(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項3記載の光学センサにおいて、前記第1および第2光検出器が、相補金属酸化物半導体(CMOS)プロセスを使用して前記半導体基板内にモノリシックに形成されたフォトダイオードである、光学センサ。
請求項1記載の光学センサであって、更に、前記半導体基板上にある光源実装パッドを含み、前記光源が前記光源実装パッド上に実装されると、前記第1および第2光検出器の間を通る前記中央線上に放出点が位置合わせされるように構成され、
前記光源が前記光源実装パッド上に実装される、光学センサ。
請求項7記載の光学センサにおいて、前記不揮発性記憶媒体が、その内部に測定較正情報を格納しており、前記測定コントローラが、前記測定コマンドおよび前記測定較正情報にしたがって、前記光源を制御するように構成される、光学センサ。
請求項7記載の光学センサにおいて、前記不揮発性記憶媒体が、その内部に識別情報を格納しており、前記入力/出力回路が、前記誘導性エレメントを介して前記識別情報をワイヤレスで送信するように構成され、前記測定コントローラが、前記識別情報をワイヤレスで送信するように前記入力/出力回路を制御するように構成される、光学センサ。
請求項1記載の光学センサにおいて、前記光学センサが、前記生体動物内部に当該センサを埋め込むことを可能にする大きさおよび形状を有し、前記測定情報が、前記生体動物内部の前記媒体における検体の濃度を示す、光学センサ。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[0047]
図1Aは、本発明の態様を具体化する光学系センサ(「センサ」)100の簡略模式断面図である。
図1B〜
図1Dは、それぞれ、センサ100を更に詳細に示す斜視図、分解斜視図、および側面図である。非限定的な一実施形態では、センサ100は、センサ筐体102(即ち、本体、シェル、スリーブ、またはカプセル)を含む。センサ筐体102は、エンド・キャップ113を含んでもよい。実施形態例では、センサ筐体102は、例えば、アクリル・ポリマー(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA))のような、適した透光性ポリマー材料で形成されるとよい。
【0025】
[0048] センサ100は、指示分子104を含むことができる。指示分子104は、蛍光指示分子、または吸収指示分子でもよい。非限定的な実施形態では、センサ100はセンサ筐体102の外表面の少なくとも一部に被覆されたまたは埋め込まれた基質層106(即ち、グラフィットまたはジェル)を含むことができ、指示分子104はこの基質層106全域に分散される。基質層106は、センサ筐体102の表面全体を覆う(
図1A参照)か、または筐体102の表面の1つ以上の部分のみを覆う(
図1Cおよび
図1D参照)のでもよい。同様に、指示分子104は、基質層106全体にわたって分散されるのでも、基質層106の1つ以上の部分のみに分散されるのでもよい。更に、基質層106をセンサ筐体102の外表面上に被覆することの代案として、基質層106が、堆積または接着によるというような他の方法で、センサ筐体102の外表面上に配置されるのでもよい。
【0026】
[0049] 基質層106を含む実施形態では、基質層106は、生体適合性があるポリマー基質を含むのでもよく、当技術分野において周知の方法にしたがって準備されセンサ筐体102の表面に被覆される。ある種の実施形態では、生体適合性がある基質材料は、検体に対して浸透性がある。本発明の実施形態と共に使用することができる生体適合性基質材料の例には、メタクリレート(例えば、HEMA)およびハイドロジェルが含まれ、分画分子量機能を実行するように、特に検体に対して、選択的に浸透性にすることができるという利点がある。基質層106を含まない代替実施形態では、基質層106全体に分散する代わりに、指示分子104を単にセンサ筐体102の表面上に被覆することもできる。
【0027】
[0050] 図示する実施形態では、センサ100は光源108を含む。光源108は、例えば、発光ダイオード(LED)または他の光源でもよく、指示分子104と相互作用する波長範囲にわたる放射光線を含む、放射光線を放出する。例えば、蛍光系センサの場合、光源108は指示分子104に蛍光を発生させる波長の放射光線を放出する。非限定的な一実施形態では、光源108が、例えば、日亜化学工業株式会社(www.nichia.com)からの型番がEU-U32SBというLEDを使用して実現してもよい。しかしながら、センサ110に適用される特定の指示分子および検出しようとする特定の対象検体に応じて、他のLEDまたは光源が使用されてもよい。
【0028】
[0051] 図示する実施形態では、センサ100は1つ以上の光検出器110(例えば、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトレジスタ、または他の感光性エレメント)も含む。光検出器110は、蛍光系センサの場合、指示分子104によって放出される蛍光光に感応して、光検出器110がそれに応答して、指示分子の蛍光レベルを示す信号を生成する。
【0029】
[0052]
図1A、
図1B、
図1C、および
図1Dに示すように、センサ100の実施形態は、ハイ・パス・フィルタまたはバンド・パス・フィルタのような、1つ以上の光学フィルタを含む場合もある。1つ以上の光学フィルタ112は、1つ以上の光検出器110の感光側を覆うのでもよい。一実施形態では、1つの光学フィルタ112が1つ以上の光検出器110の全てを覆うのでもよいが、代替実施形態では、1つ以上の光学フィルタ112の各々が1つ以上の光検出器110の内1つだけに対応し、1つ以上の光検出器110の内この1つだけを覆うのでもよい。1つ以上の光学フィルタ112は、光源108から生成される放射光線が、1つ以上の光検出器110の感光側に入射するのを防止するか、またはその量を著しく減少させることができる。同時に、1つ以上の光学フィルタ112は、指示分子104によって放出される光(例えば、蛍光光)を通過させ、1つ以上の光検出器110の感光側に衝突させることができる。これにより、1つ以上の光検出器110によって出力される光測定信号における、光源108からの入射放射光線に帰される「ノイズ」を大幅に低減する。
【0030】
[0053]
図1Aおよび
図1Bに示すように、実施形態では、センサ100が完全に自己充足型であるとよい場合もある。言い換えると、このセンサは、センサに電力を供給するため(例えば、光源108を駆動するため)またはセンサ100から信号を送信するために、センサ筐体102の内部または外部に電気リードを引かないように組み立てることができる。代わりに、一実施形態では、センサ100が、例えば、マイクロバッテリ、マイクロ発電機、および/または他の電源というような、内部の自己充足型電源によって給電されるのでもよい。しかしながら、好ましい一実施形態では、センサ100は外部電源(図示せず)によって給電されてもよい。例えば、外部電源は、誘導性エレメント114(例えば、コイルまたは他の誘導性エレメント)に電流を誘発するために磁場を生成することができる。加えて、センサ100は、情報を外部データ・リーダ(図示せず)に伝えるために、誘導性エレメント114を使用してもよい。実施形態では、外部電源およびデータ・リーダが同じデバイスであってよい場合もある。
【0031】
[0054] 実施形態では、センサ100が半導体基板116を含む。
図1A〜
図1Dに示す実施形態では、回路が半導体基板116内に製作される。この回路は、アナログ回路および/またはディジタル回路を含むことができる。非限定的な一実施形態では、この回路は、相補金属酸化物半導体(CMOS)プロセスを用いて、半導体基板116内に形成することができる。しかしながら、他の形成プロセス(例えば、n型金属酸化物半導体(NMOS)またはn型金属酸化物半導体(PMOS))も代わりに使用してもよい。
【0032】
[0055] また、好ましい実施形態では、回路が半導体基板116内に製作されるが、代替実施形態では、回路の一部または全部が半導体基板116に実装される、またはそれ以外で取り付けられるのでもよい。言い換えると、代替実施形態では、回路の一部または全部がディスクリート回路エレメント、集積回路(例えば、特定用途集積回路(ASIC))および/または他の電子ディスクリート・コンポーネントを含んでもよく、そして半導体基板116に固着されるのでもよい。半導体基板116は、種々の固着されたコンポーネント間に通信経路を設けることができる。
【0033】
[0056] 実施形態では、1つ以上の光検出器110が半導体基板116上に実装されてもよいが、好ましい実施形態では、1つ以上の光検出器110が半導体116内に製作されてもよい。例えば、非限定的な一実施形態では、1つ以上の光検出器110がモノリシックに半導体基板116内に形成されてもよい。例えば、一実施形態では、1つ以上の光検出器110が、相補金属酸化物半導体(CMOS)プロセスを使用して(例えば、CMOSプロセスからの拡散を使用する)半導体基板116内にモノリシックに形成されてもよい。しかしながら、他の形成プロセス(例えば、NMOSまたはPMOS)も使用してもよい。
【0034】
[0057] 実施形態では、光源108が半導体基板116上に実装されてもよい。例えば、非限定的な一実施形態では、光源108が半導体基板116上にフリップ・チップ実装されてもよい。しかしながら、実施形態には、光源108が半導体基板116内に製作されてもよい場合もある。
【0035】
[0058]
図1A〜
図1Cに例示する実施形態に示すように、実施形態には、センサ100が1つ以上のキャパシタ118を含む場合もある。1つ以上のキャパシタ118は、例えば、1つ以上のアンテナ同調キャパシタおよび/または1つ以上の調整(regulation)キャパシタであってもよい。1つ以上のキャパシタ118は、半導体基板116内に製作するには大きすぎて実用的でない可能性もある。更に、1つ以上のキャパシタ118が、半導体基板116内に製作される1つ以上のキャパシタに追加されるのでもよい。
【0036】
[0059] 実施形態では、センサ100が反射器(例えば、ミラー)119を含んでもよい。
図1A、
図1C、および
図1Dに示すように、反射器119は、半導体基板116の端部に取り付けることができる。非限定的な一実施形態では、反射器119の面部121が概略的に半導体基板116の上側に対して垂直になり光源108に面するように、反射器119が半導体基板116に取り付けられるとよい(即ち、光源108および1つ以上の光検出器110が実装または製作される半導体基板の側面)。反射器191の面121は、光源108によって放出される放射光線を反射することができる。言い換えると、反射器119は、光源108から放出される放射光線がセンサ100の軸端に入射しないように阻止することができる。例えば、一実施形態では、面121は反射性コーティングがその上に施されてもよいが、他の実施形態では、面121が反射性材料で構成されてもよい。代替実施形態では、半導体基板116の端部に取り付けられる代わりに、反射器119は半導体基板116の上面側に実装されてもよい(例えば、その上面側の溝の中に)。
【0037】
[0060] 本発明の一態様によれば、センサ110が開発された目的である用途は、動物(人間を含む)の生体における種々の生物的検体の測定であるが、唯一つの用途にしか適していないという訳では決してない。例えば、センサ110は、グルコース、酸素、毒素、医薬(pharmaceutical)またはその他の薬物(drug)、ホルモン、および、例えば、人間の身体におけるその他の代謝検体を測定するために使用することができる。基質層104および指示分子106の具体的な組成は、センサを使用して検出する個々の検体および/または検体を検出するためにセンサを使用する場所(即ち、血液中または皮下組織中)に応じて、様々に異なる可能性がある。しかしながら、好ましくは、基質層104があると、指示分子を検体に露出し易くなるはずである。また、指示分子の光学特性(例えば、蛍光指示分子の蛍光レベル)が、この指示分子が露出される特定の検体の濃度の関数となることが好ましい。
【0038】
