特許第6193859号(P6193859)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6193859
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】RFIDカードの管理方法及び端末
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20170828BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   G06K7/10 192
   G06K7/10 216
   G06K7/10 252
   G06K19/07 230
   G06K19/07 270
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-530073(P2014-530073)
(86)(22)【出願日】2011年10月20日
(65)【公表番号】特表2014-527243(P2014-527243A)
(43)【公表日】2014年10月9日
(86)【国際出願番号】CN2011081071
(87)【国際公開番号】WO2013037153
(87)【国際公開日】20130321
【審査請求日】2014年4月17日
【審判番号】不服2016-4689(P2016-4689/J1)
【審判請求日】2016年3月31日
(31)【優先権主張番号】201110276031.6
(32)【優先日】2011年9月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511207729
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100170346
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 望
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】グイ ズホン
(72)【発明者】
【氏名】リウ ガン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ジェンユ
【合議体】
【審判長】 佐藤 智康
【審判官】 宇多川 勉
【審判官】 石川 正二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−020173(JP,A)
【文献】 特開2004−334316(JP,A)
【文献】 特開2009−171187(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/043918パンフレット(WO,A1)
【文献】 遠藤 貴則,「RFIDの原理と仕組み」,N+I NETWORK,ソフトバンクパブリッシング株式会社,2004.10.28受入,第4巻第12号,43−49ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/00-7/14
G06K 17/00
G06K 19/00-19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数識別(RFID:Radio Frequency Identification)カードの管理方法であって、
端末の近接通信(NFC:Near Field Communication)読み書きモードをアクティブにするステップと、
端末が管理待ちのRFIDカードのRFID情報を読み取ってRFID情報データベースを更新するステップと
端末がRFID情報データベースからRFIDサービスデバイスに対応するRFID情報を取り出すステップと、
端末のNFCシミュレイションモードをアクティブにするステップと、
端末が対応するRFID情報をRFIDサービスデバイスへ送信するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
端末が管理待ちのRFIDカードのRFID情報を読み取る前に、さらに、
端末がRFIDカードへRFID情報の読取リクエストを送信するステップと、
RFIDカードがリクエストに応答し、端末へRFID情報を送信するステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
端末がRFID情報データベースからRFIDサービスデバイスに対応するRFID情報を取り出した後、このRFID情報を一時的にセキュリティチップモジュールに格納する
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項4】
全てのステップを実行した後、さらに、
セキュリティチップモジュールに一時的に格納されたRFID情報を取り消すステップを含む
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項5】
無線周波数識別(RFID:Radio Frequency Identification)カードを管理する端末であって、コントローラ、NFC制御モジュール(NFC:Near Field Communication)、及びデータ格納モジュールを含み、
前記コントローラは、データ格納モジュール及びNFC制御モジュールにそれぞれ接続され、NFC読み書きモードまたはNFCシミュレイションモードとなるようにNFC制御モジュールをアクティブにし、さらに、NFC制御モジュールにより読み取られた管理待ちのRFIDカードのRFID情報をデータ格納モジュールへ送信することに用いられ、
