特許第6193915号(P6193915)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルエス産電株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6193915-高電圧直流送電システムの制御装置 図000002
  • 特許6193915-高電圧直流送電システムの制御装置 図000003
  • 特許6193915-高電圧直流送電システムの制御装置 図000004
  • 特許6193915-高電圧直流送電システムの制御装置 図000005
  • 特許6193915-高電圧直流送電システムの制御装置 図000006
  • 特許6193915-高電圧直流送電システムの制御装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6193915
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】高電圧直流送電システムの制御装置
(51)【国際特許分類】
   F03D 7/00 20060101AFI20170828BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20170828BHJP
   H02J 3/36 20060101ALI20170828BHJP
   H02J 1/00 20060101ALI20170828BHJP
   H02P 9/00 20060101ALI20170828BHJP
   H02P 101/15 20150101ALN20170828BHJP
【FI】
   F03D7/00
   H02J3/38 160
   H02J3/36
   H02J1/00 301B
   H02P9/00 F
   H02P101:15
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-98268(P2015-98268)
(22)【出願日】2015年5月13日
(65)【公開番号】特開2015-218730(P2015-218730A)
(43)【公開日】2015年12月7日
【審査請求日】2015年5月13日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0057372
(32)【優先日】2014年5月13日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス産電株式会社
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】チェ ヨン キル
(72)【発明者】
【氏名】チェ ホ ソク
【審査官】 岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−075224(JP,A)
【文献】 特表2004−532600(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0300510(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 7/00
H02J 3/38
H02J 3/36
H02J 1/00
H02P 9/00
H02P 101/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力発電装置、送電側交流パート、送電側変電パート、直流送電パート、需要側変電パート、需要側交流パート、エネルギー貯蔵装置、電力変換装置及び制御パートを含む高電圧直流送電システムにおいて、
前記制御パートは、
前記風力発電装置から前記送電側交流パートに供給される交流電力に対する感知されたAC電圧及び電流に基づいて前記風力発電装置の風力発電量を予測する風力発電量予測部と、
前記予測された風力発電量に基づいて所定時間の間に前記風力発電装置から発電して生成される発電可能量を予測する発電可能量予測部と、
前記発電可能量に基づいて、前記所定時間の間に同一に又は時点ごとに異なるように前記エネルギー貯蔵装置の充放電量を決定する充放電量決定部と、
前記充放電量を基に前記エネルギー貯蔵装置に貯蔵された直流電力に対応するエネルギーが前記所定時間の間に同一に又は時点ごとに異なるように電力変換装置に送電される送電容量を決定し、前記電力変換装置に前記送電容量に応じたエネルギーが供給されるように前記エネルギー貯蔵装置を制御する制御部と、を含み、
前記電力変換装置は、前記エネルギー貯蔵装置から供給されるエネルギーを直流変換して前記直流送電パートに出力する、高電圧直流送電システム。
【請求項2】
前記制御部は前記電力変換装置の正常稼動可否を確認する、請求項1に記載の高電圧直流送電システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記送電容量に応じて前記電力変換装置が稼動すると、前記電力変換装置から出力される直流変換されたエネルギーに対応するDC電圧が設定された基準電圧の範囲であり、前記電力変換装置から出力される直流変換されたエネルギーに対応する電流が設定された基準電流の範囲であれば、前記DC電圧及び電流に応じた稼動電力量で前記電力変換装置の正常稼動可否を確認する、請求項に記載の高電圧直流送電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施例は高電圧直流送電システムに関するものであり、特に発電エネルギーシステムに連携された高電圧直流送電システムの制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