[0061] 人間の身体における現場使用を容易にするために、センサ筐体102は、一実施形態では、滑らかな楕円形または角を落として丸くした形状に形成されることが好ましい。勿論、他の形状および外形も使用することができる。ある種の実施形態では、センサ100は、長さLが約500ミクロンから約0.85インチ程度であり、直径Dが約300ミクロンから約0.3インチ程度であると有利である。ある種の実施形態では、センサ100は全体的に滑らかで角を丸くした表面を有することができる。この外形は、センサ100が肝心な身体機能と干渉したり過度な痛みや不快を生ずることなく、センサ100を人間の身体内に、即ち、経皮的にまたは下地の組織の中に(臓器または血管内を含む)埋め込みやすくする。しかしながら、その小さいサイズを考えると、センサ100は異なる形状および外形を有してもよく、それでもなお、センサが必須な身体機能と干渉したり過度な痛みや不快を生ずることなく、人間の中に埋め込むことが可能であろう。
【0039】
[0062] 実施形態では、筐体の好ましい長さは、約0.5インチから0.85インチであり、好ましい直径は、約0.1インチから約0.11インチである。しかしながら、他の実施形態では、筐体は更に小さくてもよい。
【0040】
[0063] 更に、人間(または他の動物)の内部に置かれるインプラントはいずれも、「生物適合性がある」材料で構成されるインプラントであっても、単にインプラントが刺激を与えるという事実のために、ある程度、インプラントが挿入される組織内において「異物反応」を生ずることは認められよう。生体動物(例えば、生体人間)の身体内に埋め込まれてもよいセンサ100のようなセンサの場合、「異物反応」は殆どの場合線維性被包(fibrotic encapsulation)、即ち、瘢痕組織の形成である。センサ100は、検体(例えば、グルコースおよび酸素)の存在および/または濃度を検出するために使用することができるが、この検体は、その拡散速度または移動(transport)がこのような線維性被包によって阻害される可能性がある。これは単に、線維性被包(瘢痕組織)を形成する細胞が、性質上非常に濃く、通常の組織とは異なる代謝特性を有する可能性があるからである。
【0041】
[0064] この潜在的な阻害、または指示分子104を生物検体に露出するときの遅延を克服するために、センサ100はセンサ/組織界面層を含むことができる。このセンサ/組織界面層は、例えば、僅かなレベルまたは容認可能なレベルの線維性被包しか形成させないことができる。実施形態では、このセンサ/組織界面層は、米国特許第6,330,464号に記載されたセンサ/組織界面層の実施形態のいずれにしたがってもよい。この特許をここで引用したことにより、その全体が本願にも含まれるものとする。
【0042】
[0065]
図2Aおよび
図2Bは、センサ100の斜視図を示す。
図2Aおよび
図2Bでは、実施形態によってはセンサ100に含まれることがある反射器119が図示されていない。
図2Aおよび
図2Bに示す実施形態では、誘導性エレメント114がコイル220を構成する。一実施形態では、コイル220は銅製コイルであるが、例えば、スクリーン・プリンティングした金のような他の導電性材料を代わりに使用してもよい。実施形態では、コイル220はフェライト・コア222の周囲に形成される。コア222は、ある実施形態ではフェライトであるが、他の実施形態では、他のコア材料を代わりに使用してもよい。
【0043】
[0066] 実施形態では、コイル220の主要軸(磁気的に)がフェライト・コア222の長手方向軸に対して平行になるように、コイル220をフェライト・コア222の周囲に印刷することによって、フェライト・コア222上にコイル222が形成される。フェライト・コア上に印刷されたコイルの非限定的な一例が、米国特許第7,800,078号に記載されている。この特許をここで引用したことによりその内容全体が本願にも含まれるものとする。代替実施形態では、コイル220がワイヤ巻回コイルであってもよい。しかしながら、コイル220が印刷コイルである実施形態は、ワイヤ巻回コイルよりも好ましい。何故なら、各ワイヤ巻回コイルは、製造許容度のために特性が僅かに異なるからであり、関連するアンテナと動作周波数を適正に一致させるために、ワイヤ巻回コイルを使用する各センサを個々に調整する必要もあるかもしれないからである。対照的に、印刷コイルは、自動技法を使用して製造することができ、高度の再生産性および物理特性の均質性や、信頼性が得られ、これはインプラントの用途には重要であり、製造において価格効率を高める。
【0044】
[0067] 実施形態では、誘電体層がコイル220の上に印刷されてもよい。この誘電体層は、非限定的な一実施形態では、ガラス系絶縁体であり、コイル220上にスクリーン・プリンティングされ焼き付けられる。一実施形態例では、1つ以上のキャパシタ118および半導体基板116が、この誘電体を貫通するビア上に実装されてもよい。
【0045】
[0068]
図2Aおよび
図2Bに示す実施形態では、1つ以上の光検出器110は、第1光検出器224と第2光検出器226とを含む。第1および第2光検出器224および226は、半導体基板116上に実装されても、その中に製作されてもよい。
図2Aおよび
図2Bに示す実施形態では、センサ100は1本以上の光ファイバ112を含んでもよいが、これらは図示されていない。
【0046】
[0069]
図3Aおよび
図3Bは、本発明の一実施形態によるセンサ100の端部断面図を示す。
図3Aおよび
図3Bでは、実施形態によってはセンサ100に含まれることもある反射器119が図示されない。
図3Aおよび
図3Bに示すように、実施形態では、基質層106が指示メンブレーン106’および基準メンブレーン106”を有してもよい。非限定的な一実施形態では、検体(例えば、酸素、グルコース等)に感応する指示分子104は、指示メンブレーン106’および基準メンブレーン106”双方に全体的に分散されてもよく、指示メンブレーン106’の材料は検体に対して浸透性であるとよく、基準メンブレーン106”の材料は検体に対して非浸透性であるとよい。つまり、指示メンブレーン106’内の指示分子104は検体の存在および/または濃度による影響を受けるとよく、基準メンブレーン106”内の指示分子104は検体の存在および/または濃度によって影響を受けない、またはほぼ影響を受けないとよい。
【0047】
[0070] 実施形態では、センサ100が1つ以上の信号チャネル(即ち、検体検知指示チャネル)および1つ以上の基準指示チャネル(即ち、基準チャネル)を含んでもよい。
図3Aおよび
図3Bに示す実施形態では、センサ100は1つのチャネル(例えば、指示メンブレーン106’および第1光検出器224を含む)と、基準チャネル(例えば、基準メンブレーン106”および第2光検出器226を含む)とを有する。信号チャネルおよび基準チャネルは、センサ100が指示測定値(信号チャネルによって)および基準測定値(基準チャネルによって)を得ることを可能にするとよい。基準測定値は、例えば、指示測定値のみで得ることができる読み取り値を更に精度高く得るために使用することができる。
【0048】
[0071] 動作において、
図3Bに示すように、光源108(例えば、LED)が励起光329を放出することができ、励起光329は、センサ筐体102内を進行し、指示および基準メンブレーン106’および106”に達する。非限定的な一実施形態では、励起光329は、指示および基準メンブレーン106’および106”内に分散された指示分子104に蛍光を発生させることができる。指示メンブレーン106’は、センサ100が埋め込まれる媒体(例えば、間質液(ISF)または血液)内における検体に対して浸透性があるので、指示メンブレーン106’における指示分子104は媒体内の検体と相互作用することができ、励起光329によって照射されると、媒体内にある検体の存在および/または濃度を示す指示蛍光光331を放出することができる。基準メンブレーン106”は、センサ100が埋め込まれる媒体内の検体に対して非浸透性であるので、基準メンブレーン106”内の指示分子104は媒体内の検体と相互作用することができず、励起光329によって照射されると、媒体内にある検体の存在および/または濃度には影響されないまたはほぼ影響されない基準蛍光光333を放出することができる。指示蛍光光331は、第1光検出器224によって受光することができ、基準蛍光光333は第2光検出器226によって受光することができる。
【0049】
[0072] 実施形態では、センサ100がバッフル327を含むとよい場合もあり、例えば、バッフル327は、指示および基準メンブレーン106’および106”内にある指示分子104から放射される光のクロストークを防止することができる。一実施形態では、バッフル327は、第1および第2光検出器224および226に影響を及ぼす可能性がある放射光線に対して不浸透であるとよい(例えば、バッフルを黒等に着色するとよい)。また、
図3Aおよび
図3Bには示されないが、光センサ100は、付加的に、1つ以上のフィルタ(例えば、1つ以上のフィルタ112)も含むとよく、このフィルタは、例えば、光源108によって放出される光の波長またはスペクトルを除外するのであるとよい。
【0050】
[0073] 一実施形態では、指示メンブレーン106’内に分散された指示分子104は、基準メンブレーン106”に分散された指示分子104と同じであってもよいが、他の実施形態では、指示メンブレーン106’内に分散された指示分子104は基準メンブレーン106”内に分散された指示分子104と異なってもよい。加えて、一実施形態では、指示および基準メンブレーン106’および106”の各々において1種類の指示分子104のみが分散されるのでもよいが、他の実施形態では、異なる種類の指示分子104が、指示および基準メンブレーン106’および106”の各々において分散されてもよい。また、米国特許第6,330,464号は、指示および基準メンブレーンならびに種々の信号および基準チャネル構成における使用のための種々の指示分子について記載しており、これらは、本発明による異なる実施形態に組み込むこともできる。この特許をここで引用したことによりその内容全体が本願にも含まれるものとする。
【0051】
[0074]
図3Cおよび
図3Dは、本発明の代替実施形態によるセンサ100の端部断面図を示す。
図3Cおよび
図3Dにおいて、センサ100の実施形態によっては含まれることもある反射器119は示されない。
図3Cおよび
図3Dに示すように、実施形態では、検体(例えば、酸素、グルコース等)に感応する指示分子104が、基質層/グラフト106全体に分散されるとよく、基質層/グラフト106は検体に対して浸透性であるとよい。センサ100は、信号チャネル(例えば、指示分子104および第1光検出器224を含む)と、基準チャネル(例えば、第2光検出器226を含む)とを有することができる。信号チャネルおよび基準チャネルは、センサ100が指示測定値(信号チャネルによって)および基準測定値(基準チャネルによって)を得ることを可能にするとよい。基準測定値は、例えば、指示測定値のみで得ることができる読み取り値を更に精度高く得るために使用することができる。
【0052】
[0075] 動作において、
図3Dに示すように、光源108(例えば、LED)は励起光329を放出することができ、励起光329はセンサ筐体102内を進行する。励起光329の一部は、基質層106内にある指示分子104に到達することができる。励起光329の一部は、反射光335として、基質層106から反射されるとよい。非限定的な一実施形態では、指示分子104に到達する励起光329は、指示分子104に蛍光を発生させることができる。基質層106における指示分子104は、媒体内の検体と相互作用することができ、励起光329によって照射されると、媒体内の検体の存在および/または濃度を示す指示蛍光光331を放出することができる。光学フィルタ(1つまたは複数)112、第1光検出器224、および第2光検出器226は、第1光検出器224が(主に)指示蛍光光331を受光し、第2光検出器226が(主に)反射光335および基質層106に遭遇することなく第2光検出器226に到達した励起光329(例えば、光源108から直接受光され、および/またはセンサ筐体102から反射した後に受光される励起光328)を受光するように構成されるとよい。例えば、実施形態では、光学フィルタ(1つまたは複数)112が、光源108から放出される励起光329の波長を有する光(例えば、反射光335および励起光329)が第1光検出器224に到達するのを防止するように構成することができ、更に指示分子104によって放出される指示蛍光光331の波長を有する光が第2光検出器226に到達するのを防止するように構成することができる。