前記NFC制御モジュールは、管理待ちのRFIDカードのRFID情報を読み取って前記コントローラへ送信することに用いられ、
前記データ格納モジュールは、管理待ちのRFIDカードのRFID情報を格納し、RFID情報データベースを形成することに用いられ
NFC制御モジュールがRFIDサービスデバイスとの接続を確立するとき、前記コントローラは、データ格納モジュールからRFIDサービスデバイスに対応するRFID情報を取り出し、NFC制御モジュールを介してこのRFID情報を前記セキュリティチップモジュールへ送信することに用いられる
ことを特徴とする端末。
【請求項6】
前記端末はさらに、NFC制御モジュールに接続される、コントローラがデータ格納モジュールから取り出したRFIDサービスデバイスに対応するRFID情報を一時的に格納することに用いられるセキュリティチップモジュールを含む
ことを特徴とする請求項に記載の端末。
【請求項7】
前記端末はさらに、前記コントローラに接続される、人間とコンピュータのインタラクションを実現することに用いられるインタラクティブモジュールを含む
ことを特徴とする請求項5または6に記載の端末。
【請求項8】
前記NFC制御モジュールは、RFIDカード及びRFIDサービスデバイスとの間で情報のインタラクションを行うことに用いられるアンテナモジュールを含む
ことを特徴とする請求項に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信分野に関し、特にRFID(Radio Frequency Identification:無線周波数識別)技術、NFC(Near Field Communication:近接通信)技術に基づくRFIDカードの管理方法及び端末に関する。
【背景技術】
【0002】
RFIDは電子タグも称され、その技術特徴としては、識別装置が特定目標との間で機械的または光学的な接続を確立することなく、無線信号を介して特定目標を識別したり、関連データを読み書きしたりすることができる点にある。現在、RFID技術の各種の応用が既に人々の日常生活と仕事に浸透しており、例えば、図書館管理カード、ドア制御カード、電子チケット、道路料金自動カード、バスカード、銀行カード等のような人々の生活に密接する様々なRFIDカードがあらゆる場所で見受けられる。
【0003】
NFCが有する特徴は、約10センチメートルの動作距離で、双方向識別と接続を実現できる点にある。現在、NFC技術の発展に伴い、消費に対する人々の習慣にも大きな変化が生じてきており、例えば、安全性、利便性、迅速性、洗練性などの優位性から、NFC技術に基づくモバイル端末による非接触式の支払いが行われている。
【0004】
一般的に、NFC端末は、次の三種類の機能モードを有する。
【0005】
標準のRFIDカードに対して読み書きを行うことができる読み取りデバイス(即ちリーダ/ライタ)としてのモード。
端末を1枚のRFIDカードであるとみなす(シミュレイトする)ことができる被読デバイスとしてのモード(即ち端末カードシミュレイトモード)。
NFC端末の間でポイントツーポイント通信を実現できるピア・ツー・ピア通信(Peer-To-Peer:P2P)モード。
【0006】
図1に示されるNFC端末の基本原理図を参照して、NFC端末は、アンテナ、NFCチップ、携帯電話ベースバンドチップ、及びセキュリティチップを含む。携帯電話ベースバンドチップの制御下において、NFCチップは、端末内蔵のアンテナを介して、三種類の機能モードを相互に切り替えることができる。図1において、セキュリティチップは、ユーザの秘密データと関連のNFCアプリケーションを格納することに用いられ、NFCチップを介して外部の読み書きデバイスと通信を行い、データの安全格納と伝送を実現する。
【0007】
RFID技術が日常生活でより広く応用されていることに伴い、ユーザが所持するRFIDカードもますます増えてきており、RFIDカードは人々の生活に欠かせないツールとなってきている。例えば、ユーザは、バスカード、銀行カード、ルームキー、車キーなどの数多くのRFIDカードを所持している可能性がある。しかしながら、このような数多くのRFIDカードは、ユーザによる携帯及び管理に不便であり、また、RFIDカードを紛失したり、カードが破損したりしてしまうと、紛失、破損したカードがどのカードであっても、ユーザの生活に支障をきたしてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、従来技術においてユーザが所持する複数のRFIDカードに対する管理または携帯が難しいという問題を解決し、複数のRFIDカードに対する管理を実現するRFIDカードの管理方法及び端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的を実現するために、本発明は次の技術的スキームが用いられる。
無線周波数識別(RFID)カード管理の方法は、
端末の近接通信(NFC)読み書きモードをアクティブにするステップと、
端末が管理待ちのRFIDカードのRFID情報を読み取ってRFID情報データベースを更新するステップと
を含む。
【0010】
ここで、端末が管理待ちのRFIDカードのRFID情報を読み取る前に、さらに、
端末がRFIDカードへRFID情報の読取リクエストを送信するステップと、
RFIDカードがリクエストに応答し、端末へRFID情報を送信するステップと
を含む。
