特許第6193965号(P6193965)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6193965
(24)【登録日】2017年8月18日
(45)【発行日】2017年9月6日
(54)【発明の名称】マイクロ振動モーター
(51)【国際特許分類】
   H02K 33/04 20060101AFI20170828BHJP
   B06B 1/04 20060101ALI20170828BHJP
【FI】
   H02K33/04 A
   B06B1/04 S
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-252960(P2015-252960)
(22)【出願日】2015年12月25日
(65)【公開番号】特開2017-34962(P2017-34962A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2015年12月25日
(31)【優先権主張番号】201520573253.8
(32)【優先日】2015年7月31日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515342457
【氏名又は名称】エーエーシー テクノロジーズ ピーティーイー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC TECHNOLOGIES PTE.LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(74)【代理人】
【識別番号】100171310
【弁理士】
【氏名又は名称】日東 伸二
(72)【発明者】
【氏名】マオ ルゥビン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ホンシン
【審査官】 マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−183583(JP,A)
【文献】 特開2009−240046(JP,A)
【文献】 特表2005−532771(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103812298(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第103762815(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0018364(US,A1)
【文献】 米国特許第08766494(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 33/04
B06B 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納空間が設けられた筐体と、弾性ブラケットと、振動子と、電気信号を提供するFPCとを含み、前記振動子が前記弾性ブラケットを介して前記収納空間にサスペンションされているマイクロ振動モーターであって、
前記振動子は、磁石鋼が収納設置される上振動子と、上振動子に平行し、間隔を隔てて設置される下振動子とを含み、
前記下振動子において、前記磁石鋼と平行に設置され、前記磁石鋼が線形往復振動するように前記磁石鋼を駆動するコイルが、設けられており、
前記上振動子および下振動子はそれぞれ前記弾性ブラケットにより支持固定されており、
前記弾性ブラケットは、前記筐体と固定接続される固定部と、前記固定部の両端からそれぞれ延伸する環状弾性アームとを含み、
前記環状弾性アームは少なくとも部分的に前記振動子を取り囲み、且つ前記環状弾性アームの末端は前記振動子と固定接続しており、
前記弾性ブラケットは、前記上振動子を支持する第1弾性ブラケットと、前記下振動子を支持する第2弾性ブラケットとを含み、
前記第1弾性ブラケットと第2弾性ブラケットとは、互いに逆向きに設置されていることを特徴とするマイクロ振動モーター。
【請求項2】
前記環状弾性アームは、
前記固定部の両端からそれぞれ延伸する第1サイドアームおよび第2サイドアームと、
前記第1サイドアームおよび第2サイドアームからそれぞれ延伸し、且つ前記振動子と固定接続される第1挟持部および第2挟持部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ振動モーター。
【請求項3】
前記第1サイドアームと前記固定部とがなす角は、前記第1サイドアームと前記第1挟持部との間のなす角よりも小さく、
