(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6193946
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】ショートメッセージサービスをサポートする、ターミナルのケーパビリティのレポーティング
(51)【国際特許分類】
H04M 1/00 20060101AFI20170828BHJP
H04W 88/18 20090101ALI20170828BHJP
H04W 4/12 20090101ALI20170828BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
H04M1/00 R
H04W88/18
H04W4/12
H04M11/00 302
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-187364(P2015-187364)
(22)【出願日】2015年9月24日
(62)【分割の表示】特願2014-103677(P2014-103677)の分割
【原出願日】2005年5月25日
(65)【公開番号】特開2016-26450(P2016-26450A)
(43)【公開日】2016年2月12日
【審査請求日】2015年10月26日
(31)【優先権主張番号】60/576,700
(32)【優先日】2004年6月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】11/112,503
(32)【優先日】2005年4月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596008622
【氏名又は名称】インターデイジタル テクノロジー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カメル エム.シャヒーン
【審査官】
望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】
特表2002−521912(JP,A)
【文献】
国際公開第2003/103308(WO,A1)
【文献】
特開2000−138956(JP,A)
【文献】
特開2000−174820(JP,A)
【文献】
特開2002−281550(JP,A)
【文献】
特開2003−163953(JP,A)
【文献】
特表2004−508746(JP,A)
【文献】
特表2005−526470(JP,A)
【文献】
特表2005−529551(JP,A)
【文献】
国際公開第2003/105425(WO,A1)
【文献】
InterDigital Communication,Correcting status of Annex D from Informative back to Normative[online],[online],2004年 4月,3GPP TSG-SA WG2#39,S2-041339,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_39_Shenzhen/Tdocs/S2-041339.zip><S2-041339.doc>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M1/00
H04M11/00
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークデバイスにおける動作の方法であって、前記方法は、
第1のユーザ機器(UE)から、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を介して少なくとも1つのインターネットプロトコル(IP)ベースの登録メッセージを受信するステップであって、前記少なくとも1つのIPベースの登録メッセージは、ショートメッセージ受信に対するサポートを示し、ならびに、セキュリティアソシエーションデータ、前記第1のUEのセルラーネットワーク識別子および前記第1のUEのIPアドレスを含む、ステップと、
前記第1のUEの前記セキュリティアソシエーションデータ、前記第1のUEの前記セルラーネットワーク識別子および前記第1のUEの前記IPアドレスをデータベースに記憶するステップと、
第2のUEから、ショートメッセージを送るための要求を受信するステップであって、前記要求は、IPベースのメッセージであり、および前記第1のUEの前記セルラーネットワーク識別子を含む、ステップと