【0011】
ここで、全てのステップが実行された後、さらに、端末がRFID情報データベースからRFIDサービスデバイスに対応するRFID情報を取り出すステップと、
端末のNFCシミュレイションモードをアクティブにするステップと、
端末が対応するRFID情報をRFIDサービスデバイスへ送信するステップと
を含む。
【0012】
ここで、端末がRFID情報データベースからRFIDサービスデバイスに対応するRFID情報を取り出した後、このRFID情報を一時的にセキュリティチップモジュールに格納する。
【0013】
ここで、全てのステップが実行された後、さらに、
セキュリティチップモジュールに一時的に格納されたRFID情報を取り消すステップを含む。
【0014】
無線周波数識別(RFID)カードを管理する端末は、コントローラ、NFC制御モジュール、及びデータ格納モジュールを含み、
前記コントローラは、データ格納モジュール及びNFC制御モジュールにそれぞれ接続され、NFC読み書きモードまたはNFCシミュレイションモードとなるようにNFC制御モジュールをアクティブにし、さらに、NFC制御モジュールにより読み取られた管理待ちのRFIDカードのRFID情報をデータ格納モジュールへ送信することに用いられ、
前記NFC制御モジュールは、管理待ちのRFIDカードのRFID情報を読み取って前記コントローラへ送信することに用いられ、
前記データ格納モジュールは、管理待ちのRFIDカードのRFID情報を格納し、RFID情報データベースを形成することに用いられる。
【0015】
ここで、この端末はさらに、NFC制御モジュールに接続される、コントローラがデータ格納モジュールから取り出したRFIDサービスデバイスに対応するRFID情報を一時的に格納することに用いられるセキュリティチップモジュールを含む。
【0016】
ここで、NFC制御モジュールがRFIDサービスデバイスとの接続を確立するとき、前記コントローラは、データ格納モジュールからRFIDサービスデバイスに対応するRFID情報を取り出し、NFC制御モジュールを介してこのRFID情報を前記セキュリティチップモジュールへ送信することに用いられる。
【0017】
ここで、この端末はさらに、前記コントローラに接続される、人間とコンピュータとのインタラクションを実現することに用いられるインタラクティブモジュールを含む。
【0018】
ここで、前記NFC制御モジュールは、RFIDカード及びRFIDサービスデバイスとの間で情報のインタラクションを行うことに用いられるアンテナモジュールを含む。
【0019】
上述の本発明の技術的スキームから理解されるように、NFC技術を用いて端末にRFID情報データベースを確立し、対応するRFIDカードの代わりにこの端末を用いてサービスを行うとき、端末のRFID情報データベースに格納されたRFID情報を端末のセキュリティチップモジュールに書き込むと共に、端末のNFC制御モジュールをNFCシミュレイションモードとすることにより、対応するRFIDカードの機能を端末に実現させるようにする。上記スキームは、ユーザが所持する複数のRFIDカードに対する管理が不便であるという問題を解決することができ、また、RFIDカードを使用するときに生じる可能性がある損失の問題を回避することができ、従ってRFIDカードにおける便利かつ安全な管理が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】NFC端末の基本原理を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る、RFIDカードを管理する端末の構造図である。
図3】本発明の一実施形態に係る、端末がRFIDカードのRFID情報を読み取る原理を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る、端末がRFIDカードの代わりにサービスを行う原理を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る、RFIDカードの管理のフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態に係る、RFID情報データベースを確立するときのフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態に係る、RFIDカードの代わりに端末でサービスを行うときのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明が解決しようとする技術的問題、技術的スキーム及び有益な効果をより明確かつ明瞭とさせるために、添付図面及び実施形態を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。なお、ここで記述される具体的な実施形態は本発明を説明するために用いられるものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0022】
図5を参照して、図5は、本発明の一実施形態に係るRFIDカードの管理のフローチャートである。このフローチャートは次のようなステップを含む。
【0023】
S100:端末のNFC読み書きモードをアクティブにする。
【0024】
S103:端末が管理待ちのRFIDカードのRFID情報を読み取ってRFID情報データベースを更新する。
【0025】
