【実施例】
【0085】
実施例
用いられる略語:
Ex. 実施例
TLC 薄層クロマトグラフィー
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
d.Th. 理論上
EI 電子衝撃イオン化(MS)
ESI 電子スプレーイオン化(MS)
h 時間
HPLC 高圧、高性能液体クロマトグラフィー
LC−MS 液体クロマトグラフィー−結合質量分析計
MS 質量分析法
NMR 核磁気共鳴分光法
RP−HPLC 逆相HPLC
RT 室温
R
t 保持時間(HPLC)
TBTU O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
THF テトラヒドロフラン
【0086】
HPLC−及びLC−MS方法:
方法1(LC−MS):装置:HPLC Agilent Series 1100を備えたMicromass Quattro LCZ;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶出液A:1lの水+0.5mlの50%ギ酸、溶出液B:1lのアセトニトリル+0.5mlの50%ギ酸;勾配:0.0分 90%A→2.5分 30%A→3.0分 5%A→4.5分 5%A;流速:0.0分 1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分 2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:208〜400nm。
【0087】
方法2(LC−MS):装置:HPLC Agilent Series 1100を備えたMicromass Platform LCZ;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶出液A:1lの水+0.5mlの50%ギ酸、溶出液B:1lのアセトニトリル+0.5mlの50%ギ酸;勾配:0.0分 90%A→2.5分 30%A→3.0分 5%A→4.5分 5%A;流速:0.0分 1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分 2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0088】
方法3(LC−MS):デバイス型 MS:Micromass ZQ;デバイス型 HPLC:Waters Alliance 2795;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶出液A:1lの水+0.5mlの50%ギ酸、溶出液B:1lのアセトニトリル+0.5mlの50%ギ酸;勾配:0.0分 90%A→2.5分 30%A→3.0分 5%A→4.5分 5%A;流速:0.0分 1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分 2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0089】
方法4(LC−MS):デバイス型 MS:Micromass ZQ;デバイス型 HPLC:HP 1100 Series;UV DAD;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶出液A:1lの水+0.5mlの50%ギ酸、溶出液B:1lのアセトニトリル+0.5mlの50%ギ酸;勾配:0.0分 90%A→2.5分 30%A→3.0分 5%A→4.5分 5%A;流速:0.0分 1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分 2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0090】
方法5(分析HPLC):カラム:Kromasil 100 RP-18、60 mm x 2.1 mm、3.5 μm;溶出液A:水+0.5%過塩素酸(70%)、溶出液B:アセトニトリル;勾配:0分 2%B、0.5分 2%B、4.5分 90%B、9分 90%B、9.2分 2%B、10分 2%B;流速:0.75ml/分;カラム温度:30℃;検出:UV 210nm。
【0091】
出発化合物
実施例1A
1−(シクロプロピルメチル)−4−[({[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)アミノ]−1H−イミダゾール−2−カルボン酸
【0092】
【化10】
【0093】
工程1
1−(シクロプロピルメチル)−4−ニトロ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルエステル
【0094】
【化11】
【0095】
15g(81mmol)の4−ニトロ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルエステルを、アルゴン雰囲気下で、DMF中13.13g(97.2mmol)のシクロプロピルメチルブロミド及び22.4g(162mmol)の炭酸カリウムと80℃で1時間撹拌する。冷却後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで4回抽出した。合わせた有機相を水で1回、そして飽和塩化ナトリウム溶液で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下での蒸発により濃縮する。結晶残留物を次の反応のために直ぐに再利用する。
収量:17.59g(理論上70%)
LC-MS (方法 1): R
t = 2.02分.
MS (ESI
+): m/z = 240 [M+H]
+
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ = 8.2 (s, 1H), 4.4 (q, 2H), 4.3 (d, 2H), 1.4 (m, 4H), 0.55 (q, 2H), 0.45 (q, 2H) ppm.
