特許第6193845号(P6193845)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6193845
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】回転電機洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 7/00 20060101AFI20170828BHJP
   H02K 15/02 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   B08B7/00
   H02K15/02 D
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-260364(P2014-260364)
(22)【出願日】2014年12月24日
(65)【公開番号】特開2016-120440(P2016-120440A)
(43)【公開日】2016年7月7日
【審査請求日】2016年5月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】599041606
【氏名又は名称】三菱電機プラントエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147500
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 雅啓
(74)【代理人】
【識別番号】100166235
【弁理士】
【氏名又は名称】大井 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100179914
【弁理士】
【氏名又は名称】光永 和宏
(74)【代理人】
【識別番号】100179936
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 明日香
(72)【発明者】
【氏名】内野 泰斗
(72)【発明者】
【氏名】浦田 大介
【審査官】 大宮 功次
(56)【参考文献】
【文献】 実開平01−110398(JP,U)
【文献】 特開2002−233115(JP,A)
【文献】 特開平02−157079(JP,A)
【文献】 特表2002−505955(JP,A)
【文献】 特開平02−043972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 7/00
H02K 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にドライアイスが流通可能であり、前記ドライアイスを放出する放出口を有するドライアイス供給管と、
前記ドライアイス供給管が着脱可能に収容されるドライアイス供給管収容部と、
前記ドライアイス供給管を回転駆動する駆動機構と、
前記ドライアイス供給管収容部に開閉可能に取り付けられる複数の脚部と、
前記脚部に設けられ、回転電機の固定子の内周面に接触可能な案内輪と
前記ドライアイス供給管収容部に取り付けられるとともに、前記ドライアイス供給管収容部の延長方向に沿って延びるハンドル部とを備え、
前記ハンドル部は、前記ドライアイス供給管収容部のドライアイス供給側の端部から突出して設けられる操作ハンドルを有し、
前記ハンドル部が回転することにより、前記複数の脚部はドライアイス供給管収容部のドライアイス放出側に向かって開閉する回転電機洗浄装置。
【請求項2】
前記ドライアイス供給管の前記放出口は、前記ドライアイス供給管の延長方向に対して斜め方向に前記ドライアイスを放出する請求項1に記載の回転電機洗浄装置。
【請求項3】
前記ドライアイス供給管収容部には、前記脚部を開閉させる螺子機構が取り付けられる請求項1又は2に記載の回転電機洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、回転電機洗浄装置に関し、特に回転電機の固定子を洗浄する回転電機洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発電機や電動機等の回転電機を長期間使用すると、回転電機の固定子に埃や油汚れ等が付着するため、定期的に洗浄する必要がある。そこで、従来は作業者が手作業により固定子に付着した汚れをウエスで拭き取ったり、掃除機を使用したりして清掃していた。また、回転電機を工場に持ち込み、スチームや溶剤を用いて洗浄する作業も行われていた。
【0003】
しかしながら、手作業による清掃作業には時間と手間がかかるという問題があった。特に、回転電機の固定子のコアの内周面やコイルエンドの巻線部分は、手による拭き取りが難しく、作業者が無理な姿勢をとること等による身体的な負担も大きい。また、固定子のコアの奥やコイルエンドの巻線の隙間等、作業者の手の届かない場所は洗浄することができない。一方、回転電機の固定子を工場に持ち込んで洗浄する場合、固定子を工場に搬出入する必要があり、工程が長期化する可能性が高かった。さらに、スチームや溶剤を使用すると、洗浄した後に固定子を乾燥させる必要がある。また、スチームや溶剤を使用した場合、洗浄後の廃液の処理が問題となっていた。
