(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記搬送方向に延在する前記ガイド面と、前記回転部のうち前記搬送路に最も近い位置とが、前記搬送方向と直交する方向において同じ位置となるように前記回転部を設けた、
請求項1記載の通帳搬送装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<通帳プリンタの一例>
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
図1の例は、通帳プリンタ1の内部の側面図である。通帳プリンタ1は、例えば、金融機関の窓口に着座するオペレータの近傍に設けられる。オペレータは、窓口に来客した顧客が持参した通帳に対して、通帳プリンタ1を用いて金融取引の記録を行う。通帳プリンタ1は、通帳印刷装置の一例である。
【0013】
通帳プリンタ1は、通帳搬送機構2と伝票搬送機構3と処理機構4とを備えている。通帳搬送機構2は、通帳を処理機構4に搬送する。伝票搬送機構3は、伝票を処理機構4に搬送する。処理機構4は、通帳および伝票(総称して、媒体と称する)に対して、所定の処理を行う。
【0014】
通帳搬送機構2は、通帳搬送路5を有している。通帳搬送路5は、通帳を挿入する通帳挿入口6に沿った経路である。通帳搬送路5は、搬送路の一例である。通帳搬送路5の上下には通帳搬送ローラ11Uおよび11D(総称して、通帳搬送ローラ11と称することもある)と通帳幅寄せローラ12Uおよび12D(総称して、通帳幅寄せローラ12と称することもある)とが備えられる。
【0015】
また、通帳搬送路5は、通帳ストッパ13を備える。通帳搬送路5に沿って、通帳挿入口6から、通帳幅寄せローラ12、通帳搬送ローラ11、通帳ストッパ13の順番に各部が配置されている。
【0016】
通帳搬送ローラ11Uは、通帳搬送路5の上側に設けられている。通帳搬送ローラ11Dは、通帳搬送路5の下側に設けられている。通帳搬送ローラ11Uと通帳搬送ローラ11Dとは、通帳を挟みこんだ状態で該通帳を通帳搬送路5の
図1のY方向に搬送する。なお、Z方向は、高さ方向である。通帳搬送ローラ11は、第2のローラの一例である。
【0017】
通帳搬送ローラ11Uと通帳搬送ローラ11Dとにより通帳を挟み込むために、通帳搬送路5のうち、通帳搬送ローラ11Uと通帳搬送ローラ11Dとが当接する箇所は、開口している。
【0018】
通帳搬送ローラ11Uと通帳搬送ローラ11Dとのうち何れか一方が駆動ローラであり、他方が従動ローラである。実施形態では、通帳搬送路5の上側に設けられる通帳搬送ローラ11Uが駆動ローラであるものとする。通帳搬送路5の下側に設けられる通帳搬送ローラ11Dが駆動ローラであってもよい。
【0019】
通帳搬送ローラ11Uまたは11Dの何れか一方は、通帳搬送路5から退避可能である。
図1の例では、通帳搬送ローラ11Dが通帳搬送路5から下方に退避している一例を示している(
図1で示す破線が下方に退避している)。なお、通帳搬送ローラ11Dではなく、通帳搬送ローラ11Uが退避してもよい。
【0020】
通帳プリンタ1は、通帳搬送ローラ11Uを駆動する通帳搬送モータ11Mを有している。通帳搬送モータ11Mは、通帳搬送ローラ11Uに回転駆動力を与える。通帳搬送ローラ11Uは、通帳搬送モータ11Mにより与えられた回転駆動力により回転する。通帳搬送ローラ11Dは、通帳搬送ローラ11Uの回転に従動して回転する。
【0021】
通帳幅寄せローラ12Uは、通帳搬送路5の上側に設けられている。通帳幅寄せローラ12Dは、通帳搬送路5の下側に設けられている。通帳幅寄せローラ12Uと通帳幅寄せローラ12Dとは、通帳を挟み込んだ状態で該通帳を通帳搬送路5の
図1の紙面に直交する方向(後述するX方向)に搬送する。通帳幅寄せローラ12は、第1のローラの一例である。
【0022】
通帳幅寄せローラ12Uと通帳幅寄せローラ12Dとにより通帳を挟み込むために、通帳搬送路5のうち、通帳幅寄せローラ12Uと通帳幅寄せローラ12とが当接する箇所は、開口している。
【0023】