前記第2サイドアームと前記固定部とがなす角は、前記第2サイドアームと前記第2挟持部との間のなす角よりも小さいことを特徴とする請求項に記載のマイクロ振動モーター。
【請求項4】
前記第1サイドアームおよび第2サイドアームはそれぞれが前記固定部となす角は等しく、
前記第1サイドアームおよび第2サイドアームがそれぞれ前記第1挟持部および第2挟持部となす角は等しいことを特徴とする請求項または請求項に記載のマイクロ振動モーター。
【請求項5】
前記下振動子は、収納空間を有する下カウンターウェイトと、FPC基板と、コイルとを含み、
前記収納空間は、前記上振動子側を向いて設置されており、
前記FPC基板およびコイルは、前記収納空間に収納されており、
前記FPC基板が前記コイルと接続されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ振動モーター。
【請求項6】
前記収納空間に固定される下ポールピースをさらに含み、
前記下ポールピースは、前記コイルにおける、前記上振動子から離れる一方の側に位置することを特徴とする請求項に記載のマイクロ振動モーター。
【請求項7】
前記コイルは、2つであり、
前記2つのコイルは、並列に設置され、且つFPC基板を介して直列接続されていることを特徴とする請求項に記載のマイクロ振動モーター。
【請求項8】
上ポールピースをさらに含み、
前記上ポールピースは、前記上振動子における、前記下振動子から離れる一方の側に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ振動モーター。
【請求項9】
前記弾性ブラケットに設置される半田付ラグをさらに含み、
前記半田付ラグは、前記固定部における、前記振動子に近い一方の側、および前記第1挟持部と第2挟持部とにおける前記振動子から離れる一方の側に設けられていることを特徴とする請求項に記載のマイクロ振動モーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動のフィードバックの分野に関し、特に電子製品におけるマイクロ振動モーターに関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術の発展に伴い、携帯型の消費者向け電子製品がますます人々から好まれるようになっており、例えば携帯電話、携帯型ゲーム機、ナビゲーション装置、または携帯型マルチメディア娯楽用機器などにおいて、通常システムのフィードバックとして、振動モーターが用いられており、例えば携帯電話の着信時のリマインド、情報の提示、ナビゲーションの提示、ゲーム機の振動フィードバックなどが挙げられる。このような幅広い応用の中で、振動モーターに対して振動効果が顕著であり、且つ実装が簡単であることが要求されている。
【0003】
現在、収納空間が設けられた筐体と、振動子と、振動子を支持するための弾性ブラケットとを含む扁平状のリニア振動モータが多く用いられている。該リニア振動モータにおいて、1つの振動子のみが設けられており、振動子ごとに2つまたは4つのU字型構造の弾性ブラケットが設置される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構造には、1つの振動子による振動により得られる効果が弱く、且つ構成素子が多く、実装時間が長く、効率が低いといった欠点が存在する。
【0005】
そのため、上記課題を解決するために、新規的なマイクロ振動モーターを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
振動モーターの振動効果が弱く、構成素子が多く、且つ実装時間が長いという従来の関連技術における技術的課題を解決するために、本発明が解決しようとする技術的課題は、振動効果が強く、且つ実装時間が短いマイクロ振動モーターを提供することである。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、収納空間が設けられた筐体と、弾性ブラケットと、振動子と、電気信号を提供するFPCとを含むマイクロ振動モーターを提供し、前記振動子が前記弾性ブラケットを介して前記収納空間にサスペンションされており、前記振動子は、磁石鋼が収納設置される上振動子と、上振動子に平行し、間隔を隔てて設置される下振動子とを含み、前記下振動子において、前記磁石鋼と平行に設置され、前記磁石鋼が線形往復振動するように前記磁石鋼を駆動するコイルが、設けられており、前記上振動子および下振動子はそれぞれ前記弾性ブラケットにより支持固定されており、前記弾性ブラケットは、前記筐体と固定接続される固定部と、前記固定部の両端からそれぞれ延伸する環状弾性アームとを含み、前記環状弾性アームは少なくとも部分的に前記振動子を取り囲み、且つ前記環状弾性アームの末端は前記振動子と固定接続されている。