【0096】
工程2
4−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルエステル
【0097】
【化12】
【0098】
3.89g(16.26mmol)の1−(シクロプロピルメチル)−4−ニトロ−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルエステルを50mlのTHFに溶解し、スパチュラの先端一杯の量のラネーニッケルと混合する。反応混合物を室温において水素化装置中で水素により水素化する。結晶を濾過し、濾液を真空下で蒸発により濃縮する。蒸発残余物を次の反応のために直ぐに再利用する。
収量:3.46g(理論上100%)
LC-MS (方法 2): R
t = 1.21分.
MS (ESI
+): m/z = 210 [M+H]
+
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ = 6.55 (s, 1H), 4.55 (s, 2H), 4.2 (q, 2H), 4.1 (d, 2H), 1.25 (tr, 3H), 1.2 (m, 1H), 0.5 (q, 2H), 0.3 (q, 2H) ppm.
【0099】
工程3
4−[({[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)アミノ]−1−(シクロプロピルメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルエステル
【0100】
【化13】
【0101】
7.49g(35.8mmol)の4−アミノ−1−(シクロプロピルメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルエステルをアルゴン雰囲気で18mlのTHF中で、6g(35.8mmol)の4−(トリフルオロメトキシ)フェニルイソシアネートと混合し、室温で4時間撹拌する。反応混合物を真空下で蒸発により濃縮し、この場合において結晶化する生成物を40mlの酢酸エチル中で撹拌し、吸引する。
収量:11.1g(理論上82%)
LC-MS (方法 1): R
t = 2.66分.
MS (ESI
+): m/z = 376 [M+H]
+
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ = 9.45 (s, 1H), 8.0 (d, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.3 (d, 1H), 7.2 (dd, 1H), 4.3 (q, 2H), 4.25 (d, 2H), 2.25 (s, 3H), 1.3 (tr, 3H), 1.25 (m, 1H), 0.55 (q, 2H), 0.35 (q, 2H) ppm.
【0102】
工程4
4−[({[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)アミノ]−1−(シクロプロピルメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸
【0103】
【化14】
【0104】
10.6g(28.1mmol)の4−[({[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−カルボニル)アミノ]−1−(シクロプロピルメチル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルエステルを158mlのエタノール中で懸濁する。氷で冷却しながら16.4mlの水及び6ml(112mmol)の50%水酸化ナトリウム水溶液を添加する。反応混合物を室温で1時間撹拌し、その後、真空下で蒸発により濃縮する。残余物を100mlのイソプロパノールに溶解し、氷で冷却しながら100mlの1N塩酸で混合する。結晶を吸引し、40℃において真空下で乾燥させる。
収量:9.85g(理論上100%)
LC-MS (方法 3): R
t = 1.74分.
MS (ESI
+): m/z = 349 [M+H]
+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ = 9.4 (s, 1H), 8.0 (d, 1H), 7.3 (s, 1H), 7.25 (d, 1H), 7.2 (dd, 1H), 4.25 (d, 2H), 2.25 (s, 3H), 1.25 (m, 1H), 0.55 (q, 2H), 0.35 (q, 2H) ppm.
【0105】
実施例2A
1−ブチル−4−[({[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)アミノ]−1H−イミダゾール−2−カルボン酸
【0106】
【化15】
【0107】
生産は実施例1Aと同様に行なった。
収量:2.05g(理論上96%)
LC-MS (方法 3): R
t = 1.96分.
MS (ESI
+): m/z = 387 [M+H]
+
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ = 9.0 (s, 1H), 8.9 (s, 1H), 7.55 (d, 2H), 7.3 (s, 1H), 7.25 (d, 1H), 4.35 (tr, 2H), 1.7 (quintet, 2H), 1.25 (sextet, 2H), 0.9 (tr, 3H) ppm.
【0108】
実施例3A
1−メチル−4−[({[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)アミノ]−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルエステル
【0109】
【化16】
【0110】
1.22g(3.61mmol)の4−アミノ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルエステル(実施例1A、工程3と同様に、あるいはtetrahedron Lett. 2003, 44, 1607及びこれらの引用文献のいずれかに従って合成)をアルゴン雰囲気下で、50mlのTHF中で、1.46g(7.21mmol)の4−(トリフルオロメトキシ)フェニルイソシアネートと混合し、室温で一晩撹拌する。反応混合物を濾過し、濾液を真空下で蒸発により濃縮し、そしてクロマトグラフィーでこれを精製する。
収量:860mg(理論上62%)
LC-MS (方法 4): R
t = 2.41分.
