なくとも1のプロセッサによって実行可能なソフトウェアプログラムとして実装され、またはこれを含む。このソフトウェアプログラムは、ECGシステム、心組織アブレーションシステム、イメージングシステム、コンピュータおよびこれらの組み合わせのうちの1つまたは複数の中に組み込むことができる。
【0260】
好ましい実施形態において、多電極カテーテルは少なくとも10個の電極を含み、これらは既知の形状の立体を表現するように構成される。電極は好ましくは、支持アーム314により、球形、たとえばバスケットカテーテル内に作られる球の形状に位置付けられる。楕円形の電極アレイの形状を使用してもよく、その一例はミネソタ州セントポールのSt.Jude Medical社製のEnsite Array Catheterである。代替的実施形態においては、複数のカテーテルを心腔に挿入して、複数電極を提供する。
【0261】
代替的実施形態において、多電極マッピングアレイの電極は、双極子密度の測定方法の中で位置変更される。電極の位置変更は、電極位置がわかっていれば、測定された電位値の数を増やすために有利となりうる。したがって、位置変更は、多電極マッピングカテーテルに関する幾何学的マップの調整に従って行われる。
【0262】
ここで、図4を参照すると、心腔内のカテーテルの位置をリアルタイムで連続的に測定するように構成された超音波センサを備えるカテーテルの側面図が示されている。カテーテル310は、シャフト311と、シャフト311の遠位端に位置付けられたアレイ315と、を備える。アレイ315は複数の支持アーム314を有し、これは1つまたは複数の電極316と、1つまたは複数のセンサである超音波結晶340を含んでいる。各結晶340は、電極316、アレイ315の支持アーム、またはカテーテル310の他の箇所に位置付けてもよい。好ましい実施形態において、結晶340は、図のように2つの電極316間に、または単電極316の中心部に設置される。
【0263】
超音波結晶340は、超音波、たとえば超音波発生器341、好ましくは発生器341を含み、図5に関して以下に詳しく説明するような、マッピングカテーテル310のシャフト311に取り付けられる着脱可能なクランプアセンブリにより発生される超音波を検出するように構成される。発生器341は高周波振動、すなわち超音波をパルス状で、または連続的に生成するように構成される。1つまたは複数の音声発生装置、たとえば1つまたは複数のカテーテルに固定されるように構成された装置を使って、1つまたは複数の結晶340に音声を伝送する。1つの実施形態において、特定の超音波周波数の第一のクランプアセンブリを第一のカテーテルに使用してもよく、第二の超音波周波数の第二のクランプアセンブリを第二のカテーテルに使用してもよい。他の実施形態において、超音波センサ340は第二の長いシャフト上に位置付けられ、これは図示されていないが、マッピングカテーテル310の中に、たとえばマッピングカテーテル310の、図示されていない1つまたは複数の管腔を通って挿入されるように構成される。好ましい実施形態において、1つまたは複数の結晶340は、たとえば発生器341を不要とするために、超音波の記録と送信の両方を行うように構成されてもよい。結晶340と電極316は、さまざまな比で設置されてもよく、たとえば2つの電極に対して1つの超音波結晶の比であり、これは、たとえば各超音波結晶340か各端に位置付けられた1つの電極316を有する場合に当てはまる。他の実施形態では、5つの電極316に対して1つの結晶340の比が用いられ、たとえば、カテーテルシャフトが2つのアセンブリセットとそれらの間に位置付けられた単電極316を含む。各アセンブリには、1つの超音波結晶340と各端に位置付けられた電極316が含まれる。
【0264】
代替的実施形態において、ドライブシャフト320が回転機構に動作的に接続され、これは図示されていないが、シャフト320を回転させて、1つまたは複数の結晶340が電極316またはカテーテル310の他の部分の中で回転するように構成される。図1に関して前述したように、結晶340は360°回転しても、360°未満の円弧を描いて回転してもよい。あるいは、カテーテル310は、アレイ、たとえばシャフト311を取り込む円周アレイとして配置された複数の結晶340と、アレイ315の1つまたは複数の電極316および/または支持アーム314、たとえば360°の超音波画像を生成するように構成された結晶のフェーズドアレイを備えていてもよく、これは当業者の間で公知である。
【0265】
他の実施形態において、超音波センサ340はプローブを備え、これは図示されていないが、一般にカテーテル310に着脱可能に取り付けられるか、その中に挿入されるプローブである。代替的実施形態では、超音波センサ340は圧電フィルムを備え、これは図示されていないが、一般にアレイ315内の1つまたは複数の電極316を覆う。また別の実施形態において、超音波センサ340は圧電ケーブルを備え、これは図示されていないが、1つまたは複数の電極316に動作的に接続される。
【0266】