なお、本明細書中において、振動子が弾性ブラケットを介して収納空間にサスペンションされている状態とは、該収納空間内に浮いた状態で該弾性ブラケットに支持されている状態をいう。
【0008】
好ましくは、前記弾性ブラケットは、前記上振動子を支持する第1弾性ブラケットと、前記下振動子を支持する第2弾性ブラケットとを含み、前記第1弾性ブラケットと第2弾性ブラケットとは、互いに逆向きに設置されている。
【0009】
好ましくは、前記環状弾性アームは、前記固定部の両端からそれぞれ延伸する第1サイドアームおよび第2サイドアームと、前記第1サイドアームおよび第2サイドアームからそれぞれ延伸し、且つ前記振動子と固定接続される第1挟持部および第2挟持部と、を含む。
【0010】
好ましくは、前記第1サイドアームと前記固定部とがなす角は、前記第1サイドアームと前記第1挟持部との間のなす角よりも小さく、前記第2サイドアームと前記固定部とがなす角は、前記第2サイドアームと前記第2挟持部との間のなす角よりも小さい。
【0011】
好ましくは、前記第1サイドアームおよび第2サイドアームがそれぞれ前記固定部となす角は等しく、前記第1サイドアームおよび第2サイドアームがそれぞれ前記第1挟持部および第2挟持部となす角は等しい。
【0012】
好ましくは、前記下振動子は、収納空間を有する下カウンターウェイトと、FPC基板と、コイルとを含み、前記収納空間は、前記上振動子側に近づき、設置されており、前記FPC基板およびコイルは、前記収納空間に収納されており、前記FPC基板が前記コイルと対応的に接続されている。
【0013】
好ましくは、前記マイクロ振動モーターは前記収納空間に固定される下ポールピースをさらに含み、前記下ポールピースは、前記コイルにおける、前記上振動子から離れる一方の側に位置する。
【0014】
好ましくは、前記コイルは2つであり、前記2つのコイルは、並列に設置され、且つFPC基板を介して直列接続されている。
【0015】
好ましくは、前記マイクロ振動モーターは上ポールピースをさらに含み、前記上ポールピースは、前記上振動子における、前記下振動子から離れる一方の側に固定されている。
【0016】
好ましくは、前記マイクロ振動モーターは、前記弾性ブラケットに設置される半田付ラグをさらに含み、前記半田付ラグは、前記固定部における、前記振動子に近い一方の側、および前記第1挟持部と第2挟持部とにおける、前記振動子から離れる一方の側に設けられている。
【発明の効果】
【0017】
関連する技術に比べ、本発明に係るマイクロ振動モーターは下記有益な効果を有する。すなわち、前記二層振動子の構造が設けられているため、振動モーターの振動効果が著しく向上し、また、前記弾性ブラケットが全体として環状構造であり、前記振動子ごとに1つの前記弾性ブラケットのみを設ければよいため、部材の数の減少、実装時間の短縮、および効率の向上が実現されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係るマイクロ振動モーターの分解斜視図である。
図2】本発明に係るマイクロ振動モーターの第1弾性ブラケットの斜視図である。
図3】本発明に係るマイクロ振動モーターの一部の構成の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面と実施形態を組み合わせ、本発明についてさらに説明する。
【0020】
図1に示すように、図1は、本発明に係るマイクロ振動モーターの分解斜視図である。本発明に係るマイクロ振動モーター10は、筐体11、振動子12、弾性ブラケット14、上ポールピース15、及び下ポールピース16を含む。
【0021】
前記筐体11は、底面111、壁112およびカバー板113を含む。
【0022】
前記壁112は、互いに平行する2つの第1壁1121および第2壁1122を含む。
【0023】
前記底面111は前記カバー板113に対向し、間隔を隔てて設置されている。前記振動子12、弾性ブラケット14、上ポールピース15および下ポールピース16を収納するため、前記壁112は、前記底面111および前記カバー板113とともに収納空間を構成する。
【0024】
前記振動子12は、順次に積層設置される上振動子121と下振動子122とを含む。
【0025】
前記上振動子121は、上カウンターウェイト1211と磁石鋼1212とを含み、前記上カウンターウェイト1211には貫通孔12111が設けられており、前記磁石鋼1212は、対応的に前記貫通孔12111内に固定されている。
【0026】
