(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6193882
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】無線電力レシーバシステム
(51)【国際特許分類】
H02J 50/12 20160101AFI20170828BHJP
H02J 50/40 20160101ALI20170828BHJP
【FI】
H02J50/12
H02J50/40
【請求項の数】32
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-551326(P2014-551326)
(86)(22)【出願日】2013年1月4日
(65)【公表番号】特表2015-506660(P2015-506660A)
(43)【公表日】2015年3月2日
(86)【国際出願番号】US2013020203
(87)【国際公開番号】WO2013103756
(87)【国際公開日】20130711
【審査請求日】2015年12月15日
(31)【優先権主張番号】61/583,740
(32)【優先日】2012年1月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】302070822
【氏名又は名称】アクセス ビジネス グループ インターナショナル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100141254
【弁理士】
【氏名又は名称】榎原 正巳
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ジェイ.ノーコンク
(72)【発明者】
【氏名】コリン ジェイ.ムーア
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア ビー.テイラー
【審査官】
小池 堂夫
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−029799(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/116441(WO,A1)
【文献】
特開2011−109810(JP,A)
【文献】
特開平09−326736(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 17/00−19/18
H02J 7/00−7/12
H02J 7/34−7/36
H02J 50/00−50/90
H04B 5/00−5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線電力レシーバであって、
電力出力に結合されたタンク回路と、前記タンク回路の両端に跨って接続されたスイッチと、を有する主レシーバ回路と、
前記電力出力に結合された補助レシーバ回路インダクタを有する補助レシーバ回路と、
前記タンク回路内に誘発された電力が前記電力出力に供給される開路モードと、前記スイッチが前記タンク回路内に閉じた共振ループを生成することにより、前記主レシーバ回路が共振器として機能する閉路モードと、において前記スイッチを選択的に動作させるように構成されたコントローラと、
を有するレシーバ。
【請求項2】
前記タンク回路は、インダクタと、コンデンサと、を含み、前記インダクタ及び前記コンデンサは、前記スイッチが前記開路モードにある際に、密結合無線電源と効率的に結合するように選択される、請求項1に記載の無線電力レシーバ。
【請求項3】
前記インダクタ及び前記コンデンサは、前記スイッチが前記閉路モードにある際に、中距離無線電源と効率的に結合するように選択される、請求項2に記載の無線電力レシーバ。
【請求項4】
前記補助レシーバ回路は、前記スイッチが前記閉路モードにある際に、前記閉じた共振ループに効率的に結合するように選択される補助レシーバ回路コンデンサを含む、請求項1に記載の無線電力レシーバ。
【請求項5】
前記スイッチは、基準の両側において直列に配列された電界効果トランジスタのペアを含む、請求項1に記載の無線電力レシーバ。
【請求項6】
前記主レシーバ回路は、整流器を含む、請求項1に記載の無線電力レシーバ。
【請求項7】
前記補助レシーバ回路は、整流器を含む、請求項1に記載の無線電力レシーバ。
【請求項8】
前記補助レシーバ回路は、コンデンサを含み、前記補助レシーバ回路インダクタ及び前記補助レシーバ回路コンデンサは、タンク回路を形成し、前記補助レシーバ回路は、前記タンク回路の両端に跨って接続されるスイッチを含む、請求項1に記載の無線電力レシーバ。
【請求項9】
前記コントローラは、前記補助レシーバ回路タンク回路内に誘発された電力が前記電力出力に供給される開路モードと、前記スイッチが前記補助レシーバ回路タンク回路内に閉じた共振ループを生成することにより、前記補助レシーバ回路が共振器として機能する閉路モードと、において前記補助レシーバ回路スイッチを選択的に動作させるように構成されている、請求項8に記載の無線電力レシーバ。
【請求項10】
前記主レシーバ回路及び前記補助レシーバ回路の少なくとも一つは、任意選択のコンデンサを含む、請求項1に記載の無線電力レシーバ。
【請求項11】
前記主レシーバ回路及び前記補助レシーバ回路のうちの少なくとも一つは、任意選択のインダクタを含む、請求項1に記載の無線電力レシーバ。
【請求項12】
前記主レシーバ回路は、複数の整流スイッチを有する能動型整流器を含み、前記主レシーバ回路のスイッチは、前記整流スイッチのうちの少なくとも二つを含み、且つ、
前記コントローラは、前記整流スイッチのうちの少なくとも二つを選択的に動作させて前記タンク回路内に閉じた共振ループを生成するように構成されている、
請求項1に記載の無線電力レシーバ。
【請求項13】
密結合無線電源及び中距離無線電源と共に使用されるように適合可能である無線電力レシーバであって、
タンク回路を有する第1レシーバ回路であって、前記タンク回路が電力出力に結合される密結合構成と、前記タンク回路が前記電力出力から電気的に接続解除/絶縁されると共に閉じた共振ループを形成する共振器構成と、を有する第1レシーバ回路と、
前記電力出力に結合されたインダクタを有する第2レシーバ回路であって、前記閉じた共振器ループと結合するように構成された第2レシーバ回路と、
を有するレシーバ。
【請求項14】
前記第1レシーバ回路は、前記タンク回路の両端に跨って接続されたスイッチを含み、前記スイッチは、前記タンク回路に前記閉じた共振ループを形成させるように選択的に閉路可能である、請求項13に記載のレシーバ。
【請求項15】
前記スイッチを選択的に動作させるように構成されたコントローラを更に含む、請求項14に記載のレシーバ。
【請求項16】
前記スイッチは、基準の両側において直列に配列された一対の電界効果トランジスタを含む、請求項15に記載のレシーバ。