ここで、端末は、NFC端末であり、現在のより成熟したNFC技術が統合されている。この端末は、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant:PDA)、スマートフォン等の携帯型端末であってもよい。
【0026】
前記管理待ちのRFIDカードは、例えば、バスカード、銀行カード、ルームキー、車キー等の各種のカードであってもよい。端末は、これらのRFIDカードのRFID情報を収集して最終的にRFID情報データベースを形成し、その後に、要求される対応するサービスを行うときに、対応するRFIDカードの代わりにこの端末が使用される。例えば、この端末でバスカードの代わりにカードで支払いサービスを行う場合、リーダ(即ち後述のRFIDサービスデバイス)が端末から対応するRFID情報を読み取り、支払いサービスを行う。
【0027】
ユーザが所持するRFIDカードが増え続けるような場合においても、上記方法によって、端末中に格納されたRFID情報データベースを更新することで、この端末に様々なRFIDカードを管理する機能を持たせることができる。
【0028】
好ましい実施の形態において、ステップS103を実行する前に、即ち端末が管理待ちのRFIDカードのRFID情報を読み取る前に、さらに、次のようなステップを含む。
【0029】
S101:端末がRFIDカードへRFID情報の読み取りリクエストを送信する。
【0030】
S102:RFIDカードがリクエストに応答し、端末にRFID情報を送信する。
【0031】
好ましい実施の形態において、全てのステップが実行された後、次のようなステップを含む。
【0032】
S104:端末がRFID情報データベースからRFIDサービスデバイスに対応するRFID情報を取り出す。
【0033】
S105:端末のNFCシミュレイションモードをアクティブにする。
【0034】
S106:端末が、対応するRFID情報をRFIDサービスデバイスへ送信する。
【0035】
ステップS104〜S106において、RFID情報データベースを予め格納した端末を用いてRFIDカードの代わりに対応する機能を実行する。端末がRFID情報データベースからRFIDサービスデバイスに対応するRFID情報を取り出した後、このRFID情報をセキュリティチップモジュールに一時的に格納してもよい。RFIDサービスデバイス(例えばリーダ)が端末にRFID情報をリクエストしたとき、端末は、リクエストに応答して、一時的にセキュリティチップモジュールに格納されたRFID情報をRFIDサービスデバイスに送信する。
【0036】
好ましい実施の形態において、上記S100〜S106ステップが実行された後、さらに、次のようなステップを含む。
【0037】
S107:セキュリティチップモジュールに一時的に格納されたRFID情報を取り消す。
【0038】
以下、RFID情報データベースが確立されるときのフロー及びRFIDカードの代わりに端末がサービスを行うときのフローについてそれぞれ説明する。
【0039】
図6は、本発明の一実施形態に係る、RFID情報データベースを確立するときのフローチャートである。図6図3を参照して、図6に示されるフローは次のようなステップを含む。
【0040】
S401:端末のNFC読み書きモードをアクティブにする。
【0041】
S402:端末がRFIDカードへRFID情報読み取りリクエストを送信する。
【0042】
S403:RFIDカードが端末からのリクエストに応答し、端末がRFIDカードに格納されたRFID情報を取得する。
【0043】
S404:端末が、取得したRFIDカードのRFID情報をローカルのRFID情報データベースに格納する。
【0044】
S405:ほかのRFIDカードに対して、S401〜S404を繰り返し実行することができ、このようにして複数のRFIDカードのRFID情報を取得することで、ユーザのRFIDカードのRFID情報データベースを確立する。
【0045】
なお、図3において、コントローラ10は、NFC制御モジュール30を介して、端末をNFC読み書きモードに設定する。端末は各種のRFIDカード中の情報を読み取り、取得した情報を利用してRFID情報データベースを確立する。
【0046】
図7は本発明の一実施形態に係る、RFIDカードの代わりに端末でサービスを行うときのフローチャートである。図7図4を参照して、図7に示されるフローは次のようなステップを含む。
【0047】
S501:RFIDサービスデバイスが本発明により提供される端末と接続を確立する(例えば、前記端末を前記RFIDサービスデバイスに近付けることによって、この端末自身が有しているNFC技術に基づいて、この端末がこのRFIDサービスデバイスと接続を確立する)。接続関係が確立された後、端末が自身のRFID情報データベース内において前記RFIDサービスデバイスに対応するRFID情報を検索し、NFC制御モジュールを介してこのRFID情報をセキュリティチップモジュールに書き込む。
【0048】
S502:端末のNFCシミュレイションモードをアクティブにする。
【0049】
S503:RFIDサービスデバイスが端末へサービスリクエストを送信する。
【0050】
S504:端末がRFIDサービスデバイスのサービスリクエストに応答し、セキュリティチップモジュールから対応するRFID情報を取得し、このRFID情報を前記RFIDサービスデバイスに送信する。
【0051】
S505:端末が前記RFID情報をRFIDサービスデバイスへ伝送した後、セキュリティチップモジュール中の現在のRFID情報を取り消す。
【0052】