前記下振動子122は、収納空間12211を有する下カウンターウェイト1221と、並列に設置される2つのコイル1222と、FPC基板1223とを含む。前記収納空間1221は、前記上振動子121側に近接して設置されており、前記FPC基板1223は前記コイル1222と対応的に接続しており、且つ共に前記下カウンターウェイト1221の前記収納空間12211に収納されている。
【0027】
前記FPC基板1223が2つの前記コイル1222に接続されており、前記上振動子121と下振動子122とが二層振動子を構成している。この構成により、前記マイクロ振動モーター10内部の電磁界力を著しく向上させ、前記マイクロ振動モーター10の振動効果をさらに向上させる。
【0028】
前記振動子12は、前記弾性ブラケット14の一端に接続され、前記弾性ブラケット14を介して前記収納空間内にサスペンション固定されている。また、前記振動子12は、前記筐体11の底面111に平行する方向に沿って振動する。
【0029】
前記弾性ブラケット14の他端は、前記筐体11に接続されている。
【0030】
前記弾性ブラケット14は、前記上振動子121を支持固定する第1弾性ブラケット141と、前記下振動子122を支持固定する第2弾性ブラケット142とを含む。前記2つの弾性ブラケット141および142の構造は完全に同じであり、且つ、前記第1弾性ブラケット141は第2弾性ブラケット142に平行し、且つそれらは逆向きに設置されている。
【0031】
図2を参照する。図2は、図1に示されるマイクロ振動モーターの第1弾性ブラケットの斜視図である。前記第1弾性ブラケット141および前記第2弾性ブラケット142はいずれも、固定部1411、環状弾性アーム1412および半田付ラグ1413を含む。
【0032】
前記環状弾性アーム1412は、第1サイドアーム14121、第2サイドアーム14122、第1挟持部14123、および第2挟持部14124を含む。
【0033】
前記固定部1411は、全体として長尺状であり、その両端がそれぞれ前記第1サイドアーム14121および第2サイドアーム14122に接続されている。前記第1サイドアーム14121の両端は、それぞれ前記固定部1411および前記第1挟持部14123に接続されている。前記第2サイドアーム14122の両端は、それぞれ前記固定部1411および前記第2挟持部14124に接続されている。前記第1サイドアーム14121、第2サイドアーム14122は、それぞれ前記固定部1411の両端から、同一側に向けて折り曲げて延伸するように形成される。前記固定部1411と前記第1サイドアーム14121との間のなす角をα1とし、前記固定部1411と前記第2サイドアーム14122との間のなす角をα2とすると、前記α1はα2と等しい。また、前記第1挟持部14123、前記第2挟持部14124は、それぞれ前記第1サイドアーム14121、第2サイドアーム14122における、前記固定部1411から離れる一端から、反対側に向けて折り曲げて延伸するように形成される。前記第1サイドアーム14121と前記第1挟持部14123との間のなす角をβ1とし、前記第2サイドアーム14122と前記第2挟持部14124との間のなす角をβ2とすると、前記β1はβ2とは等しい。前記固定部1411、第1サイドアーム14121、第2サイドアーム14122、第1挟持部14123、第2挟持部14124は一体的に成形され、共にC字型の構造を構成する。前記振動子12は、前記C字型構造の中空領域に、対応的に収納される。
前記弾性ブラケット141、142において、前記固定部1411は弧状である。そのため、前記固定部1411が前記壁112を完全に貼り合わせるのではなく、前記環状弾性アーム1412が十分自由に揺り動かすことが可能である。
【0034】
前記挟持部14123、14124端部は、自由端になるように設置されている。そのため、前記弾性ブラケット141、142が他の素子を挟持する場合、前記弾性ブラケット141、142自体の弾性変形特性により、外力を受けるとき、前記挟持部14123、14124は、前記固定部1411に対して設定範囲内において相対的に弾性変形すると共に、元の状態に回復する傾向が生じ、このような元の状態に回復する弾力により、前記振動子121、122が効果的にその中に固定され、前記弾性ブラケット141、142の弾性による被覆固定の作用が実現される。
【0035】
前記半田付ラグ1413は、前記固定部1411における、前記振動子121に近づく一方の側、および前記挟持部14123、14124における、前記振動子121、122から離れる一方の側に設置されている。
【0036】