【請求項17】
前記第1レシーバ回路は、整流器を含む、請求項13に記載のレシーバ。
【請求項18】
前記第2レシーバ回路は、整流器を含む、請求項13に記載のレシーバ。
【請求項19】
前記第2レシーバ回路は、コンデンサを更に含み、前記第2レシーバ回路インダクタ及び前記第2レシーバ回路コンデンサは、タンク回路を形成し、前記第1レシーバ回路は、前記第2レシーバ回路タンク回路が前記電力出力に結合される密結合構成と、前記第2レシーバ回路タンク回路が前記電力出力から電気的に接続解除/絶縁されると共に閉じた共振ループを形成する共振器構成と、を有する、請求項13に記載のレシーバ。
【請求項20】
前記第2レシーバ回路は、前記第2レシーバ回路タンク回路の両端に跨って接続されたスイッチを含む、請求項19に記載のレシーバ。
【請求項21】
前記スイッチを選択的に動作させるように構成されたコントローラを更に含み、前記コントローラは、前記第2レシーバ回路スイッチを選択的に動作させるように構成されている、請求項20に記載のレシーバ。
【請求項22】
前記第1レシーバ回路は、任意選択のコンデンサを含む、請求項13に記載のレシーバ。
【請求項23】
前記第1レシーバ回路は、任意選択のインダクタを含む、請求項13に記載のレシーバ。
【請求項24】
前記第1レシーバ回路は、複数の整流スイッチを有する能動型整流器を含み、前記第1レシーバ回路スイッチは、前記整流スイッチのうちの少なくとも2つを含み、且つ、
前記コントローラは、前記整流スイッチのうちの少なくとも2つを選択的に動作させて前記第1レシーバ回路タンク回路内に閉じた共振ループを生成するように構成されている、
請求項15に記載のレシーバ。
【請求項25】
無線電力レシーバを動作させる方法であって、
密結合モードにおいて電源回路として、且つ、中距離モードにおいて共振器として、動作するように構成される能力を有する第1レシーバ回路を提供するステップと、
中距離モードにおいて電源回路として動作する能力を有する第2レシーバ回路を提供するステップであって、前記第2レシーバ回路は、前記第1レシーバ回路が前記共振器として動作するように構成された際に、前記第1レシーバ回路と効率的に結合するようにチューニングされる、ステップと、
無線電源が密結合無線電源であるのか又は中距離無線電源であるのかを判定するステップと、
前記無線電源が密結合無線電源であるという判定の際に、電源回路として動作するように前記第1レシーバ回路を構成するステップと、
前記無線電源が中距離無線電源であるという判定の際に、共振器として動作するように前記第1レシーバ回路を構成するステップと、
を有する方法。
【請求項26】
第1レシーバ回路を提供する前記ステップは、前記第1レシーバ回路に、タンク回路と、前記タンク回路を閉じた共振ループとして選択的に短絡させるように適合されたスイッチと、を提供するステップ、を含み、且つ、
電源回路として動作するように前記第1レシーバ回路を構成する前記ステップは、前記スイッチを開路するステップ、を含む、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
第1レシーバ回路を提供する前記ステップは、前記第1レシーバ回路に、タンク回路と、前記タンク回路を閉じた共振ループとして選択的に短絡させるように適合されたスイッチと、を提供するステップ、を含み、且つ、
共振器として動作するように前記第1レシーバ回路を構成する前記ステップは、前記スイッチを閉路するステップ、を含む、
請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記スイッチは、一対の電界効果トランジスタを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第1レシーバ回路は、任意選択のコンデンサを含み、且つ、
前記方法は、前記任意選択のコンデンサを前記第1レシーバ回路内に選択的に切り替えるステップ、を更に含む、
請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記判定するステップは、
前記無線電源が密結合無線電源であるのか又は中距離無線電源であるのかを示す無線通知を無線電源から取得するステップと、
前記通知に基づいて、前記無線電源が密結合無線電源であるのか又は中距離無線電源であるのかを判定するステップと、
を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記判定するステップは、
前記第1レシーバ回路及び前記第2レシーバ回路のうちの少なくとも1つの回路内において電力の特性を計測するステップと、
前記計測された特性に基づいて、前記無線電源が密結合無線電源であるのか又は中距離無線電源であるのかを判定するステップと、
を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記判定するステップは、
前記第1レシーバ回路内において電力の特性を計測するステップと、
前記第2レシーバ回路内において電力の特性を計測するステップと、
前記計測された特性に基づいて、前記無線電源が密結合無線電源であるのか又は中距離無線電源であるのかを判定するステップと、
を含む、請求項27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線電力伝送に関し、且つ、更に詳しくは、無線電源から電力を無線で受け取るシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線電源システムの使用が成長を続けている。最も一般的な無線電源システムは、電磁界を使用し、無線電源から、セルフォン、スマートフォン、メディアプレーヤ、又はその他の電子装置などの遠隔装置と関連付けられた無線電力レシーバに、無線で電力を伝送している。いくつかの異なるタイプの無線電源システムが存在している。例えば、多くの従来のシステムは、無線電源内の一次コイルと、遠隔装置の無線電力レシーバ内の二次コイルと、を使用している。一次コイルは、無線電源から放出される電磁界を生成する。無線電力レシーバは、一次コイルによって生成される電磁界内に配置可能な二次コイルを含む。遠隔装置が無線電源の十分近傍に配置されている際に、電磁界は、二次コイル内に、例えば、遠隔装置に対する電力供給及び/又は遠隔装置の充電のために遠隔装置が使用可能な電力を誘発する。これらのタイプのシステムは、通常、一次コイルと二次コイルとが相対的に相互に近接している際に、最適な性能を提供する。この理由から、これらタイプのシステムは、しばしば、「密結合」システムと呼ばれる。
【0003】