【0053】
[0076] 他の代替実施形態では、検体(例えば、酸素、グルコース等)に感応する指示分子104および検体には不感応な基準指示分子の双方が、検体に対して透湿性があるとよい基質層106全体に分散されてもよい。言い換えると、基質層106における指示分子104は検体の存在および/または濃度によって影響を受けてもよいが、基質層106における基準指示分子は検体の存在および/または濃度によって影響を受けないまたはほぼ影響を受けないとよい。動作において、光源108は励起光329を放出することができ、励起光329は、センサ筐体102内を進行し、基質層106内にある指示分子104および基準指示分子に到達する。励起光329は、指示分子104および基準指示分子に、異なる波長で蛍光を発生させることができる。基質層106における指示分子104は、媒体内における検体と相互作用することができ、励起光329によって照射されると、媒体内にある検体の存在および/または濃度を示す指示蛍光光331を放出することができる。基質層106における基準指示分子は、励起光329によって励起されると、媒体内の検体の存在および/または濃度によって影響されないまたはほぼ影響されない基準蛍光光333を放出することができる。光学フィルタ(1つまたは複数)112は、基準指示分子によって放出される基準蛍光光333の波長を有する光が第1光検出器224に到達するのを防止することができ、更に指示分子104によって放出される指示蛍光光331の波長を有する光が第2光検出器226に到達するのを防止することができる。加えて、光学フィルタ112は、励起光329の波長を有する光が、第1光検出器224および第2光検出器226に到達するのを防止することもできる。
【0054】
[0077]
図4は、コンタクト(contact)(即ち、ピン、パッド、または接続)428を示す模式図である。コンタクト428は、外部センサ・コンポーネント(即ち、半導体基板116外部のセンサ・コンポーネント)を、コイル220を誘導性エレメント114として有するセンサ100の非限定的な一実施形態にしたがって半導体基板116内に作成された回路に電気的に接続することを可能にする。
図4に示すように、実施形態では、コイル220が半導体基板116のコイル・コンタクト428aおよび428bに接続されてもよい。非限定的な一例では、コイル220は、1つ以上のキャパシタ118と並列に、コイル・コンタクト428aおよび428bに接続されてもよい。キャパシタ118は、1つ以上の調整キャパシタであってもよい。
【0055】
[0078]
図4に示すように、第1および第2光検出器224および226のような1つ以上の光検出器110が半導体基板116に実装された実施形態では、実装された第1および第2光検出器224および226が、図示のように、光検出器のコンタクト428c、428d、および428eに接続されてもよい。しかしながら、第1および第2光検出器224および226のような1つ以上の光検出器110が半導体基板116内に製作された実施形態では、光検出器のコンタクト428c、428d、および428eは必要ない場合もあり、含まれなくてもよい。
【0056】
[0079]
図4に示すように、光源108が半導体基板116上に実装された実施形態では、実装された光源108が、図示のように、光源コンタクト428fおよび428gに接続されるとよい。しかしながら、光源108が半導体基板116内に製作される実施形態では、光源コンタクト428fおよび428gは不要であり、含まれなくてもよい。
【0057】
[0080]
図4に示すように、実施形態では、1つ以上の調整キャパシタであってもよい1つ以上のキャパシタ118がコンタクト428hおよび428iに接続されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、センサが1つ以上の調整キャパシタを含まなくてもよい場合もあり、半導体基板116はコンタクト428hおよび428iを含まなくてもよい。
【0058】
[0081]
図4に示すコンタクト428は、半導体基板116上に含むことができる全てのコンタクトの網羅的リストではなく、図示する外部センサ・コンポーネントは、半導体基板116に接続することができる外部センサ・コンポーネントの網羅的リストではない。半導体基板116の実施形態が、1つ以上の追加のコンタクト428を含んでもよい場合もあり、実施形態では、1つ以上の追加の外部センサ・コンポーネントが半導体基板116に接続されてもよい場合もある。例えば、非限定的な実施形態は、外部温度変換器のために1つ以上のコンタクト428を含んでもよく、半導体基板116内に製作される回路がリセットされることを可能にする1つ以上のコンタクト428を含んでもよく、および/または半導体基板116内に製作された回路の検査において補助する1つ以上のコンタクト428(例えば、半導体基板116内に製作することができる復調器の出力に接続される復調出力コンタクト)を含んでもよい。更に、実施形態では、半導体基板116上に製作される回路への電気的接続を可能にするコンタクト428の1つ以上が二重パッドを有してもよい。例えば、非限定的な一実施形態では、全てのコンタクト428が二重パッドを有してもよい。
【0059】
[0082]
図5は、前述の回路が半導体基板116内に製作される一実施形態によるセンサ100の回路の主要機能ブロックを示すブロック図である。
図5に示す実施形態では、半導体基板116内に製作される回路は、入力/出力(I/O)回路530、測定コントローラ532、およびアナログ・インターフェース534を含むことができる。I/O回路530は、I/Oフロントエンド・ブロック536およびI/Oコントローラ538を含むことができる。
【0060】
[0083]
図6は、回路が半導体基板116内に製作される非限定的な一実施形態によるセンサ100の回路の機能ブロックを更に詳細に示すブロック図である。
図6の実施形態に示すように、実施形態では、I/O回路530のI/Oフロントエンド・ブロック536が、コイル220の形態とすればよい外部誘導性エレメント114に、コイル・コンタクト428aおよび428bを介して接続されるとよい。I/Oフロントエンド・ブロック536は、整流器640、データ・エキストラクタ642、クロック・エキストラクタ644、クランプ/変調器646、および/または分周器648を含むことができる。データ・エキストラクタ642、クロック・エキストラクタ644、およびクランプ/変調器646は、各々、コイル・コンタクト428aおよび428bを介して、外部コイル220に接続されるとよい。整流器640は、コイル220によって生成される交流電流を、センサ100に給電するために使用することができる直流電流に変換することができる。例えば、直流電流は、例えば、電圧VDD_Aのような1つ以上の電圧を生成するために使用することができ、電圧VDD_Aは、1つ以上の光検出器110を給電するために使用することができる。非限定的な一実施形態では、整流器640はショットキ・ダイオードとすればよいが、しかしながら、他の実施形態では他のタイプの整流器を使用することもできる。データ・エキストラクタは、コイル220によって生成される交流電流からデータを抽出することができる。データ・エキストラクタ644は、コイル220によって生成される交流電流からある周波数(例えば、13,56MHz)を有する信号を抽出することができる。分周器648は、クロック・エキストラクタ644によって出力された信号の周波数を分周することができる。例えば、非限定的な一実施形態では、分周器648は、4:1分周器とするとよく、ある周波数(例えば、13.56MHz)を有する信号を入力として受け、この入力信号の周波数の1/4に等しい周波数(例えば、3.39MHz)を有する信号を出力する。整流器640の出力は、1つ以上の外部キャパシタ118(例えば、1つ以上の調整キャパシタ)にコンタクト428hおよび428iを介して接続することができる。
【0061】
[0084] 実施形態では、I/O回路530のI/Oコントローラ538は、デコーダ/シリアライザ650、コマンド・デコーダ/データ・エンコーダ652、データおよび制御バス654、データ・シリアライザ656、および/またはエンコーダ658を含むことができる。デコーダ/シリアライザ650は、コイル220によって生成された交流電流からデータ・エキストラクタ642によって抽出されたデータを、デコードし直列化することができる。コマンド・デコーダ/データ・エンコーダ652は、デコーダ/シリアライザ650によってデコードされ直列化されたデータを受けることができ、このデータからコマンドをデコードすることができる。データおよび制御バス654は、コマンド・デコーダ/データ・エンコーダ652によってデコードされたコマンドを受け、このデコードされたコマンドを測定コントローラ532に転送することができる。また、データおよび制御バス654は、測定情報のようなデータを測定コントローラ532から受けることもでき、受け取ったデータをコマンド・デコーダ/データ・エンコーダ652に転送することができる。コマンド・デコーダ/データ・エンコーダ652は、データおよび制御バス654から受けたデータをエンコードすることができる。データ・シリアライザ656は、エンコードされたデータをコマンド・デコーダ/データ・エンコーダ652から受けることができ、エンコードされたデータを受けて直列化することができる。エンコーダ658は、データ・シリアライザ656から直列化データを受けることができ、この直列化データをエンコードすることができる。非限定的な一実施形態では、エンコーダ658が、シリアル化データにマンチェスタ・エンコーディング(即ち、位相エンコーディング)を適用するマンチェスタ・エンコーダであってもよい。しかしながら、他の実施形態では、例えば、8B/10Bエンコーディングを直列化データに適用するエンコーダというような、他のタイプのエンコーダを代わりにエンコーダ658に使用してもよい。
【0062】
[0085] I/Oフロントエンド・ブロック536のクランプ/変調器646は、エンコーダ658によってエンコードされたデータを受けることができ、誘導性エレメント114(例えば、コイル220)を通過する電流を、エンコードされたデータの関数として変調することができる。このように、エンコードされたデータは、ワイヤレスで誘導性エレメント114によって、変調電磁波として伝えることができる。このワイヤレスで伝えられたデータは、例えば、外部読み取りデバイスのコイル内において変調電磁波によって誘発される電流を測定することによって、この外部読み取りデバイスによって検出することができる。更に、コイル220を通過する電流を、エンコードされたデータの関数として変調することによって、コイル220がセンサ100のために動作電力を生成するために使用されている間であっても、エンコードされたデータをワイヤレスでコイル220によって、変調電磁波として伝えることができる。例えば、米国特許第6,330,464号および第8,073,548号を参照のこと。これらの特許をここで引用したことによりその内容全体が本願にも含まれるものとする。これらの特許は、動作電力を光センサに供給するため、そしてデータをこの光センサからワイヤレスで伝えるために用いられるコイルについて記載する。実施形態では、エンコードされたデータは、データ(例えば、コマンド)がセンサ100によって受信されていない時間に、センサ100によってクランプ/変調器646を用いて伝えられ、データ抽出器642によって抽出される。例えば、非限定的な一実施形態では、全てのコマンドが外部センサ・リーダ(例えば、