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1のUEの前記記憶されたセルラーネットワーク識別子を前記第2のUEに送信するステップをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のUEのケーパビリティ情報を受信するステップをさらに備え、前記ケーパビリティ情報は、利用可能なメモリサイズ、ターミナルタイプ、スクリーンサイズおよびSIPサポートの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のUEの前記ケーパビリティ情報に基づいて、前記第2のUEが前記第1のUEとのIPベースのショートメッセージ通信をできるかどうかを判定するステップと、
前記第2のUEが前記第1のUEとのIPベースのショートメッセージ通信をできるか否かの表示を前記第2のUEに送信するステップと
をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第1のユーザ機器(UE)から、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を介して少なくとも1つのインターネットプロトコル(IP)ベースの登録メッセージを受信する受信機であって、前記少なくとも1つのIPベースの登録メッセージは、ショートメッセージ受信に対するサポートを示し、ならびに、セキュリティアソシエーションデータ、前記第1のUEのセルラーネットワーク識別子および前記第1のUEのIPアドレスを含む、受信機と、
前記第1のUEの前記セキュリティアソシエーションデータ、前記第1のUEの前記セルラーネットワーク識別子および前記第1のUEの前記IPアドレスを記憶するデータベースと
を備え、前記受信機は、第2のUEから、ショートメッセージを送るための要求を受信するように構成され、前記要求は、IPベースのメッセージであり、および前記第1のUEの前記セルラーネットワーク識別子を含むことを特徴とするネットワークデバイス。
【請求項6】
前記第1のUEの前記記憶されたセルラーネットワーク識別子を前記第2のUEに送信するように構成された送信機をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載のネットワークデバイス。
【請求項7】
前記受信機は、前記第1のUEのケーパビリティ情報を受信するように構成され、前記ケーパビリティ情報は、利用可能なメモリサイズ、ターミナルタイプ、スクリーンサイズおよびSIPサポートの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項5に記載のネットワークデバイス。
【請求項8】
前記第1のUEの前記ケーパビリティ情報に基づいて、前記第2のUEが前記第1のUEとのIPベースのショートメッセージ通信をできるかどうかを判定するように構成された回路と、
前記第2のUEが前記第1のUEとのIPベースのショートメッセージ通信をできるか否かの表示を前記第2のUEに送信するように構成された送信機と
をさらに備えたことを特徴とする請求項7に記載のネットワークデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN:Wireless Local Area Network)に関し、より詳細には、WLANを介したショートメッセージサービス(SMS:Short Message Service)をサポートする、ターミナルのケーパビリティ(terminal capability)をレポートするための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
WLANにおいてIP(Internet Protocol)を用いたSMSをサポートする現行のアーキテクチャは、ユーザ機器(UE:User Equipment)の代表として、IPゲートウェイにおいて、SMSプロキシを使用している。SMSプロキシは、共通線信号No.7(SS7:Signaling System No.7)の移動通信応用部(MAP:Mobile Application Part)(すなわち、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communication)/GPRS(General Packet Radio Service)に関する既存のSMS)に対するターミナルのフロントエンドとして動作する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
SMSに関連付けられた制御シグナリングは、現在のところ、プロキシ機能によってカバーされてはいない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明により、SMSデータメッセージが、SS7/MAPフォーマットから抽出され、そのメッセージが、IPベースのプロトコルを用いることによって、インターワーキングWLAN(I−WLAN:Interworking WLAN) UEに配信される。本発明では、SMS IPゲートウェイにおけるSMSプロキシ機能が、GSM/GPRS UEにおけるSMSクライアントにより実行される全ての機能を実行する。
【0005】