通帳幅寄せローラ12Uと通帳幅寄せローラ12Dとのうち何れか一方が駆動ローラであり、他方が従動ローラである。実施形態では、通帳搬送路5の上側に設けられる通帳幅寄せローラ12Uが駆動ローラであるものとする。通帳搬送路5の下側に設けられる通帳幅寄せローラ12Dが駆動ローラであってもよい。
【0024】
通帳プリンタ1は、通帳幅寄せローラ12Uを駆動する通帳幅寄せモータ12Mを有している。通帳幅寄せモータ12Mは、通帳幅寄せローラ12Uに回転駆動力を与える。通帳幅寄せローラ12Uは、幅寄せ搬送モータ12Mにより与えられた回転駆動力により回転する。通帳幅寄せローラ12Dは、通帳幅寄せローラ12Uの回転に従動して回転する。
【0025】
通帳ストッパ13は、通帳搬送路5のうち通帳搬送ローラ11よりもY方向の奥側に設けられる。通帳ストッパ13は、通帳挿入口6から挿入された通帳を突き当てて、通帳の位置を規制する。
【0026】
例えば、オペレータは、通帳挿入口6から通帳を挿入し、通帳搬送路5に沿って通帳をY方向に送り込む。このとき、通帳は通帳ストッパ13に突き当たることにより、通帳のY方向の位置が規制される。通帳ストッパ13は、規制部の一例である。
【0027】
通帳ストッパ13は、通帳搬送路5から突出する突出位置と通帳搬送路5から退避する退避位置とに変位する。通帳ストッパ13が突出位置にあるときには、通帳ストッパ13は通帳搬送路5から突出しているため、オペレータが通帳を挿入したときに、通帳の位置が規制される。
【0028】
一方、通帳ストッパ13が退避位置にあるときには、通帳ストッパ13は通帳搬送路5から突出しない。従って、通帳のY方向の動きは通帳ストッパ13により規制されない。例えば、通帳ストッパ13は、不図示の駆動機構により突出位置と退避位置とに変位してもよい。また、
図1の例では、通帳ストッパ13は、Z方向の下方に向けて退避をする例を示しているが、通帳ストッパ13は、Z方向の上方に向けて退避してもよい。
【0029】
次に、伝票搬送機構3について説明する。伝票搬送機構3は、伝票搬送路7を有している。
図1の例では、伝票搬送路7は、伝票を挿入する伝票挿入口8から所定間隔だけY方向に形成され、その後、傾斜する。
【0030】
伝票搬送路7の上下には伝票搬送ローラ14Uおよび14D(総称して、伝票搬送ローラ14と称することもある)と伝票幅寄せローラ15Uおよび15D(総称して、伝票搬送ローラ14と称することもある)とが備えられる。また、伝票搬送路7は、伝票ストッパ16を備える。
【0031】
伝票搬送ローラ14Uは、伝票搬送路7の上方に設けられている。伝票搬送ローラ14Dは、伝票搬送路7の下方に設けられている。伝票搬送路14Uと伝票搬送ローラ14Dとは、伝票を搬送する。また、通帳プリンタ1は、伝票搬送ローラ14Uまたは14Dの何れかに回転駆動力を与える不図示のモータを有している。
【0032】
伝票搬送ローラ14Uまたは14Dの何れか一方は、伝票搬送路7から退避可能である。
図1の例では、伝票搬送ローラ14Uが伝票搬送路7から上方に退避している一例を示している(
図1で示す破線が上方に退避している)。なお、伝票搬送ローラ11Uではなく、伝票搬送ローラ14Uが退避してもよい。
【0033】
伝票幅寄せローラ15Uは、伝票搬送路7の上方に設けられている。伝票幅寄せローラ15Dは、伝票搬送路7の下方に設けられている。伝票幅寄せローラ12Uと伝票幅寄せローラ12Dとは、伝票を
図1の紙面に直交する方向(X方向)に搬送する。
【0034】
伝票ストッパ16は、伝票搬送路7のうち伝票搬送ローラ14よりもY方向の奥側に設けられる。伝票ストッパ16は、伝票挿入口8から挿入された伝票を突き当てて、伝票の位置を規制する。伝票ストッパ16も、通帳ストッパ13と同様に、突出位置と退避位置とに変位する。
【0035】
次に、処理機構4について説明する。処理機構4は、媒体搬送路9を有している。媒体搬送路9には、通帳搬送路5と伝票搬送路7とが合流する。よって、媒体搬送路9は、通帳および伝票を媒体として搬送する。以下、媒体は、通帳であるとする。
【0036】
通帳搬送機構2から通帳が処理機構4に搬送されるとき、通帳ストッパ13は退避位置に変位する。そして、通帳搬送ローラ11Uと11Dに挟みこまれた状態で、通帳は通帳搬送路5を搬送される。
【0037】