【0004】
ここで、円筒形状の部材の内部を清掃する洗浄装置としては、特許文献1に示すように、先端にノズルが取り付けられた回転アームを有し、洗浄対象の管内を移動しつつ、回転するノズルから高圧水を噴射させて管の内周面を洗浄する作業台車がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−43972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の作業台車では、ノズルを支持するための回転アームが取り付けられている分、複雑な構造となって重量も増加するため、持ち運びに不便である。また、特許文献1の作業台車では、洗浄対象となる部位の場所や形状に応じて高圧水が噴出される角度を変えることができず、かえって洗浄の効率が下がってしまう可能性がある。さらに、水を使用して管内を洗浄しているため、電気機器である回転電機の固定子の洗浄には適しておらず、また高圧水が噴射されることにより、固定子の絶縁被膜が剥がれて絶縁性能が損なわれるおそれもある。また、水を用いて洗浄した後は、固定子を充分に乾燥させなければならず、さらに洗浄後の汚水は産業廃棄物として処理するため、後処理の手間がかかるという問題もある。
【0007】
この発明は、このような問題を解決するためになされ、持ち運びがしやすく、回転電機の絶縁機能を損ねることなく効率よく洗浄し、容易に後処理することができる回転電機洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、この発明に係る回転電機洗浄装置は、内部にドライアイスが流通可能であり、ドライアイスを放出する放出口を有するドライアイス供給管と、ドライアイス供給管が着脱可能に収容されるドライアイス供給管収容部と、ドライアイス供給管を回転駆動する駆動機構と、ドライアイス供給管収容部に開閉可能に取り付けられる複数の脚部と、脚部に設けられ、回転電機の固定子の内周面に接触可能な案内輪と、ドライアイス供給管収容部に取り付けられるとともに、ドライアイス供給管収容部の延長方向に沿って延びるハンドル部とを備え、ハンドル部は、ドライアイス供給管収容部のドライアイス供給側の端部から突出して設けられる操作ハンドルを有し、ハンドル部が回転することにより、複数の脚部はドライアイス供給管収容部のドライアイス放出側に向かって開閉する。
これによって、回転電機をドライアイスによって洗浄することができる。また、ドライアイス供給管はドライアイス供給管収容部に収容された上で駆動機構によって回転駆動されるため、回転アーム等の構造が不要である。さらに、ドライアイス供給管はドライアイス供給管収容部に対して着脱可能であるため、適宜取り換えることができる。
【0009】
また、この発明に係る回転電機洗浄機のドライアイス供給管の放出口は、円管部の延長方向に対して斜め方向にドライアイスを放出してもよい。
さらに、ドライアイス供給管収容部には、脚部を開閉させる螺子機構が取り付けられてもよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る回転電機洗浄装置によれば、持ち運びがしやすく、回転電機の絶縁機能を損ねることなく効率よく洗浄し、容易に後処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明の実施の形態に係る回転電機洗浄装置の斜視図であり、回転電機洗浄機の脚部が開いた状態を示す図である。
図2図1に示す回転電機洗浄装置の斜視図であり、回転電機洗浄機の脚部が閉じられた状態を示す図である。
図3図1に示す回転電機洗浄装置による回転電機の固定子の洗浄の様子を模式的に示す図である。
図4図4(i)、(ii)及び(iii)は、図1に示す回転電機洗浄装置に使用されるドライアイス供給管の形状の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
回転電機洗浄装置100は、細長い円筒形状の円管部2を有する。円管部2の端部にはドライアイス供給口2aが形成されており、他端には供給管挿入口2bが形成されている。円管部2の供給管挿入口2bにはモータ6が取り付けられる。モータ6は外付けのコントローラ(図示せず)によって駆動される。ここで、円管部2が延長する方向をX方向とする。さらに、円管部2の供給管挿入口2bが形成されている側をX方向正側とし、円管部2のドライアイス供給口2aが形成されている側をX方向負側とする。
なお、円管部2は、ドライアイス供給管収容部を構成する。また、モータ6はステッピングモータであり、駆動機構を構成する。
【0013】