いくつかの従来の無線電源システムは、一次コイルと二次コイルとが、密結合システムの効率的な使用のために通常は受け入れ可能である距離よりも更に離れている際に、電力を効率的に供給するように構成されている。密結合システムよりも大きな距離において電力を効率的に伝送することができることから、これらのタイプの無線電力伝送システムは、しばしば、「中距離(mid-range)」システムと呼ばれている。代表的な中距離無線電力伝送システムは、100年以上も前に Nicola Telsa によって発見された技術に基づいている(例えば、1901年10月22日付けて発行された特許文献1を参照されたい)。代表的な中距離システムの場合には、電力伝送システムは、一次コイルと二次コイルとの間に、或いは、さもなければ、これらの近傍に、配置された一対の共振器を含む。それぞれの共振器は、インダクタと、コンデンサと、を含むように構成され、且つ、なんらの更なる有意な負荷を含んではいない。この結果、共振周波数におけるインピーダンスが、コンデンサとインダクタとの間の共振電流を極小化する最小値に維持される。その結果、インダクタ内の電流が、共振器内に誘発される無線電力信号を増幅する。信号を増幅するこの能力により、共振器は、無線電源システムの有効距離を拡張するためのブリッジとして機能することができる。使用の際に、一次コイルは、第1共振器内に電力を誘発する電磁界を生成し、第1共振器は、第2共振器内に電力を誘発する増幅された電磁界を生成し、且つ、第2共振器は、二次コイル内に電力を誘発する増幅された電磁界を生成する。
【0004】
共振器の使用は、通常、中距離環境において改善された効率を提供するが、共振器は、無線電源と遠隔装置が過剰に近接している際に、効率を低減する可能性がある。この結果、共振器を内蔵する中距離システムの使用に対して実際的な制限が課されることになる。更には、共振器を有する無線電源は、通常、共振器を有していない遠隔装置と共に効率的に動作しない(且つ、逆も又同様である)。この結果、通常、無線電源は、整合した遠隔装置と対をなす必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第685,012号明細書
【発明の概要】
【0006】
本発明は、異なるタイプの無線電源から無線電力を受け取るために自身を最適化する能力を有する無線電力レシーバを提供する。この無線電力レシーバは、異なる動作パラメータ用に構成された2つのレシーバ回路を含む。一実施形態においては、無線電力レシーバは、主レシーバ回路と、補助レシーバ回路と、を含む。主レシーバ回路は、密結合モード又は共振器モードにおいて動作するように調節可能である。密結合モードにおいては、主レシーバ回路は、遠隔装置の主電源として機能してもよい。共振器モードにおいては、主電力回路は、遠隔装置から電気的に接続解除/絶縁されてもよく、且つ、受け取った無線電力信号を増幅するための共振器として機能してもよい。補助レシーバ回路は、主レシーバ回路が共振器モードにある際には、遠隔装置用の電源として機能するように構成されてもよい。又、補助レシーバ回路は、主レシーバ回路が密結合モードにある際に、遠隔装置に電力を供給する能力を有してもよい。
【0007】
一実施形態においては、主レシーバ回路は、タンク回路を形成すると共に遠隔装置の電力入力に結合されたレシーバコイル(又は、その他のインダクタ)及びレシーバコンデンサを含む。レシーバコイル及びレシーバコンデンサは、共振タンク回路を形成してもよい。共振タンク回路は、整流回路並びに適切なフィルタリング及びコンディショニング回路を通じて電力入力に結合されてもよい。主レシーバ回路は、共振タンク回路が遠隔装置の電力入力から事実上電気的に接続解除/絶縁されると共に共振器として機能する閉じた共振ループとして構成されるように、共振タンク回路を選択的に短絡できるように構成されたスイッチを含む。一実施形態においては、スイッチは、コントローラに結合された2つのFETの構成を含む。コントローラは、主レシーバ回路が共振器モードで機能することが望ましい際に、FETを閉路すると共に共振タンク回路を短絡させるように、構成されてもよい。
【0008】
一実施形態においては、補助レシーバ回路は、遠隔装置の電力入力に結合されたレシーバコイルを含む。補助レシーバコイルは、整流回路並びに適切なフィルタリング及びコンディショニング回路を通じて電力入力に対して電気的に接続されてもよい。補助レシーバコイルの特性は、主レシーバ回路が共振器モードにある際に、補助レシーバコイルが、主レシーバ回路から無線電力を効率的に受け取るべくチューニングされるように、選択されてもよい。
【0009】
又、一実施形態においては、補助レシーバ回路も、密結合モード又は共振器モードにおいて動作するように調節可能であってもよい。この実施形態においては、補助レシーバは、レシーバインダクタとの組合せにおいてタンク回路を形成するレシーバコンデンサを含んでもよい。又、補助レシーバも、閉じた共振ループを形成するように、タンク回路を選択的に短絡させるスイッチを含んでもよい。共振器モードにおいては、補助レシーバ回路は、受け取った無線電力信号を増幅するための共振器として機能してもよい。主レシーバ回路及び補助レシーバ回路は、それぞれが異なる中距離無線電源と共に相対的に効率的に動作するように、異なる方式でチューニングされてもよい。
【0010】
一実施形態においては、主レシーバ回路には、その回路が、異なる無線電力伝送パラメータに対してチューニングされてもよいように、選択的に変化可能な静電容量及び/又は選択的に変化可能なインダクタンスが提供されてもよい。例えば、主レシーバ回路は、コンデンサのバンク及び/又はインダクタのバンクと、望ましい静電容量及び/又は望ましいインダクタンスをレシーバ回路に対して選択的に接続する能力を有するコントローラと、を含んでもよい。
【0011】
一実施形態においては、補助レシーバ回路には、補助レシーバ回路が異なる無線電力伝送パラメータに対してチューニングされてもよいように、選択的に変化可能な静電容量及び/又は選択的に変化可能なインダクタンスが提供されてもよい。例えば、補助レシーバ回路は、コンデンサのバンク及び/又はインダクタのバンクと、望ましい静電容量及び/又は望ましいインダクタンスをレシーバ回路に対して選択的に接続する能力を有するコントローラと、を含んでもよい。いくつかの実施形態においては、主レシーバ回路と補助レシーバ回路は、いずれも、選択的に変化可能な静電容量及びインダクタンスを有してもよい。このような実施形態においては、システムは、両方のレシーバ回路の静電容量及びインダクタンスを制御する能力を有する単一のコントローラを含んでもよい。
【0012】
一実施形態においては、無線電力レシーバは、無線電源から通知を受け取る能力を有する通信システムを含む。この実施形態においては、無線電力レシーバは、密結合モードにおいて動作するのか又は中距離モードにおいて動作するのかを示す通知を受け取ってもよい。中距離モードにおいては、無線電力レシーバは、FET又はその他のスイッチを閉路して主電力レシーバに共振器として機能させるコントローラを含んでもよい。又、主レシーバ回路及び/又は補助レシーバ回路が変化可能な静電容量及び/又は変化可能なインダクタンスを含んでいるシステムにおいては、通信システムを使用し、望ましい静電容量及び/又はインダクタンスを通知してもよく、或いは、適切な静電容量及び/又はインダクタンスを示す情報を伝達してもよい。