図15のセンサ1500)によって発せられ、センサ100によって応答されるのでもよい(例えば、コマンドを実行した後、またはコマンド実行の一部として)。実施形態では、誘導性エレメント114によって受信される通信、および/または誘導性エレメント114によって伝えられる通信は、無線周波(RF)通信とすることができる。図示する実施形態では、センサ100は1つのコイル220を含むが、センサ100の代替実施形態は2つ以上のコイル(例えば、データ送信のために1つのコイル、そして給電およびデータ受信のために1つのコイル)を含んでもよい。
【0063】
[0086] 一実施形態では、I/Oコントローラ538が不揮発性記憶媒体660も含んでもよい。非限定的な一実施形態では、不揮発性記憶媒体660は、電気的消去可能プログラマブル・リード・オンリー・メモリ(EEPROM)とすることができる。しかしながら、他の実施形態では、フラッシュ・メモリのような、他のタイプの不揮発性記憶媒体を使用してもよい。不揮発性記憶媒体660は、書き込みデータ(即ち、不揮発性記憶媒体660に書き込まれるデータ)をデータおよび制御バス654から受けることができ、読み出しデータ(即ち、不揮発性記憶媒体660から読み出されるデータ)をデータおよび制御バス654に供給することができる。実施形態では、不揮発性記憶媒体660は、統合チャージ・ポンプ(integrated charge pump)を有することもでき、および/または外部チャージ・ポンプに接続することもできる。実施形態では、不揮発性記憶媒体660は、識別情報(即ち、トレーサビリティまたは追跡情報)、測定情報、および/または設定パラメータ(即ち、較正情報)を格納することもできる。一実施形態では、識別情報は一意にセンサ100を識別することができる。一意の識別情報は、例えば、センサ100の生産およびその後の使用を通じてその完全なトレーサビリティを可能にするとよい。一実施形態では、不揮発性記憶媒体660は、種々のセンサ測定値毎に、較正情報を格納することもできる。
【0064】
[0087] 実施形態では、アナログ・インターフェース534が、光源ドライバ662、アナログ/ディジタル変換器(ADC)664、信号マルチプレクサ(MUX)666、および/または比較器668を含むことができる。非限定的な一実施形態では、比較器668がトランスインピーダンス増幅器であってもよいが、他の実施形態では、異なる比較器を使用してもよい。また、アナログ・インターフェース534は、光源108、1つ以上の光検出器110(例えば、第1および第2光検出器224および226)、および/または温度変換器670も含むことができる。非限定的な一実施形態例では、温度変換器670がバンド・ギャップに基づく温度変換器であってもよい。しかしながら、代替実施形態では、例えば、サーミスタまたは抵抗温度検出器というような、異なるタイプの温度変換器を用いることもできる。更に、光源108および1つ以上の光検出器110と同様、1つ以上の代替実施形態では、温度変換器670が、半導体基板116内に製作される代わりに、半導体基板116上に実装されてもよい。
【0065】
[0088] 光源ドライバ662は、測定コントローラ532から、光源108を駆動するための光源電流を示す信号を受けることができ、光源ドライバ662はそれに応じて光源108を駆動することができる。光源108は、光源ドライバ662からの駆動信号にしたがって、放出点から放射光線を放出することができる。この放射光線は、センサ筐体102の外表面の少なくとも一部に被覆された基質層106全体に分散された指示分子104を励起させることができる。1つ以上の光検出器110(例えば、第1および第2光検出器224および226)は、各々、当該光検出器によって受光された光量を示すアナログ光測定信号を出力することができる。例えば、
図6に示す実施形態では、第1光検出器224は、第1光検出器224によって受光された光量を示す第1アナログ光測定信号を出力することができ、第2光検出器226は、第2光検出器226によって受光された光量を示す第1アナログ光測定信号を出力することができる。比較器668は、第1および第2光検出器224および226からそれぞれ第1および第2アナログ光測定信号を受け、第1および第2アナログ光測定信号間の差を示すアナログ光差測定信号を出力することができる。温度変換器670は、センサ100の温度を示すアナログ温度測定信号を出力することができる。信号MUX666は、アナログ温度測定信号、第1アナログ光測定信号、第2アナログ光測定信号、およびアナログ光差測定信号から1つを選択することができ、選択した信号をADC664に出力することができる。ADC664は、選択されたアナログ信号を信号MUX666から受けてこれをディジタル信号に変換し、このディジタル信号を測定コントローラ532に供給することができる。このように、ADC664は、アナログ温度測定信号、第1アナログ光測定信号、第2アナログ光測定信号、およびアナログ光差測定信号を、ディジタル温度測定信号、第1ディジタル光測定信号、第2ディジタル光測定信号、およびディジタル光差測定信号に、それぞれ、変換することができ、これらのディジタル信号を測定コントローラ532に、1度に1つずつ、供給することができる。
【0066】
[0089] 実施形態では、アナログ・インターフェース534が後方散乱機能性(backscatter functionality)を含んでもよい。例えば、一実施形態では、後方散乱機能性は、疎結合された変圧器によるインピーダンス変調によって実現することができる。インピーダンスは、センサ100における回路の電力負荷(power loading)を変化させることによって変調すればよい。
【0067】
[0090] 実施形態では、半導体基板116内に製作されたセンサ100の回路が、付加的に、クロック発生器671を含むこともできる。クロック発生器671は、入力として、分周器648の出力を受け、クロック信号CLKを生成することができる。クロック信号CLKは、I/Oフロントエンド・ブロック536、I/Oコントローラ538、測定コントローラ532、およびアナログ・インターフェース534の内1つ以上の1つ以上のコンポーネントによって使用することができる。非限定的な一実施形態では、クロック信号CLKは1.13MHzの周波数を有するとよいが、他の実施形態では、他の周波数が使用されてもよい。
【0068】
[0091] 非限定的な一実施形態では、データ(例えば、コマンド・デコーダ/データ・エンコーダ652からのデコードされたコマンド、および/または不揮発性記憶媒体660からの読み出しデータ)は、I/Oコントローラ538のデータおよび制御バス654から測定コントローラ532に、転送レジスタを介して転送することができ、および/またはデータ(例えば、ライト・データおよび/または測定情報)は、測定コントローラ532からI/Oコントローラ538のデータおよび制御バス654に、転送レジスタを介して転送することができる。
【0069】
[0092] 実施形態では、センサ100の回路が場強度測定回路(field strength measurement circuit)を含むこともできる。実施形態では、場強度測定回路が、入力/出力回路530または測定コントローラ532の一部であってもよく、あるいは別個の機能コンポーネントであってもよい。場強度測定回路は、受電した(即ち、結合された)電力(例えば、mワット単位)を測定することができる。場強度測定回路は、受電した電力がセンサ100を動作させるのに十分であるか否か検出することができる。例えば、場強度測定回路は、受電した電力がある電圧および/または電流を生成するのに十分であるか否か検出することができる。非限定的な一実施形態では、場強度測定回路は、受電量が少なくとも約3Vの電圧および少なくとも約0.5mAの電流を生成するか否か検出するのでもよい。しかしながら、他の実施形態では、受電量が少なくとも異なる電圧および/または少なくとも異なる電流を生成することを検出するのでもよい。
【0070】
[0093]
図7は、本発明の一実施形態による半導体基板116のレイアウトを示す。
図7に示す実施形態では、第1および第2光検出器224および226が半導体基板116内に製作され、半導体基板116は、光源108を実装するための光源実装パッド772および774を有する。一実施形態では、光源実装パッド772および774は、半導体基板116上に実装された光源108のアノードおよびカソードに、それぞれ、接続することができる。
図7では、入力/出力(I/O)回路530、測定コントローラ532、およびアナログ・インターフェース534(第1および第2光検出器224および226ならびに光源108以外)が回路776として示される。
図7に示す実施形態では、回路776は半導体基板116内に製作される。
【0071】
[0094] 非限定的な実施形態では、半導体基板116は絶縁トラフ778を含むことができる。絶縁トラフ778は、第1および第2光検出器224および226を絶縁し電気的に分離することができる。一実施形態では、絶縁トラフ778が、第1および第2光検出器224および226の間を通る中央線上に形成されるとよい。また、実施形態では、光源実装パッド772および774が、光源実装パッド772および774上に実装されたときの光源108の放出点が、第1および第2光検出器224および226の間を通る中央線上に位置合わせされるように構成されればよい。同様に、光源108がシリコン基板116内に製作される実施形態では、製作された光源108の放出点が、第1および第2光検出器224および226の間を通る中央線上に位置合わせされる。実施形態では、対称的な光検出器224および226(即ち、光源放出点に対して対称的な光検出器)の製作が、ディスクリート部品(例えば、半導体基板116上に実装される光検出器)を使用することによって達成できる二重チャネルよりも、互いに同一であることに一層近い二重チャネルを実現することができる。光検出器のチャネルがほぼ同一であると、センサ測定値の精度を向上させることができる。これは、特に、実施形態において、ほぼ同一な二重光検出器チャネルが、それぞれ、信号チャネルおよび基準チャネルとして利用されるときに該当すると考えられる。
【0072】
[0095] シリコン基板116上における第1および第2光検出器224および226のレイアウトは、
図7に示す実施形態に限定されるのではない。他の実施形態は、例えば、
図8および
図9に示すような、異なる光検出器のレイアウトを使用することもできる。
図8は、第1および第2光検出器224および226の感光性エリアが、光源実装パッド772および774の間における全域に広がらない、シリコン基板116の一実施形態を示す。
図9は、第1および第2光検出器224および226の感光性エリアが光源実装パッド772および774の上下には広がらない、シリコン基板116の一実施形態を示す。
【0073】
[0096]
図10は、シリコン基板116の一実施形態によるシリコン基板116上における光源実装パッド772および774のレイアウトを示す。光源実装パッド772および774は、フリップ・チップ実装LEDの実装に合わせて構成されるフリップ・チップLED実装パッドであるとよく、光源108は、例えば、
図11の断面図に示すフリップ・チップ実装LED1180のような、フリップ・チップ実装LEDであるとよい。
図11に示すように、フリップ・チップ実装LED1180は、アノード1182、カソード1184、カバー層1186、透明電極1188、p型半導体(例えば、窒化ガリウム(GaN))層1190、n型半導体(例えば、GaN)層1192、半導体(例えば、サファイア基板)層1194、および/またはn型背面側金属(例えば、金錫合金(Au−Sn))層1196を有することができる。
図12は、
図11に示したフリップ・チップ実装LED1180の底面図を示し、フリップ・チップ実装LED1180がシリコン基板116上に実装されたときに光源実装パッド772および774に接続するアノード1182およびカソード1184を示す。
【0074】
[0097]
図10は一実施形態による光源実装パッド772および774のレイアウトを示すが、他の実施形態は、他のフリップ・チップLED実装パッドのレイアウトを含む、他のレイアウトを使用してもよい。例えば、
図13は、シリコン基板116に可能な1つの代替実施形態によるシリコン基板116上における光源実装パッド772および774のレイアウトを示す。更に、シリコン基板116は、異なる光源の異なるアノードおよびカソードのレイアウトに接続するために、異なる光源実装パッド・レイアウトが実施されてもよい。