SMSメッセージをI−WLAN UEに配信する方法は、IPショートメッセージゲートウェイ(IP−SM−GW:IP Short Message GateWay)にUEを登録することによって開始する。UEのケーパビリティを含むケーパビリティレポートが、UEからIP−SM−GWに送信される。SMSメッセージは、ショートメッセージサービスセンタ(SMSC:Short Message Service Center)からIP−SM−GWに送信される。IP−SM−GWにおいて、UEのケーパビリティを評価して、UEがSMSメッセージを受信できるか否かを判定する。UEがSMSメッセージを受信するケーパビリティを有していた場合、SMSメッセージが、IP−SM−GWを介して、UEに配信される。
【0006】
I−WLAN UEからSMSメッセージを送信する方法は、IP−SM−GWにUEを登録することによって開始する。UEのケーパビリティを含むケーパビリティレポートが、UEからIP−SM−GWに送信される。これによって、IP−SM−GWは、UEのプロキシとして動作する。SMSメッセージは、UEからIP−SM−GWに送信される。そのSMSメッセージが、IP−SM−GWを介して、SMSCに送信される。
【0007】
SMSメッセージをI−WLAN UEに配信するシステムは、SMSCと、IP−SM−GWと、ケーパビリティレポートとを備える。SMSCは、UEに配信するためのSMSメッセージを送信する。UEは、IP−SW−GWに登録され、IP−SW−GWは、SMSCにより送信されたSMSメッセージを受信する。UEのケーパビリティを含むケーパビリティレポートが、UEからIP−SM−GWに送信される。IP−SM−GWは、ケーパビリティレポートを評価し、UEがSMSメッセージを受信するケーパビリティを有していた場合、SMSメッセージをUEに配信する。
【0008】
I−WLAN UEからSMSメッセージを送信するシステムは、IP−SM−GWと、ケーパビリティレポートと、SMSCとを備える。UEは、IP−SW−GWに登録され、UEのケーパビリティを含むケーパビリティレポートをIP−SM−GWに送信する。IP−SM−GWは、UEのプロキシとして動作し、UEにより送信されたSMSメッセージを受信する。IP−SM−GWが、そのSMSメッセージをSMSCに転送する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】ショートメッセージをWLAN UEに配信する方法を示すフロー図である。
【
図3】SIP/IMSを使用して、ショートメッセージをWLAN UEに配信する方法を示すフロー図である。
【
図4】WLAN UEからショートメッセージを送信する方法を示すフロー図である。
【
図5】SIP/IMSを使用して、WLAN UEからショートメッセージを送信する方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面とあわせて理解すべき例示する以下の好ましい実施形態の記載から、本発明をより詳細に理解することができよう。
【0011】
以下において、ユーザ機器(UE)には、ワイヤレス送受信ユニット(WTRU:Wireless Transmit/Receive Unit)、移動局、固定式もしくは移動式加入者ユニット、ページャ、または、ワイヤレス環境において動作することができるその他の任意のタイプのデバイスが含まれるが、これらに限定されるものではない。また、以下において、「基地局」と呼ぶときは、この用語には、ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント、または、ワイヤレス環境におけるその他の任意のタイプのインタフェーシングデバイスが含まれるが、これらに限定されるものではない。以下の諸実施形態について、UEと関連させて説明するが、それらの実施形態は、WTRUにも適用できる。
【0012】
図1は、SMSシステム100を示す図である。このシステム100は、ショートメッセージエンティティ(SME:Short Message Entity)102を備えている。このSME102は、ショートメッセージを送受信することができる。SME102は、SMSC104と通信する。SMSC104は、SME102とUEとの間でやり取りされるショートメッセージをリレーして、記憶転送する(store-and-forward)役割を担う。
【0013】
関門移動通信交換局(GMSC:Gateway Mobile Switching Center)/SMSインターワーキング移動通信交換局(SMS−IWMSC:SMS InterWorking Mobile Switching Center)106は、2つの機能、すなわち、GMSC機能とSMS−IWMSC機能とを有する。GMSC機能は、SMSC104からショートメッセージを受信する。そして、GMSC機能は、情報をルーティングするために、ホームサブスクライバサーバ(HSS:Home Subscriber Server)/ホームロケーションレジスタ(HLR:Home Location Register)108に問い合わせて、受信側UEがアクセスするMSCまたはSGSN(Serving GPRS Support Node)にショートメッセージを送信する。SMS−IWMSC機能は、UEからショートメッセージを受信し、そのショートメッセージを、適切なSMSCに転送する。