円管部2の外周には、8本の脚部4が取り付けられている。脚部4は、X方向に沿って4本ずつ2列に並んで設けられる。そして、各々の列の4本の脚部4は、円管部2を中心にして約90°毎に離間するように放射状に配置されている。脚部4の外側の端部にはキャニスタ7が回転可能に取り付けられている。ここで、X方向負側の列の4本の脚部4を後方脚部4aとし、X方向正側の列の4本の脚部4を前方脚部4bとする。後方脚部4aの各々と前方脚部4bの各々とは、X方向に互いに並んで対をなしている。また、後方脚部4aは、円管部2の外周面に設けられる略円環形状の第一取付部46を介して、円管部2に対して回動可能に取り付けられている。また同様に、前方脚部4bも、円管部2の外周面に設けられる略円環形状の第二取付部47を介して、円管部2に対して回動可能に取り付けられている。さらに、後方脚部4aの各々には第一板状部材43が取り付けられている。また同様に、前方脚部4bの各々には第二板状部材44が取り付けられている。対になった後方脚部4aと前方脚部4bとの間には、第一板状部材43と第二板状部材44とを介して第一連結部材41が架け渡されている。ここで、第一連結部材41の両端部は、それぞれ第一板状部材43及び第二板状部材44に回動可能に取り付けられている。さらに、第一取付部46と第二取付部47との間において、円筒部2の外周には略円環形状の部材である第三取付部45が嵌合されている。第三取付部45は、第一取付部46と第二取付部47との間をスライドして移動することができる。そして、第三取付部45と前方脚部4bの第二板状部材44との間には第二連結部材42が架け渡される。第二連結部材42の両端部は、それぞれ第三取付部45及び第二板状部材44に回動可能に取り付けられている。
ここで、キャニスタは案内輪を構成する。
【0014】
第一取付部46には略円管形状の第一ハンドル支持部31aが固定して設けられる。さらに、第三取付部45にも同様に略円管形状の第二ハンドル支持部31bが固定して設けられている。第一ハンドル支持部31aと第二ハンドル支持部31bとは、X方向に直線的に並んで配置される。そして、第一ハンドル支持部31aと第二ハンドル支持部31bとには、ハンドル部3が挿入される。なお、ハンドル部3のX方向正側の端部は、第二ハンドル支持部31bの内部に収納され、第二ハンドル支持部31bのX方向正側には突出しないように固定されている。さらに、ハンドル部3の外周面には雄ねじが切られており、第一ハンドル支持部31aの内周面には雌ねじが切られている。また、ハンドル部3のX方向負側の端部には、作業者が把持可能な操作ハンドル3aが設けられている。
ここで、ハンドル部3、第一ハンドル支持部31a及び第二ハンドル支持部31bは、脚部4を開閉させるための螺子機構を構成し、これらの螺子機構は全体として円管部2の側部に取り付けられている。
【0015】
円管部2の内部には、ドライアイス供給管5が挿入されて回転可能に収容されるとともに、X方向に延長している。そして、それと同時に、円管部2の供給管挿入口2bに設けられたモータ6にもドライアイス供給管5が貫通して固定され、モータ6によるドライアイス供給管5の回転駆動が可能となる。ここで、図4(i)に示すように、ドライアイス供給管5は先端部が屈曲した金属製の円管であり、屈曲した端部には放出口5aが形成されている。ドライアイス供給管5の先端部は、円管部2の供給管挿入口2b及びモータ6から突出している。そして、円管部2のドライアイス供給口2aにはホース20が挿入され、ホース20は円管部2の内部のドライアイス供給管5に接続される(図3参照)。ここで、ドライアイス供給管5は、ホース20に対して相対的に回転可能となるように接続されている。なお、ホース20は、二酸化炭素ボンベ等を有するドライアイス供給装置(図示せず)に連結し、内部をドライアイスが流通する。また、回転電機洗浄装置100を使用しない時にモータ6及びホース20からドライアイス供給管5を取り外すことによって、ドライアイス供給管5を円管部2に対して着脱可能とすることができる。
【0016】
次に、回転電機洗浄装置100の脚部4の開閉動作について説明する。
まず、回転電機洗浄装置100を、図1に示すような開いた状態から、図2に示すような閉じた状態に変化させる場合について説明する。初めに、作業者はハンドル部3の操作ハンドル3aを把持し、雄ねじが切られたハンドル部3を、雌ねじが切られた第一ハンドル支持部31aに向かって捩じ込むように回転させながら、ハンドル部3をX方向正側へ移動させる(矢印A1)。これに伴い、第二ハンドル支持部31b及び第三取付部45もX方向正側へ移動し、それとともに第二連結部材42も前方脚部4bをX方向正側に向かって押すように移動する。従って、4本の前方脚部4bは、第二連結部材42に押されながらX方向正側に徐々に回動し(矢印A2)、互いに窄まって閉じられていく。このように前方脚部4bが第二取付部47を中心にしてX方向正側に徐々に移動するにつれ、後方脚部4aも、前方脚部4bとの間に架け渡された第一連結部材41によって引っ張られてX方向正側へと回動していく(A3)。すなわち、4本の後方脚部4aも互いに窄まって閉じられていく。これによって、図2に示すように、8本の脚部4は閉じられた状態となる。
一方、図2に示すような脚部4が閉じられた状態から、作業者が操作ハンドル3aを把持して、ハンドル部3を第一ハンドル支持部31aから引き出すように反対方向に回転させると、脚部4は、図1に示すような開いた状態に変化する。
【0017】
次に、図3を用いて、回転電機洗浄装置100による回転電機の固定子10の洗浄方法について説明する。なお、固定子10は、略円筒形状のコア10aと、コア10aの両端に設けられる巻線形状のコイルエンド10bを有するものとする。