【0075】
[0098] 実施形態では、シリコン基板116が、1つ以上の内部光検出器110(即ち、半導体基板116内に製作される1つ以上の光検出器)および1つ以上のフォトダイオード110を支持するように構成されてもよい。
図14は、第1および第2内部光検出器224aおよび226aならびに第1および第2外部光検出器224bおよび226bを支持するように構成されたシリコン基板116上に製作された回路の機能ブロックの一実施形態例を示す。
図6に示した実施形態に対して、
図14に示すシリコン基板116上に製作された回路の機能ブロックの実施形態のアナログ・インターフェース534は、付加的に、入力マルチプレクサ(MUX)1498を含むことができる。入力MUX1498は、選択的に、第1および第2外部光検出器224aおよび226aの出力、または第1および第2外部光検出器224bおよび226bの出力のいずれかを、比較器668および/または信号MUX666への出力として供給することができる。
【0076】
[0099]
図15は、本発明の一実施形態によるセンサ100およびセンサ・リーダ1500を含むセンサ・システムの一例を示す。
図15に示す実施形態では、センサ100は、例えば、被験者の手首近くに埋め込むことができる。例えば、
図15に示すように、非限定的な一実施形態では、センサ100が皮膚1502と皮下組織1504との間に埋め込まれてもよい。非限定的な一実施形態では、リーダ1500は、腕時計のように、被験者の腕に装着されてもよい。即ち、リーダ1500がリストバンド1506に取り付けられてもよい。実施形態では、リーダ1500が従来の腕時計と組み合わせられてもよい。非限定的な一実施形態では、リストバンド1506は不透明なリストバンドであり、埋め込まれたセンサ100に到達する周囲光の量を低減することができる。しかしながら、他の実施形態では、リーダ1500が被験者に装着されなくても、または他の方法で取り付けられなくてもよく、被験者が単にリーダ1500を被験者の手首の近くに持って行くことによって、センサ100をリーダ1500の近傍に持って行くのでもよい。更に、実施形態では、センサ100が被験者の手首の近くではなく、例えば、腹部または腕の上部というような、被験者の身体の一部に埋め込まれてもよい。
【0077】
[00100] 実施形態では、センサ・リーダ1500が、送受信機1508、プロセッサ1510、および/またはユーザ・インターフェース1512を含むことができる。一実施形態では、ユーザ・インターフェース1512が液晶ディスプレイ(LCD)を含むのでもよいが、他の実施形態では、異なるタイプのディスプレイが使用されてもよい。実施形態では、送受信機1508が例えば、コイルのような、誘導性エレメントを含んでもよい。送受信機1508は、センサ100の誘導性エレメント114内に電流を誘発するために電磁波を生成することができ(例えば、コイルを使用することによって)、この電磁波でセンサ100に給電する。また、送受信機1508はデータ(例えば、コマンド)をセンサ100に送信することもできる。例えば、非限定的な一実施形態では、送受信機1508は、生成された電磁波がセンサ100に給電するために使用されるときに変調することによって(例えば、送受信機1508のコイルを通過する電流を変調することによって)、データを送信することができる。前述のように、リーダ1500によって生成された電磁波における変調は、センサ100によって(例えば、データ・エキストラクタ642によって)検出/抽出することができる。更に、送受信機1508は、センサからデータ(例えば、測定情報)を受信することもできる。例えば、非限定的な一実施形態では、送受信機1508は、センサ100によって生成された電磁波における変調を検出することによって(例えば、クランプ/変調器646によって)、例えば、送受信機1508のコイルを通過する電流における変調を検出することによって、データを受信することができる。
【0078】
[00101] 実施形態では、プロセッサ1510が、センサ100に送信しようとするデータを送受信機1508に出力することができ、センサ100から受信されたデータを送受信機1508から受信することができる。一実施形態では、プロセッサ1510は、送信のためにデータを送受信機1508に出力する前に、センサ100に送信しようとするデータをシリアル化しエンコードすることができる。同様に、プロセッサ1510は、センサ100から受信したデータをデコードおよび/またはシリアル化することもできる。実施形態では、センサ100から受信したデータは、測定情報であるとよく、プロセッサ1510がこの測定情報を処理して、検体の濃度を判定するとよい。しかしながら、他の実施形態では、センサ100は測定情報を処理して検体の濃度を判定することもでき、センサ100から受信したデータが、判定された検体の濃度であってもよい。実施形態では、プロセッサ1510が、検体の濃度を表す値をユーザ・インターフェース1512に表示させて、ユーザ(例えば、被験者、医者、および/または他の者)がその値を読み取れるようにすることもできる。また、実施形態では、プロセッサ1510がユーザ・インターフェース1512からユーザ入力(例えば、検体の濃度というようなセンサ読み取り値を求めるユーザの要求)を受けることもできる。
【0079】
[00102] 実施形態では、センサ・リーダ1500が1つ以上の光検出器を含んでもよい。一実施形態では、センサ・リーダ1500が1つ以上の光検出器を使用して、周囲光を検出することができ、過剰な光が検出された場合、ユーザ・インターフェース1512を通じてユーザに警告を発することができる。実施形態では、センサ・リーダ1500およびセンサ100を含むシステムが、米国特許第7,157,723号に記載された周囲光検出および警告発生方法を組み込んでもよい。この特許をここで引用したことにより、その内容全てが本願にも含まれるものとする。更に、実施形態では、センサ・リーダ1500が1つ以上の入力/出力ポートを含んでもよい。入力/出力ポートは、センサ・リーダ1500と他のデバイス(例えば、コンピュータ)との間におけるデータの送信(例えば、トレーサビリティ情報および/または測定情報)およびデータの受信(例えば、センサ・コマンドおよび/または設定パラメータ)を可能にする。
【0080】
[00103] 回路776ならびに第1および第2光検出器224および226が半導体基板116内に製作されてもよい実施形態では、例えば、
図7〜
図9に示すものでは、半導体基板116がカスタム集積回路を設けることもできる。この集積回路は、外部の受動コンポーネント(例えば、キャパシタ118)および/または光源108(例えば、LED)に対して最小限の接続しか必要としない1つのチップに、光センサ・インターフェースの全機能を融合する。実際に、実施形態では、半導体基板116内に製作された回路に接続されるセンサ100の外部コンポーネントの数は、5個以下に減らすことができる(例えば、1つ以上のキャパシタ118、誘導性エレメント114、および/または光源108)。更に、実施形態では、光源108も半導体基板116内に製作することもできる。外部コンポーネントの個数削減、および関連する接続数の減少は、センサのロバスト性向上に寄与すること、および/または製造の複雑さを低減することができる。
【0081】
[00104] 本発明の態様によれば、半導体基板116内に製作される回路は、1つ以上の光検出器110および/または光源108を含むことができ、離れて給電されるワイヤレス・インターフェースを介してデータを受信および送信する能力と共に、光学変換(optical transduction)を設けることができる。言い換えると、センサ100の機能性は、遠隔給電および双方向ワイヤレス・データ通信を含むことができる。半導体基板116内に製作される回路は、その離れて給電されるインターフェースを介して受電される電力をチェックし、ブロックの全てに電力を供給するのに、調整電圧(regulated voltage)で十分であることをチェックする能力を有することができる。
【0082】
[00105] 以上で説明したように、本発明の実施形態では、半導体基板116内に製作される回路は、アナログ・フロント・エンド(例えば、アナログ・インターフェース534)におけるチップの種々のブロック(例えば、比較器668および/またはADC664)の完全性をチェックする診断測定を実行する能力も有することができる。1つ以上の光検出器110は、光を電流変換に供給し、集積された比較器(例えば、トランスインピーダンス増幅器)668およびADC664によって更に処理することもできる。また、アナログ・インターフェース534は、温度変換器670も有することができ、実施形態では、温度変換器670が、集積されたバンド・ギャップに基づく温度センサであってもよい。実施形態では、温度変換器670は、温度を独立した測定値として提示することおよび/または光学的補償またはシステムの補償のために提示することができる。何故なら(例えば、一実施形態では)、温度変換器670の出力は、1つ以上の光検出器110によって受け取られる蛍光情報と共に処理される場合もあるからである。
【0083】
[00106] 実施形態では、アナログ・インターフェース534は、測定コントローラ432の制御下で動作し、測定シーケンス(例えば、測定コマンド実行プロセス1700。これは、
図17および
図18を参照して以下で説明する)を実行し、次いでその結果をセンサ・リーダ1500に報告することができる。一実施形態では、測定シーケンスが予めロードされたシーケンス(即ち、予め格納されたタイミング・シーケンス)であってもよい。実施形態では、測定シーケンスが光検出器224からの1回以上の測定、第2光検出器226からの1回以上の測定、第1および第2光検出器224および226からの電流を比較する1回以上の差分測定、シリコン基板116および/またはセンサ100の1回以上の温度測定、1回以上の場電流測定(即ち、誘導性エレメント114を通じて受電した放射電力の測定)、1回以上の励起電流源調整測定(即ち、光源108が調整されていることをチェックするための測定)、1回以上の電圧測定、および/またはアナログ・インターフェース543の種々のコンポーネント・ブロックの適正な機能性を確認するための1回以上の診断測定のために、多数のタイム・スロットを有することもできる。種々の実施形態において、センサ100は、連続読み取りのために使用すること、および/または離れて問い合わせられた測定のための要求に応じた起動のために使用することもできる。
【0084】
[00107] 実施形態では、これらの測定の各々がADC664によってディジタル化されてもよく、ADC664も半導体基板116内に製作されるのでもよい。ADC664は1つ以上のアナログ測定値をディジタル測定値に変換するので、実施形態では、双方向ワイヤレス・データ通信が、双方向ディジタル・ワイヤレス・データ通信になればよい。ディジタル・データ通信は、アナログ・データ通信に対して信号の完全性を改良することができ、実施形態では、センサ100が、アナログ・データ通信ではなく、ディジタル・データ通信のみを利用するのでもよい。非限定的な一実施形態では、データの全部または一部が、チェックサムを含む周知のプロトコルにしたがって送信される。
【0085】
[00108]
図16は、本発明の一実施形態にしたがって、光学センサ100によって実行することができるセンサ制御プロセス例1600を示す。光学センサ100は、例えば、生体動物(例えば、生体人間)に埋め込まれてもよい。センサ制御プロセス1600は、1つ以上のコマンドおよび電力をワイヤレスで受信するステップ1602から開始することができる。一実施形態では、電力はセンサ100が受信することができる変調電磁波の形態とすればよい。この変調電磁波は、誘導性エレメント114内に電流を誘発することができ、入力/出力回路530は、誘発された電流を、センサ100を動作させるための電力に変換し、誘発された電流からコマンドを抽出しデコードすることができる。非限定的な一実施形態では、整流器640を使用して、誘発された電流をセンサ100のための動作電力に変換してもよく、データ・エキストラクタ642が、誘導性エレメント114において誘発された電流からデータを抽出することができ、デコーダ/シリアライザ650が抽出されたデータをデコードおよびシリアル化することができ、コマンド・デコーダ/データ・エンコーダ652が、このデコードおよびシリアル化された抽出データから1つ以上のコマンドをデコードすることができる。1つ以上のデコードされたコマンドは、次いで、データおよび制御バス654を通って測定コントローラ532に送ることができる。実施形態では、センサ100によって受信される1つ以上のコマンドおよび電力が、センサ・リーダ1500の送受信機1508によって送信されるのでもよい。