風力発電は風力タービンを利用するため風速の変化など風力発電のための様々な条件などが可変的であり、その風力発電から出力される発電量が一定ではないため電力利用が難しい。
【0003】
このような問題点を解決するため、通常風力発電の出力変化に対応するためにエネルギー貯蔵装置を構成し、一定量の出力で電力を供給する方式を使用している。
【0004】
しかし、上述した従来の方法は風力発電の変化、電力需要の変動、需要変動による電力料金の変動、無効電力の使用量変化など系統の情況は考慮されない方式である。よって、系統の安定性は一部維持されるが、系統で要求する電力を安定的に供給することはできず、電力供給の最適化も提供することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施例では、風力発電及び電力貯蔵装置が連携された電力システムにおいて、その電力システムのエネルギーを効率的に活用する高電圧直流送電システム及びその制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例による高電圧直流送電システム制御装置は、所定時間の間に風力発電装置から発電されるエネルギーを印加され、前記印加されたエネルギーに基づいて発電量を測定する風力発電量予測部と、前記予測された風力発電量に基づいて所定時間の間に前記風力発電装置から発電するエネルギー量及びそれに対応する送電容量を決定する発電可能量予測部と、前記発電可能量予測部で予測される発電エネルギー量及び送電容量に基づいて電力変換装置にエネルギーを出力する制御部と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施例による高電圧直流送電(high voltage direct current transmission,HVDC transmission)システムのブロック構成図である。
図2】本実施例によるモノポーラ方式の高電圧直流送電システムの構成図である。
図3】本実施例によるバイポーラ方式の高電圧直流送電システムの構成図である。
図4】本実施例による変圧器3相バルブブリッジの結線図である。
図5】本実施例による高電圧直流送電システムの制御パートのブロック構成図である。
図6】本発明の実施例による高電圧直流送電システムの制御動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書及び特許請求の範囲に使用された用語や単語は通常的であるか辞書的な意味に限定して解析されてはならず、発明者は自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に立脚して本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解析されるべきである。
【0009】
よって、本明細書に記載された実施例と図面に示された構成は本発明の最も好ましい一実施例に過ぎず、本実施例の技術的思想を全て代弁するものではないため、本出願時点でそれらを代替する多様な均等物と変形例が存在する可能性があることを理解すべきである。
【0010】
図1は、本発明の実施例による高電圧直流送電システムを示す図である。
【0011】
図1に示したように、本発明の実施例によるHVDCシステム100は発電パート101、送電側交流パート110、送電側変電パート103、直流送電パート140、需要側変電パート105、需要側交流パート170、需要パート180及び制御パート190を含む。送電側変電パート103は送電側変圧器パート120、送電側交流−直流コンバータパート130を含む。需要側変電パート105は需要側直流−交流コンバータパート150、需要側変圧器パート160を含む。
【0012】
発電パート101は3相交流電力を生成する。発電パート101は複数の発電所を含む。本発明の実施例による発電パート101は風力発電である。
【0013】
送電側交流パート110は発電パート101が生成した3相交流電力を送電側変圧器パート120と送電側交流−直流コンバータパート130を含むDC変電所に伝達する。
【0014】
送電側変圧器パート120は送電側交流パート110を送電側交流−直流コンバータパート130及び直流送電パート140から隔離する(isolate)。
【0015】
送電側交流−直流コンバータパート130は送電側変圧器パート120の出力に当たる3相交流電力を直流電力に変換する。
【0016】
直流送電パート140は送電側の直流電力を需要側に伝達する。
【0017】
需要側直流−交流コンバータパート150は直流送電パート140によって伝達された直流電力を3相交流電力に変換する。
【0018】
需要側変圧器パート160は需要側交流パート170を需要側直流−交流コンバータパート150と直流送電パート140から隔離する。
【0019】
需要側交流パート170は需要側変圧器パート160の出力に当たる3相交流電力を需要パート180に提供する。
【0020】