ここで、図5を参照すると、センサを備えるマッピングカテーテルとトランスデューサを備えるアブレーションカテーテルを含むシステムの側面図が示されている。システム500は、マッピングカテーテル310とアブレーションカテーテル400を含む。マッピングカテーテル310は、その遠位端にアレイ315を含むシャフト311を備える。アレイ315は、1つまたは複数のアーム314に取り付けられた1つまた複数の電極316を含み、各電極は組織内の細胞活動を記録するように構成される。アレイ315はさらに、1つまたは複数の超音波発生結晶340を含み、その各々が2つの電極316間に位置付けられる。結晶340は、超音波の記録と送信の両方を行うように構成されてもよい。
【0267】
アブレーションカテーテル400は、近位端を有する近位部と遠位端を有する遠位部を持つシャフト401と、クランプアセンブリ410と、を備える。クランプアセンブリ410は、シャフト401の上の、ハンドル402の付近に、すなわちシャフト401の近位部に、たとえばシャフト401の近位端から10cmの位置に位置付けられて示されている。クランプアセンブリ410は、超音波トランスデューサ412と、カテーテル400のシャフト401にクランプアセンブリ410を着脱可能に取り付けるように構成されたクランプ機構411と、を含む。これに加えて、アブレーションカテーテル400は、複数のアブレーション素子である電極420を含み、これはシャフト401の遠位端に設置され、焼灼エネルギー(たとえば、RFエネルギーを)を供給し、またクランプアセンブリ410と超音波トランスデューサ412によって生成される超音波振動を受けるように構成される。次に、電極420と、アブレーションカテーテル400の1つまたは複数の他の構成要素は超音波を発生する。発生された超音波は、カテーテル310の超音波結晶340によって受け取られ、アブレーションカテーテル400および/またはマッピングカテーテル310の1つまたは複数の構成要素に関する位置情報を生成するために使用できる。クランプアセンブリ410は、高周波振動、すなわち超音波をパルス状に、または連続して、一般的には5〜18MHzの周波数で生成するように構成される。他の実施形態において、アブレーションカテーテル400は導管を含んでいてもよく、これは図示されていないが、一般に、超音波をアブレーションカテーテル400の近位部から遠位部に伝送するように構成された中実または中空のチューブである。
【0268】
代替的実施形態において、図示されていない1つまた複数の支持アームがアブレーションカテーテル400に取り付けられてもよく(たとえば、カテーテル310のアレイ315の支持アーム314と同様)、電極420が1つまたは複数の支持アームに設置されてもよい。支持アームは、アブレーションカテーテル400の周囲に半径方向に分散されてもよく、各種の幾何学的形状、たとえば円形または長方形を有していてもよい。この実施形態において、クランプアセンブリ410は、1つまたは複数の支持アームを振動させるように構築、構成されてもよく、アームが1つまたは複数の電極を振動させ、こうして超音波をセンサ340に伝送する。他の実施形態において、電極420は、細胞内の電気的活動を記録するほか、焼灼エネルギーを供給するように構成されてもよい。
【0269】
1つの実施形態において、カテーテル400はさらに、1つまた複数のセンサを含んでいてもよく、これは図示されていないが、一般に、たとえばサーモカップル等の温度センサ、圧力センサ、たとえば超音波水晶のような音センサ、たとえば生体細胞により生成される電気的情報を記録するように構成された電極等の電磁気センサ、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され1つまたは複数のセンサを含む。クランプアセンブリ410は、振動を1つまたは複数のセンサに伝送し、それによって1つまたは複数のセンサにより伝送された超音波がシステムのカテーテル310および/または他のセンサの結晶340によって検出されて、幾何学的およびその他の位置情報が測定され、医師によって医療措置を実行するために利用される。
【0270】
あるいは、またはこれに加えて、カテーテル400はさらに、1つまたは複数のトランスデューサを含んでいてもよく、これは図示されていないが、一般に、エネルギー供給電極、極低温トランスデューサ、マイクロ波トランスデューサおよび/またはレーザ供給素子等のアブレーション素子、超音波結晶等の音響トランスデューサ、加熱素子、冷却素子、薬剤送達装置、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される1つまたは複数のトランスデューサを含む。クランプアセンブリ410は、振動を1つまたは複数のトランスデューサに伝送し、それによって1つまたは複数のトランスデューサにより伝送された超音波がシステムのカテーテル310および/または他のセンサの結晶340によって検出されて、幾何学的およびその他の位置情報が測定され、医師によって医療措置を実行するために利用される。
【0271】