【0086】
[00109] ステップ1604において、光学センサ100は受信したコマンドを実行することができる。例えば、一実施形態では、光学センサ100は、測定コントローラ532の制御下で受信したコマンドを実行することができる。ステップ1602において受信したコマンドを実行するために光学センサ100によって実行することができるコマンド実行プロセスの例について、
図17〜
図20を参照して以下で説明する。
【0087】
[00110] センサ100によって受信および実行することができるコマンドの例には、測定コマンド、結果取得コマンド、および/またはトレーサビリティ情報取得コマンドを含むことができる。測定コマンドの例は、測定シーケンス・コマンド(即ち、測定のシーケンスを実行し、このシーケンスを終了した後、結果的に得られた測定情報を送信するコマンド)、測定および保存コマンド(即ち、測定のシーケンスを実行し、このシーケンスを終了した後、結果的に得られた測定情報を送信せずに、結果的に得られた測定情報を保存するコマンド)、および/または単独測定コマンド(即ち、1回の測定を行うコマンド)を含むことができる。単独測定コマンドは、1回の測定から得られた測定情報を保存および/または送信するコマンドであってもよい。測定コマンドは、設定パラメータ(即ち、較正情報)を含んでもまたは含まなくてもよい。設定パラメータを有さない測定コマンドは、例えば、格納されている設定パラメータ(例えば、不揮発性記憶媒体660内に)を使用して実行されればよい。結果的に得られた測定情報の保存および送信双方を行う測定コマンドというような、他の測定コマンドも可能である。センサ100によって受信および実行することができるコマンドは、格納された設定パラメータを更新するコマンドも含むことができる。以上で説明したコマンドの例は、センサ100によって受信および実行することができる全てのコマンドを網羅するのではない。センサ100は、以上で羅列したコマンドの内1つ以上および/または1つ以上の他のコマンドを受信および実行できるのでもよい。
【0088】
[00111]
図17は、本発明の一実施形態にしたがって、光学センサ100によって受信された測定コマンドを実行するために、光学センサ100によってセンサ制御プロセス1600のステップ1604において実行することができる測定コマンド実行プロセス1700を示す。測定コマンド実行プロセス1700は、ワイヤレスで受電した電力が、受信される測定コマンドを実行するためには十分であるか否か判断するステップ1702から開始することができる。言い換えると、ステップ1702では、センサ100は、誘導性エレメント114に電流を誘発することができる電磁場または電磁波が、受信される測定コマンドの実行のために十分な動作電力を生成できる程十分強いか否か判断することができる。以下で説明するように、コマンドの実行は、光源108を使用して指示分子104に照射することを含むのでもよい。一実施形態では、ステップ1702が場強度測定回路によって実行されてもよい。場強度測定回路は、測定コントローラ532の一部であってもよく、またはシリコン基板116上にある回路776の別のコンポーネントであってもよい。
【0089】
[00112] 実施形態では、センサ100がステップ1702において、ワイヤレスで受電した電力が、受信した測定コマンドを実行するには不十分であると判断した場合、測定コマンド実行プロセス1700はステップ1704に進むことができ、ここでセンサ100は、ワイヤレスで受電した電力が受信した測定コマンドを実行するには不十分であることを示すデータを送信することができる(例えば、入力/出力回路530および誘導性エレメント114によって)。実施形態では、不十分電力データは、単に、電力が不十分であることを示すだけでもよいが、他の実施形態では、不十分電力データが、現在受信されている、受信された測定コマンドを実行するために必要な電力のパーセンテージを示してもよい。
【0090】
[00113] 一実施形態では、受電した電力が不十分であることを検出したとき、測定コントローラ532は、不十分電力データをデータおよび制御バス654に出力することができる。データおよび制御バス654は、この不十分電力データをコマンド/データ・エンコーダ652に転送することができ、コマンド/データ・エンコーダ652が不十分電力データをエンコードすることができる。データ・シリアライザ656は、エンコードされた不十分電力データをシリアル化することができる。エンコーダ658は、シリアル化された不十分電力データをエンコードすることができる。クランプ/変調器646は、誘導性エレメント114(例えば、コイル220)を通る電流を、エンコードされた不十分電力データの関数として変調することができる。このように、エンコードされた不十分電力データは、変調電磁波として、誘導性エレメント114によってワイヤレスで送信することができる。実施形態では、エンコードされ、センサ100によってワイヤレスで送信された不十分電力データは、センサ・リーダ1500によって受信することができ、センサ・リーダ1500はユーザ・インターフェース1512上にメッセージを表示することができる。このメッセージは、センサ100によって受電された電力が不十分であること、および/または受電された電力が不十分な度合いを示す。
【0091】
[00114] 実施形態では、センサ100がステップ1702において、ワイヤレスで受電した電力が、受信した測定コマンドを実行するのに十分であると判断した場合、測定コマンド実行プロセス1700はステップ1706に進むことができ、ここで、測定および変換プロセスを実行することができる。測定および変換プロセスは、例えば、測定コントローラ532の制御下で、アナログ・インターフェース534によって実行することができる。一実施形態では、測定および変換シーケンスが、1つ以上のアナログ測定値を生成すること(例えば、温度変換器670、光源108、第1光検出器224、第2光検出器226、および/または比較器668の内1つ以上を使用して)、および1つ以上のアナログ測定値を1つ以上のディジタル測定値に変換する(例えば、ADC664を使用する)ことを含んでもよい。ステップ1706において実行することができる測定変換プロセスの一例について、
図18を参照して以下で更に詳しく説明する。
【0092】
[00115] ステップ1708において、光学センサ100は、ステップ1706において実行された測定および変換シーケンスの間に生成された1つ以上のディジタル測定値にしたがって、測定情報を生成することができる。ステップ1706において生成された1つ以上のディジタル測定値に応じて、測定情報は、センサ100が埋め込まれた媒体内における検体の存在および/または濃度を示すことができる。一実施形態では、ステップ1706において、測定コントローラ532が1つ以上のディジタル測定値を受け、測定情報を生成すればよい。
【0093】
[00116] ステップ1710において、光学センサ100は、ステップ1708において生成した測定情報を保存すべきか否か決定することができる。実施形態では、測定コントローラ532が、測定情報を保存すべきか否か決定してもよい。一実施形態では、測定コントローラ532が、受信した測定コマンドに基づいて、測定情報を保存すべきか決定するのでもよい。例えば、測定コマンドが測定および保存コマンド、または結果的に得られた測定情報を保存することを含む他の測定コマンドである場合、測定コントローラ532は、ステップ1708において生成された測定情報を保存すべきであると決定することができる。それ以外の場合、測定コマンドが測定シーケンス・コマンド、または結果的に得られた測定情報を保存することを含まない他の測定コマンドである場合、測定コントローラ532は、ステップ1708において生成された測定情報を保存すべきでないと決定することができる。
【0094】
[00117] 実施形態では、ステップ1710において、センサ100が、ステップ1708において生成した測定情報を保存すべきであると決定した場合、測定コマンド実行プロセス1700はステップ1712に進むことができ、ここで、センサ100は測定情報を保存することができる。一実施形態では、ステップ1708において生成された測定情報を保存すべきであると決定した後、測定コントローラ532は、測定情報をデータおよび制御バス654に出力するのでもよい。データおよび制御バス654は、測定情報を不揮発性記憶媒体660に転送することができる。不揮発性記憶媒体660は、受け取った測定情報を保存することができる。実施形態では、測定コントローラ532は、測定情報と共に、不揮発性記憶媒体660において測定情報を保存するアドレスも出力するとよい場合もある。実施形態では、不揮発性記憶媒体660が、先入れ先出し(FIFO)または後入れ先出し(LIFO)メモリとして構成されてもよい。
【0095】
[00118] 実施形態では、ステップ1710において、センサ100が、ステップ1708において生成した測定情報を保存すべきでないと決定した場合、またはステップ1712において測定情報を保存した後、測定コマンド実行プロセス1700はステップ1714に進むことができ、ここで、光学センサ100は、ステップ1708において生成した測定情報を送信すべきか否か決定することができる。実施形態では、測定コントローラ532が、測定情報を送信すべきか否か決定してもよい。一実施形態では、測定コントローラ532が、受信した測定コマンドに基づいて、測定情報を送信すべきか否か決定するのでもよい。例えば、測定コマンドが測定シーケンス・コマンド、または結果的に得られた測定情報を送信することを含む他の測定コマンドである場合、測定コントローラ532は、ステップ1708において生成した測定情報を送信すべきであると決定することができる。それ以外の場合、測定コマンドが測定および保存コマンド、または結果的に得られた測定情報を送信することを含まない他の測定コマンドである場合、測定コントローラ532は、ステップ1708において生成した測定情報を送信すべきでないと決定することができる。
【0096】
[00119] 実施形態では、センサ100がステップ1714において、ステップ1708において生成した測定情報を送信すべきであると決定した場合、測定コマンド実行プロセス1700はステップ1716に進むことができ、ここで、センサ100は測定情報を送信することができる。一実施形態では、ステップ1708において生成した測定情報を送信すべきであると決定した後、測定コントローラ532は、測定情報をデータおよび制御バス654に出力することができる。データおよび制御バス654は、測定情報をコマンド・デコーダ/データ・エンコーダ652に転送することができ、コマンド・デコーダ/データ・エンコーダ652が測定情報をエンコードすることができる。データ・シリアライザ656は、エンコードされた測定情報をシリアル化することができる。エンコーダ658は、シリアル化された測定情報をエンコードすることができる。クランプ/変調器646は、誘導性エレメント114(例えば、コイル220)を通る電流を、エンコードされた測定情報の関数として変調することができる。このように、エンコードされた測定情報を、誘導性エレメント114によって、変調電磁波としてワイヤレスで送信することができる。実施形態では、エンコードされた測定情報がセンサ100によってワイヤレスで送信されると、センサ・リーダ1500によって受信することができる。センサ・リーダ1500は、検体の濃度を表す値を表示することができるので、ユーザ(例えば、被験者、医者、および/または他の者)はその値を読み取ることができる。
【0097】