図1には、SMSC104とGMSC/SMS−IWMSC106とを別々のエンティティとして示したが、これらは、単一のエンティティに統合することができる。
【0014】
HSS/HLR108は、WLANの認証・許可・アカウンティング(AAA:Authentication, Authorization, and Accounting)サーバ110と通信する。AAAサーバ110は、どのUEがWLANにアクセスすることができるかに関する情報と、UEがどのサービスを使用することが許されているかに関する情報と、各UEに関するアカウンティング記録とを有する。
【0015】
非IPベースの設定では、GMSC/SMS−IWMSC106は、MSC112およびSGSN114と通信する。MSC112およびSGSN114は双方、UE116と通信する。MSC112は、スイッチング、シグナリング、ページング、およびMSC間のハンドオーバなどの機能を提供する。SGSN114は、ルーティングや移動管理などの機能を実行する。
【0016】
SMSメッセージをルーティングする際、GMSC/SMS−IWMSC106は、HSS/HLR108に対してMAPリクエストを行って、UE116に配信するためのSMSメッセージがルーティングされることになるMSC112またはSGSN114のアドレスを割り出す。
【0017】
IPベースの設定では、IP−SM−GW118が、ショートメッセージを配信するために、IPクライアントとネットワークとの間のプロトコルインターワーキングを提供する。IP−SM−GW118は、SS7を介して、確立されたMAPプロトコルを使用することにより、GMSC/SMS−IWMSC106と通信する。これにより、GMSC/SMS−IWMSC106には、IP−SM−GW118が、MSCまたはSGSNのように見える。IP−SM−GW118は、IPアドレスデータベース120にアクセスして、電話番号(MSISDN)を、WLAN UE122のIPアドレスと関連付ける。
図1には、IPアドレスデータベース120を1つのエンティティとして示したが、IPアドレスデータベースは、HSS/HLR108内、AAAサーバ110内、もしくはIP−SM−GW118内に位置してもよいし、または、その他の適切な任意の場所に位置してもよい。
【0018】
IP−SM−GW118は、パケットデータゲートウェイ(PDG:Packet Data Gateway)124を使用して、WLAN UE122と通信する。IP−SM−GW118は、SMSサービスに関して、WLAN UE122の登録および認証をサポートし、WLAN UE122とのセキュリティアソシエーションをサポートする。IP−SM−GW118は、IPベースのプロトコルを使用して、WLAN UE122と通信し、SMSメッセージのフォーマットおよび機能性を維持する。
【0019】
SMSメッセージをルーティングする際、GMSC/SMS−IWMSC106は、HSS/HLR108に対してMAPリクエストを行って、IP−SM−GW118のアドレスを割り出す。さらに、HSS/HLR108は、WLAN UE122がIPベースである(例えば、WLAN UEが、MSC112またはSGSN114ではなく、IP−SM−GW118と通信する)という指示と、IP−SM−GW118のSS7 MAPアドレスとを提供する。また、HSS/HLR108には、WLAN UE122がIPを介して接続されていることを判定して、MSCまたはSGSNのアドレスではなく、IP−SM−GW118のアドレスを返すのに必要なロジックが含まれる。AAAサーバ110は、WLAN UE122がIP接続されているか否かに関する、WLAN UE122の接続ステータス(attach status)を保持する。
【0020】
WLAN UEへのショートメッセージの配信
図2は、ショートメッセージをWLAN UEに配信する方法200を示している。WLAN UE122と、ホームPDG124との間に、トンネルが確立される(ステップ202)。トンネルが確立されたあと、UE122は、必要な全てのセキュリティアソシエーションを確立するIP−SM−GW118に登録され、SMSサービスのサポート性に関して、認証を行い、UEのMSISDN(E.164)とUEのIPアドレスとの関連付け(association)を登録する(ステップ204)。
【0021】