制御パート190は発電パート101、送電側交流パート110、送電側変電パート103、直流送電パート140、需要側変電パート105、需要側交流パート170、需要パート180、制御パート190、送電側交流−直流コンバータパート130、需要側直流−交流コンバータパート150のうち少なくとも一つを制御する。特に、制御パート190は送電側交流−直流コンバータパート130と需要側直流−交流コンバータパート150内の複数のバルブのターンオン及びターンオフのタイミングを制御する。この際、バルブはサイリスタ又は絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(insulated gate bipolar trasistor,IGBT)に当たる。
【0021】
本発明の実施例による制御パート190は風力発電の発電量を予想し、発電量に基づいた発電可能量に対する予測を実行する。また、エネルギーの充放電量に対する予測及びそれによる発電制御を行う。
【0022】
図2は、本発明の実施例によるモノポーラ方式の高電圧直流送電システムを示す図である。
【0023】
特に、図2は単一極の直流電力を送電するシステムを示す。以下の説明では単一極は正極(positive pole)であると仮定して説明するが、それに限る必要はない。
【0024】
送電側交流パート110は交流送電ライン111と交流フィルタ113を含む。
【0025】
交流送電ライン111は発電パート101が生成した3相交流電力を送電側変電パート103に伝達する。
【0026】
交流フィルタ113は変電パート103が利用する周波数成分以外の残りの周波数成分を伝達された3相交流電力から除去する。
【0027】
送電側変圧器パート120は正極のために一つ以上の変圧器121を含む。正極のために送電側交流−直流コンバータパート130は正極直流電力を生成する交流−正極直流コンバータ131を含み、この交流−正極直流コンバータ131は一つ以上の変圧器121にそれぞれ対応する一つ以上の3相バルブブリッジ131aを含む。
【0028】
一つの3相バルブブリッジ131aが利用される場合、交流−正極直流コンバータ131は交流電力を利用して6つのパルスを有する正極直流電力を生成する。この際、その一つの変圧器121の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、Y−デルタ(Δ)形状の結線を有してもよい。
【0029】
2つの3相バルブブリッジ131aが利用される場合、交流−正極直流コンバータ131は交流電力を利用して12個のパルスを有する正極直流電力を生成する。この際、2つのうち一つの変圧器121の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、残りの一つの変圧器121の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Δ形状の結線を有してもよい。
【0030】
3つの3相バルブブリッジ131aが利用される場合、交流−正極直流コンバータ131は交流電力を利用して18個のパルスを有する正極直流電力を生成する。正極直流電力のパルスの数が多いほどフィルタの価格が下がる。
【0031】
直流送電パート140は送電側正極直流フィルタ141、正極直流送電ライン143、需要側正極直流フィルタ145を含む。
【0032】
送電側正極直流フィルタ141はインダクタL1とキャパシタC1を含み、交流−正極直流コンバータ131が出力する正極直流電力を直流フィルタリングする。
【0033】
正極直流送電ライン143は正極直流電力を伝送するための一つのDCラインを有し、電流の帰還通路としては大地を利用する。このDCラインの上には一つ以上のスイッチが配置される。
【0034】
需要側正極直流フィルタ145はインダクタL2とキャパシタC2を含み、正極直流送電ライン143を介して伝達された正極直流電力を直流フィルタリングする。
【0035】
需要側直流−交流コンバータパート150は正極直流−交流コンバータ151を含み、正極直流−交流コンバータ151は一つ以上の3相バルブブリッジ151aを含む。
【0036】
需要側変圧器パート160は正極のために一つ以上の3相バルブブリッジ151aにそれぞれ対応する一つ以上の変圧器161を含む。
【0037】
一つの3相バルブブリッジ151aが利用される場合、正極直流−交流コンバータ151は正極直流電力を利用して6つのパルスを有する交流電力を生成する。この際、その一つの変圧器161の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、Y−デルタ(Δ)形状の結線を有してもよい。
【0038】
2つの3相バルブブリッジ151aが利用される場合、正極直流−交流コンバータ151は正極直流電力を利用して12個のパルスを有する交流電力を生成する。この際、2つのうち一つの変圧器161の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、残りの一つの変圧器161の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Δ形状の結線を有してもよい。
【0039】
3つの3相バルブブリッジ151aが利用される場合、正極直流−交流コンバータ151は正極直流電力を利用して18個のパルスを有する交流電力を生成する。交流電力のパルスの数が多いほどフィルタの価格が下がる。
【0040】
需要側交流パート170は交流フィルタ171と交流送電ライン173を含む。
【0041】
交流フィルタ171は需要パート180が利用する周波数成分(例えば、60Hz)以外の残りの周波数成分を需要側変電パート105が生成する交流電力から除去する。
【0042】
交流送電ライン173はフィルタリングされた交流電力を需要パート180に伝達する。
【0043】