[00120] 実施形態では、センサ100が(a)ステップ1704において不十分電力データを送信した後、(b)ステップ1714において、ステップ1708において生成した測定情報を送信すべきでないと決定した後、または(c)ステップ1716において測定情報を送信した後、光学センサ100によって受信された測定コマンドを実行するために光学センサ100によってセンサ制御プロセス1600のステップ1604において実行することができる測定コマンド実行プロセス1700を完了することができ、この時点において、センサ制御プロセス1600はステップ1602に戻ることができる。
【0098】
[00121]
図18は、本発明の一実施形態にしたがって、測定コマンド実行プロセス1700のステップ1706において実行することができる測定および変換プロセスの一例である、測定および変換プロセス1800を示す。
【0099】
[00122] ステップ1802において、センサ100は、受信した測定コマンドにしたがって1回以上の測定を行うために設定パラメータ(即ち、較正情報)をロードすることができる。例えば、一実施形態では、測定コントローラ532は、アナログ・インターフェース534の1つ以上のコンポーネント(例えば、光源108、第1光検出器224、第2光検出器226、比較器668、および/または温度変換器534)に設定パラメータを設定することによって、1つ以上の設定パラメータをロードするのでもよい。実施形態では、不揮発性記憶媒体660が、保存される設定パラメータを格納することもできる。更に、先に注記したように、実施形態では、測定コマンドが設定パラメータを含んでもまたは含まなくてもよい。非限定的な一実施形態では、測定コマンドが1つ以上の設定パラメータを含む場合、測定コントローラ532は、アナログ・インターフェース534の1つ以上のコンポーネントに、設定パラメータを設定するのでもよく、1つ以上の設定パラメータが測定コマンドに含まれる。しかしながら、測定コマンドが1つ以上の設定パラメータを含まない場合、測定コントローラ532は、不揮発性記憶媒体660に格納された、保存されている設定パラメータを得て、アナログ・インターフェース534の1つ以上のコンポーネントに、不揮発性記憶媒体660から得られた、保存されている設定パラメータを設定することができる。
【0100】
[00123] ステップ1804において、センサ100は、1回の測定または測定シーケンスのどちらを実行するか決定することができる。実施形態では、測定コントローラ532は、受信した測定コマンドを参照することによって(即ち、1回の測定を実行する測定コマンドか、または測定シーケンスを実行する測定コマンドか)1回の測定または測定シーケンスの決定を行うのでもよい。例えば、実施形態では、測定コマンドが測定シーケンス・コマンド、測定および保存コマンド、または測定シーケンスのための他のコマンドである場合、測定コントローラ532は、測定シーケンスを実行すべきであると決定することができる。しかしながら、測定コマンドが単独測定コマンドである場合、測定コントローラ532は、1回の測定を実行すべきであると決定することができる。
【0101】
[00124] 実施形態では、センサ100がステップ1804において、測定シーケンスを実行すべきであると決定した場合、センサ100は、測定および変換プロセス1800の測定および変換シーケンス・ステップ1806〜1820を実行することができる。しかしながら、他の実施形態では、センサ100が測定および変換シーケンス・ステップ1806〜1820の一部、および/または追加の測定および変換シーケンス・ステップを実行してもよい。
【0102】
[00125] ステップ1806において、センサ100は光源バイアス測定および変換を実行することができる。例えば、実施形態では、光源108がオンである間(即ち、測定コントローラ532の制御下で光源108が励起光を放出し指示分子104に照射している間)、アナログ・インターフェース534はアナログ光源バイアス測定信号を生成することができる。一実施形態では、ADC664がアナログ光源バイアス測定信号をディジタル光源バイアス測定信号に変換してもよい。測定コントローラ532は、ディジタル光源バイアス測定信号を受け、この受け取ったディジタル光源バイアス測定信号にしたがって測定情報を生成することができる(例えば、測定コマンド実行プロセス1700のステップ1708において)。非限定的な一実施形態では、アナログ・インターフェース534が、光源108に給電する電流源の出力において電圧および電流をサンプリングすることによって、アナログ光源バイアス測定信号を生成するのでもよい。
【0103】
[00126] ステップ1808において、センサ100は光源オン温度測定および変換を実行することができる。例えば、実施形態では、光源108がオンである間(即ち、測定コントローラ532の制御下で光源108が励起光を放出し指示分子104に照射している間)、アナログ・インターフェース534は、センサ100の温度を示す第1アナログ温度測定信号を生成することができる。一実施形態では、光源108がオンである間に温度変換器670が第1アナログ温度測定信号を生成するのでもよい。ADC664は、第1アナログ温度測定信号を第1ディジタル温度測定信号に変換することができる。測定コントローラ532は、第1ディジタル温度測定信号を受け、この受け取った第1ディジタル温度測定信号にしたがって、測定情報を生成することができる(例えば、測定コマンド実行プロセス1700のステップ1708において)。
【0104】
[00127] ステップ1810において、センサ100は、第1光検出器測定および変換を実行することができる。例えば、実施形態では、光源108がオンである間(即ち、測定コントローラ532の制御下で光源108が励起光を放出し指示分子104に照射している間)、第1光検出器224は、第1光検出器224が受光する光量を示す第1アナログ光測定信号を生成し、この第1アナログ光測定信号を信号MUX666に出力することができる。信号MUX666は、第1アナログ光測定信号を選択することができ、ADC664は、第1アナログ光測定信号を第1ディジタル光測定信号に変換することができる。測定コントローラ532は、第1ディジタル光測定信号を受け、この受け取った第1ディジタル光測定信号にしたがって、測定情報を生成することができる(例えば、測定コマンド実行プロセス1700のステップ1708において)。
【0105】
[00128] 非限定的な一実施形態では、第1光検出器224は信号チャネルの一部であってもよく、第1光検出器224によって受光される光は、指示メンブレーン106’全体に分散された指示分子104によって放出されればよく、第1アナログ光測定信号は、指示測定値になることができる。
【0106】
[00129] ステップ1812において、センサ100は、第2光検出器測定および変換を実行することができる。例えば、実施形態では、光源108がオンである間(即ち、測定コントローラ532の制御下で光源108が励起光を放出し指示分子104に照射している間)、第2光検出器226は、第2光検出器226が受光する光量を示す第2アナログ光測定信号を生成し、この第2アナログ光測定信号を信号MUX666に出力することができる。信号MUX666は、第2アナログ光測定信号を選択することができ、ADC664は、第2アナログ光測定信号を第2ディジタル光測定信号に変換することができる。測定コントローラ532は、第2ディジタル光測定信号を受け、この受け取った第2ディジタル光測定信号にしたがって、測定情報を生成することができる(例えば、測定コマンド実行プロセス1700のステップ1708において)。
【0107】
[00130] 非限定的な一実施形態では、第2光検出器226は、基準チャネルの一部であってもよく、第2光検出器226によって受光される光は、基準メンブレーン106”全体に分散された指示分子104によって放出されればよく、第2アナログ光測定信号は、基準測定値になることができる。
【0108】
[00131] ステップ1814において、センサ100は差分測定および変換を実行することができる。例えば、実施形態では、光源108がオンである間(即ち、測定コントローラ532の制御下で光源108が励起光を放出し指示分子104に照射している間)、(i)第1光検出器224が、第1光検出器224によって受光する光量を示す第1アナログ光測定信号を生成することができ、(ii)第2光検出器226が、第2光検出器226によって受光する光量を示す第2アナログ光測定信号を生成することができる。比較器668は、第1および第2アナログ光測定信号を受け、第1および第2アナログ光測定信号間の差を示すアナログ光差測定信号を生成することができる。比較器668は、アナログ光差測定信号を信号MUX666に出力することができる。信号MUX666は、アナログ光差測定信号を選択することができ、ADC664は、アナログ光差測定信号をディジタル光差測定信号に変換することができる。測定コントローラ532は、ディジタル光差測定信号を受け、この受け取ったディジタル光差測定信号にしたがって、測定情報を生成することができる(例えば、測定コマンド実行プロセス1700のステップ1708において)。
【0109】
[00132] 非限定的な一実施形態では、第1光検出器224が信号チャネルの一部であってもよく、第2光検出器226が基準チャネルの一部であってもよく、アナログ光差測定信号が、(a)指示メンブレーン106’全体に分散され、センサ100が埋め込まれた媒体内の検体濃度によって影響を受けた指示分子104によって放出された光と、(b)基準メンブレーン106”全体に分散され、センサ100が埋め込まれた媒体内の検体濃度によって影響されない指示分子104によって放出された光との差を示すことができる。
【0110】
[00133] ステップ1816において、センサ100は第2光検出器周囲測定および変換を実行することができる。例えば、実施形態では、光源108がオフである間(即ち、光源108が、測定コントローラ532の制御下で光を放出していない間)、第2光検出器226が、第2光検出器226によって受光する光量を示す第2アナログ周囲光測定信号を生成し、この第2アナログ周囲光測定信号を信号MUX666に出力することができる。信号MUX666は、第2アナログ周囲光測定信号を選択することができ、ADC664は、第2アナログ周囲光測定信号を第2ディジタル周囲光測定信号に変換することができる。測定コントローラ532は、第2ディジタル周囲光測定信号を受け、この受け取った第2ディジタル周囲光測定信号にしたがって、測定情報を生成することができる(例えば、測定コマンド実行プロセス1700のステップ1708において)。
【0111】
[00134] 非限定的な一実施形態では、第2光検出器226が基準チャネルの一部であってもよく、第2光検出器226によって受光する光が、基準メンブレーン106”全体に分散された指示分子104によって放出されればよく、第2アナログ周囲光測定信号が周囲基準測定値になることができる。
【0112】
[00135] ステップ1818において、センサ100は、第1光検出器周囲測定および変換を実行することができる。例えば、実施形態では、光源108がオフである間(即ち、光源108が、測定コントローラ532の制御下で光を放出していない間)、第1光検出器224は、第1光検出器224によって受光する光量を示す第1アナログ周囲光測定信号を生成し、この第1アナログ周囲光測定信号を信号MUX666に出力することができる。信号MUX666は、第1アナログ周囲光測定信号を選択することができ、ADC664は、第1アナログ周囲光測定信号を第1ディジタル周囲光測定信号に変換することができる。測定コントローラ532は、第1ディジタル周囲光測定信号を受け、この受け取った第1ディジタル周囲光測定信号にしたがって測定情報を生成することができる(例えば、測定コマンド実行プロセス1700のステップ1708において)。
【0113】
[00136] 非限定的な一実施形態では、第1光検出器224は、信号チャネルの一部であってもよく、第1光検出器224によって受光される光は、指示メンブレーン106’全体に分散された指示分子104によって放出されればよく、第1アナログ周囲光測定信号は周囲指示測定値になることができる。
【0114】