UE122は、自身のケーパビリティを、(ケーパビリティレポートとして)IP−SM−GW118に送信する(ステップ206)。UEのケーパビリティには、例えば、メモリサイズ、ターミナルのタイプ、スクリーンサイズ、および、UEがセッション開始プロトコル(SIP:Session Initiation Protocol)をサポートするか否かに関する情報が含まれる。IP−SM−GW118は、UEのケーパビリティを使用して、SMSメッセージの配信を拒否するか否かを判定し、SMSデータおよび通知だけが、IPを介してUE122に確実に送信されるようにする。
【0022】
SMSC104は、SMSメッセージをSMS−GMSC106に送信する(ステップ208)。SMS−GMSC106は、HSS/HLR108に問い合わせて、UE122に関するルーティング情報を検索する(ステップ210)。ユーザが、SMSメッセージの配信について、WLANにおいて登録されていれば、HSS/HLR108は、(適切なMSCまたはSGSNのアドレスではなく、)IP−SM−GW118のアドレスを返す。これによって、IP−SM−GW118は、UE122のプロキシとして動作する(ステップ212)。SMSプロキシ(すなわち、IP−SM−GW118)は、UE122のケーパビリティ(例えば、メモリサイズ、スクリーンサイズ、またはターミナルのタイプ)と、SMSデータの性質(テキスト、動画など)とに基づいて、SMSメッセージの配信を拒否することができる。
【0023】
SMS−GMSC106は、SMSメッセージがあたかもMSCまたはSGSNに配信されるかのようなプロトコルを使用して、SMSメッセージをIP−SM−GW118に転送する(ステップ214)。任意的に、IP−SM−GW118は、データベース120に問い合わせて、UE122に関連付けられたIPアドレスおよび適切なセキュリティパラメータを識別してもよい(ステップ216)。
【0024】
SMSメッセージは、2つの方法により配信することができる。その2つの方法は、通知配信および直接配信である。通知配信の方法が使用される場合、IP−SM−GW118は、SMS通知リクエストをUE122に送信して、UE122に、SMSメッセージが配信可能であることを通知する(ステップ218)。UE122は、SMS通知リクエストを受信すると、UE122がSMSメッセージを受信することを望むか否かを指示する通知アクノレッジメント(notification acknowledgement)をもって、IP−SM−GW118に応答する(ステップ220)。
【0025】
直接配信の方法が使用される場合(ステップ218およびステップ220がスキップされる場合)、または、SMS通知リクエストに応答されて、肯定アクノレッジメントが、UE122から受信された場合、IP−SM−GW118は、可能な複数のプロトコルのうちの1つを使用して、SMSメッセージをUE122に配信する(ステップ222)。これらの可能な複数のプロトコルとして、例えば、ワイヤレスアプリケーションプロトコル(WAP:Wireless Application Protocol)、ショートメッセージピアツーピアプロトコル(SMPP:Short Message Peer to Peer protocol)、モバイルメッセージアクセスプロトコル(MMAP:Mobile Message Access Protocol)、拡張マークアップ言語(XML:eXtensible Markup Language)、またはSIP(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IMS:IP Multimedia Subsystem)クライアント)が挙げられる。IP−SM−GW118が、SMSメッセージの配信を拒否した場合、ステップ216〜ステップ222はスキップされ、方法200は、ステップ224へ進む。
【0026】
IP−SM−GW118は、配信レポートをSMS−GMSC106に返送する(ステップ224)。この配信レポートは、SMSメッセージがUE122に配信されたことを確認するものであるか、または、SMSメッセージを配信できなかったことと、その失敗の理由とを、SMS−GMSC106に通知するものである。SMS−GMSC106は、SM配信レポートステータスをHSS/HLR108に送信する(ステップ226)。SMS−GMSC106は、SM配信レポートをSMSC104に送信する(ステップ228)。UE122のフロントエンドとして動作するIP−SM−GW118により、3GPP技術規格(TS:Technical Specification) 23.040 v6.3.0(2004−03)において定義されたメカニズムを用いて、エラー処理が実行されることが好ましいが、その他のエラー処理技術が用いられてもよい。
【0027】