【0013】
一実施形態においては、無線電力レシーバは、無線電源からの通知を必要とすることなしに適切な動作モードを判定するように、構成されてもよい。一実施形態においては、無線電力レシーバは、主レシーバ回路及び/又は補助レシーバ回路内に誘発された電流及び/又は電圧を計測する能力を有するセンサを含んでもよい。無線電力レシーバは、センサによって計測された電流及び/又は電圧に基づいて適切な動作モードを判定する能力を有するコントローラを含んでもよい。コントローラは、電流及び/又は電圧のピーク又はRMS値、或いは、電流及び/又は電圧が変化する周波数などの誘発された電力の異なる特性に関する判定に基づいたものであってもよい。別の例として、判定は、電流及び/又は電圧の変化のレートに基づいて実施されてもよい。無線電力レシーバは、主レシーバ回路内において計測された電流及び/又は電圧を補助レシーバ回路内において計測された電流及び/又は電圧と比較すると共にこのような比較から適切な動作モードを判定する能力を有するコントローラを含んでもよい。
【0014】
本発明は、異なるタイプの無線電源から電力を受け取ることができる単純且つ効果的な無線電力レシーバを提供する。一実施形態においては、単一の電力レシーバを、近距離レシーバとして、又は中距離レシーバ用の共振器として、機能するように選択的に再構成することができる。一実施形態おいては、主レシーバ回路及び補助レシーバ回路は、いずれも、共振器として機能する能力を有し、これにより、異なる中距離無線電源に対して適合する能力を無線電力レシーバに対して提供する。一実施形態においては、主レシーバ回路及び/又は補助レシーバ回路内の可変インダクタンス及び/又は可変静電容量を使用し、改善された効率のために無線電源の動作特性の広い範囲にわたってシステムをチューニングできるようにすることができる。又、本発明は、適切な動作モードを判定する様々な代替システム及び方法をも提供する。この結果、本発明を様々な異なる無線電源システムに容易に内蔵することができる。
【0015】
本発明のこれらの及びその他の目的、利点、及び特徴については、現時点における実施形態及び図面の説明を参照することにより、更に十分に理解され、且つ、認識されることになろう。
【0016】
本発明の実施形態の詳細な説明の前に、本発明は、以下の説明に記述されている又は添付図面に図示されているコンポーネントの動作の詳細に又は構造及び構成の詳細に限定されるものではないことを理解されたい。本発明は、様々なその他の実施形態において実装されてもよく、且つ、本明細書に明示的に開示されてはいない代替方法によって実施又は実行されてもよい。又、本明細書において使用されている語法及び用語は、説明を目的としたものであり、且つ、限定を意味するものと見なすべきではないことをも理解されたい。「含む」及び「有する」並びにこれらの変形の使用は、その後に列挙されている項目及びそれらの均等物並びに更なる項目及びそれらの均等物の包含を意味している。更には、様々な実施形態の説明において、列挙が使用される場合がある。特記されていない限り、列挙の使用は、本発明をコンポーネントの任意の特定の順序又は数に限定するものと解釈されるべきではない。又、列挙の使用は、列挙されたステップ又はコンポーネントと組み合わせられるか又はこれらに組み込まれうる任意の更なるステップ又はコンポーネントを本発明の範囲から排除するものと解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態による密結合無線電源及び無線電力レシーバを有する無線電源システムの概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態による中距離無線電源及び無線電力レシーバを有する無線電源システムの概略図である。
【
図3】本発明の第1代替実施形態による中距離無線電源及び無線電力レシーバを有する無線電源システムの概略図である。
【
図4】本発明の第2代替実施形態による密結合無線電源及び無線電力レシーバを有する無線電源システムの概略図である。
【
図5】本発明の第3代替実施形態による中距離無線電源及び無線電力レシーバを有する無縁電源システムの概略図である。
【
図6】本発明の第4代替実施形態による中距離無線電源及び無線電力レシーバを有する無線電源システムの概略図である。
【
図7】本発明の第5代替実施形態による中距離無線電源及び無線電力レシーバを有する無線電源システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1及び
図2には、本発明の一実施形態による無線電力レシーバが示されている。この実施形態の無線電力レシーバ10は、密結合無線電源100(
図1を参照されたい)から又は中距離無線電源100’(
図2を参照されたい)から電力を無線で受け取るように構成されている。無線電力レシーバ10は、無線で受け取った電力を遠隔装置Dに対して供給することができるように、遠隔装置Dに結合されている。無線電力レシーバ10は、異なるタイプの無線電源100、100’から電力を効率的に受け取ることができるように、密結合モード又は中距離モードにおいて動作するべく選択的に再構成される能力を有する。この実施形態の無線電力レシーバ10は、一般に、主レシーバ回路12と、補助レシーバ回路14と、無線電力レシーバ10の動作を制御するコントローラ18と、を含む。この実施形態においては、主レシーバ回路12及び補助レシーバ回路14は、これらの両方が電力を遠隔装置Dに供給する能力を有するように、遠隔装置Dの電力入力に対して並列に接続されている。この実施形態の主レシーバ回路12は、共振タンク回路を含み、且つ、密結合レシーバとして、或いは、中距離電力伝送システム用の共振器として、動作するように選択的に構成される能力を有する。主レシーバ回路12は、密結合無線電源100に伴うレシーバとしての効率的な動作のために、且つ、中距離無線電源100’に伴う共振器としての効率的な動作のために、チューニングされてもよい。この実施形態の補助レシーバ回路14は、インダクタを含み、且つ、主レシーバ回路12が共振器として機能するように構成された際に、主レシーバ回路12から無線電力を効率的に受け取るように構成されている。使用の際に、コントローラ18は、適切な動作モードを判定すると共に密結合レシーバ又は共振器として適宜機能するように主レシーバ回路12を構成する能力を有する。本発明は、適切な動作モードを判定する様々なシステム及び方法を開示する。
【0019】
図1及び