MS (ESI+): m/z = 373 [M+H]+
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ = 8.98 (bs, 2H), 7.55 (m, 2H), 7.36 (s, 1H), 7.29 (m, 2H), 4.28 (q, 2H), 3.91 (s, 3H), 1.30 (t, 3H).
【0111】
実施例4A
1−メチル−4−[({[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)アミノ]−1H−イミダゾール−2−カルボン酸
【0112】
【化17】
【0113】
835mg(2.13mmol)の1−メチル−4−[({[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−アミノ}カルボニル)アミノ]−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルエステル(実施例3A)を5mlのエタノール及び12mlのテトラヒドロフラン中で懸濁する。氷で冷却しながら、2ml(25mmol)の50%水酸化ナトリウム水溶液を添加する。反応混合物を室温で一晩撹拌し、その後氷で冷却しながら、1N塩酸で酸性にする。溶液をジクロロメタンで抽出する。有機相を真空下で蒸発により濃縮する。残余物を調製用HPLCにより精製する。
【0114】
収量:346mg(理論上44%)
LC-MS (方法 3): R
t = 1.62分.
MS (ESI
+): m/z = 345 [M+H]
+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ = 9.33 (bs, 1H), 8.98 (bs, 1H), 7.55 (m, 2H), 7.30 (s, 1H), 7.28 (m, 2H), 3.90 (s, 3H).
【0115】
実施例5A
1−エチル−4−[({[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)アミノ]−1H−イミダゾール−2−カルボン酸
【0116】
【化18】
【0117】
生産は実施例4Aと同様に行なった。
収量:425mg(理論上91%)
LC-MS (方法 4): R
t = 1.94分.
MS (ESI
+): m/z = 359 [M+H]
+
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ = 10.3 (bs, 1H), 7.67 (m, 2H), 7.24 (s, 1H), 7.20 (m, 2H), 4.45 (q, 2H), 1.33 (t, 3H).
【0118】
実施例6A
4−[({[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}カルボニル)アミノ]−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸
【0119】
【化19】
【0120】
生産は実施例4Aと同様に行なった。
収量:964mg(理論上81%)
HPLC (方法 5): R
t = 3.57分.
MS (ESI
+): m/z = 327 [M+H]
+
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): δ = 8.9 (s, 1H), 8.8 (s, 1H), 7.5 (d, 2H), 7.3 (s, 2H), 7.1 (t, 1H), 7.09 (d, 2H), 3.9 (s, 3H).
【0121】
実施例7A
1−(5−メチルピリジン−2−イル)ピペラジン
【0122】
【化20】
【0123】
工程1
1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−4−(5−メチルピリジン−2−イル)ピペラジン
【0124】
【化21】
【0125】
アルゴン雰囲気下で、2.50g(19.6mmol)の2−メチル−5−クロロピリジン及び4.38g(23.5mmol)のN−(tert−ブチルオキシカルボニル)−ピペラジンを50mlの純トルエンに溶解する。その後2.26g(23.5mmol)のtert−酪酸ナトリウム、0.37g(0.59mmol)のBINAP、及び0.36g(0.39mmol)のトリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウムを添加し、これを70℃で12時間加熱する。冷却後、反応混合物をジエチルエーテルと混合し、飽和塩化ナトリウム溶液で3回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして溶媒を真空下で除去する。残余物をフラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル9:1)で精製する。
【0126】
別の方法として、触媒として酢酸パラジウム(II)の使用によっても、結合反応を行なうことができる。
収量:5.27g(理論上97%)
LC-MS (方法 3): R
t = 1.26分.
MS (ESI
+): m/z = 278 [M+H]
+
1H-NMR (300 MHz, CDCl
3): δ = 8.02 (d, 1H), 7.34 (dd, 1H), 6.59 (d, 1H), 3.55 (m, 4H), 3.45 (m, 4H), 2.21 (s, 3H), 1.49 (s, 9H).