図3は、SIP/IMSを使用して、ショートメッセージをWLAN UE122に配信する方法300のフロー図である。UE122は、IMS登録プロシージャにしたがって、サービング呼セッション制御機能(S−CSCF:Serving Call Session Control Function)302に登録される(ステップ310)。この登録情報は、HSS/HLR108にも記憶される。UE122は、ケーパビリティレポートをIP−SM−GW118に送信する(ステップ312)。UEのケーパビリティには、例えば、メモリサイズ、ターミナルのタイプ、スクリーンサイズ、および、UEがセッション開始プロトコル(SIP)をサポートするか否かに関する情報が含まれる。IP−SM−GW118は、UEのケーパビリティを使用して、UE122のプロキシとして動作することにより、SMSメッセージの配信を拒否するか否かを判定する。
【0028】
SMSC104は、SMSメッセージをSMS−GMSC106に送信する(ステップ314)。SMS−GMSC106は、HSS/HLR108に問い合わせて、ルーティング情報を検索する(ステップ316)。ユーザが、IMSにおいて登録されていれば、HSS/HLR108は、MSCのアドレスとともに、IP−SM−GW118のアドレスを返す。
【0029】
SMS−GMSC106は、対象とするUE122のMSISDNを伝えるとともに、SMSメッセージをMSCまたはSGSNに配信するかのように、SMSメッセージをIP−SM−GW118に転送する(ステップ318)。IP−SM−GW118は、対象とするUE122のTEL−URLを使用して、SIPリクエストURIを投入し(populate)、次いで、SIP MESSAGEメソッドを用いて、SMSメッセージをS−CSCF302に転送する(ステップ320)。次いで、S−CSCF302は、SIP MESSAGE(SMSメッセージ)をUE122に配信する(ステップ322)。
【0030】
UE122は、SIP MESSAGE(SMSメッセージ)を受信すると、200 OKメッセージをS−CSCF302に送信することにより、応答する(ステップ324)。この200 OKメッセージは、配信レポートではないことに留意されたい。なぜならば、200 OKメッセージは、配信レポート内に含まれる情報を伝えることができないからである。S−CSCF302は、200 OKメッセージをIP−SM−GW118に送信する(ステップ326)。
【0031】
次いで、UE122は、SIP MESSAGEメソッドを用いて、配信レポートをS−CSCF302に送信する(ステップ328)。S−CSCF302は、フィルタ情報に基づいて、SIP MESSAGE(配信レポート)をIP−SM−GW118に転送する(ステップ330)。IP−SM−GW118は、SIP MESSAGEフォーマットから配信レポートを抽出し、その配信レポートをSMS−GMSC106に送信する(ステップ332)。
【0032】
SMS−GMSC106は、SM配信レポートステータスメッセージをHSS/HLR108に送信する(ステップ334)。SMS−GMSC106は、配信レポートをSMSC104に転送する(ステップ336)。IP−SM−GW118は、200 OKメッセージをS−CSCF302に送信する(ステップ338)。これにより、IP−SM−GW118は、配信レポートがSMSC104に送信されたことを通知する。S−CSCF302は、200 OKメッセージをUE122に送信する(ステップ340)。これにより、S−CSCF302は、配信レポートが送信されたことを、UE122に通知する。
【0033】
WLAN UEからのショートメッセージの送信
図4は、WLAN UE122からショートメッセージを送信する方法400を示す図である。UE122と、ホームPDG124との間に、トンネルが確立される(ステップ402)。トンネルが確立されたあと、UE122は、必要な全てのセキュリティアソシエーションを確立するIP−SM−GW118に登録され、SMSサービスのサポート性に関して、認証を行い、UEのMSISDN(E.164)とUEのIPアドレスとの関連付けを登録する(ステップ404)。UE122に関する情報は、HSS/HLR108にも記憶される。UE122は、自身のケーパビリティをIP−SM−GW118に送信して(ステップ406)、SMSターミナルプロキシオペレーションが可能となるようにする。ケーパビリティ情報が送信されたあと、IP−SM−GW118は、UE122に関する全てのSMS制御メッセージを処理する(ステップ408)。
【0034】
UE122は、例えば、WAP、SMPP、MMPP、またはXMLを使用して、SMSメッセージをIP−SM−GW118に送信する(ステップ410)。IP−SM−GW118は、SMSメッセージを抽出し、標準(standard)MAPを使用して、IP−SM−GW118があたかもMSCまたはSGSNであるかのように、そのSMSメッセージをSMS−IWMSC106に転送する(ステップ412)。
【0035】