前記上ポールピース15は、前記上振動子121における、前記下振動子122から離れる一方の側に固定される。前記下ポールピース16は、前記下振動子122の前記収納空間1221に固定されると共に、前記コイル1222における、前記上振動子121から離れる一方の側に位置する。前記上ポールピース15と下ポールピース16により、磁束漏れを防止し、電磁界力を向上させ、前記マイクロ振動モーター10の振動効果を向上させる。
【0037】
前記マイクロ振動モーター10の実装は、下記ステップを含む。
【0038】
まず、前記振動子12、弾性ブラケット14、上ポールピース15、および下ポールピース16を収納するように、筐体11を提供する。
【0039】
次に、前記磁石鋼1212を前記上カウンターウェイト1211における前記貫通孔12111に固定し、前記上ポールピース15を前記上カウンターウェイト1211の表面に固定する。
【0040】
次に、2つの前記コイル1222および前記FPCシート1223の底面を同じ平面に位置させるとともに、前記FPCシート1223を2つの前記コイル1222の間に直列接続し、前記FPCシート1223を2つの前記コイル1222とともに前記下ポールピース16の表面に固定し、前記下ポールピース16のもう一つの面を前記下カウンターウェイト1221の前記収納空間12211に固定する。
【0041】
そして、前記上振動子121を前記第1弾性ブラケット141のC字型の被覆空間内に設置すると共に、前記挟持部14123、14124の内側を前記上振動子121の側面に接続する。前記上振動子121における、前記上ポールピース15が固定される一方の側を上向きにしたまま、前記第1弾性ブラケット141的C字型の被覆空間の開口を前記第1壁1121に近づけ、前記第1弾性ブラケット141の前記固定部1411の外側を前記第2壁1122に接続する。
【0042】
さらに、前記下振動子122を前記第2弾性ブラケット142のC字型の被覆空間内に設置すると共に、前記第2弾性ブラケット142の前記挟持部14123、14124の内側を前記下振動子122の側面に接続し、前記下振動子122における、前記コイル1222が固定される一方の側を、前記上振動子121における、前記上ポールピース15から離れる一方の側に近づける。また、前記振動子121、122は間隔を隔てて平行し、積層設置されている。前記第2弾性ブラケット142のC字型の被覆空間の開口を前記第2壁1122に近づけ、前記固定部1411の外側を前記第1壁1121に接続する。
【0043】
図3を参照する。図3は、図1に示されるマイクロ振動モーターの一部の構成の底面図である。上述した実装のステップに従い、前記第1弾性ブラケット141と第2弾性ブラケット142とを逆向きに平行に設置することで、前記マイクロ振動モーター10の内部構成の実装を完了する。
【0044】
最後に、前記筐体11の前記カバー板113を前記筐体11の壁112と接続し、このように、前記マイクロ振動モーター10の実装を全部完了する。
【0045】
前記マイクロ振動モーター10が振動状態にあるとき、α1およびα2のいずれもをβ1およびβ2よりも小さくすることで、前記上振動子121または下振動子122が常に前記弾性ブラケット141、142による被覆の範囲内において振動するようにし、且つ、前記弾性ブラケット141、142は前記上振動子121又は下振動子122に対し、回復力を提供する。また、このような構成により、電子製品が縦方向に落下したとき、振動子の変位を制限し、前記振動子121、122が前記弾性ブラケット141、142の被覆範囲から脱出することを防止することができる。また、α1をα2と等しく、且つβ1をβ2と等しくすることで、振動中の前記振動子121、122の左右の振幅を一致させることができる。
【0046】
関連する技術に比べ、本発明に係るマイクロ振動モーター10において、前記上振動子121と下振動子122とからなる二層振動子の構造が採用されることにより、前記マイクロ振動モーター10内部における電磁界力を著しく向上させ、前記マイクロ振動モーター10の振動効果をさらに向上させる。また、前記弾性ブラケット141、142は、全体として環状構造であり、前記振動子121、122ごとに1つの前記弾性ブラケット141、142のみを設ければよいため、実装の時間が短くなる。
【0047】
上述したのは、本発明の実施例にすぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。本発明の明細書および図面に基づいた等価な構成や等価なフロー変換、または、直接的もしくは間接的に他の関連する技術分野に応用することは、いずれも同様に本発明の保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3