【0127】
工程2
1−(5−メチルピリジン−2−イル)ピペラジン
【0128】
【化22】
【0129】
3.47g(12.5mmol)の1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−4−(5−メチルピリジン−2−イル)ピペラジンを10mlのジオキサンに溶解し、31ml(125mmol)のジオキサン(4mol)中塩化水素と混合する。これを室温で2時間撹拌する。その後、これを蒸発により濃縮し、残余物を1M水酸化ナトリウム溶液でアルカリ化し、ジクロロメタンで数回抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発により濃縮し、真空下で乾燥させる。
【0130】
別の方法として、実施例7Aの化合物を塩酸塩の形態において単離することができる。
収量:2.18g(理論上98%)
LC-MS (方法 4): R
t = 0.38分.
MS (ESI
+): m/z = 177 [M+H]
+
1H-NMR (300 MHz, CDCl
3): δ = 8.02 (d, 1H), 7.32 (dd, 1H), 6.59 (d, 1H), 3.45 (m, 4H), 3.00 (m, 4H), 2.20 (s, 3H).
【0131】
実施例8A
N−{1−メチル−2−[(4−ピリジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)カルボニル]−1H−イミダゾール−4−イル}−N’−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]尿素
【0132】
【化23】
【0133】
1.50g(4.36mmol)の実施例4Aの化合物を30mlのDMFに溶解し、1.82g(5.66mmol)のO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)及び266mg(2.18mmol)の4−ジメチルアミノピリジンと混合する。925mg(5.66mmol)の1−(ピリジン−2−イル)−ピペラジンを添加後、これを室温で4時間撹拌する。反応混合物をRP−HPLCにより精製する。
【0134】
収量:1.79g(理論上83%)
LC-MS (方法 1): R
t = 1.83分.
MS (ESI
+): m/z = 490 [M+H]
+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ = 8.89 (bs, 2H), 8.12 (d, 1H), 7.55 (m, 3H), 7.29 (m, 2H), 7.20 (s, 1H), 6.88 (d, 1H), 6.68 (dd, 1H), 4.02 (bs, 2H), 3.77 (s, 3H), 3.71 (bs, 2H), 3.58 (bs, 4H).
【0135】
実施例9A
N−(1−メチル−2−{[4−(5−メチルピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1H−イミダゾール−4−イル)−N’−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]尿素
【0136】
【化24】
【0137】
5.6g(26.14mmol)の実施例7Aの化合物及び13.22g(130.7mmol)のN−メチルモルホリンを110mlの酢酸エチル中9.0g(26.14mmol)の実施例4Aの化合物の溶液に添加し、そして反応混合物を0℃に冷却する。16.63g(52.26mmol)のプロパンホスホン酸無水物(T3P)を反応溶液に90分に亘り添加し、そして得られた懸濁液をこの温度でさらに10分間撹拌する。反応混合物をその後60分間に亘り、20℃まで加熱し、この温度で一晩撹拌する。未反応のT3Pを45mlの水の添加によりクエンチし、反応混合物をさらに10分間撹拌する。その後、相を分離し、有機層を水(3x45ml)で数回洗浄し、これはpH5に設定される。合わせた水相を酢酸エチルで1回以上洗浄し、合わせた有機層を45mlの炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発により濃縮する。得られた粗生成物をエタノールからの再結晶させ、その後、淡黄色固体として最終生成物を得る。
【0138】
収量:8.42g(理論上64%)
LC-MS (方法 4): R
t = 2.01分.
MS (ESI
+): m/z = 504 [M+H]
+
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ = 8.92 (bs, 2H), 7.99 (d, 1H), 7.54 (m, 2H), 7.42 (dd, 1H), 7.28 (m, 2H), 7.20 (s, 1H), 6.80 (d, 1H), 4.00 (bs, 2H), 3.77 (s, 3H), 3.72 (bs, 2H), 3.51 (bs, 4H), 2.16 (s, 3H).