SMS−IWMSC106は、SMSメッセージをSMSC104に転送する(ステップ414)。SMSC104は、SMSメッセージを受信すると、配信レポートをSMS−IWMSC106に送信する(ステップ416)。SMS−IWMSC106は、配信レポートをIP−SM−GW118に転送する(ステップ418)。配信レポートには、SMSC104への配信が成功したか、または失敗したかに関する指示が含まれる。配信に失敗した場合、SMSC104は、SMS−IWMSC106にレポートし戻し、SMS−IWMSC106は、SMSメッセージを再転送しようと試みる。リトライの回数が閾値を超えた場合、配信失敗レポートが、UE122に送信されることになる。
【0036】
IP−SM−GW118は、専用のメカニズムおよび/またはプロトコルを使用して、配信レポートをUE122に送信する。好ましい実施形態では、配信レポートは、SMPPなどのIPベースの送信によって送信される。配信レポートは、SMSメッセージがSMSC104に配信されたことを確認するものであるか、または、SMSメッセージを配信できなかったことと、その失敗の理由とを、UE122に通知するものである。
【0037】
メッセージ受信の場合と同様に、UE122のフロントエンドとして動作するIP−SM−GW118により、TS 23.040 v6.3.0(2004−03)において定義されたメカニズムを用いて、メッセージ送信に関するエラー処理が実行されることが好ましいが、その他のエラー処理技術が用いられてもよい。
【0038】
I−WLAN UE側における新たなプロシージャの実装が低減され、I−WLAN UE側では、単純なオペレーションのみが実行されて、SMSデータの受信が確認されるか、または、再送信するために、失敗(corrupt)メッセージがレポートされる。
【0039】
図5は、SIP/IMSを使用して、WLAN UE122からショートメッセージを送信する方法500のフロー図である。UE122は、IMS登録プロシージャにしたがって、S−CSCF502に登録される(ステップ510)。この登録情報は、HSS/HLR108にも記憶される。UE122は、ケーパビリティレポートをIP−SM−GW118に送信する(ステップ512)。UEのケーパビリティには、例えば、メモリサイズ、ターミナルのタイプ、スクリーンサイズ、および、UEがセッション開始プロトコル(SIP)をサポートするか否かに関する情報が含まれる。IP−SM−GW118は、UEのケーパビリティを使用して、SMSターミナルプロキシオペレーションが可能となるようにする。これにより、IP−SM−GW118は、UE122に関する全てのSMS制御メッセージを処理することが可能となる。
【0040】
UE122は、SIP MESSAGEメソッドを用いて、SMSメッセージをS−CSCF502に送信する(ステップ514)。S−CSCF502は、フィルタ情報に基づいて、SIP MESSAGE(SMSメッセージ)をIP−SM−GW118に転送する(ステップ516)。IP−SM−GW118は、SIP 202 AcceptedメッセージをS−CSCF502に送信する(ステップ518)。これにより、IP−SM−GW118は、SIP MESSAGE(SMSメッセージ)を受信したことを示す。このメッセージ受信情報は、SIP 202 Acceptedメッセージにより、S−CSCF502からUE122に転送される(ステップ520)。
【0041】
IP−SM−GW118は、SIP MESSAGEフォーマットからSMSメッセージを抽出し、標準MAPシグナリングを使用して、そのSMSメッセージをSMS−IWMSC106に転送する(ステップ522)。SMSC104のアドレスは、SIP MESSAGEのR−URIからか、または、SMSの内在情報(content)から抽出される。SMS−IWMSC106は、SMSメッセージをSMSC104に転送する(ステップ524)。
【0042】
SMSC104は、配信レポートをSMS−IWMSC106に送信する(ステップ526)。この配信レポートは、SMSC104がSMSメッセージを受信したという通知である。SMS−IWMSC106は、配信レポートをIP−SM−GW118に転送する(ステップ528)。IP−SM−GW118は、SIP MESSAGEメソッドを用いて、配信レポートをS−CSCF502に転送する(ステップ530)。S−CSCF502は、SIP MESSAGE(配信レポート)をUE122に転送する(ステップ532)。UE122は、200 OKメッセージをS−CSCF502に送信する(ステップ534)。これにより、UE122は、SIP MESSAGE(配信レポート)を受信したことを通知する。次いで、200 OKメッセージが、S−CSCF502からIP−SM−GW118に送信される(ステップ536)。
【0043】
本発明の特徴および要素を、好ましい実施形態における特定の組合せをもって、説明したが、各特徴または各要素は、(好ましい実施形態のその他の特徴および要素なしで)単独で使用することもできるし、本発明のその他の特徴および要素の有無に関係なく、様々な組合せをもって、使用することもできる。