図2は、本発明の一実施形態による無線電力レシーバ10の概略図である。この実施形態の無線電力レシーバ10は、遠隔装置Dの電力入力に結合されてもよい。遠隔装置Dは、基本的に、電力を利用する任意のコンポーネントであってもよい。例えば、遠隔装置Dは、セルフォン、スマートフォン、メディアプレーヤ、パーソナルデジタルアシスタント、ラップトップコンピュータ、ノートブック、又はタブレットコンピュータであってもよい。無線電力レシーバ10によって供給される電力は、電力を遠隔装置Dに対する直接的な電力供給及び/又は遠隔装置D用の電池の充電などのように、基本的に任意の方法によって使用されてもよい。無線電力レシーバ10は、製造者により、遠隔装置D内に直接的に一体化されてもよい。このような実施形態においては、遠隔装置Dは、遠隔装置Dのハウジング内に無線電力レシーバ10を収容するように構成されてもよく、且つ、電力入力は、無線電力レシーバ10から遠隔装置Dの電力管理ユニット(図示されてはいない)に電力を供給する内部電気接続であってもよい。電力管理ユニット(図示されてはいない)は、必要に応じて、例えば、従来の電力制御アルゴリズムを使用して電力を遠隔装置Dに供給するか又は遠隔装置Dの電池を充電することにより、電力の使用を制御してもよい。或いは、この代わりに、無線電力レシーバ10は、無線で電力を受け取るように意図されてはいない遠隔装置Dに装着されることにより、その遠隔装置Dが電力を無線で受け取ることができるようするべく構成されてもよい。
【0020】
上述のように、
図1の無線電力レシーバ10は、一般に、主レシーバ回路12と、補助レシーバ回路14と、無線電力レシーバ10の動作を制御するコントローラ18と、を含む。主レシーバ回路12及び補助レシーバ回路14は、これらの両方が電力を遠隔装置Dに対して供給する能力を有するように、遠隔装置Dの電力入力に結合されてもよい。この実施形態においては、主レシーバ回路12及び補助レシーバ回路14は、遠隔装置Dの電力入力に対して電気的に並列に接続されている。図示されてはいないが、2つのレシーバ回路12及び14は、電力管理ユニットを通じて交互に又は同時に電力を遠隔装置Dに対して供給してもよいように、電力管理ユニット(図示されてはいない)の電力入力に対して並列に接続されてもよい。この実施形態においては、主レシーバ回路12は、適切な電磁界の存在下にある際に電力が誘発されるタンク回路20を含む。この実施形態のタンク回路20は、インダクタ22と、コンデンサ24と、を含む。インダクタ22は、Litzワイヤなどのワイヤのコイルであってもよく、或いは、電力の供給に応答して電磁界を生成する能力を有するその他のコンポーネントであってもよい。コンデンサ24は、従来のコンデンサであってもよく、或いは、タンク回路20用の適切な静電容量を有するその他のコンポーネントであってもよい。タンク回路のインダクタ22及びタンク回路のコンデンサ24は、密結合無線電源の予想動作特性において効率的に動作するように主レシーバ回路12をチューニングするべく意図された特性を有するように選択される。例えば、インダクタ22及びコンデンサ24は、無線電源100からの予想電力レベル及び動作周波数において最適な性能を提供するように選択されてもよい。これには、インダクタンス値、コイルの形状、コイルの直径、ワイヤの巻回数、ワイヤのタイプ、ワイヤのゲージなどのインダクタの、且つ/又は、静電容量値及びコンデンサのタイプなどのコンデンサの、基本的に任意の関連する特性を変化させるステップが伴ってもよい。
【0021】
いくつかの用途においては、遠隔装置D又は無線電力レシーバ内のコントローラ(又は、マイクロプロセッサ)が可能な限り迅速に電源投入されることが望ましいであろう。例えば、いくつかの無線電源システムにおいては、無線電力レシーバ又は遠隔装置Dが無線電源100、100’と通信することが予想されている。これらの通信は、無線電源100、100’と無線電力レシーバ10の間の互換性の保証又は無線電源100、100’、無線電力レシーバ10、又は遠隔装置の動作パラメータの設定の際の有用情報の伝達などの様々な目的のために使用されてもよい。無線電力レシーバ10又は遠隔装置Dが十分迅速に通信できない場合には、無線電源100、100’が電力供給を停止する場合があり、或いは、そうでない場合にも、動作に悪影響が及ぶことになろう。コントローラの可能な限り迅速な電源投入の保証が(例えば、無線電源との間で通知を交換するために)重要である用途においては、主レシーバ回路12が密結合構成にある際にも、コントローラを電源投入させるための十分な電力を中距離無線電源100’から誘発するように、主レシーバ回路12のタンク回路20をチューニングすることが望ましいであろう。これには、密結合無線電源100と共に動作している際の効率におけるトレードオフが伴う場合がある。
【0022】
この実施形態においては、主レシーバ回路12は、整流された電力を遠隔装置Dに供給するように構成されている。相応して、タンク回路20は、整流器を通じて遠隔装置Dの電力入力に対して結合されている。整流器は、用途ごとに変化してもよいが、この実施形態の主レシーバ回路12は、2つのダイオードペアとして構成された4つのダイオード28a〜28dを有する全波整流器26を含む。整流器のタイプ(例えば、全波又は半波)及び具体的な整流器回路(例えば、ブリッジ整流器、中間タップ、ダイオードブリッジ)は、必要に応じて、用途ごとに変化してもよい。遠隔装置DがAC電力によって動作するか又はその独自の整流器を有している用途においては、主レシーバ回路12は、整流器を含まなくてもよい。遠隔装置DがAC電力によって動作する用途においては、タンク回路20を遠隔装置Dから電気的に接続解除/絶縁するべく、更なるスイッチを回路内に含むことが望ましいであろう。必要に応じて、整流器26の出力を、整流された電力のリップルを低減するように構成されたスムージング回路(図示されてはいない)などのフィルタリング及び/又はコンディショニング回路に通してもよい。例えば、リザーバコンデンサ又はスムージングコンデンサを整流器26の出力に結合してもよい。
【0023】
上述のように、無線電力レシーバ10は、密結合モード又は中距離モードにおいて選択的に動作するように構成されている。この実施形態においては、望ましい動作モードは、主レシーバ回路112の構成を変化させることによって実現される。
図1の実施形態においては、主レシーバ回路12は、密結合レシーバとして、或いは、共振器として、動作するように選択的に構成される能力を有する。この再構成を許容するために、主レシーバ回路12は、タンク回路20を選択的に短絡させてタンク回路20に閉じた共振ループを形成させるために閉路させることができるように構成されたスイッチ16を含む。スイッチ16の構成は、変化してもよいが、図示の実施形態のスイッチ16は、接地などの基準34の両側に配置された2つのFET30a、30bを含む。それぞれのFET30a、30bは、FET30a、30bがコントローラ18によって開閉されてもよいように、コントローラ18によって電気的に駆動されるゲート32a、32bを含む。代替スイッチタイプは、リレー、トランジスタ、又はトライアックの構成、或いは、AC回路内において切替機能を提供する能力を有する任意のその他の電気コンポーネントを含んでもよい。スイッチ16が開路状態にある際には、タンク回路20は、整流器26を通じて遠隔装置Dの電力入力に結合された状態に留まる。この構成においては、主レシーバ回路12は、密結合レシーバとして効率的に動作する。スイッチ16が閉路された際に、タンク回路20は、短絡され、且つ、事実上、遠隔装置Dの電力入力から電気的に接続解除/絶縁された状態となる。この構成においては、タンク回路20は、閉じた共振ループとなり、且つ、中距離無線電源からの電力を効率的に受け取り、増幅し、且つ、再伝送する能力を有する共振器として機能する。共振器は、増幅された電磁界を生成することにより、電力を再伝送する。無線電力レシーバ10は、共振器によって提供される増幅された電磁界が補助レシーバ回路14内に電力を効率的に誘発するように、チューニングされる。