【0139】
実施例10A
N−(2−{[4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1−エチル−1H−イミダゾール−4−イル)−N’−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]尿素
【0140】
【化25】
【0141】
生産は実施例5A〜9Aと同様に行なった。
収量:55mg(理論上68%)
LC-MS (方法 4): R
t = 2.76分.
MS (ESI
+): m/z = 538 [M+H]
+
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d
6): δ = 8.97 (bs, 1H), 8.92 (bs, 1H), 8.14 (d, 1H), 7.65 (dd, 1H), 7.54 (m, 2H), 7.28 (m, 2H), 7.24 (s, 1H), 6.92 (d, 1H), 4.16 (q, 2H), 3.97 (bs, 2H), 3.72 (bs, 2H), 3.59 (bs, 4H), 1.32 (t, 3H).
【0142】
実施例11A
N−(2−{[4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)−N’−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]尿素
【0143】
【化26】
【0144】
生産は実施例4A〜9Aと同様に行なった。
収量:35mg(理論上58%)
LC-MS (方法 3): R
t = 2.24分.
MS (ESI
+): m/z = 519 [M+H]
+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ = 8.89 (bs, 2H), 7.53 (m, 2H), 7.28 (m, 2H), 7.19 (s, 1H), 6.92 (m, 2H), 6.84 (m, 2H), 4.05 (bs, 2H), 3.75 (m, 5H), 3.69 (s, 3H), 3.08 (bs, 4H).
【0145】
実施例12A
N−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−N’−(1−メチル−2−{[4−(5−メチルピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル]−カルボニル}−1H−イミダゾール−4−イル)尿素
【0146】
【化27】
【0147】
生産は実施例6A〜9Aと同様に行なった。
収量:17mg(理論上29%)
LC-MS (方法 4): R
t = 1.70分.
MS (ESI
+): m/z = 486 [M+H]
+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ = 8.84 (bs, 1H), 8.77 (bs, 1H), 7.98 (d, 1H), 7.47 (m, 2H), 7.42 (dd, 1H), 7.18 (s, 1H), 7.11 (t, 1H), 7.10 (m, 2H), 6.80 (d, 1H), 4.01 (bs, 2H), 3.77 (s, 3H), 3.71 (bs, 2H), 3.50 (bs, 4H), 2.16 (s, 3H).
【0148】
表1の実施例を、実施例8Aと同様に生産する。
【0149】
【表1】
【0150】
実施形態
実施例1
N−(1−メチル−2−{[4−(5−メチルピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル]−カルボニル}−1H−イミダゾール−4−イル)−N’−[4−トリフルオロメトキシフェニル]尿素 ジメシラート
【0151】
【化28】
【0152】
全ての操作を窒素ガス雰囲気下で行なった。反応ベッセル中で、3,202gの実施例9Aの化合物(6.36mol、1当量)を15lのTHF及び1lの水からなる混合物と混合する。得られた懸濁液を60℃までゆっくりと加熱し、その後、この温度で30分間撹拌する。1,252gのメタンスルホン酸(13.03mol、2.05当量)を添加し、形成される黄色がかった溶液に添加し、その後N−(1−メチル−2−{[4−(5−メチル−ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル]−カルボニル}−1H−イミダゾール−4−イル)−N’−[4−トリフルオロメトキシフェニル]尿素 ジメシラートを添加する。さらに30lのTHFを結晶性N−(1−メチル−2−{[4−(5−メチルピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル]−カルボニル}−1H−イミダゾール−4−イル)−N’−[4−トリフルオロメトキシフェニル]尿素ジメシラートから生成される懸濁液に2時間かけて添加する。懸濁液をゆっくりと20℃まで冷却し、その後さらに12時間この温度で撹拌する。形成される結晶を真空濾過により回収し、そして反応器をTHF、そしてその後n−へプタンでフラッシュし、これらの有機層を、その後結晶を洗浄するために用いる。最終的に、結晶を、真空、且つ窒素流下で、フィルター上で乾燥させる。4,262g(収量:96.4%、純度>99%)の所望のジメシル酸塩を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ = 9.07 (s, 1H), 8.98 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.92 (d, 1H), 7.56 (d, 2H), 7.41 (d, 1H), 7.33-7.24 (m, 3H), 4.18 (s, br., 2H), 3.92-3.69 (m, 9H), 2.43-2.39 (s, 6H), 2.25 (s, 3H).