図3は、本発明の実施例によるバイポーラ方式の高電圧直流送電システムを示す図である。
【0044】
特に、図3は2つの極の直流電力を送電するシステムを示す。以下の説明では2つの極は正極と負極(negative pole)であると仮定して説明するが、それに限る必要はない。
【0045】
送電側交流パート110は交流送電ライン111と交流フィルタ113を含む。
【0046】
交流送電ライン111は発電パート101が生成した3相交流電力を送電側変電パート103に伝達する。
【0047】
交流フィルタ113は変電パート103が利用する周波数成分以外の残りの周波数成分を伝達された3相交流電力から除去する。
【0048】
送電側変圧器パート120は正極のための一つ以上の変圧器121を含み、負極のための一つ以上の変圧器122を含む。送電側交流−直流コンバータパート130は正極直流電力を生成する交流−正極直流コンバータ131と負極直流電力を生成する交流−負極直流コンバータ132を含み、交流−正極直流コンバータ131は正極のための一つ以上の変圧器121にそれぞれ対応する一つ以上の3相バルブブリッジ131aを含み、交流−負極直流コンバータ132は負極のための一つ以上の変圧器122にそれぞれ対応する一つ以上の3相バルブブリッジ132aを含む。
【0049】
正極のために一つの3相バルブブリッジ131aが利用される場合、交流−正極直流コンバータ131は交流電力を利用して6つのパルスを有する正極直流電力を生成する。この際、その一つの変圧器121の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、Y−デルタ(Δ)形状の結線を有してもよい。
【0050】
正極のために2つの3相バルブブリッジ131aが利用される場合、交流−正極直流コンバータ131は交流電力を利用して12個のパルスを有する正極直流電力を生成する。この際、2つのうち一つの変圧器121の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、残りの一つの変圧器121の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Δ形状の結線を有してもよい。
【0051】
正極のために3つの3相バルブブリッジ131aが利用される場合、交流−正極直流コンバータ131は交流電力を利用して18個のパルスを有する正極直流電力を生成する。正極直流電力のパルスの数が多いほどフィルタの価格が下がる。
【0052】
負極のために一つの3相バルブブリッジ132aが利用される場合、交流−負極直流コンバータ132は6つのパルスを有する負極直流電力を生成する。この際、その一つの変圧器122の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、Y−デルタ(Δ)形状の結線を有してもよい。
【0053】
負極のために2つの3相バルブブリッジ132aが利用される場合、交流−負極直流コンバータ132は12個のパルスを有する負極直流電力を生成する。この際、2つのうち一つの変圧器122の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、残りの一つの変圧器122の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Δ形状の結線を有してもよい。
【0054】
負極のために3つの3相バルブブリッジ132aが利用される場合、交流−負極直流コンバータ132は18個のパルスを有する負極直流電力を生成する。負極直流電力のパルスの数が多いほどフィルタの価格が下がる。
【0055】
直流送電パート140は送電側正極直流フィルタ141、送電側負極直流フィルタ142、正極直流送電ライン143、負極直流送電ライン144、需要側正極直流フィルタ145、需要側負極直流フィルタ146を含む。
【0056】
送電側正極直流フィルタ141はインダクタL1とキャパシタC1を含み、交流−正極直流コンバータ131が出力する正極直流電力を直流フィルタリングする。
【0057】
送電側負極直流フィルタ142はインダクタL3とキャパシタC3を含み、交流−負極直流コンバータ132が出力する負極直流電力を直流フィルタリングする。
【0058】
正極直流送電ライン143は正極直流電力を伝送するための一つのDCラインを有し、電流の帰還通路としては大地を利用する。このDCラインの上には一つ以上のスイッチが配置される。
【0059】
負極直流送電ライン144は負極直流電力を伝送するための一つのDCラインを有し、電流の帰還通路としては大地を利用する。このDCラインの上には一つ以上のスイッチが配置される。
【0060】
需要側正極直流フィルタ145はインダクタL2とキャパシタC2を含み、正極直流送電ライン143を介して伝達された正極直流電力を直流フィルタリングする。
【0061】
需要側負極直流フィルタ146はインダクタL4とキャパシタC4を含み、負極直流送電ライン144を介して伝達された負極直流電力を直流フィルタリングする。
【0062】
需要側直流−交流コンバータパート150は正極直流−交流コンバータ151と負極直流−交流コンバータ152を含み、正極直流−交流コンバータ151は一つ以上の3相バルブブリッジ151aを含み、負極直流−交流コンバータ152は一つ以上の3相バルブブリッジ152aを含む。
【0063】
需要側変圧器パート160は正極のために一つ以上の3相バルブブリッジ151aにそれぞれ対応する一つ以上の変圧器161を含み、負極のために一つ以上の3相バルブブリッジ152aにそれぞれ対応する一つ以上の変圧器162を含む。