なお、図4において、ユーザがRFIDカードサービスを使用する必要があるとき、コントローラ10を介してRFID情報データベース中のカード情報をセキュリティチップモジュール40に格納することができる。このとき、端末をカードシミュレイションモードに設定し、RFIDサービスデバイス200がセキュリティチップモジュール40から必要情報を取得することができる。ほかのカードサービスも全て同様の方法で処理すれば、複数のカードを端末に代えるという目的を達することができる。
【0053】
図2を参照し、図2は本発明の一実施形態に係る、RFIDカードを管理する端末の構造図である。図2には、コントローラ10、NFC制御モジュール30、及びデータ格納モジュール20が含まれる。
【0054】
コントローラ10は、データ格納モジュール20及びNFC制御モジュール30にそれぞれ接続され、NFC読み書きモードまたはNFC模擬モードとなるようにNFC制御モジュール30をアクティブにし、さらに、NFC制御モジュール30が読み取った管理待ちのRFIDカードのRFID情報をデータ格納モジュール20へ送信することに用いられる。
【0055】
例えば、前記端末が携帯電話である場合、前記コントローラ10は、携帯電話ベースバンドチップとして、この携帯電話内のNFC制御モジュール30をアクティブにしてNFC読み書きモードとなるように制御することにより、このNFC制御モジュール30を介してRFIDカードからRFID情報を読み取り、またはデータ格納モジュール20のRFID情報データベースから取得した関連RFID情報をセキュリティチップモジュールに書き込むことに用いられる。加えて、コントローラ10はさらに、この携帯電話内のNFC制御モジュール30をアクティブにしてNFCシミュレイションモードとなるように制御し、外部のRFIDサービスデバイスがこの携帯電話と接続を確立するとき、コントローラ10がデータ格納モジュール20からRFIDサービスデバイスに対応するRFID情報を取り出してNFC制御モジュール30を介してこのRFID情報をセキュリティチップモジュールへ送信し、NFC制御モジュール30が前記セキュリティチップモジュールから対応するRFID情報を取得してこのRFIDサービスデバイスと情報インタラクションを行い、このRFIDサービスデバイスに対応するサービスを行うことに用いられてもよい。
【0056】
NFC制御モジュール30は、管理待ちのRFIDカードのRFID情報を読み取って前記コントローラ10へ送信することに用いられる。
【0057】
データ格納モジュール20は、管理待ちのRFIDカードのRFID情報を格納し、RFID情報データベースを形成することに用いられる。
【0058】
好ましい実施の形態において、前記RFIDカードを管理する端末はさらに、NFC制御モジュール30に接続される、コントローラ10がデータ格納モジュール20から取り出したRFIDサービスデバイスに対応するRFID情報を一時的に格納することに用いられるセキュリティチップモジュール40を含む。端末のコントローラ10がこの携帯電話内のNFC制御モジュール30をアクティブにしてNFCシミュレイションモードとなるように制御し、外部のRFIDサービスデバイスがこの端末と接続を確立するとき、コントローラ10がデータ格納モジュール20からRFIDサービスデバイスに対応するRFID情報を取り出し、NFC制御モジュール30を介してこのRFID情報をセキュリティチップモジュール40へ送信する。NFC制御モジュール30は前記セキュリティチップモジュール40から対応するRFID情報を取得してこのRFIDサービスデバイスと情報インタラクションを行う。これにより、RFIDサービスデバイスの対応するサービスが行われる。NFC制御モジュール30とRFIDサービスデバイスとの情報インタラクションが完了したとき、コントローラ10は、前記NFC制御モジュール30を制御してセキュリティチップモジュール40に格納されたRFID情報を取り消す。
【0059】
好ましい実施の形態において、前記NFC制御モジュール30はRFIDカード及びRFIDサービスデバイスとの間で情報のインタラクションを行うことに用いられるアンテナモジュール301を含む。
【0060】
さらに好ましい実施の形態において、前記RFIDカードを管理する端末はさらに、コントローラ10に接続される、人間とコンピュータのインタラクションを実現することに用いられるインタラクティブモジュール50を含む。例えば、このインタラクティブモジュール50は、NFC制御モジュール30が端末の制御下においてどの動作モードに設定されているかなどを、ユーザに示すことができる。
【0061】
上記本発明の技術的スキームから理解されるように、NFC技術を用いて端末にRFID情報データベースを確立し、対応するRFIDカードの代わりにこの端末を用いてサービスを行うとき、端末のRFID情報データベースに格納されたRFID情報を端末のセキュリティチップモジュール40に書き込むとともに、端末のNFC制御モジュール30をNFCシミュレイションモードにすることにより、対応するRFIDカードの機能を端末に実現させる。上記スキームは、ユーザ所持する複数のRFIDカードに対する管理が不便であるという問題を解決することができ、また、RFIDカードを使用するときに生じる可能性がある損失の問題を回避することができる。これにより、RFIDカードの便利かつ安全な管理が実現される。
【0062】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を制限するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7