処理機構4は、複数の媒体搬送ローラ21を有する。媒体搬送ローラ21Uは、Y方向に延在する媒体搬送路9の上側に設けられる。媒体搬送ローラ21Dは、Y方向に延在する媒体搬送路9の下側に設けられる。媒体搬送ローラ21Uと21Dとは通帳を挟みこんだ状態で、媒体搬送路9を搬送する。
【0038】
媒体搬送路9の上部には印字ヘッド22が設けられる。印字ヘッド22は、通帳(または伝票)の所定位置に印字を行う。印字ヘッド22の上部にはインクカセット23が設けられている。インクカセット23にはインクが充填されており、インクカセット23は、印字ヘッド22にインクを供給する。
【0039】
印字ヘッド22の下方には、媒体搬送路9を挟んで、プラテン24が設けられている。プラテン24は、印字ヘッド22の印字圧力を支える。プラテン24は、例えばゴム系の樹脂材等を適用してもよい。
【0040】
図1の例では、通帳搬送機構2と伝票搬送機構3とは一体になっている。一体となっているこれら2つの機構は、通帳搬送路5を境界にして、上下に開閉することが可能になっている。
【0041】
図1の例に示すように、上記の2つの機構を上下に開閉したときの上部側を上部側ユニット25とし、下部側を下部側ユニット26とする。上部側ユニット25と下部側ユニット26とは、第1の開閉軸27を中心として開閉動作を行う。
【0042】
また、処理機構4のユニットも媒体搬送路9を境界にして、上下に開閉することが可能になっている。このために、処理機構4は第2の開閉軸28を有している。処理機構4のユニットは、第2の開閉軸28を中心として開閉動作を行う。
【0043】
コントローラ29は、通帳プリンタ1の各部の制御を行う。
図1の例では、コントローラ29は、処理機構4に備えられているが、コントローラ29は、通帳搬送機構2および伝票搬送機構3の制御も行う。コントローラ29は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only memory)等により実現されてもよい。
【0044】
<通帳搬送機構2の一例>
図2の例は、通帳搬送路5を上部から見た上面図を示している。上述したように、通帳搬送路5は、通帳搬送ローラ11と通帳幅寄せローラ12と通帳ストッパ13とを備えている。
【0045】
図1の例は、通帳プリンタ1の内部の側面図であるため、1組の通帳搬送ローラ11が示されていたが、実施形態では、
図2の例に示すように、X方向に2組の通帳搬送ローラ11が設けられている。従って、通帳は2組の通帳搬送ローラ11によって、Y方向に搬送される。通帳搬送ローラ11(通帳搬送ローラ11Uおよび11Dの組)は3組以上設けられてもよいし、1組であってもよい。
【0046】
図2の例の通帳ストッパ13は、X方向に沿って断続的に設けられている。
図2の例では通帳ストッパ13の4つの部位が通帳搬送路5から突出する。突出する部位は4つであるが、通帳ストッパ13としては一体物として、突出する箇所を4箇所にしてもよい。通帳ストッパ13は、突出位置にあるときに、通帳のY方向の動きを規制する。通帳ストッパ13は、退避位置にあるときに、通帳のY方向の動きを規制しない。
【0047】
図2の例では、通帳搬送路5にガイド部31が形成されている。ガイド部31は、X方向に所定の幅を持ち、且つY方向に延在する部位である。ガイド部31の上面は、通帳搬送路5よりも高い位置にある。よって、ガイド部31の側面には平面状のガイド面31Gが形成される。
【0048】
図2の例に示すように、ガイド部31には、略半円柱状の溝部32が形成されている。ガイド部31に形成された溝部32には回転体33が設置されている。回転体33は、例えばベアリングや円柱状のコマ等を適用することができる。例えば、回転体33に支柱を設けて、該支柱に回転体33を装着してもよい。この場合、回転体33を簡単に交換することができる。
【0049】
回転体33は、該回転体33のうち通帳搬送路5に最も近い位置(先端位置33Pとする)とガイド面31GとのX方向の位置が同じであるものとする。従って、ガイド面31Gと先端位置33Pとは同一平面を形成する。回転体33は、回転部の一例である。
【0050】
図2の例に示すように、通帳搬送路5は4つの検出センサS1乃至S4を有している。これら4つの検出センサS1乃至S4は通帳を検出するセンサである。例えば、検出センサS1乃至S4には透過型の光学式センサを適用してもよい。これら4つの検出センサS1乃至S4は、コントローラ29に接続されている。