クランプアセンブリ410はどのアブレーションカテーテルに取付可能であり、これによってカスタムメイドのカテーテルが不要となる。前述のように、クランプアセンブリ410は、カテーテルの1つまたは複数の構成要素、たとえばカテーテルのセンサまたはトランスデューサを振動させるように構築、構成され、それによって1つまたは複数のセンサ、一般には超音波センサがクランプアセンブリによって振動されたセンサまたはトランスデューサの位置を特定できる。1つの実施形態において、特定の超音波周波数の第一のクランプアセンブリを第一のアブレーションカテーテルに使用してもよく、第二の超音波周波数の第二のクランプアセンブリを第二のアブレーションカテーテルに使用してもよい。あるいは、またそれに加えて、電極420は、圧電結晶を含んでいてもよく、あるいはその他の方法で、カテーテル310の結晶340により受信可能な超音波を発生するように構成されてもよい。
【0272】
ここで、図6を参照すると、患者の組織の診断方法のある実施形態のフローチャートが示されている。ステップ50で、電極カテーテルの遠位端が体の1つまたは複数の位置、たとえば患者の1つまたは複数の心腔内に留置される。電極カテーテルは、少なくとも1つの電極と少なくとも1つの超音波素子を備える。電極カテーテルは1つまたは複数の電極を含み、これはカテーテルの遠位部に設置され、組織内の電気的活動を記録し、および/または焼灼エネルギーを供給するように構成される。ステップ60では、組織位置、組織運動、組織厚さおよび/または組織形状情報等の解剖学的情報が少なくとも1つの超音波素子、一般には超音波を送受信するように構成された素子を介して測定されてもよい。あるいは、またはこれに加えて、位置および/または距離情報、たとえば1つまたは複数の装置構成要素および/または組織位置に関する位置および/または距離情報は記録可能である。ステップ70では、1つまたは複数の組織位置の電荷が少なくとも1つの電極を介して測定されてもよい。ステップ60と70は、同時にも、または逐次的にも、完全な、または部分的なステップでも、およびどのような順序でも実行できる。ステップ60と70のいずれかまたは両方を、2つまたはそれ以上の独立した時間内に行ってもよい。ステップ80では、記録された超音波反射と電荷情報の解析が行われる。この解析には、組織部分の診断および/または予後診断が含まれる。たとえは、適当な電気的活動を示す電気的情報と組織運動の適当さを示す解剖学的情報は、健全な組織の存在と相関しうる。
【0273】
たとえば、適当な電気的活動を示す電気的情報と適当な組織活動を示す解剖学的情報は、健全な組織の存在と相関する。これに加えて、適当な電気的活動を示す電気的情報と不適当な組織運動を示す解剖学的情報は、虚血組織または仮死組織のうちの少なくとも一方の存在と相関する。逆に、不適当な電気的活動を示す電気的情報と不適当な組織運動を示す解剖学的情報は、瘢痕化組織の存在と相関する。これに加えて、不適当な電気的活動を示す電気的情報と不適当な組織運動を示す解剖学的情報は、完全焼灼、たとえば不整脈の治療に行われる心臓のアブレーションで行われた焼灼部位の存在と相関する。いくつかの実施形態において、完全焼灼には貫壁性焼灼が含まれる。この用途では、診断および/または予後診断に、患者の心組織内の貫壁刺し入れ箇所の確認を含めることができ、これはたとえば、組織運動と電気的活動がどちらも除去されているか、または閾値より低下されている場合である。
【0274】
より詳しくは、以下の4つのケースが存在しうる。
ケース1:電気的および解剖学的情報が適当−組織は健全である。
ケース2:電気的情報が適当で解剖学情報が不適当−組織に損傷がある。
ケース3:電気的情報が不適当で解剖学情報が適当−組織に損傷がある。
ケース4:電気的および解剖学情報がどちらも不適当−組織壊死がある。
【0275】
心臓のいずれか1つの領域の電気的機能の適当性を判断する実際の閾値は、興奮パターンの協調度と活性化細胞の質量等、多くの要素に依存する。これに加えて、この閾値は、各心腔によっても、患者の体の大小によっても異なる。たとえば0.5mVの閾値が適切であるかもしれず、この場合、閾値0.5mV未満の電位は不適当な電気的機能を示すかもしれず、0.5mV以上の電位は適当な電気的機能を示すかもしれない。
【0276】
組織診断に含まれるものとして、医師は心細胞の電気的完全性を評価してもよい。たとえば、心細胞の機能的状態が評価されてもよい。1つの実施形態において、電気的情報は双極子密度情報を含む。これに加えて、またはその代わりに、電気的情報は再分極または再分極速度情報のうちの少なくとも一方を含んでいてもよい。
【0277】
この方法はさらに、組織診断に基づいて心組織を焼灼するステップをさらに含んでいてもよい。たとえば、組織厚さ情報と、焼灼エネルギーまたは焼灼エネルギーが供給される時間の少なくとも一方を含む解剖学的情報は、1つまたは複数の超音波センサによって記録された組織厚さ情報に基づいて調整される。
【0278】
当業者にとっては、明細書の検討とその中で開示されている実施形態の実践から、本発明の他の実施形態が明らかであろう。明細書と例は例示にすぎないと考えるものとし、本発明の実際の範囲と主旨は以下の特許請求の範囲により示される。これに加えて、本願では方法または手順のステップが具体的な順序で示されているが、状況によってはいずれかのステップの実行順序を変更してもよく、時にはより好都合であるかもしれず、以下に記載の方法または手順に関する請求項の中の特定のステップは、その順序の特異性が請求項内で明記されていないかぎり、特定の順序であるとはみなされないものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6