【0024】
上述のように、この実施形態の無線電力レシーバ10は、密結合モードと中距離モードの間において無線電力レシーバ10の動作モードを選択的に切り替えるように構成されたコントローラ18を含む。コントローラ18は、FET30a、30bのゲート32a、32bに印加される駆動信号を制御する能力を有する。例えば、コントローラ18は、両方のゲート32a、32bを駆動する単一の出力を有してもよく、或いは、それぞれのゲート32a、32bごとに別個の出力を有してもよい。或いは、この代わりに、コントローラ18は、駆動信号をゲート32a、32bに印加する中間コンポーネントを制御してもよい。この代替肢は、コントローラ18の出力が、ゲート32a、32bを直接的に制御するのに十分なものではない際に、使用されてもよい。いくつかの用途においては、無線電力レシーバ10は、その独自のコントローラを有することになり、且つ、その他の用途においては、無線電力レシーバ10は、コントローラを遠隔装置Dと共有してもよい。例えば、いくつかの用途においては、コントローラ18は、遠隔装置Dの一部分であるコントローラ内において実装されてもよい。使用の際に、この実施形態のコントローラ18は、密結合モードにおいて動作するように主レシーバ回路12を構成するべくスイッチ16を開路するか又は中距離モード用の共振器として動作するように主レシーバ回路12を構成するべくスイッチを閉路する能力を有する。無線電力レシーバ10は、様々な異なる方法を使用して適切な動作モードを判定するように構成されてもよい。一実施形態においては、無線電力レシーバ10は、無線電源100、100’との間の通信を使用して動作モードを判定してもよい。例えば、無線電源100、100’及び無線電力レシーバ10は、いずれも、Bluetooth、WiFi、又はNFC通信トランシーバなどの無線通信トランシーバを含んでもよい。無線電力レシーバ10は、遠隔装置D内に組み込まれた通信システムを使用してもよく、或いは、その独自の専用の通信システムを有してもよい。使用の際には、無線電力レシーバ10は、通信能力を使用し、適切な動作モードについて無線電源100、100’に問い合わせてもよく、且つ、コントローラ18は、相応して主レシーバ回路12を構成してもよい。別の例として、無線電源100、100’及び無線電力レシーバ10は、電力伝送コイルを通じて通信するように構成されてもよい。この例の一実施形態においては、無線電力レシーバ10は、後方散乱変調又は電力伝送コイルを通じて伝達される能力を有する基本的に任意のその他のタイプの通知を使用することにより、無線電源100、100’から通知を受け取る能力を有してもよい。
【0025】
或いは、この代わりに、コントローラ18は、試行錯誤によって適切な動作モードを判定する能力を有してもよい。例えば、コントローラ18は、第1の期間にわたって密結合モードにおいて、且つ、第2の期間にわたって中距離モードにおいて、動作してもよく、且つ、遠隔装置Dに最大量の電力を供給するモードなどの好ましいと証明されたいずれかのモードにおいて動作することを選択してもよい。
【0026】
別の代替方式として、コントローラ18は、主レシーバ回路12及び/又は補助レシーバ回路14内において受け取られた電力の1つ又は複数の特性を検知することにより、適切な動作モードを判定する能力を有してもよい。一実施形態においては、主レシーバ回路12は、主レシーバ回路12内に誘発された電流の大きさを判定する能力を有する電流センサ(図示されてはいない)を含む。電流センサは、電圧センサによって置換されてもよい。いくつかの実施形態においては、主レシーバ回路12は、電流センサ及び電圧センサの両方を含んでもよい。コントローラ18は、電流及び/又は電圧のピーク又はRMS値、電流及び/又は電圧が変化する周波数、又は電流及び/又は電圧の変化のレートなどの計測された信号の異なる特性を評価してもよい。当業者には、様々な電流及び電圧センサが知られている。コントローラ18は、1つ又は複数の検知された値に基づいて正しい動作モードを判定するようにプログラムされてもよい。例えば、主レシーバ回路12が電流センサを含んでいる一実施形態においては、コントローラ18は、検知された電流を既定の値と比較し、無線電力レシーバ10が密結合モードにおいて動作するべきか又は中距離モードにおいて動作するべきかを判定してもよい。別の例において、主レシーバ回路12及び補助レシーバ回路14が、それぞれ、電流センサ、電圧センサ、又はこれらの両方を含んでいる一実施形態においては、コントローラ18は、2つのセンサによって取得された計測値を比較して適切な動作モードを判定してもよい。
【0027】
上述のように、補助レシーバ回路14も、遠隔装置Dの電力入力に結合されている。補助レシーバ回路14は、共振器として動作するように構成されている際に、主レシーバ回路12によって生成される電磁界の存在下において効率的に電力を誘発するように、チューニングされる。この実施形態においては、補助レシーバ回路14は、適切な電磁界の存在下にある際に電力が誘発されるインダクタ40を含む。インダクタ40は、Litzワイヤなどのワイヤのコイルであってもよく、或いは、電力の供給に応答して電磁界を生成する能力を有するその他のコンポーネントであってもよい。インダクタ40は、共振器102’を含む中距離無線電源100’の予想動作特性において効率的に動作するように補助レシーバ回路14をチューニングするべく意図された特性を有するように、選択されている。例えば、インダクタ40は、共振器モードにおいて動作する主レシーバ回路12によって生成される増幅された電磁界の存在下にある際に最大電力を効率的に誘発するように選択されてもよい。インダクタ24と同様に、これには、インダクタンス値、コイルの形状、コイルの直径、ワイヤの巻回数、ワイヤのタイプ、ワイヤのゲージなどのインダクタの、且つ/又は、静電容量値及びコンデンサのタイプなどのコンデンサの、基本的に任意の関係する特性を変化させるステップが伴ってもよい。
【0028】