【0051】
図2の例では、検出センサS1は、X方向においてガイド面31Gに沿った位置であり、Y方向において通帳搬送ローラ11の近傍に設けられている。検出センサS2は、ガイド面31Gに沿った位置であり、且つ回転体33が設けられる位置の近傍に設けられる。
【0052】
検出センサS3は通帳ストッパ13の近傍に設けられる。検出センサS4は、通帳搬送ローラ11および通帳幅寄せローラ12の近傍に設けられる。検出センサの数は4つに限定されず、任意の数を設けてもよい。ただし、通帳プリンタ1は、検出センサS1乃至S3を有していることが好ましい。
【0053】
<通帳が正常に挿入された例>
次に、
図3を参照して、通帳が正常に挿入された例について説明する。実施形態では、通帳(
図3以降、通帳Bとする)は、閉じた状態で搬送されるものとする。上述したように、オペレータは、通帳挿入口6から通帳Bを通帳搬送路5に沿って挿入する。そして、オペレータは、通帳Bを通帳ストッパ13の位置まで送り込む。送り込まれた通帳Bは通帳ストッパ13の位置で規制される。従って、通帳Bは通帳ストッパ13の位置で停止する。
【0054】
通帳Bは所定位置に位置決めがされる。通帳Bが位置決めされる基準となるのが、ガイド面31Gである。ガイド面31Gは、基準面とも称される。オペレータは、通帳Bが通帳ストッパ13の位置で規制されたとき、通帳Bの側端部B1がガイド面31Gに倣うように通帳Bを位置させる。
【0055】
この状態で、検出センサS1乃至S4の全てが通帳Bを検出する。この場合、コントローラ29は、通帳Bが正常に挿入されたと判定する。そして、コントローラ29は、通帳ストッパ13を退避位置に変位させる。
【0056】
通帳ストッパ13が退避位置に変位したことにより、通帳Bを処理機構4に搬送することが可能になる。コントローラ29は、通帳搬送モータ11Mを回転させる。これにより、通帳搬送モータ11Mは、通帳搬送ローラ11Uに回転駆動力を与える。そして、2組の通帳搬送ローラ11は通帳Bを挟みこんだ状態で通帳BをY方向に搬送する。
【0057】
<通帳が正常に挿入されてない例(その1)>
次に、通帳が正常に挿入されていない例について説明する。
図4は、通帳Bがガイド面31Gと離間している状態を示している。ただし、通帳Bの側端部B1はガイド面31Gと平行または略平行であるものとする。
【0058】
この場合、検出センサS1およびS2は通帳Bを検出しない。従って、コントローラ29は、通帳ストッパ13を退避位置に変位させない。この場合、コントローラ29は、幅寄せローラ12を制御して、通帳Bをガイド面31Gに当接させる幅寄せを行う。
【0059】
ここで、
図4に示すように、通帳BのY方向における長さ(通帳Bの側端部B1の長さ)L1と、Y方向における通帳ストッパ13と回転体33との間の長さL2との関係は、「L2<L1」となる。
【0060】
つまり、この関係を満たすような位置に、回転体33が設置される。ただし、長さL1とL2との差はそれほど大きくないものとする。少なくとも、長さL2は、通帳ストッパ13と通帳幅寄せローラ12との間のY方向の長さより長いものとする。
【0061】
図4の状態で、検出センサS1およびS2は通帳Bを検出していない。一方、検出センサS3は通帳Bを検出している。つまり、通帳Bは、通帳ストッパ13と当接しているが、ガイド面31Gとは当接していない。
【0062】
この場合、コントローラ29は、通帳幅寄せローラ12を駆動させて、通帳幅寄せローラ12Uに回転力を与える。これにより、通帳幅寄せローラ12Uと12Dとにより、通帳Bはガイド面31Gの方向に向けて移動する(
図4の矢印M)。
【0063】
このとき、
図4に示すように、通帳Bは通帳搬送ローラ11Uと11Dとのうち何れか一方または両方に接触している。従って、通帳幅寄せローラ12が通帳Bを移動させているときに、通帳Bに対しては通帳搬送ローラ11により負荷が作用している。この負荷は、通帳Bがガイド面31Gに向けて移動する力に対して抗する力となる。
【0064】