まず、作業者が回転電機の固定子10のコア10aの内部に回転電機洗浄装置100を配置する。そして、作業者はハンドル部3の操作ハンドル3aを把持して回転させ、キャニスタ7が固定子の内周面に当接するように脚部4を開いた状態とする。これによって、円管部2は8個の脚部4によって支持され、固定子10のコア10a内部の中央部分に位置しつつ、コア10aの内側をX方向に延長する。そして、モータ6のスイッチ及びドライアイス供給装置のスイッチをONにすると、モータ6がドライアイス供給管5を回転駆動するとともに、ドライアイス供給管5の内部に粉末状のドライアイスが流通する。従って、ドライアイスは、回転するドライアイス供給管5の放出口5aから放出され、固定子10のコア10aの内周面又はコイルエンド10bに吹き付ける。なお、ドライアイスの圧力は、ドライアイス供給装置のレギュレータ(図示せず)によって調整することができる。ドライアイスは、汚れや粉塵を固定子10のコア10aやコイルエンド10bから剥離させた後、昇華する。そして、作業者はハンドル部3の操作ハンドル3aを把持しつつ、汚れの状態や洗浄の進捗状況によって回転電機洗浄装置100を適宜、X方向正側又は負側へ移動させてゆき、固定子10のコア10aの内周面及びコイルエンド10bを全体的に洗浄する。このようにして洗浄作業が完了したら、モータ6及びドライアイス供給装置のスイッチをOFFにし、操作ハンドル3aを回転させて脚部4を閉じられた状態としてから、回転電機洗浄装置100を固定子10の内部から取り出す。そして最後に、ファン等の送風手段を用いて洗浄後の固定子10に送風し、剥離した汚れや粉塵等の残渣を吹き飛ばす。または、集塵装置によって固定子10に残った残渣を吸引してもよい。
【0018】
以上より、この実施の形態1に係る回転電機洗浄装置100では、回転電機の固定子10の洗浄に用いるドライアイスを放出するドライアイス供給管5を、円管部2の内部に収容するため、全体的な構造を簡易かつ小型化することができ、持ち運びがしやすい。
また、ドライアイスを用いて回転電機の固定子10のコア10aの内周面やコイルエンド10bを洗浄することができるため、水を用いる必要がなく、固定子10の絶縁機能が損なわれるおそれがない。さらに、洗浄に利用されたドライアイス自体は昇華するため、汚水等の産業廃棄物が発生するおそれがなく、回転電機を乾燥させる工程も不要なため、後処理が簡易である。
また、ドライアイス供給管5はモータ6によって回転駆動されるので、放出口5aを介してドライアイスを360°放出することができ、より効率の良い洗浄が可能となる。
【0019】
さらに、ドライアイス供給管5は着脱可能なので、洗浄対象である固定子10のコア10aの径の大きさや汚れの程度に合わせて、ドライアイス供給管5を別の形状の管に取り換えることができる。例えば、この実施の形態では、図4(i)に示すように、先端部が20°程度曲折したドライアイス供給管5が用いられているが、図4(ii)に示すように、先端部が45°曲折したドライアイス供給管15に交換してもよい。さらに、図4(iii)に示すように、直線形状のドライアイス供給管25の外周に放出口25aが形成されていてもよい。放出口25aからはドライアイス供給管25の径方向にドライアイスが放出されるが、X方向に対して斜め方向に向かってドライアイスが放出される構造としてもよい。このように、ドライアイス供給管を適宜交換することによって、ドライアイスが放出される角度を変え、より効率よく回転電機の固定子10を洗浄することができる。
【0020】
また、ドライアイス供給管5の先端部が曲折している、且つドライアイス供給管5はモータ6によって回転駆動するため、放出口5aは、ドライアイス供給管5が延長するX方向に対して斜め方向に、且つ360°方向にドライアイスを放出する。よって、作業者が回転電機洗浄装置100を押して固定子10のコア10aの奥まで移動させなくても、コア10aの奥側や作業者の反対側に位置するコイルエンド10bにまでドライアイスを吹き付けることができる。従って、作業者の身体的な負担を軽減させることができる。また、一定の角度を持った斜め方向からドライアイスを吹き付けることで、コイルエンド10bの巻線の隙間までドライアイスが入り込みやすくすることができる。
【0021】
また、円管部2の側部には、脚部4を開閉させるための螺子機構であるハンドル部3、第一ハンドル支持部31a及び第二ハンドル支持部31bが取り付けられている。これにより、作業者はハンドル部3を回転させることで、洗浄対象の固定子のコアの径の大きさに応じて開く角度を適宜変えることができる。さらに、使用しない時は脚部4を閉じた状態とすることで持ち運びがしやすくなり、また、回転電機洗浄装置100の収納スペースを小さくすることができる。また、ハンドル部3の雄ねじと第一ハンドル支持部31aの雌ねじとの係合を利用して脚部4を開閉可能としているため、アクチュエータ等を用いて脚部4を開閉させる場合と比較して、構造が簡易である。よって、回転電機洗浄装置100の構造をより小型化かつ軽量化することができる。
【符号の説明】
【0022】
2 円管部(ドライアイス供給管収容部)、3 ハンドル部(螺子機構)、4 脚部、5 ドライアイス供給管、5a 放出口、6 モータ(駆動機構)、7 キャニスタ(案内輪)、31a 第一ハンドル支持部(螺子機構)、31b 第二ハンドル支持部(螺子機構)、100 回転電機洗浄装置。
図1
図2
図3
図4