図示の実施形態においては、補助レシーバ回路14は、共振コンデンサを含んでいないが、必要に応じて、コンデンサを追加し、補助レシーバ回路14にタンク回路を提供してもよい。この実施形態においては、補助レシーバ回路14が周波数の相対的に広い範囲にわたって向上した効率で動作できるようにするために、コンデンサが排除されている。一般に、共振コンデンサの追加は、相対的に小さな動作周波数の範囲において向上した効率を提供することになるが、その範囲の外においては、効率を低減する場合がある。従って、多くの場合に、無線電源がコンデンサの効率性の範囲内において電力を供給すると合理的に予想可能である際には、共振コンデンサを補助レシーバ回路14に追加することが望ましいであろう。
【0029】
この実施形態においては、補助レシーバ回路14は、整流された電力を遠隔装置Dに対して供給するように構成されている。従って、インダクタ40は、整流器を通じて遠隔装置Dの電力入力に結合されている。整流器は、用途ごとに変化してもよいが、この実施形態の補助レシーバ回路14は、2つのダイオードペアとして構成された4つのダイオード44a〜44dを有する全波整流器42を含む。整流器のタイプ(例えば、全波又は半波)及び具体的な整流器回路(例えば、ブリッジ整流器、中間タップ、又はダイオードブリッジ)は、必要に応じて、用途ごとに変化してもよい。遠隔装置DがAC電力によって動作するか又はその独自の整流器を有している用途においては、補助レシーバ回路14は、整流器を含まなくてもよい。必要に応じて、整流器42の出力を、整流された電力のリップルを低減するように構成されたスムージング回路(図示された)などのフィルタリング及び/又はコンディショニング回路に通してもよい。例えば、リザーバコンデンサ又はスムージングコンデンサを整流器42の出力に結合してもよい。
【0030】
いくつかの用途においては、無線電源が遠隔装置の互換性を識別及び/又は検証できるようにするために使用可能な統合された識別コンデンサをシステムが含むことが望ましいであろう。
図3には、無線電力レシーバの一代替実施形態210が示されている。特記されていない限り、無線電力レシーバ210は、全般的に、無線電力レシーバ10と同一であり、且つ、無線電力レシーバ210の特定のコンポーネントは、「2」によって先行されていることを除いて、無線電力レシーバ10と共に使用された同一の参照符号によって識別されている。この代替実施形態においては、主レシーバ回路212は、タンク回路220と並列に配列された識別コンデンサ238を含む。識別コンデンサ238の値は、Qi(登録商標)相互運用可能無線電力規格に準拠することが意図された遠隔装置の場合における1MHzなどの望ましい周波数において共振応答を提供するように、選択されてもよい。
【0031】
図3の無線電力レシーバ210は、主レシーバ回路212内に識別コンデンサ238を含むが、識別コンデンサ238は、別の場所に配置されてもよい。
図4は、識別コンデンサ338が補助レシーバ回路314内に統合されている代替無線電力レシーバ310を示している。例えば、図示の実施形態においては、識別コンデンサ338は、インダクタ340と並列に配列されている。この実施形態においては、直列共振コンデンサ324(即ち、主レシーバ回路312内のタンク回路のコンデンサ)は、並列の識別コンデンサ338から分離されている。これらの異なるコンデンサを異なるコイルに対して接続することにより、いくつかの用途においては、回路のチューニングの際に、いくつかの利点を提供してもよい。特記されていない限り、無線電力レシーバ310は、全般的に、無線電力レシーバ10と同一であり、且つ、無線電力レシーバ310の特定のコンポーネントは、「3」によって先行されていることを除いて、無線電力レシーバ10と共に使用された同一の参照符号によって識別されている。
【0032】
図1の無線電力レシーバ10は、密結合電源用のものと中距離電源用のものという2つの異なる動作モードを許容している。いくつかの用途においては、無線電力レシーバの適合可能性を更に改善することが望ましいであろう。
図5は、更なる適合可能性を提供するように構成された無線電力レシーバの一代替実施形態410を示している。特記されていない限り、無線電力レシーバ410は、全般的に、無線電力レシーバ10と同一であり、且つ、無線電力レシーバ410の特定のコンポーネントは、「4」によって先行されていることを除いて、無線電力レシーバ10と共に使用された同一の参照符号によって識別されている。
図5の無線電源410は、主レシーバ回路412及び補助レシーバ回路414の両方内にスイッチ416、454を含んでいる。スイッチ454に加えて、直列の共振コンデンサ456も、補助レシーバ回路14に追加されている。補助レシーバ回路414内の追加のスイッチ454及びコンデンサ456は、主レシーバ回路412と同様に補助レシーバ回路414が共振器として機能できるようにすることにより、更なる動作モードを可能にしている。例えば、この実施形態においては、両方のスイッチは、主レシーバ回路412及び/又は補助レシーバ回路414が密結合の無線電源から電力を受け取ることができるようにするために、開路状態において留まってもよく、或いは、スイッチ416、454のうちの1つは、無線電力レシーバ410が中距離無線電源から電力を効率的に受け取ることができるようにするために、閉路されてもよい。使用の際に、スイッチ416は、主レシーバ回路412が補助レシーバ回路414用の共振器として動作できるようにするために、閉路されてもよく、或いは、スイッチ454は、補助レシーバ回路414が主レシーバ回路414用の共振器として動作できるようにするために、閉路されてもよい。主レシーバ回路412及び補助レシーバ回路414のコンポーネントの適切なチューニングにより、異なる動作特性を有する中距離無線電源から電力を効率的に受け取るように、無線電力レシーバ410を再構成することができる。例えば、主レシーバ回路412は、第1電力レベル及び第1動作周波数を有する中距離無線電源用の効率的な共振器として動作するように構成されてもよく、且つ、補助レシーバ回路414は、異なる電力レベル及び/又は異なる動作周波数を有する中距離無線電源用の効率的な共振器として動作するように構成されてもよい。
【0033】
2つのスイッチ416、454は、コントローラ418によって制御されてもよい。例えば、コントローラ418は、スイッチ416、454を選択的に開閉して望ましい動作モードを実装する駆動信号を生成する能力を有してもよい。
図1の実施形態と同様に、コントローラ418は、基本的に任意のシステム及び方法に基づいて適切な動作モードを判定する能力を有してもよい。例えば、無線電力レシーバ410は、無線電源との通信、異なる動作モードの連続的な試験、又は主レシーバ回路412及び/又は補助レシーバ回路414内における電力の特性の計測に基づいて適切な動作モードを判定してもよい。
【0034】
いくつかの用途においては、更なるチューニングの選択肢を無線電力レシーバに提供することが望ましいであろう。