【0153】
図1に表すX線回折図は、Rigaku MiniFlex粉末XRD分光計の使用により記録した。
【0154】
実施例8A及び実施例10A〜15Aの化合物は、同様の方法によりジメシル酸塩に変換することができる。
【0155】
溶解度試験
20mgの実施例1の化合物、並びに比較のための実施例9Aの化合物のクエン酸塩、マレイン酸塩、硫酸塩、及び酒石酸塩、並びに1、2及び4当量の塩酸により生成された実施例9Aの塩酸塩、並びに遊離塩基をマグネチックスターらが備えられたHPLCガラスに量り入れる。1mlのH
2Oをそれぞれ添加し、HPLCガラスを密閉する。生成される懸濁液を25℃で一晩撹拌する。溶解される物質の量を評価するために、懸濁液をピペットマイクロフィルターを介して濾過し、そして得られた濾液を1:4に希釈し、HPLCにより分析した。HPLC分析を5μm 50x4.6mmの寸法を有するDionex Luna RP18(100A)−カラム上で、3:7の比におけるアセトニトリルとH
2O+0.1%TFAの均一溶媒の混合物の使用により行なった。
【0156】
溶解度測定の結果として、下記の表2に表す値を決定した。
【0157】
【表2】
【0158】
これらの値は、実施例9Aの化合物の他の塩と比較して、水性媒体における実施例1の塩の優れた溶解度を明確に示す。
【0159】
ヒトの胃を模倣した条件下での溶解度
ヒトの胃を模倣した条件下での溶解度を決定するために、実施例1の塩、並びに実施例9のクエン酸塩及び酒石酸塩の懸濁液、並びに塩化ナトリウム水溶液中の対応する遊離塩基(0.2重量%)(塩酸で1.2のpHに合わせる)を5時間撹拌する。その後、サンプルを上述のように処理し、溶液中の遊離塩基の量をHPLCにより決定する。ヒトの胃を模倣した条件下での溶解度に対応する値を下記の表3に表す。
【0160】
【表3】
【0161】
この表は、ヒトの胃を模倣した条件下における、本発明の塩の著しく優れた溶解度を明確に示す。これに関して、溶液をより長い期間放置した後に、懸濁液の新たな出現を観察することができることに気付いた。後者は、実施例9Aの難溶性の塩化物塩の形成から生じることが予測される。この不溶性塩化物塩の観察される形成は、深刻ではないと考えられるが、しかしながら、後者は、実施例1に従って主に用いられる場合、遅れた参加を有し、従って、最初は準安定的な過飽和溶液として存在する。これは、医薬品の製造のための本発明の塩の使用により達成することができる有利な点をさらに示す。
【0162】
吸湿性
相対湿度約46%且つ24℃において、純粋な形態で実施例1の塩を保存することにより、本発明による塩の吸湿性を測定した。この場合、約2日間の保存後、実施例1の塩は、0.11%未満の重量増加を示し、これは医薬における使用に許容される吸湿性を表す。
【0163】
B.生理学的有効性の評価
HCMV(ヒトサイトメガロウイルス)の複製に関する本発明の化合物のインビトロ作用を、以下の抗ウイルスアッセイに示すことができる。
【0164】
HCMV蛍光減少試験
試験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中50ミリモーラー(mM)溶液として用いる。参照化合物として、例えばガンシクロビル(登録商標)、フォスカネット(登録商標)、シドホビル(登録商標)、そうでなければ実施例9Aの化合物を使用することができる。試験の開始の1日前、1.5x10
4ヒト包皮線維芽細胞(NHDF細胞)/ウェルを96ウェルプレート(透明底を有する黒色)中のウェルB2〜G11に200μlの細胞培養培地中に播種した。各96ウェルプレートのエッジ位置において、ウェルを200μlの培地のみで満たし、エッジ効果を回避した。試験の日、試験培養培地を各96ウェルプレートのウェルB2〜G11から吸引し、100μlのウイルス懸濁液(感染の多重度(MOI):0.1〜0.2)で置き換える。用いられるウイルスは、組み換えHCMVであり、これは、ウイルスゲノム中に緑色蛍光タンパク質(GFP)についての発現カセットを統合している(HCMV AD 169 RV-HG, E. M. Borst, K. Wagner, A. Binz, B. Sodeik, and M. Messerle, 2008, J. Virol. 82: 2065-2078)。37℃且つ5%CO