一方、通帳Bのうち、通帳挿入口6の側はフリーな状態になっており、通帳Bがガイド面31Gに向けて移動する力に対して抗する力は作用しない。従って、通帳Bのうち通帳搬送ローラ11に近い位置と通帳搬送ローラ11から遠い位置とでは、単位時間当たりの移動量が異なる。このため、通帳Bは、移動が進むにつれて、ガイド面31Gに対して徐々に斜めになっていく。
【0065】
そして、通帳Bは、ガイド面31Gに対して斜めの状態で当接する。
図5は、回転体33がない例を示している。通帳Bの角部B2は、曲線形状をしている。従って、通帳Bはガイド面31Gに向けて回転せずに、
図5の例のように、通帳Bの側端部B1がガイド面31Gに当接しない状態を維持する場合がある。このとき、
図5の例のように、検出センサS1乃至S4の全てが通帳Bを検出している。
【0066】
従って、コントローラ29は、通帳ストッパ13を退避位置に変位させて、2組の通帳搬送ローラ11により通帳Bを処理機構4に搬送する制御を行う。この場合、斜めの状態で、通帳Bは搬送される。
【0067】
そこで、
図6のように、実施形態では、ガイド部31の一部に回転体33が配置可能な空間を形成し、回転体33は当該空間に設置される。通帳幅寄せローラ12によりガイド面31Gに向けて移動する通帳Bは回転体33に突き当たる。
【0068】
通帳Bに対しては通帳搬送ローラ12による搬送力が作用しているため、このため、回転体33は矢印R1の向きに回転する。通帳Bに対しては通帳搬送ローラ12による半総力が依然として作用しているため、矢印R1の回転と共に通帳Bは矢印R2の向きに回転する。
【0069】
これにより、
図7に示すように、通帳Bはガイド面31Gに倣うようにセットされる。この状態で、検出センサS1乃至S4は全て通帳Bを検出している。従って、コントローラ29は、通帳ストッパ13を退避位置に変位させて、通帳搬送ローラ11を駆動するように制御する。このため、通帳Bはガイド面31Gに倣うようにして、処理機構4に搬送される。
【0070】
従って、ガイド部31に回転体33を設けているため、角部B2が曲面形状の通帳Bであっても、通帳Bが回転体33に突き当たるだけで、簡単に通帳Bの姿勢がガイド面31Gに倣うように補正される。つまり、通帳Bは正常な向きに補正される。
【0071】
通帳ストッパ13を基準として、通帳Bの側端部B1の長さL1より短い長さL2の位置に回転体33は配置されている。通帳Bはガイド面31Gに対して斜めの状態で幅寄せが行われる。
【0072】
従って、回転体33をY方向において通帳ストッパ13から長さL2の位置に配置することで、通帳Bが最初に突き当たる部位を回転体33とすることができる。これにより、通帳Bは回転して、通帳Bの姿勢が補正される。
【0073】
ここで、上述したように、回転体33の先端位置33Pは、X方向において、ガイド面31Gと同じ位置にすることが好ましい。この場合、ガイド面31Gと先端位置33Pとにより仮想的に同一平面が形成される。
【0074】
回転体33の先端位置33Pがガイド面31Gより突出していると、通帳Bの姿勢はガイド面31Gに倣わない。一方、回転体33の先端位置33Pがガイド面31Gから窪んだ位置にあると、窪んだ位置に通帳Bの一部が位置することがある。この場合も、通帳Bの姿勢はガイド面31Gに倣わない。
【0075】
そこで、ガイド面31Gと先端位置33PとがX方向において同じ位置となるように、回転体33が配置されることで、通帳Bの姿勢はガイド面31Gに倣うようになる。これにより、通帳Bをガイド面31Gに倣うようにして搬送することができる。
【0076】
通帳幅寄せローラ12により搬送される通帳Bは、最初に回転体33に突き当たる。このため、通帳Bが突き当たったときに通帳Bに作用する衝撃力は、通帳Bのうち回転体33に突き当たる部位に集中する。
【0077】
通帳Bに作用する衝撃力は、回転体33が回転することにより、解放される。ただし、ある程度の衝撃力は、通帳Bのうち回転体33に突き当たる部位に作用する。このため、回転体33はある程度の弾性を有する素材とすることが好ましい。これにより、上記の衝撃力は回転体33により吸収されるため、通帳Bに大きな力が作用しなくなる。
【0078】
これにより、通帳Bに大きな力が作用しなくなるため、通帳Bに変形等の損傷を生じすることがなくなる。また、
図5のように回転体33がない場合、通帳Bに衝撃力が作用するということは、ガイド面31Gに対しても衝撃力が作用する。