[00137] ステップ1820において、センサ100は光源オフ温度測定および変換を実行することができる。例えば、実施形態では、光源108がオフである間(即ち、光源108が、測定コントローラ532の制御下で光を放出していない間)、アナログ・インターフェース534は、センサ100の温度を示す第2アナログ温度測定信号を生成することができる。一実施形態では、温度変換器670が、光源108がオフである間に第2アナログ温度測定信号を生成してもよい。ADC664は、第2アナログ温度測定信号を第2ディジタル温度測定信号に変換することができる。測定コントローラ532は、第2ディジタル温度測定信号を受け、この受け取った第2ディジタル温度測定信号にしたがって測定情報を生成することができる(例えば、測定コマンド実行プロセス1700のステップ1708において)。
【0115】
[00138] したがって、測定および変換プロセス1800のシーケンス・ステップ1806〜1820が実行される実施形態では、測定コントローラ532は、(i)第1ディジタル温度測定信号、(ii)第1ディジタル光測定信号、(iii)第2ディジタル光測定信号、(iv)ディジタル光差測定信号、(v)第2ディジタル温度測定信号、(vi)第1ディジタル周囲光測定信号、および(vii)第2ディジタル周囲光測定信号にしたがって、測定情報を生成することができる。非限定的な一実施形態では、センサ100の測定コントローラ532および/またはセンサ・リーダ1500によって実行される検体の濃度計算は、ディジタル周囲光信号を対応するディジタル光測定信号から減算することを含むのでもよい。また、検体の濃度計算は、誤差検出を含んでもよい。実施形態では、測定コントローラ532は、例えば、米国特許第7,227,156号に記載されている方法のような、周囲光の影響を減衰させる方法を組み込むこともできる。この特許をここで引用したことにより、その内容全体が本願にも含まれるものとする。実施形態では、測定コントローラ532は、アナログ・インターフェース534から受け取ったディジタル測定信号のみを含む測定情報を生成するのでもよい。しかしながら、他の実施形態では、測定コントローラ532は、アナログ・インターフェース534から受け取ったディジタル信号を処理し、センサ100が埋め込まれた媒体内の検体濃度を判定し(即ち、計算および/または推定する)、測定情報は、付加的にまたは代わりに、判定された濃度を含むこともできる。
【0116】
[00139] 実施形態では、センサ100がステップ1804において、測定シーケンスを実行すべきであると決定した場合、測定および変換プロセス1800はステップ1822に進むことができ、ここで1回の測定および変換が実行される。実施形態では、受け取った測定コマンドに基づいて、ステップ1822において実行される1回の測定および変換は、ステップ1806〜1820において実行される測定および変換の内いずれでもよい。したがって、測定および変換プロセス1800のステップ1822が実行される例では、測定コントローラ532は、1つのディジタル測定信号のみを受けるのでもよく、測定コントローラ532によって生成される測定情報(たとえば、測定コマンド実行プロセス1700のステップ1708において)は、一実施形態では、単に測定コントローラによって受け取られる1つのディジタル測定信号であってもよい。
【0117】
[00140] 実施形態では、光源108が、ステップ1806の実行前にオンに切り替えられ、ステップ1814の実行後までオフに切り替えられないのでもよい。しかしながら、これは必須ではない。例えば、他の実施形態では、光源108が、ステップ1806〜1814の測定部分の間オンに切り替えられ、ステップ1806〜1814の変換部分の間オフに切り替えられるのでもよい。
【0118】
[00141] 更に、
図18は、測定および変換プロセス1800の可能な1つのシーケンスを示すが、測定および変換プロセス1800のステップ1806〜1820がいずれかの特定のシーケンスで実行される必要はない。例えば、一代替実施形態では、光測定および変換ステップ1806〜1814が異なる順序で実行されてもよく(例えば、1808、1812、1814、1810、1806)、および/または周囲光測定および変換ステップ1816〜1820が異なる順序で実行されてもよい(例えば、1818、1820、1816)。実施形態では、光源オン温度測定値は、個々の測定各々においてエラー・フラグを提示するために使用することもできる(例えば、比較器を使用して、光源オン温度測定値を閾値と比較することによって)。他の代替実施形態では、周囲光測定および変換ステップ1816〜1820が、光測定および変換ステップ1806〜1814の前に実行されてもよい。更に他の代替実施形態では、測定および変換プロセス1800のステップ1806〜1820が、光測定および変換ステップ1806〜1814ならびに周囲光測定および変換ステップ1816〜1820の一方のステップの全てが完了し、その後他方の1つ以上のステップが実行されるというシーケンスで実行されてもよい(例えば、一実施形態では、ステップ1806〜1820が1806、1808、1810、1818、1816、1812、1814、1820というシーケンスで実行されてもよい)。
【0119】
[00142]
図21Aおよび
図21Bは、
図18を参照して説明した測定および変換プロセス1800の一実施形態例のタイミングを示す。
【0120】
[00143]
図19は、本発明の一実施形態にしたがって、光学センサ100が受信した結果取得コマンドを実行するために、光学センサ100によってセンサ制御プロセス1600のステップ1604において実行することができる結果取得コマンド実行プロセス1900を示す。測定コマンド実行プロセス1900は、保存されている測定情報を引き出すステップ1902から開始することができる。例えば、引き出される測定情報は、
図17に示した測定コマンド実行プロセス1700のステップ1712の間に保存されたのでもよい。実施形態では、測定情報は不揮発性記憶媒体6600に保存される。測定コントローラ532からの要求に応答して、不揮発性記憶媒体660は、保存されている測定情報をデータおよび制御バス654に出力することができる。実施形態では、データおよび制御バス654は、引き出された測定情報を測定コントローラ532に転送することができる。しかしながら、代替実施形態では、データおよび制御バス654は、引き出された測定情報を最初に測定コントローラ532に転送することなく、引き出された測定情報をコマンド・デコーダ/データ・エンコーダ652に転送してもよい。
【0121】
[00144] 実施形態では、不揮発性記憶媒体660は、データおよび制御バス654に、不揮発性記憶媒体660に最後に保存された測定情報を出力することができる。代替実施形態では、不揮発性記憶媒体660は、データおよび制御バス654に、不揮発性記憶媒体660に保存されている最も古い測定情報を出力するのでもよい。他の代替実施形態では、不揮発性記憶媒体660は、データおよび制御バス654に、測定コントローラ532によって具体的に要求された測定情報を出力するのでもよい(例えば、読み取り要求と共に不揮発性記憶媒体660に送られるアドレスによって)。
【0122】
[00145] 保存されていた測定情報が引き出された後、結果取得コマンド実行プロセス1900はステップ1904に進むことができ、ここで、センサ100は引き出された測定情報を送信することができる。一実施形態では、測定コントローラ532は、引き出された測定情報をデータおよび制御バス654に出力することができる。データおよび制御バス654は、測定情報をコマンド・デコーダ/データ・エンコーダ652に転送することができ、コマンド・デコーダ/データ・エンコーダ652は引き出された測定情報をエンコードすることができる。データ・シリアライザ656は、引き出されてエンコードされた測定情報をシリアル化することができる。エンコーダ658は、引き出されてシリアル化された測定情報をエンコードすることができる。クランプ/変調器646は、誘導性エレメント114(例えば、コイル220)を通る電流を、引き出されてエンコードされた測定情報の関数として変調することができる。このように、引き出されてエンコードされた測定情報は、誘導性エレメント114によって、変調電磁波として送信することができる。実施形態では、引き出されエンコードされた測定情報がセンサ100によってワイヤレスで送信されると、センサ・リーダ1500によって受信することができる。
【0123】
[00146]
図20は、本発明の一実施形態にしたがって、光学センサ100が受信した識別情報取得コマンドを実行するために、光学センサ100によってセンサ制御プロセス1600のステップ1604において実行することができる識別情報取得コマンド実行プロセス2000を示す。識別情報取得コマンド実行プロセス2000は、格納されている識別情報を引き出すステップ2002から開始することができる。実施形態では、識別情報が不揮発性記憶媒体660に格納される。測定コントローラ532からの要求に応答して、不揮発性記憶媒体660は識別情報をデータおよび制御バス654に出力することができる。実施形態では、データおよび制御バス654は、引き出された識別情報を測定コントローラ532に転送することができる。しかしながら、代替実施形態では、データおよび制御バス654は、引き出された識別情報を最初に測定コントローラ532に転送することなく、引き出された識別情報をコマンド・デコーダ/データ・エンコーダ652に転送してもよい。
【0124】
[00147] 格納されていた識別情報が引き出された後、識別情報取得コマンド実行プロセス2000はステップ2004に進むことができ、ここでセンサ100は引き出された識別情報を送信することができる。一実施形態では、測定コントローラ532は、引き出された識別情報をデータおよび制御バス654に出力することができる。データおよび制御バス654は、識別情報をコマンド・デコーダ/データ・エンコーダ652に転送することができ、コマンド・デコーダ/データ・エンコーダ652は、識別情報をエンコードすることができる。データ・シリアライザ656は、エンコードされた識別情報をシリアル化することができる。エンコーダ658は、シリアル化された識別情報をエンコードすることができる。クランプ/変調器646は、誘導性エレメント114(例えば、コイル220)を通る電流を、引き出されエンコードされた識別情報の関数として変調することができる。このように、エンコードされた識別情報は、ワイヤレスで誘導性エレメント114によって、変調電磁波として送信することができる。実施形態では、エンコードされた識別情報がセンサ100によってワイヤレスで送信されると、センサ・リーダ1500によって受信することができる。
【0125】
[00148] センサ100は、当該センサが受信する他のコマンドを実行することができてもよい。例えば、センサ100は、設定パラメータ更新実行プロセスを実行することもできる。このプロセスは、設定パラメータを更新するコマンドを実行するために光学センサ100によってセンサ制御プロセス1600のステップ1604において実行することができる。実施形態では、設定パラメータ更新実行プロセスが、不揮発性記憶媒体660に格納された1つ以上の設定パラメータ(即ち、初期化情報)を置き換えるのでもよい。一実施形態では、設定パラメータを更新するコマンドを受信すると、測定コントローラ532は、コマンドと共に受信した1つ以上の設定パラメータを、データおよび制御バス654に出力することができる。データおよび制御バス654は、この設定パラメータ(1つまたは複数)を不揮発性記憶媒体660に転送することができる。不揮発性記憶媒体660は、受信された設定パラメータ(1つまたは複数)を格納することができる。非限定的な一実施形態では、受信された設定パラメータ(1つまたは複数)は、不揮発性記憶媒体660に以前に格納されていた1つ以上の設定パラメータと置き換わることもできる。
【0126】
[00149] 以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら余すところなく説明した。これらの好ましい実施形態に基づいて本発明について説明したが、本発明の主旨および範囲内で、ある種の変更、変形、および代替構成も、説明した実施形態に対して行うことができることは当業者には明白であろう。