【0064】
正極のために一つの3相バルブブリッジ151aが利用される場合、正極直流−交流コンバータ151は正極直流電力を利用して6つのパルスを有する交流電力を生成する。この際、その一つの変圧器161の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、Y−デルタ(Δ)形状の結線を有してもよい。
【0065】
正極のために2つの3相バルブブリッジ151aが利用される場合、正極直流−交流コンバータ151は正極直流電力を利用して12個のパルスを有する交流電力を生成する。この際、2つのうち一つの変圧器161の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、残りの一つの変圧器161の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Δ形状の結線を有してもよい。
【0066】
正極のために3つの3相バルブブリッジ151aが利用される場合、正極直流−交流コンバータ151は正極直流電力を利用して18個のパルスを有する交流電力を生成する。交流電力のパルスの数が多いほどフィルタの価格が下がる。
【0067】
負極のために一つの3相バルブブリッジ152aが利用される場合、負極直流−交流コンバータ152は負極直流電力を利用して6つのパルスを有する交流電力を生成する。この際、その一つの変圧器162の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、Y−デルタ(Δ)形状の結線を有してもよい。
【0068】
負極のために2つの3相バルブブリッジ152aが利用される場合、負極直流−交流コンバータ152は負極直流電力を利用して12個のパルスを有する交流電力を生成する。この際、2つのうち一つの変圧器162の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Y形状の結線を有してもよく、残りの一つの変圧器162の1次側のコイルと2次側のコイルはY−Δ形状の結線を有してもよい。
【0069】
負極のために3つの3相バルブブリッジ152aが利用される場合、負極直流−交流コンバータ152は負極直流電力を利用して18個のパルスを有する交流電力を生成する。交流電力のパルスの数が多いほどフィルタの価格が下がる。
【0070】
需要側交流パート170は交流フィルタ171と交流送電ライン173を含む。
【0071】
交流フィルタ171は需要パート180が利用する周波数成分(例えば、60Hz)以外の残りの周波数成分を需要側変電パート105が生成する交流電力から除去する。
【0072】
交流送電ライン173はフィルタリングされた交流電力を需要パート180に伝達する。
【0073】
図4は、本発明の実施例による変圧器と3相バルブブリッジの結線を示す図である。
【0074】
特に、図4は正極のための2つの変圧器121と正極のための2つの3相バルブブリッジ131aの結線を示す。負極のための2つの変圧器122と負極のための2つの3相バルブブリッジ132aの結線、正極のための2つの変圧器161と正極のための2つの3相バルブブリッジ151aの結線、負極のための2つの変圧器162と負極のための2つの3相バルブブリッジ152aの結線、正極のための1つの変圧器121と正極のための1つの3相バルブブリッジ131a、正極のための1つの変圧器161と正極のための1つの3相バルブブリッジ151aの結線などは図4の実施例から容易に導出されるため、その図面と説明は省略する。
【0075】
図4において、Y−Y形状の結線を有する変圧器121を上側変圧器、Y−Δ形状の結線を有する変圧器121を下側変圧器、上側変圧器に連結される3相バルブブリッジ131aを上側3相バルブブリッジ、下側変圧器に連結される3相バルブブリッジ131aを下側3相バルブブリッジと称する。
【0076】
上側3相バルブブリッジと下側3相バルブブリッジは直流電力を出力する2つの出力端である第1出力端OUT1と第2出力端OUT2を有する。
【0077】
上側3相バルブブリッジは6つのバルブD1−D6を含み、下側3相バルブブリッジは6つのバルブD7−D12を含む。
【0078】
バルブD1は第1出力端OUT1に連結されるカソードと上側変圧器の2次側コイルの第1端子に連結されるアノードを有する。
【0079】
バルブD2はバルブD5のアノードに連結されるカソードとバルブD6のアノードに連結されるアノードを有する。
【0080】
バルブD3は第1出力端OUT1に連結されるカソードと上側変圧器の2次側コイルの第2端子に連結されるアノードを有する。
【0081】
バルブD4はバルブD1のアノードに連結されるカソードとバルブD6のアノードに連結されるアノードを有する。
【0082】
バルブD5は第1出力端OUT1に連結されるカソードと上側変圧器の2次側コイルの第3端子に連結されるアノードを有する。
【0083】
バルブD6はバルブD3のアノードに連結されるカソードを有する。
【0084】
バルブD7はバルブD6のアノードに連結されるカソードと下側変圧器の2次側コイルの第1端子に連結されるアノードを有する。
【0085】
バルブD8はバルブD11のアノードに連結されるカソードと第2出力端OUT2に連結されるアノードを有する。
【0086】
バルブD9はバルブD6のアノードに連結されるカソードと下側変圧器の2次側コイルの第2端子に連結されるアノードを有する。
【0087】