2において2時間のインキュベーション後、ウイルス接種物を吸引し、そして第3列中のウェルを除く全てのウェルを200μlの細胞培養培地で満たした。第2列は、さらに処理されず、ウイルス対照として役割を果たす。第3列中のウェルを、二重決定のいずれの場合にも、300μの試験物質(細胞培養培地で希釈される)で満たした。第3列中それぞれの抗ウイルス物質の濃度は、いずれの場合にも予測されるEC
50値の約27倍の濃度である。第3列中の試験物質は、いずれの場合にも右列に移され、そして存在する200μlの細胞培養培地とそこで混合される100μlの列により、96ウェルプレートにわたり8工程で1:3に希釈される。このような方法で、3つの抗ウイルス物質が2重決定において試験される。プレートを37℃/5%CO
2において7日間インキュベートする。その後、プレートの全てのウェルをPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で3回洗浄し、そして50μlのPBSで満たした。その後、96ウェルプレートの各ウェルのGFP強度を、蛍光読み取り装置(FluoBox;Bayer Technology Services GmbH;フィルター設定: GFP, Ex 480 nm, Em 520 nm)により決定した。抗HCMV物質のEC
50をこのようにして得られる測定値から決定することができる。
【0165】
EC
50(GFP−RA)=未処理ウイルス対照と比較して、感染した細胞のGFP蛍光を50%まで減少させる物質濃度(μM)。
【0166】
本発明の化合物についての代表的なインビトロ活性データを表4に再現する。
【0167】
【表4】
【0168】
医薬組成物の実施形態
本発明の化合物を以下のような医薬調製物に変換することができる。
【0169】
錠剤:
組成:
100mgの実施例1の化合物、50mgのラクトース(一水和物)、50mgのコーンスターチ(天然)、10mgのポリビニルピロリドン(PVP 25)(BASF Company, Ludwigshafen, Germany)及び2mgのステアリン酸マグネシウム。
錠剤重量212mg。直径8mm、曲率半径12mm。
【0170】
製造:
活性成分、ラクトース、及びスターチの混合物を、水中PVPの5%溶液(m/m)で顆粒化する。乾燥後、顆粒を5分間ステアリン酸マグネシウムと混合する。この混合物を一般的な錠剤圧搾機で圧搾する(錠剤の形態、上記参照)。15kNの押圧を圧搾のための指針値として用いる。
【0171】
経口投与可能な懸濁液:
組成:
1,000mgの実施例1の化合物、1,000mgのエタノール(96%)、400mgのRhodigel(FMC Company, Pennsylvania, USAのキサンタンガム)、及び99gの水。
【0172】
10mlの経口懸濁液は、100mgの本発明の化合物の個別用量に相当する。
【0173】
製造:
Rhodigelをエタノール中で懸濁し、活性成分を懸濁液に添加する。撹拌しながら、水の添加を行なう。Rhodigelの膨張が完了するまで、これを約6時間撹拌する。
【0174】
静脈投与可能な溶液:
組成:
5.53gの実施例1の化合物、10%(w/v)ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(Aldrich)を含む注射用の1,000gの水、及び985mgの酢酸ナトリウム。
【0175】
製造:
本発明の化合物を撹拌しながら水に溶解し、そして溶液のpHを酢酸ナトリウムで約3.94に合わせる。溶液を濾過(孔径0.22μm)により滅菌し、そして減圧条件下で加熱滅菌した注入フラスコに移す。後者は注入ストッパー及びフランジキャップで密閉される。