図6は、代替無線電力レシーバ510を示しており、この場合に、主レシーバ回路512は、任意選択のコンデンサ550、552を含んでおり、これらのコンデンサ550、552は、単独で又は相互の組合せにおいて回路内に選択的に切り替えることができる。更なるコンデンサ550、552により、例えば、主レシーバ回路512を異なる動作パラメータについてチューニングできるようにしてもよい。例えば、任意選択のコンデンサ550、552の使用は、固定周波数において動作する無線電源から電力を効率的に受け取るように主レシーバ回路512をチューニングする際に、特に有用であろう。別の例として、無線電力レシーバ510内において受け取られる電力の量を制限することが望ましい際に、任意選択のコンデンサ550、552を使用して回路をデチューニングしてもよい。任意選択のコンデンサ550、552は、タンク回路のコンデンサ524と並列に接続されてもよく、且つ、別個のスイッチ562、564を含んでもよい。異なるタイプのスイッチを使用してもよいが、スイッチ562及び564のそれぞれは、バックツーバックのFETのペア558a、558b及び560a、560bと、必要な制御回路と、を含んでもよい。この実施形態においては、コントローラ518は、必要に応じて、FET558a、558b及び5560a、5560bのゲートに対する駆動信号を制御してスイッチ562、564を開閉し、任意選択のコンデンサ550、552を回路内に又は回路から外に切り替えるように、構成されてもよい。コントローラ518は、適切な静電容量を判定する能力を有してもよい。例えば、コントローラ518は、無線電源100、100’との通信、異なる静電容量値を有するシステムの連続的な試験、又は主レシーバ回路512及び/又は補助レシーバ回路514内における電力の特性の計測に基づいて適切な静電容量を判定してもよい。特記されていない限り、無線電力レシーバ510は、全般的に、無線電力レシーバ10と同一であり、且つ、無線電力レシーバ510の特定のコンポーネントは、「5」によって先行されていることを除いて、無線電力レシーバ10と共に使用された同一の参照符号によって識別されている。
【0035】
図示の実施形態は、2つの任意選択のコンデンサを含んでいるが、主レシーバ回路512は、任意の望ましい数の任意選択のコンデンサを含んでもよい。更には、図示の実施形態は、主レシーバ回路512内の任意選択のコンデンサをも示している。更には、又はこの代わりに、任意選択のコンデンサを補助レシーバ回路514に追加し、補助レシーバ回路514のチューニングを許容することもできる。又、
図6の実施形態は、調節可能な静電容量を有するシステムをも示している。いくつかの用途においては、主レシーバ回路512又は補助レシーバ回路514に調節可能なインダクタンスを提供することが望ましいであろう。このような用途においては、回路は、必要に応じて回路内に且つ回路の外に切り替えることができる任意選択のコイル又はコイルセグメントを含んでもよい。いくつかの実施形態においては、回路は、単一のマルチタップコイルを含んでもよく、且つ、異なるタップを使用し、回路のインダクタンスを変化させてもよい。調節可能なインダクタンスは、単独で、或いは、調節可能な静電容量との組合せにおいて、使用されてもよい。
【0036】
図1〜
図6の実施形態は、それぞれ、共振器として機能するように主レシーバ回路を再構成するべくタンク回路を選択的に短絡させるスイッチを含んでいる。いくつかの用途においては、主レシーバ回路は、スイッチの機能を提供できるコンポーネントを既に含んでいてもよい。このような用途においては、別個のスイッチは不要であろう。例えば、
図7は、主レシーバ回路612及び補助レシーバ回路614が、それぞれ、能動型整流器670a、670bを含む無線電源の一実施形態610を示している。特記されていない限り、無線電力レシーバ610は、全般的に、無線電力レシーバ10と同一であり、且つ、無線電力レシーバ610の特定のコンポーネントは、「6」によって先行されていることを除いて、無線電力レシーバ10と共に使用された同一の参照符号によって識別されている。この実施形態においては、能動型整流器670a、670bは、回路内に誘発されたAC電力を整流するために通常は適切な順序において駆動されるFETなどの一連のスイッチ672a〜672d及び674a〜674dを含む準同期式整流器である。この実施形態においては、タンク回路620を短絡させると共に共振器として動作するべく主レシーバ回路612を再構成するように、主レシーバ回路612内の整流器スイッチ672a〜672dを動作させることができる。更に詳しくは、コントローラ618は、補助レシーバ回路614用の共振器として動作するように主レシーバ回路612を再構成することが望ましい際に、スイッチ672a及び672bを閉路させるように、構成されてもよい。閉路されたら、これらのスイッチ672a及び672bは、タンク回路620内に閉じた共振ループを生成し、且つ、電力がスイッチ672c及び672dを通じて遠隔装置Dに流れることを基本的に防止する。主レシーバ回路612との関連において示されているが、この代替方式を補助レシーバ回路614に内蔵してもよい。例えば、補助レシーバ回路614が共振器として選択的に機能することができるように、補助レシーバ回路614の能動型整流器670b内のスイッチをコントローラ618によって動作させてもよい。
【0037】
以上の説明は、本発明の現時点における実施形態に関するものである。均等論を含む特許法の原理に従って解釈することを要する添付の請求項に規定された本発明の精神及び広範な態様を逸脱することなしに、様々な変更及び変形を実施することができる。本開示は、例示を目的として提示されたものであり、且つ、本発明のすべての実施形態のすべてを網羅した説明として、又は請求項の範囲をこれらの実施形態との関連において図示又は説明されている特定の要素に限定するものとして、解釈するべきではない。例えば、且つ、限定を伴うことなしに、説明されている本発明の1つ又は複数の任意の個々の要素は、実質的に類似した機能を提供する又はさもなければ十分な動作を提供する代替要素によって置換されてもよい。これは、例えば、当業者に現時点において既知でありうるものなどの現時点において既知の代替要素と、開発された際に当業者が代替肢として認識しうるものなどの将来開発されることになる代替要素と、を含む。更には、開示された実施形態は、一緒に記述されていると共に協働して利益の集合体を提供しうる複数の特徴を含む。本発明は、添付の請求項に特記されていない限り、これらの特徴のすべてを含む又は主張されている利益のすべてを提供する実施形態にのみ限定されるものではない。例えば、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「該(その)(the)」、又は「前記(said)」という冠詞を使用することによる単数形の請求項要素に対する任意の参照は、その要素を単数形に限定するものとして解釈してはならない。
【0038】
排他的な権利又は権限が請求されている本発明の実施形態は、添付の請求項に規定されているとおりである。