バルブD10はバルブD7のアノードに連結されるカソードと第2出力端OUT2に連結されるアノードを有する。
【0088】
バルブD11はバルブD6のアノードに連結されるカソードと下側変圧器の2次側コイルの第3端子に連結されるアノードを有する。
【0089】
バルブD12はバルブD9のアノードに連結されるカソードと第2出力端OUT2に連結されるアノードを有する。
【0090】
図5は、本発明の実施例による高電圧直流送電システムの制御パートのブロック構成図である。
【0091】
図5を参照すると、本発明の実施例による制御パート190は風力発電量予測部192、発電可能量予測部194、充放電量決定部196及び制御部198を含んで構成される。
【0092】
風力発電予測部192は所定時間の間の風力発電量を予測する。風力発電量予測部192は風力発電装置で風向及び風速の影響によって生成される電気エネルギー、即ち、送電側交流パート110から制御部198に印加されるAC電圧及び電流、を制御部198から伝達されて、AC電圧及び電流を基に風力発電量を予測する。
【0093】
発電可能量予測部194は風力発電量予測部192で予測する風力発電量を基に、風力発電装置で所定時間(期間)の間の生成可能な発電可能量を予測する。
【0094】
充放電量決定部196は発電可能量予測部194で予測される発電可能量に基づいて、所定時間(期間)の間に同じ又は時点ごとに異なる量となるようにエネルギー貯蔵装置の充電量及び放電量を決定する。
【0095】
制御部198は送電側交流パート110から印加されるAC電圧及び電流を測定し、AC電圧及び電流を風力発電量予測部192に伝達して風力発電量を予測するように制御する。AC電圧及び電流は風力発電装置が作動して風力エネルギーがブレードを回転させ、回転軸に連結された発電機を回転して生成される電気エネルギーに対する値である。また、制御部198は、充放電量決定部196で決定された充電量及び放電量を基に、エネルギー貯蔵装置に貯蔵されたエネルギーが所定時間(期間)の間に同じに又は時点ごとに異なるように電力変換装置に送電される送電容量を決定し、送電容量に応じて電力変換装置が稼動すると、電力変換装置から出力されるDC電圧が設定された基準電圧の範囲内であり、電力変換装置から出力される電流が設定された基準電流の範囲内であれば、DC電圧及び電流に応じた稼動電力量で電力変換装置の正常稼動可否を確認する。
【0096】
本発明の実施例では制御部198とは別途に風力発電量予測部192、発電可能量予測部194及び充放電量決定部196を別途の装置に区分して例に挙げて説明した。しかし、構成部は制御部198に含まれる一つの装置として構成される。装置の構成は限定されず、構成方法によって流動的である。
【0097】
図6は、本発明の実施例による高電圧直流送電システムの制御動作のフローチャートである。
【0098】
図6を参照すると、本発明の実施例による制御部198は送電側交流パート110から印加されるAC電圧及び電流を測定するS610。
【0099】
制御部198は測定されるAC電圧及び電流風力発電量予測部192に伝達して、風力発電量予測部192が風力発電量を予測するように制御する。即ち、風力発電量予測部192は風力発電装置から印加される風力発電量を測定するS620制御部198は発電可能量予測部194を制御して、風力発電量を基に風力発電装置で所定時間(期間)の間に生成する発電可能量を予測するS630。
【0100】
制御部198は充放電量決定部196を制御して、充放電量決定部196が発電可能量に基づいて所定時間(期間)の間に同一に又は時点ごとに異なるようにエネルギー貯蔵装置の充電量及び放電量を決定するS640。
【0101】
制御部198は充放電量決定部196にて充電量及び放電量が決定されると、エネルギー貯蔵装置に貯蔵されるエネルギーが所定時間の間に同一に又は時点ごとに異なるように電力変換装置に送電される送電容量を決定するS650。
【0102】
制御部198は決定された送電容量に対応するようにエネルギー貯蔵装置に貯蔵されたエネルギーを出力して電力変換装置の稼動を確認するS660。
【0103】
制御部198は電力変換装置の稼動に応じて出力されるDC電圧及び電流を測定しS670、測定された電圧及び電流値が基準電圧及び電流値の範囲内に存在するのかを確認して電力変換装置の正常稼動可否を確認する。
【0104】
制御部198は電力変換装置の駆動によって出力されるDC電圧及び電流値に応じて送電電力指令値(稼動電力量)を確認するS680。詳しくは、制御部198は測定されたDC電圧及び電流値に対する電力量を確認し、それに応じた電力変換装置の正常稼動可否を確認する。
【0105】
よって、制御部198は確認された送電電力量に基づいて正常的な電力変換装置の稼動可否を確認するS690。
【0106】
これまで本発明についてその好ましい実施例を中心に説明したが、これは単なる例示に過ぎないものであって本発明を限定するものではなく、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲内で前記に例示されていない様々な変形と応用が可能であることを理解できるはずである。例えば、本発明の実施例に具体的に示した各構成要素は変形して実施することができるものである。そして、このような変形と応用に関する差は添付した特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれると解析されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6