【0079】
通帳プリンタ1は繰り返し使用されるため、ガイド面31Gに対して繰り返し衝撃力が作用すると、ガイド面31Gに対して作用する衝撃力が蓄積する。これにより、ガイド面31Gに損傷や磨耗等が生じることになる。このため、ガイド面31Gが通帳Bをガイドする本来の役割を果たすことができなくなることがある。
【0080】
例えば、通帳プリンタ1が一体成型品の場合、ガイド面31Gの損傷等により交換が必要になった場合、通帳プリンタ1の全体を交換することになる。一方、実施形態の場合、回転体33が損傷したとしても、交換することは容易である。
【0081】
また、
図7の例に示すように、通帳ストッパ13とガイド面31Gとの間には間隙を設けることが好ましい。通帳Bが幅寄せ搬送ローラ12により搬送されるときに、通帳Bは斜めになる。このとき、通帳ストッパ13とガイド面31Gとの間に間隙を設けることにより、該隙間に通帳Bを入り込ませることができる。
【0082】
仮に、ガイド面31Gと通帳ストッパ13との間に間隙がないとすると、幅寄せ搬送ローラ12により搬送される通帳Bは、通帳ストッパ13によりY方向の動きが規制されながら、斜めの状態になる。
【0083】
この場合、通帳Bの姿勢がガイド面31Gに倣ったとしても、通帳Bは通帳ストッパ13から離間することになる。このため、検出センサS3が通帳Bを検出しなくなることがある。検出センサS3が通帳Bを検出しない場合、通帳Bは、処理機構4に搬送されない。よって、ガイド面31Gと通帳ストッパ13との間に間隙を設けることが好ましい。
【0084】
ここで、
図8に示すように、ガイド部31の内部に回転体33を設けるために、上述した略半円柱状の溝部32がガイド部31に形成される。実施形態では、この溝部32とガイド面31Gとの間にテーパ部34が形成される。テーパ部34は、通帳搬送路5に向けて広がっている。
【0085】
テーパ部34を形成することで、回転体33のうち、通帳搬送路5に露出している部分が多くなる。これにより、通帳Bが回転体33に突き当たる範囲が広がる。従って、通帳Bが回転体33に突き当たる範囲が広がるため、回転体33の作用を受け、通帳Bの姿勢は補正されやすくなる。
【0086】
<通帳が正常に挿入されてない例(その2)>
次に、
図9を参照して、通帳が正常に挿入されていない他の例について説明する。上述したように、オペレータは、通帳Bを通帳挿入口6から通帳搬送路5に沿って、通帳ストッパ13の位置まで挿入する。
【0087】
図9の例では、通帳Bは、ガイド面31Gから離間しており、且つガイド面31Gに対して斜めの状態になっている。
図9の例では、検出センサS3は通帳Bを検出する。また、検出センサS1およびS2は通帳Bを検出していない。
【0088】
従って、コントローラ29は、幅寄せ搬送モータ12Mを駆動して、幅寄せ搬送ローラ12に回転力を与える。幅寄せ搬送ローラ12が回転することにより、通帳Bはガイド面31Gに向けて移動する(
図9の矢印M)。
【0089】
上述したように、通帳Bに対して、通帳搬送ローラ11が負荷を与えている。このため、通帳Bは、徐々に斜めになりながら、ガイド面31Gに向けて移動する。
図9の例では、もともと通帳Bはガイド面31Gに対して斜めの状態で挿入されている。そして、通帳Bがガイド面31Gに向かうに応じてさらに斜めの度合いが大きくなる。
【0090】
従って、
図9の例に示すように、通帳Bが回転体33に突き当たったときには、通帳Bは、ガイド面31Gに対して大きく傾いている。
図9の例では、検出センサS1が通帳を検出しない程度に通帳Bが傾いている。
【0091】
しかし、通帳Bの傾き度合いに依存せず、通帳Bが回転体33に突き当たることにより、回転体33が回転し、通帳Bは矢印R2の向きに回転する。そして、
図11の例のように、通帳Bの姿勢は回転体33により補正され、通帳Bの側端部B1はガイド面31Gに倣うようになる。
【0092】
<その他>
開示の実施形態とその利点について詳しく説明したが、当業者は、特許請求の範囲に明確に記載した本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更、追加、省略をすることができるであろう。